時間依存蛍光計測
【課題】試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める技術を実現および使用する、方法、およびコンピュータプログラム製造物を含む装置を提供する。
【解決手段】本装置は、光源、一つ以上の照射光学要素、スキャナ、一つ以上の集光光学要素、および試料からの光の検出を制限する開口を形成する装置を有する。照射光学要素は、光ビームを光源から試料上に導く。スキャナは、光ビームを試料にわたって走査する。一つ以上の集光光学要素は、試料からの光を集め、集められた光を検出器に伝送する。一つ以上の集光光学要素のいずれも一つ以上の照射光学要素の中に含まれない。試料からの光の検出を、試料内の制限された垂直深さに関連付けられる光に制限する開口を形成する装置を含み、装置は集光光学要素のうちの一つである。
【解決手段】本装置は、光源、一つ以上の照射光学要素、スキャナ、一つ以上の集光光学要素、および試料からの光の検出を制限する開口を形成する装置を有する。照射光学要素は、光ビームを光源から試料上に導く。スキャナは、光ビームを試料にわたって走査する。一つ以上の集光光学要素は、試料からの光を集め、集められた光を検出器に伝送する。一つ以上の集光光学要素のいずれも一つ以上の照射光学要素の中に含まれない。試料からの光の検出を、試料内の制限された垂直深さに関連付けられる光に制限する開口を形成する装置を含み、装置は集光光学要素のうちの一つである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、「LASER SCANNING METHOD FOR TIME DEPENDENT MEASUREMENT OF FLUORESCENCE」と題された2003年8月26日に出願された米国特許仮出願第60/497,803号から、および「LASER SCANNING SYSTEM FOR TIME DEPENDENT MEASUREMENT OF FLUORESCENCE」と題されたやはり2003年8月26日に出願された米国特許仮出願第60/497,764号からの優先権の利益を主張する。
【0002】
本発明は、蛍光および材料中の蛍光から導かれる特性を計測することに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の蛍光顕微鏡においては、生物学的標本のような試料は、比較的短波長の光によって照射される前に蛍光体で染められる。照射光は、典型的にはレーザから供給され、蛍光体を、短期間だけ留まるより高いエネルギー状態に励起させて、その後、その元のエネルギー状態に戻るときに励起波長よりも長い波長の蛍光を放射する。蛍光顕微鏡において、放射された蛍光光は、顕微鏡の対物レンズによって集められ、顕微鏡の光学系を通って伝搬し、例えば顕微鏡のアイピースを通して、または顕微鏡の光学系に接続されるビデオシステムのディスプレイスクリーン上でユーザによって見られる。多くの場合、励起光および蛍光光の両方は、顕微鏡の光学系を共用し、励起光を透過させながらも、励起波長より上の光を反射するダイクロイックミラーのような光学要素によって必要に応じて分離されえる。
【0004】
研究室でよく使用されてきているシステムは、材料の可視蛍光および可視光源を一般に用いる。得られる空間解像度は、特定の光学的設定によって決定される。場合によっては、研究室での実験的セットアップは、パルスレーザ光を用いて、蛍光画像の質を改善する。研究室での構成は、蛍光法によって精査されえる生体分子反応および相互作用を検出するのにしばしば用いられる。蛍光染料は、細胞の一部を染めることによって細胞を調べるために一般に用いられる。よりルーチン的な画像化分析またはアセイのためには、励起光源は、微小位置のアレイ中の一つの微小位置(microlocation)のような調べられるべき対象物の一部を照射しえる。
【0005】
画像コントラストまたは信号弁別の理由のために、解像度を改善し、対象となっている試料の焦点領域におけるバックグラウンドノイズを除去する必要がしばしばあるが、それは、生物学的試料が特に非常に透明でフォーカスの広すぎる深度にわたる集光は生物学的試料の対象となっている特定の詳細をぼかしえるからである。この問題の現在の解決法には、共焦点レーザ走査顕微鏡法または広視野デコンボリューション技術が含まれ、これらは光学的な「スライス」つまり合焦している情報だけを含む断面を生成する。他の技術は、赤外超短光パルスレーザビームによって作られる2光子(2P)励起の使用である。2光子システムにおいては、パルスレーザは、単一光子システムにおいて用いられるものの2倍の波長の光子によって同じ蛍光体が励起されることを可能にするが、より長い波長の光子は、生物学的試料によっては吸収されず、これは生きた細胞に対する低減された毒性および低減された写真退色につながる。さらに、赤外波長励起は、組織内での散乱を大きく低減するが、これは散乱係数は励起波長の4乗の逆数に比例し、その結果、試料のより深くまで浸透する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この種の蛍光システムは研究室のセッティングでは典型的にはうまく働く。しかし、化学および生物学産業においては、時間および費用の点で効率的なやり方で大量の試料を分析する要求がしばしばあり、これら環境の異なる要件のために、上述の構成はしばしば使用するのに適切ではないか、不可能である。したがって、必要とされるのは、バックグラウンドノイズに対して弁別する能力を有しながら、効率的なやり方で試料または物体のアレイを分析するために用いられえる改良された装置である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一般に、ある局面において、本発明は、試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める技術を実現および使用する、方法、およびコンピュータプログラム製造物を含む装置を提供する。本装置は、光源、一つ以上の照射光学要素、スキャナ、一つ以上の集光光学要素、および試料からの光の検出を制限する開口を形成する装置を有する。照射光学要素は、光ビームを前記光源から前記試料上に導く。スキャナは、前記光ビームを前記試料にわたって走査する。一つ以上の集光光学要素は、前記試料からの光を集め、前記集められた光を検出器に伝送する。前記一つ以上の集光光学要素のいずれも前記一つ以上の照射光学要素の中に含まれない。前記試料からの光の検出を、前記試料内の制限された垂直深さに関連付けられる光に制限する開口を形成する装置を含み、前記装置は前記集光光学要素のうちの一つである。
【0008】
有利な実施形態は、以下の特徴の一つ以上を含みえる。前記開口を形成する前記装置はスリット開口でありえる。前記開口を形成する前記装置は光学ファイバの束でありえる。前記光学ファイバの束中の異なる光ファイバに入る光は、前記試料内の異なる垂直深さにおける光に対応しえる。集光光学要素は、実質的に均一な効率で前記試料上での走査線から光を集めえる。前記集光光学要素は、円筒レンズおよび球面レンズのうちの一つを含みえる。
【0009】
二つ以上の検出器は、前記試料から前記光を集めるパスについて互いにオフセットされえ、二つ以上の検出器のそれぞれは、前記試料内の異なる垂直深さから放射される光をキャプチャしえる。前記二つ以上の検出器において検出された光強度に応答して前記集光光学要素について前記試料の位置を調節することによって、前記試料上の位置から位置へと実質的に均一な垂直深さを維持するロジックがありえる。前記検出器は、光増倍管検出器、フォトダイオードデバイス、電荷結合素子、およびマイクロチャネルプレートのうちの少なくとも一つを含みえる。前記試料の同じ領域からの光を受け取り、前記試料の二つ以上の異なる特性を検出する二つ以上の検出器をさらに備えうる。前記二つ以上の異なる特性は、前記光の異なる偏光、前記光の異なる周波数、および異なる寿命を含みえる。前記二つ以上の検出器から得られた信号間の相関を調べることによって、物体を特定し、バックグラウンドノイズを除去するロジックが提供されえる。
【0010】
前記試料上で特定の物体を特徴付けるよう保持するために既知または検出された前記試料の領域に光学データの収集が制限されえ、前記ロジックは、前記検出器に動作可能に接続されたプロセッサによって読み出しおよび実行されえるコンピュータソフトウェアまたはコンピュータハードウェア命令で実現されえる。前記光学データの収集を制限するロジックは、前記集光された光の強度がある調節可能なスレッショルド値より上である時にだけ光学データを記録することによって収集を制限しえる。前記光学データの収集を制限するロジックは、前記光源からの前記ビームが前記試料上の対象領域にわたって走査される時にだけ光学データを記録することによって収集を制限しえる。
【0011】
前記光源は、連続波レーザ、パルスレーザ、モードロック高反復レートレーザ、およびQスイッチレーザのうちの一つである。前記連続波レーザは、ダイオードレーザ、ダイオードポンプソリッドステートレーザ、ガスレーザ、およびチューニング可能なソリッドステートレーザシステムのうちの一つである。前記連続波レーザは、1キロヘルツから2ギガヘルツの範囲の周波数において変調される。前記パルスレーザは、10ナノ秒から1秒の範囲の間隔で1ヘルツから100メガヘルツの範囲の周波数においてパルスを放射するよう構成される。前記モードロックレーザは、10メガヘルツ以上である反復レートを有する。Qスイッチレーザは、1ヘルツから1メガヘルツの範囲の周波数においてパルス化される。光源から放射される前記光ビームは、1ヘルツから2ギガヘルツの範囲の周波数で時間的に強度変調される。
【0012】
前記スキャナは、前記試料にわたって前記光ビームを走査するためにスキャニング要素によって回転される一つ以上のポリゴンミラーを含む。前記スキャナは、前記試料にわたって前記光ビームを走査するために検流計によって動かされる一つ以上のミラーを含む。前記スキャナは、共鳴ミラースキャナである。一つ以上の照射光学要素は、テレセントリックレンズを含む。
【0013】
一般に、他の局面において、本発明は、試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める技術を実現および使用する、方法、およびコンピュータプログラム製造物を含む装置を提供する。本装置は、光源、一つ以上の照射光学要素、スキャナ、および一つ以上の集光光学要素を有する。照射光学要素は、光ビームを第1周波数の前記光源から前記試料上に導く。スキャナは、光ビームを前記試料にわたって走査する。集光光学要素は、試料からの第2周波数の光を集め、前記光を検出器に伝送する。前記一つ以上の集光光学要素のいずれも前記一つ以上の照射光学要素の中に含まれない。
【0014】
一般に、他の局面において、本発明は、試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める技術を実現および使用する、方法、およびコンピュータプログラム製造物を含む装置を提供する。本装置は、光源、光ビームを前記光源から前記試料上に導く一つ以上の照射光学要素、前記光ビームを前記試料にわたって走査するスキャナ、前記試料からの光を集め、前記集められた光を検出器に伝送する一つ以上の集光光学要素、および前記試料からの光の検出を、前記試料内の第1垂直深さに関連付けられる光に制限する第1装置、前記試料からの光の検出を、前記試料内の異なる第2垂直深さに関連付けられる光に制限する第2装置を備え、前記第1および第2装置は、集光光学要素である。
【0015】
有利な実施形態は、以下の特徴の一つ以上を含みえる。走査のあいだ、前記集光光学要素についての前記試料の一貫した垂直位置を維持するために、前記第1および第2装置において集光された相対光強度に応答して前記集光光学要素について前記試料の前記垂直位置を自動的に調節するロジックがさらに含まれえる。前記第1装置および前記第2装置のうちの少なくとも一つは光ファイバである。前記第1装置は、光ファイバの第1ロウを備え、前記第2装置は光ファイバの第2ロウを備える。前記一つ以上の検出器は、前記第1および第2装置からの光を別個に検出するよう構成された一つ以上のマイクロチャネルプレートを備える。前記一つ以上の検出器は、光増倍管検出器、フォトダイオードデバイス、マイクロチャネルプレート、および電荷結合素子のうちの少なくとも一つを含む。前記試料からの光を受け取り、前記試料からの前記光の二つ以上の異なる特性を検出する二つ以上の検出器をさらに備える。前記光源からの前記光ビームは、第1波長を有する単色であり、前記集光光学系および前記一つ以上の検出器のうちの一つ以上は、前記第1波長とは異なる第2波長において光を集光するようチューニングされている。前記試料からの検出を、前記試料内の異なる第3垂直深さに関連付けられる光に制限する第3装置をさらに備える。
【0016】
本発明は、以下の利点の一つ以上を含むよう実現されえる。セルおよびマイクロアレイのための改善されたシステムおよび方法が提供される。走査光源の使用は、改善された光学集光系の幾何学形状と併せて、単一のスキャンで多くの試料または物体が照射されることを可能にする。さらに、試料は、いくつかの既存のシステムに比較して空間解像度のより高い度合いを可能にする特徴を持つ検出に適する特定の限定された領域に放射を発する。別個の照射光学要素および別個の集光光学要素は、照射された試料によって放射される蛍光光から照射光を分離する必要を減らし、よってより簡単でよりロバストな構成を提供する。集光光学要素のうちの一つとしてロッドレンズのような円筒形レンズを用いることは、実質的に均一な効率で走査線全体を集光することを可能にする。
【0017】
光源の偏光特性は、蛍光マーカーでタグが付けられた自然または人工材料の反応、環境、および/または生物学的活動を調べるのに用いられえる。
【0018】
ある実施形態において、システムのパルスまたは変調された性質は、化学的にまたは写真に誘導された生物活動の、時間依存の高速決定を可能にする。パルスのタイミング、および応答のタイミングは、化学または生物学的情報と共に、蛍光寿命および偏光緩和時間のような物理的情報を抽出するのに用いられえる。走査特性と結合された時間解像度の決定可能な特性で、時間依存情報が抽出され、これは、空間領域への正確なマッピングを可能にする。光学検出システムは、付随する時間要求を持つ集光光学系のための従来のオートフォーカスメカニズムを必要とすることなく、全体のアレイが正確に位置付けられた検出領域で走査されるように検出領域を閉じ込める。改善された集光効率およびバックグラウンド弁別を可能にする装置を用いることによって、走査ソースフォーカスは、限定された検出領域内に留まる。本発明のこれらの特性は、細胞未満レベルまたは高速アセイ分析のためのマイクロアレイ内のマクロ位置のいずれにおいても、マイクロロケーションへのマッピングを可能にする。
【0019】
出力信号は、細胞および他の物体または細胞内または溶液中の特徴の蛍光を分析するのにユニークに適する。出力信号およびその特徴的な振る舞いは、物体の構造的、化学的、または生物学的な特性を決定するのに分析されえる。それぞれの物体の画像は、必要に応じて、偏光、蛍光寿命、または回転相関時間を用いることによって、スペクトル的におよび/または時間的に分解されて物体特性を弁別する。本発明によって画像化される物体は、自己蛍光によって、または蛍光へ励起されえる分子またはプローブをバインドすることによって、蛍光へ励起されえる。細胞および細胞以下の特徴の形態学的およびスペクトル的特性は、時間依存スペクトル情報を含みえる蛍光信号を計測することによって決定されえ、これは細胞およびその成分についての時間依存細胞応答または他の情報を決定するのに用いられえる。核蛍光強度、細胞質蛍光強度、バックグラウンド自己蛍光、蛍光減偏光強度、およびこれらの値の任意の比を決定するのに同様の計測が用いられえる。
【0020】
出力信号は、試料の位置をモニタするのにも用いられえ、もし必要なら光の最適な量が集められるように試料の位置を再調節できる。出力信号は、例えば、集められた蛍光光の強度があるスレッショルド値よりも上であるときだけデータを保存することによって、データ記憶要件を減らすためにも用いられえる。
【0021】
一般に、他の局面において、本発明は、試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める技術を実現および使用する、方法、およびコンピュータプログラム製造物を含む装置を提供する。一つ以上の照射光学要素を用いて第1周波数の光ビームが試料表面上で走査される。一つ以上の集光光学要素を用いて前記試料表面上の走査線から第2周波数の光が集められる。前記一つ以上の集光光学要素のいずれも前記一つ以上の照射光学要素の中に含まれない。集められた光は検出器に伝送される。
【0022】
有利な実施形態は、以下の特徴の一つ以上を含みえる。前記第1周波数は、前記第2周波数と同一である。前記試料からの光の検出を、前記試料内の制限された垂直深さに関連付けられる光に制限する開口を形成する装置を通して光が集められえる。前記装置は前記集光光学要素のうちの一つでありえる。前記試料からの光の検出を、前記試料内の制限された垂直深さに関連付けられる光に制限するスリット開口を通して光が集められえる。光ファイバの束を用いて光が集められえる。光学ファイバの束中の異なる光ファイバに入る光は、前記試料内の異なる垂直深さにおける光に対応しえる。一つ以上の光学要素を用いて実質的に均一な効率で前記試料上での走査線から光が集められえる。円筒レンズおよび球面レンズのうちの少なくとも一つを用いて光が集められえる。前記試料からの前記集められた光を、前記試料から前記光を集めるパスについて互いにオフセットされた二つ以上の検出器に導くことによって集められた光は伝送されえ、前記二つ以上の検出器のそれぞれは、前記試料内の異なる垂直深さから放射される光をキャプチャするように配置される。
【0023】
前記二つ以上の検出器において検出された光強度に応答して前記集光光学要素について前記試料の位置が調節されえ、前記試料上の位置から位置へと実質的に均一な垂直深さを維持されえる。前記検出器は、光増倍管検出器、フォトダイオードデバイス、マイクロチャネルプレート、および電荷結合素子のうちの少なくとも一つを含みえる。前記試料から前記集められた光を二つ以上の検出器に導くことによって前記集められた光が伝送されえる。前記試料からの前記光の二つ以上の異なる特性が検出されえる。二つ以上の異なる特性を検出することは、異なる偏光を検出すること、光の異なる周波数を検出すること、信号変調の異なる周波数を検出すること、または異なる時間ゲートされた領域を検出することを含みえる。
【0024】
前記試料上で特定の物体を特徴付けるよう保持するために既知または検出された前記試料の領域に光学データの収集が自動的に制限されえる。自動的に光学データの収集を制限することは、前記集光された光の強度がある調節可能なスレッショルド値より上であり、前記光学データが少なくとも一つの追加の基準を満たす時にだけ光学データを記録することを含みえる。
【0025】
自動的に光学データの収集を制限することは、前記光源からの前記ビームが前記試料上の対象領域にわたって走査される時にだけ光学データを記録することを含みえる。
【0026】
光ビームを走査することは、連続波レーザ、変調された連続波レーザ、パルスレーザ、モードロック高反復レートレーザ、およびQスイッチレーザのうちの一つである光源からの光ビームを走査することを含みえる。
【0027】
前記パルスレーザは、100ピコ秒から10マイクロ秒の範囲の間隔で、10〜100メガヘルツの範囲の周波数でパルスを放射するよう構成される。前記モードロックレーザは、10メガヘルツ以上である反復レートを有する。前記Qスイッチレーザは、1ヘルツから1メガヘルツの範囲の周波数においてパルス化される。走査することは、1ヘルツから2ギガヘルツの範囲の周波数で時間的に強度変調される光源からの光ビームを走査することを含む。走査することは、試料にわたって前記光ビームを走査するためにスキャニング要素によって回転される一つ以上のポリゴンミラーを含むスキャナで光ビームを走査することを含む。走査することは、前記試料にわたって前記光ビームを走査するために検流計によって動かされる一つ以上のミラーを含むスキャナで光ビームを走査することを含む。走査することは、共鳴ミラースキャナで光ビームを走査することを含む。前記一つ以上の照射光学要素は、テレセントリックレンズを含む。
【0028】
一般に、他の局面において、本発明は、試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める技術を実現および使用する、方法、およびコンピュータプログラム製造物を含む装置を提供する。一つ以上の照射光学要素を用いて第1周波数の光ビームが試料表面上で走査される。一つ以上の集光光学要素を用いて前記試料表面上の走査線から第2周波数の光が集められ、前記試料からの光の検出を、前記試料内の制限された垂直深さに関連付けられる光に制限する開口を通して前記光が集められる。集められた光は検出器に伝送される。
【0029】
一般に、他の局面において、本発明は、試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める技術を実現および使用する、方法、およびコンピュータプログラム製造物を含む装置を提供する。一つ以上の照射光学要素を用いて光ビームが試料表面上で走査される。一つ以上の集光光学要素を用いて前記試料表面上の走査線から光が集められる。光は、(i)前記試料からの光の検出を、前記試料内の第1垂直深さに関連付けられる光に制限する第1装置、および(ii)前記試料からの光の検出を、前記試料内の異なる第2垂直深さに関連付けられる光に制限する第2装置を通して集められる。第1および第2装置からの前記集められた光は一つ以上の検出器に伝送される。
【0030】
有利な実施形態は、以下の特徴の一つ以上を含みえる。
【0031】
走査のあいだ、前記集光光学要素についての前記試料の一貫した垂直位置を維持するために、前記第1および第2装置において集光された相対光強度に応答して前記集光光学要素について前記試料の前記垂直位置が自動的に調節される。前記第1装置および前記第2装置のうちの少なくとも一つは光ファイバである。前記第1装置は、光ファイバの第1ロウを備え、前記第2装置は光ファイバの第2ロウを備える。前記一つ以上の検出器は、前記第1および第2装置からの光を別個に検出するよう構成された一つ以上のマイクロチャネルプレートを備える。前記試料からの前記光の二つ以上の異なる特性が検出されえる。
【0032】
本発明の一つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の記載において述べられる。本発明の他の特徴、目的、および効果は、記載および図面から、および特許請求の範囲から明らかだろう。
【0033】
同様の参照記号はさまざまな図面において同様の要素を表す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明は、バックグラウンドノイズまたは信号に対して弁別する能力を持って、試料または物体のアレイにフォーカスされえる走査光源を用い、画像コントラストメカニズムを利用する改善された装置を提供する。本発明の装置は、どのような種類の試料データが集められるべきかに依存して、いくつかの別個のモードまたはそれらの組み合わせで動作されえる。いくつかの例示的モードの高レベル記述がまずなされ、その後に装置の部分および形状についてのより詳細な説明が続く。
【0035】
第1モードにおいて、装置からの出力信号は、蛍光光が発せられる細胞または物体における個別位置の数、信号源の相対的位置、および物体のそれぞれの位置において放射される光の色(例えば波長または波長帯)のような情報を含む。照射光学系の形状の結果、比較的大きな照射領域が作られ、これは試料容積内の領域に限られ、それによって照射のフォーカスを連続的に複数の試料または試料のアレイにわたってリアルタイムで調節しなければならない装置を用意する必要をなくす。集光系の形状は、試料が含まれ、データが集められるフォーカス容積(focal volume)に検出領域を限定する。ある実施形態においては、付随する利点を持つ複数の収集構成が用いられ、これは二つの集光レンズを持つセットアップについて以下に説明される。
【0036】
第2モードにおいて、平面偏光されたレーザビームが光学系を通して試料上に伝搬されえ、生物学的材料を偏光された光で調べることを可能にする。このモードにおいて、放射された光は、その二つの直交成分に分離され、平行および垂直成分の検出を可能にするために電気光学的変調器のようなスイッチ可能な変調器で時間的に順次に、または平行および垂直偏光フィルタを用いた複数の集光系で同時に分析されえる。励起源の偏光特性は、生物学的材料の特性の計測を可能にし、ここで放射の非等方性の性質、または偏光の緩和の時間依存性は、生物学的部分についての空間的または物理的情報を発生しえる。
【0037】
第3モードにおいて、いくつかのレーザビームは、光学系を通して試料上に伝搬されえることによって、異なる波長の光によって、または同じ波長で異なる時刻において、生物学的材料の質問を可能にする。このモードにおいて、レーザは同時に、または固定されたまたはパルス間で可変遅延を伴ってパルス化されえる。パルス間の遅延は、励起された状態において生物学的材料の特性の計測を可能にし、ここで第1レーザパルスが生物学的部分の励起を引き起こし、第2または追加のレーザパルスが励起状態においてその部分に質問を行う。レーザビームは、それらが走査のあいだ同じ試料領域上にフォーカスするよう共伝搬されえ、または代替として、それらが走査のあいだレーザビームが順次、同じ試料領域にわたって移動するようにある相対的角度において伝搬されえる。
【0038】
第4モードにおいて、単一の変調されたレーザビームが光学系を通して試料上に伝搬されえることによって、生物学的材料における蛍光の寿命のあいだの計測を可能にする。
【0039】
第5モードにおいて、一つの集光光学構成と共にいくつかの検出器が用いられえ、これは、分析のための複数の閉じ込め領域を作り、その利点は以下にさらに詳細に説明される。
【0040】
第6モードにおいて、いくつかの集光光学構成が、単一の集光光学系に対してユニークな幾何学形状で改善された閉じ込めを提供するために、またはそれぞれの集光光学系にユニークに特定されるいくつかの特性を持つ閉じ込め領域からの放射を集めるために、用いられえ、その利点は以下に説明される。
【0041】
ここで本装置は、図1〜11を参照して例示的にさらに詳細に説明される。図1に示されるように、ある実施形態において、励起光源(1)は、励起光(4)を、調べられる、マイクロアレイプレート上にある試料(2)の上に投射されるように放射する。典型的には、励起光源(1)は、励起線488、514、568および647nmを持つArまたはAr/Kr混合ガスレーザのようなレーザである。ある実施形態においては、カリフォルニア州、Mountain ViewのSpectraphysics Inc.からのCompass 315 Mレーザのような連続波(CW)レーザが励起源として用いられる。レーザ(1)および装置で用いられる特定の光学系に依存して、励起光の波長は、可視範囲内(すなわち400〜700nm)、または可視範囲外のいずれかでありえる。400nm未満の励起波長については、写真退色(photobleaching)によるもののような光化学的反応速度は、かなりの大きさになる傾向がある。ある実施形態において、レーザ(1)からの出力は変調されえ、周波数変調検出スキームを用いることによって、蛍光信号の時間依存応答についての情報を与える。他の実施形態においては、ほぼ12nsの間隔を持つ、ほぼ12psのFWHM(全幅半値)のパルスレーザが励起光源(1)として用いられる。試料(2)におけるレーザ(1)の平均電力は、典型的には1mW〜1Wの範囲にある。12nsの間隔は、蛍光寿命検出のためには便利であるが、例えば、レーザ(1)のキャビティ長を変化させることによって、必要に応じて変化されえる。両方の実施形態に共通するのは、コントラスト作成因子としての時間分解画像化の使用である。これは、蛍光顕微鏡の分野で大きく発展してきており、Marriott,Clegg,Arndt-Jovin,およびJovin,1991,Biophys.J.60:1374-1387、Verveer,Squire,およびBastiaens,2000,Biophys.J.78:2127-2137、Buehler,Dong,So,French,およびGratton,2000,Biophys.J 79:536-549、Fushimi,Dix,およびVerkman,1991,Biophys.J.57,241-254、およびBerndt,Gryczynski,およびLakowicz,1993、米国特許第5,196,709号、およびここで参照されない他の文献によって詳細に記載される。このような研究で用いられる装置および方法は、一般に二つのタイプのうちの一つとして分類されえる。すなわち、時間領域または周波数領域(Hanley, Subramaniam, Arndt-Jovin, およびJovin, 2001, Cytometry 43:248-260を参照)である。これらの装置および方法は当業者にはよく知られている。
【0042】
レーザ(1)を離れた後、励起光(4)は、一つ以上の照射光学要素を通って試料(2)に達する。照射光学要素は、電気光学変調器(8)、ビーム整形レンズ(3)、走査装置(5)、およびマルチエレメントレンズ(9)を含む。電気光学変調器(8)は、もし試料(2)上で行われるべき調査によって要求されるなら、励起光(4)を偏光変調するために用いられえる。ビーム整形レンズ(3)は、走査レンズの入力開口を整合させ、試料(2)において所望の照射領域サイズを提供するためにレーザビームを拡張する。走査装置(5)は、ビームがマルチエレメントレンズ(9)によってフォーカスされた後に、試料(2)上でラインスキャンにおいて拡張されたレーザビームを前後に移動させる。走査装置(5)は、以下にさらに詳細に説明されるが、検流計によって駆動されるミラーのような、光学要素に結合された電気機械的装置でありえる。以下にさらに詳細に説明されるある実施形態において、走査装置(5)は、試料(2)にわたってレーザビームを走査させるために複数の反射表面を持つポリゴンを用いる。マルチエレメントレンズ(9)は、レーザ光をレーザ(1)の動作波長においてフォーカスさせるよう設計される。マルチエレメントレンズ(9)は例えば、その動作波長のために設計された顕微鏡対物レンズ、またはテレセントリックレンズのような、例えば長い動作距離および低い第1次および第2次収差を持ち、それによって広い範囲の位置にわたって(走査ラインのような)同じスポットサイズおよび形状を作る、フラットなフォーカス面を達成するために適切なパラメータを有する特別に設計された走査レンズでありえる。テレセントリックレンズは、広い視野をカバーするために特に有用である。
【0043】
マルチエレメントレンズ(9)を通った後、ビーム(10)は、画像化されるべき試料(2)の領域上にフォーカスされる。フォーカス領域は、例えば、マイクロアレイプレートの基台上に位置付けられる。試料(2)は、マイクロアレイプレートのマイクロウェルの底部に付着された細胞のような、蛍光によって精査されるべき物体でありえる。
【0044】
試料(2)によって放射された蛍光光は、一つ以上の集光光学要素(19)によって集光される。以下に説明されるように、マイクロアレイプレートのような大きなアレイの走査を可能にする集光光学要素(19)を構成するためにはいくつかのやり方がある。ある実施形態においては、集光光学要素(19)は、試料アレイの基台(11)の1次元にわたってビーム(10)のスイープの全範囲をキャプチャするよう設計されたロッドレンズである。集光光学要素(19)は、放射から要求される特定の情報によって決定されるように、他のタイプのレンズ、またはレンズの集合体も含みえる。ある実施形態においては、集光光学要素(19)の複数のセットアップが集光効率を改善するために用いられえる。
【0045】
集光光学要素(19)によって集光された光は、集光光学要素(19)から便利な距離に位置する検出器(21)に伝送される。蛍光光の伝搬は、例えば光ファイバまたは光ファイバの束によって達成されえる。ある実施形態において、検出器(21)は、電気的出力信号を作る光増倍管のような高利得の検出器である。電気出力信号は、さらにデータアクイジションシステム(データ収集部)(14)によって処理され、これは信号強調、平均化、または集積化検出システムを使用することによって、利得および信号対雑音比(S/N比)の最適化のような動作を実行する。
【0046】
図2は、本発明による装置の第1実施形態の走査部分の側面正面図を示す。図4は、この装置の同じ実施形態の走査部分の等角投影図を示す。図2および4に示される実施形態において、走査装置(5)は、検流計によって駆動されるミラー(6)である。検流計を用いてミラー(6)を前後に動かすことによって、レーザ(1)からの励起光(10)は、試料(2)にわたってスイープされえる。図3、5Aおよび5Bは、本発明による装置の第2実施形態の同様の図を示し、ここで走査装置(5)は、代わりに、複数の反射表面を持つポリゴンである。この実施形態においては、レーザビーム(10)は、ポリゴン(7)を回転させることによって試料(2)の領域上をスイープされる。さらに他の実施形態においては、走査装置(5)は、ミラーを前後に動かす電磁石を持つトーションバー上にマウントされたミラーのような共鳴走査装置である。全ての実施形態において、試料(2)にわたってのビーム速度は、それぞれ、ポリゴン(7)の回転速度または検流計のスイープ速度および共鳴走査装置の結果である。異なる構成のそれぞれは、異なる利点および欠点を有する。例えば、検流計はポリゴンミラーよりは高価ではないが、より小さな角度でより低い周波数でしか動作せず、これはより低い走査速度を生む。共鳴走査装置は、検流計および回転するミラーの両方よりも安く、大きな角度で動作するが、所定の周波数でしか動作しない。試料(2)のフォーカス面におけるビーム運動は、典型的には1〜10mm/msであるが、ミラー(6)のスイープ速度、またはポリゴン(7)の回転速度に依存して10〜1000mm/msほど速くてもよい。ポリゴン(7)は典型的には0.5kHzから20kHzの回転速度で回転される。
【0047】
レーザ光(4)を受け取るマルチエレメントレンズ(9)は、レーザ(1)の動作波長においてレーザ光をフォーカスさせるよう設計される。マルチエレメントレンズ(9)は、レーザ光(4)をマルチエレメントレンズ(9)の回折限界に近いところでフォーカスさせ、これは典型的には5〜20ミクロンの範囲にあるが、1〜200ミクロン程度に小さくても大きくてもよい。試料または試料アレイ(2)は、フォーカスされたビームを試料(2)の基台(11)において、またはちょうどその上で受け取るよう構成される。試料アレイ(2)にわたっての走査線の長さは変えられてもよく、典型的には5mm〜100mmの範囲にある。ある実施形態においては、走査光(10)は、例えば96ウェルプレートを5ミクロンの解像度において1分未満で識別しえる。
【0048】
図2〜5に見られるように、検出器(13)上への入射光(10)の一部をインターセプトし反射するために、ミラーのような光学要素(12)が走査レンズおよび試料の間のほぼ中間に提供される。典型的には、反射器(12)は、走査レンズから約1〜2cmに位置する。検出器(13)は、以下に詳細に説明されるように、データアクイジションシステム(14)をトリガするために、走査の開始の位置を検出するために用いられる。検出器(13)は、例えば、反射器(12)から反射された入射光(10)を検出し、データアクイジションシステム(14)に電気信号を提供できる、フォトダイオードまたは等価な要素でありえる。走査の終了を検出し、それによって双方向走査を可能にするために、第2ミラーおよび検出器が走査線の反対側に配置されえる。
【0049】
図7は、試料(2)の拡大図、どのように入射光(10)が試料(2)を照らすか、および蛍光光が図1の装置の単一の検出器の実施形態において集光されるソース領域(17)を示す。試料(2)は、レーザ光(10)がアレイ中に含まれる試料を通して伝送されることを可能にする一連の光学要素群(16)を持つ基台(11)上に位置する。このアレイは、例えば、溶液を持つウェルまたはウェルの底に付着する試料を含むマイクロアレイプレートでありえる。フォーカス面の位置は、光学要素(16)の内側に近く、最高の光束を定義し、それによって最高放射光源の領域を定義する。この領域の容積サイズは、マルチエレメントレンズ(9)の構成および基台(11)の上に位置する識別される試料(2)の深さに依存する。実際に蛍光信号を生むソース領域(17)の定義された容積は、加えて、これから説明されるように、集光光学要素(19)の構成に依存する。
【0050】
図7に見られるように、集光光学要素(19)の幾何学形状は、集光領域が検出器(21)の視野の領域に限定されるようになっている。図7に示されるように蛍光信号強度は、励起源のフォーカス領域およびこの領域の内側の検出器(21)の画像の交差によって形成されるソース領域(17)に限定される。このソース領域は、試料の制限された垂直深さ内に、すなわち試料(2)が位置する基台(11)の上の限定された距離範囲において位置する。集光パス(18)が入射光(10)と角度をなすように集光光学要素(19)を構成することから多くの利点が生まれる。他の利点は、ウェル(2)の表面開口(16)の位置において逸脱しない光学的にフラットなマイクロアレイの必要がなくなることである。集光領域は、システムのフォーカス面の外にならないように、固定されるか、または集光光学要素(19)の構成によって限定される。さらに他の利点は、試料ウェルにおけるバックグラウンド蛍光からの信号弁別が、蛍光信号を除去またはフィルタリングすることなく、平行集光システムによって得られるものよりもずっと高いことである。
【0051】
ソース領域(17)からの放射された蛍光は、集光パス(18)に沿って集光光学要素(19)に伝送される。図7に示されるように、集光パス(18)は、試料ウェルの基台(11)中の光学要素(16)を通って延びえる。例えば図1に示されるように、代替の実施形態において、集光パスは、試料アレイ中ウェルを通って試料アレイの反対側の位置まで延びえる。両方の実施形態において、集光光学要素(19)は、上述のように、ソース領域から放射された光を集光しフォーカスさせるよう構成される。
【0052】
マイクロアレイプレートのような大きなアレイの走査を可能にする集光光学要素(19)を構成するいくつかのやり方が存在する。ある幾何学形状が図4、5Aおよび5Bに示される。この実施形態において、集光光学要素(19)は、ロッドレンズであり、試料アレイの基台の1次元にわたってビーム(10)のスイープの全範囲をキャプチャするよう設計される。集光光学要素(19)は、蛍光放射から要求される特定の情報によって決定される、他のタイプのレンズまたはレンズ組み合わせを含みえる。図4、5Aおよび5Bに示される単一の集光レンズ(19)による光コリメーションの結果、アレイセルまたはマイクロアレイプレート上の位置から放射された全ての光は、高効率で画像化および集光されえる。
【0053】
図8に見られるように、集光光学要素(19)の他の実施形態は、光学伝送フィルタ(23)およびスリット開口(26)を含む。ロッドレンズ(19)によって集光された蛍光光を検出器(21)に伝える前に、光は、蛍光放射を透過するよう設計された伝送フィルタ(23)によって適切にフィルタリングされる。代替として、検出器(21)によって検出されるべきレーザ光の量を最小化するためにいくつかのフィルタが選ばれえる。光学フィルタ(23)は、ソース領域(17)によって放射される光のスペクトラム領域内の情報の収集を最適化するために選ばれる。例えば、ある実施形態においては、レーザ光は、波長が400および500nmの間であり、放射された蛍光は500nmより上の領域にあり、光フィルタ(23)はロッドレンズ(19)の後ろに位置する500nmのローパスフィルタである。入射光および放射された光の波長、および選ばれたフィルタに依存して、多くの他の構成が当業者によって想定されえる。
【0054】
スリット開口(26)の開口部は、検出器(21)または検出器(21)に結合された光ファイバ(20)への入り口のすぐ前に位置する。図8に見られるように、ソース領域(17)の中心から放射される光は、ロッドレンズ(19)によって集光され、スリット開口(26)の中心を通って伝わる。一方、ソース領域(17)のエッジからのような、試料の異なる深さにおける領域から放射される光は、ロッドレンズ(19)によってスリット開口(26)の開口部の外で像が結ばれ、よって集められない。フォーカス領域をさらに限定することの利点は、領域の外のバックグラウンド蛍光の更なる弁別と共に、改善された空間解像度が生じることである。ある実施形態において、250ミクロンの開口サイズは、ほぼ400ミクロンの検出領域を生む。当業者なら解るように、光学伝送フィルタ(23)またはスリット開口(26)のいずれかだけが存在し、両方は存在しない組み合わせも可能である。
【0055】
図9に示される他の実施形態においては、二つ以上の集光光学構成(19a、19b)が提供される。図9に示されるように集光レンズ(19a、19b)のステレオ構成で、二つのレンズについてのフォーカス視野(focal field)は、図8について上で示され説明された一つのレンズおよびフォーカシングソースによって発生される単一の視野に対して、改善された限定(confinement)を有しえる。改善は、レンズ(19a、19b)の主対物面に対応するそれぞれの集光光学構成(19a、19b)についてのフォーカス面の交点(22)によって図9において概略的に表される。
【0056】
二つのセットの集光光学系(19a、19b)を持つ図9のセットアップは、偏光された励起源からの放射の直交成分の同時集光のためにも用いられえる。第1偏光フィルタ(23a)は、第1偏光の光だけを第1検出器(21a)に伝えるよう用いられえ、第2偏光フィルタ(23b)は、第2の直交偏光の光だけを第2検出器(21b)に伝えるよう用いられえる。この構成において集められた信号の相関、検出システムにおける検出、および記憶された信号の後の操作は、単一の検出器では入手できない情報を生み、信号に付随する改善も持つ。この装置から導かれる情報は、定常状態の非等方性である。さらに、寿命の能力で、蛍光の非等方性の時間依存の振る舞いの相関を計測しえる。放出信号の時間分解非等方性は、生体分子およびその環境についての動的および/または構造的情報を与えうる。集光された光が光ファイバに入る前に任意の偏光フィルタリングが実行されることが重要であるが、これは光ファイバは偏光情報を歪ませ、光ファイバから出力される光は反対端において光ファイバに入力された光と同一の偏光成分を有しないからである。
【0057】
上述のように、検出器(21)は、光増倍管(PMT)のような高利得を持つ検出器でありえる。検出器の他の例は、フォトダイオード、さまざまなタイプの電荷結合素子(CCD)、またはマイクロチャネルプレートである。検出器(21)は、物理的に集光光学要素(19)と近接して配置される必要はなく、光は集光光学要素(19)から検出器(21)へファイバアレイ(20)を通して伝送されえる。図10に示されるように、ある実施形態においては、集光光学要素(19)からの信号を集めるために、互いに近接した複数の検出器(21a〜21c)が構成される。この場合、個別の検出器(21a〜21c)はそれぞれそれ自身の限定された視野を有し、一つの検出器についての上述のように限定されたフォーカス領域に関連付けられる付随する利点を持つ。単一の検出器の場合と同様に、複数の検出器(21a〜21c)は、物理的に集光光学要素(19)と近接して配置される必要はなく、光は集光光学要素(19)から検出器(21a〜21c)のそれぞれへファイバアレイ(20)、またはそれぞれの検出器についてのリレーレンズ系を通して伝送されえる。このマルチ検出器構成は、ソース領域(17)内の異なる深さにおけるような複数の位置において同時に信号を検出できる能力、およびこれら信号を試料(2)内の空間的な位置に割り当てる能力のような、さらなる利点を有する。代替として、マルチ検出器(21a〜21c)は、光ファイバ(図10では不図示)と共に構成されえ、異なる空間的領域からの蛍光放射を集めるために用いられえる。さらに他の実施形態においては、マルチ検出器(21a〜21c)は、上述のように直交偏光信号を検出し、蛍光信号の非等方性の同時検出を可能にするよう構成されえる。
【0058】
検出器(21a〜21c)は、図11に見られるように、記録された信号に基づいて試料位置を補正するためにも用いられえる。例えば、信号のほとんどが中間検出器(21b)によって受け取られるように試料(2)が集光光学系にアラインされることを維持することが望ましいと仮定する。それぞれの検出器(21a〜21c)が異なる深さに関連付けられているので、中間検出器(21b)は、外側の検出器(21a、21c)よりも高い信号を有しているはずである。図11に見られるように、時刻t0においては、中間検出器(21b)だけが信号を出力する一方、外側の検出器(21a、21c)は何も信号を拾わない。時刻t1において、外側の検出器(21a)のうちの一つだけが信号を拾うように試料(2)の物理的位置がずれる。これは、試料(2)の位置が調節されなければならないことを示し、よって装置は、時刻t2において見られるように中間検出器(21b)が信号を拾うまで試料(2)を動かす。時刻t3において、試料(2)は再び動くが、今度は反対の方向であり、他の外側検出器(21c)だけが信号を拾う。これは、試料(2)が反対の方向に調節されなければならないことを示し、その結果、装置は、時刻t4において見られるように中間検出器(21b)が再び信号を拾うまで試料(2)を動かす。この技術は、検出器の構成に依存して、垂直な方向においてだけでなく水平方向にも試料(2)を動かすために用いられえる。もし三つの直交する方向においてのように複数の検出器構成が用いられるなら、全ての空間的方向において試料の位置付けに対して完全な制御が達成されえる。水平平面内での動きは、2度の自由度で起こるので、好ましくは水平平面内で互いに直角に方向付けられた2セットの検出器を有することが必要である。この検出器構成で、試料の水平平行移動は、一つまたは両方の検出器のセットにおける大きくなった信号を生み、この移動はあいまいさなしに特定されえる。
【0059】
図1に見られるように、本装置は、装置で実行されえる精査のさまざまなタイプのために適切な制御能力を提供するために、装置の上述の光学的および機械的要素と共に働くデータアクイジションシステム(14)、データ処理および記憶システム(24)、およびコントローラ(15)のようなロジックも含む。検出器(21)からの信号は、データアクイジションシステム(14)によって強調され、それからデータ処理および記憶システム(24)に記憶される。データ処理および記憶システム(24)は、高速A/Dコンバータを含み、またはデータアクイジションシステム(14)からのディジタル情報を直接に受け入れる。データ処理および記憶システム(24)は、例えば、ディジタルストレージオシロスコープ、または検出されたまたは強調された放射信号を集めて記憶するソフトウェアにエンコードされた命令を持つコンピュータでありえる。
【0060】
信号は、時間軸におけるトリガイベントを用いてラベルが付けられえ、かつマイクロアレイのウェル内の蛍光物体の空間位置で、またはマイクロアレイプレート中のウェルのマクロな位置で同じ位置に配置されえる。データ処理および記憶システム(24)中のソフトウェアロジックは、総強度、平均強度、ピーク強度、サイズ、ガウシアンまたは他の波形あてはめ、または当業者に有用と思われる他の特性のような、一つ以上の物体特性を放射信号から導く命令を含みえる。このトリガ信号は、遅延、ブランキング信号、デューティサイクルを構成し、または例えばボックスカーアベレージャーのトリガ回路がアクティベートされえる手段を提供するために必要とされるように、コントローラ(15)によって変更されえる。走査の開始および終了における二つのトリガイベントは、総走査時間を計測し、走査ジッタを補正するために用いられえる。これは、双方向走査も可能にする。ここで説明されないが、当業者に有用な、このデータ処理および記憶システム(24)を用いるための多くの組み合わせが存在する。
【0061】
効率的なデータ記憶のためには、マルチチャネル画像の大きなサイズのために、 データ処理および記憶システム(24)は、細胞のような試料(2)の関連する部分が照射されるときだけデータが収集され保存されるようにセットアップされえる。ある実施形態においては、これは、データ処理および記憶システム(24)においてスレッショルド値を設定し、集光された蛍光光の強度が一定の期間だけスレッショルドを超えるときだけ、または他の何らかの所定の基準が満たされるときにはいつでも、データを保存することによって達成される。他の実施形態において、データ処理および記憶システム(24)は、照射ビーム(10)がウェルまたはマイクロアレイの位置を照射するときのような、ある期間のあいだだけデータを保存する。よって、データを保存するときを決定するために強度値を用いる代わりに、スキャナ(5)およびマルチエレメントレンズ(9)によって決定される、与えられた時刻におけるレーザビーム(10)の位置に基づいてデータは保存される。
【0062】
ある実施形態において、本装置は、走査領域の同じ空間的位置上でレーザ光を変調し、その後、走査された領域内での試料の時間依存応答を決定するために検出器(21)によって計測された蛍光信号を分析する結果、連続的なレーザパルスの計測を可能にする。この応答は、分子相互作用、タンパク質‐タンパク質相互作用、結合動力学、薬物/ターゲット相互作用、細胞アポプトシスなどのような一つ以上の特性を含みえる。励起パルスのような時間依存摂動に対するタイミングおよび応答は、本発明の重要な局面を形成する。信号タイミングまたは放射寿命のような、入射レーザパルスについての放射イベントに関連付けられるタイミングは、上述の構成によってキャプチャされる。自然または人工材料の検出は、当業者には明らかなように化学的または生物学的活動に関する情報を生み、誘導された、または人工の蛍光の検出も上述されたような情報を生む。
【0063】
他の実施形態において、検出器(21)は、放射光と共に、光の偏光のような入射光に記憶された情報も集めるように構成されえる。この実施形態においては、光源(1)は偏光され、入射偏光が決定され、試料(2)によって放射される蛍光応答は、その偏光成分、または非等方性について分析される。入射光および/または蛍光光の偏光は、例えば電気光学装置(8)によって変調されえる。偏光された信号の変調のタイミングは、走査のタイミングについてコントローラ(15)によって制御されることによって、直交偏光での連続的走査が実行されえ、蛍光偏光から動的情報が抽出されえる。さらに、入射光の強度は、試料から時間依存性情報を集めるために変調されえる。材料中の蛍光偏光および時間依存性を検出することは、当業者には明らかなように、物理的、化学的または生物学的活動に関する情報を生み、誘導されたまたは人工の蛍光偏光の検出は、例えば蛍光偏光免疫検定、または上述された他のもののような情報も生む。
【0064】
ある実施形態において、図6に示されるように、試料(2)は、試料(2)を配置するのに用いられえる移動可能なプラットフォーム(25)上に置かれえる。例えば、プラットフォームは、96サンプルウェルを含むマイクロアレイプレート、または非常に大きなアレイの試験および試料に対応するための3456ウェルプレートを扱いえる。光(10)のラスタスキャン、またはフォーカスされたラインが試料(2)に提供され、並行したやり方でアレイが対応されえるように放射が集光光学要素(19)によって集められる。本発明の並行処理可能な性質は、非常に高いスループットの走査およびデータ収集を可能にし、これは例えば、上述の生物材料に対する化学物質の治療効果の精査およびスクリーニングのために有用である。
【0065】
プラットフォーム(25)は、プラットフォーム(25)の動きが試料(2)の高解像度画像を生むように、マルチエレメントレンズ(9)の光学解像度より小さくまたはそのオーダーで精密に移動するよう構成されえる。例えば、走査されたビーム(10)は、1次元で試料(2)にわたってスイープされ、試料アレイは、プラットフォーム(25)によってスイープとは直角な方向に動かされ、それによってビームが一つ以上の完全な可動域を作り、一つ以上の完全なスイープから導かれた検出器(21)からの放射信号が集められ、データアクイジションシステム(14)およびデータ処理および記憶システム(24)によって加算または操作されるよう、動きはタイミング付けられる。この実施形態において、プラットフォーム(25)の動きは、試料(2)の2次元画像が、データ処理および記憶システム(24)においてエンコードされた命令を用いて再構築されえるように、走査(10)の動きに直角である。
【0066】
他の実施形態において、ソース領域(17)におけるマルチエレメントレンズ(9)のフォーカス位置は、走査(10)およびプラットフォーム(25)の動きによって定義される平面に直角な方向において空間的情報を提供しえ、再構築された3次元画像を生む。
【0067】
他の実施形態において、データアクイジションシステム(14)およびデータ処理および記憶システム(24)によって再構築された時間領域情報は、画像空間位置を構築するために用いられえ、これは光のプローブの結果起こるイベントのような、試料アレイ中での物体の情報を生む。代替として、情報は、例えば、細胞または細胞以下のレベルにおける光誘導ではない薬物または応答から生じえる。
【0068】
本発明の多くの実施形態が説明されてきた。しかしさまざまな変更が本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされえることが理解されよう。例えば、本装置は、試料にわたって光源(1)からのビーム(4)を移動させるために走査装置(5)を用いる代わりに、試料(2)だけを動かすことによって走査機能を実行しえる。本発明は、蛍光光について説明されてきたが、同じ原理は、ある種の試料の調査に有用でありえる燐光の収集にも適用されえる。本発明は、化学発光および共鳴エネルギー伝達の計測を実行するのにも用いられえる。したがって、他の実施形態は以下の特許請求の範囲の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1実施形態による光学データを集める装置の概略図である。
【図2】図1に示される装置のスキャナ部分の第1実施形態の側面正面図である。
【図3】図1に示される装置のスキャナ部分の第2実施形態の側面正面図である。
【図4】図2に示されるスキャナ部分の等角投影図である。
【図5A】図3に示されるスキャナ部分の等角投影図である。
【図5B】試料アレイの代替の実施形態による本発明による光学データを集める装置の等角投影図である。
【図6】本発明による光学データを集める装置の検出光学系および電子システムのより詳細な概略図である。
【図7】図1の装置の単一の検出器構成の限定された領域を示す概略図である。
【図8】図7の単一の検出器構成の限定された視野のより詳細な図を示す概略図である。
【図9】複数の検出器を持つ図1の装置のステレオ構成における限定された視野を示す概略図である。
【図10】図1の装置の検出器のアレイの複数の限定された視野を示す概略図である。
【図11】図1の装置のマルチ検出器構成における三つの個別の検出器からの時間の関数としての出力信号を示す概略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、「LASER SCANNING METHOD FOR TIME DEPENDENT MEASUREMENT OF FLUORESCENCE」と題された2003年8月26日に出願された米国特許仮出願第60/497,803号から、および「LASER SCANNING SYSTEM FOR TIME DEPENDENT MEASUREMENT OF FLUORESCENCE」と題されたやはり2003年8月26日に出願された米国特許仮出願第60/497,764号からの優先権の利益を主張する。
【0002】
本発明は、蛍光および材料中の蛍光から導かれる特性を計測することに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の蛍光顕微鏡においては、生物学的標本のような試料は、比較的短波長の光によって照射される前に蛍光体で染められる。照射光は、典型的にはレーザから供給され、蛍光体を、短期間だけ留まるより高いエネルギー状態に励起させて、その後、その元のエネルギー状態に戻るときに励起波長よりも長い波長の蛍光を放射する。蛍光顕微鏡において、放射された蛍光光は、顕微鏡の対物レンズによって集められ、顕微鏡の光学系を通って伝搬し、例えば顕微鏡のアイピースを通して、または顕微鏡の光学系に接続されるビデオシステムのディスプレイスクリーン上でユーザによって見られる。多くの場合、励起光および蛍光光の両方は、顕微鏡の光学系を共用し、励起光を透過させながらも、励起波長より上の光を反射するダイクロイックミラーのような光学要素によって必要に応じて分離されえる。
【0004】
研究室でよく使用されてきているシステムは、材料の可視蛍光および可視光源を一般に用いる。得られる空間解像度は、特定の光学的設定によって決定される。場合によっては、研究室での実験的セットアップは、パルスレーザ光を用いて、蛍光画像の質を改善する。研究室での構成は、蛍光法によって精査されえる生体分子反応および相互作用を検出するのにしばしば用いられる。蛍光染料は、細胞の一部を染めることによって細胞を調べるために一般に用いられる。よりルーチン的な画像化分析またはアセイのためには、励起光源は、微小位置のアレイ中の一つの微小位置(microlocation)のような調べられるべき対象物の一部を照射しえる。
【0005】
画像コントラストまたは信号弁別の理由のために、解像度を改善し、対象となっている試料の焦点領域におけるバックグラウンドノイズを除去する必要がしばしばあるが、それは、生物学的試料が特に非常に透明でフォーカスの広すぎる深度にわたる集光は生物学的試料の対象となっている特定の詳細をぼかしえるからである。この問題の現在の解決法には、共焦点レーザ走査顕微鏡法または広視野デコンボリューション技術が含まれ、これらは光学的な「スライス」つまり合焦している情報だけを含む断面を生成する。他の技術は、赤外超短光パルスレーザビームによって作られる2光子(2P)励起の使用である。2光子システムにおいては、パルスレーザは、単一光子システムにおいて用いられるものの2倍の波長の光子によって同じ蛍光体が励起されることを可能にするが、より長い波長の光子は、生物学的試料によっては吸収されず、これは生きた細胞に対する低減された毒性および低減された写真退色につながる。さらに、赤外波長励起は、組織内での散乱を大きく低減するが、これは散乱係数は励起波長の4乗の逆数に比例し、その結果、試料のより深くまで浸透する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この種の蛍光システムは研究室のセッティングでは典型的にはうまく働く。しかし、化学および生物学産業においては、時間および費用の点で効率的なやり方で大量の試料を分析する要求がしばしばあり、これら環境の異なる要件のために、上述の構成はしばしば使用するのに適切ではないか、不可能である。したがって、必要とされるのは、バックグラウンドノイズに対して弁別する能力を有しながら、効率的なやり方で試料または物体のアレイを分析するために用いられえる改良された装置である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一般に、ある局面において、本発明は、試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める技術を実現および使用する、方法、およびコンピュータプログラム製造物を含む装置を提供する。本装置は、光源、一つ以上の照射光学要素、スキャナ、一つ以上の集光光学要素、および試料からの光の検出を制限する開口を形成する装置を有する。照射光学要素は、光ビームを前記光源から前記試料上に導く。スキャナは、前記光ビームを前記試料にわたって走査する。一つ以上の集光光学要素は、前記試料からの光を集め、前記集められた光を検出器に伝送する。前記一つ以上の集光光学要素のいずれも前記一つ以上の照射光学要素の中に含まれない。前記試料からの光の検出を、前記試料内の制限された垂直深さに関連付けられる光に制限する開口を形成する装置を含み、前記装置は前記集光光学要素のうちの一つである。
【0008】
有利な実施形態は、以下の特徴の一つ以上を含みえる。前記開口を形成する前記装置はスリット開口でありえる。前記開口を形成する前記装置は光学ファイバの束でありえる。前記光学ファイバの束中の異なる光ファイバに入る光は、前記試料内の異なる垂直深さにおける光に対応しえる。集光光学要素は、実質的に均一な効率で前記試料上での走査線から光を集めえる。前記集光光学要素は、円筒レンズおよび球面レンズのうちの一つを含みえる。
【0009】
二つ以上の検出器は、前記試料から前記光を集めるパスについて互いにオフセットされえ、二つ以上の検出器のそれぞれは、前記試料内の異なる垂直深さから放射される光をキャプチャしえる。前記二つ以上の検出器において検出された光強度に応答して前記集光光学要素について前記試料の位置を調節することによって、前記試料上の位置から位置へと実質的に均一な垂直深さを維持するロジックがありえる。前記検出器は、光増倍管検出器、フォトダイオードデバイス、電荷結合素子、およびマイクロチャネルプレートのうちの少なくとも一つを含みえる。前記試料の同じ領域からの光を受け取り、前記試料の二つ以上の異なる特性を検出する二つ以上の検出器をさらに備えうる。前記二つ以上の異なる特性は、前記光の異なる偏光、前記光の異なる周波数、および異なる寿命を含みえる。前記二つ以上の検出器から得られた信号間の相関を調べることによって、物体を特定し、バックグラウンドノイズを除去するロジックが提供されえる。
【0010】
前記試料上で特定の物体を特徴付けるよう保持するために既知または検出された前記試料の領域に光学データの収集が制限されえ、前記ロジックは、前記検出器に動作可能に接続されたプロセッサによって読み出しおよび実行されえるコンピュータソフトウェアまたはコンピュータハードウェア命令で実現されえる。前記光学データの収集を制限するロジックは、前記集光された光の強度がある調節可能なスレッショルド値より上である時にだけ光学データを記録することによって収集を制限しえる。前記光学データの収集を制限するロジックは、前記光源からの前記ビームが前記試料上の対象領域にわたって走査される時にだけ光学データを記録することによって収集を制限しえる。
【0011】
前記光源は、連続波レーザ、パルスレーザ、モードロック高反復レートレーザ、およびQスイッチレーザのうちの一つである。前記連続波レーザは、ダイオードレーザ、ダイオードポンプソリッドステートレーザ、ガスレーザ、およびチューニング可能なソリッドステートレーザシステムのうちの一つである。前記連続波レーザは、1キロヘルツから2ギガヘルツの範囲の周波数において変調される。前記パルスレーザは、10ナノ秒から1秒の範囲の間隔で1ヘルツから100メガヘルツの範囲の周波数においてパルスを放射するよう構成される。前記モードロックレーザは、10メガヘルツ以上である反復レートを有する。Qスイッチレーザは、1ヘルツから1メガヘルツの範囲の周波数においてパルス化される。光源から放射される前記光ビームは、1ヘルツから2ギガヘルツの範囲の周波数で時間的に強度変調される。
【0012】
前記スキャナは、前記試料にわたって前記光ビームを走査するためにスキャニング要素によって回転される一つ以上のポリゴンミラーを含む。前記スキャナは、前記試料にわたって前記光ビームを走査するために検流計によって動かされる一つ以上のミラーを含む。前記スキャナは、共鳴ミラースキャナである。一つ以上の照射光学要素は、テレセントリックレンズを含む。
【0013】
一般に、他の局面において、本発明は、試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める技術を実現および使用する、方法、およびコンピュータプログラム製造物を含む装置を提供する。本装置は、光源、一つ以上の照射光学要素、スキャナ、および一つ以上の集光光学要素を有する。照射光学要素は、光ビームを第1周波数の前記光源から前記試料上に導く。スキャナは、光ビームを前記試料にわたって走査する。集光光学要素は、試料からの第2周波数の光を集め、前記光を検出器に伝送する。前記一つ以上の集光光学要素のいずれも前記一つ以上の照射光学要素の中に含まれない。
【0014】
一般に、他の局面において、本発明は、試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める技術を実現および使用する、方法、およびコンピュータプログラム製造物を含む装置を提供する。本装置は、光源、光ビームを前記光源から前記試料上に導く一つ以上の照射光学要素、前記光ビームを前記試料にわたって走査するスキャナ、前記試料からの光を集め、前記集められた光を検出器に伝送する一つ以上の集光光学要素、および前記試料からの光の検出を、前記試料内の第1垂直深さに関連付けられる光に制限する第1装置、前記試料からの光の検出を、前記試料内の異なる第2垂直深さに関連付けられる光に制限する第2装置を備え、前記第1および第2装置は、集光光学要素である。
【0015】
有利な実施形態は、以下の特徴の一つ以上を含みえる。走査のあいだ、前記集光光学要素についての前記試料の一貫した垂直位置を維持するために、前記第1および第2装置において集光された相対光強度に応答して前記集光光学要素について前記試料の前記垂直位置を自動的に調節するロジックがさらに含まれえる。前記第1装置および前記第2装置のうちの少なくとも一つは光ファイバである。前記第1装置は、光ファイバの第1ロウを備え、前記第2装置は光ファイバの第2ロウを備える。前記一つ以上の検出器は、前記第1および第2装置からの光を別個に検出するよう構成された一つ以上のマイクロチャネルプレートを備える。前記一つ以上の検出器は、光増倍管検出器、フォトダイオードデバイス、マイクロチャネルプレート、および電荷結合素子のうちの少なくとも一つを含む。前記試料からの光を受け取り、前記試料からの前記光の二つ以上の異なる特性を検出する二つ以上の検出器をさらに備える。前記光源からの前記光ビームは、第1波長を有する単色であり、前記集光光学系および前記一つ以上の検出器のうちの一つ以上は、前記第1波長とは異なる第2波長において光を集光するようチューニングされている。前記試料からの検出を、前記試料内の異なる第3垂直深さに関連付けられる光に制限する第3装置をさらに備える。
【0016】
本発明は、以下の利点の一つ以上を含むよう実現されえる。セルおよびマイクロアレイのための改善されたシステムおよび方法が提供される。走査光源の使用は、改善された光学集光系の幾何学形状と併せて、単一のスキャンで多くの試料または物体が照射されることを可能にする。さらに、試料は、いくつかの既存のシステムに比較して空間解像度のより高い度合いを可能にする特徴を持つ検出に適する特定の限定された領域に放射を発する。別個の照射光学要素および別個の集光光学要素は、照射された試料によって放射される蛍光光から照射光を分離する必要を減らし、よってより簡単でよりロバストな構成を提供する。集光光学要素のうちの一つとしてロッドレンズのような円筒形レンズを用いることは、実質的に均一な効率で走査線全体を集光することを可能にする。
【0017】
光源の偏光特性は、蛍光マーカーでタグが付けられた自然または人工材料の反応、環境、および/または生物学的活動を調べるのに用いられえる。
【0018】
ある実施形態において、システムのパルスまたは変調された性質は、化学的にまたは写真に誘導された生物活動の、時間依存の高速決定を可能にする。パルスのタイミング、および応答のタイミングは、化学または生物学的情報と共に、蛍光寿命および偏光緩和時間のような物理的情報を抽出するのに用いられえる。走査特性と結合された時間解像度の決定可能な特性で、時間依存情報が抽出され、これは、空間領域への正確なマッピングを可能にする。光学検出システムは、付随する時間要求を持つ集光光学系のための従来のオートフォーカスメカニズムを必要とすることなく、全体のアレイが正確に位置付けられた検出領域で走査されるように検出領域を閉じ込める。改善された集光効率およびバックグラウンド弁別を可能にする装置を用いることによって、走査ソースフォーカスは、限定された検出領域内に留まる。本発明のこれらの特性は、細胞未満レベルまたは高速アセイ分析のためのマイクロアレイ内のマクロ位置のいずれにおいても、マイクロロケーションへのマッピングを可能にする。
【0019】
出力信号は、細胞および他の物体または細胞内または溶液中の特徴の蛍光を分析するのにユニークに適する。出力信号およびその特徴的な振る舞いは、物体の構造的、化学的、または生物学的な特性を決定するのに分析されえる。それぞれの物体の画像は、必要に応じて、偏光、蛍光寿命、または回転相関時間を用いることによって、スペクトル的におよび/または時間的に分解されて物体特性を弁別する。本発明によって画像化される物体は、自己蛍光によって、または蛍光へ励起されえる分子またはプローブをバインドすることによって、蛍光へ励起されえる。細胞および細胞以下の特徴の形態学的およびスペクトル的特性は、時間依存スペクトル情報を含みえる蛍光信号を計測することによって決定されえ、これは細胞およびその成分についての時間依存細胞応答または他の情報を決定するのに用いられえる。核蛍光強度、細胞質蛍光強度、バックグラウンド自己蛍光、蛍光減偏光強度、およびこれらの値の任意の比を決定するのに同様の計測が用いられえる。
【0020】
出力信号は、試料の位置をモニタするのにも用いられえ、もし必要なら光の最適な量が集められるように試料の位置を再調節できる。出力信号は、例えば、集められた蛍光光の強度があるスレッショルド値よりも上であるときだけデータを保存することによって、データ記憶要件を減らすためにも用いられえる。
【0021】
一般に、他の局面において、本発明は、試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める技術を実現および使用する、方法、およびコンピュータプログラム製造物を含む装置を提供する。一つ以上の照射光学要素を用いて第1周波数の光ビームが試料表面上で走査される。一つ以上の集光光学要素を用いて前記試料表面上の走査線から第2周波数の光が集められる。前記一つ以上の集光光学要素のいずれも前記一つ以上の照射光学要素の中に含まれない。集められた光は検出器に伝送される。
【0022】
有利な実施形態は、以下の特徴の一つ以上を含みえる。前記第1周波数は、前記第2周波数と同一である。前記試料からの光の検出を、前記試料内の制限された垂直深さに関連付けられる光に制限する開口を形成する装置を通して光が集められえる。前記装置は前記集光光学要素のうちの一つでありえる。前記試料からの光の検出を、前記試料内の制限された垂直深さに関連付けられる光に制限するスリット開口を通して光が集められえる。光ファイバの束を用いて光が集められえる。光学ファイバの束中の異なる光ファイバに入る光は、前記試料内の異なる垂直深さにおける光に対応しえる。一つ以上の光学要素を用いて実質的に均一な効率で前記試料上での走査線から光が集められえる。円筒レンズおよび球面レンズのうちの少なくとも一つを用いて光が集められえる。前記試料からの前記集められた光を、前記試料から前記光を集めるパスについて互いにオフセットされた二つ以上の検出器に導くことによって集められた光は伝送されえ、前記二つ以上の検出器のそれぞれは、前記試料内の異なる垂直深さから放射される光をキャプチャするように配置される。
【0023】
前記二つ以上の検出器において検出された光強度に応答して前記集光光学要素について前記試料の位置が調節されえ、前記試料上の位置から位置へと実質的に均一な垂直深さを維持されえる。前記検出器は、光増倍管検出器、フォトダイオードデバイス、マイクロチャネルプレート、および電荷結合素子のうちの少なくとも一つを含みえる。前記試料から前記集められた光を二つ以上の検出器に導くことによって前記集められた光が伝送されえる。前記試料からの前記光の二つ以上の異なる特性が検出されえる。二つ以上の異なる特性を検出することは、異なる偏光を検出すること、光の異なる周波数を検出すること、信号変調の異なる周波数を検出すること、または異なる時間ゲートされた領域を検出することを含みえる。
【0024】
前記試料上で特定の物体を特徴付けるよう保持するために既知または検出された前記試料の領域に光学データの収集が自動的に制限されえる。自動的に光学データの収集を制限することは、前記集光された光の強度がある調節可能なスレッショルド値より上であり、前記光学データが少なくとも一つの追加の基準を満たす時にだけ光学データを記録することを含みえる。
【0025】
自動的に光学データの収集を制限することは、前記光源からの前記ビームが前記試料上の対象領域にわたって走査される時にだけ光学データを記録することを含みえる。
【0026】
光ビームを走査することは、連続波レーザ、変調された連続波レーザ、パルスレーザ、モードロック高反復レートレーザ、およびQスイッチレーザのうちの一つである光源からの光ビームを走査することを含みえる。
【0027】
前記パルスレーザは、100ピコ秒から10マイクロ秒の範囲の間隔で、10〜100メガヘルツの範囲の周波数でパルスを放射するよう構成される。前記モードロックレーザは、10メガヘルツ以上である反復レートを有する。前記Qスイッチレーザは、1ヘルツから1メガヘルツの範囲の周波数においてパルス化される。走査することは、1ヘルツから2ギガヘルツの範囲の周波数で時間的に強度変調される光源からの光ビームを走査することを含む。走査することは、試料にわたって前記光ビームを走査するためにスキャニング要素によって回転される一つ以上のポリゴンミラーを含むスキャナで光ビームを走査することを含む。走査することは、前記試料にわたって前記光ビームを走査するために検流計によって動かされる一つ以上のミラーを含むスキャナで光ビームを走査することを含む。走査することは、共鳴ミラースキャナで光ビームを走査することを含む。前記一つ以上の照射光学要素は、テレセントリックレンズを含む。
【0028】
一般に、他の局面において、本発明は、試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める技術を実現および使用する、方法、およびコンピュータプログラム製造物を含む装置を提供する。一つ以上の照射光学要素を用いて第1周波数の光ビームが試料表面上で走査される。一つ以上の集光光学要素を用いて前記試料表面上の走査線から第2周波数の光が集められ、前記試料からの光の検出を、前記試料内の制限された垂直深さに関連付けられる光に制限する開口を通して前記光が集められる。集められた光は検出器に伝送される。
【0029】
一般に、他の局面において、本発明は、試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める技術を実現および使用する、方法、およびコンピュータプログラム製造物を含む装置を提供する。一つ以上の照射光学要素を用いて光ビームが試料表面上で走査される。一つ以上の集光光学要素を用いて前記試料表面上の走査線から光が集められる。光は、(i)前記試料からの光の検出を、前記試料内の第1垂直深さに関連付けられる光に制限する第1装置、および(ii)前記試料からの光の検出を、前記試料内の異なる第2垂直深さに関連付けられる光に制限する第2装置を通して集められる。第1および第2装置からの前記集められた光は一つ以上の検出器に伝送される。
【0030】
有利な実施形態は、以下の特徴の一つ以上を含みえる。
【0031】
走査のあいだ、前記集光光学要素についての前記試料の一貫した垂直位置を維持するために、前記第1および第2装置において集光された相対光強度に応答して前記集光光学要素について前記試料の前記垂直位置が自動的に調節される。前記第1装置および前記第2装置のうちの少なくとも一つは光ファイバである。前記第1装置は、光ファイバの第1ロウを備え、前記第2装置は光ファイバの第2ロウを備える。前記一つ以上の検出器は、前記第1および第2装置からの光を別個に検出するよう構成された一つ以上のマイクロチャネルプレートを備える。前記試料からの前記光の二つ以上の異なる特性が検出されえる。
【0032】
本発明の一つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の記載において述べられる。本発明の他の特徴、目的、および効果は、記載および図面から、および特許請求の範囲から明らかだろう。
【0033】
同様の参照記号はさまざまな図面において同様の要素を表す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明は、バックグラウンドノイズまたは信号に対して弁別する能力を持って、試料または物体のアレイにフォーカスされえる走査光源を用い、画像コントラストメカニズムを利用する改善された装置を提供する。本発明の装置は、どのような種類の試料データが集められるべきかに依存して、いくつかの別個のモードまたはそれらの組み合わせで動作されえる。いくつかの例示的モードの高レベル記述がまずなされ、その後に装置の部分および形状についてのより詳細な説明が続く。
【0035】
第1モードにおいて、装置からの出力信号は、蛍光光が発せられる細胞または物体における個別位置の数、信号源の相対的位置、および物体のそれぞれの位置において放射される光の色(例えば波長または波長帯)のような情報を含む。照射光学系の形状の結果、比較的大きな照射領域が作られ、これは試料容積内の領域に限られ、それによって照射のフォーカスを連続的に複数の試料または試料のアレイにわたってリアルタイムで調節しなければならない装置を用意する必要をなくす。集光系の形状は、試料が含まれ、データが集められるフォーカス容積(focal volume)に検出領域を限定する。ある実施形態においては、付随する利点を持つ複数の収集構成が用いられ、これは二つの集光レンズを持つセットアップについて以下に説明される。
【0036】
第2モードにおいて、平面偏光されたレーザビームが光学系を通して試料上に伝搬されえ、生物学的材料を偏光された光で調べることを可能にする。このモードにおいて、放射された光は、その二つの直交成分に分離され、平行および垂直成分の検出を可能にするために電気光学的変調器のようなスイッチ可能な変調器で時間的に順次に、または平行および垂直偏光フィルタを用いた複数の集光系で同時に分析されえる。励起源の偏光特性は、生物学的材料の特性の計測を可能にし、ここで放射の非等方性の性質、または偏光の緩和の時間依存性は、生物学的部分についての空間的または物理的情報を発生しえる。
【0037】
第3モードにおいて、いくつかのレーザビームは、光学系を通して試料上に伝搬されえることによって、異なる波長の光によって、または同じ波長で異なる時刻において、生物学的材料の質問を可能にする。このモードにおいて、レーザは同時に、または固定されたまたはパルス間で可変遅延を伴ってパルス化されえる。パルス間の遅延は、励起された状態において生物学的材料の特性の計測を可能にし、ここで第1レーザパルスが生物学的部分の励起を引き起こし、第2または追加のレーザパルスが励起状態においてその部分に質問を行う。レーザビームは、それらが走査のあいだ同じ試料領域上にフォーカスするよう共伝搬されえ、または代替として、それらが走査のあいだレーザビームが順次、同じ試料領域にわたって移動するようにある相対的角度において伝搬されえる。
【0038】
第4モードにおいて、単一の変調されたレーザビームが光学系を通して試料上に伝搬されえることによって、生物学的材料における蛍光の寿命のあいだの計測を可能にする。
【0039】
第5モードにおいて、一つの集光光学構成と共にいくつかの検出器が用いられえ、これは、分析のための複数の閉じ込め領域を作り、その利点は以下にさらに詳細に説明される。
【0040】
第6モードにおいて、いくつかの集光光学構成が、単一の集光光学系に対してユニークな幾何学形状で改善された閉じ込めを提供するために、またはそれぞれの集光光学系にユニークに特定されるいくつかの特性を持つ閉じ込め領域からの放射を集めるために、用いられえ、その利点は以下に説明される。
【0041】
ここで本装置は、図1〜11を参照して例示的にさらに詳細に説明される。図1に示されるように、ある実施形態において、励起光源(1)は、励起光(4)を、調べられる、マイクロアレイプレート上にある試料(2)の上に投射されるように放射する。典型的には、励起光源(1)は、励起線488、514、568および647nmを持つArまたはAr/Kr混合ガスレーザのようなレーザである。ある実施形態においては、カリフォルニア州、Mountain ViewのSpectraphysics Inc.からのCompass 315 Mレーザのような連続波(CW)レーザが励起源として用いられる。レーザ(1)および装置で用いられる特定の光学系に依存して、励起光の波長は、可視範囲内(すなわち400〜700nm)、または可視範囲外のいずれかでありえる。400nm未満の励起波長については、写真退色(photobleaching)によるもののような光化学的反応速度は、かなりの大きさになる傾向がある。ある実施形態において、レーザ(1)からの出力は変調されえ、周波数変調検出スキームを用いることによって、蛍光信号の時間依存応答についての情報を与える。他の実施形態においては、ほぼ12nsの間隔を持つ、ほぼ12psのFWHM(全幅半値)のパルスレーザが励起光源(1)として用いられる。試料(2)におけるレーザ(1)の平均電力は、典型的には1mW〜1Wの範囲にある。12nsの間隔は、蛍光寿命検出のためには便利であるが、例えば、レーザ(1)のキャビティ長を変化させることによって、必要に応じて変化されえる。両方の実施形態に共通するのは、コントラスト作成因子としての時間分解画像化の使用である。これは、蛍光顕微鏡の分野で大きく発展してきており、Marriott,Clegg,Arndt-Jovin,およびJovin,1991,Biophys.J.60:1374-1387、Verveer,Squire,およびBastiaens,2000,Biophys.J.78:2127-2137、Buehler,Dong,So,French,およびGratton,2000,Biophys.J 79:536-549、Fushimi,Dix,およびVerkman,1991,Biophys.J.57,241-254、およびBerndt,Gryczynski,およびLakowicz,1993、米国特許第5,196,709号、およびここで参照されない他の文献によって詳細に記載される。このような研究で用いられる装置および方法は、一般に二つのタイプのうちの一つとして分類されえる。すなわち、時間領域または周波数領域(Hanley, Subramaniam, Arndt-Jovin, およびJovin, 2001, Cytometry 43:248-260を参照)である。これらの装置および方法は当業者にはよく知られている。
【0042】
レーザ(1)を離れた後、励起光(4)は、一つ以上の照射光学要素を通って試料(2)に達する。照射光学要素は、電気光学変調器(8)、ビーム整形レンズ(3)、走査装置(5)、およびマルチエレメントレンズ(9)を含む。電気光学変調器(8)は、もし試料(2)上で行われるべき調査によって要求されるなら、励起光(4)を偏光変調するために用いられえる。ビーム整形レンズ(3)は、走査レンズの入力開口を整合させ、試料(2)において所望の照射領域サイズを提供するためにレーザビームを拡張する。走査装置(5)は、ビームがマルチエレメントレンズ(9)によってフォーカスされた後に、試料(2)上でラインスキャンにおいて拡張されたレーザビームを前後に移動させる。走査装置(5)は、以下にさらに詳細に説明されるが、検流計によって駆動されるミラーのような、光学要素に結合された電気機械的装置でありえる。以下にさらに詳細に説明されるある実施形態において、走査装置(5)は、試料(2)にわたってレーザビームを走査させるために複数の反射表面を持つポリゴンを用いる。マルチエレメントレンズ(9)は、レーザ光をレーザ(1)の動作波長においてフォーカスさせるよう設計される。マルチエレメントレンズ(9)は例えば、その動作波長のために設計された顕微鏡対物レンズ、またはテレセントリックレンズのような、例えば長い動作距離および低い第1次および第2次収差を持ち、それによって広い範囲の位置にわたって(走査ラインのような)同じスポットサイズおよび形状を作る、フラットなフォーカス面を達成するために適切なパラメータを有する特別に設計された走査レンズでありえる。テレセントリックレンズは、広い視野をカバーするために特に有用である。
【0043】
マルチエレメントレンズ(9)を通った後、ビーム(10)は、画像化されるべき試料(2)の領域上にフォーカスされる。フォーカス領域は、例えば、マイクロアレイプレートの基台上に位置付けられる。試料(2)は、マイクロアレイプレートのマイクロウェルの底部に付着された細胞のような、蛍光によって精査されるべき物体でありえる。
【0044】
試料(2)によって放射された蛍光光は、一つ以上の集光光学要素(19)によって集光される。以下に説明されるように、マイクロアレイプレートのような大きなアレイの走査を可能にする集光光学要素(19)を構成するためにはいくつかのやり方がある。ある実施形態においては、集光光学要素(19)は、試料アレイの基台(11)の1次元にわたってビーム(10)のスイープの全範囲をキャプチャするよう設計されたロッドレンズである。集光光学要素(19)は、放射から要求される特定の情報によって決定されるように、他のタイプのレンズ、またはレンズの集合体も含みえる。ある実施形態においては、集光光学要素(19)の複数のセットアップが集光効率を改善するために用いられえる。
【0045】
集光光学要素(19)によって集光された光は、集光光学要素(19)から便利な距離に位置する検出器(21)に伝送される。蛍光光の伝搬は、例えば光ファイバまたは光ファイバの束によって達成されえる。ある実施形態において、検出器(21)は、電気的出力信号を作る光増倍管のような高利得の検出器である。電気出力信号は、さらにデータアクイジションシステム(データ収集部)(14)によって処理され、これは信号強調、平均化、または集積化検出システムを使用することによって、利得および信号対雑音比(S/N比)の最適化のような動作を実行する。
【0046】
図2は、本発明による装置の第1実施形態の走査部分の側面正面図を示す。図4は、この装置の同じ実施形態の走査部分の等角投影図を示す。図2および4に示される実施形態において、走査装置(5)は、検流計によって駆動されるミラー(6)である。検流計を用いてミラー(6)を前後に動かすことによって、レーザ(1)からの励起光(10)は、試料(2)にわたってスイープされえる。図3、5Aおよび5Bは、本発明による装置の第2実施形態の同様の図を示し、ここで走査装置(5)は、代わりに、複数の反射表面を持つポリゴンである。この実施形態においては、レーザビーム(10)は、ポリゴン(7)を回転させることによって試料(2)の領域上をスイープされる。さらに他の実施形態においては、走査装置(5)は、ミラーを前後に動かす電磁石を持つトーションバー上にマウントされたミラーのような共鳴走査装置である。全ての実施形態において、試料(2)にわたってのビーム速度は、それぞれ、ポリゴン(7)の回転速度または検流計のスイープ速度および共鳴走査装置の結果である。異なる構成のそれぞれは、異なる利点および欠点を有する。例えば、検流計はポリゴンミラーよりは高価ではないが、より小さな角度でより低い周波数でしか動作せず、これはより低い走査速度を生む。共鳴走査装置は、検流計および回転するミラーの両方よりも安く、大きな角度で動作するが、所定の周波数でしか動作しない。試料(2)のフォーカス面におけるビーム運動は、典型的には1〜10mm/msであるが、ミラー(6)のスイープ速度、またはポリゴン(7)の回転速度に依存して10〜1000mm/msほど速くてもよい。ポリゴン(7)は典型的には0.5kHzから20kHzの回転速度で回転される。
【0047】
レーザ光(4)を受け取るマルチエレメントレンズ(9)は、レーザ(1)の動作波長においてレーザ光をフォーカスさせるよう設計される。マルチエレメントレンズ(9)は、レーザ光(4)をマルチエレメントレンズ(9)の回折限界に近いところでフォーカスさせ、これは典型的には5〜20ミクロンの範囲にあるが、1〜200ミクロン程度に小さくても大きくてもよい。試料または試料アレイ(2)は、フォーカスされたビームを試料(2)の基台(11)において、またはちょうどその上で受け取るよう構成される。試料アレイ(2)にわたっての走査線の長さは変えられてもよく、典型的には5mm〜100mmの範囲にある。ある実施形態においては、走査光(10)は、例えば96ウェルプレートを5ミクロンの解像度において1分未満で識別しえる。
【0048】
図2〜5に見られるように、検出器(13)上への入射光(10)の一部をインターセプトし反射するために、ミラーのような光学要素(12)が走査レンズおよび試料の間のほぼ中間に提供される。典型的には、反射器(12)は、走査レンズから約1〜2cmに位置する。検出器(13)は、以下に詳細に説明されるように、データアクイジションシステム(14)をトリガするために、走査の開始の位置を検出するために用いられる。検出器(13)は、例えば、反射器(12)から反射された入射光(10)を検出し、データアクイジションシステム(14)に電気信号を提供できる、フォトダイオードまたは等価な要素でありえる。走査の終了を検出し、それによって双方向走査を可能にするために、第2ミラーおよび検出器が走査線の反対側に配置されえる。
【0049】
図7は、試料(2)の拡大図、どのように入射光(10)が試料(2)を照らすか、および蛍光光が図1の装置の単一の検出器の実施形態において集光されるソース領域(17)を示す。試料(2)は、レーザ光(10)がアレイ中に含まれる試料を通して伝送されることを可能にする一連の光学要素群(16)を持つ基台(11)上に位置する。このアレイは、例えば、溶液を持つウェルまたはウェルの底に付着する試料を含むマイクロアレイプレートでありえる。フォーカス面の位置は、光学要素(16)の内側に近く、最高の光束を定義し、それによって最高放射光源の領域を定義する。この領域の容積サイズは、マルチエレメントレンズ(9)の構成および基台(11)の上に位置する識別される試料(2)の深さに依存する。実際に蛍光信号を生むソース領域(17)の定義された容積は、加えて、これから説明されるように、集光光学要素(19)の構成に依存する。
【0050】
図7に見られるように、集光光学要素(19)の幾何学形状は、集光領域が検出器(21)の視野の領域に限定されるようになっている。図7に示されるように蛍光信号強度は、励起源のフォーカス領域およびこの領域の内側の検出器(21)の画像の交差によって形成されるソース領域(17)に限定される。このソース領域は、試料の制限された垂直深さ内に、すなわち試料(2)が位置する基台(11)の上の限定された距離範囲において位置する。集光パス(18)が入射光(10)と角度をなすように集光光学要素(19)を構成することから多くの利点が生まれる。他の利点は、ウェル(2)の表面開口(16)の位置において逸脱しない光学的にフラットなマイクロアレイの必要がなくなることである。集光領域は、システムのフォーカス面の外にならないように、固定されるか、または集光光学要素(19)の構成によって限定される。さらに他の利点は、試料ウェルにおけるバックグラウンド蛍光からの信号弁別が、蛍光信号を除去またはフィルタリングすることなく、平行集光システムによって得られるものよりもずっと高いことである。
【0051】
ソース領域(17)からの放射された蛍光は、集光パス(18)に沿って集光光学要素(19)に伝送される。図7に示されるように、集光パス(18)は、試料ウェルの基台(11)中の光学要素(16)を通って延びえる。例えば図1に示されるように、代替の実施形態において、集光パスは、試料アレイ中ウェルを通って試料アレイの反対側の位置まで延びえる。両方の実施形態において、集光光学要素(19)は、上述のように、ソース領域から放射された光を集光しフォーカスさせるよう構成される。
【0052】
マイクロアレイプレートのような大きなアレイの走査を可能にする集光光学要素(19)を構成するいくつかのやり方が存在する。ある幾何学形状が図4、5Aおよび5Bに示される。この実施形態において、集光光学要素(19)は、ロッドレンズであり、試料アレイの基台の1次元にわたってビーム(10)のスイープの全範囲をキャプチャするよう設計される。集光光学要素(19)は、蛍光放射から要求される特定の情報によって決定される、他のタイプのレンズまたはレンズ組み合わせを含みえる。図4、5Aおよび5Bに示される単一の集光レンズ(19)による光コリメーションの結果、アレイセルまたはマイクロアレイプレート上の位置から放射された全ての光は、高効率で画像化および集光されえる。
【0053】
図8に見られるように、集光光学要素(19)の他の実施形態は、光学伝送フィルタ(23)およびスリット開口(26)を含む。ロッドレンズ(19)によって集光された蛍光光を検出器(21)に伝える前に、光は、蛍光放射を透過するよう設計された伝送フィルタ(23)によって適切にフィルタリングされる。代替として、検出器(21)によって検出されるべきレーザ光の量を最小化するためにいくつかのフィルタが選ばれえる。光学フィルタ(23)は、ソース領域(17)によって放射される光のスペクトラム領域内の情報の収集を最適化するために選ばれる。例えば、ある実施形態においては、レーザ光は、波長が400および500nmの間であり、放射された蛍光は500nmより上の領域にあり、光フィルタ(23)はロッドレンズ(19)の後ろに位置する500nmのローパスフィルタである。入射光および放射された光の波長、および選ばれたフィルタに依存して、多くの他の構成が当業者によって想定されえる。
【0054】
スリット開口(26)の開口部は、検出器(21)または検出器(21)に結合された光ファイバ(20)への入り口のすぐ前に位置する。図8に見られるように、ソース領域(17)の中心から放射される光は、ロッドレンズ(19)によって集光され、スリット開口(26)の中心を通って伝わる。一方、ソース領域(17)のエッジからのような、試料の異なる深さにおける領域から放射される光は、ロッドレンズ(19)によってスリット開口(26)の開口部の外で像が結ばれ、よって集められない。フォーカス領域をさらに限定することの利点は、領域の外のバックグラウンド蛍光の更なる弁別と共に、改善された空間解像度が生じることである。ある実施形態において、250ミクロンの開口サイズは、ほぼ400ミクロンの検出領域を生む。当業者なら解るように、光学伝送フィルタ(23)またはスリット開口(26)のいずれかだけが存在し、両方は存在しない組み合わせも可能である。
【0055】
図9に示される他の実施形態においては、二つ以上の集光光学構成(19a、19b)が提供される。図9に示されるように集光レンズ(19a、19b)のステレオ構成で、二つのレンズについてのフォーカス視野(focal field)は、図8について上で示され説明された一つのレンズおよびフォーカシングソースによって発生される単一の視野に対して、改善された限定(confinement)を有しえる。改善は、レンズ(19a、19b)の主対物面に対応するそれぞれの集光光学構成(19a、19b)についてのフォーカス面の交点(22)によって図9において概略的に表される。
【0056】
二つのセットの集光光学系(19a、19b)を持つ図9のセットアップは、偏光された励起源からの放射の直交成分の同時集光のためにも用いられえる。第1偏光フィルタ(23a)は、第1偏光の光だけを第1検出器(21a)に伝えるよう用いられえ、第2偏光フィルタ(23b)は、第2の直交偏光の光だけを第2検出器(21b)に伝えるよう用いられえる。この構成において集められた信号の相関、検出システムにおける検出、および記憶された信号の後の操作は、単一の検出器では入手できない情報を生み、信号に付随する改善も持つ。この装置から導かれる情報は、定常状態の非等方性である。さらに、寿命の能力で、蛍光の非等方性の時間依存の振る舞いの相関を計測しえる。放出信号の時間分解非等方性は、生体分子およびその環境についての動的および/または構造的情報を与えうる。集光された光が光ファイバに入る前に任意の偏光フィルタリングが実行されることが重要であるが、これは光ファイバは偏光情報を歪ませ、光ファイバから出力される光は反対端において光ファイバに入力された光と同一の偏光成分を有しないからである。
【0057】
上述のように、検出器(21)は、光増倍管(PMT)のような高利得を持つ検出器でありえる。検出器の他の例は、フォトダイオード、さまざまなタイプの電荷結合素子(CCD)、またはマイクロチャネルプレートである。検出器(21)は、物理的に集光光学要素(19)と近接して配置される必要はなく、光は集光光学要素(19)から検出器(21)へファイバアレイ(20)を通して伝送されえる。図10に示されるように、ある実施形態においては、集光光学要素(19)からの信号を集めるために、互いに近接した複数の検出器(21a〜21c)が構成される。この場合、個別の検出器(21a〜21c)はそれぞれそれ自身の限定された視野を有し、一つの検出器についての上述のように限定されたフォーカス領域に関連付けられる付随する利点を持つ。単一の検出器の場合と同様に、複数の検出器(21a〜21c)は、物理的に集光光学要素(19)と近接して配置される必要はなく、光は集光光学要素(19)から検出器(21a〜21c)のそれぞれへファイバアレイ(20)、またはそれぞれの検出器についてのリレーレンズ系を通して伝送されえる。このマルチ検出器構成は、ソース領域(17)内の異なる深さにおけるような複数の位置において同時に信号を検出できる能力、およびこれら信号を試料(2)内の空間的な位置に割り当てる能力のような、さらなる利点を有する。代替として、マルチ検出器(21a〜21c)は、光ファイバ(図10では不図示)と共に構成されえ、異なる空間的領域からの蛍光放射を集めるために用いられえる。さらに他の実施形態においては、マルチ検出器(21a〜21c)は、上述のように直交偏光信号を検出し、蛍光信号の非等方性の同時検出を可能にするよう構成されえる。
【0058】
検出器(21a〜21c)は、図11に見られるように、記録された信号に基づいて試料位置を補正するためにも用いられえる。例えば、信号のほとんどが中間検出器(21b)によって受け取られるように試料(2)が集光光学系にアラインされることを維持することが望ましいと仮定する。それぞれの検出器(21a〜21c)が異なる深さに関連付けられているので、中間検出器(21b)は、外側の検出器(21a、21c)よりも高い信号を有しているはずである。図11に見られるように、時刻t0においては、中間検出器(21b)だけが信号を出力する一方、外側の検出器(21a、21c)は何も信号を拾わない。時刻t1において、外側の検出器(21a)のうちの一つだけが信号を拾うように試料(2)の物理的位置がずれる。これは、試料(2)の位置が調節されなければならないことを示し、よって装置は、時刻t2において見られるように中間検出器(21b)が信号を拾うまで試料(2)を動かす。時刻t3において、試料(2)は再び動くが、今度は反対の方向であり、他の外側検出器(21c)だけが信号を拾う。これは、試料(2)が反対の方向に調節されなければならないことを示し、その結果、装置は、時刻t4において見られるように中間検出器(21b)が再び信号を拾うまで試料(2)を動かす。この技術は、検出器の構成に依存して、垂直な方向においてだけでなく水平方向にも試料(2)を動かすために用いられえる。もし三つの直交する方向においてのように複数の検出器構成が用いられるなら、全ての空間的方向において試料の位置付けに対して完全な制御が達成されえる。水平平面内での動きは、2度の自由度で起こるので、好ましくは水平平面内で互いに直角に方向付けられた2セットの検出器を有することが必要である。この検出器構成で、試料の水平平行移動は、一つまたは両方の検出器のセットにおける大きくなった信号を生み、この移動はあいまいさなしに特定されえる。
【0059】
図1に見られるように、本装置は、装置で実行されえる精査のさまざまなタイプのために適切な制御能力を提供するために、装置の上述の光学的および機械的要素と共に働くデータアクイジションシステム(14)、データ処理および記憶システム(24)、およびコントローラ(15)のようなロジックも含む。検出器(21)からの信号は、データアクイジションシステム(14)によって強調され、それからデータ処理および記憶システム(24)に記憶される。データ処理および記憶システム(24)は、高速A/Dコンバータを含み、またはデータアクイジションシステム(14)からのディジタル情報を直接に受け入れる。データ処理および記憶システム(24)は、例えば、ディジタルストレージオシロスコープ、または検出されたまたは強調された放射信号を集めて記憶するソフトウェアにエンコードされた命令を持つコンピュータでありえる。
【0060】
信号は、時間軸におけるトリガイベントを用いてラベルが付けられえ、かつマイクロアレイのウェル内の蛍光物体の空間位置で、またはマイクロアレイプレート中のウェルのマクロな位置で同じ位置に配置されえる。データ処理および記憶システム(24)中のソフトウェアロジックは、総強度、平均強度、ピーク強度、サイズ、ガウシアンまたは他の波形あてはめ、または当業者に有用と思われる他の特性のような、一つ以上の物体特性を放射信号から導く命令を含みえる。このトリガ信号は、遅延、ブランキング信号、デューティサイクルを構成し、または例えばボックスカーアベレージャーのトリガ回路がアクティベートされえる手段を提供するために必要とされるように、コントローラ(15)によって変更されえる。走査の開始および終了における二つのトリガイベントは、総走査時間を計測し、走査ジッタを補正するために用いられえる。これは、双方向走査も可能にする。ここで説明されないが、当業者に有用な、このデータ処理および記憶システム(24)を用いるための多くの組み合わせが存在する。
【0061】
効率的なデータ記憶のためには、マルチチャネル画像の大きなサイズのために、 データ処理および記憶システム(24)は、細胞のような試料(2)の関連する部分が照射されるときだけデータが収集され保存されるようにセットアップされえる。ある実施形態においては、これは、データ処理および記憶システム(24)においてスレッショルド値を設定し、集光された蛍光光の強度が一定の期間だけスレッショルドを超えるときだけ、または他の何らかの所定の基準が満たされるときにはいつでも、データを保存することによって達成される。他の実施形態において、データ処理および記憶システム(24)は、照射ビーム(10)がウェルまたはマイクロアレイの位置を照射するときのような、ある期間のあいだだけデータを保存する。よって、データを保存するときを決定するために強度値を用いる代わりに、スキャナ(5)およびマルチエレメントレンズ(9)によって決定される、与えられた時刻におけるレーザビーム(10)の位置に基づいてデータは保存される。
【0062】
ある実施形態において、本装置は、走査領域の同じ空間的位置上でレーザ光を変調し、その後、走査された領域内での試料の時間依存応答を決定するために検出器(21)によって計測された蛍光信号を分析する結果、連続的なレーザパルスの計測を可能にする。この応答は、分子相互作用、タンパク質‐タンパク質相互作用、結合動力学、薬物/ターゲット相互作用、細胞アポプトシスなどのような一つ以上の特性を含みえる。励起パルスのような時間依存摂動に対するタイミングおよび応答は、本発明の重要な局面を形成する。信号タイミングまたは放射寿命のような、入射レーザパルスについての放射イベントに関連付けられるタイミングは、上述の構成によってキャプチャされる。自然または人工材料の検出は、当業者には明らかなように化学的または生物学的活動に関する情報を生み、誘導された、または人工の蛍光の検出も上述されたような情報を生む。
【0063】
他の実施形態において、検出器(21)は、放射光と共に、光の偏光のような入射光に記憶された情報も集めるように構成されえる。この実施形態においては、光源(1)は偏光され、入射偏光が決定され、試料(2)によって放射される蛍光応答は、その偏光成分、または非等方性について分析される。入射光および/または蛍光光の偏光は、例えば電気光学装置(8)によって変調されえる。偏光された信号の変調のタイミングは、走査のタイミングについてコントローラ(15)によって制御されることによって、直交偏光での連続的走査が実行されえ、蛍光偏光から動的情報が抽出されえる。さらに、入射光の強度は、試料から時間依存性情報を集めるために変調されえる。材料中の蛍光偏光および時間依存性を検出することは、当業者には明らかなように、物理的、化学的または生物学的活動に関する情報を生み、誘導されたまたは人工の蛍光偏光の検出は、例えば蛍光偏光免疫検定、または上述された他のもののような情報も生む。
【0064】
ある実施形態において、図6に示されるように、試料(2)は、試料(2)を配置するのに用いられえる移動可能なプラットフォーム(25)上に置かれえる。例えば、プラットフォームは、96サンプルウェルを含むマイクロアレイプレート、または非常に大きなアレイの試験および試料に対応するための3456ウェルプレートを扱いえる。光(10)のラスタスキャン、またはフォーカスされたラインが試料(2)に提供され、並行したやり方でアレイが対応されえるように放射が集光光学要素(19)によって集められる。本発明の並行処理可能な性質は、非常に高いスループットの走査およびデータ収集を可能にし、これは例えば、上述の生物材料に対する化学物質の治療効果の精査およびスクリーニングのために有用である。
【0065】
プラットフォーム(25)は、プラットフォーム(25)の動きが試料(2)の高解像度画像を生むように、マルチエレメントレンズ(9)の光学解像度より小さくまたはそのオーダーで精密に移動するよう構成されえる。例えば、走査されたビーム(10)は、1次元で試料(2)にわたってスイープされ、試料アレイは、プラットフォーム(25)によってスイープとは直角な方向に動かされ、それによってビームが一つ以上の完全な可動域を作り、一つ以上の完全なスイープから導かれた検出器(21)からの放射信号が集められ、データアクイジションシステム(14)およびデータ処理および記憶システム(24)によって加算または操作されるよう、動きはタイミング付けられる。この実施形態において、プラットフォーム(25)の動きは、試料(2)の2次元画像が、データ処理および記憶システム(24)においてエンコードされた命令を用いて再構築されえるように、走査(10)の動きに直角である。
【0066】
他の実施形態において、ソース領域(17)におけるマルチエレメントレンズ(9)のフォーカス位置は、走査(10)およびプラットフォーム(25)の動きによって定義される平面に直角な方向において空間的情報を提供しえ、再構築された3次元画像を生む。
【0067】
他の実施形態において、データアクイジションシステム(14)およびデータ処理および記憶システム(24)によって再構築された時間領域情報は、画像空間位置を構築するために用いられえ、これは光のプローブの結果起こるイベントのような、試料アレイ中での物体の情報を生む。代替として、情報は、例えば、細胞または細胞以下のレベルにおける光誘導ではない薬物または応答から生じえる。
【0068】
本発明の多くの実施形態が説明されてきた。しかしさまざまな変更が本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされえることが理解されよう。例えば、本装置は、試料にわたって光源(1)からのビーム(4)を移動させるために走査装置(5)を用いる代わりに、試料(2)だけを動かすことによって走査機能を実行しえる。本発明は、蛍光光について説明されてきたが、同じ原理は、ある種の試料の調査に有用でありえる燐光の収集にも適用されえる。本発明は、化学発光および共鳴エネルギー伝達の計測を実行するのにも用いられえる。したがって、他の実施形態は以下の特許請求の範囲の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1実施形態による光学データを集める装置の概略図である。
【図2】図1に示される装置のスキャナ部分の第1実施形態の側面正面図である。
【図3】図1に示される装置のスキャナ部分の第2実施形態の側面正面図である。
【図4】図2に示されるスキャナ部分の等角投影図である。
【図5A】図3に示されるスキャナ部分の等角投影図である。
【図5B】試料アレイの代替の実施形態による本発明による光学データを集める装置の等角投影図である。
【図6】本発明による光学データを集める装置の検出光学系および電子システムのより詳細な概略図である。
【図7】図1の装置の単一の検出器構成の限定された領域を示す概略図である。
【図8】図7の単一の検出器構成の限定された視野のより詳細な図を示す概略図である。
【図9】複数の検出器を持つ図1の装置のステレオ構成における限定された視野を示す概略図である。
【図10】図1の装置の検出器のアレイの複数の限定された視野を示す概略図である。
【図11】図1の装置のマルチ検出器構成における三つの個別の検出器からの時間の関数としての出力信号を示す概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める装置であって、
光源、
光ビームを前記光源から前記試料上に導く一つ以上の照射光学要素、
前記光ビームを前記試料にわたって走査するスキャナ、
前記試料からの光を集め、前記集められた光を検出器に伝送する一つ以上の集光光学要素であって、前記一つ以上の集光光学要素のいずれも前記一つ以上の照射光学要素の中に含まれない、一つ以上の集光光学要素、および
前記試料からの光の検出を、前記試料内の制限された垂直深さに関連付けられる光に制限する開口を形成する装置であって、前記装置は前記集光光学要素のうちの一つである、開口を形成する装置
を備える装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記開口を形成する前記装置はスリット開口である装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、前記開口を形成する前記装置は光学ファイバの束である装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、前記光学ファイバの束中の異なる光ファイバに入る光は、前記試料内の異なる垂直深さにおける光に対応する装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置であって、前記集光光学要素は、実質的に均一な効率で前記試料上での走査線から光を集める装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であって、前記集光光学要素は、円筒レンズおよび球面レンズのうちの一つを含む装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、前記試料から前記光を集めるパスについて互いにオフセットされた二つ以上の検出器をさらに備え、前記二つ以上の検出器のそれぞれは、前記試料内の異なる垂直深さから放射される光をキャプチャするように配置される装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、前記二つ以上の検出器において検出された光強度に応答して前記集光光学要素について前記試料の位置を調節することによって、前記試料上の位置から位置へと実質的に均一な垂直深さを維持するロジックをさらに備える装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、前記検出器は、光増倍管検出器、フォトダイオードデバイス、電荷結合素子、およびマイクロチャネルプレートのうちの少なくとも一つを含む装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置であって、前記試料の同じ領域からの光を受け取り、前記試料の二つ以上の異なる特性を検出する二つ以上の検出器をさらに備える装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置であって、前記二つ以上の異なる特性は、前記光の異なる偏光、前記光の異なる周波数、および異なる寿命を含む装置。
【請求項12】
請求項10に記載の装置であって、前記二つ以上の検出器から得られた信号間の相関を調べることによって、物体を特定し、バックグラウンドノイズを除去するロジックをさらに備える装置。
【請求項13】
請求項1に記載の装置であって、前記試料上で特定の物体を特徴付けるよう保持するために既知または検出された前記試料の領域に光学データの収集を制限するロジックをさらに備え、前記ロジックは、前記検出器に動作可能に接続されたプロセッサによって読み出しおよび実行されえるコンピュータソフトウェアまたはコンピュータハードウェア命令で実現される装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置であって、前記光学データの収集を制限するロジックは、前記集光された光の強度がある調節可能なスレッショルド値より上である時にだけ光学データを記録することによって収集を制限する装置。
【請求項15】
請求項13に記載の装置であって、前記光学データの収集を制限するロジックは、前記光源からの前記ビームが前記試料上の対象領域にわたって走査される時にだけ光学データを記録することによって収集を制限する装置。
【請求項16】
請求項1に記載の装置であって、前記光源は、連続波レーザ、パルスレーザ、モードロック高反復レートレーザ、およびQスイッチレーザのうちの一つである装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置であって、前記連続波レーザは、ダイオードレーザ、ダイオードポンプソリッドステートレーザ、ガスレーザ、およびチューニング可能なソリッドステートレーザシステムのうちの一つである装置。
【請求項18】
請求項16に記載の装置であって、前記連続波レーザは、1キロヘルツから2ギガヘルツの範囲の周波数において変調される装置。
【請求項19】
請求項16に記載の装置であって、前記パルスレーザは、10ナノ秒から1秒の範囲の間隔で1ヘルツから100メガヘルツの範囲の周波数においてパルスを放射するよう構成される装置。
【請求項20】
請求項16に記載の装置であって、前記モードロックレーザは、10メガヘルツ以上である反復レートを有する装置。
【請求項21】
請求項16に記載の装置であって、前記Qスイッチレーザは、1ヘルツから1メガヘルツの範囲の周波数においてパルス化される装置。
【請求項22】
請求項1に記載の装置であって、前記光源から放射される前記光ビームは、1ヘルツから2ギガヘルツの範囲の周波数で時間的に強度変調される装置。
【請求項23】
請求項1に記載の装置であって、前記スキャナは、前記試料にわたって前記光ビームを走査するためにスキャニング要素によって回転される一つ以上のポリゴンミラーを含む装置。
【請求項24】
請求項1に記載の装置であって、前記スキャナは、前記試料にわたって前記光ビームを走査するために検流計によって動かされる一つ以上のミラーを含む装置。
【請求項25】
請求項1に記載の装置であって、前記スキャナは、共鳴ミラースキャナである装置。
【請求項26】
請求項1に記載の装置であって、前記一つ以上の照射光学要素は、テレセントリックレンズを含む装置。
【請求項27】
試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める装置であって、
光源、
光ビームを第1周波数の前記光源から前記試料上に導く一つ以上の照射光学要素、
前記光ビームを前記試料にわたって走査するスキャナ、および
前記試料からの第2周波数の光を集め、前記光を検出器に伝送する一つ以上の集光光学要素であって、前記一つ以上の集光光学要素のいずれも前記一つ以上の照射光学要素の中に含まれず、前記第1および第2周波数は異なる、一つ以上の集光光学要素
を備える装置。
【請求項28】
請求項27に記載の装置であって、前記集光光学要素は、前記第2周波数を決定するバンドパスフィルタおよびカットオフフィルタのうちの一つ以上を含む装置。
【請求項29】
請求項27に記載の装置であって、前記試料から前記光を集めるパスについて互いにオフセットされた二つ以上の検出器をさらに備え、前記二つ以上の検出器のそれぞれは、前記試料内の異なる垂直深さから放射される光をキャプチャするように配置される装置。
【請求項30】
請求項29に記載の装置であって、前記二つ以上の検出器において検出された光強度に応答して前記集光光学要素について前記試料の位置を調節することによって、前記試料上の位置から位置へと実質的に均一な垂直深さを維持するロジックをさらに備える装置。
【請求項31】
請求項27に記載の装置であって、前記試料の同じ領域からの光を受け取り、前記試料の二つ以上の異なる特性を検出する二つ以上の検出器をさらに備える装置。
【請求項32】
請求項31に記載の装置であって、前記二つ以上の異なる特性は、前記光の異なる偏光、前記光の異なる周波数、および異なる寿命を含む装置。
【請求項33】
請求項27に記載の装置であって、前記試料上で特定の物体を特徴付けるよう保持するために既知または検出された前記試料の領域に光学データの収集を制限するロジックをさらに備え、前記ロジックは、前記検出器に動作可能に接続されたプロセッサによって読み出しおよび実行されえるコンピュータソフトウェアまたはコンピュータハードウェア命令で実現される装置。
【請求項34】
請求項27に記載の装置であって、前記光学データの収集を制限するロジックは、前記集光された光の強度がある調節可能なスレッショルド値より上である時にだけ光学データを記録することによって収集を制限する装置。
【請求項35】
請求項27に記載の装置であって、前記光学データの収集を制限するロジックは、前記光源からの前記ビームが前記試料上の対象領域にわたって走査される時にだけ光学データを記録することによって収集を制限する装置。
【請求項36】
請求項27に記載の装置であって、前記一つ以上の集光光学要素は、前記試料からの光の検出を前記試料内のフォーカスの制限された深さに関連付けられる光に制限する開口を形成する装置を含む装置。
【請求項37】
請求項27に記載の装置であって、前記開口を形成する前記装置はスリット開口である装置。
【請求項38】
請求項27に記載の装置であって、前記開口を形成する前記装置は光学ファイバの束である装置。
【請求項39】
請求項38に記載の装置であって、前記光学ファイバの束中の異なる光ファイバに入る光は、前記試料内の異なる垂直深さにおける光に対応する装置。
【請求項40】
請求項27に記載の装置であって、前記一つ以上の照射光学要素は、テレセントリックレンズを含む装置。
【請求項41】
試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める装置であって、
光源、
光ビームを前記光源から前記試料上に導く一つ以上の照射光学要素、
前記光ビームを前記試料にわたって走査するスキャナ、
前記試料からの光を集め、前記集められた光を検出器に伝送する一つ以上の集光光学要素、および
前記試料からの光の検出を、前記試料内の第1垂直深さに関連付けられる光に制限する第1装置、
前記試料からの光の検出を、前記試料内の異なる第2垂直深さに関連付けられる光に制限する第2装置
を備え、
前記第1および第2装置は、集光光学要素である
る装置。
【請求項42】
請求項41に記載の装置であって、走査のあいだ、前記集光光学要素についての前記試料の一貫した垂直位置を維持するために、前記第1および第2装置において集光された相対光強度に応答して前記集光光学要素について前記試料の前記垂直位置を自動的に調節するロジックをさらに備える装置。
【請求項43】
請求項41に記載の装置であって、前記第1装置および前記第2装置のうちの少なくとも一つは光ファイバである装置。
【請求項44】
請求項43に記載の装置であって、前記第1装置は、光ファイバの第1ロウを備え、前記第2装置は光ファイバの第2ロウを備える装置。
【請求項45】
請求項41に記載の装置であって、前記一つ以上の検出器は、前記第1および第2装置からの光を別個に検出するよう構成された一つ以上のマイクロチャネルプレートを備える装置。
【請求項46】
請求項41に記載の装置であって、前記一つ以上の検出器は、光増倍管検出器、フォトダイオードデバイス、マイクロチャネルプレート、および電荷結合素子のうちの少なくとも一つを含む装置。
【請求項47】
請求項41に記載の装置であって、前記試料からの光を受け取り、前記試料からの前記光の二つ以上の異なる特性を検出する二つ以上の検出器をさらに備える装置。
【請求項48】
請求項41に記載の装置であって、前記光源からの前記光ビームは、第1波長を有する単色であり、前記集光光学系および前記一つ以上の検出器のうちの一つ以上は、前記第1波長とは異なる第2波長において光を集光するようチューニングされている装置。
【請求項49】
請求項41に記載の装置であって、前記試料からの検出を、前記試料内の異なる第3垂直深さに関連付けられる光に制限する第3装置をさらに備える装置。
【請求項50】
試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める方法であって、
一つ以上の照射光学要素を用いて第1周波数の光ビームを試料表面上で走査すること、
一つ以上の集光光学要素を用いて前記試料表面上の走査線から第2周波数の光を集めることであって、前記一つ以上の集光光学要素のいずれも前記一つ以上の照射光学要素の中に含まれない、第2周波数の光を集めること、および
集められた光を検出器に伝送すること
を含む方法。
【請求項51】
請求項50に記載の方法であって、前記第1周波数は、前記第2周波数と同一である方法。
【請求項52】
請求項50に記載の方法であって、光を集めることは、
前記試料からの光の検出を、前記試料内の制限された垂直深さに関連付けられる光に制限する開口を形成する装置を通して光を集めることを含み、前記装置は前記集光光学要素のうちの一つである
方法。
【請求項53】
請求項52に記載の方法であって、光を集めることは、
前記試料からの光の検出を、前記試料内の制限された垂直深さに関連付けられる光に制限するスリット開口を通して光を集めること
を含む方法。
【請求項54】
請求項52に記載の方法であって、光を集めることは、
光ファイバの束を用いて光を集めること
を含む方法。
【請求項55】
請求項54に記載の方法であって、前記光学ファイバの束中の異なる光ファイバに入る光は、前記試料内の異なる垂直深さにおける光に対応する方法。
【請求項56】
請求項50に記載の方法であって、光を集めることは、
前記一つ以上の光学要素を用いて実質的に均一な効率で前記試料上での走査線から光を集めること
を含む方法。
【請求項57】
請求項56に記載の方法であって、光を集めることは、
円筒レンズおよび球面レンズのうちの少なくとも一つを用いて光を集めること
を含む方法。
【請求項58】
請求項50に記載の方法であって、前記集められた光を伝送することは、
前記試料からの前記集められた光を、前記試料から前記光を集めるパスについて互いにオフセットされた二つ以上の検出器に導くことを含み、前記二つ以上の検出器のそれぞれは、前記試料内の異なる垂直深さから放射される光をキャプチャするように配置される方法。
【請求項59】
請求項58に記載の方法であって、
前記二つ以上の検出器において検出された光強度に応答して前記集光光学要素について前記試料の位置を調節することによって、前記試料上の位置から位置へと実質的に均一な垂直深さを維持することをさらに含む方法。
【請求項60】
請求項50に記載の方法であって、前記検出器は、光増倍管検出器、フォトダイオードデバイス、マイクロチャネルプレート、および電荷結合素子のうちの少なくとも一つを含む方法。
【請求項61】
請求項50に記載の方法であって、前記集められた光を伝送することは、
前記試料から前記集められた光を二つ以上の検出器に導くことを含み、
前記試料からの前記光の二つ以上の異なる特性を検出することをさらに含む方法。
【請求項62】
請求項61に記載の方法であって、前記二つ以上の異なる特性を検出することは、
異なる偏光を検出すること、光の異なる周波数を検出すること、信号変調の異なる周波数を検出すること、または異なる時間ゲートされた領域を検出すること
を含む方法。
【請求項63】
請求項50に記載の方法であって、
前記試料上で特定の物体を特徴付けるよう保持するために既知または検出された前記試料の領域に光学データの収集を自動的に制限すること
をさらに含む方法。
【請求項64】
請求項63に記載の方法であって、自動的に光学データの収集を制限することは、
前記集光された光の強度がある調節可能なスレッショルド値より上であり、前記光学データが少なくとも一つの追加の基準を満たす時にだけ光学データを記録すること
を含む方法。
【請求項65】
請求項63に記載の方法であって、自動的に光学データの収集を制限することは、
前記光源からの前記ビームが前記試料上の対象領域にわたって走査される時にだけ光学データを記録すること
を含む方法。
【請求項66】
請求項50に記載の方法であって、光ビームを走査することは、
連続波レーザ、変調された連続波レーザ、パルスレーザ、モードロック高反復レートレーザ、およびQスイッチレーザのうちの一つである光源からの光ビームを走査すること
を含む方法。
【請求項67】
請求項66に記載の方法であって、前記パルスレーザは、100ピコ秒から10マイクロ秒の範囲の間隔で、10〜100メガヘルツの範囲の周波数でパルスを放射するよう構成される方法。
【請求項68】
請求項66に記載の方法であって、前記モードロックレーザは、10メガヘルツ以上である反復レートを有する方法。
【請求項69】
請求項66に記載の方法であって、前記Qスイッチレーザは、1ヘルツから1メガヘルツの範囲の周波数においてパルス化される方法。
【請求項70】
請求項50に記載の方法であって、走査することは、
1ヘルツから2ギガヘルツの範囲の周波数で時間的に強度変調される光源からの光ビームを走査すること
を含む方法。
【請求項71】
請求項50に記載の方法であって、走査することは、
前記試料にわたって前記光ビームを走査するためにスキャニング要素によって回転される一つ以上のポリゴンミラーを含むスキャナで光ビームを走査すること
を含む方法。
【請求項72】
請求項50に記載の方法であって、走査することは、
前記試料にわたって前記光ビームを走査するために検流計によって動かされる一つ以上のミラーを含むスキャナで光ビームを走査すること
を含む方法。
【請求項73】
請求項50に記載の方法であって、走査することは、
共鳴ミラースキャナで光ビームを走査すること
を含む方法。
【請求項74】
請求項50に記載の方法であって、前記一つ以上の照射光学要素は、テレセントリックレンズを含む方法。
【請求項75】
試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める方法であって、
一つ以上の照射光学要素を用いて第1周波数の光ビームを試料表面上で走査すること、
一つ以上の集光光学要素を用いて前記試料表面上の走査線から第2周波数の光を集めることであって、前記試料からの光の検出を、前記試料内の制限された垂直深さに関連付けられる光に制限する開口を通して前記光が集められる、第2周波数の光を集めること、および
集められた光を検出器に伝送すること
を含む方法。
【請求項76】
請求項75に記載の方法であって、光を集めることは、
前記試料からの光の検出を、前記試料内の制限された垂直深さに関連付けられる光に制限するスリット開口を通して光を集めること
を含む方法。
【請求項77】
請求項76に記載の方法であって、光を集めることは、
光ファイバの束を用いて光を集めること
を含む方法。
【請求項78】
請求項77に記載の方法であって、前記光学ファイバの束中の異なる光ファイバに入る光は、前記試料内の異なる垂直深さにおける光に対応する方法。
【請求項79】
請求項75に記載の方法であって、光を集めることは、
前記一つ以上の光学要素を用いて実質的に均一な効率で前記試料上での走査線から光を集めること
を含む方法。
【請求項80】
請求項79に記載の方法であって、光を集めることは、
円筒レンズおよび球面レンズのうちの少なくとも一つを用いて光を集めること
を含む方法。
【請求項81】
請求項75に記載の方法であって、前記集められた光を伝送することは、
前記試料からの前記集められた光を、前記試料から前記光を集めるパスについて互いにオフセットされた二つ以上の検出器に導くことを含み、前記二つ以上の検出器のそれぞれは、前記試料内の異なる垂直深さから放射される光をキャプチャするように配置される方法。
【請求項82】
請求項81に記載の方法であって、
前記二つ以上の検出器において検出された光強度に応答して前記集光光学要素について前記試料の位置を調節することによって、前記試料上の位置から位置へと実質的に均一な垂直深さを維持することをさらに含む方法。
【請求項83】
請求項75に記載の方法であって、前記検出器は、光増倍管検出器、フォトダイオードデバイス、マイクロチャネルプレート、および電荷結合素子のうちの少なくとも一つを含む方法。
【請求項84】
請求項75に記載の方法であって、前記集められた光を伝送することは、
前記試料から前記集められた光を二つ以上の検出器に導くことを含み、
前記試料からの前記光の二つ以上の異なる特性を検出することをさらに含む方法。
【請求項85】
請求項84に記載の方法であって、前記二つ以上の異なる特性を検出することは、
異なる偏光を検出すること、光の異なる周波数を検出すること、信号変調の異なる周波数を検出すること、または異なる時間ゲートされた領域を検出すること
を含む方法。
【請求項86】
請求項75に記載の方法であって、
前記試料上で特定の物体を特徴付けるよう保持するために既知または検出された前記試料の領域に光学データの収集を自動的に制限すること
をさらに含む方法。
【請求項87】
請求項86に記載の方法であって、自動的に光学データの収集を制限することは、
前記集光された光の強度がある調節可能なスレッショルド値より上であり、前記光学データが少なくとも一つの追加の基準を満たす時にだけ光学データを記録すること
を含む方法。
【請求項88】
請求項86に記載の方法であって、自動的に光学データの収集を制限することは、
前記光源からの前記ビームが前記試料上の対象領域にわたって走査される時にだけ光学データを記録すること
を含む方法。
【請求項89】
請求項75に記載の方法であって、光ビームを走査することは、
連続波レーザ、変調された連続波レーザ、パルスレーザ、モードロック高反復レートレーザ、およびQスイッチレーザのうちの一つである光源からの光ビームを走査すること
を含む方法。
【請求項90】
請求項89に記載の方法であって、前記パルスレーザは、100ナノ秒から1秒の範囲の間隔で、1ヘルツ〜100メガヘルツの範囲の周波数でパルスを放射するよう構成される方法。
【請求項91】
請求項89に記載の方法であって、前記モードロックレーザは、10メガヘルツ以上である反復レートを有する方法。
【請求項92】
請求項89に記載の方法であって、前記Qスイッチレーザは、1ヘルツから1メガヘルツの範囲の周波数においてパルス化される方法。
【請求項93】
請求項75に記載の方法であって、走査することは、
1ヘルツから2ギガヘルツの範囲の周波数で時間的に強度変調される光源からの光ビームを走査すること
を含む方法。
【請求項94】
請求項75に記載の方法であって、走査することは、
前記試料にわたって前記光ビームを走査するためにスキャニング要素によって回転される一つ以上のポリゴンミラーを含むスキャナで光ビームを走査すること
を含む方法。
【請求項95】
請求項75に記載の方法であって、走査することは、
前記試料にわたって前記光ビームを走査するために検流計によって動かされる一つ以上のミラーを含むスキャナで光ビームを走査すること
を含む方法。
【請求項96】
請求項75に記載の方法であって、走査することは、
共鳴ミラースキャナで光ビームを走査すること
を含む方法。
【請求項97】
請求項75に記載の方法であって、前記一つ以上の照射光学要素は、テレセントリックレンズを含む方法。
【請求項98】
試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める方法であって、
一つ以上の照射光学要素を用いて光ビームを試料表面上で走査すること、
一つ以上の集光光学要素を用いて前記試料表面上の走査線から光を集めることであって、前記光は、(i)前記試料からの光の検出を、前記試料内の第1垂直深さに関連付けられる光に制限する第1装置、および(ii)前記試料からの光の検出を、前記試料内の異なる第2垂直深さに関連付けられる光に制限する第2装置を通して集められる、光を集めること、および
前記第1および第2装置からの前記集められた光を一つ以上の検出器に伝送すること
を含む方法。
【請求項99】
請求項98に記載の方法であって、走査のあいだ、前記集光光学要素についての前記試料の一貫した垂直位置を維持するために、前記第1および第2装置において集光された相対光強度に応答して前記集光光学要素について前記試料の前記垂直位置を自動的に調節することをさらに含む方法。
【請求項100】
請求項98に記載の方法であって、前記第1装置および前記第2装置のうちの少なくとも一つは光ファイバである方法。
【請求項101】
請求項100に記載の方法であって、前記第1装置は、光ファイバの第1ロウを備え、前記第2装置は光ファイバの第2ロウを備える方法。
【請求項102】
請求項98に記載の方法であって、前記一つ以上の検出器は、前記第1および第2装置からの光を別個に検出するよう構成された一つ以上のマイクロチャネルプレートを備える方法。
【請求項103】
請求項98に記載の方法であって、前記試料からの前記光の二つ以上の異なる特性を検出することをさらに含む方法。
【請求項1】
試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める装置であって、
光源、
光ビームを前記光源から前記試料上に導く一つ以上の照射光学要素、
前記光ビームを前記試料にわたって走査するスキャナ、
前記試料からの光を集め、前記集められた光を検出器に伝送する一つ以上の集光光学要素であって、前記一つ以上の集光光学要素のいずれも前記一つ以上の照射光学要素の中に含まれない、一つ以上の集光光学要素、および
前記試料からの光の検出を、前記試料内の制限された垂直深さに関連付けられる光に制限する開口を形成する装置であって、前記装置は前記集光光学要素のうちの一つである、開口を形成する装置
を備える装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記開口を形成する前記装置はスリット開口である装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、前記開口を形成する前記装置は光学ファイバの束である装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、前記光学ファイバの束中の異なる光ファイバに入る光は、前記試料内の異なる垂直深さにおける光に対応する装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置であって、前記集光光学要素は、実質的に均一な効率で前記試料上での走査線から光を集める装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であって、前記集光光学要素は、円筒レンズおよび球面レンズのうちの一つを含む装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、前記試料から前記光を集めるパスについて互いにオフセットされた二つ以上の検出器をさらに備え、前記二つ以上の検出器のそれぞれは、前記試料内の異なる垂直深さから放射される光をキャプチャするように配置される装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、前記二つ以上の検出器において検出された光強度に応答して前記集光光学要素について前記試料の位置を調節することによって、前記試料上の位置から位置へと実質的に均一な垂直深さを維持するロジックをさらに備える装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、前記検出器は、光増倍管検出器、フォトダイオードデバイス、電荷結合素子、およびマイクロチャネルプレートのうちの少なくとも一つを含む装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置であって、前記試料の同じ領域からの光を受け取り、前記試料の二つ以上の異なる特性を検出する二つ以上の検出器をさらに備える装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置であって、前記二つ以上の異なる特性は、前記光の異なる偏光、前記光の異なる周波数、および異なる寿命を含む装置。
【請求項12】
請求項10に記載の装置であって、前記二つ以上の検出器から得られた信号間の相関を調べることによって、物体を特定し、バックグラウンドノイズを除去するロジックをさらに備える装置。
【請求項13】
請求項1に記載の装置であって、前記試料上で特定の物体を特徴付けるよう保持するために既知または検出された前記試料の領域に光学データの収集を制限するロジックをさらに備え、前記ロジックは、前記検出器に動作可能に接続されたプロセッサによって読み出しおよび実行されえるコンピュータソフトウェアまたはコンピュータハードウェア命令で実現される装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置であって、前記光学データの収集を制限するロジックは、前記集光された光の強度がある調節可能なスレッショルド値より上である時にだけ光学データを記録することによって収集を制限する装置。
【請求項15】
請求項13に記載の装置であって、前記光学データの収集を制限するロジックは、前記光源からの前記ビームが前記試料上の対象領域にわたって走査される時にだけ光学データを記録することによって収集を制限する装置。
【請求項16】
請求項1に記載の装置であって、前記光源は、連続波レーザ、パルスレーザ、モードロック高反復レートレーザ、およびQスイッチレーザのうちの一つである装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置であって、前記連続波レーザは、ダイオードレーザ、ダイオードポンプソリッドステートレーザ、ガスレーザ、およびチューニング可能なソリッドステートレーザシステムのうちの一つである装置。
【請求項18】
請求項16に記載の装置であって、前記連続波レーザは、1キロヘルツから2ギガヘルツの範囲の周波数において変調される装置。
【請求項19】
請求項16に記載の装置であって、前記パルスレーザは、10ナノ秒から1秒の範囲の間隔で1ヘルツから100メガヘルツの範囲の周波数においてパルスを放射するよう構成される装置。
【請求項20】
請求項16に記載の装置であって、前記モードロックレーザは、10メガヘルツ以上である反復レートを有する装置。
【請求項21】
請求項16に記載の装置であって、前記Qスイッチレーザは、1ヘルツから1メガヘルツの範囲の周波数においてパルス化される装置。
【請求項22】
請求項1に記載の装置であって、前記光源から放射される前記光ビームは、1ヘルツから2ギガヘルツの範囲の周波数で時間的に強度変調される装置。
【請求項23】
請求項1に記載の装置であって、前記スキャナは、前記試料にわたって前記光ビームを走査するためにスキャニング要素によって回転される一つ以上のポリゴンミラーを含む装置。
【請求項24】
請求項1に記載の装置であって、前記スキャナは、前記試料にわたって前記光ビームを走査するために検流計によって動かされる一つ以上のミラーを含む装置。
【請求項25】
請求項1に記載の装置であって、前記スキャナは、共鳴ミラースキャナである装置。
【請求項26】
請求項1に記載の装置であって、前記一つ以上の照射光学要素は、テレセントリックレンズを含む装置。
【請求項27】
試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める装置であって、
光源、
光ビームを第1周波数の前記光源から前記試料上に導く一つ以上の照射光学要素、
前記光ビームを前記試料にわたって走査するスキャナ、および
前記試料からの第2周波数の光を集め、前記光を検出器に伝送する一つ以上の集光光学要素であって、前記一つ以上の集光光学要素のいずれも前記一つ以上の照射光学要素の中に含まれず、前記第1および第2周波数は異なる、一つ以上の集光光学要素
を備える装置。
【請求項28】
請求項27に記載の装置であって、前記集光光学要素は、前記第2周波数を決定するバンドパスフィルタおよびカットオフフィルタのうちの一つ以上を含む装置。
【請求項29】
請求項27に記載の装置であって、前記試料から前記光を集めるパスについて互いにオフセットされた二つ以上の検出器をさらに備え、前記二つ以上の検出器のそれぞれは、前記試料内の異なる垂直深さから放射される光をキャプチャするように配置される装置。
【請求項30】
請求項29に記載の装置であって、前記二つ以上の検出器において検出された光強度に応答して前記集光光学要素について前記試料の位置を調節することによって、前記試料上の位置から位置へと実質的に均一な垂直深さを維持するロジックをさらに備える装置。
【請求項31】
請求項27に記載の装置であって、前記試料の同じ領域からの光を受け取り、前記試料の二つ以上の異なる特性を検出する二つ以上の検出器をさらに備える装置。
【請求項32】
請求項31に記載の装置であって、前記二つ以上の異なる特性は、前記光の異なる偏光、前記光の異なる周波数、および異なる寿命を含む装置。
【請求項33】
請求項27に記載の装置であって、前記試料上で特定の物体を特徴付けるよう保持するために既知または検出された前記試料の領域に光学データの収集を制限するロジックをさらに備え、前記ロジックは、前記検出器に動作可能に接続されたプロセッサによって読み出しおよび実行されえるコンピュータソフトウェアまたはコンピュータハードウェア命令で実現される装置。
【請求項34】
請求項27に記載の装置であって、前記光学データの収集を制限するロジックは、前記集光された光の強度がある調節可能なスレッショルド値より上である時にだけ光学データを記録することによって収集を制限する装置。
【請求項35】
請求項27に記載の装置であって、前記光学データの収集を制限するロジックは、前記光源からの前記ビームが前記試料上の対象領域にわたって走査される時にだけ光学データを記録することによって収集を制限する装置。
【請求項36】
請求項27に記載の装置であって、前記一つ以上の集光光学要素は、前記試料からの光の検出を前記試料内のフォーカスの制限された深さに関連付けられる光に制限する開口を形成する装置を含む装置。
【請求項37】
請求項27に記載の装置であって、前記開口を形成する前記装置はスリット開口である装置。
【請求項38】
請求項27に記載の装置であって、前記開口を形成する前記装置は光学ファイバの束である装置。
【請求項39】
請求項38に記載の装置であって、前記光学ファイバの束中の異なる光ファイバに入る光は、前記試料内の異なる垂直深さにおける光に対応する装置。
【請求項40】
請求項27に記載の装置であって、前記一つ以上の照射光学要素は、テレセントリックレンズを含む装置。
【請求項41】
試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める装置であって、
光源、
光ビームを前記光源から前記試料上に導く一つ以上の照射光学要素、
前記光ビームを前記試料にわたって走査するスキャナ、
前記試料からの光を集め、前記集められた光を検出器に伝送する一つ以上の集光光学要素、および
前記試料からの光の検出を、前記試料内の第1垂直深さに関連付けられる光に制限する第1装置、
前記試料からの光の検出を、前記試料内の異なる第2垂直深さに関連付けられる光に制限する第2装置
を備え、
前記第1および第2装置は、集光光学要素である
る装置。
【請求項42】
請求項41に記載の装置であって、走査のあいだ、前記集光光学要素についての前記試料の一貫した垂直位置を維持するために、前記第1および第2装置において集光された相対光強度に応答して前記集光光学要素について前記試料の前記垂直位置を自動的に調節するロジックをさらに備える装置。
【請求項43】
請求項41に記載の装置であって、前記第1装置および前記第2装置のうちの少なくとも一つは光ファイバである装置。
【請求項44】
請求項43に記載の装置であって、前記第1装置は、光ファイバの第1ロウを備え、前記第2装置は光ファイバの第2ロウを備える装置。
【請求項45】
請求項41に記載の装置であって、前記一つ以上の検出器は、前記第1および第2装置からの光を別個に検出するよう構成された一つ以上のマイクロチャネルプレートを備える装置。
【請求項46】
請求項41に記載の装置であって、前記一つ以上の検出器は、光増倍管検出器、フォトダイオードデバイス、マイクロチャネルプレート、および電荷結合素子のうちの少なくとも一つを含む装置。
【請求項47】
請求項41に記載の装置であって、前記試料からの光を受け取り、前記試料からの前記光の二つ以上の異なる特性を検出する二つ以上の検出器をさらに備える装置。
【請求項48】
請求項41に記載の装置であって、前記光源からの前記光ビームは、第1波長を有する単色であり、前記集光光学系および前記一つ以上の検出器のうちの一つ以上は、前記第1波長とは異なる第2波長において光を集光するようチューニングされている装置。
【請求項49】
請求項41に記載の装置であって、前記試料からの検出を、前記試料内の異なる第3垂直深さに関連付けられる光に制限する第3装置をさらに備える装置。
【請求項50】
試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める方法であって、
一つ以上の照射光学要素を用いて第1周波数の光ビームを試料表面上で走査すること、
一つ以上の集光光学要素を用いて前記試料表面上の走査線から第2周波数の光を集めることであって、前記一つ以上の集光光学要素のいずれも前記一つ以上の照射光学要素の中に含まれない、第2周波数の光を集めること、および
集められた光を検出器に伝送すること
を含む方法。
【請求項51】
請求項50に記載の方法であって、前記第1周波数は、前記第2周波数と同一である方法。
【請求項52】
請求項50に記載の方法であって、光を集めることは、
前記試料からの光の検出を、前記試料内の制限された垂直深さに関連付けられる光に制限する開口を形成する装置を通して光を集めることを含み、前記装置は前記集光光学要素のうちの一つである
方法。
【請求項53】
請求項52に記載の方法であって、光を集めることは、
前記試料からの光の検出を、前記試料内の制限された垂直深さに関連付けられる光に制限するスリット開口を通して光を集めること
を含む方法。
【請求項54】
請求項52に記載の方法であって、光を集めることは、
光ファイバの束を用いて光を集めること
を含む方法。
【請求項55】
請求項54に記載の方法であって、前記光学ファイバの束中の異なる光ファイバに入る光は、前記試料内の異なる垂直深さにおける光に対応する方法。
【請求項56】
請求項50に記載の方法であって、光を集めることは、
前記一つ以上の光学要素を用いて実質的に均一な効率で前記試料上での走査線から光を集めること
を含む方法。
【請求項57】
請求項56に記載の方法であって、光を集めることは、
円筒レンズおよび球面レンズのうちの少なくとも一つを用いて光を集めること
を含む方法。
【請求項58】
請求項50に記載の方法であって、前記集められた光を伝送することは、
前記試料からの前記集められた光を、前記試料から前記光を集めるパスについて互いにオフセットされた二つ以上の検出器に導くことを含み、前記二つ以上の検出器のそれぞれは、前記試料内の異なる垂直深さから放射される光をキャプチャするように配置される方法。
【請求項59】
請求項58に記載の方法であって、
前記二つ以上の検出器において検出された光強度に応答して前記集光光学要素について前記試料の位置を調節することによって、前記試料上の位置から位置へと実質的に均一な垂直深さを維持することをさらに含む方法。
【請求項60】
請求項50に記載の方法であって、前記検出器は、光増倍管検出器、フォトダイオードデバイス、マイクロチャネルプレート、および電荷結合素子のうちの少なくとも一つを含む方法。
【請求項61】
請求項50に記載の方法であって、前記集められた光を伝送することは、
前記試料から前記集められた光を二つ以上の検出器に導くことを含み、
前記試料からの前記光の二つ以上の異なる特性を検出することをさらに含む方法。
【請求項62】
請求項61に記載の方法であって、前記二つ以上の異なる特性を検出することは、
異なる偏光を検出すること、光の異なる周波数を検出すること、信号変調の異なる周波数を検出すること、または異なる時間ゲートされた領域を検出すること
を含む方法。
【請求項63】
請求項50に記載の方法であって、
前記試料上で特定の物体を特徴付けるよう保持するために既知または検出された前記試料の領域に光学データの収集を自動的に制限すること
をさらに含む方法。
【請求項64】
請求項63に記載の方法であって、自動的に光学データの収集を制限することは、
前記集光された光の強度がある調節可能なスレッショルド値より上であり、前記光学データが少なくとも一つの追加の基準を満たす時にだけ光学データを記録すること
を含む方法。
【請求項65】
請求項63に記載の方法であって、自動的に光学データの収集を制限することは、
前記光源からの前記ビームが前記試料上の対象領域にわたって走査される時にだけ光学データを記録すること
を含む方法。
【請求項66】
請求項50に記載の方法であって、光ビームを走査することは、
連続波レーザ、変調された連続波レーザ、パルスレーザ、モードロック高反復レートレーザ、およびQスイッチレーザのうちの一つである光源からの光ビームを走査すること
を含む方法。
【請求項67】
請求項66に記載の方法であって、前記パルスレーザは、100ピコ秒から10マイクロ秒の範囲の間隔で、10〜100メガヘルツの範囲の周波数でパルスを放射するよう構成される方法。
【請求項68】
請求項66に記載の方法であって、前記モードロックレーザは、10メガヘルツ以上である反復レートを有する方法。
【請求項69】
請求項66に記載の方法であって、前記Qスイッチレーザは、1ヘルツから1メガヘルツの範囲の周波数においてパルス化される方法。
【請求項70】
請求項50に記載の方法であって、走査することは、
1ヘルツから2ギガヘルツの範囲の周波数で時間的に強度変調される光源からの光ビームを走査すること
を含む方法。
【請求項71】
請求項50に記載の方法であって、走査することは、
前記試料にわたって前記光ビームを走査するためにスキャニング要素によって回転される一つ以上のポリゴンミラーを含むスキャナで光ビームを走査すること
を含む方法。
【請求項72】
請求項50に記載の方法であって、走査することは、
前記試料にわたって前記光ビームを走査するために検流計によって動かされる一つ以上のミラーを含むスキャナで光ビームを走査すること
を含む方法。
【請求項73】
請求項50に記載の方法であって、走査することは、
共鳴ミラースキャナで光ビームを走査すること
を含む方法。
【請求項74】
請求項50に記載の方法であって、前記一つ以上の照射光学要素は、テレセントリックレンズを含む方法。
【請求項75】
試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める方法であって、
一つ以上の照射光学要素を用いて第1周波数の光ビームを試料表面上で走査すること、
一つ以上の集光光学要素を用いて前記試料表面上の走査線から第2周波数の光を集めることであって、前記試料からの光の検出を、前記試料内の制限された垂直深さに関連付けられる光に制限する開口を通して前記光が集められる、第2周波数の光を集めること、および
集められた光を検出器に伝送すること
を含む方法。
【請求項76】
請求項75に記載の方法であって、光を集めることは、
前記試料からの光の検出を、前記試料内の制限された垂直深さに関連付けられる光に制限するスリット開口を通して光を集めること
を含む方法。
【請求項77】
請求項76に記載の方法であって、光を集めることは、
光ファイバの束を用いて光を集めること
を含む方法。
【請求項78】
請求項77に記載の方法であって、前記光学ファイバの束中の異なる光ファイバに入る光は、前記試料内の異なる垂直深さにおける光に対応する方法。
【請求項79】
請求項75に記載の方法であって、光を集めることは、
前記一つ以上の光学要素を用いて実質的に均一な効率で前記試料上での走査線から光を集めること
を含む方法。
【請求項80】
請求項79に記載の方法であって、光を集めることは、
円筒レンズおよび球面レンズのうちの少なくとも一つを用いて光を集めること
を含む方法。
【請求項81】
請求項75に記載の方法であって、前記集められた光を伝送することは、
前記試料からの前記集められた光を、前記試料から前記光を集めるパスについて互いにオフセットされた二つ以上の検出器に導くことを含み、前記二つ以上の検出器のそれぞれは、前記試料内の異なる垂直深さから放射される光をキャプチャするように配置される方法。
【請求項82】
請求項81に記載の方法であって、
前記二つ以上の検出器において検出された光強度に応答して前記集光光学要素について前記試料の位置を調節することによって、前記試料上の位置から位置へと実質的に均一な垂直深さを維持することをさらに含む方法。
【請求項83】
請求項75に記載の方法であって、前記検出器は、光増倍管検出器、フォトダイオードデバイス、マイクロチャネルプレート、および電荷結合素子のうちの少なくとも一つを含む方法。
【請求項84】
請求項75に記載の方法であって、前記集められた光を伝送することは、
前記試料から前記集められた光を二つ以上の検出器に導くことを含み、
前記試料からの前記光の二つ以上の異なる特性を検出することをさらに含む方法。
【請求項85】
請求項84に記載の方法であって、前記二つ以上の異なる特性を検出することは、
異なる偏光を検出すること、光の異なる周波数を検出すること、信号変調の異なる周波数を検出すること、または異なる時間ゲートされた領域を検出すること
を含む方法。
【請求項86】
請求項75に記載の方法であって、
前記試料上で特定の物体を特徴付けるよう保持するために既知または検出された前記試料の領域に光学データの収集を自動的に制限すること
をさらに含む方法。
【請求項87】
請求項86に記載の方法であって、自動的に光学データの収集を制限することは、
前記集光された光の強度がある調節可能なスレッショルド値より上であり、前記光学データが少なくとも一つの追加の基準を満たす時にだけ光学データを記録すること
を含む方法。
【請求項88】
請求項86に記載の方法であって、自動的に光学データの収集を制限することは、
前記光源からの前記ビームが前記試料上の対象領域にわたって走査される時にだけ光学データを記録すること
を含む方法。
【請求項89】
請求項75に記載の方法であって、光ビームを走査することは、
連続波レーザ、変調された連続波レーザ、パルスレーザ、モードロック高反復レートレーザ、およびQスイッチレーザのうちの一つである光源からの光ビームを走査すること
を含む方法。
【請求項90】
請求項89に記載の方法であって、前記パルスレーザは、100ナノ秒から1秒の範囲の間隔で、1ヘルツ〜100メガヘルツの範囲の周波数でパルスを放射するよう構成される方法。
【請求項91】
請求項89に記載の方法であって、前記モードロックレーザは、10メガヘルツ以上である反復レートを有する方法。
【請求項92】
請求項89に記載の方法であって、前記Qスイッチレーザは、1ヘルツから1メガヘルツの範囲の周波数においてパルス化される方法。
【請求項93】
請求項75に記載の方法であって、走査することは、
1ヘルツから2ギガヘルツの範囲の周波数で時間的に強度変調される光源からの光ビームを走査すること
を含む方法。
【請求項94】
請求項75に記載の方法であって、走査することは、
前記試料にわたって前記光ビームを走査するためにスキャニング要素によって回転される一つ以上のポリゴンミラーを含むスキャナで光ビームを走査すること
を含む方法。
【請求項95】
請求項75に記載の方法であって、走査することは、
前記試料にわたって前記光ビームを走査するために検流計によって動かされる一つ以上のミラーを含むスキャナで光ビームを走査すること
を含む方法。
【請求項96】
請求項75に記載の方法であって、走査することは、
共鳴ミラースキャナで光ビームを走査すること
を含む方法。
【請求項97】
請求項75に記載の方法であって、前記一つ以上の照射光学要素は、テレセントリックレンズを含む方法。
【請求項98】
試料の一つ以上の特性に関する光学データを集める方法であって、
一つ以上の照射光学要素を用いて光ビームを試料表面上で走査すること、
一つ以上の集光光学要素を用いて前記試料表面上の走査線から光を集めることであって、前記光は、(i)前記試料からの光の検出を、前記試料内の第1垂直深さに関連付けられる光に制限する第1装置、および(ii)前記試料からの光の検出を、前記試料内の異なる第2垂直深さに関連付けられる光に制限する第2装置を通して集められる、光を集めること、および
前記第1および第2装置からの前記集められた光を一つ以上の検出器に伝送すること
を含む方法。
【請求項99】
請求項98に記載の方法であって、走査のあいだ、前記集光光学要素についての前記試料の一貫した垂直位置を維持するために、前記第1および第2装置において集光された相対光強度に応答して前記集光光学要素について前記試料の前記垂直位置を自動的に調節することをさらに含む方法。
【請求項100】
請求項98に記載の方法であって、前記第1装置および前記第2装置のうちの少なくとも一つは光ファイバである方法。
【請求項101】
請求項100に記載の方法であって、前記第1装置は、光ファイバの第1ロウを備え、前記第2装置は光ファイバの第2ロウを備える方法。
【請求項102】
請求項98に記載の方法であって、前記一つ以上の検出器は、前記第1および第2装置からの光を別個に検出するよう構成された一つ以上のマイクロチャネルプレートを備える方法。
【請求項103】
請求項98に記載の方法であって、前記試料からの前記光の二つ以上の異なる特性を検出することをさらに含む方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2007−504445(P2007−504445A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524881(P2006−524881)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/027890
【国際公開番号】WO2005/019811
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(506064991)ブルーシフト・バイオテクノロジーズ・インコーポレーテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】BLUESHIFT BIOTECHNOLOGIES INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/027890
【国際公開番号】WO2005/019811
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(506064991)ブルーシフト・バイオテクノロジーズ・インコーポレーテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】BLUESHIFT BIOTECHNOLOGIES INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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