説明

映像信号処理装置及び方法

【課題】補間フレームを生成する性能をさほど落とすことなく回路規模の増大を抑えることができる映像信号処理装置を提供する。
【解決手段】動きベクトル検出部2は動きベクトルMVを検出する。遅延部31,32は、補間画素データを生成する際に必要な2つの実フレームそれぞれのフレーム内の複数の画素データを生成する。判定部33〜35は、動きベクトルMVに応じて補間画素データを生成するための2つの実フレーム内の画素データの内、一方のフレーム内の画素データが遅延部31,32によって生成されない状況が発生するか否かを判定する。補間画素データ生成部36〜38は、上記の状況が発生する場合に、一方のフレームの画素データを除く2つの実フレームの内の他方のフレーム内の画素データを用いて補間画素データを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレームレート変換装置やフィルムジャダ除去装置のような映像信号の実フレーム間に補間フレームを内挿する映像信号処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルを用いた画像表示装置で動画像を表示すると残像が生じやすい。そこで、残像を低減させるため、映像信号の実フレーム間に補間フレームを内挿してフレーム数を増大させ、例えば垂直周波数60Hzのフレームレートを2倍の120Hzまたはそれ以上の垂直周波数に変換して画像表示することが行われている。フレームレート変換を行う映像信号処理装置においては、画像の動きベクトルを検出し、動きベクトルを用いて各補間画素を生成し、実フレーム間に内挿する補間フレームを生成する。
【0003】
また、フィルム画像を例えば2−3プルダウンによって垂直周波数60Hzの映像信号に変換した場合、画像の動きに不自然さが発生しやすい。この画像の動きの不自然さをフィルムジャダと称している。フィルムジャダを除去(軽減)するために、実フレーム間に補間フレームを内挿するフィルムジャダ除去装置がある。フィルムジャダ除去装置においても、画像の動きベクトルを検出し、動きベクトルを用いて各補間画素を生成し、補間フレームを生成する。なお、フィルムジャダ除去装置では、フレームレートを変換しない場合と変換する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−337448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像の動きベクトルを検出し、動きベクトルを用いて各補間画素を生成し、補間フレームを生成する映像信号処理装置においては、高画質な映像とするため、誤補間を極力少なくすることが求められる。誤補間を少なくして補間フレームを生成する性能を向上させるには、一般的に、動きベクトル検出部や、動きベクトルに基づいて補間画素データを生成する補間部の回路規模が増大する。しかしながら、動きベクトル検出部や補間部の回路規模を大きくするとコストが高くなってしまう。そこで、補間フレームを生成する性能をさほど落とすことなく回路規模の増大を抑えることができる映像信号処理装置及び方法が求められる。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、補間フレームを生成する性能をさほど落とすことなく回路規模の増大を抑えることができる映像信号処理装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、入力された映像信号における少なくとも2つの実フレーム内の画素データを用いて、前記2つの実フレーム間に内挿する補間フレームを構成する補間画素データを生成する際に必要な動きベクトルを検出する動きベクトル検出部(2)と、前記補間画素データを生成する際に必要な前記2つの実フレームそれぞれのフレーム内の複数の画素データを生成する画素データ生成部(31,32)と、前記動きベクトルに応じて前記補間画素データを生成するための前記2つの実フレーム内の画素データの内、一方のフレーム内の画素データが前記画素データ生成部によって生成されない状況が発生するか否かを判定する判定部(33〜35)と、前記判定部が、前記状況が発生しないと判定した場合には、前記2つの実フレーム内の画素データを用いて前記補間画素データを生成し、前記判定部が、前記状況が発生すると判定した場合には、前記一方のフレームの画素データを除く前記2つの実フレームの内の他方のフレーム内の画素データを用いて前記補間画素データを生成する補間画素データ生成部(36〜38)とを備えることを特徴とする映像信号処理装置を提供する。
【0008】
上記の構成において、前記補間画素データ生成部は、前記判定部が、前記状況が発生すると判定した場合には、前記他方のフレーム内の画素データのみを用いて前記補間画素データを生成する。
また、前記補間画素データ生成部は、前記判定部が、前記状況が発生すると判定した場合には、前記他方のフレーム内の画素データと、前記補間画素データと同一の水平及び垂直位置にある画素データとを混合して、前記補間画素データを生成する。
【0009】
また、本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、入力された映像信号における少なくとも2つの実フレーム内の画素データを用いて、前記2つの実フレーム間に内挿する補間フレームを構成する補間画素データを生成する際に必要な動きベクトルを検出する動きベクトル検出ステップと、前記補間画素データを生成する際に必要な前記2つの実フレームそれぞれのフレーム内の複数の画素データを生成する画素データ生成ステップと、前記動きベクトルに応じて前記補間画素データを生成するための前記2つの実フレーム内の画素データの内、一方のフレーム内の画素データが前記画素データ生成ステップにて生成されない状況が発生するか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにて前記状況が発生しないと判定された場合には、前記2つの実フレーム内の画素データを用いて前記補間画素データを生成し、前記判定ステップにて前記状況が発生すると判定された場合には、前記一方のフレームの画素データを除く前記2つの実フレームの内の他方のフレーム内の画素データを用いて前記補間画素データを生成する補間画素データ生成ステップとを含むことを特徴とする映像信号処理方法を提供する。
【0010】
上記の構成において、前記補間画素データ生成ステップは、前記判定ステップにて前記状況が発生すると判定された場合には、前記他方のフレーム内の画素データのみを用いて前記補間画素データを生成する。
また、前記補間画素データ生成ステップは、前記判定ステップにて前記状況が発生すると判定された場合には、前記他方のフレーム内の画素データと、前記補間画素データと同一の水平及び垂直位置にある画素データとを混合して、前記補間画素データを生成する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の映像信号処理装置及び方法によれば、補間フレームを生成する性能をさほど落とすことなく回路規模の増大を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の映像信号処理装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1における動きベクトル検出部2の動作を説明するための図である。
【図3】図1における遅延部31,32の具体的構成例を示すブロック図である。
【図4】一実施形態による補間画素の生成方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の映像信号処理装置について、添付図面を参照して説明する。図1に示す本発明の一実施形態は、映像信号処理装置の一例として、映像信号の実フレーム間に3フレーム分の補間フレームを内挿して、フレームレートを4倍に変換するフレームレート変換装置を示している。本発明の映像信号処理装置は、フレームレート変換装置に限定されるものではなく、フィルムジャダ除去装置であってもよく、映像信号の実フレーム間に補間フレームを内挿するものであればよい。
【0014】
図1において、60Hzのフレーム周波数を有する映像信号Sinの各画素データは、フレームメモリ1,動きベクトル検出部2,補間部3,フレーム周波数変換部4に順次入力される。フレーム周波数変換部4は時系列変換メモリによって構成されている。フレームメモリ1は入力された画素データを1フレーム遅延して出力する。入力された映像信号Sinの現在フレームをF0、フレームメモリ1より出力された現在フレームより1フレーム前のフレームをF1とする。現在フレームF0及びフレームF1は実フレームである。
【0015】
動きベクトル検出部2は、例えばマッチング法を用い、現在フレームF0とフレームF1の画素データを用いて、現在フレームF0とフレームF1との間に内挿する補間フレームの各補間画素データを生成するための動きベクトルMVを検出する。特に図示しないが、動きベクトル検出部2は複数のラインメモリと画素遅延器、画素データの差分を求める減算器等を含んで構成される。動きベクトルMVは、遅延部31,32及び判定部33〜35に入力される。現在フレームF0とフレームF1に加えて、フレームF1よりも過去のフレームを用いて動きベクトルMVを検出してもよい。
【0016】
図2に示すように、現在フレームF0と1フレーム前のフレームF1との間に3つの補間フレームFi1,Fi2,Fi3を挿入する場合、現在フレームF0の画素データPf00とフレームF1の画素データPf10との間には、破線で示す補間画素データPfi1,Pfi2,Pfi3を挿入する必要がある。動きベクトル検出部2は、画素データPf00と画素データPf10との中央に位置する補間画素データPfi2を生成するための動きベクトルMVi2を生成する。そして、動きベクトル検出部2は、動きベクトルMVi2をずらすことによって、補間画素データPfi1を生成するための動きベクトルMVi1と間画素データPfi3を生成するための動きベクトルMVi3とを生成する。動きベクトルMVは動きベクトルMVi1〜MVi3の総称である。
【0017】
遅延部31は、入力された現在フレームF0の画素データPf0を水平方向に画素単位で順次遅延させ、ライン単位で順次遅延させることによって、補間画素データPfi1,Pfi2,Pfi3を生成するのに必要な現在フレームF0上の複数の画素データを生成する。同様に、遅延部32は、入力されたフレームF1の画素データPf1を水平方向に画素単位で順次遅延させ、ライン単位で順次遅延させることによって、補間画素データPfi1,Pfi2,Pfi3を生成するのに必要なフレームF1上の複数の画素データを生成する。即ち、遅延部31,32は、補間画素データを生成する際に必要な2つの実フレームそれぞれのフレーム内の複数の画素データを生成する画素データ生成部となっている。
【0018】
図3を用いて遅延部31,32の具体的構成例について説明する。遅延部31と遅延部32とは同一の構成である。遅延部31には現在フレームF0の画素データPf0が順次入力され、遅延部32にはフレームメモリ1より出力されたフレームF1の画素データPf1が順次入力される。画素データPf0は図2における画素データPf0-4,Pf0-3,Pf0-2,Pf0-1,Pf00,Pf01,Pf02…等の任意の画素データであり、画素データPf1は図2における画素データPf1-4,Pf1-3,Pf1-2,Pf1-1,Pf10,Pf11,Pf12…等の任意の画素データである。
【0019】
以下、代表して画素データPf0が入力される遅延部31について説明する。図3において、ラインメモリ3011〜301mのm個(mは2以上の整数)のラインメモリが直列に接続されており、入力された画素データPf0はラインメモリ3011〜301mによって1ラインずつ遅延される。画素データPf0は直列に接続された画素遅延器30201〜3020nのn個(nは2以上の整数)の画素遅延器によって1画素ずつ遅延される。ラインメモリ3011より出力された画素データは直列に接続された画素遅延器30211〜3021nによって1画素ずつ遅延される。ラインメモリ3011〜301m間の図示を省略しているラインメモリより出力された画素データも同様にn個の画素遅延器によって1画素ずつ遅延される。ラインメモリ301mより出力された画素データは直列に接続された画素遅延器302m1〜302mnによって1画素ずつ遅延される。
【0020】
図3に示すラインメモリの数m及び画素遅延器の数nは、動きベクトルMVが示すシフト量に基づいて補間画素データPfi1,Pfi2,Pfi3を生成する際に必要な水平方向及び垂直方向の画素データ数となるよう設定すればよい。数m,nは任意の数であり、補間フレームを生成する性能(補間画素データ生成の精度)と回路規模との双方を考慮して最適な数とする。
【0021】
画素遅延器30201〜3020n,30211〜3021n,…,302m1〜302mnより出力された画素データは選択部303に入力される。選択部303には、動きベクトル検出部2より出力された動きベクトルMVi1〜MVi3が入力される。遅延部31内の選択部303は、動きベクトルMVi1が示すシフト量に基づいて補間画素データPfi1を生成するのに必要な現在フレームF0の画素データPf0と、動きベクトルMVi2が示すシフト量に基づいて補間画素データPfi2を生成するのに必要な現在フレームF0の画素データPf0と、動きベクトルMVi3が示すシフト量に基づいて補間画素データPfi3を生成するのに必要な現在フレームF0の画素データPf0とを選択して出力する。
【0022】
遅延部32内の選択部303は、動きベクトルMVi1が示すシフト量に基づいて補間画素データPfi1を生成するのに必要なフレームF1の画素データPf1と、動きベクトルMVi2が示すシフト量に基づいて補間画素データPfi2を生成するのに必要なフレームF1の画素データPf1と、動きベクトルMVi3が示すシフト量に基づいて補間画素データPfi3を生成するのに必要なフレームF1の画素データPf1とを選択して出力する。
【0023】
図2の例では、遅延部31内の選択部303は、画素データPf0-1,Pf0-2,Pf0-3を選択して出力し、遅延部32内の選択部303は、画素データPf13,Pf12,Pf11を選択して出力する。ここでは、遅延部31,32で一対の画素データを出力する場合を説明したが、後述するように、動きベクトルMVに基づいて本来必要とする一対の画素データの内の一方の画素データが遅延部31,32より出力されない場合がある。
【0024】
図4に示すように、遅延部31で生成する画素データPf0が水平方向に画素データPf0-4から画素データPf04までの範囲であり、遅延部32で生成する画素データPf1が水平方向に画素データPf1-4から画素データPf14までの範囲であるとする。実際には水平方向の画素範囲はもっと広いがここでは簡略化のため9画素分の画素データPf0,Pf1としている。この場合、動きベクトルMVi1に基づいて遅延部31,32が本来出力すべき一対の画素データは画素データPf0-2,Pf16であるが、画素データPf16は二点鎖線で示しているように、遅延部32から出力されない画素データである。同様に、動きベクトルMVi3に基づいて遅延部31,32が本来出力すべき一対の画素データは画素データPf0-6,Pf12であるが、画素データPf0-6は二点鎖線で示しているように、遅延部31から出力されない画素データである。
【0025】
図4では、水平方向の場合について示したが、垂直方向でも一方の画素データが遅延部31,32から出力されないことが起こり得る。
【0026】
図1の判定部33〜35は、動きベクトルMVに応じて補間画素データPfi1,Pfi2,Pfi3を生成するための2つの実フレーム内の画素データの内、一方のフレーム内の画素データが遅延部31,32によって生成されない状況が発生するか否かを判定する。判定部33〜35は、遅延部31,32が水平方向及び垂直方向のどれだけの範囲で補間画素データを生成するための画素データを生成するかが分かっているため、入力された動きベクトルMVに基づいて上記の状況が発生するか否かを判定することができる。
【0027】
判定部33〜35は、一方の画素データが出力されない場合が発生すると判定した場合、現在フレームF0とフレームF1の内のいずれの画素データが出力され、いずれの画素データが出力されないかを示す判定信号を生成して補間画素データ生成部36〜38に供給する。補間画素データ生成部36は補間画素データPfi1を生成する。補間画素データ生成部37は補間画素データPfi2を生成する。補間画素データ生成部38は補間画素データPfi3を生成する。
【0028】
図1では、補間画素データ生成部37に判定信号を供給する判定部34を設けているが、現在フレームF0とフレームF1との中央に位置する補間フレームFi2の補間画素データPfi2を生成する場合には、遅延部31,32からは必ず一対の画素データが出力されることになる。従って、判定部34を削除してもよい。
【0029】
補間画素データ生成部36〜38は、遅延部31,32から一対の画素データが供給される場合には、一対の画素データを距離に応じて適応混合して補間画素データPfi1〜Pfi3を生成する。図2の場合、補間画素データ生成部36は、(2/3×Pf0-1+1/3×Pf13)を演算して補間画素データPfi1を生成し、補間画素データ生成部37は、(1/2×Pf0-2+1/2×Pf12)を演算して補間画素データPfi2を生成し、補間画素データ生成部38は、(1/3×Pf0-3+2/3×Pf11)を演算して補間画素データPfi3を生成すればよい。
【0030】
図4の場合には、補間画素データ生成部36は、画素データPf0-2をそのまま補間画素データPfi1とし、補間画素データ生成部38は、画素データPf12をそのまま補間画素データPfi3とする。このように、本実施形態においては、補間画素データPfi1,Pfi3を生成する際に、本来使用すべき一対の画素データの内の一方の画素データが存在しない場合に、補間画素データPfi1,Pfi3に距離が近い一方の画素データのみを用いて補間画素データPfi1,Pfi3を生成する。
【0031】
一方の画素データをそのまま補間画素データPfi1,Pfi3とすると誤補間となる可能性が高い場合には、一方の画素データと他の画素データとを混合して補間画素データPfi1,Pfi3を生成することが好ましい。他の画素データの好適な例としては、補間画素データPfi1,Pfi3と同一の水平及び垂直位置にある画素データPf00,Pf10である。画素データPf00,Pf10は、静止画補間のときに補間画素データPfi1〜Pfi3を生成する際に用いられる画素データである。この場合、遅延部31,32より補間画素データ生成部36,38に画素データPf00,Pf10を供給すればよい。
【0032】
補間画素データ生成部36,38は、動きベクトル検出部2によって動きが所定の値より大きいと判定された場合に上記の一方の画素データと画素データPf00,Pf10とを混合することが好ましい。動きが所定の値より大きい場合に上記の一方の画素データに対して画素データPf00,Pf10を混合すると、補間における破綻の可能性を少なくすることができる。
【0033】
本実施形態では2つの実フレーム内の画素データを用いて補間画素データPfi1〜Pfi3を生成しているが、3つ以上の実フレーム内の画素データを用いて補間画素データPfi1〜Pfi3を生成してもよい。
【0034】
フレーム周波数変換部4には、フレームF0の画素データと補間画素データ生成部36〜38より出力された補間画素データPfi1,Pfi2,Pfi3とが順次入力される。フレーム周波数変換部4は、順次入力されるフレームF0の画素データに基づいて実フレームであるフレームF0の画像データと、順次入力される補間画素データPfi1に基づいて補間フレームである補間フレームFi1の画像データと、順次入力される補間画素データPfi2に基づいて補間フレームである補間フレームFi2の画像データと、順次入力される補間画素データPfi3に基づいて補間フレームである補間フレームFi3の画像データとを生成する。
【0035】
そして、フレーム周波数変換部4は、フレームF0の画像データと補間フレームFi1〜Fi3の画像データとを、周波数240Hzで補間フレームFi3,補間フレームFi2,補間フレームFi1,フレームF0の順で出力して、240Hzのフレーム周波数を有する映像信号Soutを出力する。
【0036】
本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。本実施形態では、映像信号処理装置の一例としてフレームレートを4倍に変換するフレームレート変換装置について説明したが、フレームレートを3倍に変換するフレームレート変換装置であってもよい。本発明の映像信号処理装置をフレームレート変換装置に適用する場合には、フレームレートを3倍以上に変換するフレームレート変換装置に用いて好適である。
【符号の説明】
【0037】
1 フレームメモリ
2 動きベクトル検出部
3 補間部
4 フレーム周波数変換部
31,32 遅延部(画素データ生成部)
33〜35 判定部
36〜38 補間画素データ生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された映像信号における少なくとも2つの実フレーム内の画素データを用いて、前記2つの実フレーム間に内挿する補間フレームを構成する補間画素データを生成する際に必要な動きベクトルを検出する動きベクトル検出部と、
前記補間画素データを生成する際に必要な前記2つの実フレームそれぞれのフレーム内の複数の画素データを生成する画素データ生成部と、
前記動きベクトルに応じて前記補間画素データを生成するための前記2つの実フレーム内の画素データの内、一方のフレーム内の画素データが前記画素データ生成部によって生成されない状況が発生するか否かを判定する判定部と、
前記判定部が、前記状況が発生しないと判定した場合には、前記2つの実フレーム内の画素データを用いて前記補間画素データを生成し、前記判定部が、前記状況が発生すると判定した場合には、前記一方のフレームの画素データを除く前記2つの実フレームの内の他方のフレーム内の画素データを用いて前記補間画素データを生成する補間画素データ生成部と
を備えることを特徴とする映像信号処理装置。
【請求項2】
前記補間画素データ生成部は、前記判定部が、前記状況が発生すると判定した場合には、前記他方のフレーム内の画素データのみを用いて前記補間画素データを生成することを特徴とする請求項1記載の映像信号処理装置。
【請求項3】
前記補間画素データ生成部は、前記判定部が、前記状況が発生すると判定した場合には、前記他方のフレーム内の画素データと、前記補間画素データと同一の水平及び垂直位置にある画素データとを混合して、前記補間画素データを生成することを特徴とする請求項1記載の映像信号処理装置。
【請求項4】
入力された映像信号における少なくとも2つの実フレーム内の画素データを用いて、前記2つの実フレーム間に内挿する補間フレームを構成する補間画素データを生成する際に必要な動きベクトルを検出する動きベクトル検出ステップと、
前記補間画素データを生成する際に必要な前記2つの実フレームそれぞれのフレーム内の複数の画素データを生成する画素データ生成ステップと、
前記動きベクトルに応じて前記補間画素データを生成するための前記2つの実フレーム内の画素データの内、一方のフレーム内の画素データが前記画素データ生成ステップにて生成されない状況が発生するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにて前記状況が発生しないと判定された場合には、前記2つの実フレーム内の画素データを用いて前記補間画素データを生成し、前記判定ステップにて前記状況が発生すると判定された場合には、前記一方のフレームの画素データを除く前記2つの実フレームの内の他方のフレーム内の画素データを用いて前記補間画素データを生成する補間画素データ生成ステップと
を含むことを特徴とする映像信号処理方法。
【請求項5】
前記補間画素データ生成ステップは、前記判定ステップにて前記状況が発生すると判定された場合には、前記他方のフレーム内の画素データのみを用いて前記補間画素データを生成することを特徴とする請求項4記載の映像信号処理方法。
【請求項6】
前記補間画素データ生成ステップは、前記判定ステップにて前記状況が発生すると判定された場合には、前記他方のフレーム内の画素データと、前記補間画素データと同一の水平及び垂直位置にある画素データとを混合して、前記補間画素データを生成することを特徴とする請求項41記載の映像信号処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−205474(P2011−205474A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71779(P2010−71779)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】