説明

新規光開始剤

本発明は、式I、II、III、IV、V又はVIで示される新規な光開始剤に関し、式中、R1及びR2は、各々互いに独立に、C1〜C8アルキル;OH、C1〜C4アルコキシ、−COO(C1〜C8アルキル)、(C1〜C4アルキル)−COO−、−CN、ベンジル、フェニル若しくは−N(R15)(R16)で置換されているC1〜C4アルキル;C3〜C6アルケニル、ベンジル、−CH2−C64−(C1〜C4アルキル)又はフェニルであるか;或いはR1とR2は、一緒になって、非分岐鎖状若しくは分岐鎖状のC2〜C9アルキレン又はC3〜C6−オキサ−若しくは−アザアルキレンであり;R3、R4、R5及びR6は、各々互いに独立に、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C6アルケニル、ベンジル、−CH2−C64−(C1〜C4アルキル)又はフェニルであり;R3とR4は一緒になって、及び/又はR5とR6は一緒になって、非分岐鎖状若しくは分岐鎖状のC2〜C9アルキレンであり;Aは、Cl、Br、−O−R9、−N(R11)(R12)又は−S−R18であり、A′は、−O−、−NH−又は−NR11−であり;A″は、Cl、Br、−O−R9、−N(R11)(R12)又は−S−R18又は水素であり、Xは、−O−R10又は−N(R13)(R14)であり、nは、1〜10の整数、好ましくは1〜4の整数、特には1、2又は3であり;R7は、結合基であり;R8は、二価のC2〜C3アルキレン基である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な光開始剤及び、特に紫外線及び可視放射線を使用する放射線硬化性組成物用のそれらの混合物、それらの調製のための中間体並びに中間体からの開始剤の調製方法に関する。
【0002】
放射線硬化性の系は、多数の用途、例えば、重ね刷りワニス、印刷インクにおいて、電子的プリント基板及び印刷版の製造において、並びに種々の基材、例えば木、プラスチック、紙、ガラス又は金属のコーティングにおいて使用することができる。そのような系の有効な重合のために、電磁的放射線との相互作用の結果、ラジカル又はカチオン(プロトン)等の反応性粒子が発生する、光開始剤の使用が必要である。実際に頻繁に使用される大部分の開始剤の短所は、それらが使用されるときに生じる望ましくない臭気である。したがって、この分野で、低臭気、低揮発性の光開始剤への需要が存在する。さらに、光開始剤は、架橋密度の改善に貢献すること及びマイグレーションしうる光分解生成物の生成がより少ないことが望ましい。また、光開始剤は、取扱い容易な形態で入手できる必要があり、硬化フィルムの黄変を最小とする必要があり、また放射線硬化性配合物に容易に溶解しうるものである必要がある。光開始剤の使用に対するさらに重要な基準は、配合物の反応性成分が重合される有効性である。これは、使用中に達成することができる硬化速度及び得られるポリマーの架橋の程度に直接効果を及ぼす。
【0003】
欧州特許第EP−B−216884号には、例えば、Irgacure(イルガキュア)2959:2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン等の光開始剤が記載されている。
【0004】
米国特許第4,861,916号には、式HO−CH2−CH2−フェニル−CO−C(CH3)(CH3)−OHのα−ヒドロキシケトンが記載されている。フェニル環とOH基との間には、少なくとも2個のCH2基が存在している。
【0005】
以下の式のα−ヒドロキシケトン、α−アルコキシケトン及びα−アミノケトンは、光開始剤として要求される特性を有し、イルガキュア2959と比較して、ベンジル性ヒドロキシ基においてより高い反応性を有し、且つ、黄変傾向を有していないということが見い出された。
【0006】
したがって、本発明は、式I、II、III、IV、V又はVI:
【0007】
【化7】

【0008】
[式中、
1及びR2は、各々互いに独立に、C1〜C8アルキル;OH、C1〜C4アルコキシ、−COO(C1〜C8アルキル)、(C1〜C4アルキル)−COO−、−CN、ベンジル、フェニル若しくは−N(R15)(R16)で置換されているC1〜C4アルキル;C3〜C6アルケニル、ベンジル、−CH2−C64−(C1〜C4アルキル)又はフェニルであるか;或いは
1とR2は、一緒になって、非分岐鎖状若しくは分岐鎖状のC2〜C9アルキレン又はC3〜C6−オキサ−若しくは−アザアルキレンであり;
3、R4、R5及びR6は、各々互いに独立に、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C6アルケニル、ベンジル、−CH2−C64−(C1〜C4アルキル)又はフェニルであり;
3とR4は一緒になって、及び/又はR5とR6は一緒になって、非分岐鎖状又は分岐鎖状のC2〜C9アルキレンであり;
Aは、Cl、Br、−O−R9、−N(R11)(R12)又は−S−R18であり、
A′は、−O−、−NH−又は−NR11−であり;
A″は、Cl、Br、−O−R9、−N(R11)(R12)又は−S−R18又は水素であり、
Xは、−O−R10又は−N(R13)(R14)であり、
nは、1〜10の整数、好ましくは1〜4の整数、特には1、2又は3であり;
7は、n価の直鎖状若しくは分岐鎖状のC2〜C20アルキル基であり、その炭素鎖は、シクロヘキサンジイル、フェニレン、−CH(OH)−、−C(C25)(CH2−CH2−OH)−、−C(CH3)(CH2−CH2−OH)−、−C(CH2−CH2−OH)2−、−N(CH3)−、−N(C25)−、−N(CH2−CH2−OH)−、−CO−O−、−O−CO−、−P(CH2−CH2−OH)−、−P(O)(CH2−CH2−OH)−、−O−P(O−CH2−CH2−OH)−O−、−O−P(O)(O−CH2−CH2−OH)−O−、−O−シクロヘキサンジイル−C(CH32−シクロヘキサンジイル−O−、−O−フェニレン−C(CH32−フェニレン−O−、−O−フェニレン−CH2−フェニレン−O−、−Si(CH32−、−O−Si(CH32−O−、−O−Si(CH3)(O−CH3)−O−、−Si(CH3)(R19)−O−Si(CH3)(R20)−、5−(2−ヒドロキシ−エチル)−[1,3,5]トリアジナン−2,4,6−トリオン−1,3−ジイル及び/又は1〜9個の酸素原子で中断されていてもよいか、或いは
7は、1個若しくは2個のフェニレン、メチルフェニレン、フェニレン−O−フェニレン、シクロヘキサンジイル、メチルシクロヘキサンジイル、トリメチルシクロヘキサンジイル、ノルボルナンジイル、[1−3]ジアゼチジン−2,4−ジオン−1,3−ジイル、3−(6−イソシアナトヘキシル)−ビウレット−1,5−ジイル又は5−(6−イソシアナトヘキシル)−[1,3,5]トリアジナン−2,4,6−トリオン−1,3−ジイル基で中断されていてもよい、n価の直鎖状若しくは分岐鎖状の−CO−NH−(C2〜C12アルキレン)−(NH−CO)n-1−又は直鎖状若しくは分岐鎖状の−CO−NH−(C0〜C12アルキレン)−(NH−CO)n-1−基であるか、或いは
7は、n価の直鎖状若しくは分岐鎖状の−CO−(C0〜C12アルキレン)−(CO)n-1−基であり、そのアルキレンは、酸素、フェニレン、シクロヘキサンジイル又はノルボルナンジイルで中断されていてもよく;
8は、二価C2〜C3アルキレン基であり、
9は、水素、−Si(C1〜C6アルキル)3、C1〜C12アルキル、R23、C2〜C18アシル、−CO−NH−C1〜C12アルキル、−CO−C1〜C4アルコキシ、C2〜C20ヒドロキシアルキル、C2〜C20メトキシアルキル、3−(C1〜C18アルコキシ)−2−ヒドロキシ−プロピル、3−[1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]−プロピル、2,3−ジヒドロキシ−プロピル又は直鎖状若しくは分岐鎖状のC2〜C21ヒドロキシアルキル又は(C1〜C4アルコキシ)−C2〜C21アルキルであり、その炭素鎖は、1〜9個の酸素原子で中断されており、
10は、水素、−Si(C1〜C6アルキル)3、C2〜C8アルキル、C3〜C6アルケニル又はベンジルであり、
11及びR12は、各々互いに独立に、水素、C1〜C12アルキル、R23;基OH、C1〜C4アルコキシ、−CN及び−COO(C1〜C4アルキル)の1個以上で置換されているC2〜C4アルキル;C3〜C5アルケニル、シクロヘキシル又はC7〜C9フェニルアルキルであるか、或いは
11とR12は、一緒になって、−O−又は−N(R17)−で中断されていてもよい、非分岐鎖状又は分岐鎖状のC3〜C9アルキレンであり;
13及びR14は、各々互いに独立に、C1〜C12アルキル;基OH、C1〜C4アルコキシ、−CN及び−COO(C1〜C4アルキル)の1個以上で置換されているC2〜C4アルキル;C3〜C5アルケニル、シクロヘキシル又はC7〜C9フェニルアルキルであるか、或いは
13とR14は、一緒になって、−O−又は−N(R17)−で中断されていてもよい、非分岐鎖状又は分岐鎖状のC3〜C9アルキレンであり;
15及びR16は、各々互いに独立に、水素、C1〜C12アルキル;基OH、C1〜C4アルコキシ、−CN及び−COO(C1〜C4アルキル)の1個以上で置換されているC2〜C4アルキル;C3〜C5アルケニル、シクロヘキシル又はC7〜C9フェニルアルキルであるか、或いは
15とR16は、一緒になって、−O−又は−N(R17)−で中断されていてもよい、非分岐鎖状又は分岐鎖状のC3〜C9アルキレンであり;
17は、水素、C1〜C4アルキル、アリル、ベンジル、C1〜C4ヒドロキシアルキル、−CH2CH2−COO(C1〜C4アルキル)又は−CH2CH2CNであり、
18は、C1〜C18アルキル、ヒドロキシエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、シクロヘキシル、ベンジル、フェニル、C1〜C12アルキルフェニル、−CH2−COO(C1〜C18アルキル)、−CH2CH2−COO(C1〜C18アルキル)又は−CH(CH3)−COO(C1〜C18アルキル)であり、
19及びR20は、各々互いに独立に、一価の基である、メチル、−O−Si(CH33、−O−Si(CH32−O−Si(CH33、−O−Si(CH3)[−(CH2p−OH]−O−Si(CH3)、又は二価の基である、−O−Si(CH32−、−O−Si(CH3)[−(CH2p−OH]−、−O−Si(CH3)(R21)−、−O−Si(CH3)(R22)−であり且つ形成された鎖であり、
21及びR22は、各々互いに独立に、一価の基である、メチル、−O−Si(CH33、−O−Si(CH32−O−Si(CH33、−O−Si(CH3)[−(CH2p−OH]−O−Si(CH3)、又は二価の基である、−O−Si(CH32−、−O−Si(CH3)[−(CH2p−OH]−、−O−Si(CH3)(R21)−、−O−Si(CH3)(R22)−であり且つ延長された鎖であり、R21とR22が結合して環を形成する場合、−(R21)−(R22)−は、架橋−O−であり、
23は、式Iとは独立に、下記基:
【0009】
【化8】

【0010】
で示され、
pは、2〜12の整数、好ましくは3、5又は6であり、アルキレンの炭素鎖は、1個〜3個の酸素原子で中断されていることができる]で示される
新規な光開始剤に関する。
【0011】
アルキルは、非分岐鎖状又は分岐鎖状のアルキルでありうる。
3〜C6アルケニルは、例えば、アリル、メタリル又は2−ブテニルである。
1とR2が一緒になって、及び/又はR3とR4が一緒になって、C3〜C6−オキサ−若しくは−アザアルキレンであるときには、例えば、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピペリジン、ピペラジン又はモルホリン環が形成される。
2〜C18アシルは、例えば、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、2−メチルプロパノイル、ブタノイルからオクタデカノイルである。
ヒドロキシアルキルは、ヒドロキシで置換されているアルキルである。
1個〜9個の酸素原子で中断されているヒドロキシアルキルは、例えば、−(CH2a−O−(CH2b−OHである。
【0012】
好ましい化合物:
1及びR2が、各々互いに独立に、C1〜C8アルキル、C3〜C6アルケニル、ベンジル、−CH2−C64−(C1〜C4アルキル)又はフェニルであるか、或いは
1及びR2が、一緒になって、非分岐鎖状又は分岐鎖状のC2〜C9アルキレンであり;
3、R4、R5及びR6が、各々互いに独立に、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C6アルケニル、ベンジル、−CH2−C64−(C1〜C4アルキル)又はフェニルであり;
3とR4が一緒になって、及び/又はR5とR6が一緒になって、非分岐鎖状又は分岐鎖状のC3〜C9アルキレンであり;
Aが、Cl、Br、−O−R9又は−N(R11)(R12)であり、
A′が、−O−であり;
A″が、Cl、Br、−O−R9、−N(R11)(R12)又は水素であり;
Xが、−O−R10又は−N(R13)(R14)であり;
nが、1、2又は3であり;
7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R17、R19、R20、R21、R22及びR23が、前記と同義である、
前記と同義の式I、II、III、IV、V又はVIの光開始剤。
【0013】
1及びR2が、メチルであるか、又はR1とR2が、一緒になって、C5アルキレンであり;
3、R4、R5及びR6が、各々互いに独立に、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C6アルケニル、ベンジル、−CH2−C64−(C1〜C4アルキル)又はフェニルであり;
3とR4が一緒になって、及び/又はR5とR6が一緒になって、非分岐鎖状又は分岐鎖状のC3〜C9アルキレンであり;
Aが、−O−R9又は−N(R11)(R12)であり、
A″が、−O−R9、−N(R11)(R12)又は水素であり;
Xが、−OH又は−N(R13)(R14)であり、
9が、水素、−Si(CH33、C1〜C8アルキル、4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル、4−(1−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボニル)−ベンジル、C2〜C18アシル、−CO−NH−C1〜C8アルキル、−CO−C1〜C4アルコキシ、C2〜C20ヒドロキシアルキル、C2〜C20メトキシアルキル又はその炭素鎖が1〜9個の酸素原子で中断されているC2〜C20ヒドロキシアルキルであり;
式IIについてのR9が、水素、−Si(CH33、C1〜C8アルキル、4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル、2−ヒドロキシメチル−4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル、2−メチル−4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル、4−(1−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボニル)−ベンジル、2−ヒドロキシメチル−4−(1−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボニル)−ベンジル、2−メチル−4−(1−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボニル)−ベンジル、C2〜C18アシル、−CO−NH−C1〜C8アルキル、C2〜C20ヒドロキシアルキル、C2〜C20メトキシアルキル又はその炭素鎖が1〜9個の酸素原子で中断されているC2〜C20ヒドロキシアルキルの意味のうちの1つを有し;
11とR12及びR13とR14が、前記と同義である、
式I又はIIの光開始剤。
【0014】
1及びR2が、メチルであるか、又はR1とR2が、一緒になって、C5アルキレンであり;
Xが、−OHであり;
3、R4、R5及びR6が、各々互いに独立に、水素又はC1〜C6アルキルであり;
3とR4が一緒になって、及び/又はR5とR6が一緒になって、非分岐鎖状又は分岐鎖状のC4〜C9アルキレンであり;
Aが、−OH又は−OCH3であり;
A″が、−OH若しくは−OCH3又は水素である、
式I又はIIの光開始剤。
【0015】
1及びR2が、メチルであるか、又はR1とR2が、一緒になって、C5アルキレンであり;
3、R4、R5及びR6が、水素であり;
nが、1〜3の整数、特に2であり;
Aが、4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル又は4−(1−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボニル)−ベンジルであり;
A′が、−O−であり;
Xが、水素であり;
7が、n価の直鎖状又は分岐鎖状のC2〜C12アルキル基であり、その炭素鎖は、シクロヘキサンジイル、フェニレン、−CH(OH)−、−C(C25)(CH2−CH2−OH)−、−C(CH3)(CH2−CH2−OH)−、−C(CH2−CH2−OH)2−、−N(CH3)−、−N(C25)−、−N(CH2−CH2−OH)−、−CO−O−、−O−CO−、−O−シクロヘキサンジイル−C(CH32−シクロヘキサンジイル−O−、−O−フェニレン−C(CH32−フェニレン−O−、−O−フェニレン−CH2−フェニレン−O−、−Si(CH32−、−O−Si(CH32−O−、−O−Si(CH3)(O−CH3)−O−及び/又は1〜9個の酸素原子で中断されていてもよいか、或いは
7が、n価の直鎖状若しくは分岐鎖状の−CO−NH−(C2〜C12アルキレン)−(NH−CO)n-1−又は直鎖状若しくは分岐鎖状の−CO−NH−(C0〜C12アルキレン)−(NH−CO)n-1−基であって、ここで、基の炭素鎖が1個又は2個のフェニレン、メチルフェニレン、フェニレン−O−フェニレン、シクロヘキサンジイル、メチルシクロヘキサンジイル、トリメチルシクロヘキサンジイル、ノルボルナンジイル、[1−3]ジアゼチジン−2,4−ジオン−1,3−ジイル又は5−(6−イソシアナトヘキシル)−[1,3,5]トリアジナン−2,4,6−トリオン−1,3−ジイル基で中断されていてもよいか、或いは
7が、n価の直鎖状若しくは分岐鎖状の−CO−(C0〜C12アルキレン)−(CO)n-1−基であり、その炭素鎖は、酸素、フェニレン、シクロヘキサンジイル又はノルボルナンジイルで中断されていてもよい、
式I又はIII(二量体)の光開始剤。
【0016】
基R7は、好ましくは、以下の工業的ジ−及びオリゴ−アルコール類の構造のコレクションのリストのアルコールから調製される。
【0017】
【表1】



【0018】
基R7は、好ましくは、以下の工業的ジ−及びオリゴ−イソシアナート類の構造のコレクションのリストのイソシアナートから調製される。
【0019】
【表2】

【0020】
工業的ジ−及びポリカルボン酸類の構造のコレクション
【0021】
【表3】

【0022】
式Iの化合物の例:
2−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(4−メトキシメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(4−メトキシメチル−フェニル)−2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロパン−1−オン
2−メチル−2−モルホリン−4−イル−1−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−{4−[2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エトキシメチル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(4−{2−[2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシメチル}−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−[4−(2−{2−[2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシメチル)−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(4−ブロモメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(4−クロロメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−プロパン−1−オン
炭酸4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステルメチルエステル
2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシメチル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−[4−(1−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−[4−(1−メトキシ−2−メチル−プロピル)−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(2−メチル−1−メチルアミノ−プロピル)−フェニル]−プロパン−1−オン
1−[4−(1−ジメチルアミノ−2−メチル−プロピル)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(2−メチル−1−モルホリン−4−イル−プロピル)−フェニル]−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−[4−(ヒドロキシ−フェニル−メチル)−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−[4−(メトキシ−フェニル−メチル)−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(メチルアミノ−フェニル−メチル)−フェニル]−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(4−{[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−フェニル−メチル}−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(4−{[ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−フェニル−メチル}−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(4−ジメチルアミノメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−メチルアミノメチル−フェニル)−プロパン−1−オン
1−(4−エチルアミノメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(4−ブチルアミノメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(4−ヘキシルアミノメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(4−ドデシルアミノメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(4−{[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−メチル}−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(4−{[ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−メチル}−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−{4−[(2−ヒドロキシ−プロピルアミノ)−メチル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−ブタン−1−オン
2−ジメチルアミノ−1−(4−ジメチルアミノメチル−フェニル)−2−(4−メチル−ベンジル)−ブタン−1−オン
2−ジメチルアミノ−2−エチル−1−(4−{[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−メチル}−フェニル)−ペンタ−4−エン−1−オン
1−(4−エトキシメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(4−ブトキシメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−[4−(2−メトキシ−エトキシメチル)−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−[4−(4−ヒドロキシ−ブトキシメチル)−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−[4−(6−ヒドロキシ−ヘキシルオキシメチル)−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシ−プロポキシメチル)−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン
1−[4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシ−プロポキシメチル)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
[4−(4−ヒドロキシ−ブトキシメチル)−フェニル]−(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−メタノン
2−エチル−2−ヒドロキシ−1−(4−イソプロポキシメチル−フェニル)−ヘキサン−1−オン
2−エトキシ−1−(4−エトキシメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−アリルオキシ−1−(4−メトキシメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−トリメチルシラニルオキシメチル−フェニル)−プロパン−1−オン
2−メチル−2−トリメチルシラニルオキシ−1−(4−トリメチルシラニルオキシメチル−フェニル)−プロパン−1−オン
1−(4−メトキシメチル−フェニル)−2−メチル−2−トリメチルシラニルオキシ−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル)−プロピルオキシメチル−フェニル]−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシ−エチルスルファニルメチル)−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン
酢酸4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
安息香酸4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
酪酸4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
オクタデカン酸4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
【0023】
式IIの化合物の例
1−(3,4−ビス−メトキシメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(3,4−ビス−メトキシメチル−フェニル)−2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロパン−1−オン
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−(4−ヒドロキシメチル−3−メチル−フェニル)−メタノン
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−(3−ヒドロキシメチル−4−メチル−フェニル)−メタノン
{4−[4−(1−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボニル)−2−メチル−ベンジルオキシメチル]−3−メチル−フェニル}−(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−メタノン
{3−[4−(1−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボニル)−2−メチル−ベンジルオキシメチル]−4−メチル−フェニル}−(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−メタノン
{3−[5−(1−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボニル)−2−メチル−ベンジルオキシメチル]−4−メチル−フェニル}−(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−メタノン
2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−2−メチル−ベンジルオキシメチル]−3−メチル−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−{3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−2−メチル−ベンジルオキシメチル]−4−メチル−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−{3−[5−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−2−メチル−ベンジルオキシメチル]−4−メチル−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−{3−ヒドロキシメチル−4−[2−ヒドロキシメチル−4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシメチル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−{3−ヒドロキシメチル−4−[2−ヒドロキシメチル−5−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシメチル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−{4−ヒドロキシメチル−3−[2−ヒドロキシメチル−5−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシメチル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−2−メトキシメチル−ベンジルオキシメチル]−3−メトキシメチル−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−{4−[5−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−2−メトキシメチル−ベンジルオキシメチル]−3−メトキシメチル−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−{3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−2−メトキシメチル−ベンジルオキシメチル]−4−メトキシメチル−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−{3−[5−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−2−メトキシメチル−ベンジルオキシメチル]−4−メトキシメチル−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−[4−({[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−2−メチル−ベンジル]−メチル−アミノ}−メチル)−3−メチル−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−[3−({[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−2−メチル−ベンジル]−メチル−アミノ}−メチル)−4−メチル−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(3−{[5−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−2−メチル−ベンジルアミノ]−メチル}−4−メチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(1−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボニル)−2−メチル−ベンジルオキシメチル]−3−メチル−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−{4−[5−(1−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボニル)−2−メチル−ベンジルオキシメチル]−3−メチル−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボニル)−2−メチル−ベンジルオキシメチル]−4−メチル−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
1−[3,4−ビス−(1−メトキシ−エチル)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−[3−エチル−4−(1−メトキシ−エチル)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−[4−エチル−3−(1−メトキシ−エチル)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(3,4−ビス−エトキシメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(4−エトキシメチル−3−メチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(3−エトキシメチル−4−メチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシメチル−3−メトキシメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(3−ヒドロキシメチル−4−メトキシメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(3,4−ビス−ヒドロキシメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(2,4−ビス−ヒドロキシメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(2,4−ビス−メトキシメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシメチル−3−メチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(3−ヒドロキシメチル−4−メチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−[4−(1−ヒドロキシ−エチル)−3−メチル−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(3−エチル−4−ヒドロキシメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−[3−(1−ヒドロキシ−エチル)−4−メチル−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(3−ヒドロキシメチル−4−メチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(3−ジメチルアミノメチル−4−ヒドロキシメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(3−ジメチルアミノメチル−4−メトキシメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(4−ジメチルアミノメチル−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(4−ジメチルアミノメチル−3−メトキシメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(3,4−ビス−ジメチルアミノメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(4−ジメチルアミノメチル−3−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(3,4−ビス−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシメチル−3−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(3−メトキシメチル−4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
【0024】
式IIIの化合物の例
{6−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−ヘキシル}−カルバミン酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−ブチル}−カルバミン酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
{9−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−ノニル}−カルバミン酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
{12−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−ドデシル}−カルバミン酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
{18−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−オクタデシル}−カルバミン酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル{6−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−2,4,4−トリメチル−ヘキシル}−カルバミン酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
{6−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−2,2,4−トリメチル−ヘキシル}−カルバミン酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
(3−{[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−メチル}−3,5,5−トリメチル−シクロヘキシル)−カルバミン酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
(3−{[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−メチル}−シクロヘキシルメチル)−カルバミン酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
(3−{[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−メチル}−ベンジル)−カルバミン酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
(4−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−シクロヘキシルメチル}−シクロヘキシル)−カルバミン酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
(4−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−3−メチル−シクロヘキシルメチル}−2−メチル−シクロヘキシル)−カルバミン酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
(4−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−ベンジル}−フェニル)−カルバミン酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
[4−(1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−3−メチル−フェニル}−メチル)−2−メチル−フェニル]−カルバミン酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
(4−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−フェノキシ}−フェニル)−カルバミン酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
[1−(3−{1−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−1−メチル−エチル}−フェニル)−1−メチル−エチル]−カルバミン酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−フェニル}−カルバミン酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
{3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−4−メチル−フェニル}−カルバミン酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
{3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−4−メチル−シクロヘキシル}−カルバミン酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
{6−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル}−カルバミン酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
{5−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル}−カルバミン酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
{6−[3−{6−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−ヘキシル}−5−(6−イソシアナト−ヘキシル)−2,4,6−トリオキソ−[1,3,5]トリアジナン−1−イル]−ヘキシル}−カルバミン酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
[6−(3−{6−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−ヘキシル}−2,4−ジオキソ−[1,3]ジアゼチジン−1−イル)−ヘキシル]−カルバミン酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
2−ヒドロキシ−1−(4−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−エトキシメチル}−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(4−{3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−プロポキシメチル}−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(4−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−ブトキシメチル}−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(4−{6−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−ヘキシルオキシメチル}−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(4−{10−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−デシルオキシメチル}−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(4−{12−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−ドデシルオキシメチル}−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(4−{18−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−オクタデシルオキシメチル}−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(4−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−1,3−ジメチル−ブトキシメチル}−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(4−{6−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−2,4−ジメチル−ヘプチルオキシメチル}−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(4−{2−ヒドロキシ−3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−プロポキシメチル}−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−[4−(2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−エトキシ}−エトキシメチル)−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−{4−[2−(2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシメチル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(4−{2−[2−(2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシメチル}−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−[4−(2−{2−[2−(2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシメチル)−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−{4−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシメチル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(4−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシメチル}−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−[4−(2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−プロポキシ}−1−メチル−エトキシメチル)−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−[4−(2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−プロポキシ}−プロポキシメチル)−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−{4−[2−(2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−プロポキシ}−プロポキシ)−プロポキシメチル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−{4−[2−(2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−プロポキシ}−1−メチル−エトキシ)−1−メチル−エトキシメチル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(4−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシメチル]−シクロヘキシルメトキシメチル}−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(4−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシメチル]−ベンジルオキシメチル}−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(4−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−シクロヘキシルオキシメチル}−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−[4−(2−{4−[1−(4−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−エトキシ}−フェニル)−1−メチル−エチル]−フェノキシ}−エトキシメチル)−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−[4−(2−{4−[1−(4−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−エトキシ}−シクロヘキシル)−1−メチル−エチル]−シクロヘキシルオキシ}−エトキシメチル)−シクロヘキシル]−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−{4−[2−({2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−エチル}−メチル−アミノ)−エトキシメチル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−{4−[2−((2−ヒドロキシ−エチル)−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−エチル}−アミノ)−エトキシメチル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(4−{2−ヒドロキシメチル−2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシメチル]−ブトキシメチル}−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−(4−{3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシメチル]−プロポキシメチル}−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(4−{3−エチル−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−5−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−ペンチルオキシメチル}−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(4−{3,3−ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−5−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−ペンチルオキシメチル}−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3,5−ビス−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−エチル}−[1,3,5]トリアジナン−2,4,6−トリオン
2−ヒドロキシ−1−{4−[2−((2−ヒドロキシ−エチル)−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−エチル}−ホスファニル)−エトキシメチル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−{4−[2−((2−ヒドロキシ−エチル)−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−エチル}−ホスフィノイル)−エトキシメチル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
1−{4−[2−(ビス−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−エチル}−ホスファニル)−エトキシメチル]−フェニル}−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−{4−[2−(ビス−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−エチル}−ホスフィノイル)−エトキシメチル]−フェニル}−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−{4−[3−({3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−プロピル}−ジメチル−シラニル)−プロポキシメチル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−1−{4−[2−({2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−エトキシ}−ジメチル−シラニルオキシ)−エトキシメチル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
1−{4−[3−(ビス−{3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−プロピル}−メチル−シラニル)−プロポキシメチル]−フェニル}−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−{4−[3−(ビス−{3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシ]−エトキシ}−メチル−シラニルオキシ)−エトキシメチル]−フェニル}−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
シュウ酸 ビス−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]エステル
マロン酸 ビス−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]エステル
コハク酸 ビス−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]エステル
ペンタン二酸 ビス−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]エステル
ヘキサン二酸 ビス−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]エステル
デカン二酸 ビス−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]エステル
テトラデカン二酸 ビス−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]エステル
[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルメトキシ]−酢酸 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル
テレフタル酸 ビス−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]エステル
イソフタル酸 ビス−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]エステル
フタル酸 ビス−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]エステル
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸 ビス−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]エステル
シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸 ビス−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]エステル
シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸 ビス−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]エステル
ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸 トリス−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]エステル
ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸 トリス−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]エステルベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸 テトラキス−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]エステル
3,4−ビス−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニル]−ヘキサン二酸 ビス−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]エステル
【0025】
式IVの化合物の例
1−(1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−5−イル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
(1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−5−イル)−(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−メタノン
1−(2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−プロパン−1−オン
1−(1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−5−イル)−2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロパン−1−オン
1−(1,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−5−イル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
【0026】
式Vの化合物の例
1−(5,8−ジヒドロキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(5,8−ビス−ジメチルアミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−2−ジメチルアミノ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(5,8−ジメトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
1−(5,9−ジヒドロキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−2−イル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン
【0027】
式VIの化合物の例
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(11−オキサ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン−4−イル)−プロパン−1−オン
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−(11−オキサ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン−4−イル)−メタノン
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(9−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−エピアザノ−ナフタレン−6−イル)−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(12−オキサ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−4−イル)−プロパン−1−オン
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(12−メチル−12−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−4−イル)−プロパン−1−オン
【0028】
化合物の調製:
化合物I、II、III、IV、V又はVIの調製は、
a)フリーデル−クラフツ触媒の存在下に、アルキル化芳香族化合物Ar−CHR34と、又はジアルキル化芳香族化合物R56HC−Ar−CHR34と、又はベンゾシクロアルカンと、式R12CH−COHalの酸ハロゲン化物との反応により、式A、B又はC:
【0029】
【化9】

【0030】
で示される化合物を得る工程、
b)式A、B又はCの芳香族ケトンのハロゲン化、及び続く臭素化と加水分解により、式D、E、F、G又はH:
【0031】
【化10】

【0032】
で示される化合物を得る工程、
c)場合により、
エーテルの調製のため、触媒としての酸の存在下でのアルコールとの、
エステルの調製のため、カルボン酸との、
ウレタンの調製のため、イソシアナートとの、
架橋化合物の調製のため、ジオール、ジカルボン酸又はジイソシアナートとの、
シリコーン誘導体の調製のため、シロキサンとの、
反応により、式D、E又はGの化合物のベンジル性ヒドロキシ基を選択的に置き換える工程、
d)場合により、式D、E、F、G、Hの得られた化合物又はその結果得られた生成物におけるα−ヒドロキシ基の反応工程、
e)場合により、得られた混合物の分離工程、
或いは
f)フリーデル−クラフツ触媒の存在下に、アルキル化芳香族化合物Ar−CHR34と、又はジアルキル化芳香族化合物R56HC−Ar−CHR34と、又はベンゾシクロアルカンと、式R12CH−COHalの酸ハロゲン化物との反応により、式A、B又はC:
【0033】
【化11】

【0034】
で示される化合物を得る工程、
g)式A、B又はCの芳香族ケトンのハロゲン化、及び続く臭素化とアミノリシスにより、式I、K、L、M又はN:
【0035】
【化12】

【0036】
で示される化合物を得る工程、
h)場合により、
エーテルの調製のため、触媒としての酸の存在下でのアルコールとの、
エステルの調製のため、カルボン酸との、
ウレタンの調製のため、イソシアナートとの、
架橋化合物の調製のため、ジオール、ジカルボン酸又はジイソシアナートとの、
シリコーン誘導体の調製のため、シロキサンとの、
反応により、式I、K又はMの化合物のベンジル性ヒドロキシ基を選択的に置き換える工程、
i)場合により、得られた混合物の分離工程、
により行われる。
【0037】
ケトンの調製は、フリーデル−クラフツアシル化により行われ、ここで、アルキル化又はジアルキル化芳香族化合物、例えば、トルエン又はキシレンを、ルイス酸の存在下に、例えばハロゲン化イソ酪酸と反応させる。公知のフリーデル−クラフツ触媒は、例えば、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化スズ、塩化鉄(III)、塩化ビスマス又は三フッ化ホウ素が好適である。塩化アルミニウムが好ましい。
【0038】
本フリーデル−クラフツ反応において、Merckのドイツ特許出願DE3008411A1(1980)に記載のように、芳香族化合物と触媒をまず一緒にし、そこへ酸ハロゲン化物を加えることが可能である。
【0039】
しかしながら、芳香族化合物と酸ハロゲン化物をまず一緒にし、触媒を加えることも可能である。
【0040】
アシル化は、溶媒の存在下に行うことができる。適切な溶媒は、示された反応条件下で不活性である任意の溶媒、例えば、塩化エチレン、トリクロロエチレン、塩化メチレン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、二硫化炭素、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン及びニトロベンゼンである。反応成分がまた溶媒であること、例えば、トルエン、1,2−キシレン、エチルベンゼン又はテトラリンが好ましい。
【0041】
反応温度は、−20℃〜20℃、好ましくは0℃〜10℃、特には、0℃〜5℃である。
【0042】
反応のために、酸ハロゲン化物に対して1.0〜1.2当量、好ましくは1.0〜1.1当量、特には1.0〜1.05当量の、過剰量の塩化アルミニウムが用いられる。塩化アルミニウムの過剰量は、酸ハロゲン化物の任意の過剰量と少なくとも同じである必要がある。
【0043】
単離することなく、工程(a)の粗ケトンは、工程(b)において、ケト基のハロゲン化(好ましくは臭素化)及び続くアルキル基の臭素化に直接付すことができる。臭素化は、また、ラジカル形成剤として作用する光と共に、ラジカルを用いて行ってもよい。しかしながら、過酸化ジベンゾイル又はアゾイソブチロニトリル等の慣用のラジカル形成剤を用いることも可能である。
【0044】
アルカリ金属水酸化物水溶液での続く加水分解により、有機相に溶解した粗生成物(化合物D、E、F、G又はH)を得る。
【0045】
ベンジル性ヒドロキシ基は、置き換えられることができ、例えば、
エーテルの調製のため、触媒としての酸の存在下でアルコールと、
エステルの調製のため、カルボン酸と、
ウレタンの調製のため、イソシアナートと、
シリコーン誘導体の調製のため、シロキサンと、
架橋化合物の調製のため、ジオール、ジカルボン酸又はジイソシアナートと、
選択的に反応させることができる。適切なジオール、ジイソシアナート、ジカルボン酸及びシロキサンは、上記のリストに示されている。
【0046】
α−ヒドロキシ基の反応は、適用可能な場合には、例えば、EP−A−003002、EP138754B1又はUS5977357に記載のような公知の方法に準じて行うことができる。
【0047】
式I、II、III、IV、V又はVIの化合物及びそれらの混合物は、適切な光開始剤である。
【0048】
したがって、本発明は、また、
(A)少なくとも1種のエチレン性不飽和ラジカル光重合性化合物;及び
(B)少なくとも1種の式I、II、III、IV、V又はVIの光開始剤又はそれらの混合物;
(C)場合により熱架橋性化合物;
(D)場合によりさらなる添加剤;
(E)場合によりさらなる光開始剤;
を含む、光硬化性組成物を提供する。
【0049】
本発明は、引掻き抵抗性及び/又は耐薬品性表面を有するコーティングを製造するための方法であって、上記の光硬化性組成物を基材に塗布し;200nmからNIR(近赤外)領域又はIR領域への範囲の波長を有する電磁放射線に暴露することのみにより硬化させるか、或いは200nmからNIR領域へ又はIR領域への範囲の波長を有する電磁放射線に暴露し、且つその前、同時に及び/又はそれに続いて熱に暴露することにより硬化させる、方法を更に提供する。
【0050】
NIR硬化
本発明の方法において使用されるNIR放射線は、約750nm〜約1500nm、好ましくは750nm〜1200nmの波長範囲の短波長赤外放射線である。NIR放射線の放射線源として、例えば、市販されている(例えば、Adphosより)、従来のNIR放射線発生器が挙げられる。
【0051】
IR硬化
本発明の方法において使用されるIR放射線は、約1500nm〜約3000nmの波長範囲の中波長放射線及び/又は約3000nmの波長範囲のより長い波長の赤外放射線である。
この種のIR放射線発生器は市販されている(例えば、Heraeusより)。
【0052】
UV硬化
光化学硬化工程は、通常、約200nm〜約600nm、特に200〜450nmの波長の光を使用して行われる。光源として、多数の最も変化に富むタイプが使用される。点光源及び扁平なプロジェクター(ランプカーペット)の双方が適切である。例としては、カーボンアークランプ、キセノンアークランプ、中圧、高圧及び低圧水銀灯、場合により金属ハロゲン化物をドープしたもの(メタルハライドランプ)、LEDランプ、マイクロ波励起金属蒸気ランプ、エキシマーランプ、超化学線蛍光管、蛍光灯、アルゴンフィラメントランプ、ストロボランプ、写真用フラッドランプ、電子線並びにシンクロトロン又はレーザープラズマ又はマイクロ波プラズマを用いて作成されたX線である。
【0053】
式I〜VIの本発明の光開始剤は、純粋に光硬化性の配合物において、又は光化学的に及び熱的に硬化性の配合物において使用することができる。熱的硬化は、光への暴露の前、その間、又はその後で実施してよい。
【0054】
したがって、本発明は、また、光硬化性配合物が、さらなる成分として少なくとも1種の熱架橋性化合物(C)を含み、また、配合物が、波長範囲200nmからNIR領域へ又はIR領域へ延びる光に暴露され、且つその前、同時に及び/又はそれに続いて熱に暴露することにより硬化される、上記の方法を提供する。
【0055】
エチレン性不飽和化合物Aの定義
オレフィン性二重結合を有する適切な化合物は、二重結合のラジカル重合により架橋することができる全ての化合物である。エチレン性不飽和化合物は、モノマー、オリゴマー若しくはプレポリマー、それらの混合物又はそれらのコポリマーでありうる。
【0056】
ラジカル重合に適切なモノマーは、例えば、(メタ)アクリラート、アルケン、共役ジエン、スチレン、アクロレイン、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、無水マレイン酸、無水フマル酸、(メタ)アクリル酸、エステル及びアミドなどの(メタ)アクリル酸誘導体、ハロゲン化ビニル並びにハロゲン化ビニリデンよりなる群から選択されるエチレン性不飽和重合性モノマーである。(メタ)アクリロイル、ビニル及び/又はマレエート基を有する化合物が好ましい。特に好ましいものは、(メタ)アクリラートである。
【0057】
好ましい(メタ)アクリロイル基の形態のラジカル重合性二重結合を含む化合物は、従来法に準じて製造しうる。これは、例えば、OH官能性樹脂、例えばOH官能性ポリエステル、ポリアクリラート、ポリウレタン、ポリエーテル又はエポキシ樹脂を、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルとエステル交換することにより;上述のOH官能性樹脂を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより;上述のOH官能性樹脂をイソシアナト官能性(メタ)アクリラートと反応させることにより;酸官能性樹脂、例えばポリエステル、ポリアクリラート、ポリウレタンをエポキシ官能性(メタ)アクリラートと反応させることにより;エポキシ官能性樹脂、例えばポリエステル、ポリアクリラート、エポキシ樹脂を(メタ)アクリル酸と反応させることにより実施してもよい。例示の目的で言及する、これらの製造方法は文献に記載されており、また、当業者に公知である。
【0058】
プレポリマー又はオリゴマーの例として、例えば、500〜10,000、好ましくは500〜5,000の数平均分子量を有する(メタ)アクリロイル官能性(メタ)アクリルコポリマー、ポリウレタン(メタ)アクリラート、ポリエステル(メタ)アクリラート、不飽和ポリエステル、ポリエーテル(メタ)アクリラート、シリコーン(メタ)アクリラート及びエポキシ樹脂(メタ)アクリラートが挙げられる。
【0059】
(メタ)アクリロイル官能性プレポリマーは、反応性希釈剤、すなわち、500g/mol未満の分子量のラジカル重合性の低分子量化合物と組み合わせて使用してよい。反応性希釈剤は、モノ−、ジ−又はポリ不飽和でよい。モノ不飽和反応性希釈剤の例は、(メタ)アクリル酸及びそのエステル、マレイン酸及びそのエステル、酢酸ビニル、ビニルエーテル、置換ビニル尿素、スチレン、ビニルトルエンである。ジ不飽和反応性希釈剤の例は、ジ(メタ)アクリラート、例えばアルキレングリコールジ(メタ)アクリラート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリラート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリラート、ビニル(メタ)アクリラート、アリル(メタ)アクリラート、ジビニルベンゼン、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリラート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリラートである。ポリ不飽和反応性希釈剤の例は、グリセリントリ(メタ)アクリラート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリラート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリラート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリラートである。反応性希釈剤は、単独で又は混合物で使用してよい。
【0060】
アクリル酸又はメタクリル酸の適切な塩は、例えば、(C1〜C4アルキル)4アンモニウム又は(C1〜C4アルキル)3NH塩、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム又はトリエチルアンモニウム塩、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム又はトリエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム又はジエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム塩である。
【0061】
エチレン性不飽和化合物は、オレフィン性二重結合に加えて、1個以上のさらに、同一の又は異なる官能基を含んでいてもよい。官能基の例として、ヒドロキシ、イソシアナト(場合によりブロックされた)、N−メチロール、N−メチロールエーテル、エステル、カーバメート、エポキシ、アミノ(場合によりブロックされた)、アセトアセチル、アルコキシシリル及びカルボキシル基が挙げられる。例としては、(メタ)アクリロイル基を有するポリウレタン樹脂並びにグリセリンモノ−及びジ(メタ)アクリラート、トリメチロールプロパンモノ−及びジ−(メタ)アクリラート又はペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリラートである。
【0062】
熱架橋性の化合物は:
1.常温−又は熱−架橋性アルキド、アクリラート、ポリエステル、エポキシ若しくはメラミン樹脂又はそのような樹脂の混合物に基づき、場合により硬化触媒を添加する、表面コーティング;
2.ヒドロキシル基含有アクリラート、ポリエステル又はポリエーテル樹脂と、脂肪族又は芳香族イソシアナート、イソシアヌレート若しくはポリイソシアナートとに基づく2成分ポリウレタン表面コーティング;
3.チオール基含有アクリラート、ポリエステル又はポリエーテル樹脂と、脂肪族又は芳香族イソシアナート、イソシアヌレート若しくはポリイソシアナートとに基づく2成分ポリウレタン表面コーティング;
4.焼付け中に脱ブロック化される、ブロック化イソシアナート、イソシアヌレート又はポリイソシアナートに基づく1成分ポリウレタン表面コーティング;(所望ならば、メラミン樹脂の添加も可能である);
5.脂肪族又は芳香族ウレタン若しくはポリウレタン及びヒドロキシル基含有アクリラート、ポリエステル又はポリエーテル樹脂に基づく1成分ポリウレタン表面コーティング;
6.ウレタン構造中に遊離アミン基を有する脂肪族又は芳香族ウレタンアクリラート若しくはポリウレタンアクリラート及びメラミン樹脂又はポリエーテル樹脂に基づき、場合により硬化触媒を添加する、1成分ポリウレタン表面コーティング;
7.(ポリ)ケチミンと、脂肪族又は芳香族イソシアナート、イソシアヌレート若しくはポリイソシアナートとに基づく2成分表面コーティング;
8.(ポリ)ケチミンと、不飽和アクリラート樹脂又はポリアセトアセタート樹脂又はメタクリルアミドグリコラートメチルエステルとに基づく2成分表面コーティング;
9.カルボキシル−又はアミノ−基含有ポリアクリラートと、ポリエポキシドに基づく2成分表面コーティング;
10.無水物基含有アクリラート樹脂と、ポリヒドロキシ又はポリアミノ成分とに基づく2成分表面コーティング;
11.アクリラート含有無水物とポリエポキシドに基づく2成分表面コーティング;
12.(ポリ)オキサゾリンと、無水物基含有アクリラート樹脂又は不飽和アクリラート樹脂、或いは脂肪族又は芳香族イソシアナート、イソシアヌレート若しくはポリイソシアナートとに基づく2成分表面コーティング;
13.不飽和(ポリ)アクリラートと(ポリ)マロナートに基づく2成分表面コーティング;
14.熱可塑性アクリラート樹脂又は外力により架橋されるアクリラート樹脂とエーテル化メラミン樹脂の組み合わせに基づく熱可塑性ポリアクリラート表面コーティング;
15.架橋剤(酸触媒)としてのメラミン樹脂(例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン)を有するマロナートブロック化イソシアナートに基づく表面コーティング系、特にクリアコート;
16.オリゴマーウレタンアクリラート及び/又はアシレートアクリラートに基づき、場合により他のオリゴマー又はモノマーを添加する、UV硬化性系;
17.UV光線及び光開始剤及び/又は電子ビーム硬化により反応を起こすことができる二重結合を含む表面コーティング配合物の成分が、最初に熱的に、次いでUVにより、又はその逆により硬化される、二重硬化系、
である。
【0063】
添加剤D
上記の組成物は、さらに、慣用の添加剤を含んでいてもよく、それはまた、重合後に添加してもよい。そのような添加剤、例えば、UV吸収剤又は光安定剤、例えば、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾフェノン、オキサルアミド及びヒドロキシフェニル−s−トリアジンよりなる群から選択される化合物は、少量加えることができる。特に適切な光安定剤は、Tinuvin 123などのN−アルコキシ−Hals化合物より、又は2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン若しくは2−ヒドロキシフェニル−2H−ベンゾトリアゾール型の立体障害性アミン−Hals化合物よりなる群から選択されるものである。2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン型の光安定剤の例は、特許文献、例えば、US4,619,956、EP−A−434608、US5,198,498、US5,322,868、US5,369,140、US5,298,067、WO94/18278、EP−A−704437、GB−A−2,297,091又はWO96/28431から公知である。US6,140,326に記載の3,3,5,5−ポリ置換モルホリン−2−オン誘導体は、十分に確立されたコーティングのための光開始剤である。
【0064】
組成物は、さらに、他の慣用の添加剤、例えば、均展剤、レオロジー調整剤、例えば、微粒子状ケイ酸、層状ケイ酸塩、尿素化合物;例えば、部分架橋型カルボキシ官能性ポリマー又はポリウレタンに基づく、増粘剤;消泡剤、湿潤剤、クレーター防止剤、脱ガス剤、例えば、ベンゾイン、酸化防止剤を含んでいてもよい。
【0065】
化合物は、さらに、保存安定性を向上するための添加剤、例えばニトロキシ系重合阻害剤、例えばIrgastab UV10及び2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−オキシル(4−ヒドロキシ−TEMPO)を含んでいてもよい。
【0066】
この分野で公知の任意の熱開始剤を使用してもよい。例えば、熱開始剤は、過酸化ジアルキル、過酸化ジクミル、ペルオキソカルボン酸などの過酸化物及びUS5922473に開示のアゾ開始剤である。
【0067】
コーティング剤は、非着色コーティング剤、例えば、透明なクリアコート又は着色コーティング剤でよい。
コーティング剤は、充填剤及び/又は透明、色及び/又は特別な効果を付与する顔料及び/又は可溶性染料を含有していてもよい。無機又は有機の差色顔料の例としては、二酸化チタン、微粉状二酸化チタン、酸化鉄顔料、カーボンブラック、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン又はピロロピロール顔料が挙げられる。特別な効果を付与する顔料の例としては、金属顔料、例えば、アルミニウム、銅又は他の金属のもの;干渉顔料、例えば、酸化金属でコーティングされた金属顔料、例えば、二酸化チタンでコーティングされた又は混合酸化物でコーティングされたアルミニウム、コーティングされたマイカ、例えば、二酸化チタンでコーティングされた雲母及びグラファイトの特別な効果を付与する顔料が挙げられる。適切な充填剤の例として、シリカ、ケイ酸アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及びタルクが挙げられる。
【0068】
式I〜VIの光開始剤に加えて使用してもよい適切な光開始剤は、当業者に公知である。例えば、α−ヒドロキシケトン及びα−アミノケトン、フェニルグリオキザレート又はホスフィンオキシドが、グラフィックアート用途で一般的に使用される光開始剤である。
【0069】
特に好ましいものは、例えば、以下の市販の光開始剤である:
Darocur 1173:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン(HMPP)及びオリゴマーHMPP、
Irgacure 184:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、
Irgacure 2959:2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチル−1−プロパノン、
Irgacure 369:2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、
Irgacure 1300:Irgacure 369+Irgacure 651(ベンジルジメチルケタール)、
Irgacure 379:2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、
Irgacure 127:2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、
Irgacure 754:オキソ−フェニル−酢酸1−メチル−2−[2−(2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ)−プロポキシ]−エチルエステル、
Irgacure 819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、
Irgacure 250:4−イソブチルフェニル−4′−メチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、
Darocur ITX:2−イソプロピルチオキサントン及び4−イソプロピルチオキサントン
Darocur EDB:エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート
Darocur EHA:2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエート;又は上記の光開始剤の混合物。
【0070】
光重合性組成物は、光開始剤を、組成物に対して、有利には0.05〜15重量%、好ましくは0.1〜8重量%の量で含む。
【0071】
得られた本発明のコーティング材料は、有機溶媒を含有する従来のコーティング材料、水性コーティング材料、実質的に若しくは完全に無溶媒で無水の液体コーティング材料(100%系)、実質的に若しくは完全に無溶媒で無水の固体コーティング材料(粉末コーティング材料)又は実質的に若しくは完全に無溶媒の粉末コーティング懸濁液(粉末スラリー)であってもよい。
【0072】
適切な基材の非限定的な例は、例えば、木、織物、紙、セラミック、ガラス、ガラス繊維、プラスチック、例えば特にフィルム形態のポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン又は酢酸セルロース、及びまた金属、例えばAl、Cu、Ni、Fe、Zn、Mg又はCo、並びにGaAs、Si又はSiO2である。
【0073】
コーティング組成物は、また、インク組成物であってもよい。そこで、基材は、インク組成物で印刷されて、基材上のインクフィルムを形成する。
【0074】
本発明の組成物は、種々の目的に、例えば、木材又は金属用の、例えば、スクリーン印刷インク、フレキソ印刷インク又はオフセット印刷インクなどの印刷インクとして、クリアコートとして、ゲルコートとして、カラーコートとして、白色コートとして、粉末コーティングとして、とりわけ紙、水、金属又はプラスチック用の塗料として、建物及び道路のマーキング用の、写真再生プロセス用の、ホログラフ記録材料用の、画像記録プロセス用の又は例えば有機溶媒により又は水性アルカリ媒体を使用して現像できる印刷板製造用の、スクリーン印刷用マスクの製造用の日光硬化性コーティングとして、歯科充填剤として、接着剤として、感圧接着剤として、積層用樹脂として、液体及び乾燥膜の両方の、例えばガルバノレジスト、エッチングレジスト又はパーマネントレジストなどのフォトレジストとして、光構造性誘電体として及び電子回路用のはんだストッパ用マスクとして、あらゆる種類のスクリーンのカラーフィルター製造用又はプラズマディスプレー及びエレクトロルミネセンスディスプレーの製造プロセスにおける構造の製造用の、光スイッチ、光格子(干渉格子)の製造用の、塊硬化(透明金型中のUV硬化)によるか又は立体リソグラフ法による三次元物品の製造用のレジストとして、例えばUS4,575,330に記載されているように、複合材料(例えば、ガラス繊維及び/又は他の繊維及び他の助剤を含んでよいスチレンポリエステル)及び他の厚膜材料の調製用、ゲルコートの調製用、電子部品のコーティング又はシーリング用、或いは光ファイバー用のコーティングとして使用することができる。組成物はまた、光学レンズ、例えば、コンタクトレンズ及びフレネルレンズの製造及び医療機器、補助装置又はインプラントの製造に適切である。
【0075】
組成物はまた、サーモトロピックな特性を有するゲルの調製に適切である。そのようなゲルは、例えば、DE19700064及びEP678534に記載されている。
【0076】
さらに、組成物は、例えば、Paint & Coatings Industry, April 1997, 72又はPlastics World, 54巻、7号48(5)頁に記載の、ドライフィルムペイント中で使用することができる。
【0077】
コーティングの調製
配合物の成分及び場合によりさらなる添加剤は、公知のコーティング法、例えば、スピンコーティング、浸漬、ナイフコーティング、カーテン注入、ブラシ塗布又は吹き付けにより、特に、静電吹きつけ及びリバースロールコーティングにより、さらにまた、電気泳動沈着により基材に均一に塗布される。塗布量(コート厚さ)及び基材の性質(層支持体)は、所望の用途分野に依存する。コート厚さの範囲は、一般に、ゲルコートについては0.1μm〜1mm、また、複合材については1mmより大きい値を含む。
【0078】
好ましい使用分野は、重ね刷りワニス及びまた、着色薄膜コーティング(層厚<20μm)、例えば、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、凹版印刷、活版印刷、タンポン印刷及びインクジェット印刷等の印刷方法に使用される印刷インクを含む。
【0079】
重ね刷りワニスは、典型的には、オリゴマー状及び/又はモノマーアクリラートなどのエチレン性不飽和化合物を含む。アミンアクリラートを包含していてもよい。
【0080】
前記のように、重ね刷りワニス及び印刷インクはまた、さらに、光開始剤及び共開始剤を含んでいてもよい。
【0081】
本発明は、また、上記の組成物の使用に関し、並びに着色及び非着色表面コーティング、重ね刷りワニス、粉末コーティング、印刷インク、インクジェットインク、ゲルコート、複合材料又はガラス繊維コーティングの製造方法に関する。
本発明は、また、少なくとも一つの表面上に上記の組成物をコーティングされたコーティング基材に関する。
【0082】
以下の実施例により、さらに、本発明を説明する。
【0083】
実施例
【0084】
1)2−メチル−1−p−トリル−プロパン−1−オン、フリーデルクラフツ反応、固体状態で添加されるAlCl3
【0085】
【化13】

【0086】
塩化イソブチリル53.3g(0.50mol)及びトルエン100gを350mlの反応フラスコに入れた。溶液を5〜0℃に冷却した。次いで、約3時間かけて、塩化アルミニウム73.3g(0.55mol)を少量ずつ、0〜5℃で加えた。HClガスの発生が止んだ後、反応物をGCを用いてチェックした。次いで、赤色を帯びた反応溶液を氷水に注ぎ、撹拌して反応を完結させた。2相を分液漏斗中で分離した。有機相を水洗し、次いで、真空ロータリーエバポレーターを用いて濃縮すると、やや黄色を帯びた液体78.5gが得られ、これをGC、TLC及び1H NMRスペクトルを用いてチェックした。生成物、2−メチル−1−p−トリル−プロパン−1−オンは、次の反応に直接使用した。
【0087】
2)2−ブロモ−1−(4−ブロモメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン、臭素化
【0088】
【化14】

【0089】
2−メチル−1−p−トリル−プロパン−1−オン78.5g(0.484mol)及び四塩化炭素200gを750mlの反応フラスコに入れた。次いで、約2時間かけて、臭素77gを約25℃で滴下した。反応物を1H NMRスペクトルを用いてチェックした。得られた生成物、2−ブロモ−2−メチル−1−p−トリル−プロパン−1−オンを、150Wの昼色光ランプの助けにより、約3時間かけて、50〜60℃で四塩化炭素中で臭素77.7gを用いて、さらに臭素化した。反応物を1H NMRスペクトルを用いてチェックした。得られた生成物、2−ブロモ−1−(4−ブロモメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オンは、依然として出発化合物、2−ブロモ−2−メチル−1−p−トリル−プロパン−1−オン及び三臭素化合物、2−ブロモ−1−(4−ジブロモメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オンを含んでいた。溶液を濃縮し、トルエンで希釈し、再度濃縮すると、油状物173.5gを得て、これは依然として少量のトルエンを含んでいた。粗生成物、2−ブロモ−1−(4−ブロモメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オンを、さらに精製することなく、次の反応工程で使用した。
【0090】
3)2−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン及び二量体2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシメチル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、加水分解
【0091】
【化15】

【0092】
窒素雰囲気中で、2−ブロモ−1−(4−ブロモメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン30.1g(84mmol t.q.)、ジオキサン150g及び水15gに溶解した臭化テトラブチルアンモニウム0.5gを500mlの反応フラスコに入れた。次いで、約80℃で、15%水酸化ナトリウム溶液の初期量34.7gを約2時間かけて滴下した。反応溶液は、アルカリ性、約pH9〜10であった。反応物を1H NMRスペクトルを用いてチェックした。部分的に生成した中間体、1−(4−ブロモメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オンが蓄積し、水酸化ナトリウム溶液を添加したにもかかわらず、反応が完了前に停止した。その後、水酸化ナトリウム溶液の添加を中断し、塩含有水相を分離した。さらに、15%水酸化ナトリウム溶液を、約80℃で有機相にゆっくり滴下して、15%水酸化ナトリウム溶液は全部で44.8g(0.164mol)とした。臭化物、1−(4−ブロモメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オンは徐々に消滅し、反応溶液のpHは約10のままであった。塩含有水相を再度分離し、有機相を濃縮すると、黄色の油状物13.4gが得られ、これは、1H NMRスペクトルで、生成物の混合物であった。油状物をシリカゲルカラムで分離した。酢酸エチル:混合ヘキサン類の1:1の混合物を、溶離剤として使用した。3種の液体生成物が得られ、1H NMRスペクトルを用いて確認された:主生成物としての2−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン(実施例3a)、副生成物としての二量体2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシメチル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(実施例3b)及びHPLCで分離されたさらに少量の画分の成分として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−p−トリル−プロパン−1−オン及び1−(4−ジブロモメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン。
実施例3a(2−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン)は、融点45〜48℃の結晶性化合物であった。
【0093】
2−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オンについての元素分析:実施例3a
【0094】
【表4】

【0095】
2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシメチル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オンについての元素分析:実施例3b
【0096】
【表5】

【0097】
4)2−ヒドロキシ−1−(4−メトキシメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン、メタノリシス
【0098】
【化16】

【0099】
窒素雰囲気中で、30%濃水酸化ナトリウム溶液15.0g(0.1125mol)及び脱イオン水15ml及びメタノール15gを200mlの反応フラスコに入れ、55℃に加熱した。次いで、2−ブロモ−1−(4−ブロモメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン14.3g(40mmol t.q.)、トルエン15g及びメタノール15gを約15分間かけて滴下し、続いて55〜60℃で撹拌した。反応物を1H NMRスペクトルを用いてチェックした。次いで、エマルジョンを冷却し、16%塩酸を滴下して使用しpH1〜2に調整し、続いて、約30分間撹拌した。反応物を1H NMRスペクトルを用いてチェックした。水相を分液漏斗中で分離し、トルエン40gで2回抽出した。有機相を少量の水で洗浄し、有機相を合わせて、その後、真空下で濃縮すると、薄い、黄色を帯びた油状物8.3gが得られ、これを、TLCと1H NMRスペクトルを用いてチェックした。粗生成物をシリカゲルカラムで分離した。酢酸エチル:混合ヘキサン類の1:3の混合物を、溶離剤として使用した。4種の液体生成物を得て、1H NMRスペクトルを用いて確認した:主生成物としての2−ヒドロキシ−1−(4−メトキシメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン及び副生成物としての、少量の2−ヒドロキシ−2−メチル−1−p−トリル−プロパン−1−オン、1−(4−ジブロモメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン及び4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンズアルデヒド。
【0100】
2−ヒドロキシ−1−(4−メトキシメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オンについての元素分析
【0101】
【表6】

【0102】
5)2−メトキシ−2−(4−メトキシメチル−フェニル)−3,3−ジメチル−オキシラン、エポキシエーテルの形成
【0103】
【化17】

【0104】
窒素雰囲気中で、メタノール中の30%ナトリウムメタノラート溶液37.8g(210mmol)を200mlの反応フラスコに入れた。次いで、トルエン25gで希釈した2−ブロモ−1−(4−ブロモメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン30.1g(84mmol t.q.)を、25〜30℃で滴下した。その後、懸濁液を撹拌し、反応物を1H NMRスペクトルを用いてチェックした。出発化合物はもはや存在しなかった。懸濁液を濾過し、NaBrをトルエンで洗浄し、濾液を濃縮し、真空下で乾燥した。黄色を帯びた油状物19.6gを得て、これは、1H NMRスペクトルで、2−メトキシ−2−(4−メトキシメチル−フェニル)−3,3−ジメチル−オキシランと同定された。粗生成物、2−メトキシ−2−(4−メトキシメチル−フェニル)−3,3−ジメチル−オキシランを、さらに生成することなく、次の反応工程に使用した。
【0105】
6)1−(4−メトキシメチル−フェニル)−2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロパン−1−オン、エポキシエーテルのアミノリシス
【0106】
【化18】

【0107】
窒素雰囲気中で、2−メトキシ−2−(4−メトキシメチル−フェニル)−3,3−ジメチル−オキシラン9.7g(42mol t.q.)及びモルホリン36.6g(420mmol)を100mlの反応フラスコに入れた。次いで、混合物を加熱し、還流(130℃)で16時間維持した。形成したメタノールを、窒素の緩やかな流れの中で約130℃で除去した。その後、溶液を真空ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。暗黄色油状物8.9gを得た。トルエン中で溶解し、希塩酸溶液で抽出を行った。トルエンを水相に加え、15%水酸化ナトリウム溶液でpHを10に調整した。相を分離し、水相を再度トルエンで抽出した。トルエン相を合わせて、水洗し、真空ロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、減圧下に乾燥した。黄色油状物2.0gが得られ、これは、1H NMRスペクトルによれば、1−(4−メトキシメチル−フェニル)−2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロパン−1−オンであった。
【0108】
7)2−メチル−2−モルホリン−4−イル−1−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−プロパン−1−オン、臭素誘導体のアミノリシス
【0109】
【化19】

【0110】
窒素雰囲気中で、2−ブロモ−1−(4−ブロモメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン6.5g(20mmol t.q.)、モルホリン5.0g(57mmol)及びジオキサン5gを50mlの丸底フラスコ中で、約85℃で12時間加熱した。次いで、混合物を真空下で濃縮し、続いて、トルエン30mlで希釈した。
窒素雰囲気中で、メタノール中の30%ナトリウムメタノラート溶液18.0g(0.1mol)を100mlの反応フラスコに入れた。トルエン溶液を15分間かけて、冷却(0〜15℃)しながら滴下し、続いて、撹拌を数時間行った。白色懸濁液を真空下で1/3に濃縮し、濾過した。モルホリン18.0g(0.2mol)を濾液に加え、混合物を加熱し、還流(130℃)で16時間維持した。形成したメタノールを、窒素の緩やかな流れの中で約130℃で除去した。その後、溶液を真空ロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、トルエンで希釈し、希塩酸溶液で抽出した。酢酸エチルを水相に加え、これを、次いで、15%水酸化ナトリウム溶液を用いて塩基性にした。有機相を分離し、水相を再度酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせ、少量の水で洗浄し、真空ロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、真空下で乾燥した。黄色を帯びた油状物2.4gを得て、これは、1H NMRスペクトルによれば、2−メチル−2−モルホリン−4−イル−1−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−プロパン−1−オンであった。
【0111】
8)2−ヒドロキシ−1−{4−[2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エトキシメチル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、臭素誘導体のアルコーリシス
【0112】
【化20】

【0113】
ジオキサン15g中の2−ブロモ−1−(4−ブロモメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン6.5g(20mmol t.q.)及びジエチレングリコール8.5g(80mmol)を50mlの反応容器に入れた。次いで、小さいスパチュラの先ほどのp−トルエンスルホン酸を加えた。溶液を、「Emry Optimizer」マイクロ波反応器(Personal Chemistry製、Uppsala, Sweden)中で、少量ずつ、140℃で2時間処理した。反応物を、1H NMRサンプルを用いてチェックした。その後、トルエンと水で希釈を行った。トルエン相を分離し、濃縮した。粗生成物6.5gを得て、1H NMRサンプルを用いてチェックした。水相を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル溶液を真空下で乾燥し、1H NMRサンプルを用いてチェックした。黄色を帯びた油状物2.0gが得られ、これは、1H NMRによれば、2−ヒドロキシ−1−{4−[2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エトキシメチル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オンであった。
【0114】
9)1−(4−ジブロモメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン、臭素誘導体の選択的な加水分解
【0115】
【化21】

【0116】
窒素雰囲気中で、2−ブロモ−1−(4−ブロモメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン30.1g(84mmol t.q.)及びジオキサン30gを100mlの反応フラスコに入れた。30%水酸化ナトリウム溶液10.5g(79mmol)を室温で、約20分間かけてそこに滴下した。引き続き30分間撹拌した後、反応物を1H NMRスペクトルを用いてチェックした。反応混合物を真空ロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、少量の水で希釈し、その後、各回トルエン50mlを用いて、3回抽出した。トルエン溶液を真空ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。黄色を帯びた油状物20.6gを得て、1H NMRスペクトルを用いてチェックした。精製と特徴付けのために、その油状物2.0gを、Merck製のLiChrospher Si 60(12μm)シリカゲルを含む分取用HPLCカラムで分離した。70%n−ヘプタンと30%酢酸エチルとの混合物を溶離剤として用いた。白色結晶1.1gを主画分中で単離し、これは56〜58℃で融解し、1H NMRによれば、1−(4−ジブロモメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オンであった。粗生成物それ自体を、さらに精製することなく、さらに反応させた。
【0117】
10)2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−プロパン−1−オン、一臭素誘導体のアミノリシス
【0118】
【化22】

【0119】
窒素雰囲気中で、粗1−(4−ブロモメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン5.1g(20mmol t.q.)及びジオキサン20gを100mlの反応フラスコに入れた。少し冷却しながら、モルホリン1.7g(20mmol)を室温でそこに滴下した。白色結晶が析出した。引き続き、撹拌を室温で2時間行った。反応物を1H NMRスペクトルを用いてチェックした。その後、モルホリンをさらに0.9g(10mmol)滴下し、再度、続けて撹拌した。反応物を、再度、1H NMRスペクトルを用いてチェックした。反応混合物を真空ロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、水20g及び酢酸エチル30gで希釈した。相を分離した。水相を、各回酢酸エチル10gを用いて、2回抽出した。有機相を合わせ、真空ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。暗黄色油状物5.1gを得て、これをシリカゲルカラムで精製した。数滴のトリエチルアミンで塩基性にした酢酸エチル:混合ヘキサン類の1:1の混合物を、溶離剤として使用した。主画分中で、黄色を帯びた油状物3.4gを単離し、これは、1H NMRスペクトルによれば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−プロパン−1−オンであることが確認された。
【0120】
11)炭酸4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステルメチルエステル、ヒドロキシケトンからの炭酸エステルの形成
【0121】
【化23】

【0122】
アルゴンガス下に、テトラヒドロフラン50ml中の2−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン3.0g(15.5mmol)及びピリジン1.5g(19mmol)を100mlの反応フラスコに入れた。淡黄色溶液を0℃に冷却し、テトラヒドロフラン5mlで希釈したクロロギ酸メチル1.6g(17mmol)を0〜2℃の間で45分間かけて滴下した。白色を帯びた黄色の懸濁液が形成し、これをさらに氷浴中で一晩撹拌した。室温まで温めた後、反応混合物を水50mlに注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:混合ヘキサン類:酢酸エチル 2:1)により精製した。炭酸4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステルメチルエステル2.3gを、淡黄色液体として得た。構造は、1H NMRスペクトルを用いて確認した。
【0123】
12){6−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−ヘキシル}−カルバミン酸4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル、ヒドロキシケトンから出発するウレタンの調製
【0124】
【化24】

【0125】
アルゴン雰囲気中で、2−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン4.3g(22mmol)及び1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン0.5g(4.5mmol)及びジオキサン50mlを200mlの反応フラスコに入れた。溶液を100℃に加熱した。ジオキサン25ml中のヘキサメチレンジイソシアナートをゆっくりと加えた。反応混合物を還流下に20時間維持し撹拌した。反応物をIRスペクトル法を用いてチェックした。反応混合物中に遊離のイソシアナートは存在しなかった。反応混合物を冷却し、真空ロータリーを用いて濃縮した。油状物7.2gを得た。しばらくすると、油状物は結晶化した。化合物の構造は、1H NMRを用いて分析した。精製のために、粗生成物({6−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−ヘキシル}−カルバミン酸4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステル)をシリカゲルカラムで分離した。酢酸エチル:ヘキサン類の2:1の混合物を、溶離剤として使用した。白色結晶4.3gを得た。1H NMRスペクトルによれば、{6−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルオキシカルボニルアミノ]−ヘキシル}−カルバミン酸4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジルエステルを得た。
【0126】
13. 1−(3,4−ジメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン、フリーデルクラフツ反応
【0127】
【化25】

【0128】
窒素雰囲気中で、塩化イソブチリル213.1g(2.0mol)及びo−キシレン400gを1.5リットルの反応フラスコに入れた。溶液を5〜0℃に冷却した。次いで、約3時間かけて、塩化アルミニウム293.3g(2.2mol)を少量ずつ、0〜5℃で加えた。HClガスの発生が止んだ後、反応物をGCを用いてチェックした。次いで、暗赤色反応溶液を氷水に注ぎ、撹拌して反応を完結させた。2相を分液漏斗中で分離した。有機相を水洗し、次いで、真空ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。最後の残留溶媒を高真空下に除去した。やや黄色を帯びた油状物329.1gが後に残った。生成物をGC及び1H NMRスペクトルを用いてチェックした。生成物、1−(3,4−ジメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オンを、次の反応に直接使用した。
【0129】
14)1−(3,4−ビスブロモメチル−フェニル)−2−ブロモ−2−メチル−プロパン−1−オン、臭素化
【0130】
【化26】

【0131】
窒素雰囲気中で、1−(3,4−ジメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン176.3g(1.0mol t.q.)及び四塩化炭素200gを750mlの反応フラスコに入れた。溶液を約50℃に加熱し、150Wの昼色光ランプの助けにより、臭素479.5g(3.0mol)を少量ずつ用いて、約20時間かけて、50〜60℃で臭素化した。反応物を1H NMRスペクトルを用いてチェックした。形成した混合物は、所望の三臭素化合物、1−(3,4−ビスブロモメチル−フェニル)−2−ブロモ−2−メチル−プロパン−1−オンを含み、且つ依然として、少量の中間体、2−ブロモ−1−(4−ブロモメチル−3−メチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン、2−ブロモ−1−(3−ブロモメチル−4−メチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン、2−ブロモ−1−(4−ジブロモメチル−3−メチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン及び2−ブロモ−1−(3−ブロモメチル−4−ジブロモメチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オンを含んでいた。溶液を真空ロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、トルエンで希釈し、再度濃縮すると、赤みを帯びた褐色油状物402gを得た。混合ヘキサン類を加え、結晶化を行った。結晶を濾取し、混合ヘキサン類で洗浄し、真空下で乾燥した。結晶123.3gを得て、1H NMRスペクトルを用いてチェックした。精製するために、混合ヘキサン類185gを用いて再度、再結晶化し、白色結晶83.2gを得て、これは91.0〜91.7℃で融解し、1H NMRスペクトルによれば、1−(3,4−ビスブロモメチル−フェニル)−2−ブロモ−2−メチル−プロパン−1−オンであった。さらに、より低い純度の結晶119.4gが、母液から単離された。
【0132】
15)2−(3,4−ビスメトキシメチル−フェニル)−2−メトキシ−3,3−ジメチル−オキシラン、エポキシエーテルの形成
【0133】
【化27】

【0134】
窒素雰囲気中で、メタノール中の30%ナトリウムメタノラート溶液37.8g(210mmol)を350mlの反応フラスコに入れた。次いで、約1時間かけて、トルエン100gに溶解した結晶質1−(3,4−ビスブロモメチル−フェニル)−2−ブロモ−2−メチル−プロパン−1−オン24.8g(60mmol)を、10〜20℃で少し冷却しながら滴下した。続いて、懸濁液を撹拌し、反応物を1H NMRスペクトルを用いてチェックした。反応混合物を約35℃に加熱し、続いて、一晩撹拌した。pHは塩基性のままであった。1H NMRスペクトルによれば、全ての原料は既に反応していた。懸濁液を濾過し、濾液を真空ロータリーエバポレーターを用いて半分まで濃縮し、溶液中の残存塩を再度濾取した。濾液を真空ロータリーエバポレーターで濃縮した。黄色を帯びた油状物14.4gを得て、これは、1H NMRスペクトルで、2−(3,4−ビスメトキシメチル−フェニル)−2−メトキシ−3,3−ジメチル−オキシランと同定された。粗生成物、2−(3,4−ビスメトキシメチル−フェニル)−2−メトキシ−3,3−ジメチル−オキシランを、さらに生成することなく、次の反応工程に使用した。
【0135】
16)1−(3,4−ビスメトキシメチル−フェニル)−2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロパン−1−オン及び1−(3,4−ビスメトキシメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン、アミノリシス
【0136】
【化28】

【0137】
アルゴン雰囲気中で、2−(3,4−ビスメトキシメチル−フェニル)−2−メトキシ−3,3−ジメチル−オキシラン14.4g(54mol)及びモルホリン47.0g(540mmol)を100mlの丸底フラスコに入れた。溶液を加熱還流(130℃)し、形成したメタノールを、アルゴンの緩やかな流れの中で除去した。4時間後、さらに17gのモルホリンを加えた。19時間後、反応物をGC及び1H NMRスペクトルを用いてチェックした。所望の生成物に加えて、ヒドロキシケトンも形成していた。反応混合物を真空ロータリーエバポレーターを用いて濃縮すると、粗生成物13.0gを得た。混合物の半分をシリカゲルカラムで精製した。酢酸エチル:混合ヘキサン類の1:1の混合物を、溶離剤として使用した。2種の生成物が分離及び単離され、これは、1H NMRスペクトルで、1−(3,4−ビスメトキシメチル−フェニル)−2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロパン−1−オン及び1−(3,4−ビスメトキシメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オンと同定された。混合物の他の半分をトルエンに溶解し、希塩酸溶液で抽出した。1H NMRスペクトルによれば、1−(3,4−ビスメトキシメチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オンは、トルエン中にとどまった。トルエン溶液を、真空ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。塩酸溶液を塩基性にし、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル溶液を真空ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。1H NMRスペクトルによれば、1−(3,4−ビスメトキシメチル−フェニル)−2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロパン−1−オンが残渣として残った。同類の生成物を合わせた。
【0138】
17)1−(1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−5−イル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン、水での加水分解
【0139】
【化29】

【0140】
窒素雰囲気中で、結晶化1−(3,4−ビスブロモメチル−フェニル)−2−ブロモ−2−メチル−プロパン−1−オン12.4g(30mmol)及びジオキサン30gを100mlの反応フラスコに入れ、加熱した。40℃で、溶解が完了した。水6gを加え、85℃への加熱を行った。pHは、極めて酸性になった。反応混合物を、「Emry Optimizer」マイクロ波反応器(Personal Chemistry製、Uppsala, Sweden)中で、少量ずつ、140℃で2時間処理した。反応物を1H NMRスペクトルを用いてチェックした。反応混合物は、フラン誘導体の形態を既に約63%含んでいた。その後、30%水酸化ナトリウム溶液13.3g(0.1mol)及び水7gを反応混合物に加え、一晩加熱還流(85℃)を行った。1H NMRスペクトルによれば、全ての出発材料は、既に反応していた。反応混合物を真空ロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、水で希釈し、トルエン50mlで2回、酢酸エチル50mlで2回抽出した。有機相を合わせて、真空下で濃縮した。黄色油状物4.4gを得た。シリカゲルカラムでの精製を行った。酢酸エチル:混合ヘキサン類の1:3の混合物を、溶離剤として使用した。主画分中に、黄色を帯びた油状物2.3gを得て、これは、1H NMRによれば、1−(1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−5−イル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オンであった。
【0141】
18)シクロヘキシル−(3,4−ジメチル−フェニル)−メタノン、フリーデルクラフツ反応
【0142】
【化30】

【0143】
窒素雰囲気中で、塩化アルミニウム146.7g(1.1mol)及びo−キシレン300g(2.8mol)を750mlの反応フラスコに入れた。懸濁液を5〜0℃に冷却した。次いで、約4時間かけて、シクロヘキサンカルボン酸クロリド146.6g(1.0mol)を、0〜5℃で滴下した。次いで、赤みがかった黄色溶液を一晩室温で撹拌して、反応を完結させた。反応物をGC及び1H NMRスペクトルを用いてチェックした。その後、反応溶液を氷水に注ぎ、撹拌して反応を完結させた。2相を分液漏斗中で分離した。有機相を水及び希水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、次いで、真空ロータリーエバポレーターを用いて濃縮すると、黄色を帯びた油状物217.2gを得て、これをGC及び1H NMRスペクトルを用いてチェックした。生成物、シクロヘキシル−(3,4−ジメチル−フェニル)−メタノンを、次の反応に直接使用した。
【0144】
19)(1−ブロモ−シクロヘキシル)−(4−ブロモメチル−3−メチル−フェニル)−メタノン、臭素化
【0145】
【化31】

【0146】
窒素雰囲気中で、シクロヘキシル−(3,4−ジメチル−フェニル)−メタノン54.3g(0.25mol t.q.)及び純粋グレードの酢酸250gを750mlの反応フラスコに入れ、150Wの昼色光ランプの助けにより35℃に加熱した。臭素79.9g(0.50mol)をゆっくりと滴下した。温度は、95〜100℃に上昇した。反応物を1H NMRスペクトルを用いてチェックした。1時間後、臭素40gを加えた。HBrガスが発生した。4時間後、全ての臭素を加えた。黄色溶液を冷却し、真空ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。暗黄色油状物101.4gを得た。1H NMRスペクトルによれば、形成した反応混合物は、主生成物として、所望の二臭素化合物、(1−ブロモ−シクロヘキシル)−(4−ブロモメチル−3−メチル−フェニル)−メタノン及び、異性体として、(1−ブロモ−シクロヘキシル)−(3−ブロモメチル−4−メチル−フェニル)−メタノンを、約2:1の比で含み、さらに、少量の一臭素化合物、(1−ブロモ−シクロヘキシル)−(3,4−ジメチル−フェニル)−メタノン及び少量の三臭素化合物、(3、4−ビスブロモメチル−フェニル)−(1−ブロモ−シクロヘキシル)−メタノンを含んでいた。粗生成物を、さらに生成することなく、次の反応に使用した。
【0147】
20)(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−(4−ヒドロキシメチル−3−メチル−フェニル)−メタノン及び(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−(3−ヒドロキシメチル−4−メチル−フェニル)−メタノン、加水分解
【0148】
【化32】

【0149】
アルゴン雰囲気中で、二臭素化合物、(1−ブロモ−シクロヘキシル)−(4−ブロモメチル−3−メチル−フェニル)−メタノンを含む反応混合物73.0g(0.18mol t.q.)及びジオキサン100gを350mlの反応フラスコに入れた。次いで、15%水酸化ナトリウム溶液96gを約2時間かけて約80℃で、滴下した。反応溶液は、アルカリ性であり、約80℃で20時間撹拌した。反応物を1H NMRスペクトルを用いてチェックした。反応は完結していなかった。反応混合物を冷却し、水相を分離した。15%水酸化ナトリウム溶液19.2gを再度有機相に加え、約80℃でアルゴン雰囲気下にさらに撹拌を行った。約20時間後、1H NMRスペクトルによれば、加水分解が完結した。反応混合物を冷却し、水相を再度分離した。水相を酢酸エチルで3回抽出した。有機相を、真空ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。黄色を帯びた油状物40.4gを得て、これは、1H NMRスペクトルにおいて、生成物の混合物であった。油状物を、シリカゲルカラムで分離した。酢酸エチル:混合ヘキサン類の1:5の混合物を、溶離剤として使用した。3種の液体画分が分離され、1H NMRスペクトルを用いて確認した:19.0gの、約2:1の比での、主生成物としての(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−(4−ヒドロキシメチル−3−メチル−フェニル)−メタノン(実施例20a)、及びその異性体、(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−(3−ヒドロキシメチル−4−メチル−フェニル)−メタノン。副生成物として8.0gの(3、4−ジメチル−フェニル)−(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−メタノンも単離された。分離された更なる副生成物は、二量体の混合物であり、主成分として、{4−[4−(1−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボニル)−2−メチル−ベンジルオキシメチル]−3−メチル−フェニル}−(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−メタノン、並びに副成分として、2種の異性体、{3−[4−(1−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボニル)−2−メチル−ベンジルオキシメチル]−4−メチル−フェニル}−(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−メタノン及び{3−[5−(1−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボニル)−2−メチル−ベンジルオキシメチル]−4−メチル−フェニル}−(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−メタノン(実施例20b)をフラン誘導体、(1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−5−イル)−(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−メタノンと共に有する。フラン誘導体、(1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−5−イル)−(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−メタノンは、シリカゲルカラムでのさらなる分離により、二量体(実施例20b)の混合物から分離された。フラン誘導体は、トルエン中で結晶化され、103〜104℃で融解した。
【0150】
21)1−(4−イソブチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン、フリーデルクラフツ反応、固体形態で添加されるAlCl3
【0151】
【化33】

【0152】
イソブチルベンゼン100.7g(0.75mol)及びクロロベンゼン400mlを750mlの反応フラスコに入れた。次いで、塩化イソブチリル84.2g(0.79mol)を加え、溶液を5〜0℃に冷却した。次いで、約3時間かけて、塩化アルミニウム110.0g(0.82mol)を少量ずつ、0〜5℃で加えた。HClガスが発生した。その後、混合物を続いて、一晩、0〜5℃の内部温度で撹拌し、次いで、反応物をGCを用いてチェックした。その後、褐色を帯びた緑色反応溶液を氷水に注ぎ、撹拌して反応を完結させた。2相を分液漏斗中で分離した。有機相を水洗し、次いで、真空ロータリーエバポレーターを用いて濃縮すると、黄色液体145gを得た。液体をGC、TLC及び1H NMRスペクトルを用いてチェックし、約3mbarの真空下で89℃にて分留した。主画分より無色の生成物、1−(4−イソブチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン120.5gを得た。生成物を、次の反応に直接使用した。
【0153】
22)2−ブロモ−1−[4−(1−ブロモ−2−メチル−プロピル)−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン、臭素化
【0154】
【化34】

【0155】
1−(4−イソブチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン102.2g(0.50mol t.q)を750mlの反応フラスコ中で、四塩化炭素200mlに溶解した。次いで、臭素80gを四塩化炭素50mlに溶解し、約25℃で、約2時間かけて、滴下した。反応物をTLC及び1H NMRスペクトルを用いてチェックした。形成した生成物、2−ブロモ−1−(4−イソブチル−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オンを、約5時間かけて、50〜60℃で四塩化炭素中で臭素80gを用いて、さらに臭素化したが、その過程で0.5gずつのアゾイソブチロニトリルを触媒として3回加えた。反応物を1H NMRスペクトルを用いてチェックした。溶液を真空下で濃縮し、トルエンで希釈し、再度濃縮すると、橙色の油状物178.4gを得て、これは依然として少量のトルエンを含んでいた。粗生成物、2−ブロモ−1−[4−(1−ブロモ−2−メチル−プロピル)−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オンを、さらに精製することなく、次の反応工程で使用した。
【0156】
23)2−ヒドロキシ−1−[4−(1−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン、加水分解
【0157】
【化35】

【0158】
窒素雰囲気中で、2−ブロモ−1−[4−(1−ブロモ−2−メチル−プロピル)−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン178.4g(0.5mol t.q.)、トルエン150g及び水20gに溶解した硫酸水素テトラブチルアンモニウム1.0gを750mlの反応フラスコに入れた。次いで、約80℃で、15%水酸化ナトリウム溶液266.7g(1.0mol)を約2時間かけて滴下した。反応混合物を75〜80℃で一晩撹拌し、反応を完結した。反応物を1H NMRスペクトルを用いてチェックした。反応混合物を冷却し、水性塩相を分離した。トルエン溶液を少量の水で洗浄し、真空下で濃縮した。油状物を、酢酸エチル:混合ヘキサン類の1:1の混合物を溶離剤として使用する、シリカゲルカラムのクロマトグラフィーに付し、黄色油状物101.5gを得、これは、1H NMRスペクトルによれば、2−ヒドロキシ−1−[4−(1−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オンであった。
【0159】
2−ヒドロキシ−1−[4−(1−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オンについての元素分析
【0160】
【表7】

【0161】
応用例
UV硬化性重ね刷りワニス(アミノアクリラートを含む)
本発明に係る化合物を、UV硬化性重ね刷りワニス(OPV)中の光開始剤としての適合性について試験し、市販の開始剤と比較した。OPVの組成物は、下記の表に見出すことができる。
【0162】
【表8】

【0163】
OTA 480: プロポキシル化グリセリントリアセタート(UCB)
TPGDA: トリプロピレングリコールジアクリラート(UCB)
Ebecryl 605: 25%TPGDAで希釈したビスフェノールAエポキシ
アクリラート(UCB)
Ebecryl 7100: アミンアクリラート(UCB)
Ebecryl 40: プロポキシル化/エトキシル化ペンタエリスリトール
テトラアクリラート(UCB)
Ebecryl 1360: シリコーンヘキサアクリラート(UCB)
Dow Corning 57: シリコーン添加剤、流動性向上剤(Dow Corning)
【0164】
試料を、白色カードにナイフを用いて、層厚6μmで塗布し、次いで、UV照射装置(2個の120W/cmの中圧水銀灯、速度可変コンベヤーベルト;IST)を用いて硬化した。照射直後に、拭い取りに対するコーティング表面の抵抗性を、ペーパータオルを用いて測定した。硬化速度は、コーティング表面が依然として拭い取りに抵抗性であると評価された照射装置のそのコンベヤーベルト速度のm/分に対応する。
各々の場合、配合物10gは光開始剤0.6g(又は0.8g)を含有した。
【0165】
UV照射装置(IST):
2個の各々120W/cmの中圧水銀灯、速度可変コンベヤーベルト
硬化速度:
UV照射装置のコンベヤーベルト速度(m/分)で示される、硬化クリアコートの拭い取りへの抵抗性の測定。塗布層の厚さはカード上6μm(Erichsonナイフ装置)
黄変/光沢:
硬化(UV照射装置コンベヤーベルト速度10m/分で硬化)の15分後にb*値を測定。塗布層の厚さは、白色コーティングチップボードパネル上に100μm(手動ナイフコーター)。光沢測定における測定角度は20°。
臭気格付け:
先に測定された硬化速度でのクリアコートの硬化。塗布層の厚さは、アルミ箔上に6μm。格付けは、0=無臭気、1=非常に弱い、2=弱い、3=顕著、4=強い、5=非常に強い。基材に固有の臭気:1。
【0166】
以下の表は、6%光開始剤についての結果を示す。
【0167】
【表9】

【0168】
Irgacure 2959: 2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン
(Ciba Specialty Chemicals)。
IRGACURE 184: 1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン
(Ciba Specialty Chemicals)。
【0169】
以下の表は、8%光開始剤についての結果を示す。
【0170】
【表10】

【0171】
上記の重ね刷りワニスを使用し、ただし異なるUVランプを使用して、追加の試験を行った。
【0172】
硬化速度
完全に硬化したワニスを得るために必要なUV硬化装置のコンベヤーの最高速度は、硬化速度(単位:m/分)に対応する。
PI濃度 6%
層厚さ 6μm
塗布方法 ワイヤーバーK Citenco
基材 白色カードボード
UVランプ アルミ反射体付の1x150W/cm m.p.水銀灯(IST)
試験方法 ティシュペーパーでの乾燥摩擦抵抗性
【0173】
黄変
光開始剤濃度 6%
層厚さ 100μm(ボックスバー)
基材 白色チップボード
放射線源 1x200W/cm m.p.水銀灯(IST)
アルミ反射体;蛍光管TLK40/05で追加露光
硬化速度 10m/分
測定装置及び方法 b*(CIE lab)、分光光度計CM−3600d(Minolta);
Philips TLK 40W/05での追加のUV露光の0、1、2、4及び
22時間後のb*(3つの値の平均)
【0174】
光沢
光開始剤濃度 6%
層厚さ 100μm(ボックスバー)
基材 白色チップボード
放射線源 2色性反射体(「コールドミラー」)付の
1x200W/cm m.p. 水銀灯(IST)
硬化速度 10m/分
測定装置及び方法 測定角20°で硬化15分後に測定。
Haze-Gloss(Byk-Gardner)
【0175】
結果
【0176】
【表11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I、II、III、IV、V又はVI:
【化1】


[式中、
1及びR2は、各々互いに独立に、C1〜C8アルキル;OH、C1〜C4アルコキシ、−COO(C1〜C8アルキル)、(C1〜C4アルキル)−COO−、−CN、ベンジル、フェニル若しくは−N(R15)(R16)で置換されているC1〜C4アルキル;C3〜C6アルケニル、ベンジル、−CH2−C64−(C1〜C4アルキル)又はフェニルであるか;或いは
1とR2は、一緒になって、非分岐鎖状若しくは分岐鎖状のC2〜C9アルキレン又はC3〜C6−オキサ−若しくは−アザ−アルキレンであり;
3、R4、R5及びR6は、各々互いに独立に、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C6アルケニル、ベンジル、−CH2−C64−(C1〜C4アルキル)又はフェニルであり;
3とR4は一緒になって、及び/又はR5とR6は一緒になって、非分岐鎖状又は分岐鎖状のC2〜C9アルキレンであり;
Aは、Cl、Br、−O−R9、−N(R11)(R12)又は−S−R18であり、
A′は、−O−、−NH−又は−NR11−であり;
A″は、Cl、Br、−O−R9、−N(R11)(R12)又は−S−R18又は水素であり、
Xは、−O−R10又は−N(R13)(R14)であり、
nは、1〜10の整数、好ましくは1〜4の整数、特に1、2又は3であり;
7は、n価の直鎖状若しくは分岐鎖状のC2〜C20アルキル基であり、その炭素鎖は、シクロヘキサンジイル、フェニレン、−CH(OH)−、−C(C25)(CH2−CH2−OH)−、−C(CH3)(CH2−CH2−OH)−、−C(CH2−CH2−OH)2−、−N(CH3)−、−N(C25)−、−N(CH2−CH2−OH)−、−CO−O−、−O−CO−、−P(CH2−CH2−OH)−、−P(O)(CH2−CH2−OH)−、−O−P(O−CH2−CH2−OH)−O−、−O−P(O)(O−CH2−CH2−OH)−O−、−O−シクロヘキサンジイル−C(CH32−シクロヘキサンジイル−O−、−O−フェニレン−C(CH32−フェニレン−O−、−O−フェニレン−CH2−フェニレン−O−、−Si(CH32−、−O−Si(CH32−O−、−O−Si(CH3)(O−CH3)−O−、−Si(CH3)(R19)−O−Si(CH3)(R20)−、5−(2−ヒドロキシ−エチル)−[1,3,5]トリアジナン−2,4,6−トリオン−1,3−ジイル及び/又は1〜9個の酸素原子で中断されていてもよいか、或いは
7は、1個若しくは2個のフェニレン、メチルフェニレン、フェニレン−O−フェニレン、シクロヘキサンジイル、メチルシクロヘキサンジイル、トリメチルシクロヘキサンジイル、ノルボルナンジイル、[1−3]ジアゼチジン−2,4−ジオン−1,3−ジイル、3−(6−イソシアナトヘキシル)−ビウレット−1,5−ジイル又は5−(6−イソシアナトヘキシル)−[1,3,5]トリアジナン−2,4,6−トリオン−1,3−ジイル基で中断されていてもよい、n価の直鎖状若しくは分岐鎖状の−CO−NH−(C2〜C12アルキレン)−(NH−CO)n-1−又は直鎖状若しくは分岐鎖状の−CO−NH−(C0〜C12アルキレン)−(NH−CO)n-1−基であるか、或いは
7は、n価の直鎖状若しくは分岐鎖状の−CO−(C0〜C12アルキレン)−(CO)n-1−基であり、そのアルキレンは、酸素、フェニレン、シクロヘキサンジイル又はノルボルナンジイルで中断されていてもよく;
8は、二価のC2〜C3アルキレン基であり、
9は、水素、−Si(C1〜C6アルキル)3、C1〜C12アルキル、R23、C2〜C18アシル、−CO−NH−C1〜C12アルキル、−CO−C1〜C4アルコキシ、C2〜C20ヒドロキシアルキル、C2〜C20メトキシアルキル、3−(C1〜C18アルコキシ)−2−ヒドロキシプロピル、3−[1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]−プロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル又は直鎖状若しくは分岐鎖状のその炭素鎖が、1〜9個の酸素原子で中断されているC2〜C21ヒドロキシアルキル又は(C1〜C4アルコキシ)−C2〜C21アルキルであり、
10は、水素、−Si(C1〜C6アルキル)3、C2〜C8アルキル、C3〜C6アルケニル又はベンジルであり、
11及びR12は、各々互いに独立に、水素、C1〜C12アルキル、R23;基OH、C1〜C4アルコキシ、−CN及び−COO(C1〜C4アルキル)の1個以上で置換されているC2〜C4アルキル;C3〜C5アルケニル、シクロヘキシル又はC7〜C9フェニルアルキルであるか、或いは
11とR12は、一緒になって、−O−又は−N(R17)−で中断されていてもよい、非分岐鎖状又は分岐鎖状のC3〜C9アルキレンであり;
13及びR14は、各々互いに独立に、C1〜C12アルキル;基OH、C1〜C4アルコキシ、−CN及び−COO(C1〜C4アルキル)の1個以上で置換されているC2〜C4アルキル;C3〜C5アルケニル、シクロヘキシル又はC7〜C9フェニルアルキルであるか、或いは
13とR14は、一緒になって、−O−又は−N(R17)−で中断されていてもよい、非分岐鎖状又は分岐鎖状のC3〜C9アルキレンであり;
15及びR16は、各々互いに独立に、水素、C1〜C12アルキル;基OH、C1〜C4アルコキシ、−CN及び−COO(C1〜C4アルキル)の1個以上で置換されているC2〜C4アルキル;C3〜C5アルケニル、シクロヘキシル又はC7〜C9フェニルアルキルであるか、或いは
15とR16は、一緒になって、−O−又は−N(R17)−で中断されていてもよい、非分岐鎖状又は分岐鎖状のC3〜C9アルキレンであり;
17は、水素、C1〜C4アルキル、アリル、ベンジル、C1〜C4ヒドロキシアルキル、−CH2CH2−COO(C1〜C4アルキル)又は−CH2CH2CNであり、
18は、C1〜C18アルキル、ヒドロキシエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、シクロヘキシル、ベンジル、フェニル、C1〜C12アルキルフェニル、−CH2−COO(C1〜C18アルキル)、−CH2CH2−COO(C1〜C18アルキル)又は−CH(CH3)−COO(C1〜C18アルキル)であり、
19及びR20は、各々互いに独立に、一価の基である、メチル、−O−Si(CH33、−O−Si(CH32−O−Si(CH33、−O−Si(CH3)[−(CH2p−OH]−O−Si(CH3)、又は二価の基である、−O−Si(CH32−、−O−Si(CH3)[−(CH2p−OH]−、−O−Si(CH3)(R21)−、−O−Si(CH3)(R22)−であり且つ形成された鎖であり、
21及びR22は、各々互いに独立に、一価の基である、メチル、−O−Si(CH33、−O−Si(CH32−O−Si(CH33、−O−Si(CH3)[−(CH2p−OH]−O−Si(CH3)、又は二価の基である、−O−Si(CH32−、−O−Si(CH3)[−(CH2p−OH]−、−O−Si(CH3)(R21)−、−O−Si(CH3)(R22)−であり且つ延長された鎖であり、R21とR22が結合して環を形成する場合、−(R21)−(R22)−は、架橋−O−であり、
23は、式Iとは独立に、下記基:
【化2】


で示され、
pは、2〜12の整数、好ましくは3、5又は6であり、アルキレンの炭素鎖は、1個〜3個の酸素原子で中断されていることができる]で示される
光開始剤。
【請求項2】
1及びR2が、各々互いに独立に、C1〜C8アルキル、C3〜C6アルケニル、ベンジル、−CH2−C64−(C1〜C4アルキル)又はフェニルであるか、或いは
1とR2が、一緒になって、非分岐鎖状又は分岐鎖状のC2〜C9アルキレンであり;
3、R4、R5及びR6が、各々互いに独立に、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C6アルケニル、ベンジル、−CH2−C64−(C1〜C4アルキル)又はフェニルであり;
3とR4が一緒になって、及び/又はR5とR6が一緒になって、非分岐鎖状又は分岐鎖状のC3〜C9アルキレンであり;
Aが、Cl、Br、−O−R9又は−N(R11)(R12)であり、
A′が、−O−であり;
A″が、Cl、Br、−O−R9、−N(R11)(R12)又は水素であり;
Xが、−O−R10又は−N(R13)(R14)であり、
nが、1、2又は3であり;
7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R17、R19、R20、R21、R22及びR23が、請求項1と同義である、
請求項1記載の式I、II、III、IV、V又はVIの光開始剤。
【請求項3】
1及びR2が、メチルであるか、又はR1とR2が、一緒になって、C5アルキレンであり;
3、R4、R5及びR6が、各々互いに独立に、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C6アルケニル、ベンジル、−CH2−C64−(C1〜C4アルキル)又はフェニルであり;
3とR4が一緒になって、及び/又はR5とR6が一緒になって、非分岐鎖状又は分岐鎖状のC3〜C9アルキレンであり;
Aが、−O−R9又は−N(R11)(R12)であり、
A″が、−O−R9、−N(R11)(R12)又は水素であり;
Xが、−OH又は−N(R13)(R14)であり、
9が、水素、−Si(CH33、C1〜C8アルキル、4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル、4−(1−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボニル)−ベンジル、C2〜C18アシル、−CO−NH−C1〜C8アルキル、−CO−C1〜C4アルコキシ、C2〜C20ヒドロキシアルキル、C2〜C20メトキシアルキル又はその炭素鎖が1〜9個の酸素原子で中断されているC2〜C20ヒドロキシアルキルであり;
式IIについてのR9が、水素、−Si(CH33、C1〜C8アルキル、4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル、2−ヒドロキシメチル−4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル、2−メチル−4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル、4−(1−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボニル)−ベンジル、2−ヒドロキシメチル−4−(1−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボニル)−ベンジル、2−メチル−4−(1−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボニル)−ベンジル、C2〜C18アシル、−CO−NH−C1〜C8アルキル、C2〜C20ヒドロキシアルキル、C2〜C20メトキシアルキル又はその炭素鎖が1〜9個の酸素原子で中断されているC2〜C20ヒドロキシアルキルの意味のうちの1つを有し;
11とR12及びR13とR14が、請求項1と同義である、
請求項2記載の式I又はIIの光開始剤。
【請求項4】
1及びR2が、メチルであるか、又はR1とR2が、一緒になって、C5アルキレンであり;
Xが、−OHであり;
3、R4、R5及びR6が、各々互いに独立に、水素又はC1〜C6アルキルであり;
3とR4が一緒になって、及び/又はR5とR6が一緒になって、非分岐鎖状又は分岐鎖状のC4〜C9アルキレンであり;
Aが、−OH又は−OCH3であり;
A″が、−OH若しくは−OCH3又は水素である、
請求項3記載の式I又はIIの光開始剤。
【請求項5】
1及びR2が、メチルであるか、又はR1とR2が、一緒になって、C5アルキレンであり;
3、R4、R5及びR6が、水素であり;
nが、1〜3の整数、特に2であり;
Aが、4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル又は4−(1−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボニル)−ベンジルであり;
A′が、−O−であり;
Xが、ヒドロキシであり;
7が、n価の直鎖状又は分岐鎖状のC2〜C12アルキル基であり、その炭素鎖は、シクロヘキサンジイル、フェニレン、−CH(OH)−、−C(C25)(CH2−CH2−OH)−、−C(CH3)(CH2−CH2−OH)−、−C(CH2−CH2−OH)2−、−N(CH3)−、−N(C25)−、−N(CH2−CH2−OH)−、−CO−O−、−O−CO−、−O−シクロヘキサンジイル−C(CH32−シクロヘキサンジイル−O−、−O−フェニレン−C(CH32−フェニレン−O−、−O−フェニレン−CH2−フェニレン−O−、−Si(CH32−、−O−Si(CH32−O−、−O−Si(CH3)(O−CH3)−O−及び/又は1〜9個の酸素原子で中断されていてもよいか、或いは
7が、n価の直鎖状若しくは分岐鎖状の−CO−NH−(C2〜C12アルキレン)−(NH−CO)n-1−又は直鎖状若しくは分岐鎖状の−CO−NH−(C0〜C12アルキレン)−(NH−CO)n-1−基であって、ここで、基の炭素鎖は1個又は2個のフェニレン、メチルフェニレン、フェニレン−O−フェニレン、シクロヘキサンジイル、メチルシクロヘキサンジイル、トリメチルシクロヘキサンジイル、ノルボルナンジイル、[1−3]ジアゼチジン−2,4−ジオン−1,3−ジイル又は5−(6−イソシアナトヘキシル)−[1,3,5]トリアジナン−2,4,6−トリオン−1,3−ジイル基で中断されていてもよいか、或いは
7が、n価の直鎖状若しくは分岐鎖状の−CO−(C0〜C12アルキレン)−(CO)n-1−基であり、その炭素鎖は、酸素、フェニレン、シクロヘキサンジイル又はノルボルナンジイルで中断されていてもよい、
請求項1記載の式I又はIIIの光開始剤。
【請求項6】
化合物I、II、III、IV、V又はVIを調製するための方法であって、下記工程:
a)フリーデル−クラフツ触媒の存在下に、アルキル化芳香族化合物Ar−CHR34と、又はジアルキル化芳香族化合物R56HC−Ar−CHR34と、又はベンゾシクロアルカンと、式R12CH−COHalの酸ハロゲン化物との反応により、式A、B又はC:
【化3】


で示される化合物を得る工程、
b)式A、B又はCの芳香族ケトンのハロゲン化、及び続く臭素化と加水分解により、式D、E、F、G又はH:
【化4】


で示される化合物を得る工程、
c)場合により、
エーテルの調製のため、触媒としての酸の存在下でのアルコールとの、
エステルの調製のため、カルボン酸との、
ウレタンの調製のため、イソシアナートとの、
架橋化合物の調製のため、ジオール、ジカルボン酸又はジイソシアナートとの、
シリコーン誘導体の調製のため、シロキサンとの、
反応により、式D、E又はGの化合物のベンジル性ヒドロキシ基を選択的に置き換える工程、
d)場合により、式D、E、F、G、Hの得られた化合物又はその結果得られた生成物におけるα−ヒドロキシ基の反応工程、
e)場合により、得られた混合物の分離工程、
或いは
f)フリーデル−クラフツ触媒の存在下に、アルキル化芳香族化合物Ar−CHR34と、又はジアルキル化芳香族化合物R56HC−Ar−CHR34と、又はベンゾシクロアルカンと、式R12CH−COHalの酸ハロゲン化物との反応により、式A、B又はC:
【化5】


で示される化合物を得る工程、
g)式A、B又はCの芳香族ケトンのハロゲン化、及び続く臭素化とアミノリシスにより、式I、K、L、M又はN:
【化6】


で示される化合物を得る工程、
h)場合により、
エーテルの調製のため、触媒としての酸の存在下でのアルコールとの、
エステルの調製のため、カルボン酸との、
ウレタンの調製のため、イソシアナートとの、
架橋化合物の調製のため、ジオール、ジカルボン酸又はジイソシアナートとの、
シリコーン誘導体の調製のため、シロキサンとの、
反応により、式I、K又はMの化合物のベンジル性ヒドロキシ基を選択的に置き換える工程、
i)場合により、得られた混合物の分離工程
を含む方法。
【請求項7】
(A)少なくとも1種のエチレン性不飽和ラジカル光重合性化合物;及び
(B)少なくとも1種の式I、II、III、IV、V若しくはVIの光開始剤又はそれらの混合物;
(C)場合により熱架橋性化合物;
(D)場合によりさらなる添加剤;
(E)場合によりさらなる光開始剤;
を含む、光硬化性組成物。
【請求項8】
引掻き抵抗性及び/又は耐薬品性表面を有するコーティングを製造するための方法であって、請求項7記載の光硬化性組成物を基材に塗布し;200nmからNIR(近赤外)領域又はIR領域への範囲の波長を有する電磁放射線に暴露することのみにより硬化させるか、或いは200nmからNIR領域へ又はIR領域への範囲の波長を有する電磁放射線に暴露し、且つその前、同時に及び/又はそれに続いて熱に暴露することにより硬化させる方法。
【請求項9】
着色若しくは非着色表面コーティング、重ね刷りワニス、粉末コーティング、印刷インク、インクジェットインク、ゲルコート、複合材料又はガラス繊維コーティングの製造における、請求項7記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2007−533811(P2007−533811A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508894(P2007−508894)
【出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【国際出願番号】PCT/EP2005/051576
【国際公開番号】WO2005/100292
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】