説明

映像信号伝送方法及び映像信号伝送装置

【課題】複数の映像データの伝送を行った場合であっても、画面のこま飛びやフリーズ等が発生することのない映像信号伝送方法及び映像信号伝送装置を提供する。
【解決手段】送信手段150は、複数の非同期の並列信号データを、共通のクロックであるBCLK1に同期した並列信号データに同期させた上で、所定のビット幅の並列信号に変換し、さらに、直列信号データに変換して送信する。受信手段160は、受信した直列信号データを所定のビット幅の並列信号データに復元し、さらに、任意のビット幅を有する並列信号データに復元した上で、それぞれ所定のクロックに同期した信号に変換するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信側において映像信号をパラレルシリアル変換し、映像信号をシリアル信号として送信し、受信側において受信したシリアル信号をシリアルパラレル変換し、元の映像信号に復元する映像信号伝送方法及び映像信号伝送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及により、大容量のデジタルデータをシリアルデータに変換して、高速で伝送するシステムが必要不可欠となっている(例えば、特許文献1参照)。このような高速シリアルデータの伝送システムの一つとして、SERDES(Serializer Desirializer:シリアル−パラレル変換)技術が知られている。図12は、SERDES技術を説明するための図である。SERDES技術の規格として、SERDESエンコード部001は、送信すべき8ビット×4(=32ビット)のデジタルデータが入力される入力端子と、4ビットのCOMMA(コンマ)符号が入力される入力端子と、これらの信号から変換されたシリアル差動信号を出力する出力端子とを有している。また、SERDESデコード部002は、前記シリアル差動信号が入力される入力端子と、このシリアル差動信号から変換された8ビット×4(=32ビット)のデジタルデータを出力する出力端子と、4ビットのCOMMA符号を出力する出力端子とを有している。
【0003】
シリアル差動信号のデータ送受信を正しく行うために、送信すべき8ビット×4のデジタルデータに、定期的にKコードと呼ばれる32ビットの符号を挿入している。COMMA符号は、このKコードが挿入されたタイミングと同じタイミングで、4ビットの符号“1000”として伝送される。COMMA符号は、Kコードが挿入されていない通常のデータの場合は、符号“0000”となる。Kコードは、データを受信する際にエラー検出などに用いられるコードであり、COMMA符号は、このKコードが挿入されているポイントをSERDESデコード部002において、検索するときに使用されるものである。
【0004】
【特許文献1】特開2003−32259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のように、SERDES技術は主にインターネットにおけるデータ伝送を前提にしたもの(32ビットのデータ伝送を前提にしたもの)であるが、映像信号のデータ幅は通常24ビットであるので、符号化時の効率がよくないという問題があった。また、上記した従来のデータ伝送システムにおいては、入力されるソースに依存してドットクロックが異なるため、連続する映像データの伝送を行うと、データの連続性が失われ、画面のこま飛びやフリーズ等が発生するという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記したような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、連続する映像データの伝送を行った場合であっても、画面のこま飛びやフリーズ等が発生することのない映像信号伝送方法及び映像信号伝送装置を提供することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、符号化時の効率を向上させることができる映像信号伝送方法及び映像信号伝送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の映像信号伝送方法は、
任意のビット幅を有する複数の並列信号データを第1のクロックに同期した並列信号データにそれぞれ変換する工程、前記第1のクロックに同期した並列信号データを所定のビット幅の並列信号データにそれぞれ変換する工程、前記所定のビット幅に変換された並列信号データをそれぞれ直列信号データに変換する工程、を有する送信ステップと、
前記直列信号データを受信して前記所定のビット幅の並列信号データにそれぞれ復元する工程、前記所定のビット幅に復元された並列信号データを前記任意のビット幅を有する複数の並列信号データにそれぞれ復元する工程、前記任意のビット幅に復元された並列信号データをそれぞれ所定のクロックに同期した信号にそれぞれ変換する工程、を有する受信ステップと、
を備えたものである。
【0009】
本発明の映像信号伝送装置は、
任意の並列ビット幅を有する複数の並列信号データを第1のクロックに同期した並列信号データにそれぞれ変換する第1のレートの変換手段、前記第1のクロックに同期した並列信号データを所定のビット幅の並列信号データにそれぞれ変換するビット幅変換手段、
前記所定のビット幅に変換された並列信号データをそれぞれ直列信号データに変換するパラレル/シリアル変換手段、を有する送信手段と、
前記直列信号データを受信して前記所定のビット幅の並列信号データにそれぞれ復元するシリアル/パラレル変換手段、前記所定のビット幅に復元された並列信号データを前記任意のビット幅を有する複数の並列信号データにそれぞれ復元するビット幅復元手段、前記任意のビット幅に復元された並列信号データをそれぞれ所定のクロックに同期した信号にそれぞれ変換する第2のレート変換手段、を有する受信手段と、
を備えたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、送信側で、複数の異種類の(同期系が異なる)データを同一の同期系に変換してから直列送信し、受信側で、受信したデータを復号するように構成しているので、連続する映像信号の有効エリアを途切れることがないように、伝送することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施の形態1.
先ず、SERDES技術を利用した映像信号伝送装置の概要について説明する。パーソナルコンピュータ(PC)のビデオカード等から出力されるアナログRGB映像信号をAD変換した場合、通常、RGBそれぞれの映像信号を8ビット(すなわち、8ビット×3=24ビット)に変換することが一般的となっている。しかし、SERDES技術を用いて最も効率よく映像信号を伝送するためには、8ビット×4(=32ビット)に変換する必要があり、送信側では8ビット×3(=24ビット)から8ビット×4(=32ビット)への変換、すなわち、24−32変換が必要となる。また、受信側では8ビット×4(=32ビット)から8ビット×3(=24ビット)への変換、すなわち、32−24変換が必要となる。
【0012】
ここで、24−32変換において、24ビットの映像信号に同期したクロックをXCLKとすると、32ビットに変換する場合は、クロックXCLKの3/4倍の周波数のクロックYCLKが必要となる。データを欠落なく、また、順番を損なうことなく32ビットに変換するためには、クロックXCLKでデータをDRAM等のメモリに書き込み、クロックYCLKでメモリからデータを読み出す構成が必要となる。
【0013】
例えば、XGA(ドットクロック65MHz、水平総画素数1344、垂直総ライン数806)の信号に、24−32変換を行うとすると、仮にクロックXCLKとクロックYCLKが非同期であった場合、データを欠落なく読み出すためには、水平走査周期(H周期)で1ライン分のデータをメモリに書き込んだ後、1ライン分のデータをメモリから読み出すという動作が必要となる。したがって、XGAの信号の場合、水平総画素数は1344(2進数で表すと‘10101000000’)であるから、メモリには最低でも11ビットの深さ方向の容量が必要となる。書き込む信号は32ビットの映像データの他に、水平同期信号HSYNC、垂直同期信号VSYNCも必要であるため34ビットが必要となり、メモリの容量としては、11×34ビットが必要である。同様に、32−24変換においても、同容量のメモリが必要となる。
【0014】
図1は、SERDES技術を用いる映像信号伝送装置の構成を概略的に示すブロック図である。図1に示されるように、映像信号伝送装置は、一定周期の基準クロックREFCLKを発生する基準クロック発生部100と、入力される様々な周波数の映像信号を一定周波数の映像信号に変換した後、シリアル差動信号に変換して出力する送信手段110と、送信手段110から出力されたシリアル差動信号を受信し、映像信号に変換する受信手段120とを有している。
【0015】
図1に示されるように、送信手段110は、クロック発生部(A)111と、クロック発生部(B)112と、クロック発生部(C)113と、画像入力部101と、レート変換部114と、24−32変換部115と、記憶装置であるDRAM部(A)116と、書き込み制御部であるW制御部(A)と、読み出し制御部であるR制御部(A)118と、同期信号エンコード部119と、SERDESエンコード部001とを有している。
【0016】
クロック発生部(A)111は、入力される基準クロックREFCLKに同期して、例えば、65MHzのクロックBCLK1を発生させる。クロック発生部(B)112は、入力される基準クロックREFCLKに同期して、クロックBCLK1の3/4の周波数のクロックRCLKを発生させる。クロック発生部(C)113は、基準クロックREFCLKに同期して、クロックBCLK1の3/2の周波数のクロックTSCLKを発生させる。
【0017】
画像入力部101は、入力されるアナログ映像信号又はTMDS(Transmission Minimized Differential Signaling)信号を、ドットクロックDCLKと、これに同期した24ビットのRGBデジタルデータ(RGB24bit)、水平同期信号HSYNC、垂直同期信号VSYNCに変換して出力するADコンバータやデジタルビデオインターフェース(DVI)レシーバ等で構成される。レート変換部114は、水平同期信号HSYNC、垂直同期信号VSYNC、24ビットRGBデータをクロックBCLK1に同期して、一定レートの映像信号に変換する。24−32変換部115は、24ビットのRGBデータを32ビットの映像データ(W−D32bit)に変換する。
【0018】
DRAM部(A)116は、4×32ビット容量を持ち、書き込み用のクロック入力端子、2ビットの書き込み用のアドレス端子、入力信号が“H”(ハイレベル)のときに書き込み有効となる書き込み制御端子(ライトイネーブル(WE)端子)、及び読み出し用のクロック端子、2ビットの読み出しアドレス端子、入力信号が“H”のときに読み出し有効となる読み出し制御端子(リードイネーブル(RE)端子)とを有する。DRAM部(A)116は、データの書き込みと読み出しを、それぞれのクロックに従って、非同期に行うことができる。W制御部(A)117は、DRAM部(A)116へのデータの書き込みを制御する。R制御部(A)118は、DRAM部(A)116からのデータの読み出しを制御する。
【0019】
同期信号エンコード部119は、DRAM部(A)116から出力された水平同期信号HSYNC、垂直同期信号VSYNCを符号化し、映像信号のブランキング期間を利用して符号化信号を挿入する。SERDESエンコード部001は、32ビットのデジタルデータと4ビットのCOMMA符号からシリアル差動信号を生成する。
【0020】
また、図1に示されるように、受信手段120は、クロック発生部(D)121と、クロック発生部(F)122と、クロック発生部(E)123と、SERDESデコード部002と、同期信号デコード部125と、記憶装置であるDRAM部(B)126と、書き込み制御部であるW制御部(B)127と、読み出し制御部であるR制御部(B)128と、32−24変換部129と、リサイズ部130と、画像出力部131とを有している。
【0021】
クロック発生部(F)122は、送信手段110のクロック発生部(A)111が生成するクロックBCLK1と同じ周波数のクロックBCLK2を発生させる。クロック発生部(F)122は、基準クロックREFCLKに同期して、例えば、65MHzのクロックBCLK2を発生させる。クロック発生部(D)121は、送信手段110のクロック発生部(C)113と同様に、基準クロックREFCLKに同期して、クロックBCLK2の3/2の周波数のクロックRSCLKを発生させる。クロック発生部(E)123は、基準クロックREFCLKに同期して、クロックBCLK2の3/4の周波数のクロックWCLKを発生させる。
【0022】
SERDESデコード部002は、入力されたシリアル差動信号を、32ビットの映像データ(RSD32bit)と4ビットのCOMMA符号に変換する。同期信号デコード部125は、SERDESデコード部002によりデコードされた32ビットの映像データからCOMMA符号を検知して同期信号を再生成する。DRAM部(B)126は、送信手段110のDRAM部(A)116と同様の構成を有し、同様の動作をする。W制御部(B)127は、DRAM部(B)126の書き込みを制御する。R制御部(B)128は、DRAM部(B)126の読み出しを制御する。
【0023】
32−24変換部129は、32ビットの映像データ(R−D32bit)を24ビット(RGB24bit)に変換する。リサイズ部130は、32−24変換部129から出力される水平同期信号HSYNC、垂直同期信号VSYNC、24ビットのRGBデータを、VGAやXGAなど様々なフォーマットに変換する。画像出力部131は、リサイズ部130から出力されるドットクロックDCLKや水平同期信号HSYNC、垂直同期信号VSYNC、24ビットのRGBデータから、アナログ映像信号や、TMDS信号に変換して出力するDAコンバータやDVIトランスミッタ等で構成される。
【0024】
次に、図1に示される映像信号伝送装置の送信手段110の動作を図1〜図5を用いて説明する。
【0025】
先ず、図1を用いて、送信手段110の全体の動作の概要を説明する。クロック発生部(A)111は、基準クロックREFCLKに同期してクロックBCLK1を出力し、クロック発生部(B)112は、基準クロックREFCLKに同期してクロックBCLK1の3/4倍の周波数のクロックRCKを出力し、クロック発生部(C)113は、基準クロックREFCLKに同期してクロックBCLK1の3/2倍の周波数のクロックTSCLKを出力する。ここで、PC等のビデオカードから出力される映像信号には様々なフォーマットのものが存在する。したがって、画像入力部101において入力された画像は、24ビットのRGB映像データと、これに同期した垂直同期信号VSYNC,水平同期信号HSYNC及びドットクロックDCLKに変換されるが、そのドットクロックDCLK、水平同期信号HSYNC、垂直同期信号VSYNCの周波数は様々である。
【0026】
次に、24ビットのRGB映像データ、垂直同期信号VSYNC、水平同期信号HSYNC、及びドットクロックDCLKは、レート変換部114に入力され、レート変換部114でクロックBCLK1に同期した一定レートの信号にレート変換された後、24ビットのRGB映像データと水平同期信号HSYNC、垂直同期信号VSYNCがレート変換部114から24−32変換部115に入力される。また、水平同期信号HSYNCは、レート変換部114からW制御部(A)117にも同時に入力される。
【0027】
24−32変換部115から出力された32ビットの映像データ(W−D32bit)は、DRAM部(A)116に、W制御部(A)117による書き込み制御により、クロックBCLK1に同期してデータが書き込まれる。DRAM部(A)116は、R制御部(A)118により読み出しの制御が行われ、クロックRCLKに同期してデータが読み出される。
【0028】
次に、32ビットの映像データ(R−D32bit)は、同じくDRAM部(A)116から読み出された同期信号(R−H、R−V)とともに同期信号エンコード部119に入力される。同期信号は符号化され、32ビットの映像データに挿入され、4ビットのCOMMA符号とともに、SERDESエンコード部001に入力された後、クロック信号発生部(C)113からのクロックTSCLKを用いて、シリアルデータに変換され、シリアル差動信号となって出力される。
【0029】
次に、図2(a)〜(d)及び図3を用いて、24−32変換部115及びDRAM部(A)116の動作についてさらに詳しく説明する。図2(a)〜(d)は、送信手段110において24ビットRGB映像データがDRAM変換部(A)116から読み出されるまでの動作を示したタイミングチャートである。ここで、垂直同期信号VSYNCは、図1に示される装置の制御に直接関係するものではないので、図2(a)〜(d)には図示していない。また、図3は、24−32変換115、W制御部(A)117、R制御部(A)118、及びDRAM部(A)116の構成を概略的に示すブロック図である。
【0030】
図3に示されるように、24−32変換115は、8ビットのDフリップフロップ回路(8DFF回路)301〜310と、タイミング調整器(A)311と、6入力4出力セレクタ317とを有している。また、W制御部(A)117は、制御カウンタ発生器(A)318と、ライトイネーブル信号を発生するWE発生器319と、書き込みアドレスを発生するW−アドレス発生器(A)320とを有している。また、R制御部(A)118は、遅延回路(A)321と、読み出しアドレスを発生するR−アドレス発生器(A)を有している。
【0031】
8DFF回路301〜310は、クロックの立ち上がりエッジを基準に1クロック分入力データを遅延させるラッチ動作を行う。タイミング調整器(A)311は、同期信号のDRAM部(A)116への書き込みタイミングを調整する。6入力4出力セレクタ317は、8ビット単位で、6つの入力から4つを選択する。
【0032】
制御カウンタ発生器(A)318は、24−32変換115の6入力4出力セレクタ317を制御する。WE発生器319は、制御カウンタ発生器(A)318から出力される制御カウンタ信号によって、DRAM部(A)116のWE端子を制御する。W−アドレス発生器(A)320は、2ビットの書き込みアドレスであるW−アドレスWADD[1:0]を発生する。なお、[a:b]は、左側が上位桁、右側が下位桁を示すa−b+1ビットのデータを表すものとする。
【0033】
遅延回路(A)321は、水平同期信号HSYNCを4クロック分ラッチして遅延させる。R−アドレス発生器(A)322は、2ビットの読み出しアドレスであるR−アドレスRADD[1:0]を発生する。
【0034】
24−32変換115に入力される24ビットのRGB映像データは、図2(a)に示されるようなタイミングで、データR[7:0]、G[7:0]、B[7:0]とRGB個別に8ビット単位で、8DFF回路301〜303に入力され、クロックBCLK1によりラッチされ、各8ビッドのデータRD[7:0]、GD[7:0]、BD[7:0]として出力される。
【0035】
さらに、24ビットのRGB映像データRD[7:0]、GD[7:0]、BD[7:0]は、8DFF回路304〜306に入力され、クロックBCLK1によりラッチされ、各8ビッドのデータRD2[7:0]、GD2[7:0]、BD2[7:0]として出力される。また、水平同期信号HSYNCは、W制御部(A)117の制御カウンタ発生器(A)318に入力され、水平同期信号HSYNCを基準に、図2(b)に示されるようなタイミングで、制御カウンタ発生器(A)318から制御カウンタ信号が出力される。この制御カウンタ信号の値に基づいて、6入力4出力セレクタ316において、RD[7:0]、GD[7:0]、BD[7:0]、RD2[7:0]、GD2[7:0]、BD2[7:0]のデータが8ビット単位で選ばれた後、8DFF回路307〜310によってラッチされ、データW−D[31:24]、W−D[23:16]、W−D[15:8]、W−D[7:0]として出力される。
【0036】
ここで、制御カウンタ発生器(A)318から出力される各制御カウンタ信号の値(図2(b))に対する6入力4出力セレクタ回路317の動作について、下記に示す。
【0037】
制御カウンタ信号の値が0のときには、6入力4出力セレクタ回路317は、8DFF回路310の入力へ8DFF回路304の出力データRD2[7:0]を、8DFF回路309の入力へ8DFF回路305の出力データGD2[7:0]を、8DFF回路308の入力へ8DFF回路306の出力データBD2[7:0]を、8DFF回路307の入力へ8DFF回路301の出力データBD[7:0]を与える。
【0038】
制御カウンタ信号の値が1のときには、6入力4出力セレクタ回路317は、8DFF回路310の入力へ8DFF回路301の出力データBD[7:0]を、8DFF回路309の入力へ8DFF回路305の出力データGD2[7:0]を、8DFF回路308の入力へ8DFF回路306の出力データBD2[7:0]を、8DFF回路307の入力へ8DFF回路302の出力データGD[7:0]を与える。
【0039】
制御カウンタ信号の値が2のときには、6入力4出力セレクタ回路317は、8DFF回路310の入力へ8DFF回路301の出力データBD[7:0]を、8DFF回路309の入力へ8DFF回路302の出力データGD[7:0]を、8DFF回路308の入力へ8DFF回路306の出力データBD2[7:0]を、8DFF回路307の入力へ8DFF回路303の出力データRD[7:0]を与える。
【0040】
制御カウンタ信号の値が3のときには、6入力4出力セレクタ回路317は、書き込みを行わないため、出力は何であってもかまわない、すなわち、Don’t Careである。
【0041】
このように、制御カウンタ信号の値によって、6入力4出力セレクタ回路317により選択される信号が定められており、その結果、図2(c)に示されたW−D[7:0]、W−D[15:8]、W−D[23:16]、W−D[31:24]の書き込みタイミングで、DRAM部(A)116にデータが出力される。このとき、DRAM部(A)116には、WE発生器319から3クロック連続して書き込み、1クロック書き込みを止めるライトイネーブル信号WEと、Wアドレス発生器(A)320から2ビットのW−アドレスWADD[1:0]が図2(c)に示されるようなタイミングで出力され、DRAM部(A)116にはクロックBCLK1に同期してデータが書き込まれる。
【0042】
また、同時に、水平同期信号HSYNC、垂直同期信号VSYNCも、タイミング調整器(A)311により調整され、DRAM部(A)116にクロックBCLK1に同期して書き込まれる。
【0043】
一方、R制御部(A)118では、クロックRCLKにおいて、水平同期信号HSYNCが遅延回路(A)321によって4クロック分遅延した同期信号HSYNCRDがR−アドレス発生器(A)322に出力される。読み出しクロックのクロックRCLKは書き込みクロックであるクロックBCLK1の3/4の周波数となっており、読み出しアドレスが書き込みアドレスを追い越さないようにするためである。これを基準にR−アドレス発生器(A)322において、2ビットのR−アドレスRADD[1:0]を生成する。さらに、DRAM部(A)116のRE端子は常に有効になるように“H”固定されており、このR−アドレスRADD[1:0]に基づいて、図2(d)に示すようなタイミングで、クロックRCLKに同期して、32ビットのR−D[31:0]と水平同期信号HSYNC、垂直同期信号VSYNCである信号R−H、R−Vを同期信号エンコード部119に出力する。
【0044】
次に、図4及び図5を用いて、送信手段110の同期信号エンコード部119についてさらに詳しく説明する。図4は、同期信号エンコード部119の構成を概略的に示すブロック図であり、図5は、同期信号エンコード部119の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0045】
図4に示されるように、同期信号エンコード部119は、シンク検出回路400と、シンクコード生成回路401と、シンクコード挿入回路402と、COMMA生成回路403とを有している。シンク検出回路400は、入力される同期信号の立下りエッジを検出する。シンクコード生成回路401は、水平同期信号HSYNC、垂直同期信号VSYNCを符号化するためのシンクコードを生成する。シンクコード挿入回路402は、シンク検出回路400の制御に基づき、シンクコードを生成する。COMMA生成回路403は、シンク検出回路400の制御に基づき、COMMA符号を生成する。
【0046】
SERDES規格において、SERDESエンコード部001の入力インターフェースとして、32ビットのデータ入力部と、エラー検出等に使用されるKコードを挿入した箇所を示す4ビットのCOMMA符号ビットから成り立っていることが規格化されている。映像信号を表示する場合、水平同期信号HSYNC、垂直同期信号VSYNCなどの同期信号が不可欠となっているため、32ビットの映像データに同期信号を符号化して挿入する必要がある。図4におけるシンク検出回路400は、同期信号R−H又はR−Vを検出すると、例えば、その立ち下がりエッジを基準にシンクコードを生成して、32ビットのデジタルデータに挿入する。また、同時に、シンク検出回路400は、COMMA符号ビットも生成し、SERDESエンコード部001へ出力する。映像データは、通常、同期信号の前後はブランキング期間となっており、有効映像データは存在しない領域となっている。したがって、このブランキング期間を利用して、信号R−H、R−Vを符号化したHコード又はVコードを挿入する。
【0047】
図5に、水平同期信号HYSNCを基準にしてHコードを挿入しCOMMA符号を生成する一例を示した。DRAM部(A)116から出力される水平同期信号R−Hの立下りエッジを検出して、COMMA符号を“1000”に生成する。また、同じクロックタイミングで、シリアル差動信号伝送時のエラー検出に必要なKコードを挿入する。次に、COMMA符号が“1000”の次のクロックタイミングで、Hコードを挿入する。例えば、Hコードは32ビットの0xDDDDなどとする。
【0048】
このタイミングは、受信側でシリアル差動信号がデコードされたときも、同じ関係を保ってデコードされるため、COMMA符号が“1000”を検出した後、次のクロックタイミングでHコードをデコードすれば容易に水平同期信号HSYNCを再生成できる。垂直同期信号VSYNCを検出したときも同様にHコードとは違う値、例えば、32ビットの0xEEEEなどという値をVコードとして挿入する。これらの同期信号の再生成方法については後に詳しく説明する。こうして32ビットの符号化されたデジタルデータと4ビットのCOMMA符号はSERDESエンコード部001に入力され、クロックTSCLKによりパラレルシリアル変換が行われ、シリアル差動信号として出力される。
【0049】
次に、受信手段120の動作について図1、図6(a)〜(e)、図7、図8、及び図9(a),(b)を用いて説明する。
【0050】
先ず、図1を用いて、受信手段120の動作の概要を説明する。基準クロックREFCLKに同期して、クロック発生部(F)122は、映像表示用のクロックとしてクロックBCLK2を発生する。このクロックBCLK2の周波数は、クロックBCLK1と同じ周波数である。また、クロック発生部(D)121は、基準クロックREFCLKに同期して、クロックBCLK2の3/2倍の周波数のクロックRSCLKを、クロック発生部(E)は、クロックBCLK2の3/4倍の周波数のクロックWCLKを発生する。クロックRSCLKは、SERDESデコード部002においてシリアル差動信号を受信し、かつシリアルパラレル変換を行うために使用される。
【0051】
SERDESデコード部002から出力された32ビットのデジタルデータRSD[31:0](図1においては、RSD32bit)は、4ビットのCOMMA符号(図1においては、COMMA4bit)とともに、同期信号デコード部125に入力され、水平同期信号、垂直同期信号である信号W−H、W−Vが生成される。その後、同期信号デコード部125から出力された32ビットのデジタルデータW−D[31:0]は、W制御部(B)127により、クロックWCLKにより書き込まれた後、R制御部(B)128により、クロックBCLK2に同期したR−D[31:0]として読み出される。R−D[31:0]は、32−24変換部129に入力され、送信手段110から伝送された、元の24ビットのRGB映像データに復元される。
【0052】
復元された映像データは、リサイズ部130に入力され、VGAやXGA等の様々なフォーマットの信号に変換することが可能となる。使用者の要求に応じた信号フォーマットに変換された後、画像出力部131によって、アナログ映像信号やTMDS信号に変換された、その後、DLP(デジタル ライト プロセシング)プロジェクタや液晶モニタ等の映像表示機器へ出力される。
【0053】
ここで、図8と図9(a),(b)を用いて、水平同期信号HSYNC、垂直同期信号VSYNCを再生成する同期信号デコード部125の詳細な動作について説明する。
【0054】
図8は、受信手段120の同期信号デコード部125の構成を概略的に示すブロック図である。図8に示されるように、同期信号デコード部125は、COMMA検出回路600と、同期信号生成回路601とを有している。COMMA検出回路600は、COMMA符号が“1000”であることを検知する。同期信号生成回路601は、COMMA検出回路600から出力される検出信号に基づいて同期信号W−H,W−Vを生成する。
【0055】
図9(a),(b)は、受信手段120の同期信号デコード部125の動作を説明するためのタイミングチャートである。ここで、垂直同期信号VSYNCは、図1に示される装置の制御に直接関係するものではないので、図9(a),(b)には図示していない。
【0056】
SERDESデコード部002から出力される32ビットの映像データRSD[31:0]と4ビットのCOMMA符号信号は、同期信号デコード部125に図9(a)に示したようなタイミングで入力される。COMMA検出回路600は、COMMA符号が“1000”であることを検出し、その検出信号を同期信号生成回路601へ出力する。図9(a)が示すようなタイミングで、COMMA検出回路600は、RSD[31:0]の値から、水平同期信号を示すHコードの値か垂直同期信号を示すVコードの値であるかを判断する。
【0057】
図9(b)は、Hコードの値であると判断して、水平同期信号HSYNCを生成し、信号W−Hとして出力する様子を示している。同様に、Vコードの値と判断した場合は、垂直同期信号VSYNCを生成し、信号W−Vとして出力する。また、RSD[31:0]に挿入されたままになっているKコード、Hコード、Vコードについては、ブランキング期間に挿入されているため、削除する必要はなく、RGB映像信号として取り扱うものとする。こうして、同期信号デコード部125から出力される信号W−H,W−V,W−D[31:0]は、DRAM部(B)126に入力される。
【0058】
次に、図6(a)〜(e)と図7を用いて、DRAM部(B)126から32−24変換部129までの構成の詳細な動作について説明する。図6(a)〜(e)は、DRAM部(B)126から32−24変換部129までの構成の動作を説明するためのタイミングチャートであり、図7は、受信手段120の32−24変換129、W制御部(B)127、R制御部(B)128、及びDRAM部(B)126の構成を概略的に示すブロック図である。
【0059】
図7に示されるように、W制御部(B)127は、2ビットのW−アドレスを発生するW−アドレス発生器(B)500を有している。
【0060】
また、図7に示されるように、R制御部(B)128は、遅延回路(B)501と、制御カウンタ発生器(B)502と、RE発生器503と、R−アドレス発生器(B)504とを有している。遅延回路(B)501は、信号W−HをクロックBCLK2に同期して3クロック遅延させる。制御カウンタ発生器(B)502は、6入力3出力セレクタ513を制御する。RE発生器503は、DRAM部(B)126の読み出しを制御する。R−アドレス発生器(B)504は、DRAM部126の2ビットの読み出しアドレスであるR−アドレスを発生する。
【0061】
また、図7に示されるように、32−24変換129は、6入力3出力セレクタ513と、8ビットの8DFF回路505〜512、514〜516と、タイミング調整器(B)517とを有している。6入力3出力セレクタ513は、8ビット単位で、6つの入力から3つを選択する。8DFF回路505〜512、514〜516は、クロックBCLK2の立ち上がりエッジを基準に1クロック分入力データを遅延させるいわゆるラッチ動作を行う。タイミング調整器(B)517は、同期信号の出力タイミングを調整する。
【0062】
図6(a)に示されるように、同期信号デコード部125から32ビットの映像データW−D[31:0]と、信号W−H、W−VがDRAM部(B)126に入力される。ここで、図7に示したように、W制御部(B)127に構成されたW−アドレス発生器(B)500により、信号W−Hを基準にしてDRAM部(B)126に書き込みアドレスであるW−アドレスWADD[1:0]を発生して出力する。この出力タイミングは、図6(b)に示している。DRAM部(B)126のWE端子は、常にライト有効となっており、W−アドレスWADD[1:0]にしたがって、順次データが書き込まれる。同時に、R制御部(B)128にも信号W−Hが入力され、遅延回路(B)501にて、クロックBCLK2によって3クロック分遅延が行われた後、制御カウンタ発生器(B)502、及びRE発生器501、R−アドレス発生器(B)504の基準信号として使用される。
【0063】
R−アドレスRADD[1:0]の発生タイミングとして、読み出しの基準となるクロックBCLK2の周波数は、書き込みの基準となるクロックWCLKの4/3倍であるため、W−アドレスWADD[1:0]を追い越さないようにする必要がある。このため、RE発生器503から出力されるREにより、3クロック連続して読み出して、1クロック読み出しを止めるというようにRE端子を制御している。また、クロックBCLK2とクロックWCLKは前述したように基準クロックREFCLKを基準に発生させたものであるため、同期したクロックとなっており、図6(c)からも明らかなように、基準となる信号を、信号W−HをクロックBCLK2の3クロック分遅延した信号W−HBDとすれば、R−アドレスRADD[1:0]がW−アドレスWADD[1:0]を追い越すことはなく、書き込まれたデータを欠落することなく、順次読み出すことが可能となる。このようにして、図6(d)が示されるように、DRAM部(B)から32ビットの映像データR−D[31:0]と同期信号である信号R−H,R−Vが読み出される。
【0064】
映像データR−D[31:0]は、データR−D[7:0]、R−D[15:8]、R−D[23:16]、R−D[31:24]の8ビット単位で、図7に示されるように、8DFF回路505〜508に入力され、クロックBCLK2によって1クロック分ラッチされた後、データR−DD[7:0]、R−DD[15:8]、R−DD[23:16]、R−DD[31:24]として出力される。データR−DD[7:0]、R−DD[15:8]、R−DD[23:16]、R−DD[31:24]は、8DFF回路509〜512に入力され、クロックBCLK2によって1クロック分ラッチされた後、データR−DD2[7:0]、R−DD2[15:8]、R−DD2[23:16]、R−DD2[31:24]として出力される。6入力3出力セレクタ回路513は、データR−DD[7:0]、R−DD[15:8]、R−DD[23:16]と、データR−DD2[7:0]、R−DD2[15:8]、R−DD2[31:24]とを受け取り、制御カウンタ信号の値に基づき、6個の入力端子から選択して3個の出力端子へ8ビット単位でデータを出力する。
【0065】
ここで、制御カウンタ信号の各値に対する6入力3出力セレクタ回路513の動作について、下記に示す。
【0066】
制御カウンタ値が1のときには、6入力3出力セレクタ回路513は、8DFF回路514の入力へ8DFF回路505の出力データR−DD[7:0]を、8DFF回路515の入力へ8DFF回路506の出力データR−DD[15:8]を、8DFF回路516の入力へ8DFF回路507の出力データR−DD[23:16]をそれぞれ与える。
【0067】
制御カウンタ値が2のときには、6入力3出力セレクタ回路513は、8DFF回路514の入力へ8DFF回路512の出力データR−DD2[31:24]を、8DFF回路515の入力へ8DFF回路506の出力データR−DD[15:8]を、8DFF回路516の入力へ8DFF回路507の出力データR−DD[23:16]をそれぞれ与える。
【0068】
制御カウンタ値が3のときには、6入力3出力セレクタ回路513は、8DFF回路514の入力へ8DFF回路509の出力データR−DD2[7:0]を、8DFF回路515の入力へ8DFF回路512の出力データR−DD2[31:24]を、8DFF回路516の入力へ8DFF回路507の出力データR−DD[23:16]をそれぞれ与える。
【0069】
制御カウンタ値が0のときには、6入力3出力セレクタ回路513は、8DFF回路514の入力へ8DFF回路509の出力データR−DD2[7:0]を、8DFF回路515の入力へ8DFF回路510の出力データR−DD2[15:8]を、8DFF回路516の入力へ8DFF回路512の出力データR−DD2[31:24]をそれぞれ与える。
【0070】
このように、制御カウンタ値によって8DFF回路514〜516に選ばれる入力データが定められおり、図6(e)が示されるように、8DFF回路514〜516の出力からは最終的に、送信手段110において32ビットに変換される以前の24ビット時のデータ配列の順番に復元され出力される。また、同期信号である信号R−H,R−Vに関しては、データとのタイミング合わせのため、タイミング調整器(B)517において、クロックBCLK2を基準に調整され、32−24変換器129から出力される。
【0071】
以上のように、送信手段110側において、入力される様々な周波数のドットクロックに同期した映像信号を一定のドットクロックにレート変換し、24ビットから32ビットにビット幅を変換し、さらに、受信手段120側において、32ビットから24ビットにビット幅変換を行う構成としたので、SERDESにおける伝送レートを落とすことなく、効率よく画像データを伝送することが可能となった。
【0072】
また、画像処理の基準となる各クロックを、基準クロックREFCLKにすべて同期して発生させるようにしたため、各クロックを非同期に発生させる場合にはDRAM部の容量が11×34ビット必要であったのに対し、DRAM部の容量を4×32ビットの容量で構成することが可能となった。
【0073】
さらに、DRAM部の書き込み及び読み出しを制御するアドレス発生器についても、11ビットのアドレスを発生させる必要があったのに対して、2ビットのアドレスを発生させるだけでよく、アドレス発生器の回路の削減も行うことが可能となった。
【0074】
上記説明においては、送信手段110側において24−32変換を行い、受信手段120側において32−24変換を行って、最も伝送効率のよい方法について説明したが、必ずしも24−32変換、32−24変換を行う必要がなく、レート変換部114において、一定レートの映像信号に変換が行われていれば、伝送効率は悪くなるが、映像信号のデータの連続性を失うことはなく、画面のこま飛びやフリーズ等が発生することなく、安定して映像の伝送を行うことができる。
【0075】
また、上記説明においては、DRAM部を用いる構成について説明したが、FIFO等、他の記憶装置でも同様の効果を得ることができる。
【0076】
また、上記説明においては、RGB映像信号を24ビットのデータに変換した場合について説明したが、48ビットのビット幅でもよく、また、YCbCRなど他の形式の映像信号でも、デジタルデータに変換してデータを伝送するものであれば、同様の効果を得ることができる。
【0077】
また、上記説明においては、負極性の水平同期信号HSYNC、垂直同期信号VSYNCを一例に説明したが、正極性の同期信号でもよい。また、立下りエッジを基準についての動作について説明したが、立ち上がりエッジを基準にした動作についても同様の効果を得ることができる。
【0078】
また、上記説明においては、水平同期信号HSYNCや垂直同期信号VSYNCを、符号化して32ビットの映像信号のブランキング期間に挿入する例について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、有効映像期間を示すデータイネーブル信号や、インターレース信号時に奇数/偶数フィールドの判別に使用するフィールド信号など、その他の情報についても、ブランキング期間であれば符号化して挿入し伝送することが可能である。
【0079】
次に、図10を用いて実施の形態1に係る映像信号伝送装置について説明する。図10は、本発明の実施の形態1に係る映像信号伝送装置の構成を概略的に示すブロック図である。図10において、図1の構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。100〜113、121〜123は、図1に示される映像信号伝送装置の構成として説明したものと同等である。
【0080】
実施の形態1に係る映像信号伝送装置は、基準クロック発生部100と、4チャンネルの送信が可能な送信ボード150と、4チャンネルの受信が可能な受信ボード160とを有している。
【0081】
図10に示されるように、送信ボード150は、4チャンネルSERDESエンコード部003と、クロック発生部(A)111と、クロック発生部(B)112と、クロック発生部(C)113と、CH1画像送信処理部151と、CH2画像送信処理部152と、CH3画像送信処理部153と、CH4画像送信処理部154とを有している。
【0082】
4チャンネルSERDESエンコード部003は、図1に示されるSERDESエンコード部001を4チャンネル有している。CH1画像送信処理部151は、図1に示される画像入力部101と、レート変換部114と、24−32変換部115と、DRAM部(A)116と、W制御部(A)117と、R制御部(A)118と、同期信号デコード部119とを有している。CH2画像送信処理部152、CH3画像送信処理部153、及びCH4画像送信処理部154は、CH1画像送信処理部151と同等の構成を有している。
【0083】
図10に示されるように、受信ボード160は、4チャンネルSERDESデコード部004と、クロック発生部(D)121と、クロック発生部(F)122と、クロック発生部(E)123と、CH1画像受信処理部161と、CH2画像受信処理部162と、CH3画像受信処理部163と、CH4画像受信処理部164とを有している。
【0084】
4チャンネルSERDESデコード部004は、図1に示されるSERDESデコード部002を4チャンネル有している。CH1画像受信処理部161は、図1に示される同期信号デコード部125と、DRAM部(B)126と、W制御部(B)127と、R制御部(B)128と、32−24変換部129と、リサイズ部130と、画像出力部131とを有している。CH2画像受信処理部162、CH3画像受信処理部163、及びCH4画像受信処理部164は、CH1画像受信処理部161と同等の構成を有している。
【0085】
ここでは、4チャンネル分の画像を処理して送信する基板を想定した送信ボードとして、また、4チャンネル分の画像を受信して出力する基板を想定した受信ボードとして、説明するものとする。
【0086】
一般に、1系統のクロック(本実施の形態の場合はクロックTSCLKがこれに相当する)で複数のチャンネルを送信することが多く、また、SERDESデコード部についても、1系統のクロック(本実施の形態の場合はクロックRSCLKがこれに相当する)で複数のチャンネルを受信できるものが一般的である。
【0087】
一方、各画像送信処理部151〜154において、図1に示すように基準クロックを含めたクロック部を個別に備えると、これらの画像送信処理部から出力される直列信号データは同期していないため、チャンネルの切り換え等によりデータの連続性が失われ、画像のこま飛びやフリーズ等が発生することがあるが、本実施の形態1のように、各画像送信処理部において共通する第1のクロックであるBCLK1を用いてレート変換することにより、同期した並列信号データを得ることができ、上記課題を解決することができる。勿論、クロックを共通に供給することでクロック発生部を各画像送信処理部に個別に設ける必要がないという効果もある。その他の構成及び動作は、図1のものと同様であるため、その説明を省略する。
【0088】
また、受信ボード160においても同様に、基準クロック発生部100から出力される基準クロックREFCLKに同期したクロックRSCLK、クロックBCLK2、及びクロックWCLKを発生させ、CH1画像受信処理部161〜CH4画像受信処理部164に、クロックBCLK2及びクロックWCLKを分配するような構成にすると、クロックBCLK2及びクロックWCLKを発生させるクロック発生部を、各チャンネルの画像送信処理部161〜164毎に設ける必要はなく、受信ボード内160において、それぞれ1系統のクロック発生部を設けるだけで本システムを構成することができる。また、送信ボード150で、複数の異種類の(同期系が異なる)データを同一の同期系に変換してから直列送信し、受信ボード160で、受信したデータを復号するように構成しているので、連続する映像信号の有効エリアを途切れることがないように、伝送することができるという効果がある。
【0089】
上記説明においてはでは、4チャンネル分の画像を送受信するボードについて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、複数のチャンネルを要するシステムであれば、4チャンネル以外の送受信ボードを備えたシステムにおいても、同等の効果を得ることができる。
【0090】
実施の形態2.
次に、図11を用いて実施の形態2について説明する。図11は、本発明の実施の形態2に係る映像信号伝送装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【0091】
図11に示されるように、実施の形態2に係る映像信号伝送装置は、基準クロック発生部100と、送信ボード(A)701と、送信ボード(B)702と、送信ボード(C)703と、受信ボード(A)704と、受信ボード(B)705と、受信ボード(C)706と、マトリクススイッチ709と、マイコン部710とを有している。
【0092】
送信ボード(A)701、送信ボード(B)702、及び送信ボード(C)703のそれぞれは、図10(実施の形態1)に示される送信ボード150と同様の構成を有している。受信ボード(A)704、受信ボード(B)705、及び受信ボード(C)706のそれぞれは、図10(実施の形態1)に示される受信ボード160と同様の構成を有している。
【0093】
マトリクススイッチ709は、送信ボード(A)701、送信ボード(B)702、及び送信ボード(C)703から出力される計12組のシリアル差動信号を切り換えて、受信ボード(A)704、受信ボード(B)705、及び受信ボード(C)706の計12組のシリアル差動信号の入力端子に選択的に出力する。
【0094】
図11における構成は、実施の形態1で示した送信ボードから受信ボードへの1対1の信号の受け渡しを、マトリクススイッチ709を用いて、複数の送信ボードから複数の受信ボードへの受け渡しに拡張したものである。マイコン部710からの制御信号により、例えば、送信ボード(A)701のCH1の出力先を受信ボード(C)706のCH3にしたり、例えば、送信ボード(C)703のCH2出力先を受信ボード(A)704のCH1にしたりというように、自由に制御することが可能となっている。また、基準クロック発生部100から出力される基準クロックREFCLKが各ボードに分配される構成となっており、これに基づいて図1で示したように、各ボード内のクロックTSCLK、クロックRSCLK、第1のクロックであるクロックBCLK1、クロックBCLK2、クロックWCLK、クロックRCLKなどが発生される。
【0095】
実施の形態2においては、上記構成を採用することによって、マトリクススイッチ709を切り換える際等により、シリアル差動信号が入力されない場合においても、画像を制御するクロックが受信ボード上で途切れることはないため、受信ボード側でミュート画像を生成することが可能であり、画像にフリーズ等が発生した場合に、フリーズ等の起きた見苦しい画像ではなく、ミュート画像を表示させるどの制御を簡単に行うことができる。
【0096】
また、マトリクススイッチ709を切り換えた際に生じるノイズ等により、SERDES技術を用いた受信システムにおけるデータ受信が破綻し、SERDESデコード部004からCOMMA符号が出力されないような異常事態が発生しても、常に安定した周期のクロックRSCLK、クロックWCLK、クロックBCLK2が供給されているため、ある一定期間、COMMA符号が“1000”を検知しなかった場合にエラー信号を発生させるような回路を簡単に追加することができる。このため、エラー信号をトリガにして、SERDESデコード部004をリセットして、SERDESの受信システムを復活させるようなシーケンスを取り入れることも可能である。
【0097】
なお、上記説明においては、3つの送受信ボードについての組み合わせについて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、複数の送受信ボードであれば、3つ以外の送受信ボードを有する場合にも、同等の効果を得ることができる。
【0098】
また、本発明の活用例として、DLPプロジェクタ等で構成されるマルチ表示システムに、複数の映像信号を入力して、画面の重ね合わせや、拡大・縮小などを施して出力する映像信号処理装置等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】SERDES技術を利用した映像信号伝送装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】(a)〜(d)は、図1に示される映像信号伝送装置の送信手段の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図3】図1に示される映像信号伝送装置の送信手段の24−32変換部、DRAM部、W制御部、及びR制御部の構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】図1に示される映像信号伝送装置の送信手段の同期信号エンコード部の構成を概略的に示すブロック図である。
【図5】図1に示される映像信号伝送装置の送信手段の同期信号エンコード部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】(a)〜(e)は、図1に示される映像信号伝送装置の受信手段の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図7】図1に示される映像信号伝送装置の受信手段の動作を説明するためのブロック図である。
【図8】図1に示される映像信号伝送装置の受信手段のDRAM部、32−24変換部、W制御部、及びR制御部の構成を概略的に示すブロック図である。
【図9】(a)及び(b)は、図1に示される映像信号伝送装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】本発明の実施の形態1に係る映像信号伝送装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係る映像信号伝送装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図12】SERDES技術を説明するための図である。
【符号の説明】
【0100】
001 SERDESエンコード部、 002 SERDESデコード部、 003 4チャンネルSERDESエンコード部、 004 4チャンネルSERDESデコード部、 100 基準クロック発生部、 101 画像入力部、 110 送信手段、 111 クロック発生部(A)、 112 クロック発生部(B)、 113 1/2分周部(A)、 114 レート変換部、 115 24−32変換部、 116 DRAM部(A)、 117 W制御部(A)、 118 R制御部(A)、 119 同期信号エンコード部、 120 受信手段、 121 クロック発生部(C)、 122 クロック発生部(D)、 123 1/2分周部(B)、 125 同期信号デコード部、 126 DRAM部(B)、 127 W制御部(B)、 128 R制御部(B)、 129 32−24変換部、 130 リサイズ部、 131 画像出力部、 150 送信ボード、 151 CH1画像送信処理部、 152 CH2画像送信処理部、 153 CH3画像送信処理部、 154 CH4画像送信処理部、 160 受信ボード、 161 CH1画像受信処理部、 162 CH2画像受信処理部、 163 CH3画像受信処理部、 164 CH4画像受信処理部、 301〜310 8DFF回路、 311 タイミング調整器(A)、 317 6入力4出力セレクタ、 318 制御カウンタ発生器(A)、 319 WE発生器、 320 W−アドレス発生器(A)、 321 遅延回路(A)、 322 R−アドレス発生器(A)、 400 シンク検出回路、 401 シンクコード生成回路、 402 シンクコード挿入回路、 403 COMMA生成回路、 500 W−アドレス発生器(B)、 501 遅延回路(B)、 502 制御カウンタ発生器(B)、 503 RE発生器、 504 R−アドレス発生器(B)、 505〜512 8DFF回路、 513 6入力3出力セレクタ回路、 514〜516 8DFF回路、 517 タイミング調整器、 600 COMMA検出回路、 601 同期信号生成回路、 701 送信ボード(A)、 702 送信ボード(B)、 703 送信ボード(C)、 704 受信ボード(A)、 705 受信ボード(B)、 706 受信ボード(C)、 709 マトリクススイッチ、 710 マイコン部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意のビット幅を有する複数の並列信号データを第1のクロックに同期した並列信号データにそれぞれ変換する工程、
前記第1のクロックに同期した並列信号データを所定のビット幅の並列信号データにそれぞれ変換する工程、
前記所定のビット幅に変換された並列信号データをそれぞれ直列信号データに変換する工程、を有する送信ステップと、
前記直列信号データを受信して前記所定のビット幅の並列信号データにそれぞれ復元する工程、
前記所定のビット幅に復元された並列信号データを前記任意のビット幅を有する複数の並列信号データにそれぞれ復元する工程、
前記任意のビット幅に復元された並列信号データをそれぞれ所定のクロックに同期した信号にそれぞれ変換する工程、を有する受信ステップと、
を備えたことを特徴とする映像信号伝送方法。
【請求項2】
送信ステップから出力される直列信号データを所定の制御信号により選択的に切換えて受信ステップに出力する工程を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の映像信号伝送方法。
【請求項3】
任意の並列ビット幅を有する複数の並列信号データを第1のクロックに同期した並列信号データにそれぞれ変換する第1のレートの変換手段、
前記第1のクロックに同期した並列信号データを所定のビット幅の並列信号データにそれぞれ変換するビット幅変換手段、
前記所定のビット幅に変換された並列信号データをそれぞれ直列信号データに変換するパラレル/シリアル変換手段、を有する送信手段と、
前記直列信号データを受信して前記所定のビット幅の並列信号データにそれぞれ復元するシリアル/パラレル変換手段、
前記所定のビット幅に復元された並列信号データを前記任意のビット幅を有する複数の並列信号データにそれぞれ復元するビット幅復元手段、
前記任意のビット幅に復元された並列信号データをそれぞれ所定のクロックに同期した信号にそれぞれ変換する第2のレート変換手段、を有する受信手段と、
を備えたことを特徴とする映像信号伝送装置。
【請求項4】
送信手段から出力される直列信号を所定の制御信号により選択的に切換えて受信手段に出力する信号切換手段を更に備えたことを特徴とする請求項3に記載の映像信号伝送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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