説明

景品管理システム

【課題】景品管理装置を用いた不正を迅速かつ容易に発見できるとともに、当該不正を効果的に防止できる景品管理システムを提供すること。
【解決手段】景品管理システム1では、景品管理装置5に対する入力操作についての操作ログがT/C3(店内管理装置)の制御部50等によって収集され、制御部50は、収集した操作ログの中から、予め定められた特定ログを抽出し、その抽出結果を所定の通知先に通知する。この場合、所定の通知先を遊技店の店長等とし、不正との関連性が高い入力操作についての操作ログを特定ログとして事前に設定しておけば、全ての操作ログの中から、不正の疑いがある特定ログだけが抽出されて、店長等に通知される。これにより、景品管理装置5を用いた不正を迅速かつ容易に発見でき、このことは、不正を行おうとする者に対する抑止力になるので、当該不正を効果的に防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技店において景品と遊技媒体との交換を管理する景品管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技店には、景品と遊技媒体(たとえば、パチンコ玉)との交換を管理する景品管理システムが設けられている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の景品管理システムは、景品カウンタに配設された景品管理装置や、景品管理装置に対して通信可能に接続されたターミナルコントローラ等を含んでいる。景品管理装置は、景品と遊技媒体との交換による景品払出しおよび景品の在庫を管理している。
【0003】
景品交換の流れの一例として、まず、客は、遊技台(たとえば、パチンコ台)での遊技によって遊技媒体を獲得すると、獲得した遊技媒体を遊技店内の計数機で計数する。計数機からは、計数結果(遊技媒体の獲得数)等を記録したレシートが発行される。または、客が有するカードに計数結果が記録されてもよい。客は、これらのレシートやカードといった記録媒体を景品カウンタに持ち込む。景品カウンタの店員は、客から記録媒体を受け取って、記録媒体に記録された計数結果を景品管理装置に読み取らせることで、計数結果を景品管理装置に入力する。そして、店員は、客が交換を希望する景品の種類および個数を景品管理装置で指定したり、当該種類および個数を景品管理装置に自動算出させたりする。このとき、景品管理装置は、その景品と交換するのに必要な遊技媒体数を客の獲得数から差し引くとともに、景品の在庫を更新する。その後、景品が景品払出機から客に払い出されたり、店員によって手渡しで客に渡されたりする。
【0004】
また、景品管理装置にはレシート発行部が設けられていて、レシート発行部は、各種情報を紙媒体に印字することでレシート(帳票)を発行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−95383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
景品管理装置は、景品交換に係る処理以外にも、景品の在庫確認や景品の返品といった様々な処理を行うことができ、店員は、これらの処理を行うために、景品管理装置に対して様々な入力操作を与えることができる。一般的に、店員による景品管理装置の操作内容は、操作ログとして記憶(蓄積)され、閉店後等に、1日の営業時間内における全ての操作ログを記載した帳票がレシート発行部から発行される。
【0007】
ここで、店員が景品管理装置を用いて不正を行うことが想定される。不正の一例として、店員が、架空の計数結果を景品管理装置に手入力して、その計数結果に応じた景品を入手することが挙げられる。
店員による景品管理装置の操作内容は、前述したように、操作ログとして帳票に記録されるのだが、現状では、遊技店の店長等が当該帳票の中から、不正の疑いがある操作ログを探し出さねばならず、このような作業には時間や手間がかかる。その上、このような作業では、時間や手間がかかるにもかかわらず、不正の疑いがある操作ログを見落とす虞がある。
【0008】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、景品管理装置を用いた不正を迅速かつ容易に発見できるとともに、当該不正を効果的に防止できる景品管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、遊技店において景品と遊技媒体との交換を管理する景品管理システムであって、前記景品と遊技媒体との交換処理を行うための景品管理装置と、前記景品管理装置に対する入力操作についての操作ログを収集する収集手段と、前記収集手段が収集した前記操作ログの中から、予め定められた特定ログを抽出する抽出手段と、前記抽出手段による抽出結果を所定の通知先に通知する通知手段とを備えることを特徴とする、景品管理システムである。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記操作ログについての明細情報を記憶する明細情報記憶手段を備え、前記収集手段は、前記操作ログを、これに対応する前記明細情報と関連付けて収集することを特徴とする、請求項1記載の景品管理システムである。
請求項3記載の発明は、遊技店において前記操作ログに関連する遊技履歴についての遊技情報を記憶する遊技情報記憶手段を備え、前記収集手段は、前記操作ログを、これに対応する前記明細情報および前記遊技情報と関連付けて収集することを特徴とする、請求項2記載の景品管理システムである。
【0011】
請求項4記載の発明は、前記明細情報および前記遊技情報の少なくともいずれかに基づいて、前記特定ログについての前記入力操作が不正であるか否かを判別する判別手段を備え、前記通知手段は、前記判別手段によって不正と判別された前記入力操作についての前記特定ログの情報を前記所定の通知先に通知することを特徴とする、請求項3記載の景品管理システムである。
【0012】
請求項5記載の発明は、遊技店内において前記景品管理装置と通信可能に接続され、遊技店内における情報管理を行う店内管理装置を備え、前記収集手段は、前記店内管理装置に設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の景品管理システムである。
請求項6記載の発明は、遊技店の外の本部施設に設けられて前記景品管理装置と通信可能に接続され、遊技店の管理を行う本部管理装置を備え、前記収集手段は、前記本部管理装置に設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の景品管理システムである。
【0013】
請求項7記載の発明は、前記収集手段は、前記景品管理装置に設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の景品管理システムである。
請求項8記載の発明は、前記景品管理装置は、親機となる景品管理装置と、前記親機に対して通信可能に接続される子機となる景品管理装置とを含み、前記収集手段は、前記親機に設けられていることを特徴とする、請求項7記載の景品管理システムである。
【0014】
請求項9記載の発明は、前記抽出手段は、所定の周期で前記特定ログの抽出処理を行うことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の景品管理システムである。
請求項10記載の発明は、前記抽出手段は、前記景品管理装置に対して入力操作が行われる毎に、前記特定ログの抽出処理を行うことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の景品管理システムである。
【0015】
請求項11記載の発明は、遊技店内において前記景品管理装置と通信可能に接続され、遊技店内における情報管理を行う店内管理装置と、遊技店の外の本部施設に設けられて前記景品管理装置と通信可能に接続され、遊技店の管理を行う本部管理装置とを備え、前記通知手段が前記抽出結果を通知する通知先は、遊技店の店長の携帯電話、前記店内管理装置、前記本部管理装置および/または前記景品管理装置であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の景品管理システムである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、景品管理システムでは、景品管理装置に対する入力操作についての操作ログが収集手段によって収集され、収集された操作ログの中から、抽出手段が、予め定められた特定ログを抽出し、通知手段が、抽出手段による抽出結果を所定の通知先に通知する。
この場合、所定の通知先を遊技店の店長等とし、不正との関連性が高い入力操作についての操作ログを特定ログとして事前に設定しておけば、全ての操作ログの中から、不正の疑いがある特定ログだけが抽出されて、店長等に通知される。これにより、全ての操作ログの中からいちいち特定ログを手作業で探し出さなくても済むことから、景品管理装置を用いた不正を迅速かつ容易に発見できる。さらに、このように不正を迅速かつ容易に発見できることは、不正を行おうとする者に対する抑止力になるので、当該不正を効果的に防止できる。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、操作ログについての明細情報が明細情報記憶手段に記憶されていて、収集手段は、操作ログを、これに対応する明細情報と関連付けて収集する。そのため、抽出手段による特定ログの抽出結果が通知された場合、通知を受けた者は、当該特定ログに関連付けられた明細情報を参照することによって、当該特定ログについての入力操作が不正であるか否かを判別できる。これにより、不正を行った疑いのある者に問いたださなくても、不正を立証することができる。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、操作ログに関連する遊技履歴についての遊技情報が遊技情報記憶手段に記憶されていて、収集手段は、操作ログを、これに対応する明細情報および遊技情報と関連付けて収集する。そのため、抽出手段による特定ログの抽出結果が通知された場合、通知を受けた者は、当該特定ログに関連付けられた明細情報および遊技情報を参照することによって、当該特定ログについての入力操作が不正であるか否かを判別できる。これにより、不正を行った疑いのある者に問いたださなくても、不正を立証することができる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、判別手段が、明細情報および遊技情報の少なくともいずれかに基づいて、特定ログについての入力操作が不正であるか否かを判別する。そして、通知手段は、判別手段によって不正と判別された入力操作についての特定ログの情報を所定の通知先に通知する。そのため、通知を受けた者は、通知内容に係る特定ログについての入力操作が不正か否かを自分で立証する手間を省くことができる。
【0020】
請求項5記載の発明のように、収集手段は、遊技店内において景品管理装置と通信可能に接続された店内管理装置に設けられていてもよい。
請求項6記載の発明のように、収集手段は、遊技店の外の本部施設に設けられた本部管理装置に設けられていてもよい。
請求項7記載の発明のように、収集手段は、景品管理装置に設けられていてもよい。
【0021】
請求項8記載の発明のように、景品管理装置は、親機となる景品管理装置と、親機に対して通信可能に接続される子機となる景品管理装置とを含んでいて、収集手段は、親機に設けられていてもよい。
請求項9記載の発明のように、抽出手段は、所定の周期で特定ログの抽出処理を行ってもよい。
【0022】
請求項10記載の発明によれば、抽出手段は、景品管理装置に対して入力操作が行われる毎に、特定ログの抽出処理を行う。そのため、抽出手段による抽出結果の通知を受ける者は、景品管理装置に対して特定ログに係る入力操作が行われると、その都度、速やかに当該特定ログを把握できる。これにより、不正が行われた場合に、速やかに当該不正を取り締まることができる。
【0023】
請求項11記載の発明のように、通知手段が抽出結果を通知する通知先は、遊技店の店長の携帯電話、店内管理装置、本部管理装置および/または景品管理装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る景品管理システム1の構成を示す図である。
【図2】図2は、景品管理装置5を示す斜視図である。
【図3】図3は、景品管理システム1の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図4において、(a)は、景品管理装置5の操作ログの具体例を示しており、(b)は、操作ログについての第1付加情報の具体例を示しており、(c)は、操作ログについての第2付加情報の具体例を示している。
【図5】図5は、景品管理システム1によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、景品管理システム1によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図7A】図7Aは、景品管理システム1によって実行される第1パターンの処理の内容を図解的に示す図である。
【図7B】図7Bは、景品管理システム1によって実行される第2パターンの処理の内容を図解的に示す図である。
【図7C】図7Cは、景品管理システム1によって実行される第3パターンの処理の内容を図解的に示す図である。
【図8】図8は、景品管理システム1によって実行される変形例に係る処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、景品管理装置5から発行される交換リスト90の一例を示す図である。
【図10】図10は、景品管理装置5によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る景品管理システム1の構成を示す図である。
図1を参照して、景品管理システム1とは、パチンコ台などの遊技台2が多数設置された遊技店において景品と遊技媒体(パチンコ玉など)との交換を管理するものである。景品管理システム1は、遊技店と、遊技店を外部から管轄する本部施設とに亘って設けられている。本部施設とは、遊技店の外の施設であり、系列の複数の遊技店を統括している。
【0026】
景品管理システム1は、遊技店内(図1における1点鎖線の枠内)に設けられるものとして、ターミナルコンピュータ(略して「T/C」)3と、ホールコンピュータ(略して「H/C」)4と、景品管理装置5と、景品払出機6と、計数機7と、台間機8とを含んでいる。景品管理システム1は、本部施設内に、本部PC9を含んでいる。
T/C3およびH/C4は、遊技店内における上位装置であり、遊技店内において、店員用の事務所等に配置されている。T/C3は、遊技店内における情報管理を行う店内管理装置であり、具体的には、遊技店全体における金銭についてのデータや、遊技客が遊技台2での遊技によって獲得した遊技媒体(後述する持玉や貯玉)や景品を管理する。H/C4は、各遊技台2に対して通信可能に接続されていて、各遊技台2における遊技媒体の出入りを管理する。T/C3とH/C4とは、通信可能に接続されている。
【0027】
なお、遊技によって獲得された遊技媒体の呼び方を、状況に応じて変えることがある。遊技媒体がパチンコ玉である場合、具体的には、遊技で勝って遊技台2から排出された直後の遊技媒体を出玉(「でだま」)といい、後述する台間機8で計数された出玉を持玉(「もちだま」)といい、遊技店に預け入れられた持玉等を貯玉(「ちょだま」)ということにする。
【0028】
景品管理装置5および景品払出機6は、遊技店内において、遊技媒体を景品に交換するための景品カウンタに配置されている。
景品管理装置5は、遊技客が遊技台2で獲得した遊技媒体(持玉や貯玉)と交換するための景品を管理するとともに、当該遊技媒体を景品に交換するための処理(交換処理)を行う装置であり、「POS」と呼ばれることもある。景品管理装置5は、遊技店によっては複数設けられており、その場合、いずれか1つの景品管理装置5を親機5Aとし、残りの景品管理装置5を子機5Bとして、各子機5Bが親機5Aに対して通信可能に接続されていて、親機5Aが子機5Bを制御するようになっている。各景品管理装置5は、T/C3に対して(T/C3と)通信可能に接続されている。
【0029】
ここで、景品には、菓子やタバコ等の一般景品と、特殊景品とがある。特殊景品は、所定の金銭価値を有する物体が内蔵された景品であり、たとえばカード状である。特殊景品には、200円、1000円、5000円等といった金銭価値に応じた複数の種類(ここでは、小景品、中景品および大景品の3種類)が存在する。
景品払出機6は、各景品管理装置5に対して通信可能に接続されており、対応する景品管理装置5からの指令に応じて、特殊景品を払い出す。なお、図1では、1台の景品管理装置5に対して景品払出機6が1台接続されているが、1台の景品管理装置5に対して景品払出機6が複数台接続されてもよい。
【0030】
計数機7は、遊技店内において、たとえば、まとめて配置された複数の遊技台2で構成された遊技島の端等に配置されている。計数機7は、各遊技台2で獲得された遊技媒体を計数し、その計数結果(計数日時、計数機No.、発券No.、計数値等)が印字されたレシート10を発行する。レシート10には、計数結果の具体的数値とともに、計数結果を示すバーコードが印字されている。計数機7は、T/C3に対して通信可能に接続されている。
【0031】
台間機8は、遊技台2と1対1の関係になるように設けられており、対応する遊技台2に対する専用機である。台間機8は、主に、遊技島において隣り合う遊技台2の間に配置されている。台間機8は、T/C3に対して通信可能に接続されている。台間機8の機能については、以降で説明する。
台間機8に関連して、遊技店には、遊技客に配られるカード11がある。各カード11には、個別の識別情報(「ID」ということにする)が割り当てられている。カード11は、たとえば、ICチップを内蔵するICカードであって、ICチップにIDが記録されている。なお、カード11として、このようなICカード以外に、磁気カードが挙げられる。そして、カード11には、会員カードと一般カードとがある。会員カードは、遊技店において事前に会員登録した遊技客(会員客)だけに所持が許される会員客専用のカードである。これに対し、一般カードは、会員登録を必要としないカードであり、会員客以外の遊技客(一般客)に配られる。台間機8には、新規の(特定の遊技客のものではない)一般カード11が複数枚ストックされている。各IDに関連付けて、T/C3では、持玉数やプリペイド価値がデータとして管理(記録)される。さらに、会員カード11の場合には、T/C3では、貯玉数や遊技履歴のデータ等が管理される。
【0032】
なお、持玉や貯玉を管理する専用の装置がT/C3とは別に設けられていてもよい。
また、客個人の携帯電話(図示せず)がカードの役割を果たしてもよい。この場合、携帯電話に内蔵されたICチップの製造番号(IDm)が前述したIDと同じ役割を果たし、客個人の携帯電話のIDmに関連付けて、持玉数や貯玉数やプリペイド価値がT/C3に記録される。
【0033】
本部PC9は、各遊技店の管理を行う本部管理装置である。本部PC9は、公衆回線12を介して各遊技店のT/C3や景品管理装置5と通信可能に接続されている。なお、本部PC9は、T/C3や景品管理装置5と無線通信できてもよい。また、T/C3は、所定の情報を、携帯電話14に無線送信することができる。
図1を参照して、遊技店内における景品管理システム1による景品交換に係る処理の概要を説明する。
【0034】
まず、遊技店に入店した遊技客は、好みの遊技台2の前に着き、その遊技台2に対応する台間機8に現金を入金する。すると、入金額に相当する数の遊技媒体が遊技客に貸し出される。遊技客は、貸し出された遊技媒体を用いて遊技台2で遊技をする。遊技客が会員客であり、貯玉を有している場合には、自分の会員カード11を台間機8の出入口15に挿入する。これにより、挿入された会員カード11のIDに関連付けられた貯玉をT/C3から引き落とし、貯玉を用いて遊技台2で遊技をすることができる。
【0035】
遊技中において、台間機8は、対応する遊技台2での遊技で獲得された遊技媒体を計数することができる。また、遊技中において、H/C4は、各遊技台2において、遊技客が遊技で負けることで失った遊技媒体の数や、遊技客が遊技で勝つことで獲得した遊技媒体(出玉)の数を監視している。
遊技客が遊技を終了したい場合、遊技台2または台間機8に設けられたボタン(図示せず)を押す。すると、台間機8に現金を入金して遊技を開始した場合には、台間機8内にストックされた一般カード11が1枚選択され、今回の遊技で獲得されて台間機8によって計数された遊技媒体(持玉)の数が、当該一般カード11のIDに関連付けてT/C3に記録されるとともに、当該一般カード11が台間機8の出入口15から排出される。出入口15に会員カード11を挿入して遊技を開始した場合には、今回の遊技で獲得されて台間機8によって計数された遊技媒体(持玉)の数が、当該会員カード11のIDに関連付けてT/C3に記録されるとともに、当該会員カード11が出入口15から排出(返却)される。
【0036】
なお、持玉数は、カード11自身に記録されてもよい。また、カード11が排出された後に別の遊技台2で遊技したい場合には、先程排出されたカード11を、新しく遊技したい遊技台2に対応する台間機8の出入口15に挿入する。すると、挿入されたカード11のIDに関連付けられてT/C3で記録されている持玉を引き落とし、持玉を用いて当該別の遊技台2で遊技をすることができる。
【0037】
そして、遊技台2で獲得した遊技媒体は、台間機8でなく、計数機7で計数することができる。この場合、遊技台2で獲得した遊技媒体を玉箱に溜め、この玉箱を計数機7まで持っていってから、玉箱の中の遊技媒体を計数機7に注ぎ込んで計数する。計数機7で遊技媒体の計数が行われると、計数結果(計数日時、計数機No.、発券No.、計数値等)を印字したレシート10が計数機7から発行される。
【0038】
このように遊技終了後にレシート10またはカード11を受け取った遊技客は、景品カウンタに向う。
計数機7で遊技媒体を計数してレシート10を受け取った遊技客は、景品カウンタの店員にレシート10を手渡す。店員は、受け取ったレシート10の計数結果(持玉の数)を示すバーコードを景品管理装置5に読み取らせる。すると、景品管理装置5が当該計数結果の範囲で選択可能な景品の種類および個数を算出するので、店員は、その算出結果を遊技客に伝える。これに応じて、遊技客は、交換を希望する景品の種類および個数を店員に伝える。
【0039】
希望する景品が一般景品である場合には、店員は、指定された一般景品の種類および個数を景品管理装置5において選択するとともに、当該一般景品を必要個数分だけ遊技客に手渡しする。一般景品の種類および個数が景品管理装置5において選択されるのに応じて、景品管理装置5は、当該一般景品の在庫を減算(更新)する。
交換を希望する景品が特殊景品である場合には、店員は、景品管理装置5において、遊技媒体を特殊景品に交換することを選択入力する。すると、景品管理装置5が、選択可能な特殊景品の種類および個数を自動算出する。その後、店員が、景品管理装置5による算出結果を承認する操作を景品管理装置5において実行すると、景品管理装置5は、当該種類および個数の特殊景品を払い出すよう、配下の景品払出機6に指令を下す。景品払出機6は、当該指令に従って、選択された種類および個数の特殊景品を遊技客に払い出す。景品管理装置5は、景品払出機6に指令を下したのに応じて、当該特殊景品の在庫を減算(更新)する。
【0040】
台間機8で遊技媒体を計数してカード11を受け取った遊技客は、景品カウンタの店員にカード11を手渡す。店員は、受け取ったカード11のIDを景品管理装置5に読み取らせる。なお、IDの読み取りの作業は、遊技客自身が行っても構わない。景品管理装置5は、IDを読み取ると、このIDに関連付けてT/C3で管理されている持玉数や貯玉数(会員客のみ)を呼び出し、当該持玉数や貯玉数の範囲で選択可能な景品の種類および個数を算出するので、店員は、その算出結果を遊技客に伝える。その後の景品の払い出しまでの手順は、レシート10の場合と同様である。そして、持玉が景品と交換された場合、T/C3は、景品交換前の持玉数を、景品と交換された持玉の数に応じて減算(更新)する。貯玉が景品と交換された場合、T/C3は、景品交換前の貯玉数を、景品と交換された貯玉の数に応じて減算(更新)する。
【0041】
景品に交換されない持玉が存在する場合、当該持玉は、一般客のものであれば、持玉が発生した日における遊技店の営業時間が終了したのに応じて消滅する。一方、会員客の持玉は、持玉が発生した日における遊技店の営業時間が終了したのに応じて、貯玉となる。これに応じて、T/C3で管理されている該当する貯玉数が加算(更新)される。
以上が、景品管理システム1による景品交換に係る処理の概要であるが、図1において、今までの説明でほとんど登場しなかった本部PC9および携帯電話14の役割については、以降で説明する。
【0042】
図2は、景品管理装置5を示す斜視図である。
図2は、景品カウンタにいる店員から見たときの景品管理装置5を示している。
図2を参照して、景品管理装置5は、本体20と、ディスプレー21と、カードリーダ22と、バーコードリーダ23とを備えている。
本体20は、上下に扁平なボックス形状である。本体20の上面には、キーボード24が設けられている。キーボード24は、テンキー25と一般景品選択キー26とを主に含んでいる。一般景品選択キー26は、多数設けられていて、それぞれの表面には、いずれかの一般景品の名前が記されている。一般景品を選択する際に、該当する一般景品選択キー26が押される。
【0043】
また、本体20の上面において、キーボード24以外の領域には、モード切換部27と、用紙排出口28とが設けられている。
モード切換部27は、本体20の上面に露出される位置に鍵穴27Aが形成されたシリンダー錠である。鍵穴27Aに専用の鍵(図示せず)を差し込んでモード切換部27を所定角度だけ回動させることによって、景品管理装置5の運転モードを、景品交換を行う景品交換モードや、景品交換モード以外のモードに切り換えることができる。景品交換モード以外のモードとして、景品管理装置5における設定内容を変更する設定モードや、会員客の登録内容等を変更する会員処理モードや、景品の在庫集計を行う集計モードや、在庫データの変更等を行う在庫処理モードや、在庫データ等のクリアを行うクリアモード等がある。
【0044】
用紙排出口28は、細長いスリット状である。本体20の内部において、用紙排出口28の近傍には、ジャーナルプリンタ29が配置されている。たとえば、景品の在庫集計を行ったときに、用紙排出口28には、ジャーナルプリンタ29によって集計結果が印刷された用紙が本体20の内部から排出される。
本体20において、図2における手前側端面には、電源スイッチ30とメディア差込口31とが設けられている。電源スイッチ30を操作することによって、景品管理装置5の電源をオン/オフすることができる。メディア差込口31は、奥側へ窪むU字をなすスリット状である。景品管理装置5内のデータを外部に持ち出す場合、または、外部のデータを景品管理装置5に取り込みたい場合には、データを記憶したメディア(図示せず)がメディア差込口31に対して抜き差しされる。
【0045】
ディスプレー21は、板状であり、図2における姿勢を基準として、本体20の奥側端部から奥側上方ヘ傾斜して延びている。ディスプレー21において、図2における手前側の側面には、略矩形状の店側表示部32が設けられている。店側表示部32は、液晶のタッチパネルである。店側表示部32は、景品カウンタの店員側を臨んでいる。店側表示部32には、店員が確認および操作をするために必要な種々のデータが表示される。
【0046】
本体20およびディスプレー21において、図2における奥側の側面には、客側表示部33が設けられている。客側表示部33は、たとえば液晶のタッチパネルであり、景品カウンタに来た客側を臨んでいる。客側表示部33には、客向けの情報が表示される。
カードリーダ22は、たとえば、図2に示すようなボックス形状である。なお、図2では、カードリーダ22については、説明の便宜上、客側から見たときの姿勢で示している。
【0047】
カードリーダ22は、電気ケーブル34を介して本体20に対して電気的に接続されている。カードリーダ22は、その外郭をなすケーシング35を有している。
ケーシング35の客側表面には、横方向に細長いスリット36が形成されている。前述した客のカード11は、客自身または客からカード11を預かった店員によってスリット36に差し込まれることで、カードリーダ22にセットされる。カードリーダ22は、カード11のICチップを認識することで、カード11がセットされたことを認識し、セットされたカード11のICチップに記憶されたデータ(IDや持玉数等)を読み出す。また、カードリーダ22は、ICチップ内のデータを書き換えることもできる。
【0048】
さらに、ケーシング35の上面には、下方へ窪む凹部が形成されており、この凹部は、携帯セット部37とされる。携帯セット部37には、客の携帯電話をセットすることができ、携帯セット部37に携帯電話がセットされると、カードリーダ22は、携帯電話の前述したIDmを読み取ることができる。
また、ケーシング35の客側表面には、液晶パネル等で構成された表示部38が表示されている。表示部38には、客向けの情報が表示される。客は、表示部38に表示されたキー(図示せず)を操作することによって、所定の情報(会員客の場合における暗証番号等)を入力することができる。
【0049】
バーコードリーダ23は、把持できるグリップ形状であり、その先端部に、バーコードを読み取るためのバーコード読取部39を有している。バーコードリーダ23は、電気ケーブル40を介して本体20に対して電気的に接続されている。
図3は、景品管理システム1の電気的構成を示すブロック図である。
図3を参照して、各景品管理装置5は、制御部50(収集手段、抽出手段、通知手段、判別手段)を備えている。制御部50は、CPUおよびそのプログラム等を記憶したROM、RAM等で構成されており、プログラムに従って演算処理等の所定の処理を実行する。
【0050】
制御部50には、前述した店側表示部32、客側表示部33、電源スイッチ30、モード切換部27、キーボード24、ジャーナルプリンタ29、カードリーダ22およびバーコードリーダ23と、計時部51と、メモリ部52(明細情報記憶手段)と、通信I/F(インタフェース)部53とが電気的に接続されている。計時部51、メモリ部52および通信I/F部53は、景品管理装置5に備えられている。
【0051】
計時部51は、計時を行ったり、閉店時等の所定のタイミングを検出したりする。さらに、計時部51は、カレンダー機能を持ち、景品の入出庫処理等が行われた日時を特定できる。
メモリ部52には、遊技店で取り扱われる景品の在庫情報(景品毎の在庫数)や各種設定情報等の必要な情報が記録されている。
【0052】
通信I/F部53を介して、制御部50(景品管理装置5)は、T/C3やH/C4と通信することができる。さらに、景品管理装置5のうち、親機5Aは、通信I/F部53を介して、配下の子機5Bと通信することができる。
T/C3は、演算処理等の所定の処理を実行する制御部60(収集手段、抽出手段、通知手段、判別手段)と、制御部60に対して電気的に接続される第1通信I/F部61、第2通信I/F部62、第3通信I/F部63およびメモリ部64とを備えている。
【0053】
第1通信I/F部61は、各景品管理装置5の通信I/F部53につながっており、これによって、制御部60(T/C3)は、各景品管理装置5と通信することができる。第2通信I/F部62は、H/C4につながっており、これによって、制御部60(T/C3)は、H/C4と通信することができる。第3通信I/F部63は、公衆回線12につながっており、これによって、制御部60(T/C3)は、本部PC9と通信することができる。メモリ部64には、必要な情報が記憶されている。
【0054】
H/C4は、演算処理等の所定の処理を実行する制御部70と、制御部70に対して電気的に接続される通信I/F部71およびメモリ部72(遊技情報記憶手段)とを備えている。
通信I/F部71は、T/C3の第2通信I/F部62につながっており、これによって、制御部70(H/C4)は、T/C3と通信することができる。メモリ部72には、必要な情報が記憶されている。
【0055】
本部PC9は、演算処理等の所定の処理を実行する制御部80(収集手段、抽出手段、通知手段、判別手段)と、制御部80に対して電気的に接続されるとともに、必要な情報が記憶されたメモリ部81とを備えている。また、T/C3、H/C4および本部PC9は、入力手段としての操作部や、出力手段としての表示部および印字部を備えている。
図4において、(a)は、景品管理装置5の操作ログの具体例を示しており、(b)は、操作ログについての第1付加情報の具体例を示しており、(c)は、操作ログについての第2付加情報の具体例を示している。
【0056】
ここで、店員がキーボード24(図2参照)等を押すことによって景品管理装置5に入力操作を与えると、その都度、そのときの入力操作に係るログ(操作ログ)が作成される。具体的には、図4(a)に示すように、個々の操作ログは、操作が行われた日付および時刻と、操作を行った店員(担当者)と、操作に係る処理と、処理の概要とで構成されている。図4(a)では、2011年3月15日における操作ログを示している。
【0057】
図4(a)における最初(最上欄)の操作ログは、9時00分に担当者Aが特殊景品(大景品200個、中景品150個および小景品100個)を景品払出機6(図1参照)に入庫する処理のためにキーボード24等を操作したときのログである。
その次の操作ログは、景品交換処理の一環として11時01分に担当者Aが客のレシート10のバーコードをバーコードリーダ23(図2参照)で読取ったときのログである。その次の操作ログは、景品交換処理の一環として11時02分に担当者Aが客から指定された特殊景品を選択するためにキーボード24を操作したときのログである。その次の操作ログは、景品交換処理の一環として11時03分に担当者Aが景品払出機6による特殊景品の払出しを実行するためにキーボード24を操作したときのログである。11時01分から11時03分までの3つの操作ログは、一度の景品交換に係る一連のものである。
【0058】
その次の操作ログは、11時32分に担当者Aが一般景品(スナック菓子8個)を補充する処理のためにキーボード24を操作したときのログである。その次の操作ログは、11時40分に担当者Aが景品の在庫確認の処理のためにキーボード24を操作したときのログである。その次の操作ログは、11時45分に担当者Aが返品された景品(タバコ2個)を在庫に戻す返品処理のためにキーボード24を操作したときのログである。その次の操作ログは、11時50分に担当者Aが一般景品(ジュース)の在庫数を15本から18本に訂正する処理のためにキーボード24を操作したときのログである。
【0059】
その次の処理は、新しい景品交換処理の一環として11時53分に担当者Aが遊技客の玉数(持玉数)をキーボード24で手入力したときのログである。たとえば、レシート10(特にバーコード部分)が汚損していたり、カード11が折れ曲って破損したりしている場合には、レシート10やカード11の内容を景品管理装置5が読み取れないので、このように、店員がテンキー25(図2参照)を操作することで玉数を手入力することがある。
【0060】
その次の操作ログは、景品交換処理の一環として11時54分に担当者Aが客から指定された特殊景品を選択するためにキーボード24を操作したときのログである。その次の操作ログは、景品交換処理の一環として11時55分に担当者Aが客から指定された一般景品を選択するためにキーボード24を操作したときのログである。その次の操作ログは、景品交換処理の一環として11時56分に担当者Aが景品払出機6による特殊景品の払出しを実行するためにキーボード24を操作したときのログである。その次の操作ログは、景品交換処理の一環として11時58分に担当者Aが客の余り玉(景品に交換されなかった持玉)を貯玉にするためにキーボード24を操作したときのログである。11時53分から11時58分までの5つの操作ログ(操作ログ群Xということがある)は、一度の景品交換に係る一連のものである。
【0061】
その次の操作ログは、12時03分に新しい担当者Bが特殊景品(大景品40個、中景品50個および小景品20個)を景品払出機6に補充する処理のためにキーボード24を操作したときのログである。
このような操作ログに関連して、景品管理装置5は、前述した各操作ログについての明細情報(「第1付加情報」ということにする)を作成してメモリ部52(図3参照)に記憶する。具体的には、図4(b)に示すように、個々の第1付加情報は、対応する操作ログが作成された日付および時刻と、操作ログについての操作を行った店員(担当者)と、操作に係る処理の概要と、処理の詳細とで構成されている。
【0062】
図4(b)において、最初の第1付加情報は、11時53分における玉数手入力の処理についての操作ログ(図4(a)参照)に対応しており、このとき手入力された玉数が10000玉であるという付加情報を含んでいる。その次の第1付加情報は、11時54分における特殊景品選択の処理についての操作ログ(図4(a)参照)に対応しており、このとき選択された特殊景品の内訳について、大景品が6個で、中景品が2個で、小景品が3個であるという付加情報を含んでいる。その次の第1付加情報は、11時55分における一般景品選択の処理についての操作ログ(図4(a)参照)に対応しており、このとき選択された一般景品がタバコ1個であり、パチンコ玉75個と交換されるという付加情報を含んでいる。
【0063】
その次の第1付加情報は、11時58分における余り玉貯玉の処理についての操作ログ(図4(a)参照)に対応しており、このとき25玉の持玉が、IDが12345の会員客の貯玉となったという付加情報を含んでいる。11時53分から11時58分までの4つの第1付加情報(第1付加情報群Yということがある)は、操作ログ群X(図4(a)参照)に対応している。
【0064】
そして、H/C4(図1および図3参照)は、会員客による遊技、および、当該遊技に関連して行われた処理に関する履歴(遊技履歴)が発生する度に、当該遊技履歴についての遊技情報(「第2付加情報」ということにする)を作成し、メモリ部72(図3参照)で記憶している。具体的には、図4(c)に示すように、個々の第2付加情報は、会員客についての遊技履歴が発生した日付および時刻と、会員客の会員カード11のIDと、遊技履歴の内容および詳細とで構成されている。
【0065】
図4(c)において、最初の第2付加情報は、10時48分に、IDが12345の会員客が貯玉による再プレイによってX番台の遊技台2(図1参照)で勝ち、10000玉の遊技媒体の払出しを受けたという付加情報を含んでいる。その次の第2付加情報は、11時56分に、同一の会員客(ID:12345)が獲得した遊技媒体を、特殊景品(大景品6個、中景品2個および小景品3個)と一般景品(タバコ1個)とに交換したという付加情報を含んでいる。その次の第2付加情報は、11時58分に、当該同一の会員客(ID:12345)が、余り玉25玉を貯玉にしたという付加情報を含んでいる。
【0066】
10時48分から11時58分までの3つの第2付加情報(第2付加情報群Zということがある)は、第1付加情報群Yに対応している。
操作ログ群X(図4(a)参照)、第1付加情報群Y(図4(b)参照)および第2付加情報群Z(図4(c)参照)を参照すると、各操作ログの内容が第1付加情報および第2付加情報によって裏付けられている(関連付けられている)ことが分かる。
【0067】
詳しくは、11時53分の操作ログにおける担当者Aによる玉数手入力とは、IDが12345の会員客が払い出しを受けた10000玉(10時48分の第2付加情報)の玉数が担当者Aによって手入力されたことであること(11時53分の第1付加情報)が分かる。そして、11時54分の操作ログにおける担当者Aによる特殊景品選択とは、大景品6個、中景品2個および小景品3個の特殊景品の選択であること(11時54分の第1付加情報)が分かる。そして、11時55分の操作ログにおける担当者Aによる一般景品選択とは、タバコ1個の選択であること(11時55分の第1付加情報)がわかる。そして、11時56分の操作ログにおける担当者Aによる景品の払出し実行とは、IDが12345の会員客に対して、大景品6個、中景品2個および小景品3個の特殊景品とタバコ1個とを払出したことであること(11時56分の第2付加情報)がわかる。最後に、11時58分の操作ログにおける担当者Aによる余り玉貯玉とは、景品交換されなかった25玉の持玉を、先程景品の払出しを受けた会員客(ID:12345)の貯玉としたことであること(11時58分の第1および第2付加情報)がわかる。
【0068】
図5および図6は、景品管理システム1によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。図7Aは、景品管理システム1によって実行される第1パターンの処理の内容を図解的に示す図である。図7Bは、景品管理システム1によって実行される第2パターンの処理の内容を図解的に示す図である。図7Cは、景品管理システム1によって実行される第3パターンの処理の内容を図解的に示す図である。
【0069】
次に、図5〜図7Cを参照して、景品管理システム1によって実行される処理について説明する。ここでの処理には、操作ログをT/C3のメモリ部64に記録する第1パターン(図7A参照)と、操作ログを景品管理装置5のメモリ部52に記録する第2パターン(図7B参照)と、操作ログを本部PC9のメモリ部81に記録する第3パターン(図7C参照)とが主に存在する。いずれのメモリ部に操作ログを記録するかは、任意に設定可能である。
【0070】
第1パターンの場合(図7A参照)、図5も参照して、まず、T/C3の制御部60(図3参照)が、景品管理装置5に対する入力操作(POS操作)があるか否かを監視しており(ステップS1)、POS操作があると(ステップS1でYES)、この操作についての操作ログ(図4(a)参照)を作成する(ステップS2)。なお、操作ログの作成は、T/C3の制御部60でなく、景品管理装置5の制御部50(図3参照)が行ってもよい(第2および第3パターンにおいても同様)。
【0071】
操作ログが作成されるのと同時に、または、操作ログの作成と前後して、対応する付加情報(第1付加情報および第2付加情報の少なくともいずれかであり、図4(b)および図4(c)参照)が景品管理装置5またはH/C4において作成される(第2および第3パターンにおいても同様)。
そして、制御部60は、ステップS2で作成された操作ログに対応する付加情報があるか否かを、景品管理装置5のメモリ部52やH/C4のメモリ部72(図3参照)に問い合わせる(ステップS3)。
【0072】
対応する付加情報があれば(ステップS3でYES)、制御部60は、ステップS2で作成された操作ログを、当該付加情報と関連付けて指定メモリ部(第1パターンの場合はT/C3のメモリ部64)に記録する(ステップS4)。付加情報がなければ(ステップS3でNO)、制御部60は、ステップS2で作成された操作ログだけを指定メモリ部(メモリ部64)に記録する(ステップS5)。つまり、制御部60は、メモリ部64に操作ログを収集する。
【0073】
なお、付加情報を操作ログに関連付けないように事前に設定することができ、このように設定されていれば、付加情報があってもなくても、制御部60は、ステップS3およびS4の処理を省略し、ステップS2で作成された操作ログだけを、ステップS5において指定メモリ部(メモリ部64)に記録する(第2パターンおよび第3パターンにおいても同様)。
【0074】
ここで、操作ログには、店員による不正が疑われる操作に係るログがある。たとえば、架空の玉数を景品管理装置5に手入力して貯玉とし、当該架空の玉数がある程度増えたところで、当該架空の玉数に基づいて景品を不正に獲得すること等が挙げられる。そこで、一例として「手入力」というキーワードを抽出条件として、当該抽出条件に合う(当該キーワードを含む)特定の操作ログ(「特定ログ」ということにする)を所定のタイミングで抽出する処理が行われる。つまり、ここでの特定ログとは、手入力についての操作ログといった予め定められた操作ログである。
【0075】
なお、抽出条件は、任意に設定可能である。たとえば、店員が景品補充の際に景品を着服するような不正が想定されるのであれば、抽出条件を「景品補充」というキーワードとしてもよい。
また、特定ログの抽出を行う前記所定のタイミングとして、開店処理を行うタイミングや、閉店処理を行うタイミングや、店員が交代したタイミングや、予め設定された所定時刻になったタイミング等が挙げられる。もちろん、当該所定のタイミングとして、閉店処理時や開店処理時等から所定の(たとえば1時間おきの)インターバルが経過したときの周期的なタイミング、つまり、所定の周期が経過したタイミングであってもよい。
【0076】
また、特定ログが抽出された場合における対処方法を事前に設定することができる。対処方法としては、後述するように抽出結果を通知先に通知したり、アラート通知したりすることが挙げられる。アラート通知とは、「不正操作の可能性があります。確認して下さい。」というような警告を、音声等で、景品管理装置5やT/C3や本部PC9において報知することである。なお、景品管理装置5やT/C3や本部PC9の各表示部においてアラート通知を行う場合には、前記警告内容を示したポップアップ画面を表示部に表示してもよい。また、景品管理装置5が複数存在する場合には、どの景品管理装置5で不正操作の可能性があるのかという情報が、抽出結果およびアラート通知の少なくともいずれかに含まれる。
【0077】
以上のようにステップS4およびS5で操作ログがメモリ部64に収集(蓄積)された状態において、図6に示すように前記所定のタイミングになると(ステップS11でYES)、制御部60は、指定メモリ部(メモリ部64)の操作ログの中から、抽出条件に合う操作ログ(特定ログ)を抽出する処理を行う(ステップS12)。つまり、抽出条件のキーワード(ここでは、「手入力」)を含む操作ログを抽出する。そして、制御部60は、抽出結果(抽出した特定ログ)を、所定の通知先に通知するとともに、当該通知先に対して、前述したアラート通知を行う(ステップS13)。
【0078】
操作ログの抽出処理を行うタイミングや、抽出条件や、抽出結果の通知方法および通知内容等は、事前に、所定の権限を有する管理者によって設定されてメモリ部64等に記憶されているものとする。
当該通知先として、遊技店の店長やオーナーの携帯電話14、T/C3、本部PC9および/または景品管理装置5(図1参照)が挙げられ、これらのうち、どれを通知先とするかは任意に設定可能である。図7Aでは、制御部60は、抽出結果を遊技店の店長の携帯電話14および本部PC9に送信する。抽出結果を携帯電話14に送信する場合には、抽出結果は、メール形式で送信される。
【0079】
携帯電話14に送信された抽出結果を見た店長や、本部PC9に送信された抽出結果を見た本部施設の担当者は、アラート通知によって、不正行為の発生の可能性に気付き、受信した抽出結果に基づいて、その操作ログについて不正があるか否かを、操作ログに記載された担当者に問いただす。景品管理装置5に抽出結果およびアラート通知が送信された場合には、景品管理装置5に対して不正が疑われる操作をした前任の店員とは別の後任の店員が、抽出結果およびアラート通知を確認して、店長等に報告したり、前記前任の店員に問いただしたりする。このとき、景品管理装置5周辺の監視カメラの映像等とあわせて検証してもよい。
【0080】
ここで、抽出結果(特定ログの内容)だけが通知先に通知されてもよく、この場合、通知を受けた者が、必要に応じて、関連する付加情報(図4(b)および図4(c)参照)を読み出して、当該特定ログに係る操作が不正であるか否かを判別する。もちろん、通知先に対して、抽出結果とともに、対応する付加情報が一緒に送信されてもよい。
また、制御部60は、ステップS12において、抽出した特定ログについての入力操作が不正であるか否かを、第1付加情報および第2付加情報の少なくともいずれかに基づいて判別してもよい。一例として、図4(c)を参照して、10時48分の第2付加情報において、IDが12345の会員客が10000玉の払出しを受けたのにもかかわらず、その10000玉の景品交換処理で、担当者Aが景品管理装置5に対して15000玉の玉数を手入力したとする。この場合、図4(b)を参照して、11時53分の第1付加情報において、処理の詳細には、15000玉の手入力が記録されているので、制御部60は、第1付加情報における15000玉と第2付加情報における10000玉との不整合から、11時53分の操作ログにおける玉数手入力(図4(a)参照)は、不正であると判別する。この場合、制御部60は、ステップS12で抽出した特定ログのうち、不正と判別した入力操作についての特定ログ(当該特定ログの内容や関連する付加情報)と、不正が発生した旨のアラートとを、ステップS13で通知先に通知してもよい(図6参照)。そのため、通知を受けた者は、通知内容に係る特定ログについての入力操作が不正か否かを自分で立証する手間を省くことができる。なお、通知を受けた者が、通知内容に係る特定ログについての入力操作が不正か否か判別する場合には、前記制御部60が行った手順と同様の手順で判別する。
【0081】
第2パターンの場合(図7B参照)、図5も参照して、まず、景品管理装置5(親機5A)の制御部50(図3参照)が、POS操作があるか否かを監視しており(ステップS1)、POS操作があると(ステップS1でYES)、この操作についての操作ログ(図4(a)参照)を作成する(ステップS2)。
そして、制御部50は、ステップS2で作成した操作ログに対応する付加情報があるか否かを、景品管理装置5のメモリ部52やH/C4のメモリ部72(図3参照)に問い合わせる(ステップS3)。
【0082】
対応する付加情報があれば(ステップS3でYES)、制御部50は、ステップS2で作成した操作ログを、当該付加情報と関連付けて指定メモリ部(第2パターンの場合は景品管理装置5のメモリ部52)に記録する(ステップS4)。付加情報がなければ(ステップS3でNO)、制御部50は、ステップS2で作成した操作ログだけを指定メモリ部(メモリ部52)に記録する(ステップS5)。つまり、制御部50は、メモリ部52に操作ログを収集する。
【0083】
そして、このように操作ログがメモリ部52に収集(蓄積)された状態において、図6に示すように前記所定のタイミングになると(ステップS11でYES)、制御部50は、指定メモリ部(メモリ部52)の操作ログの中から抽出条件に合う操作ログ(特定ログ)を抽出する処理を行う(ステップS12)。そして、制御部50は、抽出結果(抽出した特定ログ)を、前記所定の通知先に通知するとともに、当該通知先に対してアラート通知する(ステップS13)。図7Bでは、制御部50は、抽出結果を、T/C3経由で遊技店の店長の携帯電話14および本部PC9に送信する。この際、抽出結果とともに、対応する付加情報が一緒に送信されてもよい。
【0084】
携帯電話14に送信された抽出結果を見た店長や、本部PC9に送信された抽出結果を見た本部施設の担当者は、アラート通知によって、不正行為の発生の可能性に気付き、受信した抽出結果に基づいて、その操作ログについて不正があるか否かを、操作ログに記載された担当者に問いただす。
また、第2パターンでは、第1パターンと同様に、制御部50が、ステップS12において抽出した特定ログについての入力操作が不正であるか否かを判別し、不正と判別した入力操作についての特定ログの情報をステップS13で通知先に通知してもよい。
【0085】
第3パターンの場合(図7C参照)、図5も参照して、まず、本部PC9の制御部80(図3参照)が、POS操作があるか否かを監視しており(ステップS1)、POS操作があると(ステップS1でYES)、この操作についての操作ログ(図4(a)参照)を作成する(ステップS2)。
そして、制御部80は、ステップS2で作成された操作ログに対応する付加情報があるか否かを、T/C3経由で景品管理装置5のメモリ部52やH/C4のメモリ部72(図3参照)に問い合わせる(ステップS3)。
【0086】
対応する付加情報があれば(ステップS3でYES)、制御部80は、ステップS2で作成された操作ログを、当該付加情報と関連付けて指定メモリ部(第3パターンの場合は本部PC9のメモリ部81)に記録する(ステップS4)。付加情報がなければ(ステップS3でNO)、制御部80は、ステップS2で作成された操作ログだけを指定メモリ部(メモリ部81)に記録する(ステップS5)。つまり、制御部80は、メモリ部81に操作ログを収集する。
【0087】
そして、このように操作ログがメモリ部81に収集(蓄積)された状態において、図6に示すように前記所定のタイミングになると(ステップS11でYES)、制御部80は、指定メモリ部(メモリ部81)の操作ログの中から抽出条件に合う操作ログ(特定ログ)を抽出する処理を行う(ステップS12)。そして、制御部80は、抽出結果(抽出した特定ログ)を、前記所定の通知先に通知するとともに、当該通知先に対してアラート通知する(ステップS13)。図7Cでは、制御部80は、抽出結果を遊技店の店長の携帯電話14に送信するとともに、本部PC9の表示部(図示せず)に抽出結果およびアラート通知を表示する。この際、抽出結果とともに、対応する付加情報が一緒に送信(表示)されてもよい。
【0088】
携帯電話14に送信された抽出結果を見た店長や、本部PC9の表示部に表示された抽出結果を見た本部施設の担当者は、アラート通知によって、不正行為の発生の可能性に気付き、受信した抽出結果に基づいて、その操作ログについて不正があるか否かを、操作ログに記載された担当者に問いただす。
また、第3パターンでは、第1パターンや第2パターンと同様に、制御部80が、ステップS12において抽出した特定ログについての入力操作が不正であるか否かを判別し、不正と判別した入力操作についての特定ログの情報をステップS13で通知先に通知してもよい。
【0089】
以上のように、第1〜第3パターンにおいて、この景品管理システム1では、景品管理装置5に対する入力操作についての操作ログが、制御部60(T/C3)、制御部50(景品管理装置5)および制御部80(本部PC9)のいずれかの制御部によって収集され、当該制御部は、収集した操作ログの中から、予め定められた特定ログを抽出し、その抽出結果を所定の通知先に通知する。
【0090】
この場合、所定の通知先を遊技店の店長等とし、不正との関連性が高い入力操作(ここでは、「手入力」)についての操作ログを特定ログとして事前に設定しておけば、全ての操作ログの中から、不正の疑いがある特定ログだけが抽出されて、店長等に通知される。これにより、全ての操作ログの中からいちいち特定ログを手作業で探し出さなくても済むことから、景品管理装置5を用いた不正を迅速かつ容易に発見できる。さらに、このように不正を迅速かつ容易に発見できることは、不正を行おうとする者に対する抑止力になるので、当該不正を効果的に防止できる。
【0091】
また、前記制御部は、操作ログを、これに対応する第1付加情報および第2付加情報の少なくともいずれかと関連付けて収集する。そのため、前記制御部による特定ログの抽出結果が通知された場合、通知を受けた者は、当該特定ログに関連付けられた第1付加情報および第2付加情報の少なくともいずれかを参照することによって、当該特定ログについての入力操作が不正であるか否かを判別できる。これにより、不正を行った疑いのある者に問いたださなくても、不正を立証することができる。
【0092】
図8は、景品管理システム1によって実行される変形例に係る処理の手順を示すフローチャートである。
以上では、操作ログが作成されると、指定メモリ部に一旦蓄積して(図5のステップS4およびステップS5)、所定の周期(タイミング)で、抽出条件に合う特定ログを抽出して(図6のステップS12)、その抽出結果を指定先に送信している(図6のステップS13)。これに代え、図8に示す以下の処理を行ってもよい。
【0093】
具体的には、T/C3の制御部60、景品管理装置5の制御部50および本部PC9の制御部80(図3参照)のいずれかが、POS操作があると(ステップS21でYES)、操作ログを作成するとともに、特定ログの抽出処理を行う(ステップS22)。つまり、制御部60、制御部50および制御部80のうちの対応する制御部は、POS操作が行われる毎に、特定ログの抽出処理を行う。なお、操作ログの作成自体は、景品管理装置5の制御部50だけが行ってもよい。そして、当該制御部(制御部60,50,80のいずれか)は、特定ログを抽出すると(ステップS23でYES)、抽出結果を指定先に送信するとともに、アラートを通知する(ステップS24)。
【0094】
この場合、抽出結果の通知を受ける者は、景品管理装置5に対して特定ログに係る入力操作(POS操作)が行われると、その都度、速やかに当該特定ログを把握できる。これにより、不正が行われた場合に、速やかに当該不正を取り締まることができる。
図9は、景品管理装置5から発行される交換リスト90の一例を示す図である。
ここで、景品払出機6(図1参照)から特殊景品が払出された場合、ほぼ同じタイミングで景品管理装置5の用紙排出口28(図2参照)から図9に示す交換リスト90が発行される。
【0095】
交換リスト90には、たとえば、上から順に、「交換リスト」というタイトル、交換リスト90の発行日時、交換リスト90を発行した遊技店名(ここでは、「パーラーABC」)、追跡情報Q、払出された特殊景品の個数リストRが記載されている。
個数リストRの内容は、払出された特殊景品の内訳(図9の場合、大景品:25個、中景品:2個、小景品:2個)である。特殊景品の払出しを受けた遊技客は、特殊景品とともに、交換リスト90を遊技店の外の特殊景品交換所に持ち込む。すると、特殊景品交換所の担当者が、交換リスト90の個数リストRの内容と、遊技客が持参した特殊景品の種類および個数とが一致しているか否かを確認し、一致していれば、遊技客は、持参した特殊景品を特殊景品交換所で買い取ってもらい、現金の払出しを受ける。
【0096】
追跡情報Qは、たとえば、上から順に、以下の(1)〜(6)の情報を含んでいる。
(1)今回特殊景品と交換された出玉を計数した計数機7の識別情報(計数機No.)、(2)この交換リスト90の発券No.
(3)今回景品交換された遊技媒体のうち計数機7で計数されたものの個数(計数個数)
(4)今回景品交換された遊技媒体のうち貯玉であったものの個数(貯玉引落個数)、
(5)今回景品交換された遊技媒体のうち手入力されたものの個数(手入力個数)
(6)計数個数、貯玉引落個数および手入力個数の合計個数
前述した不正があってもなくても、店員が持玉の個数を手入力すると、その持玉を特殊景品に交換した場合、手入力個数(追跡情報Q)が記載された交換リスト90が発行される。追跡情報Qには、手入力個数だけでなく、計数機No.や発券No.や計数個数等があるので、追跡情報Qに基づいて、交換リスト90に個数が記載された遊技媒体の入手ルートを追跡することができる。
【0097】
そのため、追跡情報Qが記載された交換リスト90を見た店員に対して、自分が架空の持玉を手入力した不正が追跡情報Qによって立証されるかもしれないと考えさせることができるので、店員による不正を抑制することができる。
図10は、景品管理装置5によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【0098】
また、別の不正として、店員が、遊技店の床に落ちている遊技媒体を拾って、自分とは別の名義の会員名で貯玉する行為を繰り返した上で、自分の遊技店で働いてない仲間に当該会員名の会員カード11を渡し、この仲間が全く遊技せずに当該貯玉を景品に交換することが考えられる。このような不正を防止するために、以下の処理が行われる。
まず、景品管理装置5の制御部50(図3参照)が、カードリーダ22による会員カード11の読取りがあるか否かを監視している(ステップS31)。会員カード11の読取りがあれば(ステップS31でYES)、制御部50は、当該カード11の会員客の指示を受けた店員が景品管理装置5のキーボード24(図2参照)を操作することを判断材料とすることで、当該カード11に関連付けられた貯玉についての景品交換要求があるか否かを確認する(ステップS32)。
【0099】
景品交換要求があれば(ステップS32でYES)、制御部50は、当該カード11の会員客についての当日の遊技履歴があるか否かを、H/C4(図1参照)に問い合わせる(ステップS33)。遊技履歴があれば、該当する第2付加情報(図4(c)における10時48分の第2付加情報を参照)が、H/C4のメモリ部72(図2参照)に記録されている。
【0100】
当日の遊技履歴があれば(ステップS33でYES)、制御部50は、景品交換要求を受け付けて、景品交換処理を行う(ステップS34)。これにより、当該カード11に関連付けられた貯玉の範囲内で景品が払出される。
一方、当日の遊技履歴がなければ(ステップS33でNO)、制御部50は、景品交換できない旨を店側表示部32、客側表示部33およびカードリーダ22の表示部38(図2参照)の少なくともいずれかにおいて報知する(ステップS35)。そして、制御部50は、カードリーダ22から会員カード11を返却する(ステップS36)。
【0101】
ステップS33での判断条件として、当日の遊技履歴があっても、遊技で負けて失った遊技媒体(「アウト玉」ということにする)の数が所定数以上あれば(ステップS33でYES)、景品交換処理ができ(ステップS34)、アウト玉数が所定数未満であれば(ステップS33でNO)、景品交換出来ないようにしてもよい(ステップS35、S36)。なお、ステップS35における報知の内容や、ステップS36における対応内容については、遊技店の運営方針に合わせて変更してもよい。
【0102】
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、前述した実施形態では、景品管理装置5のメモリ部52や、T/C3のメモリ部64や、本部PC9のメモリ部81に操作ログが収集されるが、H/C4のメモリ部72に収集されてもよく、さらには、操作ログを収集することができる専用のデータベースを遊技店の内外の少なくともいずれかに設けてもよい(図1および図3参照)。
【0103】
また、T/C3とH/C4とは、別々の装置として説明したが、一体であってもよい。また、これらの装置の少なくとも一方を景品管理装置5の一部とみなしてもよい。この場合、景品管理装置5の操作ログに限らず、T/C3やH/C4の操作ログのうち、不正に係る特定ログが抽出されて通知されることになる。
また、景品管理システム1にT/C3が含まれない構成も想定される。この場合、景品管理装置5が、操作ログの抽出結果を前記通知先に直接通知する。
【0104】
また、抽出条件が複数ある場合、抽出条件に対して、不正の可能性が高い順にランクを付けてもよい。この場合、たとえば、規定ランクより低い(不正の可能性が低い)抽出条件で抽出された特定ログについては、店長の携帯電話14に通知されるのに留まり、規定ランク以上の(不正の可能性が高い)抽出条件で抽出された特定ログについては、店長の携帯電話14だけでなく、他の責任者の携帯電話や本部PC9にも通知されるようにしてもよい。つまり、不正の可能性の高さに応じて、特定ログの通知先が変わってもよい。
【0105】
また、抽出条件にランクを付ける場合、規定ランク以上の抽出条件に合う特定ログだけが抽出されて通知されてもよい。
また、抽出条件の他の例として、手入力処理が所定時間内に繰り返されることや、景品の返品処理を同じ担当者が所定回数以上行うことが挙げられる。
また、前述した第2付加情報(図4(c)参照)に関し、計数機7で出玉を計数した場合、計数機7から発行されるレシート10には、計数結果に加えて、その出玉を獲得した遊技台2(遊技台2が複数ある場合には、最後に遊技した遊技台2)の識別番号(台番号)と、レシート10の発行No.とが記録されてもよい(図1参照)。そして、計数機7で出玉を計数したのが会員客である場合には、レシート10が発行されると、そのレシート10に記録された遊技台2の識別番号とレシート10の発行No.とが、第2付加情報としてH/C4のメモリ部72(図3参照)に記録される。この場合、遊技台2の識別番号およびレシート10の発行No.の分だけ第2付加情報の内容が増えるので、操作ログから不正を判別する際の判別材料が増え、不正の特定が容易となるとともに、不正の抑止効果を高めることができる。
【符号の説明】
【0106】
1 景品管理システム
3 ターミナルコンピュータ(T/C)
5 景品管理装置
5A 親機
5B 子機
9 本部PC
14 携帯電話
50 制御部
52 メモリ部
60 制御部
72 メモリ部
80 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技店において景品と遊技媒体との交換を管理する景品管理システムであって、
前記景品と遊技媒体との交換処理を行うための景品管理装置と、
前記景品管理装置に対する入力操作についての操作ログを収集する収集手段と、
前記収集手段が収集した前記操作ログの中から、予め定められた特定ログを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段による抽出結果を所定の通知先に通知する通知手段とを備えることを特徴とする、景品管理システム。
【請求項2】
前記操作ログについての明細情報を記憶する明細情報記憶手段を備え、
前記収集手段は、前記操作ログを、これに対応する前記明細情報と関連付けて収集することを特徴とする、請求項1記載の景品管理システム。
【請求項3】
遊技店において前記操作ログに関連する遊技履歴についての遊技情報を記憶する遊技情報記憶手段を備え、
前記収集手段は、前記操作ログを、これに対応する前記明細情報および前記遊技情報と関連付けて収集することを特徴とする、請求項2記載の景品管理システム。
【請求項4】
前記明細情報および前記遊技情報の少なくともいずれかに基づいて、前記特定ログについての前記入力操作が不正であるか否かを判別する判別手段を備え、
前記通知手段は、前記判別手段によって不正と判別された前記入力操作についての前記特定ログの情報を前記所定の通知先に通知することを特徴とする、請求項3記載の景品管理システム。
【請求項5】
遊技店内において前記景品管理装置と通信可能に接続され、遊技店内における情報管理を行う店内管理装置を備え、
前記収集手段は、前記店内管理装置に設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の景品管理システム。
【請求項6】
遊技店の外の本部施設に設けられて前記景品管理装置と通信可能に接続され、遊技店の管理を行う本部管理装置を備え、
前記収集手段は、前記本部管理装置に設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の景品管理システム。
【請求項7】
前記収集手段は、前記景品管理装置に設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の景品管理システム。
【請求項8】
前記景品管理装置は、親機となる景品管理装置と、前記親機に対して通信可能に接続される子機となる景品管理装置とを含み、
前記収集手段は、前記親機に設けられていることを特徴とする、請求項7記載の景品管理システム。
【請求項9】
前記抽出手段は、所定の周期で前記特定ログの抽出処理を行うことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の景品管理システム。
【請求項10】
前記抽出手段は、前記景品管理装置に対して入力操作が行われる毎に、前記特定ログの抽出処理を行うことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の景品管理システム。
【請求項11】
遊技店内において前記景品管理装置と通信可能に接続され、遊技店内における情報管理を行う店内管理装置と、
遊技店の外の本部施設に設けられて前記景品管理装置と通信可能に接続され、遊技店の管理を行う本部管理装置とを備え、
前記通知手段が前記抽出結果を通知する通知先は、遊技店の店長の携帯電話、前記店内管理装置、前記本部管理装置および/または前記景品管理装置であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の景品管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−192040(P2012−192040A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58308(P2011−58308)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】