説明

旋回可能に保持された仕切り要素の変位装置及び家具製品

【課題】仕切り要素の調整が容易かつ正確にできる変位装置の提供。
【解決手段】変位装置は、ブラケット21に旋回可能に接続された仕切り要素を保持するように機能し、ブラケット21は、シザー組立体支持点6を使用して固定保持される。シザー組立体支持点6は、ブラケット21に適合され、ブラケット21に接続することができるシザー組立体支持点6の形材本体61を備え、シザー組立体支持点6の形材本体61は、調整レバー62の第1の端部要素に関節的に接続されたシザー組立体支持点6の形材本体61の第3の形材部分を備え、調整レバー62の第2の端部要素は、一方では、第2の支柱222に旋回可能に接続され、他方では、調整ボルト63により保持され、調整ボルト63のねじ軸部は、シザー組立体支持点6の形材本体61の調整ボルト63を受けるねじ付きチャネル6132内に回転可能に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1及び16の前文に記載の旋回可能に保持された仕切り要素の変位装置及びこの変位装置が設けられた家具製品に関する。
【背景技術】
【0002】
家具製品を隔てる、エリアを形成する、又は家具製品を閉じるために、ガラス又は木製のパネル、扉、又はブラインドが使用されることが多い。
【0003】
旋回可能に保持された仕切り要素は、家具製品が開かれた後、大半の場合で見た目がよくないため、家具製品が開かれた後、仕切り要素を家具製品内に提供される中間スペース内に挿入することができ、上記中間スペースを中間壁により区切ることができる、解決策が開発された。
【0004】
(特許文献1)には、ブラケットに旋回可能に保持された扉を使用位置から扉収納部内に落とし込めるための変位装置を有する家具製品であって、少なくとも1つの側壁を備える、家具製品が開示されている。ブラケットは、シザー組立体による扉収納部内への移動中及び外側への移動中、垂直位置において保持され、シザー組立体は、互いに関節式に接続された2つの交差した支柱を備える。2つの交差した支柱のうちの一方の上端は、シザー組立体支持点においてブラケットの上側に旋回可能なように保持され、下端は、扉収納部内の案内装置において旋回可能であり、且つ垂直に変位可能なように保持される。第2の支柱の上端は、扉収納部内の係留手段において旋回可能なように保持され、下端は、ブラケットの下側に旋回可能であり、且つ垂直に変位可能なように保持される。したがって、扉を下方外側に移動させると、交差した支柱の上端は常に同じ高さのままであるが、下端は垂直に変位する。理想的な場合、交差した支柱の両端における旋回点は常に矩形を形成する。シザー組立体支持点をブラケットから解放することにより、上記ブラケットを垂直に変位させて、扉を扉収納部内のカップボードの上側及び下側から同じ距離のところに位置決めすることができる。
【0005】
さらに、上部レール及び下部レールが(特許文献1)において設けられ、それらレールに沿って、ブラケットが案内板により案内されて、シザー組立体の回転及び引っ掛かりを回避することができる。
【0006】
しかし、影響を及ぼす様々な要因により、ブラケットが垂直に向けられない状況が生じる恐れがある。この問題は、扉収納部内に設けられた係留手段が調整可能であり、係留手段を通して、第2のレール要素の上端が扉収納部内で旋回可能に保持されるという点で(特許文献1)において対処される。側壁の内側に設けられる係留手段は、第1及び第2のねじにより、側壁の外側に設けられる調整部分に接続され、それにより、クランプ接続が形成される。クランプ接続の解放後、係留手段及び調整部分は、静止保持された第1のねじを中心として回転でき、その一方で、第2のねじは側壁の中空空間内で変位可能である。
【0007】
したがって、2つのねじが緩められた後、第2の交差要素の旋回点が設けられた係留手段の下側を、シザー組立体をブラケットと共に前後に傾斜させ、再び適切なポイントに固定できるように前後に変位させることができる。扉を取り付けた後、上記扉がいくらか外側に吊り下げられる場合、2つのねじが緩められ、ブラケットが扉と共に垂直に向けられるまで、係留手段及び調整部分が回転される。調整の完成後、ねじ接続が再び締められ、それにより、クランプ接続が係留手段と調整部分との間、及びそれらの間にある側壁にクランプ接続が形成される。さらに、調整部分は、それ以上回転しないように、第3のねじにより固定される。
【0008】
したがって、この装置では、調整の際に、側壁に設けられた調整部分にアクセスする必要があり、調整部分を解放又は回転させなければならない。同時に、ブラケット及び扉が必要な程度まで実際に傾斜することが保証されるべきである。それにより、調整部分、ブラケット、及び扉を数回調整する必要があり得る。さらに、ブラケットを有する扉が、ねじを緩めた後、前方に傾斜せず、扉と共に係留手段及び調整部分を引っ張らないことが保証されるべきである。したがって、ねじを緩めた後、扉を保持し、セッティングを段階的に変更し、確認しなければならない。この結果、装置の正確な調整にかなりの資源が費やされることになる。第3のねじによるクランプ接続をそれぞれ固定することにも、資源が必要であり、第3のねじが隣接するポイントに位置決めされる調整を数回行った後であっても恐らく確実ではないことにさらに留意されたい。
【0009】
さらに、さらなる欠点が生じる。多くの場合、扉収納部を画定する側壁には、自由に手が届かない。これは例えば、カップボードの側面が建物の壁に接触している場合である。この場合、調整を実行するためには、カップボードを前方に押さなければならない。さらに、カップボードが何物にも隣接せずに独立して配置され(stand freely)、側壁が自由に見える場合もあり得る。この場合、ねじを有する調整部分は見た目が美しくない。
【0010】
側壁に対応するボアが設けられることにより、調整のみならずこの装置の設置にも、比較的大きな資源が関連することにさらに留意されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公開第5149180A1号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0909864A2号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開特許第1048809A1号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第3914103A1号明細書
【特許文献5】米国特許第6052867号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の目的は、旋回可能に保持された仕切り要素の改良された変位装置及び変位装置が設けられた家具製品を製作することである。
【0013】
特に、最小の資源で正確に調整して設置可能である単純に組み立てられる変位装置が製作させるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、請求項1及び16のそれぞれにおいて定義される特徴を有する変位装置及びこの変位装置が設けられた家具製品を使用して達成される。本発明の有利な実施形態、特に、有利に設計されるキャリッジ及び有利に設計されるヒンジが、さらなる請求項において定義される。
【0015】
変位装置は、ブラケットに旋回可能に接続された仕切り要素を保持するように機能し、ブラケットは、シザー組立体の第1の支柱によりスライド可能に保持されると共に、シザー組立体支持点によりシザー組立体の第2の支柱によりしっかりと保持される。
【0016】
本発明によれば、シザー組立体支持点は、ブラケットに適合され、ブラケットに接続することができる形材本体を備える。上記形材本体は、関節的に調整レバーの第1の端部要素に接続される形材部分を備え、調整レバーの第2の端部要素は、一方では、第2の支柱に旋回可能に接続され、他方では、調整ボルトにより保持され、調整レバーのねじ軸部は、形材本体のねじ付きチャネル内に回転可能に取り付けられる。
【0017】
調整ボルトを回転させることにより、ブラケットに保持されるシザー組立体支持点と第2の支柱との距離、ひいてはブラケットの傾斜を選択的に調整することができる。第2の支柱に接続されたシザー組立体支持点は、好ましくは、ブラケットの上側に固定され、その一方で、第1の支柱は、ブラケットの下側でスライド可能に案内される。使用者は、仕切り要素が下方に傾斜することを確立した場合、シザー組立体支持点、ひいてはブラケットの上側と関連する第2の支柱の関連する端部要素との距離を低減することができる。変位装置が家具製品に取り付けられ、仕切り要素を扉収納部内に下ろすことができる限り、仕切り要素を完全に引き出し、調整ボルトにアクセスして、必要な調整を実行することができる。
【0018】
したがって、調整をブラケットに直接行うことができ、(特許文献1)の主旨では必要なような、離れたところにあるシザー組立体の端部において調整を実行する必要がない。それにより、クランプ装置を緩め、そして調整要素後に再び締める必要がない。調整プロセス中、仕切り要素を保持する必要がなく、負荷下で調整することができる。したがって、調整は、負荷下でミリメートル精度で最小の資源で行われる。調整プロセスの完了後、負荷変更が行われない場合、続く調整は必要ない。
【0019】
好ましい実施形態では、調整ボルトを受けるように機能するねじ付きチャネルが、シザー組立体を面する後側から前側まで、形材本体を通って延び、好ましくは、調整レバーに接続された形材部分を通って延びる。したがって、調整ボルトを形材本体の前側から見つけて、操作することができる。
【0020】
この接続では、好ましくは、調整ボルトは、工具を差し込むことができる工具開口部、例えば、六角形ソケットを前側に備える。この好ましい実施形態では、例えば、六角形キーを使用して調整ねじを見つけて回転させることができる。
【0021】
好ましくは、調整ボルトが、調整レバー内に設けられる収容開口部内に回転可能に保持されるボルトヘッドを調整レバーに面する端部に備えることが提供される。この実施形態では、調整ボルトは、調整レバーを一方的に押すのではなく、調整レバーを固定保持して、使用者が望む位置に向けて前後に案内する。
【0022】
さらなる好ましい実施形態では、調整レバーは、取付ラグを第2の端部要素に備え、取付ラグを通して、第2の支柱に接続された支持点ねじが案内される。
【0023】
取付ラグは、好ましくは、支持点ねじの軸部を調整プロセス中に配置できる細長開口部を備える。このようにして、支持点ねじの軸部は、取付ラグ内でそれ自体の位置を変更することができ、それにより、ブロックが回避される。
【0024】
好ましくは、調整レバーの回転点から最も離れた端部に、案内チャネル内で案内される案内ノーズが設けられ、案内チャネルは形材部分の端部要素内に設けられる。このようにして、調整レバーが一平面でのみ回転可能なことが保証される。
【0025】
シザー組立体支持点の形材本体は、好ましくは、保持爪及び保持ストリップ等の保持要素がオプションとして設けられると共に、ねじ穴を備えたL字形状又はU字形状を備え、ねじ穴には、固定ねじをブラケットに対して回して、ブラケット及び形材本体を相互にブロックすることができる。固定ねじを緩めることにより、シザー組立体支持点をブラケットから解放することができ、その後、通常は複数のヒンジにより仕切り要素に接続されたブラケットを垂直に変位させることができる。
【0026】
したがって、上記手段を使用して、仕切り要素の高さ及び傾斜を最も単純な手段で正確に調整することが可能である。
【0027】
特に、重量のある仕切り要素が使用される場合、好ましくは、シザー組立体は負荷軽減される。このために、本発明によれば、走行車輪を有するキャリッジはブラケットの上端に取り付けられ、走行車輪は連続レール上で案内される。したがって、仕切り要素の重量はキャリッジにより運ばれ、その一方で、残りのトルクは実質的に負荷軽減されたシザー組立体により吸収される。
【0028】
この場合でも、キャリッジにより保持されるブラケットの高さの正確なセッティングが極めて重要である。変位装置の最適な機能は、実際には、すべての要素が互いに瑕疵なく調整された場合のみ保証される。したがって、最も重要なのは、ブラケットの高さを、単純な手段でブラケットに垂直に延びる連続レールに関連して正確に設定できることである。それにより、単純且つ正確に調整することを実際に不可能にするキャリッジをブラケットから解放して変位しなければならないことが回避される。
【0029】
したがって、好ましい実施形態では、キャリッジの本体は筐体を備え、筐体内に、調整要素が、高さを変位可能なように取り付けられる。調整要素の上側に、好ましくは、支持レバーが回転可能に保持され、支持レバー上に、2つの走行車輪が車輪軸により固定される。回転可能な支持レバーを使用することにより、負荷が両方の走行車輪上に最適に分散される。したがって、連続レールに対する受け形材の傾斜に関わりなく、キャリッジはその役目を常に最適に実行する。一方の走行車輪への不釣り合いな荷重は、早期の摩耗に繋がり得る。
【0030】
調整要素は、好ましくは、保持バーを備え、保持バーの上側には、支持レバーが中心軸により回転可能に保持され、保持バーの下側には、保持ウェッジが設けられる。保持ウェッジのウェッジ上面は、キャリッジの走行方向に対して傾斜し、調整ウェッジのウェッジ下面と協働し、調整ウェッジは、キャリッジ本体により保持された調整ねじにより、保持ウェッジに対して変位可能である。したがって、調整ウェッジの変位により、保持ウェッジが上方又は下方に変位される。調整ねじは通常、キャリッジの走行方向に平行にキャリッジ筐体内に取り付けられる。
【0031】
好ましくは、ねじ軸部が設けられた調整ねじが使用され、調整ねじは各端部にねじ頭部を有し、上記ねじ頭部は、キャリッジ筐体の支持点開口部内で変位可能ではないが、回転可能なように保持される。支持点開口部は、互いに対向するキャリッジ筐体の2面に設けられ、したがって、調整ねじはキャリッジ筐体を通して完全に延びる。調整ねじのねじ軸部は調整ウェッジのねじ付きチャネル内に保持され、したがって、調整ウェッジは、上記調整ねじに沿って調整ねじの各回転に伴って変位される。したがって、調整ねじへのアクセスは、キャリッジ筐体の両側から可能である。そして、前側からの調整が可能である。シザー組立体支持点の調整ボルト及びキャリッジの調整ねじは、同じ工具を使用して操作することができる。
【0032】
本発明によるキャリッジは、本明細書において説明する変位装置において特に有利に使用することができる。キャリッジに直接吊り下げられるスライド式扉又はスライド式シャッタ等のさらなる仕切り要素の場合、同様の問題が生じ、これらは本発明によるキャリッジで解決することができる。したがって、このキャリッジの使用は本発明に限定され、任意の仕切り要素と併用することができる。
【0033】
本発明による変位装置では、仕切り要素は、少なくとも1つのヒンジによりブラケットに接続される。家具の扉のヒンジは多くの公開広報から既知である。
【0034】
(特許文献2)には、家具の扉に設けられるヒンジが開示され、上記ヒンジはヒンジアームを有し、ヒンジアームは外部及び内部の関節式レバーによりヒンジカップに接続され、レバーは4つの関節軸と一緒に4バーリンケージを形成する。関節式レバーの1つは、各アームがヒンジのアーム内を自由に指す2アームレバーとして形成され、ヒンジアーム内を自由に指すアームは、ヒンジアーム内に取り付けられたバネにより影響されると共に、関節軸に垂直な向きを有する2つのサイドウェブを備える。それにより、バネが、関節式レバーのアームのサイドウェブ間に保持され、ヒンジアーム内に自由に突出する好ましくは円柱形の金属ピンを押す。
【0035】
関節式レバーよりも実質的に高品質且つ高耐摩耗性の材料からなる金属ピンの使用を通して、ヒンジの寿命を、バネが関節式レバーを直接擦るヒンジの寿命と比較してかなり増大させることができる。
【0036】
(特許文献3)には、板バネが、関節式レバー上に配置された、例えば、プラスチック製のブロックに対して作用するヒンジが開示されている。プラスチックブロックの使用を通して、関節式レバーと板バネとの間の摩擦を低減することを目的とする。
【0037】
(特許文献4)には、バネが関節式レバー上の単一アームレバーを介して作用する解決策が記載されている。この解決策では、バネは保護された状態のままであり、摩擦は単一アームレバーと関節式レバーとの間で発生する。
【0038】
したがって、装置部分間の相互摩擦は、ヒンジの多少なりとも早期の摩耗に繋がる。追加の部分、例えば、上述した金属ピン、プラスチックブロック、又は単一アームレバーを使用しても、結果として摩耗の低減のみならず、より大きな資源及びスペース要件にも繋がる。
【0039】
さらなる欠点は、上述した装置部分間の摩擦が力を吸収し、この吸収された力はもはやヒンジの動作に利用できないことである。
【0040】
さらに、ヒンジに接続された仕切り要素に対するバネの力の影響は比較的低いため、仕切り要素を開閉する機能は、バネの力により殆どサポートされないか、部分的にのみサポートされるか、又は全くサポートされない。通常、仕切り要素の一位置に仕切り要素を保持するだけである。(特許文献4)の主旨では、比較的低い閉モーメントが生じるのは、仕切り要素の閉位置においてのみである。
【0041】
さらに、衝突に起因するノイズは、ヒンジ内の摩擦を原因とする。
【0042】
さらに、バネは、(特許文献2)、(特許文献3)、(特許文献4)のヒンジでは比較的大量のスペースを占めるため、スペースは本来、供給不足である。
【0043】
(特許文献2)、(特許文献3)、(特許文献4)の装置のさらなる欠点は、仕切り要素が開いているときに、ヒンジ位置を調整できないことである。したがって、開位置では、仕切り要素は、家具及び内部に設けられ得る扉収納部に対して垂直な向きではない。これは、一方では、不利な美的印象に繋がり、他方では、仕切り要素が扉収納部の側壁に接触して停止し、それにより、衝突に起因するノイズ及び摩耗の外傷が生じる恐れがある。
【0044】
したがって、本発明の目的は、既知のヒンジを改良すること、及び上述した欠点を解消することである。特に、ヒンジ自体及びヒンジに接続された部分への摩耗の発生を回避可能なヒンジが作成されるべきである。特に、ヒンジの装置部分間の摩擦及びそれら装置部分の摩耗が回避されるべきである。さらに、ヒンジに起因するノイズが回避、又は大幅に低減されるべきである。
【0045】
さらに、より強力なバネ要素を使用することが可能であり、その力を最適に、関連する関節式レバーに伝達することができる。上記バネ要素は同時に、必要とするスペースが殆どない。
【0046】
レバー機構は、好ましくは、両端部位置におけるレバー機構及びバネ要素を通して、強い機能モーメントが仕切り要素に対して及ぼされ、それにより、仕切り要素が独立して各端部位置に案内されるように設計されるべきである。
【0047】
それにより、ヒンジは、スペースを節減するように構築すべきであり、且つガラスパネル又は木製パネル等の任意の仕切り要素に取り付け可能であるべきである。
【0048】
この目的は、請求項12〜15において定義されるヒンジを使用して達成される。
【0049】
ヒンジは、仕切り要素に接続することができる取付要素を備え、上記取付要素は、特に、ヒンジカップであり、レバー機構により取付部分に接続され、ブラケットに固定することができる。上記取付部分は、間接的に、駆動バネにより駆動される駆動レバーの第1の端部要素及び調整レバーの第1の端部要素に接続される。
【0050】
本発明によれば、調整レバーの第2の端部要素は、取付要素に接続されるか、又は接続要素であり得る取付レバーの第1の端部要素に関節式に接続される。上記取付レバーの第2の端部要素は、駆動レバーの第2の端部要素に接続され、駆動レバーは、調整レバーに対して取付レバーを押し、それにより、仕切り要素が開かれたときに、調整レバー及び取付レバーを接続する第3の第3のレバーシャフトが駆動レバーに向けて押され、仕切り要素が閉じられたときに、駆動レバーから離れるように押される。
【0051】
ヒンジの端部位置は、そこに接続された調整レバー又は取付レバーの第3のレバーシャフト又は部分が、駆動レバーに接触して停止したとき、開かれた仕切り要素に到達する。ヒンジの端部位置は、遅くとも取付要素、恐らくはヒンジカップが駆動レバーに接触したときに、閉じられた仕切り要素に到達する。したがって、調整レバー及び取付レバーは、接続点において膝継手を形成し、この膝継手は、位置に応じて、一方向又は他方の方向に駆動レバーにより押される。調整レバー及び取付レバーの回転軸が正確に一平面内にある位置において、調整レバー及び取付レバーが互いに向けて押される。仕切り要素が一方向又は他方の方向に最小限回転するとすぐに、膝継手も同様に、対応する方向に案内されて折り畳まれ、それにより、仕切り要素は、仕切り要素が開くか、又は閉じる端部位置のストップまで自動的に移動する。
【0052】
駆動レバーに対する駆動バネの最適な作用により、かなりの力が仕切り要素に及ぼされ、それにより、仕切り要素を開閉する関連プロセスが、実質的に自動的に実行される。それにより、駆動バネは、駆動レバーの同じポイントに対して略一定の力で作用するため、略一定の加速度が旋回範囲全体にわたって生じ、部分間のいかなる摩擦も回避される。それに対応して、摩耗及びノイズの発生も回避される。さらに、補助要素が必要ない。好ましくは、駆動バネが使用され、駆動バネは、螺旋バネの形態で提示される少なくとも1つのバネパッケージを備え、バネパッケージは、第1のレバーシャフトにより駆動レバーの関連する端部要素と一緒に保持される。したがって、駆動バネの端部要素及び/又は中間要素は、同じ軸を中心として駆動レバーと共に回転する。したがって、駆動レバーの関連する端部要素及び駆動バネの1つ又は複数のバネパッケージは、互いの側に配置することができ、それにより、小さな円柱形スペース量しか占有しない。
【0053】
このため、好ましくは、取付部分は第1の支持点本体を備え、支持点本体内では、第1のレバーシャフトが駆動シャフトを保持するように機能し、駆動バネが取り付けられる。第1の支持点本体の片側又は両側には、螺旋バネとして形成される駆動バネの各バネパッケージが配置され、駆動バネは、一方では、取付部分を押し、他方では、端部要素又は中間要素で駆動レバーを押す。
【0054】
調整レバーも同様に、第1のレバーシャフトにより保持し得る。しかし、取付部分は、好ましくは、調整レバーを保持する第2のレバーシャフトが取り付けられた少なくとも1つの第2の支持点本体を備える。
【0055】
さらに、駆動レバー及び取付レバーの第2の端部要素は、第4のレバーシャフトにより互いに接続される。
【0056】
したがって、駆動バネにより駆動されるレバー機構により、本質的に摩擦のないように大きな力が生じる。
【0057】
駆動バネは、例えば、バネパッケージ10毎に、巻線を備えることができ、ワイヤの直径は、例えば0.5mm〜2mmである。それにより、巻線の数及びワイヤの直径は扉要素の負荷に適合される。本発明によるヒンジ構造を使用して、実際に、スペース要件を大きく増大させずに、バネ力を所望のように増大させることができることは興味深い。さらに、駆動バネのバネ経路/対応する端部要素又は中間要素の回転角度が非常に大きく、それにより、駆動バネが実際に高い力の作用をヒンジの全移動範囲にわたって常に供給することは特に有利である。
【0058】
上述したように、仕切り要素が開かれているとき、第3のレバーシャフトは、第3のレバーシャフト又は調整レバーもしくは取付レバーの部分が駆動レバーに接触して止まるまで、駆動レバーに向かって案内される。したがって、好ましい実施形態では、止め要素が設けられ、止め要素は、駆動レバーまでの第3のレバーシャフトの最小距離を画定する。回転可能に取り付けられた止めねじが、好ましくは、駆動レバーに設けられ、止めねじにより、第3のレバーシャフトと駆動レバーとの最小距離、ひいては解放端位置での仕切り要素の向きを設定することができる。止めねじと協働する止め要素は、好ましくは、調整レバー上に設けられる。
【0059】
さらなる好ましい実施形態では、ヒンジカップであり得る取付要素は、取付レバーに対して変位可能であり、接続ねじにより固定することができる。したがって、取付レバーは取付要素に固定接続することができ、又は代替として、選択された位置において取付要素に接続することができ、それにより、より高い柔軟性が達成される。したがって、単純な手段で、仕切り要素を取付ストリップに平行するように向けることができる。これは、歯を有する接続要素が取付レバー上に設けられ、歯付き工具を差し込むことができる工具溝がヒンジカップに設けられ、工具の歯が接続要素の歯と協働するという点で特に単純に達成される。例えば、接続要素に設けられた接続ねじを緩めた後、歯付き工具を回転させ、ヒンジカップを接続要素に対して選択的に変位させることができ、その後、接続ねじは再びしっかりと締められる。
【0060】
好ましい実施形態では、駆動レバー、調整レバー、及び取付レバーの外形は、互いに少なくとも部分的に変位できるように、互いに適合される。例えば、取付レバーは、ヒンジカップ内に嵌り、且つ/又は第3の支持点シャフトが駆動レバーに向けて案内される位置において駆動レバーを受けるように機能する少なくとも部分的にU字形状を備える。
【0061】
さらに好ましくは、調整レバーの第2の端部要素及び取付レバーの第1の端部のそのそれぞれが、第3の支持点シャフトを受けるように機能する2つの隣接する支持点要素を備えることが提供される。上記支持点要素は、駆動レバーを支持点要素間で第3の支持点シャフトに向けて案内することができ、それにより、調整レバーの部分と取付レバーの部分との間で少なくとも部分的に下降できるように互いに離間される。
【0062】
本発明について、図面を参照して以下にさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】家具製品1に一体化され、5個のヒンジ3により保持された仕切り要素11を扉収納部14内に変位できるようにし、家具製品1の外側壁12及び中間壁13により画定される本発明による変位装置2を示す。
【図2】上部レール27及び下部レール28に沿って案内されるブラケット21を有する本発明による変位装置2を示し、ブラケット21は、一方では、ヒンジ3を介して仕切り要素11に接続され、他方では、シザー組立体22に接続され、シザー組立体22の第1及び第2の支柱221、222が、上端において係留手段23又はブラケット21に固定接続されると共に、下端において、案内装置24又はブラケット21のそれぞれ内で案内される。
【図3a】ブラケット21に固定接続することができるシザー組立体支持点6を示し、シザー組立体支持点6により、第2のレール要素22の上端が調整可能なように保持される。
【図3b】図3aのシザー組立体支持点6の分解組立図を示す。
【図3c】図3aの組み立てられたシザー組立体支持点6を示す。
【図4a】三次元表現でのブラケット21の切り欠きセグメントを示す。
【図4b】三次元表現でのブラケット21の切り欠きセグメントを示す。
【図5】上から見た断面図でのブラケット21及び第2の支柱22に接続されたシザー組立体支持点6を示す。
【図6a】本発明によるキャリッジ4により保持され、連続レール27に沿って案内されるブラケット21であり、ブラケット21に対してヒンジ3が取り付けられる。
【図6b】開放型キャリッジ筐体411を有する図6aのキャリッジ4を示し、開放型キャリッジ筐体411内部で、調整ねじ46により水平変位可能な調整ウェッジ452が、走行車輪44に結合された保持ウェッジ47に対して作用する。
【図6c】別の方向から見た、仕切り要素11が取り付けられた状態の図6aのキャリッジ4及びブラケット21を示す。
【図6d】分解組立図での図6bのキャリッジ4を示す。
【図7a】上から見た、ヒンジ3により仕切り要素11並びにシザー組立体支持点6及びキャリッジ4に接続されたブラケット21を部分的に示す。
【図7b】前から見た図7aの装置を示す。
【図8】取付部30がブラケット21に取り付けられた、開位置の本発明によるヒンジ3を示し、取付部30は、一方では、駆動ばね35により駆動される駆動レバー31を介して、他方では、調整レバー32及び取付レバー33を介してヒンジカップ38に接続される。
【図9】第1の支持点本体303が第1の支持点シャフト361を保持するように機能し、2つの第2の支持点本体304が第2の支持点シャフト362を保持するように機能する、図8の取付部30を示す。
【図10a】がブラケット21に取り付けられた取付部30、並びに駆動レバー31により駆動される駆動シャフト35、調整レバー32、及び取付レバー33を有する本発明によるヒンジ3を原理図で示す。
【図10b】具体的な実施形態での図10aの本発明によるヒンジ3を示す。
【図11a】レバー機構が開位置にある図10aのヒンジ3を原理図で示す。
【図11b】レバー機構が遷移位置にある図10aのヒンジ3を原理図で示す。
【図11c】レバー機構が閉位置にある図10aのヒンジ3を原理図で示す。
【図12a】開位置の図8の具体的に示されたヒンジ3を示す。
【図12b】遷移位置の図8の具体的に示されたヒンジ3を示す。
【図12c】閉位置の図8の具体的に示されたヒンジ3を示す。
【図13】第1、第2、第3、及び第4の支持点シャフト631、632、633、634の挿入を表す接続線を有する、分解組立図での本発明によるヒンジ3を示す。
【図14a】第1の支持点シャフト361及び第2の支持点シャフト362が挿入された図9の取付部30を示し、第1の支持点シャフト361を通して、駆動バネ35及び駆動レバー31が保持され、第2の支持点シャフト362を通して、調整レバー32が保持される。
【図14b】駆動レバー31及び調整レバー32を有する取付部30を示し、取付部30の自由要素(free-lying element)において、取付レバー33を取り付けるために、第3及び第4の支持点シャフト363、364が挿入される。
【図14c】ヒンジカップとして形成される取付要素38が取付レバー33に接続された状態の完全に組み立てられたヒンジ3を示す。
【図15a】取付要素38と共に、ガラス扉11の取付具として形成される取付レバー33を示す。
【図15b】本発明による変位装置2により保持されるガラス扉11を有する家具製品1を示す。
【発明を実施するための形態】
【0064】
図1は、家具製品1に一体化され、5個のヒンジ3により保持された仕切り要素11を扉収納部14内に変位できるようにし、家具製品1の外側壁12及び中間壁13により画定される本発明による変位装置2を示す。
【0065】
図2は、上部レール27及び下部レール28に沿って案内されるブラケット21を有する本発明による変位装置2を示し、ブラケット21は、一方では、ヒンジ3を介して仕切り要素11に接続され、他方では、シザー組立体22により垂直位置において保持される。
【0066】
シザー組立体22は、連結ボルト223により中間で互いに接続される2つの第1及び第2の支柱221、222を備える。第1の支柱221の上端要素は、側壁12又は中間壁13に固定された係留手段23に旋回可能に接続される。第1の支柱221の下縁要素は、例えばブラケット21内で、案内形材26により垂直に変位可能なように取り付けられる。第2の支柱222の上端要素は、シザー組立体支持点6により旋回可能に保持され、シザー組立体支持点6は、ブラケット21に沿って変位可能であり、取付ボルトにより任意のポイントに固定可能である。第2の支柱222の下端要素は、側壁12又は中間壁13に固定された案内装置24内に変位可能に取り付けられる。原理上、交差した支柱221、222の下端要素を旋回可能に保持すると共に、それぞれの上端要素を変位可能なように取り付けることも可能である。
【0067】
図2から、変位装置2を家具製品1、例えばカップボードの壁のみならず、任意の壁、例えば、隙間をなくすため、又は仕切り要素を建物の壁に平行に位置決めするために、建物の壁にも固定可能なこともさらに見て取れる。下部及び上部の連続レール27、28は特に、変位装置2が重量のある仕切り要素11に接続される場合に使用される。軽量の仕切り要素11の場合、連続レール27、28は通常、使用されない。
【0068】
本発明による変位装置2では、扉収納部14内に設置される係留手段23の調整をする必要はもはやない。必要なすべてのセッティングは、図3a、図3b、及び図3cに示すシザー組立体支持点6で実行することができる。
【0069】
図3aは、取付ボルト64によりブラケット21で固定してブロックされたシザー組立体支持点6を示す。シザー組立体支持体6により、第2のレール要素222の上端は、調整可能なように保持される。
【0070】
図3bに示すように、シザー組立体支持点6は、第1、第2、及び第3の形材部分611、612、613を有する形材本体61を備え、これら形材部分を通して、少なくともおおよそU字形状が形成され、上記U形状はブラケット21を少なくとも部分的に囲む。第1の形材部分611及び第2の形材部分612上に、ブラケット21と係合できる保持爪6121、すなわち保持ストリップ612が設けられる。さらに、2つのねじ穴6122が第2の形材部分612の左側に設けられ、ねじ穴6122内で、上記取付ボルト67をブラケット21に向けて回して、シザー組立体支持点6の形材本体61に固定することができる(図3a参照)。
【0071】
第3の形材部分613は、取付シャフト64を受けるように機能する取付開口部6131を上側に備え、取付開口部6131の対向側に、第3の形材部分613は脚要素6133を備え、脚要素6133内に、案内チャネル61331が設けられる。さらに、第3の形材部分613のおおよそ中央領域において、第2の形材部分612に垂直に延びるねじ付きチャネル6132が設けられ、ねじ付きチャネル6132は、調整ボルト63のねじ軸632を受けるように機能する。調整ボルト63により、取付シャフト64により旋回可能に保持された調整レバー62は前後に可動である。このため、ねじ軸63は、調整レバー62に面する端部にヘッド631を備え、図3cに示すように、ヘッドは、調整レバー62に設けられる収容開口部622内に保持される。調整ボルト63は、調整ボルト63を回転させ、調整レバー62を前方に引っ張るか、又は後方に押すために、六角形工具を差し込むことができる工具開口部633、例えば、六角形開口部を逆側に備える。工具、例えばスクリュードライバを家具製品1の前側から、恐らくはねじ付きチャネル6132の部分を通して工具開口部633内に差し込むことができる。したがって、調整レバー62の設定は、家具製品1の前側から楽に実行することができる。
【0072】
調整レバー62は、取付シャフト64が差し込まれる取付開口部622を上側に備える。下側に、調整レバー62は取付ラグ621を備え、取付ラグ621を通して、図3aに示すように第2の支柱222の上端要素により担持される支持点ねじ68が案内される。
【0073】
調整レバー62の設定を通して、ブラケット21の上側は、ブラケット21の所望の傾斜になるまで、第2の支柱222の上端要素に向けて引っ張られるか、又は第2の支
222から離れるように押される。ブラケット21の傾斜の変更により生じる調整レバー62の取付ラグ621の高さ変更により、支持点ねじ68がロックされないことを保証するために、取付ラグ621は、支持点ねじ68の軸部が内部で移動可能な細長開口部を備える。
【0074】
調整レバー62が常に一平面内に保持された状態をもたつように、案内ノーズ624が上記調整レバー62の下側に設けられ、案内ノーズ624は、第3の形材部分613の脚要素6133内の案内チャネル61331に係合する。
【0075】
案内チャネル61331を、止めボルト66により脚要素6133の端部において閉じることができ、それにより、止めボルトが調整レバー62のノーズ624の外部止めを形成することが、図3b及び図3cにさらに示される。
【0076】
図3cは、調整ボルト63により所望の位置に保持された、挿入された調整レバー62と一緒になった図3a及び図3bの組み立てられたシザー組立体支持点6を示す。
【0077】
図4a及び図4bは、ブラケット21の切り欠きセグメントを三次元表現で示し、この切り欠きセグメントは、一方では、ヒンジ3及びシザー組立体支持点6を保持するように機能し、他方では、第1の支柱221の下端要素に接続される、上部連続レール28及び案内形材26により案内されるキャリッジ4を保持するように機能する。
【0078】
このために、ブラケット21は、取付チャネル2111を有する第1の取付形材211を備え、取付チャネル2111は、キャリッジ4のキャリッジ本体41の下側に形成される案内形材26及び取付部分412を受けるように機能する(例えば、図6b参照)。第1の取付形材211は、例えば、C字形状として形成され、好ましくは、その内部に、第1の取付形材211と相補的に形成されたキャリッジ4の取付部分412及び案内形材26を隙間がないように挿入することができる。図6a及び図6dに示すように、取付部412は、ブラケット21に向けて回される取付ボルト4122を挿入できるねじ穴4121を備えると共に、好ましくは、キャリッジ4を形状ロックで保持するカップ状グリップ先端を前側に備える。
【0079】
一体型ブラケット21の第1の取付形材211は第2の取付形材212に接続され、第2の取付形材212は、ヒンジ3及びシザー組立体支持点6を保持するように機能し、ヒンジ3及びシザー組立体支持体6はこの第2の取付形材212に沿って変位可能であり、任意の所望のポイントに固定可能である。このために、第2の取付形材212は、取付ストリップ2121及び取付溝2122を備え、これらは、ヒンジ3の取付要素304、305;6111、6122及びシザー組立体支持点6と協働し、取付ボルト302、67により取付要素及びシザー組立体支持点6に対してぴんと張ることができる(図3b及び図10a参照)。
【0080】
図5は、上から見た断面図でのブラケット21及び第2の支柱222に接続されたシザー組立体支持点6を示す。シザー組立体支持点6の形材本体61が、ブラケット21の第2の取付形材212と協働し、保持爪6111がブラケット21の取付ストリップ2121を囲み、保持ストリップ6121がブラケット21の取付溝2122に係合することが見て取れる。さらに、シザー組立体支持点6の形材本体61がブラケット21から解放され得ないように、第2の取付形材212に対して押されるねじ付きボルト67が示される。
【0081】
図5は、案内装置8の案内ローラが下部案内レール281の案内チャネル281内で案内されることをさらに示す。したがって、ブラケット21は、シザー組立体22により第1の平面内において保持され、キャリッジ4及び案内装置8により、第1の平面に垂直な第2の平面において保持される。
【0082】
図6aは、本発明によるキャリッジ4により保持され、上部連続レール27に沿って案内されるブラケット21を示し、ブラケット21にヒンジ3が取り付けられる。
【0083】
図6bは、内部に設けられた調整要素45、46の図と共に図6aの開放型キャリッジ4を示す。
【0084】
図6cは、異なる方向から仕切り要素11が取り付けられた図6aのキャリッジ4及びブラケット21を示す。
【0085】
図6dは、図6bのキャリッジ4を分解組立図を示す。
【0086】
キャリッジ4はキャリッジ筐体411を有するキャリッジ本体41を備え、その内部に、調整要素45が高さ変位可能なように取り付けられる。上記調整要素45は、垂直向きの保持バー451及び保持バー451の下側に固定された保持ウェッジ452からなる。保持バー451の上側に、支持点開口部451が設けられ、支持点開口部451内に、中央に支持レバー43を旋回可能に保持する中心軸431を差し込むことができる。支持レバー43は、収容開口部432両端のそれぞれに備え、収容開口部432内に、走行車輪44の軸441が保持される。したがって、支持レバー43は、連続レール27の傾斜に従い、負荷を両走行車輪44上に均等に分散するロッカ要素として機能する。
【0087】
保持バー451は、キャリッジ本体41の筐体411内で2つの案内支柱4114の間に垂直に変位可能に保持され、筐体開口部4111を通して外部に突出する。2つの案内支柱4114の間に、保持バー453が、キャリッジ筐体411の蓋42に配置された支持点ブロック421により保持される。筐体蓋42上に、端部ねじ423の収容開口部422が設けられ、それにより、上記端部ねじ423は、キャリッジ本体41内のねじ穴4113内で回転可能である。したがって、固定後、保持バー451は垂直に変位可能に保持される。
【0088】
さらに、調整ねじ46がキャリッジ筐体411内に提供され、調整ねじ46は、ねじ頭部461を両端に備えると共に、ねじ頭部461の間にねじ付きのねじ軸部462を備える。2つのねじ頭部461は、互いに対向するキャリッジ筐体411の両側に設けられる支持点開口部4112内に回転可能に保持される。支持点開口部4112は同じ高さにあり、したがって、調整ねじ46は水平に向けられるのと同時に、保持バー451の変位方向に垂直に向けられる。
【0089】
調整ねじ46のねじ軸部462は、調整ウェッジ47にわたって完全に延びるねじ付きチャネル471内にねじ込まれる。それにより、調整ウェッジ47は保持ウェッジ452の上にあり、それにより、保持バー451が上方に引かれるとすぐに、水平に対して傾斜して面する2つのウェッジは互いに接触する。調整ねじ46の回転を通して、調整ウェッジ47は水平方向に、キャリッジ筐体411の片側から他方の側に移動し、それにより、保持ウェッジ452は下方に、又は負荷がある場合には上方に変位する。
【0090】
このようにして、キャリッジ本体41及び取付部分412によりキャリッジ品隊41に接続されたブラケット21の高さを正確に設定することができる。調整ねじ46は、筐体411の両側から操作できるため、家具製品1の前側からも操作できる。それにより、高さは、仕切り要素11の重量が好ましくはキャリッジ4により負担され、同時に仕切り要素11が、提供された高さに保持されるように設定される。
【0091】
上述したように高さ調整した本発明によるキャリッジ4は、有利なことには、他の装置と併用することも可能である。それにより、保持バー452を旋回可能な支持レバー43を介して走行車輪に接続することは必須ではない。支持レバーを保持バー451に固定接続することもできる。
【0092】
さらに、走行車輪又は走行ローラは、任意の数で設けることができると共に、キャリッジ本体に直接接続することもでき、その一方で、保持バー451は仕切り要素、例えばスライド扉に接続され、随意調整可能な高さにこれを保持することができる。
【0093】
それにより、保持バーは、所望のように設計することができる。例えば、保持バーは薄いフックとして形成することができ、薄いフックにより、仕切り要素、例えば木製パネル又はガラスパネルの取付具が見つけられる。したがって、例えば、(特許文献5)で説明されているキャリッジと仕切り要素の取付具とのねじ接続を劇的に簡易化することができる。仕切り要素に接続された取付具は、寸法を最小まで低減することができ、もはやねじ等の可動部分を取り付ける必要がない。
【0094】
それにもかかわらず、当然ながら、保持バーを、好ましくは保持ウェッジに回転可能に接続されたねじとして形成することも可能である。この場合、保持バー又は保持ねじの回転により、大まかな設定を実行することができ、調整ねじにより、細かい設定を実行することができる。この場合、好ましくは、移動止め要素、例えば、ロックねじがキャリッジ本体に設けられ、移動止め要素により、ねじ形保持バーを固定することができる。例えば、垂直に延びる溝が保持バー内に設けられ、その溝内で、ロックねじを回転させて、保持バーを回転しないようにすることができ、溝内で、保持バーは垂直にのみ変位可能である。
【0095】
図7aは、上から見たブラケット21を部分的に示し、ブラケット21は、ヒンジ3により仕切り要素11に接続されると共に、シザー組立体支持点6及びキャリッジ4にも接続される。
【0096】
図7bは、例えば、扉収納部14への挿入中の、前から見た図7aの装置を示す。キャリッジ4の走行車輪44が連続レール27のリッジ上で案内され、それにより、ブラケット21が高さ及び横に関して定位置に厳密に保持されることが示される。
【0097】
図8は、取付部分30がブラケット21に取り付けられた、開位置の本発明によるヒンジ3を示す。上記取付部分30は、一方では、駆動バネ35により駆動される駆動レバー31を介して、他方では、調整レバー32及び取付レバー33を介して、ヒンジカップ38に接続される。ヒンジ3のすべての取付ねじ302及び調整ねじ315を前から操作することができることが特に図8からはっきりと見て取れ、これは設置者にとって大きな利点である。
【0098】
図9は図8の取付部分30を示し、第1の支持点本体303が第1の支持点シャフト361を保持するように機能し、2つの第2の支持点本体303が第2の支持点シャフト362を保持するように機能する、第1の支持点シャフト361が、支持体本体303の両端に配置される、駆動バネ35の2つの螺旋バネパッケージ353A、353Bを通して案内されることが見て取れる。駆動バネ35の端部要素351は、取付部分30内に耐トルク性を有するように係留され、その一方で、2つのバネパッケージ353A、353Bを互いに接続する中央部分352は自由であり、第1の支持点シャフト361を中心として回転可能である。第1の支持点シャフト361を挿入する前、駆動レバー31の関連する2本脚の端部要素が、駆動バネ35の中央部分352が駆動レバー31上にあるように、支持点本体303上にさらに配置される。したがって、挿入された駆動レバー31を上方に回転させることにより、中央部分352も上方に回転され、駆動バネ35に張力がかかる。
【0099】
第2の支持点本体304内に差し込まれた第2の支持点シャフト362により、調整レバー32が取り付けられる。第2の支持点本体304は、ブラケット21の取付溝2122内のノーズ要素3041に係留することができ、その間、取付部分30に設けられた保持爪305が取付部分30上の取付ストリップ2121を囲むことができる。図10には、取付ボルト302が、取付部分30内のねじ穴301を通して案内され、取付形材21に向けて回転するという点で、続けて取付部分30及び取付形材21を相互に固定可能なことが示される。保持爪305は続けて、取付ストリップ2121に向けて引かれ、それにより、取付溝2122内の第2の支持点本体304の係合が固定される。
【0100】
図10aは、駆動バネ35により駆動される駆動レバー31、調整レバー32、及び取付レバー33を原理図でさらに示し、これらレバーは一緒にレバー機構を形成する。調整レバー32が、第3のレバーシャフト363により取付レバー33に接続されることが見て取れる。取付レバー33は、取付要素38又はヒンジカップに接続され、第4のレバーシャフト364により駆動レバー31の第2の端部要素に接続される。駆動レバー31は、駆動バネ35により、取付レバー33及び調整レバー32に向けて同じ方向に常に押され、力の影響を通して、第2のレバーシャフト362と第4のレバーシャフト364との距離を低減しようとする。この距離の低減は、第3のレバーシャフト363が駆動レバー31に向けて案内されるか、又は駆動レバー31から離れるように案内されるという点で行われる。このようにして、駆動レバー31の力の影響により、ヒンジ3の2つの端部に達する。したがって、保持される仕切り要素11は、力の影響下で端部に案内され、端部において、仕切り要素11は家具製品1又は建物の開口部の前に垂直又は平行になる。
【0101】
したがって、第2、第3、及び第4のレバーシャフト362、363、364が一平面内にあるその位置から、ヒンジ3は一方向又は逆方向に傾斜することができ、それにより、この移動は、垂直に一定の力で駆動レバー31により傾斜範囲全体にわたって両方向において支持される。それにより、極めて強力に形成し得る駆動バネ35が、その力を摩擦損失なしで駆動レバー31に伝達し、それにより、最適化な効果が引き起こされることに留意されたい。同時に、ヒンジ3の装置の部分が摩擦なしで働くため、摩耗が回避される。
【0102】
図10aは、第3のレバーシャフト363と駆動レバー31との距離が最小であるため、端部を止めねじ35により設定できることをさらに示す。例えば、止めねじ315は、図13に示される、調整レバー312上に設けられた止め要素321に対して作用する。
【0103】
図10bは、ヒンジカップ3を有する具体的な実施形態での図10aのヒンジ3を断面図で示す。ヒンジカップ38のサイズを考慮して、ヒンジ3が小さなサイズしか有さず、レバー機構31、32、33が限られたスペースしかとらないことを認識できる。ヒンジ3が端部止めにあり、扉11が開かれ、止めバネ315が第3のレバーシャフト363に接触することがさらに示される。それにより、第3のレバーシャフト363は、好ましくは、端部止めに達すると、止めねじ315により曲げ戻されるように形成される。したがって、扉11は端部止めに弾性的に受けられ、それにより、ヒンジ3への衝撃の影響が回避される。したがって、ヒンジ3及びヒンジ3に接続された部分は、比較的小さな負荷で露出されるため、ヒンジ3の欠点のない働きが長期に亘って保証される。好ましくは、硬化されたレバーシャフト361が過度の延長から保護できるように、止め要素321が第2のレバー32に設けられる。互いに適合された安定したレバー31、32、33を有するヒンジ3のコンパクトな構造により、重量のある扉要素11を運ぶことがさらに可能になる。
【0104】
有利な実施形態では、レバー機構のレバー31、32、33のうちの少なくとも1つは図10aに示すような直線に形成されない。それに代えて、好ましくは、最小の変形性及び/又は弾性を有すウルわずかに湾曲したレバー31、32、及び/又は33が使用され、したがって、装置部分の欠陥のない相互作用を保証するために、大きな力に適合することができる。駆動レバー31をC、S、又はZ字形に設計することが特に有利である。
【0105】
図11a、図11b、及び図11cは、レバー機構が開位置(図11a)、遷移位置(図11b)、及び閉位置(図11c)にある図10bのヒンジ3の原理図を示す。遷移位置から、ヒンジ3は駆動レバー31のサポートにより、取付レバー33が家具製品1に垂直な向きを有する図11aの位置又は取付レバー33が家具製品1に水平な向きを有する図11cの位置に傾斜することができる。遷移位置において駆動バネ35に最も強い張力がかかり、駆動レバー31が最も遠く後方に回転することに留意されたい。したがって、遷移位置に達するには、両端位置から力を使わなければならない。
【0106】
図12a、図12b、及び図12cは、開位置(図12a)、遷移位置(図12b)、及び閉位置(図12c)にある図8の具体的な実施形態でのヒンジ3を示す。駆動レバー31が遷移位置において最も遠くに方向に回転することが図12bから見て取れる。
【0107】
図13は、個々の装置部分30、31、32、33、及び35内の第1、第2、第3、及び第4の支持点シャフト361、362、363、364の挿入を示す線を有する、本発明によるヒンジ3を分解組立図で示す。駆動レバー31の第2の端部要素を除き、レバー31、32、及び33のすべての端部要素がそれぞれ、互いに隔てられた2つの支持点要素を有することが示される。これら支持点要素は関連する支持点シャフト362、363、364を受けるように機能する。それにより、レバー31、32、及び33の端部要素における支持点要素は、関連する支持点シャフト361、363、364に沿って最小の中間領域で互いに、又は支持点本体303、304と隣り合わせに配置できるように互いに離間される。さらに、レバー31、32、及び33は、互いに係合できるように、又は互いに最小の空間要件で面することができるように形成される。それにより、取付レバー33は、ヒンジカップ38により部分的に受けることができ、その部分について、少なくとも支持点要素間で駆動レバー31を受けることができるように、U字形状として形成される。
【0108】
ヒンジカップ38に接続するために、取付レバー33は、歯付きロッドのように形成された接続要素331を備え、接続要素331は、接続ねじ381を通すための開口部3312と、側方歯3311とを備える。接続ねじ381は、ヒンジカップ38の底部の開口部を通って案内され、ナット382内に回転される。ヒンジカップ38は、接続要素331に沿って変位することができ、接続ねじ381を締めることにより適したポイントに固定することができる。図14cには、ヒンジカップ38を変位させるために、スクリュードライバの歯が接続要素331の歯3311に係合するように、フィリップス型スクリュードライバを下げて工具溝385内に差し込めることが示される。それにより、接続ねじ381を緩めた後、フィリップス型スクリュードライバを回転させることにより、ヒンジカップ38を接続要素331に沿って変位させることができる。これにより、取付ストリップ21からのヒンジカップ38の位置及び距離の特に簡単で正確な調整が可能である。
【0109】
図14a、図14b、及び図14cは、ヒンジ3の要素の組み立てを示す。図9を参照すると、第1及び第2の支持点シャフト361、362の挿入及び駆動レバー31、駆動バネ35、及び調整レバー32の取付部分30への接続が説明される。
【0110】
図14aは、第1の支持点シャフト361及び第2の支持点シャフト362が挿入された図9の取付部分30を示し、支持点シャフト361を通して、駆動バネ35及び駆動レバー31が保持され、第2の支持点シャフト362を通して、調整レバー32が保持される。
【0111】
図14bは、駆動レバー31及び調整レバー32を有する取付部30を示し、取付部30の自由要素(free-lying element)において、取付レバー33を取り付けるために、第3及び第4の支持点シャフト363、364が挿入される。
【0112】
図14cは、取付レバー33に配置されたヒンジカップ38と相補的に組み立てられたヒンジ3を示す。
【0113】
図15aは、ガラス扉11の取付具として形成される取付要素38を有する取付レバー33を示す。
【0114】
図15bは、ガラス扉11を有する家具製品1を示し、ガラス扉11に扉ストリップ110が固定され、扉ストリップ110は、受け溝内に保持される取付要素38を両側で囲む。
【0115】
変位装置2及びヒンジ3は図12cに示す位置にあり、外側壁15が示される家具製品1が、仕切り要素11で終わる。上述したように、本発明は有利なことに、家具業界内で使用可能である。しかし、本発明による解決策は、エリアを閉じるため、又はエリアを区切るために建物内にも有利に使用可能である。
【0116】
したがって、本発明による変位装置2は、様々な方法で任意の所望の仕切り要素11に接続することができる。仕切り要素は、ガラス、金属、木、又はプラスチック等の任意の所望の材料から製造することができる。
【符号の説明】
【0117】
1 家具製品、カップボード
11 仕切り要素、例えば、木製扉又はガラス扉
110 扉ストリップ
12 側壁
13 中間壁
14 扉収納部
15 側壁
2 変位装置
21 取付ブラケット、ストラット
211 ブラケット21の第1の取付形材
2111 第1の取付形材211内の取付チャネル
212 ブラケット21の第2の取付形材
2121 第2の取付形材212上の取付ストリップ
2122 第2の取付形材212上の取付溝
22 シザー組立体
221 第1の支柱
222 第2の支柱
223 シザージョイント
23 係留手段
24 案内装置
26 案内形材
27 上部案内レール
28 下部案内レール
281 下部案内レール28内の案内チャネル
3 ヒンジ
30 ヒンジ3の取付部分
301 取付部分30内のねじ穴
302 ねじ穴301の取付ボルト
303 第1のレバーシャフト361の第1の支持点本体
304 ブラケット21に接続するための第2のレバーシャフト362の第2の支持点本体
3041 支持体本体304上のノーズ
305 ブラケット21に接続するための保持爪
31 駆動レバー
315 レバー距離を設定するための止めねじ
32 調整レバー
321 調整レバー32上の止め要素
33 取付レバー
331 接続要素、歯付きロッド
3311 歯
3312 接続爪381を受けるための開口部
35 駆動バネ、二重螺旋バネ
361 第1のレバーシャフト
362 第2のレバーシャフト
363 それぞれバネ弾性及び硬化された第3のレバーシャフト
364 第4のレバーシャフト
38 取付レバー33上の取付要素、恐らくはヒンジカップ
381 接続ねじ
382 接続ナット
385 工具溝
4 キャリッジ
41 キャリッジ本体
411 キャリッジ本体41の筐体
4111 筐体411内のコンセント開口部
4112 支持点開口部
4113 端部ねじ423のねじ穴
4114 キャリッジ状態411内の案内支柱
412 キャリッジ筐体41上の取付部
4121 取付ねじ4122のねじ穴
4122 取付ねじ
42 筐体蓋
421 筐体蓋43上の支持点ブロック
422 端部ねじ423の収容開口部
423 端部ねじ
43 支持レバー
431 支持レバー43の中心軸
432 車輪軸441の収容開口部
44 走行車輪
441 車輪軸
45 調整要素
451 調整要素の保持バー
452 調整要素の保持ウェッジ
453 中心軸431を受ける支持点開口部
46 調整ねじ
461 調整ねじ46のねじ頭部
462 調整ねじ46のねじ軸部
47 調整ウェッジ
471 調整ウェッジのねじ付きチャネル
6 シザー組立点支持点
61 シザー組立体支持点6の形材本体
611 形材本体61の第1の形材部分
6111 第1の形材部分611の保持爪
612 形材本体61の第2の形材部分
6121 第2の形材部分612上の保持ストリップ
6122 第2の形材部分612内のねじ穴
613 形材本体61の第3の形材部分
6131 第3の形材部分内の取付開口部
6132 調整ボルト63を受けるねじ付きチャネル
6133 第3の形材部分の脚要素
61331 脚要素6133内の案内チャネル
62 調整レバー
621 調整レバー62上の取付ラグ
622 調整レバー62の収容開口部
623 調整レバー62上の取付開口部
624 調整レバー62上の案内ノーズ
63 調整ボルト
631 調整ボルト63の頭部
632 調整ボルト63のねじ軸部
633 ねじ軸部632内の工具開口部
64 取付シャフト
66 止めボルト
67 固定ねじ
68 第2の支柱を保持する支持点ねじ
8 案内装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シザー組立体支持点(6)を使用してシザー組立体(22)の第1の支柱(221)によりスライド可能に保持され、前記シザー組立体(22)の第2の支柱(222)により固定保持される仕切り要素(11)、特に家具製品(1)又は建物エリアのガラス製又は木製の仕切り要素(11)を有する変位装置(2)であって、前記シザー組立体支持点(6)が、前記ブラケット(21)に適合され、前記ブラケット(21)に接続可能な形材本体(61)を備え、前記形材本体(61)が、調整レバー(62)の第1の端部要素に関節的に接続される形材部分(613)を備え、前記調整レバー(62)の第2の端部要素が、一方では、前記第2の支柱(222)に旋回可能に接続され、他方では、調整ボルト(63)により保持され、前記調整ボルトの前記ねじ軸部(632)が、前記形材本体(61)のねじ付きチャネル(6132)内に回転可能に取り付けられることを特徴とする、変位装置(2)。
【請求項2】
前記ねじ付きチャネル(6132)が、前記シザー組立体(22)に面する後側から前側まで前記形材本体(61)、特に前記形材部分(613)を通して延び、それにより、前記調整ボルト(63)が、前記形材本体(61)の前記前側から操作可能であることを特徴とする、請求項1に記載の変位装置(2)。
【請求項3】
前記調整ボルト(63)が、工具開口部(633)を前記前側に備え、前記工具開口部(633)内に工具を差し込み、前記調整ボルト(61)を回転させることができることを特徴とする、請求項1または2に記載の変位装置(2)。
【請求項4】
前記調整ボルト(63)が、前記調整レバー(62)に面する端部において、前記調整レバー(62)に設けられる収容開口部(622)内に係留されるボルト頭部(631)を備えることを特徴とする、請求項1、2、又は3のいずれか一項に記載の変位装置(2)。
【請求項5】
前記調整レバー(62)が、前記第2の端部に取付ラグ(621)を備え、前記取付ラグ(621)を通して、前記第2の支柱(222)に接続された支持点ねじ(68)が案内されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の変位装置(2)。
【請求項6】
前記取付ラグ(621)が細長開口部を備え、前記細長開口部に沿って、前記支持点ねじ(68)の前記軸部を変位させることができることを特徴とする、請求項5に記載の変位装置(2)。
【請求項7】
案内ノーズ(624)が、前記調整レバー(62)の回転点から最も離れた端部に設けられ、前記案内ノーズ(624)が、前記形材部分(613)の脚要素(6133)内に設けられた案内チャネル(61331)内で案内されると共に、側方に保持されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の変位装置(2)。
【請求項8】
前記形材本体(61)が、保持要素(6111、6121)が設けられ得るL字形状又はU字形状を備えると共に、ねじ穴(6122)も備え、前記ねじ穴(6122)内で、固定ねじ(67)が前記ブラケット(21)に対して回転して、前記ブラケット(21)及び前記形材本体(61)を相互にブロックすることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の変位装置(2)。
【請求項9】
前記ブラケット(21)が上端においてキャリッジ(4)により保持され、前記キャリッジ(4)が筐体(411)を有するキャリッジ本体(41)を備え、前記筐体(411)内で、調整要素(45)が、高さを変位可能なように取り付けられ、前記調整要素(45)の上側に、支持レバー(43)が旋回可能に保持され、支持レバー(43)上に、連続レール(27)により案内される2つの走行車輪(44)が、車輪軸(441)により固定されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の変位装置(2)。
【請求項10】
前記調整要素(45)が保持バー(451)を備え、前記保持バー(451)の上側に、前記支持レバー(43)が中心軸(431)により保持され、前記保持バー(451)の下側に保持ウェッジ(452)が設けられ、保持ウェッジ(452)のウェッジ上面が、前記キャリッジ(4)の走行方向に対して傾斜し、調整ウェッジ(47)のウェッジ下面と協働し、前記調整ウェッジ(47)が、前記キャリッジ本体(41)により保持された調整ねじ(46)により前記保持ウェッジ(47)に対して変位可能であることを特徴とする、請求項9に記載の変位装置(2)。
【請求項11】
前記調整ねじ(46)がねじ軸部(462)を備え、前記ねじ頭部(461)の各端部において、前記ねじ頭部(461)は、支持点開口部(4112)内に保持され、前記支持点開口部(4112)が、前記筐体(411)の両側に、互いに対向して配置され、前記ねじ軸部(42)が、前記調整ウェッジ(47)のねじ付きチャネル(471)内に回転可能に保持されることを特徴とする、請求項10に記載の変位装置(2)。
【請求項12】
前記仕切り要素(11)がヒンジ(3)の取付要素(3)、特にヒンジカップにより保持され、前記ヒンジ(3)が、レバー機構(31、32、33)を介して、前記ブラケット(21)に固定された取付部分(30)に接続され、前記取付部分(30)が、駆動バネ(35)により駆動される駆動レバー(31)の前記第1の端部要素及び調整レバー(32)の前記第1の端部要素に関節的に接続され、前記調整レバー(32)の前記第2の端部要素が、前記取付要素(38)に接続された取付レバー(33)の前記第1の端部に関節的に接続され、前記取付要素(38)の前記第2の端部要素が、前記駆動レバー(31)の前記第2の端部要素に接続され、前記駆動レバー(31)が前記取付レバー(33)を前記調整レバー(32)に向けて押し、それにより、前記調整レバー(32)及び前記取付レバー(33)を接続している第3のレバーシャフト(363)が、前記仕切り要素(11)が開かれるとき、前記駆動レバー(31)に向けて押され、前記仕切り要素(11)が閉じられるとき、前記駆動レバー(31)から離れるように押されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の変位装置(2)。
【請求項13】
前記取付要素(30)が第1の支持点本体(303)を備え、前記第1の支持点本体(303)内に、前記駆動レバー(31)を保持するように機能する第1のレバーシャフトが取り付けられ、前記第1のレバーシャフト(361)上の前記第1の支持点本体(303)の片側又は両側に、螺旋バネとして形成される前記駆動バネ(35)の各バネパッケージ(353A、353B)が配置され、各バネパッケージ(353A、353B)が、一方では、前記取付部分(30)を押し、他方では、端部要素(351)又は中間要素(352)で前記駆動レバー(31)に接触すること、前記取付部分(30)が第2の支持点本体(304)を備えることができ、この場合、前記調整レバー(32)を保持するように機能する第2のレバーシャフト(362)が保持されること、及び前記駆動レバー(31)及び前記取付レバー(33)が、第4のレバーシャフト(364)により互いに接続されることを特徴とする、請求項12に記載の変位装置(2)。
【請求項14】
好ましくは前記駆動レバー(31)内に回転可能に取り付けられた止めねじ、前記止めねじ(31)を使用して、一方では、好ましくはバネ弾性の第3のレバーシャフト(363)又は前記調整レバー(32)上の止め要素(321)と、他方では前記駆動レバー(31)との間の最小距離、ひいては開位置での前記仕切り要素(11)の向きを設定可能であること、及び/又は前記取付要素(38)が、前記取付レバー(33)に対して変位可能であり、接続ねじ(381)及び好ましくは多刃ナット(382)により固定可能であることを特徴とする、請求項12又は13に記載の変位装置(2)。
【請求項15】
前記取付レバー(33)が、前記ヒンジカップ(38)内に嵌り、且つ/又は前記第3の支持点シャフト(363)が前記駆動レバー(31)に向けて押される位置で前記駆動レバー(31)を受けるように機能する少なくとも部分的にU字形状を備え、前記第2の調整レバー(32)の前記第2の端部要素及び前記取付レバー(33)の前記第1の端部要素のそれぞれが、前記第3の支持点シャフト(363)を受けるように機能する2つの隣接する支持点本体(32A、33A、32B、33B)を備え、前記支持体本体(32A、33A、32A,33B)が、前記駆動レバー(31)を前記支持本体の間で前記第3の支持点シャフト(363)に向けて案内できるように互いに離間されることを特徴とする、請求項12、13、又は14に記載の変位装置(2)。
【請求項16】
変位装置(1)に接続され、家具製品(10)を閉じるように機能する仕切り要素(19)を、前記家具製品(10)内部で中間スペース(17)内に下げることができることを特徴とする、家具製品(10)、特に請求項1〜15のいずれか一項に記載の変位装置を有するカップボード。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12c】
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【図13】
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【図14a】
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【図14b】
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【図14c】
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【図15a】
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【図15b】
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【公開番号】特開2010−261301(P2010−261301A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98225(P2010−98225)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(505357982)ハワ アーゲー (8)
【Fターム(参考)】