説明

新聞巻取紙無人搬送車

【課題】A巻・C巻・D巻の各種の新聞巻取紙にその太さに関係なく対応可能であって、低床化・軽量化・省エネルギー化を図り、メンテナンス性の向上を図った新聞巻取紙無人搬送車を提供する。
【解決手段】新聞巻取紙を保管場所と輪転機の設置場所との間で無人搬送する走行機構120と、走行機構120に取り付けられ新聞巻取紙を垂直方向に昇降し輪転機に対して装着・回収する昇降ユニット140とを具備し、昇降ユニット140が、走行路面に対して平行に並設された2本の昇降フレーム141と昇降フレーム141を昇降駆動する昇降手段143と2本の昇降フレーム141の間隔を所定間隔に維持する円弧状の繋ぎ部材142と2本の昇降フレーム141の上面にそれぞれ形成されたリニアガイド144とリニアガイド144を跨ぎスライド移動する移動テーブル145とを備えていることにより上記の課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新聞巻取紙を保管場所と輪転機の設置場所との間で無人搬送する新聞巻取紙無人搬送車に関するものであって、さらに詳しくは、新聞巻取紙を垂直方向に昇降し輪転機に対して装着・回収する昇降ユニットを備えた新聞巻取紙無人搬送車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、新聞社等においては、輪転機に対して新しい新聞巻取紙を供給したり、使用途中の新聞巻取紙を回収するために新聞巻取紙無人搬送車が一般に用いられている。そして、新聞巻取紙には、A巻と呼ばれる長さが1626mmのものと、C巻と呼ばれる長さが1219mmのものと、D巻と呼ばれる長さが813mmのものが汎用されている。
【0003】
図7は、従来より用いられている新聞巻取紙無人搬送車(以下、「無人搬送車」と称する)が、未使用のD巻の新聞巻取紙R2を輪転機に装着する状態を示した概略側面図である。無人搬送車200は、新聞巻取紙を保管場所と輪転機の設置場所との間を、例えば、走行路面Fに敷設された電磁誘導線が発生する電磁波や磁気テープが発生する磁束や反射テープで誘導されて無人搬送する走行機構220と、その走行機構220に取り付けられ新聞巻取紙R2を垂直方向に昇降する昇降ユニット240を具備している。
【0004】
この昇降ユニット240は、昇降テーブル241と、その昇降テーブル241を昇降駆動するX字状のパンタアームと称するインナーアーム243aとアウターアーム243bとを有する昇降手段243を有している。さらに、昇降テーブル241の上面に2本のリニアガイド244が平行に形成されており、そのリニアガイド244を跨ぎスライド移動する移動テーブル245が設置されている。
【0005】
新聞巻取紙の保管場所で移動テーブル245上に新聞巻取紙R2を搭載した無人搬送車200は、輪転機の給紙装置に対峙して備えられた固定側巻取紙保持アームAと移動側巻取紙保持アームBの下方に進入する。そして、新聞巻取紙R2の巻心Cの中心軸C1が、固定側巻取紙保持アームAに装着されている固定側コーンA1の中心軸及び移動側巻取紙保持アームBに装着されている移動側コーンB1の中心軸とを結んだ中心軸Dとが一致する位置になるように、昇降ユニット240が移動テーブル245上の新聞巻取紙R2を上昇させる。そして、移動側巻取紙保持アームBを固定側巻取紙保持アームA方向に水平移動させて、移動側コーンB1を新聞巻取紙R2の巻心Cの一方の開口端部C2と嵌合させる。さらに、移動側巻取紙保持アームBを固定側巻取紙保持アームA方向に移動させると、新聞巻取紙R2を搭載した移動テーブル245が昇降テーブル241のリニアガイド244上をスライドし、新聞巻取紙R2が、固定側巻取紙保持アームAの固定側コーンA1と巻心Cの他方の開口端部C3が嵌合し、輪転機の給紙装置への新聞巻取紙R2の装着が完了する。このように新聞巻取紙R2の半径が、移動側巻取紙保持アームBの半径よりも大きい場合、新聞巻取紙が、A巻・C巻・D巻のいずれの場合であっても支障なく輪転機に対して装着・回収を行うことができる。
【0006】
図8は、前述した図7に示したのと同じ無人搬送車200が、使用途中のA巻の新聞巻取紙R3を輪転機から回収する状態を示した概略側面図である。A巻の軸方向の長さは、昇降テーブル241よりも十分に長いため、無人搬送車200は、新聞巻取紙R3を挟持している輪転機の固定側巻取紙保持アームAと移動側巻取紙保持アームBの下方に進入することができる。そして、移動側巻取紙保持アームBが、固定側巻取紙保持アームAから遠ざかるように後退することによって、新聞巻取紙R3が、固定側巻取紙保持アームAと移動側巻取紙保持アームBとの挟持から解放される。そして、昇降テーブル241が下降し、走行機構220によって、新聞巻取紙の保管場所まで無人搬送される。
【特許文献1】特許第3162661号公報(特に、第3頁、図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述した無人搬送車200では、図9に示すように、C巻又はD巻の使用途中であって、半径が移動側巻取紙保持アームBの半径より細い新聞巻取紙R4を輪転機に装着しようとした場合、移動側巻取紙保持アームBを固定側巻取紙保持アームA方向に近づける際に、移動側巻取紙保持アームBと昇降テーブル241の縁とが、Eの部分で衝突するため、C巻又はD巻の使用途中の細い新聞巻取紙R4を装着・回収することができないという課題があった。
【0008】
従って、従来は、A巻・C巻・D巻の新聞巻取紙を共通の無人搬送車200で輪転機に対して装着・回収するためには、輪転機の移動側巻取紙保持アームBと昇降テーブル241との干渉を避けるための嵩上げ台250を、図10に示すように、移動テーブル245の上に載置する必要があった。この作業は、人手によって行っていたため、能率が悪く作業負担が大きかった。さらに、走行路面Fから輪転機の給紙装置までの高さが低い場合、嵩上げ台250の高さが障害になって、輪転機の給紙装置の下に無人搬送車200が進入できないという課題があった。
【0009】
さらに、従来の無人搬送車200は、昇降ユニット240が下降すると走行機構220の開口部が昇降テーブル241によって塞がれてしまうため、走行機構220の内部の確認が困難であり、例えば、キャスターや昇降ユニット240などのメンテナンスが困難であった。また、昇降テーブル241が、かなりの重量を有しているため無人搬送車200自身の重量が重くなり、走行時及び昇降時のエネルギー消費量が大きくエネルギー効率が悪かった。
【0010】
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題、すなわち、本発明の目的は、A巻・C巻・D巻の各種の新聞巻取紙にその太さに関係なく対応可能であって、低床化・軽量化・省エネルギー化を図り、メンテナンス性の向上を図った無人搬送車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
まず、本請求項1に係る発明は、新聞巻取紙を保管場所と輪転機の設置場所との間を無人搬送する走行機構と、該走行機構に取り付けられ前記新聞巻取紙を垂直方向に昇降し前記輪転機の対峙する巻取紙保持アームに対して装着・回収する昇降ユニットとを具備した新聞巻取紙無人搬送車において、前記昇降ユニットが、走行路面に対して平行に並設された2本の昇降フレームと該昇降フレームを昇降駆動する昇降手段と前記2本の昇降フレームの間隔を所定間隔に維持して前記巻取紙保持アームとの干渉を回避する円弧状の繋ぎ部材と前記2本の昇降フレーム上面にそれぞれ形成されたリニアガイドと該リニアガイドを跨ぎスライド移動する移動テーブルとを備えていることにより、前記課題を解決したものである。
【0012】
また、本請求項2に係る発明は、請求項1に係る新聞巻取紙無人搬送車の構成に加えて、前記昇降手段が、前記昇降フレームと昇降ベースの片端部にそれぞれ一端が枢設されているとともに他端が前記昇降フレームと昇降ベースに沿ってスライドする一対のX字状のパンタアームを有していることにより、前記課題を解決したものである。
【0013】
そして、本請求項3に係る発明は、請求項2に係る新聞巻取紙無人搬送車の構成に加えて、前記一対のX字状のパンタアームが、各々、インナーアームとアウターアームとによって構成されているとともに、前記インナーアームとアウターアームが、各々、前記昇降フレームが昇降範囲の上限付近に位置する場合において前記輪転機の巻取紙保持アームとの干渉を回避するように配置されたインナー間隔保持棒及びアウター間隔保持棒を有していることにより、前記の課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の新聞巻取紙無人搬送車は、新聞巻取紙を保管場所と輪転機の設置場所との間を無人搬送する走行機構と、この走行機構に取り付けられ新聞巻取紙を垂直方向に昇降し輪転機の対峙する巻取紙保持アームに対して装着・回収する昇降ユニットとを具備していることによって、輪転機に対する新聞巻取紙の装着・回収作業が人手を介さず行うことができるため、新聞巻取紙の装着・回収時の作業負担が著しく軽減でき、加えて、以下のような特有の構成に対応した格別の効果を奏することができる。
【0015】
すなわち、本請求項1に係る新聞巻取紙無人搬送車によれば、昇降ユニットが、走行路面に対して平行に並設された2本の昇降フレームとこの昇降フレームを昇降駆動する昇降手段と2本の昇降フレームの間隔を所定間隔に維持して前記巻取紙保持アームとの干渉を回避する円弧状の繋ぎ部材と2本の昇降フレーム上面にそれぞれ形成されたリニアガイドとこのリニアガイドを跨ぎスライド移動する移動テーブルとを備えていることにより、輪転機の巻取紙保持アームと昇降ユニットの干渉が回避されるため、A巻・C巻・D巻の各種の新聞巻取紙にその太さに関係なく対応可能であるとともに低床化・軽量化・省エネルギー化が実現でき、メンテナンス性も向上する。
【0016】
また、本請求項2に係る新聞巻取紙無人搬送車によれば、請求項1に係る新聞巻取紙無人搬送車が奏する効果に加えて、昇降手段が、昇降フレームと昇降ベースの片端部にそれぞれ一端が枢設されるとともに他端が昇降フレームと昇降ベースに沿ってスライドする一対のX字状のパンタアームを有していることにより、昇降手段が降下した際に昇降フレーム及びパンタアームが走行機構内にすべて収納されるため、無人搬送車の一層の低床化が実現できる。
【0017】
そして、本請求項3に係る新聞巻取紙無人搬送車によれば、請求項2に係る新聞巻取紙無人搬送車が奏する効果に加えて、一対のX字状のパンタアームが、各々、インナーアームとアウターアームとのよって構成されているとともに、前記インナーアームとアウターアームが、各々、前記昇降フレームが昇降範囲の上限付近に位置する場合において前記輪転機の巻取紙保持アームとの干渉を回避するように配置されたインナー間隔保持棒及びアウター間隔保持棒を有していることによって、パンタアームを構成するインナーアーム及びアウターアームの間隔が所定間隔に維持されるため、円弧状の繋ぎ部材が奏する効果と相俟って、昇降フレームの平行度が維持される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の新聞巻取紙無人搬送車は、新聞巻取紙を保管場所と輪転機の設置場所との間を無人搬送する走行機構と、この走行機構に取り付けられ新聞巻取紙を垂直方向に昇降し輪転機の対峙する巻取紙保持アームに対して装着・回収する昇降ユニットを具備するとともに、この昇降ユニットが、走行路面に対して平行に並設された2本の昇降フレームとこの昇降フレームを昇降駆動する昇降手段と2本の昇降フレームの間隔を所定間隔に維持して前記巻取紙保持アームとの干渉を回避する円弧状の繋ぎ部材と2本の昇降フレーム上面にそれぞれ形成されたリニアガイドとこのリニアガイドを跨ぎスライド移動する移動テーブルとを備えているものであって、A巻・C巻・D巻の各種の新聞巻取紙にその太さに関係なく対応可能であって、低床化・軽量化が図られ、メンテナンス性の向上が図られるものであれば、その具体的な実施の態様は、如何なるものであっても何ら構わない。
【0019】
本発明の一実施例を図1乃至図6に基づいて説明する。図1は、本発明の無人搬送車の全体斜視図であり、図2は、図1に示した無人搬送車の昇降ユニットと輪転機の給紙装置との関係を矢視II方向から見た時の側面図であり、図3は、図1に示した無人搬送車の昇降ユニットと輪転機の給紙装置との関係を矢視III方向から見た時の側面図である。また、図4は、本発明の無人搬送車により、使用途中のD巻の新聞巻取紙R1を輪転機の給紙装置に左端揃えで装着しようとしている時の側面図であり、図5は、使用途中のD巻の新聞巻取紙R1を輪転機の給紙装置に左端揃えで装着完了した時の側面図であり、図6は、使用途中のD巻の新聞巻取紙R1を輪転機の給紙装置に右端揃えで装着完了した時の側面図である。
【0020】
本発明の無人搬送装置100は、図1に示すように、新聞巻取紙を保管場所と輪転機の設置場所との間を無人搬送する走行機構120と、この走行機構120に取り付けられ新聞巻取紙を垂直方向に昇降し輪転機に対して装着・回収する昇降ユニット140を具備している。
【0021】
そして、昇降ユニット140は、走行路面に対して平行に並設された2本の昇降フレーム141と、この昇降フレーム141を昇降駆動する昇降手段143と、2本の昇降フレーム141の間隔を所定間隔に維持する円弧状の繋ぎ部材142と、2本の昇降フレーム141の上面にそれぞれ形成されたリニアガイド144と、このリニアガイド144を跨ぎスライド移動する移動テーブル145を備えている。
【0022】
また、本実施例において用いられた昇降手段143は、2本の昇降フレーム141の対向する内側面に形成されたスライドレール141aの一端側に回動ピン143fによって一端が枢設された一対のアウターアーム143bと、スライドレール141bに案内されてインナーローラ143gを介して一端がスライドする一対のインナーアーム143aとを備えた一対のX字状のパンタアームを有している。
【0023】
このアウターアーム143bとインナーアーム143aは、それぞれのほぼ中心で連結ピン143iにより軸支されている。そして、アウターアーム143bの他端は、昇降ベース146上をアウターローラ143hを介してスライド可能に支持されており、インナーアーム143aの他端は、昇降ベース146の一端側に図示はされていない回動ピンによって、枢設されている。
【0024】
さらに、一対のX字状のパンタアームの間隔を保つため、インナーアーム143aにインナー間隔保持棒143dが固設されており、アウターアーム143bにアウター間隔保持棒143eが固設されている。インナー間隔保持棒143dとアウター間隔保持棒143eは、昇降フレームが昇降範囲の上限付近に位置する場合において、円弧状の繋ぎ部材142の内周の最下面よりも低い位置に取り付けられている。また、インナー間隔保持棒143dよりも下方であって、且つ、連結ピン143iよりも上方に昇降支持棒143jが固設されている。さらに、アウターアーム143bのスライド端側、すなわち、アウターローラ143hが軸支されている側にスライド支持棒143kが設けられており、このスライド支持棒143kと昇降支持棒143jとの間に2本の油圧シリンダ143cが装着されている。
【0025】
この油圧シリンダ143cの油圧を高めていくことにより、インナーアーム143aとアウターアーム143bの交差角が小さくなっていき、昇降フレーム141が上昇していく。逆に、油圧シリンダ143cの油圧を下げていくことにより、インナーアーム143aとアウターアーム143bの交差角が大きくなっていき、昇降フレーム141が下降していく。そして、最終的には、昇降フレーム141は、走行機構120の中に収納される。
【0026】
次に、図2及び図3に基づき、本発明の無人搬送車に具備された昇降ユニット140と輪転機の給紙装置との関係を説明する。なお、図2及び図3においては、走行機構の記載を省略している。図2及び図3において、参照符号Gは、輪転機の給紙装置の三又リールを示している。そして、この三又リールGには、未使用の新聞巻取紙R0と使用途中の新聞巻取紙R1が装着されている。使用途中の新聞巻取紙R1は、昇降ユニット140の移動テーブル145上に載置されている。そして、三又リールGに取り付けられた移動側巻取紙保持アームBと固定側巻取紙保持アームAとが新聞巻取紙R1を挟持している。
【0027】
一対の昇降フレーム141は、円弧状の繋ぎ部材142により所定間隔に維持されるとともに、インナーアーム143aを所定間隔に保持するインナー間隔保持棒143d(図2参照)とアウターアーム143bを所定間隔に保持するアウター間隔保持棒143e(図3参照)は、昇降フレームが昇降範囲の上限付近に位置する場合において、円弧状の繋ぎ部材142の内周の最下面よりも低い位置に取り付けられている。そのため、固定側巻取紙保持アームA及び移動側巻取紙保持アームBは、昇降ユニット140のどこの部分とも干渉することなく、移動テーブル145上に載置された新聞巻取紙R1を挟持することができる。
【0028】
次に、図4及び図5に基づき、本発明の無人搬送車に具備された昇降ユニット140がD巻の使用途中にある新聞巻取紙R1を輪転機の給紙装置に装着する時の動作を説明する。移動テーブル145上に新聞巻取紙R1を搭載した無人搬送車100は、固定側巻取紙保持アームA及び移動側巻取紙保持アームBが対峙している輪転機の給紙装置の下方に進入する。この時、昇降ユニット140の構成要素は、すべて走行機構120の中に収納された状態であるので、給紙装置と走行床面Fとの距離が短い場合であっても無人搬送車100は、給紙装置の下方に円滑に進入することができる。そして、新聞巻取紙R1の巻心Cの中心軸C1が、固定側巻取紙保持アームAに装着されている固定側コーンA1の中心軸及び移動側巻取紙保持アームBに装着されている移動側コーンB1の中心軸とを結んだ中心軸Dとが一致する位置になるように、昇降ユニット140が、移動テーブル145に載置された新聞巻取紙R1を上昇させる。そして、移動側巻取紙保持アームBを固定側巻取紙保持アームAの方向に水平移動させて、移動側コーンB1を新聞巻取紙R1の巻心Cの一方の開口端部C2と嵌合させる。
【0029】
さらに、移動側巻取紙保持アームBを固定側巻取紙保持アームA方向に移動させると、新聞巻取紙R1を搭載した移動テーブル145が昇降フレーム141に形成されたリニアガイド144上をスライドし、固定側巻取紙保持アームAの固定側コーンA1と新聞巻取紙R1の巻心Cの他方の開口端部C3とが嵌合し、図5に示したように、輪転機の給紙装置への新聞巻取紙R1の装着が完了する。
【0030】
なお、前述の実施例では、固定側巻取紙保持アームAが左側にあり、右側に位置する移動側巻取紙保持アームBが水平移動して新聞巻取紙を装着する、いわゆる、左端揃えの場合について説明したが、図6に示すように、右側を固定側巻取紙保持アームAとし、左側に位置する移動側巻取紙保持アームBが水平移動して新聞巻取紙を装着する、いわゆる、右端揃えの場合であっても同様に機能する。
【0031】
このように本発明の無人搬送車は、従来の無人搬送車が有していた昇降テーブルをなくし、移動テーブル145を所定間隔を維持した一対の昇降フレーム141が支持するとともに、昇降フレーム141の間隔を所定間隔に維持する繋ぎ部材142を円弧状としたため、輪転機の移動側巻取紙保持アームBが昇降ユニット140と干渉することなく移動テーブル145上の新聞巻取紙R1に接近することができる。その結果、A巻・C巻・D巻の各種の新聞巻取紙に対して、その太さに関係なく対応可能となり、使用途中のC巻及びD巻を装着・回収する時に必要であった嵩上げ台が不要になるため低床化が実現でき、また、昇降テーブルをなくしたことにより軽量化・省エネルギー化が達成でき、さらに、無人搬送車の上部が開放されるので、無人搬送車の内部の点検等が容易になり、メンテナンス性の向上が実現できるなど、その効果は甚大である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の無人搬送車の全体斜視図。
【図2】図1に示した無人搬送車の昇降ユニットを矢視II方向から見た時の側面図。
【図3】図1に示した無人搬送車の昇降ユニットを矢視III方向から見た時の側面図。
【図4】使用途中のD巻の新聞巻取紙を左端揃えで装着する時の側面図。
【図5】使用途中のD巻の新聞巻取紙を左端揃えで装着完了した時の側面図。
【図6】使用途中のD巻の新聞巻取紙を右端揃えで装着完了した時の側面図。
【図7】従来の無人搬送車が未使用のD巻の新聞巻取紙を装着する時の側面図。
【図8】従来の無人搬送車が使用途中のA巻の新聞巻取紙を回収する時の側面図。
【図9】従来の無人搬送車が使用途中のC巻又はD巻の新聞巻取紙を装着する時の側面図。
【図10】従来の無人搬送車が使用途中のC巻又はD巻の新聞巻取紙を嵩上げ台を用いて装着する時の側面図。
【符号の説明】
【0033】
100 ・・・ 無人搬送車
120 ・・・ 走行機構
140 ・・・ 昇降ユニット
141 ・・・ 昇降フレーム
141a ・・・(昇降フレーム内側の)スライドレール
142 ・・・ 繋ぎ部材
143 ・・・ 昇降手段
143a ・・・(昇降手段の)インナーアーム
143b ・・・(昇降手段の)アウターアーム
143c ・・・(昇降手段の)油圧シリンダ
143d ・・・(昇降手段の)インナー間隔保持棒
143e ・・・(昇降手段の)アウター間隔保持棒
143f ・・・(昇降手段の)回動ピン
143g ・・・(昇降手段の)インナーローラ
143h ・・・(昇降手段の)アウターローラ
143i ・・・(昇降手段の)連結ピン
143j ・・・(昇降手段の)昇降支持棒
143k ・・・(昇降手段の)スライド支持棒
144 ・・・ リニアガイド
145 ・・・ 移動テーブル
146 ・・・ 昇降ベース
200 ・・・ 無人搬送車
220 ・・・ 走行機構
240 ・・・ 昇降ユニット
241 ・・・ 昇降テーブル
243 ・・・ 昇降手段
243a ・・・(昇降手段の)インナーアーム
243b ・・・(昇降手段の)アウターアーム
244 ・・・ リニアガイド
245 ・・・ 移動テーブル
246 ・・・ 昇降ベース
250 ・・・ 嵩上げ台
A ・・・ 固定側巻取紙保持アーム
A1 ・・・ 固定側コーン
B ・・・ 移動側巻取紙保持アーム
B1 ・・・ 移動側コーン
C ・・・ 巻心
C1 ・・・(巻心の)中心軸
C2、C3 ・・・(巻心の)開口端部
D ・・・ 中心軸
E ・・・ 衝突部位
F ・・・ 走行路面
G ・・・ 三又リール
R0、R1、R2、R3、R4 ・・・ 新聞巻取紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
新聞巻取紙を保管場所と輪転機の設置場所との間で無人搬送する走行機構と、該走行機構に取り付けられ前記新聞巻取紙を垂直方向に昇降し前記輪転機の対峙する巻取紙保持アームに対して装着・回収する昇降ユニットとを具備した新聞巻取紙無人搬送車において、
前記昇降ユニットが、走行路面に対して平行に並設された2本の昇降フレームと該昇降フレームを昇降駆動する昇降手段と前記2本の昇降フレームの間隔を所定間隔に維持して前記巻取紙保持アームとの干渉を回避する円弧状の繋ぎ部材と前記2本の昇降フレーム上面にそれぞれ形成されたリニアガイドと該リニアガイドを跨ぎスライド移動する移動テーブルとを備えていることを特徴とする新聞巻取紙無人搬送車。
【請求項2】
前記昇降手段が、前記昇降フレームと昇降ベースの片端部にそれぞれ一端が枢設されているとともに他端が前記昇降フレームと昇降ベースに沿ってスライドする一対のX字状のパンタアームを有していることを特徴とする請求項1記載の新聞巻取紙無人搬送車。
【請求項3】
前記一対のX字状のパンタアームが、各々、インナーアームとアウターアームとによって構成されているとともに、該インナーアームとアウターアームとが、各々、前記昇降フレームが昇降範囲の上限付近に位置する場合において前記輪転機の巻取紙保持アームとの干渉を回避するように配置されたインナー間隔保持棒とアウター間隔保持棒とを有していることを特徴とする請求項2記載の新聞巻取紙無人搬送車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−96607(P2009−96607A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−271334(P2007−271334)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(000003355)株式会社椿本チエイン (861)
【Fターム(参考)】