説明

映像データ送出方法、並びに、その方法を実行する映像データ送出装置、その方法をコンピュータに実行させるための映像データ送出プログラム、およびそのプログラムが書き込まれた記録媒体

【課題】 本発明は、DLNA規格に非対応のWebカメラやTVチューナ等の機器から取得した映像データを、インターネットを介してDLNAネットワーク上で遠隔視聴を可能とすること、および、既存のDLNA機器を用いて遠隔操作することができるシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】 上記課題は、ワームホールデバイスにUPnP Device機能を追加実装すること、および、接続された非DLNA対応機器からの映像データをコンテンツとするラッピングDMSにより解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像データ送出方法、その方法を実行する映像データ送出装置、その方法をコンピュータに実行させるための映像データ送出プログラム、およびそのプログラムが書き込まれた記録媒体に関する。
【0002】
詳細には、例えば、ネットワークを介して相互に接続された機器同士で通信を行う際に、UPnP非対応のWebカメラやテレビチューナ等の機器から取得した映像データをコンテンツとして送出し、当該コンテンツを同一のホームネットワーク内で、あるいは、インターネットを介して遠隔で共有・視聴することができる映像データ送出技術に関する。
【背景技術】
【0003】
ネットワークに接続して利用する家電機器は、製造元や利用するOperating System(OS)などが多種多様であることから、相互接続してデータ通信等を行うことが困難である場合がある。
この問題を解決するため近年では、AV機器を中心とした家電機器において、DLNA(Digital Living Network Alliance)ガイドラインに準拠した製品が、相互接続(通信)性の良さから注目されている。
【0004】
DLNAガイドラインは、家電機器の相互接続に用いる通信プロトコルを指定しており、例えば機器発見や機器へのコマンド送信などに使う通信プロトコルにはUPnP(Universal Plug and Play)が指定されている。
UPnPでは、家電機器(UPnP機器)が自動的にIPアドレス(Internet Protocol アドレス)を取得し、コントロール装置(本明細書において「DMP」などとも言う)が、コンテンツを持つサーバー装置(本明細書において「DMS」「サーバー」などとも言う)を自動的に発見し、さらに、コンテンツ一覧表を取得し、コンテンツを再生するまでの一連の処理を円滑に実行してくれる。
現在、DLNAを中心としたホームネットワーク環境は、その範囲を単一(同一)の家庭内に限定している。
【0005】
そこで、これらを家庭内若しくは屋外・外出先からの利用を可能なものに拡大することは、アプリケーションや各種のコンテンツの応用可能性を大きく広げると考えられており、ホームネットワーク内の家電機器をインターネット経由で他のネットワークからも利用可能とする試みがなされている。
しかし、現在市販されている安価なWebカメラやテレビチューナの多くは、パーソナルコンピュータ(PC)にUSBインタフェースで接続され、個々にセットアップした独自の操作インタフェースを有するソフトウエアを介して操作されるものが多い。
また、DLNAガイドラインに準拠したネットワーク対応のWebカメラは高価であるため一般の個人利用者にとって利用しくにいとの問題がある。
【0006】
例えば、テレビ放送を遠隔視聴することができる従来技術として、スリングボックス(非特許文献2参照)やロケーションフリー(非特許文献3参照)が挙げられる。
スリングボックス(登録商標)は、テレビ放送をネットワーク配信することができるベースステーションを自宅に設置し、パーソナルコンピュータにインストールした専用の再生ソフトウエアである「スリングプレーヤー」によって同一のホームネットワーク内で、あるいは、インターネットを介して遠隔にて視聴することができる製品である。しかし、再生は専用のソフトウエアであるスリングプレーヤーによらなければならず、DLNAガイドラインに準拠した映像機器では視聴することができないとの問題がある。
【0007】
ロケーションフリー(登録商標)は、テレビアンテナに接続されたロケーションフリーベースステーションから配信されるテレビ放送の動画を、インターネット経由で、専用の再生ソフトウエアであるロケーションフリープレーヤーがインストールされたパーソナルコンピュータ上で視聴することができる製品群である。
しかし、ロケーションフリーは一連の製品を個別に購入し、セットアップしなければならないため、導入に手間がかかるとの問題がある。さらに、既存のDLNAガイドラインに準拠したDMSに対してロケーションフリープレーヤーからアクセスすることも不可能であるとの問題もある。
【0008】
【非特許文献1】武藤大吾、吉永努、”ワームホールデバイス:DLNA情報家電の遠隔相互接続支援機構”、マルチメディア 分散 強調とモバイル(DICOMO2007)シンポジウム、pp134−138、2007年
【非特許文献2】スリングボックス、[平成20年6月17日検索]、インターネット(URL: http://www.slingmedia.jp/)
【非特許文献3】ロケーションフリー、[平成20年6月17日検索]、インターネット(URL: http://www.sony.jp/products/Consumer/locationfree/)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたもので、ネットワークに接続されたコントロール装置、サーバー装置の間で映像コンテンツの通信を行う環境において、DLNA非対応のWebカメラの映像やテレビ放送の映像をDLNA規格に準拠した機器より操作し視聴することを可能とすることに加えて、DMSに保存された映像コンテンツをも同様の操作インタフェースにより視聴することを可能にすることを目的とする。
【0010】
例えば、ネットワークに接続されたコントロール装置からサーバー装置を遠隔操作する家電機器遠隔操作環境において、非DLNA対応機器であるWebカメラやテレビチューナへの操作を、DLNA対応機器への操作と同一の見え方で操作容易性を確保する良好なインタフェースの提供と、DLNA対応機器とDLNA非対応機器との汎用的な接続性の確保を両立することを目標とする。
【0011】
さらに本発明は、映像デバイスの種類の選定やテレビチューナのチャンネル設定の切り替え等の操作をDLNA対応機器への操作と同一の操作で行なえる操作インタフェースの提供を目的とする。
【0012】
さらに本発明は、同一ホームネットワーク内、または、異なるホームネットワーク内とDLNA対応機器からの本願発明の映像データ送出装置の検出および通信を可能とすることを目標とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以上の目的を達成するために、本願発明者らは、鋭意検討の後、「ラッピングDMS」と呼ぶ操作環境が前述の課題に対し極めて有用であることを見出した。
ラッピングDMSは、それ自身に接続された機器から取得できる映像データをコンテンツとするUPnP Deviceであり、DLNA非対応のWebカメラやテレビチューナをUPnP Deviceとして同一のホームネットワークのみでなく、インターネットを介して遠隔からも操作することができる環境を提供する。具体的には、本願発明者らがすでに開発したワームホールデバイス(非特許文献1参照)に、UPnP Deviceとして動作する機能を追加することにより実現される。さらに、当該技術は、既存のコントロール装置やサーバー装置に、機能改造を行わず、映像送出プログラムを介在させるのみで実現可能であるとの知見に基づき、本発明を完成した。
すなわち、本明細書では、以下の発明を開示する。
【0014】
本発明は、基本的には、ネットワークに接続されたコントロール装置(11)とサーバー装置(12)の間で通信を行う環境において、前記通信に際し映像データ送出を行う技術である。
【0015】
本発明に係る第一の映像データ送出方法は、少なくとも、
ネットワークに接続されたコントロール装置(11)とサーバー装置(12)の間で通信を行う環境であって、少なくとも、
前記サーバー装置(12)が前記通信の準備を行なう初期化処理を実行するステップ(S300)と、
前記サーバー装置(12)が前記コントロール装置(11)からコンテンツリスト取得を要求する信号であるコンテンツリスト取得要求を受信するステップ(S310)と、
前記サーバー装置(12)が前記コンテンツリスト取得要求を受信した場合にレスポンスXMLとしてコンテンツURLを前記コントロール装置(11)へ送信するステップ(S320)と、
前記サーバー装置(12)が前記コントロール装置から前記コンテンツURLに基づく映像データ送信要求を受信するステップ(S330)と、
前記サーバー装置(12)が前記受信した映像データ送信要求に応じて映像デバイスを設定するステップ(S340)と、
予め設定された終了条件が成立するまでの間(S380)、前記サーバー装置(12)が前記映像デバイスより映像データを取得するステップ(S360)と前記サーバー装置(12)が前記取得した映像データをコントロール装置(11)へ送信するステップ(S370)とを繰り返し実行するステップと、
を含むことを要旨とする。
【0016】
終了条件の好ましい具体例としては、(1)終了コマンドが入力された場合、(2)データが無くなった場合、(3)読み取りデータ数と実際に読み取ったデータ数が食い違う等のエラー発生とのフラグが立った場合、のいずれか1つの条件が成立した場合等とする。ここで、エラー発生の例としては、通信タイムアウト、通信チェックサムエラー、通信データがエラーコレクションコードでリカバーできないなどのケースも含まれる。
【0017】
コントロール装置は、データの要求元であって、例えば、UPnP機器としてのDMPをあげることができる。サーバー装置は、前記要求に応じたデータの提供(応答)元であって、例えば、UPnP機器としてのDMSをあげることができる。
また、コントロール装置とサーバー装置の間でやりとりされる情報は、制御情報、映像・映像情報、音声・音声情報などの、各種の情報を含む。
【0018】
本発明をUPnPに適応した場合、コントロール装置(21)をUPnP(Universal Plug and Play)に準拠したDMS(Digital Media Server)とし、サーバー装置(22)をUPnPに準拠したDMP(Digital Media Player)とすることができる。
【0019】
さらに、本発明に係る映像データ送出方法において、
前記受信した映像データ送信要求に応じて映像デバイスを設定するステップ(S340)が、HTTPでのGET要求の内容を取得するステップ(S1210)と、
前記GET要求の内容がWebカメラからの映像読み取りを要求するものである場合(S1220:右方向)、Webカメラデバイスをデータ読み込み可能な状態に設定するステップ(S1250)と、
前記GET要求の内容がテレビチューナからの映像読み取りを要求するものである場合(S1220:左方向)、テレビチューナのチャンネルをHTTPでのGET要求の内容に従ってセットし(S1230)、テレビチューナデバイスをデータ読み取り可能な状態に設定するステップ(S1240)と、
コントロール装置(11)に対して映像データを送出可能になった旨の応答メッセージを返信する(S1270)ステップと、
を含むことが好ましい。
【0020】
さらに、本発明に係る映像データ送出方法において、
前記初期化処理を実行するステップ(S300)が、少なくとも、
前記サーバー装置(12)の中のHTTPサーバー(43)の最上位ディレクトリーのアドレスを取得するステップ(S1130)と、
前記HTTPサーバーのポート番号を取得するステップ(S1150)と、
前記HTTPサーバーのアドレスと前記ポート番号とを含む映像デバイスを識別するデバイスディスクリプションファイルを示すURLを作成するステップ(S1160)と、
前記URLをルートデバイスとしてメモリーに記憶するステップ(S1170)と、
ネットワークに接続されたコントロール装置(11)に対してマルチキャストパケットを送出するステップ(S1180)と、
前記HTTPサーバーを起動するステップ(S1190)と、
を含むことが好ましい。
【0021】
また、本発明に係る第二の映像データ送出方法として、
異なるホームネットワークに属するコントロール装置(図5 11)とサーバー装置(図5 12)の間でSIPサーバー(図6 63)を介して通信の接続を行う環境であって、少なくとも、
前記サーバー装置(12)の中のUPnP Device(13)が前記通信の準備を行なう初期化処理を実行するステップ(S300)と、
前記UPnP Deviceが、前記UPnP Deviceと異なるホームネットワークに属するサーバー装置(図7 12)のうち、映像データの送信元としてアクセス可能なサーバー装置のリストを表示することを要求する信号である映像データ送信元表示要求を受信するステップ(S1000)と、
前記UPnP Deviceが、前記映像データ送信元表示要求を受信した際に、前記コントローラ装置(11)へ異なるホームネットワークに属する映像データ送信元リストを表示するステップ(S1010)と、
前記UPnP Deviceが、前記コントロール装置(11)より映像データ送信元リストに記載された他のホームネットワークに属する映像データ送信元に対して、コンテンツリスト取得を要求する信号であるコンテンツリスト取得要求を受信するステップ(S310)と、
前記UPnP Deviceが、前記コンテンツリスト取得要求を受信した場合に、異なるホームネットワークに属するワームホールデバイス(Wormhole Device)(52)に対して、コンテンツリスト取得要求を送信し、得られた返信内容に基づき、レスポンスXMLとしてコンテンツURLを前記コントロール装置(11)へ送信するステップ(S320)と、
前記UPnP Deviceが、前記コントロール装置から異なるホームネットワークに属するワームホールデバイス (52)に対しての映像データ送信要求を受信するステップ(S330)と、
前記受信した映像データ送信要求に応じて映像デバイスを設定するステップ(S340)と、 前記UPnP Deviceが、予め設定された終了条件が成立するまでの間(S380)、前記映像デバイスより映像データを取得するステップ(S360)と前記取得した映像データをコントロール装置(11)へ送信するステップ(S370)とを繰り返し実行するステップと、
を含むことを要旨とする。
【0022】
ここで、異なるネットワークとしては、異なるホームネットワークを構成するもの、例えば、ユニキャストネットワーク、マルチキャストネットワーク、ブロードキャストネットワークなどの、各種のネットワークをあげることができる。
【0023】
前記第二の映像データ送出方法において、前記受信した映像データ送信要求を解析し映像デバイスを設定するステップ(S340)が、
HTTPでのGET要求の内容を取得するステップ(S1210)と、
前記GET要求の内容がWebカメラからの映像読み取りを要求するものである場合(S1220:右方向)、Webカメラデバイスをデータ読み込み可能な状態にするステップ(S1250)と、
前記GET要求の内容がテレビチューナからの映像読み取りを要求するものである場合(S1220:左方向)、テレビチューナのチャンネルをHTTPでのGET要求の内容に従って設定し(S1230)、テレビチューナデバイスをデータ読み取り可能な状態にするステップ(S1240)と、
コントロール装置(11)に対して映像データを送出可能になった旨の応答メッセージを返信するステップ(S1270)と、
を含むことにしても良い。
【0024】
また、前記第二の映像データ送出方法において、
前記初期化処理を実行するステップ(S300)が、少なくとも、
前記コントロール装置(図5 11)と異なるホームネットワークに属するサーバー装置(図5 12)の中のHTTPサーバー(43)の最上位ディレクトリーのアドレスを取得するステップ(S1130)と、
前記HTTPサーバーのポート番号を取得するステップ(S1150)と、
前記HTTPサーバーのアドレスと前記ポート番号とを含む映像デバイスを識別するデバイスディスクリプションファイルを示すURLを作成するステップ(S1160)と、
前記URLをルートデバイスとしてメモリーに記憶するステップ(S1170)と、
ネットワークに接続されたコントロール装置(11)に対してマルチキャストパケットを送出するステップ(S1180)と、
前記HTTPサーバーを起動するステップ(S1190)と、
を含むことが好ましい。
【0025】
さらに本発明に係る前記した第一の映像データ送出方法を実施する装置として、
ネットワークに接続されたコントロール装置(11)とサーバー装置(12)の間で通信を行う環境であって、少なくとも、
前記通信の準備を行なう初期化処理を実行する手段(S300)と、
前記コントロール装置(11)からコンテンツリスト取得を要求する信号であるコンテンツリスト取得要求を受信する手段(S310)と、
前記コンテンツリスト取得要求を受信した場合にレスポンスXMLとしてコンテンツURLを前記コントロール装置(11)へ送信する手段(S320)と、
前記コントロール装置から前記コンテンツURLに基づく映像データ送信要求を受信する手段(S330)と、
前記受信した映像データ送信要求に応じて映像デバイスを設定する手段(S340)と、
予め設定された終了条件が成立するまでの間(S380)、
前記映像デバイスより映像データを取得し(S360)、取得した映像データをコントロール装置(11)へ送信する処理(S370)を繰り返す手段と、
を有することを特徴とする映像データ送出装置をあげることができる。
【0026】
前記第二の映像データ送出装置において、
前記受信した映像データ送信要求に応じて映像デバイスを設定する手段(S340)が、
HTTPでのGET要求の内容を取得する手段(S1210)と、
前記GET要求の内容がWebカメラからの映像読み取りを要求するものである場合(S1220:右方向)、Webカメラデバイスをデータ読み込み可能な状態にする手段(S1250)と、
前記GET要求の内容がテレビチューナからの映像読み取りを要求するものである場合(S1220:左方向)、テレビチューナのチャンネルをHTTPでのGET要求の内容に従ってセットし(S1230)、テレビチューナデバイスをデータ読み取り可能な状態にする手段(S1240)と、
コントロール装置(11)に対して映像データを送出可能になった旨の応答メッセージを返信する手段(S1270)と、
を有することを特徴とする映像データ送出装置をあげることができる。
【0027】
前記第二の映像データ送出装置において、
前記初期化処理を実行する手段(S300)が、少なくとも、
前記サーバー装置(12)の中のHTTPサーバー(43)の最上位ディレクトリーのアドレスを取得する手段(S1130)と、
前記HTTPサーバーのアドレスと前記ポート番号とを含む映像デバイスを識別するデバイスディスクリプションファイルを示すURLを作成する手段(S1160)と、
前記URLをルートデバイスとしてメモリーに記憶する手段(S1170)と、
ネットワークに接続されたコントロール装置(11)に対してマルチキャストパケットを送出する手段(S1180)と、
前記HTTPサーバーを起動する手段(S1190)と、
を有することを特徴とする映像データ送出装置をあげることができる。
【0028】
さらに、本発明に係る映像データ送出装置において、
異なるホームネットワークに属するコントロール装置(図5 11)とサーバー装置(図5 12)の間でSIPサーバー(図6 63)を介して通信の接続を行う環境であって、少なくとも、
前記サーバー装置(12)の中のUPnP Device(13)が前記通信の準備を行なう初期化処理を実行する手段(S300)と、
前記UPnP Deviceと異なるホームネットワークに属するサーバー装置(図7 12)のうち、映像データの送信元としてアクセス可能なサーバー装置のリストを表示することを要求する信号である映像データ送信元表示要求を受信する手段 (S1000)と、
前記映像データ送信元表示要求を受信した際に、前記UPnP Device(図7 13)が前記コントローラ装置(11)への異なるホームネットワークに属する映像データ送信元リストを表示する手段(S1010)と、
前記コントロール装置(11)より映像データ送信元リストに記載された他のホームネットワークに属する映像データ送信元に対して、コンテンツリスト取得を要求する信号であるコンテンツリスト取得要求を受信する手段(S310)と、
前記コンテンツリスト取得要求を受信した場合に、異なるホームネットワークに属するワームホールデバイス(Wormhole Device)(52)に対して、コンテンツリスト取得要求を送信し、得られた返信内容に基づき、レスポンスXMLとしてコンテンツURLを前記コントロール装置(11)へ送信する手段(S320)と、
前記コントロール装置から異なるホームネットワークに属するワームホールデバイス(52)に対しての映像データ送信要求を受信する手段(S330)と、
前記受信した映像データ送信要求に応じて映像デバイスを設定する手段(S340)と、
予め設定された終了条件が成立するまでの間(S380)、前記映像デバイスより映像データを取得する手段(S360)と前記取得した映像データをコントロール装置(11)へ送信する手段(S370)とを繰り返し実行する手段と、
を有することを特徴とする映像データ送出装置をあげることができる。
【0029】
さらに、本発明に係る映像データ送出装置において、
前記受信した映像データ送信要求に応じて映像デバイスを設定する手段(S340)が、
HTTPでのGET要求の内容を取得する手段(S1210)と、
前記GET要求の内容がWebカメラからの映像読み取りを要求するものである場合(S1220:右方向)、Webカメラデバイスをデータ読み込み可能な状態にする手段(S1250)と、
前記GET要求の内容がテレビチューナからの映像読み取りを要求するものである場合(S1220:左方向)、テレビチューナのチャンネルをHTTPでのGET要求の内容にする手段(S1230)、テレビチューナデバイスをデータ読み取り可能な状態にする手段(S1240)と、
コントロール装置(11)に対して映像データを送出可能になった旨の応答メッセージを返信する手段(S1270)と、
を有することを特徴とする映像データ送出装置をあげることができる。
【0030】
さらに、本発明に係る映像データ送出装置において、
前記初期化処理を実行する手段(S300)が、少なくとも、
前記コントロール装置(図5 11)と異なるホームネットワークに属するサーバー装置(図5 12)の中のHTTPサーバー(43)の最上位ディレクトリーのアドレスを取得する手段(S1130)と、
前記HTTPサーバーの最上位ディレクトリーのアドレスを取得する手段(S1130)と、
前記HTTPサーバーのポート番号を取得する手段(S1150)と、
前記HTTPサーバーのアドレスと前記ポート番号とを含む映像デバイスを識別するデバイスディスクリプションファイルを示すURLを作成する手段(S1160)と、
前記URLをルートデバイスとしてメモリーに記憶する手段(S1170)と、
ネットワークに接続されたコントロール装置(11)に対してマルチキャストパケットを送出する手段(S1180)と、
前記HTTPサーバーを起動する手段(S1190)と、
を有することを特徴とする映像データ送出装置をあげることができる。
【0031】
前記第二の映像データ送出装置は、コントロール装置側ネットワークに配備されて機能するものと、サーバー装置側ネットワークに配備されて機能する場合がある。
【0032】
すなわち、サーバー装置側ネットワークに配備されて機能する場合では、
前記異なるホームネットワークに属する中継コントロール装置(52)に対しての映像データ送信要求を受信する手段(S330)と、
前記受信した映像データ送信要求を解析し映像デバイスを設定する手段(S340)と、
終了条件が成立するまでの間(S380)、前記指定機器より映像データを取得する手段(S360)と、前記取得した映像データをコントロール装置(11)へ送信する手段(S370)とを繰り返し実行する手段と、
を有することを特徴とする映像データ送出装置をあげることができる。
【0033】
前述したそれぞれの映像データ送出装置のより具体的な態様として、例えば、パーソナルコンピュータやルータで構成される装置、若しくは、前記した映像データ送出装置としての機能を併せ持った各種の家電機器、端末携帯機器(携帯電話を含む)などをあげることができる。
また、テレビチューナを筐体に内蔵する態様もありえる。
さらに、前記映像データ送出装置と接続される非DLNA機器との接続が、USBインタフェース、HDMIインタフェース、あるいは、音声信号と映像信号をそれぞれ分離して接続するインタフェースのいずれかまたはその組み合わせであることする態様もありえる。
【0034】
本発明に係る前記した第一の映像データ送出方法を実現するプログラム(第一のプログラム)として、
ネットワークに接続されたコントロール装置(21)とサーバー装置(22)の間で通信を行う環境において、前記通信に際し、サーバー装置(12)の中のCPU(41)に映像データ送出を行わせるプログラムであって、少なくとも、前記CPU(41)に、
前記通信の準備を行なう初期化処理を実行するステップ(S300)と、
前記コントロール装置(11)からコンテンツリスト取得を要求する信号であるコンテンツリスト取得要求を受信するステップ(S310)と、
前記コンテンツリスト取得要求を受信した場合にレスポンスXMLとしてコンテンツURLを前記コントロール装置(11)へ送信するステップ(S320)と、
前記コントロール装置から前記コンテンツURLに基づく映像データ送信要求を受信するステップ(S330)と、
前記受信した映像データ送信要求に応じて映像デバイスを設定するステップ(S340)と、
予め設定された終了条件が成立するまでの間(S380)、
前記映像デバイスより映像データを取得するステップ(S360)と前記取得した映像データをコントロール装置(11)へ送信するステップ(S370)とを繰り返し実行するステップと、
を実行させるための映像データ送出プログラムをあげることができる。
【0035】
前記した第一のプログラムにおいて、前記受信した映像データ送信要求を解析し映像デバイスを設定するステップ(S340)が、
HTTPでのGET要求の内容を取得するステップ(S1210)と、
前記解析結果がWebカメラからの映像読み取りを要求するものである場合(S1220:右方向)、Webカメラデバイスを読み込み可能とする設定するステップ(S1250)と、
前記解析結果がテレビチューナからの映像読み取りを要求するものである場合(S1220:左方向)、テレビチューナのチャンネルをHTTPでのGET要求の内容に従ってセットし(S1230)、テレビチューナデバイスかを読み取り可能とする設定するステップ(S1240)と、
コントロール装置(11)に対して映像データを送出可能になった旨の応答メッセージを返信する(S1270)ステップと、
を含むことが好ましい。
【0036】
また、前記した第一のプログラムにおいて、前記初期化処理を実行するステップ(S300)が、少なくとも、
前記初期化処理を実行するステップ(S300)が、少なくとも、
前記サーバー装置(12)の中のHTTPサーバー(43)の最上位ディレクトリーのアドレスを取得するステップ(S1130)と、
前記HTTPサーバーのポート番号を取得するステップ(S1150)と、
前記HTTPサーバーのアドレスと前記ポート番号とを含む映像デバイスを識別するデバイスディスクリプションファイルを示すURLを作成するステップ(S1160)と、
前記URLをルートデバイスとしてメモリーに記憶するステップ(S1170)と、
ネットワークに接続されたコントロール装置(11)に対してマルチキャストパケットを送出するステップ(S1180)と、
前記HTTPサーバーを起動するステップ(S1190)と、
を含むことが好ましい。
【0037】
本発明に係る前記した第二の映像データ送出方法を実現するプログラム(第二のプログラム)として、
異なるホームネットワークに属するコントロール装置(図8 11)とサーバー装置(図8 12)の間でワームホールデバイス(図8 51,52)とSIPサーバー(図6 63)を介して通信の接続を行う環境であって、前記通信に際し、コントロール装置(図5 11)と同じホームネットワークに属する前記ワームホールデバイス(図8 51)の中のUPnP Device(図8 13)の中のCPU(図示せず)に映像データ送出を行わせるプログラムであって、
少なくとも、前記CPU(図示せず)に、
前記通信の準備を行なう初期化処理を実行するステップ(S300)と、
前記コントロール装置(11)と異なるホームネットワークに属するサーバー装置(図7 12)のうち、映像データの送信元としてアクセス可能なサーバー装置のリストを表示することを要求する信号である映像データ送信元表示要求を受信するステップ(S1000)と、
前記映像データ送信元表示要求を受信した際に、UPnP Device(図7 13)が前記コントローラ装置(11)へ異なるホームネットワークに属する映像データ送信元リストを表示するステップ(S1010)と、
前記コントロール装置(11)より映像データ送信元リストに記載された他のホームネットワークに属する映像データ送信元に対して、コンテンツリスト取得を要求する信号であるコンテンツリスト取得要求を受信するステップ(S310)と、
前記コンテンツリスト取得要求を受信した場合に、異なるホームネットワークに属するワームホールデバイス(Wormhole Device)(52)に対して、コンテンツリスト取得要求を送信し、得られた返信内容に基づき、レスポンスXMLとしてコンテンツURLを前記コントロール装置(11)へ送信するステップ(S320)と、
前記コントロール装置から異なるホームネットワークに属するワームホールデバイス(52)に対しての映像データ送信要求を受信するステップ(S330)と、
前記受信した映像データ送信要求に応じて映像デバイスを設定するステップ(S340)と、
予め設定された終了条件が成立するまでの間(S380)、前記映像デバイスより映像データを取得するステップ(S360)と前記取得した映像データをコントロール装置(11)へ送信するステップ(S370)とを繰り返し実行するステップと、
を有することを特徴とする映像データ送出プログラムをあげることができる。
【0038】
前記した各プログラムを実行するコンピュータとは、例えば、汎用のパーソナルコンピュータ、または、ルータ、家電機器、携帯端末機器(携帯電話を含む)などに搭載されたマイクロコンピュータなどをあげることができる。
【0039】
また、本発明は、前述したそれぞれのプログラムが書き込まれた、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を包含する。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、ネットワークに接続されたコントロール装置、サーバー装置の間で映像コンテンツの通信を行う環境において、DLNA非対応のWebカメラの映像やテレビ放送の映像をDLNA規格に準拠した機器より操作し視聴することが可能となる。
【0041】
さらに、本発明は、DMSに保存された映像コンテンツをも同様の操作インタフェースにより視聴することが可能となる。
【0042】
さらに、本発明は、ネットワークに接続されたコントロール装置からサーバー装置を遠隔操作する家電機器遠隔操作環境において、非DLNA対応機器であるWebカメラやテレビチューナへの操作を、DLNA対応機器への操作と同一の見え方で操作容易性を確保する良好なインタフェースを提供と、DLNA対応機器とDLNA非対応機器との汎用的な接続性の確保の両立が可能となる。
【0043】
さらに、本発明は、映像デバイスの種類の選定やテレビチューナのチャンネル設定の切り替え等の操作をDLNA対応機器への操作と同一の操作で行なえる操作インタフェースの提供を目的とする。
【0044】
さらに本発明は、同一ホームネットワーク内、または、異なるホームネットワーク内とDLNA対応機器からの本願発明の映像送出装置の検出および通信を可能となるなど、多くの効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、本発明の実施形態の例を図1〜図13に基づいて説明する。
【0046】
(第1の実施形態例)
図1は、映像データ送出を行なう第一の実施形態例を示す概念図である。この例では、ネットワークに接続されたコントロール装置11(例えば、DMP;UPnP Control Point)と、サーバー装置12との間で通信を行う環境であって、単一(同一)のブロードキャストドメインに存在するホームネットワーク環境において、UPnP Device機能13とHTTPサーバー14を備えたサーバー装置12(ラッピングDMSを含む)により、同一ホームネットワーク上に接続された映像機器の映像データを視聴する機能を実現する。
また、Webカメラ15、テレビチューナ15はサーバー装置12(ラッピングDMSを含む)に接続され、それぞれ、Webカメラで撮影された映像、テレビチューナで受信されたテレビ映像を接続されたサーバー装置12(ラッピングDMSを含む)へ入力する。
【0047】
ラッピングDMSは、例えば専用の装置、または、汎用のパーソナルコンピュータにより実行される映像データ送出手段としてのプログラムである(図4)。
【0048】
ラッピングDMSをパーソナルコンピュータによって実現する場合には、例えば図4に示すように、ラッピングプログラムされた制御部41(以下「CPU」と略称する)、記憶装置としてのROM、RAMなどから構成される主メモリ42、UPnP準拠のネットワーク家電機器と通信が可能なネットワークインタフェース40、HTTPサーバー43、SIP URIリクエスト記憶部46、Device Num対応表記憶部47、DMSリスト記憶部48、非DLNA機器インタフェース49などによって構成される。
非DLNA機器インタフェース49とラッピングDMS外部に存在する非DLNA機器50との接続形態としては、例えば、図13に示すように、(a)USBインタフェースを介して接続する形態、(b)HDMIインタフェースを介して接続する形態、(c)音声用インタフェースと映像用インタフェースを別個に設けて、音声信号と映像信号が分離してそれぞれ接続される形態などがあり得る。音声信号と映像信号が分離してそれぞれ接続される形態では、映像用インタフェースとしては、例えば、コンポーネントやコンポジットがあり、また、音声用インタフェースとしては、LR Audioや光audioを用いた接続があり得る。なお、コンポーネットやコンポジット、LR Audio等のアナログデータによる伝送の場合には、データ変換部44にA/D変換機能を有する必要がある。
さらに、実施の態様によっては、(d)ラッピングDMSにテレビチューナが内蔵されている形態もあり得る。この場合は、テレビチューナ16とデータ変換部44をも内蔵することがある。
【0049】
なお、ラッピングDMSを実現する機器は、パーソナルコンピュータに限定されず、ルータ、ハブなどの専用の中継装置や、これらの機器に搭載されたマイクロコンピュータで構成しても良い。
【0050】
制御部41(CPU)は、OS(Operating system)等の制御プログラム、および所要データを格納するための内部メモリなどにより、本発明に係る機能を実現している。
【0051】
図2に、本例の映像データ送出方法のメッセージシーケンス図の概要を示す。また、図3に、本例の映像データ送出方法の動作を示すフローチャートの概要を示す。
【0052】
ラッピングDMSは、自身に接続された機器から取得できる映像データをコンテンツとするUPnP Deviceプログラムであり、パーソナルコンピュータ上に実装することができる。
このラッピングDMSによれば、ローカルネットワーク上のDMPからアクセスすることができるため、UPnP非対応のWebカメラやテレビチューナからの映像をDLNAネットワークに配信することができ、DMPよりそれらの機器をDLNAインタフェースにより操作し,映像を視聴することが可能となる。
【0053】
ラッピングDMSが通信の準備を行なう初期化について、図11を参照しながら説明する。
ラッピングDMSは、起動するとローカルネットワーク上のDMPからUPnP Deviceとして検出される。この処理は、サーバー装置12が前記通信の準備を行なう初期化処理を実行するステップ(S300)において、設定ファイルからIPアドレスを読み込むステップ(図11、S1110)と、DMPからの接続を受け付けるためのHTTPサーバー機能を実現するlibupnpを初期化するステップ(図11、S1120)とルートディレクトリ設定・サーバを起動するステップ(図11、S1130)とIPアドレスを取得するステップ(図11、S1140)とポート番号を取得するステップ(図11、S1150)と、サーバー装置12がデバイスディスクリプションファイルを事前に作成しそのURLを作成しSIP URIリスト記憶部46に書き込むステップ(図11、S1160)と、DMPからのアクセスを受け付けその要求に応じた処理を他のサブルーチンに引き渡す機能を有するDevice CallbackEvent Handlerを有効化しルートデバイスの登録を実行するステップ(図11、S1170)と、DMPからのSearchまたは起動後に自身の存在を他の機器に通知するマルチキャストパケットAdvertise(Notify)によって実現される(図11、S1180)。
【0054】
UPnP AV Architecture によると,DMPとDMSのコンテンツ授受はHTTPで行う。すなわち、DMPはラッピングDMSのコンテンツを取得するために、個々のコンテンツに対して割り振られたURLへのHTTP GETを行う。
そのために、HTTP GETに対してレスポンスを返すことのできる簡易なHTTPサーバを作成し,ラッピングDMSに対するDMPからのHTTPでのGET要求に応答する機能を実現した。HTTPサーバはUPnP Deviceプログラムからスレッドとして起動される(S1190)。
【0055】
次に検出されたラッピングDMSを選択しDMPからコンテンツリスト取得要求(「コンテンツリスト取得要求」とは、WDが検出した同一ドメインにある機器についての要約(Summary)を送出することを求める信号をいう)を受信すると(図10、S310)、接続されている映像機器の一覧が表示されUPnP Deviceからコントロール装置(DMP)11に対して、コンテンツURLがレスポンスXMLとして送信される(S320)。
より具体的に説明すれば、UPnP Deviceプログラムは、DMPからUPnP AV ArchitectureのContent Directory Serviceで定義されるObject ID=0のBrowseアクション(すなわち、UPnP Deviceの最上位ディレクトリに対するコンテンツリストの取得要求)を受け取ると(S310)、HTTPサーバのIPアドレスとポート番号及び映像機器を識別するために定義したファイル名から成るコンテンツURLを作成し、Browseに対するレスポンスXMLに整形してDMPに返信する(S320)。URLはXMLファイルのresタグ内に記述される。当該返信により、DMPには映像機器名が表示される。
【0056】
そして、任意の機器を選択すると、コンテンツURLに基づき映像データの送信を要求する信号である映像データ送信要求が受信され(S330)、要求の解析と映像デバイスの設定が行なわれた後(S340)、その設定された機器から取得した映像データがコントロール装置11へ送信され視聴することができる(S360, S370)。
終了コマンドが入力されるか、データ読み出しにエラーが発生するかなどの条件が成立するまで取得した映像データがコントロール装置11へ送信する処理が繰り返し実行される(S380)。
より具体的には、次にDMPから任意の機器が選択されると,その機器に割り当てたコンテンツURLに対して(つまり,HTTPサーバに対して)HTTPでのGET要求が行われるが、HTTPサーバ14はその要求を受信後、GET要求されたファイル名を解析し(図12、S1220)、ファイル名に応じた機器をopenシステムコールによりデータ読み込み可能状態にする(S1230〜S1260)。そして,HTTPでのGET要求に対するレスポンスとしてHTTP1.1 200 OKをコントロール装置(DMP)11へ送信し(S1270)、続けて機器からreadシステムコールにより取得した映像データを(図3、S360)、DMP側からコネクションが切断されるまで送信し(S370)続ける処理を実行する(S380)。
【0057】
要求の解析と映像デバイスの設定(図3 S340,図12 S1210〜S1250)について、さらに詳細に説明する。
「http//address:port/device.拡張子」という形式でデバイス識別子を定義し、コンテンツURLが作成される。作成したURLはXMLのresタグ内に記述される。前記「device」は機器の種類を示すものである。また、テレビチューナの場合はセットすべきチャンネルを指定するためにdeviceはdevice_chnnelという形式で記述されている。
HTTPでのGET要求の内容から「http//address:port/device.拡張子」という形式で送られるデバイス識別子の文字列を抽出し予め定められた文字列との一致判断により解析を行い(図12、S1210)、「device」がテレビチューナを示すか、Webカメラを示すかを判定する(図12、S1220)。
前記要求が「テレビチューナ」であると判定された場合には(S1220左方向)、サーバ装置12に接続または内蔵されたテレビチューナ16をHTTPでのGET要求で指定された内容に従って設定し(S1240)、Openシステムコールの実行によりテレビチューナ16からの映像(映像に加えて音声を含む場合もある)データの読み取りを可能な状態に設定する(S1240)。
一方、前記要求が「Webカメラ」であると判定された場合には(S1220右方向)、Openシステムコールの実行によりWebカメラ15からの映像(映像に加えて音声を含む場合もある)データの読み取りを可能な状態に設定する(S1250)。
以上の処理により、DMPからローカルネットワーク上の「ラッピングDMS」にアクセスし、それに接続された映像機器の映像データを視聴することが可能となる。
【0058】
(第2の実施形態例)
図5は、本発明のラッピングDMSとワームホールデバイス(WD)との連携を説明する概念図である。
ワームホールデバイス(WD)とは、従来同一のホームネットワーク上だけで行なわれてきたDMS(Digital Media Server)とDMP(Digital Media Player)間の通信をSIP網で接続された別のホームネットワークに存在するワームホールデバイスと協調してコンテンツを共有し、異なるホームネットワークを相互に接続することを実現する装置またはソフトウエアをいう(非特許文献1参照)。
ワームホールデバイス(WD)とラッピングDMS12を連携したネットワーク構成とすることによって、UPnP非対応のWebカメラ15やTVチューナ16から取得した映像データを異なるホームネットワークに属するDLNA対応機器で視聴可能となり、UPnP非対応のWebカメラ15やTVチューナ16をDLNA対応ネットワーク対応化することを実現した。
さらに、ラッピングDMSと次に説明するソフトウエアを連携させることでWebカメラ15の映像やTVチューナ16のテレビ放送動画のインターネット53を介した遠隔視聴を実現した。
【0059】
コントロール装置(DMP)11が属するホームネットワークと、ラッピングDMS12が属するホームネットワークが異なるブロードキャストドメインであり、両者はゲートウエイ(54,55)によりインターネット53を介して接続される。
WD(Wormhole Device)は、従来同一のホームネットワーク上のみで行われるDMS,DMP間のUPnP通信を異なるホームネットワーク間においても実現するシステムである。コントロール装置11が属するホームネットワーク側にWD51が、また、サーバー装置12がが属するホームネットワーク側にWD52が、ぞれぞれ存在する。DMS,DMP間の通信手順は同一ホームネットワークにある時のそれと変わることはないため,既存のDMS,DMPに実装変更を加える必要はない(図5)。
【0060】
図6に、ワームホールデバイスを用いたアドレス変換の概念図を示す。
IPv4環境下のホームネットワークの多くは、プライベートアドレスの割り当てられた機器で構成されるネットワークである。そのため、プライベートアドレスの割り振られた機器同士にインターネットを介した通信を行わせるためにはプライベートアドレスとグローバルアドレスの変換を行う必要がある。そこでWDは、既に広く一般家庭に普及しているUPnP-IGD(UPnP対応NATルータ)(64, 65)を利用してIGDへのポートマップとその削除を自動的に実行することによりNATトラバーサルを行う。
これにより、プライベートアドレスが割り振られた機器同士のインターネットを介した相互遠隔接続が可能となり、既存のホームネットワークの設定に変更を加える必要がないとの効果を奏する。
【0061】
異なるネットワーク同士のロケーション解決について説明する。
異なるホームネットワークの機器同士が接続するにあたり、お互いのロケーション解決を行う必要がある。そこでWDはSIPユーザエージェントを持ち、SIPサーバ63を用いてロケーション解決を行う。
SIPサーバ63は、UA(User Agent)としてWD52及びWD51を持つSIP Proxy Serverである。WD51はコントロール装置11側のホームネットワーク61に属し、一方、WD52はサーバー装置12側のホームネットワーク61に属する。SIPサーバ63は、SIPのREGISTERリクエストによってSIPサーバ63に登録されたUA間で交わされるSIPリクエストを中継する。
UAがSIPサーバ63へ登録を行なう際に、Digest認証方法を用いて認証を行なうことにより、中継されるSIPリクエストの発信者の身元に一定の信頼性が確保できるとの効果を奏する。
【0062】
次に、図7と図8を用いて、異なるネットワークのUPnP機器検出と接続の動作について説明する。
UPnPではUPnP Control Pointが同じネットワークドメインにあるUPnP Deviceを検出する方法としてSSDP(Simple Service Discovery Protocol)を用いる。
SSDPはその通信の一部にUDPマルチキャストを利用するが、マルチキャストパケットを異なるネットワークに転送するには、経由するルータの対応が必要である。そのため、SSDPを使った機器検出を何らかの方法で代替する必要がある。
これに対してWDは,以下に示す方法を使って対応する。
まず、それぞれのドメインのWDは同じドメイン内のUPnP DeviceをSSDPによって検出する。WDは検出したこれら同一ドメインにある機器についての要約(Summary)を作成し,通信先のWDと交換する(GetDeviceSummary命令)(図7 (3)(4))。
ユーザが要約の中にある機器を公開することを選択すると(図8 (1))、WDは通信先のWDに指定された機器の公開を要求し(図8 (4))、公開の対象となる機器の動作を模すUPnP Proxyプロセスが開始される(OpenDevice命令)。
このプロセスは実際の公開先にある機器と同様の動作でSSDPのリクエストを処理する。これにより、DMPは従来どおりのSSDPの処理に従いながら異なるドメインの機器を検出し、通信することが可能になるとの効果を奏する。
【0063】
ホームネットワーク1(以下HN1)のDMPでホームネットワーク2(以下HN2)にあるラッピングDMSからの映像データをWDによりインターネットを経由して視聴する動作をまとめると、以下のように概説される。
(シーケンス1) WDをHN1,HN2の両方で起動する。
(シーケンス2)HN2においてラッピングDMSを起動する。
(シーケンス3) HN1のWDからHN2のWDに「GetDeviceSummary」命令を送信する(図7(3)(4))。するとHN2のラッピングDMSに関する情報(ID等)が返信される(図7 (5)(6)(7))。
(シーケンス4) HN1のWDからHN2のWDに「OpenDevice」命令を、ラッピングDMSのIDを引数にして送信する(図8(3)(4))。すると両WDにラッピングDMSを模すUPnP Proxyプロセスが起動する。するとHN1のDMPにはHN2にあるラッピングDMSが検出される(図8(5)(6))。
【0064】
ワームホールデバイスにUPnP Device機能の追加について詳説する。
従来、DMPとDMSの遠隔接続に関するWDの操作は、WDがインストールされたPCのキーボードからCUIで行なっていた。
しかし、ホームネットワークのユーザは必ずしもPCの操作に慣れているとは限らない。そこで。DMPから遠隔接続に関する操作を行うことができるよう、WDにUPnP Device機能を追加した。
UPnP Device機能を追加したWDを用いたDMPとDMSの遠隔接続に至るまでの具体的な流れを以下に示す。
(シーケンス1)WDを起動すると,DMPには「Wormhole Device」という名称のUPnP Deviceが検出される。
(シーケンス2) 「Wormhole Device」を選択すると,WDのSIP URIリスト記憶部46に予め登録されているSIP URIのリストが表示される。
(シーケンス3) 任意のSIP URIを選択すると,そのURIを持つWDが所属するホームネットワークのDMS(UPnP Device)一覧が表示される。
(シーケンス4) そして任意のDMSを選択すると,DMS内に蓄えられたコンテンツを視聴することができる。
【0065】
以下、ワームホールデバイスをDMPで検出する方法(シーケンス1)について、更に具体的に説明する。
「Wormhole Device」という名称のUPnP Deviceプログラムを作成し、WDの起動時において子プロセスとして起動する。本プログラムは起動後に自身の存在を他の機器に通知するマルチキャストパケットを送出するため(Notifyメソッド)、DMPから検出することが可能となる。
【0066】
以下、DMPで「Wormhole Device」選択時にSIP URIを表示させる方法(シーケンス2)について、更に具体的に説明する。
前記の通り作成したUPnP Deviceプログラムは、起動時にWDの設定ファイルからSIP URIリストをSIP URIリスト記憶部46から読み込んでXMLファイルを作成する。
そして、DMPからObject ID=0のBrowseアクションを受け取ると(つまり,DMPで「Wormhole Device」を選択),それに対するレスポンスとして先ほど作成したXMLファイルを返信する。
そのため、DMPで「Wormhole Device」を選択するとSIP URIのリストが表示される。
【0067】
以下、SIP URI選択後、DMSリストを取得して表示させる方法(シーケンス3)について、更に具体的に説明する。
XMLファイルにおける各SIP URIのObject ID(container id)は、「COMMAND_SIPURI」という規則を設けて定義する。COMMANDは,WDに追加したUPnP DeviceプログラムがWD固有の命令を識別し、実行するための識別子である。COMMANDとWD固有命令の対応を表1に示す。
【0068】
【表1】

【0069】
DMPでSIP URIを選択すると、そのURIを持つWDの所属するホームネットワークのDMSリストが表示されるが、リストの取得にはGetDeviceSummary命令を使用する。そのため、COMMANDには「1」をセットする。なお、SIPURIはGetDeviceSummary命令の送信先WDを識別するために定義する。
DMPで任意のSIP URIを選択すると,先ほど定義した規則に従って作成したObject IDへのBrowseアクションがDMPからローカルネットワーク上のWD(のUPnP Deviceプログラム)に送信される。UPnP Deviceプログラムは,Browse要求されたObject IDを解析して、WD固有命令とその送信先WDを識別し、GetDeviceSummary命令を送信する。すると送信先WDからDMSのリストが返信されるため、DMSリスト記憶部48に書き込み、UPnP DeviceプログラムはそのリストをDMSリスト記憶部48より読み出して解析してXMLファイルを作成し、DMPに返信する(図7)。
以上により、DMPで任意のSIP URIを選択すると、それに対応するWDの所属するホームネットワークに存在するDMSのリストを取得し、DMPに表示することができるとの効果を奏する。
【0070】
以下、選択したDMSとの遠隔接続を開始する方法(シーケンス4)について、更に具体的に説明する。
任意のDMSを選択すると、DMPからUPnP Deviceプログラムに対し、ObjectID(COMMAND_DeviceNum_SIP URIという形式で定義したcontainer id)のBrowseアクションが送信される。つまり、選択したDMSのOpenDevice命令に対応するBrowseアクションである。なおDeviceNumはDMSを識別するための通し番号であり、UPnP DeviceプログラムはDMSのuuidとDeviceNumの対応表がDevice Num対応表記憶部(図4 47)に記憶され参照される。
UPnP Deviceプログラムは受信したBrowseアクションのObject IDを解析し、それがOpenDevice命令であると識別すると、SIP URIで指定されたSIP URIを持つWDに対してDeviceNumで指定したDMSのOpenDevice命令を送信する(図8(3)(4))。OpenDevice命令が正常に実行されると前記WD52よりResponseが返信され(図8(5))、WD(51)を経由してUPnP Device13へ転送され(図8(6))、コントロール装置11がResponseを受信(図8(7))するととによって遠隔接続が成功し映像データの送受信が可能な状態になる。
以上により,DMPで任意のDMSを選択すると、そのDMSとの遠隔接続を開始することが可能となるとの効果を奏する。
【0071】
以下、WDとDMPによるDLNA情報家電の遠隔通信におけるシーケンスについて、更に具体的に説明する。
図9は、UPnP Device機能を追加したWDの遠隔接続に至るまでのシーケンス図の概略図である。また、図10は、UPnP Device機能を追加したWDの動作を示すフローチャートの概略図である。
【0072】
ラッピングDMSは、起動するとローカルネットワーク上のDMPからUPnP Deviceとして検出される。この処理は、DMPからのSearchまたは起動後に自身の存在を他の機器に通知するマルチキャストパケットAdvertise(Notify)によって実現される(図11、S1180)。
【0073】
UPnP AV Architecture によると,DMPとDMSのコンテンツ授受はHTTPで行う。すなわち、DMPはラッピングDMSのコンテンツを取得するために、個々のコンテンツに対して割り振られたURLへのHTTP GETを行う。
そのために、HTTP GETに対してレスポンスを返すことのできる簡易なHTTPサーバを作成し,ラッピングDMSに対するDMPからのHTTPでのGET要求に応答する機能を実現した。HTTPサーバはUPnP Deviceプログラムからスレッドとして起動される(S1190)。
【0074】
次に、映像データ送信元表示要求を受信すると(図10、S1000)、UPnP Device13は、SIP URIリスト記憶部46から予め登録されているSIP URIリストを読み出し、コントロール装置11へ映像データ送信元リストとして表示する(S1010)。
なお、ここで、「映像データ送信元要求」とは、UPnP Device(図7 13)と異なるホームネットワークに属するサーバー装置(図7 12)のうち、映像データの送信元としてアクセス可能なサーバー装置のリストを表示することを要求する信号をいう。
また、「映像データ送信元リスト」とは、前記「映像データ送信元要求」により表示されるリストをいう。
【0075】
次に任意のSIP URIがコンテンツリスト取得要求として受信されると(S310)、当該URIを持つWDが所蔵するホームネットワークのDMS(UPnP Device)一覧表がUPnP Deviceからコントロール装置(DMP)11に対して、コンテンツURLがレスポンスXMLとして送信される(S320)。
なお、「レスポンスXML」とは、要求に対する返答として返信されるXML形式のデータをいう。また、XMLは文書やデータの意味や構造を記述するためのマークアップ言語の一つであり、コンピュータ同士でのデータの送受信に使用できるほか、Webブラウザで直接閲覧することも想定されたものである。
より具体的に説明すれば、UPnP Deviceプログラムは、DMPからUPnP AV ArchitectureのContent Directory Serviceで定義されるObject ID=0のBrowseアクション(すなわち、UPnP Deviceの最上位ディレクトリに対するコンテンツリストの取得要求)を受け取ると(S310)、HTTPサーバのIPアドレスとポート番号及び映像機器を識別するために定義したファイル名から成るコンテンツURLを作成し、Browseに対するレスポンスXMLに整形してDMPに返信する(S320)。URLはXMLファイルのresタグ内に記述される。当該返信により、DMPには映像機器名が表示される。
【0076】
そして、任意の機器を選択すると,映像データ送信要求が受信され(S330)、要求の解析と映像デバイスの設定が行なわれた後(S340)、その設定された機器から取得した映像データがコントロール装置11へ送信され視聴することができる(S360, S370)。
終了コマンドが入力されるか、データ読み出しにエラーが発生するかなどの条件が成立するまで取得した映像データがコントロール装置11へ送信する処理が繰り返し実行される(S380)。
【0077】
以下、ラッピングDMSとワームホールデバイスの連携について、更に具体的に説明する。
ラッピングDMSとUPnP Device機能を追加したワームホールデバイスを連携させ,DMPで遠隔にあるWebカメラの映像やテレビ放送をインターネットを介して視聴するシステムを構築する.説明にあたって2つのホームネットワークを想定し,それぞれをホームネットワーク1,ホームネットワーク2とする。
ホームネットワーク1(以下HN1)のDMPでホームネットワーク2(以下HN2)にあるラッピングDMSからの映像データをワームホールデバイスによりインターネットを経由して視聴する場面を想定して説明する。
(シーケンス1) UPnP Device機能を追加したWDをHN1,HN2の両方で起動する。
(シーケンス2) HN2においてラッピングDMSを起動する。
(シーケンス3) HN1のDMPからワームホールデバイスにアクセスし、HN2のラッピングDMSにアクセスする。
(シーケンス4) コンテンツを選択し、再生する。
以上の一連の動作によって、ラッピングDMSとUPnP Device機能を追加したワームホールデバイスを連携させ、DMPで遠隔にあるWebカメラの映像やテレビ放送をインターネットを介して視聴するシステムを構築することが可能となる。
【0078】
以上、本発明の実施形態の例を図面に基づいて説明したが、本発明は図示例や上述した各例に限定されるものではなく、特許請求範囲に記載された技術的思想の範疇において、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明に係る、映像データの送出技術は、ホームネットワークやブロードキャストネットワーク、例えば、DLNA対応規格のコントロール装置(例えば、DMP)が導入された家庭、オフィス、事業所、教育機関などで用いられる、独立した製品として、または、他の規格に組み込むソフトウエアなどとして、好適に利用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】ラッピングDMS概念図(DMPと同一ホームネットワークに存在する場合)
【図2】ラッピングDMS動作シーケンス図(DMPと同一ホームネットワークに存在する場合)
【図3】ラッピングDMS動作フローチャート(DMPと同一ホームネットワークに存在する場合)
【図4】ラッピングDMS構成図
【図5】ラッピングDMS構成図とワームホールデバイス(WD)の連携の概念図
【図6】ワームホールデバイス(WD)の概念図
【図7】UPnP Device機能を追加したWDの動作概念図(その1)
【図8】UPnP Device機能を追加したWDの動作概念図(その2)
【図9】WDとDMPによるDLNA情報家電の遠隔通信の動作シーケンス図(DMPとDMSが異なるホームネットワークに存在する場合)
【図10】UPnP Device機能を追加したWDの動作フローチャート(DMPと同一ホームネットワークに設置する場合)
【図11】「初期化」(図3のS300,図10のS300)の詳細フローチャート
【図12】「要求解析・デバイス設定」(図3のS340,図10のS340)の詳細フローチャート
【図13】ラッピングDMSと非DLNA機器との接続構成図(図4の49と50、及び44と16の間の部分の変形例)
【符号の説明】
【0081】
11 コントロール装置(DMP)
12 サーバー装置(ラッピングDMS)
13 UPnP Device
14、43 HTTPサーバー
15 Webカメラ
16 テレビチューナ
40 ネットワークインタフェース
41 制御部(CPU)
42 メモリ(主メモリ)
44 データ変換部
45 テレビチューナ(内蔵の場合)
46 SIP URIリスト記憶部
47 Device Num対応表記憶部
48 DMSリスト記憶部
49 非DLNA機器インタフェース
50 非DLNA機器
51,52 ワームホールディバイス(WD)
54,55 ゲートウエイ
61 ホームネットワーク1
62 ホームネットワーク2
63 SIPサーバー
64、65 UPnP IGD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続されたコントロール装置(11)とサーバー装置(12)の間で通信を行う環境であって、少なくとも、
前記サーバー装置(12)が前記通信の準備を行なう初期化処理を実行するステップ(S300)と、
前記サーバー装置(12)が前記コントロール装置(11)からコンテンツリスト取得を要求する信号であるコンテンツリスト取得要求を受信するステップ(S310)と、
前記サーバー装置(12)が前記コンテンツリスト取得要求を受信した場合にレスポンスXMLとしてコンテンツURLを前記コントロール装置(11)へ送信するステップ(S320)と、
前記サーバー装置(12)が前記コントロール装置から前記コンテンツURLに基づく映像データ送信要求を受信するステップ(S330)と、
前記サーバー装置(12)が前記受信した映像データ送信要求に応じて映像デバイスを設定するステップ(S340)と、
予め設定された終了条件が成立するまでの間(S380)、前記サーバー装置(12)が前記映像デバイスより映像データを取得するステップ(S360)と前記サーバー装置(12)が前記取得した映像データをコントロール装置(11)へ送信するステップ(S370)とを繰り返し実行するステップと、
を含むことを特徴とする映像データ送出方法。
【請求項2】
前記受信した映像データ送信要求に応じて映像デバイスを設定するステップ(S340)が、HTTPでのGET要求の内容を取得するステップ(S1210)と、
前記GET要求の内容がWebカメラからの映像読み取りを要求するものである場合(S1220:右方向)、Webカメラデバイスをデータ読み込み可能な状態に設定するステップ(S1250)と、
前記GET要求の内容がテレビチューナからの映像読み取りを要求するものである場合(S1220:左方向)、テレビチューナのチャンネルをHTTPでのGET要求の内容に従ってセットし(S1230)、テレビチューナデバイスをデータ読み取り可能な状態に設定するステップ(S1240)と、
コントロール装置(11)に対して映像データを送出可能になった旨の応答メッセージを返信する(S1270)ステップと、
を含むことを特徴とする請求項1記載の映像データ送出方法。
【請求項3】
前記初期化処理を実行するステップ(S300)が、少なくとも、
前記サーバー装置(12)の中のHTTPサーバー(43)の最上位ディレクトリーのアドレスを取得するステップ(S1130)と、
前記HTTPサーバーのポート番号を取得するステップ(S1150)と、
前記HTTPサーバーのアドレスと前記ポート番号とを含む映像デバイスを識別するデバイスディスクリプションファイルを示すURLを作成するステップ(S1160)と、
前記URLをルートデバイスとしてメモリーに記憶するステップ(S1170)と、
ネットワークに接続されたコントロール装置(11)に対してマルチキャストパケットを送出するステップ(S1180)と、
前記HTTPサーバーを起動するステップ(S1190)と、
を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の映像データ送出方法。
【請求項4】
異なるホームネットワークに属するコントロール装置(図5 11)とサーバー装置(図5 12)の間でSIPサーバー(図6 63)を介して通信の接続を行う環境であって、少なくとも、
前記サーバー装置(12)の中のUPnP Device(13)が前記通信の準備を行なう初期化処理を実行するステップ(S300)と、
前記UPnP Deviceが、前記UPnP Deviceと異なるホームネットワークに属するサーバー装置(図7 12)のうち、映像データの送信元としてアクセス可能なサーバー装置のリストを表示することを要求する信号である映像データ送信元表示要求を受信するステップ(S1000)と、
前記UPnP Deviceが、前記映像データ送信元表示要求を受信した際に、前記コントローラ装置(11)へ異なるホームネットワークに属する映像データ送信元リストを表示するステップ(S1010)と、
前記UPnP Deviceが、前記コントロール装置(11)より映像データ送信元リストに記載された他のホームネットワークに属する映像データ送信元に対して、コンテンツリスト取得を要求する信号であるコンテンツリスト取得要求を受信するステップ(S310)と、
前記UPnP Deviceが、前記コンテンツリスト取得要求を受信した場合に、異なるホームネットワークに属するワームホールデバイス(52)に対して、コンテンツリスト取得要求を送信し、得られた返信内容に基づき、レスポンスXMLとしてコンテンツURLを前記コントロール装置(11)へ送信するステップ(S320)と、
前記UPnP Deviceが、前記コントロール装置から異なるホームネットワークに属するワームホールデバイス (52)に対しての映像データ送信要求を受信するステップ(S330)と、
前記受信した映像データ送信要求に応じて映像デバイスを設定するステップ(S340)と、 前記UPnP Deviceが、予め設定された終了条件が成立するまでの間(S380)、前記映像デバイスより映像データを取得するステップ(S360)と前記取得した映像データをコントロール装置(11)へ送信するステップ(S370)とを繰り返し実行するステップと、
を含むことを特徴とする映像データ送出方法。
【請求項5】
前記受信した映像データ送信要求に応じて映像デバイスを設定するステップ(S340)が、HTTPでのGET要求の内容を取得するステップ(S1210)と、
前記GET要求の内容がWebカメラからの映像読み取りを要求するものである場合(S1220:右方向)、Webカメラデバイスをデータ読み込み可能な状態にするステップ(S1250)と、
前記GET要求の内容がテレビチューナからの映像読み取りを要求するものである場合(S1220:左方向)、テレビチューナのチャンネルをHTTPでのGET要求の内容に従って設定し(S1230)、テレビチューナデバイスをデータ読み取り可能な状態にするステップ(S1240)と、
コントロール装置(11)に対して映像データを送出可能になった旨の応答メッセージを返信するステップ(S1270)と、
を含むことを特徴とする請求項4記載の映像データ送出方法。
【請求項6】
前記初期化処理を実行するステップ(S300)が、少なくとも、
前記コントロール装置(図5 11)と異なるホームネットワークに属するサーバー装置(図5 12)の中のHTTPサーバー(43)の最上位ディレクトリーのアドレスを取得するステップ(S1130)と、
前記HTTPサーバーのポート番号を取得するステップ(S1150)と、
前記HTTPサーバーのアドレスと前記ポート番号とを含む映像デバイスを識別するデバイスディスクリプションファイルを示すURLを作成するステップ(S1160)と、
前記URLをルートデバイスとしてメモリーに記憶するステップ(S1170)と、
ネットワークに接続されたコントロール装置(11)に対してマルチキャストパケットを送出するステップ(S1180)と、
前記HTTPサーバーを起動するステップ(S1190)と、
を含むことを特徴とする請求項4又は5記載の映像データ送出方法。
【請求項7】
前記コントロール装置(11)がUPnP(Universal Plug and Play)に準拠したDMP(Digital Media Player)であり、前記サーバー装置(12)がUPnPに準拠したDMS(Digital Media Server)であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の映像データ送出方法。
【請求項8】
ネットワークに接続されたコントロール装置(11)とサーバー装置(12)の間で通信を行う環境であって、少なくとも、
前記通信の準備を行なう初期化処理を実行する手段(S300)と、
前記コントロール装置(11)からコンテンツリスト取得を要求する信号であるコンテンツリスト取得要求を受信する手段(S310)と、
前記コンテンツリスト取得要求を受信した場合にレスポンスXMLとしてコンテンツURLを前記コントロール装置(11)へ送信する手段(S320)と、
前記コントロール装置から前記コンテンツURLに基づく映像データ送信要求を受信する手段(S330)と、
前記受信した映像データ送信要求に応じて映像デバイスを設定する手段(S340)と、
予め設定された終了条件が成立するまでの間(S380)、前記映像デバイスより映像データを取得し(S360)、取得した映像データをコントロール装置(11)へ送信する処理(S370)を繰り返す手段と、
を含むことを特徴とする映像データ送出装置。
【請求項9】
前記受信した映像データ送信要求に応じて映像デバイスを設定する手段(S340)が、
HTTPでのGET要求の内容を取得する手段(S1210)と、
前記GET要求の内容がWebカメラからの映像読み取りを要求するものである場合(S1220:右方向)、Webカメラデバイスをデータ読み込み可能な状態にする手段(S1250)と、
前記GET要求の内容がテレビチューナからの映像読み取りを要求するものである場合(S1220:左方向)、テレビチューナのチャンネルをHTTPでのGET要求の内容に従ってセットし(S1230)、テレビチューナデバイスをデータ読み取り可能な状態にする手段(S1240)と、
コントロール装置(11)に対して映像データを送出可能になった旨の応答メッセージを返信する手段(S1270)と、
を有することを特徴とする請求項8記載の映像データ送出装置。
【請求項10】
前記初期化処理を実行する手段(S300)が、少なくとも、
前記サーバー装置(12)の中のHTTPサーバー(43)の最上位ディレクトリーのアドレスを取得する手段(S1130)と、
前記HTTPサーバーのアドレスと前記ポート番号とを含む映像デバイスを識別するデバイスディスクリプションファイルを示すURLを作成する手段(S1160)と、
前記URLをルートデバイスとしてメモリーに記憶する手段(S1170)と、
ネットワークに接続されたコントロール装置(11)に対してマルチキャストパケットを送出する手段(S1180)と、
前記HTTPサーバーを起動する手段(S1190)と、
を含むことを特徴とする請求項8又は9記載の映像データ送出装置。
【請求項11】
異なるホームネットワークに属するコントロール装置(図5 11)とサーバー装置(図5 12)の間でSIPサーバー(図6 63)を介して通信の接続を行う環境であって、少なくとも、
前記サーバー装置(12)の中のUPnP Device(13)が前記通信の準備を行なう初期化処理を実行する手段(S300)と、
前記UPnP Deviceと異なるホームネットワークに属するサーバー装置(図7 12)のうち、映像データの送信元としてアクセス可能なサーバー装置のリストを表示することを要求する信号である映像データ送信元表示要求を受信する手段 (S1000)と、
前記映像データ送信元表示要求を受信した際に、前記UPnP Device(図7 13)が前記コントローラ装置(11)への異なるホームネットワークに属する映像データ送信元リストを表示する手段(S1010)と、
前記コントロール装置(11)より映像データ送信元リストに記載された他のホームネットワークに属する映像データ送信元に対して、コンテンツリスト取得を要求する信号であるコンテンツリスト取得要求を受信する手段(S310)と、
前記コンテンツリスト取得要求を受信した場合に、異なるホームネットワークに属するワームホールデバイス(Wormhole Device)(52)に対して、コンテンツリスト取得要求を送信し、得られた返信内容に基づき、レスポンスXMLとしてコンテンツURLを前記コントロール装置(11)へ送信する手段(S320)と、
前記コントロール装置から異なるホームネットワークに属するワームホールデバイス(52)に対しての映像データ送信要求を受信する手段(S330)と、
前記受信した映像データ送信要求に応じて映像デバイスを設定する手段(S340)と、
予め設定された終了条件が成立するまでの間(S380)、前記映像デバイスより映像データを取得する手段(S360)と前記取得した映像データをコントロール装置(11)へ送信する手段(S370)とを繰り返し実行する手段と、
を含むことを特徴とする映像データ送出装置。
【請求項12】
前記受信した映像データ送信要求に応じて映像デバイスを設定する手段(S340)が、
HTTPでのGET要求の内容を取得する手段(S1210)と、
前記GET要求の内容がWebカメラからの映像読み取りを要求するものである場合(S1220:右方向)、Webカメラデバイスをデータ読み込み可能な状態にする手段(S1250)と、
前記GET要求の内容がテレビチューナからの映像読み取りを要求するものである場合(S1220:左方向)、テレビチューナのチャンネルをHTTPでのGET要求の内容にする手段(S1230)、テレビチューナデバイスをデータ読み取り可能な状態にする手段(S1240)と、
コントロール装置(11)に対して映像データを送出可能になった旨の応答メッセージを返信する手段(S1270)と、
を含むことを特徴とする請求項11記載の映像データ送出装置。
【請求項13】
前記初期化処理を実行する手段(S300)が、少なくとも、
前記コントロール装置(図5 11)と異なるホームネットワークに属するサーバー装置(図5 12)の中のHTTPサーバー(43)の最上位ディレクトリーのアドレスを取得する手段(S1130)と、
前記HTTPサーバーの最上位ディレクトリーのアドレスを取得する手段(S1130)と、
前記HTTPサーバーのポート番号を取得する手段(S1150)と、
前記HTTPサーバーのアドレスと前記ポート番号とを含む映像デバイスを識別するデバイスディスクリプションファイルを示すURLを作成する手段(S1160)と、
前記URLをルートデバイスとしてメモリーに記憶する手段(S1170)と、
ネットワークに接続されたコントロール装置(11)に対してマルチキャストパケットを送出する手段(S1180)と、
前記HTTPサーバーを起動する手段(S1190)と、
を含むことを特徴とする請求項12又は13記載の映像データ送出装置。
【請求項14】
前記コントロール装置(11)がUPnP(Universal Plug and Play)に準拠したDMP(Digital Media Player)であり、前記サーバー装置(12)がUPnPに準拠したDMS(Digital Media Server)であることを特徴とする、請求項8乃至13のいずれかに記載の映像データ送出装置。
【請求項15】
パーソナルコンピュータ若しくはルータで構成される、または、家電機器、セットトップボックス、携帯端末機器のいずれかに搭載される、請求項8乃至14のいずれかに記載の映像データ送出装置。
【請求項16】
前記テレビチューナが、家電機器、セットトップボックス、携帯端末機器のいずれかに搭載される、請求項8乃至15のいずれかに記載の映像データ送出装置。
【請求項17】
前記映像データ送出装置と接続される非DLNA機器との接続が、USBインタフェース、HDMIインタフェース、あるいは、音声信号と映像信号をそれぞれ分離して接続するインタフェースのいずれかまたはその組み合わせであることを特徴する請求項8乃至16のいずれかに記載の映像データ送出装置。
【請求項18】
ネットワークに接続されたコントロール装置(21)とサーバー装置(22)の間で通信を行う環境において、前記通信に際し、サーバー装置(12)の中のCPU(41)に映像データ送出を行わせるプログラムであって、少なくとも、前記CPU(41)に、
前記通信の準備を行なう初期化処理を実行するステップ(S300)と、
前記コントロール装置(11)からコンテンツリスト取得を要求する信号であるコンテンツリスト取得要求を受信するステップ(S310)と、
前記コンテンツリスト取得要求を受信した場合にレスポンスXMLとしてコンテンツURLを前記コントロール装置(11)へ送信するステップ(S320)と、
前記コントロール装置から前記コンテンツURLに基づく映像データ送信要求を受信するステップ(S330)と、
前記受信した映像データ送信要求に応じて映像デバイスを設定するステップ(S340)と、
予め設定された終了条件が成立するまでの間(S380)、
前記映像デバイスより映像データを取得するステップ(S360)と前記取得した映像データをコントロール装置(11)へ送信するステップ(S370)とを繰り返し実行するステップと、
を実行させるための映像データ送出プログラム。
【請求項19】
異なるホームネットワークに属するコントロール装置(図8 11)とサーバー装置(図8 12)の間でワームホールデバイス(図8 51,52)とSIPサーバー(図6 63)を介して通信の接続を行う環境であって、前記通信に際し、コントロール装置(図5 11)と同じホームネットワークに属する前記ワームホールデバイス(図8 51)の中のUPnP Device(図8 13)の中のCPUに映像データ送出を行わせるプログラムであって、
少なくとも、前記CPUに、
前記通信の準備を行なう初期化処理を実行するステップ(S300)と、
前記コントロール装置(11)と異なるホームネットワークに属するサーバー装置(図7 12)のうち、映像データの送信元としてアクセス可能なサーバー装置のリストを表示することを要求する信号である映像データ送信元表示要求を受信するステップ(S1000)と、
前記映像データ送信元表示要求を受信した際に、UPnP Device(図7 13)が前記コントローラ装置(11)へ異なるホームネットワークに属する映像データ送信元リストを表示するステップ(S1010)と、
前記コントロール装置(11)より映像データ送信元リストに記載された他のホームネットワークに属する映像データ送信元に対して、コンテンツリスト取得を要求する信号であるコンテンツリスト取得要求を受信するステップ(S310)と、
前記コンテンツリスト取得要求を受信した場合に、異なるホームネットワークに属するワームホールデバイス(52)に対して、コンテンツリスト取得要求を送信し、得られた返信内容に基づき、レスポンスXMLとしてコンテンツURLを前記コントロール装置(11)へ送信するステップ(S320)と、
前記コントロール装置から異なるホームネットワークに属するワームホールデバイス(52)に対しての映像データ送信要求を受信するステップ(S330)と、
前記受信した映像データ送信要求に応じて映像デバイスを設定するステップ(S340)と、
予め設定された終了条件が成立するまでの間(S380)、前記映像デバイスより映像データを取得するステップ(S360)と前記取得した映像データをコントロール装置(11)へ送信するステップ(S370)とを繰り返し実行するステップと、
を実行させるための映像データ送出プログラム。
【請求項20】
請求項18乃至19のいずれかに記載のプログラムが書き込まれた、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−11123(P2010−11123A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−168460(P2008−168460)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(504133110)国立大学法人電気通信大学 (383)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】