説明

映像情報配信システム

【課題】インタラクティブ機能に優れた映像情報配信システムを提供する。
【解決手段】フリードローによるコメント及び関連情報を受け付けるコメント受付制御手段94と、所定の映像情報と関連付けられた複数のコメント及び各コメントの関連情報に基づいて、各コメントが動作すると共に他のコメントとの間で相互作用を及ぼし合うコメント映像を作成するコメント映像作成手段100と、所定の映像情報の配信に際して、その映像情報と関連付けられた複数のコメント及び各コメントの関連情報に基づいてコメント映像作成手段100により作成されたコメント映像を、映像情報の配信と同期して配信するコメント配信制御手段96とを、備えたものであることから、所定の映像情報の閲覧に際して手書きコメントを投稿できると共に、その手書きコメントが相互に影響を及ぼし合うインタラクティブ感溢れる動画配信サービスを実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の通信回線を介して複数の通信端末装置に対する映像情報の配信を行う情報配信システムに関し、特に、インタラクティブ機能を向上させるための改良に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の通信回線を介して複数の通信端末装置に対する映像情報の配信を行う映像情報配信システムが知られており、近年における通信技術の向上に伴いコンテンツビジネスの中核として更なる発展が期待されている。そのような映像情報配信システムにおいては、通常、所謂動画投稿サイトにおいて所定の通信端末装置から投稿(アップロード)された複数の映像情報が所定の映像データベースに記憶され、任意の通信端末装置によりその動画投稿サイトを介してのアクセスが可能とされる。それにより、上記所定の通信端末装置により投稿された映像情報が、任意の通信端末装置により閲覧可能とされる。
【0003】
上述のような映像情報配信システムにおいて、インタラクティブ機能(対話型の情報交換機能)拡充のため、上記映像データベースに記憶されると共に閲覧可能とされた所定の映像情報に、任意の利用者(通信端末装置)がコメントを付記する技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載された画像処理装置がそれである。この技術によれば、ウインドウ内のビュー画面に所定の動画が表示されている場合において、そのビュー画面における動画の一部を、ポインタの軌跡で取り囲むようにマウスが操作されると、その軌跡で取り囲まれた領域が部分クリップとして静止して表示され、その部分クリップ内に所定のコメントを付記することができる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−112105号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前述したような従来の技術では、単に文字情報(テキスト)のコメントを字幕のように表示させたり、或いはスクロールさせたりといったように、文字情報に制限された単純なコメントをつけることしかできず、インタラクティブ機能の向上には限界があった。このため、インタラクティブ機能に優れた映像情報配信システムの開発が求められていた。
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、インタラクティブ機能に優れた映像情報配信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、所定の通信回線を介して複数の通信端末装置に対する映像情報の配信を行う映像情報配信システムであって、前記通信端末装置から投稿された複数の映像情報を記憶する映像データベースと、前記通信回線を介して前記通信端末装置からの映像情報の投稿を受け付け、その投稿された映像情報を前記映像データベースに記憶させる映像受付制御手段と、前記通信回線を介しての前記通信端末装置からの配信要求に応じて、前記映像データベースに記憶された配信要求に係る映像情報をその通信端末装置に配信する映像配信制御手段と、前記映像データベースに記憶された複数の映像情報それぞれに対応して、前記通信端末装置から投稿された複数のコメント及び各コメントの動作に関する情報をその映像情報と関連付けて記憶するコメントデータベースと、前記通信回線を介して前記通信端末装置によるフリードローによるコメント及びそのコメントの動作に関する情報を受け付け、その投稿されたコメント及びそのコメントの動作に関する情報を前記コメントデータベースに記憶させるコメント受付制御手段と、所定の映像情報と関連付けられて前記コメントデータベースに記憶された複数のコメント及び各コメントの動作に関する情報に基づいて、各コメントが動作すると共に他のコメントとの間で相互作用を及ぼし合うコメント映像を作成するコメント映像作成手段と、前記映像配信制御手段による前記映像情報の配信に際して、その映像情報と関連付けられて前記コメントデータベースに記憶された複数のコメント及び各コメントの動作に関する情報に基づいて前記コメント映像作成手段により作成されたコメント映像を、前記映像情報の配信と同期してその映像情報の配信対象である前記通信端末装置へ配信するコメント配信制御手段とを、備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
このようにすれば、前記通信端末装置から投稿された複数の映像情報を記憶する映像データベースと、前記通信回線を介して前記通信端末装置からの映像情報の投稿を受け付け、その投稿された映像情報を前記映像データベースに記憶させる映像受付制御手段と、前記通信回線を介しての前記通信端末装置からの配信要求に応じて、前記映像データベースに記憶された配信要求に係る映像情報をその通信端末装置に配信する映像配信制御手段と、前記映像データベースに記憶された複数の映像情報それぞれに対応して、前記通信端末装置から投稿された複数のコメント及び各コメントの動作に関する情報をその映像情報と関連付けて記憶するコメントデータベースと、前記通信回線を介して前記通信端末装置によるフリードローによるコメント及びそのコメントの動作に関する情報を受け付け、その投稿されたコメント及びそのコメントの動作に関する情報を前記コメントデータベースに記憶させるコメント受付制御手段と、所定の映像情報と関連付けられて前記コメントデータベースに記憶された複数のコメント及び各コメントの動作に関する情報に基づいて、各コメントが動作すると共に他のコメントとの間で相互作用を及ぼし合うコメント映像を作成するコメント映像作成手段と、前記映像配信制御手段による前記映像情報の配信に際して、その映像情報と関連付けられて前記コメントデータベースに記憶された複数のコメント及び各コメントの動作に関する情報に基づいて前記コメント映像作成手段により作成されたコメント映像を、前記映像情報の配信と同期してその映像情報の配信対象である前記通信端末装置へ配信するコメント配信制御手段とを、備えたものであることから、前記通信端末装置における所定の映像情報の閲覧に際して、各通信端末装置により手書きコメントを投稿できると共に、その手書きコメントが相互に影響を及ぼし合うインタラクティブ感溢れる動画配信サービスを実現することができる。すなわち、インタラクティブ機能に優れた映像情報配信システムを提供することができる。
【0009】
ここで、好適には、前記映像情報に対応する映像に含まれる部分映像であって、他の部分に対して相対的な動作を行う動的な部分映像を解析する部分映像解析手段を備え、前記コメント映像作成手段は、所定の映像情報に関して前記部分映像解析手段により解析された部分映像の動作に基づいて、その映像情報に対応する前記複数のコメントが作用を受けるコメント映像を作成するものである。このようにすれば、各通信端末装置により投稿された手書きコメントが相互に影響を及ぼし合うと共に、対象となる動画に含まれる部分映像の動きに応じてそれらコメントが影響を受ける更にインタラクティブ感溢れる動画配信サービスを実現することができる。
【0010】
また、好適には、前記コメント受付制御手段は、予め定められた複数の相互作用のうちから前記他のコメントとの間の相互作用を各コメントに対応してそのコメントの動作に関する情報として設定できるものである。このようにすれば、各通信端末装置により投稿される手書きコメントに係る他のコメントとの間の相互作用について、利用者の意向を好適に反映することができる。
【0011】
また、好適には、前記コメント受付制御手段は、予め定められた複数の作用のうちから前記部分映像の動作に基づいて受ける作用を各コメントに対応してそのコメントの動作に関する情報として設定できるものである。このようにすれば、各通信端末装置により投稿される手書きコメントに係る部分映像の動作から受ける作用について、利用者の意向を好適に反映することができる。
【0012】
また、好適には、前記コメント受付制御手段は、予め定められた複数の入り方のうちから対応する映像への相対的な入り方を各コメントに対応してそのコメントの動作に関する情報として設定できるものである。このようにすれば、各通信端末装置により投稿される手書きコメントに係る対象となる動画への入り方について、利用者の意向を好適に反映することができる。
【0013】
また、好適には、前記コメント受付制御手段は、各コメントの最長表示時間をそのコメントの動作に関する情報として設定できるものである。このようにすれば、各通信端末装置により投稿される手書きコメントに係る表示時間について、利用者の意向を好適に反映することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例である映像情報配信システムの構成を説明する図である。
【図2】図1の映像情報配信システムに備えられたサーバ装置の構成を例示する図である。
【図3】図1の映像情報配信システムに備えられた通信端末装置の一例であるパーソナルコンピュータの構成を例示する図である。
【図4】図1の映像情報配信システムに備えられた通信端末装置の一例である携帯電話機の構成を例示する図である。
【図5】図2のサーバ装置に備えられた映像データベースの内容の一例を示す図である。
【図6】図2のサーバ装置に備えられたコメントデータベースの内容の一例を示す図である。
【図7】図2のサーバ装置のCPUに備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図8】図3のパーソナルコンピュータに備えられた映像表示装置に表示されるブラウザを介して所定の映像が出力される様子を例示する図である。
【図9】図8に示すウェブサイトにおけるコメント入力モード開始ボタンが押されることにより表示されるコメント入力画面を介して所定のコメントが入力される様子を例示する図である。
【図10】図9に示すコメント入力画面におけるコメントプレビュー開始ボタンが押されることにより表示されるコメントプレビュー画面を例示する図である。
【図11】図9に示すものと同様のコメント入力画面において、その図9におけるコメントとは別のコメントが入力される様子を説明する図である。
【図12】図8に示すウェブサイトにおいて、映像の再生と同期して出力されるその映像に対応するコメント映像に含まれる複数のコメントが接触する様子を説明する図である。
【図13】図8に示すウェブサイトにおいて、映像の再生と同期して出力されるその映像に対応するコメント映像に含まれる複数のコメントが接触した場合であって、第1変化情報「跳ね返る」に相当する複数のコメントの相互作用について例示する図である。
【図14】図8に示すウェブサイトにおいて、映像の再生と同期して出力されるその映像に対応するコメント映像に含まれる複数のコメントが接触した場合であって、第1変化情報「潰れる」に相当する複数のコメントの相互作用について例示する図である。
【図15】図8に示すウェブサイトにおいて、映像の再生と同期して出力されるその映像に対応するコメント映像に含まれる複数のコメントが接触した場合であって、第1変化情報「爆発する」に相当する複数のコメントの相互作用について例示する図である。
【図16】図8に示すウェブサイトにおいて、映像の再生と同期して出力されるその映像に対応するコメント映像に含まれるコメントが、その映像における動的な部分映像に接触する様子を説明する図である。
【図17】図8に示すウェブサイトにおいて、映像の再生と同期して出力されるその映像に対応するコメント映像に含まれるコメントが、その映像における動的な部分映像に接触した場合であって、コメントが受ける第2変化情報「跳ね返る」に相当する作用について例示する図である。
【図18】図8に示すウェブサイトにおいて、映像の再生と同期して出力されるその映像に対応するコメント映像に含まれるコメントが、その映像における動的な部分映像に接触した場合であって、コメントが受ける第2変化情報「潰れる」に相当する作用について例示する図である。
【図19】図8に示すウェブサイトにおいて、映像の再生と同期して出力されるその映像に対応するコメント映像に含まれるコメントが、その映像における動的な部分映像に接触した場合であって、コメントが受ける第2変化情報「爆発する」に相当する作用について例示する図である。
【図20】図8に示すウェブサイトにおいて、映像の再生と同期して出力されるその映像に対応するコメント映像に含まれるコメントが、その映像における動的な部分映像に接触した場合であって、コメントが受ける第2変化情報「くっつく」に相当する作用について例示する図である。
【図21】図3のパーソナルコンピュータのCPUによる動画投稿制御の要部について説明するフローチャートである。
【図22】図3のパーソナルコンピュータのCPUによる動画閲覧/コメント投稿制御の要部について説明するフローチャートである。
【図23】図2のサーバ装置のCPUによる動画投稿受付制御の要部について説明するフローチャートである。
【図24】図2のサーバ装置のCPUによるコメント投稿受付制御の要部について説明するフローチャートである。
【図25】図2のサーバ装置のCPUによる動画/コメント配信制御の要部について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0016】
図1は、本発明の一実施例である映像情報配信システム10の構成を説明する図である。この図1に示すように、本実施例の映像情報配信システム10は、情報配信サービス提供会社によって運営されるサーバ装置12と、通信端末装置である複数(図1では2つを例示している)のパーソナルコンピュータ14(以下、PC14と称する)と、同じく通信端末装置である複数(図1では2つを例示している)の携帯電話機16と、有線乃至は無線による所定の通信回線18とを、備えて構成されている。上記サーバ装置12及びPC14は、何れも上記通信回線18に接続されており、その通信回線18を介して相互に情報の通信が可能とされている。また、上記携帯電話機16は中継基地局20を介して上記通信回線18に接続されており、上記サーバ装置12とその携帯電話機16との間でも相互に情報の通信が可能とされている。
【0017】
図2は、前記サーバ装置12の構成を例示する図である。このサーバ装置12は、中央演算処理装置であるCPU22により随時書込読出メモリであるRAM26の一時記憶機能を利用しつつ読出専用メモリであるROM24に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂ノイマン式コンピュータであり、ファイルの管理や入出力制御、上記通信回線18を介してのアクセス等の管理、その通信回線18を介しての通信制御等の各種制御を実行するサーバである。また、図2に示すように、例えばTFT(Thin Film Transistor Liquid Crystal)等の映像表示装置28と、その映像表示装置28による映像の表示を制御するための映像表示制御装置であるビデオボード30と、キーボード等の入力装置32と、その入力装置32による入力を処理するための入力インターフェイス34と、上記CPU22等を前記通信回線18に接続するためのモデム36とを、備えて構成されている。また、それぞれハードディスク等の記憶装置に設けられた映像データベース38、コメントデータベース40、及び利用者データベース42等の各種データベースを備えている。なお、本実施例では上記映像データベース38、コメントデータベース40、及び利用者データベース42がそれぞれ異なる記憶装置に設けられた例について説明するが、それらデータベースが同一の記憶装置に設けられたものであってもよい。一方、上記映像データベース38、コメントデータベース40、及び利用者データベース42に対応して個別のサーバ装置が備えられたものであってもよい。
【0018】
図3は、前記PC14の構成を例示する図である。このPC14は、中央演算処理装置であるCPU44により随時書込読出メモリであるRAM48の一時記憶機能を利用しつつ読出専用メモリであるROM46に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂ノイマン式コンピュータであり、一般にデスクトップパソコンやノートパソコン等と称される家庭用パーソナルコンピュータである。また、図3に示すように、映像表示部として機能するTFT等の映像表示装置50と、その映像表示装置50による映像の表示を制御するための映像表示制御装置であるビデオボード52と、キーボード54及びマウス55等の入力装置と、それら入力装置による入力を処理するための入力インターフェイス56と、上記CPU44等を前記通信回線18に接続するためのモデム58と、記憶装置であるハードディスク60とを、備えて構成されている。また、このPC14は、後述するように所謂WWWウェブサイトの情報を表示させると共にそのウェブサイトに従って各種入力等を行うことができるブラウザ(WWWブラウザ)102等の一般的なアプリケーションを機能的に備えたものである。
【0019】
図4は、前記携帯電話機16の構成を例示する図である。この図4に示すように、前記携帯電話機16は、中央演算処理装置であるCPU62と、読出専用メモリであるROM64と、随時書込読出メモリであるRAM66と、フラッシュROM等の記憶部68と、表示部70と、操作部72と、撮像部74と、アンテナ76と、送受信部78と、モデム部80と、音声コーディック部82と、アナログフロントエンド84と、スピーカ86と、マイクロフォン88とを、備えて構成されている。
【0020】
上記CPU62は、随時書込読出メモリであるRAM66の一時記憶機能を利用しつつ読出専用メモリであるROM64に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂マイクロコンピュータであり、所定の文字ボタン等を備えた操作部72からの入力に従って文字入力が実行されるように制御したり、その操作部72から入力された電話番号に従って通信或いは通話チャンネルを成立させると共に相互の通信或いは通話が可能となるように制御したり、その操作部72から入力されたURLに従って所定のウェブサイトにアクセスしたり、メールの作成及び送受信を制御する等の基本的な制御を実行する。例えば、前記携帯電話機16の通話状態においては、上記アンテナ76を介して送受信部78に受けた通話信号等がモデム部80を介して音声コーディック部82においてデジタルコード信号から音声信号に変換され、アナログフロントエンド84によりスピーカ86が駆動されて音声が出力される。同時に、上記マイクロフォン88により音声から変換された音声信号が上記アナログフロントエンド84を介して上記音声コーディック部82に送られてそこでディジタル信号に変換され、上記モデム部80、送受信部78、及びアンテナ76を介して送信される。また、通信状態において、上記CPU62は、上記操作部72から入力された信号を通信先へ送信すると同時に、通信先から受信された信号を表示部70に表示させる制御を行う。また、他の通信端末からの着信があったと判定される場合には、上記記憶部68に予め記憶された着信メロディ情報を読み出し、その着信メロディ情報に基づいて図示しない音源部により所定のメロディ(呼出音)を発生させて前記スピーカ86から出力させたり、呼出音非出力モードにおいては図示しないバイブレータを駆動させて振動を発生させたりする。
【0021】
前記撮像部74は、CCD(charge coupled device)等の撮像素子及びレンズを備え、そのレンズから入射される映像をCCDにより検知し、その映像を電子情報(映像データ)として取得する所謂デジタルカメラである。前記携帯電話機16による画像乃至は映像の撮影に際しては、上記レンズから取り込まれCCDにより電子情報に変換された映像が前記表示部70に表示された状態で、前記操作部72により所定の操作が行われることでその映像が撮像され、前記記憶部68等に所定の画像ファイルの形式で記憶される。また、前記携帯電話機16は、前記PC14に備えられたブラウザ(WWWブラウザ)102に相当するアプリケーションを機能的に備えたものであり、前記サーバ装置12から配信される映像情報及びコメント情報が閲覧可能に構成されている。
【0022】
図5は、前記サーバ装置12に備えられた映像データベース38の内容の一例を示す図である。前記映像データベース38は、通信端末装置である前記PC14や携帯電話機16等から投稿すなわち前記通信回線18を介してアップロードされた複数の映像情報を記憶する。この映像情報は、例えば、mpeg(Moving Picture Experts Group)形式やswf(Shockwave Flash Object)形式等の動画ファイルであり、例えば投稿順に定められた所定の識別番号(ID)をインデックスとして上記映像データベース38に記憶されるようになっている。また、図5に示すように、その映像データベース38には、投稿者の名前(ニックネーム)、投稿時(投稿日時)、投稿に相前後して投稿者により設定(入力)された映像のタイトル、投稿者の識別情報(ID)、投稿者のコメント、削除用のパスワード、再生回数、投稿コメント数、及び利用者によるブックマークの総数等の情報が各映像情報毎にその映像情報と関連づけられて記憶されるようになっている。なお、本実施例においては、斯かる映像データベース38と以下に詳述するコメントデータベース40とを個別のデータベースとして備えた態様について説明するが、それらは単一のデータベースとして構成されたものであってもよく、例えば、前記映像データベース38に記憶された各映像情報それぞれの付加的な情報としてコメント情報及び各コメントの動作に関する情報等が記憶されるものであってもよい。
【0023】
図6は、前記サーバ装置12に備えられたコメントデータベース40の内容の一例を示す図である。前記コメントデータベース40は、通信端末装置である前記PC14や携帯電話機16等から投稿すなわち前記通信回線18を介してアップロードされた複数のコメント及び各コメントの動作に関する情報を対象となる映像情報(好適にはそのID)と関連付けて記憶する。このコメントは、例えば前記PC14に備えられたマウス55等により入力されるフリードロー(マウスパッド等に対するそのマウス55の相対移動によって入力される自由な描画)に相当する画像情報(描画情報)であり、対象となる映像情報(そのコメントに対応するコメント映像が同期して表示されるべき映像に係る映像情報)毎に前記コメントデータベース40に記憶されるようになっている。なお、このコメントはフリードローであるため、文字、模様、記号、その他種々の描画を自由に表現できる。また、図6に示すように、そのコメントデータベース40には、コメント投稿者の識別情報(ID)、投稿時(投稿日時)、及びコメントの動作に関する情報等の情報が各コメント毎にそのコメントと関連づけられて記憶されるようになっている。なお、このコメントデータベース40に記憶されるコメント(コメント情報)は、フリードローに相当する画像(画像情報)がそのまま記憶されるものであってもよいし、そのフリードローに相当する軌跡(パス)、線幅、及び線の色等の情報が相互に関連付けられて記憶されるものであってもよい。斯かるコメントの記憶の態様(コメント情報の格納形態)は、後述するコメント映像作成手段100の態様によって異なる。
【0024】
前記コメントデータベース40において、各コメントに対応して記憶されるそのコメントの動作に関する情報は、対象となる映像情報の出力(再生)に同期してそのコメントが出力(表示)される際、その映像情報に係る映像に対するそのコメントの動作乃至変化を定めるものであり、好適には、前記PC14等による対象となるコメントの入力に際して付加的に入力(設定)される。具体的には、(a)対象となる映像情報に対してコメントが表示開始される時間情報、すなわちその映像情報に係る映像の再生時間に関してどのタイミングでそのコメントが表示開始されるかを定める情報、(b)他のコメントとの間の相互作用(干渉)を定める情報、すなわち他のコメントと接触等した場合に対象となるコメントがどのような作用を受けるか(或いは他のコメントにどのような作用を与えるか)を定める情報、(c)後述する部分映像の動作に基づいて受ける作用(干渉)を定める情報、すなわちその部分映像と接触等した場合に対象となるコメントがどのような作用を受けるかを定める情報、(d)対象となる映像情報に係る映像への相対的な入り方を定める情報、すなわちその映像のどの部分からどのように入りどのように移動するか等を定める情報、(e)そのコメントの最長表示時間を定める情報等が、各コメントの動作に関する情報として前記コメントデータベース40に記憶される。なお、斯かるコメントの動作に関する情報に応じた対象となるコメントの具体的な動作等については、そのコメントの表示制御を説明する図8乃至図20等を用いて後述する。
【0025】
前記利用者データベース42は、本実施例の映像情報配信システム10の利用者の情報を記憶する。例えば、各利用者の識別情報(投稿者ID)をインデックスとして、前記映像情報配信システム10を利用するためのパスワード、投稿者の名前(ニックネーム)、生年月日、性別、住所、メールアドレス、電話番号、映像情報の閲覧履歴、映像情報のブックマーク、及び過去に投稿した映像情報等の情報が各利用者毎にその利用者と関連づけられて記憶されるようになっている。また、好適には、過去に投稿したコメントの履歴、或いはコメントを投稿した映像情報の履歴等が、各利用者と関連付けられて記憶されるものであってもよい。なお、前記映像データベース38乃至コメントデータベース40への映像情報乃至コメントの投稿に関して、特に利用者の識別情報を必要としない場合には、この利用者データベース42は必ずしも設けられなくともよい。
【0026】
図7は、前記サーバ装置12のCPU22に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。この図7に示す映像受付制御手段90は、前記通信回線18を介して通信端末装置である前記PC14や携帯電話機16からの映像情報の投稿を受け付け、その投稿された映像情報を前記映像データベース38に記憶させる。この映像情報の投稿は、例えば前記PC14や携帯電話機16により、情報配信サービス提供会社によって経営される所定のウェブサイト(動画投稿サイト)にアクセスが行われ、そのウェブサイトに従ってそれらPC14や携帯電話機16等により所定の入力操作が行われることにより実行される。すなわち、上記映像受付制御手段90は、好適には、前記PC14の映像表示装置50や携帯電話機16の表示部70に表示されるブラウザ102(図8等を参照)における上記ウェブサイトに従って前記PC14や携帯電話機16等により所定の映像の投稿操作が行われた場合には、それらの通信端末装置から投稿(アップロード)される映像情報を投稿者(利用者)の識別情報(ID)と関連付けて前記映像データベース38に記憶させる。また、前記映像情報に係る関連情報の登録もこの際に行われる。すなわち、上記映像受付制御手段90は、好適には、前記PC14の映像表示装置50や携帯電話機16による映像情報の投稿に際して、上記ウェブサイトに従って前記PC14や携帯電話機16等により入力されてその映像情報と共にアップロードされる映像のタイトル及び削除用のパスワード等を、その投稿者の名前(ニックネーム)及び投稿時(投稿日時)等と共に前記映像データベース38に投稿された映像情報と関連付けて(その映像情報の付属情報として)記憶させる。
【0027】
映像配信制御手段92は、前記通信回線18を介しての前記PC14や携帯電話機16からの配信要求に応じて、前記映像データベース38に記憶された配信要求に係る映像情報を読み出して要求元であるそれら通信端末装置に配信する。この配信要求は、例えば前記PC14や携帯電話機16により上記ウェブサイトにアクセスが行われ、そのウェブサイトに従ってそれらPC14や携帯電話機16等により所定の入力操作が行われることにより実行される。図8は、前記PC14の映像表示装置50に表示されるブラウザ102を介して所定の映像が出力される様子を例示する図である。この図8に示すように、上記映像配信制御手段92は、好適には、上記ウェブサイトに従って前記PC14や携帯電話機16等により所定の映像の配信要求としての入力操作が行われた場合には、該当する映像情報を前記映像データベース38から読み出し、その映像情報に係る映像(その映像情報に基づいて再生される映像)104を前記通信回線18を介してストリーミング配信する。そのようにして配信された映像104は、上記ウェブサイトにおける映像表示窓に表示される。また、その映像情報に対応して登録された投稿者名、投稿時、及び投稿者コメント等を読み出して、図8に示すように配信される映像104に付帯的に表示させる。また、図8に示すように、上記ウェブサイトにおいては斯かる映像の表示(再生)に関して再生/一時停止の切替、再生時点(表示されている画面に対応する映像データの時間情報)の調節すなわち早送り乃至巻き戻し、音量の調節乃至オン/オフの切替、コメントオン/オフの切替、及び画面表示サイズの切替等を、前記マウス55やキーボード54等を介しての所定の操作により行うことができるようになっている。
【0028】
図7に戻って、コメント受付制御手段94は、前記通信回線18を介して前記PC14や携帯電話機16によるフリードローによるコメント及びそのコメントの動作に関する情報を受け付け、その投稿されたコメント及びそのコメントの動作に関する情報を前記コメントデータベース40に記憶させる。このコメントの投稿は、好適には、上記ブラウザ102における対象となる映像104の出力(再生)に際して、その映像104の出力が一時停止された状態で所定の操作が行われることで実行される。例えば、図8に示すウェブサイトにおいて対象となる映像104の出力が一時停止された状態で、そのウェブサイトにおけるコメント入力モード開始ボタン106が押されること(図示しないポインタがコメント入力モード開始ボタン106上に合わせられた状態でマウス55がクリックされること等)により、新たに表示される所定のウェブサイト(ウェブページ)に従って前記PC14や携帯電話機16等により所定の入力操作が行われることにより実行される。
【0029】
図9は、図8に示すウェブサイトにおけるコメント入力モード開始ボタン106が押されることにより表示されるコメント入力画面(コメント入力ウェブページ)を介して所定のコメントが入力される様子を例示する図である。この図9に示すように、上記コメント入力モード開始ボタン106が押されることにより表示されるコメント入力画面では、映像表示窓すなわち一時停止された映像104に対応する部分にフリードローによるコメント108の入力が可能とされる。例えば、その映像104に対応する部分上に図示しないポインタが合わせられた状態で前記マウス55がクリックされ、そのクリックが継続されると共にそのマウス55がパッド等に対して相対移動させられることにより、その移動軌跡に対応する例えば図9に示す大小ハートマークのコメント108のような自由な描画が上記映像104に対応する部分上に描かれる。ここで、好適には、対象となる映像104における一時停止された時点の時間情報がそのコメントが表示開始される時間情報、すなわちその映像104の再生時間に関してどのタイミングでそのコメントが表示開始されるかを定める情報として取得され、前記コメントデータベース40にそのコメントの動作に関する情報として記憶される。
【0030】
また、図9に示すように、前記コメント入力画面では、上記コメント108に関して種々のドロップダウンリストが設けられ、入力に係るコメント108に対応する各関連情報を設定できるようになっている。すなわち、色設定リスト110において、入力に係るコメントの色(コメントに相当する描画の線色)が、例えば「ホワイト」、「ブラック」、「レッド」、・・・等、予め定められた複数の色のうち何れかに設定できるようになっている。また、太さ設定リスト112において、入力に係るコメントの太さ(コメントに相当する描画の線幅)が、例えば「1pt」、「2pt」、「3pt」、・・・等、予め定められた複数の太さのうち何れかに設定できるようになっている。また、入り方設定リスト114において、入力に係るコメントの対応する映像への相対的な入り方(ウェブサイトにおける映像表示窓への相対的な現れ方)が、例えば「上から」、「下から」、「右から」、「左から」、「描かれた位置」、・・・等、予め定められた複数の入り方のうち何れかに設定できるようになっている。また、第1変化設定リスト116において、入力に係るコメントが他のコメントに接触した場合の変化(相互作用)として、例えば「跳ね返る」、「消える」、「爆発する」、「潰れる」、「くっつく」、・・・等、予め定められた複数の変化のうち何れかに設定できるようになっている。また、第2変化設定リスト118において、入力に係るコメントが後述する部分映像に接触した場合の変化(作用)として、例えば「跳ね返る」、「消える」、「爆発する」、「潰れる」、「くっつく」、・・・等、予め定められた複数の変化のうち何れかに設定できるようになっている。また、最長表示時間リスト120において、入力に係るコメントの最長表示時間として、例えば「5秒」、「10秒」、「20秒」、・・・等、予め定められた複数の時間のうち何れかに設定できるようになっている。なお、これら関連情報と対応するコメント108等の表示乃至変化の関係は、そのコメント108等の表示制御に関して図10乃至図20等を用いて後述する。
【0031】
また、図9に示すように、前記コメント入力画面では、入力に係るコメント108のプレビューを行うためのコメントプレビューボタン122が設けられ、そのコメントプレビューボタン122が押されること(図示しないポインタがコメントプレビューボタン122上に合わせられた状態でマウス55がクリックされること等)により図10に示すようなコメントプレビュー画面が表示されるようになっている。このコメントプレビュー画面においては、図9に示すコメント入力画面の表示に従って入力されたコメント108が、同様にそのコメント入力画面におけるドロップダウンリストにおいて設定された関連情報に従って動作する様子を閲覧できるようになっている。例えば、図10に示す例では、上記入り方設定リスト114においてコメント108の入り方が「左から」に設定されており、プレビュー映像においてそのコメント108は図10に白抜矢印で示すように対象となる映像104に相当する部分(映像表示窓)における左端から右側に向けて移動するように表示させられる。また、上記最長表示時間リスト120において「5秒」に設定されており、プレビュー映像においてそのコメント108は表示開始から5秒後に消えるように表示させられる。なお、本実施例においては、他のコメントとの相互作用乃至部分映像の動作に基づいて受ける作用に関しては斯かるプレビュー映像に表示されない態様について説明するが、ダミーコメント乃至ダミー部分映像を表示させ、入力に係るコメント108がそれらダミーコメント乃至ダミー部分映像に接触した場合の変化を閲覧可能としてもよい。
【0032】
図9に戻って、前記コメント入力画面では、入力に係るコメント108の決定乃至投稿を行うためのコメント投稿ボタン124が設けられ、そのコメント投稿ボタン124が押されること(図示しないポインタがコメント投稿ボタン124上に合わせられた状態でマウス55がクリックされること等)により、入力に係るコメント108の投稿が行われるようになっている。すなわち、図9に示すコメント入力画面において上記コメント投稿ボタン124が押された場合、入力されたコメント108及び各ドロップダウンリストにおいて設定された関連情報が、そのコメント108の入力に係る投稿者(利用者)の識別情報(ID)と関連付けられて前記サーバ装置12へアップロードされ、そのサーバ装置12におけるコメントデータベース40に記憶される。
【0033】
図7に戻って、コメント配信制御手段96は、前記映像配信制御手段92による前記映像情報の配信に際して、その映像情報と関連付けられて前記コメントデータベース40に記憶された複数のコメント及び各コメントの動作に関する情報に基づいて作成されるコメント映像を、前記映像情報の配信と同期してその映像情報の配信対象である前記PC14や携帯電話機16等の通信端末装置へ配信する。また、上記コメント配信制御手段96は、斯かる制御を行うために、部分映像解析手段98及びコメント映像作成手段100を含んでいる。
【0034】
上記部分映像解析手段98は、前記映像情報に対応する映像に含まれる部分映像であって、他の部分に対して相対的な動作を行う動的な部分映像を解析する。この部分映像とは、例えば対象となる映像中において人物等が所定の動作を行う場合においてはその人物に相当する部分といったように、対象となる映像中において所定の動作(動き)を行う部分の映像であり、明暗、色彩、コントラスト等に基づいて他の部分から区別され得る部分である。すなわち、上記部分映像解析手段98は、よく知られた画像検出技術(画像解析技術)により、前記映像情報に対応する映像における所定時間毎の画面(静止画)を明暗、色彩、コントラスト等に基づいて解析し、その映像に含まれる部分映像であって、他の部分に対して相対的な動作を行う動的な部分映像を解析(検出)する。なお、上記部分映像解析手段98により解析される部分映像は、後述するコメントに対する作用等との関係から上記他の部分よりも面積の小さい部分に対応する映像であることが好ましく、更には上記他の部分に対して規則的な相対移動を行う部分や、その相対移動速度が予め定められた所定速度以上である部分に対応する映像が好適に解析される。
【0035】
前記コメント映像作成手段100は、基本的には各コメントに関して、そのコメントの関連情報に基づいてそのコメントを動作させるコメント映像を作成する。すなわち、そのコメントに対応して記憶された、対象となる映像情報に対してコメントが表示開始される時間情報に応じて、その映像情報に係る映像の再生時間に関して各コメントが順次現れては消える(消失する)コメント映像を作成する。
【0036】
また、前記コメント映像作成手段100は、前記コメントの動作に関する情報に基づいて各コメントを動作させるコメント映像を作成する。例えば、前記入り方設定リスト114において設定された入り方(入り方情報)が「上から」である場合には、そのコメントに対応して対象となる映像に相当する部分における上端から下側に向けて移動するコメント映像を作成する。また、前記入り方設定リスト114において設定された入り方が「下から」である場合には、そのコメントに対応して対象となる映像に相当する部分における下端から上側に向けて移動するコメント映像を作成する。また、前記入り方設定リスト114において設定された入り方が「右から」である場合には、そのコメントに対応して対象となる映像に相当する部分における右端から左側に向けて移動するコメント映像を作成する。また、前記入り方設定リスト114において設定された入り方が「左から」である場合には、そのコメントに対応して対象となる映像に相当する部分における左端から右側に向けて移動するコメント映像を作成する。また、前記入り方設定リスト114において設定された入り方が「描かれた位置」である場合には、そのコメントに対応して対象となる映像に相当する部分におけるそのコメントが描画された位置にフェイドインするコメント映像を作成する。また、前記最長表示時間設定リスト120において設定された最長表示時間に対応して、その設定された最長表示時間が経過した時点で消える(視認不可能となる)コメント映像を作成する。また、コメント情報がフリードローに相当する軌跡(パス)、線幅、及び線の色等の情報が相互に関連付けられる形態で記憶されている場合には、前記色設定リスト110により設定されたコメントの色及び太さ設定リスト112により設定されたコメントの太さに基づいて、対象となるコメント映像の色及び太さ(線幅)を決定する。
【0037】
また、前記コメント映像作成手段100は、所定の映像情報と関連付けられて前記コメントデータベース40に記憶された複数のコメント及び各コメントの関連情報すなわち前記第1変化設定リスト116において設定された第1変化情報に応じて、各コメントが動作すると共に他のコメントとの間で相互作用を及ぼし合うコメント映像を作成する。また、好適には、前記第2変化設定リスト118において設定された第2変化情報に応じて、対象となる映像情報に関して前記部分映像解析手段98により解析された部分映像の動作に基づいて、その映像情報に対応する前記複数のコメントが作用を受けるコメント映像を作成する。すなわち、本実施例においては、コメントが表示開始される時間情報、前記入り方設定リスト114において設定された入り方情報、前記第1変化設定リスト116において設定された第1変化情報、第2変化設定リスト118において設定された第2変化情報、及び最長表示時間設定リスト120において設定された最長表示時間情報等が、コメントの動作に関する情報に相当する。以下、斯かるコメント映像におけるコメントの動作、コメント間での相互作用、及び部分映像に基づく作用について、図11乃至図20等を用いて詳述する。なお、図11乃至図15に示す例ではコメント映像は経時的に変化する一方、そのコメント映像に対応する映像は変化していないが、説明の便宜上映像の変化を図示しないものであり、実際はコメント(コメント映像)の動作に同期して対象となる映像情報に係る映像も変化することは言うまでもない。
【0038】
図11は、前記コメント入力画面において、前記コメント108とは別のコメント108′が入力される様子を説明する図である。図11に示すように、このコメント108′に対応して、前記入り方設定リスト114において設定される入り方は「上から」とされており、前記第1変化設定リスト116において設定される第1変化情報は「跳ね返る」とされている。また、前記コメント108に対応して、前記入り方設定リスト114において設定される入り方は「左から」とされており、前記第1変化設定リスト116において設定される第1変化情報は「跳ね返る」とされているものとする。前記コメント映像作成手段100は、例えばこの第1変化情報に応じて前記コメント108、108′が相互に作用を及ぼし合うコメント映像126を作成する。すなわち、この場合において、図12に示すように対応する映像104に相当する部分(映像表示窓)に対して左端から右側へ向かって移動する前記コメント108と、上端から下側へ向かって移動するコメント108′とが接触(衝突)した場合、それらコメント108とコメント108′とはお互いに跳ね返り合い、接触後は図13に白抜矢印で示すようにそれぞれ元の移動方向とは別の方向に向かって移動を開始する。すなわち、前記コメント108乃至コメント108′に対応して設定された第1変化情報である「跳ね返る」に基づいて、それらコメント108、108′が相互作用を及ぼし合うコメント映像126が作成される。なお、前記コメント108′に対応して設定された第1変化情報も「跳ね返る」であるが、これが「くっつく」等であったとしても作成されるコメント映像126は変わらない。
【0039】
ここで、図13に示す例では、前記コメント108が接触後元の移動方向とは逆の方向に向かって移動している一方、前記コメント108′は接触後元の移動方向とは別の、前記コメント108の接触後の移動方向と反対の方向に向かって移動している。このように、本実施例においては、複数のコメントが接触した場合にはそれらコメントのうち何れかのコメントの第1変化情報に基づいてそれらのコメントの相互作用が決定される。好適には、それら複数のコメントのうち表示開始される時間情報が最も早いコメントに対応する第1変化情報に基づいてそれらのコメントの相互作用が決定される。図13に示す例では、前記コメント108、108′のうちコメント108が表示開始される時間情報の方がコメント108′のそれよりも早いため、そのコメント108の第1変化情報である「跳ね返る」に基づいてそのコメント108を主体として前記コメント108′との相互作用が決定されるのである。
【0040】
図14は、第1変化情報が「潰れる」に相当する複数のコメントの相互作用について例示する図である。この図14に示すように、前記コメント108、108′が接触した場合において、それらコメント108、108′それぞれの第1変化情報のうち相互作用を決定する方の第1変化情報が「潰れる」である場合には、それらコメント108、108′が接触後に潰れて(元の移動方向に係る幅寸法が圧縮されて)延いては消える(消失する)コメント映像126が作成される。また、図15は、第1変化情報が「爆発する」に相当する複数のコメントの相互作用について例示する図である。この図15に示すように、前記コメント108、108′が接触した場合において、それらコメント108、108′それぞれの第1変化情報のうち相互作用を決定する方の第1変化情報が「爆発する」である場合には、それらコメント108、108′が接触後に爆発して(光や煙等により爆発を現す映像効果が出現して)延いては消える(消失する)コメント映像126が作成される。
【0041】
図16乃至図20は、前記コメント映像作成手段100により作成される、対象となる映像情報に関して前記部分映像解析手段98により解析された部分映像130の動作に基づいて、その映像情報に対応する前記複数のコメントが作用を受けるコメント映像128について説明する図である。これら図16乃至図20に示す例では、対象となる映像情報に関して前記部分映像解析手段98により人物に相当する映像が、背景である他の部分に対して相対的な動作を行う動的な部分映像130として解析されている。以下、図16に白抜矢印で示すように、その部分映像130が背景である他の部分に対して左向きに移動する一方、前記コメント108が左端から右側へ向かって移動する場合において、前記第2変化設定リスト118において設定された第2変化情報に応じて作成されるコメント映像128について説明する。
【0042】
図17は、第2変化情報が「跳ね返る」に相当するコメント108が上記部分映像130から受ける作用について例示する図である。この図17に示すように、前記コメント108に対応する第2変化情報が「跳ね返る」である場合には、そのコメント108が前記部分映像130(図17に示す例では人物の顔に相当する部分)に接触(衝突)した場合、そのコメント108はその部分映像130に対して跳ね返り、接触後は図17に白抜矢印で示すように元の移動方向とは別の方向(逆の方向)に向かって移動を開始するコメント映像128が作成される。この移動方向の変化は、前記コメント108の元の移動方向が逆方向に変わるというように、そのコメント108の移動方向に基づいて決定されるものであってもよいし、そのコメント108の移動方向に関係なく前記部分映像130の移動方向に基づいて定められるものであってもよい。すなわち、前記コメント108に対応して設定された第2変化情報である「跳ね返る」に基づいて、前記部分映像130の動作から前記コメント108が作用を受けるコメント映像128が作成される。
【0043】
図18は、第2変化情報が「潰れる」に相当するコメント108が前記部分映像130から受ける作用について例示する図である。この図18に示すように、前記コメント108が上記部分映像130(図18に示す例では人物の顔に相当する部分)に接触(衝突)した場合において、そのコメント108に対応する第2変化情報が「潰れる」である場合には、そのコメント108が接触後に潰れて(元の移動方向に係る幅寸法が圧縮されて)延いては消える(消失する)コメント映像128が作成される。また、図19は、第2変化情報が「爆発する」に相当するコメント108が前記部分映像130から受ける作用について例示する図である。この図19に示すように、前記コメント108が上記部分映像130(図19に示す例では人物の顔に相当する部分)に接触(衝突)した場合において、そのコメント108に対応する第2変化情報が「爆発する」である場合には、そのコメント108が接触後に爆発して(光や煙等により爆発を現す映像効果が出現して)延いては消える(消失する)コメント映像128が作成される。また、図20は、第2変化情報が「くっつく」に相当するコメント108が前記部分映像130から受ける作用について例示する図である。この図20に示すように、前記コメント108が上記部分映像130(図20に示す例では人物の顔に相当する部分)に接触(衝突)した場合において、そのコメント108に対応する第2変化情報が「くっつく」である場合には、そのコメント108が接触後に前記部分映像130と相対的に固定され、以後はその部分映像130に追従して(他の部分に対して)一体的に動作するコメント映像128が作成される。
【0044】
図7に戻って、前記コメント配信制御手段100は、前記映像配信制御手段92による前記映像情報の配信に際して、その映像情報と関連付けられて前記コメントデータベース40に記憶された複数のコメント及び各コメントの動作に関する情報に基づいて前記コメント映像作成手段100により作成されたコメント映像126、128等を、前記映像情報のストリーミング配信と同期してその映像情報の配信対象である通信端末装置へストリーミング配信する。すなわち、前記コメント映像作成手段100によるコメント映像126、128等の作成は、好適には、その配信が行われる毎に実行される。すなわち、前記PC14乃至携帯電話機16等の通信端末装置から所定の映像情報の配信要求が行われた場合において、前記映像配信制御手段92によりその映像情報の配信が行われる毎に前記コメント映像作成100により対応するコメント映像126、128等の作成が行われる。以上のようにして前記コメント映像作成手段100により作成されたコメント映像126、128等は、前記映像配信制御手段92による前記映像情報の配信に際してその映像情報と共に配信要求に係る通信端末装置へ配信され、その通信端末装置におけるブラウザ102等において対応する映像情報に係る映像の出力(再生)と同期して出力され、その映像の上面側レイヤに合成されて出力される。これにより、対応する映像情報に係る映像の上に前記コメント映像作成手段100により作成されたコメント映像が飛び交う映像が前記通信端末装置におけるブラウザ102等により視聴可能とされる。
【0045】
図21は、前記PC14のCPU44による動画投稿制御の要部について説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0046】
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)STA1において、前記PC14により前記動画投稿サイトにアクセスが行われ、その動画投稿サイトに従ってそのPC14のマウス55等により所定の動画投稿開始操作が行われたか否かが判断される。このSTA1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、STA1の判断が肯定される場合には、STA2において、前記映像表示装置50に動画投稿受付画面(動画投稿受付ウェブサイト)が表示され、その動画投稿受付画面に従って前記マウス55等により所定の操作が行われることで、投稿対象となる映像情報及びその関連情報が受け付けられる。次に、STA3において、前記マウス55等により所定の動画投稿操作が行われたか否かが判断される。このSTA3の判断が否定される場合には、STA2以下の処理が再び実行されるが、STA4の判断が肯定される場合には、STA2にて受け付けられた映像情報及びその関連情報が前記通信回線18を介して前記サーバ装置12へアップロードされた後、本ルーチンが終了させられる。
【0047】
図22は、前記PC14のCPU44による動画閲覧/コメント投稿制御の要部について説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0048】
先ず、STB1において、前記PC14により前記動画投稿サイトにアクセスが行われ、その動画投稿サイトに従ってそのPC14のマウス55等により所定の動画閲覧開始操作が行われたか否かが判断される。このSTB1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、STB1の判断が肯定される場合には、STB2において、前記通信回線18を介して前記サーバ装置12への配信要求が行われ、その配信要求に係る動画情報及びその動画情報に対応するコメント映像情報がそのサーバ装置12から前記通信回線18を介してダウンロードされる。次に、STB3において、STB2にてダウンロードされた映像情報及びコメント映像情報に基づいて、その映像情報に係る映像及びその映像に対応するコメント映像が出力(再生開始)され、それら映像情報及びコメント映像が前記映像表示装置50に表示される。次に、STB4において、前記動画投稿サイトに従って前記マウス55等により所定のコメント入力モード開始操作が行われたか否かが判断される。このSTB4の判断が否定される場合には、STB9以下の処理が実行されるが、STB4の判断が肯定される場合には、STB5において、コメント入力モードが開始され、前記ブラウザ102に所定のコメント入力画面が表示される。次に、STB6において、前記コメント入力画面に従って前記マウス55等によるコメントの入力及びそのコメントに対応する関連情報の入力が受け付けられる。次に、STB7において、前記コメント入力画面に従って前記マウス55等による所定のコメント投稿操作(コメント送信操作)が行われたか否かが判断される。このSTB7の判断が否定される場合には、STB6以下の処理が再び実行されるが、STB7の判断が肯定される場合には、STB6にて受け付けられたコメント及びその関連情報が前記通信回線18を介して前記サーバ装置12へアップロードされた後、STB9において、前記コメント入力画面に従って前記マウス55等によりその他の操作が行われたか否かが判断される。このSTB9の判断が否定される場合には、STB11以下の処理が実行されるが、STB9の判断が肯定される場合には、STB10において、前記操作に対応する処理が実行された後、STB11において、STB3にて再生開始された動画の再生が終了したか否かが判断される。このSTB11の判断が否定される場合には、STB4以下の処理が再び実行されるが、STB11の判断が肯定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられる。
【0049】
図23は、前記サーバ装置12のCPU22による動画投稿受付制御の要部について説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0050】
先ず、SSA1において、前記通信回線18を介して前記PC14や携帯電話機16等の通信端末装置からの映像情報の投稿(アップロード)があったか否かが判断される。このSSA1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SSA1の判断が肯定される場合には、SSA2において、投稿された映像情報及びその関連情報が利用者の識別情報(ID)と関連付けられて前記映像データベース38に記憶された後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SSA1及びSSA2が前記映像受付制御手段90の動作に対応する。
【0051】
図24は、前記サーバ装置12のCPU22によるコメント投稿受付制御の要部について説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0052】
先ず、SSB1において、前記通信回線18を介して前記PC14や携帯電話機16等の通信端末装置からのコメントの投稿(アップロード)があったか否かが判断される。このSSB1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SSB1の判断が肯定される場合には、SSB2において、投稿されたコメント及びその関連情報が対象となる映像情報と関連付けられて前記コメントデータベース40に記憶された後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SSB1及びSSB2が前記コメント受付制御手段94の動作に対応する。
【0053】
図25は、前記サーバ装置12のCPU22による動画/コメント配信制御の要部について説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0054】
先ず、SSC1において、前記通信回線18を介して前記PC14や携帯電話機16等の通信端末装置から所定の映像情報の配信要求があったか否かが判断される。このSSC1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SSC1の判断が肯定される場合には、SSC2において、配信要求に係る映像情報が前記映像データベース38から読み出される。次に、前記部分映像解析手段98の動作に対応するSSC3において、SSC2にて読み出された映像情報に係る映像に含まれる部分映像であって、他の部分に対して相対的な動作を行う動的な部分映像が解析される。次に、SSC4において、配信要求に係る映像情報に対応付けられて記憶された複数のコメント及び各コメントの関連情報が前記コメントデータベース40から読み出される。次に、コメント映像作成手段100の動作に対応するSSC5において、SSC4にて読み出された複数のコメント、各コメントの関連情報、及びSSC3にて解析された部分映像に基づいて配信要求に係る映像情報に対応するコメント映像が作成される。次に、SSC2にて読み出された配信要求に係る映像情報及びSSC5にて作成されたその映像情報に対応するコメント映像情報が、前記通信回線18を介して配信要求元の通信端末装置へ同期的にストリーミング配信された後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SSC1、SSC2、及びSSC6が前記映像配信制御手段92の動作に、SSC1乃至SSC6が前記コメント配信制御手段96の動作にそれぞれ対応する。
【0055】
このように、本実施例によれば、前記PC14や携帯電話機16等の通信端末装置から投稿された複数の映像情報を記憶する映像データベース38と、前記通信回線18を介して前記通信端末装置からの映像情報の投稿を受け付け、その投稿された映像情報を前記映像データベース38に記憶させる映像受付制御手段90(SSA1及びSSA2)と、前記通信回線18を介しての前記通信端末装置からの配信要求に応じて、前記映像データベース38に記憶された配信要求に係る映像情報をその通信端末装置に配信する映像配信制御手段92(SSC1、SSC2、及びSSC6)と、前記映像データベース38に記憶された複数の映像情報それぞれに対応して、前記通信端末装置から投稿された複数のコメント及び各コメントの動作に関する情報をその映像情報と関連付けて記憶するコメントデータベース40と、前記通信回線18を介して前記通信端末装置によるフリードローによるコメント及びそのコメントの動作に関する情報を受け付け、その投稿されたコメント及びそのコメントの動作に関する情報を前記コメントデータベース40に記憶させるコメント受付制御手段94(SSB1及びSSB2)と、所定の映像情報と関連付けられて前記コメントデータベース40に記憶された複数のコメント及び各コメントの動作に関する情報に基づいて、各コメントが動作すると共に他のコメントとの間で相互作用を及ぼし合うコメント映像を作成するコメント映像作成手段100(SSC5)と、前記映像配信制御手段92による前記映像情報の配信に際して、その映像情報と関連付けられて前記コメントデータベース40に記憶された複数のコメント及び各コメントの動作に関する情報に基づいて前記コメント映像作成手段100により作成されたコメント映像を、前記映像情報の配信と同期してその映像情報の配信対象である前記通信端末装置へ配信するコメント配信制御手段96(SSC1乃至SSC6)とを、備えたものであることから、前記通信端末装置における所定の映像情報の閲覧に際して、各通信端末装置により手書きコメントを投稿できると共に、その手書きコメントが相互に影響を及ぼし合うインタラクティブ感溢れる動画配信サービスを実現することができる。すなわち、インタラクティブ機能に優れた映像情報配信システム10を提供することができる。
【0056】
また、前記映像情報に対応する映像に含まれる部分映像であって、他の部分に対して相対的な動作を行う動的な部分映像を解析する部分映像解析手段98(SSC3)を備え、前記コメント映像作成手段100は、所定の映像情報に関して前記部分映像解析手段98により解析された部分映像の動作に基づいて、その映像情報に対応する前記複数のコメントが作用を受けるコメント映像を作成するものであるため、各通信端末装置により投稿された手書きコメントが相互に影響を及ぼし合うと共に、対象となる動画に含まれる部分映像の動きに応じてそれらコメントが影響を受ける更にインタラクティブ感溢れる動画配信サービスを実現することができる。
【0057】
また、前記コメント受付制御手段94は、前記ブラウザ102に設けられた前記第1変化設定リスト116を介して、予め定められた複数の相互作用のうちから前記他のコメントとの間の相互作用を各コメントに対応してそのコメントの動作に関する情報すなわち第1変化情報として設定できるものであるため、各通信端末装置により投稿される手書きコメントに係る他のコメントとの間の相互作用について、利用者の意向を好適に反映することができる。
【0058】
また、前記コメント受付制御手段94は、前記ブラウザ102に設けられた前記第2変化設定リスト118を介して、予め定められた複数の作用のうちから前記部分映像の動作に基づいて受ける作用を各コメントに対応してそのコメントの動作に関する情報すなわち第2変化情報として設定できるものであるため、各通信端末装置により投稿される手書きコメントに係る部分映像の動作から受ける作用について、利用者の意向を好適に反映することができる。
【0059】
また、前記コメント受付制御手段94は、前記ブラウザ102に設けられた前記入り方設定リスト114を介して、予め定められた複数の入り方のうちから対応する映像への相対的な入り方を各コメントに対応してそのコメントの動作に関する情報すなわち入り方情報として設定できるものであるため、各通信端末装置により投稿される手書きコメントに係る対象となる動画への入り方について、利用者の意向を好適に反映することができる。
【0060】
また、前記コメント受付制御手段94は、前記ブラウザ102に設けられた前記最長表示時間設定リスト120を介して、各コメントの最長表示時間をそのコメントの動作に関する情報すなわち最長表示時間情報として設定できるものであるため、各通信端末装置により投稿される手書きコメントに係る表示時間について、利用者の意向を好適に反映することができる。
【0061】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0062】
例えば、前述の実施例において、前記映像受付制御手段90、映像配信制御手段92、コメント受付制御手段94、及びコメント配信制御手段96は、何れも前記サーバ装置12のCPU22に機能的に備えられたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば映像情報の投稿乃至配信を管理する映像情報サーバと、その映像情報に対応するコメントの投稿乃至配信を管理するコメントサーバとが個別に設けられている態様等においては、前記映像受付制御手段90及び映像配信制御手段92がその映像情報サーバのCPUに、前記コメント受付制御手段94及びコメント配信制御手段96がそのコメントサーバのCPUに、それぞれ機能的に備えられたものであってもよい。すなわち、本実施例に係る各種制御機能は、映像情報配信システムの仕様に応じて適宜複数のサーバ装置に分散して備えられるものである。
【0063】
また、前述の実施例においては、専ら前記PC14に備えられたマウス55により入力されるフリードローに相当するコメントについて説明したが、斯かるフリードローに相当するコメントの入力装置はペンタブレットやタブレットPC等であってもよい。また、前記携帯電話機16がタッチパネルディスプレイを備えたものである場合等においては、その携帯電話機16のタッチパネルにより入力されるフリードローに相当するコメントが受け付けられて、前記PC14により入力されたコメントと同様に前記コメント映像の作成に適用される態様も考えられる。
【0064】
また、前述の実施例において、前記コメント映像作成手段100は、コメントが表示開始される時間情報、前記入り方設定リスト114において設定された入り方情報、前記第1変化設定リスト116において設定された第1変化情報、第2変化設定リスト118において設定された第2変化情報、及び最長表示時間設定リスト120において設定された最長表示時間情報等をコメントの動作に関する情報として前記コメント映像を作成するものであったが、コメントの動作に関する情報はこれらに限られず、例えばコメントの移動速度、対象となる動画に対する移動角度等、更に別の要素に基づいて複数のコメントが相互に影響し合う、或いは前記部分映像から影響を受けるコメント映像を作成するものであってもよい。
【0065】
また、前述の実施例において、前記映像データベース38及びコメントデータベース40は何れも投稿者(利用者)の識別情報(ID)と関連付けて投稿された映像情報乃至コメントを記憶するものであったが、特に投稿者の情報を必要としない場合には斯かる識別情報は必ずしも前記映像データベース38乃至コメントデータベース40に記憶されなくともよい。同様に、それら映像データベース38乃至コメントデータベース40に映像情報乃至コメントと関連付けられて記憶される関連情報は、映像情報配信システムの仕様に応じて適宜変更され得るものであることは言うまでもない。
【0066】
また、前述の実施例においては特に言及していないが、前記コメント映像作成手段100は、過剰のコメントにより対象となる映像が見えにくくなるのを抑制するために、好適には、その映像に対応して投稿された複数のコメントのうち投稿日時が新しいものから所定数のコメントに対応して前記コメント映像を作成するものである。そのように、前記コメント配信制御手段96やコメント映像作成手段100等は、実際には対象となる映像にコメント映像を適合させるために種々の制御を行うものであるが、説明の簡略化のために発明の本質と関連しない制御については省いている。
【0067】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0068】
10:映像情報配信システム
14:パーソナルコンピュータ(通信端末装置)
16:携帯電話機(通信端末装置)
18:通信回線
38:映像データベース
40:コメントデータベース
90:映像受付制御手段
92:映像配信制御手段
94:コメント受付制御手段
96:コメント配信制御手段
98:部分映像解析手段
100:コメント映像作成手段
104:映像
108、108′:コメント
126、128:コメント映像
130:部分映像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の通信回線を介して複数の通信端末装置に対する映像情報の配信を行う映像情報配信システムであって、
前記通信端末装置から投稿された複数の映像情報を記憶する映像データベースと、
前記通信回線を介して前記通信端末装置からの映像情報の投稿を受け付け、該投稿された映像情報を前記映像データベースに記憶させる映像受付制御手段と、
前記通信回線を介しての前記通信端末装置からの配信要求に応じて、前記映像データベースに記憶された配信要求に係る映像情報を該通信端末装置に配信する映像配信制御手段と、
前記映像データベースに記憶された複数の映像情報それぞれに対応して、前記通信端末装置から投稿された複数のコメント及び各コメントの動作に関する情報を該映像情報と関連付けて記憶するコメントデータベースと、
前記通信回線を介して前記通信端末装置によるフリードローによるコメント及び該コメントの動作に関する情報を受け付け、該投稿されたコメント及び該コメントの動作に関する情報を前記コメントデータベースに記憶させるコメント受付制御手段と、
所定の映像情報と関連付けられて前記コメントデータベースに記憶された複数のコメント及び各コメントの動作に関する情報に基づいて、各コメントが動作すると共に他のコメントとの間で相互作用を及ぼし合うコメント映像を作成するコメント映像作成手段と、
前記映像配信制御手段による前記映像情報の配信に際して、該映像情報と関連付けられて前記コメントデータベースに記憶された複数のコメント及び各コメントの動作に関する情報に基づいて前記コメント映像作成手段により作成されたコメント映像を、前記映像情報の配信と同期して該映像情報の配信対象である前記通信端末装置へ配信するコメント配信制御手段と
を、備えたものであることを特徴とする映像情報配信システム。
【請求項2】
前記映像情報に対応する映像に含まれる部分映像であって、他の部分に対して相対的な動作を行う動的な部分映像を解析する部分映像解析手段を備え、
前記コメント映像作成手段は、所定の映像情報に関して前記部分映像解析手段により解析された部分映像の動作に基づいて、該映像情報に対応する前記複数のコメントが作用を受けるコメント映像を作成するものである請求項1に記載された映像情報配信システム。
【請求項3】
前記コメント受付制御手段は、予め定められた複数の相互作用のうちから前記他のコメントとの間の相互作用を各コメントに対応して該コメントの動作に関する情報として設定できるものである請求項1又は2に記載された映像情報配信システム。
【請求項4】
前記コメント受付制御手段は、予め定められた複数の作用のうちから前記部分映像の動作に基づいて受ける作用を各コメントに対応して該コメントの動作に関する情報として設定できるものである請求項2又は3に記載された映像情報配信システム。
【請求項5】
前記コメント受付制御手段は、予め定められた複数の入り方のうちから対応する映像への相対的な入り方を各コメントに対応して該コメントの動作に関する情報として設定できるものである請求項1から4の何れか1項に記載の映像情報配信システム。
【請求項6】
前記コメント受付制御手段は、各コメントの最長表示時間を該コメントの動作に関する情報として設定できるものである請求項1から5の何れか1項に記載の映像情報配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−61528(P2011−61528A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−209347(P2009−209347)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(396004833)株式会社エクシング (394)
【Fターム(参考)】