説明

映像記録システム、映像記録装置および映像記録方法

【課題】3D映像を記録する場合、L側もしくはR側のみ修正することが難しく、また、同時に記録した3D映像のペアの識別、および2D映像との識別が容易にできない。
【解決手段】3D映像を構成する第1および第2の映像信号を記録する映像記録システムであって、映像記録装置100は、機器ID取得部104、時間情報取得部105およびチャンネル情報入力部106で得られた情報から映像信号を一意に識別するUMIDを作成するUMID作成部107と、UMID作成部107で得られたUMIDを映像記録装置200に送信するUMID送信部110と、を備え、映像記録装置200は、映像記録装置100から送られるUMIDを受信するUMID受信部204と、UMID受信部204で得られたUMIDをチャンネル情報入力部205で入力されたチャンネル情報を基に変更するUMID変更部206と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3D映像を構成する2つのコンテンツを記録する映像記録装置、映像記録システムおよび映像記録方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、複数の方向から撮影する場合、撮影方向の識別情報を付与する記録装置があった。例えば、特許文献1には、記録装置が開示されている。この記録装置は、入力手段と、符号化手段と、多重化手段と、識別符号生成手段と、符号付加手段とから構成されている。入力手段は、画像入力手段から構成されている。画像入力手段は、複数の方向から撮影することによって得られた各々の画像データを、入力する。符号化手段は、入力手段で得られた撮影方向毎の各画像データを符号化する。多重化手段は、マルチプレクサから構成されている。マルチプレクサは、符号化手段で得られた撮影方向毎の符号化データを多重化し、一連の圧縮符号化データとして出力する。識別符号生成手段は、画像データの撮影方向毎の識別符号を生成する。符号付加手段は、識別符号生成手段で得た識別符号を、符号化した撮影方向毎の各画像データに対応して付加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−250350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の記録装置では、複数の方向の映像データが、1つのファイルに混在した状態で、記録されていた。詳細には、従来の記録装置では、複数の方向の映像データが、1フレーム毎に連続的に記録されていたため、最終的なファイルは、各フレームの複数の方向の映像データが多重化されたものになっていた。
例えば、この最終的なファイルを用いて、複数の方向の映像データの中のいずれか1つの映像データのみを修正する場合、最終的なファイルから、修正対象の映像データのみを分離しなければならない。しかしながら、修正対象の映像データのみを分離する処理は、非常に困難であった。また、修正対象の映像データを分離できたとしても、修正後の映像データを、上記の形式のファイルに再構築する必要がある。この再構築の処理も、非常に困難であった。
【0005】
一方で、記録装置では、2D用の映像データと、多重化した3D用の映像データとが、1つのファイルに混在した状態で、記録される場合もある。この場合、両者の映像データを、容易に区別することができないという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の映像記録システムは、第1および第2の映像記録装置から構成される映像記録システムである。第1の映像記録装置は、第1の映像信号を記録する。第2の映像記録装置は、第2の映像信号を記録する。第1の映像信号および第2の映像信号は、3D映像を構成する。
【0007】
第1の映像記録装置は、機器ID取得部と、時間情報取得部と、第1のチャンネル情報入力部と、識別情報作成部と、第1の映像入力部と、第1の識別情報付与部と、第1の映像記録部と、識別情報送信部とを、備える。機器ID取得部は、第1の映像記録装置を特定する。時間情報取得部は、時間情報を取得する。第1のチャンネル情報入力部は、チャンネル情報を入力する。チャンネル情報は、映像信号が第1または第2のいずれであるかを識別するためのものである。
【0008】
識別情報作成部は、識別情報を作成する。識別情報は、機器ID取得部、時間情報取得部、および第1のチャンネル情報入力部で得られた情報に基づいて、映像信号を一意に識別するためのものである。第1の映像入力部には、第1の映像信号が入力される。第1の識別情報付与部は、第1の映像信号に対して、識別情報作成部で得られた識別情報を付与する。第1の映像記録部は、第1の識別情報付与部で識別情報が付与された第1の映像信号を、記録する。識別情報送信部は、識別情報作成部で得られた識別情報を、第2の映像記録装置に送信する。
【0009】
第2の映像記録装置は、識別情報受信部と、第2のチャンネル情報入力部と、識別情報変更部と、第2の映像入力部と、第2の識別情報付与部と、第2の映像記録部とを、備える。識別情報受信部は、第1の映像記録装置から送信される識別情報を、受信する。第2のチャンネル情報入力部は、チャンネル情報を入力する。チャンネル情報は、映像信号が第1または第2のいずれであるかを識別するためのものである。
識別情報変更部は、第2のチャンネル情報入力部で入力されたチャンネル情報に基づいて、識別情報受信部で得られた識別情報を、変更する。第2の映像入力部には、第2の映像信号が入力される。第2の識別情報付与部は、第2の映像信号に対して、識別情報変更部で得られた識別情報を、付与する。第2の映像記録部は、第2の識別情報付与部で識別情報が付与された第2の映像信号を、記録する。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、同時に記録した3D映像の2つの映像信号において、識別情報におけるチャンネル情報が異なっているため、各映像信号を容易に識別することができる。これにより、同時に記録した2つの映像信号の少なくともいずれか一方を、容易に修正することができる。また、同時に記録した3D映像の2つの映像信号において、識別情報におけるチャンネル情報以外の部分が一致しているため、ペアの判断を容易に行うことができる。これにより、映像信号が修正されたとしても、2つの映像信号をペアとして確実に認識することができる。さらに、3D映像と2D映像とは、識別情報におけるチャンネル情報が異なっているので、2D映像と3D映像の区別を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の形態1に係る映像記録システムの全体構成を示す図
【図2】実施の形態1に係る映像記録システムを構成する映像記録装置の構成を示すブロック図
【図3】実施の形態2に係る映像記録装置の構成を示すブロック図
【図4】UMIDのデータフォーマットを示す図
【図5】UMIDのデータフォーマットを示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0013】
(実施の形態1)
(1−1.映像記録システムの構成)
図1は、実施の形態1に係る映像記録システムの全体構成を示す図である。3D撮像装置1は、2眼式の撮像装置であり、3D映像を構成する左眼映像と右眼映像とを、それぞれ別の映像信号として出力する。映像記録システムは、3D撮像装置1が出力する左眼映像を記録する映像記録装置100と、3D撮像装置1が出力する右眼映像を記録する映像記録装置200とで構成される。映像記録装置100と映像記録装置200とは、ネットワークを介して接続されており、互いにデータの送受信を行うことができる。
【0014】
図2は、映像記録システムを構成する映像記録装置の構成を示すブロック図である。映像記録装置100は、映像入力部101と、エンコーダ102と、ファイル作成部103と、機器ID取得部104と、時間情報取得部105と、チャンネル情報入力部106と、UMID作成部107と、UMID付与部108と、映像ファイル記録部109と、UMID送信部110とから構成される。
【0015】
映像入力部101には、Lチャンネルの映像信号が入力される。Lチャンネルの映像信号は、3D撮像装置1が出力する左眼映像に対応する信号である。エンコーダ102は、映像入力部101から入力された映像信号の符号化を、行う。ファイル作成部103は、エンコーダ102で符号化されたデータを含むファイルを、作成する。ファイルは、例えば、MXFファイル(Material eXchange Format File)を含んでいる。MXFは、コンテナフォーマットである。機器ID取得部104は、ファイルを作成する機器の情報を取得し、ファイルを作成する機器を特定する。時間情報取得部105は、時間情報を取得する。チャンネル情報入力部106は、チャンネル情報を入力する。
【0016】
UMID作成部107は、機器ID取得部104、時間情報取得部105およびチャンネル情報入力部106で得られた情報に基づいて、UMID(Unique Material Identifier)を作成する。UMID付与部108は、ファイル作成部103から出力された映像ファイルに対して、UMID作成部107で得られたUMIDを、付与する。映像ファイル記録部109は、UMID付与部108でUMIDが付与された映像ファイルを、記録する。UMID送信部110は、UMID作成部107で得られたUMIDを、R側の映像記録装置200に送信する。
【0017】
映像記録装置200は、映像入力部201と、エンコーダ202と、ファイル作成部203と、UMID受信部204と、チャンネル情報入力部205と、UMID変更部206と、UMID付与部207と、映像ファイル記録部208とから構成される。
【0018】
映像入力部201には、Rチャンネルの映像信号が入力される。Rチャンネルの映像信号は、3D撮像装置1が出力する右眼映像に対応する信号である。エンコーダ202は、映像入力部201から入力された映像信号の符号化を、行う。ファイル作成部203は、エンコーダ202で符号化されたデータを含むファイルを、作成する。UMID受信部204は、映像記録装置100のUMID送信部110から送信されたUMIDを、受信する。チャンネル情報入力部205は、チャンネル情報を入力する。
【0019】
UMID変更部206は、UMID受信部204で得られたUMIDを、チャンネル情報入力部205で入力されたチャンネル情報に基づいて、変更する。UMID付与部207は、ファイル作成部203から出力された映像ファイルに対して、UMID変更部206で得られたUMIDを、付与する。映像ファイル記録部208は、UMID付与部207でUMIDが付与された映像ファイルを、記録する。
【0020】
図4は、SMPTE330Mで定義されているUMIDのデータフォーマットを示す図である。UMIDは映像を一意に特定することができる識別子であり、ユニバーサルラベル401と長さ情報402とインスタンスナンバー403とマテリアルナンバー404とで構成される。
【0021】
ユニバーサルラベル401は、マテリアルのタイプ例えばデータのタイプを定義するためのものである。例えば、ユニバーサルラベル401によって、データが動画データであるか音声データであるかを、区別することができる。ここでは、データが動画データである場合の例を示す。ユニバーサルラベル401は、SMPTE330Mで決められている固定バイト列から構成されている。長さ情報402は、インスタンスナンバー403以降の長さを表す。インスタンスナンバー403は、データの起源を示す情報である。また、インスタンスナンバー403には、映像データがLチャンネルまたはRチャンネルであることを示すチャンネル情報が、格納される。マテリアルナンバー404は、機器のIDおよび時間情報を定義するためのものである。機器のIDは、例えば、機器のマックアドレスやIEEE 1394のnetwork node ID等を、含んでいる。マテリアルナンバー404は、機器のIDと時間情報から作成される機器固有のバイト列である。
【0022】
(1−2.映像記録システムの動作)
3D映像は、Lチャンネルの映像信号とRチャンネルの映像信号とによって、構成される。3D撮像装置1を用いて撮影が開始されると、Lチャンネルの映像信号とRチャンネルの映像信号とが、3D撮像装置1より出力される。Lチャンネルの映像信号は、3D撮像装置1から映像記録装置100の映像入力部101に入力され、Rチャンネルの映像信号は、3D撮像装置1から映像記録装置200の映像入力部201に入力される。
【0023】
映像記録装置100内のUMID作成部107は、機器ID取得部104から取得した機器ID、および時間情報取得部105から取得した時間情報に基づいて、インスタンスナンバー403が未設定であるUMID500を、作成する。このUMID500のデータ構造が、図5(a)に示される。ここで、機器ID取得部104は、映像記録装置100を一意に識別するための機器IDを保持しており、この機器IDの情報をUMID作成部107に出力する。時間情報取得部105は、例えば、映像信号の入力が開始された際の時間を、時間情報として出力する。
【0024】
チャンネル情報入力部106により、Lチャンネルの映像信号であることを示すチャンネル情報が入力されると、UMID作成部107は、このチャンネル情報がインスタンスナンバー403に設定されたUMID501を、作成する。なお、チャンネル情報入力部106では、撮影開始操作前に、Lチャンネルの映像信号であることを示す情報を、操作者が入力しても良いし、映像記録システム構成時に、映像記録装置100に入力される映像信号がLチャンネルであることを示す情報が、予め設定されていても良い。
【0025】
図5(b)はUMID501のデータ構造を示す。図5(b)では、UMID501のインスタンスナンバー403には、Lチャンネルの映像信号であることを示す所定のチャンネル情報、例えば「000001」が、格納される。
【0026】
映像入力部101は、入力された映像信号を、エンコーダ102に出力する。エンコーダ102は、映像信号を、コーデック、例えばDV方式のコーデックやMPEG(Moving Picture Experts Group)方式のコーデックを用いて、圧縮する。なお、圧縮方式は、これらの方式に限定されず、どのような方式であっても良い。ファイル作成部103は、エンコーダ102から出力された圧縮後のデータを、ファイル化する。
【0027】
UMID付与部108は、ファイル作成部103で作成された映像ファイルにUMID501を付与し、映像ファイル記録部109に記録する。
【0028】
映像ファイル記録部109が映像ファイルを記録する記録媒体は、半導体メモリカード、ハードディスク、磁気テープ、またはDVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blu−ray Disc)等の光ディスクである。なお、記録媒体は、これらに限定されず、映像信号を記録できるものであればどのようなものであっても良い。また、記録媒体は、映像記録装置100に内蔵されていても良いし、着脱可能であっても良い。
【0029】
UMID送信部110は、UMID作成部107で作成されたUMID501を、映像記録装置200に送信する。
【0030】
映像記録装置200は、UMID送信部110から送信されたUMID501を、UMID受信部204で受信する。その後、チャンネル情報入力部205により、Rチャンネルの映像信号であることを示すチャンネル情報が入力されると、UMID変更部206は、UMID受信部204で受信したUMID501に含まれるインスタンスナンバーを変更したUMID502を、作成する。図5(c)は、UMID502のデータ構造を示す。図5(c)では、UMID502のインスタンスナンバー例えばチャンネル情報が、「000001」から「000002」に変更されている。
【0031】
映像入力部201は、エンコーダ202に映像データを出力する。エンコーダ202は、映像記録装置100のエンコーダ102と同一の圧縮方式で、映像信号を圧縮する。なお、エンコーダ202の圧縮方式は、これに限定されず、エンコーダ102と異なる圧縮方式であっても良く、どのような方式であっても良い。ファイル作成部203は、エンコーダ202から出力された圧縮後のデータを、ファイル化する。
【0032】
UMID付与部207はファイル作成部203で作成された映像ファイルにUMID502を付与する。映像ファイル記録部208は、UMID502が付与された映像ファイルを、記録する。映像ファイル記録部208が映像ファイルを記録する記録媒体は、映像記録装置100の記録媒体と同一であっても良いし、異なっていても良い。また、この記録媒体は、どのような種類のものであっても良い。
【0033】
(1−3.まとめ)
通常の映像記録システムでは、映像記録システムを構成する複数の映像記録装置それぞれにおいて、UMIDが独立して生成されていた。このため、全ての映像記録装置において、UMID内のマテリアルナンバー、例えば各映像記録装置の機器IDおよび時間情報を一致させることが困難であった。具体的には、LチャンネルのUMIDとRチャンネルのUMIDとを互いに関連付けることが、困難であった。
【0034】
一方で、本実施の形態に係る映像記録システムにおいては、LチャンネルのUMIDにはUMID501(図5(b)を参照)が付与され、RチャンネルのUMIDにはUMID502(図5(c)を参照)が付与される。このため、複数の3Dのファイル例えば複数の3Dのコンテンツが存在していても、UMIDのマテリアルナンバーが同じである3Dのコンテンツは、同時に記録されたペアのコンテンツであると、識別することができる。また、ペアの3Dのコンテンツにおいては、LチャンネルとRチャンネルとは、インスタンスナンバーで容易に識別することができる。また、2Dのファイル例えば2Dのコンテンツでは、インスタンスナンバーにチャンネル識別子が設定されないため(図5(a)を参照)、2Dのコンテンツと3Dのコンテンツとを、容易に区別することができる。
【0035】
さらに、複数の撮像装置で同時にコンテンツを記録する場合には、インスタンスナンバーの最初のバイトが撮像装置の台数に設定され、インスタンスナンバーの最後のバイトがチャンネル識別子に設定される。これによって、同時に記録されたコンテンツを、容易に識別することができる。
本実施の形態では、映像記録装置100と映像記録装置200とは、ネットワークを介した接続を例にしているが、別の接続方法、例えばUSB、RS422等のインターフェイスで接続しても、同様の効果が得られる。
【0036】
(実施の形態2)
(2−1.映像記録装置の構成)
図3は、実施の形態2に係る映像記録装置の構成を示すブロック図である。映像記録装置300は、映像入力部(L)301と、エンコーダ(L)302と、ファイル作成部(L)303と、映像入力部(R)304と、エンコーダ(R)305と、ファイル作成部(R)306と、機器ID取得部307と、時間情報取得部308と、チャンネル情報入力部309と、UMID作成部310と、UMID付与部311と、映像ファイル記録部(L)312と、映像ファイル記録部(R)313とから構成される。
【0037】
映像入力部(L)301には、Lチャンネルの映像信号が入力される。エンコーダ(L)302は、映像入力部(L)301から入力された映像信号の符号化を、行う。ファイル作成部(L)303は、エンコーダ(L)302で符号化されたデータから、ファイル(例えばMXFファイル)を作成する。
【0038】
映像入力部(R)304には、Rチャンネルの映像信号が入力される。エンコーダ(R)305は、映像入力部(R)304から入力された映像信号の符号化を、行う。ファイル作成部(R)306は、エンコーダ(R)305で符号化されたデータから、ファイルを作成する。
【0039】
機器ID取得部307は、ファイルを作成する機器の情報取得し、ファイルを作成する機器を特定する。時間情報取得部308は、時間情報を取得する。チャンネル情報入力部309は、LチャンネルおよびRチャンネルのチャンネル情報を、入力する。UMID作成部310は、機器ID取得部307、時間情報取得部308、およびチャンネル情報入力部309で得られた情報に基づいて、UMIDを作成する。
【0040】
UMID付与部311は、ファイル作成部(L)303から出力された映像ファイルに対して、UMID作成部310で得られたLチャンネルの情報が入ったLチャンネル用UMIDを、付与する。また、UMID付与部311は、ファイル作成部(R)306から出力された映像ファイルに対して、UMID作成部310で得られたRチャンネルの情報が入ったRチャンネル用UMIDを、付与する。
【0041】
映像ファイル記録部(L)312は、UMID付与部311でUMIDが付与された映像ファイルを、記録する。映像ファイル記録部(R)313は、UMID付与部311でUMIDが付与された映像ファイルを記録する。
【0042】
なお、エンコーダ(L)302およびエンコーダ(R)305の圧縮方式は、実施の形態1と同様に、どのような圧縮方式であっても良い。また、映像ファイル記録部(L)312および映像ファイル記録部(R)313が映像ファイルを記録する記録媒体は、実施の形態1と同様に、どのような記録媒体であっても良い。
【0043】
(2−2.映像記録装置の動作)
3D映像は、Lチャンネルの映像信号とRチャンネルの映像信号とによって、構成される。3D撮像装置1を用いて撮影が開始されると、Lチャンネルの映像信号とRチャンネルの映像信号とが、3D撮像装置1より出力される。Lチャンネルの映像信号は、映像入力部(L)301に入力され、Rチャンネルの映像信号は、映像入力部(R)304に入力される。
【0044】
映像記録装置300内のUMID作成部310は、機器ID取得部307から取得した機器ID、時間情報取得部308から取得した時間情報、及びチャンネル情報入力部309から取得したチャンネル情報(L)に基づいて、Lチャンネル用のUMID501を作成する。また、UMID作成部310は、機器ID取得部307から取得した機器ID、時間情報取得部308から取得した時間情報、及びチャンネル情報入力部309から取得したチャンネル情報(R)に基づいて、Rチャンネル用のUMID502を作成する。
【0045】
映像入力部(L)301は、映像を圧縮するエンコーダ(L)302に、映像データを出力する。ファイル作成部(L)303は、エンコーダ(L)302から出力された圧縮後のデータを、ファイル化する。同様に、映像入力部(R)304は、映像を圧縮するエンコーダ(R)305に、映像データを出力する。ファイル作成部(R)306は、エンコーダ(R)305から出力された圧縮後のデータを、ファイル化する。
【0046】
UMID付与部311は、ファイル作成部(L)303で作成された映像ファイルに対して、Lチャンネル用のUMID501を付与する。映像ファイル記録部(L)312は、Lチャンネル用のUMID501が付与された映像ファイルを、記録する。また、UMID付与部311は、ファイル作成部(R)306で作成された映像ファイルに対して、Rチャンネル用のUMID502を付与する。映像ファイル記録部(R)313は、Rチャンネル用のUMID502が付与された映像ファイルを、記録する。
【0047】
(2−3.まとめ)
以上のように、本実施の形態に係る映像記録装置において、外部から入力されるLチャンネルの映像信号およびRチャンネルの映像信号に対して、LチャンネルのUMIDにはUMID501(図5(b)を参照)が付与され、RチャンネルのUMIDにはUMID502(図5(c)を参照)が付与される。このため、複数の3Dのファイルすなわち複数の3Dのコンテンツが存在していても、UMIDのマテリアルナンバーが同じ3Dのコンテンツは、同時に記録されたペアのコンテンツであると、識別することができる。また、ペアの3Dのコンテンツにおいては、LチャンネルとRチャンネルとは、インスタンスナンバーで容易に識別することができる。また、2Dのファイルすなわち2Dのコンテンツでは、インスタンスナンバーにチャンネル識別子が設定されないため(図5(a)を参照)、2Dのコンテンツと3Dのコンテンツとを、容易に区別することができる。
【0048】
(他の実施の形態)
本実施の形態1および2において、識別情報としてUMIDを用いる形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、識別情報として、映像信号を記録する映像記録装置固有の情報を用いる形態に対して、同様に適用することができる。
【0049】
また、本実施の形態1において、左眼用の映像記録装置100がマスターであり、右眼用の映像記録装置200がスレーブである場合の例を説明したが、本発明はこれに限定されず、どのようにしても良い。例えば、右眼用の映像記録装置200をマスターにし、左眼用の映像記録装置100をスレーブにしても良い。
【0050】
また、本実施の形態1および2において、UMIDをファイル(コンテナ)に付与するタイミングは、どのようにしても良い。例えば、ファイルにランダムにアクセスが可能であれば、エンコーダによって符号化されたデータが、ファイルに格納される前であっても、ファイルに格納された後であっても、UMIDをファイルに付与することができる。このように、UMIDの付与と映像情報の書き込みとは、任意のタイミングで行うことができる。
【0051】
さらに、本実施の形態1および2において、上記の形態のUMIDは、映像信号だけでなく音声信号に対しても、適用することができる。この場合は、UMIDのユニバーサルラベル401を音声用の値に設定することによって、上記と同様に処理することができ、上記の効果と同様の効果も得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明に係る映像記録システム、映像記録装置、及び映像記録方法は、3D映像の映像記録装置、および3D映像と2D映像を混在して記録する映像記録装置に適用できる。このような映像記録システム、映像記録装置、及び映像記録方法では、3D映像を2つのコンテンツとして記録する際、同時に記録したLチャンネルとRチャンネルのペアの識別と、3Dのコンテンツおよび2Dのコンテンツの識別とを、容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0053】
1 3D撮像装置
100、200、300 映像記録装置
101、201 映像入力部
102、202 エンコーダ
103、203 ファイル作成部
104、307 機器ID取得部
105、308 時間情報取得部
106、205、309 チャンネル情報入力部
107、310 UMID作成部
108、207、311 UMID付与部
109、208 映像ファイル記録部
110 UMID送信部
204 UMID受信部
206 UMID変更部
301 映像入力部(L)
302 エンコーダ(L)
303 ファイル作成部(L)
304 映像入力部(R)
305 エンコーダ(R)
306 ファイル作成部(R)
312 映像ファイル記録部(L)
313 映像ファイル記録部(R)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3D映像を構成する第1および第2の映像信号を、それぞれ記録する第1および第2の映像記録装置からなる映像記録システムであって、
前記第1の映像記録装置は、
前記第1の映像記録装置を特定する機器ID取得部と、
時間情報を取得する時間情報取得部と、
前記映像信号が第1または第2のいずれであるかを識別するチャンネル情報を、入力する第1のチャンネル情報入力部と、
前記機器ID取得部、前記時間情報取得部、および前記第1のチャンネル情報入力部で得られた情報に基づいて、前記映像信号を一意に識別する識別情報を作成する識別情報作成部と、
前記第1の映像信号が入力される第1の映像入力部と、
前記第1の映像信号に対して、前記識別情報作成部で作成された識別情報を付与する第1の識別情報付与部と、
前記第1の識別情報付与部で識別情報が付与された前記第1の映像信号を、記録する第1の映像記録部と、
前記識別情報作成部で作成された識別情報を、前記第2の映像記録装置に送信する識別情報送信部と、
を備え、
前記第2の映像記録装置は、
前記第1の映像記録装置から送信される識別情報を、受信する識別情報受信部と、
前記映像信号が第1または第2のいずれであるかを識別するチャンネル情報を、入力する第2のチャンネル情報入力部と、
前記識別情報受信部で得られた識別情報を、前記第2のチャンネル情報入力部で入力されたチャンネル情報に基づいて、変更する識別情報変更部と、
前記第2の映像信号が入力される第2の映像入力部と、
前記第2の映像信号に対して、前記識別情報変更部で得られた識別情報を付与する第2の識別情報付与部と、
前記第2の識別情報付与部で識別情報が付与された前記第2の映像信号を、記録する第2の映像記録部と、
を備える映像記録システム。
【請求項2】
前記第1の映像記録装置は、
前記第1の映像入力部から入力された前記第1の映像信号の符号化を行う第1のエンコーダと、
前記第1のエンコーダによって符号化されたデータを含む第1のファイルを、作成する第1のファイル作成部と、
をさらに備え、
前記第2の映像記録装置は、
前記第2の映像入力部から入力された前記第2の映像信号の符号化を行う第2のエンコーダと、
前記第2のエンコーダによって符号化されたデータを含む第2のファイルを、作成する第2のファイル作成部と、
をさらに備え、
前記第1の識別情報付与部は、前記第1のファイルに対して、前記第1識別情報作成部で得られた識別情報を付与し、
前記第1の映像記録部は、前記第1の識別情報付与部で識別情報が付与された前記第1のファイルを、記録し、
前記第2の識別情報付与部は、前記第2のファイルに対して、前記第2識別情報作成部で得られた識別情報を付与し、
前記第2の映像記録部は、前記第2の識別情報付与部で識別情報が付与された前記第2のファイルを、記録する、
請求項1に記載の映像記録システム。
【請求項3】
前記識別情報作成部は、前記識別情報として、UMID(Unique Material Identifier)を作成する、
請求項1又は2に記載の映像記録システム。
【請求項4】
3D映像を構成する第1および第2の映像信号を記録する映像記録装置であって、
前記映像記録装置を特定する機器ID取得部と、
時間情報を取得する時間情報取得部と、
前記映像信号が第1または第2のいずれであるかを識別するチャンネル情報を、入力するチャンネル情報入力部と、
前記機器ID取得部、前記時間情報取得部、および前記チャンネル情報入力部で得られた情報に基づいて、識別情報を作成する識別情報作成部と、
前記第1の映像信号が入力される第1の映像入力部と、
前記第2の映像信号が入力される第2の映像入力部と、
前記第1の映像信号に対して、前記識別情報作成部で得られた前記第1の映像信号を識別する第1の識別情報を、前記第2の映像信号に対して、前記識別情報作成部で得られた前記第2の映像信号を識別する第2の識別情報を、それぞれ付与する識別情報付与部と、
前記識別情報付与部で前記第1の識別情報が付与された前記第1の映像信号を、記録する第1の映像記録部と、
前記識別情報付与部で前記第2の識別情報が付与された前記第2の映像信号を、記録する第2の映像記録部と、
を備える映像記録装置。
【請求項5】
3D映像を構成する第1および第2の映像信号を、第1および第2の映像記録装置にそれぞれ記録する映像記録方法であって、
前記第1の映像記録装置において、前記第1の映像記録装置を特定する機器ID取得工程と、
前記第1の映像記録装置において、時間情報を取得する時間情報取得工程と、
前記第1の映像記録装置において、前記映像信号が第1または第2のいずれであるかを識別するチャンネル情報を入力する第1のチャンネル情報入力工程と、
前記第1の映像記録装置において、前記機器ID取得工程、前記時間情報取得工程、および前記第1のチャンネル情報入力工程で得られた情報に基づいて、前記映像信号を一意に識別する識別情報を作成する識別情報作成工程と、
前記第1の映像記録装置において、前記第1の映像信号が入力される第1の映像入力工程と、
前記第1の映像記録装置において、前記第1の映像信号に対して、前記識別情報作成工程で作成された識別情報を付与する第1の識別情報付与工程と、
前記第1の映像記録装置において、前記第1の識別情報付与工程で識別情報が付与された前記第1の映像信号を記録する第1の映像記録工程と、
前記第1の映像記録装置において、前記識別情報作成工程で作成された識別情報を、前記第2の映像記録装置に送信する識別情報送信工程と、
前記第2の映像記録装置において、前記第1の映像記録装置から送信される識別情報を、受信する識別情報受信工程と、
前記第2の映像記録装置において、前記映像信号が第1または第2のいずれであるかを識別するチャンネル情報を、入力する第2のチャンネル情報入力工程と、
前記第2の映像記録装置において、前記識別情報受信工程で得られた識別情報を、前記第2のチャンネル情報入力工程で入力されたチャンネル情報に基づいて、変更する識別情報変更工程と、
前記第2の映像記録装置において、前記第2の映像信号が入力される第2の映像入力工程と、
前記第2の映像記録装置において、前記第2の映像信号に対して、前記識別情報変更工程で得られた識別情報を付与する第2の識別情報付与工程と、
前記第2の映像記録装置において、前記第2の識別情報付与工程で識別情報が付与された前記第2の映像信号を記録する第2の映像記録工程と、
を含む映像記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−129969(P2012−129969A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28951(P2011−28951)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】