説明

映像受信システムおよび映像受信方法

【課題】映像の臨場感を、単なる映像や音声の質を超えて増すようにし、ユーザが映像や音声の質にいずれ慣れてしまうという問題を解決する。
【解決手段】映像受信システムとして、映像信号を受信する映像受信装置と、映像受信装置が受信した映像内容に関連する情報に応じた通知情報を受信する通知受信装置と、を備える。また、上記の通知情報は、映像受信装置が表示する映像内容よりも先の時間の映像内容に関連するものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばTV番組などの各種映像データを受信するための映像受信システムおよび映像受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のTVでは、映像や音声の質を高め、臨場感を高めようとするものがある。例えば3D映像技術を利用したTVが商品化されつつあり、その他の五感(嗅覚や触覚など)に訴えかける技術も研究されている。
【0003】
また、家族毎のユーザIDを設定可能としてそのユーザID毎に個人属性情報をサーバに登録し、ユーザIDに関連付けられた個人属性情報を利用して情報端末を操作した個人を特定することで、世帯主だけでなくその家族も含めたマーケティングに役立たせるようにするものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2004−088986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような映像や音声の質を高める技術では、映像受信装置の購入当初は驚きをもって臨場感を楽しめても、いずれは慣れてしまうという課題が存在する。すなわち、映像受信装置の映像や音声の質以上の臨場感は得ることができないという課題があった。
【0006】
また、視聴者以外の人が、番組中のある時点で視聴者にとっての臨場感を高めるように何らかの行動をするためには、視聴されている番組における行動を起こす時点の内容をその時点よりも前の時間に知っている必要がある。そうした視聴されている番組における表示中の現時点よりも先の内容について、視聴者以外の人が所定時間に行動を起こせるようにその人に通知する方法がこれまでなかった。
【0007】
また、上述した特許文献1のものは、家族毎のユーザIDによりどのユーザがどのような入力を行ったかを把握しようとするものであり、映像の臨場感を高めることについてまで考慮されたものではなかった。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、視聴者以外の協力者に、映像内容における現時点よりも先の内容についての情報を予め通知することで、映像の臨場感を、単なる映像や音声の質を超えて増すことができる映像受信システムおよび映像受信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するために、本発明に係る映像受信システムは、映像信号を受信する映像受信装置と、前記映像受信装置が受信した映像内容に関連する情報に応じた通知情報を受信する通知受信装置と、を備え、前記通知情報は、前記映像受信装置が表示する映像内容よりも先の時間の映像内容に関連することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る映像受信方法は、映像受信装置が映像信号を受信し、前記映像受信装置が受信した映像内容に関連する情報に応じた通知情報を通知受信装置が受信し、前記通知情報は、前記映像受信装置が表示する映像内容よりも先の時間の映像内容に関連することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によれば、視聴者以外の協力者に、映像内容における現時点よりも先の内容についての情報を予め通知することで、映像の臨場感を、単なる映像や音声の質を超えて増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すシステム構成例を示すブロック図である。
【図2】TV受信装置3の構成例を示すブロック図である。
【図3】TV受信装置3による視聴動作例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態を示すシステム構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明の第3の実施形態を示すシステム構成例を示すブロック図である。
【図6】受信ボックス6の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係る映像受信システムおよび映像受信方法を適用した一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0014】
〔第1の実施形態〕
まず、本実施形態の概略について説明する。
第1の実施形態は、放送局における番組の企画者などが、番組中に視聴者以外の誰か(協力者)に何かの行動をしてもらうように企画し、その協力者条件(協力者の判別条件)と協力依頼内容とをTV番組の映像信号と共に送信することにより、所定のタイミングで協力者の携帯電話(通知受信装置)に協力依頼通知が送信されるようにしたものである。
【0015】
こうして、TV番組の所定の再生位置で、通知を受けた協力者が協力依頼通知により通知された行動をとることにより、番組の視聴者におけるTV番組の臨場感をより高めることができる。
【0016】
次に、第1の実施形態の構成について説明する。
本実施形態のTV受信装置3は、図1に示すように、放送局1から送信される放送電波を受信してTV番組等の映像を視聴できるようになっている。
また、TV受信装置3は、文字放送などのデータ放送により、本実施形態として放送局1から送信される協力依頼内容および協力者条件のデータを番組内容に関連する情報として受信できるようになっている。この協力依頼内容および協力者条件のデータを受信することにより、TV受信装置3は、カメラ等により協力者と判断した人の携帯電話42に対して、協力依頼メールを送信する。
【0017】
ユーザによりTV受信装置3に登録された各携帯電話(通知受信装置)は、ユーザの設定により、GPSによる位置情報を所定時間毎にTV受信装置3に送信する。TV受信装置3は、上述した協力者の判断に、上記のカメラに加えて、このGPS情報などを利用する。
【0018】
また、放送局の企画者などは、Webサーバ2に、放送する番組についてのWebサイト情報を格納する。こうして、放送局の企画者などが番組のWebサイトに、本実施形態による協力依頼内容および協力者条件のデータを送信している旨を公開しておくことにより、協力者は、協力依頼メールを受信した際、自身の携帯電話42などから番組のWebサイトにアクセスし、協力依頼メールの内容の真偽を確認することができる。
【0019】
TV受信装置3は、図2に示すように、放送局1からの映像信号やデータ放送信号を不図示の屋上アンテナなどから受信する受信部31と、ユーザからの操作入力を受ける操作入力部32と、設定内容等を記憶する記憶部33と、人の判別を行う人判別部34と、協力者の携帯電話42への通知制御を行う通知制御部35と、ディスプレイやスピーカなどで映像や音声を出力する映像出力部36と、カメラ37と、通信部38とを備える。
【0020】
記憶部33は、初期設定などにより登録された各ユーザの顔画像、携帯電話のメールアドレス、属性(年齢、両親、子ども等)などのユーザ情報を、そのユーザ名に関連付けて格納する。
【0021】
人判別部34は、カメラ37により撮影された画像による顔認識で視聴者を判別すると共に、GPS情報により、TV受信装置3の前にいる、家の中にいる、家から離れたところにいる、といった位置条件を判別する。こうしてカメラ37により撮影された画像と、通信部38が受信した各携帯電話からのGPS情報などを用いて、人判別部34は、予め登録されたユーザの内、誰が視聴者であるか、誰が協力者となりうるかを判別する。
【0022】
通知制御部35は、受信部31から受信された放送局1からの協力依頼内容および協力者条件のデータに基づいて、協力依頼メールを生成し、人判別部34により協力者と判別されたユーザの携帯電話メールアドレスに対して、通信部38から送信する。
【0023】
次に、本実施形態による動作について説明する。
まず、本実施形態による機能を利用するための事前準備として、ユーザはTV受信装置3の購入時などに初期設定として、家族全員など関連ユーザ全員の顔画像、携帯電話のメールアドレス、属性情報(年齢、両親、子ども等)などのユーザ情報の登録を行う。
顔画像は、カメラ37で撮影することで登録する。このことにより、カメラ37による撮影画像から人判別部34が顔認識でユーザを判別できるようにする。
【0024】
また、携帯電話からGPS情報を所定時間毎にTV受信装置3に対して送信する設定を、登録する関連ユーザそれぞれの携帯電話4について行う。この携帯電話4によるGPS情報送信は、TV受信装置3のIPアドレスに送信する方法など、携帯電話の各通信会社等により定められた規格により実現される公知の方法によるものであり、詳細な説明は省略する。
【0025】
また、放送局における番組の企画者などは、番組制作に当たって、協力依頼内容および協力者条件を準備する。
この協力依頼内容は、企画の意図に沿って、協力者となる人に番組開始から何分何秒経過の時点でこういう行動をしてもらうことで、視聴者の臨場感を高めることに協力してもらおう、といった内容である。例えば協力依頼内容の一例として、ホラー映画のハイライトシーンにあわせて視聴者の背後にそっと忍び寄ることなどが考えられる。また、準備する協力依頼内容は、カメラ37等のセンサにより把握可能なTV視聴者の状況(例えばトイレのため中座したり、眠ってしまったりなど)にあわせて複数のパターンをあらかじめ設定することも可能とする。
【0026】
また、協力者条件は、どういう条件の人にそのアクションをしてもらうかを定めるものであり、人判別部34による判別に用いられる。例えば、登録された関連ユーザ全員の内、カメラ37により顔認識される視聴者以外の人であって、GPS情報により確認される現在位置が家の中または近くである人、といった条件である。また、番組の企画意図によっては、予め登録された属性情報を用いて、何歳以上、何歳未満、といった条件などを付加することも可能である。
【0027】
こうして決定された協力依頼内容および協力者条件のデータは、放送局1から、通常のデータ放送の仕組みを用いるなどにより、番組の映像信号と同じ放送波で放送されることとする。
【0028】
以上のようにして事前準備が行われた後、ユーザによる番組視聴時の動作について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0029】
まず、TV受信装置3の電源がONされてTV番組の視聴が開始されると、受信部31により受信された映像信号を映像出力部36が出力し、その受信された放送波データに、協力依頼内容および協力者条件のデータが含まれているか否かを通知制御部35が確認する(ステップS1)。
【0030】
放送波のデータに協力依頼内容および協力者条件のデータが含まれていない場合、一般的なTV受信機と同様のTV受信動作となる。含まれている場合、人判別部34は、TV受信装置3が搭載するセンサーにより、その時点におけるTV視聴者が誰で協力者が誰であるかを自律的に把握する(ステップS2)。
【0031】
TV視聴時には、視聴者の顔がTV受信装置3の方を向くため、人判別部34は、カメラ37の撮影画像による顔認識結果を、予め記憶部33に登録された関連ユーザの顔画像と照合することにより、視聴者が誰であるかを判別することができる。そして、人判別部34は、予め記憶部33に登録された関連ユーザの内、こうして判別された視聴者以外で、放送波により受信された協力者条件を満たすユーザがいるかどうかを検索する。
【0032】
例えば、協力者条件が「視聴者の近くにいる人」であれば、人判別部34は、登録された関連ユーザの内、GPS情報から得られる現在位置が家の中または近くであるユーザが視聴者以外で存在するかどうかを検索する。協力者条件として、さらに「何歳以上、何歳未満」といった条件が付加されている場合には、位置条件に適合するユーザに対して、予め登録された属性情報を用いて適合するユーザを検索する。
【0033】
人判別部34は、登録された関連ユーザの内、こうして視聴者以外で協力者条件を満たすユーザを協力者として判別する。協力者を、条件に最も適合するユーザ1人とするか、条件を満たすユーザ全員とするかは、放送波により受信された協力者条件に応じて決められることとしてよい。
【0034】
こうして人判別部34により視聴者と協力者が判別されると、通知制御部35は、予め記憶部33に登録されたユーザ情報を用いて、協力者と判別されたユーザの携帯電話メールアドレスに通信部38から協力依頼メールを送信する(ステップS3)。
【0035】
協力依頼メールは、放送波により受信された協力依頼内容により通知制御部35が作成する。例えば「今から○○分後に(○時○分に)、視聴者の背後に忍び寄って下さい」といったメール本文となる。
【0036】
協力依頼メールの送信タイミングは、放送波により受信された協力依頼内容やユーザ情報の登録内容などに基づいて、視聴開始時に人判別部34が視聴者と協力者を判別した時点でメール送信してもよく、協力依頼タイミングから予め定められた時間前であってもよい。
【0037】
協力依頼内容がTV視聴者の状況によって複数パターン設定されている場合、人判別部34により判別される視聴者の状況に応じて、通知制御部35が適合するパターンを選択し、そのパターンの協力依頼内容による協力依頼メールを通信部38から送信する。
【0038】
人判別部34は、カメラ37による撮影画像に基づいて、例えば一時的に席を外している、眠ってしまった、など視聴者の状況を所定時間毎に判別する。
ステップS3による協力依頼メールの送信後に、例えば所定時間以上眠ったままである、所定時間以上席を外したままである、など所定時間以上、視聴者の状況が変化した場合(ステップS5;Yes)、通知制御部35は、協力依頼内容の変更を通知するメールを協力者の携帯電話メールアドレスに送信する(ステップS6)。
【0039】
また、ケーブルTV等、タイムシフト再生が可能な再生方法で放送波を受信している構成で、視聴者が番組再生を巻き戻しや一時停止などした場合、協力依頼時刻が変化するため、視聴者の状況変化として通知制御部35は、協力依頼内容の変更を通知するメールを協力者の携帯電話メールアドレスに送信する。
また、TVのチャンネルが他のチャンネルに切り替えられたり、電源スイッチがOFFされるなどにより番組の視聴が終了した場合、通知制御部35は、視聴終了の旨を通知するメールを協力者の携帯電話メールアドレスに送信する。
【0040】
放送波により受信された映像信号や電子番組表などから番組終了を検知すると(ステップS4;Yes)、通知制御部35は、TV番組制作者の意図により協力者に協力依頼をした旨を通知するメールを生成し、予め登録された視聴者の携帯電話メールアドレスに送信する(ステップS7)。
【0041】
以上のように、本実施形態によれば、協力者に協力依頼メールを送信し、所定のタイミングで所定の行動をしてもらうよう依頼することができるため、TV番組視聴中に臨場感を増すことができる。
また、家族間のコミュニケーションを促進することにも貢献できる。
【0042】
一般に、家族の誰かがTVを視聴しているとき、その視聴者と同居する家族はTV視聴者に対してお茶を淹れるなどの働きかけをおこなうことはあるが、基本的にはTV視聴を妨げないよう配慮した行動をとることが多い。
しかしながら、お茶を淹れるという厚意に基づく行動であっても、視聴しているTV番組がコーヒーをテーマとしていれば視聴者はコーヒーを飲みたい気分になっている場合があり、またホラー番組を見ていれば、声をかけただけで視聴者を驚かせてしまう場合もある。
一般的なTV受信機の場合、家族がその点まで配慮して行動するにはTV番組の内容を事前に把握しておく必要があり、現実的ではなかった。
【0043】
本実施形態では、こうした課題を解決するため、TV番組の企画者がTV視聴者と同居する家族などの予め登録された関連ユーザに対して、番組に応じた情報や指示を与えることにより、視聴者以外の協力者の協力による各種の状況をTV番組の企画者が意図的に作り出すことができる。
【0044】
例えばホラー番組を見ているときに家族にもその旨が伝わり、家族は視聴者を驚かさないよう配慮することができる。逆に、ホラー番組の恐怖感を楽しむために、視聴者を敢えて驚かすためのアイデアをTV番組の企画により、家族など関連ユーザに通知することができる。
【0045】
例えば、ホラー映画を見ているときには周囲の僅かな物音にも敏感になったり、そのとき偶然にも家族が背中に触れただけで飛び上がるほどの恐怖感を覚えることがある。
本実施形態によれば、TV番組の企画者がこのような事象を意図的につくりだすことができ、単なる映像や音声の質といったレベルを超えてTV番組の臨場感を高めることができ、TV番組の楽しみを増すことができる。
【0046】
また、本実施形態では、協力者が協力依頼メールを受信した際、番組のWebサイトにアクセスすることで、その協力依頼が本当にTV局から送信されたものであるかを確認することができるようになっている。例えば、協力者に届いた協力依頼メールに確認用URLが記載され、その専用の確認用URLから番組のWebサイトにアクセスすることで協力依頼メールの真偽を確認できる構成などであってよい。
【0047】
また、本実施形態では、番組終了時に、視聴者の携帯電話メールアドレスに、TV番組制作者の意図により協力者に協力依頼をした旨がメールされるため、TV視聴者が最終的には、協力者の行動がTV番組制作者の意図によるものであることを確認することができる。このため、協力者による協力行動後にも、確実なアフターフォローを行うことができ、番組の臨場感を高めながらも、視聴者に不要な疑問を発生させないようにすることができる。
【0048】
なお、上述した第1の実施形態では、GPS情報を携帯電話から所定時間毎に送信することとして説明したが、人判別部34による判別に必要なタイミングでGPS情報が取得できればこのタイミングに限定されず、例えば予め設定された時間範囲内だけ送信する設定であってもよく、TV受信装置3からの位置情報要求に応じて送信する設定であってもよい。
【0049】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、上述した第1の実施形態でTV受信装置3が放送局からの放送波を受信しているのに替えて、DVDプレイヤなどの映像再生装置からの再生信号を受信するように構成したものである。
【0050】
第2の実施形態の構成について、図4を参照して説明する。図4の例では、映像再生装置としてDVD再生装置5としている。
本実施形態では、DVDの規格における所定の領域に、第1の実施形態で上述した協力依頼内容および協力者条件が格納されることとする。DVD再生装置5は、DVDからこの協力依頼内容および協力者条件を映像信号と共に読み出し、TV受信装置3に送信する。
【0051】
TV受信装置3は、図4に示すように、DVD再生装置5に接続され、上述した第1の実施形態で受信部31が放送波信号を受信しているのに替えて、DVD再生装置5からの出力信号を受信する。
【0052】
DVD再生装置5からTV受信装置3に送信する協力依頼内容および協力者条件のデータは、映像信号と同じ信号線により送信されてもよく、他の接続線を設けてその接続線により送信される構成であってもよい。
【0053】
Webサーバ2は、協力者への協力依頼メールを確認できるDVD番組Webサイトを格納する。このDVD番組Webサイトは、DVDの企画者などが制作することとする。
【0054】
第2の実施形態による動作では、事前準備として、上述した第1の実施形態における協力依頼内容および協力者条件を、DVDの企画者などが番組制作に当たって準備し、DVDの規格における所定の領域に格納する。
TV受信装置3の動作は、上述した第1の実施形態で放送波信号を受信しているのに替えて、DVD再生装置5からの出力信号を受信するものとなる。
【0055】
また、協力依頼内容および協力者条件のデータをDVDに格納する構成に替えて、所定のWebサーバに格納する構成であってもよい。この場合、DVD再生装置5がDVD再生時にネットワーク接続し、Webサーバから協力依頼内容および協力者条件のデータを取得することとなる。また、この場合、Webサーバに格納される協力依頼内容および協力者条件のデータに各種のセキュリティをかける構成であってもよい。
【0056】
以上のように、上述した第2の実施形態によれば、映像再生装置から映像信号を出力する構成であっても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0057】
なお、上述した第2の実施形態では、映像再生装置についてDVD再生装置を例として説明したが、記録媒体から映像信号を再生する映像再生装置であればこのものに限定されず、例えばブルーレイディスクプレーヤなど、各種記録媒体の再生装置であっても同様に実現することができる。
【0058】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
この第3の実施形態は、上述した第1の実施形態でTV受信装置3が本実施形態としての機能を実現する構成に替えて、受信ボックス6が本実施形態としての機能を実現するようにしたものである。
すなわち、一般のTV受信機7に、本実施形態による受信ボックス6がセットトップボックスとして接続される構成としたものである。
【0059】
第3の実施形態の構成例を図5に示す。図5の例では、放送局1からの放送波を、本実施形態による受信ボックス6と一般のTV受信機7とが受信する。2つの装置が放送波を受信する構成では、分波器を用いる構成であってもよく、一方の装置が受信してそのまま他の装置に放送波を出力する構成であってもよい。
【0060】
受信ボックス6は、図6に示すように、上述した第1の実施形態におけるTV受信装置3における映像出力部36を除いた構成となる。また、TV受信機7の視聴開始を検知するON/OFF検知部61を備える。
第1の実施形態におけるTV受信装置3と同様のものは同符号とし、説明を省略する。
【0061】
ON/OFF検知部61は、例えば電源を受信ボックス6からTV受信機7に供給する構成とし、その消費電力の変化によりTV受信機7のON/OFFを検知する構成などにより実現できる。また、TV受信機7からON/OFFの通知信号を受信する構成であってもよい。
【0062】
第3の実施形態による動作では、上述した第1の実施形態と同様に事前準備が行われた後、ON/OFF検知部61がTV受信機7による視聴開始を検知することで、第1の実施形態における上述した図3のフローチャートと同様の動作が行われることとなる。
【0063】
以上のように、上述した第3の実施形態によれば、受信ボックス6を一般のTV受信機7に接続する構成であっても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0064】
〔各実施形態について〕
なお、上述した各実施形態は本発明の好適な実施形態であり、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々変形して実施することが可能である。
【0065】
例えば、上述した各実施形態では、人判別部34がカメラによる顔認識とGPS情報に基づいて判別することとして説明したが、誰が視聴者で誰が協力者候補であるかを判別できればこの方法に限定されず、各種のセンサーを用いた各種の判別方法であってよい。
【0066】
また、カメラをTV受信装置3に内蔵するだけでなく、例えば家の中の他の部屋など他の場所にもカメラを設けて撮影画像を共有することにより、その場所にいる人が誰なのかを顔認識により判別することができ、各ユーザの位置認識をより確実に行うことができる。
【0067】
また、同じ機能のTV受信装置が家の中に他にもある場合、そのTV受信装置の視聴者と判別されたユーザを協力者リストから外す構成であってもよい。この構成は、本実施形態のTV受信装置それぞれを事前に接続し、予め接続設定しておくことにより実現できる。
【0068】
また、上述した各実施形態では、放送局1からの放送波またはDVD再生装置5からの再生信号をTV受信装置が受信することとして説明したが、映像信号と、協力依頼内容および協力者条件のデータを受信できればこのものに限定されず、例えば、インターネットを介した動画配信や映像のオンデマンド受信の場合であっても、本発明は同様に実現できる。
【0069】
また、上述した実施形態では、通信部38が携帯電話のメールアドレスにメール送信することで、協力者や視聴者に通知することとして説明したが、通知できれば携帯メールに限定されず、例えばインスタントメッセージやショートメッセージなどであってもよい。この場合、携帯電話のインスタントメッセージやショートメッセージなどのアドレス情報をユーザ情報として事前に登録しておくことにより、上述した実施形態と同様にそのアドレス情報に対してTV受信装置から送信することができる。
【0070】
また、上述した各実施形態としての映像受信装置を実現するための処理手順をプログラムとして記録媒体に記録することにより、本発明の各実施形態による上述した各機能を、その記録媒体から供給されるプログラムによって、システムを構成するコンピュータのCPUに処理を行わせて実現させることができる。
この場合、上記の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
すなわち、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体および該記録媒体から読み出された信号は本発明を構成することになる。
この記録媒体としては、例えばハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリーカード、ROM等を用いてよい。
【0071】
この本発明に係るプログラムによれば、当該プログラムによって制御される映像受信装置に、上述した各実施形態における各機能を実現させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明に係る映像受信装置は、映像受信機能を備えていればTVに限定されず、映像受信機能を備えたPCなどにも適用することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 放送局
2 Webサーバ
3 TV受信装置
31 受信部
32 操作入力部
33 記憶部
34 人判別部
35 通知制御部
36 映像出力部
37 カメラ
38 通信部
41,42 携帯電話(通知受信装置の一例)
5 DVD再生装置
6 受信ボックス
7 一般のTV受信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号を受信する映像受信装置と、
前記映像受信装置が受信した映像内容に関連する情報に応じた通知情報を受信する通知受信装置と、を備え、
前記通知情報は、前記映像受信装置が表示する映像内容よりも先の時間の映像内容に関連することを特徴とする映像受信システム。
【請求項2】
前記映像受信装置は、
前記通知情報を送信する通知手段と、
複数の前記通知受信装置のアドレス情報をユーザ名に関連付けて記憶する記憶手段と、を備え、
前記通知手段は、前記記憶手段に記憶された前記複数の通知受信装置のアドレス情報の内、前記映像受信装置が受信した映像内容に関連する情報に基づいて選択されたユーザ名のアドレス情報に対して前記通知情報を送信することを特徴とする請求項1記載の映像受信システム。
【請求項3】
前記映像内容に関連する情報は、映像内容に関する協力依頼内容および協力者の判別条件を含み、
前記映像受信装置は、前記記憶手段に記憶されたユーザ名の内、どのユーザが視聴者であり、どのユーザが協力者であるかを前記判別条件に基づいて判別する判別手段を備え、
前記記憶手段に記憶された前記複数の通知受信装置のアドレス情報の内、前記判別手段により協力者と判別されたユーザ名のアドレス情報に対して前記通知情報を送信することを特徴とする請求項2記載の映像受信システム。
【請求項4】
前記判別手段により視聴者と判別されたユーザの視聴状況に所定時間以上の変化があるか否かを検知する状況変化検知手段と、
前記通知手段は、前記状況変化検知手段が視聴状況の変化を検知した場合、前記判別手段により協力者と判別されたユーザ名のアドレス情報に対して該視聴状況の変化を通知することを特徴とする請求項3記載の映像受信システム。
【請求項5】
前記映像受信端末が前記映像内容の表示を終了すると、前記通知手段は、前記判別手段により視聴者と判別されたユーザ名のアドレス情報に対して、前記通知情報を送信することを特徴とする請求項4記載の映像受信システム。
【請求項6】
映像受信装置が映像信号を受信し、前記映像受信装置が受信した映像内容に関連する情報に応じた通知情報を通知受信装置が受信し、
前記通知情報は、前記映像受信装置が表示する映像内容よりも先の時間の映像内容に関連することを特徴とする映像受信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−182092(P2011−182092A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−42607(P2010−42607)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(302069930)NECパーソナルプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】