説明

時刻同期システムおよび時刻同期方法

【課題】時刻同期ネットワーク上でクライアント装置が独立した時刻同期ネットワークを構築する際に、クライアント装置間で高精度な時刻同期を確立する。
【解決手段】時刻同期が確立した時刻同期ネットワークの転送装置に接続された2つのクライアント装置間で、当該時刻同期ネットワークを介してPTPの時刻同期パケットを用いた時刻同期確立シーケンスに基づいて時刻同期をとる時刻同期システムにおいて、2つのクライアント装置にそれぞれ接続される転送装置のうち、クライアント装置に時刻同期パケットを出力する側の転送装置で、時刻同期ネットワークを介して転送される時刻同期パケットの双方向の遅延時間Δtを調整して等しくし、PTPの時刻同期確立シーケンスに基づく時刻同期処理を行う構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻同期ネットワークを介して接続される装置間において、時刻同期パケットを転送して高精度な時刻同期を行う時刻同期システムおよび時刻同期方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パケットネットワークを経由して接続される通信システムにおいて高品質な通信やサービスを提供するためには、ノード間の絶対時刻を合わせる時刻同期は重要な技術である。一般に、パケットネットワークを経由して接続されるノード間で高精度な時刻同期を行うプロトコルとして、PTP(Precision Time Protocol )が知られている(非特許文献1)。
【0003】
図3は、PTPネットワークの構成例を示す。
図3において、ツリー状に構成される各ノードは、マスターMとスレーブSの関係で順次接続され、PTPに基づいて時刻同期がとられる。ただし、マスターMとスレーブSが時刻を同期させる際、双方向(マスターMからスレーブS、スレーブSからマスターM)の時刻同期パケットの遅延時間の差によって同期精度が変化する。
【0004】
図4は、PTPの時刻同期確立シーケンスを示す。
図4において、マスターMの時刻tM とスレーブSの時刻tS のずれであるOFFSETは、一般に次式で表される。
OFFSET=tS −tM …(1)
【0005】
マスターMからスレーブSへ送信される時刻同期パケット(Syncパケット)には、送信時刻tM1が付与される。この送信時刻tM1、スレーブSの受信時刻tS2、遅延時間DM/S は、次の関係が成り立つ。
S2=tM1+OFFSET+DM/S …(2)
【0006】
スレーブSからマスターMへ送信される時刻同期パケット(Delay Req パケット)の送信時刻tS3、マスターMの受信時刻tM4、遅延時間DS/M は、次の関係が成り立つ。
M4=tS3−OFFSET+DS/M …(3)
【0007】
マスターMからスレーブSへ送信される時刻同期パケット(Delay Respパケット)には、時刻同期パケット(Delay Req パケット)の受信時刻tM4が付与される。
【0008】
ここで、双方向の遅延時間DM/S 、DS/M が等しいと仮定すると、
M/S =DS/M …(4)
となり、スレーブSでは、 (2)式〜 (4)式に基づいてOFFSETを次式により計算できる。
OFFSET=((tS2−tM4) − (tM1−tS3))/2
【0009】
このようなPTPの時刻同期確立シーケンスは、双方向の遅延時間が等しい場合は成り立つが、途中にパケット転送装置等を経由している場合、双方向の遅延時間は異なるため誤差が生じる。双方向の遅延の差によって生じる誤差を解決するためにIEEE 1588 では、さらにTransparent Clock が定義されている。
【0010】
Transparent Clock には、End to End Transparent Clockと、Peer to Peer Transparent Clockがある。End to End Transparent Clockは、図5に示すように、時刻同期をとるマスターMとスレーブSとの間に配置される各転送装置の入力部および出力部にタイムスタンプ付与機能Tを設置し、各転送装置のパケット通過時間を計測して補正する方式である。Peer to Peer Transparent Clockは、図6に示すように、隣接する転送装置がマスターMとスレーブSの関係になって時計を合わせていく方式である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】IEEE Std 1588TM-2008 IEEE Standard for a Precision Clock Synchronization Protocol for Networked Measurement and Control Systems )
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図7は、時刻同期ネットワークに接続されるクライアント装置の時刻同期構成を示す。
図7において、時刻同期ネットワーク10は、時刻同期サーバ11のグランドマスターMから時刻同期装置12,13のスレーブSに時刻情報が供給され、時刻同期装置12,13のマスターMから転送装置14,15に時刻情報が供給され、ネットワーク全体で時刻同期がとられる。転送装置14に接続されるクライアント装置16には、時刻同期装置12から転送装置14を介して時刻情報が供給される。転送装置15に接続されるクライアント装置17には、時刻同期装置13から転送装置15を介して時刻情報が供給される。これにより、クライアント装置16,17は、時刻同期サーバ11のグランドマスターMの時刻同期精度と同等の時刻同期が可能となる。
【0013】
一方、図8に示すように、時刻同期ネットワーク10の転送装置14に接続されるクライアント装置21がPTPのグランドマスターMを所有し、転送装置15に接続されるクライアント装置22との間で時刻同期を確立したい場合、時刻同期ネットワーク10で時刻同期が確立できていたとしても、時刻同期ネットワーク10を転送する際に時刻同期精度が劣化する。
【0014】
ここで、時刻同期ネットワーク10の時刻同期は、時刻同期サーバ11のグランドマスターMに各転送装置が同期しているため、クライアント装置21,22間の時刻同期において、上記のPeer to Peer Transparent Clockを使用できない。
【0015】
また、クライアント装置21,22間の時刻同期において、上記のEnd to End Transparent clockで時刻同期をとる場合にも、2つの課題がある。
【0016】
第1は、下りルートと上りルートが異なった場合(上りと下りの伝送距離が異なった場合)、遅延時間が非対称になることである。End to End Transparent clockは、各転送装置の処理時間を計算する方式であるため、転送装置間でルートが異なった場合の補正は不可能である。
【0017】
第2は、時刻同期ネットワークを構成する全ての転送装置にタイムスタンプを打刻して処理時間を計算する仕組みが必要になる。
【0018】
本発明は、時刻同期ネットワーク上でクライアント装置が独立した時刻同期ネットワークを構築する際に、クライアント装置間で高精度な時刻同期を確立することができる時刻同期システムおよび時刻同期方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
第1の発明は、時刻同期が確立した時刻同期ネットワークの転送装置に接続された2つのクライアント装置間で、当該時刻同期ネットワークを介してPTP(Precision Time Protocol )の時刻同期パケットを用いた時刻同期確立シーケンスに基づいて時刻同期をとる時刻同期システムにおいて、2つのクライアント装置にそれぞれ接続される転送装置のうち、クライアント装置に時刻同期パケットを出力する側の転送装置で、時刻同期ネットワークを介して転送される時刻同期パケットの双方向の遅延時間Δtを調整して等しくし、PTPの時刻同期確立シーケンスに基づく時刻同期処理を行う構成である。
【0020】
第1の発明の時刻同期システムにおいて、一方の転送装置は、一方のクライアント装置から送信された時刻同期パケットを受信し、その受信時刻t1 を付与した時刻同期パケットを送信する構成であり、他方の転送装置は、一方の転送装置から時刻同期ネットワークを介して転送された時刻同期パケットを受信し、それに付与された受信時刻t1 から所定の遅延時間Δtが経過したときに、時刻同期パケットを他方のクライアント装置に送信する構成であり、一方の転送装置、時刻同期ネットワーク、他方の転送装置を介して接続される2つのクライアント装置間の双方向の遅延時間Δtを等しくしてPTPの時刻同期確立シーケンスに基づく時刻同期処理を行う。
【0021】
また、第1の発明の時刻同期システムにおいて、一方の転送装置は、一方のクライアント装置から送信された時刻同期パケットを受信し、その受信時刻t1 を付与した時刻同期パケットを送信する構成であり、他方の転送装置は、一方の転送装置から時刻同期ネットワークを介して転送された時刻同期パケットを受信し、それに付与された受信時刻t1 と当該第2の転送装置の受信時刻t2 から時刻同期ネットワークの遅延時間Δtを算出し、その遅延時間Δtを付与した当該時刻同期パケットを他方のクライアント装置に送信する構成であり、一方の転送装置、時刻同期ネットワーク、他方の転送装置を介して接続される2つのクライアント装置のそれぞれで、遅延時間Δtを考慮して時刻同期パケットの受信時刻を補正し、双方向の遅延時間の差を吸収してPTPの時刻同期確立シーケンスに基づく時刻同期処理を行う。
【0022】
第2の発明は、時刻同期が確立した時刻同期ネットワークの転送装置に接続された2つのクライアント装置間で、当該時刻同期ネットワークを介してPTP(Precision Time Protocol )の時刻同期パケットを用いた時刻同期確立シーケンスに基づいて時刻同期をとる時刻同期方法において、2つのクライアント装置にそれぞれ接続される転送装置のうち、クライアント装置に時刻同期パケットを出力する側の転送装置で、時刻同期ネットワークを介して転送される時刻同期パケットの双方向の遅延時間Δtを調整して等しくし、PTPの時刻同期確立シーケンスに基づく時刻同期処理を行う。
【0023】
第2の発明の時刻同期方法において、一方の転送装置は、一方のクライアント装置から送信された時刻同期パケットを受信し、その受信時刻t1 を付与した時刻同期パケットを送信し、他方の転送装置は、一方の転送装置から時刻同期ネットワークを介して転送された時刻同期パケットを受信し、それに付与された受信時刻t1 から所定の遅延時間Δtが経過したときに、時刻同期パケットを他方のクライアント装置に送信し、一方の転送装置、時刻同期ネットワーク、他方の転送装置を介して接続される2つのクライアント装置間の双方向の遅延時間Δtを等しくしてPTPの時刻同期確立シーケンスに基づく時刻同期処理を行う。
【0024】
第2の発明の時刻同期方法において、一方の転送装置は、一方のクライアント装置から送信された時刻同期パケットを受信し、その受信時刻t1 を付与した時刻同期パケットを送信し、他方の転送装置は、一方の転送装置から時刻同期ネットワークを介して転送された時刻同期パケットを受信し、それに付与された受信時刻t1 と当該第2の転送装置の受信時刻t2 から時刻同期ネットワークの遅延時間Δtを算出し、その遅延時間Δtを付与した当該時刻同期パケットを他方のクライアント装置に送信し、一方の転送装置、時刻同期ネットワーク、他方の転送装置を介して接続される2つのクライアント装置のそれぞれで、遅延時間Δtを考慮して時刻同期パケットの受信時刻を補正し、双方向の遅延時間の差を吸収してPTPの時刻同期確立シーケンスに基づく時刻同期処理を行う。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、時刻同期ネットワークにおける転送装置の時刻同期を利用し、時刻同期パケットの双方向の遅延時間が等しくなるように調整することにより、時刻同期ネットワークを介するクライアント装置間で高精度の時刻同期が可能になる。
【0026】
転送装置では、時刻同期パケットを対向側クライアント装置に送出する際に、時刻同期ネットワークにおける遅延時間を一定にして送出することにより、双方向の遅延時間が等しくなってPTPの時刻同期確立シーケンスに基づいて高精度の時刻同期をとることができる。
【0027】
また、転送装置では、時刻同期パケットを対向側クライアント装置に送出する際に時刻同期ネットワークにおける遅延時間を算出し、対向側クライアント装置でその遅延時間を考慮して受信時刻を補正することにより、双方向の遅延時間の差を吸収して等しくできるので、PTPの時刻同期確立シーケンスに基づいて高精度の時刻同期をとることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施例1における時刻同期確立シーケンスを示す図である。
【図2】本発明の実施例2における時刻同期確立シーケンスを示す図である。
【図3】PTPネットワークの構成例を示す図である。
【図4】PTPの時刻同期確立シーケンスを示す図である。
【図5】End to End Transparent Clockを説明する図である。
【図6】Peer to Peer Transparent Clockを説明する図である。
【図7】時刻同期ネットワークに接続されるクライアント装置の時刻同期構成を示す図である。
【図8】時刻同期ネットワークに接続されるクライアント装置同士で時刻同期をとる構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0029】
図1は、本発明の実施例1における時刻同期シーケンスの例を示す。本実施例は、図8に示す時刻同期ネットワーク10の転送装置14,15に接続されるクライアント装置21,22間で時刻同期をとる例を示す。
【0030】
図1において、時刻同期ネットワーク10は時刻同期が確立できている。ただし、時刻同期ネットワーク10を構成するすべての転送装置で時刻同期がとれている必要はなく、クライアント装置21,22と接続する転送装置(NE)14,15で時刻同期がとれていれば十分である。
【0031】
クライアント装置21のグランドマスターMから送信される時刻同期パケット(Syncパケット)は、転送装置14、時刻同期ネットワーク10、転送装置15を介してクライアント装置22のスレーブSに転送される。また、クライアント装置22から送信される時刻同期パケット(Delay Req パケット)は、転送装置15、時刻同期ネットワーク10、転送装置14を介してクライアント装置21に転送される。このとき、各転送装置14,15では、時刻同期ネットワーク10の遅延時間を考慮に入れ、時刻同期パケットの受信時刻から当該遅延時間より大きい一定時間Δtの経過後(Δtは双方向で同一の時間)に対向側クライアント装置に送出することにより、双方向の遅延時間を統一する。
【0032】
以下、時刻同期ネットワーク10における各転送装置14,15の具体的な処理手順を示す。
【0033】
(1) 時刻同期ネットワーク10の最大遅延等を考慮に入れ、読出し時間Δtを決める。
(2) 転送装置14,15において、クライアント装置21,22から入力する時刻同期パケット(Syncパケット、Delay Req パケット)をフィルタリングする。
【0034】
(3) 転送装置14は、クライアント装置21から入力する時刻同期パケット(Syncパケット)の受信時刻t1 を計測し、時刻同期パケット自身に受信時刻t1 を付与するか、別パケットに受信時刻t1 を付与して送信する。
【0035】
(4) 転送装置15は、クライアント装置22へ出力する時刻同期パケット(Syncパケット)をバッファリングし、転送装置15における受信時刻t1 と読出し時間Δtから計算したクライアント装置22への出力時刻t2 (=t1 +Δt)になるまで待たせる。
【0036】
(5) 転送装置15は、出力時刻t2 になったら、クライアント装置22へ時刻同期パケット(Syncパケット)を出力する。
【0037】
クライアント装置22から送信され、転送装置15、時刻同期ネットワーク10、転送装置14を介してクライアント装置21に転送される時刻同期パケット(Delay Req パケット)についても同様の処理を行う。これにより、時刻同期ネットワーク10の遅延時間は上り方向、下り方向ともに遅延時間がΔtとなる。すなわち、双方向の遅延時間の差が吸収されて等しくなるので、クライアント装置21,22間で、図4に示すPTPの時刻同期確立シーケンスに基づいて高精度の時刻同期をとることができる。
【実施例2】
【0038】
図2は、本発明の実施例2における時刻同期シーケンスの例を示す。
図2において、時刻同期ネットワーク10、クライアント装置21,22と接続する転送装置14,15における前提条件は、実施例1と同様である。
【0039】
以下、時刻同期ネットワーク10における各転送装置14,15の具体的な処理手順を示す。
【0040】
(1) 転送装置14は、クライアント装置21から入力する時刻同期パケット(Syncパケット)に受信時刻t1 のタイムスタンプを付与する。
(2) 転送装置15は、クライアント装置22へ出力する時刻同期パケット(Syncパケット)に付与されたタイムスタンプt1 と自装置の時刻t2 により、時刻同期ネットワーク10を通過する際にかかった遅延時間Δt12 (=t2 −t1 )を計算し、時刻同期パケット(Syncパケット)に当該遅延時間Δt12 を付与して送信する。
【0041】
(3) クライアント装置22は、時刻同期パケット(Syncパケット)に付与された遅延時間Δt12 、すなわち時刻同期ネットワーク10を通過する際にかかった滞留時間を考慮して受信時刻tS2をtS2' に補正する。
【0042】
クライアント装置12から送信され、転送装置15、時刻同期ネットワーク10、転送装置14を介してクライアント装置21に転送される時刻同期パケット(Delay Req パケット)についても同様に、時刻同期ネットワーク10における遅延時間Δt34 (=t4 −t3 )を考慮して受信時刻tM4をtM4' に補正する。この補正処理により、双方向の遅延時間の差を吸収して等しくできるので、クライアント装置21,22間で、図4に示すPTPの時刻同期確立シーケンスに基づいて高精度の時刻同期をとることができる。
【0043】
従来のEnd to End Transparent Clockは、各転送装置の滞留時間を計算するために、すべての転送装置に対してタイムスタンプ付与機能が必要となる。しかし、本発明の実施例2では、時刻同期ネットワーク10の滞留時間を計算するため、クライアント装置21,22と接続される転送装置14,15にのみタイムスタンプ付与機能があればよい。そのため、上り下りのルートが異なっていても時刻同期ネットワーク10の滞留時間を正確に計算することが可能であり、高精度な時刻同期が可能である。
【0044】
なお、時刻同期ネットワーク10の滞留時間(遅延時間Δt12 ,遅延時間Δt34 )は、新たにパケットにフィールドを定義し付与するか、End to End transparent clockにて規定されているCorrection Fieldに滞留時間を付与してもよい。End to End transparent clockのCorrection Fieldの通常の使用方法は、各通過ノードの装置遅延時間を累積していくものであるが、時刻同期ネットワーク10で発生した遅延時間を付与してもクライアント装置にて正確に補正することが可能である。
【符号の説明】
【0045】
11 時刻同期サーバ
12,13 時刻同期装置
14,15 転送装置
16,17 クライアント装置
21,22 クライアント装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻同期が確立した時刻同期ネットワークの転送装置に接続された2つのクライアント装置間で、当該時刻同期ネットワークを介してPTP(Precision Time Protocol )の時刻同期パケットを用いた時刻同期確立シーケンスに基づいて時刻同期をとる時刻同期システムにおいて、
前記2つのクライアント装置にそれぞれ接続される転送装置のうち、前記クライアント装置に前記時刻同期パケットを出力する側の転送装置で、前記時刻同期ネットワークを介して転送される時刻同期パケットの双方向の遅延時間Δtを調整して等しくし、前記PTPの時刻同期確立シーケンスに基づく時刻同期処理を行う構成である
ことを特徴とする時刻同期システム。
【請求項2】
時刻同期が確立した時刻同期ネットワークの転送装置に接続された2つのクライアント装置間で、当該時刻同期ネットワークを介してPTP(Precision Time Protocol )の時刻同期パケットを用いた時刻同期確立シーケンスに基づいて時刻同期をとる時刻同期システムにおいて、
一方の前記転送装置は、一方の前記クライアント装置から送信された前記時刻同期パケットを受信し、その受信時刻t1 を付与した時刻同期パケットを送信する構成であり、
他方の前記転送装置は、前記一方の転送装置から前記時刻同期ネットワークを介して転送された前記時刻同期パケットを受信し、それに付与された前記受信時刻t1 から所定の遅延時間Δtが経過したときに、前記時刻同期パケットを他方の前記クライアント装置に送信する構成であり、
前記一方の転送装置、前記時刻同期ネットワーク、前記他方の転送装置を介して接続される前記2つのクライアント装置間の双方向の遅延時間Δtを等しくして前記PTPの時刻同期確立シーケンスに基づく時刻同期処理を行う
ことを特徴とする時刻同期システム。
【請求項3】
時刻同期が確立した時刻同期ネットワークの転送装置に接続された2つのクライアント装置間で、当該時刻同期ネットワークを介してPTP(Precision Time Protocol )の時刻同期パケットを用いた時刻同期確立シーケンスに基づいて時刻同期をとる時刻同期システムにおいて、
一方の前記転送装置は、一方の前記クライアント装置から送信された前記時刻同期パケットを受信し、その受信時刻t1 を付与した時刻同期パケットを送信する構成であり、
他方の前記転送装置は、前記一方の転送装置から前記時刻同期ネットワークを介して転送された前記時刻同期パケットを受信し、それに付与された前記受信時刻t1 と当該第2の転送装置の受信時刻t2 から前記時刻同期ネットワークの遅延時間Δtを算出し、その遅延時間Δtを付与した当該時刻同期パケットを他方の前記クライアント装置に送信する構成であり、
前記一方の転送装置、前記時刻同期ネットワーク、前記他方の転送装置を介して接続される前記2つのクライアント装置のそれぞれで、前記遅延時間Δtを考慮して前記時刻同期パケットの受信時刻を補正し、双方向の遅延時間の差を吸収して前記PTPの時刻同期確立シーケンスに基づく時刻同期処理を行う
ことを特徴とする時刻同期システム。
【請求項4】
時刻同期が確立した時刻同期ネットワークの転送装置に接続された2つのクライアント装置間で、当該時刻同期ネットワークを介してPTP(Precision Time Protocol )の時刻同期パケットを用いた時刻同期確立シーケンスに基づいて時刻同期をとる時刻同期方法において、
前記2つのクライアント装置にそれぞれ接続される転送装置のうち、前記クライアント装置に前記時刻同期パケットを出力する側の転送装置で、前記時刻同期ネットワークを介して転送される時刻同期パケットの双方向の遅延時間Δtを調整して等しくし、前記PTPの時刻同期確立シーケンスに基づく時刻同期処理を行う
ことを特徴とする時刻同期方法。
【請求項5】
時刻同期が確立した時刻同期ネットワークの転送装置に接続された2つのクライアント装置間で、当該時刻同期ネットワークを介してPTP(Precision Time Protocol )の時刻同期パケットを用いた時刻同期確立シーケンスに基づいて時刻同期をとる時刻同期方法において、
一方の前記転送装置は、一方の前記クライアント装置から送信された前記時刻同期パケットを受信し、その受信時刻t1 を付与した時刻同期パケットを送信し、
他方の前記転送装置は、前記一方の転送装置から前記時刻同期ネットワークを介して転送された前記時刻同期パケットを受信し、それに付与された前記受信時刻t1 から所定の遅延時間Δtが経過したときに、前記時刻同期パケットを他方の前記クライアント装置に送信し、
前記一方の転送装置、前記時刻同期ネットワーク、前記他方の転送装置を介して接続される前記2つのクライアント装置間の双方向の遅延時間Δtを等しくして前記PTPの時刻同期確立シーケンスに基づく時刻同期処理を行う
ことを特徴とする時刻同期方法。
【請求項6】
時刻同期が確立した時刻同期ネットワークの転送装置に接続された2つのクライアント装置間で、当該時刻同期ネットワークを介してPTP(Precision Time Protocol )の時刻同期パケットを用いた時刻同期確立シーケンスに基づいて時刻同期をとる時刻同期方法において、
一方の前記転送装置は、一方の前記クライアント装置から送信された前記時刻同期パケットを受信し、その受信時刻t1 を付与した時刻同期パケットを送信し、
他方の前記転送装置は、前記一方の転送装置から前記時刻同期ネットワークを介して転送された前記時刻同期パケットを受信し、それに付与された前記受信時刻t1 と当該第2の転送装置の受信時刻t2 から前記時刻同期ネットワークの遅延時間Δtを算出し、その遅延時間Δtを付与した当該時刻同期パケットを他方の前記クライアント装置に送信し、
前記一方の転送装置、前記時刻同期ネットワーク、前記他方の転送装置を介して接続される前記2つのクライアント装置のそれぞれで、前記遅延時間Δtを考慮して前記時刻同期パケットの受信時刻を補正し、双方向の遅延時間の差を吸収して前記PTPの時刻同期確立シーケンスに基づく時刻同期処理を行う
ことを特徴とする時刻同期方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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