説明

映像信号処理方法

【課題】画質劣化を生じさせることなく、コントラストを強調させた表示を行うことが可能となる映像信号処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】入力映像信号に基づき各輝度毎の頻度を表す輝度分布を求め、この輝度分布に基づいて、入力映像信号中において最低又は最高の輝度成分を含む輝度成分で構築されている表示物を検出する。そして、この表示物が含まれる輝度範囲を、輝度強調を実施させるべき輝度強調区間として設定し、入力映像信号によって示される入力輝度が上記輝度強調区間に含まれる場合には当該入力輝度に対して輝度レベルを増加又は低下させるべき輝度変換処理を施す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力映像信号に施す映像信号処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、テレビジョン放送等の映像を表示するディスプレイ装置として、薄型平面のプラズマディスプレイ装置、あるいは液晶ディスプレイ装置が製品化されている。又、このようなディスプレイ装置において、ダイナミックレンジの狭い入力映像信号が供給された場合であっても、明暗のはっきりしたメリハリのある表示、すなわちコントラストが強調された表示が可能となる階調表示方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
かかる階調表示方法においては、入力映像信号に対して以下の如き累積輝度ヒストグラムを求めることにより、各フレーム毎に、N段階の各階調を割り当てるべき輝度範囲を設定するようにしている。すなわち、先ず、入力映像信号によって表される1フレーム内において、最低輝度で表示される画素の数、第2番目に低輝度で表示される画素の数、第3番目に低輝度で表示される画素の数、・・・、第(n−1)番目に低輝度で表示される画素の数、第n番目に低輝度で表示される画素の数を順次計数し、その計数した順に各輝度毎の画素数を累積して行く。この際、かかる累積数が所定の第1累積数を超えたときの輝度値を低輝度引込値とする。つまり、この低輝度引込値は、入力映像信号によって表現可能な最低輝度よりも高い輝度を示すものとなる。次に、入力映像信号によって表される1フレーム内において、最高輝度で表示される画素の数、第2番目に高輝度で表示される画素の数、第3番目に高輝度で表示される画素の数、・・・、第(n−1)番目に高輝度で表示される画素の数、第n番目に高輝度で表示される画素の数を順次計数し、その計数した順に各輝度毎の画素数を累積して行く。この際、かかる累積数が所定の第2累積数(第1累積数よりも大)を超えたときの輝度値を高輝度引込値とする。つまり、この高輝度引込値は、入力映像信号によって表現可能な最高輝度よりも低い輝度を示すものとなる。そして、入力映像信号によって表される輝度を、上記低輝度引込値〜高輝度引込値の輝度範囲内で例えば階調「0」〜階調「255」なる256段階の階調に区切るのである。この際、入力映像信号によって表される輝度が上記低輝度引込値よりも低い場合には一律に階調「0」、高輝度引込値よりも高い場合には一律に階調「255」に引き込まれることになる。よって、入力映像信号によって表される表示物(オブジェクト)が上記低輝度引込値よりも低い各種の輝度で構築されている場合であっても、この表示物は一律に階調「0」に対応した輝度、つまり「黒つぶれ」の状態で表示されてしまう。又、入力映像信号によって表される表示物(オブジェクト)が上記高輝度引込値よりも高い各種の輝度で構築されている場合であっても、この表示物は一律に階調「255」に対応した輝度、つまり「白つぶれ」の状態で表示されてしまう。
【0004】
すなわち、このような階調表示方法によればコントラスト強調が為された表示が為されるものの、上記の如き低輝度引込値よりも低い輝度からなる暗い表示物、及び高輝度引込値よりも高い輝度からなる明るい表示物の2次元画面内での輝度変化が喪失してしまうという画質劣化が生じる虞があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−212809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、画質劣化を抑制しつつ、入力映像信号によって表される画像のコントラストを強調させることが可能な映像信号処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による映像信号処理方法は、入力映像信号によって表される輝度を強調させるべき映像信号処理を前記入力映像信号に対して施す映像信号処理方法であって、前記入力映像信号に基づき各輝度毎の頻度を表す輝度分布を求める輝度分布演算行程と、前記輝度分布に基づいて、前記入力映像信号中において最低又は最高の輝度成分を含む輝度成分で構築されている表示物を検出する表示物検出行程と、前記表示物が含まれる輝度範囲を、輝度強調を実施させるべき輝度強調区間として設定する輝度強調区間設定行程と、前記入力映像信号によって示される入力輝度が前記輝度強調区間に含まれる場合には当該入力輝度に対して輝度レベルを増加又は低下させるべき輝度変換処理を施す輝度変換行程と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明による映像信号処理方法に基づく映像信号処理を行う映像信号処理部100が搭載されているディスプレイ装置の構成を示す図である。
【図2】映像信号処理部100の内部構成の一例を示す図である。
【図3】映像信号処理部100の各モジュールの動作を説明する為の図である。
【図4】映像信号処理部100の各モジュールの動作を説明する為の図である。
【図5】輝度変換特性生成部9で生成される輝度変換特性信号YCの他の一例を示す図である。
【図6】映像信号処理部100の内部構成の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
入力映像信号に基づき各輝度毎の頻度を表す輝度分布を求め、この輝度分布に基づいて、入力映像信号中において最低又は最高の輝度成分を含む輝度成分で構築されている表示物(オブジェクト)を検出する。そして、この表示物が含まれる輝度範囲を、輝度強調を実施させるべき輝度強調区間として設定し、入力映像信号によって示される入力輝度が上記輝度強調区間に含まれる場合には当該入力輝度に対して輝度レベルを増加又は低下させるべき輝度変換処理を施す。これにより、入力映像信号によって表される小面積の低輝度(又は高輝度)表示物に対しても輝度レベルを強調させるべき処理が為されるようになるので、「白つぶれ」又は「黒つぶれ」等の画質劣化を生じさせることなく、コントラストを強調させた表示を行うことが可能となる。
【実施例】
【0010】
図1は、本発明による映像信号処理方法に基づく映像信号処理を行う映像信号処理部100が搭載されているディスプレイ装置の構成を示す図である。
【0011】
映像信号処理部100は、入力映像信号としてのコンポーネントビデオ信号(輝度信号Y、色差信号Cb及びCr)に対して、コントラストを強調させるべき映像信号処理(後述する)を施し、これを色信号(RGB信号)に変換する。そして、映像信号処理部100は、このコントラスト強調が為された各色(赤、緑、青)毎の色信号R、G及びBを、夫々パネルドライバ101に供給する。パネルドライバ101は、映像信号処理部100にてコントラスト強調処理が施された色信号R、G及びBに基づき、表示パネル102の各画素を担う表示セル(図示せぬ)を発光させるべき画素駆動信号を生成してこの表示パネル102に供給する。表示パネル102は、例えば液晶パネル、EL(Electro Luminescence)パネル、或いはプラズマディスプレイパネル等からなり、パネルドライバ101から供給された画素駆動信号に対応した画像を表示する。
【0012】
図2は、映像信号処理部100の内部構成の一例を示す図である。
【0013】
図2において、輝度ヒストグラム演算部1は、入力されたコンポーネントビデオ信号における輝度信号Yに基づき、各フレーム毎の輝度ヒストグラム情報を以下の如く生成する。すなわち、輝度ヒストグラム演算部1は、各フレーム毎に、そのフレーム内の各画素に対応した輝度信号Yに基づき、入力されたコンポーネントビデオ信号によって表すことが可能な輝度範囲内の各輝度毎に、その輝度で表示される画素の総数を輝度頻度値として集計する。例えば、コンポーネントビデオ信号によって表すことが可能な輝度範囲が最低輝度「0」〜最高輝度「255」である場合、輝度ヒストグラム演算部1は、図3(a)に示す如く、輝度「0」〜「255」各々毎の輝度頻度値をフレーム毎に集計する。そして、輝度ヒストグラム演算部1は、この各輝度毎の輝度頻度値を輝度の低い順(又は高い順)に時系列化して表す、例えば図3(a)に示す如き波形の輝度分布信号YHを生成して輝度頻度補正部2に供給する。
【0014】
輝度頻度補正部2は、先ず、輝度分布信号YH中から極値を順次検出し、各極値に対応した輝度の系列を検出する。例えば、輝度頻度補正部2は、図3(a)に示す輝度分布信号YH中から、白丸にて示す如き極値に対応した輝度の系列として輝度Y1〜Y9を検出する。次に、輝度頻度補正部2は、上記の如き輝度系列(Y1〜Y9)中において、夫々の輝度頻度値が極大値〜極小値〜極大値の如く遷移する系列を抽出する。例えば、図3(a)においては、輝度系列(Y1、Y2、Y3)、輝度系列(Y3、Y4、Y5)、輝度系列(Y5、Y6、Y7)が抽出される。次に、輝度頻度補正部2は、これら輝度系列の内で、極小値と極大値との差が所定値よりも大となる系列を検出し、その系列中の極小値を補正対象とする。例えば、図3(a)においては、これら輝度系列の内で、輝度系列(Y1、Y2、Y3)中の極小値のみが補正対象となる。すなわち、輝度系列(Y1〜Y3)における輝度Y1の輝度頻度値h1(極大値)と、輝度Y2の輝度頻度値h2(極小値)との差分値が所定値よりも大となるので、この輝度Y2の輝度頻度値h2が補正対象となる。そして、輝度頻度補正部2は、輝度分布信号YH中において、補正対象となった輝度頻度値に対しては所定補正値を加算してその輝度頻度値を増加させる一方、その他の輝度頻度値はそのまま用いることにより、補正輝度分布信号YHhを生成する。例えば、図3(a)に示す輝度分布信号YHに対しては、輝度Y2の輝度頻度h2に対してのみその頻度値を増加させるべき補正を行うことにより、図3(b)に示す如き補正輝度分布信号YHhを生成する。要するに、上記コンポーネントビデオ信号を送出する側(例えば撮影装置)の分解能が低い場合には、そのビデオ信号によって表される画像の輝度範囲内において、特定の輝度が欠落する場合がある。このように一部の輝度が欠落しているビデオ信号に対して後述するが如き表示物の検出を行うと、その検出動作が不安定になる。そこで、輝度頻度補正部2において、欠落している輝度(例えば図3(a)の輝度Y2)を検出し、その輝度に対応した輝度頻度値を強制的に増加させるべき補正を行うのである。
【0015】
輝度頻度補正部2は、かかる補正によって得られた補正輝度分布信号YHhをローパスフィルタ3に供給する。
【0016】
ローパスフィルタ3は、補正輝度分布信号YHhによって表される輝度頻度値の系列に対して、急峻な変化が生じる部分に対してのみに平坦化処理を施すことによりノイズ除去を行い、この際得られた輝度分布信号YHDを微分処理部4に供給する。
【0017】
微分処理部4は、図3(b)に示す如き輝度分布信号YHDに対して以下の如き微分処理を施す。すなわち、微分処理部4は、輝度分布信号YHD中における輝度頻度値の立ち上がり部を夫々検出し、各立ち上がり部毎に、図3(c)に示す如くその極大値に対応したピークレベルを有し且つこの立ち上がり部の区間(輝度範囲)に対応したパルス幅を有するパルスを生成する。この際、各パルスは、1フレーム画像内において表示されるべき表示物(オブジェクト)各々の代表的な輝度分布を夫々示すものとなる。例えば、図3(c)に示す如きパルスP1は、そのパルス幅によって示される輝度範囲内の各輝度で表される少なくとも1の表示物(オブジェクト)の存在を表すものである。すなわち、微分処理部4は、輝度分布信号YHD中に存在する輝度頻度値の極大値を夫々検出し、各極大値毎に、その極大値に到るまでの立ち上がり区間に対応したパルス幅を有するパルスを、1フレーム画像内において表示される表示物の輝度分布を表す情報として生成するのである。
【0018】
微分処理部4は、図3(c)に示す如き各表示物を表すパルスの列からなる信号を表示物輝度分布信号UDとして低輝度引込点/変極点検出部50A及び高輝度引込点/変極点検出部50Bの各々に供給する。
【0019】
低輝度引込点/変極点検出部50Aは、重付け処理部5A、オブジェクト検出部6A、平均化処理部7A、及び引込点/変極点算出部8Aからなる。
【0020】
重付け処理部5Aは、先ず、図3(c)に示す如き表示物輝度分布信号UD中において、所定の第1輝度YT1よりも低い輝度範囲内に含まれるパルスを抽出する。例えば、図3(c)においては、表示物輝度分布信号UDによって表されるパルス列(P1〜P5)の内から、第1輝度YT1よりも低い輝度範囲に含まれるパルスP1及びP2を抽出する。次に、重付け処理部5Aは、これらパルス各々に対して、夫々の振幅をそのパルスに対応した輝度が低いものほど大なる増加率にて増加させるべき重み付け処理を施して得られた信号を、低域強調表示物輝度分布信号UDLとしてオブジェクト検出部6Aに供給する。例えば、かかる重み付け処理により、重付け処理部5Aは、図3(c)に示されるパルスP1及びP2各々の内のP1を図3(d)のパルスPB1、P2を図3(d)のパルスPB2に夫々変換し、これらパルスPB1及びPB2を示す低域強調表示物輝度分布信号UDLをオブジェクト検出部6Aに供給する。すなわち、重付け処理部5Aは、オブジェクト検出部6Aでの低輝度表示物に対する検出精度を高めるべく、表示物輝度分布信号UD中における低輝度区間に含まれる各パルスに対して、低輝度な表示物を表すパルスほど、その振幅を増大させるべき重み付け処理を行うのである。
【0021】
オブジェクト検出部6Aは、先ず、低域強調表示物輝度分布信号UDLによって表される各パルスのピークレベルを2乗し、この2乗値が所定の閾値以上となるパルスを低輝度表示物の代表となる輝度分布を表すパルスとして検出する。例えば、図3(d)に示す如き低域強調表示物輝度分布信号UDLにて表されるパルスPB1及びPB2の内で、PB1のピークレベルの2乗値が所定閾値以上となり、PB2のピークレベルの2乗値が所定閾値未満である場合には、オブジェクト検出部6Aは、このパルスPB1を低輝度表示物の代表となる輝度分布を表すパルスとして検出する。次に、オブジェクト検出部6Aは、この検出したパルスのピークレベルに対応した輝度を、このパルスによって表される表示物を眺めた際に視覚される代表的な輝度値である代表輝度値Lp、そのパルスによって表される最低輝度を最低輝度値Lbとする。例えば、オブジェクト検出部6Aは、図3(d)に示す如きパルスPB1のピークレベルに対応した輝度値を代表輝度値Lpとすると共に、パルスPB1によって表される最低輝度を最低輝度値Lbとする。オブジェクト検出部6Aは、これら代表輝度値Lp及び最低輝度値Lbを、入力されたコンポーネントビデオ信号における各フレーム毎に検出し、順次、平均化処理部7Aに供給する。
【0022】
平均化処理部7Aは、各フレーム毎に供給される代表輝度値Lp及び最低輝度値Lbを夫々個別に平均化して得られた平均代表輝度値Lp1及び平均最低輝度値Lb1を引込点/変極点算出部8Aに供給する。
【0023】
引込点/変極点算出部8Aは、上記平均代表輝度値Lp1及び平均最低輝度値Lb1に基づく以下の演算により、低輝度側の輝度変換特性(後述する)を決定するパラメータとしての引込点輝度値dp及び変極点輝度値ipを算出する。
【0024】
すなわち、引込点輝度値dpを求める場合、引込点/変極点算出部8Aは、平均代表輝度値Lp1から所定値LY1(LY1>0)を減算し、その減算結果を引込点輝度値dpとする。ただし、所定値LY1は、算出された引込点輝度値dpが上記平均最低輝度値Lb1を下回らないような値に設定される。又、引込点/変極点算出部8Aは、平均最低輝度値Lb1に所定値LY1(LY1>0)を加算し、その加算結果を引込点輝度値dpとして求めるようにしても良い。ただし、この際、所定値LY1は、算出された引込点輝度値dpが上記平均代表輝度値Lp1を超えないような値に設定される。又、平均代表輝度値Lp1から平均最低輝度値Lb1を減算した結果を100パーセントとし、平均最低輝度値Lb1に対して所定のα%(0%<α<100%)を加算した値を引込点輝度値dpとするようにしても良い。この際、引込点輝度値dpは必ず平均代表輝度値Lp1よりも小となるように上記α%が設定される。
【0025】
一方、変極点輝度値ipを求める場合、引込点/変極点算出部8Aは、上述した如く算出した引込点輝度値dpに所定値LY2(LY2>0)を加算し、その加算結果を変極点輝度値ipとする。又、引込点/変極点算出部8Aは、引込点輝度値dpに所定値b(b>1)を乗算し、その乗算結果を変極点輝度値ipとしても良い。或いは、変極点輝度値ipは、この引込点輝度値dpの値に拘わらず所定の固定値であっても良い。更に、引込点輝度値dpが0〜所定値aなる範囲内にある場合には変極点輝度値ipを所定の固定値S1に固定し、所定値a〜固定値S1なる範囲内にある場合には引込点輝度値dpに所定値bを乗算した乗算結果を変極点輝度値ipとするようにしても良い。
【0026】
引込点/変極点算出部8Aは、これら低輝度側の輝度変換特性パラメータとしての引込点輝度値dp及び変極点輝度値ipを示す低輝度変換パラメータYPを輝度変換特性生成部9に供給する。
【0027】
一方、高輝度引込点/変極点検出部50Bは、重付け処理部5B、オブジェクト検出部6B、平均化処理部7B及び引込点/変極点算出部8Bからなる。
【0028】
重付け処理部5Bは、先ず、図3(c)に示す如き表示物輝度分布信号UD中において、所定の第2輝度YT2よりも高い輝度範囲内に含まれるパルスを抽出する。例えば、図3(c)においては、表示物輝度分布信号UDによって表されるパルス列(P1〜P5)の内から、第2輝度YT2よりも高い輝度範囲に含まれるパルスP4及びP5を抽出する。次に、重付け処理部5Bは、これらパルス各々に対して、夫々の振幅をそのパルスに対応した輝度が高いものほど大なる増加率にて増加させるべき重み付け処理を施して得られた信号を、高域強調表示物輝度分布信号UDHとしてオブジェクト検出部6Bに供給する。例えば、かかる重み付け処理により、重付け処理部5Bは、図3(c)に示されるパルスP4及びP5各々の内のP4を図3(e)のパルスPB4、P5を図3(e)のパルスPB5に夫々変換し、これらパルスPB4及びPB5を示す高域強調表示物輝度分布信号UDHをオブジェクト検出部6Bに供給する。すなわち、重付け処理部5Bは、オブジェクト検出部6Bでの高輝度表示物に対する検出精度を高めるべく、表示物輝度分布信号UD中における高輝度区間に含まれる各パルスに対して、高輝度な表示物を表すパルスほど、その振幅を増大させるべき重み付け処理を行うのである。
【0029】
オブジェクト検出部6Bは、先ず、高域強調表示物輝度分布信号UDHによって表される各パルスのピークレベルを2乗し、この2乗値が所定の閾値以上となるパルスを高輝度表示物の代表となる輝度分布を表すパルスとして検出する。例えば、図3(e)に示す如き高域強調表示物輝度分布信号UDHにて表されるパルスPB4及びPB5の内で、PB5のピークレベルの2乗値が所定閾値以上となり、PB4のピークレベルの2乗値が所定閾値未満である場合には、オブジェクト検出部6Bは、このパルスPB5を高輝度表示物の代表となる輝度分布を表すパルスとして検出する。次に、オブジェクト検出部6Bは、この検出したパルスのピークレベルに対応した輝度を、このパルスによって表される表示物を眺めた際に視覚される代表的な輝度値である代表輝度値Hpとすると共に、そのパルスによって表される最高輝度を最高輝度値Hbとする。例えば、オブジェクト検出部6Bは、図3(e)に示す如きパルスPB5のピークレベルに対応した輝度値を代表輝度値Hp、パルスPB5によって表される最高輝度を最高輝度値Hbとする。オブジェクト検出部6Bは、これら代表輝度値Hp及び最高輝度値Hbを、入力されたコンポーネントビデオ信号における各フレーム毎に検出し、順次、平均化処理部7Bに供給する。
【0030】
平均化処理部7Bは、各フレーム毎に供給される代表輝度値Hp及び最高輝度値Hbを夫々個別に平均化して得られた平均代表輝度値Hp1及び平均最高輝度値Hb1を引込点/変極点算出部8Bに供給する。
【0031】
引込点/変極点算出部8Bは、上記平均代表輝度値Hp1及び平均最高輝度値Hb1に基づく以下の演算により、高輝度側の輝度変換特性(後述する)を決定するパラメータとしての引込点輝度値dp及び変極点輝度値ipを算出する。
【0032】
すなわち、引込点輝度値dpを求める場合、引込点/変極点算出部8Bは、平均代表輝度値Hp1に所定値HY1(HY1>0)を加算し、その加算結果を引込点輝度値dpとする。ただし、所定値HY1は、算出された引込点輝度値dpが上記平均最高輝度値Hb1を超えないような値に設定される。又、引込点/変極点算出部8Bは、平均最高輝度値Hb1から所定値HY1(HY1>0)を減算し、その減算結果を引込点輝度値dpとして求めるようにしても良い。ただし、この際、所定値HY1は、算出された引込点輝度値dpが上記平均代表輝度値Hp1を下回らないような値に設定される。又、平均最高輝度値Hb1から平均代表輝度値Hp1を減算した結果を100パーセントとし、平均最高輝度値Hb1に対して所定のβ%(0%<β<100%)を減算した値を引込点輝度値dpとするようにしても良い。この際、引込点輝度値dpは必ず平均代表輝度値Hp1よりも大となるように上記β%が設定される。
【0033】
そして、変極点輝度値ipを求める場合、引込点/変極点算出部8Bは、上述した如く算出した引込点輝度値dpから所定値LY2(LY2>0)を減算し、その減算結果を変極点輝度値ipとする。又、引込点/変極点算出部8Bは、引込点輝度値dpに所定値b(1>b>0)を乗算し、その乗算結果を変極点輝度値ipとしても良い。或いは、変極点輝度値ipは、この引込点輝度値dpの値に拘わらず所定の固定値であっても良い。
【0034】
引込点/変極点算出部8Bは、これら高輝度側の輝度変換特性パラメータとしての引込点輝度値dp及び変極点輝度値ipを示す高輝度変換パラメータYPを輝度変換特性生成部9に供給する。
【0035】
輝度変換特性生成部9は、上記低輝度変換パラメータYP及び高輝度変換パラメータYPに基づき、以下の如く輝度変換特性信号を生成する。
【0036】
すなわち、輝度変換特性生成部9は、先ず、図4(a)に示す如き所定の一次変換関数fx(破線にて示す)上において、低輝度変換パラメータYPにおける変極点輝度値ipに対応した出力輝度値Q1、高輝度変換パラメータYPにおける変極点輝度値ipに対応した出力輝度値Q2を求める。
【0037】
尚、一次変換関数fxは、例えば、
out=Yin
in:入力輝度
out:出力輝度
なる一次関数であり、入力輝度Yinによって表される最低輝度「0」〜最高輝度「255」をそのまま出力輝度Youtに変換するものである。
【0038】
次に、輝度変換特性生成部9は、図4(b)の太線に示すように、輝度「0」〜低輝度変換パラメータYPにおける引込点輝度値dpまでの輝度区間を、入力輝度Yinを一律に最低輝度「0」の出力輝度Youtに変換する区間とする。
【0039】
次に、輝度変換特性生成部9は、低輝度変換パラメータYPにおける引込点輝度値dp〜変極点輝度値ipまでの区間を、図4(b)の太線に示すように、この引込点輝度値dpにて出力輝度値「0」となる点と、変極点輝度値ipにて出力輝度値「Q1」となる点とを直線で結んで表される、
out=[Q1/(ip-dp)]・Yin−[Q1・dp/(ip-dp)]
なる一次関数、つまりYout=Yinよりも傾きが大となる一次関数にて入力輝度を出力輝度に変換する区間とする。
【0040】
従って、かかる区間(YPのdp〜ip)が図4(b)に示す如く低輝度の入力輝度に対する低輝度強調区間SEとなる。
【0041】
次に、輝度変換特性生成部9は、低輝度変換パラメータYPにおける変極点輝度値ipから高輝度変換パラメータYPにおける変極点輝度値ipまでの区間を、図4(b)の太線に示すように、上記一次変換関数fx、つまり入力輝度をそのまま出力輝度として出力する区間とする。
【0042】
次に、輝度変換特性生成部9は、高輝度変換パラメータYPにおける変極点輝度値ip〜引込点輝度値dpまでの区間を、図4(b)の太線に示すように、この変極点輝度値ipにて出力輝度値「Q2」となる点と、引込点輝度値dpにて出力輝度値「255」となる点とを直線で結んで表される、
out=[(255-Q2)/(dp-ip)]・Yin+[(Q2・dp-255ip)/(dp-ip)]
なる一次関数、つまりYout=Yinよりも傾きが大となる一次関数にて入力輝度を出力輝度に変換する区間とする。
【0043】
従って、かかる区間(YPのip〜dp)が図4(b)に示す如く高輝度の入力輝度に対する高輝度強調区間SEとなる。
【0044】
次に、輝度変換特性生成部9は、高輝度変換パラメータYPにおける引込点輝度値dp〜最高輝度「255」までの輝度区間を、入力輝度Yinを一律に最高輝度「255」の出力輝度Youtに変換する区間とする。
【0045】
輝度変換特性生成部9は、図4(b)の太線に示す如き、入力輝度Yin(輝度「0」〜「255」)を出力輝度Yout(輝度「0」〜「255」)に変換させるべき輝度変換特性を表す輝度変換特性信号YCをスムージング処理部10に供給する。
【0046】
スムージング処理部10は、輝度変換特性信号YCによって表される図4(b)に示す如き変換特性ラインに対して、これを滑らかな曲線にすべきスムージング処理を施して得られた図4(c)に示す如き輝度変換特性信号YQを輝度変換部11に供給する。すなわち、図4(b)に示すように、引込点輝度値dp及び変極点輝度値ipを境界とした前後の輝度間で変換後の輝度遷移量が大幅に異なっていると、表示画像中の表示物のエッジ部が不自然に強調されてしまう場合があるので、これを防止すべく図4(b)に示す輝度変換特性信号YCに対してスムージング処理を施すのである。
【0047】
遅延処理部12は、1フレーム分の輝度信号Yに対して、上記輝度ヒストグラム演算部1、輝度頻度補正部2、ローパスフィルタ3、微分処理部4、低輝度引込点/変極点検出部50A(又は50B)、輝度変換特性生成部9及びスムージング処理部10によって費やされる処理時間の合計時間の分だけ、入力コンポーネントビデオ信号(Y、Cb、Cr)を遅延させて輝度変換部11に供給する。
【0048】
輝度変換部11は、遅延処理部12から供給されたコンポーネントビデオ信号(Y、Cb、Cr)中の色差信号Cb及びCrをそのままRGB変換部13に供給する。
【0049】
更に、輝度変換部11は、このコンポーネントビデオ信号中の輝度信号Yに対しては、図4(c)に示す如き輝度変換特性信号YQに従った輝度変換処理を施し、この際得られた輝度信号YYをRGB変換部13に供給する。RGB変換部13は、輝度変換部11から供給された輝度信号YY、色差信号Cb及びCrに基づき、各色(赤、緑、青)毎の色信号R、色信号G及び色信号Bを復元してパネルドライバ101に供給する。
【0050】
ここで、輝度変換部11による輝度変換処理では、図4(c)に示す如き輝度変換特性信号YQに基づき、入力輝度が中輝度の輝度範囲(YPのip〜YPのip)に含まれる場合には、その入力輝度をそのまま輝度信号YYとして出力する。一方、入力輝度が低輝度の輝度範囲、つまり図4(c)に示す低輝度強調区間SE(YPのdp〜ip)に含まれる場合には、かかる入力輝度を、その入力輝度よりも更に低い輝度に変換したものを輝度信号YYとして出力する。尚、低輝度強調区間SEよりも更に低輝度な入力輝度に対しては、表示パネル101の最低輝度「0」に対応した輝度に変換したものを輝度信号YYとして出力する。又、入力輝度が高輝度の輝度範囲、つまり図4(c)に示す高輝度強調区間SE(YPのip〜dp)に含まれる場合には、かかる入力輝度を、その入力輝度よりも更に高い輝度に変換したものを輝度信号YYとして出力する。尚、高輝度強調区間SEよりも更に高低輝度な入力輝度に対しては、表示パネル101の最高輝度「255」に対応した輝度に変換したものを輝度信号YYとして出力するのである。
【0051】
このように、かかる輝度変換処理によれば、入力輝度に対して各フレーム毎にそのフレーム内での最低輝度及び最高輝度を夫々表示パネル101の最低輝度「0」及び最高輝度「255」で表示させるべきダイナミックレンジの拡張が為される。この際、入力輝度に対して特定の低輝度強調区間(SE)及び高輝度強調区間(SE)において輝度の強調を行うようにしているので、コントラスト感の高い、メリハリのある表示が為されるようになる。
【0052】
尚、上記輝度変換処理によると、入力映像信号によって表される表示物の内で、上述した如き特定の低輝度強調区間(SE)での最低輝度、つまり低輝度変換パラメータYPによる引込点輝度値dp(以降、低輝度引込値と称する)よりも低輝度な表示物は、一律に最低輝度「0」で表示される。又、入力映像信号によって表される表示物の内で、上述した如き特定の高輝度強調区間(SE)での最高輝度、つまり高輝度変換パラメータYPによる引込点輝度値dp(以降、高輝度引込値と称する)よりも高輝度な表示物は、一律に最高輝度「255」で表示される。
【0053】
この際、これら低輝度引込値及び高輝度引込値を設定するにあたり、図2に示される映像信号処理部100では、先ず、入力された輝度信号Yに基づき各フレーム毎に輝度ヒストグラム情報を生成する。すなわち、輝度信号Yによって表すことが可能な全輝度範囲内の各輝度毎に、その輝度で表示される1フレーム内での画素の総数を輝度頻度値として集計し、この集計結果を輝度の低い順又は高い順に系列化した、例えば図3(a)又は図3(b)に示す如き輝度分布信号(YH、YHh又はYHD)を生成する。次に、かかる輝度分布信号中から、輝度頻度値の極大値を検出し、各極大値毎にその極大値に到るまでの立ち上がり区間に対応したパルス幅を有するパルスを、1フレーム画像内において表示される表示物の輝度分布を表す表示物輝度分布情報[図3(c)に示す]として生成する。次に、かかる表示物輝度分布情報中から、所定の第1輝度(YT1)よりも低輝度な輝度分布を有する表示物に対応した輝度分布情報[図3(d)に示す]、及び所定の第2輝度(YT2)よりも高輝度な輝度分布を有する表示物に対応した輝度分布情報[図3(e)に示す]を夫々抽出する。そして、映像信号処理部100は、この低輝度な輝度分布を有する表示物における最低輝度(Lb)又は代表輝度(Lp)に基づいて低輝度引込値を設定する。更に、上記の如き高輝度な輝度分布を有する表示物における最高輝度(Hb)又は代表輝度(Hp)に基づいて高輝度引込値を設定するようにしている。
【0054】
すなわち、1フレーム分の入力映像信号によって表される、輝度変化を伴う表示物の内で、最低の輝度成分を含む輝度成分で構築されている表示物を低輝度強調の対象とさせるべく低輝度強調区間(SE)の下限(低輝度引込値)を設定する。更に、最高の輝度成分を含む輝度成分で構築されている表示物の輝度分布を高輝度強調の対象とさせるべく高輝度強調区間(SE)の上限(高輝度引込値)を設定するのである。
【0055】
言い換えると、最低の輝度成分を含む輝度成分で構築されている表示物(オブジェクト)を低輝度強調区間(SE)に確実に引き込めることができ、最高の輝度成分を含む輝度成分で構築されている表示物(オブジェクト)を高輝度強調区間(SE)に確実に引き込めることができる。これは、輝度頻度値の微分値を表示物(オブジェクト)の検出に用いることによって、表示物(オブジェクト)の検出を確実にすることができるためである。
【0056】
従って、映像信号処理部100の輝度変換処理によれば、2次元面内において輝度の変化が生じている表示物の全てに対して、「白つぶれ」或いは「黒つぶれ」等の画質劣化を生じさせることなく、高輝度部及び低輝度部の輝度を夫々強調させた、コントラスト感の高いメリハリある表示を行うことが可能となる。
【0057】
尚、上記実施例において、輝度変換特性生成部9では、図4(b)の太線にて示す如き輝度変換特性を表す輝度変換特性信号YCを生成するようにしているが、これに代わり図5の太線にて示す如き輝度変換特性を表す輝度変換特性信号YCを生成するようにしても良い。すなわち、図5の太線に示す如く、低輝度変換パラメータYPの変極点輝度値ip〜高輝度変換パラメータYPの引込点輝度値dpまでの区間に限り、低輝度変換パラメータYPの変極点輝度値ipにて出力輝度値Q1となる点と、高輝度変換パラメータYPの引込点輝度値dpにて出力輝度値「255」となる点とを直線で結んで表される輝度変換特性を採用するのである。かかる輝度変換特性によれば、入力輝度の中輝度区間(YPのip〜YPのip)に対しても輝度の強調が為される。よって、画像を全体的に明るく表示させたい場合に、図4(b)に代わり図5に示す輝度変換特性を採用する。
【0058】
又、図2に示す映像信号処理部100では、輝度信号Y、色差信号Cb及びCrからなるコンポーネントビデオ信号を入力映像信号の対象としているが、各色(赤、緑、青)毎の色信号(R、G、B)を入力映像信号の対象としても良い。この際、映像信号処理部100の輝度ヒストグラム演算部1及び遅延処理部12の前段に、図6に示す如き、色信号(R、G、B)をコンポーネントビデオ信号(Y、Cb、Cr)に変換するコンポーネントビデオ変換処理部14を設けるのである。
【0059】
又、図2及び図6に示す映像信号処理部100では、入力映像信号に対してその高輝度部及び低輝度部を共に強調させるべき処理を施すようにしているが、いずれか一方のみに強調処理を施すようにしても良い。すなわち、高輝度部に対する強調処理のみを実施する場合には、図2及び図6に示される低輝度引込点/変極点検出部50A、及び高輝度引込点/変極点検出部50Bの内の50Aを省く。又、低輝度部に対する強調処理のみを実施する場合には、高輝度引込点/変極点検出部50Bを省くのである。
【符号の説明】
【0060】
1 輝度ヒストグラム演算部
4 微分処理部
6A、6B オブジェクト検出部
8A、8B 引込点/変極点算出部
9 輝度変換特性生成部
11 輝度変換部11

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力映像信号によって表される輝度を強調させるべき映像信号処理を前記入力映像信号に対して施す映像信号処理方法であって、
前記入力映像信号に基づき各輝度毎の頻度を表す輝度分布を求める輝度分布演算行程と、
前記輝度分布に基づいて、前記入力映像信号中において最低又は最高の輝度成分を含む輝度成分で構築されている表示物を検出する表示物検出行程と、
前記表示物が含まれる輝度範囲を、輝度強調を実施させるべき輝度強調区間として設定する輝度強調区間設定行程と、
前記入力映像信号によって示される入力輝度が前記輝度強調区間に含まれる場合には当該入力輝度に対して輝度レベルを増加又は低下させるべき輝度変換処理を施す輝度変換行程と、を有することを特徴とする映像信号処理方法。
【請求項2】
前記表示物検出行程は、前記入力映像信号中において最低の輝度成分を含む輝度成分で構築されている表示物を検出し、
前記輝度変換行程は、前記入力映像信号によって示される入力輝度が前記輝度強調区間に含まれる場合には当該入力輝度に対して輝度レベルを低下させるべき輝度変換処理を施すことを特徴とする請求項1記載の映像信号処理方法。
【請求項3】
前記表示物検出行程は、前記入力映像信号中において最高の輝度成分を含む輝度成分で構築されている表示物を検出し、
前記輝度変換行程は、前記入力映像信号によって示される入力輝度が前記輝度強調区間に含まれる場合には当該入力輝度に対して輝度レベルを増加させるべき輝度変換処理を施すことを特徴とする請求項1記載の映像信号処理方法。
【請求項4】
前記表示物検出行程は、前記入力映像信号中において最低の輝度成分を含む輝度成分で構築されている表示物を最低輝度表示物として検出すると共に、前記前記入力映像信号中において最高の輝度成分を含む輝度成分で構築されている表示物を最高輝度表示物として検出し、
前記輝度強調区間設定行程は、前記最低輝度表示物が含まれる輝度範囲を、低輝度を強調させるべき低輝度強調区間として設定すると共に、前記最高輝度表示物が含まれる輝度範囲を、高輝度を強調させるべき高輝度強調区間として設定し、
前記輝度変換行程は、前記入力映像信号によって示される入力輝度が前記低輝度強調区間に含まれる場合には当該入力輝度に対して輝度レベルを低下させるべき輝度変換処理を施す一方、前記入力輝度が前記高輝度強調区間に含まれる場合には当該入力輝度に対して輝度レベルを増加させるべき輝度変換処理を施すことを特徴とする請求項1記載の映像信号処理方法。
【請求項5】
前記輝度分布演算行程は、前記入力映像信号に基づき各フレーム毎にそのフレーム内での各輝度毎の出現頻度を求め、当該出現頻度を輝度の低い又は高い順に系列化して表す輝度分布信号を生成し、
前記表示物検出行程は、前記輝度分布信号を微分することにより前記表示物の輝度分布を抽出することを特徴とする請求項2に記載の階調補正方法。
【請求項6】
前記表示物の輝度分布における最低輝度に基づき前記輝度強調区間の最低輝度を決定することを特徴とする請求項5に記載の階調補正方法。
【請求項7】
前記輝度分布演算行程は、前記入力映像信号に基づき各フレーム毎にそのフレーム内での各輝度毎の出現頻度を求め、当該出現頻度を輝度の低い又は高い順に系列化して表す輝度分布信号を生成し、
前記表示物検出行程は、前記輝度分布信号を微分することにより前記表示物の輝度分布を抽出することを特徴とする請求項3に記載の階調補正方法。
【請求項8】
前記表示物の輝度分布における最高輝度に基づき前記輝度強調区間の最高輝度を決定することを特徴とする請求項7に記載の階調補正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−166139(P2010−166139A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−4655(P2009−4655)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】