説明

既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システム

【課題】大規模且つ効率的に地熱を利用しつつ、観光資源や環境に対する影響を与えることがない既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムを提供すること。
【解決手段】地表面3から下方に向かって掘削し形成された縦坑2と、縦坑2と連通すると共に水平方向に延在する複数の横坑群4a〜4fを有する既設地下空洞において、横坑群4a〜4fの内の一つの横坑4dに地熱変換手段6を設け、この地熱変換手段6により取得した熱エネルギーにより発電手段7により発電する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の地熱発電システムは、温泉等が存在する地域において高温の水蒸気を地表に噴出させ、この水蒸気により発電タービンを回転させて発電していた。また、高温の水蒸気が得られない場合でも、水蒸気等により低沸点媒体であるペンタンやアンモニア等を地熱により気化させ、この気化した低沸点媒体により発電タービンを回転させて発電を行っていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このような地熱発電システムは温泉等が存在する地域に設置されるため、地下における温泉等の観光資源や地上の環境を保護するための法律上または行政上の制限があり、大規模な地熱発電システムを実現することは不可能であった。
【0004】
本発明は、大規模且つ効率的に地熱を利用しつつ、観光資源や環境に対する影響を与えることがない既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムは、地表面から下方に向かって掘削し形成された縦坑と、前記縦坑と連通すると共に水平方向に廷在する複数の横坑群を有する既設地下空洞において、前記横坑群の内の一つの横坑群に地熱変換手段を設け、前記地熱変換手段により取得した熱エネルギーを利用することを特徴とする。
【0006】
さらに、本発明に係る既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムは、前記地熱変換手段が熱媒体を使用する地熱変換手段であり、前記熱媒体によって低沸点媒体を気化し、発電手段のタービンを回転させることにより発電することが好ましい。
【0007】
さらに、本発明に係る既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムは、前記発電手段を、前記地熱変換手段を設けた横坑群よりも浅い深度に位置する他の横坑群に設けることが好ましい。
【0008】
さらに、本発明に係る既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムは、前記発電手段のタービンを回転させた後、低沸点媒体を地下の湧水によって冷却することが好ましい。
【0009】
さらに、本発明に係る既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムは、前記地熱変換手段は低沸点媒体を使用する地熱変換手段であり、地熱変換手段により気化した低沸点媒体により発電手段のタービンを回転させることにより発電することが好ましい。
【0010】
さらに、本発明に係る既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムは、前記地熱変換手段により気化した低沸点媒体を、前記地熱変換手段を設けた横坑群よりも高い位置において冷却することにより液化し、液化した低沸点媒体を前記地熱変換手段へ落下させ、低沸点媒体の落下途中に液化した低沸点媒体によりタービンを回転させ発電することが好ましい。
【0011】
さらに、本発明に係る既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムは、前記地熱変換手段が同軸管から構成されていることが好ましい。
【0012】
さらに、本発明に係る既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムは、地表面から下方に向かって掘削し形成された縦坑と、前記縦坑と連通すると共に水平方向に延在する複数の横坑群を有する既設地下空洞において、前記縦坑または前記横坑群から地中へ植設した地熱変換手段を設け、前記地熱変換手段により取得した熱エネルギーを利用することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の本発明に係る既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムは、既設地下空洞の横坑群に地熱変換手段を設け、地熱変換手段により取得した熱エネルギーを利用する。従って、従来の地熱発電のように温泉等の観光資源を利用することなく大規模な地熱発電システムを実現することができる。即ち、既設地下空洞を再利用することにより、地熱を既設地下空洞の横坑から直接取得することができ、また、地熱を取得するための熱交換手段は、既設地下空洞を再利用して設置するため、新たに地下空洞を建設するコストを要しない。さらに、既設地下空洞の地熱状況は明らかであるため、地下の地熱状態を正確に把握するための多点ボーリング調査を行う必要がない。
【0014】
請求項2記載の本発明に係る既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムは、地熱変換手段は熱媒体を使用する地熱変換手段であり、熱媒体によって低沸点媒体を気化し、発電手段のタービンを回転させることにより発電する。従って、地熱温度は、低沸点媒体の沸点以上の温度があれば発電することが可能であり、既設地下空洞内が極度に高温でない場合でも発電が可能である。
【0015】
請求項3記載の本発明に係る既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムは、発電手段を、地熱変換手段を設けた横坑群よりも浅い深度に位置する他の横坑群に設けたことを特徴とする。従って、地熱交換手段と発電手段との間の距離を短くすることができ、地熱交換手段からの発電手段へ送られる熱エネルギーが無駄に発散されることを防止することができる。
【0016】
請求項4記載の本発明に係る既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムは、発電手段のタービンを回転させた後、低沸点媒体を地下の湧水によって冷却することを特徴とする。温度が略一定の地下の湧水を冷却に利用することにより、安定した冷却性能を確保することができる。
【0017】
請求項5記載の本発明に係る既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムは、地熱変換手段は低沸点媒体を使用する地熱変換手段であり、地熱変換手段により気化した低沸点媒体により発電手段のタービンを回転させることにより発電することを特徴とする。このため、低沸点媒体は地熱交換手段により直接加熱されるため、熱エネルギーの無駄な損失を防止することができる。
【0018】
請求項6記載の本発明に係る既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムは、地熱変換手段により気化した低沸点媒体を、地熱変換手段を設けた横坑群よりも高い位置において冷却することにより液化し、液化した低沸点媒体を前記地熱変換手段へ落下させ、低沸点媒体の落下途中に液化した低沸点媒体によりタービンを回転させ発電することを特徴とする。気化した低沸点媒体の上昇と、液化した低沸点媒体の落下により、その位置エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。
【0019】
請求項7記載の本発明に係る既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムは、地熱変換手段を同軸管として構成することにより、横坑が温水に水没した状態である場合でも横坑の広い範囲から地熱を取得することが可能となる。
【0020】
請求項8記載の本発明に係る既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムは、地表面から下方に向かって掘削し形成された縦坑と、前記縦坑と連通すると共に水平方向に延在する複数の横坑群を有する既設地下空洞において、前記縦坑または前記横坑群から地中へ植設した地熱変換手段を設け、前記地熱変換手段により取得した熱エネルギーを利用する。従って、地熱変換手段を既設地下空洞内部から容易に植設することができ、地熱変換手段の設置費用の大幅な削減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図1乃至図5を参照しつつ、本発明に係る既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムの第1実施形態について説明する。本実施形態の既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムは、地表面3から下方に向かって掘削し形成された縦坑2と、縦坑2と連通すると共に水平方向に延在する複数の横坑群4を有する既設地下空洞1において、横坑群4の内の一つの横坑群4dに地熱変換手段6を設け、この地熱変換手段6により取得した熱エネルギーを利用することを特徴とする。
【0022】
図1は、既設地下空洞1の垂直断面図である。この既設地下空洞1は、廃坑となった炭坑の地下坑道であり、炭坑地表面3から下方に向かって掘削し形成された縦坑2と、この縦坑2と連通すると共に水平方向に延在する複数の横坑群4から構成されている。
【0023】
一般的に国内炭坑の地殼構造は、図1に示すように、上部に石炭層Bが存在し、その石炭層Bの下方に岩盤層Aが存在する堆積層を有している。そして、炭坑の掘削作業においては、岩盤層Aの上側表面に沿って横坑群4を掘削し石炭層Bの石炭が採取されていた。また、この岩盤層Aは水を通しにくい性質があり、一方、石炭層Bは水を通しやすい性質があるため、この横坑群4が位置する岩盤層Aの上部において、豊富な水量を有する地下水脈が存在する場合が多い。なお、図1において、岩盤層A及び石炭層B以外の堆積層については図面が煩雑となるため、図示を省略している。また、符号3は地表面を示している。
【0024】
縦坑2には、図1に示すような垂直方向に延在するものの他、斜坑と呼ばれている斜め下方に延在するものも含まれる。この縦坑2は、横坑群4を構成する各横坑よりも大きな坑道であり、搬入搬出用エレベータ、排水管、送風管、送電線等が放置されている。
【0025】
複数の横坑群4は、横坑群4a乃至4fとして図示されている。各横坑群4は、それぞれ岩盤Aと石炭層Bの間に存在し、図2に示すように網の目状に広がっている。
【0026】
次に、第1実施形態の既設地下空洞1を再利用したエネルギー供給システムの構造について説明する。図3に示すように、本実施形態においては、比較的深い深度に位置する横坑4dに地熱交換手段6が設置されている。この地熱交換手段6は、多数の細管6aを有しており、これら細管6aは横坑4dの底面、両壁面、天井面等に接している。そして、細管6aが横坑4dにおける地熱により加熱され、この熱エネルギーが細管6aの内部を流動する熱媒体に伝導する。なお、本実施形態の熱媒体は水である。
【0027】
図4に示すように、地熱交換手段6には、低温の熱媒体を供給する供給管6bと、地熱交換手段6で加熱された熱媒体を送出する送出管6cとが接続されている。供給管6bは、細管6aに分枝された後、送出管6cに接続されている。供給管6bと送出管6cは、縦坑2の内部を通り、地表面3に設置されている発電手段7に接続されている。細管6aにより加熱された熱媒体は、送出管6cによって発電手段7へ送出され、後述するように、発電手段7により冷却された熱媒体は、供給管6bにより細管6aへ圧送される。
【0028】
図5に示すように、発電手段7は、公知の発電方式であるバイナリー発電方式により発電を行う発電設備である。このバイナリー発電方式とは、加熱源により沸点の低い液体を加熱・蒸発させてその蒸気で蒸気タービンを回す方式をいう。発電手段7は、熱交換器7a、蒸気タービン7b、発電機7c、冷却器7dを有している。上記熱媒体によって加熱された熱交換器7aにより、ペンタン(pentane/沸点は約36度)を蒸気となし、このペンタンの蒸気圧力により蒸気タービン7bを回転させ、この蒸気タービン7bに連結されている発電機7cにより発電する。蒸気タービン7bを通過したペンタンは、冷却器7dによって冷却され液化される。そして、液化したペンタンは熱交換器7aへ送出される。なお、冷却器7dは、地上の大気を冷却器7dに送風する空冷ファン(図示せず)により冷却される。
【0029】
本実施形態は、既設地下空洞1を再利用することにより、従来の地熱発電のように温泉等の観光資源を利用することなく大規模な地熱発電システムを実現することができるという利点がある。即ち、既設地下空洞1を再利用することにより、地熱を既設地下空洞1の内壁面等から直接取得することができ、また、地熱を取得するための熱交換手段6は、既設地下空洞1を再利用して設置するため、新たに地下空洞を建設するコストを要しない。
【0030】
さらに、本実施形態によれば、この既設地下空洞1の使用時(本実施形態の場合、炭坑として使用されていた当時)における地熱状況が資料等に記録されているため、本実施形態のエネルギー供給システムの設置計画が立てやすいという利点もある。従来の地熱発電が温泉等の観光資源を利用し、本実施形態のように地熱を直接利用していないのは、地下の地熱状態を正確に把握することができないためである。地下の地熱状態を正確に把握するためには、多地点においてボーリング調査を行う必要があるが、これは多大な調査コストが必要となる。また、このようなボーリングは、温泉の地下水脈等を損なうことが考えられるため容易に実行しがたい。しかし、既存地下空洞1を再利用すれば、このようなコストもリスクも完全に回避することができる。
【0031】
なお、本実施形態の地熱交換手段6は、既設地下空洞1の内部の状況により、図11に示す地熱交換手段61や図12に示す地熱交換手段62に変更することができる。図11に示す地熱交換手段61は、地熱交換手段6の細管6aの設置が困難な場合、例えば、既設地下空洞1の横坑4dが温水によって水没している状態である場合でも設置することができる。この地熱交換手段61は、二重管構造の同軸パイプ61aと、低温の熱媒体を供給する供給管61bと、地熱交換手段61aで加熱された熱媒体を送出する送出管61cとから構成されている。熱媒体は同属パイプ61aの外管部から内管部へ循環し温水の熱エネルギーにより加熱される。この同軸パイプ61aを温水面の上から横坑4d内部へ挿入してゆくことにより、同軸パイプ61aが延在する横坑4d内部の広い範囲の温水の熱エネルギーを取得することができる。なお、同軸パイプ61aは、可撓性の樹脂製パイプであることが好ましい。
【0032】
また、図12に示す地熱交換手段62は、既設地下空洞1の深度を利用して、さらに深度の深い位置に存在する高温の地熱帯から熱エネルギーを取得することができる。例えば、図12に示すように、地熱交換手段62の同軸パイプ62aを縦坑2または横坑4dの底面から地中へ植設する。この場合、地熱交換手段である同軸パイプを地表面から植設する場合よりも設置費用を大幅に削減することができる。
【0033】
なお、本実施形態のエネルギー供給システムは発電を目的としているが、地熱交換手段6により取得した熱エネルギーを、地上の地域暖房設備、工場、ビニールハウス等の農業設備等に必要な熱源として利用することも可能である。
【0034】
次に、図6及び図7を参照しつつ、本発明に係る第2実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態と同様の構成を有する既設地下空洞1を再利用したエネルギー供給システムであり、同様の手段及び構造物に関しては上記第1実施形態と同じ符号を用いて説明する。
【0035】
本実施形態の既設地下空洞1を再利用したエネルギー供給システムは、図6に示すように、上記第1実施形態と同様の地熱変換手段6により取得した熱エネルギーにより発電する発電手段7を、地熱変換手段6を設けた横坑群4dよりも浅い深度に位置する他の横坑群4cに設けた点において、上記第1実施形態の同システムと異なる。地下に発電手段7を設けることにより、地熱交換手段6と発電手段7との間の距離を短くすることができる。このため、地熱交換手段6から延出されている送出管6cの延出距離が短くなり、地熱交換手段6から発電手段7へ送られる熱エネルギーにおいて、送出管6cにおいて無駄に発散されてしまうエネルギー量を小さくすることができる。
【0036】
また、上記第1実施形態において、発電手段7の蒸気タービン7bを通過したペンタンは、冷却器7dによって冷却され液化される。そして、この冷却器7dは、地上の大気を冷却器7dに送風する空冷ファンにより冷却されていた。図7に示すように、本実施形態においては、地上の大気ではなく、発電手段7を設けた横坑群4cから湧き出す湧水や他の横坑群(例えば横坑群4b)の湧水を導入し冷却器7dを冷却する。上述したように、本実施形態における既設地下空洞1は、横坑群4が位置する岩盤層Aの上部において、豊富な水量を有する地下水脈が存在する場合が多い。この地下水脈からの湧水は、水温変化が略皆無であるために冷却水として非常に優れている。
【0037】
次に、図8乃至図10を参照しつつ、本発明に係る第3実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の手段及び構造物に関しては上記第1実施形態と同じ符号を用いて説明する。
【0038】
本実施形態の既設地下空洞1を再利用したエネルギー供給システムは、上記第1実施形態が地熱変換手段6により水である熱媒体を加熱していたのに対し、低沸点媒体であるペンタンやアンモニア等を加熱する点で異なる。地熱変換手段6により低沸点媒体を直接加熱するため、同システムを構成する設備の簡素化を図ることができる。
【0039】
本実施形態の既設地下空洞1を再利用したエネルギー供給システムは、図8及び図9に示すように、地熱変換手段6により低沸点媒体を気化し、当該気化した低沸点媒体により第1発電手段7の蒸気タービン7bを回転させ発電することを特徴とする。また、蒸気タービン7bを通過した低沸点媒体を冷却器7dにより冷却、液化し、液化した低沸点媒体を地熱変換手段6へ落下させる途中において、図10に示すように、第2発電手段8の発電用タービン8aを回転させ発電することを特徴とする。
【0040】
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に第1発電手段7は地上に設けられている。この第1発電手段7の蒸気タービン7bを通過した低沸点媒体は、冷却器7dによって冷却され液化される。この冷却器7dは、冷却水により低沸点媒体を冷却し、一方、冷却器7dを通過し温水となった冷却水は、地域暖房システム等により利用されることにより冷却された後、冷却器7dの冷却水として再利用される。冷却器7dにより冷却され液化された低沸点媒体は、縦坑2の内部を通る供給管6b内を落下し、第2発電手段8のタービン8aを回転させ、発電機8bにより発電を行う。
【0041】
本実施形態においては、上述したように、地熱変換手段6により低沸点媒体を直接加熱するため、設備の簡素化を図ることができ、また、第2発電手段8により液化した低沸点媒体の落下エネルギーをも利用できるという利点がある。
【0042】
なお、本実施形態においては、第1発電手段7と第2発電手段8を併用しているが、第1発電手段7のみでも、また、第2発電手段8のみでも、既設地下空洞1を再利用したエネルギー供給システムとして機能する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る実施形態の既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムを設ける既設地下空洞1の垂直断面図である。
【図2】図1に示す既設地下空洞1の横坑群4の水平断面図である。
【図3】本発明に係る第1実施形態の既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムを設けた状態を示す既設地下空洞1の垂直断面図である。
【図4】図1に示す既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムの地熱交換手段6の概念説明図である。
【図5】図1に示す既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムの発電手段7の概念説明図である。
【図6】本発明に係る第2実施形態の既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムを設けた状態を示す既設地下空洞1の垂直断面図である。
【図7】図6に示す既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムの発電手段7の概念説明図である。
【図8】本発明に係る第3実施形態の既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムを設けた状態を示す既設地下空洞1の垂直断面図である。
【図9】図8に示す既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムの第1発電手段7の概念説明図である。
【図10】図8に示す既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムの第2発電手段8の概念説明図である。
【図11】図1に示す既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムの地熱交換手段61の概念説明図である。
【図12】図1に示す既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システムの地熱交換手段62の概念説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1 既設地下空洞
2 縦坑
3 地表面
4、4a、4b、4c、4d、4e、4f 横坑群
6、61、62 地熱変換手段
6a 細管
61a 樹脂製同軸パイプ
62a 同軸パイプ
6b、61b、62b 供給管
6c、61c、62c 送出管
7 発電手段、第1発電手段
7a 熱交換器
7b 蒸気タービン
7c 発電機
7d 冷却器
8 第2発電手段
8a 発電用タービン
8b 発電機
A 岩盤層
B 石炭層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地表面から下方に向かって掘削し形成された縦坑と、
前記縦坑と連通すると共に水平方向に延在する複数の横坑群を有する既設地下空洞において、
前記横坑群の内の一つの横坑群に地熱変換手段を設け、
前記地熱変換手段により取得した熱エネルギーを利用することを特徴とする既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システム。
【請求項2】
前記地熱変換手段は熱媒体を使用する地熱変換手段であり、前記熱媒体によって低沸点媒体を気化し、発電手段のタービンを回転させることにより発電することを特徴とする請求項1記載の既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システム。
【請求項3】
前記発電手段を、前記地熱変換手段を設けた横坑群よりも浅い深度に位置する他の横坑群に設けたことを特徴とする請求項2記載の既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システム。
【請求項4】
前記発電手段のタービンを回転させた後、低沸点媒体を地下の湧水によって冷却することを特徴とする請求項3記載の既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システム。
【請求項5】
前記地熱変換手段は低沸点媒体を使用する地熱変換手段であり、地熱変換手段により気化した低沸点媒体により発電手段のタービンを回転させることにより発電することを特徴とする請求項1記載の既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システム。
【請求項6】
前記地熱変換手段により気化した低沸点媒体を、前記地熱変換手段を設けた横坑群よりも高い位置において冷却することにより液化し、液化した低沸点媒体を前記地熱変換手段へ落下させ、低沸点媒体の落下途中に液化した低沸点媒体によりタービンを回転させ発電することを特徴とする請求項1記載の既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システム。
【請求項7】
前記地熱変換手段は、同軸管から構成されている請求項1記載の既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システム。
【請求項8】
地表面から下方に向かって掘削し形成された縦坑と、
前記縦坑と連通すると共に水平方向に延在する複数の横坑群を有する既設地下空洞において、
前記縦坑または前記横坑群から地中へ植設した地熱変換手段を設け、
前記地熱変換手段により取得した熱エネルギーを利用することを特徴とする既設地下空洞を再利用したエネルギー供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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