説明

新聞本紙類へのチラシ折り込み装置。

【課題】新聞本紙へのチラシを折り込み装置を提供する。
【解決手段】
新聞本紙の折部の折り合わせ側を揃えて積載する積層部からなる新聞供給部を設け、積層部には積載された新聞本紙を一部ずつ取り出して搬送する分離・搬送手段を設け、分離・搬送手段の下流にはチラシ挿入部を設け、チラシ挿入部は新聞本紙の折部の折り合わせ側を拡開する拡開手段を設け、拡開手段は先端の前記折部の折り畳み側を下側で挟持し移送する挟持・移送機構と、新聞本紙の後端の折部の折り合わせ側の二層のうちの一方の層を強制的に拡開させるために、一方の層を他方の層よりも移送部材により早く移送して両層を分離し、移送した後に一方の層を移送部材より開放する分離・開放機構が設けられて拡開状態を形成し、拡開手段の下流には挟持・移送機構を有する排出手段を設け、拡開状態の中にチラシが挿入されると、挟持・移送機構により新聞本紙を挟持して移送して排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新聞本紙、雑誌、折丁等の冊子にチラシ広告等を折り込む装置に関する。
【背景技術】
【0002】
毎朝、新聞販売店から家庭に配達される新聞には、丁合いされたチラシが折り込まれている。また、雨が降ると、新聞を濡らさないためにビニール包装が行なわれて配達されている。チラシの丁合い作業や丁合いされたチラシを新聞に折り込む作業やチラシが折り込まれた新聞のビニール包装作業は、新聞販売店にて行なわれている。このうちチラシ丁合い作業は、丁合い機が普及しており、大量のチラシが高速で処理されている。この作業は前日作業なのでチラシ量が多くても充分対応できうるものであるが、一方、チラシを新聞に折り込む作業や、包装作業は当日作業で、しかも、早朝作業であり、新聞が新聞社から新聞販売店に到着してから、各家庭に配達に出るまでの定められた時間内に済ませねばならない。
【0003】
通常、新聞社から新聞が到着するや否や新聞配達員は担当配達区域分の新聞を受け取り、これを手で開いて、用意されたチラシを新聞に挿入する。これを通常、一人が100〜200部程度行なうものである。また、雨の日となると、チラシを折り込んだ後、更に特許文献1に示すような手差し給紙の包装機を用いて一部ずつビニール等で包装作業を行なわなければならない。新聞販売店の中には2000部以上の配達を行なう販売店も数多く、常に十数人の配達員が配達に遅れまいと血眼になってこの作業を行なっていると言っても過言ではない。
【0004】
このように大勢の人が単純な手作業を毎朝繰り返しているわけであるから、機械化が望まれていた。そこで、近年、特許文献2に提案されているような、新聞にチラシを折り込む機械、所謂、チラシインサータが提案され、チラシ組み込みの高速で大量処理ができる装置が提供されている。
包装機については、特許文献3に提案されているように、手差しでなく自動で包装機に給紙できる装置も提案されてはいるが、チラシの量によって被包装新聞の厚みが異なり、また、チラシが入らない夕刊等にも対応しなければならず、そのような多様な厚みには未だ対応できていない。
【0005】
しかし、包装機については、手差し給紙ではあっても60〜80部/分程度の処理能力があり、また比較的、小型で廉価であるため、複数台導入して早朝の繁忙に対応しているところも多い。
【特許文献1】特開2001-171607号公報
【特許文献2】特開2006-347046号公報
【特許文献3】特開2006-151601号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上述べたように、新聞販売店では、早朝のチラシ折り込み作業と新聞包装作業が忙しく改善が求められている。
上述した文献に開示されるチラシインサータの処理能力は6000部/時間程度で、分単位にすると100部/分であり、ベテラン配達員の2名分程度しかなく、一度に配達員が分散して処理する量を1台で処理できるものではない。複数台導入しようとしても装置が大型で高価であるため、設置スペース的にも、金銭的にも増設が困難であり対応できる新聞販売店は極めて少ない。
また、包装に関しては、上述したように、現行の包装機が上記チラシインサータの処理速度より遅く、また一旦ストックして次に給紙するような装置についても多様な厚みの新聞に対応できていないので、チラシインサータの出力に包装機が直結されていないのが現状である。
このことは、新聞販売店においては、チラシインサータと包装の作業を別個に行なわなければならず、また、設備も、別個に備えなければならなく、そのため、金銭的にも、スペース的にも機械化が進まない要因になっていた。
本発明の課題は、このような課題に鑑みてなされたもので、新聞本紙類にチラシ折り込み作業と包装作業とを省力化する装置であり、また、小型・低コストの新聞本紙類へのチラシ類折り込み装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、新聞本紙の折部の折り合わせ側を揃えて積載する積層部からなる新聞供給部を設け、該積層部には積載された新聞本紙の折部の折り畳み側を先端にして一部ずつ取り出して搬送する分離・搬送手段を設け、該分離・搬送手段の下流にはチラシ挿入部を設け、該チラシ挿入部は新聞本紙の折部の折り合わせ側を拡開する拡開手段を設け、該拡開手段は、先端の前記折部の折り畳み側を下側で挟持し移送する挟持・移送機構と、新聞本紙の後端の折部の折り合わせ側の二層のうちの一方の層を強制的に拡開させるために、一方の層を他方の層よりも移送部材により早く移送して両層を分離し、移送した後に一方の層を移送部材より開放する分離・開放機構が設けられ、開放された新聞本紙の後端は外側に開いてチラシを上方から挿入しうる拡開状態を形成し、該拡開手段の下流には挟持・移送機構を有する排出手段を設け、チラシが挿入されると、挟持・移送機構により新聞本紙を挟持して移送して排出することを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の新聞本紙へのチラシ折り込み装置において、前記排出手段の下流にはフィルムで新聞本紙を包装する新聞包装機を設け、該排出手段の排出機構の開口と、前記新聞包装機の挿入口を一致させ、新聞本紙を連続してチラシ折り込みから包装までを処理するようにしたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の新聞本紙へのチラシ折り込み装置において、前記積層部と前記チラシ挿入部とは、前記新聞包装機の上面と前面を囲むようなかぎの手状に形成され、かつ、前記チラシ挿入部を前側面に配置したことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3に記載の新聞本紙へのチラシ折り込み装置において、前記チラシ挿入部には新聞位置決め機構を設け、該新聞位置決め機構は新聞本紙の先端を誘導するための上下左右の各ガイド板からなるガイド機構を備え、前記ガイド機構の先端には上下一対の排出ローラが配設されているとともに、上下のガイド板は先端ほど狭くなるロート状であり、且つ、下ガイド板上の新聞本紙が重力で滑落するように前記下ガイド板が傾斜を有していることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4に記載の新聞本紙へのチラシ折り込み装置において、前記新聞供給部より送り出された新聞本紙を受け取り、前記チラシ挿入部の拡開手段により新聞本紙の後端を開いてチラシを挿入し、該拡開手段の下流には、チラシが挿入されたことを確認する挿入確認手段とその下流に排出手段を設け、前記挿入確認手段によってチラシが挿入されたことを確認すると、前記排出手段の挟持・移送機構により移送する機構と、前記新聞供給部より受け取った新聞のままでチラシ挿入部では該拡開手段を作動させずに移送だけを作動するようにした機構とのどちらか選択する選択制御手段を設けたこと特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の新聞本紙へのチラシ折り込み装置において、前記チラシ挿入部は、新聞本紙、チラシ折り込み済み新聞本紙、雑誌等被包装物を手差し供給できるように手差し供給用開口を少なくとも一つ以上備えるとともに、手差し供給制御手段を具備して、手差し供給が選択的に可能であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の新聞本紙へのチラシ折り込み装置において、前記チラシ挿入部のうちの、前記新聞包装機の挿入口に対抗している機構の一部、又は、全部が移動できる構造であり、前記新聞包装機の挿入口を含む前記新聞包装機の前部が開放されて、フィルム交換や保守が容易にできることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、拡開手段により新聞本紙の後端の折部の折り合わせ側を強制的に上方に拡開するので、チラシ広告類を上方から簡単に挿入することができ、自動或いは手動を問わず大量の新聞本紙類、雑誌、冊子の中にチラシ広告類を挿入することができる。また、拡開手段は、従来のように空気作用ではなく、ローラ等の摩擦方式の機械構造で構成できるので、簡単で低価格であり、また、新聞の移動方向は常に一方向であるから、全体としてシンプル・コンパクトで小型・軽量で経済的なチラシ折り込み装置とすることができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の効果に加えて、チラシ折り込み機構と新聞包装機とを一体としたから、従来、雨の日はチラシ折り込みと、包装の2工程必要であった作業が1工程でできるようになる。
請求項3の発明によれば、前記の効果に加えて、新聞供給部とチラシ挿入部とを包装機の上面と前面を囲むようなかぎの手状に構成しているので、包装機やその置き台等の上部にコンパクトに折り畳んだ形で包装機と連結することができるから、新たな設置スペースなしに、包装機を連結してチラシを折り込みながら包装ができる。
また、既存の包装機を使用できるので、小型、低コストであるから増設に対して単位も小さく手軽である。
請求項4の発明によれば、前記の効果に加えて、チラシ挿入部には新聞位置決め機構を設けたので、該新聞本紙の拡開動作が確実になる。また、傾斜したガイド板により新聞本紙が湾曲されて位置決めされるので、拡開動作が確実で早く、また、傾斜したガイド板上の新聞は自重で滑落するので、前方に設けた排出用ローラにスムースに食い込むことができる。
請求項5の発明によれば、前記の効果に加えて、簡単な切り換えで積載した新聞の自動給紙装置として利用できる。
請求項6の発明によれば、前記の効果に加えて、イレギュラーな厚みの新聞に対し、手差し給紙補助機能を備えるので、チラシ折り込み装置として、包装機の新聞自動給紙装置として、包装機の手差し補助装置として多機能性を兼ねたチラシ折り込み装置がコンパクトに実現できる。
請求項7の発明によれば、前記の効果に加えて、新聞包装機の包装用のフィルム交換が簡単ですばやく行なえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明を新聞本紙類へのチラシ類折り込み装置の好適な実施例を、図に基づいて詳しく説明する。
図1は本発明の実施例における新聞本紙類へのチラシ折り込み装置1を前側から見た外観斜視図である。ここで、本実施例で新聞本紙とは、新聞本紙類、雑誌、折丁等の比較的厚手の冊子を意味し、そのままの大きさ、2折にした大きさ、4つ折にした大きさがA3サイズ程度の27cm×40cm程度のものであり、チラシとは、通常の1枚或いは2つ折、4つ折の新聞に折り込まれるチラシ広告、折り込み用新聞、及び、薄い冊子等を意味する。
図1でチラシ折り込み装置1は、積載した新聞本紙(NP1.NP2・・)を一部ずつ取り出して次工程に送ることができる新聞本紙の供給部1000(積載部1200)と、供給部1000で取り出された新聞本紙類を受け取り、チラシを折り込むために開き、チラシを挿入し、外部に排出することができるチラシ挿入部2000を備える。
【0013】
図2は、チラシを折り込んだ一般の新聞本紙NPの外観斜視図であるが、図2(a)は、新聞本紙の層を先ず2重に重ねるように折り線PLで2つ折りにした状態で、ここでは一次折部と称するが、折り合わせ側N1,N2が後方に、折り畳み側N3が手前に位置している。一般の新聞本紙NPは、図2(b)に示すように、更に、折り線SLで折り畳んで4つ折にして配達する(この場合の折部は二次折部と称する)。図2(b)では、折り合わせ側N4,N5の二つの層が後方に、折り畳み側N6が手前に位置している。
また、一般の新聞本紙NPでは、図2(c)に示す4つ折状態で、折り合わせ側N4,N5の二つの層の間にチラシEを挿入してある。なお、折部とは、前記の一次折部、或いは、二次折部を意味するが、本実施例での折部は二次折部が対象となる。
なお、もともと一次折部を形成した大きさがA3サイズのタブロイド新聞本紙や冊子において、4折りの場合は、二次折部がA4サイズ程度となる。
【0014】
また、本実施例のチラシ折り込み装置1の新聞供給部1000は、未だチラシが挿入されていない夕刊などの薄い新聞から、図2(c)に示すような、既にチラシが挿入された厚い新聞本紙に至るまで、一部ずつ取り出して送ることができ、また、チラシ挿入部2000は、新聞供給部1000からチラシが挿入されていない新聞本紙を受け取り、これを開き、チラシを挿入した後、同期を取って外部に排出することができるとともに、単に、新聞供給部1000からの新聞を受け取り、そのまま同期を取って外部に排出することもできるようになっている。
そのため、チラシ折り込み装置1は、単に、新聞にチラシを挿入するために用いても良いが、図3に示すように、下段に新聞包装部4000(既に本出願人により開発されている公知装置、前掲特許文献3)と組み合わせることにより、チラシを組込みながら新聞包装ができ、今まで別々に行なっていたチラシ折り込みとビニール包装作業を同時に行なうことができ、作業の省力化ができる装置である。
また、既にチラシが折り込まれた新聞本紙の自動給紙としても使用でき、また、盆、正月等のイレギュラーな厚みの新聞や、週刊誌等のため自動給紙ができない場合には、新聞包装機4002へ手差し給紙するときの補助送り機構として使用することもできる機構を付加してもよく、汎用な装置としてある。
【0015】
通常、新聞包装部4000は、図3に示すように、キャスター等を有する可動式の新聞包装機置き台4003と共に設置され、この新聞包装機置き台4003の背面にはシュータ4006が設けられていて、新聞包装機4002の前部にある挿入口である新聞投入口4005に挿入された新聞本紙が、新聞包装機4002の内部に送り込まれて図4に示すように、上下のフィルムF(Fa、Fb)で両端部及び前後端部を熱溶着してビニール包装された後、背後の排出口(図示せず)から排出され、置き台4003背面のシュータ4006上を滑走し方向転換して、置き台4003の下部にセットされた可搬式新聞収納箱4007内に収容される。
本実施例のチラシ折り込み装置1は、図3に示すように、コの字を立てた形状の設置台4100を介して、新聞包装機(部)置き台4003上に置いて使用され、このコの字を立てた形状の設置台4100は、設置台4100の内側に新聞包装機4002を収納し、設置台4100の上面には装置全体(1000,2000)として逆L字状で「かぎの手」状のチラシ折り込み装置1を載置するようにしている。
【0016】
この新聞包装部4000の上面と前面を囲むような逆L字状で「かぎの手」状に装置全体を形成したチラシ折り込み装置1とは、次の図5,図6に示すように、最上部には水平的に新聞供給部1000の積載部1200を配置し、続く下流の第一分離機構1300、第二分離機構1330、及び、搬送機構1360からなる新聞本紙の供給機構300を新聞供給部1000の手前側に多少張り出すように装置の前測面に配置し、搬送機構1360の下方にチラシ挿入部2000を配置して、チラシ折り込み装置1の全体として、新聞包装機4002の上面と前面を囲むような逆L字状で「かぎの手」状にしたためである。
このようにすれば、新聞供給部1000の下の空間に、新聞包装機4002を収納でき、かつ、チラシ挿入作業において前面が開放されることが好都合となるチラシ挿入部2000を前面に配置するとともに、後述するように、チラシ挿入部2000の排出機構2500の開口と、既存の新聞包装機4002の新聞本紙の挿入口4005とを一致させ、チラシ折り込み作業とフィルム包装までを連続して処理でき、置き台4003の下の可搬式新聞収納箱4007内に包装終了の(チラシ折り込みの)新聞本紙を収容させ、新聞本紙の搬送進路方向を上から下の方向にジグザグに変更して、大きくは上から下の流れとして、新たなスペースを必要としないから省スペース化した装置となる。
【0017】
図5は、図3に示す装置の主要な各部の機能を示す側面ブロック断面図であり、本図5中で1点鎖線a―a´で区切られた上側が本発明の実施例に相当するチラシ折り込み装置1の部分を示す。
図5に示すように、チラシ折り込み装置1は、新聞包装機4002の上方に新聞供給部1000を配設し、新聞供給部1000の前方下部からチラシ挿入部2000を介して新聞包装機4002の挿入口に連結している。
そして、チラシ折り込み装置1は、既存の新聞包装機4002が一体として設置でき、スペースを占めないように新聞包装機4002のほぼ真上に組み込み、新聞包装機4002を新聞包装機置き台4003の上に載置し、新聞包装機置き台4003の下部に可搬式新聞収納箱4007を収容したので、装置全体として新たなスペースは不必要である。
さらに、詳細に説明すると、新聞供給部1000は装置全体の最上部に配置し、チラシ挿入部2000は装置の手前側で操作者と対面する位置に配置し、チラシが折り込まれた新聞本紙を排出する下方の排出機構2500の開口と、前記の既存の新聞包装機4002の新聞本紙の挿入口4005とを一致させるため、設置台4100の底面には高さ調整アジャスター4101が設けられ、チラシ折り込み装置1の高さを微調整して位置を一致させており、新聞包装機4002内に送って連続して包装までを処理するようにし、背面から包装済の新聞本紙を排出し、その進路方向を変えて可搬式新聞収納箱4007内に収容させ、新聞本紙の搬送進路方向をジグザグに変更して、大きくは上から下の流れとして、作業員のチラシ挿入作業がし易く、チラシ挿入や包装作業が完了した積載された新聞本紙を可搬式新聞収納箱4007ごと所定場所に移動させればよく、なによりもスペース的に有利なものとしている。
【0018】
また、本チラシ折り込み装置1は、図示しないが、操作に必要な各種スイッチ、表示装置、センサ、モータ等の各種アクチュエータ、及び、他の制御機器との信号のやり取りの各種インタフェースと、これらを制御するため、マイクロプロセッサやプログラムが格納されたROMを含む各種記憶装置を有する演算装置3000を備えている。
再び、図5に示すように、新聞本紙の供給部1000から供給された新聞本紙NP(Aで示す)を拡開手段で開き、チラシEを挿入(Bで示す)された新聞本紙、又は、新聞本紙の供給部1000から供給されチラシ挿入部2000内に搬送された新聞本紙、又は、手差しによりチラシ挿入部2000内に投入された新聞本紙(BおよびCで示す)は、新聞包装機4002が検知手段により新聞受け入れ状態であると検知されたとき、新聞本紙がチラシ挿入部2000の排出口から新聞包装機4002内に送り出される。
【0019】
ここで、図4、図5を参照して、新聞包装機4002について簡単に説明すると、新聞包装機4002は、図4に示すように、所謂、ビニールフィルムFによる四方包装機で、上下に配した2本のロールフィルムFa、Fbを熱接着してつなぎ、つないだ上下フィルムの間に新聞を差し込んで、新聞を上下フィルムでサンドイッチの状態で内部に挿入すると、内部にある上下の搬送ベルトBa、Bbが回転し、更に、上下の搬送ベルトに食い込むまで押し込むと新聞は自動的に内部に引き込まれ、所定位置まで搬送される。そこで、両サイドと後部に設けた熱版Hm,Hsが降下して、上下フィルムを熱溶着することにより新聞を包んだフィルムの四方の接着が完成する。
このようにしてフィルム包装された新聞は、後部の熱版Hmを下降したまま、再度、搬送ベルトを回転することにより、上下ロールフィルムから分断されるとともに新聞包装機4002の外部に排出される。
【0020】
図6は、新聞本紙の供給部1000の概要を説明するための側面ブロック断面図であり、図7は、新聞本紙の供給部1000の一部の外観斜視図である。
図6及び図7に示すように新聞本紙の供給部1000は、新聞本紙の積載部1200と、新聞本紙の積載部1200に積載された新聞本紙の最下層から新聞本紙を送り出すための摩擦搬送機構1250と、摩擦搬送機構1250から送り出された新聞のうち最下層の新聞のみを分離して次工程に搬送するための手段を備えている。
新聞本紙の積載部1200は、新聞本紙を整えて積載するために、前方に前壁201を、左右に側壁202を備え、底部を摩擦搬送機構1250の複数の摩擦搬送ローラ251で収納容器230を形成している。さらに、前壁201は、新聞本紙を前方に送り出すために、摩擦搬送ローラ251の搬送面Aより所定の高さ分(開口の高さ)の開口204を有している。
【0021】
図9は、図2の展開したものを説明するもので、見開きの大きさA0サイズの新聞本紙が4つ折りの大きさA3に折り畳まれるときの折線をあらわしたもので図中点線PLは一次折線、点線SLは二次折線を示す。
ここで、主に図6(a)、図7に示す収納容器230に新聞本紙を積載する場合、新聞の向きも統一しなければならない。本実施例のチラシ折り込み装置1では、二次折部の折り合わせ側N4,N5を揃えて進行方向後方(上流側)に、二次折部の折り畳み側N6を新聞本紙の進行方向前方(下流側)にして積載しなければならない。また、チラシEを折り込む場合、新聞を開かせるのに一次折部を利用するために左右の向きも統一したほうが好ましい。
これは、本実施例の装置において、積載した新聞本紙の上下が反転されて排出されるから、図2(b)に示すように新聞社名(NMで示す)のある印刷面を下にして積載する様にするためである。このようにすると、新聞本紙の最終の排出時は、図2(c)に示すように、新聞社名印刷面が上になって排出されるので都合が良い。また、新聞包装機4002に接続して使用される場合も、新聞包装するとき、普段、慣習的に、新聞社名印刷面を上にして挿入されるので、その点でも都合が良い。
【0022】
摩擦搬送機構1250は、図6、および、図7に示すように最下層の新聞の下面に広く接触するために複数の摩擦搬送ローラ251と、その駆動機構で構成される。
図7に示すように、最下層の新聞本紙の下面に広く接触するように、摩擦搬送ローラ251は、4本の搬送シャフト255上に等間隔に複数配置されている。
このようにすれば、積載された新聞本紙の重量をできるだけ均等に分散して受け止めることができると共に、摩擦搬送ローラ251と最下層の新聞本紙との接触面積を増やすことができる。
図8は、摩擦搬送ローラ251の構成を表したもので、摩擦搬送ローラ251は、ローラボディ251b上に表面の摩擦を大きくするためにゴム等の摩擦係数が大きい材質で成型した摩擦リング251aを嵌め込んで表面を形成し、ローラボディ251bの中心にワンウェイ(一方向)クラッチ256を嵌挿入し、ワンウェイ(一方向)クラッチ256を介して搬送シャフト255に連結されており、搬送シャフト255を矢印R方向(図7参照)に回転駆動した時、摩擦搬送ローラ251は従動し、また、搬送シャフト255が停止状態にあっても摩擦搬送ローラ251は矢印R方向には空周りできる構造になっている。
【0023】
図6、図7において、平行な4本の搬送シャフト255は、両端を枠体の左右の側板210にベアリング(図示せず)を介して回動自在に取り付けられていて、収納容器230内に積載された新聞本紙NPの全重量を受け止めるとともに、それぞれの搬送シャフト255は互いにギヤ258とギヤ259で連結し、図示しないが、摩擦搬送駆動モータを駆動すると4本の搬送シャフト255を互いに同速で同方向(矢印R方向)に回転させることができる構造になっている。
摩擦搬送ローラ251が矢印R方向に回転すると、収納容器230内の新聞本紙は進行方向の開口部204に向かって前進するが、開口部204の高さ以上に積まれた上層の新聞本紙は前壁201に阻まれて停止するが、開口部204に進入すべき新聞本紙とその上の進行を阻まれて停止した新聞との摩擦力に負けて摩擦搬送ローラ251がスリップしたり、又は、摩擦搬送駆動モータが過負荷にならぬよう、最下層の新聞本紙と摩擦搬送ローラ251の摩擦、及び、摩擦搬送駆動モータの駆動力を充分与えて最下層の新聞本紙が前進するようにしてあり、かくして、積載された新聞本紙の最下層から前壁201の下部の開口部204の高さ以下にある新聞本紙は前進し、摩擦搬送機構1250によって積載された新聞は、図6(b)に示すように、下層から新聞の二次折部の折り畳み側N6を先頭にして前方に繰り出すことになる。
尚、当然のことであるが、積載された新聞本紙を最下層から摩擦接触して取り出す場合、積載量が多くなると、最下層の新聞本紙と摩擦搬送ローラ251の摩擦、及び、摩擦搬送駆動モータ260(図37の表)に限界が生じる。このような場合、積載量を制限したり、抜重手段等を講じて負荷を軽くしなければならない。
また、夕刊紙など薄い新聞本紙では、その重量が小さく、積載量が少なくなると摩擦搬送ローラ251との接触が弱く、不安定になって搬送に支障が生じる場合、図6(a)の矢印Sで示すように、吸引装置を用いて最下層の新聞本紙を摩擦搬送ローラ251側に吸い寄せる等して、新聞本紙と摩擦搬送ローラ251との必要な接触力を維持させるような手段が必要になる場合もある。
【0024】
図6に示すように、摩擦搬送機構1250によって繰り出された新聞の内、最下層の新聞のみを次段に搬送するための分離・搬送手段について説明する。
分離・搬送手段は、前壁201の下部の開口部204から繰り出された新聞本紙の折り畳み側N6の先端に移動しないような抵抗を与えて、除々に下層側の先端から移動が先行するようにするために設けた第一分離機構1300と、第一分離機構1300から新聞本紙を受け取り、最下層の新聞本紙のみを送り出すために設けた第二分離機構1330と、第二分離機構1330から送り出された新聞を受け取り、下流側の後段に送り出すための搬送機構1360とによって構成される。
図6、図7を参照して、第一分離機構1300は、前壁201と摩擦搬送機構1250の搬送面との間に形成される開口部204と、この開口部204の上辺を形成する前壁201の下部を斜め下方に延設した固定分離板301と、前記摩擦搬送機構1250の搬送面の前方下側に配設した可動板302、及び、摩擦搬送機構1250を備えて構成される。
【0025】
前記可動板302は、摩擦搬送機構1250から送り出された最大厚の新聞が固定分離板301によって屈曲しながら下方に向きを変えるときに必要な隙間が摩擦搬送機構1250と固定分離板301との間に形成されるため、この隙間によって摩擦搬送機構1250から送り出された薄い新聞の先端が固定分離板301に到達する前に自重によって垂れるのを防止し、新聞本紙NPの折り畳み側N6の先端を固定分離板301に到達させるために設けられるもので、図7に示すように、可動板302は左右側壁202から左右均等割りした中央部に備えられ、摩擦搬送機構1250から繰り出された新聞本紙の中央部に作用させるようになっている。
再び、図6及び図7に示すように、可動板302は、ほぼ、摩擦搬送機構1250の走行面A上にあって、上流側の一端を、固定用ブラケット314(図14参照)上に設けた可動軸310に回動自在に軸支され、適度なバネ311によって先端を常時上方向に付勢されるとともに、ストッパ(図示なし)によってほぼ水平状態になるよう構成されている。さらに、可動板302の下流側の先端と固定分離板301との間は薄い新聞を通すだけの僅かな隙間305を設けている。
【0026】
図10は、前記の第一分離機構1300の作用について説明するための側面略図である。
図10(A)は、朝刊紙や朝刊紙に朝刊紙程度の厚さのチラシEが挿入されている厚さの新聞本紙の場合、図10(B)は、より多くのチラシEが挿入された分厚い新聞本紙の場合、図10(C)は、夕刊紙のような頁数の少なく、チラシの無い薄い新聞本紙の場合を示している。
図10(A)の場合を説明するが、図10(A)(a)はチラシEが挿入された一般的な厚さの新聞本紙NPの場合で、開口部204を通過した新聞本紙の内、一番上の新聞本紙から斜行した固定分離板301の上部に到達し、そこで前進を阻まれる。同様にして、図10(A)(b)は、更に進み、上層の新聞から、次々に斜行した固定分離板301の作用で前進を阻まれ、最下層の新聞が固定分離板301に到達するときには、最下層の新聞NP1が最も先行するようになる。更に進むと、図10(A)(c)では、最下層の新聞NP1の先端N6は、可動板302を少し押し下げながら固定分離板301に沿って下方に向きを変え、更に進むと、図示するように、最下層の新聞本紙NP1だけが進行する状態になる。
図10(B)の場合を説明するが、図10(B)は厚い新聞本紙の場合で、固定分離板301に到達した最下層の新聞本紙NP1の先端N6は可動板302をバネ311の付勢に抗して押し下げて、下方に向きを変え進行移動する様子を示している。
図10(C)の場合を説明するが、図10(C)は比較的薄い新聞本紙の場合で、固定分離板301に到達した最下層の新聞NP1は、固定分離板301と可動板302との隙間から先端N6は下方に向きを変えるが、夕刊紙のような、所謂、コシのない新聞本紙では固定分離板301の抵抗が弱く、最下層の新聞NP1に引きずられて、其の上の新聞NP2も固定分離板301と可動板302との隙間から下方に向きを変えて移動する様子を示している。
【0027】
以上説明したように、固定分離板301の捌き効果は、ある程度新聞本紙が厚い場合は最下層の新聞のみ先行させることができるが、薄い新聞本紙のようにコシのない新聞の場合は二部同時に運ばれてしまう、所謂、重送が起きる場合があるが、これを防止する第二分離機構1330は後述する。
なお、図10(D)に示すように、固定分離板301の表面に摩擦のより大きい摩擦部材Mを使用して(可動板302と同様、固定分離板301の中央の一部に適用)摩擦抵抗を適度に大きくすることにより重送頻度を軽減できるが、あまり大きくすると、図10(D)に示すように、新聞本紙NP1は摩擦部材Mに接触している新聞上面が抵抗を大きく受けるにもかかわらず搬送面である新聞本紙下面が先行して、折り目N6がずれてしまうという好ましくない問題が発生する。
そのため、薄いものから厚いものまで確実にさばいて取り出すために第二分離機構1330が用いられる。
【0028】
図11は第二分離機構1330を説明するための側面概略図である。
図6、図7、及び図11を参照して第二分離機構1330を説明するが、第二分離機構1330は前記固定分離板301の延長上にあって、可動板302と同様、左右均等割りして中央部に備えられるサバキブロック335と、このサバキブロック335と一対になって新聞をさばくためのサバキローラ340と、サバキローラ340を回転駆動するサバキローラ駆動機構1410と、サバキローラ340を揺動させるためのサバキローラ揺動機構1400等から構成される。
図11において、サバキローラ340は、図8に示す摩擦搬送ローラ251と同様、表面に摩擦抵抗を持たせるためゴム等の弾性体を成型したサバキリング340aをサバキローラボディ340b上に嵌め込んで形成されていて、磨耗するとサバキリング340aを交換できるようになっている。
サバキローラ340はサバキローラ駆動軸346の軸上を回動支点として揺動自在に支持されたサバキローラレバー350の可動端に設けたサバキローラ回転軸345上にワンウェイクラッチ(図示なし)を介して1方向回転自在に取り付けられ、前記サバキローラ340は、サバキローラ駆動軸346上に固着したプーリ343とサバキローラ回転軸345上に固着したプーリ344間をタイミングベルト347を介して所定の回転比で前記サバキローラ駆動軸346と連結していて、矢印Rの方向に回転駆動される。なお、所定の回転比については後述する。
なお、本実施例では、サバキローラ駆動軸346は摩擦搬送機構1250の最前列の搬送シャフト255を共用しているので摩擦搬送機構1250を駆動するとサバキローラ340も駆動されるようになっている。
【0029】
また、サバキローラレバー350はバネ356によって前記サバキローラ340がコロ348に所定の圧力で接するように付勢されている。なお、コロ348は固定分離板301上に固定した回転軸(図示なし)に回転自在に支持された従動車でサバキローラ340と、近接したサバキブロック335がサバキローラ340に接触しない位置関係を維持する機構の一部をも担っている。
そして、サバキローラ340の周速は摩擦搬送機構1250の摩擦搬送ローラ251のそれとほぼ同等、又はやや早めになるようにプーリ343とプーリ344の回転比が設定されていて、摩擦搬送機構1250によって押し出された新聞本紙NP1の折り畳み側N6の先端をサバキローラ340が受け取り、下流側の後方へ送ることができるように設定されている。
【0030】
図12(a)〜(e)は、サバキブロック335とサバキローラ340が重送を防ぎ最下層の新聞本紙NP1だけを後方に送り出す動作を説明する図である。
図11に示すように、サバキブロック335はサバキローラ340とコロ348の接点より手前(上流)にあって、一部が固定分離板301の分離面より内側(サバキローラ340側)に飛び出している突出部335aを有し、この突出部335aの手前側は新聞本紙の先端が滑り易いように面取り部C、又は、新聞本紙が下向きに屈曲するように曲面Rを付した湾曲面335bが施されている。また、内側への突出部335aの下流側後方はサバキローラ340の円周に沿ってローラ対面部335cが形成される。このときサバキブロック335は、サバキローラ340に接触しない程度にできるだけ接近させて取り付けられることが望ましい。
【0031】
図12(a)は第一分離機構1300から送り出された薄い新聞の先端(最下層の新聞本紙の折り畳み側N6)が、サバキブロック335の突出部335aに到達した様子を示すもので、固定分離板301をなぞって進んできた新聞本紙の先端N6は突出部335aにあたって一瞬停止し、矢印Aの方向からの継続的な押し込みによって先端部N6にひずみが起きる。
さらに進行すると、湾曲面335bに沿って、やがて先端が内側に折れたり、又は、先端部が変形して突出部335aから外れ、図12(b)の点線に示すように進んでサバキローラ340の表面に到達する。
サバキローラ340の表面はゴム等の弾性部材からなる摩擦部材で、新聞本紙の先端N6はサバキローラ340の表面に接触し、サバキローラ340の回転につれてサバキローラ340とサバキブロック335との隙間に向かって方向を変え、更に、新聞本紙後端からの進行方向(A方向)の押す力が加わって、サバキローラ340とサバキブロック335のローラ対面部335cの隙間に侵入する。
【0032】
図12(c)では、サバキローラ340とサバキブロック335のローラ対面部335cの隙間に侵入した新聞本紙が更に下流側に進み、後述する搬送機構1360(図6参照)の搬送ローラ対1361に捉えられる直前の様子を示している。
搬送機構1360については後述するが、搬送ローラ対1361の前方(下流)には投受光素子からなる新聞検出センサ対1390(図12(d)参照)があって、新聞本紙の先端N6が搬送ローラ対1361に捉えられ、更に進んで新聞検出センサ対1390が新聞の先端N6を検出したところで摩擦搬送機構1250(図6参照)を停止し、摩擦搬送ローラ251、及び、サバキローラ340の駆動を停止すると共に搬送ローラ対1361(図12(d)参照)の駆動が停止され、搬送ローラ対1361に新聞本紙の先端N6が咥えられたまま待機する状態になる。
そして、次段(次工程)からの要求信号に従い、搬送機構1360を作動して搬送ローラ対1361によって新聞本紙を次段に送り出し、新聞検出センサ対1390が新聞本紙の通過を検知して新聞本紙の次段への搬送が完了した時点で搬送機構1360を停止する。
搬送機構1360が次工程に新聞本紙を送り出すモードの時は、摩擦搬送機構1250は駆動されないが、送り出される新聞本紙NPに接触している摩擦搬送ローラ251、サバキローラ340はワンウェイクラッチの作用で空回りすることができる。
【0033】
図12(d)は最下層の新聞本紙NP1が搬送ローラ対1361によって次段に送り出されていく様子を示したものであるが、このとき、摩擦搬送ローラ251、及び、サバキローラ340は、送り出される新聞本紙NP1に接触している間はワンウェイクラッチが働き従動回転する。
この一連の動作中、サバキローラ340で送り出される最下層の新聞本紙NP1の上に積載された新聞本紙NP2は、送り出される最下層の新聞本紙NP1との摩擦で引きずられ、新聞本紙NP2の先端がサバキブロック335の突出部335aまで達したとしても、新聞本紙NP1とサバキブロック335との隙間が狭く、その間に新聞本紙NP2の先端が容易に進入できず、また、もし先端N6がサバキローラ表面に到達したとしても、バネ356の力に逆らってサバキローラ340を押し下げるための充分な押し込み力が得られないと、サバキブロック335とサバキローラ340(実際はサバキブロック335と新聞本紙NP1)の間に進入することができない。このようにして重送を回避することができる。
【0034】
図12(e)は最下層の新聞本紙NP1より上の新聞本紙NP2が先行したときの様子を示す。このようなことは、新聞積載部1200に、図6(a)に示すように、最初に新聞を積載するときに起き易く積み方に注意が必要になる。
図12(e)において、最下層の新聞本紙NP1の上の新聞本紙NP2の先端が先行してサバキブロック335の突出部335aの湾曲面335b(その上の僅かな垂直平坦部)に達するが、ここで新聞本紙NP2の先端は一瞬停止し、その間に下側の最下層の新聞本紙NP1が進行して、サバキローラ340に取り込まれる。
なお、その後の新聞は、固定分離板301の作用で図6(b)に示すように下層の新聞が先行するようになる、
以上説明したように、薄い新聞は第二分離機構1330によって確実に分離し、取り出すことができる。
しかし、薄い新聞本紙に対して適用しているサバキブロック335とサバキローラ340との関係では、厚い新聞本紙をサバキブロック335とサバキローラ340間に侵入することが困難なため、新聞の厚さに応じてサバキローラ340とサバキブロック335との間を広げたり、厚さに応じてバネ356の圧力を変更する等の工夫が必要である。その点については後述する。
【0035】
次に、次工程(次段)の搬送機構1360について説明する。
搬送機構1360は、サバキローラ340を通過した新聞本紙の先端N6を受け取って待機し、次段への搬送要求信号に応答して新聞を送り出すために設けられ、搬送ローラ対1361、新聞検出センサ対1390、搬送ローラ駆動機構1370、及び、搬送レバー制御機構1380等で構成される。
図7、図14、及び、図15を参照して説明するが、搬送ローラ対1361の上側は、左右側板210(図7参照)間に回転自在に支持された上搬送軸362(図12(d)参照)上に中心から左右等間隔に2つの搬送ローラ363が固着されており、一方、下側は下搬送駆動軸364を回動支点とした左右一対の搬送レバー365が設けられ、この搬送レバー365の先端に回転自在に設けた下搬送軸366上に2つの搬送ローラ363を上側の搬送ローラ363と対抗して装着し、左右一対の前記搬送レバー365はそれぞれバネ368によって、対向する上下の搬送ローラ363が所定の圧力で当接するように付勢されているとともに、下搬送駆動軸364と下搬送軸366はタイミングベルト367で連結し同期回転している。
前記上搬送軸362と下搬送軸366を所定の回転方向で回転駆動させるための搬送ローラ駆動機構1370は、下搬送駆動軸364が上搬送軸362と逆回転になるように反転機構(図示せず)を介し、上搬送軸362と共にそれぞれ搬送ローラ駆動モータ(図示せず)に連結している。そして、搬送ローラ対1361の周速は、前記サバキローラ340の周速と同じか僅かに早めに設定されている。
更に、搬送ローラ対1361の前方には新聞本紙の有無を検出するために投受光素子で形成した新聞検出センサ対1390を備える。
【0036】
図13は上述した新聞供給部1000から、次段に新聞本紙を送り出すための動作の一例を示すタイムチャートである。
図13のA点において、最下層の新聞NP1を取り出すために摩擦搬送機構1250がONとなり駆動される。このとき、搬送機構1360もONとなり同時に起動されてサバキローラ340で送られて来る新聞本紙の受け入れ態勢に入る。
摩擦搬送機構1250の駆動により、最下層の新聞本紙が送り出され、サバキローラ340を経て搬送ローラ対1361に達し、そこで、新聞本紙の先端N6が搬送ローラ対1361に挟持され、更に、新聞検出センサ対1390によって新聞本紙の先端が検出されると(ON:新聞有り)、摩擦搬送機構1250をOFFとし停止するとともに、搬送機構1360もOFFとして停止して次段に送り出す準備が完了する(図13のB点)。
次に、次段への送りだしモードが立つ(ON:C点)と、(本実施例ではチラシ挿入部2000への送り出し)搬送機構1360のみをONとして駆動し新聞本紙を次段に送り出す。本実施例における次段はチラシ挿入部2000である。
新聞検出センサ対1390が新聞本紙の通過(OFF:新聞有りから無し)を検知すると、搬送機構1360を停止(OFF)し待機状態に入るか、或いは、連続で作動する場合は再度A点に戻り、摩擦搬送機構1250をONとして駆動するとともに、搬送機構1360を継続駆動し、上記を繰り返す(D点以降の点線)。
通常は、次段に新聞本紙を送り出すと、次の新聞を送り出せるようにするために点線で示すような連続動作が行なわれる。
【0037】
次に、図14〜図20に沿って、厚い新聞本紙に対する分離・搬送手段について以下に説明する。
前述したように、厚い新聞本紙に対しては、第一分離機構1300で最下層の新聞NP1を一部ずつ取り出すことができ、薄い新聞に対しては第二分離機構1330によって最下層の新聞を一部ずつ取り出すことができる。しかし、第一分離機構1300から第二分離機構1330に入った厚い新聞本紙はサバキブロック335のローラ対面部335cとサバキローラ340の隙間に侵入することが難しく、そこで、新聞の厚さに応じて、サバキローラレバー350を下降するサバキローラレバー制御機構1420と、サバキローラ340を通過した厚い新聞が搬送機構1360の搬送ローラ対1361に容易に咥えられるように、搬送レバー365を所定量下降するための搬送レバー制御機構1380を備えている。
【0038】
図14は、分離・搬送手段の可動片302、サバキローラレバー350、搬送レバー365及びその制御機構を示す概略斜視図である。また、図15は図14の概略側面図を示す。
図10(B)を参照すれば、厚い新聞本紙の先端N6が固定分離板301に到達すると下方に向きを変え、このとき可動板302の先端は下方に回動するが、図16は可動板302が下方に回動した回動角度を検出する可動板角度検知機構1440を示す概略斜視図である。
図14、図15、及び、図16に示すように、可動板302には可動軸310から下方に向かって可動板角度検知片312が左右それぞれ延設され、可動板302が回転すると、可動板角度検知片312も回転する。したがって、それぞれの可動板角度検知片312の先には可動板角度検知片312の先端を検出するためのフォトインタラプタ315A,B,C、… が所定の位置に複数設けられていて、新聞本紙の厚みによって変動する可動板302の角度を検出することができる。図18は、可動板302の回転量によって、それぞれの所定の位置に設けられたフォトインタラプタ315A,B,C、…の動作を示すものである。
図15、図16、図18を参照して説明すれば、可動板302がa度以上回転するとフォトインタラプタ315Aが可動板角度検知片312の先端を検出する。同様に、b度以上回転するとフォトインタラプタ315A、及び、フォトインタラプタ315Bが可動板角度検知片312の先端を検出する。
したがって、図18に示す例のタイムチャートでは、可動片302(312)がa度以下、a度以上b度以下(A')、b度以上c度以下(B')、c度以上(C')の4通りが検出され、このようにして、検出された可動板302の回転角度によって、新聞本紙NPの厚さが検知され、これに対応して、サバキローラレバー350、及び、搬送レバー365を所定量下降するようにする。
なお、より細かい角度検出が望まれる場合はポテンションメータ等により可動板302の回転を連続的に検知するようにすると良い。
【0039】
次に、新聞本紙の厚み検出結果によって、サバキローラ340を下降させるサバキローラレバー制御機構1420について説明する。
図14、及び、図15を参照して説明すると、左右のサバキローラレバー350は、サバキローラレバー350の回転軸から下方に左右それぞれサバキローラ制御レバー351を延設し、それぞれのサバキローラ制御レバー351の上にはコロ354が設けられている。
それぞれのコロ354は、サバキローラ制御レバー駆動軸355上に固着したカム板357とバネ356によって当接していて、サバキローラ制御レバー駆動軸355が所定の回転をするとサバキローラ340を所定量下降できるように構成されている。
ここで、同様に搬送レバー制御機構1380について説明するが、図14、及び、図15を参照して説明すると、左右の搬送レバー365は、搬送レバー365の回転軸から下方に左右それぞれ搬送レバー制御レバー375を延設し、それぞれの搬送レバー制御レバー375にはコロ376が設けられている。それぞれのコロ376はサバキローラ制御レバー駆動軸355上に固着したカム板377とバネ368によって当接していて、サバキローラ制御レバー駆動軸355が所定の回転をするとサバキローラレバー350の下降に同期して搬送レバー365も所定量下降できるように構成されている。
このように本実施例では、サバキローラレバー制御機構1420、及び、搬送レバー制御機構1380は、ともに、サバキローラ制御レバー駆動軸355を共通のカム軸として使用している。
【0040】
図17は、搬送レバー制御機構1380の一部を示す概略図であるが、この図を用いてサバキローラ制御レバー駆動軸355の回転制御について詳しく説明すると、サバキローラ制御レバー駆動軸355は、サバキローラ制御モータ(図示せず)に連結しているとともに、サバキローラ制御レバー駆動軸355には検出片383を有する回転角検出板381が固着していて、サバキローラ制御レバー駆動軸355が回動すると検出片383が原点のフォトインタラプタ382Oを含み、前記、可動板302の角度検知結果に対応して設定された角度検知フォトインタラプタ382A´、B´、C´によって検知されるようになっている。
したがって、図18に示す可動板角度検知片312(図15参照)とフォトインタラプタとの関係をタイムチャートに示すように、角度検知フォトインタラプタ315の角度検知結果に応じて回動制御されるサバキローラ制御モータ380(図19の表)を駆動して、サバキローラ制御レバー駆動軸355を所定量回転させることにより、サバキローラ304、及び、搬送レバー365を所定量下降することができる。
なお、より細かい回転制御が要求される場合は、ポテンションメータ等によりサバキローラ制御レバー駆動軸355の回転角度を連続的に検知するようにすると良い。
また、可動片302の角度検出の細かさ、角度検出結果によるサバキローラレバー350、及び、搬送レバー365の下降量は、新聞本紙の厚さや、サバキローラ340及び、搬送ローラ363の径等の諸条件に応じて決定されるものである。
【0041】
図19は、サバキローラレバー制御機構1420の動作の一例を示すタイムチャートであり、図20は、そのときの可動板302、サバキローラ340、及び、搬送ローラ対1361の様子を示す。
図19のタイムチャートのA点において、図13のタイムチャートのA点で示したと同様、摩擦搬送機構1250、及び、搬送機構1360を駆動する。
図20(a)はタイムチャートA点の時の搬送機構1360の可動板302、サバキローラ340、及び、搬送ローラ対1361の様子を示すもので、このとき、サバキローラ制御レバー駆動軸355は原点位置にあって、この位置では、サバキローラ340がコロ348に所定の圧力で接するようにサバキローラ制御レバー駆動軸355上のカム板357はサバキローラ制御レバー351上のコロ354と接触していない。同様に、サバキローラ制御レバー駆動軸355上のカム板377は搬送レバー制御レバー375上のコロ376に接触していない状態にある。
この状態で、最下層の新聞NP1を取り出すために摩擦搬送機構1250がONとなり駆動され、このとき搬送機構1360もONとなり同時に起動され、また、摩擦搬送機構1250が駆動されるとサバキローラ340も駆動されてサバキローラ340は新聞本紙の受け入れ態勢に入る。
図20(b)において、新聞本紙の前進につれて可動板302が次第に下降して、フォトインタラプタ315Aとフォトインタラプタ315Bが可動板角度検知片312を検知した場合であると、図19において、まず、フォトインタラプタ315Aの検知に基づき、サバキローラ制御モータ380を駆動する。回転角検出板381の検出片383が原点382Oを離れ、やがて、フォトインタラプタ382A´に達するが、そのとき既にフォトインタラプタ315Bも検知されているのでサバキローラ制御モータ380は回転を続けフォトインタラプタ382B´に達する。しかし、このときフォトインタラプタ382C´では検知されていないのでサバキローラ制御モータ380を停止する。
このとき、サバキローラレバー350、及び、搬送レバー365、図20(b)で示す位置に下降し、サバキローラ340はコロ348から離れ、下の搬送ローラ363は上の搬送ローラ363から離れる。
この状態でサバキローラ340は厚い新聞本紙を受け入れ可能であり、更に、サバキローラ340を通過した新聞本紙は容易に搬送ローラ対1361に咥えられることができる。
【0042】
図20(c)は、新聞本紙の先端N6が新聞検出センサ対1390に検知された時の様子を示し、このとき、図19のタイムチャートのB点の状態であり、このとき図17に示すように、サバキローラ制御モータ(図示せず)を逆転してサバキローラ制御レバー駆動軸355を回動して原点に戻す。
サバキローラ制御レバー駆動軸355が原点に戻ると、搬送レバー制御レバー375上のコロ376に接触していない状態になり、図20(c)に示すように、搬送ローラ対1361で挟まれた新聞本紙はバネ368によって所定の圧力で挟持される。
図20(c)の状態に至ると、次段の要求信号に従い、搬送ローラ対1390を駆動する。図19のタイムチャートのC点は、図13のC点で示したように、搬送機構1360を駆動して新聞本紙を次段に送り出す。新聞本紙の後端N4,N5が新聞検出センサ対1390を通過すると、図19のD点に達し、再び図19のA点、図20の(a)点に戻ってこれを繰り返す。
以上述べたように、新聞積載部1200に積載された厚い新聞本紙から薄い新聞本紙まで、最下層から一部ずつ取り出すことができる。また、本実施例においては、厚い新聞本紙と薄い新聞本紙がランダムに混在して積載されても問題がない。
ところで、同じ厚さの新聞本紙が積まれる場合は、その都度、新聞本紙の厚さを検知してサバキローラ340を下降するのでなく、初期設定で予め下降しておくようにすれば、処理速度も早く、装置の信頼性も高くなる。例えば、初期設定にて、新聞本紙の厚さに応じてサバキローラ制御モータ380を駆動してサバキローラ制御レバー駆動軸355を所定回転させておく等である。
なお、本装置が、同じ条件の新聞本紙のみを積載するという条件に限定すれば、サバキローラ駆動軸355を手動でセッティングする等して駆動モータを省き、その分装置のコストを下げることができる。
本実施例の新聞供給部1000は以上述べたように新聞積載部1200内に積載された新聞本紙を最下層から一部ずつ、連続して取り出すことができる。しかしながら、新聞本紙を大量で処理する場合、新聞積載部1200の新聞の積載量を大きくすると、最下層の新聞本紙NP1とその上の新聞本紙NP2との摩擦が大きくなり、性能に限界が生じる。特に高速でスムースに確実に取り出そうとする場合、新聞積載部1200の新聞の積載量は少ないほうが有利である。
【0043】
前述のような場合は、新聞積載部1200の新聞の積載量を少なくし、新聞がなくなったこと、または、新聞が所定量以下になったことを検知するセンサを設け、外部から所定量を自動補給するようにすると良い。
図21は、新聞包積載部1200に補給するための一例を示すもので、第二の新聞積載部1600をチラシ折り込み装置1の後部に設けた場合の概略側面図である。
図21において、新聞積載部1600は上述した新聞積載部1200と同様、最下層の新聞に摩擦接触した摩擦搬送ベルト1251によって、新聞積載部1600の前部に設けた開口から、前述した新聞供給部1200内に新聞がなくなった、または、新聞が所定量以下になったことを検知するセンサに基づく要求に従って、まとめて補給できるようにしたものである。新聞積載部1600は新聞積載部1200と同期を取ることなくまとめて送り出せるので、摩擦搬送ベルト1251の搬送速度は遅くてよく、構造が簡単で複雑な制御も必要が無い。
その他の方法として、新聞積載部1600でなくベルトコンベアなどを用いて補給しても良い。なお、新聞積載部1600の配置の一例としては、図21の点線で示すような、新聞包装部4000を覆う上面が前掲の設置台(4100)よりも広い設置台4100a の上に配置するようにすれば、スペース的にも有利である。
また、新聞積載部1200を傾斜させると、装置の奥行きを短くできる。この場合、摩擦搬送機構1250において、積載される新聞本紙の後端部を上げるようにすると、積載された新聞本紙には下流方向に重力作用が加わり摩擦搬送駆動モータ260の負荷は軽くなり、逆に、新聞本紙の後端部を下げると、上流方向、すなわち、新聞本紙を前進駆動するのと逆方向に重力作用が加わり摩擦搬送駆動モータ260の負荷は重くなるが、最下層の新聞本紙と摩擦搬送ローラ251の摩擦、及び、摩擦搬送駆動モータの駆動力を充分与えて最下層の新聞本紙NP1が前進するようにすれば、最下層の新聞本紙NP1より上の新聞本紙は逆方向に力が加わるため、固定分離板301の捌き効果は増大する。
【0044】
次に、チラシEを、二次折した新聞本紙NPの一次折部の折り合わせ側を拡開する拡開手段を設けてチラシが挿入しうる拡開状態を形成してチラシを挿入して次段に送り出すチラシ挿入部2000について説明する。
本実施例におけるチラシ挿入部2000の構成は、前記の図5に示すように、新聞供給部1000から送られた新聞本紙NP(図中:矢印A)を開いてチラシEを折り込むモードと、単に自動給紙として、新聞供給部1000から送られた新聞を次段に送る自動給紙モードと、新聞供給部1000を用いず、チラシ挿入部2000から手差しで新聞本紙NP(図中:矢印B又はC)を次段に送るモードとを選択して使用できるように構成されている。
以下に、チラシ折り込みモードが選択されている場合について説明する。なお、チラシ折り込みモードが選択されている場合、新聞供給部1000から送り出される新聞は、殆どの場合、朝刊紙であり、厚さは新聞本紙に表示されている頁数で表現すると約30ページ〜40ページの厚さのものである。
【0045】
図22はチラシ挿入部2000を概略的(点線内)に示した側断面図である。
図22を参照して説明すると、搬送機構1360により新聞供給部1000から送り出される新聞本紙の先端N6は、搬送ローラ対1361の前方に設けた案内壁410と、後述する位置決めローラ対2425の左右一対の上搬送レバー466上に設けた案内板429によって垂直方向に向きを変えて、チラシ挿入部2000の入り口に誘導される。
チラシ挿入部2000は、所定位置にて新聞本紙NPを開くために新聞位置決め機構2420と、位置決めされた新聞本紙の後端(N4,N5)側の一次折線(PL,N3)上を摩擦部材で挟んだ後、前面側(手前側)の摩擦部材を移動させて新聞本紙の前面側を前方に開かせるための新聞拡開機構2450(拡開手段)と、拡開した新聞本紙NPにチラシEが挿入されたことを確認するためのチラシ挿入確認機構2480と、チラシ挿入部2000内の新聞本紙を次段に排出するための排出機構2500とから構成される。
また、後述するが、チラシ挿入部2000は、次段が新聞包装機である場合には、ロールフィルム交換がやり易いように、チラシ挿入部2000の一部が移動できる構造になっている。
【0046】
図23はチラシ挿入部2000の概略斜視図を示すが、図22及び図23を参照して新聞位置決め機構2420を説明する。
新聞位置決め機構2420は、新聞供給部1000から送り出される新聞を受け取り所定位置まで新聞を送るための位置決めローラ対2425と、この位置決めローラ対2425の前方(下流)にあって新聞本紙の後端(末端の前記折部の折り合わせ側(N4,N5)を検出するセンサ機構2435と、位置決めローラ対2425の手前にあって新聞本紙の後端を検出するためのセンサ機構2445と、位置決めローラ対2425を通過した新聞の先端N6を所定方向に誘導するためのガイド機構2490を備えている。
また、後述するが、ガイド機構2490の下流直後にある排出機構2500の排出ローラ対2520も新聞の先端N6を受け止めて、新聞位置決め機構2420の一部として機能している。
前記位置決めローラ対2425の下側は(装置の前面から見て奥側)、左右側板(図示せず)間に回転自在に支持された下位置決めローラ軸426に2つの位置決めローラ463を装着して、位置決め作動のために備えている。
【0047】
一方、位置決めローラ対2425の上側は(装置の前側)、左右側板(図示せず)間に回転自在に支持された上位置決めローラ駆動軸465を回動支点とした左右一対の上搬送レバー466を設け、この上搬送レバー466の先端に回転自在に設けた上位置決めローラ軸428上に左右一対の位置決めローラ463を装着し、この位置決めローラ463は下位置決めローラ軸426に固着した2つの搬送ローラ463と対抗して設けられており、左右一対の上搬送レバー466はそれぞれバネ470(図示せず)によって、上下の搬送ローラ463が所定の圧力で接するように付勢されるとともに、上位置決めローラ軸428と上位置決めローラ駆動軸465はタイミングベルト467で連結している。
そして、下位置決めローラ軸426と上位置決めローラ駆動軸465は位置決めローラ駆動機構2430(図示なし)に連結している。なお、下位置決めローラ軸426と上位置決めローラ駆動軸465が互いに逆方向に回転するように、いずれか一方の軸は、ギヤによる反転機構を介して位置決めローラ駆動機構2430に連結され、この位置決めローラ駆動機構2430の駆動モータはステッピングモータが使用される。また、搬送ローラ対1360と位置決めローラ対2425の周速は、ぼぼ、同速で回転するように駆動モータは制御される。
【0048】
そして、図22、図23に示すように、左右一対の上搬送レバー466の両外側には、前述したように、搬送機構1360により送り出される新聞本紙の先端N6を垂直方向に誘導するための案内壁410が設けられている。左右一対の上搬送レバー466は前記案内壁410に挟まれて、そのの内側を新聞本紙の厚みに応じて回動するようになっている。さらに、左右一対の上搬送レバー466には、案内板429が固着されている。このようになっていて、コシの弱い薄い新聞本紙の先端N6は、まず案内壁410によって下方に向きを変えてから、左右一対の上搬送レバー466間に設けた案内板429により位置決めローラ対2425に誘導され、また、コシの強い厚い新聞本紙の先端N6は案内壁410によって下方に向きを変えるとともに案内板429を押し上げ位置決めローラ対2425を開きながら、湾曲状に形成された案内壁410に沿って下方に向きを変え位置決めローラ対2425に達するようになっている。
位置決めローラ対2425を通過した新聞本紙の先端N6は、更に下流のガイド機構2490によって排出機構2500の排出ローラ対2520に向かって誘導される。
図22、及び、図23に示すように、下流のガイド機構2490は上ガイド壁(板)491(装置前方よりみて奥側)と下ガイド壁(板)492(装置前方より手前側)と左右側壁(板)494,493で、下流側ほど狭くなるロート状に構成されている。
図22に示すように、下ガイド壁492は水平より約45度程度傾いていて、その壁(板)上の新聞本紙が重力で滑落するような傾斜を有し、位置決めローラ対2425を通過した新聞本紙の先端は下ガイド壁492によって、装置奥側に方向転換される。
【0049】
また、チラシ挿入部2000を構成するガイド機構2490は、前記下ガイド壁(板)492は該下ガイド壁(板)上にチラシを手差し供給できるように十分な大きさの手差し供給用開口を構成するため、上ガイド壁(板)491は上方に大きく開口するロート状であり、左右側壁(板)494,493を設けてチラシが的確に新聞本紙の折部の開拡した折り合わせ側の間に挿入出来るようなに構成されている。
勿論、この供給用開口は、手挿入に代えて、本装置と同期を取ってチラシを自動給紙する場合にも対応できる。また、後述するようにチラシ挿入確認手段が設けられ、チラシ挿入が確認されなければ自動的に次の作業には移らない手差し供給制御してもよく、作業者がチラシをチラシ挿入口から手作業で挿入した後、確認スイッチ等を押すようにしてもよい。
【0050】
ここで、排出機構2500について説明するが、図22に示すように、排出機構2500はチラシ挿入部2000から外へ新聞本紙を送り出すための機構で、排出ローラ対2520、排出ローラ駆動機構2530(図37、38)、及び、センサ機構2550を備えている。
排出ローラ対2520は、位置決めローラ対2425と同様、チラシ挿入部2000内に設けた左右側板(図示せず)間に、回転自在に支持された下排出ローラ軸521に中心から左右均等位置に2つの排出ローラ563が図8に示す摩擦搬送ローラ251と同様の構造でワンウェイクラッチを介して設けられており、また、排出ローラ対2520の上側は、前記左右側板の外側にそれぞれ回動支軸(図示せず)を設け、一方の回動支軸は回転自在に支持されていて排出ローラ駆動機構2530(図示せず)に連結しており、この左右の回動支軸を回動支点とした左右一対の排出レバー(図示せず)を前記左右側板の外側に配置しており、前記左右の排出レバー先端には、下排出ローラ軸521に対抗して回転自在に設けた上排出ローラ軸528を左右側板間を貫通して設けている(なお、左右側板には上排出ローラ軸528が貫通して回動できる穴を設けてある)。
この上排出ローラ軸528上には、2つの排出ローラ563が下側と同様ワンウェイクラッチを介して前記下側の排出ローラ563と対向して設け、前記左右一対の排出レバー(図示せず)はそれぞれバネ(図示せず)によって、上下の排出ローラ563が常時所定圧力で接するように付勢されており、上排出ローラ軸528は排出ローラ駆動機構2530に連結した回動支軸とタイミングベルト(図示せず)を介して連結している。そして、上排出ローラ軸528と下排出ローラ軸521が、図示の方向で、互いに逆回転になるように反転機構(図示せず)を介して、それぞれ排出ローラ駆動機構2530(図示せず)に連結しており、上下の排出ローラ563がチラシ挿入部2000内の新聞本紙を挟持して排出できるように構成されている。
また、排出ローラ対2520の手前側には新聞本紙の有無を検知するための投受光素子で構成される光センサ対551からなるセンサ機構2550が備えられている。
【0051】
新聞拡開機構2450は、以上のような構成であるが、図24は新聞拡開機構2450の一連の動作を側面から示したもので、この作動を説明する。
今、図24(a)に示すように、新聞本紙の先端N6は、センサ機構2445、上下の搬送ローラ463からなる位置決めローラ対2425、及び、新聞本紙の後端を検出するセンサ機構2435を通過し、新聞拡開機構2450を構成する下摩擦ローラ427と上摩擦ローラ433の隙間に進入する。
新聞本紙は更に進行して、図24(b)に示すように、下ガイド壁492に達し装置奥側に方向転換される。
そして、図24(c)に示すように、排出ローラ対2520の位置は、位置決めされる新聞本紙の後端N4,N5が、上流の位置決めローラ対2425を抜けたときに、新聞本紙の先端N6が排出ローラ対2520に到達している位置(又は、既に到達している位置)になるように設定すると良い。
このことは、位置決めローラ対2425と排出ローラ対2520間の距離を新聞本紙の長さに設定すると言う意味ではなく、新聞本紙の湾曲度合いを大きくしたければ近づければ良いという意味である。
このように、新聞本紙の先端N6が排出ローラ対2520に到達していれば、新聞本紙の先端N6が惰性で進行するのを機械的に阻止することができ、また、新聞本紙を拡開するときに、新聞本紙の下側を左右の排出ローラ563で支えてバランスをとる効果が期待できるからである。
【0052】
ここで、図22、及び、図23に戻って、センサ機構2435,2445の構成と作動を詳しく説明すると、センサ機構2435、及びセンサ機構2445は、それぞれ、新聞本紙の有無を検知するための投受光素子からなる光センサ対436、光センサ対446からなり、摩擦搬送機構1360から送り出される新聞本紙の後端N4,N5が位置決めローラ対2425の手前に設けた光センサ対446を通過すると位置決めローラ対2425の回転速度を落としてブレーキをかけ、更に、新聞本紙の後端が位置決めローラ対2425の前方に設けた光センサ対436を通過すると位置決めローラ対2425が停止する。
前記光センサ対436の位置は、新聞本紙の後端N4,N5が位置決めローラ対2425から離れた直後の位置に設定されている。前述したが、このとき新聞本紙の先端N6は停止している排出ローラ対2520の排出ローラ563によって機械的に制止されて、新聞の進行を食い止める。このようにして、新聞本紙は新聞拡開機構2450で新聞本紙の後端N4,N5が拡開される位置に位置決めされる。
なお、前述したように位置決めローラ対2425の手前に設けた光センサ対446からなるセンサ機構2445は新聞本紙の位置決め時の速度を落とすために用意されているものであるが、前記搬送機構1360の新聞検出センサ対1390で代替できるものである。すなわち、搬送ローラ対1361から送り出された新聞本紙の後端N4,N5が新聞検出センサ対1390を通過すると位置決めローラ対2425の回転速度を落としてブレーキをかけ、更に、新聞本紙の後端が位置決めローラ対2425の前方に設けた光センサ対436からなるセンサ機構2435を通過すると位置決めローラ対2425が停止するようにしても良い。
【0053】
また、更に、位置決めローラ対2425の駆動モータにステッピングモータ等を用いて、新聞検出センサ対1390が新聞本紙の通過を検出するとステッピングモータの回転を落として位置決めローラ対2425にブレーキをかけると共に、所定のステップ数だけ新聞を送って、前記光センサ対436の位置に新聞本紙の後端を送るようにすれば、光センサ対436からなるセンサ機構2435も省くことができる。
しかし、本実施例のように、新聞検出センサ対1390、センサ機構2445、及び、センサ機構2435等の3つの位置検出手段を備えれば、新聞本紙の後端N4,N5が最初の位置検出手段(新聞検出センサ対1390)を通過すると位置決めローラ対2425にブレーキをかけてスピードを落とし、2番目の位置検出手段(センサ機構2445)を通過すると、位置決めローラ対2425を停止して、新聞本紙を位置決めローラ対2425で挟んだまま、その位置で一旦待機するようにして、ここで、直前の新聞が後述する排出処理を終了した時点で、再度、位置決めローラ対2425を駆動して新聞本紙を位置決め位置まで送り、新聞本紙の後端が位置決めローラ対2425を通過したことを検出する3番目の位置検出手段(センサ機構2435)で位置決めローラ対2425が停止するように制御でき、このようにすれば、前の新聞本紙が排出過程に入ると、次の新聞本紙を位置決め位置近くまで進ませておくことができ、全体の処理時間を速めることができる。なお、この場合でも前述したように、パルスモータを用いればいくつかのセンサ機構を省くことができることは言うまでもない。
【0054】
図24(c)以降は、拡開手段の手順とチラシEを挿入する手順を示すものであるが、以下で新聞拡開機構2450の構成を説明した後に、図24(c)に戻って再度説明する。
ここで、図25は、新聞拡開機構2450の一部を示す斜視図であるが、新聞拡開機構2450は新聞の一次折部の折り畳み側N3(一次折線PL側)が通過する側に設けられるが、本実施例では、チラシを折り込んだ新聞本紙のチラシの挿入作業を終了して装置外に排出されるときに、新聞社名が有る面が上になって排出されるようにしているため、新聞拡開機構2450は図25に示すように向かって左側に設けられる。
図22、図25に示すように、下位置決めローラ軸426の前方(上流側)には左右側板(図示せず)間に、下位置決めローラ軸426に並行に回転自在に支持された下摩擦ローラ軸451上に、下摩擦ローラ427を、新聞の一次折部の折り畳み側N3(一次折線PL側)が通過する位置に装着して設け、更に、下摩擦ローラ軸451は下位置決めローラ軸426上に設けた位置決めローラ463と回転方向が同じで、且つ、下摩擦ローラ427と位置決めローラ463の周速が同じになるようにギヤ430、431を介して連結されている。
【0055】
図26は、下摩擦ローラ427の構造を示すもので、図26に示すように、下摩擦ローラ427はボディ427aにゴム等の弾性材料を用いて成型した摩擦リング427bを被せて形成し、摩擦リング427bは容易に交換できる構造になっている。更に、摩擦リング427bの表面はたくさんの溝427cが形成されていて折り畳んだ新聞本紙を圧接して、移動したときに滑り難くしている。
下摩擦ローラ427は、所定位置にある新聞本紙の後側で一次折線PL上の裏側(装置前からから見て奥側面、内側面)から新聞本紙を挟む摩擦部材であり、これに対応して、表側(装置前から見て手前側、外側)は前記上摩擦ローラ433が設けられている。
ここで、下摩擦ローラ427の反対側から、すなわち、新聞本紙の後側で一次折線PL上の表側(装置前から見て手前側、外側)から所定の圧力を加えて新聞の一次折線部を上摩擦ローラ433で挟み、この状態で、この上摩擦ローラ433を前後に移動して、新聞本紙の表側(装置前から見て手前側、外側)開かせるために、上摩擦ローラ機構2600を備えている。
【0056】
図27は、上摩擦ローラ機構2600を説明するための概略側面図であり、図28はその平面図を示すものである。上摩擦ローラ機構2600は上摩擦ローラ433を下向きにし、上摩擦ローラ433が下摩擦ローラ427上に重なって後述する所定の軌跡で移動できるように、向かって左の側板側(図示せず)に固定用ブラケット605を用いて固定される。なお、上摩擦ローラ機構2600の取り付け位置や角度を調整できるようにしておくと、市場メンテナンスのときに都合が良い。
上摩擦ローラ機構2600は、上摩擦ローラ支持機構2620、上摩擦ローラ駆動機構2650、上摩擦ローラ位置検出機構2670、上摩擦ローラ案内機構2680を備えている。また、図27に示すように、上摩擦ローラ433は上摩擦ローラ支持機構2620によって支持されている。
この上摩擦ローラ433は図29に示すようなもので、上摩擦ローラ433は、上摩擦ローラボディ433aにゴム等の弾性材料を用いて成型した摩擦リング433bを被せており、摩擦リング433bは容易に交換できる構造になっている。更に、摩擦リング433bの表面は溝433cを形成して摩擦を増大させている。なお、下摩擦ローラ427の摩擦リング427bと同じものを用いてもよい。
この上摩擦ローラ433は、図27に示すように、断面コの字型に形成した上摩擦ローラレバー601の両側面601aの先端に固着して設けた上摩擦ローラ軸609に装着され、上摩擦ローラ軸609に装着される上摩擦ローラ433はワンウェイクラッチ603を介して一方向回転自在に支持されている。なお、回転方向については後述する。
【0057】
上摩擦ローラレバー601の両側面601aの他端はスライドブロック602に設けた支軸604上に回動自在に支持されている。
スライドブロック602は、固定用ブラケット605上に並行に設けた2本のスライド軸607aおよび607bが挿通していて、スライド軸607a,607b上を往復動自在に支持されている。
また、スライドブロック602にはラック608が形成されており、このラック608には駆動モータ(図示せず)に連結したピニオンギヤ駆動軸616を介してピニオンギヤ611が係合していて、駆動モータ610(図37)を正逆転することによりスライドブロック602を往復動させることができる。
なお、本実施例ではスライドブロック602の往復動の駆動機構としてラック・ピニオンが用いられているが、これをクランク機構やカム機構に代えても良いことは言うまでもない。
上摩擦ローラレバー601は、上摩擦ローラ433が下摩擦ローラ427に所定の圧力で接するように、両側面601aを支軸604から反対側に延設したレバー601bの先端とスライドブロック602の後端に設けたフック618との間に架けた2本の付勢用バネ612によって、上摩擦ローラレバー601は図示の矢印方向に付勢されるとともに、上摩擦ローラレバー601の底面601d上に装着した所定の形状に形成した案内ガイド614(カム)が、底面601dに穿孔して設けた角穴(コロ613が自由に移動できる巾の長方形の孔)601cを通して固定用ブラケット605上に装着したコロ613に当接していて、上摩擦ローラ433の矢印方向の移動を規制するので、スライドブロック602の往復動(前後進)に対して上摩擦ローラ433はコロ613と案内ガイド614で規制された軌跡を描きながら往復させることができるようになっている。なお、上摩擦ローラ433が描く詳しい軌跡については後述する。
【0058】
この上摩擦ローラ433の位置を検出するために上搬送ローラ位置検出機構2670が備えられている。この位置検出については、スライドブロック602上に位置検出用センサドック671を有し、スライドブロック602が移動すると、このセンサドック671の位置を検出するためにフォトインタラプタ672をセンサドック671の軌道上に複数(672a、672b、672c、672d)備えている。詳細は後述するが、上摩擦ローラ433の後退位置(原点位置:図31のa位置)に対応してフォトインタラプタ672aを設け、このフォトインタラプタ672aから順にフォトインタラプタ672b(待機位置に対応:図31のb位置)、フォトインタラプタ672c(作動位置に対応:図31のc位置)、フォトインタラプタ672d(最前進位置に対応:図31のd位置)が配置されている。
【0059】
図30は、拡開機構2450の拡開する動作の途中を示す斜視図で、図30(a)は、新聞本紙の二次折部の折り合わせ側後端N4と後端N5とを互いに分離し、後端N4を上流側(前方)にせり出されていく状態を説明する斜視図、図30(b)は、後端N4が上摩擦ローラ433から外れ、急速に外側(手前)に開いていく状態を説明する斜視図である。
即ち、図30(a)においては、図24(c)から図24(d)に示すように新聞本紙がセットされた初期状態から、上摩擦ローラ433を前方に押し出すことによって、新聞本紙の二次折部の折り合わせ側後端N4と後端N5とを互いに分離し、開かせる側の新聞本紙の手前の後端N4を上流側(前方)にせり出されていく様子を示している。
次いで、図30(b)においては、図24(f)に示すように上摩擦ローラ433が上方位置に戻ることにより、開かせる側の新聞本紙の一方の手前の後端N4が上摩擦ローラ433から外れ、開かせる側の新聞の自重と、反った新聞のコシによる戻り力の作用によって、急速に外側(手前)に開いていく様子を示している。
図31は、上述した上摩擦ローラ機構2600がスライドブロック602を往復動したときの、上摩擦ローラ433の位置を(a,b,c,d)側面から示したものである。また、図33は案内ガイド614とコロ613の関係を示す側面図である。
【0060】
図27、図31、及び、図33を参照して、上摩擦ローラ433の挙動を説明すると、図27でスライドブロック602の最後退位置はフォトインタラプタ672aで検知される。このとき、上摩擦ローラ433は、図31において右側のaの位置に有り、この状態を以降原点位置と称するが、新聞本紙を拡開しないモードの時の常駐位置である。
この原点位置では、図33(a)に示すように、コロ613が案内ガイド614を押し上げて、上摩擦ローラ433はガイド壁410よりやや高い位置にあって、厚い新聞本紙が自動給紙されても支障がない高さに有る。
スライドブロック602がフォトインタラプタ672bで検知されているとき、コロ613と案内ガイド614との関係は図33(b)に示す位置にあって、上摩擦ローラ433は図31のbの位置になる。この状態は、新聞本紙の後端N4,N5を拡開するときの常駐位置で、以後は待機位置と称する。この待機位置では上摩擦ローラ433と位置決めローラ対2425の上側の位置決めローラ463との新聞走行面がほぼ同じになる位置にある。
なお、下摩擦ローラ427は位置決めローラ対2425の下側の位置決めローラ463との新聞走行面がほぼ同じになる位置にある。
スライドブロック602がフォトインタラプタ672cで検知されているとき、コロ613と案内ガイド614との関係は図33(c)に示すように、コロ613は案内ガイド614からはずれて作動位置になる。この作動位置のとき上摩擦ローラ433は下摩擦ローラ427と接触状態になる。このときの接触圧は付勢用バネ612のバネ圧によって決定される。なお、図28から見取れるように、左右の2本の付勢用バネ612は、上摩擦ローラ支持機構2620のガタを吸収し、上摩擦ローラ433を下摩擦ローラ427に並行に接触させる作用・効果がある。
スライドブロック602がフォトインタラプタ672dで検知されているとき、コロ613と案内ガイド614との関係は図33(c)と同じく、コロ613は案内ガイド614からはずれている。このとき上摩擦ローラ433は下摩擦ローラ427と所定の圧力で接触状態にありながら前進する。このとき上摩擦ローラ433は最前進位置になる。
【0061】
図32は、図25の状態から新聞を拡開するときの上摩擦ローラ433と下摩擦ローラ427の関係を示したものである。
図32(a)は、新聞本紙が位置決めローラ対2425(図22参照)によって送られてくる様子を示し、このとき下摩擦ローラ427は位置決めローラ対2425と一緒に図32の矢印の回転方向で回転している。このとき、上摩擦ローラ433はワンウェイクラッチ603によって矢印の方向には空周りすることができる。
図32(b)は新聞本紙の二次折部の後端N4,N5が光センサ436を通過した直後の状態を示す。このとき位置決めローラ対2425は停止し、同時に下摩擦ローラ427も停止する。
本実施例において、位置決めローラ対2425の駆動モータはステッピングモータを用いており、モータ停止直後にモータ保持電流を流してモータをロック状態に保持することができる。位置決めローラ対2425と下摩擦ローラ427はギヤ430、431で連結(図25参照)しているので、したがって、下摩擦ローラ427も同時にロックされることになる。
【0062】
図32(c)は、新聞本紙の後端N4,N5がセンサ機構2435を通過し下摩擦ローラ427をロック状態にすると同時に、図31に示す軌跡で、スライドブロック602を移動して上摩擦ローラ433を図31のc点に移動する。このとき、新聞本紙の後端N4,N5は、図32(c)に示すように、下摩擦ローラ427側に反り返り若干絡むような状態になる。
この状態で、更に、上摩擦ローラ433が図31のd点まで一気に移動すると、二重の後端N4,N5のうち開かせない側の新聞本紙の後端N5は、回転がロックされている下摩擦ローラ427との摩擦で動くことができない状態になる。
一方、図32(d)に示すように、上摩擦ローラ433はワンウェイクラッチ603が介在しているので、その作用で矢印Xの方向に回転することができず、摩擦部材として作用しながら前進する。このとき、摩擦リング433bと新聞との摩擦、摩擦リング427bと新聞との摩擦が、新聞同士の摩擦よりも遥かに大きく、また、摩擦リング433bと新聞、及び、摩擦リング427bと新聞が滑らなく、折り合わせた新聞同士が容易に滑るように前述した付勢用バネ612のバネ圧を適度に調整することにより、図30(a)に示すように、新聞本紙の後端の開かせる側N4(手前側)を前に擦りだすことができる。
このとき、開かせる側の新聞本紙の後端N4側は、新聞本紙の自重、及び、新聞本紙の反り戻り力によって開かせようとする力Fがはたらいている。
なお、図32(c)で示すように、新聞本紙を下摩擦ローラ427に絡ませることによって、下摩擦ローラ427に絡んだ新聞を滑り難くし、また、前述したように、新聞を予め湾曲させておくと、(一次折り線を開く側に曲げておくと)上摩擦ローラ433が接触している開かせる側N4(手前側)を出しやすくする効果がある。
【0063】
図32(e)はスライドブロック602が、図27でフォトインタラプタ672dで検知されるまで前進した時(最前進位置)に、駆動モータを逆転させて図31のc点まで一気に上方位置に復帰した状態を表している。
このとき、上摩擦ローラ433はワンウェイクラッチ603の作用で矢印Yの方向に転がりながら移動する。そして、上摩擦ローラ433は速やかに新聞本紙の自重、及び、反りの戻り力によって開かそうとする新聞本紙上を転がって上方位置に戻り、開こうとする新聞本紙の後端N4からはずれ、その結果、開こうとする新聞本紙の後端N4は自重と、新聞本紙NP自体のコシの力が作用して下降する。一方、開かせようとしない側である新聞本紙の後端N5は上摩擦ローラ433と下摩擦ローラ427に挟まれた状態を維持している。
【0064】
図32(f)は上摩擦ローラ433を、待機位置まで上方に移動したときの状態を示すが、このとき、上摩擦ローラ433と下摩擦ローラ427との隙間は十分に開き、開かせない側の新聞本紙の後端N5も自重とコシの力が作用して矢印方向に落下し、新聞本紙の後端N5も後端N4に重なり、開いた新聞本紙の二次折部の折り合わせ側を揃え、新聞本紙の両後端を閉じることになる。
なお、このとき、図32(f)に下摩擦ローラ対427を矢印Z方向に回転させれば(次の新聞をチラシ挿入部2000に送る作業を開始すれば必然的にそうなるが)更に早く閉じさせることができ、作業時間を短縮することができる。
以上述べたように、新聞拡開機構2450は、4つ折り新聞の一次折り部を、下摩擦ローラ427と上摩擦ローラ433で挟み、下摩擦ローラ427をロックして下側摩擦部材とし、上摩擦ローラ433はワンウェイクラッチの作用で前進するときは上摩擦部材として作用し、後退するときはコロとして作用し、開かせない新聞の拘束部材として開かない側の新聞を挟みながら後退し、同時に開かせる側の新聞から外れて、開かせる新聞を開放させる部材として機能している。
なお、以上説明した上摩擦ローラ433の移動軌跡は一例であって、例えば、図31の待機位置bを下摩擦ローラ427と向かい合った(平行な)位置(この位置をb´とする)に置くようにしてもよい。このようにしたときの上摩擦ローラ433の移動軌跡は、図24、図31を参照して、上摩擦ローラ433がb´の位置で新聞を位置決めし(図24の(a)から(c)の工程)、上摩擦ローラ433をc位置に戻し、(図24の(d)の工程)、次に、上摩擦ローラ433をd位置に前進させ(図24の(e)の工程)、次に、再び上摩擦ローラ433をc位置に戻し(図24の(f)の工程)、そして、図24の(f)の工程では、新聞本紙の後端N5をN4に重ねるため、下摩擦ローラ427を図32(f)で示すようにZ方向に回転させるか、bの位置に戻したのち、待機位置b´に戻すようにしても良い。このようにしても、同等の作用効果が得られる。
【0065】
次に、チラシ挿入確認手段について説明する。
図1、及び、図35(a)に示すように、チラシ折り込み装置1の前面には、前面とコの字型に形成したチラシ挿入ガイド651で囲ったチラシ挿入口650が形成され、このチラシ挿入口650にチラシを上から投入すると、チラシは落下してチラシ挿入口650を通過し、新聞拡開機構2450によって開かれた新聞内に、チラシが挿入されるように、チラシ挿入口650は下ガイド壁492の上方で、やや内よりに設けられている。
図35(a)、及び、(b)に示すように、チラシ挿入ガイド651とチラシ折り込み装置1の前面間には投受光素子からなるチラシ検出センサ対653を備えてチラシ挿入口650を通過するチラシを検出できる構成になっている。
本実施例におけるチラシ挿入確認手段はこのような構成になっていて、チラシ検出センサ対653が遮光状態から遮光状態解除に変化したとき、チラシがチラシ検出センサ対653を通過したことになる。チラシ挿入完了の認識としては、更に、チラシEが新聞本紙の所定位置まで収まるまでの時間(落下時間)を考慮すれば確実となる。
このような手段によって、チラシ挿入完了が検知されると、前述した、図32(f)の工程に移り、新聞本紙の後端N4,N5の開いた状態を閉じる作業が行なわれる。
なお、本実施例のチラシ挿入部2000は、下ガイド壁(板)492上にチラシを手差し供給できるように手差し供給用開口を備え、チラシ挿入確認手段等からなる手差し供給制御手段を構成しているが、本実施例のチラシ挿入確認手段は一例であり、別の構成として、例えば、必要に応じて、作業者がチラシをチラシ挿入口から手作業で挿入した後、確認スイッチ等を押すことによっても代替できる。
【0066】
ここで、前掲の図24に戻って、図24(c)以降の新聞の拡開手段の工程以降を説明するが、図24は新聞拡開機構2450の一連の動作を側面から示したものであるが、更に、図34にチラシ挿入工程のタイムチャートを示し、図24、及び、図34に基づき、チラシ挿入部2000の動作を説明する。
図34のチャイムチャートに示すように、チラシ挿入モードが選択されると上摩擦ローラ駆動機構2650(図27参照)を駆動して上摩擦ローラ433を待機位置に移動する(図31、図32:a点からb点)。
なお、上摩擦ローラ433は自動給紙モード時、厚い新聞の走行に妨げがないように原点位置に退避している。チラシ挿入モードの時に待機位置に移動するのは、連続の処理速度を速めるために行なわれる。
ここで、図13のチャイムチャートのチラシ挿入部2000への送りモードのC点については、前述したように新聞供給部1000において、最下層の新聞が搬送機構1360(図12(d)、図22等参照)に挟持されていて、新聞検出センサ対1390が新聞有りを検知した状態で、次段に新聞を送り出せる状態にあると、搬送機構1360を駆動する。
図13のチャイムチャートのC点は図34のチャイムチャートのc点になるが、c点では、搬送機構1360を駆動して新聞供給部1000からチラシ挿入部2000に送出を開始すると同時に位置決めローラ対2425を駆動する。
【0067】
搬送機構1360から送り出された新聞は位置決めローラ対2425が受け取り、新聞本紙が新聞検出センサ1390を抜けると、位置決めローラ対2425が新聞を所定位置に送ることになる。前述したように、図24(a)はそのときの状態である。
図24(b)では、新聞本紙が進行して先端が下ガイド壁492に誘導されて内側に湾曲し、新聞の後端がセンサ機構2445を通過すると、(図34のd点)位置決めローラ対2425にブレーキかけて送り速度を落とす。
図24(c)では、更に進んで、新聞本紙の後端N4,N5がセンサ機構2435を通過すると(図34のe点)位置決めローラ対2425を停止すると共に、前述したように、保持電流を流してロックをかける(図34の太線部)。
図24(d)では、位置決めローラ対2425の停止と同時に、上摩擦ローラ駆動機構2650を駆動して上摩擦ローラ433を前進させる。
図24(e)では、更に進んで、上摩擦ローラ433が最前進位置(図で最下降位置)にあるときの状態を示すもので、上摩擦ローラ433が最前進位置に到達すると、上摩擦ローラ駆動機構2650を停止する(図34のf点)。
図24(f)(図34のg点)では、上摩擦ローラ駆動機構2650を停止直後、再度、上摩擦ローラ駆動機構2650を、今度は逆回転して上摩擦ローラ433を図31(図32)でのc位置まで戻す。上摩擦ローラ433がc位置まで戻ると上摩擦ローラ駆動機構2650を停止する。
ここで、チラシが挿入されることになるが、本実施例におけるチラシ折り込み装置は、作業者がチラシ挿入口650から手挿入でチラシを挿入することができる装置である。
なお、この新聞拡開機構2450においては、手挿入に代えて、本装置と同期を取ってチラシを自動給紙するようにしても良いことは言うまでもない。
【0068】
図24(g)及び(h)では、チラシEを挿入する工程に進むが、チラシ挿入口650からチラシが挿入されると、チラシ検出センサ対653がチラシ有りを検知し、(図34のh)更に、チラシがチラシ検出センサ対653を通過すると(図34のi)所定時間T後に、再度、上摩擦ローラ駆動機構2650を逆回転させて上摩擦ローラ433を待機位置に戻す。(図34のj点)このとき、下摩擦ローラ427と上摩擦ローラ433とで抑えられていた、開かせない側の新聞は2つの摩擦ローラから開放され、自重で落下する。なお、所定時間TはチラシEの落下時間を考慮したものである。
図24(i)では、新聞本紙の後端N4に後端N5が重なり、新聞本紙の後端N4,N5の拡開手段工程、及び、チラシEの挿入工程を終了する。
こうして、上摩擦ローラ433が待機位置に戻ると排出ローラ駆動機構2530を駆動して新聞をチラシ折り込み装置1外に排出する。(下ガイド壁492上の新聞は自重で滑落する状態にあり、排出ローラ対2520を駆動すると容易に排出ローラ対2520に食い込むことができる。)(図34のk点)センサ機構2550が新聞の通過を検知すると排出ローラ駆動機構2530を停止する(図34のl点)。
なお、チラシ挿入部2000が上述した一連の動作を行なっているとき、新聞供給部1000は図13に示す動作を繰り返し、次の新聞をチラシ挿入部2000に送れる状態になり連続的な早い処理が可能になる。
【0069】
上記図34に示したタイムチャートは一例であって、例えば、図24の(a)で示す工程と、図24の(i)の工程を重ねるなどして連続処理の速度を上げることができる。
また、位置決めローラ駆動機構(図37:2430)の駆動モータにステッピングモータを使用すると、送りステップ数で新聞本紙の後端の位置を予測できるので、図24(c)から図24(d)に示す新聞本紙の後端N4,N5が、位置決めローラ対2425を抜けた直後の上摩擦ローラ駆動機構(図37:2650)の駆動タイミングをセンサ機構2435に頼らずとも同期がとれるとともに、駆動タイミングを速めたりする調整も可能である。
また、位置決め手段であるが、本実施例では下摩擦ローラ427と上摩擦ローラ433を位置決めローラ対2425の前方(下流側)に設けていて、上摩擦ローラ433を前方に移動して拡開作業を開始するときに、既に、新聞本紙の後端後端N4,N5は位置決めローラ対2425からはずれて(開放されて)いるようになっている。
【0070】
この実施例の他の手段として、図41に示す別の実施例のように、図22での下摩擦ローラ427を位置決めローラ対2425の下側の位置決めローラ463が装着されている下位置決めローラ軸426上(即ち、図41では位置決めローラ463と下摩擦ローラ427とが同軸)の左隅に設け(新聞本紙の一次折り線が通過する位置)、これに伴い、上摩擦ローラ433も上流側に移動させて下摩擦ローラ427と上摩擦ローラ433の組み合わせを上流側に寄せて配置することもできる。このようにすると、下摩擦ローラ軸451とギヤ430、431を省略することができると共に、装置の高さを低く抑えることができる。
このようにした場合、新聞本紙を位置決めした時、新聞本紙の後端N4,N5が位置決めローラ対2425からはずれていないので、上摩擦ローラ433を前方に移動して拡開作業を開始する前に、カム等を用いて上搬送レバー466を持ち上げ、新聞本紙の位置決めローラ対2425からの拘束を解除する必要がある。
図41(a)では、新聞本紙の後端が位置決めローラ対2425の手前(上流側)に設けたセンサ機構2435を通過した位置で位置決めローラ対2425を停止し、新聞本紙は位置決めされる。なお、この場合では、下摩擦ローラ427は下位置決めローラ軸426上に設けるため、下位置決めローラ軸426上の位置決めローラ463´は下摩擦ローラ427と同径となるから、上下の位置決めローラ径と下摩擦ローラ427の径を同じにするか、また、異なる場合は周速を合わせるようにすればよい。
図41(b)から図41(c)は上摩擦ローラ433を図24(d)の位置に前進させると共に、上位置決めローラ軸428をカム板680と上搬送レバー466によって持ち上げ新聞本紙を位置決めローラ対2425から開放している様子を示す。
【0071】
本実施例の新聞拡開手段は、以上説明したように、新聞本紙NPの裏表に接するそれぞれの摩擦部材が、上摩擦ローラ433、下摩擦ローラ427を用いて新聞本紙NPを挟持し、開こうとする側の摩擦部材を移動して一次折部を開かない側の面からずらすとともに、開かない側の面を挟持して其の位置を保ちながら開こうとする側に重力の開く力を加え、其の状態で開かせる側の摩擦部材による挟持を開放して新聞を開かせるようにしたものであるが、本発明の特徴を損なうものでなければ、主に図35に示すような実施例に限定されないことは勿論である。
以下に、上述した実施例以外の新聞拡開手段の別の実施例を説明するが、図36(a)は前述の本実施例の下摩擦ローラ427に代えて、固定の摩擦部材M1を用いてもよく、本実施例と同等の作用効果が得られる。
また、図36(b)は、図36(a)の摩擦部材M1を、本実施例の下摩擦ローラ427と同様、下摩擦ローラ427と同じように円弧状にした摩擦部材M2を用いてもよい。勿論、本実施例の下摩擦ローラ427を固定して(回転させないで)使用したのと同等であるので、やはり、本実施例と同等の作用効果が得られる。
更に、図36(c)は、ワンウェイクラッチを用いた上摩擦ローラ340の代わりに、固定の摩擦部材M3を用いて、開かせる側の新聞本紙の後端N4,N5をせり出したのち、抑え部材Nによって開かせない側の新聞を抑え、その状態で摩擦部材M3をX方向に移動して開かせる側の新聞の拘束を開放させるようにしたものでもよく、本実施例と同等の作用効果が得られる。
なお、開かせる側の新聞本紙の後端N4,N5は、重力以外に、図36(c)のZで示す位置にエアを入れたり、機械的にブレードを用いる等して、摩擦部材M3の退避と同時に、開く力を加えてもよく、本実施例と同等の作用効果が得られる。
図36(d)は、図36(a)を更に寝かせたもので、このような使用も可能である。
なお、図36の(a)、(b)、(c)がいずれも、新聞本紙が湾曲されているが、新聞本紙をまっすぐ排出ローラ対2520に当接するようにしても良い。前述したように図示のように湾曲させると、新聞本紙のN4を移動させやすく、また、開かせる時間も早くなり、また、装置の高さを低く抑える作用・効果がある。
勿論、本発明は、以上述べた種々の実施例に限られるものでないことは言うまでもない。
このように、本発明の拡開手段は、従来のように空気作用ではなく、ローラ等の機械構造で構成できるので、装置全体をコンパクトにすることができる。
【0072】
ここで、以上説明したこれらの装置に使用する電気系統の1実施例を、図37に示して説明するが、図37は電気系統のブロック図である。
図37において、チラシ折り込み装置1の電気系統は、各操作スイッチの操作パネルのブロック、新聞供給部1000の各種センサ及び検出回路とモータ等の駆動回路、各種データーテーブル等のブロック、同様に、チラシ挿入部2000の各種センサー及び検出回路とモータ等の駆動回路、各種データーテーブル等のブロック等から構成され、アクチエータ、センサ等はインタフェースを介して演算装置3000に接続されている。また、この演算装置3000は、新聞包装機4002を接続する場合には、新聞包装機の電気系の制御回路とも接続されている。
演算装置3000内にはマイクロプロセッサやROM、RAM、各種インタフェースが備えられ、ROM内にはプログラムが格納されていて、演算装置3000に接続された各操作スイッチ、アクチエータ、センサ、等を適宜コントロールするように設計されている。
上述した、チラシ挿入モード、自動給紙モード、手挿し挿入モード、等のモード変更は、図1に示すように、チラシ折り込み装置1の前部に設けた操作パネル内のスイッチによって切り替えることができる。
【0073】
次に、自動給紙モードについて、そのタイムチャート図である図38を参照して説明する。
自動給紙モードは新聞供給部1000に積載された新聞本紙、又は、既にチラシが折り込まれた新聞本紙を一部ずつ取り出してチラシ挿入部2000に送り、チラシ挿入部2000に送られた新聞本紙は排出機構2550から新聞包装機4002に同期をとって送り出されるようにしたものである。図38は、この自動給紙モードのタイムチャートの一例を示すものである。
図38のタイムチャートにおいて、自動給紙モードの開始後、(A点)次段要求信号、ここでは、新聞包装機のレディ(受入可)信号に基づき、新聞検出センサ対1390が新聞本紙を検出していないと新聞供給部1000は、図13のタイムチャートで示したように、摩擦搬送機構1250、および搬送機構1260を起動して、(B点)最下層の新聞を一部取り出し、新聞検出センサ対1390が新聞本紙の先端N6を検出すると摩擦搬送機構1250は停止するが、搬送機構1260は継続駆動し(実線部)新聞をチラシ挿入部2000に送り出すと共に、位置決めローラ対2425を起動して新聞を受け取る態勢に入り(C点)、更に進んで位置決めローラ対2435に達した新聞本紙の先端N6は、やがて、センサ機構2435に達する。
新聞本紙の後端N4,N5が新聞検出センサ対1390を抜けると、摩擦搬送機構1250を起動すると共に、搬送機構1260は継続駆動して(実線部)次の最下層の新聞を取り出す動作を開始する(D点)。更に進んで、新聞本紙の先端N6がセンサ機構2550で検知されると、排出ローラ駆動機構2530を駆動する(E点)。新聞本紙の後端N4,N5がセンサ機構2435を通過すると位置決めローラ対2435を停止する。
【0074】
新聞本紙の先端N6が排出ローラ対2520に達すると新聞本紙は次段に送り出され、新聞包装機内に送り込まれると、新聞包装機のレディ信号はなくなる(F点)。センサ機構2550が新聞本紙の後端の通過を検知すると排出ローラ駆動機構2530を停止する。このとき新聞本紙は新聞包装機の搬送ベルトによって内部に引き込まれるが、新聞本紙の後端が排出ローラ対2520に挟まれているときでも排出ローラ563は挿入されたワンウェイクラッチの作用により空転するようになっている。
新聞検出センサ対1390が次の新聞の取り出しを検知すると、摩擦搬送機構1250、及び、搬送機構1260を停止する(G点)。なお、このとき、新聞包装機から次段要求信号が出ている場合はC点からの動作が行なわれる。
新聞包装機から次段要求信号が出ていない場合は、次の次段要求信号がくるまで待機し(H点)H点からはC点からの動作と同じ動作が行なわれる。
このように、自動給紙モードでは、まず、新聞供給部1000よりチラシ挿入部2000に新聞本紙が送り込まれる。新聞供給部1000はチラシ挿入部2000に新聞本紙を送り込むと、次の新聞本紙を送る用意をする。
チラシ挿入部2000内に新聞本紙が有ることがセンサ機構2550で検知され、新聞包装機4002が新聞受け入れ可能状態であるとき、排出機構2500を駆動して新聞本紙を新聞包装機4002に送り出す。
以上の動作を繰り返すことにより、新聞包装機4002に同期をとって自動給紙できる。
【0075】
図42は自動給紙モードであって、前述の図38に示したタイムチャートと異なるタイムチャートの別の実施例を示すものである。
この別の実施例の図42での自動給紙モードでは、新聞供給部1000は、C点にて新聞をチラシ挿入部2000に送り出しを開始し、新聞が新聞検出センサ1390を通過して送り出しを終了すると、再び次の新聞を送り出す作業に入る(D点)。
一方、チラシ挿入部2000では、センサ機構2550が新聞有りを検知していると次段要求信号に応じて排出ローラ駆動機構2530を駆動して新聞を次段に送り出し、センサ機構2550により新聞が排出されたのを確認して排出ローラ駆動機構2530を停止する(H点)。ここまでは、図38に示すものと同じである。
しかし、図42では新聞供給部1000に次の新聞の送り出しを要求する(H点)。
この例では、図38の自動給紙モードの例と異なり、チラシ挿入部2000に新聞がなくなると次の排出に備えて新聞供給部1000からチラシ挿入部2000に新聞を補充するようにするので、新聞包装機4002からの次段要求信号に対して、新聞供給部1000から送り出すのでなくチラシ挿入部2000から新聞を送り出せることになり、連続の処理速度は早くなる(図42のタイムチャートでは、新聞供給部1000はチラシ挿入部2000に新聞を供給すると、次の新聞を送る作業を開始し、チラシ挿入部2000は新聞包装機4002に新聞を送ると、新聞供給部1000からチラシ挿入部2000に新聞を補充するようにすることを繰り返す)。
図42のタイムチャートによる自動給紙機能と、新聞包装機4002に送出する条件にチラシ確認手段の結果を加えると、チラシ挿入部2000に送られた新聞本紙NPの上面、又は、下面に、図43に示す装置を用いて、挿入紙、雑誌、諸紙、チラシ等の挿入物Pを重ねて新聞包装機4002に送り出すことができる。(ここで、挿入紙とは新聞販売店が購読読者向けに独自で作成した印刷物等を意味し、また、諸紙とはスポーツ紙等を意味する。)
【0076】
図43に示すのは、自動給紙機能とチラシ確認手段により挿入物Pを重ね合わせて排出できるようにする一例を示す概略側面図である。また、図44にそのようにした時のタイムチャートの一例を示す。
図42と図44の相違点は、排出ローラ駆動機構2530の駆動条件が、図42では次段要求信号とセンサ機構の新聞有りのアンド条件に対して、チラシ検出センサ653による挿入確認条件のアンド条件を加えたものである。
図43、及び、図44を用いて、自動給紙(チラシ重ね合わせ)モードの動作について説明する。
図44のタイムチャートにおいて、図42のタイムチャートと同様、新聞供給部1000はチラシ挿入部2000に新聞を送出する。チラシ挿入部2000に送り出された新聞本紙の後端N6がセンサ機構2435で検知されると位置決めローラ対2425を停止する。このとき、センサ機構2550は新聞有りを検知しているが、排出ローラ駆動機構2530は駆動されなく停止したままである(E点)。
チラシ挿入部2000内の新聞は、やがて、新聞本紙は図43に示す下ガイド壁(板)492上で後端N4,N5が合わさった状態で静止する。この状態で、チラシ挿入口650より挿入物Pを投入すると、チラシ挿入部2000内の新聞本紙上に落下する。
チラシ検出センサ対653が挿入物Pの通過を検知した後、落下時間を考慮した所定時間Tの経過で挿入が確認された状態とし、このとき次段要求信号があれば、(すなわち、センサ機構2550で新聞本紙が検出されていて、挿入物Pの挿入が確認されていて次段要求信号があれば、)排出ローラ駆動機構2530を駆動して新聞包装機4002内に排出する(F点)。このとき、新聞供給部1000から供給された新聞本紙とチラシ挿入口650から投入された挿入紙、雑誌等の挿入物Pが重なって排出される。そして、前述したように、新聞包装機4002内に新聞本紙と挿入物Pが重なって挿入されると、新聞包装機4002の次段要求信号はOFFとなり(G点)、更に、進むと新聞本紙と挿入物Pは、新聞包装機4002の内部の搬送ベルトBa,Bb(図5参照)に到達し内部に送り込まれる。
以降は、図42のタイムチャート同様に、チラシ挿入部2000内に次の新聞が供給されるように進む(H点)。
【0077】
次に、新聞本紙の下側に挿入物Pを重ねて送り出す例を示す。
図43は、前掲の図22の概略側面図に比較して、下ガイド壁(板)492の下方に、更に別の第二の下ガイド壁(板)492´とチラシ検出センサ対653´を配設し、第二のチラシ挿入口650´を形成したものを示す。
この例においても、上述の新聞本紙の上から重ねる時のタイムチャート図44と変わることなく制御できるが、但し、挿入物Pは第二のチラシ挿入口650´から挿入することができる。そして、チラシ検出センサ653とチラシ検出センサ653´の切り換えなしに並列に作動させても良いが、操作パネル内のモード切換スイッチにより、チラシ検出センサ653のみをアクティブにする上重ねモードと、チラシ検出センサ653´をアクティブにする下重ねモードを切り替えるようにしても良い。
第二の下ガイド壁(板)492´は水平より約30度傾斜していて、第二の下ガイド壁(板)492´上の挿入紙、雑誌、諸紙などは自重で滑落できるようになっている。なお、滑落スピードが遅く問題があるようであれば、傾斜を更に強くしたり、第二の下ガイド壁(板)492´を搬送ベルトや搬送ローラなどを用いてタイミングを取って駆動するようにしても良い。
このようにすれば、新聞供給部1000から給紙された新聞本紙の下に挿入紙、雑誌、諸紙、チラシ等を重ねて送り出すことができる。
また、第二のチラシ挿入口650´から挿入物Pを挿入して新聞本紙の下に重ねる場合は、前述した新聞本紙の上に重ねる場合と異なり、チラシ挿入部2000内に供給される新聞が下ガイド壁(板)492上に落下して収まる前に第二のチラシ挿入口650´より挿入物Pを挿入しておくことができるので、チラシ挿入部2000内に新聞本紙が供給されると同時に排出することが可能なので処理速度が早くなる。
【0078】
以上述べたように、自動給紙機能とチラシ確認手段とを組み合わせれば、チラシ挿入部2000に自動給紙された新聞本紙NPの上面、又は、下面に、挿入紙、雑誌、諸紙、チラシ等の挿入物Pを重ねて新聞包装機4002に送り出すことができる。
このことは、既にチラシが折り込まれた新聞本紙に、新たなチラシを上、又は、下に重ねて新聞包装機4002に送り出すことができるのみならず、チラシが折り込まれていない新聞本紙に拡開して折り込むべきチラシを、(新聞本紙を拡開しないで)新聞本紙に重ねて新聞包装機4002に送り包装することもでき、処理速度が早くなって作業の効率化になる。
また、チラシを折り込んだ一方の新聞本紙NPを自動給紙して、チラシを折り込んだ他方の新聞本紙とを重ねて(例えば朝日新聞と読売新聞)新聞包装することも可能で新聞配達の合配環境にも対応できる。また、第二の下ガイド壁(板)492´とチラシ検出センサ対653´による、第二のチラシ挿入口650´を備えていることは、新聞本紙にチラシを折り込むと共に、挿入紙などの挿入物Pを下から重ねて新聞包装を行なうことが可能である。
【0079】
次に、手差しモードについて、そのタイムチャート図である図39を参照して説明する。
手差しモードは、盆、正月等のイレギュラーな厚みの新聞本紙や、週刊誌等新聞供給部1000が使用できない場合、チラシ挿入部2000内に、上記被包装物を手差しで挿入することにより、排出機構2550を新聞包装部4000への給紙機構と使用するものである。
なお、チラシ挿入部2000内への手差し挿入は、前述したチラシ挿入口650から挿入するようにしても良いし、あるいは、チラシ挿入ガイド651の下方より下ガイド壁492上に挿入するようにしても良いし、あるいは、図5の矢印Cで示すように、下ガイド壁492の下方部分を切り欠いて、より水平状態で押し込み挿入できるようにしても良い。
手差しモードは、操作パネルのモード選択スイッチにより選択できる。手挿しモードになると(A点以降)、次段要求信号があってセンサ機構2550が新聞本紙を検知すると、排出ローラ駆動機構2530を作動して、新聞本紙を新聞包装機に送り込む。
図39では、チラシ挿入部2000に新聞本紙が手差しで送り込まれると、センサ機構2550が新聞を検知し、次段要求信号があれば、排出ローラ駆動機構2530を駆動する(B点)。 新聞本紙の先端が次段である新聞包装機内に挿入されると、新聞包装機のレディ信号は消失する(C点)。
センサ機構2550が新聞の後端の通過を検出すると、排出ローラ駆動機構2530を停止する(D点)。
次の新聞本紙NP2のチラシ挿入部2000への挿入は可能であるから、新聞の挿入が行なわれる(E点)。
次段要求信号が再び立つと(F点)、排出ローラ駆動機構2530を駆動してB点からの動作を繰り返す。
【0080】
以上述べたように、本実施例のチラシ折り込み装置1は、従来、主に、手作業で行なわれていたチラシ折り込み作業を省力化できる。また、新聞包装部4000と組み合わせることにより、新聞本紙にチラシを折り込みながら新聞包装ができ、更には、新聞本紙の自動給紙装置として、また、イレギュラーな被包装物に対しては手差しで新聞包装ができ、新聞販売店のあらゆる状況に対応できる多機能性を備えている。
しかしながら、新聞包装部4000と組み合わせて使用する場合、ロールフィルム切れに注意が必要である。従来、図3の新聞包装部4000では手差し包装のため、作業者はロールフィルムの消費を確認しながら作業ができる。
しかしながら、自動で給紙している場合、作業者がそばにいるとは限らない。したがって、ロールフィルムが切れた状態で装置が稼動してしまう恐れがある。
この問題を避けるため、ロールフィルムに終わりを検知する手段、例えば、ロールフィルムが僅かになったことを示すマーカ等を印刷し、このマーカを検知する検知手段を用いて、ロールフィルムがなくなった、または、僅かになったことを検知するとチラシ折り込み装置を一旦休止し、ロールフィルムを交換して、再度、稼動させるようなことが必要になってくる。
そのような場合、ロールフィルムをすばやく交換できることが望まれる。
新聞包装機4002においては、図3に示すように、新聞挿入口4005の手前に、着脱式の新聞挿入補助用ガイド4009が用意されているものであるが、ロールフィルム交換時は、この新聞挿入補助用ガイド4009をはずすと、ロールフィルムの交換、及び、交換後の上下のロールフィルムの接着が、すばやく行なうことができる。また、上下ロールフィルムが接着された状態での着脱ができるのですばやい交換が可能である。
【0081】
そこで、本実施例におけるチラシ折り込み装置1では、図40に示すように、チラシ挿入部2000の内の、新聞包装機4002の新聞挿入口4005に対抗している機構の一部(排出機構2500の一部が、ガイド機構2490、及び、センサ機構2550等が収容されている部分)移動部701が、固定用ロック(図示なし)をはずすと、支軸702を中心に前傾するような構造になっていて、上下ロールフィルムを図示の位置から交換や、上下ロールフィルムの接着が容易で、すばやく行なうことができる。また、上下ロールフィルムが接着された状態での着脱ができ、交換時間を短くできる。
また、フィルム交換以外に、熱版Hm(図5参照)の清掃等のメンテナンスも、チラシ折り込み装置1を着脱することなく容易に行なうことができるメリットがある。
本発明の実施例における新聞供給部1000は、以上述べたように、最下層の新聞に摩擦接触して下から取り出す方式を採用しているが、上から取り出す方式を用いても良い。また、摩擦接触でなく、従来技術である吸引方式による取り出し方式を採用してもよいことは言うまでもない。
【0082】
本発明の実施例によれば、積載した新聞本紙を最下層から一部取り出す機構が簡単で確実であり、しかも、薄い新聞本紙から厚い新聞本紙まで無段階に無調整で行なうことができる。
また、新聞本紙の二次折部の折り合わせ側N4.N5を開く機構は、摩擦方式であるから簡単で低価格であり、また、新聞の移動方向は常に一方向であるから、全体としてシンプルで小型・軽量で経済的なチラシ折り込み装置が実現できる。
また、新聞供給部とチラシ挿入部をかぎの手に構成でき、包装機等の上部にコンパクトに折り畳んだ形で包装機と連結することができるから、新たな設置スペースなしに既存の包装機と連結してチラシを折り込みながら包装ができ、従来、雨の日はチラシ折り込みと、包装の2工程が必要であった作業が1工程でできるようになる。
また、簡単な切り換えで積載した新聞の自動給紙装置として利用できる他、イレギュラーな厚みの新聞に対し、手差し給紙補助機能も備えた、多機能な装置が簡単に実現できる。
また、チラシ折り込み、新聞自動給紙、手差し補助と多機能性を兼ねたチラシ折り込み装置が実現でき、小型、低コストであるから増設に対して単位も小さく手軽である。
更に、自動給紙された新聞本紙の上側、又は、下側に、挿入紙、雑誌、諸紙、チラシ等の挿入物Pを重ねて新聞包装機に送り出すことができ、また、チラシを折り込んだ一方の新聞本紙を自動給紙して、チラシを折り込んだ他方の新聞本紙とを重ねて新聞包装することも可能である。
なお、本発明の特徴を損なうものでなければ、前述した実施例に限定されないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施例の新聞本紙へのチラシ折り込み装置の外観斜視図、
【図2】チラシを折り込んだ一般の新聞本紙を説明する説明図、
【図3】本発明の新聞包装部を組み込んだ新聞本紙へのチラシ折り込み装置の外観斜視図、
【図4】新聞包装部で新聞本紙を四方包装する状態を説明する説明図、
【図5】本発明の主要な各部の機能を示す側面ブロック断面図、
【図6】本発明の供給部の概要の側面ブロック断面図、
【図7】本発明の供給部の一部の外観斜視図、
【図8】本発明の摩擦搬送ローラの分解斜視図、
【図9】新聞本紙の折り畳み状態を説明する説明図、
【図10】本発明の第一分離機構の作用について説明するための説明図、
【図11】本発明の第二分離機構の拡大断面図、
【図12(a)】本発明の新聞本紙を後方に送り出す動作を説明する図で、第一分離機構から送り出された薄い新聞の先端が、サバキブロックの突出部に到達した状態の説明図、
【図12(b)】同、先端が内側に折れたり、又は、先端部が変形して突出部から外れてサバキローラ340の表面に到達する状態の説明図、
【図12(c)】同、搬送ローラ対に捉えられる直前の状態を説明する説明図、
【図12(d)】同、搬送ローラ対によって次段に送り出されていく状態を説明する説明図、
【図12(e)】同、最下層の新聞本紙NP1より上の新聞本紙NP2が先行したときの状態を説明する説明図、
【図13】本発明の新聞供給部1000から、次段に送り出すためのタイムチャート図、
【図14】本発明の分離・搬送手段の可動片、サバキローラレバー、搬送レバー及びその制御機構を示す概略斜視図、
【図15】本発明の図14の概略側面図、
【図16】本発明の可動板角度検知機構1440のサバキローラレバー制御機構1420の動作を説明する斜視図、
【図17】本発明の搬送レバー制御機構1380の斜視図、
【図18】本発明の可動板角度検知片とフォトインタラプタとの関係を示すタイムチャート図、
【図19】本発明のサバキローラレバー制御機構1420の動作のタイムチャート図、
【図20】図20(a)から(c)は、図19でのA,B,C点に各点におけるサバキローラレバー制御機構の状態の側面図、
【図21】第二の新聞積載部1600をチラシ折り込み装置1の後部に設けた場合の概略側面図、
【図22】本発明のチラシ挿入部2000を概略的(点線内)に示した側断面図、
【図23】図22の斜視図、
【図24】本発明の新聞拡開機構2450の一連の動作を説明する作動図、
【図25】本発明の拡開機構2450の上下の摩擦ローラの詳細を示す斜視図、
【図26】図25の下摩擦ローラ427の構造を示す斜視図、
【図27】本発明の上摩擦ローラ機構2600の概略側面図、
【図28】図27はその平面図、
【図29】図27の上摩擦ローラ433の構造を示す斜視図、
【図30】本発明の拡開機構2450の拡開する動作の途中を示す斜視図で、図30(a)は、二次折部の折り合わせ側の後端を互いに分離することを説明する斜視図、図30(b)は外側(手前)に開いていく状態を説明する斜視図、
【図31】上摩擦ローラ機構2600がスライドブロック602を往復動したときの、上摩擦ローラ433の位置を(a,b,c,d)を示した側面図、
【図32】図25の状態から新聞を拡開するときの上摩擦ローラ433と下摩擦ローラ427の関係を示した側面図、
【図33】上摩擦ローラ433の位置と案内ガイド614とコロ613の関係を示す側面図、
【図34】本発明のチラシ挿入工程のタイムチャート図、
【図35】図35(a)はチラシ挿入口650の作動を説明する斜視図、図35(b)はその側断面図、
【図36】図36(a)〜(d)は、本発明の新聞拡開手段のそれぞれ別の実施例を説明する側断面図、
【図37】本発明の電気系統のブロック図、
【図38】本発明の新聞包装機を組み込んだ場合の自動給紙モードの時のタイムチャート図、
【図39】本発明の新聞拡開手段で手挿しによりチラシを挿入して新聞包装機に新聞を送るときの手差しモードの時のタイムチャート図、
【図40】図40(a)は通常の稼働時の状態の側面図、図40(b)は新聞包装機がフィルム交換時、新聞挿入ガイドを着脱して場合、排出機構500、ガイド機構490、及び、センサ機構550が収容されている部分が前傾した状態の側面図、
【図41】下摩擦ローラ427を下位置決めローラ軸426上に設けた場合の位置決め方法を示す概略側面図、
【図42】図38に示す新聞包装機を組み込んだ場合の自動給紙モード時のタイムチャートと異なる例を示すタイムチャート図。
【図43】自動給紙機能とチラシ確認手段により挿入物Pを重ね合わせて排出できるようにする別の実施例の概略側面図、
【図44】自動給紙機能とチラシ確認手段により挿入物Pを重ね合わせて排出できるようにした時のタイムチャート図、
【図45】図45(a)は新聞本紙の上に挿入紙を重ねて包装した状態を示す斜視図、図45(b)は新聞本紙の上に挿入紙を重ねて包装した状態を示す断面図、図45(c)は新聞本紙の下に挿入紙を重ねて包装した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0084】
NP・・新聞本紙、E・・チラシ、P・・挿入紙(物)
N4,N5・・新聞本紙の二次折部の折り合わせ側、N6・・二次折部の折り畳み側、
1・・チラシ折り込み装置
1000・・ 新聞本紙の供給部(新聞供給部)1200・・新聞本紙の積載部、
1250・・摩擦搬送機構、1251・・摩擦搬送ベルト、開口・・1204、
1600・・(第二の)新聞積載部、
201・・前壁、202・・側壁(左右)、204・・開口部、210・・側板(左右)、
230・・収納容器、251・・摩擦搬送ローラ、251a・・摩擦リング、
251b・・ローラボディ、255・・搬送シャフト、256・・ワンウェイクラッチ、
258,259・・ギヤ、
1300・・第一分離機構、1330・・第二分離機構、1360・・搬送機構、
1361・・搬送ローラ対、1370・・搬送ローラ駆動機構、
1380・・搬送レバー制御機構、1390・・新聞検出センサ対、
300・・新聞本紙の供給機構、
301・・固定分離板、302・・可動板、305・・隙間、310・・可動軸
311・・バネ、312・・可動板角度検知片、
314・・固定ブラケット、315,315A,B,C・・・フォトインタラプタ、
1400・・サバキローラ揺動機構、1410・・サバキローラ駆動機構、
1420・・サバキローラレバー制御機構、1440・・可動板角度検知機構、
335・・サバキブロック、335a・・突出部、335b・・湾曲面、
335c・・ローラ対面部、340・・サバキローラ、340a・・サバキリング、
340b・・サバキローラボディ、343,344・・プーリ、
345・・サバキローラ回転軸、346・・サバキローラ駆動軸、
347・・タイミングベルト、348,354,376・・コロ、350・・サバキローラレバー、
351・・サバキローラ制御レバー、355・・サバキローラ制御レバー駆動軸、
356,368・・バネ、357・・カム板、362・・上搬送軸、363・・搬送ローラ、
364・・下搬送駈動軸、365・・搬送レバー、366・・下搬送軸、
367・・タイミングベルト、375・・搬送レバー制御レバー、377・・カム板、
380・・サバキローラ制御モータ、381・・回転角検出板、
382O,382A',382B',382C'・・角度検知フォトインタラプタ、383・・検出片、
2000・・チラシ挿入部、2420・・新聞位置決め機構、
2425・・位置決めローラ対、2430・・位置決めローラ駆動機構、
2435,2445・・センサ機構、2450・・新聞拡開機構(拡開手段)、
2480・・チラシ挿入確認機構、2490・・ガイド機構、
2530(図37)・・排出ローラ駆動機構、
410・・案内壁、426・・下位置決めローラ軸、
427・・下摩擦ローラ、427a・・ボディ、427b・・摩擦リング、
427c・・溝、428・・上位置決めローラ軸、429・・案内板、
430,431・・ギヤ、433・・上摩擦ローラ、433a・・上摩擦ローラボディ、
433b・・摩擦リング、433c・・溝、436,446・・光センサ対、
451・・下摩擦ローラ軸、463,463´・・位置決めローラ、
465・・上位置決めローラ駆動軸、466・・上搬送レバー、
467・・タイミングベルト、470・・バネ、490・・ガイド機構、
491・・上ガイド壁(板)、492,492´・・下ガイド壁(板)、
493,494・・側壁(板)、
2500・・排出機構、2520・・排出ローラ対、2550・・センサ機構、
521・・下排出ローラ軸、528・・上排出ローラ軸、
2550・・センサ機構、551・・光センサ対、563・・排出ローラ、
2600・・上摩擦ローラ機構、2620・・上摩擦ローラ支持機構、
2650・・上摩擦ローラ駆動機構、2670・・上摩擦ローラ位置検出機構、
2680・・上摩擦ローラ案内機構、
601・・上摩擦ローラレバー、601a・・側面、601b・・レバー、
601c・・角穴、601d・・底面、
602・・スライドブロック、
603・ワンウェイクラッチ、604・・支軸、605・・固定用ブラケット、
607a,b・・スライド軸、608・・ラック、609・・上摩擦ローラ軸、
610・・駆動モータ、611・・ピニオンギヤ、612・・ 付勢用バネ、
613・・コロ、614・・案内ガイド、616・・ ピニオンギヤ駆動軸
618・・フック、650、650´・・チラシ挿入口、
651・・チラシ挿入ガイド、653、653´・・チラシ検出センサ対、
671・・位置検出用センサドック、
672,672a,672b,672c,672d・・フォトインタラプタ、680・・カム板
701・・移動部、702・・支軸
3000・・演算装置
4000・・新聞包装部、4100・・設置台、4101・・高さ調整アジャスター、
4002・・新聞包装機、4003・・新聞包装機(部)置き台、
4005・・新聞投入口(挿入口)、4006・・シュータ、4007・・可搬式新聞収納箱、
4009・・新聞挿入補助用ガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
新聞本紙の折部の折り合わせ側を揃えて積載する積層部からなる新聞供給部を設け、
該積層部には積載された新聞本紙の折部の折り畳み側を先端にして一部ずつ取り出して搬送する分離・搬送手段を設け、
該分離・搬送手段の下流にはチラシ挿入部を設け、
該チラシ挿入部は新聞本紙の折部の折り合わせ側を拡開する拡開手段を設け、 該拡開手段は、先端の前記折部の折り畳み側を下側で挟持し移送する挟持・移送機構と、新聞本紙の後端の折部の折り合わせ側の二層のうちの一方の層を強制的に拡開させるために、一方の層を他方の層よりも移送部材により早く移送して両層を分離し、移送した後に一方の層を移送部材より開放する分離・開放機構が設けられ、開放された新聞本紙の後端は外側に開いてチラシを上方から挿入しうる拡開状態を形成し、
該拡開手段の下流には挟持・移送機構を有する排出手段を設け、チラシが挿入されると、挟持・移送機構により新聞本紙を挟持して移送して排出することを特徴とする新聞本紙へのチラシ折り込み装置。
【請求項2】
請求項1の新聞本紙へのチラシ折り込み装置において、前記排出手段の下流にはフィルムで新聞本紙を包装する新聞包装機を設け、該排出手段の排出機構の開口と、前記新聞包装機の挿入口を一致させ、新聞本紙を連続してチラシ折り込みから包装までを処理するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の新聞本紙へのチラシ折り込み装置。
【請求項3】
前記積層部と前記チラシ挿入部とは、前記新聞包装機の上面と前面を囲むようなかぎの手状に形成され、かつ、前記チラシ挿入部を前側面に配置したことを特徴とする請求項2に記載の新聞本紙へのチラシ折り込み装置。
【請求項4】
前記チラシ挿入部には新聞位置決め機構を設け、該新聞位置決め機構は新聞本紙の先端を誘導するための上下左右の各ガイド板からなるガイド機構を備え、前記ガイド機構の先端には上下一対の排出ローラが配設されているとともに、上下のガイド板は先端ほど狭くなるロート状であり、且つ、下ガイド板上の新聞本紙が重力で滑落するように前記下ガイド板が傾斜を有していることを特徴とする請求項1乃至3に記載の新聞本紙へのチラシ折り込み装置。
【請求項5】
前記新聞供給部より送り出された新聞本紙を受け取り、前記チラシ挿入部の拡開手段により新聞本紙の後端を開いてチラシを挿入し、該拡開手段には、チラシが挿入されたことを確認する挿入確認手段とその下流に排出手段を設け、前記挿入確認手段によってチラシが挿入されたことを確認すると、前記排出手段の挟持・移送機構により移送する機構と、前記新聞供給部より受け取った新聞のままでチラシ挿入部では該拡開手段を作動させずに移送だけを作動するようにした機構とのどちらか選択する選択制御手段を設けたこと特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の新聞本紙へのチラシ折り込み装置。
【請求項6】
前記チラシ挿入部に、新聞本紙、チラシ折り込み済み新聞本紙、雑誌等被包装物を手差し供給できるように手差し供給用開口を少なくとも一つ以上備えるとともに、手差し供給制御手段を具備して、手差し供給が選択的に可能であることを特徴とする請求項5に記載の新聞本紙へのチラシ折り込み装置。
【請求項7】
前記チラシ挿入部のうちの、前記新聞包装機の挿入口に対抗している機構の一部、又は、全部が移動できる構造であり、前記新聞包装機の挿入口を含む前記新聞包装機の前部が開放されて、フィルム交換や保守が容易にできることを特徴とする請求項6に記載の新聞本紙へのチラシ折り込み装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12(a)】
image rotate

【図12(b)】
image rotate

【図12(c)】
image rotate

【図12(d)】
image rotate

【図12(e)】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate


【公開番号】特開2009−263107(P2009−263107A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−116385(P2008−116385)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000217675)電元オートメーション株式会社 (12)
【出願人】(502289558)
【Fターム(参考)】