説明

新規アルミノケイ酸塩系青色残光性蛍りん光体

青色残光性蛍りん光体組成物と、その組成物の製造および使用法を提示する。更に具体的には、ある実施の形態において、蛍りん光体は、A10−x1+x(O20−x):Eu,RE(式中、Aは、Ba、Sr、Ca、K、Na、またはこれらの組み合わせであり、Mは、Al、B、Zn、Co、Ga、Sc、またはこれらの組み合わせであり、Cは、SiまたはGe、あるいはこれらの組み合わせであり、xは、0.001と5.0の間であり、REは、Dy、Nd、Er、Ho、Tm、Yb、Sm、またはこれらの組み合わせである)の組成式を持つ材料を含んでいる。有益な実施の形態では、Srと、Siと、AlおよびBの組み合わせとを用いて、青色で減衰速度の遅い蛍りん光体を製造する。他の実施の形態では、このような蛍りん光体の用途、特に、玩具、非常用器材、衣類、および計器盤での使用を提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長い減衰期間を持つ残光性蛍りん光体、特に、(Ba,Sr,Ca,K,Na)(Al,B,Ga,Co,Zn,Sc)10−x(Si,Ge)1+x20−x,N:Eu2+,Er3+に基づく残光性蛍りん光体組成物と、このような蛍りん光体の製造および使用技術に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍りん光体は、電磁スペクトルのある部分の放射エネルギーを吸収して、電磁スペクトルの別の部分のエネルギーを放射する発光材料である。蛍りん光体の重要な種類のひとつとして、化学的純度が非常に高く、組成を調節した結晶性無機化合物が挙げられ、これには“活性化剤”と呼ばれる蛍光放射のための別の元素が少量加えられている。活性化剤と無機化合物とを正しく組み合わせて、これらの結晶性蛍りん光体の放射色を制御することができる。最も有用で良く知られている蛍りん光体は、可視範囲外の電磁エネルギーによる励起に応じて電磁スペクトルの可視領域の放射線を発する。良く知られている蛍りん光体は、励起した水銀が発する紫外(UV)線を可視光に変換する水銀蒸気放電ランプに用いられている。その他の蛍りん光体は、電子で励起すると可視光を発する光電子増倍管に有用なもの、あるいは、X線で励起する撮像装置に用いられるシンチレータなどの蛍りん光体である。
【0003】
蛍りん光体の重要な性質のひとつは、減衰時間、例えば、励起源を除いてから蛍りん光体の発光が止まるまでにかかる時間である。殆どの蛍りん光体組成物の減衰時間は極めて短く、蓄えたエネルギーの大半を数秒のうちに光として放射し、あるいは、励起を終えて1秒後のエネルギーはほんの僅かである。このような蛍りん光体は、連続的な励起源が存在する発光タイプの用途では有用である。しかし、励起を終えた後も長期に亘って発光し続ける蛍りん光材料は、多くの用途において価値あるものであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6190577号明細書
【特許文献2】米国特許第6276634号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
Ho3+をドープしたSrAl10SiO20に基づく残光性蛍りん光体が開発、商品化され、娯楽、安全、非常用の照明(但し、これらに限定しない)など、美的および機能的な需要の両方で、また出口標識として、幅広い用途を持つ青色の残光性蛍りん光体となっている。このような材料は初期強度が相対的に低く、減衰が相対的に速いため、主にその初期強度と残光の長さによってその用途が限られる。
【0006】
従って、先行技術のアルミノケイ酸塩系青色残光性蛍りん光体材料に比べて初期強度が高く、減衰速度の遅い青色残光性蛍りん光体の提示は有益であろう。このような青色残光性蛍りん光体の製造法と、更に、このような残光性蛍りん光体を用いた製品の提示も有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、高い初期強度、遅い減衰速度、および/または長い残光時間を持つ青色残光性蛍りん光体材料を提示する。このような蛍りん光体は、ランタノイド金属、例えば、ユーロピウム、エルビウム、ホルミウム、ジスプロシウム、ネオジムなど(但し、これらに限定しない)の組み合わせを加えて活性化したアルミノケイ酸塩に基づくものである。これらの蛍りん光体は先行技術に比べて高い初期強度、遅い減衰速度、および/または長い残光時間を持つ。
【0008】
従って、ひとつの態様において、本発明は、A10−x1+x(O20−x):Eu,RE(式中、Aは、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、またはこれらの組み合わせであり、Mは、アルミニウム(Al)ホウ素(B)、亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、ガリウム(Ga)、スカンジウム(Sc)、またはこれらの組み合わせであり、Cは、ケイ素(Si)またはゲルマニウム(Ge)、あるいはこれらの組み合わせであり、xは、0.001と5.0の間であり、REは、ジスプロシウム(Dy)、ネオジム(Nd)、エルビウム(Er)、ホルミウム(Ho)、テルビウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、サマリウム(Sm)、またはこれらの組み合わせである)の一般式を持つ蛍りん光体を含む材料を提示する。
【0009】
別の態様において、本発明は蛍りん光体の製造法を提示し、この製造法は、ユーロピウムと、REと、Ba、Sr、Ca、K、Na、およびこれらの組み合わせから成る群より選ばれる少なくとも1つのアルカリ金属またはアルカリ土類金属と、Al、B、Zn、Co、Ga、Sc、およびこれらの組み合わせから成る群より選ばれる少なくとも1つの金属またはメタロイドと、Si、Ge、およびこれらの組み合わせから成る群より選ばれる少なくとも1つのメタロイドとから成る、ある量の(amounts of)オキシ窒化物含有化合物を準備する工程であって、このとき、REは、Dy、Nd、Er、Ho、Tm、Yb、Sm、またはこれらの組み合わせの少なくとも1つである工程と、オキシ窒化物含有化合物を混合して混合物とする工程と、次に、還元性雰囲気中、約900℃と約1700℃の間の温度で、混合物が、A10−x1+x(O20−x):Eu,RE(式中、Aは、Ba、Sr、Ca、K、Na、またはこれらの組み合わせであり、Mは、Al、B、Zn、Co、Ga、Sc、またはこれらの組み合わせであり、Cは、SiまたはGe、あるいはこれらの組み合わせであり、xは、0.001と5.0の間であり、REは、Dy、Nd、Er、Ho、Tm、Yb、Sm、またはこれらの組み合わせである)の一般式を持つ蛍りん光体に変換するのに十分な時間、混合物を焼成する工程と、を含んでいる。
【0010】
更に別の態様において、本発明は、構造体と、A10−x1+x(O20−x):Eu,RE(式中、Aは、Ba、Sr、Ca、K、Na、またはこれらの組み合わせであり、Mは、Al、B、Zn、Co、Ga、Sc、またはこれらの組み合わせであり、Cは、SiまたはGe、あるいはこれらの組み合わせであり、xは、0.001と5.0の間であり、REは、Dy、Nd、Er、Ho、Tm、Yb、Sm、またはこれらの組み合わせである)の一般式を持つ蛍りん光体と、を含む、蛍りん光体を含む製品を提示する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本技術のこれらおよびその他の特徴、態様、利点は、添付図を参照しつつ以下の詳細な記述を読めばより良く理解されよう。添付図において、同じ文字は同じ部分を示している。
【0012】
【図1】本技術の実施の形態に従って製造した青色オキシ窒化物系残光性蛍りん光体と、先行技術による酸化物系青色残光性蛍りん光体との、残光強度の比較を示すグラフである。
【図2】ホウ素を加え、本技術の実施の形態に従って製造した青色オキシ窒化物系残光性蛍りん光体と、ホウ素を加えた、先行技術による酸化物系青色残光性蛍りん光体との、残光強度の比較を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の記述および実施例で本発明を更に詳細に述べるが、これらは説明のためであって、当業者にはその多くの変形および変更が明らかであろう。明細書および請求項で用いられているように、用語“含む(comprising)”には、“〜から成る(consisting of)”および“本質的に〜から成る(consisting essentially of)”という実施の形態も含まれる。文中に開示されている全ての範囲は終点を含んでおり、独立して組み合わせることができる。文中に開示されている範囲の終点および全ての値は、厳密な範囲または値に限定されず、これらの範囲および/または値の近傍の値を含むよう十分にあいまいである。
【0014】
文中で用いられているように、近似を表す語を付けて、定量的表現を、その関係する基本的機能に変化を生じない程度に変化させるよう修飾しても良い。従って、いくつかのケースにおいて、“約”、“実質的に”などの用語で修飾した値は、特定されている正確な値に限定されない。少なくとも一部の例では、近似を表す語は、その値を測定するための機器の精度に対応している。
【0015】
本発明は、先行技術の材料の問題点を解決しようとするものであり、高い初期強度、遅い減衰速度、および/または長い残光時間を持つ青色残光性蛍りん光体材料を提示する。これらの蛍りん光体は、ユーロピウム、ジスプロシウム、ネオジム、エルビウム、ホルミウム、テルビウム、イッテルビウム、サマリウム、またはこれらの組み合わせなどのランタノイド金属の組み合わせを加えて活性化したアルミノケイ酸塩のオキシ窒化物に基づくものである。選択した実施の形態において、蛍りん光体は、ユーロピウムとエルビウムを加えて活性化した、アルミノケイ酸塩の酸化物またはオキシ窒化物に基づくものである。
【0016】
本技術の実施の形態に含まれる蛍りん光体は、A10−x1+x(O20−x):Eu,RE(式中、Aは、Ba、Sr、Ca、K、Na、またはこれらの組み合わせであり、Mは、Al、B、Zn、Co、Ga、Sc、またはこれらの組み合わせであり、Cは、SiまたはGe、あるいはこれらの組み合わせであり、xは、0.001と5.0の間であり、REは、Dy、Nd、Er、Ho、Tm、Yb、Sm、またはこれらの組み合わせである)の一般式を持つ。選択した実施の形態は、SrとAlとSiを用いている。別の選択した実施の形態は、SrとSiと、AlおよびBの組み合わせとを用いている。この配合に従って製造した蛍りん光体は、青色を発光し、他の種類の蛍りん光体よりも残光時間が長い。
【0017】
本発明の蛍りん光体は、酸化物成分の一部が窒化物成分で置き換わったアルミノケイ酸塩に基づくものである。これらのオキシ窒化物の実施の形態は、先行技術の酸化物系蛍りん光体よりも良い結果を示すことが分かった。酸化物を置換する窒化物の量は相対的に少ないが、窒化物を用いると、先行技術の酸化物系蛍りん光体に比べて、高い初期強度、遅い減衰速度、および/または長い残光時間を持つ蛍りん光体ができる。ある実施の形態において、酸化物を置換する窒化物の量は、0.001から5.0モルである。別の実施の形態において、酸化物を置換する窒化物の量は、0.001から3.0モルである。更に別の実施の形態において、酸化物を置換する窒化物の量は、0.001から2.0モルである。
【0018】
本発明の蛍りん光体は、先行技術の蛍りん光体材料のように、1つ以上のランタノイド金属を用いて活性化する。ある実施の形態では、ランタノイド金属として、エルビウムと共にユーロピウムを用いる。
【0019】
本発明の蛍りん光体は様々な手法を用いて製造できる。ある実施の形態では、標準的な焼成技術を用いて、約1から20μm、またはそれより大きい粒子とする。
【0020】
オキシ窒化物残光性蛍りん光体の利点は図1から分かり、ここでは、先行技術の酸化物系青色残光性蛍りん光体と比較した、オキシ窒化物系青色残光性蛍りん光体のひとつの実施の形態の経時的な残光強度の比較を示している。図1から、酸化物系材料について、これらの材料の初期強度が低く、その強度での減衰速度も僅かに速いことが分かる。本技術に従って製造した蛍りん光体は残光性も以前の蛍りん光体より長い。更に、図1から分かるように、1時間後の発光強度の値は初期強度に比べて弱いが、残留強度は、完全な暗闇の中でもまだ人の目に見えるほどまだ十分に強い。
【0021】
酸化物とオキシ窒化物の両者の実施の形態の残光性蛍りん光体にホウ素を組み込むと有益であることが図2から分かり、これについては添付の実施例で更に詳細に述べる。図2では、両者にホウ素が用いられている、先行技術の酸化物系青色残光性蛍りん光体と比較した、オキシ窒化物系青色残光性蛍りん光体の別の実施の形態の経時的な残光強度の比較を示している。これらの実施の形態では、アルミニウムの一部がホウ素で置き替わっている。ここで、酸化物型のものは、ホウ素を加えない酸化物型のものに比べてずっと遅い減衰速度を示している(図1)が、オキシ窒化物の実施の形態は更に遅い減衰速度を示し、このため1時間後の強度が高い。また更に、1時間後の発光強度の値は初期強度に比べて弱いが、残留強度は、完全な暗闇の中でもまだ人の目に見えるほどまだ十分に強い。
【0022】
本技術の残光性蛍りん光体は、発光のためのエネルギー源のない場所での長時間に亘る発光が必要ないくつもの用途に使用できる。本技術の実施の形態において、プラスチックマトリックスには、埋め込まれた残光性蛍りん光体の粒子が含まれる。別の実施の形態において、蛍りん光体粒子は、構造体の本体に付着した薄膜または表面層のプラスチックマトリックスに組み込まれている。これらの実施の形態のいずれでも、マトリックスまたは表面層への蛍りん光体粒子の組み込みは、通常のプラスチック加工技術を用いて行うことができる。このような技術としては、圧縮成形、射出成形、シート成形、薄膜吹き込み成形、または、乾燥粉末をプラスチックマトリックスに組み込むことのできるその他のプラスチック加工技術が挙げられる。当業者ならば、このような技術で使用されるプラスチックマトリックス材料は、薄い層を通して光を透過させるのに十分な透光性を持つ熱可塑性材料であればどのようなものでも良く、特に、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン(HIPS)、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンテレフタラートグリコール(PETG)、ポリプロピレンなどが挙げられる(但し、これらに限定しない)ことは分かっていよう。更に、熱硬化性材料もプラスチックマトリックスとして使用でき、特に、シリコーン(silicon)室温加硫(RTV)化合物、エポキシ樹脂などの化合物が挙げられる。実施の形態では、2つの反応成分の一方に蛍りん光体を混合して、蛍りん光体を熱硬化性樹脂に組み込む。更に、マトリックスは可塑性である必要はない。当業者ならば、本技術の蛍りん光体を、ガラスまたはセラミックマトリックスにも組み込めることが分かるだろう。その他の用途としては、塗料、テープ、またはテキスタイルなどの他の担体中での使用が挙げられる。
【0023】
蛍りん光体の粒子はマトリックスと混和性が無く、加工の間に凝集することがある。この影響はナノスケールの粒子など、より小さな粒子で特に深刻である。両方の種類の蛍りん光体粒子では、マトリックスに組み込む前に粒子を被覆することでこの影響を少なくすることができる。被覆は、小分子リガンドまたはポリマリガンドのどちらを含んでいても良い。代表的な小分子リガンドとしては、オクチルアミン、オレイン酸、トリオクチルホスフィンオキシド、またはトリアルコキシシランが挙げられる。当業者ならば、別の小分子リガンドを、ここに挙げたものに加えて、またはそれに代えて使用できることは分かっていよう。また粒子はポリマリガンドで被覆しても良く、ポリマリガンドは粒子の表面から合成しても、ナノスケール粒子の表面に加えても良い。
【0024】
ある実施の形態では、粒子表面からポリマ鎖を成長させて粒子を被覆する。この実施の形態では、ポリマ開始化合物を加えて粒子を官能化し、粒子上にポリマ開始部位を形成する。ある実施の形態において、このようなポリマ開始化合物としては、特に、アミン類、カルボン酸類、またはアルコキシシラン類が挙げられる。当業者ならば、別のポリマ開始化合物を、ここに挙げたものに加えて、またはそれに代えて使えることは分かっていよう。開始化合物で粒子を官能化した後、溶液にモノマを加えて開始部位からポリマまたはオリゴマ鎖を成長させる。粒子の周囲に形成される殻の最終的な大きさは、開始部位の数と溶液に加えられたモノマの量に依存すると考えられる。当業者ならば、選択した結果に応じてこれらのパラメータを調節することは分かっていよう。
【0025】
別の実施の形態では、粒子をポリマで被覆する。この実施の形態では、粒子と相互作用するポリマ鎖を選び、このようなポリマ鎖としては、ランダム共重合体およびブロック共重合体が挙げられる。後者の実施の形態では、一方のモノマ鎖を粒子と相互作用するよう選び、他方をマトリックスと相互作用するように選ぶ。ある実施の形態において、ポリマ被覆は、特に、アミン、カルボン酸、アルコキシシランなどの基を含んでいる。当業者ならば、他の官能基も有効であることは分かっていよう。
【0026】
前駆体粉末の混合物を還元性雰囲気中で固めると、本発明の残光性蛍りん光体を様々な方法で製造できる。ある実施の形態では、前述の配合に従って、ユーロピウム、ジスプロシウム、ネオジム、エルビウム、ホルミウム、テルビウム、イッテルビウム、サマリウム、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、1つ以上の族の金属またはメタロイド元素の酸素含有化合物と、窒素含有化合物と、その他の金属酸素含有化合物との粉末または共沈殿混合物を混合し、次に、還元性雰囲気中で混合物を焼成して、残光性蛍りん光体を製造する。酸素含有化合物は、酸化物、炭酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、カルボン酸塩、またはこれらの化合物の組み合わせである(但し、これらに限定しない)。窒素含有化合物は固体窒化物である。
【0027】
別の実施の形態では、蛍りん光体を製造するための開始材料の混合物に更に融剤を加えても良い。融剤としては、例えば、四ホウ酸リチウム、炭酸リチウム、酸化ホウ素、またはこれらの化合物の混合物などの材料が挙げられる(但し、これらに限定しない)。
【0028】
酸素含有化合物と窒素含有化合物とは、適当な機械的方法または化学的方法で混ぜ合わせる。ある実施の形態では、このような方法として、高速ブレンダ、ボールミル、またはリボンブレンダ中での粉末の撹拌または混合が挙げられる。当業者ならば、良く混じり合った粉末混合物を作るため、別の多くの手法が使用できることは分かっていよう。
【0029】
酸化物粉末と窒化物粉末との混合物を、還元性雰囲気中、約900℃から約1,700℃の範囲の温度で、混合物が蛍りん光体に変換するのに十分な時間、焼成する。ある実施の形態において、温度範囲は約1300℃から約1700℃である。焼成は、気固接触を促すため、なるべく撹拌または混合しながら、バッチまたは連続工程で行う。所用焼成時間の範囲は、焼成する混合物の量、固体と雰囲気ガスとの接触の程度、混合物を焼成または加熱している間の混合の程度に応じて、約1分間から10時間とすることができる。混合物を最終温度まで急激に加熱して保持しても、混合物を約1℃/分から約200℃/分などの遅い速度で最終温度まで加熱しても良い。選択した実施の形態では、約3℃/分から約25℃/分の速度で温度を最終温度まで上げる。
【0030】
焼成は還元性雰囲気中で行い、還元性雰囲気には、不活性気体(窒素、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、キセノン、またはこれらの混合物など)を加えた、水素、一酸化炭素、アンモニアなどの化合物、またはこれらの化合物の混合物が含まれる。ある実施の形態では、水素を約0.1容量%から約10容量%の量で含む、水素と窒素の混合物を還元ガスとして使用する。別の実施の形態において、還元ガスは、残留酸素と焼成チャンバ内に加えられた炭素粒子との反応によって焼成チャンバ内で発生させた一酸化炭素である。更に別の実施の形態では、還元性雰囲気を、アンモニアまたはヒドラジンの分解によって発生させる。
【0031】
焼成した蛍りん光体を粉砕してより小さな粒子とし、凝集体を砕く。次に、最終的な蛍りん光体をマトリックスに組み込んで完成品とする。
【0032】
本発明の蛍りん光体は、低光量用途で用いられる多くの製品に組み込むことができる。このような用途としては、携帯電話およびキーボード、例えば、キーパッド、フロントフェイスプレート、またはフェイスプレートに取り付けた制御機器など(但し、これらに限定しない)が挙げられる。更に、本技術の蛍りん光体は低毒性であるため、テキスタイル、玩具、その他の商品または消費財などでの使用が可能である。
【0033】
更に、本技術の蛍りん光体は長残光性であるため、非常用器材としての用途に有用である。このような器材の例としては、安全帽、安全用器材に貼付したステッカまたは転写シール、非常口標識(書き入れた文字や標識自体など)、衣料品(布地の中、衣類に貼付した文字や記号の中など)等(但し、これらに限定しない)が挙げられる。別の実施の形態では、蛍りん光体を“EXIT”標識などの書き入れた文字に加え、常時見えるように着色し、あるいは、低光量条件で、組み込んだ蛍りん光体からの光が見えるときだけ見えるように透明とする。
【0034】
上記の用途は本技術の実施の形態のほんの一部の例であり、その用途をこれらの用法に限定しようとするものではない。当業者ならば、長寿命残光性蛍りん光体が上に挙げた用途以外の広く様々な用途に有用であることは分かっていよう。
【0035】
以下の非制限的な実施例により、本発明を更に詳しく説明する。
【実施例】
【0036】
ここでは、以下の詳細で非制限的な実施例を参照しながら本発明を更に詳しく説明する。別に示されていない限り全ての百分率は質量比である。
【0037】
この組成物には、共に混ぜ合わせる開始材料が必要である。前述の開始原料の良く混ぜ合わせた混合物を蓋のないアルミナ製るつぼに入れて、1%のフォーミングガス中、1450℃の温度で5時間加熱する。
【0038】
本発明の考案による組成物の一例は、(Sr2.96Eu0.01Er0.03)Al9.40.4Si1.219.80.2蛍りん光体である。この実施例では、2.49gのSrCOと、0.01gのEuと、0.03gのErと、2.73gのAlと、0.14gのHBOと、0.39gのSiOと、0.04gのSiとを混ぜ合わせて、本発明のひとつ実施の形態による青色残光性蛍りん光体を生成した。前述の開始原料の良く混ぜ合わせた混合物を、蓋のないアルミナ製るつぼに入れ、1%のフォーミングガス中、1450℃の温度で5時間加熱した。
【0039】
焼成が完了すると、焼結したケーク状の蛍りん光体が得られた。このケークを、平均粒径(d50)が所望の大きさになるまでボールミルを用いて粉末に砕いた。得られた蛍りん光体は、標準的なケイ酸塩類似物に比べて、向上した初期強度とより長い残光性を示した。オキシ窒化物蛍りん光体の残光性を、標準的なケイ酸塩蛍りん光体と比較測定した。光学的測定の結果を表1および図1のグラフに示す。
【表1】

【0040】
表1は、オキシ窒化物組成物を用いて製造した蛍りん光体が、標準的なケイ酸塩試料よりも優れた初期強度と残光性を持ち、減衰速度も僅かに遅いことを示している。得られた蛍りん光体の初期効率自体は、標準的な組成物を超えるものである。更に、残光強度も標準的な組成物を超えている。
【0041】
様々な実施の形態において、ある材料は、A10−x1+x(O20−x):Eu,RE(式中、Aは、Ba、Sr、Ca、K、Na、またはこれらの組み合わせであり、Mは、Al、B、Zn、Co、Ga、Sc、またはこれらの組み合わせであり、Cは、SiまたはGe、あるいはこれらの組み合わせであり、xは、0.001と5.0の間であり、REは、Dy、Nd、Er、Ho、Tm、Yb、Sm、またはこれらの組み合わせである)の一般式を含む蛍りん光体を含んでいる。
【0042】
別の実施の形態において、ある材料は、A10(O20):Eu,Er(式中、Aは、Ba、Sr、Ca、K、Na、またはこれらの組み合わせであり、Mは、Al、B、Zn、Co、Ga、Sc、またはこれらの組み合わせであり、Cは、SiまたはGe、あるいはこれらの組み合わせである)の一般式を含む蛍りん光体を含んでいる。
【0043】
いくつかの実施の形態において、蛍りん光体の製造法は、ユーロピウムと、REと、または酸素含有化合物の共沈殿混合物と、Ba、Sr、Ca、K、Na、およびこれらの組み合わせから成る群より選ばれる少なくとも1つのアルカリ金属またはアルカリ土類金属と、Al、B、Zn、Co、Ga、Sc、およびこれらの組み合わせから成る群より選ばれる少なくとも1つの金属と、Si、Ge、およびこれらの組み合わせから成る群より選ばれる少なくとも1つの金属との、ある量の窒素含有化合物、酸素含有化合物を準備する工程であって、このとき、REは、Dy、Nd、Er、Ho、Tm、Yb、Smの少なくとも1つである工程と、化合物を混合して混合物とする工程と、次に、還元性雰囲気中、約900℃と約1700℃の間の温度で、混合物が、A10−x1+x(O20−x):Eu,RE(式中、Aは、Ba、Sr、Ca、K、Na、またはこれらの組み合わせであり、Mは、Al、B、Zn、Co、Ga、Sc、またはこれらの組み合わせであり、Cは、SiまたはGe、あるいはこれらの組み合わせであり、xは、0.001と5.0の間であり、REは、Dy、Nd、Er、Ho、Tm、Yb、Sm、またはこれらの組み合わせである)の一般式を含む蛍りん光体に変換するのに十分な時間、混合物を焼成する工程と、を含んでいる。
【0044】
実施の形態において、蛍りん光体を含む製品は、構造体と蛍りん光体とを含んでおり、蛍りん光体は、A10−x1+x(O20−x):Eu,RE(式中、Aは、Ba、Sr、Ca、K、Na、またはこれらの組み合わせとすることができ、Mは、Al、B、Zn、Co、Ga、Sc、またはこれらの組み合わせとすることができ、Cは、SiまたはGe、あるいはこれらの組み合わせとすることができ、xは、0.001と5.0の間とすることができ、REは、Dy、Nd、Er、Ho、Tm、Yb、Sm、またはこれらの組み合わせとすることができる)の一般式を含んでいる。
【0045】
別の実施の形態において、蛍りん光体を含む製品は、構造体と蛍りん光体とを含んでおり、蛍りん光体は、A10(O20):Eu,Er(式中、Aは、Ba、Sr、Ca、K、Na、またはこれらの組み合わせとすることができ、Mは、Al、B、Zn、Co、Ga、Sc、またはこれらの組み合わせとすることができ、Cは、SiまたはGe、あるいはこれらの組み合わせとすることができる)の一般式を含んでいる。
【0046】
様々な実施の形態において、(i)AはSrとすることができ、MはAlとすることができ、CはSiとすることができ、および/または、(ii)AはSrとすることができ、CはSiとすることができ、MはAlとBの組み合わせとすることができ、および/または、(iii)REはErとすることができ、(iv)蛍りん光体は、組成式(Sr2.96Eu0.01Er0.03)Al9.40.4Si1.219.80.2を持つことができ、および/または、(v)酸素含有化合物は、酸化物、炭酸塩、クエン酸塩、カルボン酸塩、およびこれらの組み合わせから成る群より選ぶことができ、および/または、(vi)窒素含有化合物は固体窒化物を含んでおり、および/または、(vii)構造体は、安全用器材、玩具、入力装置、標識、非常口表示、計器盤制御機器、電気スイッチ、回路遮断スイッチ、家具、通信機器、腕時計文字盤、携帯電話、キーボード、腕時計文字盤の数字、時計文字盤、時計文字盤の数字、台所用品、家庭用品、ラベル、自動車ダッシュボード制御盤、段板、衣類、照明、武器照準器、テキスタイル、およびディスプレイから成る群より選ぶことができ、および/または、(viii)蛍りん光体は、構造体の材料に組み込むことができ、および/または、(ix)蛍りん光体は、構造体に付着した薄膜に組み込むことができ、および/または、(x)蛍りん光体は、構造体に塗布した塗料組成物に組み込むことができ、および/または、(xi)構造体は、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン(HIPS)、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンテレフタラートグリコール(PETG)、ポリプロピレン、およびこれらの組み合わせから成る群より選ばれる熱可塑性マトリックスを含むことができ、(xii)構造体は、シリコーンRTV樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン、およびこれらの組み合わせから成る群より選ばれる熱硬化性プラスチックマトリックスを含むことができ、および/または、(xiii)構造体は、ガラス、セラミック、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0047】
説明を目的として典型的な実施の形態について述べてきたが、先の記述は本発明の範囲を制限するものと考えてはならない。従って、当業者ならば本発明の意図および範囲から外れることなく、様々な変更、適応、および代替物が考えられよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
【化1】

(式中、
Aは、Ba、Sr、Ca、K、Na、またはこれらの組み合わせであり、
Mは、Al、B、Zn、Co、Ga、Sc、またはこれらの組み合わせであり、
Cは、SiまたはGe、あるいはこれらの組み合わせであり、
xは、0.001と5.0の間であり、
REは、Dy、Nd、Er、Ho、Tm、Yb、Sm、またはこれらの組み合わせである)
の一般式を含む蛍りん光体を含むことを特徴とする材料。
【請求項2】
【化2】

(式中、
Aは、Ba、Sr、Ca、K、Na、またはこれらの組み合わせであり、
Mは、Al、B、Zn、Co、Ga、Sc、またはこれらの組み合わせであり、
Cは、SiまたはGe、あるいはこれらの組み合わせである)
の一般式を含む蛍りん光体を含むことを特徴とする材料。
【請求項3】
AはSrであり、MはAlであり、CはSiであることを特徴とする、請求項1および請求項2のいずれか1項に記載の材料。
【請求項4】
AはSrであり、CはSiであり、Mは、AlとBとの組み合わせであることを特徴とする、請求項1および請求項2のいずれか1項に記載の材料。
【請求項5】
REはErであることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の材料。
【請求項6】
前記蛍りん光体は、組成式(Sr2.96Eu0.01Er0.03)Al9.40.4Si1.219.80.2を持つことを特徴とする、請求項1および請求項2のいずれか1項に記載の材料。
【請求項7】
蛍りん光体の製造法であって、
前記製造法は、
ユーロピウムと、REと、または酸素含有化合物の共沈殿混合物と、Ba、Sr、Ca、K、Na、およびこれらの組み合わせから成る群より選ばれる少なくとも1つのアルカリ金属またはアルカリ土類金属と、Al、B、Zn、Co、Ga、Sc、およびこれらの組み合わせから成る群より選ばれる少なくとも1つの金属と、Si、GE、およびこれらの組み合わせから成る群より選ばれる少なくとも1つの金属との、ある量の窒素含有化合物、酸素含有化合物を準備する工程であって、このとき、REは、Dy、Nd、Er、Ho、Tm、Yb、Smの少なくとも1つである工程と、
前記化合物を混合して混合物とする工程と、
還元性雰囲気中、約900℃と約1700℃の間の温度で、前記混合物が蛍りん光体に変換するのに十分な時間、前記混合物を焼成する工程と、
を含み、
前記蛍りん光体は、
【化3】

(式中、
Aは、Ba、Sr、Ca、K、Na、またはこれらの組み合わせであり、
Mは、Al、B、Zn、Co、Ga、Sc、またはこれらの組み合わせであり、
Cは、SiまたはGe、あるいはこれらの組み合わせであり、
xは、0.001と5.0の間であり、
REは、Dy、Nd、Er、Ho、Tm、Yb、Sm、またはこれらの組み合わせである)
の一般式を含むことを特徴とする、蛍りん光体の製造法。
【請求項8】
前記酸素含有化合物は、酸化物、炭酸塩、クエン酸塩、カルボン酸塩、およびこれらの組み合わせから成る群より選ばれることを特徴とする、請求項6に記載の製造法。
【請求項9】
前記窒素含有化合物は、固体窒化物を含むことを特徴とする、請求項7および請求項8のいずれか1項に記載の製造法。
【請求項10】
AはSrであり、MはAlであり、CはSiであることを特徴とする、請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の製造法。
【請求項11】
AはSrであり、CはSiであり、MはAlとBの組み合わせであることを特徴とする、請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の製造法。
【請求項12】
REはErであることを特徴とする、請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の製造法。
【請求項13】
蛍りん光体を含む製品であって、
前記製品は、
構造体と、
蛍りん光体と、
を含み、
前記蛍りん光体は、
【化4】

(式中、
Aは、Ba、Sr、Ca、K、Na、またはこれらの組み合わせであり、
Mは、Al、B、Zn、Co、Ga、Sc、またはこれらの組み合わせであり、
Cは、SiまたはGe、あるいはこれらの組み合わせであり、
xは、0.001と5.0の間であり、
REは、Dy、Nd、Er、Ho、Tm、Yb、Sm、またはこれらの組み合わせである)
の一般式を含むことを特徴とする、蛍りん光体を含む製品。
【請求項14】
蛍りん光体を含む製品であって、
前記製品は、
構造体と、
蛍りん光体と、
を含み、
前記蛍りん光体は、
【化5】

(式中、
Aは、Ba、Sr、Ca、K、Na、またはこれらの組み合わせであり、
Mは、Al、B、Zn、Co、Ga、Sc、またはこれらの組み合わせであり、
Cは、SiまたはGe、あるいはこれらの組み合わせである)
の一般式を含むことを特徴とする、蛍りん光体を含む製品。
【請求項15】
前記構造体は、安全用器材、玩具、入力装置、標識、非常口表示、計器盤制御機器、電気スイッチ、回路遮断スイッチ、家具、通信機器、腕時計文字盤、携帯電話、キーボード、腕時計文字盤の数字、時計文字盤、時計文字盤の数字、台所用品、家庭用品、ラベル、自動車ダッシュボード制御盤、段板、衣類、照明、武器照準器、テキスタイル、およびディスプレイから成る群より選ばれることを特徴とする、請求項13および請求項14のいずれか1項に記載の製品。
【請求項16】
前記蛍りん光体は、前記構造体の材料に組み込まれていることを特徴とする、請求項13から請求項15のいずれか1項に記載の製品。
【請求項17】
前記蛍りん光体は、前記構造体に付着した薄膜に組み込まれていることを特徴とする、請求項13から請求項15のいずれか1項に記載の製品。
【請求項18】
前記蛍りん光体は、前記構造体に塗布した塗料組成物に組み込まれていることを特徴とする、請求項13から請求項15のいずれか1項に記載の製品。
【請求項19】
前記構造体は、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン(HIPS)、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンテレフタラートグリコール(PETG)、ポリプロピレン、およびこれらの組み合わせから成る群より選ばれる熱可塑性マトリックスを含んでいることを特徴とする、請求項13から請求項18のいずれか1項に記載の製品。
【請求項20】
前記構造体は、シリコーンRTV樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン、およびこれらの組み合わせから成る群より選ばれる熱硬化性プラスチックマトリックスを含んでいることを特徴とする、請求項13から請求項19のいずれか1項に記載の製品。
【請求項21】
前記構造体は、ガラス、セラミック、またはこれらの組み合わせを含んでいることを特徴とする、請求項13から請求項20のいずれか1項に記載の製品。
【請求項22】
AはSrであり、MはAlであり、CはSiであることを特徴とする、請求項13から請求項21のいずれか1項に記載の製品。
【請求項23】
AはSrであり、CはSiであり、MはAlとBとの組み合わせであることを特徴とする、請求項13から請求項21のいずれか1項に記載の製品。
【請求項24】
REはErであることを特徴とする、請求項13から請求項23のいずれか1項に記載の製品。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−515137(P2013−515137A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545981(P2012−545981)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/058309
【国際公開番号】WO2011/078940
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(508171804)サビック・イノベーティブ・プラスチックス・アイピー・ベスローテン・フェンノートシャップ (86)
【Fターム(参考)】