説明

映像コンテンツ配信制御システム、映像コンテンツ配信制御方法およびプログラム

【課題】視聴者端末やサーバに偏った負荷をかけることなく、映像コンテンツに対する細やかな再生制御を可能とする。
【解決手段】視聴者端末は、視聴者の視聴要求を視聴要求情報として取得する要求情報一次取得手段と、映像コンテンツの再生制御の実施可否を記述した第一の再生制御判定情報を取得する判定情報一次取得手段と、第一の再生制御判定情報に基づいて、視聴要求情報に対応する再生制御を判定し、視聴要求情報をサーバに送信する一次判定手段と、を備え、サーバは、送信された視聴要求情報を取得する要求情報二次取得手段と、細分化された映像コンテンツの部分区間ごとに再生制御の実施可否を記述した第二の再生制御判定情報を取得する判定情報二次取得手段と、第二の再生制御判定情報に基づいて、視聴要求情報に対応する再生制御を判定する二次判定手段と、判定結果に応じて再生制御を実施する再生制御実施手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバから視聴者端末へ映像を配信するサービスにおいて視聴者の要求に応じて映像コンテンツの再生を制御する映像コンテンツ配信制御システム、映像配信制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
サーバ側に蓄積された映像をネットワークを通じて配信する際に、視聴者の個々の要求に応じて配信する映像配信サービスは、VOD(Video On Demand)サービスと呼ばれる。このVODサービスは、いわゆるレンタルビデオのように、視聴者がいつでも好みの映像を視聴できることから、インターネットや次世代ネットワーク上などにおいて多くの視聴者に利用されつつある。
【0003】
また、VODサービスは、視聴者からの個々の要求をサーバで受け付けて映像を配信するため、視聴者がいつでも映像コンテンツが視聴できるという利点と共に、ネットワークの双方向性を活かすことによって、視聴者が送信した早送りや巻戻し、指定時刻へのジャンプなどの視聴要求にも対応した映像再生制御が可能であるという利点がある。これにより、視聴者が「好みのタイミング」で「好みの映像」の「好みの場面」を「好みの見方」で視聴できるという利便性がサービスの価値を高めている。
【0004】
また、映像コンテンツの再生制御は、映像の早送りや巻戻しなどを行うばかりでなく、それらを禁止することもできる。例えば、CM(コマーシャルメッセージ)映像の早送りやジャンプを禁止することによりCM映像の露出を担保することによって、広告収入による無料映像配信ビジネスなどが可能となる。また、映像コンテンツ提供者の意思により再生制御を禁止したい場合にも対応することができ、映像コンテンツの権利保護という観点でも有効である。
【0005】
従来のVODサービスにおける再生制御方法は、映像コンテンツと共に映像コンテンツの再生制御に関する情報を視聴者端末で取得することにより、視聴する映像コンテンツで利用可能な再生制御を視聴者端末で判定して制御している。例えば、Windows Media(登録商標、以下「TM」と表す)メタファイルは、サーバ上にある映像コンテンツのアクセス先やタイトル、概要などの情報を記載するとともに、複数の映像コンテンツを指定して順番に再生する手段や各々の映像コンテンツの早送りの可否を指定する手段を提供する。このWindows Media(TM)メタファイルを受信した視聴者端末(再生プレイヤ)は、記載された映像コンテンツのアクセス先から映像コンテンツを取得すると共に、メタファイルに従って早送りの可否を判定し、早送りが禁止されたCM映像コンテンツを再生したのちに、早送りが可能な映画本編を再生するなど、映像コンテンツごとに再生制御を実現する仕組みを提供している(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「Windows Media(TM) メタファイルの活用」, Microsoft Corporation, http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/dd148561.aspx#asx_ad , 2009年3月18日.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したような方法によってクライアント側で再生制御の可否を判定する場合、視聴者端末に様々なハードウェア的、ソフトウェア的な改造を加えることによる判定の回避などが問題として想定される。例えば、禁止されるべきCM映像のスキップを実行されてしまった場合、広告収入を基にしたビジネスを崩壊させかねない。しかし、視聴者端末で判定を行う限り、このような問題の回避は困難である。
【0008】
また、従来のVODサービスでは、配信する映像コンテンツ全体に対して一律に再生制御の可否が設定されていたため、映像の内容や、どこまでどのように見たのかという視聴者の視聴状態に踏み込んだ細やかな再生制御を簡便に実現できないという問題がある。例えば、推理映画の犯人が明らかにならないように映画のクライマックスへのジャンプを禁止するべき場合や、一度視聴したことのある映像区間以外での早送りや巻戻しを禁止することによって教育映像の確実な視聴を促したい場合などが該当する。
【0009】
このような細やかな再生制御を行いたい場合、従来方法では、例えば、映像コンテンツをCM映像と映像本編に分割し、各々の映像に対して再生制御の可否を設定する方法が採られている。しかし、映像コンテンツの切替えにはタイムラグが生じてしまうため、スムーズに映像が視聴できないという問題が生じる。また、クライマックス部分を別の映像コンテンツとして分割するなどの編集作業が必要となり、映像コンテンツ提供者に大きな負担を強いることになる。
【0010】
このような問題に対し、再生制御の判定を映像コンテンツごとではなく、映像の部分区間ごと、例えば、シーン区間ごとに行うように対応し、上述のような細やかな判定を実施する方法が考えられる。しかし、このような判定を視聴者端末で実施する場合、特に視聴者の視聴状態を用いた再生制御を行うためには、視聴状態に関する情報を視聴者端末で保持するか、あるいはサーバ側から適宜取得する必要が生じてしまう。前者については、視聴者端末のハードウェア上の制約から視聴したすべての映像コンテンツの視聴状態を視聴者端末に保持することが困難である。また、後者については、最終的な視聴状態をサーバ側と同期する必要があるため、判定処理を含め、視聴者端末が煩雑な処理を行わなければならなくなる。また、この方法は、視聴者端末側の処理に依存することとなり、禁止行為を回避されてしまうという恐れもある。一方、サーバ側で処理を行った場合、判定を行わない限り再生制御の可否がわからないため、視聴者が要求する視聴要求のすべてをサーバ側で判定する必要が生じてしまい、サーバ側の負荷が高くなるという問題が生じてしまう。
【0011】
本発明は、上記の課題認識に基づいてなされたものであり、その目的は、視聴者端末やサーバに偏った負荷をかけることなく、映像コンテンツに対する細やかな再生制御を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、本発明の映像コンテンツ配信制御システムは、サーバから視聴者端末へ配信する映像コンテンツに対して、視聴者の視聴要求に応じて再生や早送り、巻戻しなどの再生制御を実施する映像コンテンツ配信制御システムであって、前記視聴者端末は、前記視聴者の視聴要求を視聴要求情報として取得する要求情報一次取得手段と、前記映像コンテンツの映像全体、または前記映像コンテンツの部分区間のいずれかの少なくとも1つに対する前記再生制御の実施可否の情報を記述した第一の再生制御判定情報を取得する判定情報一次取得手段と、前記判定情報一次取得手段によって取得された前記第一の再生制御判定情報に基づいて、前記要求情報一次取得手段によって取得された前記視聴要求情報に対応する前記再生制御が実施可能であるか否かを判定し、前記再生制御が実施可能であると判定された場合に、前記要求情報一次取得手段によって取得された前記視聴要求情報を前記サーバに送信する一次判定手段と、を備え、前記サーバは、前記視聴者端末の一次判定手段によって再生制御が実施可能である判定された場合に、前記視聴者端末から送信された前記視聴要求情報を受信し、前記視聴者の視聴要求として取得する要求情報二次取得手段と、前記第一の再生制御判定情報に記述された前記再生制御の実施可否の情報よりも細分化された前記映像コンテンツの部分区間ごとに前記再生制御の実施可否の情報を記述した第二の再生制御判定情報を取得する判定情報二次取得手段と、前記判定情報二次取得手段によって取得された前記第二の再生制御判定情報に基づいて、前記要求情報二次取得手段によって取得された前記視聴要求情報に対応する前記再生制御が実施可能であるか否かを判定する二次判定手段と、前記二次判定手段の判定結果に応じて前記再生制御を実施する再生制御実施手段と、を備える、ことを特徴とする。
これにより、まず映像コンテンツに対する再生制御が実施可能であるか否かを、視聴者端末が大まかに判定し、再生制御が実施可能であると判定された場合に、映像コンテンツの部分区間ごとに再生制御が実施可能であるか否かを、サーバが詳細に判定することができる。このことにより、視聴者端末での再生制御の実施可否の判定処理を簡略化(間引く)することができ、視聴者端末とサーバの負荷を分散しつつ、映像コンテンツの部分区間ごとに再生制御の実施可否の判定を行えるようになる。
【0013】
また、本発明の前記判定情報一次取得手段は、前記映像コンテンツの部分区間ごとに記述された第二の再生制御判定情報から静的に判定可能な再生制御判定情報を抽出し第一の再生制御判定情報として取得する、ことを特徴とする。
これにより、視聴者の視聴履歴などに基づいて、動的に変わる可能性が高い再生制御判定情報はサーバで判定処理し、静的に判定することが可能な再生制御判定情報は視聴者端末で判定処理するため、視聴者端末とサーバの判定処理の負荷を効率的に分散できるようになる。
【0014】
また、本発明の前記判定情報二次取得手段は、前記視聴者の視聴履歴に基づいて前記映像コンテンツの部分区間ごとに前記再生制御の実施可否を判定可能な第二の再生制御判定情報を取得する、ことを特徴とする。
これにより、視聴者の視聴履歴を用いて、視聴者が映像コンテンツをどこまでどのように見たのかという視聴状態を把握することができ、映像コンテンツの未視聴の部分区間の早送りを実施させないというような制御や、視聴済みの部分区間のみをスキップ可能として映像コンテンツのネタばれを防ぐというような制御などの再生制御をすることが可能となる。
【0015】
また、本発明の前記二次判定手段は、前記判定情報二次取得手段によって取得された前記第二の再生制御判定情報に基づいて、前記要求情報二次取得手段によって取得された前記視聴要求情報に対応する前記再生制御を実行したときの実行結果を予見し、該予見した実行結果に基づいて、前記再生制御が実行可能であるか否かを判定する、ことを特徴とする。
これにより、再生制御を実施した場合の実行結果を予見した再生制御の実施可否判定ができるため、映像コンテンツのスキップ不可の部分区間を跨いだスキップを不可能とすることや、映像コンテンツの未視聴の部分区間へのスキップを不可能とするというような、複合的な条件に基づいた細やかな再生制御をすることが可能となる。
【0016】
また、本発明の映像コンテンツ配信制御方法は、サーバから視聴者端末へ配信する映像コンテンツに対して、視聴者の視聴要求に応じて再生や早送り、巻戻しなどの再生制御を実施する映像コンテンツ配信制御システムの映像コンテンツ配信制御方法であって、前記視聴者端末の要求情報一次取得手段が、前記視聴者の視聴要求を視聴要求情報として取得する要求情報一次取得手順と、前記視聴者端末の判定情報一次取得手段が、前記映像コンテンツの映像全体、または前記映像コンテンツの部分区間のいずれかの少なくとも1つに対する前記再生制御の実施可否の情報を記述した第一の再生制御判定情報を取得する判定情報一次取得手順と、前記視聴者端末の一次判定手段が、前記判定情報一次取得手段によって取得された前記第一の再生制御判定情報に基づいて、前記要求情報一次取得手段によって取得された前記視聴要求情報に対応する前記再生制御が実施可能であるか否かを判定し、前記再生制御が実施可能であると判定された場合に、前記要求情報一次取得手段によって取得された前記視聴要求情報を前記サーバに送信する一次判定手順と、を含み、前記サーバの要求情報二次取得手段が、前記視聴者端末の一次判定手段によって再生制御が実施可能である判定された場合に、前記視聴者端末から送信された前記視聴要求情報を受信し、前記視聴者の視聴要求として取得する要求情報二次取得手順と、前記サーバの判定情報二次取得手段が、前記第一の再生制御判定情報に記述された前記再生制御の実施可否の情報よりも細分化された前記映像コンテンツの部分区間ごとに前記再生制御の実施可否の情報を記述した第二の再生制御判定情報を取得する判定情報二次取得手順と、前記サーバの二次判定手段が、前記判定情報二次取得手段によって取得された前記第二の再生制御判定情報に基づいて、前記要求情報二次取得手段によって取得された前記視聴要求情報に対応する前記再生制御が実施可能であるか否かを判定する二次判定手順と、前記サーバの再生制御実施手段が、前記二次判定手段の判定結果に応じて前記再生制御を実施する再生制御実施手順と、を含む、ことを特徴とする。
これにより、まず映像コンテンツに対する再生制御が実施可能であるか否かを、視聴者端末によって大まかに判定させ、再生制御が実施可能であると判定された場合に、映像コンテンツの部分区間ごとに再生制御が実施可能であるか否かを、サーバによって詳細に判定させることができる。このことにより、視聴者端末での再生制御の実施可否の判定処理を簡略化(間引く)することができ、視聴者端末による処理とサーバによる処理の負荷を分散しつつ、映像コンテンツの部分区間ごとに再生制御の実施可否の判定処理が行えるようになる。
【0017】
また、本発明の前記判定情報一次取得手順は、前記映像コンテンツの部分区間ごとに記述された第二の再生制御判定情報から静的に判定可能な再生制御判定情報を抽出し第一の再生制御判定情報として取得する、ことを特徴とする。
これにより、視聴者の視聴履歴などに基づいて、動的に変わる可能性が高い再生制御判定情報はサーバによる処理で判定し、静的に判定することが可能な再生制御判定情報は視聴者端末による処理で判定するため、視聴者端末とサーバの判定処理の負荷を効率的に分散できるようになる。
【0018】
また、本発明の前記判定情報二次取得手順は、前記視聴者の視聴履歴に基づいて前記映像コンテンツの部分区間ごとに前記再生制御の実施可否を判定可能な第二の再生制御判定情報を取得する、ことを特徴とする。
これにより、視聴者の視聴履歴を用いて、視聴者が映像コンテンツをどこまでどのように見たのかという視聴状態を把握することができ、映像コンテンツの未視聴の部分区間の早送りを実施させないというような制御や、視聴済みの部分区間のみをスキップ可能として映像コンテンツのネタばれを防ぐというような制御などの再生制御をすることが可能となる。
【0019】
また、本発明の前記二次判定手順は、前記判定情報二次取得手段によって取得された前記第二の再生制御判定情報に基づいて、前記要求情報二次取得手段によって取得された前記視聴要求情報に対応する前記再生制御を実行したときの実行結果を予見し、該予見した実行結果に基づいて、前記視聴者の視聴要求である前記再生制御が実行可能であるか否かを判定する、ことを特徴とする。
これにより、再生制御を実施した場合の実行結果を予見した再生制御の実施可否判定ができるため、映像コンテンツのスキップ不可の部分区間を跨いだスキップを不可能とすることや、映像コンテンツの未視聴の部分区間へのスキップを不可能とするというような、複合的な条件に基づいた細やかな再生制御をすることが可能となる。
【0020】
また、本発明の視聴者端末のプログラムは、サーバから視聴者端末へ配信する映像コンテンツに対して、視聴者の視聴要求に応じて再生や早送り、巻戻しなどの再生制御を実施する映像コンテンツ配信制御システムの前記視聴者端末のコンピュータに、前記視聴者の視聴要求を視聴要求情報として取得する要求情報一次取得ステップと、前記映像コンテンツの映像全体、または前記映像コンテンツの部分区間のいずれかの少なくとも1つに対する前記再生制御の実施可否の情報を記述した第一の再生制御判定情報を取得する判定情報一次取得ステップと、前記判定情報一次取得ステップによって取得された前記第一の再生制御判定情報に基づいて、前記要求情報一次取得ステップによって取得された前記視聴要求情報に対応する前記再生制御が実施可能であるか否かを判定し、前記再生制御が実施可能であると判定された場合に、前記要求情報一次取得ステップによって取得された前記視聴要求情報を前記サーバに送信する一次判定ステップと、を実行させることを特徴とする。
これにより、視聴者端末による映像コンテンツに対する再生制御が実施可能であるか否かの大まかな判定処理を実行させることができる。このことにより、視聴者端末での再生制御の実施可否の判定処理を簡略化(間引く)することができる。
【0021】
また、本発明のサーバのプログラムは、サーバから視聴者端末へ配信する映像コンテンツに対して、視聴者の視聴要求に応じて再生や早送り、巻戻しなどの再生制御を実施する映像コンテンツ配信制御システムの前記サーバのコンピュータに、前記視聴者端末によって再生制御が実施可能である判定された場合に、前記視聴者端末から送信された前記視聴要求情報を受信し、前記視聴者の視聴要求として取得する要求情報二次取得ステップと、細分化された前記映像コンテンツの部分区間ごとに前記再生制御の実施可否の情報を記述した第二の再生制御判定情報を取得する判定情報二次取得ステップと、前記判定情報二次取得ステップによって取得された前記第二の再生制御判定情報に基づいて、前記要求情報二次取得ステップによって取得された前記視聴要求情報に対応する前記再生制御が実施可能であるか否かを判定する二次判定ステップと、前記二次判定ステップの判定結果に応じて前記再生制御を実施する再生制御実施ステップと、を実行させることを特徴とする。
これにより、視聴者端末によって再生制御が実施可能であると判定された場合に、サーバによる映像コンテンツの部分区間ごとに再生制御が実施可能であるか否かの詳細な判定処理を実行させることができる。このことにより、映像コンテンツの部分区間ごとに再生制御の実施可否の判定処理が行えるようになる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、映像コンテンツに対する再生制御が実施可能であるか否かを、視聴者端末が大まかに判定し、サーバが詳細に判定することによって、視聴者端末やサーバに偏った負荷をかけることなく、映像コンテンツに対する細やかな再生制御を可能とすることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の映像コンテンツ配信制御システムの概略構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の映像コンテンツ配信制御システムにおける再生要求情報の一例を示した図である。
【図3】本発明の映像コンテンツ配信制御システムにおける第一の再生制御判定情報の一例を示した図である。
【図4】本発明の映像コンテンツ配信制御システムにおける第二の再生制御判定情報の一例を示した図である。
【図5】本発明の映像コンテンツ配信制御システムにおける第二の再生制御判定情報の別の一例を示した図である。
【図6】本発明の映像コンテンツ配信制御システムにおける実行結果を予見し再生制御の可否を判定する処理手順の一例を示したフローチャートである。
【図7】本発明の映像コンテンツ配信制御システムにおける第一の再生制御判定情報の別の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態である映像コンテンツ配信制御システムの概略構成を示したブロック図である。本実施形態の映像コンテンツ配信制御システムは、端末100、サーバ200、再生制御判定情報DB(データベース)300、映像コンテンツDB400、および視聴ログDB500から構成される。また、本実施形態の映像コンテンツ配信制御システムにおける各構成要素同士は、ネットワークなどの通信手段によって接続されている。なお、本発明において、映像コンテンツ配信制御システムの各構成要素同士の接続方法は本実施形態の方法に限定されるものではなく、例えば、通信ケーブルによって直接接続する構成とすることもできる。また、本実施形態においては、映像コンテンツ配信制御システムの各構成要素が別の装置で構成された例を示しているが、いくつかの構成要素が同一の装置に含まれる構成であってもよい。例えば、サーバ200、再生制御判定情報DB300、映像コンテンツDB400、および視聴ログDB500を同一の装置で構成することもできる。
【0025】
再生制御判定情報DB300は、視聴する映像コンテンツに対する再生制御の項目や再生制御の実施可否などの情報である再生制御の情報を記憶したデータベースである。
映像コンテンツDB400は、視聴者に配信する映像コンテンツを記憶したデータベースである。
視聴ログDB500は、視聴者の視聴履歴を視聴ログとして保持するデータベースである。
【0026】
端末100は、視聴者の視聴要求を受け付けると共に、配信される映像コンテンツを再生して表示する。端末100は、要求情報入力部101、要求情報一次取得部102、判定情報一次取得部103、一次判定部104、映像コンテンツ再生部105、および表示部106から構成される。
【0027】
サーバ200は、端末100に映像コンテンツを配信するとともに視聴者の視聴要求に応じて早送りや巻戻しなどの再生制御を実施する。サーバ200は、要求情報二次取得部201、判定情報二次取得部202、二次判定部203、再生制御実施部204、および映像コンテンツ送出部205から構成される。
【0028】
要求情報入力部101は、再生する映像コンテンツの指定や、その映像コンテンツの再生、早送り、巻戻し、一次停止、スキップなどの視聴要求が入力される。例えば、端末100がセットトップボックスなどの映像視聴専用の端末である場合、視聴者によって操作されるリモコンなどのユーザインタフェースによって映像コンテンツの指定や、視聴要求が要求情報入力部101に入力される。また例えば、端末100がパーソナルコンピュータ(PC)端末などの汎用端末である場合、再生ボタンや早送りボタンなどを実現したGUI(グラフィカルユーザインタフェース)のプログラムが実行され、視聴者がマウスなどの入力装置によってGUIを操作することにより、映像コンテンツを指定した情報や、視聴要求の情報が要求情報入力部101に入力される。
要求情報入力部101は、入力された視聴要求を、要求情報一次取得部102に出力する。
【0029】
視聴者による映像コンテンツの指定や、視聴要求の入力の概要は以下である。
視聴者は、まず、要求情報入力部101を用いて視聴したい映像コンテンツを指定する。 視聴者による映像コンテンツの指定方法は、例えば、端末100の表示部106に、サーバ200側に蓄積されている映像コンテンツのリストを表示し、その表示部106に表示されている映像コンテンツのリストの中から、視聴者が視聴したい映像コンテンツを選択するなどの方法によって行われる。また例えば、キーワードなどによる検索手段を用いて映像コンテンツを絞り込み、検索された映像コンテンツを選択することによって行うこともできる。
また、視聴者は、映像コンテンツの視聴中に、要求情報入力部101に対して視聴中の映像コンテンツに対する早送りやスキップなどの視聴要求を入力する。
なお、本発明においては、視聴者による映像コンテンツの指定方法や、視聴要求の入力方法に関しての限定をしない。
【0030】
要求情報一次取得部102は、要求情報入力部101から入力された視聴要求を、視聴者が要求する再生要求情報として取得する。
また、要求情報一次取得部102は、取得した再生要求情報を一次判定部104に出力する。
【0031】
図2は、本実施形態の映像コンテンツ配信制御システムにおける再生要求情報の一例を示した図である。図2に示した再生要求情報は、映像コンテンツに対して視聴者が要求する制御情報、要求が発生したときの映像コンテンツ上の時刻(以下、「映像時刻」という)、および要求に対応する引数を含んだ情報である。
なお、以下の説明において、情報内の項目を表すときは項目名をカギ括弧(「 」)で囲んで表し、情報内の項目に記載されたデータを表すときはデータの内容をダブルコーテーション(“ ”)で囲んで表す。
【0032】
例えば、映像コンテンツを再生したい場合の再生要求情報には、「要求する制御情報」に“再生”、「引数」に“映像コンテンツの識別子”が記載される。なお、映像コンテンツを再生したい場合の再生要求情報には、「要求発生時の映像時刻」は不要であるため、記載されない。また、“映像コンテンツの識別子”は、例えば、映像コンテンツのファイル名や、各映像コンテンツに対して映像コンテンツDB400を含むサーバ200側で一意に割り振られたIDなどの識別子である。なお、“映像コンテンツの識別子”は映像コンテンツを一意に指定できるものであればどのような情報であってもよい。
また、例えば、映像コンテンツを早送りしたい場合の再生要求情報には、「要求する制御情報」に“早送り”、「引数」に何倍速で映像コンテンツの早送りを行うかを示す値である“倍速値”、「要求発生時の映像時刻」に“要求が発生した映像時刻”が記載される。
また例えば、映像コンテンツをスキップしたい場合の再生要求情報には、「要求する制御情報」に“スキップ”、「引数」に“スキップ先の映像時刻”、「要求発生時の映像時刻」に“要求が発生した映像時刻”が記載される。
【0033】
判定情報一次取得部103は、再生制御判定情報DB300から、視聴する映像コンテンツに対して実施不可能な再生制御の情報を記載した第一の再生制御判定情報を取得する。この第一の再生制御判定情報の最も単純な例としては、映像コンテンツ全体に対して実施不可能な再生制御が静的に記載された情報である。例えば、映像全体における早送りや前方スキップが禁止されるCM映像のような映像コンテンツでは“早送り不可、前方スキップ不可”などの再生制御の情報が第一の再生制御判定情報として取得される。
判定情報一次取得部103は、取得した第一の再生制御判定情報を、一次判定部104に出力する。
【0034】
図3は、本実施形態の映像コンテンツ配信制御システムにおける第一の再生制御判定情報の一例を示した図である。図3では、図3(a)に示したような3つの映像コンテンツ(映像コンテンツA〜C)に対する第一の再生制御判定情報を図3(b)に示している。図3(b)に示した第一の再生制御判定情報は、「映像コンテンツ」と、映像コンテンツにおいて実施不可能な再生制御の情報を示す「制御情報(不許可)」を関連付けた情報である。図3(b)においては、CM映像を想定した場合のように、早送りおよび前方スキップを実施不可能とする映像コンテンツBと、映像コンテンツの権利者の意向によりジャンプ(時間指定でのスキップ)操作を禁止した映像コンテンツCに「制御情報(不許可)」のデータが記載されている場合を示している。なお、本実施形態における第一の再生制御判定情報内の「制御情報(不許可)」に記載されたデータは、実施不可能な再生制御の情報を示すデータを記載した例を示しているが、実施可能な再生制御の情報を示すデータを記載してもよい。また、映像コンテンツによっては、映像の前編、後編などで実施不可能な再生制御の情報が異なる場合もあり得るが、本実施形態においては、映像全体に対する一般的な再生制御の情報を記載した第一の再生制御判定情報を用いて説明することとする。
【0035】
また、本実施形態の映像コンテンツ配信制御システムでは、判定情報一次取得部103が、映像コンテンツの部分区間ごとに記載された第二の再生制御判定情報から静的に判定可能な再生制御判定情報を抽出し、第一の再生制御判定情報として取得することができる。この第二の再生制御判定情報から抽出する第一の再生制御判定情報の取得方法とその効果とについては、後述する。
【0036】
一次判定部104は、判定情報一次取得部103から入力された第一の再生制御判定情報に基づき、要求情報一次取得部102から入力された再生要求情報、すなわち、視聴者によって入力された視聴要求が実施可能であるか否かを判定する。例えば、一次判定部104に入力された第一の再生制御判定情報が、“早送り不可、前方スキップ不可”である映像コンテンツに対して、「要求する制御情報」が“早送り”や“前方スキップ”である再生要求情報が入力された場合、この入力された「要求する制御情報」による映像コンテンツの再生制御は実施不可能であると判定される。また、この映像コンテンツに対して、「要求する制御情報」が“早送り”や“前方スキップ”以外である再生要求情報は実施可能であると判定される。
一次判定部104は、要求情報一次取得部102から入力された再生要求情報による再生制御が実施可能であると判定された場合、入力された再生要求情報、すなわち、視聴者によって入力された視聴要求の情報を、サーバ200の要求情報二次取得部201に送信する。
【0037】
要求情報二次取得部201は、端末100の一次判定部104から送信されてきた、再生制御が実施可能であると判定された視聴要求の情報である再生要求情報を取得(受信)する。要求情報二次取得部201は、受信した再生要求情報を二次判定部203に出力する。また、要求情報二次取得部201は、端末100の一次判定部104から再生要求情報を取得したことを示す信号を、判定情報二次取得部202に出力する。
【0038】
判定情報二次取得部202は、要求情報二次取得部201が視聴要求の情報を取得したことにより、端末100の一次判定部104から再生要求情報を取得したことを示す信号が入力された場合、再生制御判定情報DB300から、視聴する映像コンテンツに対して実施不可能な再生制御の情報を映像コンテンツの部分区間ごとに記載した第二の再生制御判定情報を取得する。
判定情報二次取得部202は、取得した第二の再生制御判定情報を、二次判定部203に出力する。
【0039】
図4は、本実施形態の映像コンテンツ配信制御システムにおける第二の再生制御判定情報の一例を示した図である。図4では、図4(a)に示したような部分区間ごとに分割された映像コンテンツAに対する第二の再生制御判定情報を図4(b)に示している。図4(b)に示した第二の再生制御判定情報は、「映像コンテンツ」、部分区間を識別する情報を示す「区間」、部分区間の「開始映像時刻」および「終了映像時刻」、部分区間ごとに実施不可能な再生制御の情報を示す「制御情報(不許可)」を関連付けた情報である。なお、本実施形態における第二の再生制御判定情報内の「制御情報(不許可)」に記載されたデータは、実施不可能な再生制御の情報を示すデータを記載した例を示しているが、実施可能な再生制御の情報を示すデータを記載してもよい。
【0040】
なお、本実施形態の第二の再生制御判定情報のように実施不可能な制御情報を記載する場合、すべての再生制御が実施可能である部分区間のデータは、再生制御判定情報DB300内に記載しておく必要がない。例えば、図4(b)における「部分区間」=“B、D、F、H”は、実施不可能な再生制御がない区間であることから「制御情報(不許可)」のデータがないため、データベース上にデータを記載しておくことが不要である。このように、データベース上でデータの記載が不要である部分区間のデータを削除することによって、データベースの効率的な利用が可能である。
【0041】
なお、実施不可能な制御情報を記載する場合は、実施可能な制御情報を明らかにする必要があるが、初期値(デフォルト値)として、すべての再生制御が実施可能であるとして再生制御判定情報DB300内に記載しておくことができる。また、実施可能な再生制御のデフォルト値は、システムの設定値として設定する構成とすることもできる。また例えば、映像ジャンルなどによって実施可能な再生制御のデフォルト値の設定を変えられるようにすることもできる。
【0042】
また、再生制御判定情報DB300に記載されている映像コンテンツに対する部分区間と実施不可能な再生制御の情報である第二の再生制御判定情報は、映像コンテンツごとに人手で入力することにより設定することもできるが、例えば、既知のCM検出技術によって自動的に設定(付与)することも可能である。例えば、早送りやスキップなどの再生制御を禁止することによりCMの広告効果を発揮させたい場合、既知のCM検出技術を使用して検出されたCM映像区間に対して自動的に“早送り不可、前方スキップ不可”のデータなどの実施不可能な再生制御の情報を再生制御判定情報DB300に記載することによって実現することができる。また例えば、映画のクライマックス映像などの重要な部分区間に対しては、映像コンテンツ提供者(権利者)の意思によりジャンプ操作を禁止したい場合などが考えられる。この場合、例えば、既知の技術である音声情報のパワーやその時間的デルタ値などから映像コンテンツの盛り上がりを示すクライマックスシーンの区間を検出する技術を組み合わせることによって、再生制御判定情報DB300に記載する再生制御の情報を効率的に付与することができる。本発明においては、再生制御判定情報DB300に記載されている第二の再生制御判定情報にデータを付与する技術に関しての限定をしない。
【0043】
また、本実施形態の映像コンテンツ配信制御システムでは、判定情報二次取得部202が、映像コンテンツの部分区間ごとに実施不可能な再生制御の情報を視聴者の視聴履歴に基づいて記載した第二の再生制御判定情報を取得することができる。
【0044】
図5は、本実施形態の映像コンテンツ配信制御システムにおいて視聴者の視聴履歴に基づいて記載した第二の再生制御判定情報の一例を示した図である。図5では、図5(a)に示したような部分区間ごとに分割された映像コンテンツAに対する第二の再生制御判定情報を図5(b)に示している。図5(b)に示した第二の再生制御判定情報は、図4(b)に示した第二の再生制御判定情報に、視聴者の視聴履歴に基づいて再生制御の実施可否を判定するための「条件」の項目、およびその「条件」に基づいて追加される実施不可能な再生制御の情報を示す「条件に基づく追加制御情報(不許可)」の項目が付加されている。本実施形態の映像コンテンツ配信制御システムでは、第二の再生制御判定情報に記載された「条件」の項目を満たすか否かにかかわらず、「制御情報(不許可)」の項目に記載された制御情報、すなわち、映像コンテンツの部分区間における実施不可能な再生制御の情報を有効とする。また、「条件」の項目を満たす場合には、「条件に基づく追加制御情報(不許可)」の項目に記載された制御情報、すなわち、実施不可能な再生制御の情報がさらに追加される。なお、本実施形態における第二の再生制御判定情報内の「制御情報(不許可)」および「条件に基づく追加制御情報(不許可)」に記載されたデータは、実施不可能な再生制御の情報を示すデータを記載した例を示しているが、実施可能な再生制御の情報を示すデータを記載してもよい。
【0045】
図5(b)に示した第二の再生制御判定情報において、「条件」に“未視聴区間”が記載されている部分区間の映像コンテンツでは、視聴者が視聴していない部分区間において追加された実施不可能な再生制御の情報を示す「条件に基づく追加制御情報(不許可)」のデータが有効となる。例えば、図5(a)に示した映像コンテンツAの映像時刻t2から映像時刻t3(t2<t3)の間、すなわち、映像コンテンツAの区間Bにおいて、視聴者が映像時刻t2’まで視聴していた場合、その後の映像時刻t2’から映像時刻t3までは、第二の再生制御判定情報内の「区間」=“B”に記載された「条件に基づく追加制御情報(不許可)」のデータが有効となる。より具体的には、図5(a)に示した映像コンテンツAの区間Bにおいて、「制御情報(不許可)」には実施不可能な再生制御の情報を示すデータが記載されていないため、視聴者が視聴した区間(映像時刻t2から映像時刻t2’)では、すべての再生制御が可能である。しかし、視聴者が視聴していない区間(映像時刻t2’から映像時刻t3)では、再生制御の内、「条件に基づく追加制御情報(不許可)」に記載された早送りと前方スキップとを実施することができない。
【0046】
また、図5(b)に示した第二の再生制御判定情報において、「条件」に“映像視聴回数≦0”が記載されている部分区間の映像コンテンツでは、「制御情報(不許可)」のデータが有効となり、映像コンテンツを最後まで視聴した回数が0回以下である場合には、さらに「条件に基づく追加制御情報(不許可)」のデータが有効となる。例えば、図5(a)に示した映像コンテンツAのクライマックスシーンである区間Gに、この条件が設定されており、この区間Gにおいては、全ての視聴者は第二の再生制御判定情報内の「区間」=“G”に記載された「制御情報(不許可)」のデータを無効とすることができない。さらに、一度最後まで視聴したことがある視聴者でなければ、第二の再生制御判定情報内の「区間」=“G”に記載された「条件に基づく追加制御情報(不許可)」のデータを無効とすることができない。これにより、クライマックスシーンの早送りと前方スキップとが制限される。
【0047】
上記に述べたとおり、第二の再生制御判定情報に記載した条件によって、映像コンテンツ提供者の意思に応じた再生制御を行うことができる。なお、上記の説明では、視聴者の視聴履歴に基づいた再生制御の判定条件として、“未視聴区間”、“映像視聴回数≦0”という2種類の条件が設定された第二の再生制御判定情報を例として説明したが、例えば、映像コンテンツAの区間A、C、E、Iのいずれか1つのCM映像区間のみをスキップ不可能とすることで、最低限の広告効果を担保するように動作させることなども可能である。
なお、本発明において第二の再生制御判定情報に記載する条件の内容となるデータは、上述した条件に限定されるものではなく、様々な条件を設定することができる。
【0048】
また、第二の再生制御判定情報に記載された「条件」の項目を満たす映像コンテンツの部分区間の実施不可能な再生制御の情報を無効とする構成とすることもできる。また、映像コンテンツの部分区間の実施不可能な再生制御の情報を複数記載し、「条件」の項目を満たすか否かによって選択する構成とすることもできる。
【0049】
二次判定部203は、判定情報二次取得部202から入力された第二の再生制御判定情報に基づき、要求情報二次取得部201から入力された再生要求情報に記載された再生制御が実施可能であるか否かを判定する。これにより、視聴者によって入力された視聴要求が実施可能であるか否かが判定される。
【0050】
例えば、図4(a)において、視聴者が映像コンテンツAの映像時刻t4’まで視聴したときに“2倍速早送り”の視聴要求が入力された場合、要求情報二次取得部201から「要求する制御情報」=“早送り”、「要求発生時の映像時刻」=“t4’”、「引数」=“2.0”が記載された再生要求情報が入力される。二次判定部203は、判定情報二次取得部202から入力された図4(b)に示す第二の再生制御判定情報に基づいて、入力された再生要求情報が実施可能であるか否かを判定する。図4(b)に示した第二の再生制御判定情報では、第二の再生制御判定情報内で映像時刻t4’が含まれる「区間」=“D”の「制御情報(不許可)」には要求された“2倍速早送り”のデータが記載されていないことから、再生制御が実施可能であると判定される。
二次判定部203は、要求情報二次取得部201から入力された再生要求情報による映像コンテンツの再生制御が実施可能であると判定された場合、入力された再生要求情報、すなわち、視聴者によって入力された視聴要求の情報を、再生制御実施部204に出力する。
【0051】
また、二次判定部203は、判定情報二次取得部202から入力された第二の再生制御判定情報内の「条件」に、視聴者の視聴履歴に基づいたデータが記載されている場合、二次判定部203は、視聴ログDB500から視聴者がこれまで視聴したことのある映像コンテンツの視聴ログを取得することによって、再生中の映像コンテンツに関する視聴状況を入手する。この入手した視聴状況に基づいて、再生制御が実施可能であるか否かを判定する。なお、二次判定部203が視聴ログDB500から取得する視聴ログは、図示を省略しているが、“誰が”、“何を”、“どこから”、“どこまで”視聴したのかが示された視聴ログを取得することによって、二次判定部203が視聴者の視聴履歴に基づいた再生制御の実施可否を判定することができる。
【0052】
例えば、図5(a)において、視聴者が映像コンテンツAの映像時刻t4’まで視聴したときに“2倍速早送り”の視聴要求を入力した場合、上記と同様に要求情報二次取得部201から「要求する制御情報」=“早送り”、「要求発生時の映像時刻」=“t4’”、「引数」=“2.0”が記載された再生要求情報が入力される。二次判定部203は、判定情報二次取得部202から入力された図5(b)に示す第二の再生制御判定情報に基づいて、入力された再生要求情報が実施可能であるか否かを判定する。より具体的には、要求された“2倍速早送り”の視聴要求は、図5(b)に示した第二の再生制御判定情報内で映像時刻t4’が含まれる「区間」=“D”の「条件に基づく追加制御情報(不許可)」に記載されており、その「条件」に“未視聴区間”が記載されている。ここで、視聴ログによって、視聴者が映像時刻t4’までしか映像コンテンツAを視聴していない状態であれば、二次判定部203は、図5(a)に示した映像コンテンツAの区間Dにおいて、視聴者が視聴していない区間(映像時刻t4’から映像時刻t5)では、“2倍速早送り”を実施することができないと判定する。なお、視聴者が視聴した区間(映像時刻t4から映像時刻t4’)では、“2倍速早送り”が可能であると判定される。またここで、視聴ログによって、視聴者が映像時刻t7まで映像コンテンツAを視聴している状態であれば、二次判定部203は、図5(b)に示した第二の再生制御判定情報の「区間」=“D”に記載されている条件をクリアしていると判定し、“2倍速早送り”を実施することができると判定する。
【0053】
また、本実施形態の映像コンテンツ配信制御システムでは、視聴ログDB500から取得した視聴ログと判定情報二次取得部202から入力された第二の再生制御判定情報とに基づいて、二次判定部203が、要求情報二次取得部201から入力された再生要求情報を実行した場合の実行結果を予見し、予見した実行結果に基づいて再生要求情報、すなわち、視聴者によって入力された視聴要求の情報が実施可能であるか否かを判定することもできる。
【0054】
例えば、図5(a)において、視聴者が映像コンテンツAの映像時刻t2’まで視聴したときに、視聴者が映像時刻t7’への前方スキップの視聴要求を入力した場合を想定する。ここで、二次判定部203が視聴ログDB500から視聴ログを取得し、視聴者がすでに映像時刻t7’まで映像コンテンツAを視聴している状態であれば、映像コンテンツAの映像時刻t7’までは、図5(b)に示した第二の再生制御判定情報の「区間」=“G”に記載されている条件をクリアしていると判定し、すべての再生制御が可能である。
【0055】
しかし、視聴者が映像時刻t2’までしか映像コンテンツAを視聴していなかった場合、映像時刻t7’までのスキップは、CM映像区間である区間C、Eを飛び越えてしまうばかりでなく、クライマックスシーンである区間Gにスキップできてしまうことになり、映像コンテンツAを初めて見る視聴者が、いきなり物語の核心部分を視聴してしまうこととなる。したがって、二次判定部203は、映像時刻t3までしか映像コンテンツAを視聴していない視聴者には映像時刻t7’までのスキップを実施することが不可能であると判定する。
これは、視聴者が映像時刻t5まで映像コンテンツAを視聴していたとしても、上記と同様に考えられる。また、視聴者が映像時刻t7まで映像コンテンツAを視聴していた場合でも、CM映像区間の飛び越えはないものの、クライマックスシーンである区間Gの映像時刻t7から映像時刻t7’までを視聴していないため、映像コンテンツ提供者の意思に反することとなる。
【0056】
このように、視聴ログと第二の再生制御判定情報とに基づいて、視聴者の視聴要求を実行した場合の実行結果である映像時刻の移動先を予見し、予見した実行結果に基づいて視聴要求の情報が実施可能であるか否かを判定する。これにより、映像コンテンツの異なる部分区間に跨る視聴要求が視聴者によって入力された場合の再生制御が実施可能であるか否かを判定することができる。
【0057】
ここで、二次判定部203において再生要求情報を実行した場合、予見した実行結果に基づいて再生制御の実施可否を判定する処理手順について説明する。図6は、視聴ログと第二の再生制御判定情報とに基づいて実行結果を予見し再生制御の可否を判定する処理手順の一例を示したフローチャートである。なお、本処理手順の説明においては、図5に示した第二の再生制御判定情報の一例を参照し、上記において想定した視聴者が映像コンテンツAの映像時刻t2’まで視聴したときに、視聴者が映像時刻t7’への前方スキップの視聴要求を入力した場合の処理手順について説明する。
【0058】
最初に、二次判定部203は、視聴者の視聴履歴に基づいた条件が記載されている第二の再生制御判定情報が判定情報二次取得部202から入力されると、視聴ログDB500から視聴者のこれまでの映像コンテンツの視聴ログを取得する。
その後、要求情報二次取得部201から再生要求情報が入力されると、ステップS1001において、二次判定部203は、再生要求情報に記載されている「要求発生時の映像時刻」のデータ(以下、「映像時刻ts」という)を取得する。ここでは、図5(a)に示した映像コンテンツAの映像時刻t2’が映像時刻tsとして取得される。
【0059】
ステップS1002において、二次判定部203は、取得した映像時刻tsにおける視聴要求の制御情報が、映像時刻tsを含む区間の第二の再生制御判定情報に記載された「制御情報(不許可)」のデータに合致するか否かを判定する。視聴者が要求する制御情報が「制御情報(不許可)」のデータに合致していない場合は、ステップS1003に進む。また、視聴者が要求する制御情報が「制御情報(不許可)」のデータに合致している場合は、視聴者が要求する制御情報を実施することが不可能と判定し、ステップS1014に進んで『再生制御実施不可』として処理を終了する。本処理手順においては、図5(b)の第二の再生制御判定情報内で映像時刻t2’が含まれる「区間」=“B”における「制御情報(不許可)」にはデータが記載されていないため、ステップS1003に進む。なお、「区間」=“B”において「制御情報(不許可)」にデータが記載されており、視聴者が要求する制御情報が「制御情報(不許可)」のデータと合致している場合は、ステップS1014に進む。
【0060】
ステップS1003において、二次判定部203は、視聴ログが、取得した映像時刻tsを含む区間の第二の再生制御判定情報に記載されている「条件」のデータに合致していないか否かを判定する。視聴ログが「条件」のデータに合致している場合は、ステップS1004に進み、視聴ログが「条件」のデータに合致していない場合は、ステップS1005に進む。本処理手順においては、視聴ログが、視聴者が映像時刻t2’までしか映像コンテンツAを視聴していない状態であれば、図5(b)の第二の再生制御判定情報内で映像時刻t2’が含まれる「区間」=“B”において、映像時刻t2’以降の映像時刻t3までの間が、「条件」=“未視聴区間”に合致するため、ステップS1004に進む。また、視聴者がすでに映像時刻t7’まで映像コンテンツAを視聴している状態であれば、「区間」=“B”において「条件」=“未視聴区間”に合致しないため、ステップS1005に進む。
【0061】
ステップS1004において、二次判定部203は、取得した映像時刻tsにおける視聴要求の制御情報が、映像時刻tsを含む区間の第二の再生制御判定情報に記載された「条件に基づく追加制御情報(不許可)」のデータに合致するか否かを判定する。視聴者が要求する制御情報が「条件に基づく追加制御情報(不許可)」のデータに合致していない場合は、ステップS1005に進む。また、視聴者が要求する制御情報が「条件に基づく追加制御情報(不許可)」のデータに合致している場合は、視聴者が要求する制御情報を実施することが不可能と判定し、ステップS1014に進んで『再生制御実施不可』として処理を終了する。本処理手順においては、図5(b)の第二の再生制御判定情報内で映像時刻t2’が含まれる「区間」=“B”における「条件に基づく追加制御情報(不許可)」には、“早送り”、“前方スキップ”が記載されている。また、映像時刻t2’における視聴要求の制御情報は“前方スキップ”である。ここでは、視聴要求の制御情報と区間Bの制御情報とが合致するため、ステップS1014に進んで『再生制御実施不可』として処理される。なお、視聴要求の制御情報が“早送り”と“前方スキップ”以外、例えば、“後方スキップ”であれば、ステップS1005に進んで、引き続き判定処理を行う。
【0062】
このように、ステップS1001〜S1004において、視聴要求が発生した映像時刻tsにおける再生制御の実施可否を判定する。映像時刻tsにおいて再生制御を実施することが不可能と判定された場合は『再生制御実施不可』となる。
【0063】
ステップS1005において、二次判定部203は、再生要求情報に記載されている「引数」のデータを取得する。本処理手順においては、視聴要求が「前方スキップ」であるため、その引数である“スキップ先の映像時刻”(以下、「映像時刻te」という)を取得する。ここでは、図5(a)に示した映像コンテンツAの映像時刻t7’が映像時刻teとして取得される。
【0064】
ステップS1006において、二次判定部203は、取得した映像時刻teにおける視聴要求の制御情報が、映像時刻teを含む区間の第二の再生制御判定情報に記載された「制御情報(不許可)」のデータに合致するか否かを判定する。視聴者が要求する制御情報が「制御情報(不許可)」のデータに合致していない場合は、ステップS1007に進む。また、視聴者が要求する制御情報が「制御情報(不許可)」のデータに合致している場合は、視聴者が要求する制御情報を実施することが不可能と判定し、ステップS1014に進んで『再生制御実施不可』として処理を終了する。本処理手順においては、図5(b)の第二の再生制御判定情報内で映像時刻t7’が含まれる「区間」=“G”における「制御情報(不許可)」には、“早送り”が記載されている。また、映像時刻t2’における視聴要求の制御情報は“前方スキップ”である。ここでは、視聴要求の制御情報と区間Gの制御情報とが合致していないため、ステップS1007に進む。なお、「区間」=“G”において「制御情報(不許可)」に“前方スキップ”が記載されている場合には、視聴者が要求する制御情報が「制御情報(不許可)」のデータと合致しているため、ステップS1014に進む。
【0065】
ステップS1007において、二次判定部203は、視聴ログが、取得した映像時刻teを含む区間の第二の再生制御判定情報に記載されている「条件」のデータに合致していないか否かを判定する。視聴ログが「条件」のデータに合致している場合は、ステップS1008に進み、視聴ログが「条件」のデータに合致していない場合は、ステップS1009に進む。本処理手順においては、視聴ログが、視聴者が映像時刻t3までしか映像コンテンツAを視聴していない状態であれば、図5(b)の第二の再生制御判定情報内で映像時刻t7’が含まれる「区間」=“G”において、映像時刻t7から映像時刻t7’までの間が、「条件」=“映像視聴回数≦0”に合致するため、ステップS1008に進む。また、視聴者がすでに映像時刻t7’まで映像コンテンツAを視聴している状態であれば、「区間」=“G”において「条件」=“映像視聴回数≦0”に合致しないため、ステップS1009に進む。
【0066】
ステップS1008において、二次判定部203は、取得した映像時刻teにおける視聴要求の制御情報が、映像時刻teを含む区間の第二の再生制御判定情報に記載された「条件に基づく追加制御情報(不許可)」のデータに合致するか否かを判定する。視聴者が要求する制御情報が「条件に基づく追加制御情報(不許可)」のデータに合致していない場合は、ステップS1009に進む。また、視聴者が要求する制御情報が「条件に基づく追加制御情報(不許可)」のデータに合致している場合は、視聴者が要求する制御情報を実施することが不可能と判定し、ステップS1014に進んで『再生制御実施不可』として処理を終了する。本処理手順においては、図5(b)の第二の再生制御判定情報内で映像時刻t7’が含まれる「区間」=“G”における「条件に基づく追加制御情報(不許可)」には、“前方スキップ”が記載されている。また、映像時刻t2’における視聴要求の制御情報は“前方スキップ”である。ここでは、視聴要求の制御情報と区間Gの制御情報とが合致するため、ステップS1014に進んで『再生制御実施不可』として処理される。なお、視聴要求の制御情報が“前方スキップ”以外であれば、ステップS1009に進んで、引き続き判定処理を行う。ただし、すでにステップS1006において、視聴要求の制御情報が“早送り”である場合の判断を実施している。従って、このステップS1008からステップS1009に進む条件は、視聴要求の制御情報が“早送り”と“前方スキップ”以外のときである。
【0067】
このように、ステップS1005〜S1008において、視聴要求を実施した場合の映像時刻teにおける再生制御の実施可否を判定する。映像時刻teにおいて再生制御を実施することが不可能と判定された場合は『再生制御実施不可』となる。視聴者がすでに映像時刻t7’まで映像コンテンツAを視聴している状態でなければ、区間Gにおいて前方スキップが不許可であるため、視聴者が要求する再生制御は実施不可能と判定される。
【0068】
ステップS1009において、二次判定部203は、取得した映像時刻tsと映像時刻teとの比較を行い、映像時刻tsの時刻が映像時刻teの時刻より小さい値(ts<te)であるか否かを判定する。映像時刻tsの時刻が映像時刻teの時刻より小さい値である、すなわち、映像コンテンツAを視聴する時間を進める方向である場合は、ステップS1010に進み、映像時刻tsの時刻が映像時刻teの時刻より小さい値でない場合は、ステップS1011に進む。
【0069】
ステップS1010において、二次判定部203は、取得した映像時刻tsから映像時刻teまでの区間内の第二の再生制御判定情報に記載されている「制御情報(不許可)」のデータおよび「条件に基づく追加制御情報(不許可)」のデータに、視聴要求の制御情報が含まれているか否かを判定する。これにより、映像時刻tsから映像時刻teまでの区間内に視聴者が要求する再生制御を実施不可能としている区間があるか否かを判定する。再生制御を実施不可能としている区間がない場合は、視聴者が要求する制御情報を実施することが可能と判定し、ステップS1013に進んで『再生制御実施可』として処理を終了する。再生制御を実施不可能としている区間がある場合は、視聴者が要求する制御情報を実施することが不可能と判定し、ステップS1014に進んで『再生制御実施不可』として処理を終了する。ここでは視聴ログが、視聴者がすでに映像時刻t7’まで映像コンテンツAを視聴している状態であれば、視聴要求の制御情報である“前方スキップ”を実施することが可能と判定され、ステップS1013に進んで『再生制御実施可』として処理される。また、視聴者が映像時刻t3までしか映像コンテンツAを視聴していない状態であれば、“前方スキップ”を実施することが不可能と判定され、ステップS1014に進んで『再生制御実施不可』として処理される。なお、ステップS1010における判定において、「条件に基づく追加制御情報(不許可)」のデータを判定する場合、第二の再生制御判定情報に記載されている「条件」のデータと視聴ログとが合致していないか否かを判定した後に、「条件に基づく追加制御情報(不許可)」のデータを判定するようにすることもできる。
【0070】
また、ステップS1009において、映像時刻tsの時刻が映像時刻teの時刻より小さい値でない場合は、ステップS1011において、二次判定部203は、取得した映像時刻tsと映像時刻teとの比較を行い、映像時刻tsの時刻が映像時刻teの時刻より大きい値(ts>te)であるか否かを判定する。映像時刻tsの時刻が映像時刻teの時刻より大きい値である、すなわち、映像コンテンツAを視聴する時間を戻す方向である場合は、ステップS1012に進み、映像時刻tsの時刻が映像時刻teの時刻より大きい値でない場合は、視聴者が要求する制御情報を実施することが可能と判定し、ステップS1013に進んで『再生制御実施可』として処理を終了する。
【0071】
ステップS1012において、二次判定部203は、取得した映像時刻teから映像時刻tsまでの区間内の第二の再生制御判定情報に記載されている「制御情報(不許可)」のデータおよび「条件に基づく追加制御情報(不許可)」のデータに、視聴要求の制御情報が含まれているか否かを判定する。これにより、映像時刻teから映像時刻tsまでの区間内に視聴者が要求する再生制御を実施不可能としている区間があるか否かを判定する。再生制御を実施不可能としている区間がない場合は、視聴者が要求する制御情報を実施することが可能と判定し、ステップS1013に進んで『再生制御実施可』として処理を終了する。再生制御を実施不可能としている区間がある場合は、視聴者が要求する制御情報を実施することが不可能と判定し、ステップS1014に進んで『再生制御実施不可』として処理を終了する。例えば、視聴ログが、視聴者がすでに映像時刻t7’まで映像コンテンツAを視聴している状態であり、視聴者が映像時刻t4への後方スキップの視聴要求を入力した場合、視聴要求の制御情報である“後方スキップ”を実施することが可能と判定され、ステップS1013に進んで『再生制御実施可』として処理される。なお、ステップS1012における判定において、「条件に基づく追加制御情報(不許可)」のデータを判定する場合、第二の再生制御判定情報に記載されている「条件」のデータと視聴ログとが合致していないか否かを判定した後に、「条件に基づく追加制御情報(不許可)」のデータを判定するようにすることもできる。
【0072】
このように、ステップS1009〜S1012では、映像時刻tsから映像時刻teの区間内に視聴者が要求する再生制御を実施不可能としている区間の有無を判定する。本処理手順の説明においては、映像時刻tsから映像時刻teの区間内に“前方スキップ”あるいは“後方スキップ”が不許可となっている区間が存在するか否かをチェックし、そのチェック結果に応じて再生制御の実施可否を判定している。これにより、図5(a)に示した映像コンテンツAのCM区間のように、“早送り”や“前方スキップ”が不許可と設定された区間が存在する場合、その区間を飛び越えてスキップしてしまうということは、問題である(映像コンテンツ提供者の意思に反する)ため、二次判定部203の判定処理によって、再生制御は実施不可と判定される。
【0073】
なお、本処理手順においては、視聴要求として単純な前方スキップ操作における処理を説明したが、その他の視聴要求においても同様に考えることによって再生制御の実施可否を判定することができる。例えば、視聴者の視聴要求として「要求する制御情報」に“早送り”が入力された場合は、映像時刻tsから早送りしたときの「引数」のデータである“倍速値”に基づいて次に移動する映像時刻teを順次算出し、その算出した映像時刻teに基づいて早送りを実施することが可能であるか否かを順次判定するという処理を行うことができる。
また、複雑な視聴要求としては、スキップ後に早送りを行う複合的な操作なども考えられるが、同様に二次判定手段203によって処理結果を予見することにより、再生制御の実施可否を適切に判定することができる。
【0074】
なお、本処理手順で判定を行うステップ(ステップS1003,S1007)においては、視聴ログに基づいて判定する場合について説明したが、視聴ログがない場合は、視聴ログの条件に合致するものとして判断し、その後のステップ(ステップS1004,S1008)において「条件に基づく追加制御情報(不許可)」に記載された制御情報に合致するか否かの判定を行うことによって同様の判定処理を行うことができる。例えば、ステップS1003において、二次判定部203が取得した映像時刻tsを含む区間の第二の再生制御判定情報に記載されている「条件」のデータに合致していないか否かを判定する場合、視聴ログがないので第二の再生制御判定情報内で映像時刻tsが含まれる「区間」における「条件」のデータでの判定は、常に条件に合致するものとして判断してステップS1004に進み、ステップS1004において「条件に基づく追加制御情報(不許可)」に記載された制御情報に合致するか否かの判定を行う。
【0075】
より具体的に上述の例の処理手順では、図5(b)の第二の再生制御判定情報内で映像時刻t2’が含まれる「区間」=“B”に「条件」=“未視聴区間”が記載されているが、視聴者は映像時刻t2’までしか映像コンテンツAを視聴していない状態であると仮定し、「条件」のデータに合致していると判定する。そして、ステップS1004において、映像時刻tsにおける視聴要求の制御情報が映像時刻tsを含む区間の第二の再生制御判定情報に記載された「条件に基づく追加制御情報(不許可)」のデータに合致するか否かを判定する。このステップS1004における判定において、視聴者が要求する制御情報が「条件に基づく追加制御情報(不許可)」のデータに合致していない場合は、ステップS1005に進むため、上述の説明と同様に映像時刻teによる判定の処理手順を行うことができる。また、ステップS1004において、視聴者が要求する制御情報が「条件に基づく追加制御情報(不許可)」のデータに合致している場合は、視聴者が要求する制御情報を実施することが不可能と判定し、ステップS1014に進んで『再生制御実施不可』として処理を終了する。
【0076】
再生制御実施部204は、二次判定部203から入力された再生要求情報に基づいて映像コンテンツの再生を制御する。再生制御実施部204は、二次判定部203による判定の結果、映像コンテンツの再生制御が実施可能であると判定された視聴要求の情報に基づいた再生制御信号を生成し、この生成した再生制御信号を映像コンテンツ送出部205に出力する。これにより、視聴者によって入力された視聴要求が、視聴者の視聴している映像コンテンツに反映される。例えば、“再生”を意味する再生制御を行う場合は、映像コンテンツの配信開始を指示する再生制御信号を映像コンテンツ送出部205に出力する。また、“早送り”、“巻戻し”を意味する再生制御を行う場合は、再生方向、倍速を開始する映像時刻(要求発生時の映像時刻)、および倍速値を指示するなど、各々の再生制御に応じた指示を行うための再生制御信号を映像コンテンツ送出部205に出力することによって、映像コンテンツの再生を制御する。
【0077】
映像コンテンツ送出部205は、映像コンテンツDB400に存在する映像コンテンツを取得すると共に、再生制御実施部204から入力された再生制御信号に従って再生制御した映像コンテンツを、端末100の映像コンテンツ再生部105へ送出する。また、映像コンテンツ送出部205は、送出する映像コンテンツに符号化や、暗号化などの処理を行った後に、映像コンテンツ再生部105へ送出することもできる。なお、本発明においては、送出する映像コンテンツに対する処理に関しての限定をしない。
【0078】
また、映像コンテンツ送出部205は、再生制御実施部204から入力された再生制御信号に従って再生したログを、視聴者の視聴ログとして視聴ログDB500に出力する。 なお、視聴ログの出力は、映像コンテンツ送出部205を制御する再生制御実施部204や、その他のサーバ200内の構成要素が生成して視聴ログDB500に出力することもできる。また、映像コンテンツ再生部105など、端末100内の構成要素がリアルタイム処理や定期的なバッチ処理などによってサーバ200に通知し、通知された情報に基づいた視聴ログをサーバ200内の構成要素が生成して視聴ログDB500に出力することもできる。なお、本発明においては、視聴ログの生成方法や出力方法に関しての限定をしない。
【0079】
映像コンテンツ再生部105は、映像コンテンツ送出部205から送出されてきた映像コンテンツを受信し、受信した映像コンテンツを表示部106に出力する。また、映像コンテンツ再生部105は、受信した映像コンテンツに符号化や、暗号化などの処理がされている場合には、映像コンテンツに復号化や、暗号化の解除などの処理を行い、処理後の映像コンテンツを表示部106に出力する。
【0080】
表示部106は、映像コンテンツ再生部105から入力された映像コンテンツを表示する。視聴者は、映像コンテンツ再生部105によって適切に再生制御された映像コンテンツを、表示部106によって視聴する。
【0081】
次に、本実施形態の映像コンテンツ配信制御システムにおいて、第二の再生制御判定情報から抽出する第一の再生制御判定情報に関して説明する。本実施形態の映像コンテンツ配信制御システムでは、判定情報一次取得部103が、映像コンテンツの部分区間ごとに記載された第二の再生制御判定情報から静的に判定可能な再生制御判定情報を抽出し、第一の再生制御判定情報として取得することができる。
【0082】
この第二の再生制御判定情報から抽出する第一の再生制御判定情報の取得方法と効果とについて図5を参照して説明する。
判定情報一次取得部103において取得する静的に判定可能な再生制御判定情報とは、刻々と変化する映像コンテンツの視聴者の情報、映像コンテンツの視聴状態などの付加的な情報、映像コンテンツを視聴するための条件などの情報を必要とせず、映像コンテンツに対して付与される固定的な再生制御判定情報のことを指す。より具体的には、図5(b)に示した第二の再生制御判定情報において、「条件」の項目にデータが記載されていない再生制御判定情報が該当する。再生制御判定情報の「条件」の項目にデータが記載されていないということは、映像コンテンツに対して静的に定義される再生制御判定情報であるということができる。
この図5(b)から導き出される、第二の再生制御判定情報から静的に判定可能な再生制御判定情報として抽出される第一の再生制御判定情報を図7に示す。
【0083】
図7は、本実施形態の映像コンテンツ配信制御システムにおいて、第二の再生制御判定情報から抽出する第一の再生制御判定情報の一例を示した図である。図7では、図7(a)に示したような部分区間ごとに分割された映像コンテンツAに対する第一の再生制御判定情報を図7(b)に示している。図7(b)に示した第一の再生制御判定情報は、「映像コンテンツ」、部分区間を識別する情報を示す「区間」、部分区間の「開始映像時刻」および「終了映像時刻」、部分区間ごとに実施不可能な再生制御の情報を示す「制御情報(不許可)」を関連付けた情報である。なお、本実施形態における第一の再生制御判定情報内の「制御情報(不許可)」に記載されたデータは、実施不可能な再生制御の情報を示すデータを記載した例を示しているが、実施可能な再生制御の情報を示すデータを記載してもよい。
【0084】
図7(b)に示した第一の再生制御判定情報は、端末100内の処理に使用されるが、静的に判定可能な情報であるため、視聴者の視聴状態と比較するなどの処理を必要としない。このため、視聴者から視聴要求が発生するたびにサーバ200側に何らかの情報の問い合わせ、あるいは端末100側に視聴ログを保存するなどの処理は不要となる。また、静的に判定可能な第一の再生制御判定情報を端末100側で処理することにより、この第一の再生制御判定情報に関わる判定処理をサーバ200側で行う必要がないため、サーバ200側の負荷を低減することができる。また、第二の再生制御判定情報から第一の再生制御判定情報を自動的に抽出することができるため、第一の再生制御判定情報を別途定義する必要がなく、本実施形態の映像コンテンツ配信制御システムの運用者や映像コンテンツ提供者の負担を少なくすることができる。
【0085】
上記に述べたとおり、本発明を実施するための形態によれば、まず映像コンテンツに対する再生制御が実施可能であるか否かを端末100によって大まかに判定し、再生制御が実施可能であると判定された場合のみ、映像コンテンツの部分区間ごとに再生制御が実施可能であるか否かをサーバ200によって詳細に判定することができる。このことにより、端末100での再生制御の実施可否の判定処理を簡略化(間引く)することができ、端末100とサーバ200の負荷を分散しつつ、映像コンテンツの部分区間ごとに再生制御の可否判定が行えるようになる。
【0086】
また、視聴者の視聴履歴などに基づいて、動的に変わる可能性が高い第二の再生制御判定情報はサーバ200側で処理し、静的に判定することが可能な第一の再生制御判定情報は端末100側で処理するため、端末100とサーバ200とに判定処理の負荷を効率的に分散することができる。
【0087】
また、視聴者の視聴履歴を用いて、視聴者が映像コンテンツをどこまでどのように見たのかというような視聴状態を把握することによって、未視聴の部分区間を含む映像コンテンツでは早送りなどの再生制御を実施させない制御や、視聴済みの部分区間のみをスキップ可能として視聴者が映像コンテンツのクライマックスシーンを先に視聴してしまうことによるネタばれを防ぐ再生制御のみ実施可能とするなどの再生制御を提供することが可能となる。
【0088】
また、再生制御を実施した場合の実行結果を予見して再生制御の実施可否を判定することができるため、映像コンテンツのスキップ不可の部分区間を跨いだスキップを実施不可能とすることや、未視聴の部分区間へのスキップが不可能とするというような、複合的な条件に基づいた細やかな再生制御をすることが可能となる。
【0089】
なお、本発明の実施形態において、再生制御を行うため制御情報のデータに関していくつかの例を示して説明したが、制御情報のデータは本実施形態で示した制御情報のデータに限定されるものではなく、様々な制御情報のデータを設定することができる。
また、本発明の実施形態において、再生制御を判定するための条件のデータに関していくつかの例を示して説明したが、条件のデータは本実施形態で示した条件のデータに限定されるものではなく、様々な条件のデータを設定することができる。
【0090】
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。
【符号の説明】
【0091】
100・・・端末
101・・・要求情報入力部
102・・・要求情報一次取得部
103・・・判定情報一次取得部
104・・・一次判定部
105・・・映像コンテンツ再生部
106・・・表示部
200・・・サーバ
201・・・要求情報二次取得部
202・・・判定情報二次取得部
203・・・二次判定部
204・・・再生制御実施部
205・・・映像コンテンツ送出部
300・・・再生制御判定情報DB
400・・・映像コンテンツDB
500・・・視聴ログDB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバから視聴者端末へ配信する映像コンテンツに対して、視聴者の視聴要求に応じて再生や早送り、巻戻しなどの再生制御を実施する映像コンテンツ配信制御システムであって、
前記視聴者端末は、
前記視聴者の視聴要求を視聴要求情報として取得する要求情報一次取得手段と、
前記映像コンテンツの映像全体、または前記映像コンテンツの部分区間のいずれかの少なくとも1つに対する前記再生制御の実施可否の情報を記述した第一の再生制御判定情報を取得する判定情報一次取得手段と、
前記判定情報一次取得手段によって取得された前記第一の再生制御判定情報に基づいて、前記要求情報一次取得手段によって取得された前記視聴要求情報に対応する前記再生制御が実施可能であるか否かを判定し、前記再生制御が実施可能であると判定された場合に、前記要求情報一次取得手段によって取得された前記視聴要求情報を前記サーバに送信する一次判定手段と、
を備え、
前記サーバは、
前記視聴者端末の一次判定手段によって再生制御が実施可能である判定された場合に、前記視聴者端末から送信された前記視聴要求情報を受信し、前記視聴者の視聴要求として取得する要求情報二次取得手段と、
前記第一の再生制御判定情報に記述された前記再生制御の実施可否の情報よりも細分化された前記映像コンテンツの部分区間ごとに前記再生制御の実施可否の情報を記述した第二の再生制御判定情報を取得する判定情報二次取得手段と、
前記判定情報二次取得手段によって取得された前記第二の再生制御判定情報に基づいて、前記要求情報二次取得手段によって取得された前記視聴要求情報に対応する前記再生制御が実施可能であるか否かを判定する二次判定手段と、
前記二次判定手段の判定結果に応じて前記再生制御を実施する再生制御実施手段と、
を備える、
ことを特徴とする映像コンテンツ配信制御システム。
【請求項2】
前記判定情報一次取得手段は、
前記映像コンテンツの部分区間ごとに記述された第二の再生制御判定情報から静的に判定可能な再生制御判定情報を抽出し第一の再生制御判定情報として取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の映像コンテンツ配信制御システム。
【請求項3】
前記判定情報二次取得手段は、
前記視聴者の視聴履歴に基づいて前記映像コンテンツの部分区間ごとに前記再生制御の実施可否を判定可能な第二の再生制御判定情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の映像コンテンツ配信制御システム。
【請求項4】
前記二次判定手段は、
前記判定情報二次取得手段によって取得された前記第二の再生制御判定情報に基づいて、前記要求情報二次取得手段によって取得された前記視聴要求情報に対応する前記再生制御を実行したときの実行結果を予見し、該予見した実行結果に基づいて、前記再生制御が実行可能であるか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1の項に記載の映像コンテンツ配信制御システム。
【請求項5】
サーバから視聴者端末へ配信する映像コンテンツに対して、視聴者の視聴要求に応じて再生や早送り、巻戻しなどの再生制御を実施する映像コンテンツ配信制御システムの映像コンテンツ配信制御方法であって、
前記視聴者端末の要求情報一次取得手段が、前記視聴者の視聴要求を視聴要求情報として取得する要求情報一次取得手順と、
前記視聴者端末の判定情報一次取得手段が、前記映像コンテンツの映像全体、または前記映像コンテンツの部分区間のいずれかの少なくとも1つに対する前記再生制御の実施可否の情報を記述した第一の再生制御判定情報を取得する判定情報一次取得手順と、
前記視聴者端末の一次判定手段が、前記判定情報一次取得手段によって取得された前記第一の再生制御判定情報に基づいて、前記要求情報一次取得手段によって取得された前記視聴要求情報に対応する前記再生制御が実施可能であるか否かを判定し、前記再生制御が実施可能であると判定された場合に、前記要求情報一次取得手段によって取得された前記視聴要求情報を前記サーバに送信する一次判定手順と、
を含み、
前記サーバの要求情報二次取得手段が、前記視聴者端末の一次判定手段によって再生制御が実施可能である判定された場合に、前記視聴者端末から送信された前記視聴要求情報を受信し、前記視聴者の視聴要求として取得する要求情報二次取得手順と、
前記サーバの判定情報二次取得手段が、前記第一の再生制御判定情報に記述された前記再生制御の実施可否の情報よりも細分化された前記映像コンテンツの部分区間ごとに前記再生制御の実施可否の情報を記述した第二の再生制御判定情報を取得する判定情報二次取得手順と、
前記サーバの二次判定手段が、前記判定情報二次取得手段によって取得された前記第二の再生制御判定情報に基づいて、前記要求情報二次取得手段によって取得された前記視聴要求情報に対応する前記再生制御が実施可能であるか否かを判定する二次判定手順と、
前記サーバの再生制御実施手段が、前記二次判定手段の判定結果に応じて前記再生制御を実施する再生制御実施手順と、
を含む、
ことを特徴とする映像コンテンツ配信制御方法。
【請求項6】
前記判定情報一次取得手順は、
前記映像コンテンツの部分区間ごとに記述された第二の再生制御判定情報から静的に判定可能な再生制御判定情報を抽出し第一の再生制御判定情報として取得する、
ことを特徴とする請求項5に記載の映像コンテンツ配信制御方法。
【請求項7】
前記判定情報二次取得手順は、
前記視聴者の視聴履歴に基づいて前記映像コンテンツの部分区間ごとに前記再生制御の実施可否を判定可能な第二の再生制御判定情報を取得する、
ことを特徴とする請求項5または6に記載の映像コンテンツ配信制御方法。
【請求項8】
前記二次判定手順は、
前記判定情報二次取得手段によって取得された前記第二の再生制御判定情報に基づいて、前記要求情報二次取得手段によって取得された前記視聴要求情報に対応する前記再生制御を実行したときの実行結果を予見し、該予見した実行結果に基づいて、前記視聴者の視聴要求である前記再生制御が実行可能であるか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1の項に記載の映像コンテンツ配信制御方法。
【請求項9】
サーバから視聴者端末へ配信する映像コンテンツに対して、視聴者の視聴要求に応じて再生や早送り、巻戻しなどの再生制御を実施する映像コンテンツ配信制御システムの前記視聴者端末のコンピュータに、
前記視聴者の視聴要求を視聴要求情報として取得する要求情報一次取得ステップと、
前記映像コンテンツの映像全体、または前記映像コンテンツの部分区間のいずれかの少なくとも1つに対する前記再生制御の実施可否の情報を記述した第一の再生制御判定情報を取得する判定情報一次取得ステップと、
前記判定情報一次取得ステップによって取得された前記第一の再生制御判定情報に基づいて、前記要求情報一次取得ステップによって取得された前記視聴要求情報に対応する前記再生制御が実施可能であるか否かを判定し、前記再生制御が実施可能であると判定された場合に、前記要求情報一次取得ステップによって取得された前記視聴要求情報を前記サーバに送信する一次判定ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
サーバから視聴者端末へ配信する映像コンテンツに対して、視聴者の視聴要求に応じて再生や早送り、巻戻しなどの再生制御を実施する映像コンテンツ配信制御システムの前記サーバのコンピュータに、
前記視聴者端末によって再生制御が実施可能である判定された場合に、前記視聴者端末から送信された前記視聴要求情報を受信し、前記視聴者の視聴要求として取得する要求情報二次取得ステップと、
細分化された前記映像コンテンツの部分区間ごとに前記再生制御の実施可否の情報を記述した第二の再生制御判定情報を取得する判定情報二次取得ステップと、
前記判定情報二次取得ステップによって取得された前記第二の再生制御判定情報に基づいて、前記要求情報二次取得ステップによって取得された前記視聴要求情報に対応する前記再生制御が実施可能であるか否かを判定する二次判定ステップと、
前記二次判定ステップの判定結果に応じて前記再生制御を実施する再生制御実施ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−23806(P2011−23806A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164743(P2009−164743)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】