説明

昇降装置

【課題】上下方向にコンパクトな落下防止手段を備えた昇降装置を提供する。
【解決手段】昇降体5を吊り下げ支持する索条体7が切断するに伴って、弾性部材29の付勢力により移動体31を吊り下げ用位置から落下防止用位置に移動させることにより、一対の操作用カム32に対する付勢手段による回転付勢側への回転を許容して一対の操作用カム32を付勢手段の付勢力にて互いに逆方向に回転させ、この一対の操作用カム32の夫々と同一回転軸心X周りに一体回転する一対の接触用カム33も互いに逆方向に回転させて、一対の接触用カム33を、支柱6の接触面11aに斜め下方から押圧して昇降体5の落下を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降体を上下方向に沿って案内する支柱と、前記昇降体を吊り下げ支持する索条体と、前記索条体をその長手方向に移動操作して前記昇降体を昇降移動させる昇降移動手段と、前記索条体が切断するに伴って前記昇降体の落下を防止する落下防止手段とが設けられている昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる昇降装置は、昇降体を昇降移動させて支持した物品を搬送する際に用いられるものであり、昇降体を吊り下げ支持する索条体が切断した場合に昇降体が落下しないように落下防止手段が備えられているものである。
このような昇降装置の従来例として、支柱が、互いに反対を向く一対の接触面を上下方向に沿って平行に備えて構成され、落下防止手段が、上方側ほど接触面との間隔が狭くなる傾斜姿勢で昇降体に備えられた一対の支持片と、水平方向に沿う軸心周りに揺動自在なリンクと、このリンクの先端部に基端部が揺動自在に連結されてリンクにて吊り下げ支持された一対のレバーと、この一対のレバー夫々の先端部に支持されて支持片と支柱の接触面との間に位置する一対のローラとを備えて構成されたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1の昇降装置では、リンクはその基端部が弾性部材にて下方に押し下げるように付勢されており、索条体にて昇降体が吊り下げ支持されているときは、索条体の張力により弾性部材の付勢力に抗してリンクの基端部側が引き上げられており、索条体が切断するに伴って、弾性部材の付勢力によりリンクの基端部側が押し下げられて、リンクは先端部側が上方に移動するように揺動する。これによって、アームが上方に引き上げられてローラが上方に移動して、ローラが支持片と支柱とで挾持される。このようにローラが支持片と支柱とで挾持されることにより、支持片が支柱に対して下方に移動することが規制されて昇降体の落下を防止するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6−27722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の昇降装置では、ローラを上方に移動させてローラを支持片と支柱との間に挟むことにより昇降体の落下を防止するように構成されており、ローラが上下に移動するため、落下防止手段が上下方向に大きなものとなっていた。
また、ローラが支持片と支柱とで挾持される際に支持片と支柱との並び方向にローラが移動することを許容するために、リンクにアームを揺動自在に吊り下げ支持してアームの先端部にローラを支持しているが、このようにリンクにアームを揺動自在に吊り下げ支持するように構成することによっても、落下防止手段が上下方向に大きなものとなっていた。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、上下方向にコンパクトな落下防止手段を備えた昇降装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる昇降装置は、昇降体を上下方向に沿って案内する支柱と、前記昇降体を吊り下げ支持する索条体と、前記索条体をその長手方向に移動操作して前記昇降体を昇降移動させる昇降移動手段と、前記索条体が切断するに伴って前記昇降体の落下を防止する落下防止手段とが設けられているものであって、その第1特徴構成は、
前記支柱が、互いに対向する又は互いに反対を向く一対の接触面を上下方向に沿って平行に備えて構成され、前記落下防止手段が、付勢手段にて互いに逆方向に回転付勢され且つ水平方向に並ぶ状態で前記昇降体に装着された一対の操作用カムと、前記一対の操作用カムの係合部に係合して前記一対の操作用カムの前記付勢手段による回転付勢側への回転を規制する吊り下げ用位置と前記一対の操作用カムの前記回転付勢側への回転を許容する落下防止用位置とに亘って前記昇降体に対して上下動自在で、且つ、前記吊り下げ用位置から前記落下防止用位置に向かう方向に弾性部材にて付勢されて、前記索条体にて前記昇降体が吊り下げ支持されているときは前記索条体の張力により前記弾性部材の付勢力に抗して前記吊り下げ用位置に位置し、前記索条体が切断するに伴って前記弾性部材の付勢力により前記吊り下げ用位置から前記落下防止用位置に移動するように構成されている移動体と、前記一対の操作用カムの夫々と同一回転軸心周りに一体回転する状態で前記昇降体に装着されて、前記移動体が前記吊り下げ用位置に位置して前記操作用カムの回転が規制されている状態では前記接触面から離間する離間回転姿勢となり、前記移動体が落下防止用位置に移動して前記操作用カムが回転するに伴って前記接触面に斜め下方から押圧して前記昇降体の落下を防止する接触回転姿勢に回転する一対の接触用カムとを備えて構成されている点にある。
【0007】
すなわち、索条体にて昇降体が吊り下げ支持されているときは、移動体は索条体の張力により弾性部材の付勢力に抗して吊り下げ位置に位置している。移動体が吊り下げ用位置に位置している状態では、移動体が一対の操作用カムの係合部に係合しているため、一対の操作用カムの回転付勢側への回転が規制されており、一対の操作用カムと同一回転軸心周りに一体回転する一対の接触用カムの夫々は支柱の一対の接触面から離間する離間回転姿勢となっている。このように一対の接触用カムが離間回転姿勢となっている状態では、一対の接触用カムの夫々が支柱の一対の接触面から離間しており、昇降体の昇降移動は規制されておらず、昇降移動手段にて昇降体を昇降移動させることができる。つまり、索条体にて昇降体が吊り下げ支持されているときは、昇降移動手段にて昇降体を昇降移動させることができる。
【0008】
そして、索条体が切断するに伴って、索条体の移動体に対する張力が低下して移動体は弾性部材の付勢力により落下防止用位置に移動する。移動体が落下防止用位置に移動することにより、一対の操作用カムの回転付勢側への回転が許容されて、付勢手段の付勢力によって一対の操作用カムが互いに逆方向に回転し、一対の接触用カムも同様に互いに逆方向に回転して、一対の接触用カムの夫々が接触用姿勢となって一対の接触面に斜め下方から接触して押圧する。このように一対の接触用カムの夫々が、互いに対向する又は互いに反対を向く一対の接触面に斜め下方から押圧することにより、索条体が切断したことにより落下する昇降体の自重によって一対の接触用カムの夫々は回転付勢側に回転しようとして支柱の一対の接触面にさらに押圧され、一対の接触用カムが支柱に対して下方に移動することが規制されて昇降体の落下が防止される。つまり、索条体が切断するに伴って昇降体の落下を防止することができる。
【0009】
このように、一対の接触用カムを離間回転姿勢から接触回転姿勢に回転させるだけで、昇降体の落下を防止することができるため、一対の接触用カムを上下に移動させる必要がなく、一対の接触用カムに対する設置スペース、特に上下方向での設置スペースを小さくすることができ、落下防止手段を上下方向にコンパクトに構成することができる。
また、一対の接触用カムを離間回転姿勢から接触回転姿勢に回転することにより、昇降体の落下を防止することができるため、一対の接触用カムを水平方向への移動を許容する構成、例えば一対の接触用カムを水平方向への移動を許容するために上下方向に延びる部材等を備える必要がないため、この点でも、落下防止手段を上下方向にコンパクトに構成することができる。
従って、上下方向にコンパクトな落下防止手段を備えた昇降装置を提供することができるに至った。
【0010】
本発明にかかる昇降装置の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記支柱が、水平面視で支柱内方側に凹入形成された凹入部を上下方向に沿って形成して構成され、前記昇降体の水平方向に沿った揺れを規制する一対の規制ローラが、前記凹入部内に位置するように前記昇降体に備えられ、前記一対の接触用カムが、前記凹入部内に位置するように前記昇降体に装着されている点にある。
【0011】
すなわち、一対の規制ローラを位置させた凹入部内に、一対の接触用カムも位置させることにより、一対の接触用カム専用の凹入部を別途形成する必要がなく支柱の構成が簡素でありながら、一対の接触用カムを凹入部内に位置させて、一対の接触用カムが周囲の邪魔になり難いように昇降体に設けることができる。
【0012】
本発明にかかる昇降装置の第3特徴構成は、第2特徴構成において、前記支柱が、前記凹入部をその幅方向に2つに分割する分割部分を備えて構成され、前記一対の規制ローラが、前記分割部分により形成される互いに反対を向く一対の転動面を転動する状態で前記昇降体に備えられ、前記一対の接触用カムが、前記接触回転姿勢に回転することにより、前記凹入部の凹入により形成される互いに対向する前記一対の接触面を押圧するように前記昇降体に装着されている点にある。
【0013】
すなわち、接触回転姿勢に回転した一対の接触用カムが押圧する接触面を、一対の規制ローラが転動する一対の転動面とは異なる面とすることにより、索条体が切断して一対の接触用カムを支柱の一対の接触面に押圧させた場合に、その一対の接触用カムの押圧により支柱における接触面が損傷したとしても、支柱における転動面を形成する部分は影響がない又は殆ど影響がないため、復旧させるときや復旧させた後に、規制ローラが転動面を転動するようにして昇降体を昇降移動させることができる。
【0014】
本発明にかかる昇降装置の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれか1つにおいて、前記移動体が、前記吊り下げ用位置に位置する状態及び前記吊り下げ用位置と前記落下防止用位置との間に位置する状態において前記一対の操作用カムの係合部に係合して、前記一対の操作用カムが前記接触用カムの前記接触用回転姿勢に対応する回転姿勢に回転することを規制する規制部を備えて構成されている点にある。
【0015】
すなわち、移動体が吊り下げ用位置に位置する状態や吊り下げ用位置と落下防止用位置との間に位置する状態では、移動体の規制部が一対の操作用カムに係合することにより、一対の接触用カムが接触用回転姿勢とならず、一対の接触用カムの夫々が支柱の一対の接触面から離間しているため、昇降移動手段にて昇降体を昇降移動させることができる。
つまり、昇降体を昇降移動させる際に、昇降体がバウンドすることにより索条体の張力が一時的に減少して移動体が吊り下げ用位置から落下防止用位置側に移動して、移動体が吊り下げ用位置と落下防止用位置との間に位置する場合があるが、このような場合でも一対の接触用カムが接触回転姿勢とならないため、落下防止手段が誤動作して昇降体の下降が規制されるようなことがなく昇降体を昇降移動させることができるので、昇降体の昇降移動を継続して行うことができる。
【0016】
本発明にかかる昇降装置の第5特徴構成は、第4特徴構成において、前記移動体における前記規制部が、前記移動体が前記吊り下げ用位置から前記落下防止用位置側に移動するに伴って、前記一対の接触用カムの前記接触回転姿勢側への回転を徐々に許容する形状に形成されている点にある。
【0017】
すなわち、一対の接触用カムの離間回転姿勢から接触回転姿勢までの回転量を大きくして、索条体にて昇降体を吊り下げ支持されているときに落下防止手段が誤動作することを防止しながら、索条体が切断したときは、移動体が前記吊り下げ用位置から落下防止用位置側に移動するに伴って、一対の接触用カムの接触回転姿勢側への回転を徐々に許容して、離間回転姿勢から接触回転姿勢近くまでスムーズに回転させておき、移動体が落下防止位置に移動するに伴って一対の接触用カムを接触回転姿勢近くから接触回転姿勢に回転させることで、一対の接触用カムを迅速適確に接触回転姿勢に回転させることができる。
【0018】
本発明にかかる昇降装置の第6特徴構成は、第1〜第5特徴構成のいずれか1つにおいて、前記一対の操作用カムと前記一対の接触用カムと前記付勢手段と前記移動体とが、前記昇降体に装着可能な基板に取り付けられて、落下防止ユニットを構成し、前記移動体が、前記索条体を前記昇降体に接続する接続部材に連結可能に構成されている点にある。
【0019】
すなわち、落下防止ユニットを昇降体に装着することで、落下防止手段が設けられていない昇降装置に、落下防止手段を後付けで装着することができる。また、一対の操作用カムと一対の接触用カムと付勢手段と移動体とが、昇降体に装着可能な基板に取り付けられて、落下防止ユニットを構成しているため、基板を昇降体に取り付けるとともに、移動体を接続部材に連結することで、落下防止手段を昇降体に容易に装着することができる。
【0020】
本発明にかかる昇降装置の第7特徴構成は、第1〜第6特徴構成のいずれか1つにおいて、前記一対の操作用カムが、一対の前記回転軸心の間に前記索条体を前記昇降体に接続する接続部材が位置するように前記昇降体に装着されている点にある。
【0021】
すなわち、一対の操作用カムを、これらが回転する一対の回転軸心の間に接続部材が位置するように昇降体に装着することにより、一対の操作用カムがその並び方向において連結部材から大きく外れず、連結部材の近くに一対の操作用カムを集約してもうけることができるため、昇降操作手段を一対の操作用カムが並ぶ方向にコンパクトに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】スタッカークレーンの側面図
【図2】規制ローラ及び落下防止手段を示す一部切欠き平面図
【図3】落下防止手段を示す一部切欠き平面図
【図4】昇降台の前端部を示す側面図
【図5】昇降台の上部を示す正面図
【図6】昇降台の上部を示す正面図
【図7】落下防止手段の斜視図
【図8】落下防止手段の斜視図
【図9】落下防止手段の分解斜視図
【図10】昇降用チェーンにて昇降台が吊り下げ支持された状態を示す図
【図11】昇降用チェーンが切断した状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、昇降装置としてのスタッカークレーン1は、走行レール2に沿って前後方向に走行自在な走行台車3と、収納棚(図示せず)との間で物品を移載するフォーク式の移載装置4を備えた昇降体としての昇降台5と、走行台車3に立設されて昇降台5を上下方向に沿って案内支持する前後一対の支柱6と、昇降台5を吊り下げ支持する索条体としての昇降用チェーン7と、昇降用チェーン7をその長手方向に移動操作して昇降台5を昇降移動させる昇降移動手段としての昇降用モータ8とを設けて構成されている。
以下、スタッカークレーン1について説明を加えるが、スタッカークレーン1の走行方向に沿う方向を前後方向、この前後方向と直交する水平方向を横幅方向として説明する。
【0024】
〔支柱〕
図2及び図3に示すように、前後一対の支柱6の夫々は、水平面視で支柱内方側に凹入形成された凹入部11を上下方向に沿って形成して構成されている。この凹入部11は、支柱6の前後方向内方側の端部を前後方向外方側に凹入させて形成されている。また、前後一対の支柱6の夫々には、凹入部11の底面から前後方向内方側に突出して凹入部11をその幅方向に2つに分割する分割部分12を備えて構成されている。
このように、支柱6に凹入部11を形成することにより、前後方向及び上下方向に沿う互いに対向する一対の接触面11aが上下方向に沿って平行に形成されている。また、支柱6に分割部分12を形成することにより、前後方向及び上下方向に沿う互いに反対を向く横幅方向規制用の一対の転動面12aが上下方向に沿って平行に形成され、且つ、横幅方向及び上下方向に沿う前後方向規制用の転動面12bが上下方向に沿って形成されている。
ちなみに、前後方向内方側とは、前後方向におけるスタッカークレーン1の中心が位置する側であり、前後方向外方側とは、前後方向におけるスタッカークレーン1の中心が位置する側とは反対側である。
【0025】
そして、図2及び図3では図示を省略しているが、支柱6の前後方向外方側の端部にも前後方向内方側の端部と同様に凹入部11が形成されており、支柱6は前後対称な四角柱状に形成されている。また、支柱6の4隅夫々には、奥側が開口側よりも幅広な凹溝13が上下方向に沿って形成されている。
【0026】
〔昇降用チェーン〕
図1に示すように、昇降用チェーン7は、昇降台5の前端部に連結された昇降用チェーン7と昇降台5の後端部に連結された昇降用チェーン7とが設けられており、これら一対の昇降用チェーン7の夫々は、一端側が昇降台5に接続され、他端側が走行台車3に装備された巻取りドラム16に接続されている。また、一対の昇降用チェーン7の夫々は、その中間部が、上部フレーム17に備えられた案内スプロケット18及び前方側の支柱6に支持された案内スプロケット18に巻き掛けられている。
そして、スタッカークレーン1は、昇降用モータ8にて巻取りドラム16を正逆回転させて一対の昇降用チェーン7の繰り出し及び巻取りを行うことにより、一対の昇降用チェーン7がその長手方向に沿って移動させて、昇降台5を昇降移動させるように構成されている。
【0027】
〔規制ローラ〕
図2及び図4に示すように、昇降台5には、昇降台5の横幅方向に沿った揺れを規制する規制ローラとしての横幅方向規制ローラ21と昇降台5の前後方向に沿った揺れを規制する前後方向規制ローラ22とが取り付けられている。
横幅方向規制ローラ21と前後方向規制ローラ22との昇降台5への取り付けについて説明すると、図2及び図5に示すように、一対の横幅方向規制ローラ21と1つの前後方向規制ローラ22とが、昇降台5に装着可能なローラ取付用基板23に取り付けられて、規制ローラユニット24が構成されている。横幅方向規制ローラ21は、昇降台5に取り付けた状態で前後方向に沿う軸心周りに回転自在となるようにローラ取付用基板23に取り付けられ、前後方向規制ローラ22は、昇降台5に取り付けた状態で横幅方向に沿う軸心周りに回転自在となるようにローラ取付用基板23に取り付けられている。
そして、図1及び図4に示すように、昇降台5の前後両端部には上方に突出する状態で枠体25が備えられており、この一対の枠体25の上部と下部との夫々に規制ローラユニット24が装着されており、昇降台5には、計8輪の横幅方向規制ローラ21と、計4輪の前後方向規制ローラ22とが取り付けられている。
ちなみに、一対の枠体25の夫々に昇降用チェーン7が連結され、昇降台5における一対の枠体25の間に位置する箇所に移載装置4が備えられている。
【0028】
図2に示すように、一対の横幅方向規制ローラ21は、横幅方向規制用の一対の転動面12aを転動するように、互いに横幅方向に並ぶ状態で昇降台5に取り付けられている。このように昇降台5に取り付けられた一対の横幅方向規制ローラ21の夫々は、その全体が凹入部11内に位置している。前後方向規制ローラ22は、前後方向規制用の転動面12bを転動するように、昇降台5に取り付けられている。このように昇降台5に取り付けられた前後方向規制ローラ22は、その全体が凹入部11外に位置している。
【0029】
〔接続部材〕
図4及び図5に示すように、一対の昇降用チェーン7の夫々は、接続部材26にて昇降台5に接続されている。この昇降用チェーン7を昇降台5に接続する接続部材26は、その上端部に昇降用チェーン7の一端側が接続される接続部を備え且つ上下中間部から下端部に亘ってネジ山が螺刻された上下方向に沿う姿勢の棒状体27と、棒状体27が挿通されてそのネジ山に螺合されたナットにより下方側への抜け止めがなされ且つ弾性部材としての圧縮スプリング29にて下方に付勢された規制体28とを備えて構成されている。
【0030】
昇降台5の一対の枠体25夫々には棒状体27より大径で且つ規制体28より小径の挿通孔25aが上下方向に沿って形成されており、この挿通孔25aに棒状体27が挿通されて規制体28が挿通孔25aより下方に位置している。そして、接続部材26は、規制体28が挿通孔25aの周囲に当接して昇降台5に対して上方側に移動することが規制される上方位置(図10参照)と、この吊り下げ用位置より昇降台5に対して下方側に移動した下方位置(図11参照)とに移動可能に構成されている。
【0031】
つまり、接続部材26は、昇降用チェーン7にて昇降台5が吊り下げ支持されているときは昇降用チェーン7の張力により圧縮スプリング29の付勢力に抗して上方位置に位置し、昇降用チェーン7が切断するに伴って圧縮スプリング29の付勢力により上方位置から下方位置に移動するように構成されている。そして、接続部材26が下方位置に移動したことを検出する検出手段としてのリミットスイッチ30が設けられており、このリミットスイッチ30により昇降用チェーン7が切断したことを検出できるように構成されている。
【0032】
〔落下防止手段〕
図6に示すように、スタッカークレーン1には、昇降用チェーン7が切断するに伴って昇降台5の落下を防止する落下防止手段9が備えられている。
図7〜図9に示すように、落下防止手段9は、付勢手段としてのコイルスプリング34にて互いに逆方向に回転付勢され且つ水平方向に並ぶ状態で昇降台5に装着された一対の操作用カム32と、一対の操作用カム32の係合部32aに係合して一対の操作用カム32のコイルスプリング34による回転付勢側への回転を規制する吊り下げ用位置(図(10参照)と一対の操作用カム32の回転付勢側への移動を許容する落下防止用位置(図11参照)とに亘って昇降台5に対して上下動自在な移動体31と、一対の操作用カム32の夫々と同一回転軸心X周りに一体回転する状態で昇降台5に装着されて、一対の操作用カム32が回転付勢側に回転するに伴って支柱6の接触面11aから離間する離間回転姿勢(図10参照)から接触面11aに斜め下方から押圧して昇降台5の落下を防止する接触回転姿勢(図11参照)に回転する一対の接触用カム33とを備えて構成されている。
【0033】
これら落下防止手段9を構成する一対の操作用カム32と一対の接触用カム33とコイルスプリング34と移動体31とが、昇降台5に装着可能な基板としての落下防止取付用基板35に取り付けられて、落下防止用ユニット36が構成されており、移動体31は、接続部材26に連結可能に構成されている。つまり、移動体31に形成された孔に接続部材26の棒状体27を挿通させた後、ボルトにて構成された取付部材37によって落下防止取付用基板35を昇降台5に取り付けるとともに、ナットにて構成された固定部材38により移動体31を棒状体27に固定するようにして、図5に示すように、落下防止手段9が備えられていないスタッカークレーン1に落下防止手段9を後付けできるように構成されている。
ちなみに、落下防止用ユニット36の昇降台5への取り付けは、ローラ取付用基板23を昇降台5に取り付けるための取付部材37にてローラ取付用基板23との共締めにより取り付けられている。また、移動体31の棒状体27への固定は、棒状体27のネジ山に螺合させた上下の固定部材38にて挾持することにより固定されている。
【0034】
移動体31は、接続部材26と一体的に上下に移動するように棒状体27に固定されているため、接続部材26と同様に、吊り下げ用位置から落下防止用位置に向かう下方側に圧縮スプリング29にて付勢されて、昇降用チェーン7にて昇降台5が吊り下げ支持されているときは昇降用チェーン7の張力により圧縮スプリング29の付勢力に抗して吊り下げ用位置図10参照)に位置(し、昇降用チェーン7が切断するに伴って圧縮スプリング29の付勢力により吊り下げ用位置から落下防止用位置(図11参照)に移動するように構成されている。つまり、接続部材26が上方位置に位置しているときは移動体31は吊り下げ用位置に位置し、接続部材26が下方位置に移動するに伴って移動体31も落下防止用位置に移動するようになっている。
【0035】
次に、落下防止手段9の各部材について説明を加える。
〔落下防止取付用基板〕
図6〜図9に示すように、落下防止取付用基板35は、昇降台5から上方に突出する状態で枠体25に装着されており、落下防止取付用基板35における昇降台5より上方に位置する上部分に、移動体31が嵌入する嵌入溝41が上下方向に沿って形成され、且つ、前後方向に沿う回転軸心X周りに回転自在で且つ操作用カム32と接触用カム33とを支持する一対の支持軸42が横幅方向に並設されて、この落下防止取付用基板35の上部分に、一対の操作用カム32と一対の接触用カム33とコイルスプリング34と移動体31とが取り付けられている。ちなみに、一対の支持軸42は、これら一対の支持軸42の回転軸心Xの間に接続部材26が位置するように配設されている。
【0036】
また、落下防止取付用基板35の上部分には、落下防止取付用基板35に着脱自在なボルトにて構成された規制部材43が備えられており、落下防止手段9を昇降台5に装着するときに規制部材43を落下防止取付用基板35に取り付けておくことで、規制部材43が一対の操作用カム32の接触部32bに接当して一対の操作用カム32がコイルスプリング34による回転付勢側への回転を規制することで、落下防止手段9を昇降台5に取り付け易くなっている。
【0037】
〔操作用カム〕
一対の操作用カム32は、支持軸42と一体回転するように一対の支持軸42に固定されて横幅方向に並設されており、これら一対の操作用カム32の回転軸心Xの間に昇降用チェーン7が位置するように昇降台5に装着されている。そして、図11に示すように、前後方向視で、右側に位置する操作用カム32はコイルスプリング34により時計回りに回転付勢されており、左側に位置する操作用カム32はコイルスプリング34により反時計回りに回転付勢されている。ちなみに、支持軸42は、落下防止取付用基板35に前後方向に貫通した状態で設けられており、操作用カム32は、支持軸42における落下防止取付用基板35から前後方向内方側に突出した部分に固定されている。
【0038】
そして、一対の操作用カム32の夫々は、移動体31が取り下げ用位置に位置して係合部32aに移動体31の規制部31aが係合する状態(図10参照)や接触部32bに規制部材43が接触する状態(図7参照)では、接触用カム33の離間用回転姿勢に対応する係合用回転姿勢となっており、この係合用回転姿勢からコイルスプリング34の回転付勢により回転することにより、接触用カム33の接触用回転姿勢に対応する解除用回転姿勢(図11参照)に回転するように構成されている。つまり、一対の操作用カム32の夫々は、コイルスプリング34により係合回転姿勢から解除用回転姿勢側に回転付勢されている。
【0039】
〔移動体〕
移動体31は、落下防止取付用基板35の嵌入溝41に嵌入されて、落下防止取付用基板35に対して上下動自在で且つ横幅方向に移動不能に落下防止取付用基板35に取り付けられている。
そして、移動体31には、一対の操作用カム32と係合する一対の規制部31aが横幅方向に並べて一対形成されており、これら一対の規制部31aの夫々の横幅方向内方側に位置する面(一対の操作用カム32が接触する面)は、上方側ほど横幅方向外方側に位置する傾斜面に形成されている。この規制部31aにおける傾斜面は、係合用回転姿勢の操作用カム32における係合部32aの係合面に沿って形成されており、移動体31が取り下げ用位置に位置して規制部31aが操作用カム32の係合部32aに係合する状態では、規制部31aが係合部32aに面接触するように形成されている。ちなみに、係合部32aの係合面は、操作用カム32の径方向に沿って形成されている。
【0040】
そして、移動体31が吊り下げ用位置に位置する状態では、一対の規制部31aが一対の操作用カム32の係合部32aに係合することにより、一対の操作用カム32が解除用回転姿勢側に回転することが規制されており、一対の操作用カム32は係合用回転姿勢となっている。
移動体31が吊り下げ用位置から落下防止用位置側に移動するに伴って、一対の規制部31aは一対の操作用カム32の係合部32aに係合することにより一対の操作用カム32の解除用回転姿勢への回転が規制されているものの、これら規制部31aと係合部32aとの接触点が傾斜面に沿ってその上方に移動することにより、一対の操作用カム32は、解除用回転姿勢側への回転が徐々に許容されて係合用回転姿勢と解除用回転姿勢との中間の姿勢まで回転するようになっている。
そして、移動体31が落下防止用位置側に移動するに伴って、未だ一対の規制部31aは一対の操作用カム32の係合部32aに係合しているものの、規制部31aと係合部32aとの接触点が傾斜面に沿ってその上方にさらに移動することにより、一対の操作用カム32は、解除用回転姿勢への回転が許容されて解除用回転姿勢まで回転するようになっている。
【0041】
〔接触用カム〕
一対の接触用カム33は、支持軸42と一体回転するように一対の支持軸42に固定されて、横幅方向に並設されている。そして、操作用カム32と同様に、前後方向視で、右側に位置する接触用カム33はコイルスプリング34により時計回りに回転付勢されており、左側に位置する接触用カム33はコイルスプリング34により反時計回りに回転付勢されている。そして、一対の接触用カム33の夫々は、支持軸42における落下防止取付用基板35から前後方向外方側に突出した部分に固定されている。このように取り付けられた一対の接触用カム33の夫々は、その全体が凹入部11内に位置している。
ちなみに、コイルスプリング34は、支持軸42が挿通されて、落下防止取付用基板35と接触用カム33との間に位置しており、落下防止取付用基板35及び接触用カム33に接続されている。
【0042】
一対の接触用カム33の夫々は、離間用回転姿勢において回転軸心Xと同じ高さに位置する離間部33aから接触用回転姿勢において回転軸心Xと同じ高さに位置する接触部33bに亘って、接触部33b側ほど回動軸心Xから離れる膨出形状に形成されており、離間部33aにおける回転軸心Xから外周の長さは、回転軸心Xと支柱6の接触面11aとの間隔より短く、接触部33bにおける回転軸心Xから外周の長さは、回転軸心Xと支柱6の接触面11aとの間隔と同じ又は間隔より長くなるように形成されている。
よって、一対の接触用カム33の夫々は、離間用回転姿勢では支柱6の接触面11aから離間しており、接触用回転姿勢に回転することにより支柱6の接触面11aに斜め下方から接触して押圧するように構成されている。
【0043】
一対の接触用カム33の夫々は、接触部33bの外周部分及び離間部33aと接触部33bとの間の外周部分が、支柱6の接触面11aへの押圧により接触面11aに食い込む易くするように、ノコギリの刃のような凹凸が形成されている。
【0044】
このように落下防止手段9が構成されていることにより、昇降用チェーン7が切断して圧縮スプリング29の付勢力により接続部材26が上方位置から下方位置に移動すると、接続部材26とともに移動体31が吊り下げ用位置から落下防止用位置に移動する。このように移動体31が移動するに伴って、一対の操作用カム32が係合用回転姿勢から解除用回転姿勢に互いに逆方向に回転し、一対の接触用カム33も離間用回転姿勢から接触用回転姿勢に互いに逆方向に回転して、一対の接触用カム33が支柱6における互いに対向する一対の接触面11aに斜め下方から押圧することにより、昇降台5の落下を防止することができる。
【0045】
〔別実施形態〕
(1) 上記実施形態では、一対の規制ローラ21を、分割部分12により形成される互いに反対を向く一対の面を転動させ、一対の接触用カム33を、凹入部11の凹入により形成される互いに対向する一対の面を押圧するようしたが、一対の規制ローラ21を転動させる面や一対の接触用カム33を押圧する面は適宜変更してもよい。
【0046】
つまり、分割部分12により形成される互いに反対を向く一対の面を接触面として、この接触面に一対の接触用カム33を押圧し、凹入部11の凹入により形成される互いに対抗する一対の面を転動面として、一対の規制ローラ21を転動させてもよい。ちなみに、この場合、前後方向視で右側に位置する接触用カム33を、コイルスプリング34により反時計回りに回転付勢し、左側に位置する接触用カム33は、コイルスプリング34により時計回りに回転付勢する。
【0047】
また、分割部分12により形成される互いに反対を向く一対の面に一対の規制ローラ21を転動させ且つ一対の接触用カム33を押圧させる、又は、凹入部11の凹入により形成される互いに対抗する一対の面に一対の規制ローラ21を転動させ且つ一対の接触用カム33を押圧させるようにして、一対の規制ローラ21を転動させる面と一対の接触用カム33にて押圧する面とを同じ面としてもよい。
【0048】
(2) 上記実施形態では、凹入部11を形成して、その凹入部11内に位置するように一対の規制ローラ21及び一対の接触用カム33を設けたが、支柱6の横側面を転動面として一対の規制ローラ21を転動させたり、支柱6の横側面を接触面として一対の接触用カム33を押圧させるようにして、凹入部11外に位置するように一対の規制ローラ21や一対の接触用カム33を設けてもよい。尚、一対の規制ローラ21と一対の接触用カム33との両方を支柱6の横側面に転動又は押圧する場合、支柱6に凹入部11を形成しなくてもよい。
【0049】
(3) 上記実施形態では、移動体31の規制部31aを、移動体31が吊り下げ用位置から落下防止用位置側に移動するに伴って、一対の接触用カム33の離間回転姿勢から接触回転姿勢側への回転を徐々に許容する形状に形成したが、移動体31の規制部31aを、移動体31が吊り下げ用位置から落下防止用位置側に移動しても落下防止用位置に移動するまでは、一対の接触用カム33の離間回転姿勢から接触回転姿勢側への回転を規制して一対の接触用カム33を離間回転姿勢に維持する形状に形成してもよい。
つまり、例えば、操作用カム32の係合部32aの係合面を、係合用回転姿勢において鉛直となるように形成している場合において、移動体31の規制部31aにおける操作用カム32の係合面に当接する面を、鉛直面に形成してもよい。
【0050】
(4) 上記実施形態では、移動体31を、吊り下げ用位置に位置する状態及び吊り下げ用位置と落下防止用位置との間に位置する状態において、一対の操作用カム32が解除用位置に回転することを規制したが、移動体31を、取り下げ用位置に位置する状態においてのみ一対の操作用カム32が解除用位置に回転することを規制し、落下防止用位置に位置する状態に加えて吊り下げ用位置と落下防止用位置との間に位置する状態でも、一対の操作用カム32が解除用位置に回転することを許容してもよい。
【0051】
(5) 上記実施形態では、一対の操作用カム32と一対の接触用カム33と付勢手段34と移動体31とが昇降体5に装着可能な基板35に取り付けて、落下防止用ユニット36を構成して、落下防止用ユニット36を昇降体5に取り付けることで、落下防止手段9を昇降体5に装着するように構成したが、一対の操作用カム32と一対の接触用カム33と付勢手段34と移動体31とを夫々個別に昇降体5に取り付けることで、落下防止手段9を昇降体5に装着するように構成してもよい。
【0052】
(6) 上記実施形態では、一対の操作用カム32を、これが回転する一対の回転軸心Xの間に接続部材26が位置するように昇降体5に装着したが、一対の操作用カム32の両方を、接続部材26の横幅方向一方側に位置するようにして、一対の操作用カム32を、一対の回転軸心Xの間に接続部材26が位置しないように昇降体5に装着してもよい。
【0053】
(7) 上記実施形態では、操作用カム32と接触用カム33とを別体形成したが、操作用カム32と接触用カム33とを一体形成してもよい。また、上記実施形態では、索条体7を、昇降用チェーンとしてチェーンにて構成したが、索条体7を、ベルトやワイヤーにて構成してもよい。
【0054】
(8) 上記実施形態では、索条体7の一端側を昇降体5に上方側から連結し、他端側を巻取りドラム16に接続したが、索条体7の一端側を昇降体5に上方側から連結し、他端側を昇降体5に下方側から連結して、索条体7をループ状に設けてもよい。この場合、索条体7の他端側を接続部材26にて昇降体5に接続してもよく、索条体7が切断するに伴って、弾性部材29の付勢力により接続部材26を下方位置から上方位置に移動することにより、移動体31が昇降体5に対して上方に移動して吊り下げ用位置から落下防止用位置に移動するように構成してもよい。
【0055】
(9) 上記実施形態では、前後一対の支柱6を設けて、前後一対の支柱6にて昇降体5を上下方向に沿って案内するように構成したが、単一の支柱6を設けて、単一の支柱6にて昇降体5を上下方向に案内するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、昇降体5の前端部に連結された索条体7と昇降体5の後端部に連結された索条体7との一対の索条体7を設け、一対の索条体7にて昇降体5を吊り下げ支持するように構成したが、昇降体5の前端部又は後端部を支持する単一の索条体7を設け、単一の索条体7にて昇降体5を吊り下げ支持するように構成してもよい。
【0056】
(10) 上記実施形態では、昇降装置1を、スタッカークレーンとしたが、水平方向に走行する機能を備えない昇降装置でもよい。
【符号の説明】
【0057】
5 昇降体
6 支柱
7 索条体
8 昇降移動手段
9 落下防止手段
11 凹入部
11a 接触面
12 分割部分
12a 転動面
21 規制ローラ
26 接続部材
29 弾性部材
31 移動体
31a 規制部
32 操作用カム
32a 係合部
33 接触用カム
34 付勢手段
35 基板
36 落下防止用ユニット
X 回転軸心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降体を上下方向に沿って案内する支柱と、
前記昇降体を吊り下げ支持する索条体と、
前記索条体をその長手方向に移動操作して前記昇降体を昇降移動させる昇降移動手段と、
前記索条体が切断するに伴って前記昇降体の落下を防止する落下防止手段とが設けられている昇降装置であって、
前記支柱が、互いに対向する又は互いに反対を向く一対の接触面を上下方向に沿って平行に備えて構成され、
前記落下防止手段が、
付勢手段にて互いに逆方向に回転付勢され且つ水平方向に並ぶ状態で前記昇降体に装着された一対の操作用カムと、
前記一対の操作用カムの係合部に係合して前記一対の操作用カムの前記付勢手段による回転付勢側への回転を規制する吊り下げ用位置と前記一対の操作用カムの前記回転付勢側への回転を許容する落下防止用位置とに亘って前記昇降体に対して上下動自在で、且つ、前記吊り下げ用位置から前記落下防止用位置に向かう方向に弾性部材にて付勢されて、前記索条体にて前記昇降体が吊り下げ支持されているときは前記索条体の張力により前記弾性部材の付勢力に抗して前記吊り下げ用位置に位置し、前記索条体が切断するに伴って前記弾性部材の付勢力により前記吊り下げ用位置から前記落下防止用位置に移動するように構成されている移動体と、
前記一対の操作用カムの夫々と同一回転軸心周りに一体回転する状態で前記昇降体に装着されて、前記移動体が前記吊り下げ用位置に位置して前記操作用カムの回転が規制されている状態では前記接触面から離間する離間回転姿勢となり、前記移動体が落下防止用位置に移動して前記操作用カムが回転するに伴って前記接触面に斜め下方から押圧して前記昇降体の落下を防止する接触回転姿勢に回転する一対の接触用カムとを備えて構成されている昇降装置。
【請求項2】
前記支柱が、水平面視で支柱内方側に凹入形成された凹入部を上下方向に沿って形成して構成され、
前記昇降体の水平方向に沿った揺れを規制する一対の規制ローラが、前記凹入部内に位置するように前記昇降体に備えられ、
前記一対の接触用カムが、前記凹入部内に位置するように前記昇降体に装着されている請求項1記載の昇降装置。
【請求項3】
前記支柱が、前記凹入部をその幅方向に2つに分割する分割部分を備えて構成され、
前記一対の規制ローラが、前記分割部分により形成される互いに反対を向く一対の転動面を転動する状態で前記昇降体に備えられ、
前記一対の接触用カムが、前記接触回転姿勢に回転することにより、前記凹入部の凹入により形成される互いに対向する前記一対の接触面を押圧するように前記昇降体に装着されている請求項2記載の昇降装置。
【請求項4】
前記移動体が、前記吊り下げ用位置に位置する状態及び前記吊り下げ用位置と前記落下防止用位置との間に位置する状態において前記一対の操作用カムの係合部に係合して、前記一対の操作用カムが前記接触用カムの前記接触用回転姿勢に対応する回転姿勢に回転することを規制する規制部を備えて構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の昇降装置。
【請求項5】
前記移動体における前記規制部が、前記移動体が前記吊り下げ用位置から前記落下防止用位置側に移動するに伴って、前記一対の接触用カムの前記接触回転姿勢側への回転を徐々に許容する形状に形成されている請求項4記載の昇降装置。
【請求項6】
前記一対の操作用カムと前記一対の接触用カムと前記付勢手段と前記移動体とが、前記昇降体に装着可能な基板に取り付けられて、落下防止ユニットを構成し、
前記移動体が、前記索条体を前記昇降体に接続する接続部材に連結可能に構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の昇降装置。
【請求項7】
前記一対の操作用カムが、一対の前記回転軸心の間に前記索条体を前記昇降体に接続する接続部材が位置するように前記昇降体に装着されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の昇降装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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