説明

新規アリールアミンデンドリマー状化合物、その製造方法およびその用途

【課題】溶解性に優れ、かつ発光効率を向上させた新規アリールアミンデンドリマー状化合物とその簡便な製造方法、およびそれを用いた電子素子を提供する。
【解決手段】下記一般式(22)


(式中、ArおよびArは各々独立して置換基を有してもよい炭素数6〜60の芳香族基を表し、nは2以上の整数を表す。)で表されるアリールアミンポリマーと、少なくとも1種の特定のポリハロゲン化芳香族化合物とをパラジウム触媒および塩基の存在下に反応させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なアリールアミンデンドリマー状化合物とその製造方法、およびそれを用いた電子素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL素子は、発光層を主体に、正孔又は電子を輸送するキャリア輸送層、陰極及び陽極の2つの電極、その他の材料に分けられる。
【0003】
有機EL素子の材料としては、前記発光層やキャリア輸送層に種々の低分子系材料や高分子系材料が用いられており、特に低分子系材料においては素子の効率・寿命の面で優れていることから、数多くの材料が提案され、実用化がモバイル用途で始まっている。しかし、低分子系材料からなる有機EL素子の最大の課題は、その製造コストであり、その解決策として、高分子系材料のような塗布系材料の開発が望まれている。
【0004】
高分子塗布系材料としては、例えば、ポリ(p−フェニレンビニレン)やポリアルキルチオフェン(例えば、特許文献1参照)、ポリフルオレン系の導電性π共役ポリマーが知られている。
【0005】
また、正孔注入(輸送)材料として、PEDOT−PSS、ポリアリールアミン等が提案されている。ポリアリールアミンとして、側鎖にアリールアミノ基を有する非共役ポリマー(例えば、特許文献2〜6参照)、主鎖にアリールアミン構造を有する共役ポリマーが報告されている(例えば、特許文献7〜8参照)。
【0006】
有機EL素子の効率・寿命の面で重要なファクターである正孔移動に関して、非共役アリールアミンポリマーの正孔移動は、分子間のホッピング輸送経由で進むのに対し、共役アリールアミンポリマーでは、分子間のホッピング輸送経由に加えて、正孔が主鎖構造に沿って移動できることから有利である。そのため、共役アリールアミンポリマーは、特に効率の面で好ましい。
【0007】
更に、特許文献7〜8によれば、ポリマー末端(例えば、ハロゲン原子、二級アミノ基等)を保護することにより、素子寿命が向上するとの報告がなされている。
【0008】
高分子塗布系材料としては、上述したような各種ポリマーの他、デンドリマーを利用した新しい有機EL技術が開発されている(例えば、非特許文献1参照)。従来の高分子は直線状に連鎖するため、高分子量化すると溶媒に溶けにくくなるのが欠点であったが、デンドリマーは、高分子系発光材料を大量に混ぜて使用できるため、塗布特性が良好となる。アリールアミンを構成要素とするデンドリマーにおいても有機溶媒中で良好な溶解性を示すことが報告されている(例えば、特許文献9参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平3−273087号公報
【特許文献2】特開平8−54833号公報
【特許文献3】特開平8−259935号公報
【特許文献4】特開平11−35687号公報
【特許文献5】特開平11−292829号公報
【特許文献6】特開平13−98023号公報
【特許文献7】特開2004−292782公報
【特許文献8】特表2001−527102公報
【特許文献9】特表2009−512628公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】デンドリック高分子/多分岐構造が拡げる高機能化の世界、2005年、246〜259頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ポリマー末端を保護した共役アリールアミンポリマーであっても、アリールアミンデンドリマーであっても、現状では、低分子系材料からなる有機EL素子の性能を超えるまでには至らず、更なる性能向上が望まれている。
【0012】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、従来材料以上に耐久性および発光効率に優れた新規アリールアミンデンドリマー状化合物に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の重合反応によって得られるアリールアミンデンドリマー状化合物が、発光効率および耐久性の面で従来の共役アリールアミンポリマーより優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明は、下記一般式(1)
【0015】
【化1】

(式中、ArおよびArは各々独立して置換基を有してもよい炭素数6〜60の芳香族基を表し、nは1以上の整数を表す。)
で表されるアリールアミンポリマー骨格と一般式(2)〜(5)
【0016】
【化2】

(式中、R、Rは各々独立して水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、または置換基を有してもよいフェニル基を表し、Aは窒素原子、またはリン原子を表す。a、a、a、a、a、a、a、a、a、a10は各々独立して0〜2の整数を表す。ただし、a+a+aは1〜6の整数を示す。また、Rは前記一般式(1)で表されるアリールアミンポリマー骨格の結合部位を表す。)
で表される少なくとも1種の芳香族骨格が繰り返し結合している構造であることを特徴とするアリールアミンデンドリマー状化合物、その製造方法およびその用途である。
【0017】
アリールアミンデンドリマー状化合物中の部分構造である一般式(5)に示される芳香族骨格において、式中、R、Rで表される炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、または置換基を有してもよいフェニル基としては、特に限定するものではないが、炭素数1〜18のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、トリフルオロメチル基等が挙げられ、炭素数1〜18のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ステアリルオキシ基等が挙げられ、置換基を有してもよいフェニル基としては、フェニル基、トリル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、イソペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、tert−ペンチルフェニル基、シクロペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、メトキシフェニル基、アセチルフェニル基、シアノフェニル基、メチルチオフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基等が挙げられる。
【0018】
上記一般式(2)〜(5)で表される化合物において、特に限定するものではないが、下記一般式(6)〜(9)、(10a)、(10b)、(11a)、(11b)のいずれかであることが好ましい。
【0019】
【化3】

(式中、R16、R17は各々独立して水素原子、メチル基、エチル基またはメトキシ基を表す。また、Rは一般式(1)で表されるアリールアミンポリマー骨格の結合部位を表す。)
上記一般式(1)で表される化合物において、Arとしては、置換基を有してもよい炭素数6〜60の芳香族基であれば特に限定するものではないが、下記一般式(12)〜(15)のいずれかであることが好ましい。
【0020】
【化4】

(式中、R、R、R、Rは各々独立して炭素数1〜18のアルキル基、または置換基を有してもよいフェニル基を表し、mは1〜3の整数を表す)。
【0021】
、R、RおよびRで表される炭素数1〜18のアルキル基としては、特に限定するものではないが、R、Rにおいて表した炭素数1〜18のアルキル基を挙げることができる。また、R、R、RおよびRで表される置換基を有してもよいフェニル基としては、特に限定するものではないが、R、Rにおいて表した置換基を有してもよいフェニル基を挙げることができる。
【0022】
上記一般式(1)で表される化合物において、Arとしては、置換基を有してもよい炭素数6〜60の芳香族基であれば特に限定するものではないが、下記一般式(16)〜(21)のいずれかであることが好ましい。
【0023】
【化5】

(式中、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15は各々独立して炭素数1〜18のアルキル基、または置換基を有してもよいフェニル基を表し、oは0〜5の整数を表す。)
、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15で表される炭素数1〜18のアルキル基としては、特に限定するものではないが、R、Rにおいて表した炭素数1〜18のアルキル基を挙げることができる。また、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15で表される置換基を有してもよいフェニル基としては、特に限定するものではないが、R、Rにおいて表した置換基を有してもよいフェニル基を挙げることができる。
【0024】
本発明であるアリールアミンデンドリマー状化合物は、下記一般式(22)
【0025】
【化6】

(式中、ArおよびArは各々独立して置換基を有してもよい炭素数6〜60の芳香族基を表し、nは1以上の整数を表す。)
で表されるアリールアミンポリマーと一般式(23)〜(26)
【0026】
【化7】

(式中、R、Rは各々独立して水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、または置換基を有してもよいフェニル基を表し、Aは窒素原子、またはリン原子を表す。a、a、a、a、a、a、a、a、a、a10は各々独立して0〜2の整数を表す。ただし、a+a+aは1〜6の整数を示す。また、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)
で表される少なくとも1種のポリハロゲン化芳香族化合物をパラジウム触媒および塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。
【0027】
上記一般式(22)で表されるアリールアミンポリマーにおいて、Ar及びArは前記と同じである。
【0028】
上記一般式(26)で表されるポリハロゲン化芳香族化合物において、R及びRは前記と同じである。
【0029】
パラジウム触媒の触媒成分として使用できるパラジウム化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、4価のパラジウム化合物類(例えば、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸ナトリウム四水和物、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸カリウム等)、2価のパラジウム化合物類(例えば、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、パラジウム(II)アセチルアセトナート、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロテトラアンミンパラジウム(II)、ジクロロ(シクロオクタ−1,5−ジエン)パラジウム(II)、パラジウム(II)トリフルオロアセテート等)、及び0価のパラジウム化合物類(例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)クロロホルム錯体、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等)を挙げることができる。
【0030】
パラジウム化合物の使用量は、特に限定されるものではないが、一般式(23)〜(26)で表されるポリハロゲン化芳香族化合物のハロゲン原子1モルに対し、パラジウム換算で通常0.00001〜20モル%の範囲であり、高価なパラジウム化合物を使用することから、0.001〜5モル%の範囲であることが好ましい。
【0031】
本発明の方法において、パラジウム触媒の配位子として用いられる化合物としては、特に限定するものではないが、パラジウムに配位可能なものであればよく、例えばトリアルキルホスフィン類、アリールホスフィン類、カルベン系配位子等が挙げられる。
【0032】
トリアルキルホスフィン類としては、特に限定するものではないが、例えば、トリエチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ−sec−ブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン等が挙げられる。これらのうち触媒として特に高い反応活性を有することから、トリ−tert−ブチルホスフィンを使用することが好ましい。
【0033】
アリールホスフィン類としては、特に限定するものではないが、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(m−トリル)ホスフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、トリメシチルホスフィン、ジフェニルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノプロパン、ジフェニルホスフィノフェロセン等が挙げられる。
【0034】
また、カルベン系配位子としては、例えば、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン塩酸塩等が挙げられる。
【0035】
パラジウム触媒の配位子として用いられる化合物の使用量としては、特に限定するものではないが、パラジウム化合物に対して通常0.01〜10000倍モルの範囲が好ましく、高価なトリアルキルホスフィン類、アリールホスフィン類、カルベン系配位子を使用することから、0.1〜10倍モルの範囲がさらに好ましい。
【0036】
パラジウム触媒の添加方法としては、特に限定するものではなく、反応系にそれぞれ触媒成分として個別に添加しても良いし、予めこれら触媒成分よりなる錯体の形に調製したものを添加してもよい。
【0037】
塩基としては、特に限定するものではないが、例えば、ナトリウム若しくはカリウム等のアルカリ金属炭酸塩、若しくはアルカリ金属アルコキシド等の無機塩基、または3級アミン等の有機塩基が挙げられる。これらのうち、好ましくはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、リチウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドであり、それらは反応系にそのまま加えても、また、アルカリ金属、水素化アルカリ金属または水酸化アルカリ金属とアルコールとからその場で調製して反応系に供してもよい。より好ましくは、リチウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等の3級アルコキシドを反応系にそのまま加える方法である。
【0038】
塩基の使用量は、特に限定するものではないが、好ましくは一般式(23)〜(26)で表されるポリハロゲン化芳香族化合物のハロゲン原子に対して0.5倍モル以上であり、反応終了後の後処理操作を考慮すれば、1〜20倍モルの範囲がより好ましい。
【0039】
本発明のアリールアミンデンドリマー状化合物の製造は、通常は不活性溶媒中で実施することが好ましい。使用する溶媒としては、本反応を著しく阻害しない溶媒であればよく、特に限定するものではないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル溶媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホトリアミド等を挙げることができる。これらのうち、好ましくはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒である。
【0040】
本発明のアリールアミンデンドリマー状化合物の製造は、好ましくは常圧下、窒素またはアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で実施するが、加圧条件であっても実施することは可能である。
【0041】
本発明の方法において反応温度は、アリールアミンデンドリマー状化合物を製造することが可能な反応温度であれば特に限定するものではないが、通常20〜300℃、好ましくは50〜200℃、より好ましくは100〜150℃の範囲である。
【0042】
本発明の方法において反応時間は、製造するアリールアミンデンドリマー状化合物、触媒量及び/または反応温度等により一定ではないため特に限定するものではないが、多くの場合、数分〜72時間の範囲から選択すればよい。好ましくは24時間未満である。
【0043】
本発明におけるアリールアミンデンドリマー状化合物は、再沈殿により精製することができる。また、不純物の除去のためにシリカゲルや活性アルミナ等による吸着処理を行うことも可能である。
【0044】
本発明のアリールアミンデンドリマー状化合物の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、ポリスチレン換算で1,000〜1,000,000の範囲であり、より好ましくは10,000〜100,000の範囲である。
【0045】
本発明のアリールアミンデンドリマー状化合物は、電界効果トランジスタ、光機能素子、色素増感太陽電池、有機エレクトロルミネッセンス素子等の電子素子における導電性高分子材料として使用される。特に、有機エレクトロルミネッセンス素子の正孔輸送材料、発光材料およびバッファー材料として極めて有用である。
【0046】
本発明の有機EL素子は、前記高分子材料を含有する有機層を備えていれば、素子構造は特に限定されない。本発明のアリールアミンデンドリマー状化合物は、溶解性に優れることから、例えば、これら材料の溶液、混合液、または溶融液を使用して、スピンコーティング法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ロールコート法等の従来公知の塗布法によって、前記素子を簡便に作製することができる。また、インクジェット法、ラングミュア−ブロジェット法等によっても容易に作製することができる。
【発明の効果】
【0047】
本発明は、従来材料以上に耐久性および発光効率に優れた新規アリールアミンデンドリマー状化合物と、その効率的な製造方法およびその用途を提供するものである。
【0048】
本発明の新規アリールアミンデンドリマー状化合物は溶解性に優れる他、有機EL素子とした場合の発光効率、電流効率にも優れる。さらに、極めて良好な成膜性と安定性を有する。用途としても有機EL素子の正孔輸送材料、発光材料、バッファー材料のみでなく、電界効果トランジスタ、光機能素子、色素増感太陽電池等の電子素子に使用される導電性高分子として極めて有用であり、本発明は工業的に極めて有意義である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】一般式(27)で表されるトリアリールアミンポリマーの赤外分光分析の測定結果を示す。
【実施例】
【0050】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、化合物の同定は以下の機器によって行なった。
【0051】
赤外分光光度計:パーキンエルマー社製 SYSTEM2000FT−IR
核磁気共鳴分析装置:バリアン社製 Gemini200
質量分析装置:日立製作所製 M−80B(測定方法:FD−MS分析)
分子量測定装置:GPC(東ソー製:HLC−8220;カラム:TSKgel SuperH3000−TSKgel SuperH2000−TSKgel SuperH1000(いずれも東ソー製))を用い、メタノール/テトラヒドロフラン=9/1(v/v)を溶出溶媒として、流量1.0mL/分、カラム温度40℃で通液し、東ソー製 紫外可視検出器(UV−8020)にて検出した。分子量標準として標準ポリスチレン(東ソー製)を用いた。
【0052】
反応例1
冷却管、温度計を装着した300mL四つ口丸底フラスコに、室温下、4,4’−ジヨードビフェニル 19.49g(52.0mmol)、4−n−ブチルアニリン 9.31g(62.4mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 11.08g(115.2mmol)及びo−キシレン 241mLを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0) 216mg(0.24mmol)及びトリ−tert−ブチルホスフィン 389mg(1.92mmol)のo−キシレン(10mL)溶液を添加した。その後、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら3時間熟成した。
【0053】
反応終了後、この反応混合物を約80℃まで冷却した後、純水30gを加え、90%メタノール水溶液(2000mL)の攪拌溶液へゆっくり加えた。ろ過により固体をろ別回収し、トルエンを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、次いでアルミナカラムクロマトグラフィーによる精製を行った。溶出液を減圧濃縮し、メタノール(2000mL)の攪拌溶液へゆっくり加えた。ろ過により固体をろ別回収し、減圧乾燥して12.5gの淡黄色固体を得た(収率80%)。
【0054】
得られた粉体を元素分析及び赤外分光分析により測定したところ、下記一般式(27)で表されるトリアリールアミンポリマーであることが確認された。赤外分光分析の測定結果を図1に示す。また、得られたポリマーは、ポリスチレン換算で重量平均分子量3,300および数平均分子量2,400(分散度1.4)であった。
【0055】
【化8】

反応例2
トリス(4’−クロロビフェニル−4−イル)アミンの合成
【0056】
【化9】

冷却管、温度計を装着した100mL四つ口丸底フラスコに、室温下、トリス(4−ブロモフェニル)アミン 1.00g(2.07mmol)、4−クロロフェニルボロン酸 1.07g(6.83mmol)、テトラヒドロフラン 30mL、2M炭酸ナトリウム水溶液 34.1g及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 159mg(0.136mmol)を仕込んだ。
【0057】
窒素雰囲気下、16時間還流させた。室温まで冷却後、有機層を分離し、テトラヒドロフランを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行った。さらにトルエンから再結晶し、トリス(4’−クロロビフェニル−4−イル)アミンの固体 0.99gを得た(収率83%)。
【0058】
得られた固体の13C−NMRおよびFD−MSの測定結果を示す。
13C−NMR(CDCl)δ(ppm):146.73、138.77、134.35、132.83、128.77、127.72、127.65、124.34
FD−MS(m/z):575(M
反応例3
N,N,N’,N’−テトラキス(4−ブロモフェニル)ベンジジンの合成
【0059】
【化10】

温度計を装着した200mL四つ口丸底フラスコに、室温下、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン 1.00g(2.05mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド 30g、ジクロロメタン 30gを入れ、窒素雰囲気下、0℃に冷却した。次いで、この混合液にN−ブロモスクシンイミド 1.46g(8.19mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド 10gの溶液を0℃で1時間かけて滴下した。同温にて3時間攪拌した後、室温まで昇温し、さらに12時間攪拌した。
【0060】
上記反応液に10%チオ硫酸ナトリウム水溶液 50gを加えて10分攪拌した後、ジクロロメタン 50gを加えて抽出操作を行い、有機層を分離した。有機層を純水50gで3回洗浄し、減圧濃縮後、トルエンを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行った。減圧濃縮後、少量のジクロロメタンに再溶解させ、メタノール 300gにゆっくり添加した。ろ過により固体をろ別回収し、減圧乾燥して1.38gのN,N,N’,N’−テトラキス(4−ブロモフェニル)ベンジジンの固体を得た(収率84%)。
【0061】
得られた固体の13C−NMRおよびFD−MSの測定結果を示す。
13C−NMR(CDCl)δ(ppm):146.15、145.78、135.29、132.23、127.49、125.42、124.32、115.53
FD−MS(m/z):804(M
反応例4
ジ(1−ナフチル)フェニルアミンの合成
【0062】
【化11】

冷却管、温度計を装着した200mL四つ口丸底フラスコに、室温下、アニリン 0.93g(10.0mmol)、1−ブロモナフタレン 5.00g(24.1mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 2.78g(28.9mmol)及びo−キシレン 60mLを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製した酢酸パラジウム(II) 54.1mg(0.24mmol)及びトリ−tert−ブチルホスフィン 195mg(1.92mmol)のo−キシレン(10mL)溶液を添加した。その後、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら3時間熟成した。
【0063】
反応終了後、この反応混合物を約80℃まで冷却した後、純水50mLを加え、トルエン 100mLで抽出した。無水硫酸マグネシウムで有機層を脱水後、トルエンを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、トルエンから再結晶して2.69gのジ(1−ナフチル)フェニルアミンの固体を得た(収率78%)。
【0064】
得られた固体の13C−NMR測定結果を示す。
13C−NMR(CDCl)δ(ppm):150.27、144.64、135.01、130.03、128.73、128.26、126.02、125.91、125.80、125.42、124.76、124.25、120.44、120.23
反応例5
ビス(4−ブロモ−1−ナフチル)−4−ブロモフェニルアミンの合成
【0065】
【化12】

温度計を装着した200mL四つ口丸底フラスコに、室温下、反応例4で合成したジ(1−ナフチル)フェニルアミン 0.67g(1.94mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド 50gを入れ、窒素雰囲気下、0℃に冷却した。次いで、この混合液にN−ブロモスクシンイミド 1.04g(5.82mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド 10gの溶液を0℃で1時間かけて滴下した。0℃にて12時間攪拌した後、室温まで昇温し、さらに3時間攪拌した。
【0066】
上記反応液に10%チオ硫酸ナトリウム水溶液 50gを加えて10分攪拌した後、トルエン 100gを加えて抽出操作を行い、有機層を分離した。有機層を純水50gで3回洗浄し、減圧濃縮後、トルエンを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行った。減圧乾燥して1.10gのビス(4−ブロモ−1−ナフチル)−(4−ブロモフェニル)アミンの固体を得た(収率97%)。
【0067】
得られた固体の13C−NMRおよびFD−MSの測定結果を示す。
13C−NMR(CDCl)δ(ppm):148.76、143.78、133.22、131.92、130.80、129.90、128.05、127.87、127.54、127.25、125.11、124.28、121.96、120.05
FD−MS(m/z):579(M
反応例6
冷却管、温度計を装着した200mL四つ口丸底フラスコに、室温下、反応例1で合成した一般式(27)で表されるアリールアミンポリマー 1.00g、ナトリウム−tert−ブトキシド 0.80g(8.3mmol)、o―キシレン 50mLを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0) 19.1mg(0.021mmol)及びトリ−tert−ブチルホスフィン 34.0mg(0.168mmol)のo−キシレン(5mL)溶液を添加した。その後、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、ブロモベンゼン 261.7mg(1.67mmol)を添加し、120℃で加熱攪拌しながら3時間熟成した。次いで、ジフェニルアミン 0.564g(3.33mmol)のo−キシレン(3mL)溶液を添加し、さらに3時間熟成した。
【0068】
反応後、反応混合物を約80℃まで冷却した後、純水20gを加え、90%メタノール水溶液(1000mL)の攪拌溶液へゆっくり加えた。濾過により固体を濾別回収し、トルエンを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、次いでアルミナカラムクロマトグラフィーによる精製を行った。溶出液を減圧濃縮し、メタノール(1000mL)の攪拌溶液へゆっくり加えた。濾過により固体を濾別回収し、減圧乾燥して、0.92gの淡黄色固体を得た(収率86%)。
【0069】
得られた粉体を赤外分光分析により測定したところ、一般式(27)で表されるトリアリールアミンポリマーで観測された2級アミン由来の3398cm−1のピークは消失し、一般式(28)で表されるトリアリールアミンポリマーであることが確認された。得られたポリマーはポリスチレン換算で重量平均分子量3,500および数平均分子量2,500(分散度1.4)であった。
【0070】
【化13】

実施例1
冷却管、温度計を装着した100mL四つ口丸底フラスコに、室温下、反応例1で合成した一般式(27)で表されるアリールアミンポリマー 2.00g(数平均分子量換算:0.83mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 1.60g(16.7mmol)、反応例2で合成したトリス(4’−クロロビフェニル−4−イル)アミン 319.7mg(0.56mmol)およびo−キシレン 70mLを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0) 39.5mg(0.042mmol)およびトリ−tert−ブチルホスフィン 68.0mg(0.34mmol)のo−キシレン(5mL)溶液を添加した。その後、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら3時間熟成した。ブロモベンゼン 261.5mg(1.67mmol)を添加し、120℃で更に3時間熟成した。次いで、ジフェニルアミン 0.85g(5.00mmol)のo−キシレン(2mL)溶液を添加し、更に3時間熟成した。
【0071】
反応終了後、この反応混合物を約80℃まで冷却した後、90%アセトン水溶液(1000mL)の攪拌溶液へゆっくり加えた。ろ過により固体をろ別回収し、アセトン、水、アセトンの順番で洗浄した後、減圧乾燥して淡黄色粉体を得た(収率75%)。得られたアリールアミンデンドリマー状化合物は、ポリスチレン換算で重量平均分子量26,100および数平均分子量8,300であった。元素分析の測定結果を表1に示す。
【0072】
【表1】

実施例2
冷却管、温度計を装着した100mL四つ口丸底フラスコに、室温下、反応例1で合成した一般式(27)で表されるアリールアミンポリマー 2.00g(数平均分子量換算:0.83mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 1.60g(16.7mmol)、反応例3で合成したN,N,N’,N’−テトラキス(4−ブロモフェニル)ベンジジン 333.7mg(0.42mmol)およびo−キシレン 70mLを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム 39.5mg(0.042mmol)およびトリ−tert−ブチルホスフィン 68.0mg(0.34mmol)のo−キシレン(5mL)溶液を添加した。その後、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら3時間熟成した。ブロモベンゼン 261.5mg(1.67mmol)を添加し、120℃で更に3時間熟成した。次いで、ジフェニルアミン 0.85g(5.00mmol)のo−キシレン(2mL)溶液を添加し、更に3時間熟成した。
【0073】
反応終了後、この反応混合物を約80℃まで冷却した後、90%アセトン水溶液(1000mL)の攪拌溶液へゆっくり加えた。ろ過により固体をろ別回収し、アセトン、水、アセトンの順番で洗浄した後、減圧乾燥して淡黄色粉体を得た(収率82%)。得られたアリールアミンデンドリマー状化合物は、ポリスチレン換算で重量平均分子量69,100および数平均分子量13,600であった。元素分析の測定結果を表2に示す。
【0074】
【表2】

実施例3
実施例1のトリス(4’−クロロビフェニル−4−イル)アミンをビス(4−ブロモ−1−ナフチル)−4−ブロモフェニルアミンに変更した以外は、実施例1と同様にして反応を行い、淡黄色粉体を得た(収率83%)。
【0075】
得られたアリールアミンデンドリマー状化合物は、ポリスチレン換算で重量平均分子量24,000および数平均分子量8,700であった。元素分析の測定結果を表3に示す。
【0076】
【表3】

実施例4(素子の作製と評価)
厚さ130nmのITO透明電極を有するガラス基板をアセトン、イソプロピルアルコールで順次超音波洗浄し、次いで、イソプロピルアルコールで煮沸洗浄した後、乾燥した。更に、UV/オゾン処理したものを透明導電性支持基板として使用した。
【0077】
このITOガラス基板上へ、実施例1で合成したアリールアミンデンドリマー状化合物 1.0wt%クロロベンゼン溶液を用いてスピンコート法により20nmの厚みで成膜した。160℃で3時間乾燥した後、続けて4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPB、厚み50nm)、アルミニウムの8−キノリノール錯体(Alq、厚み50nm)の順に蒸着した。なお、上記有機化合物の蒸着は、真空度1.0×10−4Pa、成膜速度0.3nm/秒の同一条件で成膜した。
【0078】
次に、フッ化リチウム(0.8nm)、アルミニウム(150nm)の順に同様の条件で蒸着し、金属電極を形成した。
【0079】
更に、窒素雰囲気下、保護用ガラス基板を重ね、有機EL用シール剤を3時間、80℃で加熱硬化させ、接着して封止した。
【0080】
以上の様にして作製したEL素子に、ITO電極を正極、LiF−Al電極を負極にして、電圧を印加した時の発光特性を表4に示す。
【0081】
実施例5(素子の作製と評価)
実施例4において、実施例1で合成したアリールアミンデンドリマー状化合物の代わりに実施例2で合成したアリールアミンデンドリマー状化合物を用いた他は、実施例4と同様に素子を作製した。発光特性を表4に示す。
【0082】
実施例6(素子の作製と評価)
実施例4において、実施例1で合成したアリールアミンデンドリマー状化合物の代わりに実施例3で合成したアリールアミンデンドリマー状化合物を用いた他は、実施例4と同様に素子を作製した。発光特性を表4に示す。また、得られた有機EL素子の初期輝度を2000cd/mとした際に、初期輝度の50%までの輝度減衰時間を測定した。当該50%輝度減衰時間を、後掲の比較例1の50%輝度減衰時間で規格化した規格化50%駆動寿命を表5に示す。表5に示す通り、本発明のアリールアミンデンドリマー状化合物を用いることで、長寿命な素子が得られた。
【0083】
比較例1
実施例6において、実施例3で合成したアリールアミンデンドリマー状化合物の代わりに反応例1で合成した一般式(28)で表される直線状アリールアミンポリマーを用いた他は実施例6と同様に素子を作成し、50%輝度減衰時間を測定した。
【0084】
【表4】

【0085】
【表5】

以上の結果から、本発明のアリールアミンデンドリマー状化合物を用いたEL素子は、低電圧駆動が可能で、発光効率、電流効率が向上し、消費電力も少なくて済むものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)
【化1】

(式中、ArおよびArは各々独立して置換基を有してもよい炭素数6〜60の芳香族基を表し、nは1以上の整数を表す。)
で表されるアリールアミンポリマー骨格と一般式(2)〜(5)
【化2】

(式中、R、Rは各々独立して水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、または置換基を有してもよいフェニル基を表し、Aは窒素原子またはリン原子を表す。a、a、a、a、a、a、a、a、a、a10は各々独立して0〜2の整数を表す。ただし、a+a+aは1〜6の整数を示す。また、Rは一般式(1)で表されるアリールアミンポリマー骨格の結合部位を表す。)
で表される少なくとも1種の芳香族骨格が繰り返し結合している構造であることを特徴とするアリールアミンデンドリマー状化合物。
【請求項2】
一般式(2)〜(5)が下記一般式(6)〜(9)、(10a)、(10b)、(11a)、(11b)
【化3】

(式中、R16、R17は各々独立して水素原子、メチル基、エチル基またはメトキシ基を表す。また、Rは一般式(1)で表されるアリールアミンポリマー骨格の結合部位を表す。)
のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のアリールアミンデンドリマー状化合物。
【請求項3】
一般式(1)において、Arが下記一般式(12)〜(15)
【化4】

(式中、R、R、R、Rは各々独立して炭素数1〜18のアルキル基、または置換基を有してもよいフェニル基を表し、mは1〜3の整数を表す)。
のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のアリールアミンデンドリマー状化合物
【請求項4】
一般式(1)において、Arが下記一般式(16)〜(21)
【化5】

(式中、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15は各々独立して炭素数1〜18のアルキル基、または置換基を有してもよいフェニル基を表し、oは0〜5の整数を表す。)
のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のアリールアミンデンドリマー状化合物。
【請求項5】
重量平均分子量が、ポリスチレン換算で1,000〜1,000,000の範囲であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアリールアミンデンドリマー状化合物。
【請求項6】
下記一般式(22)
【化6】

(式中、ArおよびArは各々独立して置換基を有してもよい炭素数6〜60の芳香族基を表し、nは1以上の整数を表す。)
で表されるアリールアミンポリマーと一般式(23)〜(26)
【化7】

(式中、R、Rは各々独立して水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、または置換基を有してもよいフェニル基を表し、Aは窒素原子またはリン原子を表す。a、a、a、a、a、a、a、a、a、a10は各々独立して0〜2の整数を表す。ただし、a+a+aは1〜6の整数を示す。また、Xは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を表す。)
で表される少なくとも1種のポリハロゲン化芳香族化合物とをパラジウム触媒および塩基の存在下に反応させることを特徴とする請求項1に記載のアリールアミンデンドリマー状化合物の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のアリールアミンデンドリマー状化合物を用いることを特徴とする電子素子。
【請求項8】
電子素子が、有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項7に記載の電子素子。

【図1】
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【公開番号】特開2012−126813(P2012−126813A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278974(P2010−278974)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】