説明

映像表示装置

【課題】視聴者がテレビを鑑賞中に放映映像とは関係ない映像表示装置の設定情報を画面に表示されることを防止し,シネマ等の放映画像を鑑賞するために必要のない機能の操作を禁止する映像表示装置を提供する。
【解決手段】当該映像表示装置の動作情況を設定する設定情報を液晶パネル40に表示し,表示された設定情報を選択して動作状況を変更するOSDを備えた映像表示装置Xにおいて,OSD画像生成部24によって表示される設定情報の中の第1の情報を液晶パネル40に表示させず,且つ,OSDによって設定される前記設定情報の中の第2の情報を選択させないような動作モードに当該映像表示装置の動作モードを切り換える切替手段を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,OSDの機能を備えた映像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
テレビ画面の大型化により,一般のテレビ放送を視聴する以外に,DVD(Digital Versatile Disc)やブルーレイディスクなどでシネマを鑑賞する需要が増えている。このような状況のもと,受信した放送用の映像信号を映画館と同じ画面比率であるシネスコサイズ(横:縦=21:9)に変換して画面に表示する方法以外に,シネスコの映像を全画面で表示するために,シネスコサイズのテレビが発売されている。
【0003】
一方,一般的なテレビでは,画面比率が4:3や16:9の画面が使用されている。また,一般的なテレビでは,テレビのチャンネルを合わせたり音量を調節する操作をする際に,映像表示装置の設定情報を画面に表示させて操作するOSD(On Screen Display)が用いられている。このOSDに関連する技術が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の方法は,AVアンプやレコーダなどの外部機器と接続された表示装置において,ジャンル等のコンテンツ情報と各機器の動作状態に基づいて,バックライトや外部機器への電力供給を制限または停止を可能にする制御方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−145679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的なテレビでは,常にOSDが機能し,映像表示装置の設定情報を画面に表示させて操作することができる。その為,従来の一般的なテレビでは,視聴者がテレビ番組やビデオ映像を鑑賞中であっても,テレビ番組等とは関係ない表示装置の設定情報が画面に表示されると,視聴者が番組に集中できないおそれがある。
そこで,本発明の目的とするところは,視聴者がテレビを鑑賞中に放映映像とは関係ない映像表示装置の設定情報を画面に表示されることを防止し,シネマ等の放映画像を鑑賞するために必要のない機能の操作を無効にする映像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明に係る映像表示装置は,次の(1)に示される構成要素を備えている。
なお,映像表示装置は,当該映像表示装置の動作状況を設定するための設定情報の信号と受信した映像信号とを併せて表示画面に表示する設定情報表示手段と,表示された前記設定情報を選択することによって動作状況を変更する設定手段と,離れた場所から前記動作状況を変更する遠隔操作手段とを備えている。
(1)前記設定情報表示手段によって表示される前記設定情報の中の第1の情報を前記表示画面に表示させず,且つ,前記設定手段によって設定される前記設定情報の中の第2の情報を選択させないような動作モードに当該映像表示装置の動作モードを切り換える切替手段。
これにより,第1の情報が放映画像と関係がない場合には,視聴者がテレビを鑑賞中に放映画像とは関係ない映像表示装置の設定情報が画面に表示されることが防止されるので,視聴者が番組等に集中できるようになると共に,第2の情報が放映画像を鑑賞するために必要のない機能の場合には,放映画像を鑑賞するために必要のない機能の操作を無効にすることによって放映画像等と関係のない設定が誤動作等によって実施されてしまう不都合を解消することができる。
また,本発明に係る映像表示装置は,さらに次の(2)に示される構成要素を備え,前記切替手段が次の(1−1)に示される処理をすることが考えられる。
(2)前記映像信号の横と縦との画面比率が21対9の映像信号であるかないかを判別する画面比率判別手段。
(1−1)前記画面比率判別手段によって前記映像信号が画面比率が21対9の映像信号であると判別されたことに応じて,前記切替手段が,前記動作モードを切り換えること。
画面比率が21対9の映像信号のほとんどはシネマ画像であると看做すことができるので,上記処理により,シネマ画像の鑑賞中に望ましくない設定情報が表示されることを防止できる。例えば,チャンネル情報や,音量調節用情報が表示されることを防止できる。更に,シネマ画像を鑑賞するために望ましくない機能が誤って操作されることを禁止できる。例えば,画面比率が21対9から4対3や16対9に変更する画面サイズを変換する機能が操作されることを禁止できる。
さらに好ましくは,次の(1−2)に示される条件が充たされる場合が考えられる。
(1−2)前記切替手段の切り換えによって選択されなくなる前記第2の情報が,前記遠隔操作手段によって選択することができる情報の全部又は一部の情報であること。
リモコン等の遠隔操作手段は視聴者の手元にあることが多く,視聴者が放映画像(シネマ画像)を鑑賞中に誤って操作するおそれがある。そのため,視聴者が放映画像(シネマ画像)を鑑賞する際に動作モードを設定することによって,視聴者が誤ってリモコン等を操作してもその操作が無効となり,放映画像(シネマ画像)と関係のない設定が実施されてしまう不都合を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る映像表示装置は,視聴者がテレビを鑑賞中に放映画像とは関係ない映像表示装置の設定情報が画面に表示されることを防止し,放映画像を鑑賞するために必要のない機能の操作を禁止することができるものであり,視聴者が番組に集中することができる映像表示装置の提供に寄与しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る映像表示装置の一例であるテレビジョン受像機Xの概略構成を表すブロック図。
【図2】テレビジョン受像機Xにおけるシネマモードの処理の手順を表すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。なお,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0010】
まず,図1に示される概略構成図を参照しつつ,本発明の実施形態に係るテレビジョン受像機Xの構成について説明する。なお,テレビジョン受像機Xは,リモコン71と本体に備えられた操作パネルによって動作状況の設定を変更することができる。
図1に示されるように,テレビジョン受像機Xは,チューナ10,マルチコアCPU20,液晶駆動回路30,液晶パネル40,調光回路50,バックライト60,インターフェース処理部(以下,IF処理部と省略する)70,リモコン71及びメモリ80等を備えている。
チューナ10は,テレビジョン放送信号から指定されたチャンネルの放送番組の映像信号及び音響信号を抽出する電子部品である。さらに,チューナ10は,デジタル方式のテレビジョン放送信号から,映像信号及び音響信号以外のいわゆるデータ放送の情報も抽出する。データ放送の情報には,例えば,EPG(Electronic Program Guide)の情報や放送番組ごとに提供されるその他の情報等が含まれる。
IF処理部70は,リモコン71によって送信された赤外線の制御信号を電気信号に変換して,マルチコアCPU20に出力したり,外部装置に接続されることにより,その外部装置から映像信号及び音響信号が入力されるインターフェース機能を備えている。
マルチコアCPU20は,複数のコアプロセッサが集積されたCPU(Central Processing Unit)であり,テレビジョン受像機Xにおける映像信号や音響信号に関する信号処理や制御を実行する。
例えば,マルチコアCPU20は,チューナ10及びIF処理部70を通じて得られる映像信号に基づいて,動画における1コマの画像を構成する各画素の3原色(R,G,B)それぞれの階調レベルを表すフレーム信号を順次生成し,そのフレーム信号を液晶駆動回路30に伝送する映像信号処理を行う。なお,前述のフレーム信号は,各画素の階調のレベルを表す描画用信号である。
さらに,マルチコアCPU20は,チューナ10及びIF処理部70を通じて得られる音響信号に対し,イコライズ処理等の音響信号処理を実行する。処理後の音響信号は,不図示の音響アンプ及びスピーカを通じて出力される。
マルチコアCPU20には,チューナ10から出力される映像信号及び音響信号と,IF処理部70を通じて外部装置から入力される映像信号及び音響信号とが入力される。以下,便宜上,チューナ10から出力される映像信号を放送番組映像信号,外部装置からIF処理部70を通じて入力される映像信号を外部入力映像信号と称する。
マルチコアCPU20において,複数のコアプロセッサは,それぞれが所定のプログラムを実行することによって画像処理,制御及びその他の演算処理を実行する。例えば,複数のマルチコアCPU20は,それぞれ後述する制御部21,主映像画像生成部22,データ放送画像生成部23,OSD画像生成部24及び画像合成部25として機能する。なお,図1には示されていないが,マルチコアCPU20には,音響信号に関する処理を行うコアプロセッサも含まれている。
【0011】
液晶駆動回路30は,マルチコアCPU20から所定周期で順次伝送されてくるフレーム信号に基づいて,そのフレーム信号に対応する1フレーム分の映像(1コマの画像)を液晶パネル40に順次表示させる回路である。
より具体的には,液晶駆動回路30は,液晶表示パネルに設けられた各画素の液晶素子に対し,R,G,B3原色それぞれの階調レベル(映像輝度のレベルといってもよい)に応じた電圧の階調信号を供給する。これにより,液晶パネル40は,フレーム信号に応じた映像を表示する。即ち,液晶駆動回路30及び液晶パネル40は,各画素の階調のレベルを表す描画用信号であるフレーム信号に基づいて映像を表示する映像表示手段の一例である。
調光回路50は,マルチコアCPU20における制御部21からの制御指令に従って,バックライト60の光源に対する供給電力,即ち,バックライト60の輝度を,例えばPWM制御によって調節する回路である。なお,調光回路50は,例えばFPGAやASIC等により具現化されている。
バックライト60は,映像を表示する液晶パネル40の背面側に配置され,複数のLED又は複数の蛍光管などを光源として液晶パネル40を照明する照明手段である。
メモリ80は,制御部21によって実行される制御プログラムが予め格納されている。また,メモリ80は,主映像画像生成部22によって処理される外部入力映像信号,データ放送画像生成部23によって処理される放送番組信号,OSD画像生成部24によって生成されたOSD画面表示信号などの各種データが記憶される。
【0012】
IF処理部70は,テレビジョン受像機Xの操作用のリモコン71から,リモコンプロトコルと称される信号伝送プロトコルに従って,赤外線による無線信号受信を行う信号伝送インターフェースである。そして,IF処理部70は,赤外線信号からリモコン71に対する操作入力情報を表す信号を抽出し,その信号を制御部21に伝送する。
また,IF処理部70は,テレビジョン受像機Xの本体に備え付けられた操作用キーからの入力信号から操作入力情報を検出して,制御部21に伝送する。
また,IF処理部70は,OPC(OLE for Process Control)に準拠したインターフェースを備えており,テレビジョン受像機Xに接続された機器から送信された操作情報を受信して,制御部21に伝送する。
更に,IF処理部70は,コンポーネント端子及びHDMI回路(High Definition Multimedia Interface)を備えている。
コンポーネント端子は,映像の3原色の信号を含むコンポーネント信号の入力端子である。
HDMI回路は,デジタルの映像信号及び音声信号を同時に,ベースバンド方式で外部装置から自装置へ伝送する信号伝送インターフェースである。映像信号及び音声信号の伝送は,TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)ラインを通じて行われる。
また,HDMI回路は,TMDSラインとは別のCEC(Consumer Electronics Control)ラインを通じて,映像信号及び音響信号以外の制御情報を伝送する機能も備えている。CECラインを通じた情報伝送は双方向で可能である。
【0013】
リモコン71は,前述したようにテレビジョン受像機Xを操作するための操作キーに加えて,シネマモードの設定をオン・オフするシネマモードキーを備えている。ここで,シネマモードとは,一部のOSDを非表示の状態にし,一部の設定動作の選択を無効にすることを言う。シネマモードの詳細については,後述する。
【0014】
次に,マルチコアCPU20における各構成要素の処理について説明する。マルチコアCPU20は,制御部21,主映像画像生成部22,データ放送画像生成部23,OSD画像生成部24,画像合成部25を備えている。
主映像画像生成部22は,IF処理部70により抽出された映像信号の情報を液晶パネル40により映像として表示するための描画用信号である主映像信号を生成する。即ち,主映像画像生成部22は,制御部21から指定される1つ又は複数の外部入力映像信号を,その映像信号に対応した描画用信号である主映像用フレーム信号へ変換する。なお,主映像用フレーム信号は,主映像画像生成部22によってスケーラー処理がされており,表示可能な画素数や周波数に合うように変換されている。
データ放送画像生成部23は,チューナ10により抽出された放送番組映像信号を液晶パネル40により映像として表示するための描画用信号であるデータ放送画面信号を生成する。データ放送画面信号は,例えば,EPGの情報に基づく番組表の画面を描画するための信号等である。
OSD画像生成部24は,テレビジョン受像機Xの内部パラメータをユーザの操作に応じて設定するためにその内部パラメータを液晶パネル40に表示するための描画用信号であるOSD画面信号を生成する。内部パラメータには,例えば,バックライト60の基準となる輝度を調整するパラメータや,表示色の色合いやコントラストを調整するパラメータ,放送チャンネルの設定に関するパラメータ等が含まれる。
画像合成部25は,必要に応じて,主映像用フレーム信号に対し,データ放送画像生成部23及びOSD画像生成部24により生成される他の描画用信号を合成する処理を実行する。前述の他の描画用信号には,データ放送画面信号とOSD画面信号とが含まれる。即ち,画像合成部25は,データ放送画像生成部23及びOSD画像生成部24各々により生成される他の描画用信号が存在しない場合には,主映像用フレーム信号のまま液晶を駆動する信号を生成して液晶駆動回路30へ伝送する。一方,データ放送画像生成部23及びOSD画像生成部24各々により生成される他の描画用信号が存在する場合には,主映像用フレーム信号の一部を他の描画用信号に置き換えた信号である合成フレーム信号を生成し,その合成フレーム信号に基づいて液晶を駆動する信号を生成して液晶駆動回路30へ伝送する。
【0015】
制御部21は,テレビジョン受像機Xが備える主映像画像生成部22,データ放送画像生成部23,OSD画像生成部24,画像合成部25などの各構成要素の制御処理を実行するものである。
例えば,制御部21は,リモコン71あるいは図外の本体側入力部の操作キーを通じた操作入力を検知し,その操作入力の内容に応じた各種の処理を実行する。より具体的には,制御部21は,リモコン71あるいは図外の本体側入力部におけるチャンネル指定の操作入力に応じて,指定されたチャンネルの放送番組の信号がテレビジョン放送信号から抽出されるよう,チューナ10を制御する。また,制御部21は,リモコン71あるいは図外の本体側入力部における音量調節の操作入力に応じて不図示の音響アンプを制御することにより,放送番組の出力音響の音量を調節する。
【0016】
更に,制御部21は,シネマモードに対応する機能を備えている。
制御部21は,リモコン71あるいは図外の本体側入力部に備えられたシネマモードのオン・オフを切り換えるシネマモードキーが操作されシネマモードが選択されたことに応じて,入力映像信号が主映像画像生成部22によって生成された映像の横と縦との画面比率が21対9の映像信号であるかないかを判別する。画面比率が21対9の映像信号のほとんどはシネマ画像であると看做すことができるので,シネマを鑑賞していると推定される場合にのみシネマモードの操作を有効にすることができるのである。
即ち,制御部21は,画面比率が21対9の映像信号が表示され,且つ,シネマモードが選択された場合にのみシネマモードをオンする。シネマモードがオンとなって,シネマ等を鑑賞するために関係がない一部のOSDを非表示の状態にし,シネマ等を鑑賞するために関係がない一部のOSDによる設定の選択を無効にする。これにより,非表示状態にされる一部のOSDがシネマ等と関係がない場合には,視聴者がテレビを鑑賞中にシネマ等とは関係ない映像表示装置の設定情報が画面に表示されることを防止して,視聴者がシネマ等に集中できるようにすると共に,選択が無効にされる一部のOSDがシネマ等を鑑賞するために必要のない機能の場合には,シネマ等を鑑賞するために必要のない機能の操作を無効にすることによってシネマ等と関係のない設定が誤動作等によって実施されてしまう不都合を解消することができる。
例えば,シネマモードが設定された場合に非表示にされる一部のOSDとして,音量ボリューム,消音オン・オフ,入力切替(現在の入力画面番号等) ,ボタン誤操作時のお知らせ表示( 例えば,“デジタル放送選択中のみ選択できます。”,“静止画表示できません。”,“チャンネル選択中のみ設定できます。” 等),タイマー録画予約等している場合の表示(例えば,“録画開始”,“録画停止” 等),オフタイマーなどがある。シネマモード時に非表示にされるOSDの情報は,第1の情報の一例に該当する。
例えばまた,シネマモードが設定された場合にリモコン71による操作が無効になる一部の設定機能として,音量ボリューム,消音オン・オフ,AVポジション,画面サイズ,字幕,音声切替,入力切替,電源,ファミリンク(例えば,レコーダー電源・早戻し・早送り・再生・停止等)などがある。シネマモード時に操作が無効になる機能の情報は,第2の情報の一例に該当する。
なお,シネマモード時に操作が無効になる第2の情報に該当する機能は,リモコン71に操作キーが搭載された機能であることが望ましい。これにより,視聴者が放映画像(シネマ画像)を鑑賞している際に,誤ってリモコン71に触れた場合であっても,放映画像(シネマ画像)を鑑賞するために望ましくない機能が誤って操作されることを防ぐことができる。
即ち,リモコン等の遠隔操作手段は視聴者の手元にあることが多く,視聴者が放映画像(シネマ画像)を鑑賞中に誤って操作するおそれがある。そのため,視聴者が放映画像(シネマ画像)を鑑賞する際に動作モード(シネマモード)が設定されると,視聴者が誤ってリモコン等を操作してもその操作が無効となり,放映画像(シネマ画像)と関係のない設定が実施されてしまう不都合を防ぐことができる。
ただし,第2の情報に該当する機能は,リモコン71により選択できる機能の一部あるいは全部であっても良い。リモコン71により選択される機能の中でも,特にシネマモードの視聴の妨げとなる傾向が強い一部の機能にすることで,ユーザによる操作の自由度を確保することが望ましい場合があるからである。
なお,第1の情報と第2の情報とは重複しても良く,あるいは一致しても良い。上記例では,音量ボリューム,消音オン・オフなどが重複している。
【0017】
次に,図2に示されるフローチャートを参照しつつ,リモコン71によって操作され,制御部21によって設定されるシネマモードの処理の手順の一例について説明する。図2に示される処理は,主映像画像生成部22によって(主映像信号)描画用信号が生成されている際に,制御部21がリモコン71によってシネマモードが操作されたことを検知したときに開始される。なお,以下に示されるS101,S102,…は,処理手順(ステップ)の識別符号を表す。
【0018】
リモコン71が操作されると,リモコン71からIF処理部70を介して,制御部21に操作内容が伝送される(ステップS101)。制御部21は,操作された内容がシネマモードの設定であるかないかを判別する(ステップS102)。シネマモードの設定である場合には(ステップS102;YES),主映像映像生成部22で生成された主映像信号の横と縦との画面比率が21対9の映像であるかないかを判別する(ステップS103)。主映像信号の映像の画面比率が21対9と一致する場合には(ステップS103;YES),シネマモードをオンにして,第1の情報のOSDを非表示にし,第2の情報のOSDの機能が選択されないようにする(ステップS104)。
シネマモードの設定でない場合(ステップS102;NO),又は主映像信号の映像の画面比率が21対9と一致しない場合には(ステップS103;NO),メモリ80に記憶されたプログラムに従って,各操作段階で必要な全てのOSDを表示し,且つ,表示された情報に基づいて各操作段階で必要な全ての設定を選択することができる(ステップS105)。
【0019】
以上に示したように本発明のテレビジョン受像機Xによれば,動作モード(シネマモード)切替手段を備えることによって,視聴者がテレビを鑑賞中に放映映像とは関係ない映像表示装置の設定情報が画面に表示されることを防止し,放映画像を鑑賞するために必要のない機能の操作を無効にすることができる。
また,テレビジョン受像機Xに表示される画像の画面比率が21対9であるかないかの判別をする画面比率判別手段を備えることによって,シネマを鑑賞していると推定される場合のみシネマモードの操作を有効にすることができる。
更に,シネマモード時に操作が無効にされる機能をリモコン71に搭載されている機能の全部又は一部にすることによって,シネマ鑑賞中に視聴者が誤ってリモコン71に触れたとしても,シネマ鑑賞に関係がない操作が実施されることを防止できる。
【符号の説明】
【0020】
X :テレビジョン受像機
10 :チューナ
20 :マルチコアCPU
21 :制御部
22 :主映像画像生成部
23 :データ放送画像生成部
24 :OSD画像生成部
25 :画像合成部
30 :液晶駆動回路
40 :液晶パネル
50 :調光回路
60 :バックライト
70 :IF処理部
71 :リモコン
80 :メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該映像表示装置の動作状況を設定するための設定情報の信号と受信した映像信号とを併せて表示画面に表示する設定情報表示手段と,表示された前記設定情報を選択することによって動作状況を変更する設定手段と,離れた場所から前記動作状況を変更する遠隔操作手段とを備えた映像表示装置において,
前記設定情報表示手段によって表示される前記設定情報の中の第1の情報を前記表示画面に表示させず,且つ,前記設定手段によって設定される前記設定情報の中の第2の情報を選択させないような動作モードに当該映像表示装置の動作モードを切り換える切替手段を具備してなる映像表示装置。
【請求項2】
前記映像信号の横と縦との画面比率が21対9の映像信号であるかないかを判別する画面比率判別手段をさらに具備し,
前記切替手段が,
前記画面比率判別手段によって前記映像信号が画面比率が21対9の映像信号であると判別されたことに応じて,前記動作モードを切り換えるものである請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記切替手段の切り換えによって選択されなくなる前記第2の情報が,前記遠隔操作手段によって選択することができる情報の全部又は一部の情報である請求項1又は2に記載の映像表示装置。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−75990(P2011−75990A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−229641(P2009−229641)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】