説明

旅客機のビデオ分配システム用自動RFイコライザー

【目的】旅客機のビデオ信号分配システムにおいて、異なるケーブル長及び異なる周波数に依存する信号レベルの減衰を適切に補償する。
【構成】各乗客のシート(208−1乃至208−15)で使用され中央信号源から供給される変調RF信号(ライン16、26)を分配する。RF信号送受信する少なくとも幾つかのステーションは比較的長い同軸ケーブル(16、26)によって相互接続されている。チューナー(36)を最も良い条件で動作させるRFレベルを保証するために、この分配システム内の1つ又は複数のステーション(18)には、マイクロプロセッサ(52)によって制御される可変イコライザー(23)が提供される。独立サービスライン(64、66)を用いて、中央マイクロプロセッサ(50)は、ステーション(28)でのRFレベルをモニタし、適切なイコライゼーション制御信号を自動的に供給する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は旅客機のビデオ信号分配システムに関し、特にこのようなシステムで使用される異なる周波数のRF信号レベルの制御に関する。
【0002】
【従来の技術】旅客機の乗客には、各々個人で制御できる電子ボックスユニットが与えられ、このユニットは異なるオーディオ信号のグループ及び異なるビデオ信号のグループの中から個別にこれらの信号を選択できる。オーディオ信号、及びオーディオ信号を伴うビデオ信号は、エンターテイメント信号として、1つ又は複数の中央オーディオ及び(又は)ビデオ源から、各乗客に転送される。様々のエンターテイメント信号が、複数の異なる周波数のRF搬送波の各々1つの搬送波を変調し、同軸ケーブルを有する一連の転送ステーションを介して各乗客に転送される。ステーションは互いに離れた場所に位置するので、ビデオ・ソースと乗客のシートに設けられるチューナー間のケーブルの全長は、百から数百フィートになることもある。様々の転送ステーションで、幾つかの信号は異なるグループに分割され、旅客機の異なる領域に転送され、そこで信号は各乗客が使用できるように分岐される(tapped)。このようなシステムでは、各乗客のシート・ユニットのビデオチューナーには、最適のRF入力レベルが供給されなければならない。シート・ユニットでのRFレベルが低いものがあると信号は弱く、ビデオ信号は貧弱となり画面に”雪”が現れる。複数のビデオチャンネルからの各ビデオ信号は、そのRF搬送波に各々変調されるので、もしRF信号のレベルが高すぎると、ビデオチューナーによって乗客に表示される過多の干渉変調信号が発生することもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の譲渡人と同じ譲渡人に譲渡され、同時継続中の出願の”旅客機ビデオ分配システムの自動RFレベル調整”(”Automatic RF Leveling in Passenger Aircraft Vedeo Distribution System,filed ,Serial No. (attorney´s Docket PD−90561,83−13−D))では、RFビデオ搬送波のRF信号レベルを自動的に制御するシステムの詳細が示されている。しかし、RF信号レベルの制御だけでは、全ての搬送波周波数について同様に、ビデオ・ソースから乗客のシートまで信号を転送する長いケーブルに関しては不十分である。例えば約50から300メガヘルツの周波数範囲の様々な範囲のラジオ周波数信号は、標準的な同軸ケーブルでそのような信号を転送するとき、周波数に依存する損失(例えばケーブル損失)が生じやすい。高周波数での損失は、低周波数のときよりかなり大きい。従って、ラジオ周波数、つまりRF信号の振幅と長距離ケーブルの出力周波数の関係は、”チルト(tilt)”を示す。このチルトは高周波数における大きなケーブル損失のために、低周波数で比較的大きな振幅、高周波数で比較的小さい振幅を示す。従って、全ビデオチャンネルで適切な信号レベルを得るために、乗客シートのチューナーに送られる信号を適切に均一化(equalize)して、高周波数及び低周波数チャンネルの両方で、及びそれら周波数の間で適切なRFレベルを保証しなければならない。
【0004】RF信号の適切な”チルト”を保証しなければならない問題に対処する1つの方法としては、シートから上流(upstream)の幾つかのステーションに固定イコライザーを提供することである。所定及び固定構成のシステムには、このような方法で十分なときもある。しかしこの方法は旅客機のような場合は実際的ではない。なぜなら、旅客機の構成はしばしば変更があるからである。航空会社はしばしばシートをその行又は列に追加したり取り除いたりする。そして、他の周波数のビデオチャンネル・ソースを追加するか、又はエンターテイメント分配システムを再構成することでチャンネル容量が追加される。このように再構成が行われ、ケーブル長が増加すると、ビデオ信号の損失は更に増加し、それによりケーブル末端でのチルトが変化する。従って、航空機システムが再構成されたときは、固定イコライザーを変化させ、変化したケーブル長によって生じるケーブル損失の変化を補償しなければならない。
【0005】固定イコライザーが不適切になる他の場合は、アンプ(amplifier)又は他の装置が故障したときである。例えば、システム内のアンプが劣化して、アンプ出力が予期しないチルトをシステムに与えるとき、つまりアンプがそのアンプに関係のない他の周波数を増幅するようなとき、この様な事態は、そのイコライゼーション(equalization)を変えることにより、故障したアンプによって生じたチルト変化を補償する必要がある。ゲイン・コントロールを含む様々の電子ステーションは構成が複雑で一般に敬遠され、また、システムのイコライザーを調整又は再調整又は交換できる技術者を容易に集めることは一般にできない。更に、信号の異常又は劣化の原因及び箇所を修理の目的で中央に報告する必要がある。尚、本発明はこのような修理を目的とするものではない。
【0006】本発明の目的は、前述のような問題を排除又は最小限に押さえる複合信号分配システムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段と作用】好適実施例を用いて本発明の主要部分を実施する上で、信号伝送媒体によって鎖状ステーションに接続される複数のステーションの中の少なくとも1つのステーションには可変イコライザーが設けられる。下流ステーション(downsteam stetion)でのRF信号のレベルは、少なくとも一対の分離した周波数でモニタされる。そしてモニタされたレベルは上流ステーションの様々のイコライザーに設けられたイコライゼーションを変化させるときに使用され、下流ステーションで所望イコライゼーションが得られる。
【0008】
【実施例】図1に非常に簡略したシステムを示す。同図において、複数の入力源(図示されず)から入力されるライン10上の複数のオーディオ及びビデオ入力は、第1ステーション12に供給される。このステーションは、乗客エンターテイメント・サービス・コントローラ”(PESC)と呼ばれ、ここで信号は処理回路13で処理され、可変ゲインアンプ14に供給される。このアンプは同軸ケーブルへの出力を有し、この同軸ケーブルは入力として次段の下流ステーション18に供給される。このステーションは例えば、領域分配ボックス(ADB:eareadestribution box)である。領域分配ボックスの中で、信号はライン20を介して追加の乗客シート・ボックス(ADB´s)に転送される。更に、信号はタップ及び分割回路22で抽出され、そして可変イコライザー23に供給される。このイコライザー23から信号は可変ゲインアンプ24に供給される。このエンターテイメントシステムの1つの枝に供給される信号を有する、可変アンプ24の出力は、同軸テーブル26を介して、及び1つ又は複数の中間下流ステーション(図1に図示されず)によって、ビデオシート電子ボックス・ステーション(VSEB)28に供給される。VSEB28は乗客のシートに設けられている。電子ボックス28はタップ及び分割回路30を含み、この回路30は信号を分割してケーブル32上の他のVSEBステーションにその信号を転送し、及び信号抽出して可変ゲインアンプ34の入力にその信号を与える。アンプ34は乗客シートに設けられた各乗客のチューナー36にその信号を供給する。
【0009】システム内の幾つかのステーションで、RF信号レベルを容易に制御及び調節できることは非常に有効である。特にRF信号レベルと同様に、全てのRF搬送の同時に制御し、乗客シートのチューナー36の入力で損失を補償することが重要である。RF信号レベルの制御は、前述の旅客機のビデオ分配システムの自動RFレベル調整に関する同時継続中の特許出願に詳細に示されており、その開示内容はこの明細書に参考として組み込まれている。
【0010】一般に本システムは、各アンプ出力におけるライン40、42及び44にモニタ点が提供されるので、これら各モニタ点ではマイクロプロセッサへのモニタ信号が得られ、各アンプ出力でのRF信号のレベルの測定値が与えられる。更に、モニタライン45上では、チューナー36はその出力に、信号チルトのモニタに関するモニタ信号を提供する。そのモニタ信号は適切な中央ディスプレイに表示でき、そして各可変ゲインアンプのゲイン制御入力などの適切な制御信号が計算され、各人の可変ゲインアンプのゲイン制御入力などの選択された点に戻され、適切なレベルまでの幾つかのRF信号が送出され、更に乗客のシートでの(周波数に依存するRFレベル損失によって生じた)チルトを変化させるために、ステーション18のイコライザー23の入力が制御される。好適に、このモニタリング(monitoring)と制御は、各ステーション12、18、及び28に各々提供されるマイクロプロセッサ50、52、及び56のようなプロセッサを用いて自動的に行われる。ステーション12のマイクロプロセッサ50はマスター・プロセッサとして考えることができ、これはマイクロプロセッサ入出力回路60を介して、初期化のときにシステムにロードされるデータベースを受信する。幾つかのステーションの各プロセッサにロードされるこのデータベースは、ケーブルとシート列の長さ、及びステーション12、18及び28のようなステーションの数とタイプを定義する情報を含み、又、ビデオの分配に影響する全ての項目を含む。データベースは各シート列のVSCU´s、PESC´sADB´s、VSEB´sの数、各ユニットを結ぶケーブルの長さ、各アンプ出力の所望RFレベル、及び大幅に異なる2つの周波数に許容できる範囲、そしてビデオ分配システムに関係しない他の項目を含む。この情報によりマイクロプロセッサは選択されるRFレベルを十分計算でき、各ステーションでの可変ゲインアンプに関して予備計算されたRFレベルを実際に含む。
【0011】幾つかのステーションは分離通信ケーブル又はサービス経路を介して互いに通信し、これらの経路はRF信号経路ライン16及び26を形成するRF同軸ケーブルとは無関係であることは重要である。これらサービス経路ラインを図1に示す。同図はステーション12及び18間のケーブル64、及びステーション18及び28間のケーブル66を含めて示してある。サービス経路は様々のステーションでのマイクロプロセッサの入出力回路68を接続する。
【0012】しかし、RFレベルがモニタされ、そして最適な値に自動的に制御されても、追加のステーション及び追加のケーブルを加えるなどのシステムの再構成によって、必要なイコライゼーションの量が大きく変化する。なぜなら、ビデオ搬送波信号が周波数に関して非常に離れているからである。例えばシステムは、個別のアナログ信号が各RF搬送波上に変調され、RF搬送波は概ね50メガヘルツから300メガヘルツの間の特定周波数である。従って例えば、チャンネル2のビデオ信号は50メガヘルツ信号を変調し、一方チャンネル47のビデオ信号は300メガヘルツ搬送波を変調できる。
【0013】図2に、この周波数帯域での異なるケーブル長に関するケーブル損失を示す。図2から判るように、曲線74は50から300メガヘルツ帯域幅での振幅損失をデシベルで示す。例として、140フィートのケーブル長で、300メガヘルツで10デシベルの損失、及び50メガヘルツで6.5デシベルの損失を示す。
【0014】曲線76は更に長いケーブルの信号損失を示し、ケーブルは200フィートで、ケーブル損失は300メガヘルツで14デシベルである。又曲線78は300フィートの場合を示し、3000メガヘルツで6デシベルの損失であり、50メガヘルツで6.5デシベルの損失である。
【0015】図2はステーション18のイコライザー23に関する所望イコライザーの減衰曲線80を示す。上流のイコライザーは、下流ステーションで明白に現れる周波数異存の損失を補償する”逆(reverse)”イコライゼーションを提供する。そのイコライザーは例えば、周波数で変化する減衰を提供し、200フィートのケーブルの全ケーブル損失を(上流及び下流の両方のイコライザーで)補償する。この損失は曲線76で示される。従って、ケーブル長が200フィートの場合、イコライザーは曲線80に示される減衰を達成するのに使用できる。これは曲線76による周波数により変化する損失を適切に補償できる。逆のチルトは、ケーブル末端、乗客のチューナで、ケーブル損失により生じたチルトが、イコライザーで導入された逆チルトを打ち消すように、イコライザーによって提供される。曲線76の200フィートケーブルに曲線80により供給される補償は、曲線74及び78に示されるようなそれより長い又は短いケーブルに対しては不適切であることが判る。従って、ケーブル長が変化した場合、イコライゼーションも変化させるのが望ましいが、固定イコライザーを有する航空機の場合は、シートの構成が変化したとき、それは容易にできるものではない。前述した他の理由の中で、航空機においてシートの構成が変化した場合でも適用できる実績のある技術は容易に入手できない。更に、電子ボックスへのアクセスは困難で時間の要する実験的な技術なので、遠隔自動イコライゼーションは非常に効果のある技術である。
【0016】従って、図1に示されるように、ステーション18において、可変イコライザー23は、マイクロプロセッサ52がこのステーションの可変アンプ24のゲインを制御することに加え、イコライザー23によって提供されるイコライゼーションを制御することで提供され、そしてこの制御は、前述の望ましくないチルトを校正するために、チューナー36から提供されるRFレベルを示すモニタ信号に応答して行われる。
【0017】チルトは、制限周波数の上限と、下限又はその付近の周波数(例えば広範囲に広がった周波数)の一対の各々のレベルをモニタすることによって決定される。例えばチャンネル2の50メガヘルツのような最も低い周波数が所定範囲以内のレベルである限り、及び、例えばチャンネル47の300メガヘルツのような最も高い搬送波周波数での信号のRFレベルが所定範囲以内である限り、そのチルトは受け入れられる。これら信号の一方又は両方が、その前もって設定された範囲以内でないとき、チューナー36からライン45に供給され及びマスター・マイクロプロセッサ50に帰還するモニタ信号は、チルトが許容できないことを示す。マイクロプロセッサ50はマイクロプロセッサ52に信号を送出し、それにより、プロセッサー52は選択された範囲以内で適切に高い又は低い信号を帰還させるために、回路23から供給されるイコライゼーションを変化させる。
【0018】ここで説明される可変イコライゼーションシステムの最適な使用方法において、イコライゼーションは選択された時刻にモニタされ調節される。例えば、イコライゼーションはそのエンターテイメント・システムの初期化の時に各々実行するのが望ましい。RFイコライゼーションのテスト及び調節を含む乗客エンターテイメント・システムの効果的な検査は、航空機の各フライトに先立って行われる予備フライト手続きの一部として達成される。イコライゼーションの調整が航空機の飛行中に適用されることは考慮されていないが、例えば乗客から要求があった場合などに、そのような調整を行うことは可能である。勿論、他の時間および時間間隔でイコライゼーションの調整をすることもできる。
【0019】イコライゼーションを達成するために、マスター・ステーションのマスター・プロセッサ50は、例えばチャンネル2のような低い搬送波周波数のテストRF搬送波信号を、変調なしで(ビデオ信号の変調が切り離される)送出し、同時に、選択されたチューナーが低周波数チャンネルに同調するようにコマンド信号を送出する。図1のVSEBステーション28でのマイクロプロセッサ56のようなVSEBマイクロプロセッサが、チューナーがマイクロプロセッサからの信号に応答して遠隔点から操作され、勿論そのシートの乗客による制御に応答して操作されるように接続される。従ってチューナーが低周波数RF搬送波を受信することにより、システムはライン45上のチューナー出力の信号レベルを、この低周波数搬送波に選択された範囲の出力と比較し、この情報を格納する。そしてシステムは高周波数テストRF搬送波を変調なしで送出し、そのチューナーが例えばチャンネル47のような高周波数チャンネルに同調するようにコマンド信号を送出する。チューナー出力は、このチャンネルに関するRFレベルの所定範囲のRFレベルの範囲と比較される。チューナー出力での高周波数および低周波数のRFレベルを示すモニタされたこの情報から、チューナーでの実際のチルトの量が決定され、適切な制御信号、つまり信号のセットが計算され及び発生し、マイクロプロセッサ52を介してRFイコライザー23に送出される。
【0020】図3、4、5、6は、本発明の原則を実施する乗客エンターテイメント・システムを示すブロック図の一例である。これらの図は左から順番に図3から図6R>6を配置したときに全体で1つのシステムを示す。図3に示されるように、例えば数8のようなアナログ・ビデオ信号が、ライン71、72上の第1ステーション80の入力としてビデオ・ソース(図示されず)から供給される。このステーション80は”ビデオ・システム制御ユニット(VSCU)”とも呼ばれる。アナログ・ビデオ入力は、変調器グループの各々1つの変調器(一般に82として示される)で変調され、変調器82の出力に例えば8個の異なる周波数のRF搬送波が供給される。この搬送波は、8個の異なるビデオチャンネルに変調されたアナログビデオ信号を有するRF搬送波である。テスト搬送波発生器81も設けられ、ライン83に適切な高周波数および低周波数のテスト搬送波を発生する。大型システムでは、ステーション80と同一の追加のビデオ・システム制御ユニットステーションを更に設け、この信号はステーション80への入力ライン84に出力を供給できる。追加のVSCUのような出力は、異なる周波数のRF搬送波のグループ(各搬送波はステーション80のRF搬送波とは異なる)を有し、各搬送波はアナログビデオ情報で変調された特定チャンネルを有する。変調器82の8個の出力ライン上の8個の変調されたRF搬送波及び入力ライン84上の変調されたRF搬送波、及びテスト搬送波が発生されたときには、そのテスト搬送波のグループは、回路86に結合される。この回路86は異なる周波数のRF搬送波の全てを含む単一出力を提供する。例えばライン74、75のオーディオ入力のグループのようなオーディオ入力は、CD、テーププレーヤー、又はビデオ・ソース71、72に対応するオーディオ・ソース(図示されず)から供給され、オーディオ処理回路96に供給される。この回路96は各オーディオ・アナログ信号をサンプリング及びデジタル化して、デジタル化した全てのオーディオ・サンプル信号を多重送信して、ライン100上に、各オーディオ入力のデジタル化したサンプルを具備する一連のビット・ストリームを逐次供給する。オーディオ入力のデジタル化に関する更に詳細な説明は、本願と同一の譲渡人に譲渡された、同時継続出願 Kenneth A.Brady,Jr.and Richard E.Sklar for Daisy Chain Multiplexer ,Serial No.630,713,filed December20,1990に示されている。この同時継続出願の開示内容は、ここに説明されるように、参照として本明細書に導入されている。オーディオ処理回路96からのデジタル・ビット・ストリームは、変調器102で変調され、結合器104への第1入力として供給され、この結合器104は第2入力としてビデオ変調RF搬送波を有し、この信号はアンプ90の出力である。オーディオ信号は変調器102で搬送波に変調される。この搬送波は十分高い周波数で、ビデオで変調されたRF搬送波以上の周波数を有し、それにより、容易に入手できる他の帯域幅のアンプや信号送信機器が使用できる。従って、例えばビデオ変調RF搬送波は、概ね50から300メガヘルツの周波数帯域幅を占有できる。一方、変調器102でデジタル化されたオーディオ信号により変調されるRF搬送波は、360メガヘルツ付近の周波数を有することができる。しかし、オーディオ信号の使用はここに説明される実施例に直接必要なものではない。幾つかのビデオ及びオーディオ変調RF搬送波がライン106に結合されて現れ、分割器108に供給される。この分割器108は同軸出力ケーブル110及び112に、一対の抽出(tapping)ユニット(図示されず)を提供し、このユニットは航空機キャビンの頭上投影システムのような他の共用動作のビデオ信号に使用される。
【0021】個別の乗客エンターテイメント信号は同軸ケーブル上の分割器108の出力から、乗客エンターテイメント・サービス・コントローラ・ステーション12aに供給され、このステーション12aは図1のブロック略図におけるステーション12に対応する。ケーブル114上の変調されたRF信号は、ステーション12a内のフィルタ120に供給される。このフィルタ120は高い周波数のオーディオ変調搬送波と、比較的低い周波数つまりビデオ搬送波を分離する。オーディオ信号はライン124に発生し、及びビデオはフィルタ120からライン122上に発生する。オーディオ変調搬送波は復調器130で復調され、デジタル化されたオーディオ・サンプルが提供される。このオーディオサンプルはオーディオ処理回路132に供給され、この回路132は134、136で示される入力ライン上のローカル・オーディオ・アナログ入力を受信する。そのローカル・オーディオアナログ入力はデジタル化され、復調器130からのデジタル化されたオーディオ・サンプルを有する単一直列ビットストリーム内に結合され、そして変調器140へのライン138上に供給される。変調器140はこの結合されたビット・ストリームを、前述の比較的高い360メガヘルツの周波数を有するRFオーディオ搬送波に基づき変調する。
【0022】変調されたオーディオ信号は第1入力として結合器142に供給され、この結合器は第2入力として、可変アンプ14a(図1のアンプ14に対応)の出力を入力し、このアンプ14aはライン122上のビデオ信号で変調されたRF搬送波を具備する信号を受信する。結合器142の出力からの変調されたRF搬送波は、同軸ケーブル146を介して第2の乗客エンターテイメント・サービスコントローラ150に供給される。コントローラ150は乗客エンターテイメント・サービスコントローラ12aと同一で良い。コントローラ・ステーション12aと実質的に同一の第2コントローラステーション150は、ライン152、154を介してオーディオ処理回路156に供給される追加のオーディオ入力のグループを使用できるようにするために用いられる。回路156は復調器158の出力を受信し、復調器158の入力は、高/低フィルタ160からの高周波数オーディオ信号で変調されたRF搬送波を受信する。フィルタ160は同軸ケーブル146上のビデオ及びオーディオ信号で変調された搬送波を受信し、ビデオライン162に低周波数ビデオ変調搬送波を提供し、ライン163上に高周波数オーディオ変調搬送波を供給する。ビデオ変調搬送波はアンプ164の入力に供給され、このアンプ164は結合器166の入力を供給する。結合器166の他の入力は、変調器168の出力が供給され、変調器168はライン171上の直列ビットストリームの形式のデジタル化されたオーディオサンプルを受信し、ステーション80のライン74及び75上のオーディオ入力、ステーション12aからのライン134及び136上のオーディオ入力、及びステーション150のライン152、154上のローカル・オーディオ入力からのデジタルオーディオサンプルを逐次含む。結合器160の同軸ケーブル出力170は、4つの領域分配ボックス(area destribution box:ADB´s)172、174、176、及び178(図4R>4)の中の第1のボックスを供給する。更に詳細には領域分配ボックス172の可変ゲインアンプ24aに供給される。可変アンプ24aの出力は結合器180に供給され、そして直列に領域分配ボックス174、176及び178に供給される。これらボックスは各々領域分配ボックス172と同一である。オーディオ及びビデオ変調RF搬送波は、結合器180から抽出され、可変ゲインイコライザー23a(図1のイコライザー23に対応)、そして可変アンプ24bに供給され、アンプ24bは分割器182に信号を供給する。アンプ24a及び24bは両方で図1の簡素化されたブロック図のアンプ24に対応する。
【0023】領域分配ボックス172は同軸ケーブル184、185、186、187、及び188を介して、フロア非接続ボックス(floor disconnectboxs:FDB´s)190、191、192、及び193として示される同様なステーショングループのステーションに信号を供給し、更に194−2を含むビデオシート電子ボックス・ステーション(video seat electronic box:VSEB´s)194−1乃至194−6として示されるステーションのラインを直接供給する。電子ボックス・ステーション194−1乃至194−6は各々一対のチューナーを供給し、これらチューナーは各々単一のシートに設けられている。
【0024】フロア分配ボックス、ステーション191、192及び193は各々、一対の出力ライン198、199、200、201、202及び203を介して、ビデオシート電子ボックス・ステーションの2つのラインを供給し、これらラインは各々乗客シートの各チューナーに信号を供給する。
【0025】同様に、フロア分配ボックス190は、同軸ケーブル206を介して、ビデオシート電子ボックス・ステーション208−1を供給し、ステーション208−1は15個のビデオシート電子ボックス・ステーションのライン内の最初のボックスであり、これらの中で208−2に示される第2ステーション及び208−15で示される第15ステーションのみが図5及び6に示されている。各ビデオシート電子ボックスは回路210を含み、この回路はビデオ及びオーディオ変調RF信号をビデオシート電子ボックス・ステーション内のラインに送信する。更に、可変イコライザー212及び可変ゲインアンプ34a(図1のアンプ34に対応)から局部使用の信号が抽出される。VSEBでのイコライザー212は追加デバイスとして示され、ADBステーションのイコライザー23aによって提供されるイコライゼーションがRFレベルのチルトを十分に補償できないときに使用できる。従って、図1に示されるイコライザーで、これに対応するものはない。アンプ34aの出力は分割器214に供給され、この分割器214は各乗客に提供される第1チューナー36a及び第2チューナー36bの各々に信号を供給する。この実施例で、ビデオシート電子ボックスの各ラインの各々は、ビデオシート電子ボックス(194−1乃至194−6)の最後のラインが6で、他のライン全てが15であることを除き、全て同一である。しかし、勿論、ビデオシート電子ボックスのラインの1つ又は複数が、その航空機の所望される構成によって決定される更に多くの又は少ない数のステーションを設けることができる。更に各イコライザーが、各VSEBステーションに必要であるわけではく、イコライザー23aに追加される可変イコライザーの数及び位置は必要に応じて変化する。
【0026】本システムの物理的配置及び使用する同軸ケーブルの長さの例として、代表的システムの同軸ケーブル長は、ステーション80及び12aの間で10フィート、ステーション12a及び150の間で50フィート、ステーション150及び172の間で33フィート、連続する領域分配ボックス・ステーション172、174、176及び178の各々の間で30から40フィート、領域分配ボックス・ステーション172と、各フロア非接続ステーション190、191、192及び193の間で33フィート、及びフロア分配ボックス・ステーション190と次のVSEBの間で7フィートである。7フィートのケーブル長によって、1つのフロア分配ボックス190により提供される単一ライン内で隣接するVSEB´sが互いに接続される。各ADBステーションは各々可変イコライザー23aを有する。なぜなら、VSEBステーションのラインに使用するケーブル長は、各ADBステーションによって提供されるVSEBラインで異なっているからである。これにより、再構成によりケーブル長は大きく変化することがあり、従って、信号レベル及びケーブルによる送信損失の変化のためのRFチルトに変化を生じるのである。
【0027】各ビデオシート電子ボックス・ステーションは、マイクロプロセッサ56a(図1の簡素化された構成のマイクロプロセッサ56に対応)及びビデオシート電子ボックス208−15のマイクロプロセッサ216のようなマイクロプロセッサを含む。フロア分配ボックス・ステーションにはマイクロプロセッサもアンプもないが、各領域分配非接続ボックスにはステーション172のマイクロプロセッサ52aのようなマイクロプロセッサ及びこれと同等のマイクロプロセッサ、及び各ADBステーション174、176及び178内の可変イコライザー(図示されず)が含まれる。エンターテイメント・サービスコントローラステーション150及び12aは、ステーション150のマイクロプロセッサ220及びステーション12aのマイクロプロセッサ50a(図1のマイクロプロセッサ50に対応)のような固有のマイクロプロセッサを各々含む。
【0028】図3、4、5及び6に示す分離サービスラインは、ステーション12aからステーション150までのライン224、ステーション150から第1領域分配ボックス・ステーション172までのライン226、ステーション172からフロア非接続ボックス190までのライン228、及び複数のビデオシート電子ボックス・ステーション208−1乃至208−15を接続するケーブル230、232、及び234である。同様なサービスケーブルが、各ビデオシート電子ボックス・ステーションとそれに隣接するVSEB及びそれに関係する(各フロア分配ボックスによって提供される全てのステーションの)フロア分配ボックス・ステーションを接続する。更に、独立したサービスケーブル経路は足(legs)を有し、この足は各領域分配ボックス・ステーション172、174、176及び178を接続し、これらによって、信号送信経路とは独立した供給及び通信経路が可能となる。複数のサービスラインの接続は、マイクロプロセッサ入出力ロジックを介して達成され、このロジックは例えば各ステーション12a、150、172及び208−1の入出力回路60a、240、242及び244のようなマイクロプロセッサである。
【0029】図7はプログラムのフローチャートを示す。これはVSEBステーション208−1のチューナー36aの高周波数及び低周波数チャンネル出力の信号レベルに応答して、イコライザー23aを調節するためのコマンドを送出するために、マスターマイクロプロセッサ50aで実行される判定ロジックのフローチャートである。
【0030】チルトは前述のように、及びフローチャートのブロック300に示されるように各シートのチューナーでモニタされる。チルトが適切な制限値以内であれば、プログラムはチルトのモニタに戻る。チルトが適切な制限値外であれば、コマンドがローカル・イコライザーに送出されて、ブロック304に示されるようにそのイコライザーを調節する。ローカル・イコライゼーションのチルトを調節するようなコマンドは、ローカル・ステーションが判定ブロック306に示されるローカル・ステーションの下流のコントローラから、チルトエラー・メッセージを受信した場合も送出される。必要なイコライゼーションの量は、ローカル・イコライザーの容量と比較され、判定ブロック308に示されるように、ローカル・イコライザーがイコライゼーションを適切な制限値以内に調節できるか否かが判断される。必要な調節がローカル・イコライザーの容量以内であれば、システムはその調節を実行し、チルトのモニタに戻る。システムがローカル・イコライザーにより、その調節を実行できなければ、ブロック310に示されるように、調節できるイコライザーを有する上流コントローラが存在するかどうかが判断される。このような上流コントローラ及び可変イコライザーが存在すれば、ブロック321に示されるように、適切メッセージが、そのような上流コントローラに送出される。もし、そのような上流コントローラ及びイコライザーが存在しなければ、ブロック314い示されるように、適当なチルト調節が不可能なことを示す適切なメッセージがオペレータに送出される。
【0031】このようなシステムに使用され、図4及び5のイコライザー23a及び212として使用できる代表的な可変ゲインイコライザーを図8に示す。
【0032】この可変イコライザーは2つのカスケード接続された架橋(bridged)”T”減衰回路、2つの減衰器の間に挿入される2つの直列同調された回路、及び各架橋”T”減衰器の各橋に渡って挿入されたPINダイオ−ドを具備して構成される。一対の架橋”T”減衰器は、入力端子330及び出力端子332を含み、第1の減衰回路は一対の直列に接続された抵抗334、336を含み、これらの抵抗はコンデンサ338と並列に接続され、第3抵抗340と並列に接続される。抵抗340と並列に接続される一対のコンデンサ342、346の間にはPINダイオード350が接続される。ダイオードのカソードとコンデンサ342の結合部は、コンデンサ342は抵抗352を介して接地される。ダイオードのアノードとコンデンサ346の結合部は、抵抗354を介して可変電圧源V1 に接続され、可変バイアスがそのダイオードに与えられる。
【0033】抵抗334及び336の間のインダクタンス360によって接続されている回路は並列同調回路で、この回路は、並列に接続され及び接地されるインダクタンス362及び抵抗364を具備する。2つの架橋減衰回路の第2の回路は第1のものと同一で、一対の抵抗334a、336a、コンデンサ338a、抵抗340a、追加コンデンサ342a、346a、接地された抵抗352a、PINダイオード350a、及び可変電圧源V2 に接続される入力制御抵抗354aを含む。インダクタンス364a及び抵抗362aを含む並列同調回路は、インダクタンス360aを介して、抵抗334aと336aの接続点、及びグランドに接続される。
【0034】2つ架橋”T”減衰器の各々は、図示される抵抗、インダクタンス及びコンデンサ要素を使用して、回路の振幅に対する周波数応答(傾斜)特性が定義される。2つの架橋”T”減衰器は、各減衰器に必要となる調節範囲に依存して、全く同一でも異なっていてもよい。
【0035】架橋”T”減衰回路の各々は、減衰器に並列に挿入された直列同調回路を含み、各々それらは、抵抗370、370a、コンデンサ372、372a、及びインダクタンス374、374aを含み、これらは全て、グランドと、2つの架橋”T”減衰回路を接続するライン380の間で直列に接続される。
【0036】直列同調回路が減衰器と並列に挿入される。直列共振回路内の抵抗は回路のQを制御し、そしてインダクタンス及びコンデンサの値はその共振周波数を制御する。この回路はイコライザーの周波数応答特性を所定の特性に微調節するのに使用される。
【0037】PINダイオードは各架橋”T”減衰器と各々並列に配置され、そして抵抗354及び354a、及び抵抗352及び352aを含む制御回路が設けられることにより、各ダイオードは別々にバイアスされる。勿論、ダイオードは入力抵抗354及び354aを介して電源V1 及びV2 から供給され選択的に可変できる電圧によってバイアスできる。
【0038】バイアスがないと、ダイオードは同調が外れ、RF信号に対して高抵抗を与える。従って、イコライザーは基本的に、ダイオードに影響されない。各ダイオードがバイアスされて、益々導電性を示すとき、ダイオードの抵抗は低下し、益々信号がダイオードをながれるようになり、それにより架橋”T”減衰回路がバイパスされる。ダイオードが最も導電性を示すとき、基本的に全てのRF信号はダイオードを流れ、減衰器をほぼ完全にバイパスする。この回路は各ダイオードを別々に、又は一緒にバイパスする能力を提供し、従ってV1 及びV2 の両方又は一方を単に調節することにより、広い範囲にわたり、可変イコライザーの傾斜を調節できる。
【0039】可変イコライザー23a(図4)のような単一のイコライザーのみを使用し、他のステーションに他の可変イコライザーをなにも使用しないで、ほとんどの用途に適合するチルト補償が提供される。このイコライゼーションはVSEBステーションの中の1つのステーションでの信号レベルをモニタすることに基づいて行われる。もちろん、単一のイコライザーを制御及び調節するためのモニタリングは単一の又は複数のVSEBステーションにおいて行うことができ、チルトが非常に多い最悪の条件(例えば最も悪いチルトのシート)の情報を、イコライザー23aによって提供されるイコライゼーションの調節に使用するために選択できる。前述のように、各ビデオ搬送波(ビデオ搬送波の上限及び下限で)は、各レベルが所定範囲のレベル以内である限り、満足できる信号を提供する。従って、モニタ点でのレベルが、所定範囲外で、しかもその境界付近のとき、イコライゼーションの調節は、このようなモニタされた不適切なレベルを所定の範囲以内に戻すイコライゼーションが行われる。VSEBステーションの複数のラインのイコライゼーションを制御するためにイコライザーが接続されるので、大きすぎるチルトを校正するためのイコライゼーションの調節は、単一のイコライザーにより提供される他の全てのステーションでのチルトも変化させる。しかし、全てのステーションのRFレベルが、あるVSEBステーションでのチルトに対して選択された範囲内に維持されるように、チルト調節は十分小さい。更に、他のステーションの調節が僅かに調節範囲の外に移動しても、幾らかの調節が望まれることがある。このような状態は例えば飛行中に発生し、主要なチルト問題が一時的に”緊急”軽減され、他のVSEBステーションでの僅かの問題が犠牲にされる。テスト搬送波を介したモニタリングにより、チルト問題に関する情報が提供され、更に永続する固定調節が、より便利な時間および場所で行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】信号分配システム内の幾つかの処理ステーション及びそのようなステーションの中の1つに設けられる可変イコライザーの制御を示す。
【図2】周波数に伴うケーブル損失の変化を示すプロット、及びイコライザーの動作。
【図3】本発明の原則を実施する旅客機ビデオ分配システムの一例を示す更に詳細なブロック図。
【図4】本発明の原則を実施する旅客機ビデオ分配システムの一例を示す更に詳細なブロック図。
【図5】本発明の原則を実施する旅客機ビデオ分配システムの一例を示す更に詳細なブロック図。
【図6】本発明の原則を実施する旅客機ビデオ分配システムの一例を示す更に詳細なブロック図。
【図7】可変イコライザーのプログラム制御のフローチャート。
【図8】可変ゲインイコライザーの回路図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】多数周波数信号送信システムにおいて、送信媒体により接続される複数のステーションであって、1つのステーションから次のステーションに信号が送信され、前記ステーションは互いに離れて配置され、1グループの前記ステーションの各々に設けられ、それらステーションに送信された信号を処理する手段と、前記ステーションの中で相対的に下流の第1ステーションに設けられ、前記第1ステーションで送信された互いに異なる周波数の信号をモニタする手段であって、前記下流ステーションに受信された信号の周波数に依存する損失をモニタし、及び前記相対的に下流のステーションより上流の第2ステーションに設けられる手段であって、この第2ステーションで送信される信号を所定周波数帯域について均一化し、それにより前記下流ステーションでの周波数に依存する損失を補償し、を具備することを特徴とするシステム。
【請求項2】前記相対的に上流のステーションの前記均一化する手段は、1つの出力と、この出力に接続され前記出力を増幅する可変ゲインアンプを有することを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】前記送信媒体は、1つのステーションから次のステーションまでの信号送信ラインを具備し、前記モニタする手段及び前記均一化する手段は前記信号送信ラインとは独立したサービスラインを具備することを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項4】信号送信ラインによって鎖状ステーションに接続されるステーションのグループの下流ステーション内での周波数に依存する信号レベルの損失を補償する方法であって、前記グループの各ステーションは前記鎖状ステーション内の隣接するステーションで置き代わり、前記ステーションのグループ内の相対的に下流の1つのステーションにおける信号レベルの周波数に依存する変化をモニタするステップと、及び前記グループ内の上流のステーションでの信号を前記第1ステーションのために調節するときに、前記モニタした信号レベルを使用し、それにより前記下流ステーションでの前記周波数に依存する変化を補償するステップと、を有することを特徴とする方法。
【請求項5】前記信号レベル内の変化をモニタするステップは、前記ステーションの中で下流ステーションにおける所定周波数での信号レベルを検知するステップを含み、前記信号ベルは所定範囲のレベルの外側にあるレベルで、及び前記調節のために前記信号レベルを使用するステップは、前記下流ステーションより上流のステーションでの信号のイコライゼーションを調節するステップを含み、このステップは前記検知された信号を前記所定範囲のレベル以内に調節することを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】信号送信システムにおいて、互いに交換できる第1及び第2信号ステーションと、前記第1ステーションから前記第2ステーションに信号を送信する信号送信ラインと、前記送信ラインは周波数に関係する送信損失を有し、この損失は低周波数よりも高周波数の方が大きく、前記第1ステーションに設けられ、前記第2ステーションに送信される入力信号を受信する手段と、前記第2ステーションに設けられ、前記第1ステーションから送信された信号を使用する手段と、前記第2ステーションは、前記第2ステーションで受信された前記信号の周波数に関係する損失を示すモニタする手段を含み、前記第1ステーションに設けられ、前記第2ステーションの前記モニタ手段に応答して、前記第1ステーションから送信される信号を調節する手段であって、前記第2ステーションで受信された信号の周波数に関係する損失を補償する手段と、を具備することを特徴とする信号送信システム。
【請求項7】前記信号は広帯域信号を含み、前記モニタ手段は前記第2ステーションで受信された互いに異なる周波数の信号レベルをモニタする手段を具備することを特徴とする請求項6記載のシステム。
【請求項8】前記モニタ手段は互いに異なる周波数の第1及び第2のテスト信号を発生するテスト手段と、前記テスト信号を前記第1ステーションから前記送信ラインを介して前記第2ステーションに送信する手段と、及び前記第2ステーションでの前記第1及び第2テスト信号のレベルをモニタする手段とを具備することを特徴とする請求項6記載のシステム。
【請求項9】旅客機のビデオ信号分配システムにおいて、ビデオ入力を有する乗客エンターテーメント・サービス・コントローラ(PESC)であって、前記コントローラはビデオ信号で変調された複数の異なる周波数のRF搬送波を有する出力を発生する手段を含み、前記PESCステーションの出力を受信するための可変イコライザーが接続される領域分配ボックス(ADB)であって、このADBはADB出力を発生し、相互接続されたビデオ・シート電子ボックス(VSEB)ステーションのストリングで、各ステーションは前記VSEBステーションに、乗客によって操作される少なくとも1つのチューナーを有し、前記チューナーは1つの出力を有し、前記PESCステーションと、前記ADBステーションと、前記VSEBステーションを相互接続する同軸ケーブル手段で、前記ケーブル手段は前記チューナーの出力レベルにチルトを発生し、前記VSEBステーションに設けられ、前記チューナーの出力レベルを、相互に異なる第1及び第2のRF搬送波周波数に関してモニタする手段と、及び前記モニタされた前記チューナーの出力に応答して、前記チルトを減少するために前記可変イコライザーを調節する制御手段と、を具備することを特徴とするシステム。
【請求項10】旅客機のビデオ信号分配システムにおいて、ビデオ入力を有する乗客エンターテイメント・サービス・コントローラ・ステーション(PESC)であって、ビデオ信号で変調された複数のRF搬送波を有する出力を発生し、領域分配ボックス・ステーション(ADB)であって、前記PESCステーションの出力を受信するために接続される第1ADB可変ゲインアンプを有し、前記ADBステーションは、前記第1ADBアンプに応答して第1出力を発生する結合器と、前記結合器から信号を受信するために接続される可変イコライザーであって、均一化された出力を発生し、前記イコライザーの出力を受信するために接続される第2ADB可変ゲインアンプであって、ビデオ信号で変調された前記搬送波を有するADB出力を発生し、ここで前記搬送波には逆イコライゼーションが提供され、相互接続されたビデオ・シート電子ボックス(VSEB)ステーションのラインであって、各ステーションは前記VSEBステーションに、乗客により操作される少なくとも1つのチューナーを有し、1グループの前記VSEBステーションは各々、前記ADB出力に応答する結合器を含み、前記VSEBステーションのライン内の次のVSEBステーションに変調された搬送波出力を発生し、前記グループの各前記VSEBステーションはその結合器に接続される1つのチューナーを含み、幾つかの前記VSEBステーションの中の少なくとも1つのチューナーはモニタリング端子を含み、この端子は1つのチューナーにおいて相互に異なる周波数のRF信号レベルを示すモニタリング信号を発生し、及び前記1つのチューナーのモニタリング端子出力に応答する手段であって、前記ADBステーションに設けられる前記可変イコライザーを制御することにより、前記1つのチューナーの出力における周波数に依存する信号レベルの損失を補償する手段と、前記PESC、ADB及びVSEBステーションは互いに交換でき、ラジオ周波数送信ケーブルによって相互接続され、を具備することを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図8】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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