説明

新規化合物

【課題】 抗癌剤として有用な新規化合物の提供。
【解決手段】リソクリバディン8(I)、若しくはリソクリバディン9、リソクリバディン10、リソクリバディン11、リソクリバディン12、リソクリバディン13、リソクリバディン14、又はそれらの薬理学上許容される塩。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は癌細胞増殖抑制活性を有する新規な化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、抗癌剤としてはアドリアマイシン、シスプラチン、タキソール、ビンクリスチン等が知られているが、これらの抗癌剤に対して耐性を示す多剤耐性癌も多く認められており治療上の問題となっている。
一方、非特許文献1には海洋生物などより得られた環状含硫芳香族アルカロイド化合物が記載され、プロテインキナーゼC阻害作用、抗菌・抗カビ作用を有することが示されている。又、非特許文献2にはリソクリノトキシン類のヒト乳癌細胞MDA−MB−468に対する増殖抑制効果が記載されている。
【0003】
本発明者らは、リソクリバディン1、2の細胞増殖抑制活性、抗菌活性を報告している(特許文献1)。また、リソクリバディン類縁化合物の抗菌活性について報告している(非特許文献3)。
【0004】
【特許文献1】特開2006−232738号公報
【非特許文献1】Reinald S.Compagnoneら、Pentathiepins and trithianes from two Lissoclinum species and a Eudistoma sp.:inhibitors of protein kinase C、Tetrahedron、50、(45)、12785−12792(1994)
【非特許文献2】Rohan A.Davidら、Lissoclinotoxins E and F、novel cytotoxic alkaloids from a Philippines didemnid ascidian、Tetrahedron、59、(16)、2855−2859(2003)
【非特許文献3】Nakazawa T.ら、Lissclibadins 4−7、polysulfur aromatic alkaloids from the Indonesian ascidian Lissoclinum cf. badium、Journal of Natural Products、70、439−442(2007)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
抗癌剤をはじめとした医薬品、医薬部外品等の分野等で有用な新規リソクリバディン類縁化合物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本研究者らは、上記のような課題に対して鋭意研究を行った結果、新規なリソクリバディン類縁化合物を見出し本発明を完成させるに至った。
【発明の効果】
【0007】
本発明のリソクリバディン類縁化合物は、マウス白血病細胞L1210の細胞増殖抑制活性を有することから、医薬品又は医薬部外品等に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
すなわち、本発明は、以下の(1)から(4)に関する。
(1)下記式(I)で表されるリソクリバディン8、若しくは下記式(II)で表されるリソクリバディン9、下記式(III)で表されるリソクリバディン10、下記式(IV)で表されるリソクリバディン11、下記式(V)で表されるリソクリバディン12、下記式(VI)で表されるリソクリバディン13、下記式(VII)で表されるリソクリバディン14又はそれらの薬理学上許容される塩。
【0009】
【化1】

【0010】
【化2】

【0011】
【化3】

【0012】
【化4】

【0013】
【化5】

【0014】
【化6】

【0015】
【化7】

【0016】
(2)下記の理化学的性質をもつリソクリバディン8、若しくはリソクリバディン9、リソクリバディン10、リソクリバディン11、リソクリバディン12、リソクリバディン13、リソクリバディン14又はそれらの薬理学上許容される塩。
a)リソクリバディン8
1)分子式:C527612
2)分子量:1268(高分解能FAB−MS法により測定した(M+H)=1269.2356
3)水素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)4.09(s)、4.04(s)、4.01(m)、3.96(s)、82(m)、3.49(m)、3.38(m)、3.17(s)、3.13(br s)、3.05(m)、2.84(m)、2.73(br s)、2.64(m)、2.62(m)、2.60(s)、2.45(s)
4)炭素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)159.1、158.5、158.1、155.8、143.5、140.0、139.9、139.5、137.0、136.9、136.5、134.8、62.2、61.9、61.4、60.7、58.2、57.5、43.6、42.9、30.6、29.5、19.5、19.3
b)リソクリバディン9
1)分子式:C3549
2)分子量:799(高分解能FAB−MS法により測定した(M+H)=800.1998
3)水素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)7.01(s)、6.94(s)、4.04(s)、3.96(s)、3.84(s)、3.68(m)、3.42(m)、3.42(m)、3.40(m)、3.91(s)、3.12(m)、3.04(s)、2.96(s)、2.86(s)、2.78(m)、2.65(m)、2.34(s)
4)炭素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)157.8、156.1、151.6、150.3、149.1、145.6、142.8、139.8、136.1、135.0、133.9、133.8、132.4、130.0、127.6、123.7、116.2、112.8、61.3、59.8、58.5、57.8、56.9、56.6、43.7、43.6、43.5、31.6、31.3、28.8、19.6
c)リソクリバディン10
1)分子式:C2638
2)分子量:634(高分解能FAB−MS法により測定した(M+H)=635.1219
3)水素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)3.96(s)、3.92(s)、3.81(m)、3.71(m)、3.19(brs)、3.00(brs)、2.48(s)
4)炭素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)157.1、154.9、139.7、138.6、137.5、135.1、62.0、57.5、43.4、30.1、19.0
d)リソクリバディン11
1)分子式:C2230
2)分子量:450(高分解能FAB−MS法により測定した(M+H)=451.1721
3)水素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)6.94(s)、3.88(s)、3.33(m)、3.31(m)、2.99(s)
4)炭素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)148.8、145.5、127.6、126.8、125.1、113.2、59.4、56.9、43.7、30.5
e)リソクリバディン12
1)分子式:C2230
2)分子量:450(高分解能FAB−MS法により測定した(M+H)=451.1748
3)水素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)6.95(s)、3.88(s)、3.35(m)、3.23(m)、3.01(s)
4)炭素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)148.7、145.7、127.3、125.5、125.4、113.6、58.7、56.9、43.6、30.3
f)リソクリバディン13
1)分子式:C1319NO
2)分子量:317(高分解能FAB−MS法により測定した(M+H)=318.0640
3)水素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)6.90(s)、4.94(q)、3.90(s)、3.34(m)、3.28(m)、2.96(s)、1.70(d)
4)炭素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)148.8、145.5、127.6、126.8、125.1、113.2、59.4、56.9、43.7、30.5
g)リソクリバディン14
1)分子式:C1116NO
2)分子量:353(高分解能FAB−MS法により測定した(M+H)=353.9799)
3)水素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)6.98(s)、3.94(s)、3.30(m)、3.28(m)、2.96(s)
4)炭素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)151.6、150.3、136.6、133.8、131.8、115.3、59.6、57.0、43.6、32.0
【0017】
(3)上記(1)又は(2)に記載のリソクリバディン8、若しくはリソクリバディン9、リソクリバディン10、リソクリバディン11、リソクリバディン12、リソクリバディン13、リソクリバディン14を生産する能力を有する海洋生物より、リソクリバディン8、若しくはリソクリバディン9、リソクリバディン10、リソクリバディン11、リソクリバディン12、リソクリバディン13、リソクリバディン14を採取することを特徴とするリソクリバディン8、若しくはリソクリバディン9、リソクリバディン10、リソクリバディン11、リソクリバディン12、リソクリバディン13、リソクリバディン14の製造法。
【0018】
(4)上記(1)又は(2)に記載のリソクリバディン8、若しくはリソクリバディン9、リソクリバディン10、リソクリバディン11、リソクリバディン12、リソクリバディン13、リソクリバディン14又はそれらの薬理学上許容される塩を有効成分とする医薬又は医薬部外品。
【0019】
本発明のリソクリバディン8、若しくはリソクリバディン9、リソクリバディン10、リソクリバディン11、リソクリバディン12、リソクリバディン13、リソクリバディン14は、リソクリバディン8、若しくはリソクリバディン9、リソクリバディン10、リソクリバディン11、リソクリバディン12、リソクリバディン13、リソクリバディン14を生産する海洋動物より採取することが可能である。リソクリバディン8、若しくはリソクリバディン9、リソクリバディン10、リソクリバディン11、リソクリバディン12、リソクリバディン13、リソクリバディン14を生産する海洋生物としては、主に熱帯及び亜熱帯(例えば、インドネシアや沖縄等)に棲息する海洋原索生物の一種であるホヤ、特にLissoclinum cf.badiumが挙げられる。
【0020】
リソクリバディン8、若しくはリソクリバディン9、リソクリバディン10、リソクリバディン11、リソクリバディン12、リソクリバディン13、リソクリバディン14は、通常行われる物質の採取に用いられる方法により精製・単離される。例えば、ホヤをそのままあるいは小さく切り、メタノール、エタノール又はプロパノール等の水親和性有機溶媒で抽出し、濃縮後に含水メタノール等の含水有機溶媒等を用いて溶液とし、必要であれば脱脂処理を行い、次いで水飽和1−ブタノール等の有機溶媒で抽出する。濃縮して得られる残渣を、吸着クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等を適宜組み合わせ、あるいは必要に応じてそれらを繰り返すことによってリソクリバディン8、若しくはリソクリバディン9、リソクリバディン10、リソクリバディン11、リソクリバディン12、リソクリバディン13、リソクリバディン14を単離することができる。
【0021】
本発明において薬理学上許容される塩とは、通常取りうる塩であれば特に限定されないが、例えば、鉱酸や有機酸との塩、即ち、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等が好ましい。
【0022】
本発明には上記のリソクリバディン8、若しくはリソクリバディン9、リソクリバディン10、リソクリバディン11、リソクリバディン12、リソクリバディン13、リソクリバディン14又はそれらの薬理学上許容される塩を有効成分とする医薬又は医薬部外品も含まれる。
医薬品として使用する場合の製剤化及び投与方法は従来公知の種々の方法が適用できる。即ち、投与方法としては、例えば、注射、経口又は直腸投与等が可能である。製剤形態としては、例えば、注射剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤、座剤又はカプセル剤等の形態を取り得る。
【0023】
試験例
以下にリソクリバディン8、若しくはリソクリバディン9、リソクリバディン11、リソクリバディン12、リソクリバディン13、リソクリバディン14の細胞増殖抑制活性について述べる。
【0024】
実験1
10%中牛胎児血清(GIBCO社製)を添加したRPMI−1640培地(SIGMA社製)を用いて、マウス白血病細胞L1210を37C、5%CO下で培養した。この細胞を予めリソクリバディン8、若しくはリソクリバディン9、リソクリバディン11、リソクリバディン12、リソクリバディン13、リソクリバディン14を添加した96穴プレートに播種し、24時間培養した後、XTT試薬(Roche社製)を加え、さらに12時間培養の後、450nmの吸光度から595nmの吸光度を減じた値を算出した。
【0025】
結果
L1210細胞に対するリソクリバディン8、若しくはリソクリバディン9、リソクリバディン13、リソクリバディン14のIC50値は、それぞれ2.00 uM、0.38uM、2.20uM、1.80uMであった。リソクリバディン11、若しくはリソクリバディン12でのIC50値は、20 uM以上で活性は見られなかった。
【実施例】
【0026】
以下に本発明の実施例を示すが、これは単なる一例示であって本発明を限定するものではなく、種々の変法が可能である。HPLCは高速液体クロマトグラフィーである。
リソクリバディン8、若しくはリソクリバディン9、リソクリバディン10、リソクリバディン11、リソクリバディン12、リソクリバディン13、リソクリバディン14の単離
(a)沖縄県の西表島近海の海面下15から20mに棲息するホヤ(Lissoclinum sp.)を約600g採集して小さく切り、採取の後直ちに約800mLのエタノールを加え、時々振り混ぜながら20から24時間抽出した。デカンテーションで抽出液を回収し、残ったホヤに600mLの新しいエタノールを加えて2回目の抽出を行った。更に同様の操作を行って、全ての抽出液を合わせ、ロータリーエバポレーターでエタノールを除去し、抽出物13.2gを得た。
【0027】
(b)これをODSカラム(センシュー科学社製ODS−SS−1020T)に供し、1%水酸化アンモニウム含有50%メタノール、メタノール、0.1%TFA含有25%メタノール、0.1%TFA含有50%メタノール−水、0.1%TFA含有メタノールで溶出を行って5つのフラクションに分離した。
【0028】
(c)0.1%TFA含有メタノール溶出フラクション0.63gをODSカラム(センシュー科学社製ODS−SS−1020T)にて、0.1%TFA含有水−メタノールの混合溶媒系で、メタノール含量を順次増やすグラジエント溶出で13のフラクションに分離した。
【0029】
(d)このうち8つ目のフラクション45mgをODSHPLC(センシュー科学社製Senshu Pak Pegasil ODS、10mm x 25cm、0.1%TFA含有45%アセトニトリル−水で溶出、UV210nm検出)で精製して6mgのリソクリバディン8を得た。
【0030】
(e)13のフラクションのうち、4つ目のフラクション55mgをODSHPLC(センシュー科学社製Senshu Pak Pegasil ODS、10mm x 25cm、アセトニトリル−0.1%TFA含有水でアセトニトル18%から35%でグラジエント溶出、UV210nm検出)で精製して3mgのリソクリバディン11と2mgのリソクリバディン13を得た。
【0031】
(f)13のフラクションのうち、13番目のフラクション100mgをODSHPLC(センシュー科学社製Senshu Pak Pegasil ODS、10mm x 25cm、アセトニトリル−0.1%TFA含有水でアセトニトリル25%から50%でグラジエント溶出、UV210nm検出)で精製して16mgのリソクリバディン10を得た。
【0032】
(g)(b)のメタノール溶出フラクション1.95gをゲルろ過カラム(GEヘルスケアバイオサイエンス社製セファデックスLH−20、0.1%TFA含有水−メタノールでグラジエント溶出)で分離し、4つのフラクションを得た。
【0033】
(h)このうち2つ目のフラクション70mgを、ODSHPLC(センシュー科学社製Senshu Pak Pegasil ODS、10mm x 25cm、アセトニトリル−0.1%TFA含有水でアセトニトリル10%から50%のグラジエント溶出、UV210nm検出)で精製して3mgのリソクリバディン12を得た。
【0034】
(i)(h)の操作において得られた別のフラクションをODSHPLC(センシュー科学社製Senshu Pak Pegasil ODS、10mm x 25cm、アセトニトリル−0.1%TFA含有水でメタノール30%から45%のグラジエント溶出、UV210nm検出)で精製して2mgのリソクリバディン9を得た。
【0035】
(j)(g)の4つ目のフラクションをODSHPLC(センシュー科学社製Senshu Pak Pegasil ODS、10mm x 25cm、メタノール−0.1%TFA含有水でメタノール30%から45%のグラジエント溶出、UV210nm検出)で精製して4.5mgのリソクリバディン14を得た。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)で表されるリソクリバディン8、若しくは下記式(II)で表されるリソクリバディン9、下記式(III)で表されるリソクリバディン10、下記式(IV)で表されるリソクリバディン11、下記式(V)で表されるリソクリバディン12、下記式(VI)で表されるリソクリバディン13、下記式(VII)で表されるリソクリバディン14、又はそれらの薬理学上許容される塩。
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【請求項2】
下記の理化学的性質をもつリソクリバディン8、若しくはリソクリバディン9、リソクリバディン10、リソクリバディン11、リソクリバディン12、リソクリバディン13又はそれらの薬理学上許容される塩。
a)リソクリバディン8
1)分子式:C527712
2)分子量:1268(高分解能FAB−MS法により測定した(M+H)=1269.2356
3)水素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)4.09(s)、4.04(s)、4.01(m)、3.96(s)、82(m)、3.49(m)、3.38(m)、3.17(s)、3.13(br s)、3.05(m)、2.84(m)、2.73(br s)、2.64(m)、2.62(m)、2.60(s)、2.45(s)
4)炭素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)159.1、158.5、158.1、155.8、143.5、140.0、139.9、139.5、137.0、136.9、136.5、134.8、62.2、61.9、61.4、60.7、58.2、57.5、43.6、42.9、30.6、29.5、19.5、19.3
b)リソクリバディン9
1)分子式:C3550
2)分子量:800(高分解能FAB−MS法により測定した(M+H)=800.1998
3)水素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)7.01(s)、6.94(s)、4.04(s)、3.96(s)、3.84(s)、3.68(m)、3.42(m)、3.42(m)、3.40(m)、3.91(s)、3.12(m)、3.04(s)、2.96(s)、2.86(s)、2.78(m)、2.65(m)、2.34(s)
4)炭素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)157.8、156.1、151.6、150.3、149.1、145.6、142.8、139.8、136.1、135.0、133.9、133.8、132.4、130.0、127.6、123.7、116.2、112.8、61.3、59.8、58.5、57.8、56.9、56.6、43.7、43.6、43.5、31.6、31.3、28.8、19.6
c)リソクリバディン10
1)分子式:C2639
2)分子量:635(高分解能FAB−MS法により測定した(M+H)=635.1219
3)水素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)3.96(s)、3.92(s)、3.81(m)、3.71(m)、3.19(brs)、3.00(brs)、2.48(s)
4)炭素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)157.1、154.9、139.7、138.6、137.5、135.1、62.0、57.5、43.4、30.1、19.0
d)リソクリバディン11
1)分子式:C2231
2)分子量:451(高分解能FAB−MS法により測定した(M+H)=451.1721
3)水素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)6.94(s)、3.88(s)、3.33(m)、3.31(m)、2.99(s)
4)炭素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)148.8、145.5、127.6、126.8、125.1、113.2、59.4、56.9、43.7、30.5
e)リソクリバディン12
1)分子式:C2231
2)分子量:451(高分解能FAB−MS法により測定した(M+H)=451.1748
3)水素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)6.95(s)、3.88(s)、3.35(m)、3.23(m)、3.01(s)
4)炭素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)148.7、145.7、127.3、125.5、125.4、113.6、58.7、56.9、43.6、30.3
f)リソクリバディン13
1)分子式:C1320
2)分子量:318(高分解能FAB−MS法により測定した(M+H)=318.0640
3)水素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)6.90(s)、4.94(q)、3.90(s)、3.34(m)、3.28(m)、2.96(s)、1.70(d)
4)炭素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)148.8、145.5、127.6、126.8、125.1、113.2、59.4、56.9、43.7、30.5
g)リソクリバディン14
1)分子式:C1116NO
2)分子量:353(高分解能FAB−MS法により測定した(M+H)=353.9799)
3)水素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)6.98(s)、3.94(s)、3.30(m)、3.28(m)、2.96(s)
4)炭素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDOD)
δ(ppm)151.6、150.3、136.6、133.8、131.8、115.3、59.6、57.0、43.6、32.0
【請求項3】
請求項1又は2に記載のリソクリバディン8、若しくはリソクリバディン9、リソクリバディン10、リソクリバディン11、リソクリバディン12、リソクリバディン13を生産する能力を有する海洋生物より、リソクリバディン8、若しくはリソクリバディン9、リソクリバディン10、リソクリバディン11、リソクリバディン12、リソクリバディン13、リソクリバディン14を採取することを特徴とするリソクリバディン8、若しくはリソクリバディン9、リソクリバディン10、リソクリバディン11、リソクリバディン12、リソクリバディン13、リソクリバディン14の製造法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のリソクリバディン8、若しくはリソクリバディン9、リソクリバディン10、リソクリバディン11、リソクリバディン12、リソクリバディン13、リソクリバディン14又はそれらの薬理学上許容される塩を有効成分とする医薬又は医薬部外品。

【公開番号】特開2009−35485(P2009−35485A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−198404(P2007−198404)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【出願人】(307019653)
【Fターム(参考)】