説明

映像表示装置

【課題】FHDの映像表示装置では、LVDSレシーバ部と左右分割処理部と偶奇合成処理部を持つICと、映像処理部を有する左側映像処理用ICと右側映像処理用ICの3石構成となり、HDの映像表示装置では、LVDSレシーバ部と左右分割処理部と偶奇合成処理部を持つICと映像処理部を有する映像処理用ICの2石構成となりIC数が多い。
【解決手段】本発明では、FHDの映像表示装置では、LVDSレシーバ部と左右分割処理部と偶奇合成処理部と映像処理部を有する映像表示用ICを、左側映像処理用と右側映像処理用に2石で構成し、HDの映像表示装置では、映像表示用に1石で構成とすることが可能とすることを目的とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン受信機などで利用される映像信号のノイズ低減に関するものであり、特にはデジタル放送などで送信されるHD映像信号のノイズ低減に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の映像表示装置の一例について、特許文献1を参照しながら、従来技術をフルハイビジョンに応用した場合の構成に説明する。図2のように従来の映像表示装置は水平方向に一画素毎すなわち偶奇画素毎に分離して作られた偶画素信号と奇画素信号に画素分割し送信されるフルハイビジョン(以下、FHDとする。)のLVDS(low voltage differential signaling)信号の内、偶画素信号を受信する第1のLVDSレシーバ部202と、奇画素信号を受信する第2のLVDSレシーバ部212と、第2のLVDSレシーバ部212でシリアルパラレル変換(以下、SP変換とする。)された奇画素出力信号を入力とし、分割された偶画素信号と奇画素信号を元の順に戻す偶奇合成処理部204と、偶奇合成処理部204の出力信号を入力とし、水平方向に左側の信号と右側の信号に分割する左右分割処理部206と、左右分割処理部206の左側の信号出力を入力とする第1の映像処理部208と、左右分割処理部の右側の信号出力を入力とする第2の映像処理部218において、第1のLVDSレシーバ部202と第2のLVDSレシーバ部212と偶奇合成処理部204と左右分割処理部206から構成される第1の半導体集積回路(以下、ICとする。)と、第1の映像処理部208から構成される第2のIC220と、第2の映像処理部218から構成される第3のIC230から構成されることが考えられる。
【特許文献1】特開平9−179531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような構成では、FHDの映像表示装置では、第1のLVDSレシーバ部と、第2のLVDSレシーバ部と、偶奇合成処理部と、左右分割処理部と、第1の映像処理部と第2の映像処理部が必要であり、第1のICと第2のICと第3のICの3石構成となる。
【0004】
一方ハイビジョン(以下HD)など水平方向に一画素毎すなわち偶奇画素毎に分離や左右分割する必要がない映像表示装置では、第1のLVDSレシーバ部と第1の映像処理部のみが必要であり、第1のICと第2のICの2石構成となり、各映像表示装置を構成するIC数が多く基板面積や装置全体のコストへの影響が問題となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の映像表示装置は、水平方向に一画素毎すなわち偶奇画素毎に分離して作られた偶画素信号と奇画素信号に画素分割し送信されたFHDのLVDS信号の内、偶画素信号を受信する第1のLVDSレシーバ部と、奇画素信号を受信する第2のLVDSレシーバ部と、上記第1のLVDSレシーバ部でSP変換された偶画素出力信号を入力とし、水平方向に左側の信号と右側の信号に分割する第1の左右分割処理部と、上記第2のLVDSレシーバ部でSP変換された奇画素出力信号を入力とし、水平方向に左側の信号と右側の信号に分割する第2の左右分割処理部と、上記第1の左右分割処理部の偶画素の左側の信号出力と上記第2の左右分割処理部の奇画素の左側の信号出力とを入力し、分割された偶画素信号と奇画素信号を元の順に戻す第1の偶奇合成処理部と、上記第1の左右分割処理部の偶画素の右側の信号出力と上記第2の左右分割処理部の奇画素の右側の信号出力とを入力し、分割された偶画素信号と奇画素信号を元の順に戻す第2の偶奇合成処理部と、上記第1の偶奇合成処理部の出力信号を入力とする第1の映像処理部と、上記第2の偶奇合成処理部の出力信号を入力とする第2の映像処理部において、上記第1のLVDSレシーバ部と第1の左右分割処理部と第1の偶奇合成処理部と第1の映像処理部から構成される第1のICと、上記第2のLVDSレシーバ部と第2の左右分割処理部と第2の偶奇合成処理部と第2の映像処理部から構成される第2のICを備えたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると、FHD(Full High Difinition)とHD(High Difinition)のどちらの場合でもIC数を削減した映像表示装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0008】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施形態による映像表示装置のブロック構成図である。図1において映像表示装置は、第1のLVDSレシーバ部102と、第2のLVDSレシーバ部112と、第1の左右分割処理部104と、第2の左右分割処理部114と、第1の偶奇合成処理部106と、第2の偶奇合成処理部116と、第1の映像処理部108と、第2の映像処理部118において、第1のLVDSレシーバ部102と第1の左右分割処理部104と第1の偶奇合成処理部106と第1の映像処理部108から構成される第1のIC100と、第2のLVDSレシーバ部112と第2の左右分割処理部114と第2の偶奇合成処理部116と第2の映像処理部118から構成される第2のIC110から構成される。
【0009】
FHDの映像表示装置の場合、第1のLVDSレシーバ部102は、水平方向に一画素毎すなわち偶奇画素毎に分離して作られた偶画素信号と奇画素信号に画素分割し送信されたFHDのLVDS信号の内、偶画素信号を受信する。第2のLVDSレシーバ部112は、FHDのLVDS信号の内、奇画素信号を受信する。
【0010】
第1の左右分割処理部104は、第1のLVDSレシーバ部102でSP変換された偶画素出力信号を入力とし、水平方向に画面の左側の信号と右側の信号に分割する。さらに、第2の左右分割処理部114は、第2のLVDSレシーバ部112でSP変換された奇画素出力信号を入力とし、水平方向に画面の左側の信号と右側の信号に分割する。
【0011】
第1の偶奇合成処理部106は、第1の左右分割処理部104の偶画素の左側の信号出力と第2の左右分割処理部114の奇画素の左側の信号出力とを入力し、分割された偶画素信号と奇画素信号を元の順に戻す。さらに、第2の偶奇合成処理部116は、第1の左右分割処理部104の偶画素の右側の信号出力と第2の左右分割処理部114の奇画素の右側の信号出力とを入力し、分割された偶画素信号と奇画素信号を元の順に戻す。
【0012】
第1の映像処理部108は、第1の偶奇合成処理部106の出力信号を入力とする。さらに、第2の映像処理部118は、第2の偶奇合成処理部116の出力信号を入力とする。
【0013】
第1のIC100は、第1のLVDSレシーバ部102と第1の左右分割処理部104と第1の偶奇合成処理部106と第1の映像処理部108から構成される。第2のIC110は、第2のLVDSレシーバ部112と第2の左右分割処理部114と第2の偶奇合成処理部116と第2の映像処理部118から構成される。
【0014】
第1のIC100の第1の左右分割処理部104の偶画素の右側の信号出力と、第2のIC110の第2の左右分割処理部114の奇画素の左側の信号出力が、1対1で接続される同一の信号バス構造を持ち、第1の左右分割処理部104と第2の左右分割処理部114は時分割で出力状態となり信号バスの競合しないよう調停し、第1の左右分割処理部104が出力状態の時は第2の左右分割処理部114が信号を受信し、第2の左右分割処理部114が出力状態の時は第1の左右分割処理部104が信号を受信する。
【0015】
またHDの映像表示装置の場合、水平方向に一画素毎すなわち偶奇画素毎に分離がなされていないため第1のLVDSレシーバ部102のみあればよく、また左右分割も行わないため映像処理部は第1の映像処理部108があればよい。そのためHDの映像表示装置は、第1のIC100のみで構成できる。HDの映像表示装置として使用する場合、第1の左右分割処理部104と第1の偶奇合成処理部106の機能は使わない。
【0016】
以上に説明したように、本発明の映像表示装置によれば、FHDの映像表示装置では、左側映像処理用と右側映像処理用にそれぞれ第1のICと第2のICの2石で構成し、HDの映像表示装置では、第1のICのみ1石で構成とすることで、FHDとHDのどちらの場合でもIC数を削減した映像表示装置を提供することができる。基板面積や装置全体のコストの削減への影響が問題となっていた。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明は、一つの画面上に複数の画像を表示する映像表示装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施例における映像表示装置のブロック構成図
【図2】従来の複合映像信号の映像表示装置のブロック構成図
【符号の説明】
【0019】
100 第1のIC
102 第1のLVDSレシーバ部
104 第1の左右分割処理部
106 第1の偶奇合成処理部
108 第1の映像処理部
110 第2のIC
112 第2のLVDSレシーバ部
114 第2の左右分割処理部
116 第2の偶奇合成処理部
118 第2の映像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に一画素毎すなわち偶奇画素毎に分離して作られた偶数の画素信号と奇数の画素信号に画素分割し送信されたフルハイビジョンLVDS(low voltage differential signaling)信号の内、偶数の画素信号を受信する第1のLVDSレシーバ部と、奇数の画素信号を受信する第2のLVDSレシーバ部と、上記第1のLVDSレシーバ部でシリアルパラレル変換された偶数の画素出力信号を入力とし、水平方向に左側の信号と右側の信号に分割する第1の左右分割処理部と、上記第2のLVDSレシーバ部でシリアルパラレル変換された奇数の画素出力信号を入力とし、水平方向に左側の信号と右側の信号に分割する第2の左右分割処理部と、上記第1の左右分割処理部の偶画素の左側の信号出力と上記第2の左右分割処理部の奇画素の左側の信号出力とを入力し、分割された偶画素信号と奇画素信号を元の順に戻す第1の偶奇合成処理部と、上記第1の左右分割処理部の偶画素の右側の信号出力と上記第2の左右分割処理部の奇画素の右側の信号出力とを入力し、分割された偶画素信号と奇画素信号を元の順に戻す第2の偶奇合成処理部と、上記第1の偶奇合成処理部の出力信号を入力とする第1の映像処理部と、上記第2の偶奇合成処理部の出力信号を入力とする第2の映像処理部において、上記第1のLVDSレシーバ部と第1の左右分割処理部と第1の偶奇合成処理部と第1の映像処理部から構成される第1の半導体集積回路と、上記第2のLVDSレシーバ部と第2の左右分割処理部と第2の偶奇合成処理部と第2の映像処理部から構成される第2の半導体集積回路から構成される映像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載された映像表示装置であって、上記第1の半導体集積回路の上記第1の左右分割処理部の偶画素の右側の信号出力と、上記第2の半導体集積回路の上記第2の左右分割処理部の奇画素の左側の信号出力が、1対1で接続される同一の信号バス構造を持ち、第1の半導体集積回路と第2の半導体集積回路間の左右信号の遣り取りで使用する線の本数を少なくすることを特徴とした映像表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載された映像表示装置であって、第1の左右分割処理部が出力状態の時は、上記の第2の左右分割処理部が信号を受信し、第2の左右分割処理部が出力状態の時は、第1の左右分割処理部が信号を受信することを特徴とする映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−171183(P2009−171183A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−6580(P2008−6580)
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】