映像情報処理装置
【課題】起動処理に時間の要するハードディスクなどの大容量補助記憶装置を搭載した映像再生装置において、起動直後に映像再生がおこなえる映像情報処理装置を提供する。
【解決手段】再生状態における停止制御時に停止時刻から一定時間分の映像データを大容量補助記憶装置から不揮発メモリにコピーし、再生制御時に不揮発メモリから再生を実施し、並行して、大容量補助記憶装置の起動処理をおこない、タイムスタンプデータをもとに、再生用データを不揮発メモリから大容量補助記憶装置に切り替える。
【解決手段】再生状態における停止制御時に停止時刻から一定時間分の映像データを大容量補助記憶装置から不揮発メモリにコピーし、再生制御時に不揮発メモリから再生を実施し、並行して、大容量補助記憶装置の起動処理をおこない、タイムスタンプデータをもとに、再生用データを不揮発メモリから大容量補助記憶装置に切り替える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は映像情報処理装置に関し、特に、例えば、ハードディスクやDVDを搭載した、映像データや音声データを記録/再生するビデオレコーダや、ネットワーク接続された、映像・音声データを配信するAVサーバーから映像データや音声データをダウンロードし再生するネットワーク映像端末装置等に適用可能な映像情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のデジタル化に伴い、音声・映像コンテンツにおいても、デジタル技術により音声・映像データ(以下、AVデータともいう)に変換され、更に、データの圧縮・伸長技術の併用によって、効率よく記録することが可能になってきている。
また、パーソナルコンピュータのストレージメディアとして使用されているハードディスクドライブは、小型化、高記録密度化、アクセス速度の高速化、低コスト化が進み、パーソナルコンピュータ以外の用途にも使用されはじめており、例えば、AVデータを圧縮し、ハードディスクに記録し、再生時に伸長することで、従来のビデオデッキと同機能の録画・再生機器が提案されるようになってきている。
さらにハードディスクドライブにおいては、データへのランダムアクセスが可能であり、録画されたAVデータの頭だしや、検索などが容易におこなえ、従来のビデオテープ方式とは異なった使いやすさが提案されている。
【0003】
しかし、ハードディスクドライブは、ランダムアクセスが可能である反面、データにアクセスするためのシーク時間が必要であり、データの読み出し時間が均一でないという問題点がある。そのため、連続したデータ読み出しが必要なAVデータ再生装置においては、ハードディスクのアクセス時間の不均一を吸収するため、バッファメモリにて、あらかじめ読み出しをおこなう方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
例えば、ハードディスクに記録されているAVデータの先頭部分をあらかじめバッファメモリに記録しておき、AVデータ再生時には、バッファメモリからデータを読み出し、その間に、ハードディスクからデータを読み出す準備をおこなうよう構成することで、再生開始までの時間を見かけ上短縮することができる。
また、AVデータは、デジタル技術によりネットワーク伝送をおこなうことが可能になり、例えば、AVサーバーと再生装置をネットワーク接続することで、AVサーバー上のコンテンツ(AVデータ)を、再生装置上で表示することができる。
【0005】
しかしなら、ネットワーク接続の再生装置においても、サーバーからのデータ送出が遅れる場合があり、それによる再生装置での再生不具合を発生させないために、サーバー内のバッファメモリにより、送出データを途切れさせない方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2003−125358号公報(第1頁、第1図)
【特許文献2】特開2000−69430号公報(第1頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、ハードディスクを使用したAVデータ再生装置は、ハードディスクの起動処理、すなわち、ハードディスクの回転が開始し、安定して、さらに、ハードディスクドライブ自体の初期化が完了し、アクセスが可能になるまでの時間が、数秒、あるいは数十秒必要である。そのため、利用者は、再生装置の電源投入後、この数十秒間を待機する必要があり、従来のビデオデッキと比して、使い勝手が悪いという問題点があった。
【0008】
また、AVデータをネットワークで接続されたサーバーから読み出すときは、接続先のサーバーからの応答時間が必要なため、利用者は、再生装置の電源を入れてから、数秒、あるいは数十秒間待機する必要があり、これも、従来のビデオデッキと比して、使い勝手が悪いという問題点があった。
【0009】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、電源を入れてからの待機時間を大幅に短縮し、使い勝手の良い映像情報処理装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、CPUと、メモリと、前記CPUの動作プログラムを保存するための不揮発メモリと、映像データを保存するための大容量記憶装置と、前記映像データの一部を保存する不揮発映像メモリと、前記映像データを一時保存する第1のバッファメモリおよび第2のバッファメモリと、前記映像データを復号するデコーダとを備えた映像情報処理装置であって、前記映像データの再生を停止するための停止指示信号を受信した時に、それ以後の映像データを予め設定された第1の所定量分だけ前記大容量記憶装置から前記不揮発映像メモリにコピーするコピー手段と、コピーされた前記第1の所定量分の前記不揮発映像メモリの映像データのうちの最終の映像データを識別するための最終データ情報を記憶する最終データ記憶手段と、前記停止指示信号に従って再生を停止した前記映像データを再生するための再生指示信号を受信した時に、前記不揮発映像メモリの映像データを前記第1のバッファメモリに転送する第1の転送手段と、前記第1のバッファメモリに転送された前記映像データを、前記第1のバッファメモリから前記デコーダに転送する第2の転送手段と、前記第2の転送手段による前記デコーダへの転送と同時に、前記最終データ情報に基づいてそれ以降の映像データを前記大容量記憶装置から前記第2のバッファメモリに転送する第3の転送手段と、前記最終データ情報に基づいて、前記第2の転送手段が前記第1のバッファメモリに記憶された最終の映像データまでを前記デコーダに転送したことを検知する検知手段と、前記検知手段が検知したときに、前記第2の転送手段による前記デコーダへの転送を停止させて、前記第2のバッファメモリに記憶された前記映像データを、前記第2のバッファメモリから前記デコーダに転送する第4の転送手段とを備えた映像情報処理装置である。
【発明の効果】
【0011】
この発明は、CPUと、メモリと、前記CPUの動作プログラムを保存するための不揮発メモリと、映像データを保存するための大容量記憶装置と、前記映像データの一部を保存する不揮発映像メモリと、前記映像データを一時保存する第1のバッファメモリおよび第2のバッファメモリと、前記映像データを復号するデコーダとを備えた映像情報処理装置であって、前記映像データの再生を停止するための停止指示信号を受信した時に、それ以後の映像データを予め設定された第1の所定量分だけ前記大容量記憶装置から前記不揮発映像メモリにコピーするコピー手段と、コピーされた前記第1の所定量分の前記不揮発映像メモリの映像データのうちの最終の映像データを識別するための最終データ情報を記憶する最終データ記憶手段と、前記停止指示信号に従って再生を停止した前記映像データを再生するための再生指示信号を受信した時に、前記不揮発映像メモリの映像データを前記第1のバッファメモリに転送する第1の転送手段と、前記第1のバッファメモリに転送された前記映像データを、前記第1のバッファメモリから前記デコーダに転送する第2の転送手段と、前記第2の転送手段による前記デコーダへの転送と同時に、前記最終データ情報に基づいてそれ以降の映像データを前記大容量記憶装置から前記第2のバッファメモリに転送する第3の転送手段と、前記最終データ情報に基づいて、前記第2の転送手段が前記第1のバッファメモリに記憶された最終の映像データまでを前記デコーダに転送したことを検知する検知手段と、前記検知手段が検知したときに、前記第2の転送手段による前記デコーダへの転送を停止させて、前記第2のバッファメモリに記憶された前記映像データを、前記第2のバッファメモリから前記デコーダに転送する第4の転送手段とを備えた映像情報処理装置であるので、電源を入れてからの待機時間を大幅に短縮し、使い勝手の良い映像情報処理装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この発明は、ハードディスクレコーダーや、ネットワーク接続されたAVサーバー等のAV機器からコンテンツを再生するシステムにおいて、従来のビデオデッキと同様に、起動直後に短時間で映像の再生表示が求められるシステムに最適である。
以下、この発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1である映像情報処理装置およびそれの周辺機器を示した図であり、ここでは、ハードディスクドライブを内蔵したレコーダー等の映像情報処理装置を例にして説明する。
【0014】
図1に示すように、映像情報処理装置10には、テレビ放送112が接続される。映像情報処理装置10は、テレビ放送112を受信し、テレビ放送番組の記録をおこなう。また、映像情報処理装置10には、モニタ・スピーカ111が接続されている。モニタ・スピーカ111は映像情報処理装置10に接続することで、記録されている番組の閲覧が可能である。113はリモコンであり、利用者は、主に、リモコン113を用いて、映像情報処理装置10の制御をおこなう。
【0015】
次に、映像情報処理装置10の構成を説明する。
映像情報処理装置10には、中央演算処理装置(以下、CPUとする。)101と、システムを起動させるための不揮発メモリ(リードオンリーメモリ:ROM)であるプログラムROM102と、ランダムアクセスメモリ(RAM)であるメモリ103とが設けられている。CPU101はプログラムROM102に搭載されるプログラムを、メモリ103を利用して実行する。また、リモコン受信部110が設けられており、リモコン113からの制御信号をCPU101に伝送し、CPU101は、リモコン受信部110からの受信内容により、テレビ放送番組の記録や、記録されている番組の再生のための制御をおこなう。
【0016】
さらに、映像情報処理装置10には、AVエンコーダ109が設けられており、テレビ放送112で受信した映像及び音声は、AVエンコーダ109で録画用AVデータに変換される。さらに、MPEG CODEC106が設けられており、録画用AVデータを、映像・音声の圧縮・伸長方式のひとつであるMPEG(Moving Picture Experts Group)にて圧縮・伸長する。AVエンコーダ109で変換されたAVデータは、MPEG CODEC106で圧縮され、AV圧縮データに変換される。MPEG CODEC106には、データを効率よく転送するためのバッファメモリ107が搭載される。さらに、映像情報処理装置10には、ハードディスクドライブHDDを制御するHDDコントローラ104と、AV圧縮データを記録するHDD105とが設けられている。
【0017】
MPEG CODEC106は、AV圧縮データを伸長する機能も搭載し、再生用AVデータを作成する。また、映像情報処理装置10には、AVデコーダ108が設けられており、再生用AVデータを映像・音声信号に変換する。MPEG CODEC106から送信された再生用AVデータは、AVデコーダ108にて、映像・音声信号に変換される。AVデコーダ108から出力される映像・音声信号は、モニタ・スピーカ111により表示・再生される。
また、映像情報処理装置10には、バッファメモリ120および121が設けられている。バッファメモリ120および121は、HDD105とMPEG CODEC106の間でAV圧縮データを転送する際に利用される。これらは、以下、動作説明上、バッファメモリA120、バッファメモリB121とする。これらのバッファメモリは、メモリ103の中に構成してもよいが、機能を分けるため、バッファメモリA120、バッファメモリB121と明記する。
【0018】
さらに、映像情報処理装置10には、不揮発性メモリ122が設けられている。不揮発性メモリ122は、コンパクトフラッシュ(登録商標)メモリなどの、消去や書き込み速度が速く、大容量化に適した不揮発メモリであり、データエリアと設定データエリアを用意する。
【0019】
次に、HDD105に記録されているAV圧縮データをモニタ・スピーカ111で再生するときの動作を説明する。利用者は、リモコン113を用いて、コンテンツを選択し、再生の指示をおこなう。CPU101はリモコン受信部110からの信号で、制御内容を解釈し、HDD105から、所望のコンテンツを、HDDコントローラ104を介してバッファメモリA120に順次、データを、まとまった単位(ここでは、パケットという)で転送するように指示する。
バッファメモリA120に転送されたAV圧縮データは、順次、パケット単位でMPEG CODEC106のバッファメモリ107に転送され、MPEG CODEC106で伸長される。さらにAVデータとしてAVデコーダ108に転送され、AVデコーダ108にて、映像・音声信号に変換され、モニタ・スピーカ111にて、利用者が選択したコンテンツが表示・再生される。
【0020】
図2は、この再生中のデータの流れであり、図2に示されるように、HDD105に記録されているAV圧縮データは、HDD105から、HDDコントローラ104、バッファメモリA120、MPEG CODEC106内のバッファメモリ107、MPEG CODEC106、AVデコーダ108に転送され、モニタ・スピーカ111で再生される。
ここで、利用者が、コンテンツの停止指示を、リモコン113を用いて送信したとする。このときの動作の流れを、図3のフローチャートを用いて説明する。ステップS1001において、リモコン受信部110が受信した停止指示をCPU101が解釈すると、ステップS1002で、バッファメモリA120上のAV圧縮データの最初のタイムスタンプを参照する。AV圧縮データ、すなわち、MPEGデータには、復号再生の単位ごと(ビデオは1フレーム、オーディオは1オーディオフレーム)に、いつ復号再生すべきかを示すタイムスタンプが含まれており、ここでは、“0時03分45秒10”のようにあらわす。ここで、秒以下の“10”はフレーム数を表し、1秒のフレーム数が30フレームの場合、“00”から“29”であらわされる。
【0021】
ステップS1003において、ステップS1002のタイムスタンプ情報に基づき、そのタイムスタンプより、1秒前のタイムスタンプから、それ以降の30秒分のAV圧縮データを、HDD105から、不揮発メモリ122にコピーする。すなわち、例えば、バッファメモリA120上のAV圧縮データのタイムスタンプが“0時05分00秒00”であった場合、“0時04分59秒00”のタイムスタンプのデータパケットから、30秒分、すなわち、“0時05分29秒00”までのデータを不揮発メモリ122のデータエリアにコピーする。
このとき、不揮発メモリ122には、AV圧縮データを30秒分保存するためのメモリ容量があるとする。このメモリ容量は、AV圧縮データの転送レートをn(Mbps)とすると、n×30(Mbit)=n×30/8(Mバイト)分の容量以上が必要であり、例えば、通常のテレビ番組を録画する場合、転送レートは6Mbps程度で十分であることから、CPU101は、停止の指示を解釈し、6×30/8=22.5Mバイト程度の容量が必要である。
【0022】
次に、ステップS1004において、不揮発メモリ122にコピーされたAVデータの最後のタイムスタンプ(最終タイムスタンプ情報)を、不揮発メモリ122の設定データエリアにコピーする。すなわち、上記の例では、0時05分29秒00という最終タイムスタンプ情報をコピーする。その後、ステップS1005において、HDD105が停止する。
【0023】
次に、利用者が、停止したコンテンツの再生指示を、リモコン113を用いて送信したとする。このときの動作の流れを図4のフローチャートを用いて説明する。ステップS1101において、リモコン受信部110が受信した再生指示をCPU101が解釈すると、ステップS1102でHDD105の起動を開始する。HDD105の起動処理は、ステップS1120にておこなわれるが、この処理は、HDD105のディスクの回転が安定するまで時間がかかるため、その間に、ステップS1103以降の処理をおこなう。すなわち、ステップS1103において、不揮発メモリ122の設定データエリアに記録されている最終タイムスタンプ情報を取得する。
【0024】
次にステップS1104において、不揮発メモリ122のデータエリアから、記録されているAV圧縮データをバッファメモリB121に転送し、さらに、バッファメモリB121から、MPEG CODEC106に転送することにより、再生をおこなう。この後、ステップS1105の条件分岐で、不揮発メモリ122から、バッファメモリB121に転送されるAV圧縮データのタイムスタンプと、最終タイムスタンプ情報の比較がおこなわれるが、不揮発映像メモリには30秒分のAV圧縮データが存在するため、ステップS1104に戻り、不揮発メモリ122のデータエリアに記録されている30秒分のAV圧縮データが再生される。この間に、HDD105の起動処理(ステップS1120)がおこなわれる。
【0025】
HDD105の起動処理が完了すると、ステップS1121において、ステップS1103で取得した最終タイムスタンプ情報をもとに、HDD105にある、最終タイムスタンプを含むデータパケット以降のデータをバッファメモリA120に転送をおこなう。ステップS1105において、不揮発メモリ122から、バッファメモリB121へ転送されるAV圧縮データのタイムスタンプが、ステップS1103で取得した最終タイムスタンプに一致した場合、ステップS1106で、不揮発メモリ122から、バッファメモリB121へのAV圧縮データの転送を終了する。このとき、最終タイムスタンプ情報と一致するデータパケットは、バッファメモリB121には転送しない。
【0026】
さらに、ステップS1107においてバッファメモリB121からMPEG CODEC106へのデータ転送は継続されるが、ステップS1108の条件分岐において、バッファメモリB121からMPEG CODEC106へ転送するデータがなくなったとき、ステップS1121で実行されて、バッファメモリA120に転送されている、最終タイムスタンプを含むデータパケットから、順次MPEG CODEC107に転送され、再生が行われる(ステップS1130)。
このとき、不揮発メモリ122から、バッファメモリB121、バッファメモリA120、MPEG CODEC106に内蔵のバッファメモリ107に転送されるデータの並びを、図5を用いて説明する。図において、D1001、D1002、D1003、D1004は、不揮発メモリ122内のAV圧縮データパケットで、D1001は、0時05分28秒27フレーム目のデータパケットを意味し、同様に、D1002は、0時05分28秒28フレーム目、D1003は、0時05分28秒29フレーム目、D1004は、0時05分29秒00フレーム目のデータパケットをあらわす。
【0027】
不揮発メモリ122から、バッファメモリB121へのコピーは、図4に示すフローチャートのステップS1104で実行されるが、最終タイムスタンプ情報と一致するデータパケット(D1004)はバッファメモリB121には転送されない。
バッファメモリA120においては、図4に示すフローチャートのステップS1121において、HDD105にある、最終タイムスタンプを含むデータパケット以降のデータが転送されているので、0時05分29秒00フレーム目のデータパケットであるD1201から記録されている。
【0028】
バッファメモリB121から、MPEG CODEC106に内蔵のバッファメモリ107に順次データパケットが転送され、バッファメモリB121から、データパケットD1103が転送されると、バッファメモリB121は空になるので、図4のステップS1108でYesの判定となり、次のデータパケットは、バッファメモリA120のデータパケットD1201がMPEG CODEC106に内蔵のバッファメモリ107に順次データパケットが転送される。以降、HDD105から、バッファメモリA120を介して、MPEG CODEC106に内蔵のバッファメモリ107に順次データパケットが転送され、通常再生がおこなわれる。
【0029】
なお、上記の実施の形態1では、不揮発メモリ122を使用した例で説明したが、電池バックアップされるメモリを用いて、不揮発メモリの代替としても使用することができる。
また、バッファメモリA120、バッファメモリB121はメモリ103の中に構成することもできる。
【0030】
以上のように、本実施の形態1は、CPU101と、メモリ103と、プログラムを保存するための不揮発メモリであるプログラムROM102と、映像データを保存するための大容量記憶装置であるHDD105と、映像データの一部を保存する不揮発メモリ122と、映像データを一時保存するバッファメモリA120およびバッファメモリB121と、映像データを復号するAVデコーダ108とから構成される映像情報処理装置10であって、映像データの再生を停止する時に、停止以後の映像データをHDD105から、不揮発メモリ122にコピーする手段と、不揮発メモリ122の映像データの最終データ情報(タイムスタンプ)を記憶する手段とを備え、また、停止状態から再生状態移行時に、不揮発メモリ122の映像データをバッファメモリB121に転送する手段と、バッファメモリB121から、AVデコーダ108に映像データを転送する手段と、それと同時にHDD105から、最終データ情報以降の映像データをバッファメモリ120Aに転送する手段とを備え、最終データ情報をもちいて、AVデコーダ108に転送する映像データを、バッファメモリB121から、バッファメモリA120に変更する手段とを備えているので、再生制御の直後は、不揮発メモリ122に保存されている映像データを再生するため、再生映像を短時間で表示することができる。
【0031】
また、最終データ情報として、映像データに含まれるタイムスタンプデータを用いるようにし、並行してHDD105の初期化処理をおこない、初期化処理終了後にタイムスタンプ情報をもとに映像データを切り替えるため、切り替えがスムーズにおこなえる。
【0032】
また、映像データの再生停止時にHDD105から不揮発メモリ122にコピーする映像データは、停止位置より前の映像データを含むようにしたので、停止位置より前の映像データから再生され、停止制御時にデコーダで処理中のデータについても再生されるため、ユーザーの停止・再生操作により、再生されない映像がないように制御することができる。
【0033】
さらに、タイムスタンプを含む映像データは、不揮発メモリ122から、バッファメモリB121に転送しないようにしたので、不揮発メモリ122の最終領域にあるタイムスタンプを含む映像データを再生に使用しないため、データ不足による映像の乱れを防ぐことができる。
【0034】
また、不揮発メモリ122は、電池バックアップ可能なメモリであるので、映像情報処理装置内蔵のメモリを代用することができ、メモリを装置内で統一化することができる。
【0035】
また、映像情報処理装置10は、映像データを圧縮するAVエンコーダ109を備え、不揮発メモリ122のメモリ容量にあわせて、映像データの再生停止時にHDD105から映像データをAVエンコーダ109およびAVデコーダ108にて再圧縮して、不揮発メモリ122にコピーするようにしたので、不揮発メモリ122に記録するデータを再圧縮することで、メモリの使用量を低減することができる。
【0036】
また、映像データの再圧縮時に、圧縮率を変化させ、不揮発メモリ122に保存される映像データの最終データは、再圧縮前と同じ圧縮率であるように再圧縮をおこなうようにしたので、不揮発メモリ122からの再生状態から、HDD105からの通常再生状態に切り替えるときの、不揮発メモリ122に記録されたAV圧縮データは、通常再生状態と同じであるから、切り替えによる画質の変化を意識することが少なくなる。
【0037】
実施の形態2.
実施の形態2においては、停止指示における処理を、図6のようにおこなう。すなわち、利用者が、コンテンツの停止指示を、リモコン113を用いて送信したときの動作の流れを、図6のフローチャートを用いて説明する。なお、構成については、実施の形態1において示した図1と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
ステップS1201において、リモコン受信部110が受信した停止指示をCPU101が解釈すると、ステップS1202で、バッファメモリA120上のAV圧縮データの最初のタイムスタンプを参照する。次に、ステップS1203において、ステップS1202のタイムスタンプ情報に基づき、そのタイムスタンプより、1秒前のタイムスタンプから、それ以降の30秒分のAV圧縮データのサイズを検出する。ここで検出されたAV圧縮データのサイズと、不揮発メモリ122の容量から、AV圧縮データの再圧縮率を算出する(ステップS1204)。この再圧縮率をもとに、ステップS1205において、30秒分のAV圧縮データを、MPEG CODEC106を用いて再圧縮する。このとき、30秒分のAV圧縮データのうちの最終付近においては、圧縮率がもとのAV圧縮データと同じになるように再圧縮する。
【0038】
これをわかりやすく説明する。
例えば、タイムスタンプ情報が0時05分00秒00としたときの不揮発メモリ122に記録される30秒分のAV再圧縮データの最終は、0時05分29秒付近のデータになる。この付近のデータの圧縮率の変化は、図7のようになる。
【0039】
図7において、D2001、D2002、D2003、D2004は、不揮発メモリ122内のAV再圧縮データのかたまりで、D2001は、0時05分26秒台のデータのかたまりを意味し、同様に、D2002は、0時05分27秒台、D2003は、0時05分28秒台、D2004は、0時05分29秒00フレーム目のデータパケットをあらわす。
ここで、データの圧縮率をレベルA、B、Cの3段階とし、レベルAが低圧縮、順に、B、Cと高圧縮されているとし、再圧縮される前のAV圧縮データ、すなわち、HDD105に記録されているAV圧縮データの圧縮率をレベルAとする。この場合、30秒分のAV圧縮データのうちの最終付近においては、圧縮率がもとのAV圧縮データと同じになるように再圧縮するために、0時05分26秒台(D2001)では、高圧縮なレベルC、0時05分27秒台(D2002)では、若干圧縮率を落としレベルB、0時05分28秒台(D2003)では、再圧縮される前のAV圧縮データと同じ圧縮レベルのレベルAにする。
【0040】
次に、図6のステップS1206において、不揮発メモリ122にコピーされたAVデータの最後のタイムスタンプ(最終タイムスタンプ情報)を、不揮発メモリ122の設定データエリアにコピーする。すなわち、上記の例では、0時05分29秒00という最終タイムスタンプ情報をコピーする。その後、ステップS1207において、HDD105が停止する。
【0041】
次に、利用者が、停止したコンテンツの再生指示を、リモコン113を用いて送信したとする。このときの動作は実施の形態1と同様であるため省略する。
【0042】
これにより、不揮発メモリ122から再生しているときはメモリの有効利用のため若干の画質劣化があるが、HDD105からのAV圧縮データに切り替わるときは、段階的に圧縮率を変更するように構成しているため、画質の変化が違和感なく再生することができる。
【0043】
以上のように、本実施の形態2によれば、映像情報処理装置10は、映像データを圧縮するAVエンコーダ109を備え、不揮発メモリ122のメモリ容量にあわせて、映像データの再生停止時にHDD105から映像データをAVエンコーダ109およびAVデコーダ108にて再圧縮して、不揮発メモリ122にコピーするようにしたので、不揮発メモリ122に記録するデータを再圧縮することで、メモリ103の使用量を低減することができる。
【0044】
また、映像データの再圧縮時に、圧縮率を変化させ、不揮発メモリ122に保存される映像データの最終データは、再圧縮前と同じ圧縮率であるように再圧縮をおこなうようにしたので、不揮発メモリ122からの再生状態から、HDD105などからの通常再生状態に切り替えるときの、不揮発映像メモリに記録されたAV圧縮データは、通常再生状態と同じであるから、切り替えによる画質の変化を意識することが少なくなる。
【0045】
実施の形態3.
図8は、この発明の実施の形態3である映像情報処理装置10を説明する図であり、ここでは、ネットワーク接続されたコンテンツサーバーから、コンテンツをダウンロードし、再生をおこなう映像情報処理装置を例にして説明する。
【0046】
図8において、図1と同じ番号を付しているものについては、実施の形態1での説明と同じ機能を有しており、説明を省略する。図において、201は、ネットワークコントローラであり、202はネットワークインターフェース(I/F)である。220はネットワーク網である。210は映像サーバーであり、コンテンツデータの記録、配信をおこなう。コンテンツデータはMPEG準拠で圧縮されたAV圧縮データである。ネットワークコントローラ201はCPU101の制御に基づき、ネットワークI/F202に接続されている映像サーバー210へ制御信号を送信したり、コンテンツを受信する。
【0047】
次に映像サーバー210に記録されているコンテンツデータ(AV圧縮データ)をモニタ・スピーカ111で再生するときの動作を説明する。利用者は、リモコン113を用いて、コンテンツを選択し、再生の指示をおこなう。CPU101はリモコン受信部110からの信号で、制御内容を解釈し、ネットワークコントローラ201、ネットワークI/F202を介し、ネットワーク網220を介して、映像サーバー210から、所望のコンテンツを出力するように指示する。映像サーバー210は、指示されたコンテンツを、映像情報処理装置10に対して配信をおこなう。コンテンツは、映像サーバー210から、ネットワーク網220、ネットワークI/F202、ネットワークコントローラ201を介して、バッファメモリA120に転送される。
【0048】
バッファメモリA120に転送されたAV圧縮データは、順次、パケット単位でMPEG CODEC106のバッファメモリ107に転送され、MPEG CODEC106で伸長される。さらにAVデータとしてAVデコーダ108に転送され、AVデコーダ108にて、映像・音声信号に変換され、モニタ・スピーカ111にて、利用者が選択したコンテンツが表示・再生される。
【0049】
図9は、この再生中のデータの流れであり、映像サーバー210に記録されているコンテンツデータ(AV圧縮データ)は、映像サーバー210から、ネットワーク網220、ネットワークI/F202、ネットワークコントローラ201、バッファメモリA120、MPEG CODEC内バッファメモリ107、MPEG CODEC106、AVデコーダ108に転送され、モニタ・スピーカ111で再生される。
【0050】
ここで、利用者が、コンテンツの停止指示を、リモコン113を用いて送信したとする。このときの動作の流れを、図10のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1401において、リモコン受信部110が受信した停止指示をCPU101が解釈すると、ステップS1402で、バッファメモリA120上のAV圧縮データの最初のタイムスタンプを参照する。
【0051】
ステップS1403において、映像情報処理装置10から、映像サーバー210に所望のコンテンツを再生するように指示をし、コンテンツが映像情報処理装置10のバッファメモリA120に転送されるまでの時間、すなわち、再生制御応答時間を測定する。
【0052】
この再生制御応答時間と、ステップS1402のタイムスタンプ情報に基づき、そのタイムスタンプより、1秒前のタイムスタンプから、それ以降、再生制御応答時間分以上のAV圧縮データのサイズを算出する。例えば、タイムスタンプ情報が0時05分00秒00とし、再生制御応答時間が、3秒であれば、3秒以上、例えば、ゆとりを持って倍の6秒分のAV圧縮データのサイズを算出する(ステップS1404)。さらに、不揮発メモリ122の容量から、AV圧縮データの再圧縮率を算出する(ステップS1405)。この再圧縮率をもとに、ステップS1406において、6秒分のAV圧縮データを、MPEG CODEC106を用いて再圧縮する。このとき、6秒分のAV圧縮データのうちの最終付近においては、実施の形態2で説明したように、圧縮率がもとのAV圧縮データと同じになるように再圧縮する。
【0053】
次に、ステップS1407において、不揮発メモリ122にコピーされたAVデータの最後のタイムスタンプ(最終タイムスタンプ情報)を、不揮発メモリ122の設定データエリアにコピーする。すなわち、上記の例では、タイムスタンプ情報が0時05分00秒00で、1秒さかのぼり、6秒分であるから、0時05分05秒00という最終タイムスタンプ情報をコピーする。
【0054】
次に、利用者が、停止したコンテンツの再生指示を、リモコン113を用いて送信したとする。このときの動作は、上記の実施の形態1におけるHDD105を映像サーバー210に置き換えたものであるため、説明を省略する。
【0055】
これにより、不揮発メモリ122から再生しているときはメモリの有効利用のため若干の画質劣化があるが、映像サーバー210からのAV圧縮データに切り替わるときは、段階的に圧縮率を変更するように構成しているため、画質の変化が違和感なく再生することができる。
【0056】
以上のように、本実施の形態3は、CPU101と、メモリ103と、プログラムを保存するための不揮発メモリであるプログラムROM102と、ネットワーク220に接続された映像サーバー210より、映像データを取得するネットワークインターフェース202およびネットワークコントローラ201と、映像データの一部を保存する不揮発メモリ122と、映像データを一時保存するバッファメモリA120およびバッファメモリB121と、映像データを復号するAVデコーダ108で構成される映像情報処理装置であって、映像データの再生を停止する時に、停止以後の映像データを映像サーバー210から、ネットワーク220を介して、不揮発メモリ122にコピーする手段と、不揮発メモリ122の映像データの最終データ情報(タイムスタンプ)を記憶する手段とを備え、また、停止状態から再生状態移行時に、不揮発メモリ122の映像データを、バッファメモリB121に転送する手段と、バッファメモリB121から、AVデコーダ108に映像データを転送する手段と、それと同時に映像サーバー210から、ネットワーク220を介して、最終データ情報以降の映像データをバッファメモリB121に転送する手段とを備え、最終データ情報をもちいて、AVデコーダ108に転送する映像データを、バッファメモリB121から、バッファメモリA120に変更する手段とを備えているので、再生制御の直後は、不揮発メモリ122に保存されている映像データを再生するため、再生映像を短時間で表示することができる。
【0057】
また、最終データ情報として、映像データに含まれるタイムスタンプデータを用いるようにしたので、並行して映像サーバー210の初期化処理をおこない、初期化処理終了後にタイムスタンプ情報をもとに映像データを切り替えるため、切り替えがスムーズにおこなえる。
【0058】
また、映像データの再生停止時に映像サーバー210から不揮発メモリ122にコピーする映像データは、停止位置より前の映像データを含むようにしたので、停止位置より前の映像データから再生されるため、停止制御時にAVデコーダ108で処理中のデータについても再生されるため、ユーザーの停止・再生操作により、再生されない映像がないように制御することができる。
【0059】
また、最終データ情報を含む映像データは、不揮発メモリ122から、バッファメモリB121に転送しないようにして、不揮発メモリ122の最終領域にある最終データ情報を含む映像データを再生に使用しないため、データ不足による映像の乱れを防ぐことができる。
【0060】
また、電池バックアップのメモリを不揮発メモリ122として使用することで、映像情報処理装置内蔵のメモリを代用することができ、メモリを装置内で統一化することができる。
【0061】
さらに、ネットワーク220に接続された映像サーバー210に映像データを送出するように制御し、所望の映像データがバッファメモリA120に転送されるまでの再生制御応答時間を算出する手段を備え、再生制御応答時間にもとづき、不揮発メモリ122に転送する映像データサイズを指定するようにしたので、ネットワーク220に接続された映像サーバー210の応答速度にあわせて不揮発メモリ122に保存する映像データサイズを決定するため、不揮発メモリ122を有効に使用することができる。
【0062】
また、映像情報処理装置10は、映像データを圧縮するAVエンコーダ109を備え、不揮発メモリ122のメモリ容量、および、再生制御応答時間にもとづき、映像データの再生停止時に映像サーバー210から映像データをAVエンコーダ109およびAVデコーダ108にて再圧縮して、不揮発メモリ122にコピーするようにしたので、不揮発メモリ122に記録するデータを再圧縮することで、メモリ103の使用量を低減することができる。
【0063】
また、映像データの再圧縮時に、圧縮率を変化させ、不揮発メモリ122に保存される映像データの最終データは、再圧縮前と同じ圧縮率であるように再圧縮をおこなうようにしたので、不揮発メモリ122からの再生状態から、ネットワーク接続された映像サーバー210などからの通常再生状態に切り替えるときの、不揮発メモリ122に記録されたAV圧縮データは、通常再生状態と同じであるから、切り替えによる画質の変化を意識することが少なくなる。
【0064】
実施の形態4.
図11は、この発明の実施の形態4である映像情報処理装置10を説明する図であり、ここでは、IEEE1394ネットワーク303に接続されたデジタルビデオデッキ(DVHS)の映像を再生するテレビ装置を例にして説明する。
【0065】
図11において、図1と同じ番号を付しているものについては、実施の形態1での説明と同じ機能を有しており、説明を省略する。図において、320はチューナーであり、テレビ放送112を受信し、AV圧縮データを出力し、そのAV圧縮データは、MPEG CODEC107によりデコードされ、AVデコーダ108を介して、モニタ・スピーカ111で再生される。すなわち、映像情報処理装置10はテレビとしても動作することが可能である。
【0066】
301は、IEEE1394コントローラであり、302はIEEE1394インターフェース(I/F)であり、303はIEEE1394ネットワークである。IEEE1394は、テレビやDVHS、デジタルビデオカメラに使用されるAV機器用ネットワークシステムであり、機器の制御信号や、MPEG圧縮されたAV圧縮データを伝送することが可能である。また、310はDVHSデッキであり、映像情報処理装置10の指示に基づき、DVHSテープに記録されたコンテンツ(AV圧縮データ)をIEEE1394ネットワーク303を介して、映像情報処理装置10に送信する。IEEE1394コントローラ301はCPU101の制御に基づき、IEEE1394I/F302に接続されているDVHSデッキ310へ制御信号を送信したり、コンテンツを受信する。
【0067】
次にDVHSデッキ310に記録されているコンテンツをモニタ・スピーカ111で再生するときの動作を説明する。利用者は、リモコン113を用いて、DVHS内のコンテンツ再生の指示をおこなう。CPU101はリモコン受信部110からの信号で、制御内容を解釈し、IEEE1394コントローラ301およびIEEE1394I/F302を介し、IEEE1394ネットワーク303経由でDVHSデッキ310にセットされているDVHSテープに記録されているコンテンツを出力するように指示する。DVHSデッキ310は、DVHSテープに記録されているコンテンツを、映像情報処理装置10に対して送信する動作をおこなう。コンテンツは、DVHSデッキ310から、IEEE1394ネットワーク303、IEEE1394I/F302、IEEE1394コントローラ301を介して、バッファメモリA120に転送される。
【0068】
バッファメモリA120に転送されたコンテンツ(AV圧縮データ)は、順次、パケット単位でMPEG CODEC106のバッファメモリ107に転送され、MPEG CODEC106で伸長される。さらにAVデータとしてAVデコーダ108に転送され、AVデコーダ108にて、映像・音声信号に変換され、モニタ・スピーカ111にて、利用者が選択したコンテンツが表示・再生される。
【0069】
図12は、この再生中のデータの流れであり、DVHSデッキ310に記録されているコンテンツは、DVHSデッキ310から、IEEE1394ネットワーク303、IEEE1394I/F302、IEEE1394コントローラ301、バッファメモリA120、MPEG CODEC内バッファメモリ107、MPEG CODEC106、AVデコーダ108に転送され、モニタ・スピーカ111で再生される。
【0070】
ここで、利用者が、コンテンツの停止指示を、リモコン113を用いて送信したとする。このときの動作の流れを、図13のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS1601において、リモコン受信部110によって受信された停止指示をCPU101が解釈すると、ステップS1602で、バッファメモリA120上のAV圧縮データの最初のタイムスタンプを参照する。
【0071】
次に、ステップS1603において、映像情報処理装置10から、DVHSデッキ310にコンテンツ再生の停止をおこなうように指示し、DVHSデッキ310が停止処理を完了するまでの時間、すなわち、停止制御応答時間を測定する。次に、ステップS1604において、映像情報処理装置10から、DVHSデッキ310にコンテンツを再生するように指示し、コンテンツが映像情報処理装置10のバッファメモリA120に転送されるまでの時間、すなわち、再生制御応答時間を測定する。
【0072】
さらに、ステップS1605において、映像情報処理装置10から、DVHSデッキ310にコンテンツ再生の一時停止をおこなうように指示し、DVHSデッキ310が一時停止処理を完了するまでの時間、すなわち、一時停止移行制御応答時間、および、DVHSデッキ310にコンテンツ一時停止状態から再生するように指示し、DVHSデッキ310が一時停止状態から再生処理を開始し、コンテンツが映像情報処理装置10のバッファメモリA120に転送されるまでの時間、すなわち、一時停止復旧応答時間を測定する。
【0073】
この再生制御応答時間と、停止制御応答時間、一時停止移行制御応答時間と一時停止復旧応答時間、および、ステップS1602のタイムスタンプ情報に基づき、そのタイムスタンプより、1秒前のタイムスタンプから、それ以降、再生制御応答時間分以上のAV圧縮データのサイズを算出する。例えば、タイムスタンプ情報を0時05分00秒00とし、再生制御応答時間、停止制御応答時間、一時停止移行制御応答時間、一時停止復旧応答時間の合計が5秒としたとき、例えば、ゆとりを持って3倍の15秒分のAV圧縮データのサイズを算出する(ステップS1606)。さらに、不揮発メモリ122の容量から、AV圧縮データの再圧縮率を算出する(ステップS1607)。この再圧縮率をもとに、ステップS1608において、10秒分のAV圧縮データを、MPEG CODEC106を用いて再圧縮する。このとき、10秒分のAV圧縮データのうちの最終付近においては、実施の形態2で説明したように、圧縮率がもとのAV圧縮データと同じになるように再圧縮する。
【0074】
次に、ステップS1609において、不揮発メモリ122にコピーされたAVデータの最後のタイムスタンプ(最終タイムスタンプ情報)を、不揮発メモリ122の設定データエリアにコピーする。すなわち、上記の例では、タイムスタンプ情報が0時05分00秒00で、1秒さかのぼり、15秒分であるから、0時05分14秒00という最終タイムスタンプ情報をコピーする。
【0075】
次に、ステップS1610で、DVHSデッキ310に対して、DVHSテープをタイムスタンプ情報に再生制御応答時間を加えた時間まで巻き戻して停止する。すなわち、例えば、タイムスタンプ情報が0時05分00秒00で、再生制御応答時間を5秒とした場合、DVHSテープは、0時05分05秒00まで巻き戻し、停止する。
【0076】
次に、利用者が、停止したコンテンツの再生指示を、リモコン113を用いて送信したとする。このときの動作の流れを、図14を用いて説明する。ステップS1701において、再生指示を解釈すると、ステップS1702でDVHSデッキ310に再生指示を送信する。DVHSデッキ310の再生処理は、ステップS1750にておこなわれるが、この処理は、停止処理で測定した再生制御応答時間だけ要するため、その間に、ステップS1703以降の処理をおこなう。すなわち、ステップS1703において、不揮発メモリ122の設定データエリアに記録されている最終タイムスタンプ情報を取得する。
【0077】
次にステップS1704において、不揮発メモリ122のデータエリアから、記録されているAV圧縮データをバッファメモリB121に転送し、さらに、バッファメモリB121から、MPEG CODEC106に転送することにより、再生をおこなう。この後、ステップS1705の条件分岐で、後述のステップS1752でおこなわれる同期処理が終了するまで、ステップS1704に戻り、不揮発メモリ122のデータエリアに記録されているAV圧縮データが再生される。この間に、DVHSデッキ310からバッファメモリAにコンテンツの転送がおこなわれ(ステップS1751)、同期処理(ステップS1752)がおこなわれ、同期処理ステップS1752が完了すると、切り替え処理ステップS1710がおこなわれ、ステップS1711で、通常再生がおこなわれる。
【0078】
同期処理ステップS1752の処理を図15を用いて説明する。
ステップS1801にて、同期処理がスタートし、ステップS1802で、バッファメモリB121と、バッファメモリA120に入力される最新のデータパケットのタイムスタンプを比較する。ここで、バッファメモリB121へは、不揮発メモリ122からのAV圧縮データが、バッファメモリA120には、DVHSデッキ310からのAV圧縮データが転送される。ステップS1803にて、バッファメモリB121のタイムスタンプが、バッファメモリA120より進んでいる場合には、DVHSデッキ310からのデータが遅れているので、ステップS1805にて、遅れている秒数分、早送りをし、ステップS1802に戻る。ここで、進んでいるという判断は、バッファメモリA120、バッファメモリB121に蓄えることができるデータの秒数から算出される閾値以上に進んでいるかどうかで判断する。すなわち、例えば、バッファメモリA120、バッファメモリB121にそれぞれ5秒分のデータが蓄えられるとし、その40%以上、すなわち、2秒以上進んでいたら、バッファメモリB121が進んでいると判断する。
【0079】
これを、図16を用いて説明する。
図16は、バッファメモリA120、バッファメモリB121に入力されているデータパケットの列で、バッファメモリB121では、D3001の“1”から順にデータが入力され、D3008の“8”がバッファメモリに入力された最新データをあらわす。バッファメモリA120では、D3101の“1”から順にデータが入力され、D3104の“4”がバッファメモリに入力された最新データをあらわす。最新データを比較すると、D3008とD3104の比較となり、バッファメモリB121のほうが進んでいる。
【0080】
ステップS1803にて、バッファメモリの40%以上進んでいないと判断した場合、ステップS1804にてバッファメモリB121がバッファメモリA120より遅れているか判断する。遅れていると判断した場合、ステップS1806にて、閾値以上に遅れているかどうかで判断する。この閾値は、停止時の処理で測定した、停止制御応答時間と再生制御応答時間の和で決められる。すなわち、停止制御応答時間と再生制御応答時間の和以上に、DVHSデッキ310からのAV圧縮データが進んでいる場合には、ステップS1808にて、DVHSデッキ310の停止、再生処理をおこない、ステップS1802に戻る。ステップS1806で、閾値以下である場合には、一時停止処理をおこない、停止時の処理で測定した、一時停止移行時間、一時停止復旧時間をもとに、一時停止処理をおこない、ステップS1802に戻る。
【0081】
ステップS1804にて、遅れていない、すなわち、バッファメモリB121の進み具合がバッファメモリA120、バッファメモリB121に蓄えることができるデータの秒数から算出される閾値の範囲内(上記の例では40%以下)であるとき、同期完了(ステップS1809)とする。
すなわち、同期完了時点では、バッファメモリB121のデータのほうが、バッファメモリA120より、バッファメモリ総容量の40%以下の差以内で進んでいる。
【0082】
図14のフローチャートにおけるステップS1710の切り替え処理を、図17を用いて説明する。図17は、同期完了時点での、バッファメモリA120、バッファメモリB121に入力されているデータパケットの列で、バッファメモリB121のデータは、バッファメモリA120のデータより、バッファメモリの40%以内の範囲で進んでいる。
【0083】
DVHSテープの再生画像は、停止状態や、一時停止状態から、再生を開始したときの直後の画像は、DVHSが安定して動作していないために、画像が乱れることがある。それを防ぐため、DVHSからのバッファメモリA120の画像は、再生開始直後の数秒間、例えば、2秒間のデータを使用せず、そのまま破棄する。図17の例では、バッファメモリA120のD3111の“11”とD3112の“12”を破棄し、その後のデータパケットの区切り(例えば、タイムスタンプの区切り)を切り替えポイントにし、バッファメモリB121から、バッファめもりA120に切り替える。このとき、バッファメモリB121のほうが進み、バッファメモリA120のほうが遅れているので、バッファメモリA120にたまっているAV圧縮データ量は、バッファメモリB121より少ない。すなわち、切り替え後にDVHSデッキ310からのデータの再生時に使用するバッファメモリを少なくすることができ、バッファメモリA120を動的に確保している場合、メモリを開放することで、他のプログラム等に使用することができる。
【0084】
以上のように、本実施の形態4は、CPU101と、メモリ103と、プログラムを保存するための不揮発メモリであるプログラムROM102と、IEEE1394ネットワーク303に接続されたシーケンシャルアクセスが可能な映像配信機器であるDVHSデッキ310より、映像データを取得するネットワーク装置であるIEEE1394I/F302及びIEEE1394コントローラ301と、映像データの一部を保存する不揮発メモリ122と、映像データを一時保存するバッファメモリA120およびバッファメモリB121と、映像データを復号するAVデコーダ108とから構成される映像情報処理装置10であって、映像データの再生を停止する時に、停止以後の映像データをDVHSデッキ310から、IEEE1394ネットワーク303を介して、不揮発メモリ122にコピーする手段と、不揮発メモリ122の映像データの最終データ情報(タイムスタンプ)を記憶する手段とを備え、また、停止状態から再生状態移行時に、不揮発メモリ122の映像データを、バッファメモリB121に転送する手段と、バッファメモリB121から、AVデコーダ108に映像データを転送する手段と、それと同時にDVHSデッキ310から、IEEE1394ネットワーク303を介して、最終データ情報以降の映像データをバッファメモリA120に転送する手段とを備え、最終データ情報をもとに、AVデコーダ108に転送する映像データを、バッファメモリB121から、バッファメモリA120に変更する手段とを備えているので、再生制御の直後は、不揮発メモリ122に保存されている映像データを再生するため、再生映像を短時間で表示することができる。
【0085】
また、最終データ情報として、映像データに含まれるタイムスタンプデータを用いるようにしたので、並行して、DVHSデッキ310の初期化処理をおこない、初期化処理終了後にタイムスタンプ情報をもとに映像データを切り替えるため、切り替えがスムーズにおこなえる。
【0086】
また、映像データの再生停止時に、DVHSデッキ310から不揮発メモリ122にコピーする映像データは、停止位置より前の映像データを含むようにしたので、停止位置より前の映像データから再生されるため、停止制御時にデコーダで処理中のデータについても再生されるため、ユーザーの停止・再生操作により、再生されない映像がないように制御することができる。
【0087】
また、最終データ情報を含む映像データは、不揮発メモリ122から、バッファメモリB121に転送しないようにしたので、不揮発メモリ122の最終領域にある最終データ情報を含む映像データを再生に使用しないため、データ不足による映像の乱れを防ぐことができる。
【0088】
さらに、不揮発メモリ122は、電池バックアップ可能なメモリであるので、電池バックアップのメモリを不揮発映像メモリとして使用することで、映像情報処理装置10内蔵のメモリを代用することができ、メモリを装置内で統一化することができる。
【0089】
また、IEEE1394ネットワーク303に接続されたDVHSデッキ310に映像データを送出するように制御し、所望の映像データがバッファメモリA120に転送されるまでの再生制御応答時間を算出する手段を備え、再生制御応答時間にもとづき、不揮発メモリ122に転送する映像データサイズを指定するようにしたので、ネットワークに接続されたDVHSデッキ310の応答速度にあわせて不揮発メモリ122に保存する映像データサイズを決定するため、不揮発メモリ122を有効に使用することができる。
【0090】
また、映像情報処理装置10は、映像データを圧縮するMPEG CODEC106を備え、不揮発メモリ122のメモリ容量、および、再生制御応答時間にもとづき、映像データの再生停止時にDVHSデッキ310から映像データをMPEG CODEC106およびAVデコーダ108にて再圧縮して、不揮発メモリ122にコピーするようにしたので、不揮発メモリ122に記録するデータを再圧縮することで、メモリの使用量を低減することができる。
【0091】
さらに、映像データの再圧縮時に、圧縮率を変化させ、不揮発メモリ122に保存される映像データの最終データは、再圧縮前と同じ圧縮率であるように再圧縮をおこなうようにしたので、不揮発メモリ122からの再生状態から、DVHSデッキ310などからの通常再生状態に切り替えるときの、不揮発メモリ122に記録されたAV圧縮データは、通常再生状態と同じであるから、切り替えによる画質の変化を意識することが少なくなる。
【0092】
また、バッファメモリB121と、バッファメモリA120にそれぞれ一時保存される映像データのタイムスタンプが同じものでかつ同時期に含まれるように、DVHS310からの映像データ送信を制御する手段と、バッファメモリB121とバッファメモリA120にそれぞれ一時保存される映像データのタイムスタンプが同じものでかつ同時期に含まれたときに、AVデコーダ108に送信する映像データを、バッファメモリB121から、バッファメモリA120に切り替えるようにしたので、シーケンシャルアクセスのみ可能なDVHS310に対して、バッファ内に同じタイムスタンプのデータが含まれるようにDVHS310を制御し、バッファメモリの切り替えをするため、シーケンシャルアクセスの映像は新装置に対しても、違和感のない再生画像が得られる。
【0093】
また、バッファメモリB121とバッファメモリA120にそれぞれ一時保存される映像データのタイムスタンプが同じものでかつ同時期に含まれるときに、バッファメモリB121の使用量が少なくなるように、DVHS310からの映像データ送信を制御するようにしたので、切り替え時にバッファメモリに一時記録されているDVHSデッキ310からのデータが、不揮発メモリ122からのデータより少なくなるようにするため、切り替え後の映像配信装置からのバッファメモリを少なく抑えることができる。
【0094】
さらに、バッファメモリB121とバッファメモリA120にそれぞれ一時保存される映像データのタイムスタンプが同じものでかつ同時期に含まれるよう制御された後、バッファメモリA120から映像データを一定期間破棄し、その後、AVデコーダ108に送信する映像データを、バッファメモリB121からバッファメモリA120に切り替えるようにしたので、DVHSデッキ310からのデータを一定期間破棄することで、シーケンシャルアクセスのみ可能な映像配信装置で、再生開始直後にみられる映像の乱れを除去することができる。
【0095】
また、DVHSデッキ310からの映像データ送信制御を、映像配信機器への、再生、停止、一時停止、早送りの制御を用いておこなうようにしたので、同期処理をDVHSデッキ310への一般的な制御でおこなうことができるので、従来の映像配信機器においても、適用することができる。
【0096】
また、IEEE1394ネットワーク303に接続された再生状態のDVHS310に映像データの送出を停止するように制御し、バッファメモリA120への映像データの転送が停止するまでの停止制御応答時間を算出する手段と、IEEE1394ネットワーク303に接続されたDVHSデッキ310に映像データを送出するように制御し、所望の映像データがバッファメモリA120に転送されるまでの再生制御応答時間を算出する手段を備え、IEEE1394ネットワーク303に接続された再生状態のDVHSデッキ310に映像データの送出を一時停止するように制御し、バッファメモリA120への映像データの転送が停止するまでの一時停止制御応答時間を算出する手段と、IEEE1394ネットワーク303に接続された一時停止状態のDVHS310に、映像データの送出をおこなうように制御し、バッファメモリA120への映像データが転送されるまでの一時停止復旧応答時間を算出する手段とを備え、再生制御応答時間と、停止制御応答時間と、一時停止制御応答時間と、一時停止復旧応答時間をもとに、DVHSデッキ303への再生、停止、一時停止、早送りの制御をおこなうことで、バッファメモリB121と、バッファメモリA120にそれぞれ一時保存される映像データのタイムスタンプが同じものでかつ同時期に含まれるよう制御するようにしたので、同期処理をDVHSデッキ310への一般的な制御でおこなうことができるので、従来の映像配信機器においても、適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】この発明の実施の形態1に係る映像情報処理装置の構成を示した構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る映像情報処理装置における、再生中のデータの流れを説明する説明図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る映像情報処理装置における、停止処理の動作を説明するフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態1に係る映像情報処理装置における、再生処理の動作を説明するフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1に係る映像情報処理装置における、不揮発メモリ122から、バッファメモリB121、バッファメモリA120、MPEG CODEC106に内蔵のバッファメモリ107に転送されるデータの並びを説明する説明図である。
【図6】この発明の実施の形態2に係る映像情報処理装置における、停止処理の動作を説明するフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態2に係る映像情報処理装置における、データの圧縮率を説明する説明図である。
【図8】この発明の実施の形態3に係る映像情報処理装置の構成を示した構成図である。
【図9】この発明の実施の形態3に係る映像情報処理装置における、再生中のデータの流れを説明する説明図である。
【図10】この発明の実施の形態3に係る映像情報処理装置における、停止処理の動作を説明するフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態4に係る映像情報処理装置の構成を示した構成図である。
【図12】この発明の実施の形態4に係る映像情報処理装置における、再生中のデータの流れを説明する説明図である。
【図13】この発明の実施の形態4に係る映像情報処理装置における、停止処理の動作を説明するフローチャートである。
【図14】この発明の実施の形態4に係る映像情報処理装置における、再生処理の動作を説明するフローチャートである。
【図15】この発明の実施の形態4に係る映像情報処理装置における、同期処理の動作を説明するフローチャートである。
【図16】この発明の実施の形態4に係る映像情報処理装置における、バッファメモリB121、バッファメモリA120のデータの並びを説明する説明図である。
【図17】この発明の実施の形態4に係る映像情報処理装置における、切り替えポイントを説明する説明図である。
【符号の説明】
【0098】
101 CPU、102 プログラムROM、103 メモリ、104 HDDコントローラ、105 HDD、106 MPEG CODEC、107 バッファメモリ、108 AVデコーダ、109 AVエンコーダ、110 リモコン受信部、111 モニタ・スピーカ、112 テレビ放送、113 リモコン、120 バッファメモリA、121 バッファメモリB、122 不揮発メモリ、201 ネットワークコントローラ、202 ネットワークI/F、210 映像サーバー、220 ネットワーク、301 IEEE1394コントローラ、302 IEEE1394I/F、310 DVHSデッキ、303 IEEE1394ネットワーク、320 チューナー。
【技術分野】
【0001】
この発明は映像情報処理装置に関し、特に、例えば、ハードディスクやDVDを搭載した、映像データや音声データを記録/再生するビデオレコーダや、ネットワーク接続された、映像・音声データを配信するAVサーバーから映像データや音声データをダウンロードし再生するネットワーク映像端末装置等に適用可能な映像情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のデジタル化に伴い、音声・映像コンテンツにおいても、デジタル技術により音声・映像データ(以下、AVデータともいう)に変換され、更に、データの圧縮・伸長技術の併用によって、効率よく記録することが可能になってきている。
また、パーソナルコンピュータのストレージメディアとして使用されているハードディスクドライブは、小型化、高記録密度化、アクセス速度の高速化、低コスト化が進み、パーソナルコンピュータ以外の用途にも使用されはじめており、例えば、AVデータを圧縮し、ハードディスクに記録し、再生時に伸長することで、従来のビデオデッキと同機能の録画・再生機器が提案されるようになってきている。
さらにハードディスクドライブにおいては、データへのランダムアクセスが可能であり、録画されたAVデータの頭だしや、検索などが容易におこなえ、従来のビデオテープ方式とは異なった使いやすさが提案されている。
【0003】
しかし、ハードディスクドライブは、ランダムアクセスが可能である反面、データにアクセスするためのシーク時間が必要であり、データの読み出し時間が均一でないという問題点がある。そのため、連続したデータ読み出しが必要なAVデータ再生装置においては、ハードディスクのアクセス時間の不均一を吸収するため、バッファメモリにて、あらかじめ読み出しをおこなう方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
例えば、ハードディスクに記録されているAVデータの先頭部分をあらかじめバッファメモリに記録しておき、AVデータ再生時には、バッファメモリからデータを読み出し、その間に、ハードディスクからデータを読み出す準備をおこなうよう構成することで、再生開始までの時間を見かけ上短縮することができる。
また、AVデータは、デジタル技術によりネットワーク伝送をおこなうことが可能になり、例えば、AVサーバーと再生装置をネットワーク接続することで、AVサーバー上のコンテンツ(AVデータ)を、再生装置上で表示することができる。
【0005】
しかしなら、ネットワーク接続の再生装置においても、サーバーからのデータ送出が遅れる場合があり、それによる再生装置での再生不具合を発生させないために、サーバー内のバッファメモリにより、送出データを途切れさせない方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2003−125358号公報(第1頁、第1図)
【特許文献2】特開2000−69430号公報(第1頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、ハードディスクを使用したAVデータ再生装置は、ハードディスクの起動処理、すなわち、ハードディスクの回転が開始し、安定して、さらに、ハードディスクドライブ自体の初期化が完了し、アクセスが可能になるまでの時間が、数秒、あるいは数十秒必要である。そのため、利用者は、再生装置の電源投入後、この数十秒間を待機する必要があり、従来のビデオデッキと比して、使い勝手が悪いという問題点があった。
【0008】
また、AVデータをネットワークで接続されたサーバーから読み出すときは、接続先のサーバーからの応答時間が必要なため、利用者は、再生装置の電源を入れてから、数秒、あるいは数十秒間待機する必要があり、これも、従来のビデオデッキと比して、使い勝手が悪いという問題点があった。
【0009】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、電源を入れてからの待機時間を大幅に短縮し、使い勝手の良い映像情報処理装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、CPUと、メモリと、前記CPUの動作プログラムを保存するための不揮発メモリと、映像データを保存するための大容量記憶装置と、前記映像データの一部を保存する不揮発映像メモリと、前記映像データを一時保存する第1のバッファメモリおよび第2のバッファメモリと、前記映像データを復号するデコーダとを備えた映像情報処理装置であって、前記映像データの再生を停止するための停止指示信号を受信した時に、それ以後の映像データを予め設定された第1の所定量分だけ前記大容量記憶装置から前記不揮発映像メモリにコピーするコピー手段と、コピーされた前記第1の所定量分の前記不揮発映像メモリの映像データのうちの最終の映像データを識別するための最終データ情報を記憶する最終データ記憶手段と、前記停止指示信号に従って再生を停止した前記映像データを再生するための再生指示信号を受信した時に、前記不揮発映像メモリの映像データを前記第1のバッファメモリに転送する第1の転送手段と、前記第1のバッファメモリに転送された前記映像データを、前記第1のバッファメモリから前記デコーダに転送する第2の転送手段と、前記第2の転送手段による前記デコーダへの転送と同時に、前記最終データ情報に基づいてそれ以降の映像データを前記大容量記憶装置から前記第2のバッファメモリに転送する第3の転送手段と、前記最終データ情報に基づいて、前記第2の転送手段が前記第1のバッファメモリに記憶された最終の映像データまでを前記デコーダに転送したことを検知する検知手段と、前記検知手段が検知したときに、前記第2の転送手段による前記デコーダへの転送を停止させて、前記第2のバッファメモリに記憶された前記映像データを、前記第2のバッファメモリから前記デコーダに転送する第4の転送手段とを備えた映像情報処理装置である。
【発明の効果】
【0011】
この発明は、CPUと、メモリと、前記CPUの動作プログラムを保存するための不揮発メモリと、映像データを保存するための大容量記憶装置と、前記映像データの一部を保存する不揮発映像メモリと、前記映像データを一時保存する第1のバッファメモリおよび第2のバッファメモリと、前記映像データを復号するデコーダとを備えた映像情報処理装置であって、前記映像データの再生を停止するための停止指示信号を受信した時に、それ以後の映像データを予め設定された第1の所定量分だけ前記大容量記憶装置から前記不揮発映像メモリにコピーするコピー手段と、コピーされた前記第1の所定量分の前記不揮発映像メモリの映像データのうちの最終の映像データを識別するための最終データ情報を記憶する最終データ記憶手段と、前記停止指示信号に従って再生を停止した前記映像データを再生するための再生指示信号を受信した時に、前記不揮発映像メモリの映像データを前記第1のバッファメモリに転送する第1の転送手段と、前記第1のバッファメモリに転送された前記映像データを、前記第1のバッファメモリから前記デコーダに転送する第2の転送手段と、前記第2の転送手段による前記デコーダへの転送と同時に、前記最終データ情報に基づいてそれ以降の映像データを前記大容量記憶装置から前記第2のバッファメモリに転送する第3の転送手段と、前記最終データ情報に基づいて、前記第2の転送手段が前記第1のバッファメモリに記憶された最終の映像データまでを前記デコーダに転送したことを検知する検知手段と、前記検知手段が検知したときに、前記第2の転送手段による前記デコーダへの転送を停止させて、前記第2のバッファメモリに記憶された前記映像データを、前記第2のバッファメモリから前記デコーダに転送する第4の転送手段とを備えた映像情報処理装置であるので、電源を入れてからの待機時間を大幅に短縮し、使い勝手の良い映像情報処理装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この発明は、ハードディスクレコーダーや、ネットワーク接続されたAVサーバー等のAV機器からコンテンツを再生するシステムにおいて、従来のビデオデッキと同様に、起動直後に短時間で映像の再生表示が求められるシステムに最適である。
以下、この発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1である映像情報処理装置およびそれの周辺機器を示した図であり、ここでは、ハードディスクドライブを内蔵したレコーダー等の映像情報処理装置を例にして説明する。
【0014】
図1に示すように、映像情報処理装置10には、テレビ放送112が接続される。映像情報処理装置10は、テレビ放送112を受信し、テレビ放送番組の記録をおこなう。また、映像情報処理装置10には、モニタ・スピーカ111が接続されている。モニタ・スピーカ111は映像情報処理装置10に接続することで、記録されている番組の閲覧が可能である。113はリモコンであり、利用者は、主に、リモコン113を用いて、映像情報処理装置10の制御をおこなう。
【0015】
次に、映像情報処理装置10の構成を説明する。
映像情報処理装置10には、中央演算処理装置(以下、CPUとする。)101と、システムを起動させるための不揮発メモリ(リードオンリーメモリ:ROM)であるプログラムROM102と、ランダムアクセスメモリ(RAM)であるメモリ103とが設けられている。CPU101はプログラムROM102に搭載されるプログラムを、メモリ103を利用して実行する。また、リモコン受信部110が設けられており、リモコン113からの制御信号をCPU101に伝送し、CPU101は、リモコン受信部110からの受信内容により、テレビ放送番組の記録や、記録されている番組の再生のための制御をおこなう。
【0016】
さらに、映像情報処理装置10には、AVエンコーダ109が設けられており、テレビ放送112で受信した映像及び音声は、AVエンコーダ109で録画用AVデータに変換される。さらに、MPEG CODEC106が設けられており、録画用AVデータを、映像・音声の圧縮・伸長方式のひとつであるMPEG(Moving Picture Experts Group)にて圧縮・伸長する。AVエンコーダ109で変換されたAVデータは、MPEG CODEC106で圧縮され、AV圧縮データに変換される。MPEG CODEC106には、データを効率よく転送するためのバッファメモリ107が搭載される。さらに、映像情報処理装置10には、ハードディスクドライブHDDを制御するHDDコントローラ104と、AV圧縮データを記録するHDD105とが設けられている。
【0017】
MPEG CODEC106は、AV圧縮データを伸長する機能も搭載し、再生用AVデータを作成する。また、映像情報処理装置10には、AVデコーダ108が設けられており、再生用AVデータを映像・音声信号に変換する。MPEG CODEC106から送信された再生用AVデータは、AVデコーダ108にて、映像・音声信号に変換される。AVデコーダ108から出力される映像・音声信号は、モニタ・スピーカ111により表示・再生される。
また、映像情報処理装置10には、バッファメモリ120および121が設けられている。バッファメモリ120および121は、HDD105とMPEG CODEC106の間でAV圧縮データを転送する際に利用される。これらは、以下、動作説明上、バッファメモリA120、バッファメモリB121とする。これらのバッファメモリは、メモリ103の中に構成してもよいが、機能を分けるため、バッファメモリA120、バッファメモリB121と明記する。
【0018】
さらに、映像情報処理装置10には、不揮発性メモリ122が設けられている。不揮発性メモリ122は、コンパクトフラッシュ(登録商標)メモリなどの、消去や書き込み速度が速く、大容量化に適した不揮発メモリであり、データエリアと設定データエリアを用意する。
【0019】
次に、HDD105に記録されているAV圧縮データをモニタ・スピーカ111で再生するときの動作を説明する。利用者は、リモコン113を用いて、コンテンツを選択し、再生の指示をおこなう。CPU101はリモコン受信部110からの信号で、制御内容を解釈し、HDD105から、所望のコンテンツを、HDDコントローラ104を介してバッファメモリA120に順次、データを、まとまった単位(ここでは、パケットという)で転送するように指示する。
バッファメモリA120に転送されたAV圧縮データは、順次、パケット単位でMPEG CODEC106のバッファメモリ107に転送され、MPEG CODEC106で伸長される。さらにAVデータとしてAVデコーダ108に転送され、AVデコーダ108にて、映像・音声信号に変換され、モニタ・スピーカ111にて、利用者が選択したコンテンツが表示・再生される。
【0020】
図2は、この再生中のデータの流れであり、図2に示されるように、HDD105に記録されているAV圧縮データは、HDD105から、HDDコントローラ104、バッファメモリA120、MPEG CODEC106内のバッファメモリ107、MPEG CODEC106、AVデコーダ108に転送され、モニタ・スピーカ111で再生される。
ここで、利用者が、コンテンツの停止指示を、リモコン113を用いて送信したとする。このときの動作の流れを、図3のフローチャートを用いて説明する。ステップS1001において、リモコン受信部110が受信した停止指示をCPU101が解釈すると、ステップS1002で、バッファメモリA120上のAV圧縮データの最初のタイムスタンプを参照する。AV圧縮データ、すなわち、MPEGデータには、復号再生の単位ごと(ビデオは1フレーム、オーディオは1オーディオフレーム)に、いつ復号再生すべきかを示すタイムスタンプが含まれており、ここでは、“0時03分45秒10”のようにあらわす。ここで、秒以下の“10”はフレーム数を表し、1秒のフレーム数が30フレームの場合、“00”から“29”であらわされる。
【0021】
ステップS1003において、ステップS1002のタイムスタンプ情報に基づき、そのタイムスタンプより、1秒前のタイムスタンプから、それ以降の30秒分のAV圧縮データを、HDD105から、不揮発メモリ122にコピーする。すなわち、例えば、バッファメモリA120上のAV圧縮データのタイムスタンプが“0時05分00秒00”であった場合、“0時04分59秒00”のタイムスタンプのデータパケットから、30秒分、すなわち、“0時05分29秒00”までのデータを不揮発メモリ122のデータエリアにコピーする。
このとき、不揮発メモリ122には、AV圧縮データを30秒分保存するためのメモリ容量があるとする。このメモリ容量は、AV圧縮データの転送レートをn(Mbps)とすると、n×30(Mbit)=n×30/8(Mバイト)分の容量以上が必要であり、例えば、通常のテレビ番組を録画する場合、転送レートは6Mbps程度で十分であることから、CPU101は、停止の指示を解釈し、6×30/8=22.5Mバイト程度の容量が必要である。
【0022】
次に、ステップS1004において、不揮発メモリ122にコピーされたAVデータの最後のタイムスタンプ(最終タイムスタンプ情報)を、不揮発メモリ122の設定データエリアにコピーする。すなわち、上記の例では、0時05分29秒00という最終タイムスタンプ情報をコピーする。その後、ステップS1005において、HDD105が停止する。
【0023】
次に、利用者が、停止したコンテンツの再生指示を、リモコン113を用いて送信したとする。このときの動作の流れを図4のフローチャートを用いて説明する。ステップS1101において、リモコン受信部110が受信した再生指示をCPU101が解釈すると、ステップS1102でHDD105の起動を開始する。HDD105の起動処理は、ステップS1120にておこなわれるが、この処理は、HDD105のディスクの回転が安定するまで時間がかかるため、その間に、ステップS1103以降の処理をおこなう。すなわち、ステップS1103において、不揮発メモリ122の設定データエリアに記録されている最終タイムスタンプ情報を取得する。
【0024】
次にステップS1104において、不揮発メモリ122のデータエリアから、記録されているAV圧縮データをバッファメモリB121に転送し、さらに、バッファメモリB121から、MPEG CODEC106に転送することにより、再生をおこなう。この後、ステップS1105の条件分岐で、不揮発メモリ122から、バッファメモリB121に転送されるAV圧縮データのタイムスタンプと、最終タイムスタンプ情報の比較がおこなわれるが、不揮発映像メモリには30秒分のAV圧縮データが存在するため、ステップS1104に戻り、不揮発メモリ122のデータエリアに記録されている30秒分のAV圧縮データが再生される。この間に、HDD105の起動処理(ステップS1120)がおこなわれる。
【0025】
HDD105の起動処理が完了すると、ステップS1121において、ステップS1103で取得した最終タイムスタンプ情報をもとに、HDD105にある、最終タイムスタンプを含むデータパケット以降のデータをバッファメモリA120に転送をおこなう。ステップS1105において、不揮発メモリ122から、バッファメモリB121へ転送されるAV圧縮データのタイムスタンプが、ステップS1103で取得した最終タイムスタンプに一致した場合、ステップS1106で、不揮発メモリ122から、バッファメモリB121へのAV圧縮データの転送を終了する。このとき、最終タイムスタンプ情報と一致するデータパケットは、バッファメモリB121には転送しない。
【0026】
さらに、ステップS1107においてバッファメモリB121からMPEG CODEC106へのデータ転送は継続されるが、ステップS1108の条件分岐において、バッファメモリB121からMPEG CODEC106へ転送するデータがなくなったとき、ステップS1121で実行されて、バッファメモリA120に転送されている、最終タイムスタンプを含むデータパケットから、順次MPEG CODEC107に転送され、再生が行われる(ステップS1130)。
このとき、不揮発メモリ122から、バッファメモリB121、バッファメモリA120、MPEG CODEC106に内蔵のバッファメモリ107に転送されるデータの並びを、図5を用いて説明する。図において、D1001、D1002、D1003、D1004は、不揮発メモリ122内のAV圧縮データパケットで、D1001は、0時05分28秒27フレーム目のデータパケットを意味し、同様に、D1002は、0時05分28秒28フレーム目、D1003は、0時05分28秒29フレーム目、D1004は、0時05分29秒00フレーム目のデータパケットをあらわす。
【0027】
不揮発メモリ122から、バッファメモリB121へのコピーは、図4に示すフローチャートのステップS1104で実行されるが、最終タイムスタンプ情報と一致するデータパケット(D1004)はバッファメモリB121には転送されない。
バッファメモリA120においては、図4に示すフローチャートのステップS1121において、HDD105にある、最終タイムスタンプを含むデータパケット以降のデータが転送されているので、0時05分29秒00フレーム目のデータパケットであるD1201から記録されている。
【0028】
バッファメモリB121から、MPEG CODEC106に内蔵のバッファメモリ107に順次データパケットが転送され、バッファメモリB121から、データパケットD1103が転送されると、バッファメモリB121は空になるので、図4のステップS1108でYesの判定となり、次のデータパケットは、バッファメモリA120のデータパケットD1201がMPEG CODEC106に内蔵のバッファメモリ107に順次データパケットが転送される。以降、HDD105から、バッファメモリA120を介して、MPEG CODEC106に内蔵のバッファメモリ107に順次データパケットが転送され、通常再生がおこなわれる。
【0029】
なお、上記の実施の形態1では、不揮発メモリ122を使用した例で説明したが、電池バックアップされるメモリを用いて、不揮発メモリの代替としても使用することができる。
また、バッファメモリA120、バッファメモリB121はメモリ103の中に構成することもできる。
【0030】
以上のように、本実施の形態1は、CPU101と、メモリ103と、プログラムを保存するための不揮発メモリであるプログラムROM102と、映像データを保存するための大容量記憶装置であるHDD105と、映像データの一部を保存する不揮発メモリ122と、映像データを一時保存するバッファメモリA120およびバッファメモリB121と、映像データを復号するAVデコーダ108とから構成される映像情報処理装置10であって、映像データの再生を停止する時に、停止以後の映像データをHDD105から、不揮発メモリ122にコピーする手段と、不揮発メモリ122の映像データの最終データ情報(タイムスタンプ)を記憶する手段とを備え、また、停止状態から再生状態移行時に、不揮発メモリ122の映像データをバッファメモリB121に転送する手段と、バッファメモリB121から、AVデコーダ108に映像データを転送する手段と、それと同時にHDD105から、最終データ情報以降の映像データをバッファメモリ120Aに転送する手段とを備え、最終データ情報をもちいて、AVデコーダ108に転送する映像データを、バッファメモリB121から、バッファメモリA120に変更する手段とを備えているので、再生制御の直後は、不揮発メモリ122に保存されている映像データを再生するため、再生映像を短時間で表示することができる。
【0031】
また、最終データ情報として、映像データに含まれるタイムスタンプデータを用いるようにし、並行してHDD105の初期化処理をおこない、初期化処理終了後にタイムスタンプ情報をもとに映像データを切り替えるため、切り替えがスムーズにおこなえる。
【0032】
また、映像データの再生停止時にHDD105から不揮発メモリ122にコピーする映像データは、停止位置より前の映像データを含むようにしたので、停止位置より前の映像データから再生され、停止制御時にデコーダで処理中のデータについても再生されるため、ユーザーの停止・再生操作により、再生されない映像がないように制御することができる。
【0033】
さらに、タイムスタンプを含む映像データは、不揮発メモリ122から、バッファメモリB121に転送しないようにしたので、不揮発メモリ122の最終領域にあるタイムスタンプを含む映像データを再生に使用しないため、データ不足による映像の乱れを防ぐことができる。
【0034】
また、不揮発メモリ122は、電池バックアップ可能なメモリであるので、映像情報処理装置内蔵のメモリを代用することができ、メモリを装置内で統一化することができる。
【0035】
また、映像情報処理装置10は、映像データを圧縮するAVエンコーダ109を備え、不揮発メモリ122のメモリ容量にあわせて、映像データの再生停止時にHDD105から映像データをAVエンコーダ109およびAVデコーダ108にて再圧縮して、不揮発メモリ122にコピーするようにしたので、不揮発メモリ122に記録するデータを再圧縮することで、メモリの使用量を低減することができる。
【0036】
また、映像データの再圧縮時に、圧縮率を変化させ、不揮発メモリ122に保存される映像データの最終データは、再圧縮前と同じ圧縮率であるように再圧縮をおこなうようにしたので、不揮発メモリ122からの再生状態から、HDD105からの通常再生状態に切り替えるときの、不揮発メモリ122に記録されたAV圧縮データは、通常再生状態と同じであるから、切り替えによる画質の変化を意識することが少なくなる。
【0037】
実施の形態2.
実施の形態2においては、停止指示における処理を、図6のようにおこなう。すなわち、利用者が、コンテンツの停止指示を、リモコン113を用いて送信したときの動作の流れを、図6のフローチャートを用いて説明する。なお、構成については、実施の形態1において示した図1と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
ステップS1201において、リモコン受信部110が受信した停止指示をCPU101が解釈すると、ステップS1202で、バッファメモリA120上のAV圧縮データの最初のタイムスタンプを参照する。次に、ステップS1203において、ステップS1202のタイムスタンプ情報に基づき、そのタイムスタンプより、1秒前のタイムスタンプから、それ以降の30秒分のAV圧縮データのサイズを検出する。ここで検出されたAV圧縮データのサイズと、不揮発メモリ122の容量から、AV圧縮データの再圧縮率を算出する(ステップS1204)。この再圧縮率をもとに、ステップS1205において、30秒分のAV圧縮データを、MPEG CODEC106を用いて再圧縮する。このとき、30秒分のAV圧縮データのうちの最終付近においては、圧縮率がもとのAV圧縮データと同じになるように再圧縮する。
【0038】
これをわかりやすく説明する。
例えば、タイムスタンプ情報が0時05分00秒00としたときの不揮発メモリ122に記録される30秒分のAV再圧縮データの最終は、0時05分29秒付近のデータになる。この付近のデータの圧縮率の変化は、図7のようになる。
【0039】
図7において、D2001、D2002、D2003、D2004は、不揮発メモリ122内のAV再圧縮データのかたまりで、D2001は、0時05分26秒台のデータのかたまりを意味し、同様に、D2002は、0時05分27秒台、D2003は、0時05分28秒台、D2004は、0時05分29秒00フレーム目のデータパケットをあらわす。
ここで、データの圧縮率をレベルA、B、Cの3段階とし、レベルAが低圧縮、順に、B、Cと高圧縮されているとし、再圧縮される前のAV圧縮データ、すなわち、HDD105に記録されているAV圧縮データの圧縮率をレベルAとする。この場合、30秒分のAV圧縮データのうちの最終付近においては、圧縮率がもとのAV圧縮データと同じになるように再圧縮するために、0時05分26秒台(D2001)では、高圧縮なレベルC、0時05分27秒台(D2002)では、若干圧縮率を落としレベルB、0時05分28秒台(D2003)では、再圧縮される前のAV圧縮データと同じ圧縮レベルのレベルAにする。
【0040】
次に、図6のステップS1206において、不揮発メモリ122にコピーされたAVデータの最後のタイムスタンプ(最終タイムスタンプ情報)を、不揮発メモリ122の設定データエリアにコピーする。すなわち、上記の例では、0時05分29秒00という最終タイムスタンプ情報をコピーする。その後、ステップS1207において、HDD105が停止する。
【0041】
次に、利用者が、停止したコンテンツの再生指示を、リモコン113を用いて送信したとする。このときの動作は実施の形態1と同様であるため省略する。
【0042】
これにより、不揮発メモリ122から再生しているときはメモリの有効利用のため若干の画質劣化があるが、HDD105からのAV圧縮データに切り替わるときは、段階的に圧縮率を変更するように構成しているため、画質の変化が違和感なく再生することができる。
【0043】
以上のように、本実施の形態2によれば、映像情報処理装置10は、映像データを圧縮するAVエンコーダ109を備え、不揮発メモリ122のメモリ容量にあわせて、映像データの再生停止時にHDD105から映像データをAVエンコーダ109およびAVデコーダ108にて再圧縮して、不揮発メモリ122にコピーするようにしたので、不揮発メモリ122に記録するデータを再圧縮することで、メモリ103の使用量を低減することができる。
【0044】
また、映像データの再圧縮時に、圧縮率を変化させ、不揮発メモリ122に保存される映像データの最終データは、再圧縮前と同じ圧縮率であるように再圧縮をおこなうようにしたので、不揮発メモリ122からの再生状態から、HDD105などからの通常再生状態に切り替えるときの、不揮発映像メモリに記録されたAV圧縮データは、通常再生状態と同じであるから、切り替えによる画質の変化を意識することが少なくなる。
【0045】
実施の形態3.
図8は、この発明の実施の形態3である映像情報処理装置10を説明する図であり、ここでは、ネットワーク接続されたコンテンツサーバーから、コンテンツをダウンロードし、再生をおこなう映像情報処理装置を例にして説明する。
【0046】
図8において、図1と同じ番号を付しているものについては、実施の形態1での説明と同じ機能を有しており、説明を省略する。図において、201は、ネットワークコントローラであり、202はネットワークインターフェース(I/F)である。220はネットワーク網である。210は映像サーバーであり、コンテンツデータの記録、配信をおこなう。コンテンツデータはMPEG準拠で圧縮されたAV圧縮データである。ネットワークコントローラ201はCPU101の制御に基づき、ネットワークI/F202に接続されている映像サーバー210へ制御信号を送信したり、コンテンツを受信する。
【0047】
次に映像サーバー210に記録されているコンテンツデータ(AV圧縮データ)をモニタ・スピーカ111で再生するときの動作を説明する。利用者は、リモコン113を用いて、コンテンツを選択し、再生の指示をおこなう。CPU101はリモコン受信部110からの信号で、制御内容を解釈し、ネットワークコントローラ201、ネットワークI/F202を介し、ネットワーク網220を介して、映像サーバー210から、所望のコンテンツを出力するように指示する。映像サーバー210は、指示されたコンテンツを、映像情報処理装置10に対して配信をおこなう。コンテンツは、映像サーバー210から、ネットワーク網220、ネットワークI/F202、ネットワークコントローラ201を介して、バッファメモリA120に転送される。
【0048】
バッファメモリA120に転送されたAV圧縮データは、順次、パケット単位でMPEG CODEC106のバッファメモリ107に転送され、MPEG CODEC106で伸長される。さらにAVデータとしてAVデコーダ108に転送され、AVデコーダ108にて、映像・音声信号に変換され、モニタ・スピーカ111にて、利用者が選択したコンテンツが表示・再生される。
【0049】
図9は、この再生中のデータの流れであり、映像サーバー210に記録されているコンテンツデータ(AV圧縮データ)は、映像サーバー210から、ネットワーク網220、ネットワークI/F202、ネットワークコントローラ201、バッファメモリA120、MPEG CODEC内バッファメモリ107、MPEG CODEC106、AVデコーダ108に転送され、モニタ・スピーカ111で再生される。
【0050】
ここで、利用者が、コンテンツの停止指示を、リモコン113を用いて送信したとする。このときの動作の流れを、図10のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1401において、リモコン受信部110が受信した停止指示をCPU101が解釈すると、ステップS1402で、バッファメモリA120上のAV圧縮データの最初のタイムスタンプを参照する。
【0051】
ステップS1403において、映像情報処理装置10から、映像サーバー210に所望のコンテンツを再生するように指示をし、コンテンツが映像情報処理装置10のバッファメモリA120に転送されるまでの時間、すなわち、再生制御応答時間を測定する。
【0052】
この再生制御応答時間と、ステップS1402のタイムスタンプ情報に基づき、そのタイムスタンプより、1秒前のタイムスタンプから、それ以降、再生制御応答時間分以上のAV圧縮データのサイズを算出する。例えば、タイムスタンプ情報が0時05分00秒00とし、再生制御応答時間が、3秒であれば、3秒以上、例えば、ゆとりを持って倍の6秒分のAV圧縮データのサイズを算出する(ステップS1404)。さらに、不揮発メモリ122の容量から、AV圧縮データの再圧縮率を算出する(ステップS1405)。この再圧縮率をもとに、ステップS1406において、6秒分のAV圧縮データを、MPEG CODEC106を用いて再圧縮する。このとき、6秒分のAV圧縮データのうちの最終付近においては、実施の形態2で説明したように、圧縮率がもとのAV圧縮データと同じになるように再圧縮する。
【0053】
次に、ステップS1407において、不揮発メモリ122にコピーされたAVデータの最後のタイムスタンプ(最終タイムスタンプ情報)を、不揮発メモリ122の設定データエリアにコピーする。すなわち、上記の例では、タイムスタンプ情報が0時05分00秒00で、1秒さかのぼり、6秒分であるから、0時05分05秒00という最終タイムスタンプ情報をコピーする。
【0054】
次に、利用者が、停止したコンテンツの再生指示を、リモコン113を用いて送信したとする。このときの動作は、上記の実施の形態1におけるHDD105を映像サーバー210に置き換えたものであるため、説明を省略する。
【0055】
これにより、不揮発メモリ122から再生しているときはメモリの有効利用のため若干の画質劣化があるが、映像サーバー210からのAV圧縮データに切り替わるときは、段階的に圧縮率を変更するように構成しているため、画質の変化が違和感なく再生することができる。
【0056】
以上のように、本実施の形態3は、CPU101と、メモリ103と、プログラムを保存するための不揮発メモリであるプログラムROM102と、ネットワーク220に接続された映像サーバー210より、映像データを取得するネットワークインターフェース202およびネットワークコントローラ201と、映像データの一部を保存する不揮発メモリ122と、映像データを一時保存するバッファメモリA120およびバッファメモリB121と、映像データを復号するAVデコーダ108で構成される映像情報処理装置であって、映像データの再生を停止する時に、停止以後の映像データを映像サーバー210から、ネットワーク220を介して、不揮発メモリ122にコピーする手段と、不揮発メモリ122の映像データの最終データ情報(タイムスタンプ)を記憶する手段とを備え、また、停止状態から再生状態移行時に、不揮発メモリ122の映像データを、バッファメモリB121に転送する手段と、バッファメモリB121から、AVデコーダ108に映像データを転送する手段と、それと同時に映像サーバー210から、ネットワーク220を介して、最終データ情報以降の映像データをバッファメモリB121に転送する手段とを備え、最終データ情報をもちいて、AVデコーダ108に転送する映像データを、バッファメモリB121から、バッファメモリA120に変更する手段とを備えているので、再生制御の直後は、不揮発メモリ122に保存されている映像データを再生するため、再生映像を短時間で表示することができる。
【0057】
また、最終データ情報として、映像データに含まれるタイムスタンプデータを用いるようにしたので、並行して映像サーバー210の初期化処理をおこない、初期化処理終了後にタイムスタンプ情報をもとに映像データを切り替えるため、切り替えがスムーズにおこなえる。
【0058】
また、映像データの再生停止時に映像サーバー210から不揮発メモリ122にコピーする映像データは、停止位置より前の映像データを含むようにしたので、停止位置より前の映像データから再生されるため、停止制御時にAVデコーダ108で処理中のデータについても再生されるため、ユーザーの停止・再生操作により、再生されない映像がないように制御することができる。
【0059】
また、最終データ情報を含む映像データは、不揮発メモリ122から、バッファメモリB121に転送しないようにして、不揮発メモリ122の最終領域にある最終データ情報を含む映像データを再生に使用しないため、データ不足による映像の乱れを防ぐことができる。
【0060】
また、電池バックアップのメモリを不揮発メモリ122として使用することで、映像情報処理装置内蔵のメモリを代用することができ、メモリを装置内で統一化することができる。
【0061】
さらに、ネットワーク220に接続された映像サーバー210に映像データを送出するように制御し、所望の映像データがバッファメモリA120に転送されるまでの再生制御応答時間を算出する手段を備え、再生制御応答時間にもとづき、不揮発メモリ122に転送する映像データサイズを指定するようにしたので、ネットワーク220に接続された映像サーバー210の応答速度にあわせて不揮発メモリ122に保存する映像データサイズを決定するため、不揮発メモリ122を有効に使用することができる。
【0062】
また、映像情報処理装置10は、映像データを圧縮するAVエンコーダ109を備え、不揮発メモリ122のメモリ容量、および、再生制御応答時間にもとづき、映像データの再生停止時に映像サーバー210から映像データをAVエンコーダ109およびAVデコーダ108にて再圧縮して、不揮発メモリ122にコピーするようにしたので、不揮発メモリ122に記録するデータを再圧縮することで、メモリ103の使用量を低減することができる。
【0063】
また、映像データの再圧縮時に、圧縮率を変化させ、不揮発メモリ122に保存される映像データの最終データは、再圧縮前と同じ圧縮率であるように再圧縮をおこなうようにしたので、不揮発メモリ122からの再生状態から、ネットワーク接続された映像サーバー210などからの通常再生状態に切り替えるときの、不揮発メモリ122に記録されたAV圧縮データは、通常再生状態と同じであるから、切り替えによる画質の変化を意識することが少なくなる。
【0064】
実施の形態4.
図11は、この発明の実施の形態4である映像情報処理装置10を説明する図であり、ここでは、IEEE1394ネットワーク303に接続されたデジタルビデオデッキ(DVHS)の映像を再生するテレビ装置を例にして説明する。
【0065】
図11において、図1と同じ番号を付しているものについては、実施の形態1での説明と同じ機能を有しており、説明を省略する。図において、320はチューナーであり、テレビ放送112を受信し、AV圧縮データを出力し、そのAV圧縮データは、MPEG CODEC107によりデコードされ、AVデコーダ108を介して、モニタ・スピーカ111で再生される。すなわち、映像情報処理装置10はテレビとしても動作することが可能である。
【0066】
301は、IEEE1394コントローラであり、302はIEEE1394インターフェース(I/F)であり、303はIEEE1394ネットワークである。IEEE1394は、テレビやDVHS、デジタルビデオカメラに使用されるAV機器用ネットワークシステムであり、機器の制御信号や、MPEG圧縮されたAV圧縮データを伝送することが可能である。また、310はDVHSデッキであり、映像情報処理装置10の指示に基づき、DVHSテープに記録されたコンテンツ(AV圧縮データ)をIEEE1394ネットワーク303を介して、映像情報処理装置10に送信する。IEEE1394コントローラ301はCPU101の制御に基づき、IEEE1394I/F302に接続されているDVHSデッキ310へ制御信号を送信したり、コンテンツを受信する。
【0067】
次にDVHSデッキ310に記録されているコンテンツをモニタ・スピーカ111で再生するときの動作を説明する。利用者は、リモコン113を用いて、DVHS内のコンテンツ再生の指示をおこなう。CPU101はリモコン受信部110からの信号で、制御内容を解釈し、IEEE1394コントローラ301およびIEEE1394I/F302を介し、IEEE1394ネットワーク303経由でDVHSデッキ310にセットされているDVHSテープに記録されているコンテンツを出力するように指示する。DVHSデッキ310は、DVHSテープに記録されているコンテンツを、映像情報処理装置10に対して送信する動作をおこなう。コンテンツは、DVHSデッキ310から、IEEE1394ネットワーク303、IEEE1394I/F302、IEEE1394コントローラ301を介して、バッファメモリA120に転送される。
【0068】
バッファメモリA120に転送されたコンテンツ(AV圧縮データ)は、順次、パケット単位でMPEG CODEC106のバッファメモリ107に転送され、MPEG CODEC106で伸長される。さらにAVデータとしてAVデコーダ108に転送され、AVデコーダ108にて、映像・音声信号に変換され、モニタ・スピーカ111にて、利用者が選択したコンテンツが表示・再生される。
【0069】
図12は、この再生中のデータの流れであり、DVHSデッキ310に記録されているコンテンツは、DVHSデッキ310から、IEEE1394ネットワーク303、IEEE1394I/F302、IEEE1394コントローラ301、バッファメモリA120、MPEG CODEC内バッファメモリ107、MPEG CODEC106、AVデコーダ108に転送され、モニタ・スピーカ111で再生される。
【0070】
ここで、利用者が、コンテンツの停止指示を、リモコン113を用いて送信したとする。このときの動作の流れを、図13のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS1601において、リモコン受信部110によって受信された停止指示をCPU101が解釈すると、ステップS1602で、バッファメモリA120上のAV圧縮データの最初のタイムスタンプを参照する。
【0071】
次に、ステップS1603において、映像情報処理装置10から、DVHSデッキ310にコンテンツ再生の停止をおこなうように指示し、DVHSデッキ310が停止処理を完了するまでの時間、すなわち、停止制御応答時間を測定する。次に、ステップS1604において、映像情報処理装置10から、DVHSデッキ310にコンテンツを再生するように指示し、コンテンツが映像情報処理装置10のバッファメモリA120に転送されるまでの時間、すなわち、再生制御応答時間を測定する。
【0072】
さらに、ステップS1605において、映像情報処理装置10から、DVHSデッキ310にコンテンツ再生の一時停止をおこなうように指示し、DVHSデッキ310が一時停止処理を完了するまでの時間、すなわち、一時停止移行制御応答時間、および、DVHSデッキ310にコンテンツ一時停止状態から再生するように指示し、DVHSデッキ310が一時停止状態から再生処理を開始し、コンテンツが映像情報処理装置10のバッファメモリA120に転送されるまでの時間、すなわち、一時停止復旧応答時間を測定する。
【0073】
この再生制御応答時間と、停止制御応答時間、一時停止移行制御応答時間と一時停止復旧応答時間、および、ステップS1602のタイムスタンプ情報に基づき、そのタイムスタンプより、1秒前のタイムスタンプから、それ以降、再生制御応答時間分以上のAV圧縮データのサイズを算出する。例えば、タイムスタンプ情報を0時05分00秒00とし、再生制御応答時間、停止制御応答時間、一時停止移行制御応答時間、一時停止復旧応答時間の合計が5秒としたとき、例えば、ゆとりを持って3倍の15秒分のAV圧縮データのサイズを算出する(ステップS1606)。さらに、不揮発メモリ122の容量から、AV圧縮データの再圧縮率を算出する(ステップS1607)。この再圧縮率をもとに、ステップS1608において、10秒分のAV圧縮データを、MPEG CODEC106を用いて再圧縮する。このとき、10秒分のAV圧縮データのうちの最終付近においては、実施の形態2で説明したように、圧縮率がもとのAV圧縮データと同じになるように再圧縮する。
【0074】
次に、ステップS1609において、不揮発メモリ122にコピーされたAVデータの最後のタイムスタンプ(最終タイムスタンプ情報)を、不揮発メモリ122の設定データエリアにコピーする。すなわち、上記の例では、タイムスタンプ情報が0時05分00秒00で、1秒さかのぼり、15秒分であるから、0時05分14秒00という最終タイムスタンプ情報をコピーする。
【0075】
次に、ステップS1610で、DVHSデッキ310に対して、DVHSテープをタイムスタンプ情報に再生制御応答時間を加えた時間まで巻き戻して停止する。すなわち、例えば、タイムスタンプ情報が0時05分00秒00で、再生制御応答時間を5秒とした場合、DVHSテープは、0時05分05秒00まで巻き戻し、停止する。
【0076】
次に、利用者が、停止したコンテンツの再生指示を、リモコン113を用いて送信したとする。このときの動作の流れを、図14を用いて説明する。ステップS1701において、再生指示を解釈すると、ステップS1702でDVHSデッキ310に再生指示を送信する。DVHSデッキ310の再生処理は、ステップS1750にておこなわれるが、この処理は、停止処理で測定した再生制御応答時間だけ要するため、その間に、ステップS1703以降の処理をおこなう。すなわち、ステップS1703において、不揮発メモリ122の設定データエリアに記録されている最終タイムスタンプ情報を取得する。
【0077】
次にステップS1704において、不揮発メモリ122のデータエリアから、記録されているAV圧縮データをバッファメモリB121に転送し、さらに、バッファメモリB121から、MPEG CODEC106に転送することにより、再生をおこなう。この後、ステップS1705の条件分岐で、後述のステップS1752でおこなわれる同期処理が終了するまで、ステップS1704に戻り、不揮発メモリ122のデータエリアに記録されているAV圧縮データが再生される。この間に、DVHSデッキ310からバッファメモリAにコンテンツの転送がおこなわれ(ステップS1751)、同期処理(ステップS1752)がおこなわれ、同期処理ステップS1752が完了すると、切り替え処理ステップS1710がおこなわれ、ステップS1711で、通常再生がおこなわれる。
【0078】
同期処理ステップS1752の処理を図15を用いて説明する。
ステップS1801にて、同期処理がスタートし、ステップS1802で、バッファメモリB121と、バッファメモリA120に入力される最新のデータパケットのタイムスタンプを比較する。ここで、バッファメモリB121へは、不揮発メモリ122からのAV圧縮データが、バッファメモリA120には、DVHSデッキ310からのAV圧縮データが転送される。ステップS1803にて、バッファメモリB121のタイムスタンプが、バッファメモリA120より進んでいる場合には、DVHSデッキ310からのデータが遅れているので、ステップS1805にて、遅れている秒数分、早送りをし、ステップS1802に戻る。ここで、進んでいるという判断は、バッファメモリA120、バッファメモリB121に蓄えることができるデータの秒数から算出される閾値以上に進んでいるかどうかで判断する。すなわち、例えば、バッファメモリA120、バッファメモリB121にそれぞれ5秒分のデータが蓄えられるとし、その40%以上、すなわち、2秒以上進んでいたら、バッファメモリB121が進んでいると判断する。
【0079】
これを、図16を用いて説明する。
図16は、バッファメモリA120、バッファメモリB121に入力されているデータパケットの列で、バッファメモリB121では、D3001の“1”から順にデータが入力され、D3008の“8”がバッファメモリに入力された最新データをあらわす。バッファメモリA120では、D3101の“1”から順にデータが入力され、D3104の“4”がバッファメモリに入力された最新データをあらわす。最新データを比較すると、D3008とD3104の比較となり、バッファメモリB121のほうが進んでいる。
【0080】
ステップS1803にて、バッファメモリの40%以上進んでいないと判断した場合、ステップS1804にてバッファメモリB121がバッファメモリA120より遅れているか判断する。遅れていると判断した場合、ステップS1806にて、閾値以上に遅れているかどうかで判断する。この閾値は、停止時の処理で測定した、停止制御応答時間と再生制御応答時間の和で決められる。すなわち、停止制御応答時間と再生制御応答時間の和以上に、DVHSデッキ310からのAV圧縮データが進んでいる場合には、ステップS1808にて、DVHSデッキ310の停止、再生処理をおこない、ステップS1802に戻る。ステップS1806で、閾値以下である場合には、一時停止処理をおこない、停止時の処理で測定した、一時停止移行時間、一時停止復旧時間をもとに、一時停止処理をおこない、ステップS1802に戻る。
【0081】
ステップS1804にて、遅れていない、すなわち、バッファメモリB121の進み具合がバッファメモリA120、バッファメモリB121に蓄えることができるデータの秒数から算出される閾値の範囲内(上記の例では40%以下)であるとき、同期完了(ステップS1809)とする。
すなわち、同期完了時点では、バッファメモリB121のデータのほうが、バッファメモリA120より、バッファメモリ総容量の40%以下の差以内で進んでいる。
【0082】
図14のフローチャートにおけるステップS1710の切り替え処理を、図17を用いて説明する。図17は、同期完了時点での、バッファメモリA120、バッファメモリB121に入力されているデータパケットの列で、バッファメモリB121のデータは、バッファメモリA120のデータより、バッファメモリの40%以内の範囲で進んでいる。
【0083】
DVHSテープの再生画像は、停止状態や、一時停止状態から、再生を開始したときの直後の画像は、DVHSが安定して動作していないために、画像が乱れることがある。それを防ぐため、DVHSからのバッファメモリA120の画像は、再生開始直後の数秒間、例えば、2秒間のデータを使用せず、そのまま破棄する。図17の例では、バッファメモリA120のD3111の“11”とD3112の“12”を破棄し、その後のデータパケットの区切り(例えば、タイムスタンプの区切り)を切り替えポイントにし、バッファメモリB121から、バッファめもりA120に切り替える。このとき、バッファメモリB121のほうが進み、バッファメモリA120のほうが遅れているので、バッファメモリA120にたまっているAV圧縮データ量は、バッファメモリB121より少ない。すなわち、切り替え後にDVHSデッキ310からのデータの再生時に使用するバッファメモリを少なくすることができ、バッファメモリA120を動的に確保している場合、メモリを開放することで、他のプログラム等に使用することができる。
【0084】
以上のように、本実施の形態4は、CPU101と、メモリ103と、プログラムを保存するための不揮発メモリであるプログラムROM102と、IEEE1394ネットワーク303に接続されたシーケンシャルアクセスが可能な映像配信機器であるDVHSデッキ310より、映像データを取得するネットワーク装置であるIEEE1394I/F302及びIEEE1394コントローラ301と、映像データの一部を保存する不揮発メモリ122と、映像データを一時保存するバッファメモリA120およびバッファメモリB121と、映像データを復号するAVデコーダ108とから構成される映像情報処理装置10であって、映像データの再生を停止する時に、停止以後の映像データをDVHSデッキ310から、IEEE1394ネットワーク303を介して、不揮発メモリ122にコピーする手段と、不揮発メモリ122の映像データの最終データ情報(タイムスタンプ)を記憶する手段とを備え、また、停止状態から再生状態移行時に、不揮発メモリ122の映像データを、バッファメモリB121に転送する手段と、バッファメモリB121から、AVデコーダ108に映像データを転送する手段と、それと同時にDVHSデッキ310から、IEEE1394ネットワーク303を介して、最終データ情報以降の映像データをバッファメモリA120に転送する手段とを備え、最終データ情報をもとに、AVデコーダ108に転送する映像データを、バッファメモリB121から、バッファメモリA120に変更する手段とを備えているので、再生制御の直後は、不揮発メモリ122に保存されている映像データを再生するため、再生映像を短時間で表示することができる。
【0085】
また、最終データ情報として、映像データに含まれるタイムスタンプデータを用いるようにしたので、並行して、DVHSデッキ310の初期化処理をおこない、初期化処理終了後にタイムスタンプ情報をもとに映像データを切り替えるため、切り替えがスムーズにおこなえる。
【0086】
また、映像データの再生停止時に、DVHSデッキ310から不揮発メモリ122にコピーする映像データは、停止位置より前の映像データを含むようにしたので、停止位置より前の映像データから再生されるため、停止制御時にデコーダで処理中のデータについても再生されるため、ユーザーの停止・再生操作により、再生されない映像がないように制御することができる。
【0087】
また、最終データ情報を含む映像データは、不揮発メモリ122から、バッファメモリB121に転送しないようにしたので、不揮発メモリ122の最終領域にある最終データ情報を含む映像データを再生に使用しないため、データ不足による映像の乱れを防ぐことができる。
【0088】
さらに、不揮発メモリ122は、電池バックアップ可能なメモリであるので、電池バックアップのメモリを不揮発映像メモリとして使用することで、映像情報処理装置10内蔵のメモリを代用することができ、メモリを装置内で統一化することができる。
【0089】
また、IEEE1394ネットワーク303に接続されたDVHSデッキ310に映像データを送出するように制御し、所望の映像データがバッファメモリA120に転送されるまでの再生制御応答時間を算出する手段を備え、再生制御応答時間にもとづき、不揮発メモリ122に転送する映像データサイズを指定するようにしたので、ネットワークに接続されたDVHSデッキ310の応答速度にあわせて不揮発メモリ122に保存する映像データサイズを決定するため、不揮発メモリ122を有効に使用することができる。
【0090】
また、映像情報処理装置10は、映像データを圧縮するMPEG CODEC106を備え、不揮発メモリ122のメモリ容量、および、再生制御応答時間にもとづき、映像データの再生停止時にDVHSデッキ310から映像データをMPEG CODEC106およびAVデコーダ108にて再圧縮して、不揮発メモリ122にコピーするようにしたので、不揮発メモリ122に記録するデータを再圧縮することで、メモリの使用量を低減することができる。
【0091】
さらに、映像データの再圧縮時に、圧縮率を変化させ、不揮発メモリ122に保存される映像データの最終データは、再圧縮前と同じ圧縮率であるように再圧縮をおこなうようにしたので、不揮発メモリ122からの再生状態から、DVHSデッキ310などからの通常再生状態に切り替えるときの、不揮発メモリ122に記録されたAV圧縮データは、通常再生状態と同じであるから、切り替えによる画質の変化を意識することが少なくなる。
【0092】
また、バッファメモリB121と、バッファメモリA120にそれぞれ一時保存される映像データのタイムスタンプが同じものでかつ同時期に含まれるように、DVHS310からの映像データ送信を制御する手段と、バッファメモリB121とバッファメモリA120にそれぞれ一時保存される映像データのタイムスタンプが同じものでかつ同時期に含まれたときに、AVデコーダ108に送信する映像データを、バッファメモリB121から、バッファメモリA120に切り替えるようにしたので、シーケンシャルアクセスのみ可能なDVHS310に対して、バッファ内に同じタイムスタンプのデータが含まれるようにDVHS310を制御し、バッファメモリの切り替えをするため、シーケンシャルアクセスの映像は新装置に対しても、違和感のない再生画像が得られる。
【0093】
また、バッファメモリB121とバッファメモリA120にそれぞれ一時保存される映像データのタイムスタンプが同じものでかつ同時期に含まれるときに、バッファメモリB121の使用量が少なくなるように、DVHS310からの映像データ送信を制御するようにしたので、切り替え時にバッファメモリに一時記録されているDVHSデッキ310からのデータが、不揮発メモリ122からのデータより少なくなるようにするため、切り替え後の映像配信装置からのバッファメモリを少なく抑えることができる。
【0094】
さらに、バッファメモリB121とバッファメモリA120にそれぞれ一時保存される映像データのタイムスタンプが同じものでかつ同時期に含まれるよう制御された後、バッファメモリA120から映像データを一定期間破棄し、その後、AVデコーダ108に送信する映像データを、バッファメモリB121からバッファメモリA120に切り替えるようにしたので、DVHSデッキ310からのデータを一定期間破棄することで、シーケンシャルアクセスのみ可能な映像配信装置で、再生開始直後にみられる映像の乱れを除去することができる。
【0095】
また、DVHSデッキ310からの映像データ送信制御を、映像配信機器への、再生、停止、一時停止、早送りの制御を用いておこなうようにしたので、同期処理をDVHSデッキ310への一般的な制御でおこなうことができるので、従来の映像配信機器においても、適用することができる。
【0096】
また、IEEE1394ネットワーク303に接続された再生状態のDVHS310に映像データの送出を停止するように制御し、バッファメモリA120への映像データの転送が停止するまでの停止制御応答時間を算出する手段と、IEEE1394ネットワーク303に接続されたDVHSデッキ310に映像データを送出するように制御し、所望の映像データがバッファメモリA120に転送されるまでの再生制御応答時間を算出する手段を備え、IEEE1394ネットワーク303に接続された再生状態のDVHSデッキ310に映像データの送出を一時停止するように制御し、バッファメモリA120への映像データの転送が停止するまでの一時停止制御応答時間を算出する手段と、IEEE1394ネットワーク303に接続された一時停止状態のDVHS310に、映像データの送出をおこなうように制御し、バッファメモリA120への映像データが転送されるまでの一時停止復旧応答時間を算出する手段とを備え、再生制御応答時間と、停止制御応答時間と、一時停止制御応答時間と、一時停止復旧応答時間をもとに、DVHSデッキ303への再生、停止、一時停止、早送りの制御をおこなうことで、バッファメモリB121と、バッファメモリA120にそれぞれ一時保存される映像データのタイムスタンプが同じものでかつ同時期に含まれるよう制御するようにしたので、同期処理をDVHSデッキ310への一般的な制御でおこなうことができるので、従来の映像配信機器においても、適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】この発明の実施の形態1に係る映像情報処理装置の構成を示した構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る映像情報処理装置における、再生中のデータの流れを説明する説明図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る映像情報処理装置における、停止処理の動作を説明するフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態1に係る映像情報処理装置における、再生処理の動作を説明するフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1に係る映像情報処理装置における、不揮発メモリ122から、バッファメモリB121、バッファメモリA120、MPEG CODEC106に内蔵のバッファメモリ107に転送されるデータの並びを説明する説明図である。
【図6】この発明の実施の形態2に係る映像情報処理装置における、停止処理の動作を説明するフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態2に係る映像情報処理装置における、データの圧縮率を説明する説明図である。
【図8】この発明の実施の形態3に係る映像情報処理装置の構成を示した構成図である。
【図9】この発明の実施の形態3に係る映像情報処理装置における、再生中のデータの流れを説明する説明図である。
【図10】この発明の実施の形態3に係る映像情報処理装置における、停止処理の動作を説明するフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態4に係る映像情報処理装置の構成を示した構成図である。
【図12】この発明の実施の形態4に係る映像情報処理装置における、再生中のデータの流れを説明する説明図である。
【図13】この発明の実施の形態4に係る映像情報処理装置における、停止処理の動作を説明するフローチャートである。
【図14】この発明の実施の形態4に係る映像情報処理装置における、再生処理の動作を説明するフローチャートである。
【図15】この発明の実施の形態4に係る映像情報処理装置における、同期処理の動作を説明するフローチャートである。
【図16】この発明の実施の形態4に係る映像情報処理装置における、バッファメモリB121、バッファメモリA120のデータの並びを説明する説明図である。
【図17】この発明の実施の形態4に係る映像情報処理装置における、切り替えポイントを説明する説明図である。
【符号の説明】
【0098】
101 CPU、102 プログラムROM、103 メモリ、104 HDDコントローラ、105 HDD、106 MPEG CODEC、107 バッファメモリ、108 AVデコーダ、109 AVエンコーダ、110 リモコン受信部、111 モニタ・スピーカ、112 テレビ放送、113 リモコン、120 バッファメモリA、121 バッファメモリB、122 不揮発メモリ、201 ネットワークコントローラ、202 ネットワークI/F、210 映像サーバー、220 ネットワーク、301 IEEE1394コントローラ、302 IEEE1394I/F、310 DVHSデッキ、303 IEEE1394ネットワーク、320 チューナー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CPUと、メモリと、前記CPUの動作プログラムを保存するための不揮発メモリと、映像データを保存するための大容量記憶装置と、前記映像データの一部を保存する不揮発映像メモリと、前記映像データを一時保存する第1のバッファメモリおよび第2のバッファメモリと、前記映像データを復号するデコーダとを備えた映像情報処理装置であって、
前記映像データの再生を停止するための停止指示信号を受信した時に、それ以後の映像データを予め設定された第1の所定量分だけ前記大容量記憶装置から前記不揮発映像メモリにコピーするコピー手段と、
コピーされた前記第1の所定量分の前記不揮発映像メモリの映像データのうちの最終の映像データを識別するための最終データ情報を記憶する最終データ記憶手段と、
前記停止指示信号に従って再生を停止した前記映像データを再生するための再生指示信号を受信した時に、前記不揮発映像メモリの映像データを前記第1のバッファメモリに転送する第1の転送手段と、
前記第1のバッファメモリに転送された前記映像データを、前記第1のバッファメモリから前記デコーダに転送する第2の転送手段と、
前記第2の転送手段による前記デコーダへの転送と同時に、前記最終データ情報に基づいてそれ以降の映像データを前記大容量記憶装置から前記第2のバッファメモリに転送する第3の転送手段と、
前記最終データ情報に基づいて、前記第2の転送手段が前記第1のバッファメモリに記憶された最終の映像データまでを前記デコーダに転送したことを検知する検知手段と、
前記検知手段が検知したときに、前記第2の転送手段による前記デコーダへの転送を停止させて、前記第2のバッファメモリに記憶された前記映像データを、前記第2のバッファメモリから前記デコーダに転送する第4の転送手段と
を備えたことを特徴とする映像情報処理装置。
【請求項2】
前記最終データ情報は、前記映像データに含まれるタイムスタンプデータであることを特徴とする請求項1に記載の映像情報処理装置。
【請求項3】
前記映像データの再生停止時に前記コピー手段により前記不揮発映像メモリにコピーされる前記映像データは、停止位置より予め設定された第2の所定量分だけ前の映像データを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の映像情報処理装置。
【請求項4】
前記第1の転送手段は、前記最終データ情報を含む映像データは前記不揮発映像メモリから前記第1のバッファメモリに転送しないことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項5】
前記不揮発映像メモリは、電池バックアップ可能なメモリから構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項6】
前記映像データを圧縮するエンコーダをさらに備え、
前記映像データの再生停止時に前記大容量記憶装置から前記コピー手段によりコピーされる前記映像データは、前記不揮発映像メモリのメモリ容量にあわせて前記エンコーダおよび前記デコーダにて再圧縮されて、前記不揮発映像メモリにコピーされる
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項7】
前記映像データの再圧縮時に、圧縮率を変化させ、前記不揮発映像メモリに保存される映像データの最終データが再圧縮前と同じ圧縮率になるように再圧縮をおこなうことを特徴とする請求項6に記載の映像情報処理装置。
【請求項8】
CPUと、メモリと、前記CPUの動作プログラムを保存するための不揮発メモリと、ネットワークに接続された映像サーバーより映像データを取得するネットワーク装置と、前記映像データの一部を保存する不揮発映像メモリと、前記映像データを一時保存する第1のバッファメモリおよび第2のバッファメモリと、前記映像データを復号するデコーダとを備えた映像情報処理装置であって、
前記映像データの再生を停止するための停止指示信号を受信した時に、それ以後の映像データを予め設定された第1の所定量分だけ前記映像サーバーから前記ネットワークを介して前記不揮発映像メモリにコピーするコピー手段と、
コピーされた前記第1の所定量分の前記不揮発映像メモリの映像データのうちの最終の映像データを識別するための最終データ情報を記憶する最終データ情報記憶手段と、
前記停止指示信号に従って再生を停止した前記映像データを再生するための再生指示信号を受信した時に、前記不揮発映像メモリの映像データを前記第1のバッファメモリに転送する第1の転送手段と、
前記第1のバッファメモリに転送された前記映像データを、前記第1のバッファメモリから前記デコーダに転送する第2の転送手段と、
前記第2の転送手段による前記デコーダへの転送と同時に、前記最終データ情報に基づいてそれ以降の映像データを前記映像サーバーから前記ネットワークを介して前記第2のバッファメモリに転送する第3の転送手段と、
前記最終データ情報をもちいて、前記第2の転送手段が前記第1のバッファメモリに記憶された最終の映像データまでを前記デコーダに転送したことを検知する検知手段と、
前記検知手段による検知に従って、前記第2の転送手段による前記デコーダへの転送を停止させて、前記第2のバッファメモリに記憶された前記映像データを、前記第2のバッファメモリから前記デコーダに転送する第4の転送手段と
を備えたことを特徴とする映像情報処理装置。
【請求項9】
前記最終データ情報は、映像データに含まれるタイムスタンプデータであることを特徴とする請求項8に記載の映像情報処理装置。
【請求項10】
前記映像データの再生停止時に前記コピー手段により前記映像サーバーから前記不揮発映像メモリにコピーされる映像データは、停止位置より予め設定された第2の所定量分だけ前の映像データを含むことを特徴とする請求項8または9に記載の映像情報処理装置。
【請求項11】
前記第1の転送手段は、前記最終データ情報を含む映像データは前記不揮発映像メモリから前記第1のバッファメモリに転送しないことを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項12】
前記不揮発映像メモリは、電池バックアップ可能なメモリから構成されていることを特徴とする請求項8ないし11のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項13】
前記ネットワークに接続された映像サーバーに映像データを送出するように制御し、所望の映像データが前記第2のバッファメモリに転送されるまでの再生制御応答時間を算出する応答時間算出手段を備え、
前記再生制御応答時間にもとづき、前記不揮発映像メモリに転送する映像データサイズを指定することを特徴とする請求項8ないし12のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項14】
前記映像データを圧縮するエンコーダをさらに備え、
前記映像データの再生停止時に前記映像サーバーから前記コピー手段によりコピーされる前記映像データは、前記不揮発映像メモリのメモリ容量、および、前記再生制御応答時間に基づいて前記エンコーダおよび前記デコーダにて再圧縮されて、前記不揮発映像メモリにコピーされる
ことを特徴とする請求項8ないし13のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項15】
前記映像データの再圧縮時に、圧縮率を変化させ、前記不揮発映像メモリに保存される映像データの最終データが再圧縮前と同じ圧縮率になるように再圧縮をおこなうことを特徴とする請求項14に記載の映像情報処理装置。
【請求項16】
CPUと、メモリと、前記CPUの動作プログラムを保存するための不揮発メモリと、前記ネットワークに接続されたシーケンシャルアクセスが可能な映像配信機器から映像データを取得するネットワーク装置と、前記映像データの一部を保存する不揮発映像メモリと、前記映像データを一時保存する第1のバッファメモリおよび第2のバッファメモリと、前記映像データを復号するデコーダとを備えた映像情報処理装置であって、
前記映像データの再生を停止するための停止指示信号を受信した時に、それ以後の映像データを予め設定された第1の所定量分だけ前記映像配信機器から前記ネットワークを介して前記不揮発映像メモリにコピーするコピー手段と、
コピーされた前記第1の所定量分の前記不揮発映像メモリの映像データのうちの最終の映像データを識別するための最終データ情報を記憶する最終データ記憶手段と、
前記停止指示信号に従って再生を停止した前記映像データを再生するための再生指示信号を受信した時に、前記不揮発映像メモリの映像データを前記第1のバッファメモリに転送する第1の転送手段と、
前記第1のバッファメモリに転送された前記映像データを、前記第1のバッファメモリから前記デコーダに転送する第2の転送手段と、
前記第2の転送手段による前記デコーダへの転送と同時に、前記最終データ情報に基づいてそれ以降の映像データを前記映像配信機器から前記ネットワークを介して前記第2のバッファメモリに転送する第3の転送手段と、
前記最終データ情報に基づいて、前記第2の転送手段が前記第1のバッファメモリに記憶された最終の映像データまでを前記デコーダに転送したことを検知する検知手段と、
前記検知手段が検知したときに、前記第2の転送手段による前記デコーダへの転送を停止させて、前記第2のバッファメモリに記憶された前記映像データを、前記第2のバッファメモリから前記デコーダに転送する第4の転送手段と
を備えたことを特徴とする映像情報処理装置。
【請求項17】
前記最終データ情報は、前記映像データに含まれるタイムスタンプデータであることを特徴とする請求項16に記載の映像情報処理装置。
【請求項18】
前記映像配信機器の再生停止時に前記コピー手段により前記不揮発映像メモリにコピーされる映像データは、停止位置より予め設定された第2の所定量分だけ前の映像データを含むことを特徴とする請求項16または17に記載の映像情報処理装置。
【請求項19】
前記第1の転送手段は、前記最終データ情報を含む映像データは前記不揮発映像メモリから前記第1のバッファメモリに転送しないことを特徴とする請求項16または17に記載の映像情報処理装置。
【請求項20】
前記不揮発映像メモリは、電池バックアップ可能なメモリから構成されていることを特徴とする請求項16ないし19のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項21】
前記ネットワークに接続された前記映像配信機器に前記映像データを送出するように制御し、その時点から所望の映像データが前記第2のバッファメモリに転送されるまでの再生制御応答時間を算出する再生制御応答時間算出手段をさらに備え、
前記コピー手段により前記不揮発映像メモリにコピーされる映像データの映像データサイズは、前記再生制御応答時間に基づいて指定されることを特徴とする請求項16ないし20のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項22】
前記映像データを圧縮するエンコーダをさらに備え、
前記映像データの再生停止時に前記映像配信機器から前記コピー手段によりコピーされる前記映像データは、前記不揮発映像メモリのメモリ容量、および、前記再生制御応答時間に基づき、前記エンコーダおよび前記デコーダにて再圧縮されて、前記不揮発映像メモリにコピーされる
ことを特徴とする請求項16ないし21のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項23】
前記映像データの再圧縮時に、圧縮率を変化させ、前記不揮発映像メモリに保存される映像データの最終データが再圧縮前と同じ圧縮率であるように再圧縮をおこなうことを特徴とする請求項22に記載の映像情報処理装置。
【請求項24】
前記第1のバッファメモリと前記第2のバッファメモリとにそれぞれ一時保存される映像データのタイムスタンプが同じものでかつ同時期に含まれるように、前記映像配信機器からの映像データ送信を制御する送信制御手段と、
前記送信制御手段による制御の結果、前記第1のバッファメモリと前記第2のバッファメモリとにそれぞれ一時保存される映像データのタイムスタンプが同じものでかつ同時期に含まれたときに、前記第4の転送手段は、前記デコーダに送信する映像データを前記第1のバッファメモリから前記第2のバッファメモリに切り替える
ことを特徴とする請求項16ないし23のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項25】
前記送信制御手段は、前記第1のバッファメモリと前記第2のバッファメモリにそれぞれ一時保存される映像データのタイムスタンプが同じものでかつ同時期に含まれるときに、前記第2のバッファメモリの使用量が少なくなるように、前記映像配信機器からの映像データ送信を制御することを特徴とする請求項24に記載の映像情報処理装置。
【請求項26】
前記送信制御手段によって、前記第1のバッファメモリと前記第2のバッファメモリとにそれぞれ一時保存される映像データのタイムスタンプが同じものでかつ同時期に含まれるよう制御された後、前記第2のバッファメモリの映像データを一定期間分破棄し、その後に、前記第4の転送手段は、前記デコーダに送信する映像データを前記第1のバッファメモリから前記第2のバッファメモリに切り替えることを特徴とする請求項24または25に記載の映像情報処理装置。
【請求項27】
前記送信制御手段による前記映像配信機器からの映像データ送信制御は、映像配信機器への、再生、停止、一時停止、早送りの制御を含んでいることを特徴とする請求項24ないし26のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項28】
前記送信制御手段が前記ネットワークに接続された再生状態の前記映像配信機器に映像データの送出を停止するように制御したときに、その時点から前記第2のバッファメモリへの映像データの転送が停止されるまでの停止制御応答時間を算出する停止制御応答時間算出手段と、
前記送信制御手段が前記ネットワークに接続された前記映像配信機器に映像データを送出するように制御したときに、その時点から所望の映像データが前記第2のバッファメモリに転送されるまでの再生制御応答時間を算出する再生制御応答時間算出手段と、
前記送信制御手段が前記ネットワークに接続された再生状態の前記映像配信機器に映像データの送出を一時停止するように制御したときに、その時点から前記第2のバッファメモリへの映像データの転送が停止するまでの一時停止制御応答時間を算出する一時停止制御応答時間算出手段と、
前記送信制御手段が前記ネットワークに接続された一時停止状態の前記映像配信機器に映像データの送出をおこなうように制御したときに、その時点から前記第2のバッファメモリへの映像データが転送されるまでの一時停止復旧応答時間を算出する一時停止復旧応答時間算出手段と
をさらに備え、
前記送信制御手段は、前記再生制御応答時間と、前記停止制御応答時間と、前記一時停止制御応答時間と、前記一時停止復旧応答時間とに基づいて、前記映像配信機器への再生、停止、一時停止、早送りの制御をおこなうことで、前記第1のバッファメモリと前記第2のバッファメモリとにそれぞれ一時保存される映像データのタイムスタンプが同じものでかつ同時期に含まれるよう制御することを特徴とする請求項24ないし27のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項1】
CPUと、メモリと、前記CPUの動作プログラムを保存するための不揮発メモリと、映像データを保存するための大容量記憶装置と、前記映像データの一部を保存する不揮発映像メモリと、前記映像データを一時保存する第1のバッファメモリおよび第2のバッファメモリと、前記映像データを復号するデコーダとを備えた映像情報処理装置であって、
前記映像データの再生を停止するための停止指示信号を受信した時に、それ以後の映像データを予め設定された第1の所定量分だけ前記大容量記憶装置から前記不揮発映像メモリにコピーするコピー手段と、
コピーされた前記第1の所定量分の前記不揮発映像メモリの映像データのうちの最終の映像データを識別するための最終データ情報を記憶する最終データ記憶手段と、
前記停止指示信号に従って再生を停止した前記映像データを再生するための再生指示信号を受信した時に、前記不揮発映像メモリの映像データを前記第1のバッファメモリに転送する第1の転送手段と、
前記第1のバッファメモリに転送された前記映像データを、前記第1のバッファメモリから前記デコーダに転送する第2の転送手段と、
前記第2の転送手段による前記デコーダへの転送と同時に、前記最終データ情報に基づいてそれ以降の映像データを前記大容量記憶装置から前記第2のバッファメモリに転送する第3の転送手段と、
前記最終データ情報に基づいて、前記第2の転送手段が前記第1のバッファメモリに記憶された最終の映像データまでを前記デコーダに転送したことを検知する検知手段と、
前記検知手段が検知したときに、前記第2の転送手段による前記デコーダへの転送を停止させて、前記第2のバッファメモリに記憶された前記映像データを、前記第2のバッファメモリから前記デコーダに転送する第4の転送手段と
を備えたことを特徴とする映像情報処理装置。
【請求項2】
前記最終データ情報は、前記映像データに含まれるタイムスタンプデータであることを特徴とする請求項1に記載の映像情報処理装置。
【請求項3】
前記映像データの再生停止時に前記コピー手段により前記不揮発映像メモリにコピーされる前記映像データは、停止位置より予め設定された第2の所定量分だけ前の映像データを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の映像情報処理装置。
【請求項4】
前記第1の転送手段は、前記最終データ情報を含む映像データは前記不揮発映像メモリから前記第1のバッファメモリに転送しないことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項5】
前記不揮発映像メモリは、電池バックアップ可能なメモリから構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項6】
前記映像データを圧縮するエンコーダをさらに備え、
前記映像データの再生停止時に前記大容量記憶装置から前記コピー手段によりコピーされる前記映像データは、前記不揮発映像メモリのメモリ容量にあわせて前記エンコーダおよび前記デコーダにて再圧縮されて、前記不揮発映像メモリにコピーされる
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項7】
前記映像データの再圧縮時に、圧縮率を変化させ、前記不揮発映像メモリに保存される映像データの最終データが再圧縮前と同じ圧縮率になるように再圧縮をおこなうことを特徴とする請求項6に記載の映像情報処理装置。
【請求項8】
CPUと、メモリと、前記CPUの動作プログラムを保存するための不揮発メモリと、ネットワークに接続された映像サーバーより映像データを取得するネットワーク装置と、前記映像データの一部を保存する不揮発映像メモリと、前記映像データを一時保存する第1のバッファメモリおよび第2のバッファメモリと、前記映像データを復号するデコーダとを備えた映像情報処理装置であって、
前記映像データの再生を停止するための停止指示信号を受信した時に、それ以後の映像データを予め設定された第1の所定量分だけ前記映像サーバーから前記ネットワークを介して前記不揮発映像メモリにコピーするコピー手段と、
コピーされた前記第1の所定量分の前記不揮発映像メモリの映像データのうちの最終の映像データを識別するための最終データ情報を記憶する最終データ情報記憶手段と、
前記停止指示信号に従って再生を停止した前記映像データを再生するための再生指示信号を受信した時に、前記不揮発映像メモリの映像データを前記第1のバッファメモリに転送する第1の転送手段と、
前記第1のバッファメモリに転送された前記映像データを、前記第1のバッファメモリから前記デコーダに転送する第2の転送手段と、
前記第2の転送手段による前記デコーダへの転送と同時に、前記最終データ情報に基づいてそれ以降の映像データを前記映像サーバーから前記ネットワークを介して前記第2のバッファメモリに転送する第3の転送手段と、
前記最終データ情報をもちいて、前記第2の転送手段が前記第1のバッファメモリに記憶された最終の映像データまでを前記デコーダに転送したことを検知する検知手段と、
前記検知手段による検知に従って、前記第2の転送手段による前記デコーダへの転送を停止させて、前記第2のバッファメモリに記憶された前記映像データを、前記第2のバッファメモリから前記デコーダに転送する第4の転送手段と
を備えたことを特徴とする映像情報処理装置。
【請求項9】
前記最終データ情報は、映像データに含まれるタイムスタンプデータであることを特徴とする請求項8に記載の映像情報処理装置。
【請求項10】
前記映像データの再生停止時に前記コピー手段により前記映像サーバーから前記不揮発映像メモリにコピーされる映像データは、停止位置より予め設定された第2の所定量分だけ前の映像データを含むことを特徴とする請求項8または9に記載の映像情報処理装置。
【請求項11】
前記第1の転送手段は、前記最終データ情報を含む映像データは前記不揮発映像メモリから前記第1のバッファメモリに転送しないことを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項12】
前記不揮発映像メモリは、電池バックアップ可能なメモリから構成されていることを特徴とする請求項8ないし11のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項13】
前記ネットワークに接続された映像サーバーに映像データを送出するように制御し、所望の映像データが前記第2のバッファメモリに転送されるまでの再生制御応答時間を算出する応答時間算出手段を備え、
前記再生制御応答時間にもとづき、前記不揮発映像メモリに転送する映像データサイズを指定することを特徴とする請求項8ないし12のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項14】
前記映像データを圧縮するエンコーダをさらに備え、
前記映像データの再生停止時に前記映像サーバーから前記コピー手段によりコピーされる前記映像データは、前記不揮発映像メモリのメモリ容量、および、前記再生制御応答時間に基づいて前記エンコーダおよび前記デコーダにて再圧縮されて、前記不揮発映像メモリにコピーされる
ことを特徴とする請求項8ないし13のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項15】
前記映像データの再圧縮時に、圧縮率を変化させ、前記不揮発映像メモリに保存される映像データの最終データが再圧縮前と同じ圧縮率になるように再圧縮をおこなうことを特徴とする請求項14に記載の映像情報処理装置。
【請求項16】
CPUと、メモリと、前記CPUの動作プログラムを保存するための不揮発メモリと、前記ネットワークに接続されたシーケンシャルアクセスが可能な映像配信機器から映像データを取得するネットワーク装置と、前記映像データの一部を保存する不揮発映像メモリと、前記映像データを一時保存する第1のバッファメモリおよび第2のバッファメモリと、前記映像データを復号するデコーダとを備えた映像情報処理装置であって、
前記映像データの再生を停止するための停止指示信号を受信した時に、それ以後の映像データを予め設定された第1の所定量分だけ前記映像配信機器から前記ネットワークを介して前記不揮発映像メモリにコピーするコピー手段と、
コピーされた前記第1の所定量分の前記不揮発映像メモリの映像データのうちの最終の映像データを識別するための最終データ情報を記憶する最終データ記憶手段と、
前記停止指示信号に従って再生を停止した前記映像データを再生するための再生指示信号を受信した時に、前記不揮発映像メモリの映像データを前記第1のバッファメモリに転送する第1の転送手段と、
前記第1のバッファメモリに転送された前記映像データを、前記第1のバッファメモリから前記デコーダに転送する第2の転送手段と、
前記第2の転送手段による前記デコーダへの転送と同時に、前記最終データ情報に基づいてそれ以降の映像データを前記映像配信機器から前記ネットワークを介して前記第2のバッファメモリに転送する第3の転送手段と、
前記最終データ情報に基づいて、前記第2の転送手段が前記第1のバッファメモリに記憶された最終の映像データまでを前記デコーダに転送したことを検知する検知手段と、
前記検知手段が検知したときに、前記第2の転送手段による前記デコーダへの転送を停止させて、前記第2のバッファメモリに記憶された前記映像データを、前記第2のバッファメモリから前記デコーダに転送する第4の転送手段と
を備えたことを特徴とする映像情報処理装置。
【請求項17】
前記最終データ情報は、前記映像データに含まれるタイムスタンプデータであることを特徴とする請求項16に記載の映像情報処理装置。
【請求項18】
前記映像配信機器の再生停止時に前記コピー手段により前記不揮発映像メモリにコピーされる映像データは、停止位置より予め設定された第2の所定量分だけ前の映像データを含むことを特徴とする請求項16または17に記載の映像情報処理装置。
【請求項19】
前記第1の転送手段は、前記最終データ情報を含む映像データは前記不揮発映像メモリから前記第1のバッファメモリに転送しないことを特徴とする請求項16または17に記載の映像情報処理装置。
【請求項20】
前記不揮発映像メモリは、電池バックアップ可能なメモリから構成されていることを特徴とする請求項16ないし19のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項21】
前記ネットワークに接続された前記映像配信機器に前記映像データを送出するように制御し、その時点から所望の映像データが前記第2のバッファメモリに転送されるまでの再生制御応答時間を算出する再生制御応答時間算出手段をさらに備え、
前記コピー手段により前記不揮発映像メモリにコピーされる映像データの映像データサイズは、前記再生制御応答時間に基づいて指定されることを特徴とする請求項16ないし20のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項22】
前記映像データを圧縮するエンコーダをさらに備え、
前記映像データの再生停止時に前記映像配信機器から前記コピー手段によりコピーされる前記映像データは、前記不揮発映像メモリのメモリ容量、および、前記再生制御応答時間に基づき、前記エンコーダおよび前記デコーダにて再圧縮されて、前記不揮発映像メモリにコピーされる
ことを特徴とする請求項16ないし21のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項23】
前記映像データの再圧縮時に、圧縮率を変化させ、前記不揮発映像メモリに保存される映像データの最終データが再圧縮前と同じ圧縮率であるように再圧縮をおこなうことを特徴とする請求項22に記載の映像情報処理装置。
【請求項24】
前記第1のバッファメモリと前記第2のバッファメモリとにそれぞれ一時保存される映像データのタイムスタンプが同じものでかつ同時期に含まれるように、前記映像配信機器からの映像データ送信を制御する送信制御手段と、
前記送信制御手段による制御の結果、前記第1のバッファメモリと前記第2のバッファメモリとにそれぞれ一時保存される映像データのタイムスタンプが同じものでかつ同時期に含まれたときに、前記第4の転送手段は、前記デコーダに送信する映像データを前記第1のバッファメモリから前記第2のバッファメモリに切り替える
ことを特徴とする請求項16ないし23のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項25】
前記送信制御手段は、前記第1のバッファメモリと前記第2のバッファメモリにそれぞれ一時保存される映像データのタイムスタンプが同じものでかつ同時期に含まれるときに、前記第2のバッファメモリの使用量が少なくなるように、前記映像配信機器からの映像データ送信を制御することを特徴とする請求項24に記載の映像情報処理装置。
【請求項26】
前記送信制御手段によって、前記第1のバッファメモリと前記第2のバッファメモリとにそれぞれ一時保存される映像データのタイムスタンプが同じものでかつ同時期に含まれるよう制御された後、前記第2のバッファメモリの映像データを一定期間分破棄し、その後に、前記第4の転送手段は、前記デコーダに送信する映像データを前記第1のバッファメモリから前記第2のバッファメモリに切り替えることを特徴とする請求項24または25に記載の映像情報処理装置。
【請求項27】
前記送信制御手段による前記映像配信機器からの映像データ送信制御は、映像配信機器への、再生、停止、一時停止、早送りの制御を含んでいることを特徴とする請求項24ないし26のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【請求項28】
前記送信制御手段が前記ネットワークに接続された再生状態の前記映像配信機器に映像データの送出を停止するように制御したときに、その時点から前記第2のバッファメモリへの映像データの転送が停止されるまでの停止制御応答時間を算出する停止制御応答時間算出手段と、
前記送信制御手段が前記ネットワークに接続された前記映像配信機器に映像データを送出するように制御したときに、その時点から所望の映像データが前記第2のバッファメモリに転送されるまでの再生制御応答時間を算出する再生制御応答時間算出手段と、
前記送信制御手段が前記ネットワークに接続された再生状態の前記映像配信機器に映像データの送出を一時停止するように制御したときに、その時点から前記第2のバッファメモリへの映像データの転送が停止するまでの一時停止制御応答時間を算出する一時停止制御応答時間算出手段と、
前記送信制御手段が前記ネットワークに接続された一時停止状態の前記映像配信機器に映像データの送出をおこなうように制御したときに、その時点から前記第2のバッファメモリへの映像データが転送されるまでの一時停止復旧応答時間を算出する一時停止復旧応答時間算出手段と
をさらに備え、
前記送信制御手段は、前記再生制御応答時間と、前記停止制御応答時間と、前記一時停止制御応答時間と、前記一時停止復旧応答時間とに基づいて、前記映像配信機器への再生、停止、一時停止、早送りの制御をおこなうことで、前記第1のバッファメモリと前記第2のバッファメモリとにそれぞれ一時保存される映像データのタイムスタンプが同じものでかつ同時期に含まれるよう制御することを特徴とする請求項24ないし27のいずれか1項に記載の映像情報処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
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【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−257718(P2007−257718A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−79601(P2006−79601)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成15年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「デジタル情報機器相互運用基盤(AV系情報家電ホームネットワークの研究開発)」助成事業、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成15年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「デジタル情報機器相互運用基盤(AV系情報家電ホームネットワークの研究開発)」助成事業、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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