既設雨水桝の雨水浸透桝化工法、既設雨水桝加工装置、及び雨水浸透桝
【課題】既設雨水桝を加工することにより、低コストで迅速に雨水浸透桝を施工することができる既設雨水桝の雨水浸透桝化工法を提供すること。
【解決手段】既設雨水桝10を構成する有底筒状の桝本体12を地中に埋設したままの状態で加工し、その底部に貫通穴24を形成する。貫通穴24の下方にある土を掘削して浸透部材収容穴26を形成し、その浸透部材収容穴26に多孔性の浸透部材13を配設することで既設雨水桝10を雨水浸透桝11に改変する。浸透部材13は、周面に複数の透孔33を有するパイプ31と、複数の透孔33よりも細かい複数の細孔34を有し、パイプ31内に挿抜可能に配置される浸透性のストレーナー32とを含んで構成される。
【解決手段】既設雨水桝10を構成する有底筒状の桝本体12を地中に埋設したままの状態で加工し、その底部に貫通穴24を形成する。貫通穴24の下方にある土を掘削して浸透部材収容穴26を形成し、その浸透部材収容穴26に多孔性の浸透部材13を配設することで既設雨水桝10を雨水浸透桝11に改変する。浸透部材13は、周面に複数の透孔33を有するパイプ31と、複数の透孔33よりも細かい複数の細孔34を有し、パイプ31内に挿抜可能に配置される浸透性のストレーナー32とを含んで構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設雨水桝を加工して雨水浸透桝に改変する既存雨水桝の雨水浸透桝化工法、既存雨水桝加工装置、及び雨水浸透桝に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、市街地においては、コンクリートジャングルのように都市化が進み、地表面がコンクリートやアスファルトで舗装されている。その結果、雨水の浸透域が減少し、雨水による地表面での流出量が増大してきている。そのため、大雨時において雨水管渠などの排水設備に大きな負荷がかかり、都市洪水の原因となっている。また、下水管渠や雨水管渠の整備により、雨水が地中に浸透しないため、河川に流入する地下水が減少している。これにより、河川の自然浄化能力も失われつつあり、河川の水質汚濁などの原因となっている。
【0003】
この対策として、道路や駐車場などの舗装路に降った雨水を地中に浸透させる雨水浸透桝が開発され、道路や駐車場の側溝部分に設置されている。また、河川や湖の浄化が必要な地域では、各家庭の敷地内において屋根などに降った雨水を地中に浸透させるために雨水浸透桝を設置することが自治体により推奨されており、その雨水浸透桝の設置に対して補助金を交付することで雨水浸透桝の普及が図られている。
【0004】
このように、雨水を地中に浸透させる雨水浸透桝が、例えば特許文献1,2などに開示されている。特許文献1の浸透桝では、桝本体の底部に標線が施されており、その標線を目印として、施工現場に適した大きさの浸透孔が形成される。また、特許文献2の浸透桝では、桝本体の側面壁側にノックアウトが可能な凹状部が複数設けられている。この凹状部を選択的にノックアウトして、施工現場に適した大きさの浸透孔が形成される。
【0005】
さらに、家庭排水などの汚水を地下に浸透させる汚水枡が、例えば特許文献3などに開示されている。この汚水枡は、汚水をためる桝本体と、桝本体の下方の地中に挿入される中空パイプとを備え、桝本体に溜まった汚水を中空パイプを介して地中に浸透させるように構成されている。
【特許文献1】特開平8−319657号公報
【特許文献2】特開2002−21170号公報
【特許文献3】特開2000−189985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の市街地においては、桝本体に浸透孔が設けられていない雨水桝が数多く設置されている。都市洪水の回避や河川などの浄化を目的として、それら雨水桝を、特許文献1,2などの浸透桝に置き換える場合、既設の雨水桝を舗装路の地中から取り除き、新たな浸透桝を設置する必要があるため、取替えコストが嵩んでしまう。また、道路の補修・改修工事の一部として浸透桝の設置工事を行うといった現状を考えると、浸透桝の施工数量が限られることから、浸透桝の製造コストも高くなる。
【0007】
因みに、特許文献3のような汚水枡を新たに設置する場合、パワーショベル等の重機を利用して中空パイプを地中に埋め込む必要があり、設置費用が嵩んでしまう。さらに、中空パイプ内にゴミなどが詰まった場合には浸透能力が低下してしまうが、中空パイプは地中深く挿入されているため、中空パイプを取り外してその目詰まりを解消することは困難である。しかも、汚水桝に流れてくる排水は通常そのまま河川に放流できないものであり、特許文献3のように汚水を地中に浸透させること自体が本来妥当ではない。
【0008】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、既設雨水桝を加工することにより、低コストで迅速に雨水浸透桝を施工することができる既設雨水桝の雨水浸透桝化工法を提供することにある。また、別の目的は、既設雨水桝の雨水浸透桝化工法に使用するのに好適な既設雨水桝加工装置を提供することにある。また、別の目的は、既設雨水桝を加工して、より多くの雨水を排出することができる雨水浸透桝を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、地中に埋設された既設雨水桝を加工して雨水浸透桝に改変する工法であって、前記既設雨水桝を構成する有底筒状の桝本体を地中に埋設したままの状態で加工し、その底部に貫通穴を形成する穴あけ工程と、前記貫通穴の近傍に多孔性の浸透部材を配設する浸透部材配設工程とを含むことを特徴とする、既設雨水桝の雨水浸透桝化工法をその要旨とする。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、穴あけ工程において、既設雨水桝の桝本体が地中に埋設された状態でその桝本体の底部に貫通穴が形成される。そして、浸透部材配設工程において、その貫通穴の近傍に多孔性の浸透部材が配設される。このようにすれば、既設雨水桝を地中から掘り起こすことなく、その雨水桝を雨水浸透桝に改変することができる。従って、新規の雨水浸透桝に取り替える場合と比較して、簡単かつ迅速に雨水浸透桝を施工することができ、その施工コストを半分以下のコストに抑えることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記穴あけ工程では、前記貫通穴の下方にある土を掘削して浸透部材収容穴を形成し、前記浸透部材配設工程では、前記浸透部材収容穴内に前記浸透部材を配設することをその要旨とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、桝本体の底部から下方に突出するように浸透部材が配設されるので、貫通穴のみを設けた場合と比較して雨水の浸透面積を十分に確保することができる。また、雨水は桝本体の底部に溜まるので、貫通穴を通して浸透部材から雨水を効率よく地中に浸透させることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記浸透部材は、周面に複数の透孔を有する筒体と、前記複数の透孔よりも細かい複数の細孔を有し、前記筒体内に挿抜可能に配置される浸透性のフィルタ材とを含んで構成され、前記浸透部材配設工程では、前記浸透部材収容穴内に前記筒体を縦置きで配設した後、前記筒体内に前記フィルタ材を挿入配置することをその要旨とする。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、貫通穴の下方に形成された浸透部材収容穴内に筒体が縦置きで配設され、その筒体内部に浸透性のフィルタ材が挿入されることで、筒体とフィルタ材とからなる多孔性の浸透部材が貫通穴の下方に装着される。この浸透部材は、筒体の周面に複数の透孔を有するため、雨水の浸透面積を十分に確保することができる。また、筒体の透孔よりも細かい複数の細孔を有するフィルタ材を筒体内に設けることによって、雨水に含まれるゴミ(砂利や葉っぱなど)が筒体内部に入り込むことを防止することができる。従って、筒体の透孔の目詰まりなどによる雨水の浸透能力の低下を抑えることができる。さらに、この浸透部材では、筒体が縦置きで配設されているため、桝本体の底部の貫通穴を通してフィルタ材の着脱を容易に行うことができ、メンテナンス作業を迅速に行うことができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、地中に埋設された既設雨水桝を加工して雨水浸透桝に改変するときに使用する装置であって、本体フレームと、前記本体フレームに支持される駆動装置と、前記駆動装置の回転軸の先端に装着され、前記桝本体の底部に貫通穴を形成するための回転切削工具と、前記既設雨水桝の内側面に当接することで前記駆動装置の駆動時における前記回転軸のブレを防止する回転軸ブレ防止手段とを備えたことを特徴とする既設雨水桝加工装置をその要旨とする。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、本体フレームに駆動装置が支持され、その駆動装置によって回転軸が回転駆動される。また、回転軸ブレ防止手段が既設雨水桝の内側面に当接することで、駆動装置の駆動時における回転軸のブレが防止される。そのため、回転軸の先端に装着された切削器具により、桝本体の底部に貫通穴を精度良く形成することができる。また、このような構成の加工装置によれば、既設雨水桝が例えばコンクリート製であったとしても、桝本体の底部の破損等を伴うことなく所望の貫通穴を形成することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記回転軸ブレ防止手段は、前記回転軸に直交する複数の方向に伸縮可能に設けられた複数のアーム部と、各アーム部の伸縮量を調節するための調節部とを有することをその要旨とする。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、回転軸ブレ防止手段の複数のアーム部を回転軸に直交する複数の方向に伸ばすことにより、各アーム部の先端を桝本体のコーナー部などに当接させることができる。よって、回転軸を複数の点で支持固定することができる。また、桝本体のサイズが異なる場合でも、調節部によって複数のアーム部の伸縮量を調節すれば、各アーム部の先端を桝本体に確実に当接させることができる。従って、この回転軸ブレ防止手段を用いることにより、回転軸のブレが確実に防止されるため、桝本体の底部における所定の位置に貫通穴を正確に形成することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、地中に埋設された既設雨水桝を加工して形成された雨水浸透桝であって、底部に貫通穴が形成された有底筒状の桝本体と、前記桝本体の側壁に設けられ雨水本管と連結された排出管と、周面に複数の透孔を有する筒体と、前記複数の透孔よりも細かい複数の細孔を有し、前記筒体内に挿抜可能に配置される浸透性のフィルタ材とを含んで構成された浸透部材とを備え、前記貫通穴の下方にある浸透部材収容穴内に前記筒体が縦置きで配設され、前記筒体内に前記フィルタ材が挿入配置されていることを特徴とする雨水浸透桝をその要旨とする。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、既設雨水桝において排出管から雨水本管に排出していた雨水の一部を、桝本体の底部の貫通穴から浸透部材を通して地中に浸透させることができる。従って、本発明の雨水浸透桝を用いれば、より多くの雨水を排出することが可能となる。この雨水浸透桝に装着される浸透部材は、筒体の周面に複数の透孔を有するため、雨水の浸透面積を十分に確保できる。また、筒体の透孔よりも細かい複数の細孔を有するフィルタ材を筒体内に設けることによって、雨水に含まれるゴミ(砂利や葉っぱなど)が筒体内部に入り込むことを防止することができる。従って、筒体の透孔の目詰まりなどによる雨水の浸透能力の低下を抑えることができる。さらに、この浸透部材では、筒体が縦置きで配設されているため、桝本体の底部の貫通穴を通してフィルタ材の着脱を容易に行うことができ、メンテナンス作業を迅速に行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
以上詳述したように、請求項1〜3に記載の発明によると、既設雨水桝を加工して、低コストで迅速に雨水浸透桝を施工することができる既設雨水桝の雨水浸透桝化工法を提供することができる。また、請求項4または5に記載の発明によると、既設雨水桝の雨水浸透桝化工法に使用するのに好適な既設雨水桝加工装置を提供することができる。さらに、請求項6に記載の発明によると、既設雨水桝を加工して、より多くの雨水を排出することができる雨水浸透桝を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0023】
図1に示されるように、本実施の形態の雨水浸透桝11は、有底の四角筒状(方形状)に形成されたコンクリート製の桝本体12と、桝本体12の底部に装着された浸透部材13とを備える。桝本体12は、例えば、縦横30cm、深さ90cmのサイズを有する。なお、本実施形態では桝本体12として四角筒状のものを例示したが、四角形以外の筒状(例えば円筒筒状や六角筒状など)であってもよい。桝本体12の側壁には排出管15が設けられおり、排出管15は雨水本管16に接続されている。具体的には、雨水本管16は、舗装した道路の中央に設けられ、桝本体12は、道路両脇の路肩の地中に設けられる。また、桝本体12の上部の開口部21には、簀子状の上蓋(グレーチング蓋)22が装着され、路面に降った雨水はそのグレーチング蓋22の隙間から桝本体12内部に流入されて一旦蓄えられる。そして、桝本体12に蓄えられた雨水は、排出管15を介して下流側の雨水本管16に排出され、さらにその雨水本管16を介して河川に流される。
【0024】
桝本体12における底面中央には、円形の貫通穴24が形成されている。そして、その貫通穴24に下方には、土25を掘削することで断面円形状の浸透部材収容穴26が形成され、その浸透部材収容穴26内に浸透部材13が配設されている。浸透部材13は、塩化ビニルなどの樹脂からなる円筒状のパイプ(筒体)31と、パイプ31内に挿抜可能に配置されるストレーナー32とを備える。パイプ31は、例えば直径20cm、長さ40cmのサイズであり、その周面に2cm程度の複数の透孔33が形成されている。
【0025】
ストレーナー32は、透孔33よりも細かい複数の細孔34を有する浸透性のフィルタ材であり、芯棒35に樹脂繊維を巻きつけることで円柱状に形成されている。このストレーナー32(芯棒35)の両端には、樹脂繊維を挟み込むように薄い金属板36が固定されており、ストレーナー32の一方(図1では上方)の金属板36には着脱用のフック37が設けられている。ここで、作業用の棒などを利用してこのフック37に引っ掛けることにより、パイプ31に対するストレーナー32の着脱を容易に行うことができる。また、金属板36には複数の貫通穴38が形成され、その金属板36の直径は、樹脂繊維の部分よりも若干小さくなっている。この構成により、桝本体12の底部に溜まった雨水がパイプ31の内壁面に沿ってストレーナー32に確実に浸透する。なお、ストレーナー32の芯棒35や金属板36は、雨水で錆びることがない材料、例えばステンレスを用いて形成されている。
【0026】
本実施の形態の雨水浸透桝11は、道路の路肩に埋設された既設雨水桝10(図2参照)を加工することで形成される。以下には、その既設雨水桝10を雨水浸透桝11に改変するための加工装置について図3及び図4を用いて説明する。なお、図3は、加工装置40の側面図であり、図4は、加工装置40の正面図である。
【0027】
図3及び図4に示すように、本実施の形態における加工装置40は、本体フレーム41と、昇降装置42と、駆動装置としての油圧モータ43と、油圧ユニット44とを備える。
【0028】
本体フレーム41は、その底部に設けられるベース部材46と、ベース部材46から垂直に立設された枠状のガイドフレーム47とを有する。ベース部材46の一方の端部には、本体フレーム41を移動させるための車輪48が設けられている。ベース部材46における車輪48の近傍には、本体フレーム41を水平に保つための水平調節機構49が設けられている。水平調節機構49は、ベース部材46を貫通するねじ穴に螺入されるボルト51と、そのボルト51の下端部に固定され、本体フレーム41を支える平板52とを備える。この水平調節機構49において、ボルト51を回すことにより、ベース部材46に対する平板52の突出量が変更され、本体フレーム41の水平度が調節される。
【0029】
ガイドフレーム47には、その前面側に突出する可動部材54が昇降自在に設けられている。また、ガイドフレーム47の背面側には、ガイドフレーム47の長手方向(上下方向)に沿って駆動チェーン55が設けられるとともに、その駆動チェーン55を介して可動部材54を昇降させるための操作ハンドル56が設けられている。本実施の形態では、可動部材54と駆動チェーン55と操作ハンドル56とにより昇降装置42が構成される。この昇降装置42において、操作ハンドル56を正回転させることで可動部材54が上昇し、操作ハンドル56を逆回転させることで可動部材54が下降する。
【0030】
さらに、可動部材54には、垂直方向に伸びる支柱58の上端部が連結され、その支柱58の下端部(先端部)に油圧モータ43が設けられている。この油圧モータ43は、高圧ホース61を介して油圧ユニット44に接続されており、その油圧ユニット44から所定圧力の作動油が供給されることで回転軸62を回転駆動する。この油圧モータ43における回転軸62の先端には、コンクリートを切り抜くための円形コンクリートカッター(回転切削工具)63が固定されている。なお、その回転軸62の先端には、円形コンクリートカッター63の他に、土壌を掘削するためのスクリューオーガーも装着可能になっている。
【0031】
本実施の形態では、油圧モータ43を支持する支柱58の途中に、その軸振れを防止する回転軸ブレ防止手段としての軸振れ防止金具65が設けられている。図5に示されるように、軸振れ防止金具65は、支柱58を挿入するための貫通穴を有する鉄板66と、油圧モータ43の回転軸62に直交する複数の方向(水平方向)に伸縮可能に設けられた複数のアーム部67と、各アーム部67の伸縮量を調節するための調節シャフト68とを備える。本実施の形態の軸振れ防止金具65では、桝本体12のコーナー部に対応して4つのアーム部67が設けられている(図6参照)。各アーム部67は、当接部材70と、先端が当接部材70に接続される2本の関節部材71とを備える。
【0032】
軸振れ防止金具65において、鉄板66は長尺のボルトとナットとで固定され、この鉄板66の四隅に設けた各穴部69に調節シャフト68の端部が挿入されている。調節シャフト68にはウォームが形成されており、その調節シャフト68の下端部はベアリング73を介して回転可能に固定されている。そして、この調節シャフト68に、アーム部67(関節部材71)の基端が固定されている。具体的には、アーム部67の一方(図5では上方)の関節部材71の端部が、軸方向に移動不能に固定されており、他方(図5では下方)の関節部材71の端部は、内ねじが形成され、調節シャフト68のウォームに嵌合された状態で軸方向に移動可能に固定されている。つまり、この調節シャフト68を回転させることで、下側の関節部材71の基端が調節シャフト68に沿って上下方向に移動する。ここで、調節シャフト68を回転させて下側の関節部材71の基端を最下端部に移動させると、関節部材71が軸方向と平行になり、アーム部67(当接部材70)が内側に収まる。また、図5及び図6において破線で示すように、調節シャフト68を回転させて下側の関節部材71の基端を上方に移動させると、その関節部材71が水平方向に徐々に起き上がり、各アーム部67(当接部材70)が回転軸62に直交する方向(水平方向)に伸びる。
【0033】
なお、本実施の形態では、各調節シャフト68の上端部に調節ツマミ75が設けられており、作業者がその調節ツマミ75を回すことで、調節シャフト68を容易に回転させることができるようになっている。
【0034】
次に、本実施の形態の加工装置40を使用して既設雨水桝10を雨水浸透桝11に改変するための雨水浸透桝化工法について説明する。
【0035】
先ず、加工前準備工程において、既存雨水桝10のグレーチング蓋22を開け、建設工事用の掃除機を使用して、桝本体12内の雨水や泥などを除去する。そして、桝本体12の底が確認できる状態にした後、加工装置40を桝本体12の上部に配置させる。このとき、加工装置40のベース部材46において、車輪48のない他方の端部を桝本体12の外側に配設された凸部(例えば、図3に示す角材53)に載せる。その状態で車輪48側の水平調節機構49を調節することにより、平板52の突出量を変更して本体フレーム41を水平に保つようにする。
【0036】
続く回転軸固定工程では、加工装置40の操作ハンドル56を回すことで可動部材54及び支柱58を下げ、その支柱58に設けられている軸振れ防止金具65及び油圧モータ43を桝本体12内部に配置させる。その状態で、軸振れ防止金具65の調節シャフト68を回して各アーム部67の伸縮量を調節することで、各アーム部67の当接部材70を桝本体12のコーナー部に当接させる(図6参照)。この軸振れ防止金具65によって、油圧モータ43の回転軸62が水平方向にブレないように固定される。
【0037】
その後、穴あけ工程では、油圧ユニット44を作動させ、油圧ユニット44から油圧モータ43に作動油を供給することで、その油圧モータ43を駆動して円形コンクリートカッター63を回転させる。このとき、加工装置40の操作ハンドル56を回して、可動部材54及び支柱58を介して油圧モータ43を下げる。そして、図7(a)に示されるように、円形コンクリートカッター63を桝本体12の底面に当接させるとともに、上方から所定の力を円形コンクリートカッター63に作用させる。その結果、図7(b)及び図8(a)に示されるように、桝本体12の底面が切削され円形の貫通穴24が形成される。なおこのとき、円形コンクリートカッター63による切削部分に冷却水が放水され、円形コンクリートカッター63に生じる摩擦熱が冷却される。
【0038】
この貫通穴24の形成後、油圧モータ43の回転を一旦停止し、回転軸62の先端に装着されている円形コンクリートカッター63をスクリューオーガーに取り替える。その後、図7(c)に示されるように、油圧モータ43を駆動してスクリューオーガー64を回転させ、そのスクリューオーガー64によって、貫通穴24の下方にある土25を掘削して浸透部材収容穴26を形成する。この際、スクリューオーガー64によって掘削された土25は、建設工事用の掃除機等によって除去される。また、浸透部材収容穴26の形成後、加工装置40を桝本体12の上部から邪魔にならない位置に移動させる。
【0039】
浸透部材配設工程では、図7(d)及び図8(b)に示すように、浸透部材収容穴26内にパイプ31を縦置きで配設した後、図7(d)及び図8(c)に示すように、そのパイプ31内にストレーナー32を挿入配置する。これにより、桝本体12の底部に浸透部材13が装着される。そして、図1に示されるように、桝本体12の上部にグレーチング蓋22を装着することで、既設雨水桝10を雨水浸透桝11に改変するための作業が完了する。
【0040】
また、長期間使用した雨水浸透桝11をメンテナンスする場合、桝本体12の底部に溜まった泥やゴミを除去した後、作業用の棒などを利用してフック37に引っ掛けてストレーナー32をパイプ31から抜き取る。そして、そのストレーナー32を水洗浄して内部に溜まった泥などを除去した後、再びパイプ31内に挿入する。なお、このメンテナンス時には、新品のストレーナー32に交換してもよい。このようなメンテナンス作業を行うことで、雨水浸透桝11の浸透能力が施工時の状態に回復される。
【0041】
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0042】
(1)本実施の形態の場合、既設雨水桝10の桝本体12を地中に埋設したままの状態で加工してその底部に貫通穴24が形成され、その貫通穴24の下方に多孔性の浸透部材13が配設される。このようにすれば、既設雨水桝10を地中から掘り起こすことなく、その雨水桝10を雨水浸透桝11に改変することができる。従って、従来技術のように新規の雨水浸透桝に取り替える場合と比較して、簡単かつ迅速に雨水浸透桝11を施工することができ、その施工コストを半分以下のコストに抑えることができる。
【0043】
(2)本実施の形態の雨水浸透桝11では、桝本体12の底面から下方に突出するように浸透部材13が配設されるので、底面に貫通穴24のみを設けた雨水浸透桝と比較して雨水の浸透面積を十分に確保することができる。また、雨水は桝本体12の底部に溜まるので、貫通穴24を通して浸透部材13から雨水を効率よく地中に浸透させることができる。従って、大雨時において、雨水本管16の負荷を軽減することができ、都市洪水を防止することが可能となる。また、舗装路に降った雨水をその舗装路の地中に返すことができ、水の自然循環を助成することができる。
【0044】
(3)本実施の形態の浸透部材13は、パイプ31の周面に複数の透孔33を有するため、雨水の浸透面積を十分に確保することができる。また、パイプ31の透孔33よりも細かい複数の細孔34を有するストレーナー32をパイプ31内に設けることによって、雨水に含まれるゴミ(砂利や葉っぱなど)がパイプ31内部に入り込むことを防止することができる。従って、パイプ31の透孔33の目詰まりなどによる雨水の浸透能力の低下を抑えることができる。さらに、この浸透部材13では、パイプ31が縦置きで配設されており、そのパイプ31内に収納されるストレーナー32の上部にフック37が形成されている。そのため、桝本体12底部の貫通穴24を通してストレーナー32の着脱を容易に行うことができ、メンテナンス作業を迅速に行うことができる。
【0045】
(4)本実施の形態の雨水浸透桝11では、桝本体12の底面に貫通穴24を設けたので、桝本体12の側面に貫通穴24を設ける場合と比較して貫通穴24の加工を容易に行うことができる。また、桝本体12の底面に比較的に大きな1つの貫通穴24を設けるようにしているので、複数の貫通穴24を形成する場合と比較して加工が容易であり、貫通穴24に配置する浸透部材13も1つで済むため、低コストかつ迅速に浸透部材13(ストレーナー32)の交換を行うことができ、実用上好ましいものとなる。
【0046】
(5)本実施の形態の雨水浸透桝11は、桝本体12の底面に円形の貫通穴24が形成され、その貫通穴24の下側に円柱状の浸透部材13が装着されるので、良好な外観を確保することができる。
【0047】
(6)本実施の形態の加工装置40では、軸振れ防止金具65の各アーム部67を桝本体12のコーナー部に当接させることで、回転軸62のブレを防止するようにした。このようにすれば、例えばアンカーボルトで固定する場合のように桝本体12やその周辺の道路に傷をつけることがなく、回転軸62のブレを確実に防止することができる。また、軸振れ防止金具65では、調節部としての調節シャフト68を回すことで各アーム部67の伸縮量を調節できるため、桝本体12のサイズが異なる場合でも、各アーム部67の当接部材70を桝本体12に確実に当接させることができる。従って、回転軸62のブレを確実に防止することができ、桝本体12の底面に貫通穴24を精度良く形成することができる。
【0048】
(7)本実施の形態の加工装置40は、水平調節機構49によって本体フレーム41を水平に保つことができるので、桝本体12の底面に貫通穴24をより正確に形成することができる。
【0049】
(8)本実施の形態の加工装置40では、本体フレーム41のベース部材46に車輪48が設けられているので、車などで搬送した加工装置40を道路脇の作業現場まで簡単に移動させることができる。
【0050】
(9)本実施の形態の加工装置40では、駆動装置として油圧モータ43を用いたので、電動モータを用いる場合のように雨水や冷却水などによる漏電対策を施す必要がない。
【0051】
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
【0052】
・上記実施の形態では、桝本体12の底部における貫通穴24の下方に浸透部材13を設けるものであったが、図9のように貫通穴24内に浸透部材81を設けてもよいし、図10のように貫通穴24の上部を覆うように桝本体12の底部に浸透部材82を配置してもよい。
【0053】
・上記実施の形態では、桝本体12の底面に貫通穴24を形成するものであったが、これ以外に底部の側面側に貫通穴24を設けるように構成してもよい。ただし、上記実施の形態のように、桝本体12の底面に貫通穴24を形成する方が容易かつ迅速に加工作業を行うことができる。
【0054】
・上記実施の形態では、縦横の長さが等しい30cm角の雨水桝10を加工するものであったが、細長い形状の雨水桝を加工してもよい。なおこの場合、図11に示すような擬似ボックス84を桝本体85に配置して、貫通穴の加工作業を行う。具体的には、擬似ボックス84は、上記実施の形態の桝本体12と同様に真四角の開口部86を有する。この擬似ボックス84を桝本体85の内側に介在させることで、軸振れ防止金具65の各アーム部67を擬似ボックス84のコーナー部に確実に当接させることができる。これにより、油圧モータ43の回転軸62が水平方向にブレないように固定されるため、桝本体85の底面に貫通穴24を形成することができる。なお、擬似ボックス84は、桝本体85の内側に介在させた状態で本体フレーム41のベース部材46に固定される。この場合、その擬似ボックス84と軸振れ防止金具65とによって回転軸ブレ防止手段が構成される。
【0055】
・上記実施の形態では、本体フレーム41に昇降装置42を有する加工装置40に具体化するものであったが、図12に示すような簡易型の加工装置90に具体化してもよい。この加工装置90では、支柱58の基端側にハンドル91が設けられ、支柱58の先端側に油圧モータ43が設けられている。また、この支柱58の途中には上記実施の形態と同様に軸振れ防止金具65が設けられている。この加工装置90では、作業者がハンドル91を手で持って作業し、ハンドル91の上方から力を加えることにより、円形コンクリートカッター63に下方への押圧力が作用して貫通穴24の加工を行うことができる。
【0056】
・上記実施の形態の加工装置40は、回転軸62の軸振れを防止するための軸振れ防止金具65を備えていたが、例えば、桝本体12が浅い場合には、貫通穴24の加工時に軸振れがほとんど生じないので、軸振れ防止金具65を省略してもよい。
【0057】
・上記実施の形態において、軸振れ防止金具65は、作業者が調節シャフト68を回すことでアーム部67の伸縮量を調整するように構成されていたが、駆動モータなどのアクチュエータを用いて自動に調整できるように構成してもよい。但し、アクチュエータを設けると、構成が複雑になり大型化するので、上記実施の形態のように、手動で調整する構成とすれば、軸振れ防止金具65をコンパクトにすることができ、実用上好ましいものとなる。
【0058】
・上記実施の形態における軸振れ防止金具65は、4つのアーム部67を用いて4点支持する構成であったが、アーム部67を変更し、2点支持や3点支持などの構成に変更してもよい。
【0059】
・上記実施の形態では、円形コンクリートカッター63を用いて桝本体12の底面に貫通穴24を形成したが、それ以外の切削工具(例えば、ハンマーなどの工具)を用いてもよい。また、スクリューオーガー64の代わりに、ダブルスコップなどを用いて浸透部材収容穴26を形成してもよい。さらに、円形コンクリートカッターの内側に掘削用のドリルを納めた回転切削工具を用いて、貫通穴24と浸透部材収容穴26とを形成してもよい。
【0060】
・上記実施の形態の加工装置40では、油圧ユニット44や掃除機を別体で設けるものであったが、それら油圧ユニット44や掃除機の機能を有する加工装置を用いてもよい。但し、上記実施の形態のように、油圧ユニット44や掃除機を加工装置40と別体で設ける場合、その加工装置40の小型化が可能となり、細い道路など狭い場所に加工装置40を容易に移動させることができる。
【0061】
・上記実施の形態では、道路の路肩に埋設された既設雨水桝10を加工するものであったが、これ以外に駐車場などの舗装された場所や各家庭の庭に埋設された既設雨水桝10を加工して雨水浸透桝11に改変してもよい。
【0062】
・上記実施の形態では、筒体であるパイプ31内に浸透性のフィルタ材であるストレーナー32を配置した構造を採用したが、以下のように変更してもよい。例えば、ストレーナー32の代わりに、砕石、ガラス玉、セラミック玉等といった粒状物を充填配置する。粒状物は、パイプ31に設けられた複数の透孔33よりも細かいことがよい。あるいは、パイプ31のみを設置してストレーナー32を省略した構造とすることも可能である。
【0063】
・上記実施の形態では、断面円形状の浸透部材収容穴26を形成し、そこに円筒状のパイプ31を配置したが、断面非円形状(例えば四角形状)の浸透部材収容穴を形成し、そこに同じ形状(この場合には四角形状)のパイプを配置するようにしてもよい。
【0064】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0065】
(1)請求項4または5において、前記本体フレームの水平度を調節するための水平調節機構を備えたことを特徴とする既設雨水桝加工装置。
【0066】
(2)請求項4または5において、前記本体フレームの底部に、当該本体フレームを移動させるための車輪を備えたことを特徴とする既設雨水桝加工装置。
【0067】
(3)請求項4または5において、前記回転軸の先端には、前記回転切削器具と土砂を掘削するための回転掘削器具とが交換可能に設けられることを特徴とする既設雨水桝加工装置。
【0068】
(4)請求項4または5において、前記回転切削器具を上下動させるための昇降装置を備えたことを特徴とする既設雨水桝加工装置。
【0069】
(5)請求項4または5において、前記駆動装置は、油圧によって駆動される油圧モータであることを特徴とする既設雨水桝加工装置。
【0070】
(6)舗装路の地中に埋設され、前記舗装路に降った雨水を前記桝本体に一旦蓄えて雨水本管側に排出するとともに、前記雨水の一部を地中に浸透させる雨水浸透桝であって、底部に貫通穴が形成された有底筒状の桝本体と、前記桝本体の側壁に設けられ雨水本管と連結された排出管と、周面に複数の透孔を有する筒体と、前記複数の透孔よりも細かい複数の細孔を有し、前記筒体内に挿抜可能に配置される浸透性のフィルタ材とを含んで構成された浸透部材とを備え、前記貫通穴の下方にある浸透部材収容穴内に前記筒体が縦置きで配設され、前記筒体内に前記フィルタ材が挿入配置されていることを特徴とする雨水浸透桝。
【0071】
(7)請求項6において、前記フィルタ材の端部に、着脱用のフックを備えたことを特徴とする雨水浸透桝。
【0072】
(8)請求項6において、前記貫通穴は円形の穴であり、前記浸透部材は、円柱状の部材であることを特徴とする雨水浸透桝。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明を具体化した一実施の形態の雨水浸透桝を示す断面図。
【図2】既設雨水桝を示す断面図。
【図3】加工装置を示す側面図。
【図4】加工装置を示す正面図。
【図5】軸振れ防止金具を示す平面図。
【図6】軸振れ防止金具による固定方法を示す説明図。
【図7】(a)〜(d)は雨水浸透桝化工法を説明するための断面図。
【図8】(a)〜(c)は雨水浸透桝化工法を説明するための平面図。
【図9】別の実施の形態の雨水浸透桝を示す断面図。
【図10】別の実施の形態の雨水浸透桝を示す断面図。
【図11】擬似ボックスを示す斜視図。
【図12】別の実施の形態の加工装置を示す正面図。
【符号の説明】
【0074】
10…既設雨水桝
11…雨水浸透桝
12,85…桝本体
13,81,82…浸透部材
15…排出管
16…雨水本管
24…貫通穴
25…土
26…浸透部材収容穴
31…筒体としてのパイプ
32…フィルタ材としてのストレーナー
33…透孔
34…細孔
40…既設雨水桝加工装置としての加工装置
41…本体フレーム
43…駆動装置としての油圧モータ
62…回転軸
63…回転切削工具としての円形コンクリートカッター
65…回転軸ブレ防止手段としての軸振れ防止金具
67…アーム部
68…調節部としての調節シャフト
84…回転軸ブレ防止手段を構成する擬似ボックス
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設雨水桝を加工して雨水浸透桝に改変する既存雨水桝の雨水浸透桝化工法、既存雨水桝加工装置、及び雨水浸透桝に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、市街地においては、コンクリートジャングルのように都市化が進み、地表面がコンクリートやアスファルトで舗装されている。その結果、雨水の浸透域が減少し、雨水による地表面での流出量が増大してきている。そのため、大雨時において雨水管渠などの排水設備に大きな負荷がかかり、都市洪水の原因となっている。また、下水管渠や雨水管渠の整備により、雨水が地中に浸透しないため、河川に流入する地下水が減少している。これにより、河川の自然浄化能力も失われつつあり、河川の水質汚濁などの原因となっている。
【0003】
この対策として、道路や駐車場などの舗装路に降った雨水を地中に浸透させる雨水浸透桝が開発され、道路や駐車場の側溝部分に設置されている。また、河川や湖の浄化が必要な地域では、各家庭の敷地内において屋根などに降った雨水を地中に浸透させるために雨水浸透桝を設置することが自治体により推奨されており、その雨水浸透桝の設置に対して補助金を交付することで雨水浸透桝の普及が図られている。
【0004】
このように、雨水を地中に浸透させる雨水浸透桝が、例えば特許文献1,2などに開示されている。特許文献1の浸透桝では、桝本体の底部に標線が施されており、その標線を目印として、施工現場に適した大きさの浸透孔が形成される。また、特許文献2の浸透桝では、桝本体の側面壁側にノックアウトが可能な凹状部が複数設けられている。この凹状部を選択的にノックアウトして、施工現場に適した大きさの浸透孔が形成される。
【0005】
さらに、家庭排水などの汚水を地下に浸透させる汚水枡が、例えば特許文献3などに開示されている。この汚水枡は、汚水をためる桝本体と、桝本体の下方の地中に挿入される中空パイプとを備え、桝本体に溜まった汚水を中空パイプを介して地中に浸透させるように構成されている。
【特許文献1】特開平8−319657号公報
【特許文献2】特開2002−21170号公報
【特許文献3】特開2000−189985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の市街地においては、桝本体に浸透孔が設けられていない雨水桝が数多く設置されている。都市洪水の回避や河川などの浄化を目的として、それら雨水桝を、特許文献1,2などの浸透桝に置き換える場合、既設の雨水桝を舗装路の地中から取り除き、新たな浸透桝を設置する必要があるため、取替えコストが嵩んでしまう。また、道路の補修・改修工事の一部として浸透桝の設置工事を行うといった現状を考えると、浸透桝の施工数量が限られることから、浸透桝の製造コストも高くなる。
【0007】
因みに、特許文献3のような汚水枡を新たに設置する場合、パワーショベル等の重機を利用して中空パイプを地中に埋め込む必要があり、設置費用が嵩んでしまう。さらに、中空パイプ内にゴミなどが詰まった場合には浸透能力が低下してしまうが、中空パイプは地中深く挿入されているため、中空パイプを取り外してその目詰まりを解消することは困難である。しかも、汚水桝に流れてくる排水は通常そのまま河川に放流できないものであり、特許文献3のように汚水を地中に浸透させること自体が本来妥当ではない。
【0008】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、既設雨水桝を加工することにより、低コストで迅速に雨水浸透桝を施工することができる既設雨水桝の雨水浸透桝化工法を提供することにある。また、別の目的は、既設雨水桝の雨水浸透桝化工法に使用するのに好適な既設雨水桝加工装置を提供することにある。また、別の目的は、既設雨水桝を加工して、より多くの雨水を排出することができる雨水浸透桝を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、地中に埋設された既設雨水桝を加工して雨水浸透桝に改変する工法であって、前記既設雨水桝を構成する有底筒状の桝本体を地中に埋設したままの状態で加工し、その底部に貫通穴を形成する穴あけ工程と、前記貫通穴の近傍に多孔性の浸透部材を配設する浸透部材配設工程とを含むことを特徴とする、既設雨水桝の雨水浸透桝化工法をその要旨とする。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、穴あけ工程において、既設雨水桝の桝本体が地中に埋設された状態でその桝本体の底部に貫通穴が形成される。そして、浸透部材配設工程において、その貫通穴の近傍に多孔性の浸透部材が配設される。このようにすれば、既設雨水桝を地中から掘り起こすことなく、その雨水桝を雨水浸透桝に改変することができる。従って、新規の雨水浸透桝に取り替える場合と比較して、簡単かつ迅速に雨水浸透桝を施工することができ、その施工コストを半分以下のコストに抑えることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記穴あけ工程では、前記貫通穴の下方にある土を掘削して浸透部材収容穴を形成し、前記浸透部材配設工程では、前記浸透部材収容穴内に前記浸透部材を配設することをその要旨とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、桝本体の底部から下方に突出するように浸透部材が配設されるので、貫通穴のみを設けた場合と比較して雨水の浸透面積を十分に確保することができる。また、雨水は桝本体の底部に溜まるので、貫通穴を通して浸透部材から雨水を効率よく地中に浸透させることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記浸透部材は、周面に複数の透孔を有する筒体と、前記複数の透孔よりも細かい複数の細孔を有し、前記筒体内に挿抜可能に配置される浸透性のフィルタ材とを含んで構成され、前記浸透部材配設工程では、前記浸透部材収容穴内に前記筒体を縦置きで配設した後、前記筒体内に前記フィルタ材を挿入配置することをその要旨とする。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、貫通穴の下方に形成された浸透部材収容穴内に筒体が縦置きで配設され、その筒体内部に浸透性のフィルタ材が挿入されることで、筒体とフィルタ材とからなる多孔性の浸透部材が貫通穴の下方に装着される。この浸透部材は、筒体の周面に複数の透孔を有するため、雨水の浸透面積を十分に確保することができる。また、筒体の透孔よりも細かい複数の細孔を有するフィルタ材を筒体内に設けることによって、雨水に含まれるゴミ(砂利や葉っぱなど)が筒体内部に入り込むことを防止することができる。従って、筒体の透孔の目詰まりなどによる雨水の浸透能力の低下を抑えることができる。さらに、この浸透部材では、筒体が縦置きで配設されているため、桝本体の底部の貫通穴を通してフィルタ材の着脱を容易に行うことができ、メンテナンス作業を迅速に行うことができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、地中に埋設された既設雨水桝を加工して雨水浸透桝に改変するときに使用する装置であって、本体フレームと、前記本体フレームに支持される駆動装置と、前記駆動装置の回転軸の先端に装着され、前記桝本体の底部に貫通穴を形成するための回転切削工具と、前記既設雨水桝の内側面に当接することで前記駆動装置の駆動時における前記回転軸のブレを防止する回転軸ブレ防止手段とを備えたことを特徴とする既設雨水桝加工装置をその要旨とする。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、本体フレームに駆動装置が支持され、その駆動装置によって回転軸が回転駆動される。また、回転軸ブレ防止手段が既設雨水桝の内側面に当接することで、駆動装置の駆動時における回転軸のブレが防止される。そのため、回転軸の先端に装着された切削器具により、桝本体の底部に貫通穴を精度良く形成することができる。また、このような構成の加工装置によれば、既設雨水桝が例えばコンクリート製であったとしても、桝本体の底部の破損等を伴うことなく所望の貫通穴を形成することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記回転軸ブレ防止手段は、前記回転軸に直交する複数の方向に伸縮可能に設けられた複数のアーム部と、各アーム部の伸縮量を調節するための調節部とを有することをその要旨とする。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、回転軸ブレ防止手段の複数のアーム部を回転軸に直交する複数の方向に伸ばすことにより、各アーム部の先端を桝本体のコーナー部などに当接させることができる。よって、回転軸を複数の点で支持固定することができる。また、桝本体のサイズが異なる場合でも、調節部によって複数のアーム部の伸縮量を調節すれば、各アーム部の先端を桝本体に確実に当接させることができる。従って、この回転軸ブレ防止手段を用いることにより、回転軸のブレが確実に防止されるため、桝本体の底部における所定の位置に貫通穴を正確に形成することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、地中に埋設された既設雨水桝を加工して形成された雨水浸透桝であって、底部に貫通穴が形成された有底筒状の桝本体と、前記桝本体の側壁に設けられ雨水本管と連結された排出管と、周面に複数の透孔を有する筒体と、前記複数の透孔よりも細かい複数の細孔を有し、前記筒体内に挿抜可能に配置される浸透性のフィルタ材とを含んで構成された浸透部材とを備え、前記貫通穴の下方にある浸透部材収容穴内に前記筒体が縦置きで配設され、前記筒体内に前記フィルタ材が挿入配置されていることを特徴とする雨水浸透桝をその要旨とする。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、既設雨水桝において排出管から雨水本管に排出していた雨水の一部を、桝本体の底部の貫通穴から浸透部材を通して地中に浸透させることができる。従って、本発明の雨水浸透桝を用いれば、より多くの雨水を排出することが可能となる。この雨水浸透桝に装着される浸透部材は、筒体の周面に複数の透孔を有するため、雨水の浸透面積を十分に確保できる。また、筒体の透孔よりも細かい複数の細孔を有するフィルタ材を筒体内に設けることによって、雨水に含まれるゴミ(砂利や葉っぱなど)が筒体内部に入り込むことを防止することができる。従って、筒体の透孔の目詰まりなどによる雨水の浸透能力の低下を抑えることができる。さらに、この浸透部材では、筒体が縦置きで配設されているため、桝本体の底部の貫通穴を通してフィルタ材の着脱を容易に行うことができ、メンテナンス作業を迅速に行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
以上詳述したように、請求項1〜3に記載の発明によると、既設雨水桝を加工して、低コストで迅速に雨水浸透桝を施工することができる既設雨水桝の雨水浸透桝化工法を提供することができる。また、請求項4または5に記載の発明によると、既設雨水桝の雨水浸透桝化工法に使用するのに好適な既設雨水桝加工装置を提供することができる。さらに、請求項6に記載の発明によると、既設雨水桝を加工して、より多くの雨水を排出することができる雨水浸透桝を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0023】
図1に示されるように、本実施の形態の雨水浸透桝11は、有底の四角筒状(方形状)に形成されたコンクリート製の桝本体12と、桝本体12の底部に装着された浸透部材13とを備える。桝本体12は、例えば、縦横30cm、深さ90cmのサイズを有する。なお、本実施形態では桝本体12として四角筒状のものを例示したが、四角形以外の筒状(例えば円筒筒状や六角筒状など)であってもよい。桝本体12の側壁には排出管15が設けられおり、排出管15は雨水本管16に接続されている。具体的には、雨水本管16は、舗装した道路の中央に設けられ、桝本体12は、道路両脇の路肩の地中に設けられる。また、桝本体12の上部の開口部21には、簀子状の上蓋(グレーチング蓋)22が装着され、路面に降った雨水はそのグレーチング蓋22の隙間から桝本体12内部に流入されて一旦蓄えられる。そして、桝本体12に蓄えられた雨水は、排出管15を介して下流側の雨水本管16に排出され、さらにその雨水本管16を介して河川に流される。
【0024】
桝本体12における底面中央には、円形の貫通穴24が形成されている。そして、その貫通穴24に下方には、土25を掘削することで断面円形状の浸透部材収容穴26が形成され、その浸透部材収容穴26内に浸透部材13が配設されている。浸透部材13は、塩化ビニルなどの樹脂からなる円筒状のパイプ(筒体)31と、パイプ31内に挿抜可能に配置されるストレーナー32とを備える。パイプ31は、例えば直径20cm、長さ40cmのサイズであり、その周面に2cm程度の複数の透孔33が形成されている。
【0025】
ストレーナー32は、透孔33よりも細かい複数の細孔34を有する浸透性のフィルタ材であり、芯棒35に樹脂繊維を巻きつけることで円柱状に形成されている。このストレーナー32(芯棒35)の両端には、樹脂繊維を挟み込むように薄い金属板36が固定されており、ストレーナー32の一方(図1では上方)の金属板36には着脱用のフック37が設けられている。ここで、作業用の棒などを利用してこのフック37に引っ掛けることにより、パイプ31に対するストレーナー32の着脱を容易に行うことができる。また、金属板36には複数の貫通穴38が形成され、その金属板36の直径は、樹脂繊維の部分よりも若干小さくなっている。この構成により、桝本体12の底部に溜まった雨水がパイプ31の内壁面に沿ってストレーナー32に確実に浸透する。なお、ストレーナー32の芯棒35や金属板36は、雨水で錆びることがない材料、例えばステンレスを用いて形成されている。
【0026】
本実施の形態の雨水浸透桝11は、道路の路肩に埋設された既設雨水桝10(図2参照)を加工することで形成される。以下には、その既設雨水桝10を雨水浸透桝11に改変するための加工装置について図3及び図4を用いて説明する。なお、図3は、加工装置40の側面図であり、図4は、加工装置40の正面図である。
【0027】
図3及び図4に示すように、本実施の形態における加工装置40は、本体フレーム41と、昇降装置42と、駆動装置としての油圧モータ43と、油圧ユニット44とを備える。
【0028】
本体フレーム41は、その底部に設けられるベース部材46と、ベース部材46から垂直に立設された枠状のガイドフレーム47とを有する。ベース部材46の一方の端部には、本体フレーム41を移動させるための車輪48が設けられている。ベース部材46における車輪48の近傍には、本体フレーム41を水平に保つための水平調節機構49が設けられている。水平調節機構49は、ベース部材46を貫通するねじ穴に螺入されるボルト51と、そのボルト51の下端部に固定され、本体フレーム41を支える平板52とを備える。この水平調節機構49において、ボルト51を回すことにより、ベース部材46に対する平板52の突出量が変更され、本体フレーム41の水平度が調節される。
【0029】
ガイドフレーム47には、その前面側に突出する可動部材54が昇降自在に設けられている。また、ガイドフレーム47の背面側には、ガイドフレーム47の長手方向(上下方向)に沿って駆動チェーン55が設けられるとともに、その駆動チェーン55を介して可動部材54を昇降させるための操作ハンドル56が設けられている。本実施の形態では、可動部材54と駆動チェーン55と操作ハンドル56とにより昇降装置42が構成される。この昇降装置42において、操作ハンドル56を正回転させることで可動部材54が上昇し、操作ハンドル56を逆回転させることで可動部材54が下降する。
【0030】
さらに、可動部材54には、垂直方向に伸びる支柱58の上端部が連結され、その支柱58の下端部(先端部)に油圧モータ43が設けられている。この油圧モータ43は、高圧ホース61を介して油圧ユニット44に接続されており、その油圧ユニット44から所定圧力の作動油が供給されることで回転軸62を回転駆動する。この油圧モータ43における回転軸62の先端には、コンクリートを切り抜くための円形コンクリートカッター(回転切削工具)63が固定されている。なお、その回転軸62の先端には、円形コンクリートカッター63の他に、土壌を掘削するためのスクリューオーガーも装着可能になっている。
【0031】
本実施の形態では、油圧モータ43を支持する支柱58の途中に、その軸振れを防止する回転軸ブレ防止手段としての軸振れ防止金具65が設けられている。図5に示されるように、軸振れ防止金具65は、支柱58を挿入するための貫通穴を有する鉄板66と、油圧モータ43の回転軸62に直交する複数の方向(水平方向)に伸縮可能に設けられた複数のアーム部67と、各アーム部67の伸縮量を調節するための調節シャフト68とを備える。本実施の形態の軸振れ防止金具65では、桝本体12のコーナー部に対応して4つのアーム部67が設けられている(図6参照)。各アーム部67は、当接部材70と、先端が当接部材70に接続される2本の関節部材71とを備える。
【0032】
軸振れ防止金具65において、鉄板66は長尺のボルトとナットとで固定され、この鉄板66の四隅に設けた各穴部69に調節シャフト68の端部が挿入されている。調節シャフト68にはウォームが形成されており、その調節シャフト68の下端部はベアリング73を介して回転可能に固定されている。そして、この調節シャフト68に、アーム部67(関節部材71)の基端が固定されている。具体的には、アーム部67の一方(図5では上方)の関節部材71の端部が、軸方向に移動不能に固定されており、他方(図5では下方)の関節部材71の端部は、内ねじが形成され、調節シャフト68のウォームに嵌合された状態で軸方向に移動可能に固定されている。つまり、この調節シャフト68を回転させることで、下側の関節部材71の基端が調節シャフト68に沿って上下方向に移動する。ここで、調節シャフト68を回転させて下側の関節部材71の基端を最下端部に移動させると、関節部材71が軸方向と平行になり、アーム部67(当接部材70)が内側に収まる。また、図5及び図6において破線で示すように、調節シャフト68を回転させて下側の関節部材71の基端を上方に移動させると、その関節部材71が水平方向に徐々に起き上がり、各アーム部67(当接部材70)が回転軸62に直交する方向(水平方向)に伸びる。
【0033】
なお、本実施の形態では、各調節シャフト68の上端部に調節ツマミ75が設けられており、作業者がその調節ツマミ75を回すことで、調節シャフト68を容易に回転させることができるようになっている。
【0034】
次に、本実施の形態の加工装置40を使用して既設雨水桝10を雨水浸透桝11に改変するための雨水浸透桝化工法について説明する。
【0035】
先ず、加工前準備工程において、既存雨水桝10のグレーチング蓋22を開け、建設工事用の掃除機を使用して、桝本体12内の雨水や泥などを除去する。そして、桝本体12の底が確認できる状態にした後、加工装置40を桝本体12の上部に配置させる。このとき、加工装置40のベース部材46において、車輪48のない他方の端部を桝本体12の外側に配設された凸部(例えば、図3に示す角材53)に載せる。その状態で車輪48側の水平調節機構49を調節することにより、平板52の突出量を変更して本体フレーム41を水平に保つようにする。
【0036】
続く回転軸固定工程では、加工装置40の操作ハンドル56を回すことで可動部材54及び支柱58を下げ、その支柱58に設けられている軸振れ防止金具65及び油圧モータ43を桝本体12内部に配置させる。その状態で、軸振れ防止金具65の調節シャフト68を回して各アーム部67の伸縮量を調節することで、各アーム部67の当接部材70を桝本体12のコーナー部に当接させる(図6参照)。この軸振れ防止金具65によって、油圧モータ43の回転軸62が水平方向にブレないように固定される。
【0037】
その後、穴あけ工程では、油圧ユニット44を作動させ、油圧ユニット44から油圧モータ43に作動油を供給することで、その油圧モータ43を駆動して円形コンクリートカッター63を回転させる。このとき、加工装置40の操作ハンドル56を回して、可動部材54及び支柱58を介して油圧モータ43を下げる。そして、図7(a)に示されるように、円形コンクリートカッター63を桝本体12の底面に当接させるとともに、上方から所定の力を円形コンクリートカッター63に作用させる。その結果、図7(b)及び図8(a)に示されるように、桝本体12の底面が切削され円形の貫通穴24が形成される。なおこのとき、円形コンクリートカッター63による切削部分に冷却水が放水され、円形コンクリートカッター63に生じる摩擦熱が冷却される。
【0038】
この貫通穴24の形成後、油圧モータ43の回転を一旦停止し、回転軸62の先端に装着されている円形コンクリートカッター63をスクリューオーガーに取り替える。その後、図7(c)に示されるように、油圧モータ43を駆動してスクリューオーガー64を回転させ、そのスクリューオーガー64によって、貫通穴24の下方にある土25を掘削して浸透部材収容穴26を形成する。この際、スクリューオーガー64によって掘削された土25は、建設工事用の掃除機等によって除去される。また、浸透部材収容穴26の形成後、加工装置40を桝本体12の上部から邪魔にならない位置に移動させる。
【0039】
浸透部材配設工程では、図7(d)及び図8(b)に示すように、浸透部材収容穴26内にパイプ31を縦置きで配設した後、図7(d)及び図8(c)に示すように、そのパイプ31内にストレーナー32を挿入配置する。これにより、桝本体12の底部に浸透部材13が装着される。そして、図1に示されるように、桝本体12の上部にグレーチング蓋22を装着することで、既設雨水桝10を雨水浸透桝11に改変するための作業が完了する。
【0040】
また、長期間使用した雨水浸透桝11をメンテナンスする場合、桝本体12の底部に溜まった泥やゴミを除去した後、作業用の棒などを利用してフック37に引っ掛けてストレーナー32をパイプ31から抜き取る。そして、そのストレーナー32を水洗浄して内部に溜まった泥などを除去した後、再びパイプ31内に挿入する。なお、このメンテナンス時には、新品のストレーナー32に交換してもよい。このようなメンテナンス作業を行うことで、雨水浸透桝11の浸透能力が施工時の状態に回復される。
【0041】
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0042】
(1)本実施の形態の場合、既設雨水桝10の桝本体12を地中に埋設したままの状態で加工してその底部に貫通穴24が形成され、その貫通穴24の下方に多孔性の浸透部材13が配設される。このようにすれば、既設雨水桝10を地中から掘り起こすことなく、その雨水桝10を雨水浸透桝11に改変することができる。従って、従来技術のように新規の雨水浸透桝に取り替える場合と比較して、簡単かつ迅速に雨水浸透桝11を施工することができ、その施工コストを半分以下のコストに抑えることができる。
【0043】
(2)本実施の形態の雨水浸透桝11では、桝本体12の底面から下方に突出するように浸透部材13が配設されるので、底面に貫通穴24のみを設けた雨水浸透桝と比較して雨水の浸透面積を十分に確保することができる。また、雨水は桝本体12の底部に溜まるので、貫通穴24を通して浸透部材13から雨水を効率よく地中に浸透させることができる。従って、大雨時において、雨水本管16の負荷を軽減することができ、都市洪水を防止することが可能となる。また、舗装路に降った雨水をその舗装路の地中に返すことができ、水の自然循環を助成することができる。
【0044】
(3)本実施の形態の浸透部材13は、パイプ31の周面に複数の透孔33を有するため、雨水の浸透面積を十分に確保することができる。また、パイプ31の透孔33よりも細かい複数の細孔34を有するストレーナー32をパイプ31内に設けることによって、雨水に含まれるゴミ(砂利や葉っぱなど)がパイプ31内部に入り込むことを防止することができる。従って、パイプ31の透孔33の目詰まりなどによる雨水の浸透能力の低下を抑えることができる。さらに、この浸透部材13では、パイプ31が縦置きで配設されており、そのパイプ31内に収納されるストレーナー32の上部にフック37が形成されている。そのため、桝本体12底部の貫通穴24を通してストレーナー32の着脱を容易に行うことができ、メンテナンス作業を迅速に行うことができる。
【0045】
(4)本実施の形態の雨水浸透桝11では、桝本体12の底面に貫通穴24を設けたので、桝本体12の側面に貫通穴24を設ける場合と比較して貫通穴24の加工を容易に行うことができる。また、桝本体12の底面に比較的に大きな1つの貫通穴24を設けるようにしているので、複数の貫通穴24を形成する場合と比較して加工が容易であり、貫通穴24に配置する浸透部材13も1つで済むため、低コストかつ迅速に浸透部材13(ストレーナー32)の交換を行うことができ、実用上好ましいものとなる。
【0046】
(5)本実施の形態の雨水浸透桝11は、桝本体12の底面に円形の貫通穴24が形成され、その貫通穴24の下側に円柱状の浸透部材13が装着されるので、良好な外観を確保することができる。
【0047】
(6)本実施の形態の加工装置40では、軸振れ防止金具65の各アーム部67を桝本体12のコーナー部に当接させることで、回転軸62のブレを防止するようにした。このようにすれば、例えばアンカーボルトで固定する場合のように桝本体12やその周辺の道路に傷をつけることがなく、回転軸62のブレを確実に防止することができる。また、軸振れ防止金具65では、調節部としての調節シャフト68を回すことで各アーム部67の伸縮量を調節できるため、桝本体12のサイズが異なる場合でも、各アーム部67の当接部材70を桝本体12に確実に当接させることができる。従って、回転軸62のブレを確実に防止することができ、桝本体12の底面に貫通穴24を精度良く形成することができる。
【0048】
(7)本実施の形態の加工装置40は、水平調節機構49によって本体フレーム41を水平に保つことができるので、桝本体12の底面に貫通穴24をより正確に形成することができる。
【0049】
(8)本実施の形態の加工装置40では、本体フレーム41のベース部材46に車輪48が設けられているので、車などで搬送した加工装置40を道路脇の作業現場まで簡単に移動させることができる。
【0050】
(9)本実施の形態の加工装置40では、駆動装置として油圧モータ43を用いたので、電動モータを用いる場合のように雨水や冷却水などによる漏電対策を施す必要がない。
【0051】
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
【0052】
・上記実施の形態では、桝本体12の底部における貫通穴24の下方に浸透部材13を設けるものであったが、図9のように貫通穴24内に浸透部材81を設けてもよいし、図10のように貫通穴24の上部を覆うように桝本体12の底部に浸透部材82を配置してもよい。
【0053】
・上記実施の形態では、桝本体12の底面に貫通穴24を形成するものであったが、これ以外に底部の側面側に貫通穴24を設けるように構成してもよい。ただし、上記実施の形態のように、桝本体12の底面に貫通穴24を形成する方が容易かつ迅速に加工作業を行うことができる。
【0054】
・上記実施の形態では、縦横の長さが等しい30cm角の雨水桝10を加工するものであったが、細長い形状の雨水桝を加工してもよい。なおこの場合、図11に示すような擬似ボックス84を桝本体85に配置して、貫通穴の加工作業を行う。具体的には、擬似ボックス84は、上記実施の形態の桝本体12と同様に真四角の開口部86を有する。この擬似ボックス84を桝本体85の内側に介在させることで、軸振れ防止金具65の各アーム部67を擬似ボックス84のコーナー部に確実に当接させることができる。これにより、油圧モータ43の回転軸62が水平方向にブレないように固定されるため、桝本体85の底面に貫通穴24を形成することができる。なお、擬似ボックス84は、桝本体85の内側に介在させた状態で本体フレーム41のベース部材46に固定される。この場合、その擬似ボックス84と軸振れ防止金具65とによって回転軸ブレ防止手段が構成される。
【0055】
・上記実施の形態では、本体フレーム41に昇降装置42を有する加工装置40に具体化するものであったが、図12に示すような簡易型の加工装置90に具体化してもよい。この加工装置90では、支柱58の基端側にハンドル91が設けられ、支柱58の先端側に油圧モータ43が設けられている。また、この支柱58の途中には上記実施の形態と同様に軸振れ防止金具65が設けられている。この加工装置90では、作業者がハンドル91を手で持って作業し、ハンドル91の上方から力を加えることにより、円形コンクリートカッター63に下方への押圧力が作用して貫通穴24の加工を行うことができる。
【0056】
・上記実施の形態の加工装置40は、回転軸62の軸振れを防止するための軸振れ防止金具65を備えていたが、例えば、桝本体12が浅い場合には、貫通穴24の加工時に軸振れがほとんど生じないので、軸振れ防止金具65を省略してもよい。
【0057】
・上記実施の形態において、軸振れ防止金具65は、作業者が調節シャフト68を回すことでアーム部67の伸縮量を調整するように構成されていたが、駆動モータなどのアクチュエータを用いて自動に調整できるように構成してもよい。但し、アクチュエータを設けると、構成が複雑になり大型化するので、上記実施の形態のように、手動で調整する構成とすれば、軸振れ防止金具65をコンパクトにすることができ、実用上好ましいものとなる。
【0058】
・上記実施の形態における軸振れ防止金具65は、4つのアーム部67を用いて4点支持する構成であったが、アーム部67を変更し、2点支持や3点支持などの構成に変更してもよい。
【0059】
・上記実施の形態では、円形コンクリートカッター63を用いて桝本体12の底面に貫通穴24を形成したが、それ以外の切削工具(例えば、ハンマーなどの工具)を用いてもよい。また、スクリューオーガー64の代わりに、ダブルスコップなどを用いて浸透部材収容穴26を形成してもよい。さらに、円形コンクリートカッターの内側に掘削用のドリルを納めた回転切削工具を用いて、貫通穴24と浸透部材収容穴26とを形成してもよい。
【0060】
・上記実施の形態の加工装置40では、油圧ユニット44や掃除機を別体で設けるものであったが、それら油圧ユニット44や掃除機の機能を有する加工装置を用いてもよい。但し、上記実施の形態のように、油圧ユニット44や掃除機を加工装置40と別体で設ける場合、その加工装置40の小型化が可能となり、細い道路など狭い場所に加工装置40を容易に移動させることができる。
【0061】
・上記実施の形態では、道路の路肩に埋設された既設雨水桝10を加工するものであったが、これ以外に駐車場などの舗装された場所や各家庭の庭に埋設された既設雨水桝10を加工して雨水浸透桝11に改変してもよい。
【0062】
・上記実施の形態では、筒体であるパイプ31内に浸透性のフィルタ材であるストレーナー32を配置した構造を採用したが、以下のように変更してもよい。例えば、ストレーナー32の代わりに、砕石、ガラス玉、セラミック玉等といった粒状物を充填配置する。粒状物は、パイプ31に設けられた複数の透孔33よりも細かいことがよい。あるいは、パイプ31のみを設置してストレーナー32を省略した構造とすることも可能である。
【0063】
・上記実施の形態では、断面円形状の浸透部材収容穴26を形成し、そこに円筒状のパイプ31を配置したが、断面非円形状(例えば四角形状)の浸透部材収容穴を形成し、そこに同じ形状(この場合には四角形状)のパイプを配置するようにしてもよい。
【0064】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0065】
(1)請求項4または5において、前記本体フレームの水平度を調節するための水平調節機構を備えたことを特徴とする既設雨水桝加工装置。
【0066】
(2)請求項4または5において、前記本体フレームの底部に、当該本体フレームを移動させるための車輪を備えたことを特徴とする既設雨水桝加工装置。
【0067】
(3)請求項4または5において、前記回転軸の先端には、前記回転切削器具と土砂を掘削するための回転掘削器具とが交換可能に設けられることを特徴とする既設雨水桝加工装置。
【0068】
(4)請求項4または5において、前記回転切削器具を上下動させるための昇降装置を備えたことを特徴とする既設雨水桝加工装置。
【0069】
(5)請求項4または5において、前記駆動装置は、油圧によって駆動される油圧モータであることを特徴とする既設雨水桝加工装置。
【0070】
(6)舗装路の地中に埋設され、前記舗装路に降った雨水を前記桝本体に一旦蓄えて雨水本管側に排出するとともに、前記雨水の一部を地中に浸透させる雨水浸透桝であって、底部に貫通穴が形成された有底筒状の桝本体と、前記桝本体の側壁に設けられ雨水本管と連結された排出管と、周面に複数の透孔を有する筒体と、前記複数の透孔よりも細かい複数の細孔を有し、前記筒体内に挿抜可能に配置される浸透性のフィルタ材とを含んで構成された浸透部材とを備え、前記貫通穴の下方にある浸透部材収容穴内に前記筒体が縦置きで配設され、前記筒体内に前記フィルタ材が挿入配置されていることを特徴とする雨水浸透桝。
【0071】
(7)請求項6において、前記フィルタ材の端部に、着脱用のフックを備えたことを特徴とする雨水浸透桝。
【0072】
(8)請求項6において、前記貫通穴は円形の穴であり、前記浸透部材は、円柱状の部材であることを特徴とする雨水浸透桝。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明を具体化した一実施の形態の雨水浸透桝を示す断面図。
【図2】既設雨水桝を示す断面図。
【図3】加工装置を示す側面図。
【図4】加工装置を示す正面図。
【図5】軸振れ防止金具を示す平面図。
【図6】軸振れ防止金具による固定方法を示す説明図。
【図7】(a)〜(d)は雨水浸透桝化工法を説明するための断面図。
【図8】(a)〜(c)は雨水浸透桝化工法を説明するための平面図。
【図9】別の実施の形態の雨水浸透桝を示す断面図。
【図10】別の実施の形態の雨水浸透桝を示す断面図。
【図11】擬似ボックスを示す斜視図。
【図12】別の実施の形態の加工装置を示す正面図。
【符号の説明】
【0074】
10…既設雨水桝
11…雨水浸透桝
12,85…桝本体
13,81,82…浸透部材
15…排出管
16…雨水本管
24…貫通穴
25…土
26…浸透部材収容穴
31…筒体としてのパイプ
32…フィルタ材としてのストレーナー
33…透孔
34…細孔
40…既設雨水桝加工装置としての加工装置
41…本体フレーム
43…駆動装置としての油圧モータ
62…回転軸
63…回転切削工具としての円形コンクリートカッター
65…回転軸ブレ防止手段としての軸振れ防止金具
67…アーム部
68…調節部としての調節シャフト
84…回転軸ブレ防止手段を構成する擬似ボックス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に埋設された既設雨水桝を加工して雨水浸透桝に改変する工法であって、
前記既設雨水桝を構成する有底筒状の桝本体を地中に埋設したままの状態で加工し、その底部に貫通穴を形成する穴あけ工程と、
前記貫通穴の近傍に多孔性の浸透部材を配設する浸透部材配設工程と
を含むことを特徴とする、既設雨水桝の雨水浸透桝化工法。
【請求項2】
前記穴あけ工程では、前記貫通穴の下方にある土を掘削して浸透部材収容穴を形成し、前記浸透部材配設工程では、前記浸透部材収容穴内に前記浸透部材を配設することを特徴とする請求項1に記載の既設雨水桝の雨水浸透桝化工法。
【請求項3】
前記浸透部材は、周面に複数の透孔を有する筒体と、前記複数の透孔よりも細かい複数の細孔を有し、前記筒体内に挿抜可能に配置される浸透性のフィルタ材とを含んで構成され、
前記浸透部材配設工程では、前記浸透部材収容穴内に前記筒体を縦置きで配設した後、前記筒体内に前記フィルタ材を挿入配置することを特徴とする請求項2に記載の既設雨水桝の雨水浸透桝化工法。
【請求項4】
地中に埋設された既設雨水桝を加工して雨水浸透桝に改変するときに使用する装置であって、
本体フレームと、
前記本体フレームに支持される駆動装置と、
前記駆動装置の回転軸の先端に装着され、前記桝本体の底部に貫通穴を形成するための回転切削工具と、
前記既設雨水桝の内側面に当接することで前記駆動装置の駆動時における前記回転軸のブレを防止する回転軸ブレ防止手段と
を備えたことを特徴とする既設雨水桝加工装置。
【請求項5】
前記回転軸ブレ防止手段は、前記回転軸に直交する複数の方向に伸縮可能に設けられた複数のアーム部と、各アーム部の伸縮量を調節するための調節部とを有することを特徴とする請求項4に記載の既設雨水桝加工装置。
【請求項6】
地中に埋設された既設雨水桝を加工して形成された雨水浸透桝であって、
底部に貫通穴が形成された有底筒状の桝本体と、
前記桝本体の側壁に設けられ雨水本管と連結された排出管と、
周面に複数の透孔を有する筒体と、前記複数の透孔よりも細かい複数の細孔を有し、前記筒体内に挿抜可能に配置される浸透性のフィルタ材とを含んで構成された浸透部材と
を備え、前記貫通穴の下方にある浸透部材収容穴内に前記筒体が縦置きで配設され、前記筒体内に前記フィルタ材が挿入配置されていることを特徴とする雨水浸透桝。
【請求項1】
地中に埋設された既設雨水桝を加工して雨水浸透桝に改変する工法であって、
前記既設雨水桝を構成する有底筒状の桝本体を地中に埋設したままの状態で加工し、その底部に貫通穴を形成する穴あけ工程と、
前記貫通穴の近傍に多孔性の浸透部材を配設する浸透部材配設工程と
を含むことを特徴とする、既設雨水桝の雨水浸透桝化工法。
【請求項2】
前記穴あけ工程では、前記貫通穴の下方にある土を掘削して浸透部材収容穴を形成し、前記浸透部材配設工程では、前記浸透部材収容穴内に前記浸透部材を配設することを特徴とする請求項1に記載の既設雨水桝の雨水浸透桝化工法。
【請求項3】
前記浸透部材は、周面に複数の透孔を有する筒体と、前記複数の透孔よりも細かい複数の細孔を有し、前記筒体内に挿抜可能に配置される浸透性のフィルタ材とを含んで構成され、
前記浸透部材配設工程では、前記浸透部材収容穴内に前記筒体を縦置きで配設した後、前記筒体内に前記フィルタ材を挿入配置することを特徴とする請求項2に記載の既設雨水桝の雨水浸透桝化工法。
【請求項4】
地中に埋設された既設雨水桝を加工して雨水浸透桝に改変するときに使用する装置であって、
本体フレームと、
前記本体フレームに支持される駆動装置と、
前記駆動装置の回転軸の先端に装着され、前記桝本体の底部に貫通穴を形成するための回転切削工具と、
前記既設雨水桝の内側面に当接することで前記駆動装置の駆動時における前記回転軸のブレを防止する回転軸ブレ防止手段と
を備えたことを特徴とする既設雨水桝加工装置。
【請求項5】
前記回転軸ブレ防止手段は、前記回転軸に直交する複数の方向に伸縮可能に設けられた複数のアーム部と、各アーム部の伸縮量を調節するための調節部とを有することを特徴とする請求項4に記載の既設雨水桝加工装置。
【請求項6】
地中に埋設された既設雨水桝を加工して形成された雨水浸透桝であって、
底部に貫通穴が形成された有底筒状の桝本体と、
前記桝本体の側壁に設けられ雨水本管と連結された排出管と、
周面に複数の透孔を有する筒体と、前記複数の透孔よりも細かい複数の細孔を有し、前記筒体内に挿抜可能に配置される浸透性のフィルタ材とを含んで構成された浸透部材と
を備え、前記貫通穴の下方にある浸透部材収容穴内に前記筒体が縦置きで配設され、前記筒体内に前記フィルタ材が挿入配置されていることを特徴とする雨水浸透桝。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−315088(P2007−315088A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−147133(P2006−147133)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【特許番号】特許第3932053号(P3932053)
【特許公報発行日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(502278390)株式会社山越 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【特許番号】特許第3932053号(P3932053)
【特許公報発行日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(502278390)株式会社山越 (8)
【Fターム(参考)】
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