説明

映像表示装置

【課題】ひとつの映像表示装置で、複数の異なる規格の素材映像の同時表示を可能にし、マルチディスプレイで、それぞれの表示デバイスを配列して配置した映像表示装置を構成した場合でも、制御装置を必要とせずに、1つの画像の表示を可能にする。
【解決手段】表示位置情報を有するパケット形式の映像信号を表示する映像表示装置であって、単位表示デバイスを並進対称性を持つように構成したものとする。また、単位表示デバイスは、映像信号の受信部と、入力された映像信号を上記の表示位置情報に基づいて表示範囲内と範囲外あるいは表示対象と表示対象外に分割し、映像信号の表示位置を加工し、次の単位表示デバイスに出力する出力部と、表示範囲内にある映像を表示する表示部と、を備え、映像信号を順次送りながら単位表示デバイスで処理することで、映像表示装置全体での表示を行なうものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の映像表示デバイスを束ねてひとつの表示装置として用いる映像表示装置に関している。
【背景技術】
【0002】
従来の映像表示装置は、1つの映像制御装置からの映像信号の表示に際して全画面を占有して表示するように設計されており、テレビやパソコン、計測器機の表示部等の映像は、それぞれの映像表示装置を占有した状態で表示されていた。このため、それぞれ独立な複数の映像を表示するには、表示させたい映像の数だけ映像表示装置を用意する必要があった。もちろん、時分割多重化あるいは空間多重化は可能であって、つまり、切り替え装置を使って時分割多重化を行い、単一の映像表示装置に複数の画像を表示することは可能である。また、画面分割装置を使って空間多重化を行い、複数の映像を合成した合成映像を作りその合成映像を1つの画面に複数画面をいれて表示することも可能である。しかし、複数の画像を合成して表示するには、合成操作を行なう制御装置が別に必要であった。また、上記の場合とは逆に、1つの映像を複数の表示デバイスで分担する表示は、マルチモニタ(あるいはマルチディスプレイ)表示として知られており、また、よく用いられている。これは、複数の表示デバイスを連結して物理的に大きな画面を有する映像表示装置を構成するものであり、各表示デバイスは、共通の制御装置から、映像表示装置における表示デバイスのそれぞれの位置に応じたそれぞれの映像信号を表示するものである。複数の表示デバイスを連結して物理的に大きな画面を有する映像表示装置を構成するものであり、各表示デバイスには、その表示デバイスの受け持ち領域で切り出した映像信号を与える必要があり、複数の表示デバイスにそれぞれの映像信号を供給する制御装置が別に必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3520318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ひとつの映像表示装置で、複数の異なる規格の素材映像の同時表示を可能にし、マルチディスプレイで、それぞれの表示デバイスを上下左右に任意に配置した映像表示装置を構成した場合でも、制御装置を必要とせずに、1つの画像を上記の映像表示装置での表示を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、概略、各映像信号を統一した規格に従ったデジタル映像信号にすることにより、テレビやパソコン、計測器機の表示内容、デジタルカメラ、携帯電話画面、電子本、電子新聞、など種々の表示形態のあらゆる映像データを、ひとつの映像表示装置の任意の位置に、しかも重なりを許して、いくつでも表示させることを可能にするものである。さらに、本発明を用いれば、表示デバイスを連結することで、連続した表示画面が得られ、連続した表示画面が、あたかも元々一つの巨大画面であるかのように、複数の表示画面内の任意の位置にシームレスに表示させることを可能にする。連結する表示デバイスは、白黒とカラー、静止画用と動画用といった、解像度や画面更新間隔が異なっていてもよい。利用者は、各自好みの位置に好みの表示デバイスを結合して、ひとつの映像表示装置として取り扱うことが可能になる。本発明で用いるデジタル映像信号は、表示デバイスの画面サイズとは無関係であってよい。例えば、表示デバイスの画面サイズが100×100画素、映像信号が120×80画素であった場合、映像信号の一部が表示され、表示デバイスからはみ出した部分は、別の表示デバイスに表示されるか、あるいは棄却される。
【0006】
映像信号は、表示開始位置を指定した映像信号パケットとする。表示デバイスには、図1のように、複数の入出力端子と、上下左右、斜め等に接続する映像表示装置のための入出力端子を少なくとも1つ設ける。各表示デバイスは、映像信号パケットの表示開始位置を読み、それぞれの表示デバイスの表示範囲の部分を判断し、その部分を表示する。表示範囲外の部分があれば、その部分の映像信号バケットの表示位置データを加工し、適切な入出力端子から出力する。同一位置に2つ以上の映像信号パケットの表示要求があった場合には、予め決めておいた手順に従い、表示内容を決定し、表示する。
【0007】
このため、本発明の映像表示装置は、表示位置情報を有するパケット形式の映像信号を表示する映像表示装置であって、上記の映像表示装置は、単位表示デバイスを並進対称性を持つように組み合わせて構成したものであり、
上記の単位表示デバイスは、映像信号を受信する受信部と、入力された映像信号を上記の表示位置情報に基づいて表示範囲内と範囲外あるいは表示対象と表示対象外に分割し、表示範囲外あるいは表示対象外の映像信号の表示位置を加工する加工部と、加工した映像信号を並進対称軸に沿って次の単位表示デバイスに出力する出力部と、表示範囲内にある映像を表示する表示部と、を備え、
映像信号を順次送りながら単位表示デバイスで処理することで、映像表示装置全体での表示を行なうものである。
【0008】
また、単位表示デバイスは、表示面を1つもつ表示デバイスであり、映像表示装置は、前記単位表示デバイスを行列に整列させたものである。
【0009】
あるいは、単位表示デバイスは、表示面を2つもち、該表示面は互いにずれて整列した表示デバイスであり、映像表示装置は、前記単位表示デバイスを行列に整列させたものである。
【0010】
また、上記の単位表示デバイスは、入力用の端子と、並進対称性をもつそれぞれの方向の単位表示デバイスと接続するためのそれぞれの出力端子を備えるものである。
【0011】
さらに、上記の加工部では、当該加工部の属する表示デバイスに設定した表示領域のサイズ分を、映像信号の表示位置から減じた表示位置情報を出力する。
【0012】
また、上記の表示装置から任意の表示領域を選択して、その部分に相対的に多量の映像データを供給し、相対的に多量の映像データを表示することによって、一部分を高精細画像とするものである。
【0013】
また、上記の映像表示装置において、他の表示デバイスと接続するための表示デバイスの接続ポートは上下左右用の4個を備え、それぞれの表示デバイスは、上下左右方向の当該表示装置の接続ポートに従って、縦及び横方向の当該表示装置の画素数を引いた位置データあるいは加えた位置データに書き換えた画像データを送信することで、自動的に、絶対位置座標を、相対位置座標に変換して表示するものである。
【0014】
また、各表示デバイスは、外部からの要請によってそれぞれ異なるパターンをデフォルトで表示する手段と、それぞれの表示デバイス固有のパターン位置を入力することにより、あるいは、前記の固有のパターンを整列させることによりそれぞれの表示デバイスの配置を導出する手段を備えて、これを表示の際の座標に用いる。
【0015】
また、いずれかの表示デバイスに撮像カメラを接続して、映像表示装置全体をその表示装置に映した状態で、入力した映像信号と、前記映像信号を表示した表示デバイスとの対応から、表示デバイスの位置情報を読み取ることによりそれぞれの表示デバイスの配置を導出する手段を備えて、これを表示の際の座標に用いる。
【発明の効果】
【0016】
この発明は、合成映像を作ることなく、複数の映像を同時に表示する映像表示装置を提供することで、異なる規格の素材映像の同時表示を、画質低下を伴わずに可能になる。また、本発明では、それぞれの表示デバイスを上下左右に任意に配置した映像表示装置を構成した場合でも、制御装置を必要とせずに、1つの画像を上記の映像表示装置での表示を可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の映像表示装置の構成単位となる表示デバイスを示す図である。
【図2】本発明の映像表示装置を構成する表示デバイス1の内部構成を示す図である。
【図3】本発明の映像表示装置の例を示す図である。
【図4】本発明の表示デバイスの1ラインの映像信号例を示す図である。
【図5】本発明の映像表示装置の例で4つの表示デバイスに分割して表示するメカニズムを示す図である。
【図6】チューナで受信した映像を、利用者の指示に従って、表示デバイスで表示するまでの手順の事例を示す図である。
【図7】単位表示デバイスを用いて構成した映像表示装置の例を示す図である。
【図8】選択された領域に高精細画像を表示するための映像表示装置を構成する表示デバイス1の内部構成を示すブロック図である。
【図9】選択された領域に高精細画像を表示する領域を入力するための映像表示装置を構成する表示デバイスの内部構成を示すブロック図である。
【図10】表示デバイスの配置認識を行うためのセットアップを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明においては、同じ機能あるいは類似の機能をもった装置に、特別な理由がない場合には、同じ符号を用いるものとする。
【0019】
図1は、本発明の映像表示装置を構成する表示デバイス1を示す。これは、大画面の四辺形の表示領域となる映像表示装置を構成する場合には、左下隅から上下斜め右上に表示デバイス1をそれぞれ配置し配線する。それぞれの表示デバイスに、この操作を繰り返して、望みの表示領域を持った映像表示装置を構成するものである。表示デバイス1の入力は4入力となっているが、最低限1入力あればよい。
【0020】
本発明の映像表示装置を構成する表示デバイス1の内部構成を図2に示す。図2の表示デバイス1は、複数の映像信号パケット形式の映像信号を同時に受信する受信部2と、映像信号パケットを表示範囲内と範囲外に分割し、表示範囲外の映像信号パケットの表示開始位置データを加工する加工部3と、加工された映像信号パケットを出力する送信部4と、表示範囲内と判断された映像信号パケットを表示する表示部5と、から構成される。図2の構成により、この表示デバイスを複数、相互接続して表示範囲を広げることが可能になる。
【0021】
表示範囲内の映像信号パケットを表示する表示部の実現方法にはいろいろあるが、例えば、特許文献1(特許第3520318号公報「映像合成処理システム」)に記載された方法を用いて実現できる。すなわち、同一位置に2つの映像信号パケットの表示要求があった場合、どのような映像を表示すべきかを、予め用意しておいた合成制御命令データ、あるいは、映像信号パケットから生成した合成制御命令データを表示部に与えることにより表示内容を決定する。
【実施例1】
【0022】
図3は、4入力、上、右上、及び右に入出力端子を持つ場合の本発明の表示デバイス21〜25を5つ接続し、長方形の右上が欠けた形状の表示画面を構成した映像表示装置20を示す。それぞれの表示デバイスには、それぞれの表示限界位置を予め入力し記憶させている。入力として、ビデオカメラ11、チューナ12、13、デジタルカメラ15、パソコン16の映像を、一部でハブ14を経由して入力している図である。これらの装置からの入力信号は全て、以下で説明する「表示開始位置を指定した映像信号パケット」の形式である。パソコンからは、楕円と四角の2つの信号が出力されている。映像表示装置の入力端子のどこに何を入力しても構わない。入力端子が不足した場合には、上記の様にハブにより分岐することで対応する。1つの映像表示装置で表示できるよりも画素数の大きな映像信号、例えば、図3におけるデジタルカメラ15はそのような画素数であるときその映像信号は、映像信号の表示開始位置の情報により自動的に4つの映像表示装置に分解されて表示される。
【0023】
また、チューナ13で受信した歌番組放送の映像と、ビデオカメラ11で撮影した人物の映像を表示位置が重なるように表示することにより、撮影した人物が歌番組の放送の中の人と一緒にステージで踊っているような映像を得ることもできる。
【0024】
図3のチューナ12で受信した映像は表示デバイス23で表示されるが、この場合の1ラインの映像信号を図4に示す。画面のうち、横線で示した映像信号に着目して説明する。この1ラインの映像信号の表示開始位置は、(x,y)の並びの右端の(1310,400)であり、映像表示装置の画面サイズが横640ドット、縦480ドットであるとする。左下の映像表示装置では、この映像信号パケットが描画範囲外であることを判断し、x座標の値を画面サイズ分だけ減じた670(=1310−640)に変更して、右の出力端子より出力する。この映像信号パケットを受け取った2番目の映像表示装置も同様に、x座標の値を画面サイズ分だけ減じた30(=670−640)に変更して、右の出力端子より出力する。この映像信号パケットを受け取った3番目の映像表示装置は、表示開始位置が表示範囲内であることから、映像信号パケットを表示範囲内と範囲外に分割し(この例では、範囲外の部分は空)、範囲内の部分を表示部にて表示する。
【0025】
映像信号パケットの上方向への自動転送のメカニズムも同様であり、上下左右に接続した映像表示装置全体で整合性の取れた描画となる。
【0026】
図5は、例えば、デジカメの映像が、本発明の映像表示装置の例で4つの表示デバイスに分割して表示されるメカニズムを示している。画面のうち、横線で示した映像信号に着目して説明する。この1ラインの映像信号の表示開始位置(x,y)が(50,900)、描画長が1024ドット、映像表示装置の画面サイズが横640ドット、縦480ドットであるとする。左下の映像表示装置では、この映像信号パケットが描画範囲外であることを判断し、y座標の値を画面サイズ分だけ減じた420(=900−480)に変更する。さらに、横幅が画面サイズ以上であることから、描画長490(=640−50)ドットと、524(=1024−490)ドットの映像信号パケットに分割し、後者の信号パケットの表示開始位置(x,y)を(50,0)とする。分割した前半の映像信号パケットを表示デバイス21の上用の出力端子より出力する。分割した後半の映像信号パケットは、表示デバイス21の右上用の出力端子より出力する。
【0027】
これらの映像信号パケットを受け取った上、右上の映像表示デバイスは、表示開始位置がそれぞれ表示範囲内であることから、映像信号パケットを表示範囲内と範囲外に分割し(この例では、範囲外の部分は空)、範囲内の部分を表示部にて表示する。
【0028】
図6は、例えば、チューナ12で受信した映像を、利用者の指示に従って、表示デバイス23で表示するまでの手順の、1事例を示している。チューナ12は、テレビ放送を受信し、原点(0,0)が左下になるような映像信号パケットを出力する電波受信部と、利用者など外部からの指示に従い表示開始位置を加工するパケット加工部から構成される。パケット加工部は表示開始位置を加工するが、初期値としては何も加工しない。すると、原点(0,0)が左下になるような映像信号パケットをチューナ12は出力するため、図5のように映像表示装置20には表示される。
【0029】
この映像表示装置20の利用者が、希望表示位置を例えばマウスなどを使って指示する場合を次に説明する。例えば、利用者が(1310,450)を映像の左上の表示位置として指示した場合、マウスクリックすることにより、その指示データがチューナ12に伝えられる。指示データを受信したチューナ12のパケット加工部は、チューナ12の出力映像の左上の位置(0,400)が指定位置(1310,450)になるよう、電波受信部の出力する映像信号パケットの表示開始位置に(1310,50)を加算して出力する。例えば、図4のテレビ映像画面のうち、横線で示した1ラインの電波受信部からの映像信号の表示開始位置(x,y)=(0,350)は、パケット加工部で(1310,400)に変更して出力する。
【産業上の利用可能性】
【0030】
上記の説明では、図2の表示部5に、1つの表示画面を想定したが、例えば、図7(a)に示すような単位表示デバイスを繰り返し用いて図7(b)に示すような位相のずれた配列とすることができる。この場合は、図7(a)に示すような単位表示デバイスは、本発明の方法によって構成しても、従来の方法で構成してもよい。また、この単位表示デバイスは並進対称性をもつそれぞれの方向用の出力をもてばよい。
【0031】
(クッキリボタン)
また、ディスプレイ上に任意の領域を指定し、そのボタンを押すことで、その領域の解像度を上げ、その領域の画像をクッキリさせる、動画であればリフレッシュレートを上げる手段を解像度を上げる代わりに用いたり両者を併用したりすることにより動画をクッキリさせる、謂わば、クッキリボタンを設けることができる。これについて、従来は、指示に応じて、画像全体の解像度を変えることが行なわれている。
【0032】
この様なオプションを装備することにより、ネットワークの利用など通信帯域が制限されている環境で、必要とされる部分は高精細で表示しつつ全体の通信帯域は低く抑えて、良好なレスポンスや低通信料金でのサービスを提供することができる。
【0033】
これを実現するためには、図8あるいは図9の回路を用いて、画像や映像の送信元機器に、指定した領域のデータだけ高精細で送るよう指示する。送信元は、当該部分の座標を含んだ高精細データを送信する。これにより、指示された部分のデータ量が増加し、解像度は上げつつ残りの領域の解像度は低いままおさえることができる。
【0034】
このように、部分的な高精細データを送付する方法としては、高精細データが矩形の場合は、矩形原点(例えば右上の頂点)の位置、矩形の長さ、解像度、の情報をまず知らせておけば、後はデータのみを送付すれば(データの順番は、例えば右上から左に進み、矩形の右辺に達したら、一つ下の行でまた右から、などと適宜定める)、それでその矩形の範囲を表示することができる。その際、表示装置の解像度にデータの解像度が足らない場合は、適宜補完などを行う。
【0035】
(多数画面の配置認識:位置に対応した接続ポートによる方式)
多数画面を一体で大画面として使用する場合、各表示装置がその位置関係を認識して一体として動作するための準備を行っておく必要がある。この調整が手軽であることが望ましい。
【0036】
例えば、他の表示装置と接続するための表示装置の接続ポートは上下左右用の4個を用意し、映像信号の入力された表示装置の座標を原点としそこから、上下左右方向の当該表示装置の接続ポートに従って、縦及び横方向の当該表示装置の画素数を引いた位置データに書き換えた画像データを送信する。複数の表示装置への同時入力も可能であり、映像信号毎にそれぞれの原点があることになる。本方法で得られた画像の表示位置は初期値であり、あとで画像の表示位置はユーザが変更可能である。この場合表示装置側の原点の位置は同じで、画像の位置データのみを変更すればよい。
【0037】
本提案によれば、画面の位置に合わせて上下左右のポートに表示装置を接続するだけで、特段の配置認識手続きが必要なく複数の表示装置での一体表示が可能となる。
【0038】
(多数画面の配置認識:カメラによる方式)
多数画面の配置認識においては、図10(a)に示す様に、表示装置のどれかにカメラを接続して表示装置群全体をその表示装置に映した状態で、その表示装置に自動配置認識の指示を出すことにより、接続された全ての表示装置が自動的にそれぞれの位置情報(解像度も検出可能)を把握する。
【0039】
表示装置は、接続されたら、その装置固有のIDや解像度などの情報を交換し、登録するようにしておく。自動配置認識の指示があったら、自分自身を含め各IDの表示装置に他の表示装置と識別できる映像を送り(例えば、識別したい表示装置は赤、それ以外は青など)当該装置の位置をカメラ画像を処理し検出する。これを全ての表示装置に知らせることにより、個々のディスプレイが自分の位置情報を知ることができる。この機能は全て表示装置側にあるためカメラは通常のものでよい。
【0040】
(多数画面の配置認識:ID表示による方式)
図10(b)に示す回路で、どれかの表示装置に自動配置認識の指示を出すと、他の表示装置に番号が出力されるようにしておく。一方、自動配置認識の指示を受けた表示装置には対応する数字の入った表示装置のアイコン群がでるようにしておく。その上で、ユーザがリモコンでそれらのアイコンを実際の表示装置の位置関係に並べることで多数画面の配置認識を行うものである。
【0041】
アイコンの大きさは、解像度などのディスプレイ情報により実際のサイズを反映させることも可能である。これにより、各表示装置は、自分の位置情報を知ることができる。
【0042】
これによって、カメラを必要とせず配置認識が可能である。各ディスプレイは互いに接続されており、情報は交換できるが、位置関係が不明であるので、ユーザが代表とする表示装置で位置関係を教えるものである。
【符号の説明】
【0043】
1 表示デバイス
2 受信部
3 加工部
4 送信部
5 表示部
11 ビデオカメラ
12、13 チューナ
14 ハブ
15 デジタルカメラ
16 パソコン
20 映像表示装置
21、22、23、24、25 表示デバイス
30 表示デバイス
40 表示制御部
50 表示デバイス
60 配置認識装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示位置情報を有するパケット形式の映像信号を表示する映像表示装置であって、
上記の映像表示装置は、単位表示デバイスを並進対称性を持つように組み合わせて構成したものであり、
上記の単位表示デバイスは、
映像信号を受信する受信部と、
入力された映像信号を上記の表示位置情報に基づいて表示範囲内と範囲外あるいは表示対象と表示対象外に分割し、表示範囲外あるいは表示対象外の映像信号の表示位置を加工する加工部と、
加工した映像信号を並進対称軸に沿って次の単位表示デバイスに出力する出力部と、
表示範囲内にある映像を表示する表示部と、
を備え、
映像信号を順次単位表示デバイスで処理することで、映像表示装置全体での表示を行なうことを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】
単位表示デバイスは、表示面を1つもつ表示デバイスであり、表示装置は、前記単位表示デバイスを行列に整列させたものであることを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
単位表示デバイスは、表示面を2つもち、該表示面は互いにずれて整列した表示デバイスであり、表示装置は、前記単位表示デバイスを行列に整列させたものであることを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項4】
上記の単位表示デバイスは、入力用の端子と、並進対称性をもつそれぞれの方向の単位表示デバイスと接続するためのそれぞれの出力端子を備えることを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項5】
上記の加工部では、当該加工部の属する表示デバイスに設定した表示領域のサイズ分を、映像信号の表示位置から減じた表示位置情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項6】
上記の表示装置から任意の表示領域を選択する手段と、
前記選択された表示領域に相対的に多量の映像データを供給する手段と、
前記選択された表示領域で相対的に多量の映像データを表示する手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項7】
上記の映像表示装置において、他の表示デバイスと接続するための表示デバイスの接続ポートは上下左右用あるいはその中間の4あるいは8個を備え、
それぞれの表示デバイスは、上下左右方向の当該表示装置の接続ポートに従って、縦及び横方向の当該表示装置の画素数を引いた位置データあるいは加えた位置データに書き換えた画像データを送信することを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項8】
各表示デバイスは、外部からの要請によってそれぞれ異なるパターンをデフォルトで表示する手段と、それぞれの表示デバイス固有のパターン位置を入力することにより、あるいは、前記の固有のパターンを整列させることによりそれぞれの表示デバイスの配置を導出する手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項9】
いずれかの表示デバイスに撮像カメラを接続して、映像表示装置全体をその表示装置に映した状態で、入力した映像信号と、前記映像信号を表示した表示デバイスとの対応から、表示デバイスの位置情報を読み取る手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−256068(P2012−256068A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−180757(P2012−180757)
【出願日】平成24年8月17日(2012.8.17)
【分割の表示】特願2006−86720(P2006−86720)の分割
【原出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2005年9月27日〜29日 日本バーチャルリアリティ学会主催の「日本バーチャルリアリティ学会 第10回記念大会」において文書をもって発表
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度、経済産業省委託研究「エネルギー需給構造高度化技術開発等委託費 情報通信機器の省エネルギー基盤技術研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】