説明

映像音声出力装置及び映像音声出力方法

【課題】映像音声出力装置が接続されたテレビジョン装置の入力ポートの設定を自動的に行い、接続操作を容易にする。
【解決手段】映像音声出力装置10は、リモコンからチャンネルの指定を示す第1の信号を受信する赤外線受信部11と、識別信号をテレビジョン装置20に出力する識別信号出力部14と、識別信号がテレビジョン装置20から出力されるか否かを判定する識別信号判定部15と、識別信号がテレビジョン装置20から出力されない場合、入力ポートの切換えを示す第2の信号をテレビジョン装置20に送信する赤外線送信部13と、識別信号がテレビジョン装置20から出力されるまで識別信号出力部14による識別信号の出力、及び赤外線送信部13による第2の信号の送信を繰り返すように制御する制御部17と、識別信号がテレビジョン装置20から出力されたと判定された場合、映像及び音声をテレビジョン装置20に出力する処理実行部16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン装置に接続可能な映像音声出力装置、及びその映像音声出力方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビジョン装置(TV)の入力ポートにテレビ会議装置などの映像音声出力装置を接続し、映像音声出力装置から入力される映像及び音声をテレビジョン装置から出力させる場合には、映像音声出力装置をテレビジョン装置のどの入力ポートに接続したのかを、手動で指定する必要があった。
【0003】
また、テレビジョン装置等の機器を接続するHDMI(High Difinition Multimedia Interface)の規格(HDMI−CEC)に、テレビジョン装置の入力ポートを切り替える制御信号を出力できるものがあった(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
また、電子機器ごとに対応するリモートコントローラー(リモコン)が異なっており、複数の電子機器を扱うには複数のリモコンを操作する必要があり煩わしかった。例えば、テレビ会議装置を用いてテレビ会議を開始するためには、まず、テレビジョン装置用のリモコンを用いて、テレビジョン装置に対してテレビ会議装置が接続されたテレビジョン装置の入力ポートを指定する信号を送信し、次にテレビ会議装置用のリモコンを用いて、テレビ会議装置に対してテレビ会議接続相手を呼び出す信号を送信する必要があった。そのため、特に年輩の操作者などは、テレビジョン装置の入力ポートを指定したり、テレビジョン装置のどの入力ポートに接続したのかを覚えたりすることが困難であった。そこで、複数のリモコンの信号を学習させて、リモコンを一つに集約するようにした学習リモコンが知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】“Designing CEC into your next HDMI Product”、[online]、[2011年5月26日検索]、インターネット〈URL:http://www.hdmi.org/pdf/whitepaper/DesigningCECintoYourNextHDMIProduct.pdf〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、HDMI−CEC規格の制御信号を受け取るテレビジョン装置の製造メーカによって動作が異なる場合や、テレビジョン装置にHDMI端子がなく、映像音声出力装置をHDMI接続ではなくコンポジット接続でテレビジョン装置に接続している場合には、HDMIの制御信号を利用することができないといった問題があった。
【0007】
また、学習リモコンは、リモコンの信号を記憶させる操作が必要となり、機器の操作に不慣れな人にとっては利用するのが困難であった。
【0008】
本発明の目的は、上記問題を解決するため、映像音声出力装置が接続されたテレビジョン装置の入力ポートの設定を自動的に行い、接続操作を容易にすることが可能な映像音声出力装置及び映像音声出力方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、上記課題を解決するため、本発明に係る映像音声出力装置は、テレビジョン装置の入力ポートに接続可能な映像音声出力装置であって、テレビジョン装置用のリモコンからチャンネルの指定を示す第1の信号を受信する赤外線受信部と、前記赤外線受信部が前記第1の信号を受信すると、前記テレビジョン装置との接続を確認するための識別信号を前記テレビジョン装置に出力する識別信号出力部と、前記識別信号が前記テレビジョン装置から出力されるか否かを判定する識別信号判定部と、前記識別信号判定部により前記識別信号が前記テレビジョン装置から出力されていないと判定された場合には、入力ポートの切換えを示す第2の信号を前記テレビジョン装置に送信する赤外線送信部と、前記識別信号判定部により前記識別信号が前記テレビジョン装置から出力されたと判定されるまで、前記識別信号出力部による前記識別信号の出力、及び前記赤外線送信部による前記第2の信号の送信を繰り返すように制御する制御部と、前記識別信号判定部により前記識別信号が前記テレビジョン装置から出力されたと判定された場合には、映像及び音声を前記テレビジョン装置に出力する処理実行部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、上記課題を解決するため、本発明に係る映像音声出力方法は、テレビジョン装置の入力ポートに接続可能な映像音声出力装置により映像音声を出力する方法あって、(a)テレビジョン装置用のリモコンからチャンネルの指定を示す第1の信号を受信するステップと、(b)前記ステップ(a)の後に、前記テレビジョン装置との接続を確認するための識別信号を前記テレビジョン装置に出力するステップと、(c)前記識別信号が前記テレビジョン装置から出力されるか否かを判定するステップと、(d)前記ステップ(c)により前記識別信号が前記テレビジョン装置から出力されていないと判定された場合には、入力ポートの切換えを示す第2の信号を前記テレビジョン装置に送信するステップと、(e)前記ステップ(c)により前記識別信号が前記テレビジョン装置から出力されたと判定されるまで、前記ステップ(b)、及び前記ステップ(d)を繰り返すように制御するステップと、(f)前記ステップ(c)により前記識別信号が前記テレビジョン装置から出力されたと判定された場合には、映像及び音声を前記テレビジョン装置に出力するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、既存のテレビジョン装置用リモコンのチャンネルボタンを一回押下するだけで、映像音声出力装置が接続されたテレビジョン装置の入力ポートの設定を自動的に行うことができ、接続操作が容易になる。また、機器ごとに異なる複数のリモコンを扱う必要がなくなり、煩雑さから解放される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による第1の実施形態の映像音声出力システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明による第1の実施形態の映像音声出力装置が記憶するチャンネル信号パターンテーブルの一例を示す図である。
【図3】本発明による第1の実施形態の映像音声出力装置が記憶する入力ポート信号パターンテーブルの一例を示す図である。
【図4】本発明による第1の実施形態の映像音声出力システムの動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明による第2の実施形態の映像音声出力装置が記憶するチャンネル信号パターンテーブルの一例を示す図である。
【図6】本発明による第2の実施形態の映像音声出力システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明による画像追跡装置及び画像追跡方法の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、本発明による第1の実施形態の映像音声出力システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、映像音声出力システムは、映像音声出力装置10と、テレビジョン装置20と、TV用リモコン30とを備える。映像音声出力装置10は、赤外線受信部11と、テーブル記憶部12と、赤外線送信部13と、識別信号出力部14と、識別信号判定部15と、処理実行部16と、制御部17とを備える。
【0015】
テレビジョン装置20は従来のものと同様の構成であり、赤外線受信部21と、1つ以上の入力ポート22と、映像出力部23と、音声出力部24と、制御部25とを備える。赤外線受信部21は、赤外線送信部13から送信される赤外線信号を受信する。入力ポート22は、ケーブル40を介して接続される映像音声出力装置10からの映像信号及び/又は音声信号を入力する。映像出力部23は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどで構成され、映像を出力して表示する、音声出力部24は、スピーカで構成され、音声を出力する。制御部25は、赤外線受信部21、入力ポート22、映像出力部23、及び音声出力部24の動作を制御する。
【0016】
TV用リモコン(テレビジョン装置用のリモコン)30は、従来のものと同様の構成であり、赤外線送信部31を備える。赤外線送信部31は、TV用リモコン30のボタンの押下に応じて赤外線信号を送信する。なお、本発明による映像音声出力システムにおいては、TV用リモコン30から送信される赤外線信号を、テレビジョン装置20だけでなく、映像音声出力装置10も受信可能なように構成される。つまり、TV用リモコン30は、従来のテレビジョン装置用のリモコンであるが、後述するように映像音声出力装置10の接続操作にも用いられる。
【0017】
次に、本発明に係る映像音声出力装置10について説明する。映像音声出力装置10は、テレビジョン装置20の入力ポート22とケーブル40を介して接続される。なお、図1では入力ポート22を3つ(22−1,22−2,22−3)記しているが、入力ポート22の数はこれに限定されるものではない。
【0018】
赤外線受信部11は、TV用リモコン30から送信されるチャンネルの指定を示す赤外線信号を受信する。
【0019】
テーブル記憶部12は、チャンネル信号パターンテーブルと、入力ポート信号パターンテーブルとを記憶する。図2は、チャンネル信号パターンテーブルの一例を示す図である。図2に示すように、チャンネル信号パターンテーブルは、TV用リモコン30のチャンネルボタンを押下した際に、赤外線送信部31から送信される信号パターンを、各TVメーカの各チャンネルと対応付けたテーブルである。
【0020】
図3は、入力ポート信号パターンテーブルの一例を示す図である。図3に示すように、入力ポート信号パターンテーブルは、TV用リモコン30の入力ポート指定ボタンを押下した際に赤外線送信部31から送信される信号パターンを、各TVメーカの各入力ポートごとに対応付けたテーブルである。TV用リモコン30によっては、入力ポートごとに対応するボタンが設けられておらず、ボタンを押下するごとに入力ポートを順次切り換える入力切替ボタンが1つだけ設けられている場合がある。図3の通番7−10に示す「入力順次切換」とは、信号パターン「0010111」がこのような入力切替ボタンに対応する信号パターンであることを意味する。つまり、テレビジョン装置20が信号パターン「0010001」の信号を受信した場合は、テレビの入力を常に入力ポート1に設定するが、信号パターン「0010111」の信号を受信した場合は、この信号を受信するごとにテレビの入力を入力ポート1→入力ポート2→入力ポート3→TV→入力ポート1、というように、順次切り替える。識別フラグについては後述する。
【0021】
赤外線送信部13は、入力ポートの切換えを示す赤外線信号をテレビジョン装置20に送信する。つまり、赤外線送信部13は、入力ポート信号パターンテーブルから入力ポート信号パターンを取得し、取得したパターンの信号を赤外線で送信する。
【0022】
識別信号出力部14は、赤外線受信部11がTV用リモコン30から送信されるチャンネルの指定を示す赤外線信号を受信すると、識別信号をテレビジョン装置20へ出力する。ここで、識別信号とは、映像音声出力装置10とテレビジョン装置20との接続(テレビジョン装置20の入力ポートの設定)を確認するために用いられる信号のことをいい、例えば、音声信号、画像信号などである。
【0023】
識別信号判定部15は、識別信号出力部14からテレビジョン装置20に出力した識別信号が、テレビジョン装置20から出力されるか否かを判定する。具体的には、識別信号が音声信号である場合には、テレビジョン装置20の音声出力部24から出力される信号を、映像音声出力装置10が備えるマイク(図示せず)により取得し、取得した信号と識別信号出力部14から出力した音声信号とが一致又は類似している場合には、テレビジョン装置20の入力ポートとの設定が正しいと判定する。また、識別信号が画像信号である場合には、テレビジョン装置20の映像出力部23から出力される信号を、映像音声出力装置10が備えるカメラ(図示せず)により取得し、取得した信号と識別信号出力部14から出力した画像信号とが一致又は類似している場合には、テレビジョン装置20の入力ポートとの設定が正しいと判定する。なお、映像音声出力装置10がテレビ会議装置のようにマイクを備えている装置である場合には、識別信号を音声信号としてマイクで集音するのが、簡易な処理で識別信号を判定できるので好適である。
【0024】
処理実行部16は、映像及び音声をテレビジョン装置20に出力する。例えば、映像音声出力装置10がテレビ会議装置である場合には、テレビ会議装置に備えられたカメラで取得した映像、及びテレビ会議装置に備えられたマイクで集音した音声をテレビジョン装置20に出力し、テレビジョン装置20は、テレビ会議装置から入力される映像を映像出力部23により出力し、テレビ会議装置から入力される音声を音声出力部24により出力する。
【0025】
制御部17は、赤外線受信部11、テーブル記憶部12、赤外線送信部13、識別信号出力部14、識別信号判定部15、及び処理実行部16の動作を制御する。また、制御部17は、識別信号判定部15により識別信号がテレビジョン装置20から出力されたと判定されるまで、赤外線送信部13による入力ポートの切換えを示す赤外線信号の送信、及び識別信号出力部14による識別信号の出力を繰り返すように制御する。
【0026】
また、制御部17は、識別信号判定部15により、映像音声出力装置10から出力した識別信号がテレビジョン装置20から出力されたと判定された場合には、テーブル記憶部12にアクセスして、赤外線送信部13により直前に送信された入力ポート信号パターン(すなわち、識別音を判別できたときの入力ポート信号パターン)に対応する識別フラグをオン(1)に設定する。赤外線送信部13は、識別フラグがオンに設定された入力ポート信号パターンが存在する場合には、その信号パターン(図3に示す例の場合は「0010002」)を優先的に送信する。
【0027】
次に、このように構成される映像音声出力システムの動作について説明する。図4は、映像音声出力システムの動作を示すフローチャートである。なお、映像音声出力装置10は、テレビジョン装置20とケーブル40を介して接続されているものとする。
【0028】
映像音声出力システムの利用者が、TV用リモコン30のチャンネルを押下すると(ステップS101)、映像音声出力装置10は、赤外線受信部11により、TV用リモコン30の押下されたチャンネルに対応するチャンネル信号パターンを受信する(ステップS102)。例えば、図2に示したチャンネル信号パターンテーブルによると、3チャンネルが押下された場合の信号パターンは0011003である。なお、同時にテレビジョン装置20がTV用リモコン30からの赤外線信号を受信すると、TV用リモコン30の押下されたチャンネルにテレビジョン装置20のチャンネルが変更されるが、映像音声出力装置10の利用操作に影響を及ぼすものではない。
【0029】
映像音声出力装置10は、TV用リモコン30から赤外線信号を受信すると、識別信号出力部14により、独自の識別信号をテレビジョン装置20に出力する(ステップS103)。
【0030】
テレビジョン装置20は、入力ポートの設定が、映像音声出力装置10の接続された入力ポートから入力される信号を受け付ける設定になっていた場合には、識別信号出力部14から入力された識別信号を出力する(ステップS104)。識別信号が音声信号である場合には音声出力部24から出力し、識別信号が画像信号である場合には映像出力部23から出力する。一方、入力ポートの設定が、映像音声出力装置10の接続された入力ポート以外の入力ポートから入力される信号を受け付ける設定、あるいはテレビ放送を受け付ける設定になっていた場合には、識別信号出力部14から入力された識別信号を出力しない(ステップS104)。なお、この動作は、既存の一般的なテレビジョン装置20における動作と同じである。
【0031】
映像音声出力装置10は、識別信号判定部15により、テレビジョン装置20の音声出力部24から出力される音声信号、又は映像出力部23から出力される画像信号を取得する(ステップS105)。そして、映像音声出力装置10は、識別信号判定部15により、取得した信号が、識別信号出力部14から出力した識別信号であるか否か、すなわち、識別信号出力部14から出力した識別信号がテレビジョン装置20から出力されたか否かを判定する(ステップS106)。
【0032】
ステップS106にて、映像音声出力装置10から出力した識別信号がテレビジョン装置20から出力されないと判定した場合は、映像音声出力装置10は、赤外線送信部13により、テーブル記憶部12に記憶された入力ポート信号パターンテーブルから通番の順に従って読取られた入力ポート信号パターンを、テレビジョン装置20に赤外線で送信する(ステップS107)。テレビジョン装置20は、赤外線受信部21により、赤外線送信部13から送信される入力ポート信号パターンに従って、映像音声出力装置10の入力ポートを設定する(ステップS108)。そして、映像音声出力装置10は、再度、識別信号出力部14により識別信号をテレビジョン装置20へ送信し、識別信号判定部15により識別信号の判定を行う。
【0033】
一方、ステップS106にて、映像音声出力装置10から出力した識別信号がテレビジョン装置20から出力されたと判定された場合は、映像音声出力装置10は、制御部17により、テーブル記憶部12にアクセスして、直前の入力ポート信号パターンに対応する識別フラグをオン(1)に設定する(ステップS109)。また、ステップS107にて、識別フラグがオンに設定された入力ポート信号パターンが存在する場合には、赤外線送信部13により、その信号パターン(図3に示す例の場合は「0010002」)を優先的に送信する。以上の動作により、接続操作は完了し(ステップS110)、映像音声出力装置10は、映像・音声をテレビジョン装置20に出力することが可能となる。
【0034】
このように、本実施形態の映像音声出力装置10によれば、識別信号判定部15により識別信号がテレビジョン装置20から出力されたと判定されるまで、識別信号出力部14による識別信号の出力、及び赤外線送信部13による入力ポートの切換えを示す信号の送信を繰り返すように制御することにより、既存のTV用リモコン30のチャンネルボタンを一回押下するだけで、映像音声出力装置10が接続されたテレビジョン装置20の入力ポートの設定を自動的に行うことができ、接続操作が容易になる。
【0035】
(第2の実施形態)
次に、本発明による第2の実施形態の映像音声出力システムについて説明する。第2の実施形態の映像音声出力システムは、図1に示した第1の実施形態のシステムの構成と同様であるため、説明を省略する。ただし、第2の実施形態の映像音声出力装置10は、第1の実施形態と比較して、テーブル記憶部12が記憶するチャンネル信号パターンテーブルが相違する。以下の説明では、映像音声出力装置10がテレビ会議装置である場合を例に説明する。
【0036】
図5は、本実施形態のテーブル記憶部12が記憶するチャンネル信号パターンテーブルの一例を示す図である。図5に示すように、チャンネル信号パターンテーブルは、チャンネル信号パターン、TVメーカ、チャンネルに加え、接続先情報(接続先識別子、及び接続先識別子タイプ)を対応付ける。接続先識別子及び接続先識別子タイプは、テレビ会議装置の接続先を特定するために用いられる。なお、接続先識別子及び接続先識別子タイプは利用者が設定してもよいし、映像音声出力装置10の製造メーカ又は通信業者に予め登録を依頼してもよい。また、チャンネル信号パターンテーブルは、更にテレビ会議装置の接続先に関する情報を対応付けるようにしてもよい。テレビ会議装置の接続先に関する情報とは、例えば、テレビ会議サービスを利用するかインターネットビデオ会議(Web会議)サービスを利用するかを示す情報である。
【0037】
本実施形態の処理実行部16は、さらに、チャンネル信号パターンテーブルから、赤外線受信部11が受信した赤外線信号のチャンネル信号パターンに対応付けられた接続先識別子、及び接続先識別子タイプを取得し、接続先識別子、及び接続先識別子タイプによって特定される接続先の装置にリクエストを送信する機能を有する。そして、処理実行部16は、接続先の装置からリクエストに対する応答を受信すると、映像及び音声をテレビジョン装置20に出力してテレビ会議を開始する。
【0038】
次に、本実施形態の映像音声出力システムの動作について説明する。図6は、第2の実施形態の映像音声出力システムの動作を示すフローチャートである。ステップS101からステップS110の動作は第1の実施形態と同一であるため、説明を省略する。
【0039】
ステップS110にて接続操作が終了すると、本実施形態の映像音声出力装置10は、処理実行部16により、チャンネル信号パターンテーブルを参照し、ステップS102にて受信したチャンネル信号パターンに対応する接続先識別子及び接続先識別子タイプを取得し、接続先識別子及び接続先識別子タイプに基づいてテレビ会議を開始するリクエストを接続先に送信する(ステップS111)。
【0040】
例えば、図5の通番1に示すように、接続先タイプが電話番号であり接続先識別子が0422−59−xxxxのとき、0422−59−xxxxに対してテレビ会議のリクエストを送信する。これは、例えば、NTTのTV電話サービスのリクエストによって実現することができる。テレビ会議のリクエスト発信先がリクエストに応答すれば、テレビ会議を開始する(ステップS112)。
【0041】
なお、本実施形態では、映像音声出力装置10がテレビ会議装置である場合を例に説明したが、これに限られるものではなく、処理実行部16は、チャンネル信号パターンに対応付けられた情報に基づいて動作する。
【0042】
このように、本実施形態の映像音声出力装置10によれば、処理実行部16がチャンネル信号パターンに対応付けられた情報に基づいて動作することにより、既存のTV用リモコン30のボタンを一回押下するだけで、例えば接続先との接続を確立した後にテレビ会議を行うことが可能となる。
【0043】
上述の実施形態は、代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。例えば、上述の実施形態では映像音声出力装置10がテーブル記憶部12を備える構成としているが、ネットワークに接続された装置にテーブル記憶部12を設け、映像音声出力装置10は、このネットワーク上の装置にアクセスしてテーブル記憶部12に記憶されたデータを取得するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0044】
10 映像音声出力装置
11 赤外線受信部
12 テーブル記憶部
13 赤外線送信部
14 識別信号出力部
15 識別信号判定部
16 処理実行部
17 制御部
20 テレビジョン装置
21 赤外線受信部
22 入力ポート
23 映像出力部
24 音声出力部
25 制御部
30 TV用リモコン
31 赤外線送信部
40 ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビジョン装置の入力ポートに接続可能な映像音声出力装置であって、
テレビジョン装置用のリモコンからチャンネルの指定を示す第1の信号を受信する赤外線受信部と、
前記赤外線受信部が前記第1の信号を受信すると、前記テレビジョン装置との接続を確認するための識別信号を前記テレビジョン装置に出力する識別信号出力部と、
前記識別信号が前記テレビジョン装置から出力されるか否かを判定する識別信号判定部と、
前記識別信号判定部により前記識別信号が前記テレビジョン装置から出力されていないと判定された場合には、入力ポートの切換えを示す第2の信号を前記テレビジョン装置に送信する赤外線送信部と、
前記識別信号判定部により前記識別信号が前記テレビジョン装置から出力されたと判定されるまで、前記識別信号出力部による前記識別信号の出力、及び前記赤外線送信部による前記第2の信号の送信を繰り返すように制御する制御部と、
前記識別信号判定部により前記識別信号が前記テレビジョン装置から出力されたと判定された場合には、映像及び音声を前記テレビジョン装置に出力する処理実行部と、
を備えることを特徴とする映像音声出力装置。
【請求項2】
前記第1の信号の信号パターンには接続先情報が対応付けられており、
前記処理実行部は、前記識別信号判定部により前記識別信号が前記テレビジョン装置から出力されたと判定された場合には、前記接続先情報よって特定される装置にリクエストを送信し、該リクエストに対する応答を受信すると、映像及び音声を前記テレビジョン装置に出力することを特徴とする、請求項1に記載の映像音声出力装置。
【請求項3】
前記第2の信号の信号パターンにはフラグが対応付けられており、
前記制御部は、前記識別信号判定部により前記識別信号が前記テレビジョン装置から出力されたと判定された場合には、前記赤外線送信部により直前に送信された第2の信号の信号パターンに対応付けられたフラグをオンに設定し、
前記赤外線送信部は、前記フラグがオンである第2の信号の信号パターンが存在する場合には、該第2の信号を優先的に前記テレビジョン装置に送信することを特徴とする、請求項1又は2に記載の映像音声出力装置。
【請求項4】
テレビジョン装置の入力ポートに接続可能な映像音声出力装置により映像音声を出力する方法あって、
(a)テレビジョン装置用のリモコンからチャンネルの指定を示す第1の信号を受信するステップと、
(b)前記ステップ(a)の後に、前記テレビジョン装置との接続を確認するための識別信号を前記テレビジョン装置に出力するステップと、
(c)前記識別信号が前記テレビジョン装置から出力されるか否かを判定するステップと、
(d)前記ステップ(c)により前記識別信号が前記テレビジョン装置から出力されていないと判定された場合には、入力ポートの切換えを示す第2の信号を前記テレビジョン装置に送信するステップと、
(e)前記ステップ(c)により前記識別信号が前記テレビジョン装置から出力されたと判定されるまで、前記ステップ(b)、及び前記ステップ(d)を繰り返すように制御するステップと、
(f)前記ステップ(c)により前記識別信号が前記テレビジョン装置から出力されたと判定された場合には、映像及び音声を前記テレビジョン装置に出力するステップと、
を含むことを特徴とする映像音声出力方法。
【請求項5】
前記第1の信号の信号パターンには接続先情報が対応付けられており、
前記ステップ(f)は、前記ステップ(c)により前記識別信号が前記テレビジョン装置から出力されたと判定された場合には、前記接続先情報によって特定される装置にリクエストを送信し、該リクエストに対する応答を受信すると、映像及び音声を前記テレビジョン装置に出力することを特徴とする、請求項4に記載の映像音声出力方法。
【請求項6】
前記第2の信号の信号パターンにはフラグが対応付けられており、
(g)前記ステップ(c)により前記識別信号が前記テレビジョン装置から出力されたと判定された場合には、前記赤外線送信部により直前に送信された第2の信号の信号パターンに対応付けられたフラグをオンに設定するステップを更に含み、
前記ステップ(d)は、前記フラグがオンである第2の信号の信号パターンが存在する場合には、該第2の信号を優先的に前記テレビジョン装置に送信することを特徴とする、請求項4又は5に記載の映像音声出力方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−249198(P2012−249198A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121020(P2011−121020)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】