説明

映像信号調整システム及びその制御方法

【課題】サーバとコンソールの間の距離が長距離であっても、最適な映像を得ることができる映像信号調整システム及びその制御方法を提供する。
【解決手段】メインユニット50の自動調整回路521(522)がサーバ11から出力されるRGB信号のゲイン及び周波数特性を調整し、コンソールユニット41の自動調整回路416がメインユニット50から出力されるRGB信号のゲイン、周波数特性及び遅延を調整する。よって、サーバとコンソールの間に伝送されるRGB信号のゲイン、周波数特性が2度調整され、当該RGB信号の遅延が1度調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号調整システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数のサーバと、該複数のサーバに対して信号の入出力を行うためのキーボード、マウス及びモニタの周辺機器とが接続可能なKVMスイッチ(K:キーボード、V:ビデオ、M:マウス)が知られている(例えば、特許文献1参照)。このKVMスイッチは、キーボード、マウス及びモニタ等のコンソールからアクセスするサーバを切り替えることができる。
【0003】
また、従来より、複数のサーバと複数のコンソールとを多対多の関係で接続するKVMスイッチが知られている。
【特許文献1】特開2005−18135号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、KVMスイッチは、サーバからの映像信号をモニタに表示させるが、KVMスイッチとサーバ間の距離又はKVMスイッチとコンソール間の距離が長距離(例えば、100m)になる場合、サーバからの映像信号に減衰、ひずみ及び遅延が生じ、ユーザは最適な画像表示を得られない場合がある。
【0005】
特に、複数のサーバと複数のコンソールとが接続されるKVMスイッチでは、映像信号の出力レベルがサーバ毎に異なるので、各映像信号の減衰、ひずみ、及び遅延などの調整は容易ではない。
【0006】
本発明の目的は、サーバとコンソールの間の距離が長距離であっても、最適な映像を得ることができる映像信号調整システム及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の映像信号調整システムは、サーバと、キーボード、マウス、モニタを含むコンソールとの間に接続可能な映像信号調整システムであって、前記サーバに接続されるサーバユニットと、前記サーバユニットに接続され、前記サーバから出力される映像信号のゲイン及び周波数特性を調整する第1調整手段を含むメインユニットと、前記メインユニットと前記コンソールとの間に接続され、前記メインユニットから出力される映像信号のゲイン、周波数特性及び遅延を調整する第2調整手段を含むコンソールユニットとを備えることを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、サーバとコンソールの間に伝送される映像信号のゲイン、周波数特性が2度調整され、当該映像信号の遅延が1度調整されるので、サーバとコンソールの間の距離が長距離であっても、最適な映像を得ることができる。
【0009】
好ましくは、前記メインユニットは、第1スイッチを含み、前記第1調整手段は、前記第1スイッチの押下又は前記コンソールからの映像信号の調整指示に従って、前記サーバから出力される映像信号のゲイン及び周波数特性を調整することを特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、第1スイッチの押下又はコンソールからの映像信号の調整指示に従って、サーバとメインユニットの間に伝送される映像信号のゲイン及び周波数特性を調整することができる。
【0011】
好ましくは、前記コンソールユニットは、第2スイッチを含み、前記第2調整手段は、前記第2スイッチの押下又は前記コンソールからの映像信号の調整指示に従って、前記メインユニットから出力される映像信号のゲイン、周波数特性及び遅延を調整することを特徴とする。
【0012】
かかる構成によれば、第2スイッチの押下又はコンソールからの映像信号の調整指示に従って、メインユニットとコンソールの間に伝送される映像信号のゲイン及び周波数特性並びにサーバとコンソールの間に伝送される映像信号の遅延を調整することができる。
【0013】
好ましくは、前記コンソールユニットは、第2スイッチを含み、前記第1調整手段は、前記第2スイッチの押下又は前記コンソールからの映像信号の調整指示に従って、前記サーバから出力される映像信号のゲイン及び周波数特性を調整し、前記第2調整手段は、前記第2スイッチの押下又は前記コンソールからの映像信号の調整指示に従って、前記メインユニットから出力される映像信号のゲイン、周波数特性及び遅延を調整することを特徴とする。
【0014】
かかる構成によれば、第2スイッチの押下又はコンソールからの映像信号の調整指示に従って、サーバとコンソールの間に伝送される映像信号のゲイン、周波数特性及び遅延を一括で調整することができる。
【0015】
好ましくは、前記メインユニットは、前記サーバから出力される映像信号のゲイン及び周波数特性の調整に使用された情報を記憶する第1記憶手段を備えることを特徴とする。
【0016】
かかる構成によれば、サーバから出力される映像信号のゲイン及び周波数特性の再調整を迅速に実行することができる。
【0017】
好ましくは、前記コンソールユニットは、前記メインユニットから出力される映像信号のゲイン、周波数特性及び遅延の調整に使用された情報を記憶する第2記憶手段を備えることを特徴とする。
【0018】
かかる構成によれば、メインユニットから出力される映像信号のゲイン及び周波数特性の再調整並びにサーバから出力される映像信号の遅延の再調整を迅速に実行することができる。
【0019】
好ましくは、前記第1調整手段は、レシーバと、前記サーバから出力されるゲイン調整用信号及び周波数特性調整用信号を入力し、前記ゲイン調整用信号及び前記周波数特性調整用信号の減衰量を測定する測定回路と、前記ゲイン調整用信号の減衰量と前記レシーバに印加される電圧との関係を示す第1テーブルと、前記周波数特性調整用信号の減衰量と前記レシーバに印加される電圧との関係を示す第2テーブルとを含み、前記測定回路で測定されたゲイン調整用信号及び周波数特性調整用信号の減衰量、並びに第1及び第2テーブルに基づいて、前記レシーバに電圧を印加する電圧印加手段とを備え、前記レシーバは、前記電圧印加手段に印加された電圧に応じて、前記サーバから出力される映像信号のゲイン及び周波数特性を調整することを特徴とする。
【0020】
かかる構成によれば、メインユニットが映像信号のゲイン及び周波数特性を調整することができる。
【0021】
好ましくは、前記第2調整手段は、レシーバと、前記サーバから出力される映像信号、ゲイン調整用信号及び周波数特性調整用信号を入力し、前記ゲイン調整用信号及び前記周波数特性調整用信号の減衰量、並びに前記映像信号の遅延量を測定する測定回路と、前記測定回路で測定された映像信号の遅延量に応じて、映像信号の遅延を調整する遅延回路と、前記ゲイン調整用信号の減衰量と前記レシーバに印加される電圧との関係を示す第1テーブルと、前記周波数特性調整用信号の減衰量と前記レシーバに印加される電圧との関係を示す第2テーブルとを含み、前記測定回路で測定されたゲイン調整用信号及び周波数特性調整用信号の減衰量、並びに第1及び第2テーブルに基づいて、前記レシーバに電圧を印加する電圧印加手段とを備え、前記レシーバは、前記電圧印加手段に印加された電圧に応じて、前記サーバから出力される映像信号のゲイン及び周波数特性を調整することを特徴とする。
【0022】
かかる構成によれば、コンソールユニットが映像信号のゲイン、周波数特性及び遅延を調整することができる。
【0023】
本発明の映像信号調整システムの制御方法は、サーバと、キーボード、マウス、モニタを含むコンソールとの間に接続され、サーバユニット、メインユニット及びコンソールユニットを含む映像信号調整システムの制御方法であって、前記サーバから出力される映像信号のゲイン及び周波数特性を調整する第1調整工程と、前記メインユニットから出力される映像信号のゲイン、周波数特性及び遅延を調整する第2調整工程を備えることを特徴とする。
【0024】
かかる構成によれば、サーバとコンソールの間に伝送される映像信号のゲイン、周波数特性が2度調整され、当該映像信号の遅延が1度調整されるので、サーバとコンソールの間の距離が長距離であっても、最適な映像を得ることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、サーバとコンソールの間の距離が長距離であっても、最適な映像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
図1は、本実施の形態にかかる映像信号調整システムの概略構成を示す図である。
【0028】
図1に示す映像信号調整システムは、サーバ11〜18、KVMスイッチ1、及びコンソール21〜28を備えている。KVMスイッチ1は、サーバ及びコンソールを最大8組まで接続可能なマルチユーザKVMスイッチである。コンソール21〜28は、各々モニタ、キーボード、及びマウスを備えている。以下、モニタは対応するコンソールの参照番号に符号aを付けて表し、キーボード及びマウスは対応するコンソールの参照番号に符号bを付けて表す。
【0029】
KVMスイッチ1は、サーバユニット31〜38、メインユニット50及びコンソールユニット41〜48を備えている。サーバユニット31〜38は、それぞれサーバ11〜18に接続されており、コンソールユニット41〜48は、それぞれコンソール21〜28に接続されている。サーバユニット31〜38とメインユニット50との間は、約100mのケーブルで接続されており、コンソールユニット41〜48とメインユニット50との間は、約300mのケーブルで接続されている。
【0030】
ここでは、KVMスイッチ1のメインユニット50は、1台のサーバを操作する1組のコンソールを選択的に切り替える。即ち、1台のサーバは1組のコンソールからのマウス、キーボード又はタッチパネルのデータを受信し、当該サーバからのRGB信号は当該コンソールのモニタに出力される。
【0031】
本実施の形態では、KVMスイッチ1は、サーバユニットと、メインユニット50と、コンソールユニットとがそれぞれ分離しているが、コンソールユニット及びサーバユニットのいずれか一方又は両方がメインユニットと一体化されて構成されていてもよい。
【0032】
図2は、キーボード・マウス信号に関するメインユニット50の基本構成を示す図である。
【0033】
メインユニット50は、メインマイコン501、メモリ502、FPGA503、差動変換回路504〜507、及び接続端子510〜513を備えている。尚、差動変換回路及び接続端子の個数は、これに限定されるものではなく、メインユニット50は、さらに多くの差動変換回路及び接続端子を備えていてもよい。メインマイコン501は、メモリ502及びFPGA503に接続され、FPGA503は、差動変換回路504〜507に接続され、差動変換回路504〜507は、それぞれ接続端子510〜513に接続されている。
【0034】
メインマイコン501は、装置全体を制御し、メモリ502は、各種のデータやOSD(オンスクリーンディスプレイ)機能の設定画面のデータ等を記憶している。FPGA503は、プログラムにより動作可能なLSIで構成されており、キーボード・マウス信号としてのシリアルデータの出力先の切り換えを行う。
【0035】
差動変換回路504,505は、FPGA503からのシリアルデータを差動信号に変換し、接続端子501,511及びサーバユニット31,32を介してサーバ11,12にそれぞれ出力する。差動変換回路506,507は、キーボード・マウス信号としての差動信号をコンソールユニット41,42及び接続端子512,513を介して受信し、シリアルデータに変換してFPGA503に出力する。
【0036】
図3は、映像信号に関するメインユニット50の基本構成を示す図である。尚、図2の構成要素と同一の構成要素には、同一の番号を付す。
【0037】
メインユニット50は、メインマイコン501、メモリ502(第1記憶手段)、FPGA503、差動変換回路504〜507、接続端子510〜513、マトリックスアンプ520、自動調整回路521,522、OSDコントローラ523,524及びスイッチ531(第1スイッチ)を備えている。メインマイコン501、メモリ502及び自動調整回路521,522は、第1調整手段に相当する。
【0038】
尚、差動変換回路、接続端子、OSDコントローラ及び自動調整回路の個数は、これに限定されるものではなく、メインユニット50は、さらに多くの差動変換回路、接続端子、OSDコントローラ及び自動調整回路を備えていてもよい。接続端子510,511は、差動変換回路504,505にそれぞれ接続されている。また、差動変換回路504,505は、各々マトリックスアンプ520及びFPGA503に接続されている。マインマイコン501は、メモリ502、FPGA503、マトリックスアンプ520、自動調整回路521,522及びOEDコントローラ523,524に接続されている。自動調整回路521,522は、差動変換回路506,507にそれぞれ接続されている。
【0039】
メインマイコン501は、装置全体を制御し、メモリ502は、各種のデータやOSD(オンスクリーンディスプレイ)機能の設定画面のデータ等を記憶している。FPGA503は、プログラムにより動作可能なLSIで構成されており、水平同期信号及び垂直同期信号の出力先の切り換えを行う。
【0040】
マトリックスアンプ520は、RGB信号の出力先の切り換えを行う。OSDコントローラ523,524は、OSD機能に関する画面データを差動変換回路506,507に出力する。
【0041】
差動変換回路504,505は、水平同期信号及び垂直同期信号が合成されたRGB信号をサーバユニット31,32からそれぞれ受信し、水平同期信号及び垂直同期信号とRGB信号とに分離する。分離された水平同期信号及び垂直同期信号はFPGA503に出力され、分離されたRGB信号はマトリックスアンプ520に出力される。自動調整回路521,522は、RGB信号のゲイン及び周波数特性を自動調整する。スイッチ531が押下される又はOSDの設定画面で自動調整の指示が入力されると、メインマイコン501は、自動調整回路521,522にRGB信号のゲイン及び周波数特性を自動調整させる。
【0042】
差動変換回路506,507は、水平同期信号及び垂直同期信号をRGB信号に合成し、接続端子512,513を介してそれぞれコンソールユニット41,42に出力する。
【0043】
図4は、自動調整回路521の概略構成を示す図である。尚、自動調整回路522の構成は自動調整回路521のと同様なので、その説明は省略する。
【0044】
自動調整回路521は、レシーバ551、D/Aコンバータ552及び測定回路553を備えている。レシーバ551は、ゲイン制御端子551aと周波数特性調整端子551bを備えている。これらの端子には、メインマイコン501の制御によってD/Aコンバータ552から電圧が供給される。レシーバ551は、ゲイン制御端子551aに供給される電圧に応じてRGB信号のゲインを調整すると共に周波数特性調整端子551bに供給される電圧に応じてRGB信号の周波数特性を調整する。
【0045】
次にゲインの調整について、詳細に説明する。
【0046】
まず、メインユニット50からゲインの調整指示がサーバ11に入力されると、サーバ11から定電圧信号であるゲイン調整用信号がメインユニット50に入力される。測定回路553がゲイン調整用信号の電圧を測定し、当該ゲイン調整用信号の減衰量を算出する。例えば、ゲイン調整用信号が5Vの定電圧信号であり、ゲイン調整用信号の電圧の測定値が4Vである場合には、減衰量は20%(即ち0.2となる)となる。
【0047】
メインマイコン501は、測定回路553で算出された減衰量、及びメモリ502に格納されている図5のゲイン調整用テーブルに基づいて、レシーバ551のゲイン制御端子551aに供給される電圧を決定する。D/Aコンバータ552は、メインマイコン501で決定された電圧をゲイン制御端子551aに供給する。これにより、受信されるRGB信号のゲインが調整される。
【0048】
次いで、周波数特性の調整について、詳細に説明する。
【0049】
メインユニット50から周波数特性の調整指示がサーバ11に入力されると、サーバ11から14MHz及び90MHzの周波数特性調整用信号がメインユニット50に入力される。測定回路553は14MHz及び90MHzの周波数特性調整用信号の電圧を測定し、減衰量を算出する。
【0050】
メインマイコン501は、測定回路553で算出された減衰量、及びメモリ502に格納されている図6の周波数特性調整用テーブルに基づいて、周波数特性調整端子551bに供給される電圧を決定する。D/Aコンバータ552は、メインマイコン501で決定された電圧を周波数特性調整端子551bに供給する。これにより、受信されるRGB信号の周波数特性が調整される。尚、ゲイン及び周波数特性の調整は、R信号、G信号及びB信号の各々の伝送ラインごとに実行される。
【0051】
メインマイコン501は、ゲイン制御端子551aに供給された電圧や周波数特性調整端子551bに供給された電圧の情報をサーバ毎にメモリ502に記憶する。これにより、サーバの切替が実行されたときに、自動調整回路521が、選択されたサーバに対応する、ゲイン制御端子551aに供給された電圧や周波数特性調整端子551bに供給された電圧の情報をメインマイコン501を介してメモリ502から受信することで、迅速にRGB信号のゲイン及び周波数特性を自動調整することができる。
【0052】
図7は、サーバユニット31の概略構成を示す図である。尚、サーバユニット32〜38の各々がサーバユニット31と同一の構成を有する。
【0053】
サーバユニット31は、USB端子311、PS/2端子312、シリアル変換部313、差動変換回路314、及び映像信号・同期信号合成部315を備えている。USB端子311及びPS/2端子312はシリアル変換部313に接続されており、差動変換回路314はシリアル変換部313及び映像信号・同期信号合成部315に接続されている。
【0054】
USB端子311は、サーバ11の不図示のUSB端子にシリアルデータとしてのキーボード・マウス信号を送信する。PS/2端子312は、サーバ11の不図示のUSB端子にシリアルデータとしてのキーボード・マウス信号を送信する。シリアル変換部313は、差動信号としてのキーボード・マウス信号を受信し、シリアルデータに変換し、USB端子311又はPS/2端子312に出力する。
【0055】
映像信号・同期信号合成部315は、サーバ11からのRGB信号、水平同期信号及び垂直同期信号を受信し、水平同期信号及び垂直同期信号をRGB信号に合成し、差動変換回路314に出力する。差動変換回路314は、メインユニット50から差動信号としてのキーボード・マウス信号を受信し、シリアル変換部3131に出力すると共に水平同期信号及び垂直同期信号が合成されたRGB信号をメインユニット50に出力する。
【0056】
図8は、コンソールユニット41の概略構成を示す図である。尚、コンソールユニット42〜48の各々がコンソールユニット41と同一の構成を有する。
【0057】
コンソールユニット41は、USB端子411、PS/2端子412、シリアル変換部413、差動変換回路414、映像信号・同期信号分離部415、及び自動調整回路416(第2調整手段)を備えている。USB端子411及びPS/2端子412はシリアル変換部413に接続されており、差動変換回路314はシリアル変換部413及び映像信号・同期信号分離部415に接続されている。また、映像信号・同期信号分離部415は、自動調整回路416に接続されている。
【0058】
USB端子411及びPS/2端子412は、コンソール41からキーボード・マウス信号を受信する。シリアル変換部413は、USB端子411又はPS/2端子412からキーボード・マウス信号をシリアルデータに変換し、差動変換回路414に送信する。
【0059】
差動変換回路414は、シリアル変換部313から受信されたシリアルデータを差動信号に変換し、メインユニット50に出力する。また、差動変換回路414は、水平同期信号及び垂直同期信号が合成されたRGB信号をメインユニット50から受信し、映像信号・同期信号分離部415に送信する。
【0060】
映像信号・同期信号分離部415は、差動変換回路414から受信された水平同期信号及び垂直同期信号が合成されたRGB信号をRGB信号、水平同期信号及び垂直同期信号に分離し、分離されたRGB信号、水平同期信号及び垂直同期信号を自動調整回路416に送信する。自動調整回路416は、RGB信号のゲイン、イコライザ及びディレイを自動調整し、調整されたRGB信号、水平同期信号及び垂直同期信号をコンソール21に出力する。
【0061】
図9は、自動調整回路416の概略構成を示す図である。
【0062】
自動調整回路416は、レシーバ451、D/Aコンバータ452、測定回路453、遅延回路454、マイコン455(第2記憶手段)及びスイッチ431(第2スイッチ)を備えている。レシーバ451は、ゲイン制御端子451aと周波数特性調整端子451bを備えている。これらの端子には、マイコン455の制御によってD/Aコンバータ452から電圧が供給される。レシーバ551は、ゲイン制御端子451aに供給される電圧に応じてRGB信号のゲインを調整すると共に周波数特性調整端子451bに供給される電圧に応じてRGB信号の周波数特性を調整する。
【0063】
次にゲインの調整について、詳細に説明する。
【0064】
まず、スイッチ431が押下される又はOSDの設定画面で自動調整の指示が入力されると、マイコン455は、ゲイン及び周波数特性の調整指示をサーバ11に出力する。メインユニット50を介してゲインの調整指示がサーバ11に入力されると、サーバ11から定電圧信号であるゲイン調整用信号がメインユニット50を介してサーバユニット41の自動調整回路416に入力される。測定回路453がゲイン調整用信号の電圧を測定し、当該ゲイン調整用信号の減衰量を算出する。例えば、ゲイン調整用信号が5Vの定電圧信号であり、ゲイン調整用信号の電圧の測定値が4Vである場合には、減衰量は20%(即ち0.2となる)となる。
【0065】
マイコン455は、測定回路453で算出された減衰量、及びマイコン455に格納されているゲイン調整用テーブルに基づいて、レシーバ451のゲイン制御端子451aに供給される電圧を決定する。尚、マイコン455に格納されているゲイン調整用テーブルは、図5のゲイン調整用テーブルと同様である。
【0066】
D/Aコンバータ452は、マイコン455で決定された電圧をゲイン制御端子451aに供給する。これにより、受信されるRGB信号のゲインが調整される。
【0067】
次いで、周波数特性の調整について、詳細に説明する。
【0068】
スイッチ431が押下される又はOSDの設定画面で自動調整の指示が入力されると、マイコン455は、ゲイン及び周波数特性の調整指示をサーバ11に出力する。メインユニット50を介して周波数特性の調整指示がサーバ11に入力されると、サーバ11から14MHz及び90MHzの周波数特性調整用信号がメインユニット50を介してサーバユニット41に入力される。
【0069】
測定回路453は14MHz及び90MHzの周波数特性調整用信号の電圧を測定し、減衰量を算出する。マイコン455は、測定回路453で算出された減衰量、及びマイコン455に格納されている周波数特性調整用テーブルに基づいて、周波数特性調整端子451bに供給される電圧を決定する。尚、マイコン455に格納されている周波数特性調整用テーブルは、図6の周波数特性調整用テーブルと同様である。
【0070】
D/Aコンバータ452は、マイコン455で決定された電圧を周波数特性調整端子451bに供給する。これにより、受信されるRGB信号の周波数特性が調整される。尚、ゲイン及び周波数特性の調整は、R信号、G信号及びB信号の各々の伝送ラインごとに実行される。
【0071】
次いで、RGB信号の遅延の調整について、詳細に説明する。
【0072】
まず、スイッチ431が押下される又はOSDの設定画面で自動調整の指示が入力されると、マイコン455は、遅延の調整指示をサーバ11に出力する。メインユニット50を介して遅延の調整指示がサーバ11に入力されると、サーバ11からRGB信号がメインユニット50を介してサーバユニット41に入力される。
【0073】
測定回路453がR信号、G信号及びB信号の中から基準信号としていずれか1つを選択し、基準信号(例えばR信号)に対する他の画像信号(例えばG信号及びB信号)の遅れを測定する。測定回路453は測定結果をマイコン455に送信する。マイコン455は、当該測定結果に基づいて、遅延回路454に画像信号の遅れを調整させる。これにより、R信号、G信号及びB信号の間の遅延は解消される。
【0074】
マイコン455は、ゲイン制御端子451aに供給された電圧や周波数特性調整端子451bに供給された電圧の情報及び基準信号に対する他の画像信号の遅れの測定結果をサーバ毎にマイコン455のメモリ(不図示)に記憶する。これにより、サーバの切替が実行されたときに、マイコン455は、記憶された情報や測定結果を読み出すことで、迅速にRGB信号のゲイン、周波数特性及び遅延を自動調整することができる。
【0075】
図10は、コンソール41のモニタに表示されるOSDの設定画面の一例を示す図である。この設定画面では、RGB信号の調整を行う区間が設定される。
【0076】
チェックボックス71がチェックされ、OKボタンが押下されると、図3のスイッチ531が押下される場合と同様に、メインユニット50に含まれる自動調整回路521,522がRGB信号のゲイン及び周波数特性の自動調整を行う。チェックボックス72がチェックされ、OKボタンが押下されると、図9のスイッチ431が押下される場合と同様に、コンソールユニット41に含まれる自動調整回路416がRGB信号のゲイン、周波数特性及び遅延の自動調整を行う。チェックボックス73がチェックされ、OKボタンが押下されると、自動調整回路521,522がRGB信号のゲイン及び周波数特性の自動調整を行うと共に自動調整回路416がRGB信号のゲイン、周波数特性及び遅延の自動調整を行う。この場合、サーバユニットからコンソールユニットまでの間を伝送されるRGB信号のゲイン、周波数特性及び遅延を一括で自動調整することができる。
【0077】
図11は、映像信号調整システムで実行される、自動調整に関する処理を示すフローチャートである。ここでは、サーバの代表としてサーバ11を使用し、サーバユニットの代表としてサーバユニット31を使用し、コンソールユニットの代表としてコンソールユニット41を使用するが、本処理は全てのサーバ及びコンソールユニットに適用される。
【0078】
まず、メインマイコン501は、スイッチ531が押下されているか、又はサーバユニット〜メインユニット間若しくはサーバユニット〜コンソールユニット間のRGB信号の自動調整の指示が入力されているか否かを判別する(ステップS1)。
【0079】
ステップS1でNOの場合には、後述するステップS6に進む。ステップS1でYESの場合には、メインマイコン501は、メインユニット50を介してコンソール41が接続されているサーバ11にゲイン及び周波数特性の調整指示を送信する(ステップS2)。サーバ11は、ゲイン調整用信号及び周波数特性調整用信号をメインユニット50の自動調整回路521に出力する(ステップS3)。
【0080】
自動調整回路521は、ゲイン調整用信号及び周波数特性調整用信号を使って、ゲイン及び周波数特性の自動調整を行う(ステップS4)。このとき、メインマイコン501は、ゲイン制御端子551aに供給された電圧や周波数特性調整端子551bに供給された電圧の情報をサーバ毎にメモリ502に記憶し(ステップS5)、ステップS6に進む。
【0081】
次に、マイコン455は、スイッチ431が押下されている、又はメインユニット〜コンソールユニット間若しくはサーバユニット〜コンソールユニット間のRGB信号の自動調整の指示が入力されているか否かを判別する(ステップS6)。
【0082】
ステップS6でNOの場合には、本処理を終了する。ステップS6でYESの場合には、マイコン455は、メインユニット50を介してコンソール41が接続されているサーバ11にゲイン、周波数特性及び遅延の調整指示を送信する(ステップS7)。サーバ11は、メインユニット50を介してゲイン調整用信号、周波数特性調整用信号及びRGB信号を自動調整回路416に出力する(ステップS8)。
【0083】
自動調整回路416は、ゲイン調整用信号、周波数特性調整用信号及びRGB信号を使って、ゲイン、周波数特性及び遅延の自動調整を行う(ステップS9)。このとき、マイコン455は、ゲイン制御端子451aに供給された電圧や周波数特性調整端子451bに供給された電圧の情報及び基準信号に対する他の画像信号の遅れの測定結果をサーバ毎にマイコン455のメモリ(不図示)に記憶し(ステップS10)、本処理を終了する。
【0084】
図12は、映像信号調整システムで実行される、自動調整に関する処理の変形例を示すフローチャートである。ここでは、サーバの代表としてサーバ11を使用し、サーバユニットの代表としてサーバユニット31を使用し、コンソールユニットの代表としてコンソールユニット41を使用するが、本処理は全てのサーバ及びコンソールユニットに適用される。
【0085】
まず、マイコン455は、スイッチ431が押下されている、又はサーバユニット〜コンソールユニット間のRGB信号の自動調整の指示が入力されているか否かを判別する(ステップS11)。
【0086】
ステップS11でNOの場合には、本処理を終了する。ステップS11でYESの場合には、マイコン455は、メインユニット50のメインマイコン501にRGB信号の自動調整の指示を通知し(ステップS12)、メインユニット50を介してコンソール41が接続されているサーバ11にゲイン、周波数特性及び遅延の調整指示を送信する(ステップS13)。サーバ11は、ゲイン調整用信号、周波数特性調整用信号及びRGB信号をメインユニット50の自動調整回路521に出力する(ステップS14)。
【0087】
自動調整回路521は、ゲイン調整用信号及び周波数特性調整用信号を使って、ゲイン及び周波数特性の自動調整を行う(ステップS15)。これにより、サーバ11とメインユニット50との間に伝送されるRGB信号のゲイン及び周波数特性の調整ができる。このとき、メインマイコン501は、ゲイン制御端子551aに供給された電圧や周波数特性調整端子551bに供給された電圧の情報をサーバ毎にメモリ502に記憶する(ステップS16)。
【0088】
次いで、自動調整回路512は、ゲイン調整用信号、周波数特性調整用信号及びRGB信号を差動変換回路506を介してコンソールユニット41に送信する(ステップS17)。コンソールユニット41の自動調整回路416は、受信されたゲイン調整用信号、周波数特性調整用信号及びRGB信号を使って、ゲイン、周波数特性及び遅延の自動調整を行う(ステップS18)。これにより、メインユニット50とコンソールユニット41の間に伝送されるRGB信号のゲイン、周波数特性及び遅延の調整ができる。このとき、マイコン455は、ゲイン制御端子451aに供給された電圧や周波数特性調整端子451bに供給された電圧の情報及び基準信号に対する他の画像信号の遅れの測定結果をサーバ毎にマイコン455のメモリ(不図示)に記憶し(ステップS19)、本処理を終了する。
【0089】
図12の処理によれば、スイッチ431の押下又はサーバユニット〜コンソールユニット間のRGB信号の自動調整の指示に従って、サーバとコンソールユニットの間に伝送されるRGB信号のゲイン、周波数特性及び遅延の一括調整ができる。
【0090】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、メインユニット50の自動調整回路521(522)がサーバ11から出力されるRGB信号のゲイン及び周波数特性を調整し、コンソールユニット41の自動調整回路416がメインユニット50から出力されるRGB信号のゲイン、周波数特性及び遅延を調整する。
【0091】
よって、サーバとコンソールの間に伝送されるRGB信号のゲイン、周波数特性が2度調整され、当該RGB信号の遅延が1度調整されるので、サーバとコンソールの間の距離が長距離であっても、最適な映像を得ることができる。
【0092】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本実施の形態にかかる映像信号調整システムの概略構成を示す図である。
【図2】キーボード・マウス信号に関するメインユニット50の基本構成を示す図である。
【図3】映像信号に関するメインユニット50の基本構成を示す図である。
【図4】自動調整回路521の概略構成を示す図である。
【図5】ゲイン調整用テーブルの一例を示す図である。
【図6】周波数特性調整用テーブルの一例を示す図である。
【図7】サーバユニット31の概略構成を示す図である。
【図8】コンソールユニット41の概略構成を示す図である。
【図9】自動調整回路416の概略構成を示す図である。
【図10】コンソール41のモニタに表示されるOSDの設定画面の一例を示す図である。
【図11】映像信号調整システムで実行される、自動調整に関する処理を示すフローチャートである。
【図12】映像信号調整システムで実行される、自動調整に関する処理の変形例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0094】
1 KVMスイッチ
11〜18 サーバ
21〜28 コンソール
31〜38 サーバユニット
41〜48 コンソールユニット
50 メインユニット
411 USB端子
412 PS/2端子
413 シリアル変換部
414 差動変換回路
415 映像信号・同期信号分離部
416 自動調整回路
501 メインマイコン
502 メモリ
503 FPGA
504,505,506,507 差動変換回路
521,522 自動調整回路
523,524 OSDコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、キーボード、マウス、モニタを含むコンソールとの間に接続可能な映像信号調整システムであって、
前記サーバに接続されるサーバユニットと、
前記サーバユニットに接続され、前記サーバから出力される映像信号のゲイン及び周波数特性を調整する第1調整手段を含むメインユニットと、
前記メインユニットと前記コンソールとの間に接続され、前記メインユニットから出力される映像信号のゲイン、周波数特性及び遅延を調整する第2調整手段を含むコンソールユニットと
を備えることを特徴とする映像信号調整システム。
【請求項2】
前記メインユニットは、第1スイッチを含み、
前記第1調整手段は、前記第1スイッチの押下又は前記コンソールからの映像信号の調整指示に従って、前記サーバから出力される映像信号のゲイン及び周波数特性を調整することを特徴とする請求項1に記載の映像信号調整システム。
【請求項3】
前記コンソールユニットは、第2スイッチを含み、
前記第2調整手段は、前記第2スイッチの押下又は前記コンソールからの映像信号の調整指示に従って、前記メインユニットから出力される映像信号のゲイン、周波数特性及び遅延を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の映像信号調整システム。
【請求項4】
前記コンソールユニットは、第2スイッチを含み、
前記第1調整手段は、前記第2スイッチの押下又は前記コンソールからの映像信号の調整指示に従って、前記サーバから出力される映像信号のゲイン及び周波数特性を調整し、
前記第2調整手段は、前記第2スイッチの押下又は前記コンソールからの映像信号の調整指示に従って、前記メインユニットから出力される映像信号のゲイン、周波数特性及び遅延を調整することを特徴とする請求項1に記載の映像信号調整システム。
【請求項5】
前記メインユニットは、前記サーバから出力される映像信号のゲイン及び周波数特性の調整に使用された情報を記憶する第1記憶手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の映像信号調整システム。
【請求項6】
前記コンソールユニットは、前記メインユニットから出力される映像信号のゲイン、周波数特性及び遅延の調整に使用された情報を記憶する第2記憶手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の映像信号調整システム。
【請求項7】
前記第1調整手段は、
レシーバと、
前記サーバから出力されるゲイン調整用信号及び周波数特性調整用信号を入力し、前記ゲイン調整用信号及び前記周波数特性調整用信号の減衰量を測定する測定回路と、
前記ゲイン調整用信号の減衰量と前記レシーバに印加される電圧との関係を示す第1テーブルと、前記周波数特性調整用信号の減衰量と前記レシーバに印加される電圧との関係を示す第2テーブルとを含み、前記測定回路で測定されたゲイン調整用信号及び周波数特性調整用信号の減衰量、並びに第1及び第2テーブルに基づいて、前記レシーバに電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
前記レシーバは、前記電圧印加手段に印加された電圧に応じて、前記サーバから出力される映像信号のゲイン及び周波数特性を調整することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の映像信号調整システム。
【請求項8】
前記第2調整手段は、
レシーバと、
前記サーバから出力される映像信号、ゲイン調整用信号及び周波数特性調整用信号を入力し、前記ゲイン調整用信号及び前記周波数特性調整用信号の減衰量、並びに前記映像信号の遅延量を測定する測定回路と、
前記測定回路で測定された映像信号の遅延量に応じて、映像信号の遅延を調整する遅延回路と、
前記ゲイン調整用信号の減衰量と前記レシーバに印加される電圧との関係を示す第1テーブルと、前記周波数特性調整用信号の減衰量と前記レシーバに印加される電圧との関係を示す第2テーブルとを含み、前記測定回路で測定されたゲイン調整用信号及び周波数特性調整用信号の減衰量、並びに第1及び第2テーブルに基づいて、前記レシーバに電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
前記レシーバは、前記電圧印加手段に印加された電圧に応じて、前記サーバから出力される映像信号のゲイン及び周波数特性を調整することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の映像信号調整システム。
【請求項9】
サーバと、キーボード、マウス、モニタを含むコンソールとの間に接続され、サーバユニット、メインユニット及びコンソールユニットを含む映像信号調整システムの制御方法であって、
前記サーバから出力される映像信号のゲイン及び周波数特性を調整する第1調整工程と、
前記メインユニットから出力される映像信号のゲイン、周波数特性及び遅延を調整する第2調整工程を備えることを特徴とする映像信号調整システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−98564(P2010−98564A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−268308(P2008−268308)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】