説明

昆虫防除のための組成物および方法

害虫防除組成物、混合物および製剤が開示される。混合物は、相乗的組合せで、ライラック花精油、D−リモネン、タイム油、ライム油、黒種子油、冬緑油、リナロール、テトラヒドロリナロール、バニリン、ミリスチン酸イソプロピル、ピペロナール(アルデヒド)、ゲラニオール、ゲラニオール60、クエン酸トリエチルおよびサリチル酸メチルのような、少なくとも2つの成分を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成分の相乗的な混合を有する組成物を含む、昆虫防除に関する組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昆虫のような無脊椎動物に対し選択的であり、哺乳類、魚類、家禽および他の種のような脊椎動物に毒性を有しないか又は僅かしか有せず、且つその他の点では環境に残存せずダメージを与えない製品を得ることを目的として、長年にわたって、様々な薬剤や混合物が殺虫作用について研究されてきた。
【0003】
また、役立つ充分な殺虫作用を有する既知の市販品の大部分は、製品の標的でない哺乳類、魚類、家禽または他の種に有毒であるか有害な影響を及ぼす。例えば、有機リン化合物およびカルバミン酸エステルは、昆虫に加えて動物の全ての種類においてアセチルコリンエステラーゼの活性を阻害する。クロルジメホルムおよび関連したホルマミジン類は、昆虫のオクトパミン受容器に作用することが知られているが、脊椎動物の心臓毒性の可能性および動物に対する発癌性および異なる昆虫類における様々な作用のために、市場から取り除かれた。哺乳類および他の標的でない種にあまり有毒ではない他の化合物は、時々、識別するのが困難である。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施形態は、相乗的組合せで、少なくとも2つの成分、例えばライラック花精油、D−リモネン、タイム油、ライム油、黒種子油、冬緑油、リナロール、テトラヒドロリナロール、バニリン、ミリスチン酸イソプロピル、ピペロナール(アルデヒド)、ゲラニオール、ゲラニオール60、クエン酸トリエチル、サリチル酸メチル及びその類を含む害虫防除混合物を含む。
【0005】
いくつかの実施形態において、害虫防除混合物は、相乗的組合せで、ライラック花精油、D−リモネン、タイム油及びライム油のうち少なくとも2つを含んでもよい。ライラック花精油の濃度は5%と25%の間でもよい;D−リモネンの濃度は2%と20%の間でもよい;タイム油の濃度は、2%と25%の間でもよい;及び、ライム油の濃度は、50%と90%の間でもよい。同様に、ライラック花精油の濃度は、10%と15%の間でもよい;D−リモネンの濃度は、5%と15%の間でもよい;タイム油の濃度は、5%と15%の間でもよい;及び、ライム油の濃度は、60%と80%の間でもよい。更に、ライラック花精油の濃度は、12.94%でもよい; D−リモネンの濃度は、8.72%でもよい;タイム油の濃度は、9.58%でもよい;そして、ライム油の濃度は、68.76%でもよい。
【0006】
他の実施形態において、害虫防除混合物は、相乗的組合せにおいて、黒種子油、リナロール、テトラヒドロリナロール、バニリン、ミリスチン酸イソプロピル、ピペロナール(アルデヒド)およびゲラニオールの少なくとも2つを含んでもよい。黒種子油の濃度は、5%と70%の間でもよい;リナロールの濃度は、2%と25%の間でもよい;テトラヒドロリナロールの濃度は、2%と30%の間でもよい;バニリンの濃度は、0.1%と5%の間でもよい;ミリスチン酸イソプロピルの濃度は、5%と40%の間でもよい;ピペロナール(アルデヒド)の濃度は、1%と15%の間でもよい;そして、ゲラニオールの濃度は、1%と20%の間でもよい。同様に、黒種子油の濃度は、15%と60%の間でもよい;リナロールの濃度は、5%と20%の間でもよい;テトラヒドロリナロールの濃度は、5%と25%の間でもよい;バニリンの濃度は、0.5%と3%の間でもよい;ミリスチン酸イソプロピルの濃度は、10%と30%の間でもよい;ピペロナール(アルデヒド)の濃度は、3%と10%の間でもよい;そして、ゲラニオールの濃度は、5%と15%の間でもよい。更に、黒種子油の濃度は、21.5%と52.28%の間でもよい;リナロールの濃度は、9.63%と15.8%の間でもよい;テトラヒドロリナロールの濃度は、11.57%と19.0%の間でもよい;バニリンの濃度は、1.12%と1.9%の間でもよい;ミリスチン酸イソプロピルの濃度は、14.26%と23.4%の間でもよい;ピペロナール(アルデヒド)の濃度は、4.75%と7.8%の間でもよい;そして、ゲラニオールの濃度は、6.38%と10.5%の間でもよい。
【0007】
他の実施形態では、害虫防除混合物は、相乗的組合せにおいて、ライラック花精油および黒種子油を含んでもよい。ライラック花精油の濃度は40%と90%の間でもよく、黒種子油のパーセンテージは5%と70%の間でもよい。同様に、ライラック花精油の濃度は45%と85%の間でもよく、黒種子油のパーセンテージは15%と60%の間でもよい。更に、ライラック花精油の濃度は50.13%と80.09%の間でもよく、黒種子油のパーセンテージは19.91%と49.87%の間でもよい。
【0008】
さらに別の実施形態において、害虫防除混合物は、相乗的組合せで、タイム油、冬緑油およびミリスチン酸イソプロピルのうちの少なくとも2つを含んでもよい。タイム油の濃度は、25%と55%の間でもよい;冬緑油の濃度は、10%と40%の間でもよい;そして、ミリスチン酸イソプロピルの濃度は、20%と50%の間でもよい。同様に、タイム油の濃度は、35%と45%%の間でもよい;冬緑油の濃度は、20%と30%の間でもよい;そして、ミリスチン酸イソプロピルの濃度は、30%と40%の間でもよい。更に、タイム油の濃度は、39.24%でもよい;冬緑油の濃度は、24.82%でもよい;そして、ミリスチン酸イソプロピルの濃度は、35.94%でもよい。
【0009】
他の実施形態において、害虫防除混合物は、相乗的組合において、タイム油、冬緑油およびサリチル酸メチルの少なくとも2つを含んでもよい。タイム油の濃度は、5%と35%の間でもよい;冬緑油の濃度は、30%と60%の間でもよい;そして、サリチル酸メチルの濃度は、30%と60%の間でもよい。同様に、タイム油の濃度は、15%と25%の間でもよい;冬緑油の濃度は、40%と50%の間でもよい;そして、サリチル酸メチルの濃度は、40%と50%の間でもよい。更に、タイム油の濃度は、20.6%でもよい;冬緑油の濃度は、45.1%でもよい;そして、サリチル酸メチルの濃度は、45.1%でもよい。
【0010】
本発明の害虫防除混合物は、標的生物における試験で測定される場合に、各々の活性成分の少なくとも1.5の相乗効果の係数を有することが可能で、試験はノックダウン時間、致死時間、防虫性および残効性から選択されてもよい。同様に、相乗効果の係数は、少なくとも一つの活性成分に対し、少なくとも5または少なくとも10または少なくとも25でもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、混合物に対する暴露は標的生物の中で細胞カルシウム濃度を崩壊させ、および/または、混合物に対する暴露は標的生物の細胞の中で環状AMP濃度を崩壊させる。いくつかの実施形態では、混合物に対する暴露は、標的生物の嗅覚のカスケードの受容体の結合を生じうる。いくつかの実施形態では、混合物の一つ以上の構成成分は、標的生物の受容体におけるアゴニストまたはアンタゴニストとして作用することができる。いくつかの混合物は、少なくとも3つの活性成分または少なくとも4つの活性成分を含む。
【0012】
また、本発明の実施形態は、本発明の混合物を含む害虫防除製剤を提供する。害虫防除製剤は、例えば、ハーコリン(Hercolyn)D、鉱油、大豆油、ピペロニルアルコール、エチルリナロール、ヘディオン(Hedione)、ジプロピレングリコール、シトラール、γ−テルピネン、ラウリル硫酸ナトリウム、チモール、α‐ピネン、α−テルピネオール、テルピノレン、パラシメン、トランスアネトール、酢酸リナリル、βピネン、樟脳デキストロ、Terpinene−4−ol、Span80、Tween80、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、Isopar M、BHA、BHT、dl−α−トコフェロール リネアオレート(lineaolate)、αテルピネン、ボルネオールL、カンフェン、デカナール、ドデカナール、フェンコールα、酢酸ゲラニル、イソボルネオール、2−メチル1,3−シクロヘキサジエン、ミルセン、ノナナール、オクタナール、オレイン酸ポリグリセロール-4、トコフェロールγテノックス、キサンガム、A45推進剤(A45 Propellent)、レシチン、推進剤(Propellent)、水、界面活性剤、陽イオン剤、安息香酸ナトリウム、キサンタン、ソルビン酸カリウム(Ksorbate)及びその類などから少なくとも1つの成分を含んでもよい。
他の実施形態において、本発明は、望ましい環境特性を有する相乗効果を生じる害虫防除製剤を作る方法を提供する。
方法は、次の工程を含んでもよい:脊椎動物と接触する使用が通常は安全であることが知られているか又は信じられている候補成分の群から成分を選ぶこと;無脊椎動物のGタンパク質結合受容体に結合する成分をスクリーニングし、その結合が細胞カルシウム又は環状AMPの測定可能な崩壊に結果としてなること;スクリーニングされた成分を少なくとも一つの他のスクリーニングされた成分と組合せ、その成分が組合せにおいて、標的生物に対して相乗効果を有する工程。受容体は、例えばチラミン受容体、オクトパミン受容器、嗅覚受容体Or83b、嗅覚受容体43aおよびその類を含む昆虫嗅覚器官カスケードの受容体でもよい。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態は、昆虫防除のための組成物およびこれらの組成物を使用する方法を目的とする。本発明の実施形態は、一つ以上の植物精油を含んでいてもよい昆虫防除のための組成物、およびこれらの組成物を使用する方法を含む。混合されたときに、植物精油は相乗効果を有することができる。また、組成物は不揮発性油、典型的には不揮発性の匂いのしない植物油、を含むことができる。加えて、いくつかの実施形態では、一般的に安全と考えられている(GRAS:Generally Regarded As Safe)化合物から作ることができる。
【0014】
簡明性の目的で、本出願においては「昆虫」なる用語が使用される;しかしながら、「昆虫」なる用語は、昆虫だけでなく、ダニ類、クモ類および他のクモ形類動物、幼虫、及び無脊椎動物の類も指すことを理解されなければならない。また、本出願のために、「昆虫防除」なる用語は、防虫効果、殺虫効果、または両方を有することを指す。「防虫効果」は、組成物で処置されなかったコントロールの宿主又は領域よりも、多くの昆虫を組成物で処置された宿主又は領域から離れて寄せ付けない効果である。いくつかの実施形態では、防虫効果は、少なくとも約75%の昆虫を組成物で処置された宿主または領域から離れて寄せ付けない効果である。いくつかの実施形態では、防虫効果は、少なくとも約90%の昆虫を組成物で処置された宿主または領域から離れて寄せ付けない効果である。「殺虫効果」は、組成物による処置が昆虫の少なくとも約1%を死なせる効果である。この点に関しては、組成物のLC1からLC100(致死濃度)またはLD1からLD100(致死量)は、殺虫効果を生じる。いくつかの実施形態では、殺虫効果は、組成物による処置が暴露された昆虫の少なくとも約5%を死なせる作用である。
【0015】
いくつかの実施形態では、殺虫効果は、組成物による処置が暴露した昆虫の少なくとも約10%を死なせる作用である。いくつかの実施形態では、殺虫効果は、組成物による処置が暴露した昆虫の少なくとも約25%を死なせる作用である。いくつかの実施形態において、殺虫効果は、組成物による処置が暴露した昆虫の少なくとも約50%を死なせる作用である。いくつかの実施形態において、殺虫効果は、組成物による処置が暴露した昆虫の少なくとも約75%を死なせる作用である。いくつかの実施形態において、殺虫効果は、組成物による処置が暴露した昆虫の少なくとも約90%を死なせる作用である。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明の組成物による処置は、2、3秒から2、3分以内に生じる昆虫のノックダウンに結果として成る。「ノックダウン」は、組成物による処置が少なくとも約1%に減少する可動性を示させる効果である。いくつかの実施形態では、ノックダウンは、組成物による処置が暴露した昆虫の少なくとも約50%を死なせる作用である。
【0017】
本発明の組成物は、直接宿主に処置するか、宿主がいる領域、例えば屋内のリビング・スペース、屋外のパティオまたは庭に処置することによって、昆虫を防除するために使用することができる。本出願の目的において、宿主は、植物、ヒトまたは他の動物と定義される。
【0018】
処置は、油性製剤、水性製剤、残留製剤およびその類の使用を含むことができる。いくつかの実施形態では、製剤の組合せは、異なる製剤タイプの利点を獲得するために使用することができる。
【0019】
本発明の実施形態は、昆虫防除のための組成物およびこれらの組成物を使用する方法を目的とする。本発明の組成物は、以下の油またはそれらの混合物のいずれかを含むことができる。
【0020】
サリチル酸メチル、別名白樺油。サリチル酸メチルは、冬緑油の主要成分であって、時々冬緑油と交換可能に使用される。それは、多くの植物種の天産物であり、サリチル酸のメチルエステルであって、化学的にサリチル酸およびメタノールの縮合反応から作り出すことができる。それを産生するいくつかの植物は、ヒメコウジと一般名称で呼ばれている。サリチル酸メチルは、植物によって、他の植物に病原体について警告するために、フェロモンとして使われることができる(Shulaev等、1997年2月20日、Nature385:718-721)。また、サリチル酸メチルの放出は、草食の昆虫を殺すために、有益昆虫の補充における、エキソフェロモン援助(an exopheromone aid)として機能することができる(James等、2004年8月、J.Chem.Ecol.30(8):1613-1628)。イチヤクソウ科の種及びシラタマノキ属及びカバノキ属の種を含む多数の植物は、サリチル酸メチルを産生する。所与の混合物または製剤または他の組成物は、冬緑油を含むものとして本願明細書において開示される所で、別の実施例では冬緑油の代わりにサリチル酸メチルを含むものとしても意図される点に注意される。同様に、他の組成物の混合物または製剤がサリチル酸メチルを含む所で、別の実施例は冬緑油を含むものとしても意図される。
【0021】
タイム油はシソ科の種を含む、特定の植物から抽出することができる天産物であり、例えば、タイム油は、タチジャコウソウ(T.ilerdensis、T.aestivusおよびT.velantianus)から得ることができる。
【0022】
チモールはシメン、C1013OH、のモノテルペンフェノール誘導体、タイム油に含まれるカルバクロールの異性体で、白色結晶状物質として抽出される。
【0023】
ゲラニオール、別名ロジノール、は、モノテルペノイドおよびアルコールである。バラ油およびパルマローザ油の主要部である。香水及び香り付けとして使われる。また、蜂蜜ミツバチの香腺によって産生され、それらが花蜜をつける花をマークすること、およびハチの巣への入口の位置を決めることを助ける。ゲラニオールは、例えば、ゲラニオール60、ゲラニオール85およびゲラニオール95として得ることができる。ゲラニオールがゲラニオール60、ゲラニオール85またはゲラニオール95として得られるときに、油の約40パーセント、15パーセントまたは5パーセントはネロールでもよい。ネロールはモノテルペン(C1018O)であり、バラ香油、橙花油およびラベンダー油から抽出することができる。
【0024】
バニリンは、バニラビーンの抽出物の主要な成分である。合成バニリンが、食品、飲料および医薬の香料として使われる。
【0025】
また、他の成分が本発明の組成物において含まれることができ、他の成分は、黒種子油、ボルネオール、カンフェン、カルバクロール、β−カリオフィレン、クエン酸トリエチル、p−シメン、ヘディオン、ヘリオトロピン、ハーコリンD、ライラック花精油、ライム油、リモネン、リナロール、エチルリナロール、テトラヒドロリナロール、α−ピネン、β−ピネン、ピペロナール、ピペロニルアルコール、α−テルピネン、tert−ブチル−p−ベンゾキノン、α−ツジェン(thujene)およびクエン酸トリエチルを含むがこれに限定されない。
【0026】
ライラック花精油を含む本発明のある例示的組成物において、以下の化合物の一つ以上は、ライラック花精油と置換することができる:テトラヒドロリナロール;エチルリナロール;ヘリオトロピン;ヘディオン;ハーコリンD;及びクエン酸トリエチル。黒種子油を含む本発明のある例示的組成物において、以下の化合物の一つ以上は、黒種子油と置換することができる:α−ツジェン:α−ピネン;βピネン;p−シメン;リモネン;およびtert−ブチル−p−ベンゾキノン。タイム油を含む本発明のある例示的組成物において、以下の化合物の一つ以上は、タイム油と置換することができる:チモール、α−ツジョン(thujone);α−ピネン、カンフェン、β−ピネン、p−シメン、α−テルピネン、リナロール、ボルネオール、β−カリオフィレンおよびカルバクロール。サリチル酸メチルを含む本発明のある例示的実施形態において、冬緑油はサリチル酸メチルと置換することができる。冬緑油を含む本発明のある例示的実施形態において、サリチル酸メチルは冬緑油と置換することができる。
【0027】
本発明の例示的組成物を調製するために使用する油は、例えば、以下の供給元から入手できる:Millennium Specialty化学(ジャクソンビル、FL)、アンゲラ社(リンカーン・パーク、NJ)、SAFC(ミルウォーキー、WI)およびIFF社(Hazlet、NJ)。
【0028】
また、イソプロピルアルコールおよびミリスチン酸のエステルであるミリスチン酸イソプロピルは増粘剤および緩和剤として使用され、本発明の例示的実施形態に含まれてもよい。
【0029】
複数の油を含んでいるそれらの組成物において、組成物の配合は、約0.1%、又はそれ以下、と約99%、又はそれ以上、の間の各々の油から作ることができる。例えば、本発明のある組成物は、約1%のチモールおよび約99%のゲラニオールから成る。任意には、組成物は、更に、不揮発性で匂いのない植物油である不揮発性油を含んでもよい。本発明の製剤に役立つ不揮発性油は、ヒマシ油、トウモロコシ油、クミン油、鉱油、オリーブ油、落花生油、サフラワー油、胡麻油および大豆油を含むが、これに限定されるものではない。
【0030】
ある例示的実施形態において、本発明による昆虫防除組成物は、少なくとも一つのサリチル酸メチル、タイム油、チモールおよび/またはゲラニオールを含む。他の例示的実施形態において、昆虫防除組成物は、サリチル酸メチル、タイム油、チモールおよび/またはゲラニオールのうちの少なくとも2つを含む。他の例示的実施形態において、本発明による昆虫防除組成物は、サリチル酸メチル、チモールおよびゲラニオールを含む。
【0031】
本発明の実施形態が活性成分、キャリア、不活性成分および他の製剤成分を含むことができるが、好適な実施形態は主要な混合物から始める。主要な混合物は好ましくは2つ以上の活性成分および、任意に、添加された成分を含んでいる相乗効果を生み出す組合せである。そして、主要な混合物は、製剤を産生するために、他の成分と結合することができる。したがって、濃度、濃度範囲又は量が本願明細書において与えられる所、それらの数量は概して主要な混合物または複数の混合物に関してある。そのため、主要な混合物が製剤を産生するために他の成分の追加によって更に変更されるときに、活性成分の濃度は製剤の他の成分の存在に比例して減少する。
【0032】
好適な混合物において、サリチル酸メチルは、重量で、10%、又はそれ以下、と60%、又はそれ以上、の間の濃度;15%と50%の間の濃度;20%と45%の間の濃度;又は約39%の濃度で含まれてもよい。
【0033】
チモールは、重量で、5%、又はそれ以下、と40%、又はそれ以上、の間の濃度;15%と25%の間の濃度;又は約20%の濃度で含まれてもよい。
【0034】
タイム油は、重量で、5%、又はそれ以下、と40%、又はそれ以上、の間の濃度、15%と25%の間の濃度、または約20%の濃度で含まれてもよい。
ゲラニオールは、重量で、5%、又はそれ以下、と40%、又はそれ以上、の間の濃度、15%−25%の濃度、または約20重量%の濃度で含まれてもよい。
【0035】
ある例示的実施形態において、次の活性成分が、重量パーセンテージで示される次の濃度で提供されてもよい、39%のサリチル酸メチル;20%のチモール(結晶);及び、20%のゲラニオール60。他の例示的実施形態において、次の活性成分は、次の濃度で提供されてもよい:39%のサリチル酸メチル;20%のタイム油;及び、20%のゲラニオール60。他の例示的実施形態において、次の活性成分は、次の濃度で提供されてもよい:39%のサリチル酸メチル;20%のタイム油;及び、20%のゲラニオール85。他の例示的実施形態において、次の活性成分は、次の濃度で提供されてもよい:39%のサリチル酸メチル;20%のタイム油;及び、20%のゲラニオール95。他の例示的実施形態は、下に提示する表に示される。
【0036】
また、例示的実施形態において、昆虫防除製剤は、10−30%の間、より好ましくは15−25%の間、最に好ましくは約20%の濃度で、ミリスチン酸イソプロピルを含む。バニリンは、好ましくは0.5と4%の間、最に好ましくは約1%の濃度で含まれる。
【0037】
本発明の例示的実施形態において、チモールは、結晶形で存在する。結晶形を使用することによって、昆虫防除組成物のより揮発性の成分が安定化し、より長い期間、昆虫防除を必要とする領域に残る。これは、本願明細書に引用として完全に援用される2006年5月10日に出願の米国仮出願番号第60/799,434号において説明される。当然に、他の構成成分が、昆虫防除組成物を安定化するために含まれてもよい。安定化剤は、吸収表面積を昆虫防除組成物に与える結晶の粉、粉末、顆粒または他の形状でもよい。
室温で結晶性で本発明の製剤に安定化剤として使用できる他の植物精油は、桂皮アルコール結晶、サリチル酸結晶、セドロール結晶、ピペロナール結晶、ピペロニルアルコール結晶、(s)−cis−ベルベノール結晶、及びDL−メントール結晶、これらは全て室温で結晶性である、を含むが、これに限定されるものではない。他の使用することができる安定化剤は、Winsense WS−3、シクロヘキサンカルボキサミド、N−メチル−2−(l−メチルエチル)およびWinsense WE−23の結晶(N−2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタマイド)及びその類である。他の役立つ安定化剤は、タルク粉である。
【0038】
安定化した製剤を産生するために、安定化剤および昆虫防除組成物は、前述の米国仮出願番号第60/799,434号に記載されているように安定化剤が組成物でコートされるように混合される。
【0039】
本発明の組成物は、適切なキャリアと、任意に適切な表層活性剤と混合で、植物精油化合物、および/またはそれの誘導剤、天然物および/または合成物を含んでもよく、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、水和物、塩類、溶媒化合物および代謝物質等が含まれる。
【0040】
適切なキャリアは、本発明の組成物に不都合に影響しないならば、植物精油の従来技術において知られている、いかなるキャリアも含むことができる。本願明細書において、「キャリア」なる用語は不活性又は流体材料を意味し、それは無機又は有機、及び合成又は天然起源であってもよく、活性化合物は、その貯蔵、輸送および/または取扱いを容易にするために、混合又は製剤化される。一般に、駆除剤、殺虫剤、除草剤または殺菌剤を調製するために慣習的に使用される、あらゆる材料が適切である。本発明の組成物は単独で、又は固体及び/又は液体の所望のキャリアビヒクル、及び/又は他の駆除剤、殺虫剤またはダニ駆除剤、線虫駆除剤、殺真菌剤、殺細菌剤、殺鼠剤、除草剤、肥料、成長調整剤等と混合された形態で、必要に応じて、溶剤、エマルジョン剤、懸濁剤、粉末、ペースト剤、及び顆粒剤のような、すなわち使える状態のものから製造される特異的な適用のための特定の投薬製剤の形態で、使用されてもよい。本発明の組成物は、必要に応じて、従来の昆虫防除剤で有用なタイプの従来の不活性の農薬希釈剤又は増量剤、例えば、ガス、溶剤、エマルジョン剤、懸濁剤、乳剤、スプレー粉、ペースト、可溶粉剤、散布剤、顆粒、フォーム、ペースト、錠剤、噴霧剤、活性化合物を含浸させた天然物及び合成物、マイクロカプセル、種子に使用するコーティング組成物、及び燻蒸カートリッジ、燻蒸缶及び燻蒸コイルのような燃焼装置で使用する製剤、加えてULVコールドミストおよびウォームミスト製剤のような従来の分散可能なキャリアビヒクルで、製剤化又は混合することができる。
【0041】
本発明の組成物は、界面活性剤を更に含んでもよい。本発明によって使用されることができる界面活性剤の例は、非イオン物質および/または陰イオン乳化剤のような乳化剤(例えば、脂肪酸のポリエチレン酸化物エステル類、脂肪アルコールのポリエチレン酸化物エーテル、硫酸アルキル、スルホン酸アルキル、スルホン酸アリール、アルブミン加水分解物等、及び、特にアルキル・アリールポリエチレングリコール・エーテル、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸ナトリウム等);及び/又はリグニンのような分散剤、亜硫酸塩廃液、メチルセルロース等を含む。
【0042】
ある実施形態では、水性製剤が好ましい。昆虫防除剤の油性製剤は一般により効果的であるが、水性製剤はそれらが処理された表面に油状残渣を残さない利点がある。昆虫防除用水性製剤の調製は、ここで完全に援用される、2006年5月18日に出願された米国仮出願番号第60/747,592号において開示される。
【0043】
ある実施形態では、組成物混合の中で、水および界面活性剤を約1%から約99%の間で含む水性製剤が提供される。例えば、本発明のある組成物は、組成物の約1%の水と界面活性剤、および約39%のサリチル酸メチル;約20%のチモール(結晶);約20%のゲラニオール60;及び、約1%のバニリンを含む組成物を約99%含む。
他の実施例で、本発明のある組成物は、約50%の水と界面活性剤、および約39%のサリチル酸メチル;約20%のチモール(結晶);約20%のゲラニオール60;及び約1%のバニリンを含む組成物を約50%含む。
【0044】
本発明の組成物は、直接宿主に処理するか、宿主がいる領域に処理することによって昆虫を防除するために用いることができる。例えば、宿主はクリームまたはスプレー製剤を用いて直接処理することができ、それは外部的に又は局所的に、例えばヒトの皮膚に、適用することができる。組成物は、宿主に適用することができ、ヒトの場合は、皮膚または髪に使用する、種々のパーソナル製品または化粧品に使用される。例えば、以下のいずれにも使用できる:フレグランス、着色料、色素、染料、コロン、スキンクリーム、スキンローション、脱臭剤、タルク、バスオイル、石鹸、シャンプー、ヘア・コンディショナおよびスタイルリング剤。
【0045】
また、動物(ヒト又は非ヒト)の場合、宿主は、経口的に提供される組成物の製剤を用いて、直接処理されてもよい。例えば、組成物は、液体カプセル内に囲まれて、摂取することができる。
【0046】
領域は、例えば、エアゾールまたはポンプスプレーのようなスプレー製剤、組成物を含むロウソク又インセンスのような燃焼用製剤を使用することによって、本願発明の組成物で処理される。当然ながら、さまざまな処理方法を、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、用いることができる。例えば、組成物は、例えば家庭用の製品に含むまれてもよい:エアーフレッシュナー(電気的に、または燃焼による加熱に応じて、昆虫防除物質が放出される被加熱エアーフレッシュナーを含む);硬表面クリーナ;または洗濯用製品(例えば、洗濯用洗剤含有組成物、コンディショナー)。
【0047】
驚くべきことに、特定の相対的な量の特定の化合物を混合することによって、結果として生じる組成物は、組成物のあらゆる構成成分の防虫または殺虫効果を上回る防虫または殺虫効果を示す。ここで使用する際、「組成物の構成成分」は化合物又は、例えば、完全な組成物から少なくとも一つの化合物を引いた組成物を含む化合物のサブセットを指す。ここで使用する際、「防虫効果」は、組成物によって処理されなかった防除宿主または領域より多くの昆虫を、組成物によって処理された宿主または領域から離れて寄せ付けない効果である。ある実施形態では、防虫効果は、少なくとも約75%の昆虫を組成物によって処理された宿主または領域に寄せ付けない効果である。ある実施形態では、防虫効果は、少なくとも約90%の昆虫を、組成物によって処理された宿主または領域に寄せ付けない効果である。ここで使用する際、「殺虫効果」は、組成物による処置が昆虫の少なくとも約1%を死なせる効果である。この点に関しては、第1の効果および第2の効果が比較されるときに、それが第2の効果を上回る場合、第1の効果はより優れた殺虫または防水効力を示すことができる。例えば、評価される効果が標的昆虫の%の死亡であるときに、より大きな%値の死亡はより小さい%値の死亡を上回る殺虫効果である。評価される効果は、次のものを含むが、これに限定されるものではない:所与のパーセンテージの標的昆虫を殺すための時間、または所与のパーセンテージの標的昆虫に関する防虫性。
【0048】
ここで使用する際、「相乗作用」および「相乗効果」は、少なくとも2つの化合物の組成物において、組成物の構成成分(例えば、1つの活性化合物単独、または化合物の完全な混合物から少なくとも一つの化合物をひいたもの)の効果と比較したとき、評価可能な効果、例えば抗寄生虫効果、のあらゆる実質的な向上を指すことができる。相乗効果は、化合物の混合物の特異的な特徴であって、単独で与えられる向上のいかなる背景レベル、例えば、あらゆる成分のランダムな組合せの付加的効果より上にある。
【0049】
ある実施形態では、評価可能な効果の実質的な向上を、相乗効果の係数として表わすことができる。相乗効果の係数は、組成物の評価された効果と対照組成物の評価された効果の間の比較の表示である。対照組成物は、組成物の構成成分でもよい。ある実施形態では、相乗効果係数は、完全な混合物および対照組成物の濃度の違いのために調整されてもよい。
【0050】
相乗効果係数は、次のように計算されてもよい。以下の通り、活性比(R)は、組成物(A)の%効果を、対照組成物(X)の%効果によって割ることによって計算することができる:
R = A/X 式1
【0051】
濃度調整因数(F)は、以下のように、濃度(Cn)、すなわち、組成物中の対照組成物の%(wt/wt)または%(vol/vol)に基づいて計算することができる:
F = 100/Cn 式2
【0052】
次に、相乗効果係数(S)は、以下ように、活性比(R)と濃度調整因数(F)を乗算することによって計算することができる:
S =(R)(F) 式3
【0053】
また、このように、相乗効果係数(S)は、次のとおり計算できる:
S =[(AB/Xn)(100)]/Cn 式4
【0054】
式4において、ABは混合物の%効果を表わし、Xnは、対照組成物(Xn)の%効果を表わし、Cnは、混合物の対照組成物の%(wt/wt)または%(vol/vol)濃度を表わす。
【0055】
ある実施形態では、約1.1、1.2、1.3、1.4または1.5の相乗効果の係数は、実質的であり、商業的に望ましい。他の実施形態において、相乗効果の係数は約1.6から約5であってもよく、約1.8、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0および4.5を含むがこれに限定されない。他の実施形態において、相乗効果の係数は約5から50であってもよく、約10、15、20、25、30、35、40および45を含むがこれに限定されない。他の実施形態において、相乗効果の係数は約50から約500またはそれより上であってもよく、約50、75、100、125、150、200、250、300、350、400および450を含むがこれに限定されない。500より上の相乗効果のいかなる係数も、また、組成物の実施形態の中に意図される。
【0056】
相乗効果の幅広い範囲が本願明細書に記載の様々な実施形態に見いだされるが、相乗効果の係数は、所与の数値「より大きく」記載されてもよく、したがって、必ずしも、下限及びで上限の数値を有する範囲の境界内にあることに限られているというわけではないことをはっきりと記載する。同様に、本願明細書に記載のある実施形態において、特定の低いまたは範囲の下端の相乗効果係数は、はっきりと除外される。したがって、ある実施形態において、相乗効果は、そのような実施形態のために、相乗効果の下限を構成する所与の数値「より大きく」記載されてもよい。例えば、ある実施形態において、相乗効果係数は、25以上である;このような実施形態において、実質的であるけれども、25より下の全ての相乗効果係数は、はっきりと除外される。
【0057】
ある実施形態では、組成物と関連する相乗効果または相乗作用は、Colby,S.R.の「Calculating Synergistic and Antagonistic Responses of Herbicide Combinations," Weeds, 1967 15:1, 20-22頁」(引用による本願明細書に援用される)に記載されているものと類似した計算を使用して決定されてもよい。この点に関しては、以下の式は、2つの化合物、化合物Xおよび化合物Yを含む組成物のパーセント効果(E)を表わすために使用できる:
E = X + Y−(X*Y/100) 式5
【0058】
式5において、Xは、組成物の化合物Xの評価された実際のパーセント効果であり、Yは、組成物の化合物Yの評価された実際のパーセント効果である。そして、組成物の期待されるパーセント効果(E)は、組成物の評価された実際のパーセント効果(A)と比較してされる。評価される実際のパーセント効果(A)が、式によって計算される期待されるパーセント効果(E)と異なる場合、違いは化合物の相互作用による。このように、A>Eのとき、組成物は相乗効果(化合物の正の相互作用)を有する。さらに、A<Eのとき、負の相互作用(拮抗作用)がある。
【0059】
式5は、組成物中の化合物の任意の数に対応するために拡大することができる;しかしながら、3つの化合物、化合物X、化合物Yおよび化合物Zを含む組成物では、以下の公式で示されているように、拡大されてより複雑になる:
E=X+Y+Z−((XY+XZ+YZ)/100)+(X*Y*Z/1000)式6
【0060】
任意の数の化合物を有する組成物に対応する使いやすい式は、式5および6を変更することによって提供することができる。以下に、式の変更について説明する。式5および6を使用する場合、非処理のコントロール値(組成物又は化合物で非処理)は100%にセットされ、例えば、評価される効果が殺された標的昆虫の総計であるならば、コントロール値は標的昆虫の100%生存でセットされる。この点に関しては、化合物Aによる処理が標的昆虫の80%の殺虫に結果としてなる場合、化合物Aによる処理が20%の生存またはコントロール値の20%に結果としてなると言うことができる。パーセント効果として表される値とコントロールのパーセント効果として表される値が、以下の式で説明され、式中E’は組成物のコントロールの期待されるパーセントであり、Xnは、組成物の個々の化合物(化合物Xn)の評価された実際の%効果であり、Xn’は組成物の個々の化合物のコントロールのパーセントであり、及びA’は、組成物の制御の実際の評価されたパーセントである。
E =100−E’ 式7
Xn = 100−Xn’ 式8
A = 100 − A’ 式9
【0061】
コントロールのパーセント値を式5および6のパーセント効果値と置換することによって、及び化合物の任意の数(n)に対応するために変更することによって、以下の式は、組成物のコントロール(E’)の期待される%を計算するために提供される:

【0062】
式10によって、組成物のコントロール(E’)の期待される%は、100n−1によって、組成物の各々の化合物のコントロール値(Xn’)の評価された実際の%の製品を割ることによって計算される。それから、組成物のコントロール(E’)の期待される%は、組成物のコントロール(A’)の評価された実際の%と比較される。評価されるコントロール(A’)の実際の%が式10によって計算されるコントロール(E’)の期待される%と異なる場合、違いは化合物の相互作用による。従って、A’<E’のとき、組成物は相乗効果(化合物の正の相互作用)を有する。更に、A’>E’のとき、負の相互作用(拮抗作用)がある。
【0063】
特定の比率または相対的な量で2つ以上の化合物を含んでいる組成物は、化合物の特定の組成物の殺虫効果を組成物の構成成分の殺虫効果と比較することによって、相乗効果を試験されてもよい。相乗効果の決定をすることに関連した付加的情報は、この明細書に記載される実施例に見出すことができる。相乗効果が、相乗効果の係数の観点から、及びコルビー相乗効果計算の観点から記載されているが、公知技術の他の評価または測定による相乗効果が、ある実施形態において、本願明細書に記載され請求される相乗効果の意味の範囲にある点に注意される。
【0064】
本発明の実施形態において、ショウジョウバエの細胞系Schneider-2は、キイロショウジョウバエの頭部cDNAファージライブラリーから増幅された Gタンパク質結合受容体によって、安定してトランスフェクションされる。細胞系は、後述するように、潜在的活性成分を選別するために用いることができる。
【0065】
受容体結合は、受容体の下流の細胞変化に結果としてなってもよい。続く細胞変化は、細胞内cAMP濃度、カルシウム濃度または両方の変化を含みうる。
【0066】
本発明のある実施形態において、昆虫防除活性のためのスクリーニング方法は、昆虫嗅覚器官受容体タンパク質を標的とすることができる。昆虫嗅覚系は、60以上の識別された嗅覚の受容体を含む。これらの受容体は、通常、Gタンパク質被結合受容体(GPCRs)の大きなファミリーのメンバーである。
【0067】
キイロショウジョウバエでは、嗅覚の受容体は、ハエの頭部に位置する2対の付属器に位置する。ショウジョウバエの化学受容器のファミリーは、おおよそ60Orおよび60Gr遺伝子のファミリーによってコードされ、交互スプライシングを介して、おおよそ62の臭気物質受容体(Or)および68の味覚受容体(Gr)タンパク質を含む。受容体タンパク質のいくつかは機能的に特徴づけられており、その一方で、その他は他の配列と配列相同性を有することで同定されたが、完全には特徴づけられていない。他の昆虫は、類似した嗅覚の受容体タンパク質を有する。
【0068】
ある実施形態では、本発明のスクリーニング又は昆虫防除方法によって標的とされる昆虫嗅覚受容体タンパク質は、チラミン受容体(tyrR)である。更なる実施形態において、昆虫嗅覚受容体タンパク質は、昆虫嗅覚受容体タンパク質Or83bまたはOr43aである。更なる実施形態において、標的とされるタンパク質は、任意の昆虫嗅覚タンパク質受容体でもよい。
【0069】
加えて、昆虫嗅覚受容体カスケードの他の構成要素は、有用な昆虫防除化合物を識別するために本発明の方法を使用して標的とされてもよい。本発明の方法によって標的とすることができる例示的な昆虫嗅覚カスケード構成要素は、セロトニン受容体、Or22a、Or22b、Gr5a、Gr21a、Gr61a、βアレスチン受容体、GRK2受容体およびチラミンβ水酸化酵素受容体などを含むが、これらに限定されるものではない。
【0070】
本発明の実施形態の方法は、いかなる種類もの昆虫を防除するために用いることができる。防除することができる例示的な昆虫は、甲虫類、ゴキブリ類、ハエ類、アリ類、昆虫幼虫、ハチ類、シラミ類、ノミ類、蚊類、ガ類及びその類を含むが、これらに限定されるものではない。例示的な昆虫の目は、シラミ目、直翅目、半翅目、カゲロウ目、ネジレバネ目、双翅目、ハサミムシ目、双尾目、Dictyoptera、トビムシ目、鞘翅目、脈翅目、アザミウマ目、長翅目、鱗翅類、カゲロウ目、カワゲラ目、シロアリモドキ目、トビケラ目、膜翅目、チャタテムシ目、ナナフシ目、カマアシムシ目、シミ目、長翅目、シロアリ目、ノミ目、ハジラミ目、鱗翅目及びその類を含んでもよいが、これらに限定されるものではない。
【0071】
あらゆる昆虫細胞または細胞系が、スクリーニングアッセイ分析のために使用できる。例示的な昆虫細胞系は、SF9、SF21、T.ni、ショウジョウバエS2細胞及びその類を含むが、これらに限定されるものではない。昆虫細胞を培養する方法は、公知技術であり、例えば、Lynn等(J. Insect Sci. 2002; 2: 9;本願明細書に引用により完全に援用される)に記載されている。所望の昆虫細胞から新規な昆虫細胞培養を始める方法は、Lynn等(Cytotechnology. 1996;20:3−1 1;本願明細書に引用により完全に援用される)に記載されている。
【0072】
昆虫防除製剤のスクリーニング、調整、評価及び使用へのさまざまなアプローチに関する更なる説明は、それぞれは完全に引用により援用される以下の出願に説明される:COMPOSITIONS AND METHODS FOR CONTROLLING INSECTSというタイトルの米国出願10/832,022; COMPOSITIONS AND METHODS FOR CONTROLLING INSECTS RELATED TO THE OCTOP AMINE RECEPTORというタイトルの米国出願11/086,615、; COMPOSITIONS AND METHODS FOR CONTROLLING INSECTS INVOLVING THE TYRAMINE RECEPTORというタイトルの米国出願11/365,426; COMPOSITIONS AND METHODS FOR CONTROLLING INSECTSというタイトルの米国仮出願60/807,600; COMPOSITIONS FOR TREATING PARASITIC INFECTIONS AND METHODS OF SCREENING FOR SAMEというタイトルの米国仮出願60/805,963; COMPOSITIONS HAVING INSECT CONTROL ACTIVITY AND METHODS FOR USE THEREOFというタイトルの米国仮出願60/718,570。
【0073】
本発明は、以下の実施例で更に例示される。
【実施例】
【0074】
植物精油を含んでいるさまざまな例示的な組成物は、調製されて、昆虫類、クモ類および菌類を含む異なる標的に対して、効力を試験された。以下の実施例は、特定の例示的な組成物の詳細を提供し、特定の対応するデータについては証拠物件Aにおいて提供される。本願明細書において開示されるように、有用な範囲の中で各々の組成物の構成成分の濃度を変化させることは本発明の範囲内である。したがって、これらの特異的な組成物は、単に本発明の特定の実施形態の代表である。
(実施例1)25b4a油性組成物
【0075】
以下の表に特定されるとおりの成分および比を有する組成物を調製した:
Composition are prepared having the ingredients and ratios as specified in the following table:
25b4a組成物

【0076】
組成物は、コクヌストモドキ、アルゼンチンアリ、チャバネゴキブリ、トコジラミ、ゴミムシダマシ、タナグモ、ノシメマダラメイガ、アカショウジョウバエ、アオカビ(Penicillmm chrysotenum)およびアスペルギルス・オクラセウス (Aspergillus ochraceus) の一つ以上のものに対して効力を;および/または、ノックダウン、殺虫性、防虫性、残効性、油性対水性の有効性、致死スピード、様々な表面における有効性、標的生物の異なる性に対する有効性、標的生物の異なる系統に対する有効性および標的の様々な発生のステージに対する有効性の一つ以上において、その機能を試験される。試験の目的で、製剤の1ガロンを1000ftの表面領域に適用し、2時間乾燥させた。それから、昆虫がその表面領域に持ち込まれる。このような試験に対応するデータを、下記のテーブルに提供する。以下のテーブルは、ステンレス鋼面に適用された25b4a油性組成物の結果を示す。
【0077】
コクヌストモドキのデータ

【0078】
(実施例2)25b4a水性組成物
以下の表に特定されるとおりの成分および比を有する組成物を調製する:組成物は実施例1と同じ成分を有し、1:1の比で、水および少量の(1%未満)表面活性剤の混合物と組合せた。
【0079】
25b4a水性組成物

【0080】
組成物は、コクヌストモドキ、アルゼンチンアリ、チャバネゴキブリ、トコジラミ、ゴミムシダマシ、タナグモ、ノシメマダラメイガ、アカショウジョウバエ、アオカビ(Penicillmm chrysotenum)およびアスペルギルス・オクラセウス (Aspergillus ochraceus)の一つ以上のものに対して効力を;および/またはノックダウン、殺虫性、防虫性、残効性、油性対水性の有効性、殺す速さ、様々な表面における有効性、標的生物の異なる性に対する有効性、標的生物の異なる系統に対する有効性および標的の様々な発生のステージに対する有効性の一つ以上において、その機能を試験される。このような試験に対応するデータを、下記のテーブルに提供する。試験の目的で、製剤の1ガロンを1000ft2の表面領域に適用し、2時間乾燥させた。それから、昆虫がその表面領域に持ち込まれる。以下のテーブルは、ステンレス鋼面に適用された25b4a油性組成物の結果を示す。このような試験に対応するデータを、下記のテーブルに提供する。以下のテーブルは、ステンレス鋼面に適用された25b4a水性組成物の結果を示す。
【0081】
コクヌストモドキのデータ

【0082】
(実施例3)CL17
以下の表に特定されるとおりの成分および比を有する組成物を調製する:
CL17 組成物

【0083】
上の表において、「CL17」および「CL17New」と特定される組成物は、調製されて、コクヌストモドキ、アルゼンチンアリ、チャバネゴキブリ、トコジラミ、ゴミムシダマシ、タナグモ、ノシメマダラメイガ、アカショウジョウバエ、アオカビ(Penicillmm chrysotenum)およびアスペルギルス・オクラセウス (Aspergillus ochraceus) の一つ以上のものに対して効力を;および/または、ノックダウン、殺虫性、防虫性、残効性、油性対水性の有効性、殺す速さ、様々な表面における有効性、標的生物の異なる性に対する有効性、標的生物の異なる系統に対する有効性および標的の様々な発生のステージに対する有効性の一つ以上において、その機能を試験される。テストは、高い有効性および相乗効果を示す。チモールの代わりにタイム油を含むことに加えて、「CL17New」は、LFOの異なる形態V1を含む。
【0084】
上の表において、「CL17/Mo」および「CL17New/Mo」と特定される組成物は、それぞれ、20%の鉱油と80%の「CL17」および「CL17New」のどちらかを含むものである。20%の鉱油は、安定剤として与えられる。組成物は、コクヌストモドキ、アルゼンチンアリ、チャバネゴキブリ、トコジラミ、ゴミムシダマシ、タナグモ、ノシメマダラメイガ、アカショウジョウバエ、アオカビ(Penicillmm chrysotenum)およびアスペルギルス・オクラセウス (Aspergillus ochraceus) の一つ以上のものに対して効力を;および/または、ノックダウン、殺虫性、防虫性、残効性、油性対水性の有効性、殺す速さ、様々な表面における有効性、標的生物の異なる性に対する有効性、標的生物の異なる系統に対する有効性および標的の様々な発生のステージに対する有効性の一つ以上において、その機能を試験される。テストは、高い有効性および相乗効果を示す。
【0085】
上の表において、「CL17/SO」および「CLl 7 New/SO」と特定される組成物は、それぞれ、20%のサフラワー油と80%の「CL17」および「CL17New」のどちらかを含むものである。20%のサフラワー油は、安定剤として与えられる。組成物は、コクヌストモドキ、アルゼンチンアリ、チャバネゴキブリ、トコジラミ、ゴミムシダマシ、タナグモ、ノシメマダラメイガ、アカショウジョウバエ、アオカビ(Penicillmm chrysotenum)およびアスペルギルス・オクラセウス (Aspergillus ochraceus) の一つ以上のものに対して効力を;および/または、ノックダウン、殺虫性、防虫性、残効性、油性対水性の有効性、殺す速さ、様々な表面における有効性、標的生物の異なる性に対する有効性、標的生物の異なる系統に対する有効性および標的の様々な発生のステージに対する有効性の一つ以上において、その機能を試験される。テストは、高い有効性および相乗効果を示す。
【0086】
(実施例4)CL30
以下の表に特定されるとおりの成分および比を有する組成物を調製する:
CL30組成物

【0087】
CL30組成物は、以下の通りに調製される:工程1−50%のLFO(IFFによる供給; LFOはフタル酸ジエチルを含まないもの)を35%のタイム油および15%の黒種子油(BSO)と混合する。それから、この最初の混合物は、工程2で、30:70の比で、d−リモネンと組み合わせられ、最終的な混合は70%のd−リモネンと30%の工程1のLFO/タイム油/BSO混合の30%である。CL30R#1組成物は、以下の通りに調製される:工程1−30%のタイム油を、40%のLFOおよび30%のd−リモネンと混合する。工程2−ライム油(70%)に工程1からの混合物(30%)を混合する。CL30R#2組成物は、以下の通りに調製される:工程1−50%のLFO(IFFによる供給)と50%のBSOを混合する。工程2−ライム油(70%)に工程1からの混合物(30%)を混合する。
【0088】
組成物は、コクヌストモドキ、アルゼンチンアリ、チャバネゴキブリ、トコジラミ、ゴミムシダマシ、タナグモ、ノシメマダラメイガ、アカショウジョウバエ、アオカビ(Penicillmm chrysotenum)およびアスペルギルス・オクラセウス (Aspergillus ochraceus) の一つ以上のものに対して効力を;および/または、ノックダウン、殺虫性、防虫性、残効性、油性対水性の有効性、殺す速さ、様々な表面における有効性、標的生物の異なる性に対する有効性、標的生物の異なる系統に対する有効性および標的の様々な発生のステージに対する有効性の一つ以上において、その機能を試験される。テストは、高い有効性および相乗効果を示す。
【0089】
(実施例5) LFO V4
以下の表に特定されるとおりの成分および比を有する組成物を調製する:
LFO V4組成物

【0090】
14%のリナロール、25%のテトラヒドロリナロール、10%のピペロナール、10%のピペロニルアルコール、20%のミリスチン酸イソプロピル、15%のクエン酸トリエチルおよび1%のバニリンを含む、分画LFOに基づく組成物が調製される。組成物は、コクヌストモドキ、アルゼンチンアリ、チャバネゴキブリ、トコジラミ、ゴミムシダマシ、タナグモ、ノシメマダラメイガ、アカショウジョウバエ、アオカビ(Penicillmm chrysotenum)およびアスペルギルス・オクラセウス (Aspergillus ochraceus) の一つ以上のものに対して効力を;および/または、ノックダウン、殺虫性、防虫性、残効性、油性対水性の有効性、殺す速さ、様々な表面における有効性、標的生物の異なる性に対する有効性、標的生物の異なる系統に対する有効性および標的の様々な発生のステージに対する有効性の一つ以上において、その機能を試験される。テストは、高い有効性および相乗効果を示す。
【0091】
(実施例6) 25bE
以下の表に特定されるとおりの成分および比を有する組成物を調製する:
25bE組成物

【0092】
組成物は、以下の通りに調製される:工程1−50%のサリチル酸メチル(リスト4a)を50%のタイム油(リスト25b)と混合する。工程2−工程1の混合物(30%)をd−リモネン(70%)(リスト4b)に加える。組成物は、コクヌストモドキ、アルゼンチンアリ、チャバネゴキブリ、トコジラミ、ゴミムシダマシ、タナグモ、ノシメマダラメイガ、アカショウジョウバエ、アオカビ(Penicillmm chrysotenum)およびアスペルギルス・オクラセウス (Aspergillus ochraceus) の一つ以上のものに対して効力を;および/または、ノックダウン、殺虫性、防虫性、残効性、油性対水性の有効性、殺す速さ、様々な表面における有効性、標的生物の異なる性に対する有効性、標的生物の異なる系統に対する有効性および標的の様々な発生のステージに対する有効性の一つ以上において、その機能を試験される。テストは、高い有効性および相乗効果を示す。
【0093】
(実施例7) 組成物F−4002
油の混合物(B−5028と表示する)は調製され、とっておかれる。この混合物の組成を、重量パーセントの形式で以下に提供する:
油からB−5028

【0094】
下の表の割合を使用して、溶液を、オレイン酸ポリグリセリン-4、レシチンおよび水で調製する。次に、B−5028油の混合物は、F−4001と表われる濃縮物をつくるために、界面で穏やかに混合しながら、この混合物の表層上にゆっくり加えられる。
F−4001濃縮物の組成

【0095】
完成品F−4002をつくるために、F−4001濃縮物を、下の表の割合のソルビン酸カリウムとキサンタンガムの水溶液の混成物で希釈する:
F−4002製品の組成

【0096】
F−4002について増量され(exploded)及びまとまられた製剤、すぐにスプレーすることが可能な25B−4a完成品は、下の表のとおりである。

【0097】
(実施例8)F−4010組成物(F−4002のサリチル酸メチルバージョン)
冬緑油がサリチル酸メチルに交換されることを除いては、この製品はF−4002と同一である。
【0098】
油混合物(B−5034と表示)は、調製されて、とっておかれる。この混合物の組成を、重量パーセントの形式で以下に提供する。この製品は、以下のようにして製造することができる:
B−5034油混合物の組成

【0099】
下の表の割合を使用して、溶液を、オレイン酸ポリグリセリン-4、レシチンおよび水で調製する。次に、B−5034油の混合物は、F−4009として表す濃縮物をつくるために、界面で穏やかに混合しながら、この混合物の表層上にゆっくり加えられる。
F−4009の組成

【0100】
完成品F−4009をつくるために、F−4010濃縮物を、下の表の割合のソルビン酸カリウムとキサンタンガムの水溶液の混成物で希釈する。
F−4010RTU製品の組成

【0101】
F−4010について増量され(exploded)及びまとまられた製剤、すぐにスプレーすることが可能な25B−3完成品は、下の表のとおりである。
増量され(exploded)及びまとまられた後のF−4010RTUスプレー製品の全組成

【0102】
(実施例9)
組成物F−4007(B−5016で作られるF−4002の高残留性のバージョン)
この製品は、以下のようにして製造することができる:
油混合物(B−5016と表示)は、調製されて、とっておかれる。この混合物の組成を、重量パーセントの形式で以下に提供する
B−5016油混合物の組成

【0103】
下の表の割合を使用して、溶液を、オレイン酸ポリグリセリン−4、レシチンおよび水で調製する。次に、B−5016油の混合物は、F−4003と表われる濃縮物をつくるために、界面で穏やかに混合しながら、この混合物の表層上にゆっくり加えられる。
F−4003濃縮物の組成

【0104】
完成品F−4003をつくるために、F−4007濃縮物を、下の表の割合のソルビン酸カリウムとキサンタンガムの水溶液の混成物で希釈する。
F−4007RTU製品の組成

【0105】
F−4002について増量され(exploded)及びまとまられた製剤、すぐにスプレーすることが可能な25B−4a完成品は、下の表のとおりである。この製品は、B−5016、高残留性を示す25B−4a油混合物を使用する。
増量され(exploded)及びまとまられた後のF−4007RTUスプレー製品の全組成

【0106】
(実施例10)
組成物F−4007(1%のSLS及び10%の水中のB−5028)
10%のラウリル硫酸ナトリウム水溶液の原液、S−1002と示す、は下の表の重量パーセンテージのとおりに調製されるか、または、その溶液は購入してもよい。
10%のラウリル硫酸ナトリウム水溶液の調製

【0107】
次に、S−1002溶液は、F−4000(1%のSLS中のB−5028)をつくるために、下の表の重量パーセンテージのとおりに、B−5028に加えられる。
F−4000の調製(1%のSLS及び10%の水中のB−5028)

【0108】
B−5006
ある実施形態では、LFO、D−リモネン、タイム油白色およびライム油410の混合物が好ましい。
さまざまな実施形態が、混合物におけるバリエーションを目的とする。
好ましい実施例は、以下の通りである:

【0109】
いくつかの実施形態では、XL101と同様に、B−5006のLFOは、その主成分と交換することができる。
【0110】
(実施例11)組成物B−5008(LFOに対しBSOが4:1であるXL101)
B−5008の製作のための製剤、BSOが提供される1つの一部に、4部のLFOに対し1部のBSOの容量比を含んでいる防虫剤製品。
B−5008の組成

【0111】
(実施例12)XL101
ある実施形態では、ライラック花精油および黒種子油の混合物が好ましい。さまざまな実施形態が、混合物におけるバリエーションを目的とする。例えば、ある実施形態では、おおよそ1:1の比が、望ましい。このような比は容量測定に基づいて行われ、重量/重量比は正確に1:1よりも、いくらか多くあるいは少なくてもよい。ある実施形態では、XL101の1:1に以下の成分を含んでもよい:
XL101 1:1−LFO

【0112】
他の実施形態において、LFOは、LFOに見出される他の油の組合せによって交換される、このような1:1製剤は次の成分を含む:
XL101 1:1−LFO改変

【0113】
さらに他の実施形態において、4:1の比が望ましい。この特徴を有する混合物のある実施形態は、LFOまたはLFO成分油を有するもののいずれも、以下の3つの表に記載の成分を含む:
【0114】
XL101 4:1−LFO

【0115】
XL101 4:1−LFO改変A

【0116】
XL101 4:1−LFO改変B

【0117】
(実施例13) B−5016
ある実施形態では、タイム油白色、冬緑油およびミリスチン酸イソプロピルの混合物が、好ましい。さまざまな実施形態が、混合物におけるバリエーションを目的とする。ある実施形態では、B−5016は、以下の成分を含んでもよい:
【0118】
B−5016

【0119】
他の実施形態において、F−4003をつくるために、B−5016は、オレイン酸ポリグリセリン-4、レシチンおよび水の追加により89%の濃度に希釈される:
【0120】
F−4003

【0121】
(実施例14) B−5028
ある実施形態では、タイム油白色、冬緑油およびミリスチン酸イソプロピルの混合物が、好ましい。さまざまな実施形態が、混合物におけるバリエーションを目的とする。ある実施形態では、B−5028は、以下の成分を含んでもよい:
【0122】
B−5028

【0123】
他の実施形態において、合成サリチル酸メチルはと置換され、PB−5034に結果としてなる:
PB−5034

【0124】
(実施例15) B−5006
ある実施形態では、LFO、D−リモネン、タイム油白およびライム油410の混合物が好ましい。さまざまな実施形態が、混合物におけるバリエーションを目的とする。好ましい実施例は、以下の通りである:

【0125】
ある実施形態では、XL101と同様に、B−5006のLFOは、その主成分と交換することができる。
【0126】
(実施例16)−相乗効果の係数
混合物は、調製されて、標的生物に対して試験される。同様に、個々の成分は、また、標的生物に対して試験される。ノックダウン(KD)および生死が、測定される。混合物は、あらゆる個々の成分よりも急速に作用する。効果のための時間の比は、相乗効果の係数である。「一定総AI量」試験のために、混合物の範囲内の全ての活性成分の総量と、同一量の各々の成分が使用された。「一定成分量」試験のために、混合物に存在する成分と、同一量の各々の成分が使用された。
【0127】
従って、例えば、いずれの場合においても混合物の15 mg/sq cmが試験皿に適用される場合、「一定総AI量」で、個々の活性物質の15 mg/sq cmもまた、単独で、対照試験で使用された。対照的に、化学物質Aが混合物の10%存在する場合、一定成分量試験において、化学物質Aは、施された混合物の総量の10%、1.5 mg/sq cm存在した。
【0128】

【0129】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
相乗的組合せで、ライラック花精油、D−リモネン、タイム油、ライム油、黒種子油、冬緑油、リナロール、テトラヒドロリナロール、バニリン、ミリスチン酸イソプロピル、ピペロナール(アルデヒド)、ゲラニオール、ゲラニオール60、クエン酸トリエチルおよびサリチル酸メチルからなる群から選択される少なくとも2つの成分を含む害虫防除混合物。
【請求項2】
ライラック花精油、D−リモネン、タイム油およびライム油の少なくとも2つを、相乗的組合せで含む、請求項1に記載の害虫防除混合物。
【請求項3】
ライラック花精油の濃度が5%と25%の間であり;D−リモネンの濃度が2%と20%の間であり;タイム油の濃度が2%と25%の間であり;および、ライム油の濃度が50%と90%の間である、請求項2に記載の害虫防除混合物。
【請求項4】
ライラック花精油の濃度が10%と15%の間であり;D−リモネンの濃度が5%と15%の間であり;タイム油の濃度が5%と15%の間であり;および、ライム油の濃度が60%と80%の間である、請求項2に記載の害虫防除混合物。
【請求項5】
ライラックの花精油の濃度が12.94%であり;D−リモネンの濃度が8.72%であり;タイム油の濃度が9.58%であり;および、ライム油の濃度が68.76%である、請求項2に記載の害虫防除混合物。
【請求項6】
黒種子油、リナロール、テトラヒドロリナロール、バニリン、ミリスチン酸イソプロピル、ピペロナール(アルデヒド)およびゲラニオールの少なくとも2つを、相乗的組合せで含む請求項1に記載の害虫防除混合物。
【請求項7】
黒種子油の濃度が5%と70%の間であり;リナロールの濃度が2%と25%の間であり;テトラヒドロリナロールの濃度が2%と30%の間であり;バニリンの濃度が0.1%と5%の間であり;ミリスチン酸イソプロピルの濃度が、5%と40%の間であり;ピペロナール(アルデヒド)の濃度が1%と15%の間であり;および、ゲラニオールの濃度が1%と20%の間である、請求項6に記載の害虫防除混合物。
【請求項8】
黒種子油の濃度が15%と60%の間であり;リナロールの濃度が5%と20%の間であり;テトラヒドロリナロールの濃度が5%と25%の間であり;バニリンの濃度が0.5%と3%の間であり;ミリスチン酸イソプロピルの濃度が10%と30%の間であり;ピペロナール(アルデヒド)の濃度が3%と10%の間であり;および、ゲラニオールの濃度が5%と15%の間である、請求項6に記載の害虫防除混合物。
【請求項9】
黒種子油の濃度が21.5%と52.28%の間であり;リナロールの濃度が9.63%と15.8%の間であり;テトラヒドロリナロールの濃度が11.57%と19.0%の間であり;バニリンの濃度が1.12%と1.9%の間であり;ミリスチン酸イソプロピルの濃度が14.26%と23.4%の間であり;ピペロナール(アルデヒド)の濃度が4.75%と7.8%の間であり;および、ゲラニオールの濃度が6.38%と10.5%の間である請求項6に記載の害虫防除混合物。
【請求項10】
ライラック花精油および黒種子油を相乗的組合せで含む、請求項1に記載の害虫防除混合物。
【請求項11】
ライラック花精油の濃度が40%と90%の間であり、黒種子油のパーセンテージが5%と70%の間である、請求項10に記載の害虫防除混合物。
【請求項12】
ライラック花精油の濃度が45%と85%の間であり、黒種子油のパーセンテージが15%と60%の間である、請求項10に記載の害虫防除混合物。
【請求項13】
ライラック花精油の濃度が50.13%と80.09%の間であり、黒種子油のパーセンテージが19.91%と49.87%の間である、請求項10に記載の害虫防除混合物。
【請求項14】
タイム油、冬緑油およびミリスチン酸イソプロピルの少なくとも2つを相乗的組合せで含む、請求項1に記載の害虫防除混合物。
【請求項15】
タイム油の濃度が25%と55%の間であり;冬緑油の濃度が10%と40%の間であり;ミリスチン酸イソプロピルの濃度が20%と50%の間である、請求項14に記載の害虫防除混合物。
【請求項16】
タイム油の濃度が35%と45%の間であり;冬緑油の濃度が20%と30%の間であり;および、ミリスチン酸イソプロピルの濃度が30%と40%の間である、請求項14に記載の害虫防除混合物。
【請求項17】
タイム油の濃度が39.24%であり;冬緑油の濃度が24.82%であり;および、ミリスチン酸イソプロピルの濃度が35.94%である、請求項14に記載の害虫防除混合物。
【請求項18】
タイム油、冬緑油およびサリチル酸メチルの少なくとも2つを相乗的組合せで含む、請求項1に記載の害虫防除混合物。
【請求項19】
タイム油の濃度が5%と35%の間であり;冬緑油の濃度が30%と60%の間であり;および、サリチル酸メチルの濃度が30%と60%の間である、請求項18に記載の害虫防除混合物。
【請求項20】
タイム油の濃度が15%と25%の間であり;冬緑油の濃度が40%と50%の間であり;および、サリチル酸メチルの濃度が40%と50%の間である、請求項18に記載の害虫防除混合物。
【請求項21】
タイム油の濃度が20.6%であり;冬緑油の濃度が45.1%であり;および、サリチル酸メチルの濃度が45.1%である、請求項18に記載の害虫防除混合物。
【請求項22】
標的生物における試験によって評価された場合少なくとも1.5の相乗効果の係数を有し、前記試験がノックダウン時間、致死時間、防虫性および残効性から選択される、請求項1に記載の害虫防除混合物。
【請求項23】
少なくとも1つの活性成分に対し、少なくとも5の相乗効果の係数を有する、請求項22に記載の害虫防除混合物。
【請求項24】
少なくとも1つの活性成分に対し、少なくとも10の相乗効果の係数を有する、請求項23に記載の害虫防除混合物。
【請求項25】
少なくとも1つの活性成分に対し、少なくとも25の相乗効果の係数を有する、請求項24に記載の害虫防除混合物。
【請求項26】
混合物に対する暴露が標的生物の中で細胞カルシウム濃度を崩壊させる、請求項1に記載の害虫防除混合物。
【請求項27】
混合物に対する暴露が標的生物の細胞の中で環状AMPレベルを崩壊させる、請求項1に記載の害虫防除混合物。
【請求項28】
混合物に対する暴露が標的生物の嗅覚のカスケードの受容体の結合に結果としてなる、請求項1に記載の害虫防除混合物。
【請求項29】
混合物の一つ以上の構成成分が標的生物の受容体上のアゴニストまたはアンタゴニストとして作用する、請求項28に記載の害虫防除混合物。
【請求項30】
少なくとも3つの活性成分含む、請求項1に記載の害虫防除混合物。
【請求項31】
少なくとも4つの活性成分含む、請求項1に記載の害虫防除混合物。
【請求項32】
請求項1の混合物を含む、害虫防除製剤。
【請求項33】
ハーコリンD、鉱油、大豆油、ピペロニルアルコール、エチルリナロール、ヘディオン、ジプロピレングリコール、シトラール、γ−テルピネン、ラウリル硫酸ナトリウム、チモール、α‐ピネン、α−テルピネオール、テルピノレン、パラシメン、トランスアネトール、酢酸リナリル、βピネン、樟脳デキストロ、Terpinene−4−ol、Span 80、Tween 80、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、Isopar M、 BHA, BHT、dl−α−トコフェロール リネアオレート、αテルピネン、ボルネオールL、カンフェン、デカナール、ドデカナールl、フェンコールα、酢酸ゲラニル、イソボルネオール、2−メチル1,3−シクロヘキサジエン、ミルセン、ノナナール、オクタナール、オレイン酸ポリグリセロール−4、トコフェロールγテノックス、キサンタンガム、A45推進剤、レシチン、推進剤、水、界面活性剤、陽イオン剤、安息香酸ナトリウム、キサンタンおよびソルビン酸カリウムから成る群から選択される少なくとも1つの成分を更に含む、請求項32に記載の害虫防除混合物。
【請求項34】
望ましい環境特性を有する相乗効果を生じる害虫防除製剤の作成方法であって、
脊椎動物と接触する使用が通常は安全であることが知られているか又は信じられている候補成分の群から成分を選ぶこと;
無脊椎動物のGタンパク質結合受容体に結合する成分をスクリーニングし、その結合が細胞カルシウム又は環状AMPの測定可能な崩壊に結果としてなること;
スクリーニングされた成分を少なくとも一つの他のスクリーニングされた成分と組合せ、その成分が組合せにおいて、標的生物に対して相乗効果を有する工程を含む方法。
【請求項35】
受容体が昆虫嗅覚器官カスケードの受容体である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
受容体が、チラミン受容体、オクトパミン受容体、嗅覚受容体Or83bおよびolfactor受容体43aから選択される、請求項35に記載の方法。

【公表番号】特表2009−543870(P2009−543870A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−520814(P2009−520814)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/016255
【国際公開番号】WO2008/011054
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(509018568)タイラテック, インク. (6)
【Fターム(参考)】