説明

時計

【課題】薄型化及び衝撃等による接触不良の防止を両立した時計を提供すること。
【解決手段】
時計1は、裏蓋11を有する外装ケースと、この外装ケースに収容され、裏蓋11側に開口して形成された収容凹部23を有する地板21と、地板21の裏蓋11対向面に形成された陰極回路端子2Bと、陰極31Bを収容凹部23の底面23A側に向けて収容される二次電池31と、陰極回路端子2Bと陰極31Bとを電気的に接続する陰極用リード板32とを備える。陰極31B側には、陰極用リード板32の固着部32Aが固着され、陰極回路端子2Bには、陰極用リード板32の端子接続部32Bが着脱可能に固定される。収容凹部23の底面23Aから裏蓋11側に向かって立設する収容凹部23の側面23Cには、側面凹部23Dが形成され、陰極用リード板32は、固着部32Aから端子接続部32Bまで配設される途中で側面凹部23Dを通る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池が内蔵された時計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽電池や、回転錘によって作動される発電機で発電された電力を充電する二次電池を備えた時計が知られている。このような時計に収容される二次電池は、充電が可能なものであるため、通常は、一次電池のように交換を必要としない。
ところが、時計を修理する際には、二次電池を時計内部から取り外すこともある。そのため、修理後に誤って一次電池が時計内部に取り付けられないように、予め二次電池の電極にリード板を溶接した二次電池ユニットを収容する時計が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。特許文献1〜3に記載された時計では、二次電池の電極にリード板を溶接したことにより、一次電池の誤挿入を防止できるほか、電極との電気的導通にバネ性を有するリード板を用いる必要が無く、時計の薄型化が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−125357号公報
【特許文献2】特開平11−45694号公報
【特許文献3】特開2006−258704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の時計においては、リード板と複合回路との導通を、接続バネを介在させることで図っている。また、特許文献2の時計における導電ブロックの導電パターンとリード板との導通や、特許文献3の時計における回路基板と接続部材(リード板)との導通は、両者を圧接させて電気的接続を図っている。このように、特許文献1〜3に記載された時計においては、二次電池の電極に溶接されたリード板を回路に電気的に接続する方法が不安定であり、衝撃等による接触不良(チャタリング等)が起こるおそれがある。そのため、時計の薄型化を図りつつ、衝撃等による接触不良をより確実に防止できる時計が求められている。
【0005】
本発明の目的は、薄型化及び衝撃等による接触不良の防止を両立した時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の時計は、裏蓋を有する外装ケースと、前記外装ケースに収容され、前記裏蓋側に開口して形成された収容凹部を有する地板と、前記地板の前記裏蓋に対向する面に形成された陰極回路端子と、陰極を前記地板の前記収容凹部の底面側に向けて収容される二次電池と、前記陰極回路端子と前記陰極とを電気的に接続する陰極用リード板と、を備え、前記二次電池の前記陰極側には、前記陰極用リード板の固着部が固着され、前記陰極回路端子には、前記陰極用リード板の端子接続部が着脱可能に固定され、前記収容凹部の側面には、側面凹部が形成され、前記陰極用リード板は、前記固着部から前記端子接続部まで配設される途中で前記側面凹部を通ることを特徴とする。
【0007】
本発明の時計によれば、二次電池の前記陰極側に陰極用リード板の固着部が固着され、陰極回路端子に陰極用リード板の端子接続部が着脱可能に固定されているので、陰極側の電気的接続が安定し、衝撃等による接触不良(チャタリング等)を防止することができる。固着方法としては、例えば、溶接や導電性接着剤による接着が挙げられる。着脱可能な固定方法としては、例えば、ネジ止めによる固定が挙げられる。
また、陰極用リード板が、上述のとおり陰極に固着されるとともに、陰極回路端子に着脱可能に固定されるので、二次電池の陰極との接触のために、従来のようにバネ性を有する陰極用リード板を付勢させる必要が無い。そのため、陰極用リード板自体の厚みを薄くすることができる。また、バネ性を有するリード板を用いる場合には、可動範囲を考慮して時計内部の寸法を広く設計しなければならないが、本発明の時計によれば、陰極用リード板にバネ性が不要なので、時計の薄型化が可能である。
さらに、陰極用リード板一つで、二次電池の陰極と陰極回路端子とを電気的に接続することができる。そのため、従来のように接続バネを介在させる必要が無く、部材数を減らすことによる低コスト化、時計内部構造の簡略化、並びに陰極と回路端子との間での導通不良防止を図ることができる。
さらに、本発明の時計によれば、陰極用リード板は、固着部から端子接続部までの途中部分が収容凹部の側面凹部を通るように配設されている。そのため、陰極用リード板が収容凹部の底面側の固着部から引き出されて地板の裏蓋対向面側の端子接続部に至る途中で、二次電池の側面(陽極)との接触によるショートを防止することができる。
さらに、本発明の時計によれば、二次電池の陰極側が収容凹部の底面に向けられ、裏蓋側に二次電池の陽極が配置される。陽極と裏蓋は、同電位で良いため、陽極と裏蓋との間に絶縁シートを配置する必要が無くなり、時計の薄型化が可能である。
【0008】
本発明の時計では、前記収容凹部の前記底面には、前記陰極用リード板の前記固着部側が収容される肉抜き部が形成されていることが好ましい。
【0009】
本発明の時計によれば、収容凹部の底面に形成された肉抜き部に、陰極用リード板の固着部側が収容される。そのため、肉抜き部を形成しない場合と比べて、陰極用リード板の厚さ寸法分、時計の薄型化が可能である。
【0010】
本発明の時計では、前記地板の前記底面の裏側には、カレンダー車を案内するための案内部が形成され、前記肉抜き部は、前記裏蓋側から見た平面視で、前記案内部を避けて形成されていることが好ましい。
【0011】
本発明の時計によれば、肉抜き部は、裏蓋側から見た平面視で、前記案内部を避けて収容凹部の外側に向かうように形成されているので、肉抜き部の形成のために案内部を切り欠いたり、案内部の位置を変更したりする必要がない。そのため、裏蓋側から見た平面視で、肉抜き部に収容される陰極用リード板が案内部の位置と重ならない。
時計内部における部材の配置等は、精密に設計されているところ、肉抜き部形成のために案内部の位置を変更することは、他の部材の位置を変更する等の大幅な設計変更の必要性が生じ得る。
しかしながら、本発明の時計によれば、上述のとおり肉抜き部の形成のために案内部を切り欠いたり、案内部の位置を変更したりする必要がないため、大幅な設計変更をすることなく、陰極用リード板を収容するための肉抜き部を形成し、時計の薄型化が可能である。
【0012】
本発明の時計では、弾性を有し、前記二次電池の側面を押圧して前記二次電池の陽極と導通する陽極用リード板を備え、前記陽極用リード板は、前記裏蓋側から見た平面視で、前記二次電池を挟んで前記陰極回路端子と反対側に配置されていることが好ましい。
【0013】
本発明の時計によれば、陽極用リード板は、裏蓋側から見た平面視で、前記二次電池を挟んで前記陰極回路端子と反対側に配置されているので、陰極用リード板が陽極用リード板と接触することを確実に防止できる。
【0014】
本発明の時計では、前記陰極用リード板は、前記裏蓋側から見た平面視で、前記二次電池の外周よりも外側方向へ突出する突出部を備え、前記収容凹部の前記側面には、前記側面凹部とは異なる位置に第二側面凹部が形成され、前記陰極用リード板の前記突出部は、前記第二側面凹部に配置されることが好ましい。
【0015】
本発明の時計によれば、第二側面凹部に陰極用リード板の突出部が配設されている。そのため、二次電池を組み込む際に、突出部を第二側面凹部に位置決めすることができ、二次電池の組み込みが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る時計内部の概略を示す平面図。
【図2】前記時計から二次電池ユニットを取り外した状態を示す分解斜視図。
【図3】図1におけるIII−III線における矢視方向の一部断面概略図
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る時計1内部の概略を示す平面図であり、具体的には、裏蓋11(図3参照)側から見た図である。図2は、時計1のムーブメント2から二次電池ユニット3を取り外した状態を示す分解斜視図である。図3は、図1におけるIII−III線における矢視方向の一部断面概略図であり、具体的には、二次電池ユニット3の収容状態を説明する図である。
なお、以下で記載する「上」、「下」は、時計1の裏蓋11側を上側となるようにして見た時の時計1の厚さ方向における上下に相当するものである。
時計1は、図示しない太陽電池を備え、この太陽電池で発電された電力を二次電池に充電して用いるものである。この時計1は、図1に示すように、時計本体10を備える。そして、この時計1は、時計本体10が外装ケース(図示略)に収容されることで概略構成され、利用者が腕に装着して使用する腕時計タイプとされている。
ここで、外装ケースは、一般的に、筒状のケースと、筒状のケースの一方の開口を閉塞する裏蓋11(図3参照)と、筒状ケースの他方の開口を閉塞するカバーガラス(図示略)とで構成される。
【0018】
時計本体10は、図1及び図2に示すように、ムーブメント2と、ムーブメント2に収容される二次電池ユニット3とで概略構成される。二次電池ユニット3は、二次電池31と、二次電池31に溶接された陰極用リード板32とで構成される。
【0019】
ムーブメント2は、地板21と、回路基板22とを備える他、ステッピングモーター、駆動輪列等が組み込まれた一般的な構成を採用しているため、以下では各部の説明を省略する。ムーブメント2は、位置決め部材(図示略)を介して、前記外装ケースに保持される。
ムーブメント2には、回路基板22と導通する陽極用リード板2Aと、回路基板22から地板21の裏蓋11対向面に引き出されて形成された陰極回路端子2Bと、が設けられている。陽極用リード板2A及び陰極回路端子2Bには、図示しない太陽電池が接続されている。
地板21には、図3に示すように、裏蓋11側に開口する収容凹部23が形成されている。この収容凹部23には、二次電池ユニット3が収容される。収容凹部23に二次電池ユニット3が収容されると、上述の図示しない太陽電池で発電された電力が、二次電池31に充電される。また、二次電池31は、回路基板22等に電力を供給し、モーターなどの駆動機構を駆動する。
【0020】
収容凹部23の底面23Aには、図1及び図2に示すように、肉抜き部23Bが形成されている。底面23Aの裏側には、カレンダー車を案内するための案内部21Aが地板21と一体に形成されている。そのため、肉抜き部23Bは、裏蓋11側から見た平面視で、案内部21Aを避けて収容凹部23の外側に向かうように湾曲して形成されている。
【0021】
収容凹部23の底面23Aから裏蓋11側に向かって立設する側面23Cには、図1及び図2に示すように、側面凹部23D及び第二側面凹部23Eが形成されている。側面凹部23Dは、肉抜き部23Bの一端側であって、地板21の陰極回路端子2Bの位置に対応して形成されている。第二側面凹部23Eは、肉抜き部23Bの他端側に形成されている。
収容凹部23においては、側面凹部23Dと肉抜き部23Bとが連通し、肉抜き部23Bと第二側面凹部23Eとが連通している。このように連通することで、収容凹部23の底面23A及び側面23Cに、二次電池ユニット3の陰極用リード板32を配設させることのできるスペースが形成される。
【0022】
また、収容凹部23には、陽極用リード板2Aが、裏蓋11側から見た平面視で、二次電池31を挟んで陰極回路端子2Bと反対側に配置されている。陽極用リード板2Aは、導電性を有し、二股に分かれた板状の弾性部材で構成される。陽極用リード板2Aは、収容凹部23の側面23Cに沿うように配置されている。二次電池ユニット3が収容凹部23に収容されると、二次電池31の側面が陽極用リード板2Aを側面23C側に付勢する。そうすると弾性部材で構成される陽極用リード板2Aは、二次電池31の側面を押圧する。このようにして、二次電池31の陽極31Aと陽極用リード板2Aとが電気的に接続される。
【0023】
二次電池ユニット3を構成する二次電池31は、リチウムイオン電池等の充電が可能な一般的なボタン型の電池である。陰極用リード板32は、導電性を有する材質で構成された板状の部材である。
二次電池31の陰極31Bには、陰極用リード板32の固着部32Aが溶接されている。本実施形態では、固着部32Aは、2箇所ある。二次電池ユニット3は、二次電池31の陰極31Bを底面23A側に向け、陽極31Aを裏蓋11側に向けて収容される。そのため、収容時には、陰極用リード板32が、底面23A側に配置される。
【0024】
板状の陰極用リード板32の一端側には、陰極回路端子2Bと固定される端子接続部32Bが形成され、他端側には、第二側面凹部23Eに配置される突出部32Cとが形成されている。端子接続部32B及び突出部32Cは、裏蓋11側から見た平面視で、二次電池31の外周よりも外側へ向かって突出した位置に形成されている。
陰極用リード板32の固着部32Aから端子接続部32Bに至る途中部分は、折り曲げられている。図3に示されているように、陰極用リード板32は、固着部32Aから略水平方向に引き出され、二次電池31側面から離間した位置を通って陰極回路端子2Bの高さまで立ち上げられ、二次電池31の外周よりも外側へ向けて折り曲げられており、その先端側で端子接続部32Bと陰極回路端子2Bとが固定される。
一方、陰極用リード板32の固着部32Aから突出部32Cに至る途中部分も折曲げられている。陰極用リード板32は、固着部32Aから略水平方向に引き出され、二次電池31の側面と接触しないように、斜め上方に向けて折り曲げられている。
【0025】
陰極用リード板32は、二次電池ユニット3が収容凹部23に収容された時(以下、電池収容時という場合がある。)に、上述の収容凹部23の底面23A及び側面23Cに形成されたスペースに収容される。具体的には、まず、固着部32A側が肉抜き部23Bに収容される。さらに、陰極用リード板32は、固着部32Aから端子接続部32Bまでの途中部分が側面凹部23Dを通るように配設され、端子接続部32Bは、陰極回路端子2Bに位置合わせされる。端子接続部32Bと陰極回路端子2Bとは、着脱可能に固定され、二次電池31の陰極31Bと陰極回路端子2Bとが電気的に接続される。本実施形態では、図1〜3に示されているように、端子接続部32B及び陰極回路端子2Bをネジ2Cで固定する。また、電池収容時には、突出部32Cが、図1に示されているように、第二側面凹部23Eに配置される。
【0026】
上述した本実施形態に係る時計1によれば、以下の効果を奏する。
時計1によれば、二次電池31の陰極31Bに陰極用リード板32の固着部32Aが溶接され、陰極回路端子2Bに端子接続部32Bが着脱可能にネジ2Cで固定されている。そのため、時計1によれば、二次電池31の陰極31B側の電気的接続が安定し、衝撃等による接触不良(チャタリング等)を防止することができる。
【0027】
時計1によれば、陰極用リード板32が、上述のように陰極31Bに溶接されるとともに、陰極回路端子2Bに着脱可能にネジで固定されているので、従来のようにバネ性を有する陰極用リード板を付勢させる必要が無い。そのため、陰極用リード板32自体の厚みを従来よりも薄くすることができる。また、バネ性を有するリード板の可動範囲を考慮して時計内部のスペースを広くとらなくても良いので、時計1の薄型化が可能である。
さらに、陰極用リード板32を一つ使用することで、陰極31Bと陰極回路端子2Bとを電気的に接続することができる。そのため、時計1によれば、従来のように接続バネを介在させる必要が無く、部材数を減らすことによる低コスト化、時計内部構造の簡略化、陰極31Bと陰極回路端子2Bとの間での導通不良防止を図ることができる。
【0028】
時計1によれば、陰極用リード板32は、固着部32Aから端子接続部32Bまでの途中部分が電池収容時に側面凹部23Dを通るように配設されている。そのため、陰極用リード板32は、収容凹部23の底面23A側から引き出されて、陰極回路端子2Bに至る途中で、二次電池31側面から離間した位置に配設される。ゆえに、時計1によれば、二次電池31側面と陰極用リード板32との接触によるショートを防止することができる。加えて、陰極用リード板32と陽極31Aとの間に絶縁シートを配置する必要が無いので、時計1の薄型化が可能である。
【0029】
時計1によれば、収容凹部23の底面23Aに形成された肉抜き部23Bに、陰極用リード板32の固着部32A側が収容される。つまり、底面23Aにおける地板厚さ分の深さを有する肉抜き部23Bを設け、電池収容時には、肉抜き部23Bに陰極用リード板32の固着部32A側を配設する。そのため、時計1によれば、肉抜き部を形成しない時計と比べて、陰極用リード板32の厚さ寸法分、時計1の薄型化が可能である。
【0030】
時計1によれば、肉抜き部23Bは、裏蓋11側から見た平面視で、案内部21Aを避けて収容凹部23の外側に向かうように湾曲している。そのため、肉抜き部23Bの形成のために案内部21Aを切り欠いたり、案内部21Aの位置を変更したりする必要がない。したがって、時計1によれば、大幅な設計変更をすることなく、陰極用リード板32を収容するための肉抜き部23Bを形成し、時計1の薄型化が可能である。
【0031】
時計1によれば、陽極用リード板2Aは、裏蓋11側から見た平面視で、二次電池31を挟んで陰極回路端子2Bと反対側に配置されているので、陰極用リード板32が陽極用リード板2Aと接触することをより確実に防止できる。
また、弾性板状部材で構成される陽極用リード板2Aは、収容凹部23の側面23Cに沿うように配置され、電池収容時には、二次電池31側面と当接して、陽極31Aと陽極用リード板2Aとの電気的接続が図られている。そのため、裏蓋11側に、陽極用リード板を配設して導通を確保する必要が無いので、時計1の薄型化が可能である。
【0032】
時計1によれば、電池収容時に、陰極用リード板32の突出部32Cが、第二側面凹部23Eに配置される。そのため、二次電池31を組み込む際に、突出部32Cを第二側面凹部23Eに位置決めすることができ、二次電池31の組み込みが容易になる。
【0033】
時計1によれば、二次電池31の陰極31B側が収容凹部23の底面23Aに向けられ、裏蓋11側に二次電池31の陽極31Aが配置される。陽極31Aと裏蓋11は、同電位で良いため、陽極31Aと裏蓋11との間に絶縁シートを配置する必要が無くなり、時計1の薄型化が可能である。
【0034】
[実施形態の変形]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0035】
前記実施形態では、本発明に係る時計として太陽電池付の時計1を例示したが、二次電池が内蔵されている時計であればよく、例えば、回転錘で発電機のローターを回転させることで発電した電力を二次電池に充電するような構成を備える時計であってもよい。
【0036】
前記実施形態では、二次電池31の陰極31Bに対して陰極用リード板32を、溶接によって固着した態様を例に挙げて説明したが、これに限定されない。その他、陰極31Bと陰極用リード板32とを導通可能に接続できる固着方法であればよく、例えば、導電性接着剤で固着しても良い。
【0037】
前記実施形態では、陰極用リード板32には、二次電池ユニット3の取り外しを容易にするための突出部32Cが形成されていたが、これに限定されない。例えば、突出部32Cが形成されていない陰極用リード板としても良く、この場合には、端子接続部32B側を持ち上げることで、二次電池31を収容凹部23内から取り出すことができる。また、突出部32Cが形成されていない場合には、第二側面凹部23Eが形成されていなくても良い。
【0038】
前記実施形態では、陰極回路端子2Bと端子接続部32Bとの着脱可能な固定方法として、ネジ2Cで固定する方法を例に挙げて説明したが、これに限定されず、その他の着脱可能な固定方法も適用できる。
【0039】
前記実施形態では、収容凹部23の底面23Aに形成された肉抜き部23Bが湾曲して形成されていたが、肉抜き部の形状は、このような湾曲形状に限定されない。底面23Aの裏側に形成されている案内部21A等の位置と重ならないように肉抜き部を形成することが好ましく、湾曲状でなくとも、例えば、途中で屈曲する直線状に形成しても良い。
また、収容凹部23の底面23Aに肉抜き部23Bが形成されていない地板を用いることもできる。
【0040】
前記実施形態では、本発明に係る時計として、腕時計タイプの時計を例示して説明したが、これに限らず、壁掛け時計等、他のタイプの時計であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
1…時計、2A…陽極用リード板、2B…陰極回路端子、11…裏蓋、21…地板、21A…案内部、23…収容凹部、23A…底面、23B…肉抜き部、23C…側面、23D…側面凹部、23E…第二側面凹部、31…二次電池、31A…陽極、31B…陰極、32…陰極用リード板、32A…固着部、32B…端子接続部、32C…突出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏蓋を有する外装ケースと、
前記外装ケースに収容され、前記裏蓋側に開口して形成された収容凹部を有する地板と、
前記地板の前記裏蓋に対向する面に形成された陰極回路端子と、
陰極を前記地板の前記収容凹部の底面側に向けて収容される二次電池と、
前記陰極回路端子と前記陰極とを電気的に接続する陰極用リード板と、を備え、
前記二次電池の前記陰極側には、前記陰極用リード板の固着部が固着され、
前記陰極回路端子には、前記陰極用リード板の端子接続部が着脱可能に固定され、
前記収容凹部の側面には、側面凹部が形成され、
前記陰極用リード板は、前記固着部から前記端子接続部まで配設される途中で前記側面凹部を通る
ことを特徴とする時計。
【請求項2】
請求項1に記載の時計において、
前記収容凹部の前記底面には、前記陰極用リード板の前記固着部側が収容される肉抜き部が形成されている
ことを特徴とする時計。
【請求項3】
請求項2に記載の時計において、
前記地板の前記底面の裏側には、カレンダー車を案内するための案内部が形成され、
前記肉抜き部は、前記裏蓋側から見た平面視で、前記案内部を避けて形成されている
ことを特徴とする時計。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれかに記載の時計において、
弾性を有し、前記二次電池の側面を押圧して前記二次電池の陽極と導通する陽極用リード板を備え、
前記陽極用リード板は、前記裏蓋側から見た平面視で、前記二次電池を挟んで前記陰極回路端子と反対側に配置されている
ことを特徴とする時計。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載の時計において、
前記陰極用リード板は、前記裏蓋側から見た平面視で、前記二次電池の外周よりも外側方向へ突出する突出部を備え、
前記収容凹部の前記側面には、前記側面凹部とは異なる位置に第二側面凹部が形成され、
前記陰極用リード板の前記突出部は、前記第二側面凹部に配置される
ことを特徴とする時計。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate