既設管路の情報対応管構築方法及び既設管路の情報対応管構築構造
【課題】本発明は、本管に分岐管が分岐している既設管路において、通信ケーブルが入線可能な鞘管を具備していない本管を情報対応管に容易に変更することが可能である既設管路の情報対応管構築方法及び既設管路の情報対応管構築構造を提供することを目的とする。
【解決手段】通信ケーブルを入線するための空間部が形成された本体部と、本体部の長さ方向に沿って本体部に一体化して設けられ、高強度低伸度特性を有する糸を少なくとも前記長さ方向に使用したベルト状の布帛からなる高強度低伸度性材料体4と、を備えてなる鞘管1を、人孔9,10を介して既設管路に挿通し、高強度低伸度性材料体4を人孔9,10の内壁に張力を加えて固定して、鞘管1を既設管路の略上部に固定するもの。
【解決手段】通信ケーブルを入線するための空間部が形成された本体部と、本体部の長さ方向に沿って本体部に一体化して設けられ、高強度低伸度特性を有する糸を少なくとも前記長さ方向に使用したベルト状の布帛からなる高強度低伸度性材料体4と、を備えてなる鞘管1を、人孔9,10を介して既設管路に挿通し、高強度低伸度性材料体4を人孔9,10の内壁に張力を加えて固定して、鞘管1を既設管路の略上部に固定するもの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設管路を情報対応管に構築する方法及びその情報対応管の構築構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、高速・超高速通信のネットワークの構築が進められている中で、その媒体である通信ケーブルの敷設方法には、架空方式と地中埋設方式がある。地中埋設方式での通信ケーブルの敷設は、架空方式での敷設と比べ、空間環境(地上風景の美観等)を守り、地震や台風などの災害に強いといった特性を有している。特に地中管路のうち下水道管は、本管に接続している分岐管(取付管)が既に各家庭へと導かれており、且つ管内上部は空きスペースとなっており、各家庭へ通信ケーブルを引込むFTTH(Fiber To The Home)計画の重要なインフラとして注目を浴びている。
【0003】
このような下水道管の本管上部の空きスペースを有効利用するために、近年では、通信ケーブルが入線可能な鞘管を本管上部の内面に対してサドルなどの支持具により一定間隔で取り付けられた情報対応管を地中に埋設して、通信インフラとして使用している。
【0004】
また、通信ケーブルを入線するための鞘管を具備した情報対応管について、特開平11−311369号公報に開示されたものがある。このものは、下水道管の上部外周面に支持されるように、下水道管の外周面に沿って湾曲した支持板と、鞘管が内部を挿通するようにリング状をしており、下水道管に設けられた貫通孔を通って下水道管内の上部に突出するように、支持板内側に取付けられたブラケットとで構成された鞘管支持具をもちいて、下水道管の上部に管軸方向に適当な間隔で設けられた各貫通孔に、鞘管支持具のそれぞれのブラケットを各貫通孔から下水道管内に突出させると共に、それぞれの支持板によって各貫通孔を水密状態で覆うように取付けられ、下水道管路の管軸方向に沿って配置された鞘管が、各鞘管支持具のブラケット内をそれぞれ挿通して支持されるものである。このような構成により、下水道管内の上部に通信ケーブルが挿通される鞘管を小さな占有面積によって支持することができる。また、下水道管内の上部に鞘管が支持されるため、下水道管の下水の流下能力が低減される恐れがなく、予め下水道管に取り付けておくことによって、下水道管の配管現場における作業性が著しく向上する。
【0005】
【特許文献1】特開平11−311369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、情報対応管という概念が生まれる前は、通常の鞘管を有しない管を使用して下水道管等としていた。このため、前述のような情報対応管では、地中に埋設された下水道管の上部外周面に当たる表層部を掘り起こして下水道管の上部外周面から貫通孔を設けて鞘管支持具を取り付ける必要があった。また、通常の鞘管を有しない管を掘り起こして撤去し、鞘管を鞘管支持具やサドル等で取り付けられた情報対応管に取り替えるというような作業が必要であった。
【0007】
従って、通常の鞘管を有しない管を情報対応管に変更するには、非常に大掛かりな作業が伴うことになるので、通常の鞘管を有しない管に鞘管を容易に取り付けて情報対応管としたい要望が大きくなっていた。
【0008】
また、下水道管の本管に分岐されている分岐管を介して各家庭に通信ケーブルを敷設するには、敷設経路が複雑であり、さらに、分岐管は内径が小さく、本管から分岐管口を介して様々な角度で形成されていること等により、本管内に直線的に通信ケーブルを敷設する場合と比べて、技術的困難さを伴うため、実施されていないというのも実情である。なお、他にも、分岐管に通信ケーブルを敷設するに際しての技術的困難な点としては、ライフラインとして使用されている本来の機能が阻害されないように通信ケーブルを設置しなければならないことや、耐水性、耐薬品性、耐鼠性、即ち鼠によって齧られて断線するのに耐える性能、管路点検の為の高圧洗浄に対する耐高圧洗浄性等の機能を具備する必要がある点が挙げられる。
【0009】
このような状況を鑑みて、本発明は、本管に分岐管が分岐している既設管路において、通信ケーブルが入線可能な鞘管を具備していない本管を情報対応管に容易に変更することが可能である既設管路の情報対応管構築方法及び既設管路の情報対応管構築構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するための請求項1に記載の情報対応管構築方法は、通信ケーブルを入線するための空間部が形成された本体部と、前記本体部の長さ方向に沿って前記本体部に一体化して設けられ、高強度低伸度特性を有する糸を少なくとも前記長さ方向に使用したベルト状の布帛からなる高強度低伸度性材料体と、を備えてなる鞘管を、人孔を介して既設管路に挿通し、前記高強度低伸度性材料体を前記人孔の内壁に張力を加えて固定して、前記鞘管を既設管路の略上部に固定するものである。
【0011】
このような方法によると、既設管路の略上部に鞘管を容易に設置して情報対応管とすることができる。また、強度が高く伸びが低い材料である高強度低伸度性材料体を本体部の長さ方向に沿って一体化していることから、本体部が高強度低伸度特性を有する素材でなくても、伸びたり弛んだりすることがない。また、高強度低伸度性材料体に張力を加えて既設管路内の略上部に固定することで、容易に既設管路を情報対応管として使用することができる。また、本体部の素材が伸びやすい素材であっても、強度が高く伸びが低い材料である高強度低伸度性材料体を本体部の長さ方向に沿って一体化していることによって、補強効果を得ることができる。また、本体部と高強度低伸度性材料体とで一体化した鞘管を本管内に引き込み設置する際に、高強度低伸度性材料体は、本体部に対して捻れないため、正しく既設管路内に設置することができる。また、高強度低伸度特性を有する糸を少なくとも長さ方向に使用した布帛を高強度低伸度性材料体として使用することにより、製造時及び管内作業時に取り扱い易くまた損傷も起こりにくい。
前記課題を解決するための請求項2に記載の情報対応管構築方法は、請求項1において、径方向に貫通した前記高強度低伸度性材料体を通す孔部を有し、回転させることによって前記孔部に通された前記高強度低伸度性材料体を巻き込み、前記高強度低伸度性材料体を巻き込んだ後に一端部にストッパを取り付けることで回転不能となる巻回ドラムを含むテンション装置を用いて、前記鞘管を前記既設管路の略上部に固定するものである。
【0012】
前記課題を解決するための請求項3に記載の情報対応管構築方法は、請求項1又は2において、前記鞘管を前記既設管路の略上部に固定した後、前記鞘管の外面に嵌合可能な嵌合部と通信ケーブルが入線可能な1若しくはそれ以上の空間部とが形成されたガイド管を前記既設管路内に挿入し、前記嵌合部を前記鞘管の外面に嵌合して、前記ガイド管を前記既設管路内に設置すると共に、前記ガイド管の重量を前記高強度低伸度性材料体に負担させるものである。
【0013】
このような方法によると、高強度低伸度性材料体に張力を加えて既設管路の略上部に固定する際に、布帛であればテンション機構の構造が簡易なもので容易に巻き取ることが可能であり、鞘管に張力を加えることができる。また、鞘管に多様性のあるガイド管を嵌合させることが可能となり、現場に応じて分岐通信ケーブルの心数を入線できるガイド管を鞘管に嵌合させて、取り付けることができる。さらに、鞘管の外面に嵌合したガイド管内に分岐通信ケーブルを入線することで、各家庭とつながる情報対応管として利用可能となる。また、幹線ケーブル(通信ケーブル)の別室としてもガイド管を使用することができるので、後に通信ケーブルの増強を容易にできる。
【0014】
前記課題を解決するための請求項4に記載の情報対応管構築方法は、請求項3において、先端に呼び子が設けられ内部に分岐通信ケーブルまたは呼び線を挿通している分岐管用鞘管が前記ガイド管の外面に分岐具を介して取り付けられ、前記ガイド管を前記鞘管に嵌合して固定すると共に、分岐管桝から呼び子を取り出して、前記分岐管用鞘管を前記分岐管内に設置するものである。
【0015】
このような方法によると、分岐通信ケーブルが既設管路内で剥き出しになることがなく、既設管路の本管内では、ガイド管に、本管から分岐している分岐管内では、分岐管用鞘管で保護される。従って、管路点検時に使用する高圧洗浄や鼠に齧られることで断線することがない。
【0016】
前記課題を解決するための請求項5に記載の既設管路の情報対応管構築構造は、通信ケーブルを入線するための空間部が形成された本体部と、前記本体部の長さ方向に沿って前記本体部に一体化して設けられ、高強度低伸度特性を有する糸を少なくとも前記長さ方向に使用したベルト状の布帛からなる高強度低伸度性材料体と、を備えてなる鞘管が、前記高強度低伸度性材料体に既設管路の人孔に設置されたテンション装置により張力が加えられて既設管路内の略上部に固定され、前記鞘管に、前記人孔に設置される分岐接続ボックスにて前記鞘管の前記空間部に挿通される前記通信ケーブルから分岐される分岐通信ケーブルを挿通する1若しくはそれ以上の空間部を有するガイド管がその重量を前記高強度低伸度性材料体に負担させるように嵌合され、前記鞘管の空間部には前記通信ケーブルが入線され、前記ガイド管の空間部には前記分岐通信ケーブルが入線されているものである。
【0017】
このような構築構造によると、高強度低伸度性材料体を長さ方向に沿って一体化した鞘管を、高強度低伸度性材料体に張力を加えて既設管路内の略上部に設置し、鞘管外面に分岐管用鞘管を有するガイド管を嵌合して、鞘管の空間部に通信ケーブルを入線し、ガイド管の空間部に通信ケーブルから分岐した分岐通信ケーブルが入線している構造によって、各家庭とつながる情報対応管として利用可能となる。また、既設管路内に設置する鞘管、ガイド管等の重量を鞘管の本体部と一体化している高強度低伸度性材料体に負担させる構造なので、他の部材は強度的な補強を施す必要がない。
前記課題を解決するための請求項6に記載の既設管路の情報対応管構築構造は、請求項5において、前記ガイド管には、先端に呼び子が設けられ、内部に分岐通信ケーブルまたは呼び線を挿通している分岐管用鞘管が前記ガイド管の外面に分岐具を介して取り付けられているものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の形態例を図1ないし図12に基づいて以下に説明する。なお、以下の説明においては、管路として下水道管を想定しているが、本発明において管路は、必ずしも下水道管に限定されず、地中に埋設される管路であれば、例えば鋼管を用いたガス管路、鋳鉄管を用いた水道管路、雨水管路、電力ケーブル管路等、あらゆる管路に適用可能である。また、地中管路の区画にマンホールが設けられていない場合には、立坑を形成して本発明を実施することが可能である。
【0019】
まずは、図10をもちいて既設管路の構成について説明する。図10に示す、5は下水道管の本管であり、マンホール等の人孔9、10との間に配管されている。そしてその本管5の上部側から、分岐管口38において分岐管7が分岐し、当該分岐管7は各家庭8の分岐管7端部である分岐管桝43にまで接続されて既設管路が構成されている。
【0020】
一般に本管5は道路に沿って深さ数mの位置に敷設されており、本管5の斜め側上部に分岐管口38が形成され、分岐管7は分岐管口38から分岐管桝43に接続されている。
【0021】
次いで、情報対応管構築に用いる鞘管について説明する。図2は、本実施の形態例の鞘管の斜視図である。この鞘管1は、通信ケーブル6が入線可能な空間部2を有した円筒形状の本体部3と、本体部3の長さ方向に沿って本体部3内に一体化して設けられた高強度低伸度性材料体4とでなる。この鞘管1の本体部3の長さは、本管5の長さに略等しく、高強度低伸度性材料体4の長さは、本体部3の長さより長い構成となっている。
【0022】
また、図1(a)の鞘管の断面図が前述の鞘管1に該当しており、図1に示すように円筒形状の本体部3の肉厚内にベルト状の布帛からなる高強度低伸度性材料体4を埋設して一体化している。この埋設された高強度低伸度性材料体4は、糸又はロープ状の布帛も使用することができる。
【0023】
また、図1(b)乃至図1(h)には、鞘管の他の実施の形態例の断面図を示しており、図1(a)の鞘管1だけでなく後述する鞘管も同様にすべて適用可能である。図1(b)(c)に示す鞘管1b、1cは、通信ケーブル6が入線可能な空間部2b、2cを有した円筒形状の本体部3b、3cの外周面5b又は、内周面5cに高強度低伸度性材料体4b、4cが本体部3b、3cの長さ方向に沿って一体化している。この場合の高強度低伸度性材料体4b、4cは、ベルト状の布帛を使用することができる。また、高強度低伸度性材料体4b、4cを接着材等で本体部4b、4cに一体化することも可能である。
【0024】
図1(d)(e)に示す鞘管1d、1eは、通信ケーブル6が入線可能な空間部2d、2eを有した円筒形状の本体部3d、3eの外周に凸型の突起部5dや凹型の溝部5eからなる嵌合部が形成しており、本体部3d、3eの肉厚内に、高強度低伸度性材料体4d、4eを本体部3d、3eの長さ方向に沿って埋設して一体化している。この場合の高強度低伸度性材料体4d、4eは、糸又はロープ状の布帛を使用することができる。また、鞘管1d、1eの外周に嵌合部が設けられることによって、多様性のあるガイド管を鞘管1d、1eに嵌合させることが可能となり、現場に応じて分岐通信ケーブルの心数を入線できるガイド管を鞘管1d、1eに嵌合させて、取り付けることができる。
【0025】
図1(f)に示す鞘管1fは、中央部に仕切り板5fで区切られた通信ケーブル6が入線可能な空間部2fを有した四角筒形状の本体部3fで、各空間部2fの上部肉厚内に高強度低伸度性材料体4fを本体部3fの長さ方向に沿って埋設して一体化している。この場合の高強度低伸度性材料体4fは、糸又はベルトやロープ状の布帛を使用することができる。また、空間部2fが複数あるため多数の通信ケーブルを入線することができる。
【0026】
図1(g)に示す鞘管1gは、中心から内面に向かって仕切り板5gが形成され、通信ケーブル6が入線可能な空間部2gを有した円筒形状の本体部3gからなり、本体部3gの肉厚内に、高強度低伸度性材料体4gを長さ方向に沿って埋設して一体化している。この場合の高強度低伸度性材料体4gは、糸又はベルトやロープ状の布帛を使用することができる。この鞘管1gも前述した鞘管1fと同様に空間部2gが複数あるため多数の通信ケーブルを入線することができる。
【0027】
図1(h)に示す鞘管1hは、通信ケーブル6が入線可能な空間部2hを有した円筒形状の本体部3hからなり、本体部3hの肉厚の周方向に筒状の布帛からなる高強度低伸度性材料体4hを長さ方向に沿って埋設して一体化している。この場合の高強度低伸度性材料体4hは、筒状の布帛を使用しており、図1(h)に示すように本体部3hの周方向に埋設することによって、本体部3h全体が変形し難くなると共に本体部3hの強度が向上し、空間部2hに入線する通信ケーブル6を保護することができる。
【0028】
以上のように鞘管の断面形状は、種々の形状のものを適用することができ、通信ケーブル6が入線可能な空間を有する本体部と長さ方向に沿って高強度低伸度性材料体が一体化しておれば良く、特に限定するものではない。なお、前述した鞘管の本体部は、すべて設置される本管と略等しい長さである。
【0029】
前述した鞘管は、本体部と高強度低伸度性材料体が一体化しているので本体部の素材が低密度ポリエチレン等の伸びやすい素材であっても伸びて弛んだりすることがない。
【0030】
また、高強度低伸度性材料体には、金属製ワイヤやスーパー繊維と呼ばれる高強度低伸度性繊維を使用した糸、又はその糸を長さ方向に用いた布帛が適用できる。このスーパー繊維の一般的な定義としては、強度で2GPa以上、弾性率で50GPa以上の繊維を指す。その繊維の種類としては、ガラス繊維、パラ系アラミド繊維、炭素繊維、スチール繊維、超高強力ポリエチレン繊維、PBO(ポリ―p―フェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、ポリアリレート繊維等があり、いずれでも適用可能である。
【0031】
また、高強度低伸度性材料体に使用する糸が用途によって耐薬品性に乏しい場合には、高強度低伸度性材料体に耐食性の被膜で被覆してから鞘管の本体部と一体化することが好ましい。耐食性の被膜としては、通常は、ポリエチレン、ポリプロピレンが代表的だが、使用管種に適した耐薬品性を有する素材を適宜適用することができる。また、耐摩耗性、耐切創性に乏しい場合にも、同様にポリエチレン、ポリプロピレン等の耐食性被膜を形成することで、幅広い種類の中から一番費用対効果の大きい、高強度低伸度特性を有する糸を選定することが可能となる。
【0032】
また、布帛としては、織物、編物、組物又は、不織布からなるベルト状のものやロープ状のものなど種々の形態が使用可能だが、少なくとも高強度低伸度性繊維を使用した糸を本体部の長さ方向へ略直線的に配置し、その糸の高強度低伸度性の効果が発揮可能な構成とする。例えば、織物の場合では、緯糸に細い糸を使用して、経糸に使用している高強度低伸度性繊維の糸を極力ウェーブさせないようにし、組織上から生じる伸びを低減する措置を講じることがよい。
【0033】
以上の高強度低伸度性材料体は、鞘管の本体部に埋設するか又は接着することによって本体部と一体化することができる。また、本体部と高強度低伸度性材料体とで一体化した鞘管を本管内に引き込み設置する際に、高強度低伸度性材料体は、本体部に対して捻れないため、正しく本管5内に設置することができる。以下に説明する本実施の形態例には図1(a)に示す鞘管1の製造方法についての例を示すが特に限定するものではない。
【0034】
鞘管1の本体部3と一体化する高強度低伸度性材料体4に、ポリアリレート繊維のフィラメント群よりなる1500dを7本引き揃えて本撚りしたもの10本を経糸(本体部の長さ方向)に用いて、ポリエステル繊維のフィラメント群よりなる500dの1本に本撚りを137回/100mmしたものを緯糸に用いて、平織りからなる幅17mm、厚み1.8mmのベルト状の布帛をもちいた。この布帛をもちいることにより、製造時及び管内作業時に取り扱い易くまた損傷も起こりにくい。
【0035】
前述のポリアリレート繊維は、耐酸や耐水等の耐薬品性が良く、またクリープ特性も良いので、下水道管のような環境下に、常時荷重が作用する用途に最適である。また、耐摩耗性、耐切創性も良いことから、本管5から人孔9、10にかけて屈曲させてテンション機構に取り付ける際にも、傷つきにくく強度低下が生じにくい。
【0036】
次いで、鞘管1の本体部3には、密度0.919の低密度ポリエチレンを用いて鞘管1を製造した。この鞘管1の製造方法としては、本体部3のパイプ成形に使用する内リップにスリットを入れ、そのスリットから高強度低伸度性材料体4を引き出して内外リップ間に位置させ、押し出し成形によって、外径φ34mm、内径φ28mm(図1(a)を参照)の円筒形状の本体部3に高強度低伸度性材料体4が一体化した鞘管1を製造した。このようにして容易に、且つ安価な鞘管を製造することができる。
【0037】
以上、説明した鞘管のうち、鞘管1をもちいて既設管路を情報対応管とする構築構造について説明するが、特に限定するものではない。
【0038】
図10は、本実施の形態例に係る既設管路を情報対応管とする構築構造を示す図である。図10に示す既設管路の本管5(以下、「既設管路5」ともいう)の情報対応管構築構造は、通信ケーブル6が入線可能な空間部2を形成した本体部3と、本体部3の長さ方向に沿って本体部3に一体化して設けられた高強度低伸度性材料体4と、を備えてなる鞘管1を、図10に示すように人孔9、10を介して本管5に挿通し、高強度低伸度性材料体4を人孔9、10の内壁に設けられたテンション装置22によって、張力が加えられて本管5内の略上部に固定して構築される。なお、本管5は、マンホール等の人孔9、10などを介して接続されており、人孔9等には、接続分岐ボックス11が設置され、この接続分岐ボックス11で、本管5の略上部に設置した鞘管1内部に挿通された通信ケーブル6(以下、「幹通信ケーブル6」ともいう)同士が接続されている。
【0039】
このように、鞘管1の高強度低伸度性材料体4は、本体部3の長さより長いため、人孔9、10内に設けられたテンション装置22(後述する)内に高強度低伸度性材料体4を巻き込むことができ、さらに高強度低伸度性材料体4に張力を加えることができるため、本管5内の略上部に容易に固定することができる。また、鞘管自体に張力を加えて鞘管を既設管路内に設置する場合より、テンション機構や鞘管端部での構造が簡易にできる。
【0040】
次いで、鞘管1を本管5内の略上部に固定するためのテンション装置22について図3、図4(a)、(b)を用いて説明する。図3、図4(a)、(b)に示すように人孔9、10内の内壁にテンション装置22が設置されている。このテンション装置22は、鞘管1を本管5内の略上部に設置する位置にアンカーボルト29で固定されている。このテンション装置22には、高強度低伸度性材料体4を巻き込んで固定するための巻回ドラム24がブラケット28によって保持されている。この巻回ドラム24の両端部には、図4(b)に示すようにボルト32の先端部が接触しないように凹部33が形成されており、両端面にナット25が溶接により取り付けられている。また、一方のナット25には、ナット25に適合する貫通孔を有するストッパ30が嵌合してナット25を回転不能としており、ワッシャ31を介してボルト32でストッパ30を脱落不能としている。
【0041】
そして、人孔9で巻回ドラム24に高強度低伸度性材料体を巻き込む際、巻回ドラム24の一端部のナット25に取り付けられているボルト32とストッパ30を取り外して、図3に示すように巻回ドラム24の中心軸を通る孔部24aにベルト状の布帛からなる高強度低伸度性材料体4を通し、その高強度低伸度性材料体4の端部を巻回ドラム24に巻き込まれる高強度低伸度性材料体4の巻方向へ巻回ドラム24に沿って孔部24a入口付近まで折り返した後、高強度低伸度性材料体4を巻き込む方向に巻回ドラム4を回転させ、高強度低伸度性材料体4をテンション装置22内に巻き込み、鞘管1の端部を所定位置に位置するようにして、巻回ドラム24が回転しないように取り外したストッパ30をナット25に嵌合し、ボルト32を締めて固定する。
【0042】
そして、同様に他端の高強度低伸度性材料体4を人孔10内に設置されているテンション装置22内にセットし、巻回ドラム24に高強度低伸度性材料体4を巻き込み、巻回ドラム24を回転不能に固定することで高強度低伸度性材料体4に張力を加えた状態で本管5内の略上部に鞘管1を固定できる。
【0043】
また、図3、図4(a)に示すように鞘管1からテンション装置22までの高強度低伸度性材料体4の屈曲部には、受けローラ26がテンション装置22に付属されている。このように受けローラ26が付属されていることによって高強度低伸度性材料体4に張力が加えられた時に本管5の端部と擦れて切れることがなくなる。また、テンション装置22には、カバー27が取り付けられており、張力が加えられている状態の高強度低伸度性材料体4を保護することができる。
【0044】
このようにして、高強度低伸度性材料体4と本体部3が一体化した鞘管1を本管5に容易に取り付けることが可能となり、情報対応管が構築されて鞘管1内部に幹通信ケーブル6を挿通することができる。
【0045】
以上、既設管路の本管5内に鞘管1を設置して鞘管1内に幹通信ケーブル6を挿通した情報対応管の構築構造について説明したが、次に、本管5から分岐している分岐管7の端部に位置する分岐管桝43まで分岐通信ケーブル21を敷設し、既設管路全体を情報対応管とする構築構造について、以下に説明する。
【0046】
図11に示すような本管5に分岐管7が接続している既設管路において、本管5内の略上部に設置されている鞘管1に分岐管用鞘管37が設けられているガイド管12を嵌合させて、本管5に接続して各家庭8へと至っている分岐管7へ分岐管用鞘管37を設置し、分岐通信ケーブル21を分岐管7端部に位置する分岐管桝43まで敷設し、分岐管7も含めて既設管路全体を情報対応管として構築している。
【0047】
図5に示すガイド管12は、鞘管1に嵌合する前の状態を表しており、図5に示す形状が、特に本実施の形態例において好適であり、鞘管1に対するガイド管12の嵌合力を高めるためにガイド管12の嵌合部13を絞って成形している。ガイド管12はポリエチレン等の樹脂製が軽量かつ耐薬品性から好ましいが、その他の素材でも既設管路の種別によっては選定可能である。
【0048】
また、図5に示すガイド管12は、本管5内にさらに通信ケーブルを入線するために用いられるものである。ガイド管12は、鞘管1に沿う長手方向を有し、鞘管1の外面に嵌合するための嵌合部13と、主に分岐通信ケーブル21(一般でいう「引き込み線」を指す)を挿通するために内部に形成される空間部14とを長手方向に沿って有している。空間部14は、嵌合部13の周囲に形成され、仕切り板15によって複数の階層(14a、14b、・・・)を形成するよう上下に区画されており、この各階層(14a、14b、・・・)に分岐通信ケーブル21が入線される。なお、ガイド管12を後述するように本管5内に設置する際に予め分岐通信ケーブル21と入れ替えるための呼び線41を挿通しておくことが好ましい。
【0049】
図6は、本実施の形態例に係る鞘管にガイド管が嵌合した状態の説明図である。鞘管1は、本管5の略上部に設置されており、内部に幹通信ケーブル6が挿通されている。そして、鞘管1の外面に、ガイド管12が、嵌合部13をもって外嵌されている。ガイド管12はポリエチレン等の樹脂製であり、嵌合部13が一旦撓むように変形した後、速やかに弾性回復するため、鞘管1の外面に容易に外嵌することができる。また、既設管路内に設置する鞘管1、ガイド管12等の重量を鞘管1の本体部3と一体化している高強度低伸度性材料体4に負担させる構造なので、他の部材は強度的な補強を施す必要がない。
【0050】
前述したガイド管12に挿通される分岐通信ケーブル21は、人孔9等に設置される分岐接続ボックス11にて幹通信ケーブル6から分岐される通信ケーブルであり、後述するように各家庭8へと敷設される。この幹通信ケーブル6は、敷設が必要な家庭8の戸数等に応じて必要本数分だけ幹通信ケーブル6から分岐される。
【0051】
また、ガイド管12の空間部14の各階層の高さは、分岐通信ケーブル21の外径の2倍より小さくなるように区画されており、これにより、各階層に分岐通信ケーブル21を複数本挿通しても、分岐通信ケーブル21は隣り合う分岐通信ケーブル21を乗り越えることがなく、階層内の配置が換わることがないようになっている。したがって、分岐通信ケーブル21が絡まったり、各家庭への配線ミスが生じたりすることがない。
【0052】
以上、説明したガイド管12を鞘管1に嵌合して設置した後に、図8に示す中央部に凹部52を有する略C型固定部51からなる弛み防止材50を、図11に示すように本管5内に適宜間隔を取って複数配置することによって、ガイド管12が本管5の内径方向へ弛むことを補助的に防止できる。また、管路維持管理作業における高圧洗浄作業等の際にガイド管12が鞘管1から外れたりすることを防止することができる。この弛み防止材50の略C型固定部51は、その凹部52でガイド管12を収容しながら、本管5の内壁に固定されている。
【0053】
次いで、図7に示すように分岐管用鞘管37がガイド管12に分岐具39を介して取り付けられている。この分岐具39は、図7に示すようにガイド管12の外面に嵌合する結合部材39aによって保持固定されている。また、ガイド管12には、分岐具39が設けられる位置に、ガイド管12から分岐通信ケーブル21や呼び線41を取り出すための連通孔40が形成されている。また、ガイド管12に分岐具39が設けられる位置としては、本管5から分岐管7が接続している分岐管口38付近に設けられる。このような分岐具39に分岐管用鞘管37が図7に示すように取り付けられ、ガイド管12の空間部14に挿通された分岐通信ケーブル21または呼び線41をガイド管12から分岐具39を介して分岐管用鞘管37に挿通される。
【0054】
前述の分岐通信ケーブル21は、ステンレス管の中に4心の光ファイバーが通されており、外面がポリエチレンで被覆された太さが5mm前後のケーブルが本実施形態例において、好適に使用できる。又、呼び線41としては、分岐通信ケーブルの外径と略等しい外径を有するウレタン製のチューブ状物や紐状物からなるものが好適に使用できる。なお、分岐通信ケーブルには、4心型のもの以外に、2心型やその他の形式のものも使用可能である。
【0055】
また、分岐管用鞘管37は、ステンレス製やプラスチック製のフレキシブルパイプ等を使用することが可能であり、最終的に内部には分岐通信ケーブル21が挿通される。この分岐管用鞘管37によって分岐通信ケーブル21を外部から保護し、外傷や劣化等が生じることを防止すると共に、後述するように張力を加えて分岐通信ケーブル21を分岐管7内に設置する役目を果たす。この分岐管用鞘管37は、内部に挿通される分岐通信ケーブル21の最小曲げ半径(許容曲げ半径)未満まで屈曲しないように、分岐通信ケーブル21の許容曲げ半径以上の曲げ半径特性を有するものを使用される。分岐管用鞘管37の内部に入線されている分岐通信ケーブル21が、許容曲げ半径以下に極端に屈曲して破損してしまうことを防ぐためである。
【0056】
内部に分岐通信ケーブル21が入線された分岐管用鞘管37は、図11に示すように、分岐管7の上部側に沿って、分岐管7の端部の分岐管桝43まで配設されている。この分岐管桝43に分岐管用鞘管を挿通可能で、且つ緊締可能なテンション機構45が設けられ、このテンション機構45によって分岐管用鞘管に張力が付与されている。
【0057】
なお、分岐管7が湾曲部分を有していても、分岐管用鞘管37が、分岐管7の上部側に確実に固定されるようにするため、例えば、図9に示すような中央部に凹部57を有する略C型固定部56からなる固定部材55を使用することが望ましい。このような固定部材55等を用いることにより、張力を付与した分岐管用鞘管37は、分岐管7の上部側に確実に設置されることになる(図11参照)。このように、分岐管用鞘管37が、分岐管7の上部側に取り付けられることで、汚水等の流れを阻止してライフラインとしての機能を阻害したり、鼠に齧られて断線してしまったりすることを防止できる。
【0058】
なお、分岐通信ケーブル21は、上記のように分岐管用鞘管37が分岐管7の上部側に沿って配設されることで、ガイド管12から分岐管桝43まで敷設されることになる。分岐管桝43は、各家庭8に近在して開口しており、分岐管桝43まで案内された分岐通信ケーブル21は、地上へと引き出された後、各家庭8に設置された成端箱44へと引き込まれている。
【0059】
以上説明したように、分岐通信ケーブル21は、まず、ガイド管12内を敷設され、次いで、各家庭8に対応する分岐管桝43に至る分岐管7内を、それぞれ対応する分岐通信ケーブル21が、分岐管用鞘管37に保護されて敷設されている。
【0060】
この構造によると、情報対応管である本管5と本管5に接続した分岐管7とから構成されていた既設管路を全体として情報対応管として構築する構造が実現でき、且つ分岐通信ケーブル21を分岐管7内へ容易に敷設可能な構造が実現される。また、この構造によると、分岐通信ケーブル21は、分岐管用鞘管37内に挿通されて分岐管7内に設置されているため、分岐通信ケーブル21の敷設経路が複雑であっても、分岐管7を情報対応管として容易に構築でき、分岐管7の本管5への接続角度や、ライフラインとしての機能を阻害しないこと、耐水性、耐薬品性、耐鼠性、耐高圧洗浄性等の機能を具備することという要求も達成される。
【0061】
なお、分岐管用鞘管37の先端部には、図7に示すように呼び子と呼ばれる分岐管用鞘管37を本管5内から分岐管7の端部に位置する分岐管桝43より引張り出す部材42が設けられている。この呼び子42は、外径が分岐管7内径の80%程度の空洞球のようなものであるが、特に限定するものでなくリング状等の形状でも良く、引掛けたり、掴んだりできるものであれば良い。また、分岐管用鞘管37を直接引掛けることも可能である。
【0062】
また、ガイド管12内の複数の分岐通信ケーブル21が絡まないようにする為、分岐通信ケーブル21のガイド管12内での配置場所が、各家庭8へと延びる分岐管7の位置と関わりあって規則的な配置法則に従うことが望ましい。即ち、人孔9から本管5の内部に向かって(図11参照)、順次最外側に位置する分岐通信ケーブル21を取り出し可能なように、ガイド管12内に分岐通信ケーブル21を幅方向に並列するなどといった配置法則に従うのが好ましい。なお、分岐通信ケーブル21の換わりに呼び線41を挿通した場合についても同様に行うことが好ましい。
【0063】
つぎに、本発明に係る情報対応管の構築方法について、前述した情報対応管の構築構造と説明が重複する部分は適宜割愛しながら説明する。なお、以下の説明は、本発明に係る実施の形態例を示すものである。
【0064】
まず、分岐通信ケーブル21を敷設して情報対応管として構築したい既設管路の本管5内について、TVカメラ等を使用して、人孔9、10間の距離、人孔9から本管5内の各分岐管7の分岐管口38までの距離、分岐管7から分岐管桝43までの距離、分岐管桝43の深さ等を正確に測定する(図11参照)。
【0065】
以上のような既設管路の調査から得たデータを基に、鞘管1、ガイド管12の長さや、分岐具39の取り付け位置、分岐管用鞘管37の長さを決め、鞘管1以外のものを組立てておく。なお、組立ての際、ガイド管12に各分岐管口38に対応する位置に連通孔40を設け、分岐通信ケーブル21を該連通孔40から取り出すとともに、ガイド管12から分岐具39を介して分岐させた分岐管用鞘管37内を挿通させておく。このとき、分岐管用鞘管37の先端には、前述の呼び子42を設けておく。
【0066】
以上の準備作業によって用意された鞘管1と組立てられたガイド管12は、リールドラム等に巻き取られて施工現場に搬入される。なお、分岐管用鞘管37、呼び子42等を導入する場合は、本管5内を移動させるときに、本管5の内壁との摩擦で傷ついたり、既設管路の段差等に引っ掛かったりする恐れがある為、本管5内を移動可能な台車や簡易船の上に分岐管用鞘管37等を束ねた状態で載せて移動させ、後述の牽引策と同時に本管5内に引き込むことが好ましい。
【0067】
施工現場においては、まず人孔9、10間に牽引策を通線する。牽引策を人孔9、10間に通線する方法としては、ワイヤ等の剛直体を押し込む方法、パラシュート状の通線具を空気圧で吹き飛ばす方法、自走型管内移動車に接続しておく方法等既知の方法を適宜採用することができる。また、ここで、人孔9、10および分岐管桝43にテンション装置22、テンション機構45を取り付けておく(図11参照)。
【0068】
つぎに牽引策の一端と鞘管1の高強度低伸度性材料体4とを本管5の一端部、例えば人孔9で接続し、牽引策を他方の人孔10から引き取って、本管5内に鞘管1を設置する。また、鞘管1は高強度低伸度性材料体4と一体化しているので、高強度低伸度性材料体4に張力が加わるようにバックテンションをかけながら鞘管1を本管5内に引き込むことで、後述する捻れ防止具を使用せずに本管5内に正しく設置できる。
【0069】
次いで、鞘管1の本体部3と一体化されている高強度低伸度性材料体4の一端を人孔9の内壁に設置されたテンション装置22の巻回ドラム24で巻き取り固定し、鞘管1端部の位置を所定位置にあわせる。次に人孔10から先ほどと同様に高強度低伸度性材料体4の他端を人孔10の内壁に設置されたテンション装置22の巻回ドラム24で巻き取り、高強度低伸度性材料体4に張力を加えることで、鞘管1が本管5の略上部にて固定され、幹通信ケーブル6を鞘管1内に挿通する。このような方法で、既設管路の本管5を情報対応管として構築することができる。なお、後述するガイド管12を適用しない場合において、本管5の略上部に設置した鞘管1が弛むようであれば、図9に示すような固定部材55と同じような形状のものを使用して、鞘管1の弛んでいる箇所に嵌合して固定することもできる。
【0070】
引き続き、既設管路の本管5を情報対応管とした後、さらに分岐管7を含む既設管路全体を情報対応管とするための構築方法について以下に説明する。
【0071】
前述のように本管5内に通線された牽引策の一端とガイド管とを本管5の一端部、例えば人孔9で接続し、牽引策を他方の人孔10から引き取って、本管5内にガイド管12を設置する。この段階で、ガイド管12に設けた連通孔40の各々が、それぞれ対応する分岐管口38にほぼ一致した状態となる。ガイド管12を一方の人孔9から他方の人孔10に引き取るときには、ガイド管12が捻れる恐れがあるため、捻れ防止具を牽引策とガイド管12との間に介在させておいてもよい。捻れ防止具を用いた場合は、ガイド管12の全長を本管5内に配置した後に取り出す。
【0072】
次に、分岐管用鞘管37を分岐管7内に引き込む。この作業においては、まず、本管5内のガイド管12を前後に位置を微調整して分岐管用鞘管37の先端にある呼び子42を分岐管7の直下に位置させる。そして、分岐管桝43からアーム状の掴み治具等を挿入し、TVカメラで確認しながら、分岐管口38付近に位置する分岐管用鞘管37の一端に設けられている呼び子42を掴んで分岐管桝43から取り出す。あるいは、分岐管桝43から分岐管7と本管5とを介して本管5の一端部、例えば人孔9まで牽引策を通線しておき、分岐管用鞘管37と該牽引策とを継続して、該牽引策を分岐管桝43から引き上げることによって分岐管7内に分岐管用鞘管37を設置することも可能である。
【0073】
次いで、ガイド管12を鞘管1に嵌合させる。図12は、ガイド管12を鞘管1に嵌合させる本実施の形態例を示すものである。図12において、ガイド管12の一端を(図中左)を人孔9内から手で嵌合し、嵌合装置58を本管5内に導入する。嵌合装置58は、予め本管5内に通線しておいた引取線59を人孔10側から引き取っていくことにより、本管5内を移動する。そして、嵌合装置58に設けられた付勢手段60により、押圧部61がガイド管12を鞘管1に押圧し、移動しながら嵌合を行っていく。なお、嵌合装置58のようなものでなくても、ガイド管12を押圧しながら移動して鞘管1に嵌合可能なものであればどのようなものであってもよい。例えば、ガイド管12を鞘管1に押圧可能な外径を有する玉のようなものを移動させて嵌合を行ってもよい。
【0074】
続いて、分岐管桝43まで配設した分岐管用鞘管37に張力を加えた状態でテンション機構45に挿通、緊締することによって、分岐管用鞘管37を分岐管7の上部側に強固に固定する。
【0075】
なお、分岐管7の角度が変わる湾曲部分を有する場合、テンション機構45で張力を加えるだけでは分岐管7内の内壁上部に沿って分岐管用鞘管37を敷設することができない。この場合、固定部材55を分岐管7内の分岐管口38及び湾曲部分周辺に適宜設置することによって、湾曲部分を有する分岐管7であっても、分岐管用鞘管37を分岐管7の略上部に沿って設置することが可能となる。
【0076】
また、ガイド管12を本管5の内面上部に確実に固定するために、図8に示す弛み防止材50を本管5内の適宜間隔で設置することが望ましい(図11参照)。
【0077】
以上のようにして、本管5の略上部に設けられた鞘管1に分岐管用鞘管37が設けられているガイド管12を嵌合させ、ガイド管12内部に分岐通信ケーブル21を並列に配線すると共に、本管5に接続する各分岐管7内の略上部に設置された分岐管用鞘管37内に分岐通信ケーブル21を挿通することができ、且つ分岐管桝43まで分岐通信ケーブル21を敷設し、各家庭8へと導くことができる。
【0078】
なお、分岐通信ケーブル21の代わりに呼び線41を使用した場合は、最後にこの呼び線41と分岐通信ケーブル21とを入れ替えることで本発明に係る情報対応管の構築方法による施工が終了する。これにより、最終工程に至るまでは、ガイド管12の空間部14内および分岐管用鞘管37内には、呼び線41が入線されているため、ガイド管12の設置作業時に分岐通信ケーブル21が傷んでしまうことがなくなり、施工安定性を増すことができる。
【0079】
ちなみに、呼び線41と分岐通信ケーブル21とを入れ替える作業においては、まず、呼び線41の一端に分岐通信ケーブル21を接続する。この接続方法としては、突き合わせて金属リング等でかしめてもよいし、分岐通信ケーブル21の皮膜と、呼び線41の材質とがプラスチック製同士で、且つ、呼び線41がチューブ状ならば、呼び線41内部に分岐通信ケーブル21の先端を適当長さ挿入して重複部分を形成し、その重複部分を外面から熱圧着や誘電により圧着して、重複部分のプラスチックを溶かしながらつぶし、ほぼ段差の生じない形状とすることも可能である。呼び線41と分岐通信ケーブル21とを略同外径とすることによって、分岐通信ケーブル21を引き込む際に無理な引き込み力が段差部分等に作用して応力集中が生じ、分岐通信ケーブル21が断線してしまうことを防止することができる。なお、このような呼び線41と分岐通信ケーブル21の接続方法は、特に限定するものでなく他の呼び線を用いて他の方法によって接続した場合にも適用できる。
【0080】
以上のようにして、本管に接続した分岐管7を含む既設管路を情報対応管として構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明に係る情報対応管の構築部材である鞘管の断面図を示したものであり、(a)に本実施の形態例、(b)乃至(h)に他の実施の形態例を示したものである。
【図2】本実施の形態例の鞘管の斜視図である。
【図3】本実施の形態例に係るテンション装置の説明図である。
【図4】本実施の形態例に係るテンション装置を示し、(a)は図3におけるA−A線断面図であり、(b)は図4(a)におけるB部の概略拡大断面図である。
【図5】本実施の形態例に係るガイド管の概略断面図である。
【図6】本実施の形態例に係る鞘管にガイド管が嵌合した状態の説明図である。
【図7】本実施の形態例に係る分岐管用鞘管が設けられたガイド管の斜視図である。
【図8】本実施の形態例に係る情報対応管の構築構造乃至構築方法において使用される弛み防止材の斜視図である。
【図9】本実施の形態例に係る情報対応管の構築構造乃至構築方法において使用される固定部材の斜視図である。
【図10】本実施の形態例に係る既設管路を情報対応管とする構築構造を示す図である。
【図11】本実施の形態例に係る既設管路を情報対応管とする構築構造を示す図である。
【図12】本実施の形態例に係る情報対応管の構築方法の一工程を説明する図である。
【符号の説明】
【0082】
1 鞘管
2 空間部
3 本体部
4 高強度低伸度性材料体
5 本管
6 通信ケーブル(幹通信ケーブル)
7 分岐管
9、10 人孔
12 ガイド管
14 空間部
21 分岐通信ケーブル
37 分岐管用鞘管
43 分岐管桝
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設管路を情報対応管に構築する方法及びその情報対応管の構築構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、高速・超高速通信のネットワークの構築が進められている中で、その媒体である通信ケーブルの敷設方法には、架空方式と地中埋設方式がある。地中埋設方式での通信ケーブルの敷設は、架空方式での敷設と比べ、空間環境(地上風景の美観等)を守り、地震や台風などの災害に強いといった特性を有している。特に地中管路のうち下水道管は、本管に接続している分岐管(取付管)が既に各家庭へと導かれており、且つ管内上部は空きスペースとなっており、各家庭へ通信ケーブルを引込むFTTH(Fiber To The Home)計画の重要なインフラとして注目を浴びている。
【0003】
このような下水道管の本管上部の空きスペースを有効利用するために、近年では、通信ケーブルが入線可能な鞘管を本管上部の内面に対してサドルなどの支持具により一定間隔で取り付けられた情報対応管を地中に埋設して、通信インフラとして使用している。
【0004】
また、通信ケーブルを入線するための鞘管を具備した情報対応管について、特開平11−311369号公報に開示されたものがある。このものは、下水道管の上部外周面に支持されるように、下水道管の外周面に沿って湾曲した支持板と、鞘管が内部を挿通するようにリング状をしており、下水道管に設けられた貫通孔を通って下水道管内の上部に突出するように、支持板内側に取付けられたブラケットとで構成された鞘管支持具をもちいて、下水道管の上部に管軸方向に適当な間隔で設けられた各貫通孔に、鞘管支持具のそれぞれのブラケットを各貫通孔から下水道管内に突出させると共に、それぞれの支持板によって各貫通孔を水密状態で覆うように取付けられ、下水道管路の管軸方向に沿って配置された鞘管が、各鞘管支持具のブラケット内をそれぞれ挿通して支持されるものである。このような構成により、下水道管内の上部に通信ケーブルが挿通される鞘管を小さな占有面積によって支持することができる。また、下水道管内の上部に鞘管が支持されるため、下水道管の下水の流下能力が低減される恐れがなく、予め下水道管に取り付けておくことによって、下水道管の配管現場における作業性が著しく向上する。
【0005】
【特許文献1】特開平11−311369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、情報対応管という概念が生まれる前は、通常の鞘管を有しない管を使用して下水道管等としていた。このため、前述のような情報対応管では、地中に埋設された下水道管の上部外周面に当たる表層部を掘り起こして下水道管の上部外周面から貫通孔を設けて鞘管支持具を取り付ける必要があった。また、通常の鞘管を有しない管を掘り起こして撤去し、鞘管を鞘管支持具やサドル等で取り付けられた情報対応管に取り替えるというような作業が必要であった。
【0007】
従って、通常の鞘管を有しない管を情報対応管に変更するには、非常に大掛かりな作業が伴うことになるので、通常の鞘管を有しない管に鞘管を容易に取り付けて情報対応管としたい要望が大きくなっていた。
【0008】
また、下水道管の本管に分岐されている分岐管を介して各家庭に通信ケーブルを敷設するには、敷設経路が複雑であり、さらに、分岐管は内径が小さく、本管から分岐管口を介して様々な角度で形成されていること等により、本管内に直線的に通信ケーブルを敷設する場合と比べて、技術的困難さを伴うため、実施されていないというのも実情である。なお、他にも、分岐管に通信ケーブルを敷設するに際しての技術的困難な点としては、ライフラインとして使用されている本来の機能が阻害されないように通信ケーブルを設置しなければならないことや、耐水性、耐薬品性、耐鼠性、即ち鼠によって齧られて断線するのに耐える性能、管路点検の為の高圧洗浄に対する耐高圧洗浄性等の機能を具備する必要がある点が挙げられる。
【0009】
このような状況を鑑みて、本発明は、本管に分岐管が分岐している既設管路において、通信ケーブルが入線可能な鞘管を具備していない本管を情報対応管に容易に変更することが可能である既設管路の情報対応管構築方法及び既設管路の情報対応管構築構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するための請求項1に記載の情報対応管構築方法は、通信ケーブルを入線するための空間部が形成された本体部と、前記本体部の長さ方向に沿って前記本体部に一体化して設けられ、高強度低伸度特性を有する糸を少なくとも前記長さ方向に使用したベルト状の布帛からなる高強度低伸度性材料体と、を備えてなる鞘管を、人孔を介して既設管路に挿通し、前記高強度低伸度性材料体を前記人孔の内壁に張力を加えて固定して、前記鞘管を既設管路の略上部に固定するものである。
【0011】
このような方法によると、既設管路の略上部に鞘管を容易に設置して情報対応管とすることができる。また、強度が高く伸びが低い材料である高強度低伸度性材料体を本体部の長さ方向に沿って一体化していることから、本体部が高強度低伸度特性を有する素材でなくても、伸びたり弛んだりすることがない。また、高強度低伸度性材料体に張力を加えて既設管路内の略上部に固定することで、容易に既設管路を情報対応管として使用することができる。また、本体部の素材が伸びやすい素材であっても、強度が高く伸びが低い材料である高強度低伸度性材料体を本体部の長さ方向に沿って一体化していることによって、補強効果を得ることができる。また、本体部と高強度低伸度性材料体とで一体化した鞘管を本管内に引き込み設置する際に、高強度低伸度性材料体は、本体部に対して捻れないため、正しく既設管路内に設置することができる。また、高強度低伸度特性を有する糸を少なくとも長さ方向に使用した布帛を高強度低伸度性材料体として使用することにより、製造時及び管内作業時に取り扱い易くまた損傷も起こりにくい。
前記課題を解決するための請求項2に記載の情報対応管構築方法は、請求項1において、径方向に貫通した前記高強度低伸度性材料体を通す孔部を有し、回転させることによって前記孔部に通された前記高強度低伸度性材料体を巻き込み、前記高強度低伸度性材料体を巻き込んだ後に一端部にストッパを取り付けることで回転不能となる巻回ドラムを含むテンション装置を用いて、前記鞘管を前記既設管路の略上部に固定するものである。
【0012】
前記課題を解決するための請求項3に記載の情報対応管構築方法は、請求項1又は2において、前記鞘管を前記既設管路の略上部に固定した後、前記鞘管の外面に嵌合可能な嵌合部と通信ケーブルが入線可能な1若しくはそれ以上の空間部とが形成されたガイド管を前記既設管路内に挿入し、前記嵌合部を前記鞘管の外面に嵌合して、前記ガイド管を前記既設管路内に設置すると共に、前記ガイド管の重量を前記高強度低伸度性材料体に負担させるものである。
【0013】
このような方法によると、高強度低伸度性材料体に張力を加えて既設管路の略上部に固定する際に、布帛であればテンション機構の構造が簡易なもので容易に巻き取ることが可能であり、鞘管に張力を加えることができる。また、鞘管に多様性のあるガイド管を嵌合させることが可能となり、現場に応じて分岐通信ケーブルの心数を入線できるガイド管を鞘管に嵌合させて、取り付けることができる。さらに、鞘管の外面に嵌合したガイド管内に分岐通信ケーブルを入線することで、各家庭とつながる情報対応管として利用可能となる。また、幹線ケーブル(通信ケーブル)の別室としてもガイド管を使用することができるので、後に通信ケーブルの増強を容易にできる。
【0014】
前記課題を解決するための請求項4に記載の情報対応管構築方法は、請求項3において、先端に呼び子が設けられ内部に分岐通信ケーブルまたは呼び線を挿通している分岐管用鞘管が前記ガイド管の外面に分岐具を介して取り付けられ、前記ガイド管を前記鞘管に嵌合して固定すると共に、分岐管桝から呼び子を取り出して、前記分岐管用鞘管を前記分岐管内に設置するものである。
【0015】
このような方法によると、分岐通信ケーブルが既設管路内で剥き出しになることがなく、既設管路の本管内では、ガイド管に、本管から分岐している分岐管内では、分岐管用鞘管で保護される。従って、管路点検時に使用する高圧洗浄や鼠に齧られることで断線することがない。
【0016】
前記課題を解決するための請求項5に記載の既設管路の情報対応管構築構造は、通信ケーブルを入線するための空間部が形成された本体部と、前記本体部の長さ方向に沿って前記本体部に一体化して設けられ、高強度低伸度特性を有する糸を少なくとも前記長さ方向に使用したベルト状の布帛からなる高強度低伸度性材料体と、を備えてなる鞘管が、前記高強度低伸度性材料体に既設管路の人孔に設置されたテンション装置により張力が加えられて既設管路内の略上部に固定され、前記鞘管に、前記人孔に設置される分岐接続ボックスにて前記鞘管の前記空間部に挿通される前記通信ケーブルから分岐される分岐通信ケーブルを挿通する1若しくはそれ以上の空間部を有するガイド管がその重量を前記高強度低伸度性材料体に負担させるように嵌合され、前記鞘管の空間部には前記通信ケーブルが入線され、前記ガイド管の空間部には前記分岐通信ケーブルが入線されているものである。
【0017】
このような構築構造によると、高強度低伸度性材料体を長さ方向に沿って一体化した鞘管を、高強度低伸度性材料体に張力を加えて既設管路内の略上部に設置し、鞘管外面に分岐管用鞘管を有するガイド管を嵌合して、鞘管の空間部に通信ケーブルを入線し、ガイド管の空間部に通信ケーブルから分岐した分岐通信ケーブルが入線している構造によって、各家庭とつながる情報対応管として利用可能となる。また、既設管路内に設置する鞘管、ガイド管等の重量を鞘管の本体部と一体化している高強度低伸度性材料体に負担させる構造なので、他の部材は強度的な補強を施す必要がない。
前記課題を解決するための請求項6に記載の既設管路の情報対応管構築構造は、請求項5において、前記ガイド管には、先端に呼び子が設けられ、内部に分岐通信ケーブルまたは呼び線を挿通している分岐管用鞘管が前記ガイド管の外面に分岐具を介して取り付けられているものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の形態例を図1ないし図12に基づいて以下に説明する。なお、以下の説明においては、管路として下水道管を想定しているが、本発明において管路は、必ずしも下水道管に限定されず、地中に埋設される管路であれば、例えば鋼管を用いたガス管路、鋳鉄管を用いた水道管路、雨水管路、電力ケーブル管路等、あらゆる管路に適用可能である。また、地中管路の区画にマンホールが設けられていない場合には、立坑を形成して本発明を実施することが可能である。
【0019】
まずは、図10をもちいて既設管路の構成について説明する。図10に示す、5は下水道管の本管であり、マンホール等の人孔9、10との間に配管されている。そしてその本管5の上部側から、分岐管口38において分岐管7が分岐し、当該分岐管7は各家庭8の分岐管7端部である分岐管桝43にまで接続されて既設管路が構成されている。
【0020】
一般に本管5は道路に沿って深さ数mの位置に敷設されており、本管5の斜め側上部に分岐管口38が形成され、分岐管7は分岐管口38から分岐管桝43に接続されている。
【0021】
次いで、情報対応管構築に用いる鞘管について説明する。図2は、本実施の形態例の鞘管の斜視図である。この鞘管1は、通信ケーブル6が入線可能な空間部2を有した円筒形状の本体部3と、本体部3の長さ方向に沿って本体部3内に一体化して設けられた高強度低伸度性材料体4とでなる。この鞘管1の本体部3の長さは、本管5の長さに略等しく、高強度低伸度性材料体4の長さは、本体部3の長さより長い構成となっている。
【0022】
また、図1(a)の鞘管の断面図が前述の鞘管1に該当しており、図1に示すように円筒形状の本体部3の肉厚内にベルト状の布帛からなる高強度低伸度性材料体4を埋設して一体化している。この埋設された高強度低伸度性材料体4は、糸又はロープ状の布帛も使用することができる。
【0023】
また、図1(b)乃至図1(h)には、鞘管の他の実施の形態例の断面図を示しており、図1(a)の鞘管1だけでなく後述する鞘管も同様にすべて適用可能である。図1(b)(c)に示す鞘管1b、1cは、通信ケーブル6が入線可能な空間部2b、2cを有した円筒形状の本体部3b、3cの外周面5b又は、内周面5cに高強度低伸度性材料体4b、4cが本体部3b、3cの長さ方向に沿って一体化している。この場合の高強度低伸度性材料体4b、4cは、ベルト状の布帛を使用することができる。また、高強度低伸度性材料体4b、4cを接着材等で本体部4b、4cに一体化することも可能である。
【0024】
図1(d)(e)に示す鞘管1d、1eは、通信ケーブル6が入線可能な空間部2d、2eを有した円筒形状の本体部3d、3eの外周に凸型の突起部5dや凹型の溝部5eからなる嵌合部が形成しており、本体部3d、3eの肉厚内に、高強度低伸度性材料体4d、4eを本体部3d、3eの長さ方向に沿って埋設して一体化している。この場合の高強度低伸度性材料体4d、4eは、糸又はロープ状の布帛を使用することができる。また、鞘管1d、1eの外周に嵌合部が設けられることによって、多様性のあるガイド管を鞘管1d、1eに嵌合させることが可能となり、現場に応じて分岐通信ケーブルの心数を入線できるガイド管を鞘管1d、1eに嵌合させて、取り付けることができる。
【0025】
図1(f)に示す鞘管1fは、中央部に仕切り板5fで区切られた通信ケーブル6が入線可能な空間部2fを有した四角筒形状の本体部3fで、各空間部2fの上部肉厚内に高強度低伸度性材料体4fを本体部3fの長さ方向に沿って埋設して一体化している。この場合の高強度低伸度性材料体4fは、糸又はベルトやロープ状の布帛を使用することができる。また、空間部2fが複数あるため多数の通信ケーブルを入線することができる。
【0026】
図1(g)に示す鞘管1gは、中心から内面に向かって仕切り板5gが形成され、通信ケーブル6が入線可能な空間部2gを有した円筒形状の本体部3gからなり、本体部3gの肉厚内に、高強度低伸度性材料体4gを長さ方向に沿って埋設して一体化している。この場合の高強度低伸度性材料体4gは、糸又はベルトやロープ状の布帛を使用することができる。この鞘管1gも前述した鞘管1fと同様に空間部2gが複数あるため多数の通信ケーブルを入線することができる。
【0027】
図1(h)に示す鞘管1hは、通信ケーブル6が入線可能な空間部2hを有した円筒形状の本体部3hからなり、本体部3hの肉厚の周方向に筒状の布帛からなる高強度低伸度性材料体4hを長さ方向に沿って埋設して一体化している。この場合の高強度低伸度性材料体4hは、筒状の布帛を使用しており、図1(h)に示すように本体部3hの周方向に埋設することによって、本体部3h全体が変形し難くなると共に本体部3hの強度が向上し、空間部2hに入線する通信ケーブル6を保護することができる。
【0028】
以上のように鞘管の断面形状は、種々の形状のものを適用することができ、通信ケーブル6が入線可能な空間を有する本体部と長さ方向に沿って高強度低伸度性材料体が一体化しておれば良く、特に限定するものではない。なお、前述した鞘管の本体部は、すべて設置される本管と略等しい長さである。
【0029】
前述した鞘管は、本体部と高強度低伸度性材料体が一体化しているので本体部の素材が低密度ポリエチレン等の伸びやすい素材であっても伸びて弛んだりすることがない。
【0030】
また、高強度低伸度性材料体には、金属製ワイヤやスーパー繊維と呼ばれる高強度低伸度性繊維を使用した糸、又はその糸を長さ方向に用いた布帛が適用できる。このスーパー繊維の一般的な定義としては、強度で2GPa以上、弾性率で50GPa以上の繊維を指す。その繊維の種類としては、ガラス繊維、パラ系アラミド繊維、炭素繊維、スチール繊維、超高強力ポリエチレン繊維、PBO(ポリ―p―フェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、ポリアリレート繊維等があり、いずれでも適用可能である。
【0031】
また、高強度低伸度性材料体に使用する糸が用途によって耐薬品性に乏しい場合には、高強度低伸度性材料体に耐食性の被膜で被覆してから鞘管の本体部と一体化することが好ましい。耐食性の被膜としては、通常は、ポリエチレン、ポリプロピレンが代表的だが、使用管種に適した耐薬品性を有する素材を適宜適用することができる。また、耐摩耗性、耐切創性に乏しい場合にも、同様にポリエチレン、ポリプロピレン等の耐食性被膜を形成することで、幅広い種類の中から一番費用対効果の大きい、高強度低伸度特性を有する糸を選定することが可能となる。
【0032】
また、布帛としては、織物、編物、組物又は、不織布からなるベルト状のものやロープ状のものなど種々の形態が使用可能だが、少なくとも高強度低伸度性繊維を使用した糸を本体部の長さ方向へ略直線的に配置し、その糸の高強度低伸度性の効果が発揮可能な構成とする。例えば、織物の場合では、緯糸に細い糸を使用して、経糸に使用している高強度低伸度性繊維の糸を極力ウェーブさせないようにし、組織上から生じる伸びを低減する措置を講じることがよい。
【0033】
以上の高強度低伸度性材料体は、鞘管の本体部に埋設するか又は接着することによって本体部と一体化することができる。また、本体部と高強度低伸度性材料体とで一体化した鞘管を本管内に引き込み設置する際に、高強度低伸度性材料体は、本体部に対して捻れないため、正しく本管5内に設置することができる。以下に説明する本実施の形態例には図1(a)に示す鞘管1の製造方法についての例を示すが特に限定するものではない。
【0034】
鞘管1の本体部3と一体化する高強度低伸度性材料体4に、ポリアリレート繊維のフィラメント群よりなる1500dを7本引き揃えて本撚りしたもの10本を経糸(本体部の長さ方向)に用いて、ポリエステル繊維のフィラメント群よりなる500dの1本に本撚りを137回/100mmしたものを緯糸に用いて、平織りからなる幅17mm、厚み1.8mmのベルト状の布帛をもちいた。この布帛をもちいることにより、製造時及び管内作業時に取り扱い易くまた損傷も起こりにくい。
【0035】
前述のポリアリレート繊維は、耐酸や耐水等の耐薬品性が良く、またクリープ特性も良いので、下水道管のような環境下に、常時荷重が作用する用途に最適である。また、耐摩耗性、耐切創性も良いことから、本管5から人孔9、10にかけて屈曲させてテンション機構に取り付ける際にも、傷つきにくく強度低下が生じにくい。
【0036】
次いで、鞘管1の本体部3には、密度0.919の低密度ポリエチレンを用いて鞘管1を製造した。この鞘管1の製造方法としては、本体部3のパイプ成形に使用する内リップにスリットを入れ、そのスリットから高強度低伸度性材料体4を引き出して内外リップ間に位置させ、押し出し成形によって、外径φ34mm、内径φ28mm(図1(a)を参照)の円筒形状の本体部3に高強度低伸度性材料体4が一体化した鞘管1を製造した。このようにして容易に、且つ安価な鞘管を製造することができる。
【0037】
以上、説明した鞘管のうち、鞘管1をもちいて既設管路を情報対応管とする構築構造について説明するが、特に限定するものではない。
【0038】
図10は、本実施の形態例に係る既設管路を情報対応管とする構築構造を示す図である。図10に示す既設管路の本管5(以下、「既設管路5」ともいう)の情報対応管構築構造は、通信ケーブル6が入線可能な空間部2を形成した本体部3と、本体部3の長さ方向に沿って本体部3に一体化して設けられた高強度低伸度性材料体4と、を備えてなる鞘管1を、図10に示すように人孔9、10を介して本管5に挿通し、高強度低伸度性材料体4を人孔9、10の内壁に設けられたテンション装置22によって、張力が加えられて本管5内の略上部に固定して構築される。なお、本管5は、マンホール等の人孔9、10などを介して接続されており、人孔9等には、接続分岐ボックス11が設置され、この接続分岐ボックス11で、本管5の略上部に設置した鞘管1内部に挿通された通信ケーブル6(以下、「幹通信ケーブル6」ともいう)同士が接続されている。
【0039】
このように、鞘管1の高強度低伸度性材料体4は、本体部3の長さより長いため、人孔9、10内に設けられたテンション装置22(後述する)内に高強度低伸度性材料体4を巻き込むことができ、さらに高強度低伸度性材料体4に張力を加えることができるため、本管5内の略上部に容易に固定することができる。また、鞘管自体に張力を加えて鞘管を既設管路内に設置する場合より、テンション機構や鞘管端部での構造が簡易にできる。
【0040】
次いで、鞘管1を本管5内の略上部に固定するためのテンション装置22について図3、図4(a)、(b)を用いて説明する。図3、図4(a)、(b)に示すように人孔9、10内の内壁にテンション装置22が設置されている。このテンション装置22は、鞘管1を本管5内の略上部に設置する位置にアンカーボルト29で固定されている。このテンション装置22には、高強度低伸度性材料体4を巻き込んで固定するための巻回ドラム24がブラケット28によって保持されている。この巻回ドラム24の両端部には、図4(b)に示すようにボルト32の先端部が接触しないように凹部33が形成されており、両端面にナット25が溶接により取り付けられている。また、一方のナット25には、ナット25に適合する貫通孔を有するストッパ30が嵌合してナット25を回転不能としており、ワッシャ31を介してボルト32でストッパ30を脱落不能としている。
【0041】
そして、人孔9で巻回ドラム24に高強度低伸度性材料体を巻き込む際、巻回ドラム24の一端部のナット25に取り付けられているボルト32とストッパ30を取り外して、図3に示すように巻回ドラム24の中心軸を通る孔部24aにベルト状の布帛からなる高強度低伸度性材料体4を通し、その高強度低伸度性材料体4の端部を巻回ドラム24に巻き込まれる高強度低伸度性材料体4の巻方向へ巻回ドラム24に沿って孔部24a入口付近まで折り返した後、高強度低伸度性材料体4を巻き込む方向に巻回ドラム4を回転させ、高強度低伸度性材料体4をテンション装置22内に巻き込み、鞘管1の端部を所定位置に位置するようにして、巻回ドラム24が回転しないように取り外したストッパ30をナット25に嵌合し、ボルト32を締めて固定する。
【0042】
そして、同様に他端の高強度低伸度性材料体4を人孔10内に設置されているテンション装置22内にセットし、巻回ドラム24に高強度低伸度性材料体4を巻き込み、巻回ドラム24を回転不能に固定することで高強度低伸度性材料体4に張力を加えた状態で本管5内の略上部に鞘管1を固定できる。
【0043】
また、図3、図4(a)に示すように鞘管1からテンション装置22までの高強度低伸度性材料体4の屈曲部には、受けローラ26がテンション装置22に付属されている。このように受けローラ26が付属されていることによって高強度低伸度性材料体4に張力が加えられた時に本管5の端部と擦れて切れることがなくなる。また、テンション装置22には、カバー27が取り付けられており、張力が加えられている状態の高強度低伸度性材料体4を保護することができる。
【0044】
このようにして、高強度低伸度性材料体4と本体部3が一体化した鞘管1を本管5に容易に取り付けることが可能となり、情報対応管が構築されて鞘管1内部に幹通信ケーブル6を挿通することができる。
【0045】
以上、既設管路の本管5内に鞘管1を設置して鞘管1内に幹通信ケーブル6を挿通した情報対応管の構築構造について説明したが、次に、本管5から分岐している分岐管7の端部に位置する分岐管桝43まで分岐通信ケーブル21を敷設し、既設管路全体を情報対応管とする構築構造について、以下に説明する。
【0046】
図11に示すような本管5に分岐管7が接続している既設管路において、本管5内の略上部に設置されている鞘管1に分岐管用鞘管37が設けられているガイド管12を嵌合させて、本管5に接続して各家庭8へと至っている分岐管7へ分岐管用鞘管37を設置し、分岐通信ケーブル21を分岐管7端部に位置する分岐管桝43まで敷設し、分岐管7も含めて既設管路全体を情報対応管として構築している。
【0047】
図5に示すガイド管12は、鞘管1に嵌合する前の状態を表しており、図5に示す形状が、特に本実施の形態例において好適であり、鞘管1に対するガイド管12の嵌合力を高めるためにガイド管12の嵌合部13を絞って成形している。ガイド管12はポリエチレン等の樹脂製が軽量かつ耐薬品性から好ましいが、その他の素材でも既設管路の種別によっては選定可能である。
【0048】
また、図5に示すガイド管12は、本管5内にさらに通信ケーブルを入線するために用いられるものである。ガイド管12は、鞘管1に沿う長手方向を有し、鞘管1の外面に嵌合するための嵌合部13と、主に分岐通信ケーブル21(一般でいう「引き込み線」を指す)を挿通するために内部に形成される空間部14とを長手方向に沿って有している。空間部14は、嵌合部13の周囲に形成され、仕切り板15によって複数の階層(14a、14b、・・・)を形成するよう上下に区画されており、この各階層(14a、14b、・・・)に分岐通信ケーブル21が入線される。なお、ガイド管12を後述するように本管5内に設置する際に予め分岐通信ケーブル21と入れ替えるための呼び線41を挿通しておくことが好ましい。
【0049】
図6は、本実施の形態例に係る鞘管にガイド管が嵌合した状態の説明図である。鞘管1は、本管5の略上部に設置されており、内部に幹通信ケーブル6が挿通されている。そして、鞘管1の外面に、ガイド管12が、嵌合部13をもって外嵌されている。ガイド管12はポリエチレン等の樹脂製であり、嵌合部13が一旦撓むように変形した後、速やかに弾性回復するため、鞘管1の外面に容易に外嵌することができる。また、既設管路内に設置する鞘管1、ガイド管12等の重量を鞘管1の本体部3と一体化している高強度低伸度性材料体4に負担させる構造なので、他の部材は強度的な補強を施す必要がない。
【0050】
前述したガイド管12に挿通される分岐通信ケーブル21は、人孔9等に設置される分岐接続ボックス11にて幹通信ケーブル6から分岐される通信ケーブルであり、後述するように各家庭8へと敷設される。この幹通信ケーブル6は、敷設が必要な家庭8の戸数等に応じて必要本数分だけ幹通信ケーブル6から分岐される。
【0051】
また、ガイド管12の空間部14の各階層の高さは、分岐通信ケーブル21の外径の2倍より小さくなるように区画されており、これにより、各階層に分岐通信ケーブル21を複数本挿通しても、分岐通信ケーブル21は隣り合う分岐通信ケーブル21を乗り越えることがなく、階層内の配置が換わることがないようになっている。したがって、分岐通信ケーブル21が絡まったり、各家庭への配線ミスが生じたりすることがない。
【0052】
以上、説明したガイド管12を鞘管1に嵌合して設置した後に、図8に示す中央部に凹部52を有する略C型固定部51からなる弛み防止材50を、図11に示すように本管5内に適宜間隔を取って複数配置することによって、ガイド管12が本管5の内径方向へ弛むことを補助的に防止できる。また、管路維持管理作業における高圧洗浄作業等の際にガイド管12が鞘管1から外れたりすることを防止することができる。この弛み防止材50の略C型固定部51は、その凹部52でガイド管12を収容しながら、本管5の内壁に固定されている。
【0053】
次いで、図7に示すように分岐管用鞘管37がガイド管12に分岐具39を介して取り付けられている。この分岐具39は、図7に示すようにガイド管12の外面に嵌合する結合部材39aによって保持固定されている。また、ガイド管12には、分岐具39が設けられる位置に、ガイド管12から分岐通信ケーブル21や呼び線41を取り出すための連通孔40が形成されている。また、ガイド管12に分岐具39が設けられる位置としては、本管5から分岐管7が接続している分岐管口38付近に設けられる。このような分岐具39に分岐管用鞘管37が図7に示すように取り付けられ、ガイド管12の空間部14に挿通された分岐通信ケーブル21または呼び線41をガイド管12から分岐具39を介して分岐管用鞘管37に挿通される。
【0054】
前述の分岐通信ケーブル21は、ステンレス管の中に4心の光ファイバーが通されており、外面がポリエチレンで被覆された太さが5mm前後のケーブルが本実施形態例において、好適に使用できる。又、呼び線41としては、分岐通信ケーブルの外径と略等しい外径を有するウレタン製のチューブ状物や紐状物からなるものが好適に使用できる。なお、分岐通信ケーブルには、4心型のもの以外に、2心型やその他の形式のものも使用可能である。
【0055】
また、分岐管用鞘管37は、ステンレス製やプラスチック製のフレキシブルパイプ等を使用することが可能であり、最終的に内部には分岐通信ケーブル21が挿通される。この分岐管用鞘管37によって分岐通信ケーブル21を外部から保護し、外傷や劣化等が生じることを防止すると共に、後述するように張力を加えて分岐通信ケーブル21を分岐管7内に設置する役目を果たす。この分岐管用鞘管37は、内部に挿通される分岐通信ケーブル21の最小曲げ半径(許容曲げ半径)未満まで屈曲しないように、分岐通信ケーブル21の許容曲げ半径以上の曲げ半径特性を有するものを使用される。分岐管用鞘管37の内部に入線されている分岐通信ケーブル21が、許容曲げ半径以下に極端に屈曲して破損してしまうことを防ぐためである。
【0056】
内部に分岐通信ケーブル21が入線された分岐管用鞘管37は、図11に示すように、分岐管7の上部側に沿って、分岐管7の端部の分岐管桝43まで配設されている。この分岐管桝43に分岐管用鞘管を挿通可能で、且つ緊締可能なテンション機構45が設けられ、このテンション機構45によって分岐管用鞘管に張力が付与されている。
【0057】
なお、分岐管7が湾曲部分を有していても、分岐管用鞘管37が、分岐管7の上部側に確実に固定されるようにするため、例えば、図9に示すような中央部に凹部57を有する略C型固定部56からなる固定部材55を使用することが望ましい。このような固定部材55等を用いることにより、張力を付与した分岐管用鞘管37は、分岐管7の上部側に確実に設置されることになる(図11参照)。このように、分岐管用鞘管37が、分岐管7の上部側に取り付けられることで、汚水等の流れを阻止してライフラインとしての機能を阻害したり、鼠に齧られて断線してしまったりすることを防止できる。
【0058】
なお、分岐通信ケーブル21は、上記のように分岐管用鞘管37が分岐管7の上部側に沿って配設されることで、ガイド管12から分岐管桝43まで敷設されることになる。分岐管桝43は、各家庭8に近在して開口しており、分岐管桝43まで案内された分岐通信ケーブル21は、地上へと引き出された後、各家庭8に設置された成端箱44へと引き込まれている。
【0059】
以上説明したように、分岐通信ケーブル21は、まず、ガイド管12内を敷設され、次いで、各家庭8に対応する分岐管桝43に至る分岐管7内を、それぞれ対応する分岐通信ケーブル21が、分岐管用鞘管37に保護されて敷設されている。
【0060】
この構造によると、情報対応管である本管5と本管5に接続した分岐管7とから構成されていた既設管路を全体として情報対応管として構築する構造が実現でき、且つ分岐通信ケーブル21を分岐管7内へ容易に敷設可能な構造が実現される。また、この構造によると、分岐通信ケーブル21は、分岐管用鞘管37内に挿通されて分岐管7内に設置されているため、分岐通信ケーブル21の敷設経路が複雑であっても、分岐管7を情報対応管として容易に構築でき、分岐管7の本管5への接続角度や、ライフラインとしての機能を阻害しないこと、耐水性、耐薬品性、耐鼠性、耐高圧洗浄性等の機能を具備することという要求も達成される。
【0061】
なお、分岐管用鞘管37の先端部には、図7に示すように呼び子と呼ばれる分岐管用鞘管37を本管5内から分岐管7の端部に位置する分岐管桝43より引張り出す部材42が設けられている。この呼び子42は、外径が分岐管7内径の80%程度の空洞球のようなものであるが、特に限定するものでなくリング状等の形状でも良く、引掛けたり、掴んだりできるものであれば良い。また、分岐管用鞘管37を直接引掛けることも可能である。
【0062】
また、ガイド管12内の複数の分岐通信ケーブル21が絡まないようにする為、分岐通信ケーブル21のガイド管12内での配置場所が、各家庭8へと延びる分岐管7の位置と関わりあって規則的な配置法則に従うことが望ましい。即ち、人孔9から本管5の内部に向かって(図11参照)、順次最外側に位置する分岐通信ケーブル21を取り出し可能なように、ガイド管12内に分岐通信ケーブル21を幅方向に並列するなどといった配置法則に従うのが好ましい。なお、分岐通信ケーブル21の換わりに呼び線41を挿通した場合についても同様に行うことが好ましい。
【0063】
つぎに、本発明に係る情報対応管の構築方法について、前述した情報対応管の構築構造と説明が重複する部分は適宜割愛しながら説明する。なお、以下の説明は、本発明に係る実施の形態例を示すものである。
【0064】
まず、分岐通信ケーブル21を敷設して情報対応管として構築したい既設管路の本管5内について、TVカメラ等を使用して、人孔9、10間の距離、人孔9から本管5内の各分岐管7の分岐管口38までの距離、分岐管7から分岐管桝43までの距離、分岐管桝43の深さ等を正確に測定する(図11参照)。
【0065】
以上のような既設管路の調査から得たデータを基に、鞘管1、ガイド管12の長さや、分岐具39の取り付け位置、分岐管用鞘管37の長さを決め、鞘管1以外のものを組立てておく。なお、組立ての際、ガイド管12に各分岐管口38に対応する位置に連通孔40を設け、分岐通信ケーブル21を該連通孔40から取り出すとともに、ガイド管12から分岐具39を介して分岐させた分岐管用鞘管37内を挿通させておく。このとき、分岐管用鞘管37の先端には、前述の呼び子42を設けておく。
【0066】
以上の準備作業によって用意された鞘管1と組立てられたガイド管12は、リールドラム等に巻き取られて施工現場に搬入される。なお、分岐管用鞘管37、呼び子42等を導入する場合は、本管5内を移動させるときに、本管5の内壁との摩擦で傷ついたり、既設管路の段差等に引っ掛かったりする恐れがある為、本管5内を移動可能な台車や簡易船の上に分岐管用鞘管37等を束ねた状態で載せて移動させ、後述の牽引策と同時に本管5内に引き込むことが好ましい。
【0067】
施工現場においては、まず人孔9、10間に牽引策を通線する。牽引策を人孔9、10間に通線する方法としては、ワイヤ等の剛直体を押し込む方法、パラシュート状の通線具を空気圧で吹き飛ばす方法、自走型管内移動車に接続しておく方法等既知の方法を適宜採用することができる。また、ここで、人孔9、10および分岐管桝43にテンション装置22、テンション機構45を取り付けておく(図11参照)。
【0068】
つぎに牽引策の一端と鞘管1の高強度低伸度性材料体4とを本管5の一端部、例えば人孔9で接続し、牽引策を他方の人孔10から引き取って、本管5内に鞘管1を設置する。また、鞘管1は高強度低伸度性材料体4と一体化しているので、高強度低伸度性材料体4に張力が加わるようにバックテンションをかけながら鞘管1を本管5内に引き込むことで、後述する捻れ防止具を使用せずに本管5内に正しく設置できる。
【0069】
次いで、鞘管1の本体部3と一体化されている高強度低伸度性材料体4の一端を人孔9の内壁に設置されたテンション装置22の巻回ドラム24で巻き取り固定し、鞘管1端部の位置を所定位置にあわせる。次に人孔10から先ほどと同様に高強度低伸度性材料体4の他端を人孔10の内壁に設置されたテンション装置22の巻回ドラム24で巻き取り、高強度低伸度性材料体4に張力を加えることで、鞘管1が本管5の略上部にて固定され、幹通信ケーブル6を鞘管1内に挿通する。このような方法で、既設管路の本管5を情報対応管として構築することができる。なお、後述するガイド管12を適用しない場合において、本管5の略上部に設置した鞘管1が弛むようであれば、図9に示すような固定部材55と同じような形状のものを使用して、鞘管1の弛んでいる箇所に嵌合して固定することもできる。
【0070】
引き続き、既設管路の本管5を情報対応管とした後、さらに分岐管7を含む既設管路全体を情報対応管とするための構築方法について以下に説明する。
【0071】
前述のように本管5内に通線された牽引策の一端とガイド管とを本管5の一端部、例えば人孔9で接続し、牽引策を他方の人孔10から引き取って、本管5内にガイド管12を設置する。この段階で、ガイド管12に設けた連通孔40の各々が、それぞれ対応する分岐管口38にほぼ一致した状態となる。ガイド管12を一方の人孔9から他方の人孔10に引き取るときには、ガイド管12が捻れる恐れがあるため、捻れ防止具を牽引策とガイド管12との間に介在させておいてもよい。捻れ防止具を用いた場合は、ガイド管12の全長を本管5内に配置した後に取り出す。
【0072】
次に、分岐管用鞘管37を分岐管7内に引き込む。この作業においては、まず、本管5内のガイド管12を前後に位置を微調整して分岐管用鞘管37の先端にある呼び子42を分岐管7の直下に位置させる。そして、分岐管桝43からアーム状の掴み治具等を挿入し、TVカメラで確認しながら、分岐管口38付近に位置する分岐管用鞘管37の一端に設けられている呼び子42を掴んで分岐管桝43から取り出す。あるいは、分岐管桝43から分岐管7と本管5とを介して本管5の一端部、例えば人孔9まで牽引策を通線しておき、分岐管用鞘管37と該牽引策とを継続して、該牽引策を分岐管桝43から引き上げることによって分岐管7内に分岐管用鞘管37を設置することも可能である。
【0073】
次いで、ガイド管12を鞘管1に嵌合させる。図12は、ガイド管12を鞘管1に嵌合させる本実施の形態例を示すものである。図12において、ガイド管12の一端を(図中左)を人孔9内から手で嵌合し、嵌合装置58を本管5内に導入する。嵌合装置58は、予め本管5内に通線しておいた引取線59を人孔10側から引き取っていくことにより、本管5内を移動する。そして、嵌合装置58に設けられた付勢手段60により、押圧部61がガイド管12を鞘管1に押圧し、移動しながら嵌合を行っていく。なお、嵌合装置58のようなものでなくても、ガイド管12を押圧しながら移動して鞘管1に嵌合可能なものであればどのようなものであってもよい。例えば、ガイド管12を鞘管1に押圧可能な外径を有する玉のようなものを移動させて嵌合を行ってもよい。
【0074】
続いて、分岐管桝43まで配設した分岐管用鞘管37に張力を加えた状態でテンション機構45に挿通、緊締することによって、分岐管用鞘管37を分岐管7の上部側に強固に固定する。
【0075】
なお、分岐管7の角度が変わる湾曲部分を有する場合、テンション機構45で張力を加えるだけでは分岐管7内の内壁上部に沿って分岐管用鞘管37を敷設することができない。この場合、固定部材55を分岐管7内の分岐管口38及び湾曲部分周辺に適宜設置することによって、湾曲部分を有する分岐管7であっても、分岐管用鞘管37を分岐管7の略上部に沿って設置することが可能となる。
【0076】
また、ガイド管12を本管5の内面上部に確実に固定するために、図8に示す弛み防止材50を本管5内の適宜間隔で設置することが望ましい(図11参照)。
【0077】
以上のようにして、本管5の略上部に設けられた鞘管1に分岐管用鞘管37が設けられているガイド管12を嵌合させ、ガイド管12内部に分岐通信ケーブル21を並列に配線すると共に、本管5に接続する各分岐管7内の略上部に設置された分岐管用鞘管37内に分岐通信ケーブル21を挿通することができ、且つ分岐管桝43まで分岐通信ケーブル21を敷設し、各家庭8へと導くことができる。
【0078】
なお、分岐通信ケーブル21の代わりに呼び線41を使用した場合は、最後にこの呼び線41と分岐通信ケーブル21とを入れ替えることで本発明に係る情報対応管の構築方法による施工が終了する。これにより、最終工程に至るまでは、ガイド管12の空間部14内および分岐管用鞘管37内には、呼び線41が入線されているため、ガイド管12の設置作業時に分岐通信ケーブル21が傷んでしまうことがなくなり、施工安定性を増すことができる。
【0079】
ちなみに、呼び線41と分岐通信ケーブル21とを入れ替える作業においては、まず、呼び線41の一端に分岐通信ケーブル21を接続する。この接続方法としては、突き合わせて金属リング等でかしめてもよいし、分岐通信ケーブル21の皮膜と、呼び線41の材質とがプラスチック製同士で、且つ、呼び線41がチューブ状ならば、呼び線41内部に分岐通信ケーブル21の先端を適当長さ挿入して重複部分を形成し、その重複部分を外面から熱圧着や誘電により圧着して、重複部分のプラスチックを溶かしながらつぶし、ほぼ段差の生じない形状とすることも可能である。呼び線41と分岐通信ケーブル21とを略同外径とすることによって、分岐通信ケーブル21を引き込む際に無理な引き込み力が段差部分等に作用して応力集中が生じ、分岐通信ケーブル21が断線してしまうことを防止することができる。なお、このような呼び線41と分岐通信ケーブル21の接続方法は、特に限定するものでなく他の呼び線を用いて他の方法によって接続した場合にも適用できる。
【0080】
以上のようにして、本管に接続した分岐管7を含む既設管路を情報対応管として構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明に係る情報対応管の構築部材である鞘管の断面図を示したものであり、(a)に本実施の形態例、(b)乃至(h)に他の実施の形態例を示したものである。
【図2】本実施の形態例の鞘管の斜視図である。
【図3】本実施の形態例に係るテンション装置の説明図である。
【図4】本実施の形態例に係るテンション装置を示し、(a)は図3におけるA−A線断面図であり、(b)は図4(a)におけるB部の概略拡大断面図である。
【図5】本実施の形態例に係るガイド管の概略断面図である。
【図6】本実施の形態例に係る鞘管にガイド管が嵌合した状態の説明図である。
【図7】本実施の形態例に係る分岐管用鞘管が設けられたガイド管の斜視図である。
【図8】本実施の形態例に係る情報対応管の構築構造乃至構築方法において使用される弛み防止材の斜視図である。
【図9】本実施の形態例に係る情報対応管の構築構造乃至構築方法において使用される固定部材の斜視図である。
【図10】本実施の形態例に係る既設管路を情報対応管とする構築構造を示す図である。
【図11】本実施の形態例に係る既設管路を情報対応管とする構築構造を示す図である。
【図12】本実施の形態例に係る情報対応管の構築方法の一工程を説明する図である。
【符号の説明】
【0082】
1 鞘管
2 空間部
3 本体部
4 高強度低伸度性材料体
5 本管
6 通信ケーブル(幹通信ケーブル)
7 分岐管
9、10 人孔
12 ガイド管
14 空間部
21 分岐通信ケーブル
37 分岐管用鞘管
43 分岐管桝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ケーブルを入線するための空間部が形成された本体部と、前記本体部の長さ方向に沿って前記本体部に一体化して設けられ、高強度低伸度特性を有する糸を少なくとも前記長さ方向に使用したベルト状の布帛からなる高強度低伸度性材料体と、を備えてなる鞘管を、人孔を介して既設管路に挿通し、前記高強度低伸度性材料体を前記人孔の内壁に張力を加えて固定して、前記鞘管を既設管路の略上部に固定する情報対応管構築方法。
【請求項2】
径方向に貫通した前記高強度低伸度性材料体を通す孔部を有し、回転させることによって前記孔部に通された前記高強度低伸度性材料体を巻き込み、前記高強度低伸度性材料体を巻き込んだ後に一端部にストッパを取り付けることで回転不能となる巻回ドラムを含むテンション装置を用いて、前記鞘管を前記既設管路の略上部に固定する請求項1に記載の情報対応管構築方法。
【請求項3】
前記鞘管を前記既設管路の略上部に固定した後、前記鞘管の外面に嵌合可能な嵌合部と通信ケーブルが入線可能な1若しくはそれ以上の空間部とが形成されたガイド管を前記既設管路内に挿入し、前記嵌合部を前記鞘管の外面に嵌合して、前記ガイド管を前記既設管路内に設置すると共に、前記ガイド管の重量を前記高強度低伸度性材料体に負担させる請求項1又は2に記載の情報対応管構築方法。
【請求項4】
先端に呼び子が設けられ内部に分岐通信ケーブルまたは呼び線を挿通している分岐管用鞘管が前記ガイド管の外面に分岐具を介して取り付けられ、前記ガイド管を前記鞘管に嵌合して固定すると共に、分岐管桝から呼び子を取り出して、前記分岐管用鞘管を前記分岐管内に設置する請求項3に記載の情報対応管構築方法。
【請求項5】
通信ケーブルを入線するための空間部が形成された本体部と、前記本体部の長さ方向に沿って前記本体部に一体化して設けられ、高強度低伸度特性を有する糸を少なくとも前記長さ方向に使用したベルト状の布帛からなる高強度低伸度性材料体と、を備えてなる鞘管が、前記高強度低伸度性材料体に既設管路の人孔に設置されたテンション装置により張力が加えられて既設管路内の略上部に固定され、前記鞘管に、前記人孔に設置される分岐接続ボックスにて前記鞘管の前記空間部に挿通される前記通信ケーブルから分岐される分岐通信ケーブルを挿通する1若しくはそれ以上の空間部を有するガイド管がその重量を前記高強度低伸度性材料体に負担させるように嵌合され、前記鞘管の空間部には前記通信ケーブルが入線され、前記ガイド管の空間部には前記分岐通信ケーブルが入線されている既設管路の情報対応管構築構造。
【請求項6】
前記ガイド管には、先端に呼び子が設けられ、内部に分岐通信ケーブルまたは呼び線を挿通している分岐管用鞘管が前記ガイド管の外面に分岐具を介して取り付けられている請求項5に記載の既設管路の情報対応管構築構造。
【請求項1】
通信ケーブルを入線するための空間部が形成された本体部と、前記本体部の長さ方向に沿って前記本体部に一体化して設けられ、高強度低伸度特性を有する糸を少なくとも前記長さ方向に使用したベルト状の布帛からなる高強度低伸度性材料体と、を備えてなる鞘管を、人孔を介して既設管路に挿通し、前記高強度低伸度性材料体を前記人孔の内壁に張力を加えて固定して、前記鞘管を既設管路の略上部に固定する情報対応管構築方法。
【請求項2】
径方向に貫通した前記高強度低伸度性材料体を通す孔部を有し、回転させることによって前記孔部に通された前記高強度低伸度性材料体を巻き込み、前記高強度低伸度性材料体を巻き込んだ後に一端部にストッパを取り付けることで回転不能となる巻回ドラムを含むテンション装置を用いて、前記鞘管を前記既設管路の略上部に固定する請求項1に記載の情報対応管構築方法。
【請求項3】
前記鞘管を前記既設管路の略上部に固定した後、前記鞘管の外面に嵌合可能な嵌合部と通信ケーブルが入線可能な1若しくはそれ以上の空間部とが形成されたガイド管を前記既設管路内に挿入し、前記嵌合部を前記鞘管の外面に嵌合して、前記ガイド管を前記既設管路内に設置すると共に、前記ガイド管の重量を前記高強度低伸度性材料体に負担させる請求項1又は2に記載の情報対応管構築方法。
【請求項4】
先端に呼び子が設けられ内部に分岐通信ケーブルまたは呼び線を挿通している分岐管用鞘管が前記ガイド管の外面に分岐具を介して取り付けられ、前記ガイド管を前記鞘管に嵌合して固定すると共に、分岐管桝から呼び子を取り出して、前記分岐管用鞘管を前記分岐管内に設置する請求項3に記載の情報対応管構築方法。
【請求項5】
通信ケーブルを入線するための空間部が形成された本体部と、前記本体部の長さ方向に沿って前記本体部に一体化して設けられ、高強度低伸度特性を有する糸を少なくとも前記長さ方向に使用したベルト状の布帛からなる高強度低伸度性材料体と、を備えてなる鞘管が、前記高強度低伸度性材料体に既設管路の人孔に設置されたテンション装置により張力が加えられて既設管路内の略上部に固定され、前記鞘管に、前記人孔に設置される分岐接続ボックスにて前記鞘管の前記空間部に挿通される前記通信ケーブルから分岐される分岐通信ケーブルを挿通する1若しくはそれ以上の空間部を有するガイド管がその重量を前記高強度低伸度性材料体に負担させるように嵌合され、前記鞘管の空間部には前記通信ケーブルが入線され、前記ガイド管の空間部には前記分岐通信ケーブルが入線されている既設管路の情報対応管構築構造。
【請求項6】
前記ガイド管には、先端に呼び子が設けられ、内部に分岐通信ケーブルまたは呼び線を挿通している分岐管用鞘管が前記ガイド管の外面に分岐具を介して取り付けられている請求項5に記載の既設管路の情報対応管構築構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−17781(P2009−17781A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−240251(P2008−240251)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【分割の表示】特願2002−198850(P2002−198850)の分割
【原出願日】平成14年7月8日(2002.7.8)
【出願人】(000117135)芦森工業株式会社 (447)
【出願人】(392008884)芦森エンジニアリング株式会社 (36)
【出願人】(000001834)三機工業株式会社 (316)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【分割の表示】特願2002−198850(P2002−198850)の分割
【原出願日】平成14年7月8日(2002.7.8)
【出願人】(000117135)芦森工業株式会社 (447)
【出願人】(392008884)芦森エンジニアリング株式会社 (36)
【出願人】(000001834)三機工業株式会社 (316)
【Fターム(参考)】
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