説明

映像再生装置、番組効果推定方法、プログラムおよび番組効果測定システム

【課題】広告番組を構成する各シーンの効果の推定するための情報を取得して推定し、番組の構成を決定するための情報を得ることができる映像再生装置を提供すること
【解決手段】複数のシーンからなる番組の映像音声情報を再生する再生部と、視聴者による操作を受け付ける操作受付部と、受け付けた操作のうち、予め決められた操作を抽出する視聴者操作抽出部と、視聴者操作抽出部が抽出した操作を、操作受付部が受け付けたときに、再生部が再生しているシーンを識別するシーン識別情報を取得するシーン識別情報取得部と、抽出した操作を示す情報と取得したシーン識別情報とを対応付けて、番組の効果を測定する効果測定サーバに送信する情報送信部とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像再生装置、番組効果推定方法、プログラムおよび番組効果測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ番組の内容や視聴環境が大きく変化している。例えば、テレビ番組においては、出演者が商品を説明するテレビショッピング番組、番組中に登場した商品・サービスを購入可能な番組などの広告番組が急増している。広告番組は、視聴者に対し、商品を使う状況や、その商品の効果を伝えることができるため、その結果として、商品の売り上げを増加させている。上記は、企業からの広告収入で成り立っている民間放送では、必然的なことと考えられる。
【0003】
一方で、視聴者は、いつでも見たい番組を見たいという視聴環境の変化を求めている。これを解決するため、VOD(video on demand)というネットワーク回線を利用したテレビ番組の提供方法が確立され始めている。一般的に、VOD番組を提供する番組提供会社、ネットワーク環境を提供するプロバイダ業者、ネットワークからVOD番組を受け取る装置STB(Set Top Box)によって、VOD番組を視聴することが可能となる。
【0004】
上記のような流れを考慮すると、テレビショッピング番組などの広告番組をVODで視聴できるようになると考えられる。広告番組をVODで提供した場合でも、今後の番組編成や、対広告効果費用を計算するために、番組が効果的かどうかを推定する必要がある。VODで提供するときの番組の効果を推定する手段として、単純に視聴回数をその広告の効果と判断する手段がある。例えば、特許文献1に記載の広告効果測定方法では、広告番組に識別情報を設け、その識別情報毎に視聴回数をカウントアップすることで、広告効果を推定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−299122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
テレビショッピング番組などの広告番組は、多くのシーンから構成されている。例えば、商品に対して、複数の体験者による感想のシーンや、一つの商品を複数の実演方法で紹介するシーンなどを含む番組がある。しかしながら、従来の効果測定方法にあっては、番組単位での効果測定を行っているので、各シーンに対する効果が分からないため、番組制作者は今後の番組の構成を作るうえで、参考にする情報が得られないという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、広告番組を構成する各シーンの効果の推定するための情報を取得して推定し、番組の構成を決定するための情報を得ることができる映像再生装置、番組効果推定方法、プログラムおよび番組効果測定システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の映像再生装置は、複数のシーンからなる番組の映像音声情報を再生する再生部と、視聴者による操作を受け付ける操作受付部と、前記受け付けた操作のうち、予め決められた操作を抽出する視聴者操作抽出部と、前記視聴者操作抽出部が抽出した操作を、前記操作受付部が受け付けたときに、前記再生部が再生しているシーンを識別するシーン識別情報を取得するシーン識別情報取得部と、前記抽出した操作を示す情報と前記取得したシーン識別情報とを対応付けて、前記番組の効果を測定する効果測定サーバに送信する情報送信部とを備えることを特徴とする。
【0009】
(2)また、本発明の映像再生装置は、上述の映像再生装置であって、前記シーン識別情報取得部が取得するシーン識別情報は、前記番組の先頭からの時間を示す情報、前記番組の終端からの時間を示す情報、前記番組の時間軸上の区間を示す情報のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする。
【0010】
(3)また、本発明の映像再生装置は、上述のいずれかの映像再生装置であって、予め設定された操作によって、前記再生部が再生している映像音声情報の番組に関連する商品またはサービスの購入申込みを受け付ける画面を表示する購入画面処理部を備え、前記視聴者操作抽出部が抽出する予め決められた操作は、前記予め設定された操作または前記視聴者による購入申込みの操作を含むことを特徴とする。
【0011】
(4)また、本発明の映像再生装置は、上述のいずれかの映像再生装置であって、前記視聴者操作抽出部が抽出する予め決められた操作は、番組の再生を指示する操作、番組の再生を停止する操作、番組の再生中に再生する番組を変更する操作のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする。
【0012】
(5)また、本発明の番組効果推定方法は、映像再生装置における番組効果推定方法であって、前記映像再生装置が、複数のシーンからなる番組の映像音声情報を再生する第1の過程と、前記映像再生装置が、視聴者による操作を受け付ける第2の過程と、前記映像再生装置が、前記受け付けた操作のうち、予め決められた操作を抽出する第3の過程と、前記映像再生装置が、前記第3の過程にて前記抽出した操作を受け付けたときに、前記第1の過程にて再生しているシーンを識別するシーン識別情報を取得する第4の過程と、前記映像再生装置が、前記抽出した操作を示す情報と前記取得したシーン識別情報とを対応付けて、前記番組の効果を測定する効果測定サーバに送信する第5の過程とを有することを特徴とする。
【0013】
(6)また、本発明のプログラムは、映像再生装置のコンピュータを、複数のシーンからなる番組の映像音声情報を再生する再生部、視聴者による操作を受け付ける操作受付部、前記受け付けた操作のうち、予め決められた操作を抽出する視聴者操作抽出部、前記視聴者操作抽出部が前記操作を抽出した操作を受け付けたときに、前記再生部が再生しているシーンを識別するシーン識別情報を取得するシーン識別情報取得部、前記抽出した操作を示す情報と前記取得したシーン識別情報とを対応付けて、前記番組の効果を測定する効果測定サーバに送信する情報送信部として機能させる。
【0014】
(7)また、本発明の番組効果測定システムは、複数のシーンからなる番組の効果を測定する効果測定サーバと、前記効果測定サーバと通信路を介して接続された複数の映像再生装置とを具備する番組効果測定システムであって、前記映像再生装置は、複数のシーンからなる番組の映像音声情報を再生する再生部と、視聴者による操作を受け付ける操作受付部と、前記受け付けた操作のうち、予め決められた操作を抽出する視聴者操作抽出部と、前記視聴者操作抽出部が前記操作を抽出した操作を受け付けたときに、前記再生部が再生しているシーンを識別するシーン識別情報を取得するシーン識別情報取得部と、前記抽出した操作を示す情報と前記取得したシーン識別情報とを対応付けて、前記番組の効果を測定する効果測定サーバに送信する情報送信部とを備え、前記効果測定サーバは、前記操作を示す情報と前記シーン識別情報とを対応付けて記憶する記憶部と、前記映像再生装置が送信した前記操作を示す情報と前記シーン識別情報とを受信し、受信した前記操作を示す情報と前記シーン識別情報とを対応付けて、前記記憶部に記憶させる受信部と、前記番組のシーンの各々について、対象のシーンを示すシーン識別情報と対応付けて前記記憶部が記憶する前記操作を示す情報に基づき、対象のシーンの効果を算出する効果算出部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、広告番組を構成する各シーンの効果の推定するための情報を取得して推定し、番組の構成を決定するための情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態における番組受信装置30(セットトップボックス)の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】同実施形態における番組の視聴開始から視聴終了するまでのフローチャートを示す図である。
【図3】同実施形態におけるVOD番組を再生するまでに表示装置に表示装置に表示される表示例である。
【図4】同実施形態における番組からの購入処理を示すフローチャートである。
【図5】同実施形態における番組視聴中から購入終了までに表示装置に表示される表示例を示す図である。
【図6】同実施形態における番組の時間情報と再生時間取得部が取得する時間の関係を表す図である。
【図7】同実施形態における購入処理を選択した後の表示画面の一例を示す図である。
【図8】同実施形態における購入画面W4で決定を選択した後の表示画面の一例を示す図である。
【図9】同実施形態における購入画面W5で決定を選択した後の表示画面の一例を示す図である。
【図10】同実施形態における再生時間情報を説明する概念図である。
【図11】同実施形態における番組の内容構成の例を示す図である。
【図12】同実施形態における動画番組配信サーバ50の構成を示す概略ブロック図である。
【図13】同実施形態における番組構成情報記憶部57が記憶する番組構成情報テーブルの例を示す図である。
【図14】同実施形態における効果判定情報記憶部58が記憶する効果判定情報テーブルの例を示す図である。
【図15】同実施形態におけるシーン識別情報受信部55および効果判定部56の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<システム構成 番組の効果推定装置>
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態における映像再生装置である番組受信装置30(セットトップボックス)の構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように、番組受信装置30は、視聴者操作受付部31、視聴者操作抽出部32、シーン識別情報取得部33、番組取得部34、再生部35、画面情報取得部36、画面処理部37、合成部38、情報送信部39を具備する。また、説明の都合上、番組受信装置30を操作するためのリモコン(Remote Control;遠隔制御装置)10、番組受信装置30が出力する映像信号の映像を表示するための表示装置20、番組受信装置30に対し、番組を配信するための動画番組配信サーバ50、複数の番組受信装置30を動画番組配信サーバ50に接続するネットワーク40を図1に図示する。なお、動画番組配信サーバ50と、ネットワーク40と、番組受信装置30とで、番組効果推定システムを構成する。
【0018】
リモコン10は、視聴者が番組受信装置30を制御する信号を出力する。具体的には、リモコン10は、数字ボタン、チャンネル切替ボタン、上下左右の十字方向ボタン、決定ボタンなどを備え、視聴者がこれらのボタンを押すと、押されたボタンに対応する指示信号を、赤外線を使って番組受信装置30に送信する。
表示装置20は、入力された画像信号に基づき画像を表示するとともに、入力された音声信号に基づき音声を出力する。なお、本実施形態では、表示装置20は、1つの装置として説明したが、入力された画像信号に基づき画像を表示する装置と、入力された音声信号に基づき音声を出力する装置との2つの装置から構成されていてもよい。
【0019】
操作受付部31は、視聴者による操作を受け付ける。すなわち、操作受付部31は、リモコン10が送信する指示信号を受信する赤外線受光部を備え、該赤外線受光部が受信した指示信号に対応するボタンが押されたことを検出する。さらに、操作受付部31は、受け付けた操作による指示に従い、情報送信部39、再生部35、画面処理部37を制御する。
視聴者操作抽出部32は、操作受付部31が受け付けた操作のうち、予め決められた操作を抽出する。シーン識別情報取得部33は、視聴者操作抽出部32が抽出した操作を、操作受付部31が受け付けたときに、再生部35が再生しているシーンを識別するシーン識別情報を取得する。本実施形態では、シーン識別情報として、再生している番組の先頭からの再生時間を示す再生時間情報を用いる。
【0020】
情報送信部39は、番組受信装置30から外部に情報を送信する部分である。具体的には、視聴者操作受付部31による制御に従い、VOD番組の番組リスト配信要求、指定した番組の映像音声情報の配信要求、購入画面配信要求を、ネットワーク40を介して動画番組配信サーバ50に送信する。さらに、情報送信部39は、視聴者操作抽出部32が抽出した操作を識別する操作情報と、シーン識別情報取得部33が取得した再生時間情報とを対応付けて、番組の効果を測定する動画番組配信サーバ50(効果測定サーバ)に、ネットワーク40を介して送信する。なお、本実施形態では、これらに加えて、番組を識別する番組識別情報も送信する。
【0021】
番組情報取得部34は、情報送信部39が送信した映像音声情報の配信要求に応じて、動画番組配信サーバ50が送信した番組の映像音声情報を、ネットワーク40を介して受信する。番組情報取得部34は、受信した映像音声情報を、再生部35に送る。
再生部35は、操作受付部31の制御に従い、番組情報取得部34が受信した番組の映像音声情報を再生する。ここで、映像音声情報は、複数のシーンからなる番組の映像音声情報であり、一般的にMPEG(Moving Picture Experts Group)規格に沿ってエンコードされている。このため、再生部35は、内部で映像音声情報のデコードを行って再生し、番組の画像の信号および音声の信号を生成する。
【0022】
画面情報取得部36は、情報送信部39が送信した配信要求に応じて、動画番組配信サーバ50が送信した番組リスト画面情報および購入画面情報を、ネットワーク40を介して受信する。画面情報取得部36は、受信した番組リスト画面情報および購入画面情報を、画面処理部37に送る。
画面処理部37は、操作受付部31による制御と、画面情報取得部36が取得した番組リスト画面情報または購入画面情報とに基づき、番組リスト画面の画像の信号または購入画面の画像の信号を生成し、合成部38に出力する。画面処理部37は、番組リスト画面および購入画面を生成するための専用の処理部であり、例えば、番組リスト画面情報として、番組名のテキストデータを画面情報取得部36から受けて、該番組リスト画面情報に基づき、番組リスト画面を生成する。なお、画面処理部37は、Webブラウザなどの画面を生成するための汎用の処理部であり、例えば、番組リスト画面情報として、番組リスト画面のHTML(HyperText Markup Language)データおよび画像データを画面情報取得部36から受けて、該番組リスト画面情報に基づき、番組リスト画面を生成するようにしてもよい。
【0023】
合成部38は、再生部35が出力した番組の画像の信号および音声の信号と、画面処理部37が生成した番組リスト画面の画像の信号、または、購入画面の画像の信号とから合成画像の信号を生成し、生成した合成画像の信号と、番組の音声の信号とを表示装置20に出力する。
ネットワーク40は、インターネットなどのネットワークであり、複数の番組受信装置30と、動画番組配信サーバ50とを接続する。
【0024】
動画番組配信サーバ50は、VOD番組を配信するサーバである。番組受信装置30から受け取った要求に元に、その要求に従った情報(番組の映像音声情報、VOD番組の番組リスト画面情報、購入画面情報)を番組受信装置30に送る。また、動画番組配信サーバ50は、番組受信装置30から操作を示す情報とシーン識別情報とが対応付けられた情報を受信し、該情報に基づき、番組を構成するシーン毎に、効果を測定する。
【0025】
<番組受信装置30の購入処理>
次に、図2から図10を用いて、番組受信装置30の番組視聴から効果推定を行う情報を得るまでの処理を説明する。図2は、番組の視聴開始から視聴終了するまでのフローチャートを示す図である。図3、図4は、VOD番組を再生するまでに表示装置に表示装置に表示される表示例である。図5は、番組からの購入処理を示すフローチャートである。図6から図9は、番組視聴中から購入終了までに表示装置に表示される表示例を示す図である。図10は、番組の時間情報と再生時間取得部が取得する時間の関係を表す図である。
【0026】
図2を用いて、番組の視聴開始から視聴終了までの処理の流れを説明する。図2は、第1の実施形態における番組受信装置30の視聴開始から視聴終了までの処理を示すフローチャートである。
始めに、図示しないが、番組受信装置30の電源を入れ、テレビジョン受像機などの表示装置20を、番組受信装置30の出力信号を受け付けて、画像、音声を出力するように設定する。
【0027】
視聴者の操作によるVOD番組の番組リストの表示指示をリモコン10から視聴者操作受付部31が受け取る。視聴者操作受付部31は受け取ったVOD番組の番組リストの表示指示をもとに、情報送信部39にVOD番組の番組リストの配信要求指示を送る。情報送信部39は、受け取ったVOD番組の番組リストの配信要求指示にもとに、動画番組配信サーバ50にVOD番組の番組リストの配信要求を送る。動画番組配信サーバ50は受け取ったVOD番組の配信要求に従って、番組受信装置30にVOD番組の番組リスト情報を送る。画面情報取得部36は、受け取ったVOD番組の番組リスト情報を画面処理部37に送る。画面処理部37は、この受け取ったVOD番組の番組リスト情報から、VOD番組の番組リスト画面の画像信号を再生し、合成部38に出力する。このとき、再生部35は映像音声情報の再生を行っていないので、再生部35からは画像信号が出力されていない。このため、合成部38は、画面処理部37から入力された画像信号をそのまま表示装置20に出力する(ステップS101)。
【0028】
ここで、次のステップS102を、図3、図4を用いて、番組受信装置30によるVOD番組の番組リスト画面の表示例と併せて説明する。図3は、ステップS101により表示されるVOD番組の番組リスト画面の例である。図3に示すVOD番組の番組リスト画面G1の例では、4つの番組名(符号BT11〜14)が縦に並んでおり、これらのうち、網掛けでハッチングされていない符号BT11の番組名「[1]掃除機の紹介番組」が選択されている。
【0029】
次に、視聴者によるリモコン10の上下方向ボタンの操作により、リモコン10が、上下方向ボタンに対応する信号を送信する。ここでは、視聴者が、下方向ボタンを2回操作し、下方向ボタンに対応する信号が2回送信されたとする。これらの信号を、視聴者操作受付部31が受信する。視聴者操作受付部31は、受信したこれらの信号、すなわち再生するための番組選択の変更指示(下方向2回)を、画面処理部37に送る。画面処理部37は、視聴者操作受付部31から受け取った番組選択の変更指示をもとに、現在表示されているVOD番組の番組リストから、選択されている番組を下方向に2つ移動したものを生成し、合成部38を介してする。この結果、番組リスト画面は、図4に示すVOD番組の番組リスト画面G2のようになる。図4に示すVOD番組の番組リスト画面G2では、4つの番組名(符号BT21〜24)が縦に並んでおり、これらのうち、網掛けでハッチングされていない符号BT23の番組名「[3]服の紹介番組」が選択されている。
【0030】
次に、視聴者によるリモコン10の決定方向ボタンの操作により、リモコン10が、決定ボタンに対応する信号を送信する。この信号を、視聴者操作受付部31が受信する。視聴者操作受付部31は、この信号を受けると、そのときに画面処理部37が生成して表示している番組リスト画面で選択されている番組を、再生する番組とする決定指示を、情報送信部39に送る。情報送信部39は、この決定指示を受けると、この決定指示により再生する番組として指定された番組の映像音声情報の配信要求を、動画番組配信サーバ50に送る。動画番組配信サーバ50は、番組の映像音声情報の配信要求を受けると、該配信要求に従って、映像音声情報を番組受信装置30に送信する。番組取得部34は、この映像音声情報を受信して、再生部35に出力する。再生部35は、受け取った映像音声情報の再生を開始する(ステップS103)。
【0031】
次に、再生部35が番組の終端まで再生したか否か、判定する(ステップS104)。番組の終端まで再生したと判定したときは(ステップS104のYES)、処理を終了する。あるいは、ステップS101に戻って、番組リストを表示する。
番組の終端まで再生していないと判定したときは(ステップS104のNO)、視聴者の購入操作(購入申込みの操作)が行われたか否か、視聴者操作受付部31が判定する(ステップS105)。視聴者の購入操作が行われていないと判定したときは(ステップS105のNO)、ステップS104に戻る。視聴者の購入操作が行われたと判定したときは(ステップS105のYES)、購入処理を行う(ステップS106)。なお、購入処理の詳細は後述する。購入処理を行った後は、ステップS104に戻って、処理を繰り返す。
【0032】
図5は、本実施形態における購入処理を説明するフローチャートである。図5に示す購入処理は、図2におけるステップS106に相当する。また、図6から図9は、番組視聴中から購入終了までに表示装置20に出力される表示画面例である。以下、図6から図9を適宜参照しながら、図5の購入処理のフローチャートを説明する。
【0033】
購入処理の前に、番組の視聴中、図6に示すように購入処理ボタンBT31が表示されているときに、視聴者によるリモコン10を用いた決定指示、すなわち購入操作を受信すると、視聴者操作受付部31は、購入操作がされたと判定する(図2のS105のYES)。ここで、図6は、購入処理を始める前の番組視聴中の表示画面の一例である。図6に例示するように、番組視聴中の表示画面G3には、購入操作を行うための購入処置ボタンBT31が番組の映像に重畳されている。購入処理ボタンBT31は、視聴者がリモコン10の決定ボタンを操作したとき、すなわち購入操作をしたときに視聴中の番組の購入画面情報を取得するためのリンク情報、すなわち視聴中の番組の購入画面情報へのリンク情報であって、動画番組配信サーバ50が保持する購入画面情報へのリンク情報と対応付けられている。この購入処理ボタンBT31の表示タイミングの情報、対応付けられているリンク情報などは、番組の映像音声情報とともに、動画番組配信サーバ50が送信し、番組情報取得部34が受信する。購入処理ボタンBT31の画像は、番組情報取得部34が受信したこれらの情報に基づき、再生部35が生成する。
【0034】
購入操作を受けて、図2におけるステップS106の購入処理を開始すると、視聴者操作受付部31は、購入処理ボタンBT31に対応付けられているリンク情報を含む購入画面配信要求を情報送信部39に送る。また、視聴者操作抽出部32は、視聴者操作受付部31が受信した決定指示が、予め決められた操作に該当するか否かを判定する。なお、この判定は、リモコン10のどのボタンが押された操作であるかだけでなく、そのときに表示している画面がどの画面であるか、さらには、そのときに表示しているボタンのうち、どのボタンを選択しているかも条件に入れて行う。例えば、ここでは、視聴中の番組が表示されており、さらに購入処理ボタンが選択されているときに、リモコン10の決定ボタンが押されるという条件が、予め決められた操作に該当するか否かを、視聴者操作抽出部32は判定する。
【0035】
なお、予め決められた操作に該当するか否かを判定するこれらの条件を示す情報は、動画番組配信サーバ50が、番組の映像音声情報とともに送信するようにしてもよいし、視聴者操作抽出部32が備える記憶部が、予め記憶していてもよい。該条件を示す情報を、画番組配信サーバ50が、番組の映像音声情報とともに送信するようにした場合は、番組毎に条件を設定することもできる。図5の説明に戻って、視聴者操作抽出部32は、予め決められた操作に該当すると判定すると、シーン識別情報取得部33に現在再生している番組の先頭からの再生時間を表す再生時間情報の取得指示を、判定により該当した操作を示す操作情報とともに送る。なお、ここでは、購入操作が、予め決められた操作として定められており、操作情報として購入操作を識別する情報が、再生時間情報の取得指示とともに送られる。
【0036】
シーン識別情報取得部33は、これらの再生時間情報の取得指示と操作情報とを受けると、再生部35に、再生時間情報の取得指示を送る。再生部35は、この取得指示を受けると、現在再生している番組の先頭からの再生時間を取得し、該再生時間を表す再生時間情報をシーン識別情報取得部33に送る。シーン識別情報取得部33は、受け取った再生時間情報を、操作情報とともに情報送信部39に送る。(ステップS201)。図示しないが、取得した再生時間情報と操作情報とを、情報送信部39は保持する。
【0037】
一方、視聴者操作受付部31から購入画面配信要求を受けた情報送信部39は、この購入画面配信要求に含まれるリンク情報に従い、この購入画面配信要求を動画番組配信サーバ50に送信する。動画番組配信サーバ50は、購入画面配信要求を受信すると、受信した購入画面配信要求に含まれているリンク情報により指定された購入画面情報を、自装置にて保持している購入画面情報の中から読み出して、番組受信装置30に送信する。画面情報取得部36は、この購入画面情報を受信して、画面処理部37に送る。
【0038】
画面処理部37は、購入画面情報を受けると、該購入画面情報に基づき、購入画面を生成し、該画面の映像信号を合成部38に出力する。合成部38は、再生部35が出力している番組の映像信号に、画面処理部37から受けた購入画面の映像信号を重畳し、重畳した結果の映像信号を表示装置20に出力して、表示させる(S202)。このとき、表示画面は図6から図7に遷移する。ここで、図7は、購入処理を選択した後の表示画面の一例である。図7に例示する表示画面G4は、合成部38が、購入画面W4を番組の映像に重畳した場合の表示例であるが、番組の映像は表示せず、購入画面を全画面に表示するようにしてもよい。図7に示す購入画面W4は、購入の決定を指示するための決定ボタンBT41と、購入の中止を指示するための中止ボタンBT42とを有する。
【0039】
次に、視聴者によるリモコン10を用いた購入画面での購入操作続行の指示(例えば、購入画面W4での決定ボタンBT41)を受け取ると、視聴者操作受付部31は、受け取った指示を元に、画面処理部37に購入画面の次画面の再生指示を送る。ここで、購入操作続行の指示ではなく、購入操作中止(例えば、中止ボタンBT42)の指示を受け取ったときは、画面処理部37は、購入画面W4の表示を中止するので、表示画面は、図6の番組視聴中の表示画面G3に戻る。
【0040】
一方、購入操作続行の指示(例えば、決定ボタンBT41)を受け取って、視聴者操作受付部31が次の画面の再生指示を送ると、画面処理部37は、視聴者操作受付部31から受け取った購入画面の次画面の再生指示を元に、次の購入画面の映像信号を生成し、合成部38を介して表示装置20に表示させる(ステップS203)。これにより、表示画面は図7の表示画面G4から図8の表示画面G5に遷移する。図8は、購入画面W4で決定を選択した後の表示画面の一例を示す図である。図8に示す表示画面G5は、番組の映像に購入条件を確認するための購入画面W5が重畳されている。購入画面W5は、購入条件に加えて、購入する商品の個数などの購入情報を指定するための入力領域A1を有する。ここで、購入情報とは、例えば、商品の個数、サイズ、色などの情報である。他にも、商品の届け先の情報、決済に関する情報などを含んでいても良い。
【0041】
なお、購入画面W5を生成するための購入画面情報は、購入画面W4の購入画面情報とともに、ステップS202で取得していてもよい。また、ステップS202では購入画面W5の購入画面情報への参照情報のみを取得していて、ステップS203にて情報送信部39が該参照情報を宛先にした購入画面情報要求を送信し、該要求の応答として送信された購入画面情報を画面情報取得部36が受信するようにしてもよい。
【0042】
ステップS203の次に、視聴者によるリモコン10を用いて購入画面(例えば購入画面W5の入力領域A1)に入力された購入情報を視聴者操作受付部31が受け取る。視聴者操作受付部31は受け取った購入情報を含んだ再生指示であって、購入画面W5の次画面の再生指示を画面処理部37に送る。画面処理部37は視聴者操作受付部31から受け取った購入画面W5の次画面の再生指示を元に、次の購入画面W6の映像信号を生成し、合成部38を介して表示装置20に表示させる(ステップS204)。また、図示しないが、購入情報は、番組受信装置30の内部に記録しておく。これにより、表示画面は図8の表示画面G5から図9の表示画面G6に遷移する。図9は、購入画面W5で決定を選択した後の表示画面の一例を示す図である。図8に示す表示画面G5は、最終の購入確認のための購入画面W6が重畳されている。購入画面W6は、購入条件および購入画面W5で入力した購入情報の表示領域と、購入の決定を指示する決定ボタンBT61と、購入の中止を指示する中止ボタンBT62とを有する。
【0043】
なお、購入画面W6を生成するための購入画面情報は、購入画面W4の購入画面情報とともに、ステップS202で取得していてもよいし、購入画面W5の購入画面情報とともに、ステップS203で取得していてもよい。また、ステップS202またはステップS203では購入画面W6の購入画面情報への参照情報のみを取得していて、ステップS204にて情報送信部39が該参照情報を宛先にした購入画面情報要求を送信し、該要求の応答として送信された購入画面情報を画面情報取得部36が受信するようにしてもよい。
【0044】
ステップS204の次に、視聴者によるリモコン10を用いた最終の購入確認のための購入画面での購入決定の指示(例えば購入画面W6の決定ボタンBT61)を視聴者操作受付部31が受け取る。ここで、購入決定の指示ではなく、購入中止(例えば、中止ボタンBT62)の指示を受け取ったときは、画面処理部37は、購入画面W6の表示を中止するので、表示画面は、図6の番組視聴中の表示画面G3に戻る。
【0045】
一方、視聴者操作受付部31は受け取った最終の購入確認のための購入画面での購入決定指示を元に、ステップS204で視聴者が入力した購入情報と購入の決定情報とを情報送信部39に送る。情報送信部39は、ステップS204で視聴者が入力した購入情報と購入の決定情報を動画番組配信サーバ50に送信する(ステップS205)。この購入の決定情報の送信をトリガにして、情報送信部39はステップS201で保持していた再生時間情報と操作情報とを番組の識別情報とともに、動画番組配信サーバに送る(ステップS206)。
【0046】
ここで、図10を用いて、シーン識別情報取得部33が取得し、情報送信部39が送信する再生時間情報の説明をする。図10は、再生時間情報を説明する概念図である。図10において、図の左端は番組の先頭を表し、図の右端は番組の終端を表している。図10に示す例は、番組を先頭から再生したとき、15分30秒めで視聴者が購入操作(購入処理BT31を選択)をした場合の例である。この場合、15分30秒という情報が、現在再生している番組の先頭からの再生時間情報となる。なお、番組を視聴している間に、一時停止、早送り、巻き戻しなどをしていても、番組を先頭から再生したときに、15分30秒めとなるシーンで、購入操作がされたときは、15分30秒という情報を再生時間情報とする。
【0047】
次に、図11を用いて、番組の効果推定方法を説明する。図11は、番組の内容構成の例を示す図である。具体的には、30分の番組で、商品Aと商品Bの紹介がそれぞれ0分から20分までと20分から30分までなされている。また、出演者Xが0分めから7分めまで、出演者Yが7分めから14分めまで、出演者Zが14分めから20分めまで、それぞれ商品Aを紹介している。さらに、0分めから10分めまで情報aが提示されており、10分めから20分めまで情報bが提示されていることを表している。動画番組配信サーバ50は、番組受信装置30のシーン識別情報取得部33が取得した再生時間情報によりどのシーンが効果的であったかを推定できる。
【0048】
具体的には、取得した再生時間情報と番組での内容変化点との前後関係から、番組のどの部分が効果的かを推定することが可能となる。例えば、再生時間情報が8分を示す場合、出演者Xから出演者Yに切り替わった時間から間もないので、出演者Yによる紹介が効果的であり、かつ情報aは視聴者にさほど重要な情報ではないことがわかる。また別の例として、再生時間情報が11分を示す場合、情報bの提示が視聴者に効果的な情報であったことがわかる。最後の例として、再生時間情報が21分を示す場合、視聴者にとって、どの部分も購入を促す効果的な部分がないことがわかる。上記の例は、一例であり、動画番組配信サーバ50は、他にも番組の内容の変化点と再生時間情報の前後関係から番組の効果を推定することができる。
【0049】
図12は、動画番組配信サーバ50の構成を示す概略ブロック図である。動画番組配信サーバ50は、番組配信部51、番組記憶部52、購入画面情報送信部53、購入画面情報記憶部54、シーン識別情報受信部55、効果判定部56、番組構成情報記憶部57、シーン識別情報記憶部58、効果表示処理部59、表示部60を備える。番組送信部51は、例えば、映像音声情報のストリーミングを行うストリーミングサーバであり、番組受信装置30の情報送信部39からの配信要求に応じた番組の映像音声情報を、番組記憶部52から読み出し、ネットワーク40を介して、番組受信装置30に送信する。
【0050】
番組記憶部52は、各番組の映像音声情報を記憶する。画面情報送信部53は、例えば、WEBページの配信を行うWEBサーバであり、番組受信装置30の情報送信部39からの配信要求に応じた番組リスト画面の画面情報または購入画面の画面情報を、画面情報記憶部54から読み出し、ネットワーク40を介して、番組受信装置30に送信する。画面情報記憶部54は、番組リスト画面の画面情報および購入画面の画面情報を記憶する。
【0051】
シーン識別情報受信部55は、番組受信装置30から番組識別情報と操作情報と再生時間情報とを受信し、これらを効果判定部56に出力する。効果判定部56は、シーン識別情報受信部55から番組識別情報と操作情報と再生時間情報とを受け、受けた番組識別情報の番組構成情報を番組構成情報記憶部57から読み出し、これら受けた情報と、読み出した情報とに基づき、効果判定を行う。さらに、効果判定部56は、効果判定を行った結果の評価を効果判定情報として、効果判定記憶部58に書き込む。なお、本実施形態では、効果判定情報には、そのときの番組識別情報と再生時間情報と操作情報と後述する属性とを含む。また、効果判定部56の詳細は、後述する。
【0052】
番組構成情報記憶部57は、図11で説明した各番組の構成を記憶する。番組構成情報記憶部57の詳細は、後述する。効果判定情報記憶部58は、効果判定部56が生成した効果判定情報を記憶する。効果判定情報記憶部58の詳細は、後述する。効果表示処理部59は、効果判定情報記憶部58が記憶する効果判定情報を統計処理して、各番組の各シーンについての効果を表示部60に表示させる。例えば、効果表示処理部59は、図11の出演者Xによる紹介のシーンと、出演者Yによる紹介のシーンと、出演者Zによる紹介のシーンとのそれぞれにおける評価(効果判定結果)の合計を算出して、表示させたり、情報aが提示されている期間のシーンと、情報bが提示されている期間のシーンとのそれぞれにおける評価の合計を算出して、表示させたりする。表示部60は、液晶ディスプレイなどを備え、画像を表示する。
【0053】
図13は、番組構成情報記憶部57が記憶する番組構成情報テーブルの例を示す図である。図13は、番組が図11に示した例のような構成であるときの番組構成情報テーブルの例である。番組構成情報テーブルは、複数の項目からなる複数のレコードにより構成される。各レコードは、番組識別情報(番組ID)と、属性と、特定情報と、開始時刻と、終了時刻とからなる番組情報を記憶する。番組構成情報テーブルは、例えば、図13に示すように、1行目が番組識別情報「0010」、属性「商品」、特定情報「A」、開始時刻「00m00s」、終了時刻「20m00s」からなり、2行目が番組識別情報「0010」、属性「商品」、特定情報「B」、開始時刻「20m00s」、終了時刻「30m00s」からなり、3行目が番組識別情報「0010」、属性「出演者」、特定情報「X」、開始時刻「00m00s」、終了時刻「07m00s」からなり、4行目が番組識別情報「0010」、属性「出演者」、特定情報「Y」、開始時刻「07m00s」、終了時刻「14m00s」からなるというように、全7行の番組構成情報からなる。
【0054】
ここで、例えば、1行目は、番組識別情報「0010」の番組の開始時刻「00m00s」から終了時刻「20m00s」までの間は、属性「商品」については、特定情報「A」のシーンであることを示す。これは、図11の商品Aの紹介のシーンに対応する番組構成情報である。また、例えば、3行目は、番組識別情報「0010」の番組の開始時刻「00m00s」から終了時刻「07m00s」までの間は、属性「出演者」については、特定情報「X」のシーンであることを示す。これは、図11の出演者Xによる紹介のシーンに対応する番組構成情報である。なお、図13の例は、番組識別情報が「0010」の番組についてのみ示したが、その他の番組の番組構成情報も含まれている。
【0055】
図14は、効果判定情報記憶部58が記憶する効果判定情報テーブルの例を示す図である。図14は、番組構成情報が図13に示した例であるときの効果判定情報テーブルの例である。効果判定情報テーブルは、複数の項目からなる複数のレコードにより構成される。各レコードは、番組識別情報(番組ID)と、再生時間情報と、操作情報と、属性と、評価とからなる効果判定情報を記憶する。判定情報テーブルは、例えば、図14に示すように、1行目が番組識別情報「0010」、再生時間情報「13m23s」、操作情報「購入」、属性「A、Y、b」、評価「+10」からなり、2行目が番組識別情報「0010」、再生時間情報「18m41s」、操作情報「コンテンツ変更」、属性「A、Z、b」、評価「−5」からなり、3行目が番組識別情報「0010」、再生時間情報「20m28s」、操作情報「視聴停止」、属性「B」、評価「−10」からなる。
【0056】
これらのうち、番組識別情報、再生時間情報、操作情報については、効果判定部56は、番組受信装置30から受信したシーン識別情報受信部55の出力を受けることで取得する。属性については、番組構成情報記憶部57が記憶する特定情報のうち、受信した再生時間情報が開始時刻と終了時刻との間にある全ての番組構成情報の特定情報を読み出すことで取得する。評価については、取得した操作情報に応じた点数を例えば、予め各操作情報に対応付けて記憶していたものを読み出すことで取得する。
【0057】
ここで、例えば、1行目は、番組識別情報「0010」の番組の再生時間「13m23s」において「購入」の操作が行われ、この再生時間に対応する属性の特定情報は「A、Y、b」であり、該操作の評価は「+10」であることを示す。これは、再生時間「13m23s」、すなわち図11の商品Aの紹介のシーンであり、出演者Yによる紹介のシーンであり、情報bが提示されている期間のシーンであるときに、「購入」の操作が行われたことと、「購入」の操作の評価は「+10」であることを示す。
【0058】
また、例えば、3行目は、番組識別情報「0010」の番組の再生時間「20m28s」において「視聴停止」の操作が行われ、この再生時間に対応する属性の特定情報は「B」であり、該操作の評価は「−10」であることを示す。これは、再生時間「20m28s」、すなわち図11の商品Bの紹介のシーンであるときに、「視聴停止」の操作が行われたことと、「視聴停止」の操作の評価は「−10」であることを示す。なお、図14の例は、番組識別情報が「0010」の番組についてのみ示したが、その他の番組の番組構成情報も含まれている。また、複数の番組受信装置30から再生時間情報などを受信するときに、番組受信装置30を識別する情報、あるいは、視聴しているユーザを識別する情報を、番組受信装置30から受信して、効果判定情報テーブルの各レコードに記憶してもよい。
【0059】
図15は、シーン識別情報受信部55および効果判定部56の動作を説明するフローチャートである。まず、シーン識別情報受信部55が、番組受信装置30から再生時間情報、操作情報を受信し、効果判定部56に出力する(S301)。効果判定部56は、ステップS301で出力された再生時間情報と操作情報とを受けると、調整値αを、予め設定された値にする(S302)。次に、効果判定部56は、番組構成情報記憶部57を参照し、各番組構成情報の開始時刻に調整値αを加えた値が、受けた再生時間情報よりも前の時刻を表す値となっている番組構成情報を全て抽出する(S303)。次に、効果判定部56は、ステップS303で抽出した番組構成情報の中から、各番組構成情報の終了時刻に調整値αを加えた値が、受けた再生時間情報よりも後の時刻を表す値となっている番組構成情報を抽出する(S304)。
【0060】
次に、効果判定部56は、ステップS304にて抽出した番組構成情報に、同一の属性のものが複数存在するか否かを判定する(S305)。複数存在すると判定したときは、ステップS302に戻り、効果判定部56は、調整値αの値を、例えば、予め設定された値を減じた値にして再設定し、ステップS303以降を繰り返す。一方、ステップS305にて、複数存在しないと判定したときは、ステップS306に遷移して、効果判定部56は、ステップ302で受けた操作情報と再生時間情報とに加え、該操作情報に対応する点数を評価に、ステップS304にて抽出した番組構成情報の特定情報を属性に設定した効果判定情報を生成し、効果判定情報記憶部58の効果判定情報テーブルに記憶させて、処理を終了する。
【0061】
<ステップS202の再生時間の取得の順番のバリエーション>
本実施形態では、図5のステップS201の再生時間の取得を、図5のフローチャートに示す処理の最初に行ったが、これに限定されず、別のタイミングでもよい。例えば、購入画面W4での購入操作続行の指示(図5のステップS202、図7の決定ボタンBT41)でもよい。また、購入画面W5の購入情報の入力(図5のステップS203、図8の入力領域A1)でもよい。さらに、購入画面W6の最終の購入確認(図5のステップ204、図9の決定ボタンBT61)でもよい。
【0062】
<ステップS206の再生時間の送信の順番のバリエーション>
本実施形態では、図5のステップS205の再生時間情報の送信を、図5のフローチャートに示す処理の最後に行ったが、これに限定されず、ステップS201の再生時間の取得処理の後であれば、いつでもよい。
<番組の種類のバリエーション>
本実施形態では、広告番組の例として、図11に示したテレビショッピングの番組の内容構成としたが、本発明は、これに限定されない。例えば、ツアーや宿を紹介する旅番組でもよいし、食材や調理器具を紹介する料理番組など、その他の広告番組であってもよい。これらの場合、購入画面では、番組に関連する商品またはサービスの購入申込みを受け付ける。また、番組を構成するシーンの属性、番組の内容の変化点についても、番組の種類によってさまざまである。
【0063】
<番組配信形態のバリエーション>
本実施形態では、VOD番組を例にとって説明したが、本発明は、番組の配信の形態はこれに限定されない。例えば、地上波や衛星波による放送による番組であってもよい。これらの場合、番組取得部34は、アンテナに接続され、地上波や衛星波を受信するチューナを備える。さらには、番組受信装置30がハードディスクなどの大容量の記憶部を備え、番組の配信の形態が、ネットワーク40を用いたダウンロード型の配信であっても適用可能である。いずれの場合であっても、番組の視聴中、もしくは再生中に視聴者の購入操作などの予め決められた操作をもとに、シーン識別情報取得部33は、現在再生している番組の「番組の先頭からの再生時間情報」を取得し、動画番組配信サーバ50に送ることで実現される。地上波や衛星波による放送に適用する場合は、再生時間情報に替えて、該当する操作がなされたときの現在時刻をシーン識別情報に用いてもよい。
【0064】
<番組の画面のバリエーション>
本実施形態では、購入処理ボタンBT31が画面に表示されるとして説明したが、本発明は、この例に限定されない。例えば、購入処理ボタンBT31が表示されず、リモコンに購入処理ボタンがある場合も考えられる。この場合、リモコンの購入処理ボタンの押下が、本実施形態における画面に表示されている購入処理ボタンBT31の選択と同様に扱われる。
【0065】
<視聴者の操作のバリエーション>
本実施形態では、視聴者操作抽出部32が抽出する予め決められた操作として、視聴者の購入処理の操作を中心に説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、チャンネル切替操作(番組の再生中に再生する番組を変更する操作)や再生停止操作(番組の再生を停止する操作)は、現在再生している番組が視聴者に効果的に働きかけていないという判断材料となる。この場合も、上述の番組配信形態のバリエーションと同様に、視聴者のチャンネル切替操作や再生停止操作をもとに、シーン識別情報取得部33は、現在再生している番組の「番組の先頭からの再生時間情報」を取得し、動画番組配信サーバ50に送ることで、動画番組配信サーバ50にて番組の各シーンにおける効果を推定することができるようになる。また、視聴者操作抽出部32が抽出する予め決められた操作として、番組の再生を指示する操作が含まれていてもよい。この場合は、これから再生する番組の案内が視聴者に効果的に働きかけているという判断材料になる。
【0066】
<再生時間情報の送り先のバリエーション>
本実施形態では、再生時間情報の送り先を動画番組配信サーバ50として説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、動画番組配信サーバ50とは別に購入処理サーバがある場合、いずれか一方、もしくは両方に再生時間情報を送るようにし、購入処理サーバが、シーン識別情報受信部55、効果判定部56、番組構成情報記憶部57、効果判定情報記憶部58、効果表示処理部59、表示部60を備えていてもよい。
【0067】
<再生時間情報のバリエーション>
本実施形態では、シーン識別情報として再生時間情報を用いて説明したが、これに限定されない。操作がなされたシーンが、番組を構成するシーンのいずれであるかを特定できればよい。例えば、番組の再生方向での終端からの時間でもよい。さらには、時間情報でなくともよい。例えばチャプター番号のように、番組の時間軸上の区間を示す情報でも適用可能である。
【0068】
<取得した再生時間情報の集計のバリエーション>
本実施の形態では、評価を、操作情報に応じた点数として説明したが、これに限定されない。例えば、操作情報とともにシーン識別情報受信部55が受信した再生時間情報と、番組の内容の変更点との時間上の差の大きさにより、重み付けして集計してもよい。さらに、一度購入処理をしたあとの一時停止やチャンネル切替操作は集計しないなどの組み合わせも容易に考えられる。
【0069】
このように、購入操作などの番組の効果の推定に関連する視聴者の操作を視聴者操作抽出部32が抽出し、該操作が行われたシーンを識別する再生時間情報とともに、動画番組配信サーバ50に情報送信部39が送信するので、動画番組配信サーバ50もしくは動画番組配信サーバ50の利用者が、広告番組を構成する各シーンの効果の推定するための情報を取得して推定し、番組の構成を決定するための情報を得ることができる。
【0070】
なお、番組記憶部52、画面情報記憶部54、番組構成情報記憶部57、効果判定情報記憶部58は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリや、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成されるものとする。
【0071】
また、図1における視聴者操作受付部31、視聴者操作抽出部32、シーン識別情報取得部33、番組取得部34、再生部35、画面情報取得部36、画面処理部37、合成部38、情報送信部39、および図12における番組送信部51、画面情報送信部53、シーン識別情報55、効果判定部56、効果表示処理部59の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0072】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0073】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本は発明は、テレビジョン受像機、テレビジョン受像機能付きの携帯電話、ハードディスクレコーダなど、映像情報を記録再生できる機器全般に適用することができるが、これらに限定されない。
【符号の説明】
【0075】
10…リモコン
20…表示装置
30…番組受信装置
31…視聴者操作受付部
32…視聴者操作抽出部
33…シーン識別情報取得部
34…番組取得部
35…再生部
36…画面情報取得部
37…画面処理部
38…合成部
39…情報送信部
40…ネットワーク
50…動画番組配信サーバ
51…番組送信部
52…番組記憶部
53…画面情報送信部
54…画面情報記憶部
55…シーン識別情報受信部
56…効果判定部
57…番組構成情報記憶部
58…効果判定情報記憶部
59…効果表示処理部
60…表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のシーンからなる番組の映像音声情報を再生する再生部と、
視聴者による操作を受け付ける操作受付部と、
前記受け付けた操作のうち、予め決められた操作を抽出する視聴者操作抽出部と、
前記視聴者操作抽出部が抽出した操作を、前記操作受付部が受け付けたときに、前記再生部が再生しているシーンを識別するシーン識別情報を取得するシーン識別情報取得部と、
前記抽出した操作を示す情報と前記取得したシーン識別情報とを対応付けて、前記番組の効果を測定する効果測定サーバに送信する情報送信部と
を備えることを特徴とする映像再生装置。
【請求項2】
前記シーン識別情報取得部が取得するシーン識別情報は、前記番組の先頭からの時間を示す情報、前記番組の終端からの時間を示す情報、前記番組の時間軸上の区間を示す情報のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の映像再生装置。
【請求項3】
予め設定された操作によって、前記再生部が再生している映像音声情報の番組に関連する商品またはサービスの購入申込みを受け付ける画面を表示する購入画面処理部を備え、
前記視聴者操作抽出部が抽出する予め決められた操作は、前記予め設定された操作または前記視聴者による購入申込みの操作を含むこと
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の映像再生装置。
【請求項4】
前記視聴者操作抽出部が抽出する予め決められた操作は、番組の再生を指示する操作、番組の再生を停止する操作、番組の再生中に再生する番組を変更する操作のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の映像再生装置。
【請求項5】
映像再生装置における番組効果推定方法であって、
前記映像再生装置が、複数のシーンからなる番組の映像音声情報を再生する第1の過程と、
前記映像再生装置が、視聴者による操作を受け付ける第2の過程と、
前記映像再生装置が、前記受け付けた操作のうち、予め決められた操作を抽出する第3の過程と、
前記映像再生装置が、前記第3の過程にて前記抽出した操作を受け付けたときに、前記第1の過程にて再生しているシーンを識別するシーン識別情報を取得する第4の過程と、
前記映像再生装置が、前記抽出した操作を示す情報と前記取得したシーン識別情報とを対応付けて、前記番組の効果を測定する効果測定サーバに送信する第5の過程と
を有することを特徴とする番組効果推定方法。
【請求項6】
映像再生装置のコンピュータを、
複数のシーンからなる番組の映像音声情報を再生する再生部、
視聴者による操作を受け付ける操作受付部、
前記受け付けた操作のうち、予め決められた操作を抽出する視聴者操作抽出部、
前記視聴者操作抽出部が前記操作を抽出した操作を受け付けたときに、前記再生部が再生しているシーンを識別するシーン識別情報を取得するシーン識別情報取得部、
前記抽出した操作を示す情報と前記取得したシーン識別情報とを対応付けて、前記番組の効果を測定する効果測定サーバに送信する情報送信部
として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
複数のシーンからなる番組の効果を測定する効果測定サーバと、前記効果測定サーバと通信路を介して接続された複数の映像再生装置とを具備する番組効果測定システムであって、
前記映像再生装置は、
複数のシーンからなる番組の映像音声情報を再生する再生部と、
視聴者による操作を受け付ける操作受付部と、
前記受け付けた操作のうち、予め決められた操作を抽出する視聴者操作抽出部と、
前記視聴者操作抽出部が前記操作を抽出した操作を受け付けたときに、前記再生部が再生しているシーンを識別するシーン識別情報を取得するシーン識別情報取得部と、
前記抽出した操作を示す情報と前記取得したシーン識別情報とを対応付けて、前記番組の効果を測定する効果測定サーバに送信する情報送信部と
を備え、
前記効果測定サーバは、
前記操作を示す情報と前記シーン識別情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記映像再生装置が送信した前記操作を示す情報と前記シーン識別情報とを受信し、受信した前記操作を示す情報と前記シーン識別情報とを対応付けて、前記記憶部に記憶させる受信部と、
前記番組のシーンの各々について、対象のシーンを示すシーン識別情報と対応付けて前記記憶部が記憶する前記操作を示す情報に基づき、対象のシーンの効果を算出する効果算出部と
を備えることを特徴とする番組効果測定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−258677(P2010−258677A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−105192(P2009−105192)
【出願日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】