説明

映像・音声処理装置および映像・音声処理方法

【課題】映像・音声処理装置にデジタル通信ケーブルを介して接続された機器に、デジタルインターフェース非対応の機器から入力される信号を、映像・音声処理装置の側からの制御で切り換えることができるようにする。
【解決手段】映像・音声処理装置1は、デジタルインターフェース対応の機器50にデジタル通信ケーブルを介して接続可能なデジタル端子18と、前記機器に音声信号用のケーブルを介して接続可能であり前記デジタル端子とは異なる音声出力インターフェース20と、前記デジタルインターフェースの制御規格に準拠した制御コマンドを、前記デジタル端子から前記デジタルケーブルを通じて前記機器へ送ることで、前記機器に設けられたデジタルインターフェース対応の入力端子とデジタルインターフェース非対応の音声入力端子とを切り換えるスイッチの切り換え制御を行う制御ユニット31とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像・音声などの信号を処理するデジタルインターフェースを有する映像・音声処理装置および映像・音声処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像・音声処理装置としてのテレビジョン受信機は高機能化され、映像・音声信号と制御信号とを1本のケーブルで送受信できるデジタルインターフェース(例えば、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)入力端子)を備えたものが商品化されている。High-Definition Multimedia InterfaceおよびHDMIは登録商標である。
【0003】
HDMIケーブルには、機器間でコマンドを送受信するためのCEC(Consumer Electronics Control)制御線が設けられている。このCECでは、各ベンダーに共通するコマンド(制御信号)が規定されている他、各ベンダーが製品の機能を拡張できるように独自にコマンドを規定することもできる仕様となっている。
【0004】
CEC制御線を用いてHDMI対応機器を制御する技術として、例えばTVにHDMIケーブルを介して外部機器(STB:セットトップボックス)を接続したときに、CEC制御線を通じて制御信号をやりとりすることで、STBを入力切換のメニューの選択項目の一つに載せ、TVのリモコンから外部接続機器であるSTBを操作可能にした技術がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−124535号公報(段落[0027]〜[0029]、[0036],[0037]、[0045]〜[0048]等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年では、AVセレクタやAVアンプなどの外部機器にもHDMI端子が設けられ、TVとDVDプレーヤ等のソース機器を、AVアンプを介して接続するシステム構成が可能になってきた。
【0007】
AVアンプには、HDMI端子の他に、HDMI規格に非対応の機器を接続するためのアナログ信号の入力端子(例えばアナログ音声信号などを入力する端子も通常設けられている。
【0008】
しかしながら、HDMI端子を持つAVアンプの場合、TV側からのCEC制御で切り換えられるものは、HDMI端子に接続された機器に限定されるため、HDMI規格に非対応の機器からAVアンプに入力される音声信号を切り換えるには、AVアンプを直接操作するしかなく、せっかくのCEC制御機能が生かしきれないという問題がある。
【0009】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、映像・音声処理装置にデジタル通信ケーブルを介して接続された外部機器に、デジタルインターフェース規格に非対応の機器から入力される信号を、映像・音声処理装置の側からの制御で切り換えることができる操作性のよい映像・音声処理装置および映像・音声処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態に係る映像・音声処理装置は、デジタルインターフェース対応の機器にデジタル通信ケーブルを介して接続可能なデジタル端子と、前記機器に音声信号用のケーブルを介して接続可能であり前記デジタル端子とは異なる音声出力インターフェースと、前記デジタルインターフェースの制御規格に準拠した制御コマンドを、前記デジタル端子から前記デジタルケーブルを通じて前記機器へ送ることで、前記機器に設けられたデジタルインターフェース対応の入力端子とデジタルインターフェース非対応の音声入力端子とを切り換えるスイッチの切り換え制御を行う制御ユニットとを具備することを特徴とする。
【0011】
本発明の一実施形態に係る映像・音声処理方法は、デジタルインターフェース対応の機器にデジタル通信ケーブルを介して接続可能なデジタル端子と前記機器に音声信号用のケーブルを介して接続可能であり前記デジタル端子とは異なる音声出力インターフェースとを有する映像・音声処理装置における映像・音声処理方法であって、前記デジタルインターフェースの制御規格に準拠した制御コマンドを、前記デジタル端子から前記デジタル通信ケーブルを通じて前記機器へ送ることで、前記機器に設けられたデジタルインターフェース対応の入力端子とデジタルインターフェース非対応の音声入力端子とを切り換えるスイッチの切り換え制御を行うことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、映像・音声処理装置にデジタル通信ケーブルを介して接続された機器に、デジタルインターフェース非対応機器から入力される信号を、映像・音声処理装置の側からの制御で切り換えることができる操作性のよい映像・音声処理装置および映像・音声処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態のTVシステムの構成を示す図である。
【図2】このTVシステムにおいて入力切換動作の際の画面遷移を示す図である。
【図3】このTVシステムにおいて各HDMI機器の機器操作メニューから操作権を他へ直接移す際の画面遷移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の映像・音声処理装置の一つの実施の形態のテレビジョンシステム(以下「TVシステム」と称す)を詳細に説明する。図1はTVシステムの構成を示す図である。
【0015】
図1に示すように、この実施形態のTVシステムは、映像表示用のディスプレイ37と、受付ユニット10、Sony Philips Digital InterFace端子20(以下「S/PDIF端子20」と称す)等の音声出力端子と、ディスプレイ37およびS/PDIF端子20へ出力する情報を生成する機能部品を収容したTV筐体1と、このTV筐体1に設けられた外部接続用のHDMI入力端子18,19とを有する。受付ユニット10は、リモートコントローラ90(以下「リモコン90」と称す)またはTV筐体1(装置本体)に設けられた操作部からの、機器(AVアンプ50やレコーダ4等)に対する入力切換操作による制御信号を受け付ける。
【0016】
なお、HDMI入力端子18,19にHDMIケーブル5,6,7を介して接続されるHDMI対応の機器をHDMI機器と称す。この例では、AVアンプ50およびこのAVアンプ50にHDMIケーブル7を介して接続されたレコーダ4などがHDMI機器である。
【0017】
また、TV筐体1やAVアンプ50のHDMI入力端子18,19,57は一つや二つとは限らず3つ設けてもよい。S/PDIFは音声のデジタル信号を入出力するための機器間のインターフェース規格である。
【0018】
TV筐体1内には、HDMI入力端子18から内部配線用のHDMIケーブル5が接続され、TVユニット3へ配線されている。TV筐体1内には、HDMI入力端子19から内部配線用のHDMIケーブル6が接続され、TVユニット3へ配線されている。
HDMIケーブル5,6には、CEC制御線13、映像・音声のデータ線17の他、ホットプラグ検出線(HPD線)、+5V電源線等が含まれる。HPD線は制御装置30から各HDMI機器へHPD信号が送られる線である。+5V電源線は電源投入されたHDMI機器から制御装置30へ+5Vの電圧が印加される線である。
【0019】
CEC制御線13は、1本の配線を分岐させてAVアンプ50と制御装置30とに接続されている。AVアンプ50と制御装置30間でCEC制御線13を介してコマンド(各種制御コマンド)をやりとりすることで、HDMIケーブル5,6,7で接続された機器の検出と動作制御、信号切換制御などを行うことができる。
【0020】
CEC制御線13で送受されるコマンドとしては、例えば個々のベンダーで個別の機能制御などに利用するためのベンダーコマンド、デッキコントロールコマンド、プレイフォワードコマンド、アクティブソースコマンドなどがある。ベンダーコマンド、デッキコントロールコマンドおよびプレイフォワードコマンドはダイレクトコマンドであり、宛先を特定したコマンドである。ベンダーコマンドは、ベンダー独自の制御コマンドであり、例えばリモコン90からAVアンプ50に対する信号切換動作を行わせるためのコマンド等である。
【0021】
TVユニット3は、制御装置30、内部配線のHDMIケーブル5が接続されたHDMIレシーバ32、アンテナに接続されたTVチューナー35、映像・音声処理ユニット36、ディスプレイ37などを有している。
【0022】
HDMIレシーバ32は、HDMI入力端子18(HDMIケーブル5)への外部機器(AVアンプ50)の接続を検出し、接続が検出されたAVアンプ50やその先に接続されるレコーダ4に対するHPD信号をde-assert(停止状態)からAsserted(アクティブな状態)へ変化させる。HPD信号は、HDMIケーブル5,7のHPD線を通じてAVアンプ50へ送られる。
【0023】
TVチューナー35は、アンテナから入力されたテレビジョン放送を受信し、受信した番組の映像・音声を映像・音声処理ユニット36に出力する。TVチューナー35は、デジタルチューナーまたはアナログチューナーの少なくとも一方を備える。また、デジタルチューナーまたはアナログチューナーは、それぞれ複数実装されていてもよい。
【0024】
映像・音声処理ユニット36は、TVチューナー35から入力される映像・音声のデジタルデータまたはアナログ信号、およびHDMIレシーバ32から入力される映像・音声のデジタルデータをそれぞれ再生する。
【0025】
映像・音声処理ユニット36は、制御装置30により制御されて、TVチューナー35とHDMIレシーバ32からそれぞれ入力されるデータまたは信号を切り換えてディスプレイ37およびS/PDIF40へ出力する。また、映像・音声処理ユニット36は、CEC連動設定の選択画面をディスプレイ37に表示する。
【0026】
ユーザは、ディスプレイ37に表示されたCEC連動設定の選択画面にて、リモコン90やTV筺体1に設けられた図示しない操作ボタンを操作してCEC連動設定のON(使用)またはOFF(不使用)のいずれかを選択すると、制御装置30のシステム制御ユニット31が、メモリ34にCEC連動設定(ON(使用)またはOFF(不使用))を設定する。マルチ画面表示機能を有する場合、映像・音声処理ユニット36は、分割した複数の画面にそれぞれに異なる入力ソース(映像ソース)を表示するよう再生処理する。
【0027】
ディスプレイ37は、映像・音声処理ユニット36により再生処理された映像を画面に表示する。S/PDIF端子20は、映像・音声処理ユニット36により再生処理された音声信号を外部へ出力する端子である。S/PDIF端子20は、同軸ケーブルまたは光ファイバーケーブルを介してAVアンプ50の端子55に接続されている。
【0028】
制御装置30は、システム制御ユニット31と、CEC制御ユニット33と、メモリ34とを有している。
メモリ34には、CEC連動設定(ON(使用)またはOFF(不使用)の内容、つまりCEC連動設定データが記憶される。すなわち、メモリ34には、HDMI機器に対するCEC制御線13を通じた機器制御機能(CEC制御機能)の「使用」または「不使用」のいずれかの設定データが記憶されている。
【0029】
またメモリ34には、各HDMI機器が取得可能な論理アドレス「0」〜「15」および各HDMIの物理アドレス「1.0.0.0」、「2.0.0.0」、HDMI機器の物理アドレス、この例ではAVアンプ50やレコーダ4の物理アドレス等が記憶される。
【0030】
HDMI機器に付与される物理アドレスは機器固有のものではなく、当該機器の接続位置(接続ポート)に応じて制御装置30のCEC制御ユニット33が決定し、各機器へ付与する。HDMIケーブル5が接続されるHDMIレシーバ32のポートの物理アドレスが、例えばHDMI1(1.0.0.0)であれば、そのポートに外部接続されるAVアンプ50には、HDMI1−1(1.1.0.0)が付与され、AVアンプ50に接続されたHDMI機器であるレコーダ4には、HDMI1−2(1.2.0.0)が付与される。
【0031】
システム制御ユニット31は、受付ユニット10で受け付けられたリモコン操作のコマンドに応じたTVユニット3内部の制御を行うと共に、リモコン操作のコマンド(AVアンプ50に対する信号切換操作のコマンド、階層構造の各メニューへ切り換えのコマンド、CEC連動設定の選択操作のコマンド等)をCEC制御ユニット33に渡す。すなわちシステム制御ユニット31は、受付ユニット10により受け付けられた制御信号に従い、機器操作メニュー画面で入力切換操作がなされた機器の入力端子を切り換える制御コマンドを送信する。制御コマンドは、機器の入力端子をサイクリックに切り換えるためのものである。
【0032】
システム制御ユニット31は、HDMIのCEC規格に準拠した制御コマンドを、HDMIの端子であるHDMI入力端子18からHDMIケーブル7を通じてHDMI機器であるAVアンプ50へ送ることで、AVアンプ50に設けられたHDMI対応の入力端子であるHDMI入力端子57とHDMI非対応の入力端子である入力端子55,56とを切り換えるスイッチ51の切り換え制御を行う制御ユニットとして機能する。
【0033】
また、システム制御ユニット31は、外部接続された機器(AVアンプ50、レコーダ4など)に対し、他の機器からの入力信号の入力端子を切り替るための機器操作メニューをディスプレイ37に表示する表示制御ユニットとして機能する。
【0034】
CEC制御ユニット33は、受け取ったコマンドに応じてHDMIケーブル5からの共通の制御線であるCEC制御線13を通じて各ユニットを制御する。
受け取ったコマンドが、例えばレコーダ4へのビデオ映像の再生操作のコマンドであれば、システム制御ユニット31は、映像・音声処理ユニット36を制御してレコーダ4から入力される映像・音声のデータを再生処理させ、映像信号をディスプレイ37に出力させ、音声信号をS/PDIF端子20へ出力させる。
【0035】
また、AVアンプ50に対する信号切り換え操作のコマンドであれば、CEC制御ユニット33は、AVアンプ50へ信号切り換えのためのコマンドを、CEC制御線13を通じてAVアンプ50へ送信し、AVアンプ50のスイッチ51を切り換える。
【0036】
この際、CEC制御ユニット33は、メモリ34の設定データを確認し、CEC連動設定が「ON」、つまりCEC制御による機器制御機能を使用する「使用」と設定されている場合、コマンド送信を行い、CEC連動設定が「OFF」、つまりCEC制御による機器制御機能を使用しない「不使用」と設定されていた場合、コマンドを送信しない。この例では、CEC連動設定が「ON」、つまりCEC制御による機器制御機能を使用する「使用」と設定されているものとする。
【0037】
HDMI入力端子18には、外部接続機器として、例えばAVアンプ50等が汎用のHDMIケーブル7を介して着脱自在に接続される。AVアンプ50には、S/PDIF用の端子55、アナログ入力端子56と、HDMI入力端子57等が設けられている。
【0038】
S/PDIF用の端子55には、TV筐体1のS/PDIF端子20からのS/PDIFケーブルが接続される。アナログ入力端子56には、HDMI規格に非対応の機器(例えば携帯音楽プレーヤ9などのアナログ音声出力端子)に接続されたアナログ音声信号ケーブル8が接続される。HDMI入力端子57には、HDMIケーブル7を介してHDMI対応機器であるレコーダ4が接続されている。
【0039】
CEC制御ユニット43は、HPD信号がアクティブな状態に変化すると、ポートに応じて与えられたHDMI機器(レコーダ4)の物理アドレスと、メモリ34から読み出した一つの通信用の論理アドレスの候補を含めたアドレス取得要求のポーリング動作を、HDMIケーブル5を通じて行う。
【0040】
その後、他のHDMI機器(例えばAVアンプ50等)から、候補の論理アドレスが使用中である旨の応答(ACK)が受信されなかった場合、CEC制御ユニット43は、その候補を通信用の論理アドレスとして決定し、決定した論理アドレスとレコーダ4の物理アドレスを含む通信用アドレスをアドレス決定通知に含ませて、CEC制御線13を通じて制御装置30のCEC制御ユニット33へ送信する。
【0041】
HDMI入力端子18には外部接続されたHDMI機器としてのAVアンプ50が接続されている。AVアンプ50は、スイッチ51、アンプ部52、CEC制御ユニット53、S/PDIF用の入力端子55、アナログ音声信号入力用の端子56、HDMI入力端子57等を有している。このAVアンプ50は、TV筐体1からCEC制御を受けてスピーカ54へ出力するソース(音声信号)の入力端子を切り換える切換機器である。
【0042】
スイッチ51は、CEC制御ユニット53の制御を受けて、外部入力される音声信号の入力端子55,56,57を切り換える。スイッチ51は、例えばロータリ式の信号切り換えスイッチなどである。
アンプ部52は、いずれかの入力端子55,56,57から、入力されたデジタル音声データをアナログの音声信号へ変換および増幅、または入力されたアナログ信号を増幅し、増幅したアナログの音声信号を左右のスピーカ54へ出力する。
【0043】
CEC制御ユニット53は、TV筐体1にAVアンプ50が接続されたときに、HPD信号がアクティブな状態に変化すると、このAVアンプ50に与えられた物理アドレス(自機の物理アドレス)と、予め設定された論理アドレスの候補とを含めたアドレス取得要求のポーリング動作を、HDMIケーブル5,7を通じて行い、他のHDMI機器(例えばレコーダ4等)から候補の論理アドレスが使用中である旨の応答(ACK)が受信されなかった場合、その候補を通信用の論理アドレスとして決定し、決定したAVアンプ50の論理アドレスと物理アドレスを含む通信用アドレスをアドレス決定通知に含ませて、CEC制御線13を通じて制御装置30のCEC制御ユニット33へ送信する。
【0044】
CEC制御ユニット53は、CEC制御線13を通じて受信された制御コマンドにより、スイッチ51を制御して、外部から入力される音声信号の入力端子55,56,57を切り換える。
【0045】
例えば信号の入力端子を入力端子57に切り換えて、レコーダ4からの音声信号をスピーカ54から出力中に、視聴者がリモコン90にて、ディスプレイ37に機器操作メニュー画面(AVアンプ)を表示させて、例えば「入力切換」の操作を行うと、システム制御ユニット33からCEC制御ユニット33へ「入力切換」の指示が行われて、CEC制御ユニット33は、この指示に従い端子を切り換えるための制御コマンドを、CEC制御線13を通じてAVアンプ50へ送る。
【0046】
AVアンプ50では、TV筐体1からCEC制御線13を通じて端子を切り換えるためのコマンドが受信された場合、CEC制御ユニット53が、信号の入力端子を端子56へ切り換える。これにより、携帯音楽プレーヤ9から入力されたアナログの音声信号がスピーカ54へ出力されるようになる。
【0047】
AVアンプ50のHDMI入力端子57には外部接続のHDMI機器としてのレコーダ4が接続されている。レコーダ4は、CEC制御ユニット43、録画再生部45などを有している。CEC制御ユニット43は、上記AVアンプ50と同様にCEC制御線13を通じて制御装置30のCEC制御ユニット33とコマンドをやりとりし、操作権をTV側へ切り換える等の動作を行う。録画再生部45はTVチューナーなどを備え、テレビ放送を受信しテレビ番組の録画と再生動作を行い、再生した映像信号と音声信号をAVアンプ50へ出力する。
【0048】
以下、この実施形態のTVシステムの動作を説明する。まず図2を参照してAVアンプ50に対する入力端子切換動作を説明する。
(入力切換動作)図2はディスプレイ37に表示したメニュー画面でのリモコン操作による入力切換動作(AVアンプの入力端子切換動作)を示す図である。
【0049】
このTVシステムでは、家庭の壁コンセントなどの商用電源に、このTV筐体1から引き出されたACコンセントが差し込まれ、TV筐体内の電源ユニット(図示せず)に一次電源が供給されると、電源ユニットから動作用の電力がTVユニット3へ供給される。
【0050】
電源ユニットから動作用の電力がTVユニット3へ供給されると、TVユニット3では、HDMIレシーバ32がAVアンプ50とCEC制御線13を通じた信号のやりとりによりAVアンプ50およびレコーダ4の接続を検出し、それをシステム制御ユニット31へ通知する。システム制御ユニット31は、機器選択メニュー画面にて機器選択を可能とするよう該当機器名をアクティブにする。以下の画面制御動作はシステム制御ユニット31が行うものである。
【0051】
ここで、視聴者がリモコン90を操作して、ディスプレイ37に、図2に示すように、入力切換画面71を表示させると、入力切換画面71には、現在切り替え可能な項目一覧72に、例えば「地デジ011」、「HDMI1」、「HDMI2」…等の項目が表示される。
【0052】
視聴者がリモコン90にて、項目一覧72の「HDMI1」を選択操作すると(ステップS101)、「AVアンプを操作」74と「レコーダを操作」75の項目が表示された第2階層の機器選択メニュー73が表示される。つまりこの機器操作メニュー73(の画面)には、HDMI対応機器間で入力切換の操作権を相互に切り替えるための項目が設けられている。
【0053】
さらに、視聴者がリモコン90にて、この機器選択メニュー73の「AVアンプを操作」74を選択操作すると(ステップS101)、機器毎の機器操作メニューであるAVアンプの機器操作メニュー76が表示される。
【0054】
機器操作メニュー76には、AVアンプ50の機能制御が可能な項目として、例えば入力端子の切換制御を示す「入力切換」77、他のHDMI機器への切換制御を示す「レコーダを操作」78が表示され、これらの項目の横には、ラスト入力された端子である「AVアンプ入力端子3」などの入力端子の名称(項目)79が表示される。
【0055】
ここで、AVアンプ50のS/PDIF用の入力端子55は、画面の項目の「AVアンプ入力端子1」に対応し、アナログ信号の入力端子56は、画面の項目の「AVアンプ入力端子2」に対応し、HDMI入力端子57は、画面の項目の「AVアンプ入力端子3」に対応しているものとする。
【0056】
メモリ34にはラスト入力された端子として、HDMI入力端子57の設定が保持されており、この設定では、HDMI入力端子57に接続されているレコーダ4からの映像信号と音声信号がAVアンプ50に入力され、スピーカ54より出力される。
【0057】
ここで、視聴者がリモコン90にて、機器操作メニュー76の「入力切換」77を選択操作すると(ステップS102)、機器操作メニュー76の自体の項目(「入力切換」77,「レコーダを操作」78)は変わらず、これらの項目の横に、AVアンプ50の側で切り替えられる次の入力端子を示す「AVアンプ入力端子1」などの名称(項目)80が表示される。
【0058】
「AVアンプ入力端子1」の設定では、AVアンプ50における信号の入力端子は、S/PDIF用の入力端子55に切り替えられ、テレビ音声がスピーカ54より出力される。
【0059】
続いて、視聴者がリモコン90にて、機器操作メニュー76の「入力切換」77を選択操作すると(ステップS103)、機器操作メニュー76の自体の項目(「入力切換」77,「レコーダを操作」78)は変わらず、これらの項目の横に、切り替えられた次の入力端子を示す「AVアンプ入力端子2」などの名称(項目)81が表示される。
【0060】
「AVアンプ入力端子2」の設定では、AVアンプ50における信号の入力端子は、アナログ信号の入力端子56へ切り替えられ、HDMI非対応の機器である携帯音楽プレーヤ9の音声(音楽)がスピーカ54より出力されるようになる。
【0061】
さらに、視聴者がリモコン90にて、機器操作メニュー76の「入力切換」77を選択操作すると(ステップS104)、機器操作メニュー76の自体の項目(「入力切換」77,「レコーダを操作」78)は変わらず、これらの項目の横に、切り替えられた次の入力端子を示す「AVアンプ入力端子3」などの名称(項目)79が表示される。
【0062】
AVアンプ50における信号の入力端子が一通り切り替えられ、初期の入力端子57に戻され、レコーダ4からの映像信号と音声信号がAVアンプ50に入力され、レコーダ4により再生された音声がスピーカ54より出力される。以降、「入力切換」77を操作する毎に、入力端子を示す項目がサイクリックに切り替えられる。
【0063】
次に、図3の画面遷移図を参照してTV筐体1に外部接続された各HDMI機器の機器操作メニューから他のHDMI機器へ操作権を直接移す(切り換える)際の動作を説明する。
【0064】
視聴者がリモコン90を操作して、ディスプレイ37に、図3に示すように、入力切換画面71を表示させると、入力切換画面71には、現在切り替え可能な項目一覧72に、例えば「地デジ011」、「HDMI1」、「HDMI2」…等の項目が表示される。
【0065】
視聴者がリモコン90にて、項目一覧72の「HDMI1」を選択操作すると(ステップS101)、「AVアンプを操作」74と「レコーダを操作」75との2つの項目が表示された第2階層の機器選択メニュー73が表示される。
【0066】
さらに、視聴者がリモコン90にて、この機器選択メニュー73の「レコーダを操作」75を選択操作すると(ステップS201)、機器毎の機器操作メニューであるレコーダの機器操作メニュー91が表示される。
【0067】
この機器操作メニュー91には、例えば「リンクメニュー」、「番組表」、「番組選択」、「予約一覧」、「セットアップメニュー」、「ドライブ切換」、「画面表示」、「電源」、「AVアンプを操作」92などといったレコーダ4の機能制御が可能な項目が表示される。
【0068】
続いて、視聴者がリモコン90にて、機器操作メニュー91の「AVアンプを操作」92を選択操作すると(ステップS202)、システム制御ユニット31により画面が切り換えられて、図2で示したAVアンプ50の機能を制御するための機器操作メニュー76が表示される。
【0069】
さらに、この機器操作メニュー76の「レコーダを操作」78を選択操作すると(ステップS203)、システム制御ユニット31により画面が切り換えられて、元のレコーダ4の機能を制御するための機器操作メニュー91が表示される。
【0070】
以上のようにこの実施形態のTVシステムによれば、HDMI対応機器(TV筐体1)に設けたHDMI入力端子18からHDMIのCEC規格に準拠した制御コマンドをHDMIケーブル5,7を通じてAVアンプ50へ送ることで、AVアンプ50に設けられたHDMI入力端子57とHDMI非対応の入力端子55,56とを切り換えるスイッチ51の切り換え制御を行うことで、TV筐体1にHDMIケーブル7を介して接続された機器であるAVアンプ50に、携帯音楽プレーヤ9から入力される音声信号を、TV筐体1の側(リモコン90)からの制御で切り換えることができる。
【0071】
すなわち、HDMI対応機器どうし(TV筐体1とAVアンプ50)を接続し、一方のHDMI対応機器(AVアンプ50)に設けた信号切換用のスイッチ51を制御することで、HDMI非対応の機器(携帯音楽プレーヤ9)からHDMI対応機器(AVアンプ50)に入力される信号とHDMI対応機器(レコーダ4)からの信号とを切り換えることで、あたかもTVの側からHDMI対応機器(レコーダ4)とHDMI非対応の機器(携帯音楽プレーヤ9)を制御しているのと同じ効果が得られる。
【0072】
なお、本願発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形してもよい。上記実施形態で説明した各構成要素を、コンピュータのハードディスク装置などのストレージにインストールしたプログラムで実現してもよく、また上記プログラムを、コンピュータ読取可能な電子媒体:electronic mediaに記憶しておき、プログラムを電子媒体からコンピュータに読み取らせることで本発明の機能をコンピュータが実現するようにしてもよい。電子媒体としては、例えばCD−ROM等の記録媒体やフラッシュメモリ、リムーバブルメディア(Removable media)等が含まれる。さらに、ネットワークを介して接続した異なるコンピュータに構成要素を分散して記憶し、各構成要素を機能させたコンピュータ間で通信することで実現してもよい。
【符号の説明】
【0073】
1…TV筺体、3…TVユニット、4…レコーダ、5,6,7…HDMIケーブル、8…アナログ音声ケーブル、9…携帯音楽プレーヤ、90…リモートコントローラ(リモコン)、10…受付ユニット、18,19,57…HDMI入力端子、13…CEC制御線、33,43,53…CEC制御ユニット、30…制御装置、31…システム制御ユニット、32…HDMIレシーバ、34…メモリ、37…ディスプレイ、20…S/PDIF用の端子、50…AVアンプ、54…スピーカ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルインターフェース対応の機器にデジタル通信ケーブルを介して接続可能なデジタル端子と、
前記機器に音声信号用のケーブルを介して接続可能であり前記デジタル端子とは異なる音声出力インターフェースと、
前記デジタルインターフェースの制御規格に準拠した制御コマンドを、前記デジタル端子から前記デジタル通信ケーブルを通じて前記機器へ送ることで、前記機器に設けられたデジタルインターフェース対応の入力端子とデジタルインターフェース非対応の音声入力端子とを切り換えるスイッチの切り換え制御を行う制御ユニットと
を具備することを特徴とする映像・音声処理装置。
【請求項2】
ディスプレイと、
前記機器に対し、他の機器からの入力信号の入力端子を切り替るための機器操作メニューを前記ディスプレイに表示する表示制御ユニットと
を具備することを特徴とする請求項1記載の映像・音声処理装置。
【請求項3】
リモコンまたは装置本体に設けられた操作部からの前記機器の入力切換操作による制御信号を受け付ける受付ユニットを備え、
前記表示制御ユニットは、
前記受付ユニットにより受け付けられた制御信号に従い、前記機器操作メニュー画面で入力切換操作がなされた前記機器の入力端子を切り換える制御コマンドを送信することを特徴とする請求項2記載の映像・音声処理装置。
【請求項4】
前記表示制御ユニットは、
前記機器の入力端子をサイクリックに切り換えるための制御コマンドを送信することを特徴とする請求項3記載の映像・音声処理装置。
【請求項5】
前記デジタルインターフェース非対応の音声入力端子が、アナログ音声信号の入力端子であることを特徴とする請求項1記載の映像・音声処理装置。
【請求項6】
デジタルインターフェース対応の機器にデジタル通信ケーブルを介して接続可能なデジタル端子と前記機器に音声信号用のケーブルを介して接続可能であり前記デジタル端子とは異なる音声出力インターフェースとを有する映像・音声処理装置における映像・音声処理方法であって、
前記デジタルインターフェースの制御規格に準拠した制御コマンドを、前記デジタル端子から前記デジタル通信ケーブルを通じて前記機器へ送ることで、前記機器に設けられたデジタルインターフェース対応の入力端子とデジタルインターフェース非対応の音声入力端子とを切り換えるスイッチの切り換え制御を行うことを特徴とする映像・音声処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−16054(P2012−16054A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191364(P2011−191364)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【分割の表示】特願2010−83451(P2010−83451)の分割
【原出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】