説明

景品換金カードおよびその真贋判別装置

【課題】景品換金カードの真贋を判別し不正な換金を防止するための景品換金カードの構造と真贋を判別する装置に関する。
【解決手段】本発明の景品換金カードは、そのカード内に周囲の雰囲気温度によってその抵抗値が大きく変化する非常に小さなサーミスタ素子が埋設されている。一方真贋判別装置内にヒーターを設置し、景品換金カードを前記ヒーターで加熱してカード内のサーミスタ素子と判別装置内の検知用サーミスタ素子の抵抗温度特性を比較して景品換金カードの真贋を判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場等において遊技客に対し、獲得したコイン等の枚数に応じて渡す換金可能な景品換金カードに関し、さらに詳しくは前記景品換金カードの真贋を識別し不正な換金を防止するための前記景品換金カードの真贋判別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、遊技場等において、遊技客が獲得したメダル等を景品に交換する場合、獲得した枚数等に応じて景品(有価物)と交換していた。実際は多くの遊技客は交換した景品を近くの景品交換所に持参して、さらに現金に交換する場合が少なくない。
【0003】
しかしながら、これら景品交換所で交換された景品自体は再び遊技場等に景品として戻るために、度重なる交換時の取り扱いで景品の傷みがひどくなり、景品自体の価値が失われてしまうという問題があった。
【0004】
そこで、現在は現金交換が可能でそれ自体価値を有する景品換金カードが使用されるようになってきた。このカードは、厚さが2〜3ミリ程度の名刺大の大きさであり、カラーのプラスチック素材の基板の中に、例えば金メダル等の有価物を入れ、プラスチック透明蓋を貼り合わせて封止した構造となっている。
【0005】
上記景品換金カードの構造は小型、堅牢で取り扱いやすく、頻繁に使用される景品として適した構造といえる。
【0006】
そして上記景品換金カードには、偽造や不正使用を防止するために個別の情報を記録したICチップを内蔵し、その情報をリーダライタで識別する識別手段、またはホログラム像を目視で識別するか照射光によるホログラムからの反射光の角度を識別する手段やバーコードによる識別方法等、これらの識別手段を二重三重にして偽造や不正使用を防止している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記景品換金カードは、景品渡しや換金の際に積み重ねて使用するために表面が擦られて傷が付き内蔵された情報記録媒体の光学的な情報を読みとれなくなったり、あるいは表面に印刷された記録媒体が摩耗して読みとれなくなる欠点があり、さらにこれらの情報記録媒体の読み出しはディジタル情報であるために偽造、変造がされやすい欠点があった。
【0008】
このように従来の換金カードは現金化が容易であるために、カードの偽造、変造や不正使用が後を絶たず景品交換所が被害を被る事態が頻繁に発生し、遊技場の経営を圧迫するという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、請求項1の発明は、遊技場等で換金用に用いられる景品等をプラスチック素材の基台とカバーシート間に収納密封した景品換金カードにおいて、前記基台とカバーシート間に基板を収納し、前記基板上には少なくとも一対の配線パターンと、前記配線パターンの一端に出力端子部が形成され、他端にはサーミスタ素子が接続固定されていて、前記カバーシートまたは前記基台に形成された外部端子部と前記出力端子部が電気的に接続するように前記基板を前記基台と前記カバーシート間に封止したことを特徴とする景品換金カードである。
【0010】
請求項2の発明は、遊技場等で換金用に用いられる景品等をプラスチック素材の基台とカバーシート間に収納密封した景品換金カードにおいて、前記基台の表面上に少なくとも一対の配線パターンと、前記配線パターンの一端に出力端子部が形成され、他端にはサーミスタ素子が接続固定されていて、前記カバーシートまたは前記基台に形成された外部端子部と前記出力端子部が電気的に接続するように前記基台表面を前記カバーシートで封止したことを特徴とする景品換金カードである。
【0011】
また、請求項3の発明は、前記基板または基台上の配線パターンの一端に2つのサーミスタ素子を接続固定し、他端が前記配線パターンの出力端子部に接続された基板または基台からなることを特徴とする請求項1、2に記載の景品換金カードである。
【0012】
請求項4の発明は、前記2つのサーミスタ素子が赤外線検知用のサーミスタ素子と温度補償用のサーミスタ素子であって、真贋を非接触で判定することを特徴とする請求項1、2、3に記載の景品換金カードである。
【0013】
また、請求項5の発明は、前記景品換金カードの真贋を判別する装置において、前記装置に設けたカードセット部に温度を可変制御できるヒーターと検知用サーミスタ素子を設置し、前記景品換金カードに載置されたサーミスタ素子と前記検知用サーミスタ素子を前記ヒーターによって加熱し、前記景品換金カードに載置されたサーミスタ素子と前記検知用サーミスタ素子の各抵抗温度特性を比較することによって前記景品用換金カードの真贋を判別することを特徴とする請求項1乃至4に記載の景品換金カードの真贋判別装置である。
【0014】
また、請求項6の発明は、前記景品換金カードの真贋を判別する装置において、前記装置に設けたカードセット部に温度を可変制御できる第一のヒーターを設置し、赤外線検知用のサーミスタ素子と温度補償用のサーミスタ素子が載置された景品換金カードを一定温度に加熱しておき、前記景品換金カードの他面側から装置に設置された第二のヒーターの温度を可変し、前記第二のヒーターの表面温度を前記赤外線検知用サーミスタ素子によって検知し、前記赤外線検知用のサーミスタ素子と前記温度補償用のサーミスタ素子の差分出力から、予め記憶された演算テーブルに基づいて前記第二のヒーターの表面温度を演算出力し比較することによって前記景品用換金カードの真贋を非接触で判別することを特徴とする請求項1乃至4に記載の景品換金カードの真贋判別装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の景品換金カードは、そのカード内に周囲の雰囲気温度によってその抵抗値が大きく変化する非常に小さなサーミスタ素子が埋設されている。この景品換金カード及び後述する真贋を判定する装置で使用されるサーミスタ素子は、景品換金カードの真贋を判別する重要部品であり、その電気的な特性は原料となるセラミック素材の不純物量などの微妙な組成の違いによって変化するために、第三者が同一の特性を有するサーミスタ素子を再現しようとしても、温度変化に対する抵抗値の変化(抵抗温度特性)を調べればその特性の違いから明確に区別できるので、このようなサーミスタ素子を組み込んだ景品換金カードを偽造、変造することは難しいという特徴がある。
【0016】
また、本発明の景品換金カードの真贋を判定する方法は、景品換金カード内に載置されたサーミスタ素子と真贋を判別する装置に搭載されているサーミスタ素子の抵抗温度特性を比較して判別するものである。真贋判別装置のカードセット部に前記景品換金カードをセットし、前記カードセット部に設置されたヒータを制御してカードセット部の温度を変化させる。カードセット部に配置した検知用サーミスタ素子と、前記カードセット部に接触もしくは近接させた前記景品換金カード内に埋設されたサーミスタ素子の抵抗値は、そのヒーター温度に相当する抵抗値を示す。そして少なくとも2点の温度における両者のサーミスタ素子の抵抗値を比較すれば、もし両者が同一の抵抗温度特性を有していれば、各温度における両者の抵抗値の差は同じになり、抵抗温度特性の異なるサーミスタ素子を搭載した景品換金カードを用いた場合には、2点の温度におけるそれぞれの抵抗値差が異なるために、たとえば、両者の抵抗値の差が同じかある範囲のものを本物のカードであると設定しておけば、そのカードが本物であるか、偽造もしくは変造されたカードであるかを判定することができる。
【0017】
さらに、セキュリティーをあげるためには、前記景品換金カード内に収納した基板上に抵抗温度特性の違う2つのサーミスタ素子を載置し、真贋判別装置のヒーター温度を変化させたときに、両者のサーミスタ素子の各温度における抵抗値の変化をそれぞれのサーミスタ素子について比較することによって、前記と同様にそのカードが本物であるか、偽造もしくは変造されたカードであるかを判定することができる。この場合は、2つのサーミスタ素子について抵抗温度特性をそれぞれ比較することになるので、よりセキュリティーの高い景品換金カードとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明に係る景品換金カード及び景品換金カードの真贋判別装置の実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
図1(a)は、本発明景品換金カードの分解斜視図の一例を示し、後述する真贋判別装置のカードセット部に接触させて真贋を判定するのに適したカードの分解図である。1は名刺大の基台で厚みが1〜3ミリ程度の矩形の合成樹脂板で形成されている。この基台1の厚みは中に入れる景品等の厚みに応じて変更できる。基台1には景品を収納するための収納部12が設けられている。基板2の一表面には銅箔等からなる配線パターン21が形成され、前記配線パターンの一端にはサーミスタ素子22が載置され、前記配線パターン21に電気的に接続されている。前記配線パターン21の他端には出力端子部23が形成されている。なお、基板2には景品24を収納するための開口25が設けられている。3はカバーシートでサーミスタ素子22を載置した前記基板2と景品24を基台1内に封止するためのものであり、部分的に導電性を持たせて前記基板2の出力端子部23と電気的な接続がなされた外部端子部32が形成されている。
【0020】
なお、景品換金カードのセキュリティーを高める目的で、図1(a)に示した基板2上のサーミスタ素子を2個にすることもできる。この場合には、後述する図1(b)に示す基板2を利用して、配線パターンの一端に例えば、図4に示すような抵抗温度特性の異なるサーミスタ素子をそれぞれ接続して構成することができる。
【0021】
また、図1(b)は、本発明景品換金カードの他の一例を示す分解斜視図で、後述する真贋判別装置のカードセット部11に接触させることなくヒーターからの赤外線を景品換金カード内に載置された赤外線検知用サーミスタ素子で検知して非接触で真贋を判別できるカードである。1は名刺大の基台で厚みが1〜3ミリ程度の矩形の合成樹脂板で形成されている。この基台1の厚みは中に入れる景品等の厚みに応じて変更できる。基台1には景品を収納するための収納部12が設けられている。基板2の一表面には銅箔等からなる配線パターン21が形成され、前記配線パターンの一端には赤外線検知用サーミスタ素子27と温度補償用サーミスタ素子26が載置され前記配線パターン21に電気的に接続されている。前記配線パターン21の他端には出力端子部23がそれぞれ形成されている。カバーシート3の材料としては赤外線吸収率の高い材料を用いるか、基板2の赤外線検知用サーミスタ素子が載置された限られた部分にのみ赤外線吸収のよいフィルム材を積層貼着した構造にすることによって熱応答性を向上させることができ効率の良い判別が可能になる。なお、基板2には景品24を収納するための開口25が設けられている。3はカバーシートでサーミスタ素子22を載置した前記基板2と景品24を基体1内に封止するためのものであり、カバーシート3には、部分的に導電性を持たせて前記基板2の出力端子部23と電気的な接続がなされた外部端子部32が形成されている。
【0022】
上記図1(a)、(b)には、基板2とカバーシート3に外部端子部32が形成されている例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、既存の公知技術を用いて、例えば、基板2の出力端子部23の基板側面部に導電部分を形成して、前記カバーシート3と基台1との封止のときに外部端子部として、前記基板2の出力端子部23の基板側面部に導電部分が露出するような構造としても良いし、基台1の部分に基板2の出力端子部23と電気的に接続された外部端子部を形成するような構造であってもよいことはもちろんである。
【0023】
さらに、図1(a)、(b)の実施例に示した景品換金カードは、基台1上に基板2を載置した構造であるが、厚みのある基台1上に直接配線パターンを形成してサーミスタ素子を前記配線パターンに接続し、カバーシート3を基台1に直接密封した構造としてもよい。なお基台1上に直接配線パターンを形成する方法では、基台1の側面に外部端子部を形成しておけば、カバーシートに外部端子部を形成する方法に比べて、基台とカバーシートとの位置合わせが不要になるために景品換金カードの生産工程が短縮できる等の利点がある。
【0024】
また、基台1の構造はこの実施例に限定されるものではなく、基台1の周辺に額縁状の凸部が形成された厚みが3〜4ミリ程度の容器のような構造であってもよい。
【0025】
上記図1(a)、(b)に示す景品換金カードは、前記基台1上に基板2を貼着または溶着し、さらに基台1の収納部12に基板2の開口25から景品24を挿入した後、カバーシート3によって基板2上のサーミスタ素子22、26、27を密封するように溶着される。カバーシート3には収納した景品を確認できる透視部31が具備されている。なお、カバーシート3はポリ塩化ビニル、ポリカーボネート樹脂あるいはポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂素材を用い、これらの材料によって形成された一枚の薄板を用いるか、あるいは積層した二層または三層構造としても良い。
【0026】
図2は本発明に使用されるサーミスタ素子の構造の一例を示す斜視図である。前記サーミスタ素子22、26、27はアルミナ、石英、ムライト、ステアタイトなどの一枚の絶縁基板4上の一主表面に、白金、クロム、金等の単層または多層薄膜からなる電極部41がパターン形成される。電極部41間にはスパッタ法あるいはCVD法を用いて厚さが0.1μm〜1μm程度の図示しない絶縁被膜がパターン形成される。この絶縁膜は、後述する感熱膜を構成する材料組成の一部が絶縁基板4内へ熱拡散することを防止するもので、使用する材料組成によっては必ずしも必要ではない。この絶縁被膜上に、SiC、マンガン、コバルト、ニッケル等の遷移金属酸化物からなる感熱膜42をスパッタリング等の既存の薄膜形成技術によってパターン形成する。感熱膜42が形成された後、必要に応じて感熱膜42を保護するためのパッシベーション膜として、例えば、酸化珪素、窒化シリコン膜、またはオキシナイトライドシリコン膜等の図示しない保護絶縁膜を形成してもよい。なお、電極部41と感熱膜42の薄膜の構成は上記に限定されるものではなく、例えば、絶縁基板上にまず感熱膜、さらにその上に電極部を形成した構造、あるいは絶縁基板上に感熱膜−電極部−感熱膜のように電極部が感熱膜によって挟まれた積層構造、一対の電極部の対向部分をくし歯状に形成する等、目的、用途に応じて最適な構造を選択すればよいことはもちろんである。
【0027】
本発明で使用されるサーミスタ素子の抵抗温度特性の一例を図4に示す。サーミスタ素子は、温度の上昇と共にその抵抗値が大きく減少する性質を有し、上記した感熱膜42の組成を変えることによって図のサーミスタ1またはサーミスタ2のように特性曲線が変動する性質を持っている。
【0028】
図3(a)、(b)は、本発明景品換金カードの偽造または変造等の真贋を判定する判別装置の原理を示したものである。図3(a)はサーミスタ素子が載置された景品換金カードのカバーシート部を真贋判別装置のカードセット部11に接触させて真贋を判別する装置のブロックダイアグラムを示す。図3(b)は非接触方式による景品換金カードの真贋判別装置のブロックダイアグラムを示す。
【0029】
図3(a)において、景品換金カードAの蓋体3側を真贋判別装置Bのカードセット部に接触させると、判別装置Bに設けられた入力端子14と景品換金カードAの外部端子部32が電気的に接続される。このときカードセット部11はヒーター5によってある温度に加熱されている。カードセット部11に設置された検出用サーミスタ素子7とカード用サーミスタ素子22は、それぞれ図示しないブリッジ回路の一辺を構成しており、その温度に対応する出力がそれぞれ差動増幅回路8に入力される。そして差動増幅回路8の出力側には検出用サーミスタ素子7とサーミスタ素子22の出力差分の信号が出力される。この出力信号は比較回路9に入力される。次にヒーターの温度調節回路10によってカードセット部の温度を変化させ、上記と同様にその温度に対応する検出用サーミスタ素子7とサーミスタ素子22の差分出力を比較回路9に入力する。もしも前記検出用サーミスタ素子と前記サーミスタ素子の抵抗温度特性が同一であれば、ヒーターの温度を変化させたとき各温度における両者のサーミスタ素子の出力差分は一定の値となる。しかしながら、景品換金カード内のサーミスタ素子が他の抵抗温度特性の異なるサーミスタ素子(偽物)に置き換わっていた場合には、図4に示すように、ヒーターの温度Tを変化させて測定したときに、両者のサーミスタ素子の電圧出力差分(図における抵抗値の差に相当する)は、各温度T1、T2において異なる大きさの出力信号になるから比較回路によって偽造されたものと判定される。
【0030】
さらに、景品換金カードのセキュリティーを向上させるために、前記景品換金カード内の基板2上に2個のサーミスタ素子を載置して上記と同様にヒーターの温度を変化させたときの各温度における両者のサーミスタ素子の出力差分をそれぞれ比較し、その結果が一定の範囲内にあるかどうかによって真贋を判別する方法とすれば、二重のチェックが必要となり景品換金カードの安全性がより高くなる。
【0031】
図3(b)の真贋判別装置は景品換金カードを非接触で判別する装置であり、景品換金カードAには抵抗温度特性が同一の赤外線検知用サーミスタ素子27と温度補償用サーミスタ素子26が載置されている。景品換金カードAを真贋判別装置Bのカードセット部11にセットすると前記サーミスタ素子26、27の外部端子部32が判別装置の入力端子15と電気的に接続される。ヒーター5は景品換金カードAの温度、即ち内蔵されている赤外線検知用サーミスタ素子27と温度補償用サーミスタ素子26を一定の温度に保持するために設置されているものである。景品換金カードAの反対側に設置されたヒーター6の温度はヒーター5の温度よりも高めに設定され、ヒーター6から放射される赤外線によって赤外線検知用サーミスタ素子27の温度が上昇しヒーター6の表面温度に対応した出力が得られる。このとき景品換金カードA内の温度補償用サーミスタ素子26が載置された部分には遮蔽板16が設けられ赤外線による温度上昇が生じないように構成されている。赤外線検知用サーミスタ素子27と温度補償用サーミスタ素子26のブリッジ出力を差動増幅回路8に入力して差分の電圧出力を得る。この差分出力を演算回路17に入力して予め演算回路に記憶されている差分出力を元に作製された演算テーブルに基づいてヒーター6の表面温度を演算する。さらに、ヒーター6の温度を変化させて上記と同様にヒーター6の表面温度を演算する。その結果が一定の範囲内にあれば景品換金カードAに載置されたサーミスタ素子と真贋判別装置Bに記憶されている抵抗温度特性とが同じ特性を有するものであると判断し、本物の景品換金カードであると判定できる。
【0032】
なお、上記遮蔽板16は真贋判別装置内に設けても、あるいは景品換金カード内に設けても良いことはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の景品換金カードの一例を示す分解斜視図。
【図2】本発明の景品換金カードまたは真贋判別装置に用いるサーミスタ素子の一例を示す斜視図。
【図3】本発明の真贋判別装置を説明するブロックダイアグラム。
【図4】サーミスタ素子の抵抗温度特性図の一例。
【符号の説明】
【0034】
1 基台
2 基板
3 カバーシート
4 絶縁基板
5 ヒーター
6 ヒーター
7 検知用サーミスタ素子
8 差動増幅回路
9 比較回路
10 温度調節回路
11 カードセット部
12 収納部
16 遮蔽板
17 演算回路
21 配線パターン
22 サーミスタ素子
23 出力端子部
26 温度補償用サーミスタ素子
27 赤外線検知用サーミスタ素子
32 外部端子部
41 電極部
42 感熱膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場等で換金用に用いられる景品等をプラスチック素材の基台とカバーシート間に収納した景品換金カードにおいて、前記基台とカバーシート間に基板を収納し、前記基板上には少なくとも一対の配線パターンと、前記配線パターンの一端に出力端子部が形成され、他端にはサーミスタ素子が接続固定されていて、前記カバーシートまたは前記基台に形成された外部端子部と前記出力端子部が電気的に接続するように前記基板を前記基台と前記カバーシート間に封止したことを特徴とする景品換金カード。
【請求項2】
遊技場等で換金用に用いられる景品等をプラスチック素材の基台とカバーシート間に収納した景品換金カードにおいて、前記基台の表面上に少なくとも一対の配線パターンと、前記配線パターンの一端に出力端子部が形成され、他端にはサーミスタ素子が接続固定されていて、前記カバーシートまたは前記基台に形成された外部端子部と前記出力端子部が電気的に接続するように前記基台表面を前記カバーシートで封止したことを特徴とする景品換金カード。
【請求項3】
前記基板または基台上の配線パターンの一端に2つのサーミスタ素子を接続固定し、他端が前記配線パターンの出力端子部に接続された基板または基台からなることを特徴とする請求項1、2に記載の景品換金カード。
【請求項4】
前記2つのサーミスタ素子が赤外線検知用のサーミスタ素子と温度補償用のサーミスタ素子であって、真贋を非接触で判定することを特徴とする請求項1、2、3に記載の景品換金カード。
【請求項5】
前記景品換金カードの真贋を判別する装置において、前記装置に設けたカードセット部に温度を可変制御できるヒーターと検知用サーミスタ素子を設置し、前記景品換金カードに載置されたサーミスタ素子と前記検知用サーミスタ素子を前記ヒーターによって加熱し、前記景品換金カードに載置されたサーミスタ素子と前記検知用サーミスタ素子の各抵抗温度特性を比較することによって前記景品用換金カードの真贋を判別することを特徴とする請求項1乃至4に記載の景品換金カードの真贋判別装置。
【請求項6】
前記景品換金カードの真贋を判別する装置において、前記装置に設けたカードセット部に温度を可変制御できる第一のヒーターを設置し、赤外線検知用のサーミスタ素子と温度補償用のサーミスタ素子が載置された景品換金カードを一定温度に加熱しておき、前記景品換金カードの他面側から装置に設置された第二のヒーターの温度を可変し、前記第二のヒーターの表面温度を前記赤外線検知用サーミスタ素子によって検知し、前記赤外線検知用のサーミスタ素子と前記温度補償用のサーミスタ素子の差分出力から、予め記憶された演算テーブルに基づいて前記第二のヒーターの表面温度を演算出力し比較することによって前記景品用換金カードの真贋を非接触で判別することを特徴とする請求項1乃至4に記載の景品換金カードの真贋判別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−259954(P2006−259954A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−74270(P2005−74270)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(390024729)石塚電子株式会社 (26)
【Fターム(参考)】