説明

易開封性ブリスター容器

【課題】 蓋体を容易に摘むことができ、蓋体を容器本体から剥離させることにより簡単に開封して内容物を取り出せることのできるブリスター容器を提供することである。
【解決手段】 内容物を収納する凹部とフランジ部を備えた容器本体と、蓋体とが、前記フランジ部に設けられた第一熱接着部で熱接着された四角形状のブリスター容器において、一つの辺の第一熱接着部の内周縁と開口部の周縁との間に頂部を有し、頂部と斜めシール部とで構成される第二熱接着部が前記フランジ部に設けられ、該第二熱接着部で前記蓋体と前記容器本体が剥離可能に熱接着され、前記頂部の外縁周辺の未シール部分に切れ目線が形成されて開封用摘み部が設けられ、前記斜めシール部若しくはその外縁周辺の未シール部分に前記斜めシール部に沿って、開封用切れ目線が前記蓋体に設けられ、前記開封用摘み部より前記開封用切れ目線に沿って開封することを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋体を容器本体から剥離させて容易に開封できる易開封性ブリスター容器に関し、特に一つの辺側に設けた開封用摘み部より、開封用切れ目線に沿って開封する易開封性ブリスター容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ハム、ベーコン等の食品あるいは医薬品、化粧品等の種々の内容物を封入する包装容器として、熱成形され内容物を収納する凹部とフランジ部を有する容器本体と蓋体からなり、内容物を凹部に収納し、内容物とフランジ部を蓋体で被覆して周縁を熱接着させたブリスター容器が知られている。密封に際して、含気包装以外に内容物により、その保存性の向上を図るために、窒素ガス、炭酸ガスを封入するガス充填包装や脱酸素剤封入包装や真空包装などの包装技法が一般的に用いられている。
【0003】
これらのブリスター容器は開封を容易とするために、概ね平面形状が矩形で、一つの角部に蓋体と容器本体との未接着部を形成して開封用摘み部を設けて、ここから蓋体を剥離する構成となっている。更に蓋体及び/又は容器本体の熱接着される面に易剥離性処理が施され、例えば、蓋体に易剥離性処理を施す場合には、容器本体と熱接着される蓋体の内層に易剥離性熱接着樹脂層を積層した構造を有し、開封用摘み部を一方の手指で摘み、他方の手指で容器本体を摘み、相反する方向に引張ると蓋体と容器本体が剥離し、容易に開封できるようになっている。
【0004】
しかしながら、蓋体と容器本体は密着して容易に開封用摘み部を容器本体から分離して摘みにくいという問題がある。特に、これらのブリスター容器の製造は、容器本体と蓋体とを熱接着した後に矩形状に打抜いてトリミングされる方法が多く、熱接着の余熱が残存した状態でトリミングされるために蓋体と容器本体のトリミング部分が仮着を起こし、開封用摘み部の分離をより一層、困難にすることがある。
【0005】
上記の問題を改善するため、例えば、ミルクポーションパックのようにタブ部が設けられ、タブ部の容器本体側に蓋体と容器本体との周縁シール部の外縁近傍に薄肉線を設けて折り曲げて切取り、タブ部を摘みやすい構成が用いられている。これらは、容器本体が小さい場合や、容器本体が折り曲げて切り取りやすい剛性のある構成には、有効であるが、スライスハムやベーコン等のブリスター容器のように大きくなると、手で容器が摘みにくいあるいは、容器本体の材質がフレキシブルな構成のものには、剛性がなく、このような切取り方式は不適当である。
【0006】
また、未接着部の、容器本体又は蓋材の少なくとも一方に凸部を設けて開封性を向上させる包装容器が提案されている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、トリミングのエッジにおいて蓋材と容器本体との密着防止には十分なものではなく、特に真空包装においては、未接着部も真空にされて、容器本体と蓋材間に大気圧に準ずる圧力が印加され、且つ接着部に近接するためにある程度の熱も加わり、一旦形成した凹凸部が押しつぶされて、所望の易開封性向上効果を十分に得られないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−302158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、上記問題を解決すべくなされたものであり、蓋体を容易に摘むことができ、蓋体を容器本体から剥離させることにより簡単に開封して内容物を取り出せることのできる易開封性ブリスター容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を達成するために、請求項1記載の本発明は、一方に開口部を有し内容物を収納する凹部と該凹部の周縁にフランジ部を備えた容器本体と、該容器本体の前記開口部と前記フランジ部を覆い前記フランジ部の外縁と略同じ大きさの蓋体とが、前記フランジ部の周縁部に設けられた第一熱接着部で熱接着された四角形状のブリスター容器において、一つの辺の前記第一熱接着部の内周縁と前記開口部の周縁との間に頂部を有し、該頂部より前記開口部側に向かい拡開し一つの辺に隣接して対向する他の二辺の第一熱接着部に接続する斜めシール部を備えた第二熱接着部が前記フランジ部に設けられ、該第二熱接着部で前記蓋体と前記容器本体が剥離可能に熱接着され、前記頂部の外縁周辺の未シール部分に該頂部を囲み前記蓋体を貫通する切れ目線が形成されて開封用摘み部が設けられ、前記開封用摘み部の前記切れ目線の両端又はその近傍から前記斜めシール部若しくはその外縁周辺の未シール部分に前記斜めシール部に沿って、開封用切れ目線が前記蓋体に設けられ、前記開封用摘み部より前記開封用切れ目線に沿って開封することを特徴とする易開封性ブリスター容器である。
【0010】
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載の易開封性ブリスター容器において、前記頂部が一つの辺に平行な所定長さの直線シール部を有し、該直線シール部に一つの辺側に突出した1ケないしは複数の山型シール部を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項3記載の本発明は、請求項1記載の易開封性ブリスター容器において、前記頂部が対向する一つの辺側に突出した少なくとも1つの烏口状のシール部を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項4記載の本発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の易開封性ブリスター容器において、前記開封用切れ目線が、ハーフカットからなることを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項5記載の本発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の易開封性ブリスター容器において、前記開封用切れ目線が、間欠した切れ目からなり、該切れ目が、前記斜めシール部と平行方向の直線部と、該直線部の前記開封用摘み部方向に対して後端側より一つの辺に隣接して対向する他の二辺に向かい前記直線部に対して鈍角で斜めに延びた斜線部とからなり、一番目の前記切れ目の先端が前記開封用摘み部の前記切れ目線の両端と連接して形成されていることを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項6記載の本発明は、請求項4に記載の易開封性ブリスター容器において、前記ハーフカットからなる前記開封用切れ目線の前記開封用摘み部側の先端がU字状に形成されていることを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項7記載の本発明は、請求項5に記載の易開封性ブリスター容器において、前記開封用切れ目線を形成する一番目の前記切れ目の前記直線部の先端がU字状に形成されていることを特徴とするものである。
【0016】
また、請求項8記載の本発明は、請求項5又は7に記載の易開封性ブリスター容器において、前記開封用切れ目線の前記切れ目の後端と、次の切れ目の直線部の先端とが、開封方向に対して一致するか若しくは少なくとも重なって形成されていることを特徴とするものである。
【0017】
また、請求項9記載の本発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の易開封性ブリスター容器において、前記第二熱接着部と前記開封用摘み部と前記開封用切れ目線が一つの辺と対向する辺側に前記開口部を介して略対称に設けられたことを特徴とするものである。
【0018】
また、請求項10記載の本発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の易開封性ブリスター容器において、前記開封用摘み部と対向する前記第一熱接着部より前記開封用摘み部を囲む突出シール部を設けたことを特徴とするものである。
【0019】
また、請求項11記載の本発明は、請求項1〜10のいずれかに記載の易開封性ブリスター容器において、一つの辺の前記第一熱接着部と該第一熱接着部に隣接する前記第一熱接着部と前記斜めシール部と前記突出シール部とで囲まれた未シール領域にポイントシール部を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明のブリスター容器は、蓋体を貫通する切れ目線が形成されて開封用摘み部が設けられており、容器本体と密着することがなく、蓋体と容器本体が容易に分離でき、開封用摘み部を手指で摘むことができる。開封用切れ目線が第二熱接着部の斜めシール部若しくはその外縁周辺の未シール部分に斜めシール部に沿って蓋体に設けられ、第二熱接着部で蓋体と容器本体が剥離可能に熱接着されており、開封用摘み部より開封用切れ目線に沿って容易に、しかも容器を持ち替えることなく開封することができる。
【0021】
また、第二熱接着部の頂部が一つの辺に平行な所定長さの直線シール部を有し、該直線シール部に一つの辺側に突出した1ケないしは複数の山型シール部を設けており、開封初期に必要な引張り力を少なくすることができ、開封用摘み部を引張って容易に剥離することができ、スムーズに開封開始ができるものである。
【0022】
また、第二熱接着部の頂部が対向する一つの辺側に突出した少なくとも1つの烏口状のシール部を設けたことにより、開封初期に必要な引張り力をより一層少なくすることができ、開封用摘み部を引張ってスムーズに開封開始ができるものである。
【0023】
また、請求項4記載の本発明は、開封用切れ目線が、ハーフカットからなる構成にすることにより、開封用摘み部より開封すると蓋体が、開封用切れ目線から外れることなく開封でき、しかも開封された開封用切れ目線が美麗である。また、流通時の振動や衝撃により開封用切れ目線での蓋体の破れ防止や悪戯防止になる。
【0024】
また、請求項5記載の本発明は、開封用切れ目線は、間欠した切れ目からなり、切れ目が、斜めシール部と平行方向の直線部と、該直線部の開封用摘み部方向に対して後端側より一つの辺に隣接して対向する他の二辺に向かい前記直線部に対して鈍角で斜めに延びた斜線部とからなり、一番目の切れ目の先端が開封用摘み部の切れ目線の両端と連接して形成されているか又はその近傍に形成されており、開封用摘み部より開封すると蓋体が、開封用切れ目線から外れることなく開封できる効果がある。
【0025】
また、請求項6記載の本発明は、請求項4に記載の易開封性ブリスター容器において、ハーフカットからなる開封用切れ目線の開封用摘み部側の先端がU字状に形成されている構成とすることにより、開封用摘み部より開封したときに開封用摘み部の切れ目線の両端から蓋体が引裂かれ、その引裂き方向が開封用切れ目線に案内されたときに開封用切れ目線の先端から蓋体が裂けることを防止できる。また、請求項7記載の本発明は、請求項5に記載の易開封性ブリスター容器において、開封用切れ目線を形成する一番目の切れ目の直線部の先端がU字状に形成されている構成とすることにより、開封用摘み部より開封したときに開封用摘み部の切れ目線の両端から蓋体が引裂かれ、その引裂き方向が開封用切れ目線に案内されたときに開封用切れ目線の先端から蓋体が裂けることを防止できる。
【0026】
また、請求項8記載の本発明は、開封用切れ目線の切れ目の後端と、次の切れ目の直線部の先端とが、開封方向に対して一致するか若しくは少なくとも重なって形成されているので開封用摘み部を引張って開封すると、開封用切れ目線から外れて開封不能になることを防ぐことができ、開封用切れ目線に沿って開封できる。
【0027】
また、請求項9記載の本発明は、第二熱接着部と開封用摘み部と開封用切れ目線が一つの辺と対向する辺側に開口部を介して略対称に設けることにより、どちらの方向からも開封が可能となり、開封の利便性を与えるものである。
【0028】
また、請求項10記載の本発明は、開封用摘み部と対向する第一熱接着部より開封用摘み部を囲む突出シール部を設けることにより、開封用摘み部の切れ目線から未シール領域への異物の進入を低減する効果がある。
【0029】
また、請求項11記載の本発明は、一つの辺の第一熱接着部と該第一熱接着部に隣接する第一熱接着部と斜めシール部と突出シール部とで囲まれた未シール領域にポイントシール部を設ける構成にすることにより開封用摘み部の切れ目線から未シール領域に異物が進入することをより一層低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明にかかる易開封性ブリスター容器の第一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】図1の円内の切れ目線及び切れ目を示す拡大図である。
【図4】易開封性ブリスター容器の開封途中の状態を示す斜視図である。
【図5】本発明にかかる易開封性ブリスター容器の第二実施形態を示す平面図である。
【図6】本発明にかかる易開封性ブリスター容器の第三実施形態を示す平面図である。
【図7】本発明にかかる易開封性ブリスター容器の第四実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
上記の本発明について、図面等を用いて以下に説明する。
図1は本発明にかかる易開封性ブリスター容器の第一実施形態を示す平面図、図2は図1のX−X線断面図、図3は図1の円内の切れ目線及び切れ目を示す拡大図、図4は易開封性ブリスター容器の開封途中の状態を示す斜視図、図5は本発明にかかる易開封性ブリスター容器の第二実施形態を示す平面図、図6は本発明にかかる易開封性ブリスター容器の第三実施形態を示す平面図、図7は本発明にかかる易開封性ブリスター容器の第四実施形態を示す平面図であり、図中の符号1、21、31,41は易開封性ブリスター容器、2は蓋体、3は容器本体、4は開口部、5は凹部、6はフランジ部、7は第一熱接着部、7aは突出シール部、8、8’は第二熱接着部、8a、8a’は頂部、8bは斜めシール部、8aaは直線シール部、8abは山型シール部、8acは烏口状のシール部、8adは湾曲状のシール部、9は切れ目線、10は開封用摘み部、11、11’、11’’は開封用切れ目線、11’hは開封用切れ目線の先端、12は切れ目、12aは直線部、12bは斜線部、12hは切れ目の先端、12tは切れ目の後端、13、16は基材層、14、17は中間層、15、18は熱接着性樹脂層、19は引裂き片、121、121’’は一番目の切れ目、121’’hは一番目の切れ目の先端、122は次(二番目)の切れ目、Aは未シール領域、L1は一つの辺、L2は一つの辺と対向する辺、M1、M2は対向する他の二辺、Pはポイントシール部をそれぞれ示す。
【0032】
本発明の易開封性ブリスター容器の第一実施形態は図1、図2に示すとおりである。一方に開口部4を有し内容物を収納する略円筒形の凹部5と凹部5の周縁にフランジ部6を備えた容器本体3と、容器本体3の開口部4とフランジ部6を覆いフランジ部6の外縁と略同じ大きさの蓋体2とが、フランジ部6の周縁部に設けられた第一熱接着部7で熱接着された四角形状の易開封性ブリスター容器1である。一つの辺L1の第一熱接着部7の内周縁と開口部4の周縁との間に頂部8aを有し、該頂部8aより開口部4側に向かい拡開し一つの辺L1に隣接して対向する他の二辺M1、M2の第一熱接着部7に接続する斜めシール部8bとで構成され、一つの辺L1の第一接着部側に凸形状の第二熱接着部8がフランジ部6に設けられ、第二熱接着部8で蓋体2と容器本体3が剥離可能に熱接着され、頂部8aの外縁周辺の未シール部分に頂部8aを囲み蓋体2を貫通する切れ目線9が形成されて開封用摘み部10が設けられ、開封用摘み部10の切れ目線9の両端から斜めシール部8b若しくはその外縁周辺の未シール部分に斜めシール部8bに沿って、開封用切れ目線11が蓋体2に設けられている。開封用切れ目線11は、斜めシール部8bに設けてもよいが、開封性等から斜めシール部8bの外縁周辺の未シール部分に設けるほうが好ましい。容器本体3の凹部5の形状は、上記の形状に限定されるものでなく、角型、楕円型等の種々の形状にできる。
【0033】
第二熱接着部8の頂部8aは、一つの辺L1に平行な所定長さの直線シール部8aaを有し、該直線シール部8aaには、一つの辺L1側に突出した1ケないしは複数の山型シール部8abが設けられている。このような構成にすることにより、開封用摘み部10を摘み、蓋体2を容器本体3より開封する際に、開封初期に必要な引張り力を少なくすることができ、開封用摘み部10を引張って容易に剥離することができ、スムーズに開封開始ができる効果を奏するものである。山型シール部8abの突出した山の数は開封用摘み部10の一つの辺L1と平行する側の長さにより1ケないし複数設けることができ、該長さが長くなれば複数の山の数を設けるのが好ましい。なお、山型シール部8abを設けなくても開封できるが、設けたほうがスムーズな開封開始ができるので好ましい。また、頂部8aに直線シール部8aaを設けずに、例えば、山型、丸型、突起状等の形状でもよく、記載の形状に限定されるものではない。
【0034】
次に、蓋体2と容器本体3とが熱接着された第一熱接着部7及び第二熱接着部8を剥離可能とする蓋体2及び容器本体3の積層構成について説明する。蓋体2の構成としては図2に示すように、収納される内容物に対して要求される化学的保護機能(ガスバリア性、透湿度等)や物理的保護機能(引張強度、衝撃強度等)により、基材層13/印刷層(図示しない)/中間層14/熱接着性樹脂層15又は基材層13/印刷層(図示しない)/熱接着性樹脂層15を基本構成として適宜設計することができる。基材層13にはナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等の二軸延伸されたプラスチックフィルム並びにこれらのフィルムにポリビニルアルコール、塩化ビニリデン等のバリア材がコートされたフィルム及び酸化珪素、酸化アルミ等の無機物が蒸着されたフィルムが使用される。図示しないが、印刷層は、例えば基材層13の中間層14と対向した面にグラビア印刷され設けられる。中間層14にはエチレンビニルアルコール等のバリアフィルム、アルミ箔、アルミ等の金属が蒸着されたフィルム及び上記基材層13に使用されるフィルムが使用される。熱接着性樹脂層15には、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、ポリプロピレンないしは易剥離性熱接着性樹脂(EPR)等をフィルム又はエクストルージョンラミネーションして使用される。なお、EPRの易剥離性を付与する方法として表面に接着力の弱い薄層を設けた多層構成とする方法や、相溶性の少ない樹脂をブレンドするなどの構成により易剥離性を発現させる方法などの公知のものが適宜採用される。上記の各層はドライラミネーション法やエクストルージョンラミネーション法等の公知の技法により積層され積層材が構成される。例えば、蓋体2の具体的積層構成例として、以下のような構成が挙げられる。
(1)OPP/DL/PET/DL/PEF又はEVA又はアイオノマー
(2)PET/DL/EPR
(3)PET/DL/ON/DL/PEF
(4)OPP/DL/PEF又はCPP
(5)ON/DL/PEF
尚、前記構成例の記載に用いた略記号は次の通りである。OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム、PET:二軸延伸ポリエステルフィルム、PEF:ポリエチレンフィルム、EVA:エチレン・酢酸ビニル共重合体、CPP:未延伸ポリプロピレンフィルム、DL:ドライラミネート接着剤を示す。
【0035】
容器本体3の構成としては図2に示すように、収納される内容物に対して要求される化学的保護機能(ガスバリア性、透湿度等)や物理的保護機能(引張強度、衝撃強度等)及び成型性により、基材層16/中間層17/熱接着性樹脂層18又は基材層16/熱接着性樹脂層18を基本構成として適宜設計することができる。基材層16にはナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、塩化ビニル等の未延伸のプラスチックフィルム並びにこれらのフィルムにポリビニルアルコール、塩化ビニリデン等のバリア材がコートされたフィルム等が使用される。中間層17にはエチレンビニルアルコール共重合体、塩化ビニリデン等のバリアフィルム等のフィルムが使用される。熱接着性樹脂層15には、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、ポリプロピレンないしは易剥離性熱接着性樹脂(EPR)等をフィルム又はエクストルージョンラミネーションして使用される。上記の各層はドライラミネーション法やエクストルージョンラミネーション法等の公知の技法により積層され容器本体3を構成する容器材となる。また、容器本体3は、基材層16/中間層17/熱接着性樹脂層18、基材層16/熱接着性樹脂層18が共押出しフィルムでもよく、基材層16単層でもよい。蓋体2及び容器本体3の熱接着性樹脂層15、18にはEPRを用いる方が易開封性がより向上し、好ましい。また、この場合、EPRは蓋体2及び容器本体3の熱接着性樹脂層15、18の両層に使用してもよいし、いずれか一方でも良い。
【0036】
図1、図3を用いて本発明の易開封性ブリスター容器の開封部分の構成について詳しく説明する。図3は図1の円内の拡大図であって、開封部分の構成を示す。蓋体2に設けられた開封用切れ目線11は、間欠した切れ目12からなり、該切れ目12が、斜めシール部8bと平行方向の直線部12aと、該直線部12aの開封用摘み部方向に対して後端側より一つの辺L1に隣接して対向する他の二辺M1、M2に向かい直線部12aに対して鈍角で斜めに延びた斜線部12bとからなり、一番目の切れ目121の先端12hが開封用摘み部10の切れ目線9の両端と連接して形成され、開封用摘み部10より開封用切れ目線11に沿って開封する構成となっている。開封用切れ目線11の一番目の切れ目121の後端12tと、二番目の切れ目122の直線部12aの先端12hとが、開封方向に対して一致するか若しくは少なくとも重なって形成されていることが好ましい。そうすることにより、開封用摘み部10を引張って蓋体2を開封すると、一番目の切れ目121の後端12tから蓋体2が引裂かれて、二番目の切れ目122に連結し、二番目の切れ目122により、引裂き方向が、次の三番目の切れ目に案内され、順次、同様に繰り返され開封用切れ目線11から外れて開封不能になることを防ぐことができ、開封用切れ目線11に沿って開封できる。また、切れ目12の形状は、直線や例えば、くの字やへの字等の屈曲線、U字等の曲線、若しくはこれらの組合せなどを用いることができるが、直線や屈曲線がシンプルで好ましい。尚、一番目の切れ目121、二番目の切れ目122の符号は説明上、付したものであり、切れ目12と形状、機能とも同一のものである。
【0037】
次に、蓋体2の製造方法について説明する。まず最初に基材層13の中間層14に対向する面にグラビア印刷方式で印刷絵柄を裏刷する。その後、中間層14、熱接着性樹脂層15を順次、ドライラミネーション法又はエクストルージョンラミネーション法で積層し、蓋材の巻取が製造される。次に抜き工程で得られた蓋材の巻取を巻き戻しながら、印刷見当に合せて所定位置に切れ目線9及び切れ目12を基材層13、中間層14、熱接着性樹脂層15まで貫通するように例えば、ロータリーダイカッターを用いて形成され、開封用摘み部10及び開封用切れ目線11が設けられ、蓋体2が製造される。なお、印刷絵柄は中間層14の基材層13に対向する面又は熱接着性樹脂層15に対向する面に設けてもよい。
【0038】
次に、本発明の易開封性ブリスター容器1の製造方法について説明する。上記で製造された蓋体2と、上記で説明した方法で作製された容器材をそれぞれ所定の幅に切断して巻取とした後に、成型インライン充填機械で製造される。まず、容器材が巻き戻され熱成型され凹部5とフランジ部6を有する容器本体3が製造される。その後、凹部5に内容物が収納された後、蓋体2が巻き戻され容器本体3と蓋体2とが所定位置になるように見当合せしながら容器本体3のフランジ部6、開口部4及び内容物を覆い第一熱接着部7、第二熱接着部8で蓋体2と容器本体3とを剥離可能に熱接着し、内容物が封入され、易開封性ブリスター容器1が製造される。成型方法は真空成型、圧空成型、真空圧空成型などの熱成型方法が使用できる。また、内容物に要求される保存性により、真空包装、窒素ガスや炭酸ガスあるいはその混合ガスなどを封入するガス充填包装、脱酸素剤封入包装、含気包装などの包装技法を併用することができる。なお、容器本体3は一旦、別工程で熱成型してトリミングしたものを使用してもよい。この場合には、容器本体3には、熱可塑性樹脂をインジェクション成型して用いることもできる。
【0039】
次に、図4を用いて本発明の易開封性ブリスター容器1の開封方法について説明する。該易開封性ブリスター容器1の蓋体2に設けられた開封用摘み部10を手指で摘み、上に引張りながら一つの辺L1と対向する辺L2の方向に開封すると切れ目線9に連接した一番目の切れ目121の後端12tから開口部4の方向に蓋体2が引裂かれ二番目の切れ目122に達すると二番目の切れ目122に沿って開封方向が案内され、順次、同じことが繰返され、開封用切れ目線11に沿って、蓋体2が引裂かれて引裂き片19が形成されると共に、開口部4と内容物(図示しない)が現れる。開封用切れ目線11が第一熱接着部7に達し、さらに引裂き片19を引張ると第一熱接着部7に沿って、蓋体2と容器本体3との間で剥離して引裂き片19が取除かれて開口部4が開口され、内容物を容易に取出すことが可能となる。このように、開封用摘み部10を一つの辺L1の中央に予め蓋体2を貫通する切れ目線9を設けることにより、従来の角部に設けた開封用摘み部が容器本体と密着して容易に開封用摘み部を容器本体から分離して摘みにくいという問題を解決し、開封用摘み部10を容易に摘み開封することができるものである。
【0040】
図5は本発明にかかる易開封性ブリスター容器の第二実施形態を示す平面図であり、易開封性ブリスター容器21は、第二熱接着部8と開封用摘み部10と開封用切れ目線11が一つの辺L1と対向する辺L2側に開口部4を介して略対称に設けられたものである。その他は、第一実施形態と同様である。このように開封可能な部分を2ケ所設けることにより、どちらの方向からも開封が可能となり、開封の利便性を与えるものである。
【0041】
図6は本発明にかかる易開封性ブリスター容器の第三実施形態を示す平面図である。図6に示すように易開封性ブリスター容器31は、第二熱接着部の頂部と、開封用切れ目線と、開封用摘み部と、開封用摘み部を含む3辺の第一熱接着部と第二熱接着部で囲まれた領域とが、第一実施形態の構成と異なり、その他は同じである。第二熱接着部8’の頂部8a’は、対向する一つの辺L1側に突出した2つの烏口状のシール部8acが設けられ、烏口状のシール部8ac間には一つの辺L1側に凹状に湾曲した湾曲状のシール部8adを備えた構成となっている。このような構成にすることにより開封初期に必要な引張り力をより一層少なくすることができ、開封用摘み部10を引張ってスムーズに開封開始ができる。烏口状のシール部8acは少なくとも1つ設けられていればよく、開封用摘み部の大きさにより任意に設定すればよい。湾曲状のシール部8adは、直線状でもよいが、湾曲状のほうが開封時の剥離強度が急激に大きくなることがなく、スムーズに開封できる。
【0042】
また、開封用切れ目線11’は熱接着性樹脂層15から中間層14または基材層13に達するハーフカットからなり、開封用摘み部10の切れ目線9の両端の近傍から斜めシール部8b若しくはその外縁周辺の未シール部分に斜めシール部8bに沿って、蓋体2に設けられている。さらに、ハーフカットからなる開封用切れ目線11’の開封用摘み部10側の先端11’hはU字状に形成されている。開封用摘み部側の先端がU字状に形成されることにより、開封用摘み部10より開封したときに開封用摘み部10の切れ目線9の両端から蓋体2が引裂かれ、その引裂き方向が開封用切れ目線11’に案内されたときに開封用切れ目線11’の先端11’hから蓋体2が裂けて開封用切れ目線11’から逸れることを防止できる。
【0043】
また、開封用摘み部10と対向する一つの辺L1側の第一熱接着部7より開封用摘み部10側に該開封用摘み部10を囲む突出シール部7a、7aが設けられている。さらに、一つの辺L1の第一熱接着部7と該第一熱接着部に隣接して対向する他の二辺M1、M2側の第一熱接着部7、7と斜めシール部8bと突出シール部7aとで囲まれた未シール領域Aに略長方形状のポイントシール部Pを設けた。このように突出シール部7a、7aを設けることにより、開封用摘み部10の切れ目線9から未シール領域Aへの異物の進入を低減することができ、さらに、未シール領域Aにポイントシール部Pを設ける構成にすることにより開封用摘み部10の切れ目線9から未シール領域Aに異物が進入することをより一層低減できる。第三実施形態では、ポイントシール部Pを未シール領域A、Aにそれぞれ2ケずつ設け、かつ、対向する他の二辺M1、M2側のポイントシール部Pを一つの辺L1と一つの辺と対向する辺L2の方向に長くして設けた。なお、ポイントシール部Pの数、大きさ及び形状等は第三実施形態に限定されるものではなく、未シール領域Aの大きさ、形状により任意に設定すればよい。
【0044】
図7は本発明にかかる易開封性ブリスター容器の第四実施形態を示す平面図である。図7に示すように易開封性ブリスター容器41は、第二熱接着部の頂部と、開封用切れ目線と、開封用摘み部と、開封用摘み部を含む3辺の第一熱接着部と第二熱接着部で囲まれた領域とが、第一実施形態の構成と異なり、その他は同じである。また、易開封性ブリスター容器41は、第三実施形態とは開封用切れ目線11’’の構成が異なり、その他は同じである。易開封性ブリスター容器41の開封用切れ目線11’’は、開封用摘み部10の切れ目線9の両端の近傍から斜めシール部8b若しくはその外縁周辺の未シール部分に斜めシール部8bに沿って、蓋体2に設けられている。開封用切れ目線11’’は第一実施形態の開封用切れ目線11と同様に直線部12aと斜線部12bを備えた間欠した切れ目12からなり、一番目の切れ目121の構成が異なる以外は同じであり、異なる部分について説明し、その他は説明を省略する。一番目の切れ目121’’の直線部の先端121’’hがU字状に形成されている。このような構成にすることにより、開封用摘み部10より開封したときに開封用摘み部10の切れ目線9の両端から蓋体2が引裂かれ、その引裂き方向が開封用切れ目線11’’に案内されたときに一番目の切れ目121’’の直線部の先端121’’hから蓋体2が裂けて開封用切れ目線11’’から逸れることを防止できる。
【0045】
次に、本発明について、以下に実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
【実施例】
【0046】
[実施例1]
厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)の片面にグラビア印刷法によりポリウレタン系インキで所定の印刷を行い、印刷面に、ポリエステルポリオール−イソシアネート系接着剤を介して厚さ30μmの片面コロナ処理されたEPRフィルム(東セロ化学株式会社製、CMPS013C)のコロナ処理面とをドライラミネーション法で積層し、40℃、2日間養生して蓋体に使用する蓋材を作製した。
【0047】
厚さ40μの未延伸ナイロンフィルム(CN)と厚さ50μmの片面コロナ処理された未延伸ポリプロピレンフィルムのコロナ処理面とをポリエステルポリオール−イソシアネート系接着剤を介してドライラミネーション法で積層し、40℃、2日間養生して容器本体に使用する容器材を作製した。
【0048】
上記の容器材を用いて、真空深絞り成型し深さ15mm×直径100mmの凹部を有する170mm×135mmの角形の容器本体を作製した。上記の蓋材の所定位置に長さ40mm×幅10mmの開封用摘み部を設けて、直線部5mm、斜線部2.5mm、直線部と斜線部で形成する角度135°の切り目を切り目の後端と次の切り目の先端が開封方向に対して一致する位置に形成し、開封用切れ目線を設けて蓋体を作製した。その後、容器本体の開口部とフランジ部を覆い、一つの辺の端から10mmの位置に開封用摘み部の切れ目線を設けて、第一熱接着部、第二熱接着部で蓋体と容器本体とを剥離可能に熱接着して柔軟性のあるソフトタイプの易開封性ブリスター容器1を作製した。なお、第二熱接着部8の頂部8aの直線シール部8aaには、一つの辺L1側に2.5mm突出した5ケの山型シール部とした。
【0049】
[実施例2]
厚さ250μの片面コロナ処理された未延伸ポリプロピレンシートのコロナ処理面と片面コロナ処理されたEPRフィルム(住友ベークライト株式会社製、CEL4541)のコロナ処理面とをポリエステルポリオール−イソシアネート系接着剤を介してドライラミネーション法で積層し、40℃、2日間養生して容器本体に使用する容器材を作製した。蓋材は実施例1と同じ蓋材を用いて、剛性のあるハードタイプの実施例1と同じ易開封性ブリスター容器1を作製した。
【0050】
[実施例3]
実施例1の蓋材を用いて、所定位置に長さ40mm×幅10mmの開封用摘み部を設けて、EPRフィルム面からEPRフィルムを貫通しPETに達するハーフカットを施し開封用切れ目線を設けて蓋体を作製した。その後、実施例1の容器本体を用いて実施例1と同様に開封用摘み部の切れ目線を設けて、第一熱接着部、第二熱接着部で蓋体と容器本体とを剥離可能に熱接着して柔軟性のあるソフトタイプの易開封性ブリスター容器31を作製した。なお、第二熱接着部8’の頂部8a’に 一つの辺L1側に3.5mm突出させて2ケの烏口状のシール部8acを設け、その間の距離を20mmとして湾曲状のシール部8adを形成し、ポイントシール部Pはそれぞれの未シール領域に各2ケずつ設け、開封用摘み部の切れ目線の両端近傍のハーフカットからなる開封用切れ目線の先端をU字状に形成した。
【0051】
[実施例4]
実施例1の蓋材を用いて、実施例1と同じ開封用摘み部と開封用切れ目線を設けて蓋体を作製した。但し、一番目の切れ目121’’ の直線部の先端121’’hをU字状に形成した。その後、実施例1の容器本体を用いて実施例1と同様に開封用摘み部の切れ目線を設けて、第一熱接着部、第二熱接着部で蓋体と容器本体とを剥離可能に熱接着して柔軟性のあるソフトタイプの易開封性ブリスター容器41を作製した。なお、烏口状のシール部8acおよびポイントシール部Pは実施例3と同じ構成とした。
【0052】
[比較例1]
実施例1と同じ容器本体と、実施例1と同じ蓋材を用いて、蓋材に開封用切れ目線及び開封用摘み部を形成する切れ目線を設けない蓋体とを用いて、フランジ部を剥離可能に熱接着した、実施例1と同様の大きさの柔軟性のあるソフトタイプの易開封性ブリスター容器を作成した。尚、一つの角部に蓋体と容器本体との未接着部を形成して開封用摘み部を設けた。
【0053】
実施例1〜4の易開封性ブリスター容器は、開封用摘み部を辺の中央に設けているために、一方の手指で容器の一端を摘み、他方の手で開封用摘み部を容易に摘むことができ、開封用切れ目線に沿って、第二熱接着部及び第一熱接着部で容器本体と蓋体とが剥離され、容器を持ち替えることなく開封することができ、内容物を容易に取出せた。さらに、実施例3の易開封性ブリスター容器の開封後の開封用切れ目線は美麗であった。比較例1は、蓋体と容器本体は密着して容易に角部に設けた開封用摘み部を容器本体から分離して摘みにくく、しかも、開封摘み部が角部のために、蓋体を剥離し、内容物を取り出すまでに何度も容器を持ち替える必要があり、煩わしいものであった。このように、本願発明の易開封性ブリスター容器の開封用摘み部は、辺の中央に設けられているために、開封時に、一方の手指で容器の中央が摘めると共に、開封用摘み部は蓋体を貫通する切れ目線で形成されているために、容器本体と蓋体が密着することもなく他方の手で開封用摘み部を容易に摘むことができ、容器を持ち替えることなくスムーズに開封できるという効果を奏するものである。
【符号の説明】
【0054】
1、21、31,41 易開封性ブリスター容器
2 蓋体
3 容器本体
4 開口部
5 凹部
6 フランジ部
7 第一熱接着部
7a 突出シール部
8、8’ 第二熱接着部
8a、8a’ 頂部
8b 斜めシール部
8aa 直線シール部
8ab 山型シール部
8ac 烏口状のシール部
8ad 湾曲状のシール部
9 切れ目線
10 開封用摘み部
11、11’、11’’ 開封用切れ目線
11’h 開封用切れ目線の先端
12 切れ目
12a 直線部
12b 斜線部
12h 切れ目の先端
12t 切れ目の後端
13、16 基材層
14、17 中間層
15、18 熱接着性樹脂層
19 引裂き片
121、121’’ 一番目の切れ目
121’’h 一番目の切れ目の先端
122 二番目の切れ目
A 未シール領域
L1 一つの辺
L2 一つの辺と対向する辺
M1、M2 対向する他の二辺
P ポイントシール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方に開口部を有し内容物を収納する凹部と該凹部の周縁にフランジ部を備えた容器本体と、該容器本体の前記開口部と前記フランジ部を覆い前記フランジ部の外縁と略同じ大きさの蓋体とが、前記フランジ部の周縁部に設けられた第一熱接着部で熱接着された四角形状のブリスター容器において、一つの辺の前記第一熱接着部の内周縁と前記開口部の周縁との間に頂部を有し、該頂部より前記開口部側に向かい拡開し一つの辺に隣接して対向する他の二辺の第一熱接着部に接続する斜めシール部を備えた第二熱接着部が前記フランジ部に設けられ、該第二熱接着部で前記蓋体と前記容器本体が剥離可能に熱接着され、前記頂部の外縁周辺の未シール部分に該頂部を囲み前記蓋体を貫通する切れ目線が形成されて開封用摘み部が設けられ、前記開封用摘み部の前記切れ目線の両端又はその近傍から前記斜めシール部若しくはその外縁周辺の未シール部分に前記斜めシール部に沿って、開封用切れ目線が前記蓋体に設けられ、前記開封用摘み部より前記開封用切れ目線に沿って開封することを特徴とする易開封性ブリスター容器。
【請求項2】
前記頂部が一つの辺に平行な所定長さの直線シール部を有し、該直線シール部に一つの辺側に突出した1ケないしは複数の山型シール部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の易開封性ブリスター容器。
【請求項3】
前記頂部が対向する一つの辺側に突出した少なくとも1つの烏口状のシール部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の易開封性ブリスター容器。
【請求項4】
前記開封用切れ目線が、ハーフカットからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の易開封性ブリスター容器。
【請求項5】
前記開封用切れ目線が、間欠した切れ目からなり、該切れ目が、前記斜めシール部と平行方向の直線部と、該直線部の前記開封用摘み部方向に対して後端側より一つの辺に隣接して対向する他の二辺に向かい前記直線部に対して鈍角で斜めに延びた斜線部とからなり、一番目の前記切れ目の先端が前記開封用摘み部の前記切れ目線の両端と連接して形成されているか又はその近傍に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の易開封性ブリスター容器。
【請求項6】
前記ハーフカットからなる前記開封用切れ目線の前記開封用摘み部側の先端がU字状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の易開封性ブリスター容器。
【請求項7】
前記開封用切れ目線を形成する一番目の前記切れ目の前記直線部の先端がU字状に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の易開封性ブリスター容器。
【請求項8】
前記開封用切れ目線の前記切れ目の後端と、次の切れ目の直線部の先端とが、開封方向に対して一致するか若しくは少なくとも重なって形成されていることを特徴とする請求項5又は7に記載の易開封性ブリスター容器。
【請求項9】
前記第二熱接着部と前記開封用摘み部と前記開封用切れ目線が一つの辺と対向する辺側に前記開口部を介して略対称に設けられたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の易開封性ブリスター容器。
【請求項10】
前記開封用摘み部と対向する前記第一熱接着部より前記開封用摘み部を囲む突出シール部を設けたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の易開封性ブリスター容器。
【請求項11】
一つの辺の前記第一熱接着部と該第一熱接着部に隣接する前記第一熱接着部と前記斜めシール部と前記突出シール部とで囲まれた未シール領域にポイントシール部を設けたことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の易開封性ブリスター容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−224402(P2012−224402A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−154753(P2012−154753)
【出願日】平成24年7月10日(2012.7.10)
【分割の表示】特願2007−187991(P2007−187991)の分割
【原出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】