説明

新しいペンダント基を有するアクリル樹脂

【課題】 印刷用版材に用いるネガ型感光性樹脂組成物の一成分であるアルカリ可溶性樹脂のアクリル樹脂の提供。
【解決手段】 式:


[式中、Xは同一または異なって、水素またはメチル基を示し、nは1〜3の整数を示し、Rは置換を有してもよいアルキル鎖を示し、Pは式:


で表わされる基であり、Aはジオール化合物からOH基を除いたものを表わす。]
で表わされるペンダント基を一つ以上有するアクリル樹脂およびその合成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規なペンダント基を有するアクリル樹脂、特にアクリル樹脂に結合する不飽和二重結合量を増加する手段としてウレタン結合を介して導入する方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
新聞などの印刷には、コンピュータの画像データに基づいてレーザー光で直接版材に描画をする方法が検討されている。特に、赤外に出力を有する半導体レーザーや固体レーザーは、安定性、コスト、出力、コンパクトさに特徴があるため、このようなレーザーに適合する波長領域に感光特性を有する感光性樹脂組成物(特に、照射部分が硬化するネガ型感光性樹脂組成物)の開発が望まれている。
【0003】
そのような、ネガ型の印刷の版材に用いられている感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂、赤外吸収色素、重合開始剤およびエチレン性不飽和二重結合含有化合物を含有するのが一般的である。この組成物は光が照射された場合に、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物が重合して、硬化物を形成する。光が当らない部分は、アルカリ可溶性の性質に基づいて現像除去される。このような組成物は、一般的に耐久性や密着性などの性能が要求されている。耐久性を導入するために、アルカリ可溶性樹脂の側鎖に二重結合を導入することが考えられている(特許文献1:特開2000−1873225号公報)。
【特許文献1】特開2000−1873225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、上記アクリル樹脂の不飽和二重結合量を増加させると共に、アクリル樹脂骨格と不飽和二重結合との間に特定の機能、特に活性メチレン基導入により酸素による重合阻害抑制機能を付与する機能性官能基を設けた新しいアクリル樹脂を考案し、完成させた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明は式:
【化1】

[式中、Xは同一または異なって、水素またはメチル基を示し、nは1〜3の整数を示し、Rは置換を有してもよいアルキル鎖を示し、Pは式:
【化2】

で表わされる基であり、Aはジオール化合物からOH基を除いたものを表わす。]
で表わされるペンダント基を一つ以上有するアクリル樹脂を提供する。
【0006】
また、本発明のペンダント基を導入する前のアクリル樹脂は式:
【化3】

[式中、mは正の整数を示し、Wは同一または異なって、水素またはメチル基を示し、Yは同一または異なって、水素またはフェニル基を示し、Zは同一または異なって、水素またはカルボキシル基、またはそのメチルエステルもしくはヒドロキシエチルエステルを示す。但し、Yがフェニル基の場合、Zは水素、Wは水素であり、Yが水素の場合、Zはカルボキシル基、またはそのメチルエステルもしくはヒドロキシエチルエステルである。]
で表わされ、樹脂水酸基価5〜100mgKOH/gおよび樹脂酸価30〜250mgKOH/gを有する。
【0007】
さらに、アクリル樹脂は具体的には式:
【化4】

[式中、a、b、cおよびdは正の整数を示し(但し、bは0の場合もある。)、Tが式(1)のペンダント基である。但し、各構成単位は、式の順序にこだわらず、ランダムまたはブロックでアクリル樹脂内に出現する。]
で表わされる。
【0008】
また、上記式(1)中、Rは
【化5】

である。
【0009】
さらにまた、式(1)中、Aがアルカンジオール、ポリアルキレングリコール、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオールまたはポリエステルジオールからOH基を除いたものであるのが好ましい。
【0010】
式(1)中のAは更にはトリエチレングリコール、ポリカーボネートジオールまたはテトラヒドロ無水フタル酸と1,6−ヘキサンジオールの縮合ジオールからOH基を除いたものである。
【0011】
上記アクリル樹脂は、式(5):
【化6】

[式中、Aは前記と同意義。]
で表わされるジオールと、該ジオールの少なくとも2倍モル量のイソホロンジイソシアネートとを反応して、式(6)
【化7】

[式中、AおよびPは前記と同意義。]
で表わされるジイソシアネート化合物を合成し、次いで式(7)
【化8】

で表わされるポリアクリレートモノアルコールと反応して、式(8)
【化9】

[式中、X、n、R、PおよびAは前記と同意義。]
で表わされるハーフブロック化イソシアネート化合物を得、これをヒドロキシル基およびカルボキシル基を有するアクリル樹脂(3)と反応することにより得られる。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、基本のアクリル樹脂骨格に存在するヒドロキシル基およびカルボキシル基を用いて、不飽和二重結合を1〜3個有する化合物をその間に機能性材料と呼ばれるポリマー状ジオールを介在させて結合する。結合された不飽和二重結合は、一つのペンダント基に少なくとも1〜3個の不飽和二重結合を有し、多官能化することにより硬化性が向上する。また、アクリル樹脂骨格と不飽和二重結合との間に介在させる機能材料は、支持体への濡れ性や、重合官能基の運動性さらには、活性メチレン基により酸素による重合阻害抑制機能を付与することができる。また、アクリル樹脂と機能材料との間、および機能材料と不飽和二重結合化合物との間はイソホロンジイソシアネートに基づくウレタン結合により結合する。イソホロンジイソシアネートは、後述するようにイソシアネート基の反応性が異なるので、反応の制御が行いやすく、それぞれの基の導入が容易に行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のアクリル樹脂は、下記式(1)
【化10】

[式中、X、n、RおよびAさらにはPは、前記と同意義。]
で表わされるペンダント基を1つ以上有する。このペンダント基の結合端はアクリル樹脂骨格にぶら下がる形で付加されるが、その付加はウレタン結合であるので、ヒドロキシル基およびカルボキシル基を有するアクリル樹脂と反応することにより式(1)で表わされるペンダント基が導入される。上記化学式(1)は、
【化11】

で表わされるジオール化合物(機能材料ポリマー状ジオール)をイソホロンジイソシアネートと反応させて、両末端をイソシアネート基とした後、(ポリ)アクリレートモノアルコールで一方の端を封鎖し、式(8)
【化12】

で表わされるハーフブロック化イソシアネート化合物を得る。これを前述のヒドロキシル基およびカルボキシル基を有するアクリル樹脂(3)と反応することにより形成される。
【0014】
上記式(5)のジオール化合物は、本発明ではその役割を「機能性材料」と位置づけ、ポリアルキレングリコール、アルカンジオール、トリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオールまたはポリエステルジオールからなる群から選択される。特に好ましい機能性ジオールは、トリエチレングリコール、ポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ(株式会社)製PCDX−02)および二塩基酸およびその無水物と二官能性アルコールの縮合物(より好ましくは、テトラヒドロ無水フタル酸と1,6−ヘキサンジオールの縮合ジオールであるが、その他の二塩基酸としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸やメチルシクロヘキサントリカルボン酸無水物などがあり、また、その他の二官能アルコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンチレンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、水添ビスフェノールAなどがある。)が挙げられる。
【0015】
機能性ジオールをイソホロンジイソシアネートと反応するのであるが、イソホロンジイソシアネートは、次の化学式で説明される。
【化13】

【0016】
この式から明らかなように、イソシアネート基(N=C=O)は、その結合部位の立体的環境によって、反応性が異なる。上記化学式の(k)の部分がより高い反応性を有している。従って、イソホロンジイソシアネートを上記ジオール化合物(5)と反応すると、反応の高いイソシアネート基とジオール化合物の水酸基とが優先的に反応する。
【0017】
反応は、両末端のヒドロキシル基がイソホロンジイソシアネートと反応するので、ジオール化合物1モルにつき、イソホロンジイソシアネートが2モル以上の量で反応させる必要がある。反応条件はスズ系触媒を使用すれば、80℃で1時間保温すれば十分である。
【0018】
得られた式(6)に示されるジイソシアネート化合物は、次いで式(7)で表わされる(ポリ)アクリレートモノアルコールと反応させて一方のイソシアネート基を消費して、式(8)に示されるハーフブロック化イソシアネート化合物を得る。反応条件はスズ系触媒を使用すれば、80℃で1時間保温すれば十分である。
【0019】
使用される(ポリ)アクリレートモノアルコールは、式(7)に示すようにアクリレート基が1つ以上(好ましくは1〜3個)を有し、ヒドロキシル基が少なくとも1つである化合物である。尚、「(ポリ)」という表現は、ポリ−でない場合を含む意味で用いており、具体的には、モノ−、ジ−、トリ−などが包含される。そのような化合物の例としては、n=1の場合2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、または2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸;n=2の場合、グリセリンジメタクリレートまたは2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート;n=3の場合、ペンタエリスリトールポリアクリレートなど種々の化合物が挙げられる。これらの化合物の中で、ペンタエルスリトールトリアクリレート(新中村化学工業(株)製A−TMM−3L;n=3)および2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート(共栄社化学(株)製ライトエステルG−201P;n=2)が好ましい。特に、ペンタエルスリトールトリアクリレートが、重合性二重結合が3官能であるので好ましい。
【0020】
得られたハーフブロック化イソシアネート化合物(8)はヒドロキシル基およびカルボキシル基を有するアクリル樹脂と反応することによりアクリル樹脂にペンダントされる。ヒドロキシル基およびカルボキシル基を有するアクリル樹脂は、ヒドロキシル基を有するモノマー及びカルボキシル基を有するモノマーを重合させたもの、ヒドロキシル基を有するモノマーと酸無水物を有するモノマーを共重合させ、酸無水物部分を加水分解もしくはハーフエステル化させたもの、などが一般的である。
【0021】
ヒドロキシル基を有するモノマーとしては、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートやこれらにε―カプロラクトンモノマーの付加物などが挙げられる。
【0022】
カルボキシル基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、メタクリル酸2−アクリルサクシノロイルオキシエチル、メタクリル酸2−マレインノロイルオキシエチル、メタクリル酸2−フタロイルオキシエチル、メタクリル酸2−ヘキサヒドロフタロイルオキシメチル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、プロトン酸などが挙げられる。上記ヒドロキシル基を有するモノマーとカルボキシル基を有するモノマーを共重合してもよいが、一般的には別の不飽和モノマーも含めて共重合する。
【0023】
そのような一般的な不飽和モノマーの例としては、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、メチルアクリル酸グリシジル、プロトン酸グリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸クロライド、ベンジル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−ジメチルアミド、N−メタクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミドなどが挙げられる。
【0024】
また、もしマレイン酸をスチレン、α−メチルスチレンなどと共重合させて、無水マレイン酸ユニット部分をメタノール、プロパノール、ブタノールなどの一価アルコールでハーフエステル化あるいは水による加水分解させた樹脂も挙げられる。
【0025】
本発明のペンダント基(T)を導入する前のアクリル樹脂は式(3)
【化14】

[式中、mは正の整数を示し、Wは同一または異なって、水素またはメチル基を示し、Yは同一または異なって、水素またはフェニル基を示し、Zは同一または異なって、水素またはカルボキシル基、またはそのメチルエステルもしくはヒドロキシエチルエステルを示す。但し、Yがフェニル基の場合、Zは水素、Wは水素であり、Yが水素の場合、Zはカルボキシル基、またはそのメチルエステルもしくはヒドロキシエチルエステルである。]
で表わされる樹脂水酸基価5〜100mgKOH/gおよび樹脂酸価30〜250mgKOH/gを有するアクリル樹脂である。
【0026】
ヒドロキシル基およびカルボキシル基を有するアクリル樹脂(3)と、上記ハーフブロック化イソシアネート化合物(8)との反応は、上述と同様にスズ触媒の存在下で、80℃で赤外吸収スペクトルの2270cm−1のイソシアネート基の吸収ピークが消滅するまで反応させて行われる。
【0027】
上記反応により得られたアクリル樹脂は、式(4):
【化15】

[式中、a、b、cおよびdは正の整数を示し(bは0である場合もある)、Tは式(1)のペンダント基である。但し、各構成単位は、式の順序にこだわらず、ランダムまたはブロックでアクリル樹脂内に出現する。]
で表わされるアクリル樹脂が最も好ましくなる。
【0028】
ここで、ペンダント基は、アクリル樹脂の分子中に少なくとも1つ以上有し、好ましくは2〜15個、さらに好ましくは3〜8個有する。
【実施例】
【0029】
本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。本発明はこれらに実施例に限定されるものと解してはならない。
【0030】
(3):樹脂合成例
アクリル樹脂Aの合成
4リッターコルベンにジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)1260グラムを仕込み、撹拌しながら110℃に昇温する。この中に予め精秤したスチレン(ST)285グラム、メチルメタクリレート(MMA)582グラム、メタクリル酸(MAA)276グラム及び2ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)56グラムの混合物とカヤエステルO開始剤6グラムをDMDG360グラムに溶解した混合物を別々の経路から3時間を要して滴下する。滴下終了後30分後にさらにカヤエステルO開始剤1グラムをDMDG180グラムに溶解した混合物を30分で滴下し、滴下終了後120℃に昇温して2時間キープ後冷却してアクリル樹脂Aを合成した。この樹脂Aの組成比は式(4)において、a:b:c:d=22.49:47.69:26.31:3:51(モル%)であった。得られた樹脂の赤外吸収スペクトルを図1に示す。赤外吸収スペクトルの吸収ピークの帰属は、下記の通りである。
【0031】
1)3500cm−1にOH基の伸縮振動による吸収
2)1730cm−1にメタクリル酸由来C=O基の伸縮振動による吸収
3)1450cm−1にC−H基の伸縮振動による吸収
4)1150cm−1にC−O基の伸縮振動による吸収
5)1105cm−1にC−H基の面内変角振動による吸収
6)700cm−1にベンゼン核の変角振動による吸収
が認められ、目的のアクリル樹脂Aが合成できていることが確認できる。
【0032】
また、配合量から計算すると、酸価(樹脂酸価)は150mgKOH/gであり、水酸基価(樹脂水酸基価)は20mgKOH/gであった。
【0033】
アクリル樹脂Aの樹脂特性は不揮発分40.4%、気泡粘度Z4−Z5、ワニス樹脂酸価59mgKOH/gであった。ポリスチレン換算のGPC測定で、数平均分子量(Mn)は20,300、重量平均分子量(Mw)は64,500で、分子量分布比(Mw/Mn)は3.17であった。
【0034】
ハーフブロック化イソシアネートBの合成
3リッターコルベンにイソホロンジイソシアネート(IPDI)2モル(444グラム)とメチルイソブチルケトン(MIBK)371グラムを仕込み、撹拌しながら80℃に昇温する。この中に予め精秤したトリエチレングリコール(TEG)1モル(150グラム)とジブチルスズジラウレート(DBTL)0.7グラムをMIBK148グラムに溶解した混合物を1時間で滴下する。滴下後1時間保温後、この中に予め精秤したペンタエルスリトールトリアクリレート(新中村化学工業(株)A−TMM−3L)1モル(519グラム)と4−メトキシフェノール(MEHQ)2.2グラムをMIBK222グラムに溶解した混合物を1時間で滴下する。滴下終了後1時間後から赤外線分光器で2270cm−1イソシアネート基の吸収ピークを追跡し、この吸収強度が一定になったら反応を終了し、ハーフブロック化イソシアネートBを合成した。得られたハーフブロック化イソシアネートBの赤外吸収スペクトルを図2に示す。赤外吸収スペクトルの吸収ピークの帰属は、下記の通りである。また、式(7)で示されるアクリレート基の数であるnは3である。
【0035】
1)3330cm−1にN−H基の伸縮振動による吸収
2)2270cm−1にN=C=O基の伸縮振動による吸収
3)1730cm−1にメタクリル酸由来C=O基の伸縮振動による吸収
4)1720cm−1にウレタン結合由来C=O基の伸縮振動による吸収
5)1640cm−1にC=C基の伸縮振動による吸収
6)1540cm−1にC−N基による伸縮振動及びN−H基の変角振動による吸収
7)1180cm−1にC−O基の伸縮振動による吸収
8)1060cm−1にC−O−C基の伸縮振動による吸収
が認められ、目的のハーフブロック化イソシアナートBが合成できていることが確認できる。
【0036】
ハーフブロック化イソシアネートCの合成
3リッターコルベンにイソホロンジイソシアネート(IPDI)2モル(444グラム)とメチルイソブチルケトン(MIBK)488グラムを仕込み、撹拌しながら80℃に昇温する。この中に予め精秤したポリカーボネートジオールPCDX−02(旭化成ケミカルズ(株)製)1モル(500グラム)とジブチルスズジラウレート(DBTL)0.9グラムをMIBK195グラムに溶解した混合物を1時間で滴下する。滴下後1時間保温後、この中に予め精秤したペンタエルスリトールトリアクリレート(新中村化学工業(株)製A−TMM−3L)1モル(519グラム)と4−メトキシフェノール(MEHQ)2.9グラムをMIBK292グラムに溶解した混合物を1時間で滴下する。滴下終了後1時間後から赤外線分光器で2270cm−1のイソシアナート基の吸収ピークを追跡し、この吸収強度が一定になったら反応を終了し、ハーフブロック化イソシアネートCを合成した。得られたハーフブロック化イソシアネートCの赤外吸収スペクトルを図3に示す。赤外吸収スペクトルの吸収ピークの帰属は、下記の通りである。また、式(7)中のnの値は3である。
【0037】
1)3330cm−1にN−H基の伸縮振動による吸収
2)2270cm−1にN=C=O基の伸縮振動による吸収
3)1760cm−1にカーボネート由来C=O基の伸縮振動による吸収
4)1730cm−1にメタクリル酸由来C=O基の伸縮振動による吸収
5)1720cm−1にウレタン結合由来C=O基の伸縮振動による吸収
6)1640cm−1にC=C基の伸縮振動による吸収
7)1540cm−1にC−N基による伸縮振動及びN−H基の変角振動による吸収
8)1180cm−1にC−O基の伸縮振動による吸収
9)1060cm−1にC−O−C基の伸縮振動による吸収
が認められ、目的のハーフブロック化イソシアナートCが合成できていることが確認できる。
【0038】
テトラヒドロ無水フタル酸と1,6ヘキサンジオールの縮合ジオールDの合成
3リッターコルベンにテトラヒドロ無水フタル酸(THPA)456グラムと1,6ヘキサンジオール(1,6HD)473グラムとジブチル錫オキサイド1.7グラムを仕込み、撹拌しながら150℃に昇温し、1時間保持する。この後3時間掛けて220℃まで昇温して脱水反応を進行させ、樹脂固形分酸価3.8mgKOH/g以下になるまで反応させる。反応終了後90℃まで冷却し、この中に予め精秤したMIBK192グラムを徐々に投入して希釈する。縮合ジオールDの仕上がりワニス樹脂特性値は不揮発分80.2%、粘度G−H’、樹脂固形分酸価1.6mgKOH/gであった。ポリスチレン換算のGPC測定で、数平均分子量(Mn)は1,470、重量平均分子量(Mw)は2,400で、分子量分布比(Mw/Mn)は1.63であった。得られたテトラヒドロ無水フタル酸と1,6ヘキサンジオールの縮合ジオールDの赤外吸収スペクトルを図4に示す。赤外吸収スペクトルの吸収ピークの帰属は、下記の通りである。
【0039】
1)3500cm−1にO−H基の伸縮振動による吸収
2)2950〜2850cm−1にC−H基の伸縮振動による吸収
3)1740cm−1にテトラヒドロフタル酸由来C=O基の伸縮振動による吸収
4)1645cm−1にオレフィン由来C=C基の伸縮振動による吸収
5)1300cm−1にエステル由来C=O基の伸縮振動による吸収
6)1160cm−1にC−O基の伸縮振動による吸収
7)1060cm−1にC−O−C基の伸縮振動による吸収
が認められ、目的の縮合ジオールDが合成できていることが確認できる。
【0040】
ハーフブロック化イソシアネートEの合成
3リッターコルベンにイソホロンジイソシアネート(IPDI)2モル(444グラム)とメチルイソブチルケトン(MIBK)613グラムを仕込み、撹拌しながら80℃に昇温する。この中に予め上記で合成した精秤したテトラヒドロ無水フタル酸と1,6−ヘキサンジオールの縮合ジオールD1モル(1096グラム)をMIBK245グラムに溶解した混合物を1時間で滴下する。滴下後1時間保温後、この中に予め精秤したペンタエルスリトールトリアクリレート(新中村化学工業(株)製A−TMM−3L)1モル(519グラム)と4−メトキシフェノール(MEHQ)2.5グラムをMIBK368グラムに溶解した混合物を1時間で滴下する。滴下終了後1時間後から赤外線分光器で2270cm−1のイソシアネート基吸収ピークを追跡し、この吸収強度が一定になったら反応を終了し、ハーフブロック化イソシアネートEを合成した。得られたハーフブロック化イソシアネートEの赤外吸収スペクトルを図5に示す。赤外吸収スペクトルの吸収ピークの帰属は、下記の通りである。また、式(7)中のnの値は3である。
【0041】
1)3330cm−1にN−H基の伸縮振動による吸収
2)2270cm−1にN=C=O基の伸縮振動による吸収
3)1730cm−1にテトラヒドロフタル酸由来C=O基の伸縮振動による吸収
4)1720cm−1にウレタン結合由来C=O基の伸縮振動による吸収
6)1640cm−1にC=C基の伸縮振動による吸収
7)1540cm−1にC−N基による伸縮振動及びN−H基の変角振動による吸収
8)1180cm−1にC−O基の伸縮振動による吸収
9)1060cm−1にC−O−C基の伸縮振動による吸収
が認められ、目的のハーフブロック化イソシアナートEが合成できていることが確認できる。
【0042】
ハーフブロック化イソシアネートFの合成
2リッターコルベンにイソホロンジイソシアネート(IPDI)2モル(444グラム)とメチルイソブチルケトン(MIBK)269グラムを仕込み、撹拌しながら80℃に昇温する。この中に予め精秤したトリエチレングリコール(TEG)1モル(150グラム)とジブチルスズラウレート(DBTL)0.5グラムをMIBK108グラムに溶解した混合物を1時間で滴下する。滴下後1時間保温後、この中に予め精秤した2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート(共栄社化学(株)製ライトエステルG−201P)1モル(214グラム)と4−メトキシフェノール(MEHQ)1.6グラムをMIBK162グラムに溶解した混合物を1時間で滴下する。滴下終了後1時間後から赤外線分光器で2270cm−1イソシアネート基の吸収ピークを追跡し、この吸収強度が一定になったら反応を終了し、ハーフブロック化イソシアネートFを合成した。また、式(7)中のnの値は2である。
【0043】
樹脂Iの合成
4リッターコルベンにアクリル樹脂Aを2000グラム、溶剤DMDGを704グラム、触媒DBTLを0.8グラム及び重合禁止剤MEHQ2.3グラム仕込み、撹拌しながら80℃に昇温する。この中に予め精秤したハーフブロック化イソシアネートB585グラムを1時間を要して徐々に滴下する。滴下終了後1時間後から赤外線分光器で2270cm−1イソシアネート基の吸収ピークを追跡し、この吸収強度がゼロになったら反応を終了し、目的の樹脂Iを合成した。ここで得られた樹脂のペンダント基の数は3である。樹脂Iの樹脂特性値は不揮発分34.8%、気泡粘度V”−W、ワニス樹脂酸価27.3mgKOH/gであった。ポリスチレン換算のGPC測定で、数平均分子量(Mn)は4,960、重量平均分子量(Mw)は54,500で、分子量分布比(Mw/Mn)は10.99であった。得られた樹脂Iの赤外吸収スペクトルを図6に示す。赤外吸収スペクトルの吸収ピークの帰属は、下記の通りである。
【0044】
1)3330cm−1にN−H基の伸縮振動による吸収
2)2950〜2850cm−1にC−H基の伸縮振動による吸収
3)1730cm−1にメタクリル酸由来C=O基の伸縮振動による吸収
4)1720cm−1にウレタン結合由来C=O基の伸縮振動による吸収
5)1640cm−1にC=C基の伸縮振動による吸収
6)1540cm−1にC−N基による伸縮振動及びN−H基の変角振動による吸収
7)1450cm−1にC−H基の伸縮振動による吸収
8)1150cm−1にC−O基の伸縮振動による吸収
9)1105cm−1にC−H基の面内変角振動による吸収
10)1060cm−1にC−O−C基の伸縮振動による吸収
11)700cm−1にベンゼン核の変角振動による吸収
が認められ、目的の樹脂Iが合成できていることが確認できる。
【0045】
樹脂IIの合成
4リッターコルベンにアクリル樹脂Aを2000グラム、溶剤DMDGを835グラム、触媒DBTLを0.8グラム及び重合禁止剤MEHQ2.5グラムを仕込み、撹拌しながら80℃に昇温する。この中に予め精秤したハーフブロック化イソシアネートC769グラムを1時間を要して徐々に滴下する。滴下終了後1時間後から赤外線分光器で2270cm−1イソシアネート基の吸収ピークを追跡し、この吸収強度がゼロになったら反応を終了し、目的の樹脂IIを合成した。樹脂IIの樹脂特性値は不揮発分34.6%、粘度V−W、ワニス樹脂酸価25.4mgKOH/gであった。ポリスチレン換算のGPC測定で、数平均分子量(Mn)は6,400、重量平均分子量(Mw)は53,600で、分子量分布比(Mw/Mn)は8.36であった。得られた樹脂IIの赤外吸収スペクトルを図7に示す。赤外吸収スペクトルの吸収ピークの帰属は、下記の通りである。また、ここで得られた樹脂のペンダント基の数は3である。
【0046】
1)3330cm−1にN−H基の伸縮振動による吸収
2)2950〜2850cm−1にC−H基の伸縮振動による吸収
3)1760cm−1にカーボネート由来C=O基の伸縮振動による吸収
4)1730cm−1にメタクリル酸由来C=O基の伸縮振動による吸収
5)1720cm−1にウレタン結合由来C=O基の伸縮振動による吸収
6)1640cm−1にC=C基の伸縮振動による吸収
7)1540cm−1にC−N基による伸縮振動及びN−H基の変角振動による吸収
8)1450cm−1にC−H基の伸縮振動による吸収
9)1150cm−1にC−O基の伸縮振動による吸収
10)1105cm−1にC−H基の面内変角振動による吸収
11)1060cm−1にC−O−C基の伸縮振動による吸収
12)700cm−1にベンゼン核の変角振動による吸収
が認められ、目的の樹脂IIが合成できていることが確認できる。
【0047】
樹脂IIIの合成
5リッターコルベンにアクリル樹脂Aを2000グラム、溶剤DMDGを1025グラム、触媒DBTLを0.9グラム及び重合禁止剤MEHQ2.8グラムを仕込み、撹拌しながら80℃に昇温する。この中に予め精秤したハーフブロック化イソシアネートE1036グラムを1時間を要して徐々に滴下する。滴下終了後1時間後から赤外線分光器で2270cm−1イソシアネート基の吸収ピークを追跡し、この吸収強度がゼロになったら反応を終了し、目的の樹脂IIIを合成した。樹脂IIIの樹脂特性値は不揮発分35.2%、気泡粘度I、ワニス樹脂酸価23.4mgKOH/gであった。ポリスチレン換算のGPC測定で、数平均分子量(Mn)は5,910、重量平均分子量(Mw)は48,000で、分子量分布比(Mw/Mn)は8.31であった。得られた樹脂IIIの赤外吸収スペクトルを図8に示す。赤外吸収スペクトルの吸収ピークの帰属は、下記の通りである。また、ここで得られたペンダント基の数は3である。
【0048】
1)3330cm−1にN−H基の伸縮振動による吸収
2)2950〜2850cm−1にC−H基の伸縮振動による吸収
3)1740cm−1にテトラヒドロフタル酸由来C=O基の伸縮振動による吸収
4)1730cm−1にメタクリル酸由来C=O基の伸縮振動による吸収
5)1720cm−1にウレタン結合由来C=O基の伸縮振動による吸収
6)1640cm−1にC=C基の伸縮振動による吸収
7)1540cm−1にC−N基による伸縮振動及びN−H基の変角振動による吸収
8)1450cm−1にC−H基の伸縮振動による吸収
9)1150cm−1にC−O基の伸縮振動による吸収
10)1105cm−1にC−H基の面内変角振動による吸収
11)1060cm−1にC−O−C基の伸縮振動による吸収
12)700cm−1にベンゼン核の変角振動による吸収
が認められ、目的の樹脂IIIが合成できていることが確認できる。
【0049】
樹脂IVの合成
10リッターコルベンにアクリル樹脂Aを2000グラム、溶剤DMDGを1765グラム、触媒DBTLを1.3グラム及び重合禁止剤MEHQ4.1グラムを仕込み、撹拌しながら80℃に昇温する。この中に予め精秤したハーフブロック化イソシアネートE2071グラムを1時間を要して徐々に滴下する。滴下終了後1時間後から赤外線分光器で2270cm−1イソシアネート基の吸収ピークを追跡し、この吸収強度がゼロになったら反応を終了し、目的の樹脂IVを合成した。樹脂IVの樹脂特性値は不揮発分34.9%、気泡粘度S、ワニス樹脂酸価15.6mgKOH/gであった。ポリスチレン換算のGPC測定で、数平均分子量(Mn)は4,500、重量平均分子量(Mw)は37,200で、分子量分布比(Mw/Mn)は8.28であった。得られた樹脂IVの赤外吸収スペクトルを図9に示す。赤外吸収スペクトルの吸収ピークの帰属は、下記の通りである。また、ここで得られたペンダント基の数は6である。
【0050】
1)3330cm−1にN−H基の伸縮振動による吸収
2)2950〜2850cm−1にC−H基の伸縮振動による吸収
3)1740cm−1にテトラヒドロフタル酸由来C=O基の伸縮振動による吸収
4)1730cm−1にメタクリル酸由来C=O基の伸縮振動による吸収
5)1720cm−1にウレタン結合由来C=O基の伸縮振動による吸収
6)1640cm−1にC=C基の伸縮振動による吸収
7)1540cm−1にC−N基による伸縮振動及びN−H基の変角振動による吸収
8)1450cm−1にC−H基の伸縮振動による吸収
9)1150cm−1にC−O基の伸縮振動による吸収
10)1105cm−1にC−H基の面内変角振動による吸収
11)1060cm−1にC−O−C基の伸縮振動による吸収
12)700cm−1にベンゼン核の変角振動による吸収
が認められ、目的の樹脂IVが合成できていることが確認できる。
【0051】
樹脂Vの合成
4リッターコルベンにアクリル樹脂Aを2000グラム、溶剤DMDGを589グラム、触媒DBTLを0.7グラム及び重合禁止剤MEHQ2.1グラムを仕込み、80℃に昇温する。この中に予め精秤したハーフブロック化イソシアネートF425グラムを1時間を要して徐々に滴下する。滴下終了後1時間後から赤外線分光器で2270cm−1イソシアネート基の吸収ピークを追跡し、この吸収強度がゼロになったら反応を終了し、目的の樹脂Vを合成した。樹脂Vの樹脂特性値は不揮発分34.7%、気泡粘度Q−R、ワニス樹脂酸価31.9mgKOH/gであった。また、ここで得られたペンダント基の数は3である。
【0052】
本発明の樹脂をアルカリ可溶性樹脂として用いて、感光性樹脂組成物を形成し、それを基板に塗布して、印刷版を作成した。その印刷版を用いて、露光現像を行い画像を形成した。得られた画像は、印刷特性が優れたものであった。
【0053】
上記感光性樹脂組成物の配合例は、以下の通りである。
樹脂/DPHA(1)/近赤外吸収色素(2)/有機ホウ素塩(3)/トリアジン(4)/顔料=100/100/5/5/5/10(固形分重量比)
但し
(1):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(2):1,1,5,5‐テトラキス[4‐(ジエチルアミノ)フェニル]‐1,4‐ペンタジエン‐3‐イリウム‐P‐トリエンスルホネート(吸収波長:817nm)
(3):テトラn−ブチルアンモニウムトリフェニルn−ブチルボレート
(4):2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−S−トリアジン
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】アクリル樹脂Aの赤外吸収スペクトルを示す図。
【図2】ハーフブロック化イソシアネートBの赤外吸収スペクトルを示す図。
【図3】ハーフブロック化イソシアネートCの赤外吸収スペクトルを示す図。
【図4】テトラヒドロ無水フタル酸と1,6ヘキサンジオールの縮合ジオールDの赤外吸収スペクトルを示す図。
【図5】ハーフブロック化イソシアネートEの赤外吸収スペクトルを示す図。
【図6】樹脂Iの赤外吸収スペクトルを示す図。
【図7】樹脂IIの赤外吸収スペクトルを示す図。
【図8】樹脂IIIの赤外吸収スペクトルを示す図。
【図9】樹脂IVの赤外吸収スペクトルを示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

[式中、Xは同一または異なって、水素またはメチル基を示し、nは1〜3の整数を示し、Rは置換を有してもよいアルキル鎖を示し、Pは式:
【化2】

で表わされる基であり、Aはジオール化合物からOH基を除いたものを表わす。]
で表わされるペンダント基を一つ以上有するアクリル樹脂。
【請求項2】
ペンダント基を導入する前のアクリル樹脂が式:
【化3】

[式中、mは正の整数を示し、Wは同一または異なって、水素またはメチル基を示し、Yは同一または異なって、水素またはフェニル基を示し、Zは同一または異なって、水素またはカルボキシル基、またはそのメチルエステルもしくはヒドロキシエチルエステルを示す。但し、Yがフェニル基の場合、Zは水素、Wは水素であり、Yが水素の場合、Zはカルボキシル基、またはそのメチルエステルもしくはヒドロキシエチルエステルである。]
で表わされ、樹脂水酸基価5〜100mgKOH/g及び樹脂酸価30〜250mgKOH/gを有する請求項1記載のアクリル樹脂。
【請求項3】
アクリル樹脂が式:
【化4】

[式中、a、b、cおよびdは正の整数を示し(但し、bは0の場合もある。)、Tが式(1)のペンダント基である。但し、各構成単位は、式の順序にこだわらず、ランダムまたはブロックでアクリル樹脂内に出現する。]
で表わされる請求項1記載のアクリル樹脂。
【請求項4】
式(1)中、Rが
【化5】

で表わされる請求項1記載のアクリル樹脂。
【請求項5】
式(1)中、Aがアルカンジオール、ポリアルキレングリコール、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオールまたはポリエステルジオールからOH基を除いたものである請求項1記載のアクリル樹脂。
【請求項6】
式(1)中、Aがトリエチレングリコール、ポリカーボネートジオール、またはテトラヒドロ無水フタル酸と1,6−ヘキサンジオールの縮合ジオールからOH基を除いたものである請求項1記載のアクリル樹脂。
【請求項7】
式(5):
【化6】

[式中、Aは前記と同意義。]
で表わされるジオールと、該ジオールの少なくとも2倍モル量のイソホロンジイソシアネートとを反応して、式(6)
【化7】

[式中、AおよびPは前記と同意義。]
で表わされるジイソシアネート化合物を合成し、次いで式(7)
【化8】

で表わされるポリアクリレートモノアルコールと反応して、式(8)
【化9】

[式中、X、n、R、PおよびAは前記と同意義。]
で表わされるハーフブロック化イソシアネート化合物を得、これをヒドロキシル基およびカルボキシル基を有するアクリル樹脂(3)と反応することを特徴とする請求項1記載のアクリル樹脂の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−119689(P2007−119689A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−316829(P2005−316829)
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(000230054)日本ペイント株式会社 (626)
【Fターム(参考)】