映像送信装置
【課題】再生開始などの指示をビデオ機器に行ってから、テレビに画像が表示されるまでの遅延をユーザの使用傾向や受信機の状況により少なくする映像送信装置を提供する。
【解決手段】映像送信装置は映像の先頭の一定時間を低遅延で表示できるようトランスコード、もしくはストリームのネットワーク帯域を高くして送信する。先頭の一定期間の長さはユーザの操作傾向、もしくは再生機の処理命令、もしくはあらかじめ記録した接続受信機情報から定める。
【解決手段】映像送信装置は映像の先頭の一定時間を低遅延で表示できるようトランスコード、もしくはストリームのネットワーク帯域を高くして送信する。先頭の一定期間の長さはユーザの操作傾向、もしくは再生機の処理命令、もしくはあらかじめ記録した接続受信機情報から定める。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は映像を送信する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、例えば、特開2008−206039号公報(特許文献1)がある。該公報は「[課題]ユーザの操作を受け付けてからトランスコード処理を行う必要があるため、操作が反映されて映像が更新されるまでに大きな遅延が生じる[解決手段]過去のユーザの視聴操作履歴を保持しておき、早送りや巻戻しなどの操作が行われた時点から数秒間については、現在再生に使用している再生データのトランスコード処理と平行して先読みデータを取得してトランスコード処理を行い、変換済みの先読みデータを作成して保存しておく。その後、ユーザが早送り操作を行った際には、先読みデータが用意されているポイントであればその先読みデータを即座に携帯電話に送信する」としている。
【0003】
また、例えば特開2010−28516号公報(特許文献2)がある。該公報は「[課題]映像コンテンツの配信開始時に映像が再生されるまでの待ち時間を短縮する。[解決手段]映像コンテンツを最低限の画像品質しか保証されない基本レイヤと、基本レイヤと併せてデコードすることで、基本レイヤのみをデコードした結果以上の画像品質を得ることができる拡張レイヤから構成し、
映像コンテンツの配信開始時から配信データ量検出手段で検出された基本レイヤの配信データ量が第1の目標量(映像受信装置において安定した再生を行うためにバッファリングしておくことが必要になる基本レイヤのデータ量)となるまでの間(初期配信状態)は、利用可能ネットワーク帯域が基本レイヤのエンコードビットレートよりも大きいことを条件にして、利用可能ネットワーク帯域を超えない範囲で、基本レイヤの配信ビットレートをそのエンコードビットレートよりも増大させ、その分、上位の拡張レイヤの配信ビットレートを減少させる。」としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−206039号公報
【特許文献2】特開2010−28516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ビデオ機器に記録した映像をテレビにて再生する際、ビデオ機器は情報圧縮した映像ストリームをテレビに送り、テレビ側で映像ストリームのデコードを行い表示する構成がある。双方の接続は直結による接続ではなく、他の機器と共通したネットワークバスを通じて行うことができることから接続構成の多様性に富み、DLNA(Digital Living Network Alliance)といった業界団体により標準化が進められていることから、このような接続形態が普及することが予想される。
【0006】
ビデオ機器が映像ストリームをテレビに送る場合、テレビがデコード可能な映像ストリームの形式で出力を行う。例えばビデオ機器はMPEG−4 AVC(ISO/IEC 14496−10)で記録を行い、テレビはMPEG−2(ISO/IEC 13818−2)のデコードに対応しているときは、ビデオ機器はMPEG−4 AVCからMPEG−2にトランスコードを行い、テレビに映像ストリームを送信する。
【0007】
また、他の機器と共通したネットワークバスを使用することから、映像ストリームの送受は他のデータの送受による遅延の影響を受ける。
【0008】
トランスコード処理に伴う遅延、ネットワーク遅延に伴うデコード遅延により、ユーザが再生開始や早送り、巻戻しといった特殊再生の指示をビデオ機器に行ってから、テレビに再生画像が表示されるまでの遅延は、従来の映像信号を専用線を用いて送信する方法に比べ大きくなる。
【0009】
ストリームを再生開始時にネットワークバスを通じて送受信する際、ストリームの表示に必要なビットレートを超えた大きな帯域を用いることで、表示するまでの遅延をある程度低減することができる。しかし高画質の映像であるほど、ビットレートが高くなるため表示は遅れることになる。ビットレートを下げることで表示を早めることができるが、画質が低くなってしまう。画質と再生開始までの遅延はトレードオフの関係にあり、ユーザの使用傾向や、操作の状況によってどちらを重視するかは異なるため、適した設定とすることは難しい。
【0010】
特開2008−206039号公報の技術は、データの先読みを行って画質を維持しつつ遅延を少なくする技術であるが、ユーザの使用傾向や受信機の状況によっては、画質を維持せず、低画質のストリームを用いて遅延を小さくすることが優先される場合に対応できない。
【0011】
特開2010−28516号公報の技術は階層符号化を用いて遅延を少なくする方法であり、ビデオ機器とテレビが階層符号化された映像ストリームのデコードに対応している必要がある。階層符号化された映像ストリームを用いた放送は行われていないため、デジタル放送に対応したテレビでは階層符号化された映像ストリームに対応していないことが多い。
【0012】
本発明は、上記課題を鑑み、再生開始などの指示をビデオ機器に行ってから、テレビに画像が表示されるまでの遅延をユーザの使用傾向や、受信機の状況により少なくする映像送信装置を提供することを目的とする。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明は次のように構成される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的は、特許請求の範囲に記載の発明により達成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザが再生開始などの指示をビデオ機器に行ってから、テレビに画像が表示されるまでの遅延をユーザの使用傾向や、受信機の状況により少なくする映像送信装置を提供することができる。
【0016】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第一の実施例における映像送信装置の一例を示す概略図
【図2】第一の実施例において記録映像ストリームを出力するまでを示すシーケンス図
【図3】第一の実施例においてトランスコーダがストリームを出力するまでのフローチャート
【図4】第一の実施例におけるVBVモデルのバッファ量推移
【図5】第三の実施例において特殊再生を行うときのシーケンス図
【図6】第四の実施例における映像送信装置の一例を示す概略図
【図7】第四の実施例におけるVBVモデルのバッファ量推移
【図8】第五の実施例における映像送信装置の一例を示す概略図
【図9】トランスコードを行わない場合のVBVの推移
【図10】第一の実施例において一時停止の操作を行ったときのシーケンス図
【図11】量子化精度を下げてトランスコードしたときのVBVの推移
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は映像送信装置の一例を示す概略図である。
【0020】
映像送信装置100は映像受信装置300とネットワーク200により接続されており、映像受信装置300から制御信号を受け取り、再生開始の制御信号である場合は映像ストリームを映像受信装置300に出力する。
【0021】
映像送信装置100はネットワークI/F110、制御部120、バス130、記録媒体140、スイッチ150、トランスコーダ160、スイッチ170から構成される。
【0022】
ネットワークI/F110はネットワーク200から情報を受け取り、制御部120に供給するとともに、制御部120、スイッチ170が出力するデータをネットワーク200に出力する。
【0023】
制御部120はネットワーク200、ネットワークI/F110を通じて映像受信装置300が出力する制御信号を受け取り、制御信号に応じて記録媒体140、スイッチ150、トランスコーダ160、スイッチ170を制御する。
【0024】
バス130は制御部120の出力する制御信号を記録媒体140、スイッチ150、トランスコーダ160、スイッチ170に供給するバスである。
【0025】
記録媒体140は複数の映像ストリームを記録する媒体である。制御部120からファイル名、再生開始時間を受け取り、対応する記録映像ストリームのデータをスイッチ150に出力を行う。
【0026】
スイッチ150は制御部120から制御信号をバス130を通じて受け取り、記録媒体140に含まれる映像ストリームを、トランスコーダ160もしくはスイッチ170のどちらに出力するか切り替える。
【0027】
トランスコーダ160は映像ストリームをスイッチ150を通じて受け取り、制御部120から再生可能な映像ストリームのフォーマットをバス130を通じて受け取り、映像ストリームを再生可能な映像ストリームのフォーマットにトランスコードし、出力映像ストリームを出力する。本実施例では、映像ストリームをMPEG−2にトランスコードする場合の方法を説明する。
【0028】
スイッチ170は制御部120から制御信号をバス130を通じて受け取り、スイッチ150とトランスコーダ160が出力する映像ストリームを選択し、ネットワークI/F110を通じて映像受信装置300に出力する。
【0029】
図2は映像送信装置100が映像受信装置300から再生開始の制御信号を受け取り、記録映像ストリームを出力するまでを示すシーケンス図である。
【0030】
映像送信装置100、および映像受信装置300はネットワーク200に接続した際、互いの存在を認識することができない。このため映像送信装置100は通知400をネットワークに対し、あらかじめ定めた時間間隔で送出する。映像受信装置300は通知400をネットワークから受け取ると、映像送信装置100のアドレスを得ることができ、デバイス発見410を映像送信装置100に返す。映像送信装置100はデバイス発見410を受け取ることにより、映像受信装置300のアドレスを得ることができ、映像受信装置300だけにデータを送ることができる。
【0031】
続いて映像受信装置300はデバイス・サービス情報取得420を映像送信装置100に出力し、デバイス・サービス情報430を得る。デバイス・サービス情報430は映像送信装置100が提供するサービスが含まれており、映像ストリームを配信するサーバであることや、通信に用いるプロトコルの情報などが含まれている。映像受信装置300は映像送信装置100が映像ストリームを配信することができることを認識できる。
【0032】
映像受信装置300はデバイス記述440を送信する。デバイス記述440には映像受信装置300が再生可能な映像フォーマットの情報、再生開始時のビットレート情報などが含まれている。
【0033】
映像受信装置300を操作しているユーザは映像送信装置100の記録映像ストリームを表示させる操作をする。このとき映像受信装置300はコンテンツ取得450を出力し、コンテンツリスト460を得る。コンテンツリスト460は映像送信装置100が保持しているファイル名が記載されている。コンテンツリスト460を得ることにより、映像受信装置300はユーザにファイル名の一覧を表示する。
【0034】
ユーザがファイル名の一覧から一つの記録映像ストリームを選択し、再生の動作を行うと、映像受信装置300は再生開始470を送信する。再生開始470には再生開始の命令、ファイル名、再生開始時間、再生時間が含まれている。ここでファイル名は記録媒体に含まれる記録映像ストリームを特定するための情報を示す。再生開始時間はファイル名で示される記録映像ストリームの時間軸上の再生を開始する時間位置を示す。再生時間は記録映像ストリームの時間軸上の再生開始時間から再生を行う時間を示す。
【0035】
映像配信装置100は再生開始470を受け取ると、ストリーム送信480を行い、出力映像ストリームを出力する。映像受信装置300は得た出力映像ストリームをデコードし、表示することでユーザは再生画像を見ることができる。
【0036】
図3を用いて映像送信装置100が図2の再生開始470を受け取り、ストリーム送信480を行うまでを詳細に説明する。
【0037】
映像送信装置100は再生開始470を受け取ると、S100にて制御部120を用いて再生開始470に含まれる再生開始の命令、ファイル名、再生開始時間、再生時間を分離する。制御部120は記録媒体140に対し、ファイル名と等しい記録映像ストリームを再生開始時間から出力するよう制御信号を出力する。またスイッチ150、スイッチ170に制御信号を送り、記録媒体140の出力映像ストリームがトランスコーダ160を通ってネットワークI/F110から出力されるよう設定する。
【0038】
S110にて記録媒体140はストリームを読み出し、スイッチ150に出力する。
【0039】
S120、S140で制御部120はトランスコードする符号化方法を決定する。符号化方法として画面内符号化(Iピクチャ)、トランスコードするピクチャよりも再生時間が前のピクチャを参照して予測符号化を行う順方向予測符号化(Pピクチャ)、トランスコードするピクチャの再生時間の前後のピクチャを用いて予測符号化を行う双予測符号化(Bピクチャ)の3種類がある。
【0040】
S130、S150、S160にてそれぞれのピクチャのトランスコードを行い、S170で再生開始470に含まれる再生時間の情報と比較し、再生が終了していないときはS110に戻り、記録映像ストリームを読み出す。
【0041】
次に図3におけるS120、S140の符号化方法の選択方法について述べる。
【0042】
Iピクチャはトランスコード開始時、もしくはあらかじめ定めた一定間隔で選択する。
【0043】
Pピクチャ、Bピクチャの選択(S140)は、トランスコーダが映像受信装置300が再生可能な映像フォーマットにエンコードする際、出力映像ストリームの仮想的なデコーダによるバッファ推移を示すVBV(Video Buffer Verifier)モデルのバッファ量の推移によって行う。
【0044】
図4にVBVモデルのバッファ量推移を示す。
【0045】
横軸は時間を示し、縦軸はVBVモデルのバッファ量を示す。t0〜t7はデコーダがピクチャをデコードし、表示するタイミングを示す。また、I0、P1、P2、P3、I6、B4、B5、P9、B7、B8は符号化の種別と表示順番を示し、I0はIピクチャの0番目(最初)に表示するピクチャであることを示す。
【0046】
トランスコーダは図2におけるデバイス記述440により定義する再生開始時のビットレートに従い最初のIピクチャの符号量を定める。
【0047】
最初のIピクチャ(I0)をデコードして、バッファ量を減らしてもVBVバッファ量が枯渇しないバッファ量aに到達した時間(t0)をvbv_delay値としてピクチャヘッダに記録する。t0の時間はDTS(Decoding Time Stamp)値の作成にも用いられ、DTS値は出力映像ストリームに付加される。以後、フレームレートに従い、t1、t2と等間隔でデコードを行い、VBVバッファからピクチャをデコードしてもVBVバッファ量が枯渇しないようビットレートの制御を行う。
【0048】
双予測を行うBピクチャは、表示するピクチャの再生時間の前後のピクチャを用いて予測を行っているため、デコードの際はピクチャを並び替えて出力する。このため、t3〜t4でデコードしたIピクチャI6はt4の時間に表示しない。一方、Iピクチャ、Pピクチャのみでエンコードした映像ストリームはデコード順に表示を行うことができるため、t0でデコードしたIピクチャを最初に表示でき、遅延を少なくできる。
【0049】
図4では出力映像ストリームの先頭部分(I0〜P3)はIピクチャ、Pピクチャで構成し、デバイス記述440により定義する再生開始時のビットレートに従いエンコードを行い、VBVバッファのバッファ量からI6およびB4を引き抜いても枯渇しない段階(t3)からBピクチャを用いた符号化を行う。
【0050】
本実施例の映像配信装置では、出力映像ストリームの先頭部分をIピクチャ、Pピクチャを用いて予測符号化することにより、画像の表示までの時間を早めることができる。
【0051】
また、最初のIピクチャを再生開始時のビットレートに従いデコードすることで、記録映像ストリームのデコード開始を行うa点の値を下げることができ、t0の時間を早めることができる。
【0052】
図9にストリームの先頭部分のトランスコードを行わない場合のVBVの推移を示す。I3のデコード処理に示すように、Bピクチャのデコードを行う場合、先行して表示するB0をデコードするためにはB0が参照画像として使用するI3を先にデコードする。このため、vbv_delayはa点までバッファされるまでの遅延に加え、最大1フレーム期間(毎秒30フレームの場合33ms)遅れることになる。
【0053】
図2において、I6の前にI0〜P3のピクチャを付加することで、本実施例の出力映像ストリームは33ms程度の遅延を改善することになり、再生開始から表示までの動作レスポンスが改善する。
【0054】
また、VBVバッファの枯渇が起きないデータ量まで格納した段階でBピクチャを用いた予測符号化により、動画の画質は向上する。Bピクチャを用いて予測符号化することで画質は2dBほど向上するため、再生開始直後を除き、I、Pピクチャだけでトランスコードした場合と比べ高い画質を得ることができる。
【0055】
本実施例ではデジタル放送で用いられるPピクチャ、Bピクチャの組合せ方法により、ユーザ操作からの遅延を減少させるため、映像送信装置100が出力する映像ストリームを低遅延でデコードできる映像受信装置300を容易に構成できる。
【0056】
本実施例は記録映像ストリームは記録媒体140から読み出すとなっているが、ネットワークバス200より記録映像ストリームを受け取り、一時的に記録媒体140に記録した後に読み出すようにしてもよい。また、放送波を受信し復調する復調回路を持ち、復調回路から記録映像ストリームを得るようにしてもよい。
【0057】
本実施例ではトランスコーダは記録映像ストリームの先頭部分をIピクチャとPピクチャにトランスコードするとしたが、先頭部分をIピクチャのみでトランスコードを行ってもよい。
【0058】
Iピクチャのみのトランスコードを行うことで、予測符号化の処理量が減るため、トランスコーダ160の処理量が減り、トランスコードの速度を上げ最初のI0のピクチャ出力を早めることができる。
【0059】
本実施例ではトランスコーダは記録映像ストリームをトランスコードするとしたが、記録映像ストリームと出力映像ストリームの映像ストリームのフォーマットが等しく、予測符号化方法も等しい場合、図2のb点のタイミングからトランスコードを行わずに出力してもよい。
【0060】
記録映像ストリームの先頭部分しかトランスコードを行わないことにより、トランスコーダの処理負荷を下げることができ、複数の映像受信装置を映像配信装置に接続しても、トランスコーダが時分割処理することにより映像ストリームを出力することが可能になる。
【0061】
本実施例では、デバイス記述440により再生開始時のビットレート情報を受け取るとしたが、映像受信装置300の画面解像度、最大輝度設定、コントラスト比のいずれかを図2におけるデバイス記述440から受け取り、トランスコードをしてもよい。
【0062】
ここでは画面解像度について記載する。出力映像ストリームのビットレートは画面解像度の大きさに比例する。映像受信装置300が表示する画面解像度に合わせてトランスコードすることで、映像受信装置に応じて出力映像ストリームのビットレートを下げ、ネットワークの伝送に伴う遅延を低減することができる。
【0063】
最大輝度設定、コントラスト比についても同様の効果が得られる。
【0064】
本実施例では、図4におけるb点のバッファ量に到達するまで、IピクチャおよびPピクチャを用いたトランスコードを行うと記載したが、図11に示すように予測符号化の方法は変えずに量子化精度を下げてビットレートを下げてもよい。図4に示す方法でストリームを送信した場合、t3〜t4の期間で2ピクチャのデコードが必要になる。量子化精度を下げてビットレートを下げることで、1フレーム期間に2ピクチャデコードせずにデコード画像を表示できる。また、記録映像ストリームが持つa点の値を下げることができ、t0の時間を早めることができる。
【0065】
本実施例では、デバイス記述440により再生開始時のビットレート情報を受け取るとしたが、映像受信装置300が出力する制御信号の発生頻度を用いてビットレートを下げてもよい。ユーザは視聴している映像から望んでいる部分を探すとき、早送りと再生を繰り返しながら視聴を行う。この際は映像の画質よりも目的の映像部分を探すことが優先されるため、画質を落として動作レスポンスをあげることが望ましい。映像受信装置300は再生開始命令と早送りの特殊再生の命令を短い間隔で受け取った場合は、図4におけるb点のバッファ量に到達するまでのビットレートを、デバイス記述440に含まれる再生開始時のビットレート情報の値より下げてトランスコードしてもよい。
【0066】
同様に以下の場合においても、動作レスポンスの向上を求めているとして、図4におけるb点のバッファ量に到達するまで、デバイス記述440に含まれる再生開始時のビットレート情報の値よりビットレートを下げてトランスコードしてもよい。
・ユーザが再生開始が遅いと感じ、再生ボタンを複数回押すことで、図4においてデコーダ側で表示を行うt0の時間より前に複数回の再生開始命令を出す場合
・ユーザが再生するストリームを選んでいるとき、ストリームの終端まで視聴せず、次の番組の再生を開始するため、再生開始470に含まれる再生時間よりも短い時間で次の再生命令を発行する場合
・ユーザが明示的にレスポンス向上を望んでおり、映像受信装置300にあるレスポンス向上の操作ボタンを押すことで、デバイス記述440に含まれる再生開始時のビットレート情報の値を更新した場合
上記に示すユーザの操作傾向により、再生開始時のビットレートを下げることで、ユーザに応じた操作レスポンスと画質のバランスを取ることができる。
【0067】
本実施例では、トランスコードする映像ストリームをMPEG−2としたが、本発明はこれに限らず、MPEG−4 AVCやVC−1等、予測符号化を行う映像フォーマットに利用することができる。
【実施例2】
【0068】
本発明の第二の実施例では、映像受信装置で再生した映像を一時停止したときの画質向上方法を述べる。構成は図1と同様であるため、説明を省略する。
【0069】
図10に再生方法のシーケンスを示す。図2と同一部分については同一番号を付して説明を省略する。
【0070】
再生を行っているとき、ユーザが一時停止の操作を行う。このとき映像受信装置300から映像送信装置100へ一時停止490が出力される。一時停止490は一時停止の命令と一時停止する時間の情報からなる。
【0071】
制御部120は一時停止490をうけとり、再生中のファイル名と一時停止する時間を記録媒体140に出力する。記録媒体140は対応する記録映像ストリームを出力する。
【0072】
制御部120は一時停止の命令、再生可能な映像ストリームのフォーマットをトランスコーダ160に出力する。トランスコーダ160は記録映像ストリームをスイッチ150を通じて受け取り、1ピクチャの画面内符号化を行い、得られた出力映像ストリームを静止画ストリーム500として出力する。
【0073】
順方向予測符号化、双方向予測符号化は、予測符号化を用いて低いビットレートでも画質が維持できる反面、予測誤差の累積のため画面内予測符号化に比べると画質が劣る。
【0074】
本実施例の映像送信装置では、一時停止時の映像ストリームを画面内符号化して再送することで、一時停止時の画面の画質を向上させることが可能になる。
【実施例3】
【0075】
本発明の第三の実施例では、早送り、巻戻しといった特殊再生時にユーザの指示を行ってから映像受信装置で特殊再生動作が行われるまでの処理方法について述べる。構成は図1と同様であるため説明を省略する。
【0076】
図5に特殊再生時のシーケンスを示す。再生開始470までのシーケンスは図2に示すシーケンスと同様であるため、同一番号を付して説明を省略する。ユーザが早送りの操作を行うと、映像受信装置300は再生開始471〜473を出力する。再生開始471〜473は再生開始時間が例えば2秒ずつ異なっており、再生時間は例えば0.5秒を指定する。映像受信装置300は対応したストリーム送信481〜483を受け取り、ストリームの一部分を再生することで早送り映像を得る。
【0077】
映像送信装置100はあらかじめ定めた値より短い再生時間を含む、再生開始命令を連続して受け取った場合、早送りの制御であると判断し、トランスコーダに対し、ビットレートを下げてトランスコードするよう、制御信号をバス130を通じて出力する。
【0078】
トランスコーダ160は制御部120に指定されたビットレートに従い、トランスコードを行う。
【0079】
本実施例では、早送り時にビットレートを下げてトランスコードすることにより、ネットワーク200による遅延を少なくし、ユーザが早送りの操作を行ってからのレスポンスを向上することができる。
【0080】
本実施例では早送りの場合について説明したが、巻戻しについても再生開始471〜473に含まれる再生開始時間の時間順が異なるだけであり、制御部120の動作は同様であり、動作レスポンスを向上することができる。
【0081】
また、トランスコーダはビットレートを下げてトランスコードする制御信号を受け取ったとき、映像の解像度を下げてトランスコードしてもよい。解像度を下げることにより、トランスコードの処理負荷、および映像受信装置のデコード処理の負荷を下げることができ、動作レスポンスを向上することができる。また、1画素あたりのビット量が増えるため、トランスコードした映像が量子化精度の不足により視認できるブロックノイズが発生する確率が減る。
【0082】
また、トランスコーダはビットレートを下げてトランスコードする制御信号を受け取ったとき、通常の再生命令によるトランスコードと比べて、Iピクチャにビットが多く割り振られるようにトランスコードしてもよい。映像受信装置は特殊再生時、Iピクチャだけをデコードし表示し、残りのピクチャはデコードしない場合がある。Iピクチャにビットを多く割り振ることにより、出力映像ストリームのビットレートに対する画質を向上させることができる。
【実施例4】
【0083】
本発明の第四の実施例では、ユーザの操作傾向により、映像送信装置からネットワークバスへストリームを送信するときの帯域割当てを変更する方法について述べる。
【0084】
図6に構成を示す。図6における映像配信装置101は図1の映像配信装置100の構成のうち、スイッチ150、トランスコーダ160、スイッチ170を省いたものである。
【0085】
記録媒体140は制御部120からファイル名、再生開始時間を受け取り、対応する記録映像ストリームをネットワークI/F110に出力する。
【0086】
映像配信装置101が映像受信装置300から再生開始の制御信号を受け取り、記録映像ストリームを出力するまでを示すシーケンスは図2と同様であるため説明を省略する。
【0087】
図7にVBVモデルのバッファ量推移を示す。本実施例ではトランスコーダを使用しないため、I0〜B3までの期間はネットワークI/F110は記録映像ストリームが持つビットレートよりも高いネットワーク帯域を割り当ててネットワーク200に送信し、バッファのアンダフローが発生しないようにする。
【0088】
ネットワークI/F110は映像受信装置300が出力する制御信号の発生頻度を用い高いネットワーク帯域を割り当てる。制御部120は実施例1で述べたように以下の条件の発生回数を一定期間保持し、発生回数が多いほど、ネットワーク帯域を段階的に高く割り当てる。
・ユーザは視聴している映像から望んでいる部分を探すとき、早送りと再生を繰り返すことにより、再生開始命令と早送りの特殊再生の命令を短い間隔で受け取った場合
・ユーザが再生開始が遅いと感じ、再生ボタンを複数回押すことにより、図7においてデコーダ側で表示を行うt0の時間より前に複数回の再生開始命令が出た場合
・ユーザが再生するストリームを選んでいるとき、ストリームの終端まで視聴せず、次の番組の再生を開始するため、再生開始470に含まれる再生時間よりも短い時間で次の再生命令が発行される場合
・ユーザが明示的にレスポンス向上を望んでおり、映像受信装置300にあるレスポンス向上の操作ボタンを押すことにより、デバイス記述440に含まれる再生開始時のビットレート情報の値を更新した場合
本実施例では上記のような構成とすることで、ユーザの操作傾向により、再生開始時のネットワーク帯域が段階的に上がるため、ユーザに応じた操作レスポンスと画質のバランスを取ることができる。
【0089】
上記条件の発生回数の記録は一定期間後に破棄することで、高く割り当てたネットワーク帯域が保持されることはなく、ネットワークバスを映像配信装置101の出力が常に占有してしまうことはない。
【0090】
本実施例では、ユーザの操作傾向により、再生開始時のネットワーク帯域を段階的に上げるとしたが、映像受信装置300の画面解像度、最大輝度設定、コントラスト比、入力バッファ量の情報のいずれかを図2におけるデバイス記述440から受け取り、再生開始時のネットワーク帯域を定めてもよい。
【0091】
ここでは画面解像度について記載する。出力映像ストリームのビットレートは画面解像度の大きさに比例する。映像受信装置300が表示する画面解像度に合わせてネットワーク帯域を上げることで、映像受信装置に応じて表示までの遅延を低減することができる。
最大輝度設定、コントラスト比、入力バッファ量についても同様の効果が得られる。
【実施例5】
【0092】
本発明の第五の実施例では、ユーザの操作傾向により、映像送信装置内の記録媒体に記録映像ストリームの記録方法を変更する方法について述べる。
【0093】
図8に構成を示す。図8における映像配信装置102において、図6の映像配信装置101と同じものは同一番号を付して説明を省略する。
【0094】
トランスコーダ180は、ネットワークバス200からネットワークI/F110を経由して映像ストリームを得て、制御部120から映像受信装置300の再生可能な映像ストリームのフォーマットと、画面解像度を得てトランスコード処理を行い、記録媒体141に出力する。記録媒体141はトランスコーダ180が出力する記録映像ストリームを記録する。
【0095】
また記録媒体141は制御部120からファイル名、再生開始時間を受け取り、対応する記録映像ストリームのデータをネットワークI/F110に出力する。
【0096】
映像配信装置100が映像受信装置300から再生開始の制御信号を受け取り、記録映像ストリームを出力するまでを示すシーケンスは図2と同様であるため説明を省略する。
【0097】
トランスコーダ180は図2におけるデバイス記述440により、映像受信装置300の画面解像度、最大輝度設定、コントラスト比のいずれかを受け取り、図4に示すVBVモデルの遷移となるように図3のフローチャートに基づきトランスコードを行う。
【0098】
実施例1に記載した効果と同様に
映像受信装置300が表示する画面解像度に合わせてトランスコードすることで、映像受信装置に応じて記録映像ストリームの先頭部分のビットレートを下げ、ネットワークの伝送に伴う遅延を低減することができる。
最大輝度設定、コントラスト比についても同様の効果が得られる。
またトランスコード済みの記録映像ストリームを記録媒体に記録しておくため、再生開始時に映像配信装置102の出力の遅延を小さくすることができる。
【0099】
本実施例では、デバイス記述440に含まれる情報によりトランスコードを行うとしたが、制御部120は実施例1で述べたように以下の条件の発生回数を一定期間保持し、発生回数が多いほど、記録映像ストリームの先頭部分ビットレートを低く割り当ててもよい。
・ユーザは視聴している映像から望んでいる部分を探すとき、早送りと再生を繰り返すことにより、再生開始命令と早送りの特殊再生の命令を短い間隔で受け取った場合
・ユーザが再生開始が遅いと感じ、再生ボタンを複数回押すことにより、図4においてデコーダ側で表示を行うt0の時間より前に複数回の再生開始命令が出た場合
・ユーザが再生するストリームを選んでいるとき、ストリームの終端まで視聴せず、次の番組の再生を開始するため、再生時間よりも短い時間で次の再生命令が発行される場合
・ユーザが明示的にレスポンス向上を望んでおり、映像受信装置300にあるレスポンス向上の操作ボタンを押すことにより、デバイス記述440に含まれる再生開始時のビットレート情報の値を更新した場合
本実施例では上記のような構成とすることにより、ユーザの操作傾向により、再生開始時のビットレートを下げることで、ユーザに応じた操作レスポンスと画質のバランスを取ることができる。
【0100】
以上,添付図面を参照しながら本発明にかかる好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0101】
例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、2つ以上の実施例を、その全部または一部において同時に採用する構成も可能である。
【符号の説明】
【0102】
100 映像送信装置
110 ネットワークI/F
120 制御部
130 バス
140 記録媒体
150 スイッチ
160 トランスコーダ
170 スイッチ
200 ネットワーク
300 映像受信装置
【技術分野】
【0001】
本発明は映像を送信する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、例えば、特開2008−206039号公報(特許文献1)がある。該公報は「[課題]ユーザの操作を受け付けてからトランスコード処理を行う必要があるため、操作が反映されて映像が更新されるまでに大きな遅延が生じる[解決手段]過去のユーザの視聴操作履歴を保持しておき、早送りや巻戻しなどの操作が行われた時点から数秒間については、現在再生に使用している再生データのトランスコード処理と平行して先読みデータを取得してトランスコード処理を行い、変換済みの先読みデータを作成して保存しておく。その後、ユーザが早送り操作を行った際には、先読みデータが用意されているポイントであればその先読みデータを即座に携帯電話に送信する」としている。
【0003】
また、例えば特開2010−28516号公報(特許文献2)がある。該公報は「[課題]映像コンテンツの配信開始時に映像が再生されるまでの待ち時間を短縮する。[解決手段]映像コンテンツを最低限の画像品質しか保証されない基本レイヤと、基本レイヤと併せてデコードすることで、基本レイヤのみをデコードした結果以上の画像品質を得ることができる拡張レイヤから構成し、
映像コンテンツの配信開始時から配信データ量検出手段で検出された基本レイヤの配信データ量が第1の目標量(映像受信装置において安定した再生を行うためにバッファリングしておくことが必要になる基本レイヤのデータ量)となるまでの間(初期配信状態)は、利用可能ネットワーク帯域が基本レイヤのエンコードビットレートよりも大きいことを条件にして、利用可能ネットワーク帯域を超えない範囲で、基本レイヤの配信ビットレートをそのエンコードビットレートよりも増大させ、その分、上位の拡張レイヤの配信ビットレートを減少させる。」としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−206039号公報
【特許文献2】特開2010−28516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ビデオ機器に記録した映像をテレビにて再生する際、ビデオ機器は情報圧縮した映像ストリームをテレビに送り、テレビ側で映像ストリームのデコードを行い表示する構成がある。双方の接続は直結による接続ではなく、他の機器と共通したネットワークバスを通じて行うことができることから接続構成の多様性に富み、DLNA(Digital Living Network Alliance)といった業界団体により標準化が進められていることから、このような接続形態が普及することが予想される。
【0006】
ビデオ機器が映像ストリームをテレビに送る場合、テレビがデコード可能な映像ストリームの形式で出力を行う。例えばビデオ機器はMPEG−4 AVC(ISO/IEC 14496−10)で記録を行い、テレビはMPEG−2(ISO/IEC 13818−2)のデコードに対応しているときは、ビデオ機器はMPEG−4 AVCからMPEG−2にトランスコードを行い、テレビに映像ストリームを送信する。
【0007】
また、他の機器と共通したネットワークバスを使用することから、映像ストリームの送受は他のデータの送受による遅延の影響を受ける。
【0008】
トランスコード処理に伴う遅延、ネットワーク遅延に伴うデコード遅延により、ユーザが再生開始や早送り、巻戻しといった特殊再生の指示をビデオ機器に行ってから、テレビに再生画像が表示されるまでの遅延は、従来の映像信号を専用線を用いて送信する方法に比べ大きくなる。
【0009】
ストリームを再生開始時にネットワークバスを通じて送受信する際、ストリームの表示に必要なビットレートを超えた大きな帯域を用いることで、表示するまでの遅延をある程度低減することができる。しかし高画質の映像であるほど、ビットレートが高くなるため表示は遅れることになる。ビットレートを下げることで表示を早めることができるが、画質が低くなってしまう。画質と再生開始までの遅延はトレードオフの関係にあり、ユーザの使用傾向や、操作の状況によってどちらを重視するかは異なるため、適した設定とすることは難しい。
【0010】
特開2008−206039号公報の技術は、データの先読みを行って画質を維持しつつ遅延を少なくする技術であるが、ユーザの使用傾向や受信機の状況によっては、画質を維持せず、低画質のストリームを用いて遅延を小さくすることが優先される場合に対応できない。
【0011】
特開2010−28516号公報の技術は階層符号化を用いて遅延を少なくする方法であり、ビデオ機器とテレビが階層符号化された映像ストリームのデコードに対応している必要がある。階層符号化された映像ストリームを用いた放送は行われていないため、デジタル放送に対応したテレビでは階層符号化された映像ストリームに対応していないことが多い。
【0012】
本発明は、上記課題を鑑み、再生開始などの指示をビデオ機器に行ってから、テレビに画像が表示されるまでの遅延をユーザの使用傾向や、受信機の状況により少なくする映像送信装置を提供することを目的とする。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明は次のように構成される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的は、特許請求の範囲に記載の発明により達成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザが再生開始などの指示をビデオ機器に行ってから、テレビに画像が表示されるまでの遅延をユーザの使用傾向や、受信機の状況により少なくする映像送信装置を提供することができる。
【0016】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第一の実施例における映像送信装置の一例を示す概略図
【図2】第一の実施例において記録映像ストリームを出力するまでを示すシーケンス図
【図3】第一の実施例においてトランスコーダがストリームを出力するまでのフローチャート
【図4】第一の実施例におけるVBVモデルのバッファ量推移
【図5】第三の実施例において特殊再生を行うときのシーケンス図
【図6】第四の実施例における映像送信装置の一例を示す概略図
【図7】第四の実施例におけるVBVモデルのバッファ量推移
【図8】第五の実施例における映像送信装置の一例を示す概略図
【図9】トランスコードを行わない場合のVBVの推移
【図10】第一の実施例において一時停止の操作を行ったときのシーケンス図
【図11】量子化精度を下げてトランスコードしたときのVBVの推移
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は映像送信装置の一例を示す概略図である。
【0020】
映像送信装置100は映像受信装置300とネットワーク200により接続されており、映像受信装置300から制御信号を受け取り、再生開始の制御信号である場合は映像ストリームを映像受信装置300に出力する。
【0021】
映像送信装置100はネットワークI/F110、制御部120、バス130、記録媒体140、スイッチ150、トランスコーダ160、スイッチ170から構成される。
【0022】
ネットワークI/F110はネットワーク200から情報を受け取り、制御部120に供給するとともに、制御部120、スイッチ170が出力するデータをネットワーク200に出力する。
【0023】
制御部120はネットワーク200、ネットワークI/F110を通じて映像受信装置300が出力する制御信号を受け取り、制御信号に応じて記録媒体140、スイッチ150、トランスコーダ160、スイッチ170を制御する。
【0024】
バス130は制御部120の出力する制御信号を記録媒体140、スイッチ150、トランスコーダ160、スイッチ170に供給するバスである。
【0025】
記録媒体140は複数の映像ストリームを記録する媒体である。制御部120からファイル名、再生開始時間を受け取り、対応する記録映像ストリームのデータをスイッチ150に出力を行う。
【0026】
スイッチ150は制御部120から制御信号をバス130を通じて受け取り、記録媒体140に含まれる映像ストリームを、トランスコーダ160もしくはスイッチ170のどちらに出力するか切り替える。
【0027】
トランスコーダ160は映像ストリームをスイッチ150を通じて受け取り、制御部120から再生可能な映像ストリームのフォーマットをバス130を通じて受け取り、映像ストリームを再生可能な映像ストリームのフォーマットにトランスコードし、出力映像ストリームを出力する。本実施例では、映像ストリームをMPEG−2にトランスコードする場合の方法を説明する。
【0028】
スイッチ170は制御部120から制御信号をバス130を通じて受け取り、スイッチ150とトランスコーダ160が出力する映像ストリームを選択し、ネットワークI/F110を通じて映像受信装置300に出力する。
【0029】
図2は映像送信装置100が映像受信装置300から再生開始の制御信号を受け取り、記録映像ストリームを出力するまでを示すシーケンス図である。
【0030】
映像送信装置100、および映像受信装置300はネットワーク200に接続した際、互いの存在を認識することができない。このため映像送信装置100は通知400をネットワークに対し、あらかじめ定めた時間間隔で送出する。映像受信装置300は通知400をネットワークから受け取ると、映像送信装置100のアドレスを得ることができ、デバイス発見410を映像送信装置100に返す。映像送信装置100はデバイス発見410を受け取ることにより、映像受信装置300のアドレスを得ることができ、映像受信装置300だけにデータを送ることができる。
【0031】
続いて映像受信装置300はデバイス・サービス情報取得420を映像送信装置100に出力し、デバイス・サービス情報430を得る。デバイス・サービス情報430は映像送信装置100が提供するサービスが含まれており、映像ストリームを配信するサーバであることや、通信に用いるプロトコルの情報などが含まれている。映像受信装置300は映像送信装置100が映像ストリームを配信することができることを認識できる。
【0032】
映像受信装置300はデバイス記述440を送信する。デバイス記述440には映像受信装置300が再生可能な映像フォーマットの情報、再生開始時のビットレート情報などが含まれている。
【0033】
映像受信装置300を操作しているユーザは映像送信装置100の記録映像ストリームを表示させる操作をする。このとき映像受信装置300はコンテンツ取得450を出力し、コンテンツリスト460を得る。コンテンツリスト460は映像送信装置100が保持しているファイル名が記載されている。コンテンツリスト460を得ることにより、映像受信装置300はユーザにファイル名の一覧を表示する。
【0034】
ユーザがファイル名の一覧から一つの記録映像ストリームを選択し、再生の動作を行うと、映像受信装置300は再生開始470を送信する。再生開始470には再生開始の命令、ファイル名、再生開始時間、再生時間が含まれている。ここでファイル名は記録媒体に含まれる記録映像ストリームを特定するための情報を示す。再生開始時間はファイル名で示される記録映像ストリームの時間軸上の再生を開始する時間位置を示す。再生時間は記録映像ストリームの時間軸上の再生開始時間から再生を行う時間を示す。
【0035】
映像配信装置100は再生開始470を受け取ると、ストリーム送信480を行い、出力映像ストリームを出力する。映像受信装置300は得た出力映像ストリームをデコードし、表示することでユーザは再生画像を見ることができる。
【0036】
図3を用いて映像送信装置100が図2の再生開始470を受け取り、ストリーム送信480を行うまでを詳細に説明する。
【0037】
映像送信装置100は再生開始470を受け取ると、S100にて制御部120を用いて再生開始470に含まれる再生開始の命令、ファイル名、再生開始時間、再生時間を分離する。制御部120は記録媒体140に対し、ファイル名と等しい記録映像ストリームを再生開始時間から出力するよう制御信号を出力する。またスイッチ150、スイッチ170に制御信号を送り、記録媒体140の出力映像ストリームがトランスコーダ160を通ってネットワークI/F110から出力されるよう設定する。
【0038】
S110にて記録媒体140はストリームを読み出し、スイッチ150に出力する。
【0039】
S120、S140で制御部120はトランスコードする符号化方法を決定する。符号化方法として画面内符号化(Iピクチャ)、トランスコードするピクチャよりも再生時間が前のピクチャを参照して予測符号化を行う順方向予測符号化(Pピクチャ)、トランスコードするピクチャの再生時間の前後のピクチャを用いて予測符号化を行う双予測符号化(Bピクチャ)の3種類がある。
【0040】
S130、S150、S160にてそれぞれのピクチャのトランスコードを行い、S170で再生開始470に含まれる再生時間の情報と比較し、再生が終了していないときはS110に戻り、記録映像ストリームを読み出す。
【0041】
次に図3におけるS120、S140の符号化方法の選択方法について述べる。
【0042】
Iピクチャはトランスコード開始時、もしくはあらかじめ定めた一定間隔で選択する。
【0043】
Pピクチャ、Bピクチャの選択(S140)は、トランスコーダが映像受信装置300が再生可能な映像フォーマットにエンコードする際、出力映像ストリームの仮想的なデコーダによるバッファ推移を示すVBV(Video Buffer Verifier)モデルのバッファ量の推移によって行う。
【0044】
図4にVBVモデルのバッファ量推移を示す。
【0045】
横軸は時間を示し、縦軸はVBVモデルのバッファ量を示す。t0〜t7はデコーダがピクチャをデコードし、表示するタイミングを示す。また、I0、P1、P2、P3、I6、B4、B5、P9、B7、B8は符号化の種別と表示順番を示し、I0はIピクチャの0番目(最初)に表示するピクチャであることを示す。
【0046】
トランスコーダは図2におけるデバイス記述440により定義する再生開始時のビットレートに従い最初のIピクチャの符号量を定める。
【0047】
最初のIピクチャ(I0)をデコードして、バッファ量を減らしてもVBVバッファ量が枯渇しないバッファ量aに到達した時間(t0)をvbv_delay値としてピクチャヘッダに記録する。t0の時間はDTS(Decoding Time Stamp)値の作成にも用いられ、DTS値は出力映像ストリームに付加される。以後、フレームレートに従い、t1、t2と等間隔でデコードを行い、VBVバッファからピクチャをデコードしてもVBVバッファ量が枯渇しないようビットレートの制御を行う。
【0048】
双予測を行うBピクチャは、表示するピクチャの再生時間の前後のピクチャを用いて予測を行っているため、デコードの際はピクチャを並び替えて出力する。このため、t3〜t4でデコードしたIピクチャI6はt4の時間に表示しない。一方、Iピクチャ、Pピクチャのみでエンコードした映像ストリームはデコード順に表示を行うことができるため、t0でデコードしたIピクチャを最初に表示でき、遅延を少なくできる。
【0049】
図4では出力映像ストリームの先頭部分(I0〜P3)はIピクチャ、Pピクチャで構成し、デバイス記述440により定義する再生開始時のビットレートに従いエンコードを行い、VBVバッファのバッファ量からI6およびB4を引き抜いても枯渇しない段階(t3)からBピクチャを用いた符号化を行う。
【0050】
本実施例の映像配信装置では、出力映像ストリームの先頭部分をIピクチャ、Pピクチャを用いて予測符号化することにより、画像の表示までの時間を早めることができる。
【0051】
また、最初のIピクチャを再生開始時のビットレートに従いデコードすることで、記録映像ストリームのデコード開始を行うa点の値を下げることができ、t0の時間を早めることができる。
【0052】
図9にストリームの先頭部分のトランスコードを行わない場合のVBVの推移を示す。I3のデコード処理に示すように、Bピクチャのデコードを行う場合、先行して表示するB0をデコードするためにはB0が参照画像として使用するI3を先にデコードする。このため、vbv_delayはa点までバッファされるまでの遅延に加え、最大1フレーム期間(毎秒30フレームの場合33ms)遅れることになる。
【0053】
図2において、I6の前にI0〜P3のピクチャを付加することで、本実施例の出力映像ストリームは33ms程度の遅延を改善することになり、再生開始から表示までの動作レスポンスが改善する。
【0054】
また、VBVバッファの枯渇が起きないデータ量まで格納した段階でBピクチャを用いた予測符号化により、動画の画質は向上する。Bピクチャを用いて予測符号化することで画質は2dBほど向上するため、再生開始直後を除き、I、Pピクチャだけでトランスコードした場合と比べ高い画質を得ることができる。
【0055】
本実施例ではデジタル放送で用いられるPピクチャ、Bピクチャの組合せ方法により、ユーザ操作からの遅延を減少させるため、映像送信装置100が出力する映像ストリームを低遅延でデコードできる映像受信装置300を容易に構成できる。
【0056】
本実施例は記録映像ストリームは記録媒体140から読み出すとなっているが、ネットワークバス200より記録映像ストリームを受け取り、一時的に記録媒体140に記録した後に読み出すようにしてもよい。また、放送波を受信し復調する復調回路を持ち、復調回路から記録映像ストリームを得るようにしてもよい。
【0057】
本実施例ではトランスコーダは記録映像ストリームの先頭部分をIピクチャとPピクチャにトランスコードするとしたが、先頭部分をIピクチャのみでトランスコードを行ってもよい。
【0058】
Iピクチャのみのトランスコードを行うことで、予測符号化の処理量が減るため、トランスコーダ160の処理量が減り、トランスコードの速度を上げ最初のI0のピクチャ出力を早めることができる。
【0059】
本実施例ではトランスコーダは記録映像ストリームをトランスコードするとしたが、記録映像ストリームと出力映像ストリームの映像ストリームのフォーマットが等しく、予測符号化方法も等しい場合、図2のb点のタイミングからトランスコードを行わずに出力してもよい。
【0060】
記録映像ストリームの先頭部分しかトランスコードを行わないことにより、トランスコーダの処理負荷を下げることができ、複数の映像受信装置を映像配信装置に接続しても、トランスコーダが時分割処理することにより映像ストリームを出力することが可能になる。
【0061】
本実施例では、デバイス記述440により再生開始時のビットレート情報を受け取るとしたが、映像受信装置300の画面解像度、最大輝度設定、コントラスト比のいずれかを図2におけるデバイス記述440から受け取り、トランスコードをしてもよい。
【0062】
ここでは画面解像度について記載する。出力映像ストリームのビットレートは画面解像度の大きさに比例する。映像受信装置300が表示する画面解像度に合わせてトランスコードすることで、映像受信装置に応じて出力映像ストリームのビットレートを下げ、ネットワークの伝送に伴う遅延を低減することができる。
【0063】
最大輝度設定、コントラスト比についても同様の効果が得られる。
【0064】
本実施例では、図4におけるb点のバッファ量に到達するまで、IピクチャおよびPピクチャを用いたトランスコードを行うと記載したが、図11に示すように予測符号化の方法は変えずに量子化精度を下げてビットレートを下げてもよい。図4に示す方法でストリームを送信した場合、t3〜t4の期間で2ピクチャのデコードが必要になる。量子化精度を下げてビットレートを下げることで、1フレーム期間に2ピクチャデコードせずにデコード画像を表示できる。また、記録映像ストリームが持つa点の値を下げることができ、t0の時間を早めることができる。
【0065】
本実施例では、デバイス記述440により再生開始時のビットレート情報を受け取るとしたが、映像受信装置300が出力する制御信号の発生頻度を用いてビットレートを下げてもよい。ユーザは視聴している映像から望んでいる部分を探すとき、早送りと再生を繰り返しながら視聴を行う。この際は映像の画質よりも目的の映像部分を探すことが優先されるため、画質を落として動作レスポンスをあげることが望ましい。映像受信装置300は再生開始命令と早送りの特殊再生の命令を短い間隔で受け取った場合は、図4におけるb点のバッファ量に到達するまでのビットレートを、デバイス記述440に含まれる再生開始時のビットレート情報の値より下げてトランスコードしてもよい。
【0066】
同様に以下の場合においても、動作レスポンスの向上を求めているとして、図4におけるb点のバッファ量に到達するまで、デバイス記述440に含まれる再生開始時のビットレート情報の値よりビットレートを下げてトランスコードしてもよい。
・ユーザが再生開始が遅いと感じ、再生ボタンを複数回押すことで、図4においてデコーダ側で表示を行うt0の時間より前に複数回の再生開始命令を出す場合
・ユーザが再生するストリームを選んでいるとき、ストリームの終端まで視聴せず、次の番組の再生を開始するため、再生開始470に含まれる再生時間よりも短い時間で次の再生命令を発行する場合
・ユーザが明示的にレスポンス向上を望んでおり、映像受信装置300にあるレスポンス向上の操作ボタンを押すことで、デバイス記述440に含まれる再生開始時のビットレート情報の値を更新した場合
上記に示すユーザの操作傾向により、再生開始時のビットレートを下げることで、ユーザに応じた操作レスポンスと画質のバランスを取ることができる。
【0067】
本実施例では、トランスコードする映像ストリームをMPEG−2としたが、本発明はこれに限らず、MPEG−4 AVCやVC−1等、予測符号化を行う映像フォーマットに利用することができる。
【実施例2】
【0068】
本発明の第二の実施例では、映像受信装置で再生した映像を一時停止したときの画質向上方法を述べる。構成は図1と同様であるため、説明を省略する。
【0069】
図10に再生方法のシーケンスを示す。図2と同一部分については同一番号を付して説明を省略する。
【0070】
再生を行っているとき、ユーザが一時停止の操作を行う。このとき映像受信装置300から映像送信装置100へ一時停止490が出力される。一時停止490は一時停止の命令と一時停止する時間の情報からなる。
【0071】
制御部120は一時停止490をうけとり、再生中のファイル名と一時停止する時間を記録媒体140に出力する。記録媒体140は対応する記録映像ストリームを出力する。
【0072】
制御部120は一時停止の命令、再生可能な映像ストリームのフォーマットをトランスコーダ160に出力する。トランスコーダ160は記録映像ストリームをスイッチ150を通じて受け取り、1ピクチャの画面内符号化を行い、得られた出力映像ストリームを静止画ストリーム500として出力する。
【0073】
順方向予測符号化、双方向予測符号化は、予測符号化を用いて低いビットレートでも画質が維持できる反面、予測誤差の累積のため画面内予測符号化に比べると画質が劣る。
【0074】
本実施例の映像送信装置では、一時停止時の映像ストリームを画面内符号化して再送することで、一時停止時の画面の画質を向上させることが可能になる。
【実施例3】
【0075】
本発明の第三の実施例では、早送り、巻戻しといった特殊再生時にユーザの指示を行ってから映像受信装置で特殊再生動作が行われるまでの処理方法について述べる。構成は図1と同様であるため説明を省略する。
【0076】
図5に特殊再生時のシーケンスを示す。再生開始470までのシーケンスは図2に示すシーケンスと同様であるため、同一番号を付して説明を省略する。ユーザが早送りの操作を行うと、映像受信装置300は再生開始471〜473を出力する。再生開始471〜473は再生開始時間が例えば2秒ずつ異なっており、再生時間は例えば0.5秒を指定する。映像受信装置300は対応したストリーム送信481〜483を受け取り、ストリームの一部分を再生することで早送り映像を得る。
【0077】
映像送信装置100はあらかじめ定めた値より短い再生時間を含む、再生開始命令を連続して受け取った場合、早送りの制御であると判断し、トランスコーダに対し、ビットレートを下げてトランスコードするよう、制御信号をバス130を通じて出力する。
【0078】
トランスコーダ160は制御部120に指定されたビットレートに従い、トランスコードを行う。
【0079】
本実施例では、早送り時にビットレートを下げてトランスコードすることにより、ネットワーク200による遅延を少なくし、ユーザが早送りの操作を行ってからのレスポンスを向上することができる。
【0080】
本実施例では早送りの場合について説明したが、巻戻しについても再生開始471〜473に含まれる再生開始時間の時間順が異なるだけであり、制御部120の動作は同様であり、動作レスポンスを向上することができる。
【0081】
また、トランスコーダはビットレートを下げてトランスコードする制御信号を受け取ったとき、映像の解像度を下げてトランスコードしてもよい。解像度を下げることにより、トランスコードの処理負荷、および映像受信装置のデコード処理の負荷を下げることができ、動作レスポンスを向上することができる。また、1画素あたりのビット量が増えるため、トランスコードした映像が量子化精度の不足により視認できるブロックノイズが発生する確率が減る。
【0082】
また、トランスコーダはビットレートを下げてトランスコードする制御信号を受け取ったとき、通常の再生命令によるトランスコードと比べて、Iピクチャにビットが多く割り振られるようにトランスコードしてもよい。映像受信装置は特殊再生時、Iピクチャだけをデコードし表示し、残りのピクチャはデコードしない場合がある。Iピクチャにビットを多く割り振ることにより、出力映像ストリームのビットレートに対する画質を向上させることができる。
【実施例4】
【0083】
本発明の第四の実施例では、ユーザの操作傾向により、映像送信装置からネットワークバスへストリームを送信するときの帯域割当てを変更する方法について述べる。
【0084】
図6に構成を示す。図6における映像配信装置101は図1の映像配信装置100の構成のうち、スイッチ150、トランスコーダ160、スイッチ170を省いたものである。
【0085】
記録媒体140は制御部120からファイル名、再生開始時間を受け取り、対応する記録映像ストリームをネットワークI/F110に出力する。
【0086】
映像配信装置101が映像受信装置300から再生開始の制御信号を受け取り、記録映像ストリームを出力するまでを示すシーケンスは図2と同様であるため説明を省略する。
【0087】
図7にVBVモデルのバッファ量推移を示す。本実施例ではトランスコーダを使用しないため、I0〜B3までの期間はネットワークI/F110は記録映像ストリームが持つビットレートよりも高いネットワーク帯域を割り当ててネットワーク200に送信し、バッファのアンダフローが発生しないようにする。
【0088】
ネットワークI/F110は映像受信装置300が出力する制御信号の発生頻度を用い高いネットワーク帯域を割り当てる。制御部120は実施例1で述べたように以下の条件の発生回数を一定期間保持し、発生回数が多いほど、ネットワーク帯域を段階的に高く割り当てる。
・ユーザは視聴している映像から望んでいる部分を探すとき、早送りと再生を繰り返すことにより、再生開始命令と早送りの特殊再生の命令を短い間隔で受け取った場合
・ユーザが再生開始が遅いと感じ、再生ボタンを複数回押すことにより、図7においてデコーダ側で表示を行うt0の時間より前に複数回の再生開始命令が出た場合
・ユーザが再生するストリームを選んでいるとき、ストリームの終端まで視聴せず、次の番組の再生を開始するため、再生開始470に含まれる再生時間よりも短い時間で次の再生命令が発行される場合
・ユーザが明示的にレスポンス向上を望んでおり、映像受信装置300にあるレスポンス向上の操作ボタンを押すことにより、デバイス記述440に含まれる再生開始時のビットレート情報の値を更新した場合
本実施例では上記のような構成とすることで、ユーザの操作傾向により、再生開始時のネットワーク帯域が段階的に上がるため、ユーザに応じた操作レスポンスと画質のバランスを取ることができる。
【0089】
上記条件の発生回数の記録は一定期間後に破棄することで、高く割り当てたネットワーク帯域が保持されることはなく、ネットワークバスを映像配信装置101の出力が常に占有してしまうことはない。
【0090】
本実施例では、ユーザの操作傾向により、再生開始時のネットワーク帯域を段階的に上げるとしたが、映像受信装置300の画面解像度、最大輝度設定、コントラスト比、入力バッファ量の情報のいずれかを図2におけるデバイス記述440から受け取り、再生開始時のネットワーク帯域を定めてもよい。
【0091】
ここでは画面解像度について記載する。出力映像ストリームのビットレートは画面解像度の大きさに比例する。映像受信装置300が表示する画面解像度に合わせてネットワーク帯域を上げることで、映像受信装置に応じて表示までの遅延を低減することができる。
最大輝度設定、コントラスト比、入力バッファ量についても同様の効果が得られる。
【実施例5】
【0092】
本発明の第五の実施例では、ユーザの操作傾向により、映像送信装置内の記録媒体に記録映像ストリームの記録方法を変更する方法について述べる。
【0093】
図8に構成を示す。図8における映像配信装置102において、図6の映像配信装置101と同じものは同一番号を付して説明を省略する。
【0094】
トランスコーダ180は、ネットワークバス200からネットワークI/F110を経由して映像ストリームを得て、制御部120から映像受信装置300の再生可能な映像ストリームのフォーマットと、画面解像度を得てトランスコード処理を行い、記録媒体141に出力する。記録媒体141はトランスコーダ180が出力する記録映像ストリームを記録する。
【0095】
また記録媒体141は制御部120からファイル名、再生開始時間を受け取り、対応する記録映像ストリームのデータをネットワークI/F110に出力する。
【0096】
映像配信装置100が映像受信装置300から再生開始の制御信号を受け取り、記録映像ストリームを出力するまでを示すシーケンスは図2と同様であるため説明を省略する。
【0097】
トランスコーダ180は図2におけるデバイス記述440により、映像受信装置300の画面解像度、最大輝度設定、コントラスト比のいずれかを受け取り、図4に示すVBVモデルの遷移となるように図3のフローチャートに基づきトランスコードを行う。
【0098】
実施例1に記載した効果と同様に
映像受信装置300が表示する画面解像度に合わせてトランスコードすることで、映像受信装置に応じて記録映像ストリームの先頭部分のビットレートを下げ、ネットワークの伝送に伴う遅延を低減することができる。
最大輝度設定、コントラスト比についても同様の効果が得られる。
またトランスコード済みの記録映像ストリームを記録媒体に記録しておくため、再生開始時に映像配信装置102の出力の遅延を小さくすることができる。
【0099】
本実施例では、デバイス記述440に含まれる情報によりトランスコードを行うとしたが、制御部120は実施例1で述べたように以下の条件の発生回数を一定期間保持し、発生回数が多いほど、記録映像ストリームの先頭部分ビットレートを低く割り当ててもよい。
・ユーザは視聴している映像から望んでいる部分を探すとき、早送りと再生を繰り返すことにより、再生開始命令と早送りの特殊再生の命令を短い間隔で受け取った場合
・ユーザが再生開始が遅いと感じ、再生ボタンを複数回押すことにより、図4においてデコーダ側で表示を行うt0の時間より前に複数回の再生開始命令が出た場合
・ユーザが再生するストリームを選んでいるとき、ストリームの終端まで視聴せず、次の番組の再生を開始するため、再生時間よりも短い時間で次の再生命令が発行される場合
・ユーザが明示的にレスポンス向上を望んでおり、映像受信装置300にあるレスポンス向上の操作ボタンを押すことにより、デバイス記述440に含まれる再生開始時のビットレート情報の値を更新した場合
本実施例では上記のような構成とすることにより、ユーザの操作傾向により、再生開始時のビットレートを下げることで、ユーザに応じた操作レスポンスと画質のバランスを取ることができる。
【0100】
以上,添付図面を参照しながら本発明にかかる好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0101】
例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、2つ以上の実施例を、その全部または一部において同時に採用する構成も可能である。
【符号の説明】
【0102】
100 映像送信装置
110 ネットワークI/F
120 制御部
130 バス
140 記録媒体
150 スイッチ
160 トランスコーダ
170 スイッチ
200 ネットワーク
300 映像受信装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークから制御信号を受け取り、前記制御信号の解釈を行う制御部と、
複数のピクチャ情報からなる記録映像ストリームが記録された記録媒体から前記映像ストリームを読み出す再生部と、
前記制御部の指示に基づく情報圧縮を行い、出力映像ストリームを出力するトランスコーダと、
前記トランスコーダが出力する前記出力映像ストリームを前記ネットワークに送出するネットワークI/Fと、
を備え、
前記制御部は、
前記制御信号がデバイス記述であるとき、含まれる再生可能な映像ストリームのフォーマットを分離し、
前記制御信号が再生開始命令であるとき、含まれる記録映像ストリーム名、再生開始時間を分離し、
前記トランスコーダに前記再生可能な映像ストリームのフォーマットを出力し、
前記記録媒体から前記記録映像ストリーム名をもつ前記記録映像ストリームを前記再生開始時間から出力するよう制御信号を出力し、
前記トランスコーダは前記映像ストリームを前記再生可能な映像ストリームのフォーマットの前記出力映像ストリームにトランスコードする際、前記記録映像ストリームの先頭のあらかじめ定めた期間を第一のビットレート値でトランスコードし、その後第二のビットレート値でトランスコードを行うこと
を特徴とした映像送信装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記トランスコーダが行う第一のビットレート値は、前記制御信号により定められること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記制御部は前記制御信号の履歴を保持する履歴情報を持ち、
前記履歴情報に基づいて前記トランスコーダが行う第一のビットレート値のトランスコード期間を定めること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記制御部は
前記ネットワークに接続され、前記出力映像ストリームをデコードする映像受信装置の接続情報を前記デバイス記述から分離し、
前記接続情報に基づいて前記トランスコーダが行う第一のビットレート値のトランスコード期間を定めること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記トランスコーダは、前記第一のビットレートとして、前記記録映像ストリームの前記再生開始時間にあたるピクチャ情報1を読み出し、前記映像ストリームのフォーマットに基づく画面内符号化を行い、
ピクチャ情報1の次に表示されるピクチャ情報2はピクチャ情報1を参照する順方向予測符号化を行い、
以降のピクチャ情報は符号化済のピクチャ情報を参照する順方向予測符号化を行うこと
を特徴とした映像送信装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記トランスコーダは、前記出力映像ストリームをデコードする際の仮想的なバッファモデルを想定し、
前記出力映像ストリームにおいて、双予測符号化を行ったピクチャ情報を用いて前記出力映像ストリームを作成しても前記バッファモデルが枯渇しないバッファ量であるときに、
前記第二のビットレートとして、双予測符号化を含む符号化を行うこと
を特徴とした映像送信装置。
【請求項7】
請求項5において、
前記トランスコーダは、前記出力映像ストリームをデコードする際の仮想的なバッファモデルを想定し、
前記記録映像ストリームを前記出力映像ストリームとして出力しても前記バッファモデルが枯渇しないバッファ量であるときに、
前記第二のビットレートとして、前記記録映像ストリームを前記出力映像ストリームとして出力すること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項8】
請求項1において、
前記制御部は一時停止の制御信号を受け取ったときに、制御信号に含まれる一時停止時間情報を取りだし、前記トランスコーダに出力し、
前記トランスコーダは、前記記録映像ストリームから前記一時停止時間情報の時間情報をもつピクチャ情報を取りだし、画面内符号化を行い出力すること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項9】
請求項1において、
前記制御部は、
前記制御信号が、早送り、もしくは巻戻しの制御信号であるとき、前記第一のビットレートよりも低いビットレート情報と、特殊再生命令をトランスコーダに出力し、
前記トランスコーダは前記ビットレート情報に記載されたビットレートで前記記録映像ストリームをトランスコードすること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記制御部は、
前記制御信号が、早送り、もしくは巻戻しの制御信号であるとき、前記再生開始命令により出力される前記出力映像ストリームの解像度より低い解像度情報と、前記ビットレート情報と、特殊再生命令をトランスコーダに出力し、
前記トランスコーダは前記解像度に記載された解像度で前記記録映像ストリームをトランスコードすること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項11】
請求項9において、
前記トランスコーダは前記特殊再生命令と前記ビットレート情報を受け取ったとき、前記再生開始命令と比較して画面内符号化を行うピクチャ情報にビットを多く割り振ること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項12】
ネットワークから制御信号を受け取り、前記制御信号の解釈を行う制御部と、
複数のピクチャ情報からなる記録映像ストリームが記録された記録媒体から記録映像ストリームを読み出す再生部と、
前記記録媒体から出力する前記記録映像ストリームを前記ネットワークに送出するネットワークI/Fと、
を備え、
前記制御部は、
前記制御信号が再生開始命令であるとき、含まれる記録映像ストリーム名、再生開始時間を分離し、
前記記録媒体に前記記録映像ストリーム名をもつ前記記録映像ストリームを前記再生開始時間から出力するよう制御信号を出力し、
前記ネットワークI/Fは前記記録映像ストリームの先頭のあらかじめ定めた期間を第一のビットレート値で出力し、その後第二のビットレート値で出力を行うこと
を特徴とした映像送信装置。
【請求項13】
請求項12において、
前記記録媒体が出力する第一のビットレート値は、前記制御信号により定められること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項14】
請求項12において、
前記制御部は前記制御信号の履歴を保持する履歴情報を持ち、
前記履歴情報に基づいて前記記録媒体が出力する第一のビットレート値の出力期間を定めること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項15】
請求項12において、
前記制御部は前記履歴情報のうち、あらかじめ定めた期間を経過した制御信号を消去し、前記履歴情報に基づいて前記記録媒体が出力する第一のビットレート値の出力期間を定めること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項16】
請求項12において、
前記制御部は、前記ネットワークに接続され前記出力映像ストリームをデコードする映像受信装置の接続情報を持ち、
前記接続情報に基づいて前記記録媒体が出力する第一のビットレート値の出力期間を定めること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項17】
ネットワークから制御信号を受け取り、前記制御信号の解釈を行う制御部と、
複数のピクチャ情報からなる記録映像ストリームが記録された記録媒体から記録映像ストリームを読み出す再生部と、
前記記録媒体が出力する前記記録映像ストリームを前記ネットワークに送出するネットワークI/Fと、
を備え、
前記ネットワークI/Fは、
前記制御部から与えられた制御情報により、
前記記録媒体から前記記録映像ストリームの先頭のあらかじめ定めた期間を第一の方法で出力し、その後第二の方法で出力を行い、
また、前記制御部は前記制御信号の履歴を保持する履歴情報を持ち、
前記履歴情報に基づいて前記第一の方法の期間を定めること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項18】
ネットワークから制御信号を受け取り、前記制御信号の解釈を行う制御部と、
複数のピクチャ情報からなる記録映像ストリームが記録された記録媒体から記録映像ストリームを読み出す再生部と、
前記記録媒体が出力する前記記録映像ストリームを前記ネットワークに送出するネットワークI/Fと、
を備え、
前記ネットワークI/Fは、
前記制御部から与えられた制御情報により、
前記記録媒体から前記記録映像ストリームの先頭のあらかじめ定めた期間を第一の方法で出力し、その後第二の方法で出力を行い、
また、前記制御部は前記制御信号により、
前記履歴情報に基づいて前記第一の方法の期間を定めること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項19】
ネットワークから制御信号を受け取り、前記制御信号の解釈を行う制御部と、
複数のピクチャ情報からなる記録映像ストリームが記録された記録媒体から記録映像ストリームを読み出す再生部と、
前記記録媒体から出力する前記記録映像ストリームを前記ネットワークに送出するネットワークI/Fと、
を備え、
前記ネットワークI/Fは、
前記制御部から与えられた制御情報により、
前記記録媒体から前記記録映像ストリームの先頭のあらかじめ定めた期間を第一の方法で出力し、その後第二の方法で出力を行い、
また、前記制御部は、前記ネットワークに接続され前記出力映像ストリームをデコードする映像受信装置の接続情報を持ち、
前記接続情報に基づいて前記記録媒体が出力する第一の方法の出力期間を定めること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項1】
ネットワークから制御信号を受け取り、前記制御信号の解釈を行う制御部と、
複数のピクチャ情報からなる記録映像ストリームが記録された記録媒体から前記映像ストリームを読み出す再生部と、
前記制御部の指示に基づく情報圧縮を行い、出力映像ストリームを出力するトランスコーダと、
前記トランスコーダが出力する前記出力映像ストリームを前記ネットワークに送出するネットワークI/Fと、
を備え、
前記制御部は、
前記制御信号がデバイス記述であるとき、含まれる再生可能な映像ストリームのフォーマットを分離し、
前記制御信号が再生開始命令であるとき、含まれる記録映像ストリーム名、再生開始時間を分離し、
前記トランスコーダに前記再生可能な映像ストリームのフォーマットを出力し、
前記記録媒体から前記記録映像ストリーム名をもつ前記記録映像ストリームを前記再生開始時間から出力するよう制御信号を出力し、
前記トランスコーダは前記映像ストリームを前記再生可能な映像ストリームのフォーマットの前記出力映像ストリームにトランスコードする際、前記記録映像ストリームの先頭のあらかじめ定めた期間を第一のビットレート値でトランスコードし、その後第二のビットレート値でトランスコードを行うこと
を特徴とした映像送信装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記トランスコーダが行う第一のビットレート値は、前記制御信号により定められること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記制御部は前記制御信号の履歴を保持する履歴情報を持ち、
前記履歴情報に基づいて前記トランスコーダが行う第一のビットレート値のトランスコード期間を定めること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記制御部は
前記ネットワークに接続され、前記出力映像ストリームをデコードする映像受信装置の接続情報を前記デバイス記述から分離し、
前記接続情報に基づいて前記トランスコーダが行う第一のビットレート値のトランスコード期間を定めること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記トランスコーダは、前記第一のビットレートとして、前記記録映像ストリームの前記再生開始時間にあたるピクチャ情報1を読み出し、前記映像ストリームのフォーマットに基づく画面内符号化を行い、
ピクチャ情報1の次に表示されるピクチャ情報2はピクチャ情報1を参照する順方向予測符号化を行い、
以降のピクチャ情報は符号化済のピクチャ情報を参照する順方向予測符号化を行うこと
を特徴とした映像送信装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記トランスコーダは、前記出力映像ストリームをデコードする際の仮想的なバッファモデルを想定し、
前記出力映像ストリームにおいて、双予測符号化を行ったピクチャ情報を用いて前記出力映像ストリームを作成しても前記バッファモデルが枯渇しないバッファ量であるときに、
前記第二のビットレートとして、双予測符号化を含む符号化を行うこと
を特徴とした映像送信装置。
【請求項7】
請求項5において、
前記トランスコーダは、前記出力映像ストリームをデコードする際の仮想的なバッファモデルを想定し、
前記記録映像ストリームを前記出力映像ストリームとして出力しても前記バッファモデルが枯渇しないバッファ量であるときに、
前記第二のビットレートとして、前記記録映像ストリームを前記出力映像ストリームとして出力すること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項8】
請求項1において、
前記制御部は一時停止の制御信号を受け取ったときに、制御信号に含まれる一時停止時間情報を取りだし、前記トランスコーダに出力し、
前記トランスコーダは、前記記録映像ストリームから前記一時停止時間情報の時間情報をもつピクチャ情報を取りだし、画面内符号化を行い出力すること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項9】
請求項1において、
前記制御部は、
前記制御信号が、早送り、もしくは巻戻しの制御信号であるとき、前記第一のビットレートよりも低いビットレート情報と、特殊再生命令をトランスコーダに出力し、
前記トランスコーダは前記ビットレート情報に記載されたビットレートで前記記録映像ストリームをトランスコードすること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記制御部は、
前記制御信号が、早送り、もしくは巻戻しの制御信号であるとき、前記再生開始命令により出力される前記出力映像ストリームの解像度より低い解像度情報と、前記ビットレート情報と、特殊再生命令をトランスコーダに出力し、
前記トランスコーダは前記解像度に記載された解像度で前記記録映像ストリームをトランスコードすること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項11】
請求項9において、
前記トランスコーダは前記特殊再生命令と前記ビットレート情報を受け取ったとき、前記再生開始命令と比較して画面内符号化を行うピクチャ情報にビットを多く割り振ること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項12】
ネットワークから制御信号を受け取り、前記制御信号の解釈を行う制御部と、
複数のピクチャ情報からなる記録映像ストリームが記録された記録媒体から記録映像ストリームを読み出す再生部と、
前記記録媒体から出力する前記記録映像ストリームを前記ネットワークに送出するネットワークI/Fと、
を備え、
前記制御部は、
前記制御信号が再生開始命令であるとき、含まれる記録映像ストリーム名、再生開始時間を分離し、
前記記録媒体に前記記録映像ストリーム名をもつ前記記録映像ストリームを前記再生開始時間から出力するよう制御信号を出力し、
前記ネットワークI/Fは前記記録映像ストリームの先頭のあらかじめ定めた期間を第一のビットレート値で出力し、その後第二のビットレート値で出力を行うこと
を特徴とした映像送信装置。
【請求項13】
請求項12において、
前記記録媒体が出力する第一のビットレート値は、前記制御信号により定められること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項14】
請求項12において、
前記制御部は前記制御信号の履歴を保持する履歴情報を持ち、
前記履歴情報に基づいて前記記録媒体が出力する第一のビットレート値の出力期間を定めること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項15】
請求項12において、
前記制御部は前記履歴情報のうち、あらかじめ定めた期間を経過した制御信号を消去し、前記履歴情報に基づいて前記記録媒体が出力する第一のビットレート値の出力期間を定めること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項16】
請求項12において、
前記制御部は、前記ネットワークに接続され前記出力映像ストリームをデコードする映像受信装置の接続情報を持ち、
前記接続情報に基づいて前記記録媒体が出力する第一のビットレート値の出力期間を定めること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項17】
ネットワークから制御信号を受け取り、前記制御信号の解釈を行う制御部と、
複数のピクチャ情報からなる記録映像ストリームが記録された記録媒体から記録映像ストリームを読み出す再生部と、
前記記録媒体が出力する前記記録映像ストリームを前記ネットワークに送出するネットワークI/Fと、
を備え、
前記ネットワークI/Fは、
前記制御部から与えられた制御情報により、
前記記録媒体から前記記録映像ストリームの先頭のあらかじめ定めた期間を第一の方法で出力し、その後第二の方法で出力を行い、
また、前記制御部は前記制御信号の履歴を保持する履歴情報を持ち、
前記履歴情報に基づいて前記第一の方法の期間を定めること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項18】
ネットワークから制御信号を受け取り、前記制御信号の解釈を行う制御部と、
複数のピクチャ情報からなる記録映像ストリームが記録された記録媒体から記録映像ストリームを読み出す再生部と、
前記記録媒体が出力する前記記録映像ストリームを前記ネットワークに送出するネットワークI/Fと、
を備え、
前記ネットワークI/Fは、
前記制御部から与えられた制御情報により、
前記記録媒体から前記記録映像ストリームの先頭のあらかじめ定めた期間を第一の方法で出力し、その後第二の方法で出力を行い、
また、前記制御部は前記制御信号により、
前記履歴情報に基づいて前記第一の方法の期間を定めること
を特徴とした映像送信装置。
【請求項19】
ネットワークから制御信号を受け取り、前記制御信号の解釈を行う制御部と、
複数のピクチャ情報からなる記録映像ストリームが記録された記録媒体から記録映像ストリームを読み出す再生部と、
前記記録媒体から出力する前記記録映像ストリームを前記ネットワークに送出するネットワークI/Fと、
を備え、
前記ネットワークI/Fは、
前記制御部から与えられた制御情報により、
前記記録媒体から前記記録映像ストリームの先頭のあらかじめ定めた期間を第一の方法で出力し、その後第二の方法で出力を行い、
また、前記制御部は、前記ネットワークに接続され前記出力映像ストリームをデコードする映像受信装置の接続情報を持ち、
前記接続情報に基づいて前記記録媒体が出力する第一の方法の出力期間を定めること
を特徴とした映像送信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−15928(P2012−15928A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152589(P2010−152589)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
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