説明

景品管理装置

【課題】遊技店での景品交換に際し、景品を扱いやすく管理する技術を提供する。
【解決手段】景品管理装置100は、データベース31、32を格納している記憶手段30と、登録用デバイスとしてのキーボード21とタッチパネル式のモニタ22を備える。データベースには、複数の一般景品の夫々について交換に必要な交換相当遊技媒体数が内部管理遊技媒体数と端数とに分けられて登録されているとともに、端数との交換対象として定められた複数の端数用景品の夫々について交換に必要な交換相当端数が登録されている。登録用デバイス(キーボード21、又は、モニタ22)によって、人(典型的には遊技点の従業員)は、一般景品の夫々について交換に必要な交換相当遊技媒体数を内部管理遊技媒体数と端数とに分けて登録することができるとともに、端数との交換対象として定められた端数用景品について交換に必要な交換相当端数を登録することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体と交換する景品を管理する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店やパチスロ店などの遊技店では、遊技者が獲得した玉やメダルを、それらの数に応じてタバコや菓子などの景品と交換することが慣行になっている。遊技店では、夫々の景品について、その景品との交換に必要な玉数(或いはメダル数)を定めている。通常、景品が高価であるほど、その景品と交換するための玉数(或いはメダル数)として多数の玉数(或いはメダル数)が定められている。玉(或いはメダル)は、遊技店内でのみ通用する一種の通貨のような性質を有することになる。なお、パチンコやパチスロの遊技に供されるパチンコ玉、或いはメダルは、遊技媒体と総称される。本明細書では、以下、簡単のため、「遊技媒体」を「玉」という言葉で表す。また、景品との交換に必要な玉数(遊技媒体数)として遊技店が定めている玉数を「交換相当玉数」(交換相当遊技媒体数)と称する。
【0003】
景品には市場価格があるから、仮に、高価な景品が他の景品と比べて比較的少ない交換相当玉数で交換できるならば、遊技者は当然に割安感を生じ得るその景品を指定するであろう。例えば、同じ交換相当玉数で異なる景品が交換可能な場合、遊技者は高価な景品を指定する可能性が高い。そのような偏りをなくすため、市場価格の高い景品には多数の交換相当玉数を定め、市場価格の低い景品には少ない玉数の交換相当玉数を定めることになり、結局、玉1個の価値が実際の通貨との換金レートで表すことができるようになる。例えば、一般市場で100円の景品Aと景品Bがどちらもパチンコ玉25個で交換可能と定められているとすると、パチンコ玉1個あたり4円という換金レートが定まる。また、遊技の性質上、「当たり」が出たときに賞として提供されるメダルの個数はパチンコ玉の場合と比較すると格段に少ないため、メダル1個の価値はパチンコ玉数個分に相当する。例えばメダル1枚の価値はパチンコ玉5個の価値に相当し、結果、メダル1枚に対して20円という仮想的な換金レートが定まる。
【0004】
ところで、タバコが典型的な例ではあるが、景品に用いられる品物には、市場価格が一定のものがある。一例としてパチンコ玉1個当たり4円、メダル1枚当たり20円という仮想的な換金レートが定まると、例えば410円のタバコの交換相当玉数は、パチンコ玉の場合で102.5個、メダルの場合で20.5枚となる。他方、これまで、交換の便宜上、交換相当玉数は整数値で設定されることがよくあるため、410円のタバコ1箱に対して例えばパチンコ玉で103個、メダルで21枚という交換相当玉数が定められていた。そして、タバコの市場価格との整合性を保つために、パチンコ玉での交換を希望する遊技者に対しては、103個のパチンコ玉を受け取り、タバコ1箱のほかに、パチンコ玉0.5個の価値に相当する景品、例えばアメ1個を付けていた。また、メダルでの交換を希望する遊技者に対しては、21枚のメダルを受け取り、タバコ1箱のほかに、メダル0.5枚の価値(パチンコ玉に換算すると2.5個の価値)に相当する景品、例えばアメ5個を付けていた。すなわち、アメという景品を「おつり」として用いるという慣行があった。なお、交換相当玉数は、小数の形式で入力されることもあることに留意されたい。
【0005】
「おつり」を回避する一つの技術として、特許文献1の技術がある。その技術は、交換相当玉数として少数を含む数を割り当て、景品交換の結果余った玉数(少数を含む玉数であり、特許文献1では「端数」と称されている)を、遊技者に対応付けてデータとして記憶しておき、次回以降の交換時に過去の端数データを加算するというものである。特許文献1の技術は、いわば、景品交換に使われなかった残りの玉数(少数以下の玉数を含む)を次回以降に繰り越す、というものである。これは、「おつり」が必須であった昔の現金取引の時代から、近年のコンピュータとともに発達した「電子マネー」に移行したようなものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−73249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
余りの玉数(少数を含む)を次回の交換に繰り越してしまうと、結局は換金レートが変動してしまうことになる。例えば、景品Aの交換相当玉数が4.5個に設定されているとする。遊技者は、1回の交換にて5個の玉を提供し、1個の景品Aを得る。この段階では遊技者にとって景品Aの交換相当玉数は実際には5個である。このとき、0.5個の玉数が残る。この残余の玉数を以下、端玉と称する。特許文献1の技術では、端玉として0.5個が記録される。同じ景品交換を10回繰り返すと、端玉の累積が5.0個となる。従って遊技者は端玉の累積でさらにもう1個の景品Aを獲得することができる。この場合、トータルでは遊技者は50個の玉を提供し、11個の景品Aを得るから、交換相当玉数は50/11=4.545である。即ち、49個以下の玉を提供する遊技者にとっては景品Aの交換相当玉数は5個であるが、50個の玉を提供した遊技者にとっては交換相当玉数が4.545個となってしまう。このように遊技者の間で実質的な交換相当玉数が変化するのはよろしくない。端玉の累積値のうち整数部分を実際の玉で返しても、遊技者にとっては多数の玉のうちの数個程度であるからそれほどうれしくはない。
【0008】
やはり、「おつり」という慣行を継承し、1回の交換ごとに、適正な換金レートで玉と景品が交換できることが望まれる。その場合、「おつり」が誰でも良く知っている通貨ではなく、「景品」であることから、どのような景品が「おつり」として適切なのかが遊技店の従業員であっても把握し難い。端玉に対して交換する景品の扱いを、交換ごとに従業員に任せていたのでは、その景品がトータルでいくつ交換に供されたのかがあいまいになり、在庫の管理も不正確になってしまう。本発明は、遊技店での景品交換に際し、景品を扱いやすく管理する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書は、遊技店において景品を扱いやすく管理するための一つの技術として、景品交換の適正化を支援することができる景品管理装置を提供する。本明細書が開示する景品管理装置の一態様は、データベースを記憶する記憶手段と、登録手段を備える。
【0010】
データベースには、複数の一般景品の夫々について交換に必要な交換相当玉数(交換相当遊技媒体数)が内部管理玉数(内部管理遊技媒体数)と端数とに分けられて登録されている。即ち、データベースには、少なくとも1つの一般景品について、その景品の名称と、交換相当玉数と、内部管理玉数と、端数が関連付けられて登録されている。なお、ここで用いる「端数」とは、前述した「端玉」とは異なる概念である点に留意されたい。「端玉」とは、遊技機の技術分野の当業者においてよく使われている概念であり、遊技者が景品に交換しなかった残余の玉であり、「余り玉」とも呼ばれるものである。これに対して本明細書でいう「端数」とは、例えば、後述するように、実交換相当玉数に加算され、遊技者に提示する名目上の交換相当玉数を整数にする役割を担う数値を意味する。交換相当玉数は、遊技者に提示される玉数(遊技媒体数)である。また、交換相当玉数=内部管理玉数+端数である。内部管理玉数とは、景品の実際の交換相当玉数(実交換玉数)であり、端数は、実交換相当玉数に加算され、遊技者に提示する名目上の交換相当玉数を整数にする役割を担う。内部管理玉数と端数は、前述のタバコの例では102.5と0.5に相当する。このように、内部管理玉数と端数は、小数点以下を含んでよい。ただし、実施例の最後に説明するように、夫々が整数であっても、名目交換相当玉数を内部管理玉数と端数とに分けて景品に対応付ける景品管理装置を採用する利点はある。
【0011】
データベースにはさらに、端数との交換対象として予め定められた複数の端数用景品の夫々について交換に必要な交換相当端数が登録されている。端数用景品の例は前述のアメである。そして、前述のアメでは、交換相当端数は0.5に設定されている。端数用景品は一つではなく、アメのほかに例えば交換相当端数に2.5が設定されたガム、交換相当端数に5.0が設定されたチョコなどが登録されている。アメのほか、交換総当端数が大きいガムやチョコは、実際の通貨では、1円玉に対する10円玉や100円玉の役割を担い、端数との交換に供する景品の数を低減する。なお、異なる端数用景品に同一の交換相当端数が設定され登録されていてもよい。例えば、交換相当端数0.5が設定されたアメと、交換相当端数に同じく0.5が設定されたキャラメルがデータベースに登録されていてもよい。
【0012】
登録手段は、記憶手段に記憶されているデータベースに、一般景品について交換に必要な交換相当遊技媒体数を内部管理遊技媒体数と端数とに分けて登録するための手段であるとともに、端数との交換対象として定められた端数用景品について交換に必要な交換相当端数を登録するための手段である。登録手段の一例は、人(典型的には遊技店の従業員)が、データベースに上記の情報を登録するためのデバイスである。典型的には、登録手段は、データベース内のデータを操作することができるキーボード(及びキーボードを介して入力されたデータをデータベースに反映するコンピュータ)などのいわゆるヒューマンマシンインタフェイスデバイスでよい。登録手段は、キーボードに限られない。例えば、タッチパネル式のモニタや、データベースへ登録すべき情報を記録したカードを読み取るカードリーダであってもよい。もちろん、登録手段には、タッチパネル式のモニタやカードリーダを介して入力されたデータをデータベースに反映するコンピュータが含まれる。モニタに表示される登録用の画面、及び画面を表示するためのハードウエアやソフトウエアを含めて、登録手段としてもよい。また、登録手段は複数あってもよい。例えば、一般景品について交換に必要な交換相当遊技媒体数を内部管理遊技媒体数と端数とに分けて登録するための第1登録手段と、端数との交換対象として定められた端数用景品について交換に必要な交換相当端数を登録するための第2登録手段は別個のデバイスであってもよい。
【0013】
上記したデータベースと登録手段を備えることによって、端数用景品の個数を管理することができる。具体的には、遊技店の従業員が、データベースを参照することによって、玉と一般景品を交換する際に生じる端数(交換を希望された一般景品の個数に相当する端数積算値)に対して、どのような端数用景品を付け加えればよいかという事項を把握し易くなる。
【0014】
上記した景品管理装置は、端数演算手段とリストアップ手段をさらに備えていることが好ましい。端数演算手段は、遊技者によって交換指定された一般景品の端数をデータベースに基づいて特定するとともに、特定された端数に交換指定された一般景品数を乗じた端数積算値を算出する。リストアップ手段は、算出された端数積算値で交換可能な端数用景品の名称と個数をデータベースに基づいて特定して表示する。ここで、「算出された端数積算値で交換可能な端数用景品の名称と個数」とは、「データベースに登録されている端数を所定の個数分だけ積算しても端数積算値以下となるという条件を満たす、端数用景品の名称とその個数」を意味する。一般景品数は、遊技者が直接指定するものであってもよいし、後述するように遊技者が保有する玉数(遊技媒体の個数)と交換指定された一般景品の交換相当玉数から算出されるものであってもよい。例えば、利用者がタバコ(交換相当玉数:103)5箱を交換指定した場合、端数演算手段は、データベースから一般景品タバコの端数が0.5であることを特定し、遊技者が交換指定した5個を乗じ、端数積算値2.5を算出する。リストアップ手段は、データベースを検索し、算出された端数積算値2.5以下の端数を有する端数用景品(上記例の場合は、端数が0.5のアメとキャラメル、及び、端数が2.5のガム)を抽出し、抽出した端数用景品の名称をモニタに表示する。このとき、端数用景品の一つであるチョコは、その端数が積算値よりも大きい5.0であるから、表示されない。また、リストアップ手段は、アメ又はキャラメルに対して交換可能な個数として「5個」を表示し、ガムに対しては交換可能な個数として「1個」を表示するとよい。なお、「交換可能な端数用景品の名称と個数を表示する」という機能を実現する態様の一つには、全ての端数用景品の名称が予め表示されており、抽出されなかった景品について交換可能な個数として「0個」を表示する態様も含まれることに留意されたい。
【0015】
景品交換に従事する従業員は、モニタ画面を見て、タバコ5個の交換にはアメ又はキャラメルであれば5個、ガムであれば1個をおつりとして用いることができるが、チョコはおつりとして用いることができないことを一瞬にして把握することができる。すなわち、この交換管理装置を採用することによって、従業員が端数に対して誤った景品を渡してしまうことを防止できる。
【0016】
さらにリストアップ手段は、算出された端数積算値で交換可能な最大景品数が最も小さくなる端数用景品の組合せをデータベースに基づいて特定して表示することが好ましい。より詳しく表現すれば、リストアップ手段は、上記の組合せを構成する端数用景品の名称とそれぞれの個数を表示する。例えば先のタバコ5箱の例では、端数積算値は2.5であり、交換可能な最大景品数は、端数が2.5であるガム1個である。リストアップ手段は、モニタに、「おつり」として数が最小となるのは「ガム1個」である旨を表示する。他の例として、「タバコ」7箱が交換指定された場合は、端数積算値が3.5となり、この場合、リストアップ手段は、交換可能な最大景品数が最も小さくなる端数用景品の組合せとして、「ガム1個」と「アメ又はキャラメル3個」が「おつり」として最小個数である旨を表示する。この態様の景品管理装置は、端数用景品の数が少なくなる組合せを瞬時に演算・表示する。すなわちこの景品管理装置は、端数に対する適正な交換景品の個数まで従業員(及び/又は遊技者)に提示することができ、従業員が不適切な個数の景品を渡してしまうことを予防できる。
【0017】
よくある交換の態様は、遊技者が保有する玉(遊技媒体)を全て一般景品(典型的にはタバコ)と交換する場合である。そのような態様に備えて、管理装置は、遊技者が保有する遊技媒体数を取得する取得手段と、交換可能景品数演算手段を備えていることが好ましい。交換可能景品数演算手段は、保有遊技媒体数を交換指定された一般景品の交換相当遊技媒体数で除算し、除算結果の商と剰余を、交換可能最大景品数と剰余遊技媒体数として表示する。このとき、交換可能景品数演算手段が算出した商が、前述の「交換指定される一般景品数」として端数演算手段に入力されるように構成されることが好ましい。
【0018】
遊技者が保有する遊技媒体数を取得する取得手段は、玉(遊技媒体)の計数装置である。このとき、計数装置と他の演算手段は直接信号線で接続されていてもよいし、計数装置は磁気カードなどに計数結果を記録するように構成されており、他の演算手段は、磁気カードから計数結果を読み取る構成であってもよい。そのような景品管理装置を採用すれば、遊技者が多数の玉を交換に供する場合であっても、交換指定された景品がいくつ交換することができ、「おつり」の端数景品が何個となるのかを従業員に提示することができる。
【0019】
上記の景品管理装置は、一般景品の交換に際して「おつり」として交換する端数用景品の種類と個数を特定する。交換される景品の種類と個数が特定できるので、本明細書が開示する技術の他の態様は、端数用景品の在庫数を管理する装置にも好適である。その景品管理装置は、上記した手段に加え、次の在庫管理手段を備えていることが好ましい。在庫管理手段は、端数用景品の在庫数を記録している在庫データを格納している。さらに、在庫管理手段は、リストアップ手段によって特定された端数用景品の組合せを構成する各端数用景品の個数を在庫データ上の在庫数から減算する。さきに述べたように、従来でもアメ等の景品を「おつり」として用いていた。しかしながら、「おつり」としての景品は頻繁にしかも数多く交換されるため、また、単価が低いという事情もあり、従来はPOSシステムなどのコンピュータによる在庫管理から外されていることが多かった。しかしながら遊技店の経営効率を向上させるにはアメ等であっても在庫管理することが望ましい。上記した在庫管理手段を有する景品管理装置を採用することによって、「おつり」として交換に供された端数用景品の在庫数を正確に管理することが可能となる。なお、在庫データベースを物理的に格納するのは上述した記憶装置であってもよい。
【0020】
上記した景品管理装置は、遊技者の希望に応じて「おつり」として交換する端数用景品の個数の組合せを自在に選択できることが望ましい。そのような要望に応えて、景品管理装置は、次の交換個数変更手段を備えるとよい。交換個数変更手段は、表示された端数用景品群のいずれかの景品の個数の変更を受け付ける。さらに交換個数変更手段は、変更された個数を固定した上で、表示される端数用景品群とそれらの個数が、算出された端数積算値で交換可能な最大景品数となるように、変更を受け付けた端数用景品以外の端数用景品の個数を調整する。
【0021】
以上の景品管理装置は、一般景品の交換相当玉数の一部として端数を対応付けるとともに、一般景品とは別に、端数専用の景品(端数用景品)をデータベースに登録するという技術的思想を有する。端数用景品には交換相当端数が定められており、遊技者が提供する玉数の一部である端数積算値と交換相当端数に基づいて、交換される端数用景品が選定される。一般景品と端数用景品を区別して登録しておくことによって、一般景品の交換相当玉数が一定に維持される。即ち、一般景品1個あたりの交換レートは常に交換相当玉数で定まり、遊技者が提示する保有玉数が多くなっても変化しない。一つの態様の景品管理装置ではさらに、「おつり」としての端数用景品を使用するというシステムを採用して一般景品1個当たりの交換レートを一定に保ちつつ、端数用景品の在庫を正確に管理することができる。
【0022】
本明細書が開示する景品管理装置の技術的思想を変形すると、次の構成の景品管理装置も提供される。その景品管理装置は、データベースを格納する記憶装置と、取得手段と、交換可能景品数演算手段と、端数演算手段と、リストアップ手段を備える。データベースには、複数の一般景品の夫々について交換に必要な交換相当遊技媒体数が内部管理遊技媒体数と端数とに分けられて登録されている点は前述のデータベースと同じであるが、端数用景品と交換相当端数のデータは不要である。取得手段は前述したものと同じでよい。交換可能景品数演算手段は、保有玉数を、交換指定された一般景品の交換相当玉数で除算し、除算結果の商と剰余を算出する。端数演算手段は、交換指定された一般景品の端数をデータベースに基づいて特定するとともに、特定された端数に前記した商を乗じた端数積算値を算出する。リストアップ手段は前述のリストアップ手段とは異なる。リストアップ手段は、剰余と積算値を合計した玉数以下で交換可能な一般景品であって前記した交換指定された一般景品とは種類が異なる一般景品をデータベースに基づいて特定して表示する。この景品管理装置は、遊技者が提供する保有遊技媒体数のうち、交換指定された一般景品との交換には使われなかった玉の個数(上記の「剰余」がこれに相当する)と端数積算値を合計して「おつり」に相当する景品との交換に供する。また、「おつり」と交換される景品は、交換指定された一般景品とは種類が異なる景品が選定される。「種類」とは、例えば「タバコ」や「菓子」などである。
【0023】
景品管理装置の構成要素のうち、「記憶手段」はハードディスクなどの記憶装置、あるいは、メモリなどで実現される。演算手段などは、プログラムによりコンピュータ上に実現される。記憶手段や演算手段は、物理的に一つのコンピュータで実現されてよいし、複数のユニットがネットワークで繋がれた形態で実現されてもよい。すなわち、本発明の実装は、ハードウエアの物理的な形態(スタンドアロンかネットワークか)に拘束されないことに留意されたい。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、遊技店での景品交換に際し、景品を扱いやすく管理する景品管理装置を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】景品管理装置のブロック図を示す。
【図2】一般景品データベースの構造の一例を説明する図である。
【図3】端数用景品データベースの構造の一例を説明する図である。
【図4】景品管理メイン処理のフローチャート図である。
【図5】リストアップ処理のフローチャート図である。
【図6】景品管理処理における画面表示の一例である。
【図7】第2実施例の景品管理処理のフローチャート図である。
【実施例1】
【0026】
図1に、第1実施例の景品管理装置100のブロック図を示す。景品管理装置100は、ネットワークで接続された幾つかのユニットで構成されている。景品管理装置100は、POSサーバ10、POSクライアント20、記憶装置30(ハードディスク)で構成されている。なお、POSサーバ10には、他に、ホールコンピュータ40が接続されている。また、ネットワークには接続されていないが、玉(遊技媒体)を計数する計数機50がある。
【0027】
景品管理装置100を説明する前に、ホールコンピュータ40と計数機50について簡単に説明しておく。ホールコンピュータ40は、遊技機41a、41b等(遊技機は多数存在する)を管理するコンピュータである。ホールコンピュータ40には、パチンコ玉を使う遊技機とメダルを使う遊技機が接続されている。以下では、パチンコ玉を使う遊技機を対象とする。さらに以下では、遊技媒体を「玉」と称し、本実施例では特に断らない限り「パチンコ玉」を意味するが、以下の実施例はメダルが遊技媒体の場合であっても成立することに留意されたい。
【0028】
ホールコンピュータ40は、各遊技機での出玉情報を収集しそのログを記録する。また、図示を省略しているが、ホールコンピュータ40には玉貸出機が接続されており、玉の貸し出しデータも集計・記録している。計数機50は、遊技者が獲得した玉の数を計数する装置である。計数結果は付属のレシートプリンタ51によって紙のレシートに印刷される。後述するが、レシートに書き込まれた玉数(遊技者の保有玉数)は、POSクライアント20に接続されたレシートリーダ24によって読み込まれる。
【0029】
景品管理装置100について説明する。POSサーバ10は景品管理装置100の心臓部であり、景品管理処理の主たる処理を実行する。POSサーバの主たる役割は景品の在庫管理であるが、ここでは、本発明に関わる部分を中心に説明し、実際にはPOSサーバの機能であるが本発明に関連の薄い機能については説明を省略する。
【0030】
POSサーバ10は、CPU11、インタフェイス12、及び、各種のプログラムを格納したメモリ13を備える。なお、図1における「PGM」の文字は「プログラム」を表している。また、「I/F」の文字は、インタフェイスを表している。インタフェイス12は、POSサーバ10と周辺の機器との通信を担当する。
【0031】
POSサーバ10は、メモリ13に記憶された各種プログラムを実行することによって、様々な処理手段として機能する。メモリ13が格納している主なプログラムには、景品管理メインプログラム14、リストアッププログラム15、及び、在庫管理プログラム16がある。これらのプログラムによって実行される処理については後述する。なお、本明細書では説明はしないが、メモリ13には他にも各種の処理を担当するプログラムが格納されている。
【0032】
景品管理に関する主たる処理は、POSサーバ10によって実行されるが、遊技者が保有する玉数の取得や遊技者が交換を希望する景品の指定などの入力は、景品交換場所に設置されているPOSクライアント20にて行われる。POSクライアント20には、従業員とのインタフェイスとして、キーボード21、モニタ22、バーコードリーダ23、レシートリーダ24が接続されている。なお、モニタ22はタッチパネルになっており、入力インタフェイスを兼ねている。
【0033】
記憶装置30には、2個のデータベース、即ち、景品データベース31と在庫データベース32が格納されている。図1中の「D/B」の文字はデータベースを表している。次に、それぞれのデータベースについて説明する。図2と図3に、景品データベースの一例を示す。景品データベースは、さらに2個のデータベースに分けられる。一つは、図2に示す一般景品データベースであり、他の一つは図3に示す端数用景品データベースである。
【0034】
「一般景品」は、遊技者が選択できる景品である。一般景品データベースには、各景品のコード、名称、交換玉数(交換相当遊技媒体数)、管理玉数(内部管理遊技媒体数)、及び、端数が対応付けられて登録されている。別言すると、景品データベース31には、複数の一般景品の夫々について交換に必要な交換玉数が管理玉数と端数とに分けられて登録されている。景品コードの最上位桁は、その景品の種類を表す。例えば、最上位桁が「1」の場合はその景品がタバコであることを表しており、最上位桁が「2」の場合はその景品がDVDであることを表している。
【0035】
交換玉数(交換相当遊技媒体数)は、それぞれの景品との交換に必要な玉数である。例えば、タバコAは、103個のパチンコ玉、あるいは21枚のメダルと交換される。DVD−Bであれば、250個のパチンコ玉、あるいは50枚のメダルと交換される。
【0036】
管理玉数(内部管理遊技媒体数)は、遊技店が定めた玉の仮想的な換金レートから求められる、景品の市場価値と等価な玉数である。この例では、パチンコ玉の仮想的な換金レートは4円/個、メダルの仮想的な換金レートは20円/枚と設定されている。タバコAは市場で410円であるから、管理玉数はパチンコ玉の場合、410/4=102.5個であり、メダルの場合は410/20=20.5枚である。タバコBの市場価格は440円であり、その管理玉数はパチンコ玉の場合は440/4=110.0個であり、メダルの場合は440/20=22.0枚である。DVD−Aの市場価格は550円であり、その管理玉数はパチンコ玉の場合は550/4=137.5個であり、メダルの場合は550/20=27.5枚である。DVD−Bの市場価格は998円であり、その管理玉数はパチンコ玉の場合は998/4=249.5個であり、メダルの場合は998/20=49.9枚である。管理玉数は、景品の仕入れコスト(実際の仕入れ値+店舗運営に要する費用分)に相当する。
【0037】
端数は、管理玉数に加算したときの合計が整数となる数である。即ち、「交換玉数」=「管理玉数」+「端数」であり、「交換玉数」は必ず整数となる。なお、メダルの端数はパチンコ玉換算で示されている。例えば、タバコAの場合、メダル換算では端数は0.5枚であるが、メダル1枚はパチンコ玉4個に相当するので、パチンコ玉換算では0.5×4=2.0個である。タバコBは、管理玉数が整数で表されるから、端数はゼロである。DVD−Bの場合、メダル換算での端数は0.1枚であるが、メダル1枚はパチンコ玉4個に相当するから、パチンコ玉換算では端数は0.1×4=0.4個となる。
【0038】
端数用景品データベースには、端数との交換に用いられる景品(端数用景品)が、交換に必要な交換相当端数とともに登録されている(図3)。交換相当端数は、パチンコ玉換算で示されている。また、この例では、景品コードの最上位の「9」が端数用の景品であることを表している。
【0039】
各一般景品の交換玉数、管理玉数、端数、及び、各端数用景品の交換相当端数は、遊技店が仕入れコストなどに応じて定められる。交換相当端数も、端数用景品の仕入れコストに応じて定められる。データベースに、一般景品について交換に必要な交換玉数を管理玉数と端数とに分けて登録するには、キーボード21、或いは、タッチパネル付きモニタ22のタッチパネルが用いられる。また、データベースに、端数との交換対象として定められた端数用景品について交換に必要な交換相当端数を登録するにも、キーボード21、或いは、タッチパネル付きモニタ22のタッチパネルが用いられる。キーボード21やタッチパネルなどの、景品管理装置100のヒューマンマシンインタフェイスが、データベースへ各種データを登録するための登録デバイスに相当する。
【0040】
次に、図4〜6を用いて、景品管理処理の流れについて説明する。図4は、景品管理のメイン処理のフローチャート図である。図5は、リストアップ処理のフローチャート図である。図6は、景品管理処理における画面の一例である。景品管理処理全体は、POSサーバ10で行われるが、入力は景品交換を行う従業員が、景品交換場所に設置してあるPSOクライアント20を操作して行われる。図6の画面は、POSクライアント20のモニタ22の上に表示されるものである。
【0041】
景品交換は、遊技者が、保有玉数の記入されたレシートを交換場所で提示することから始まる。なお、前述したように、レシートは、遊技者が計数機50に保有玉を投入するとレシートプリンタ51によって打ち出される。
【0042】
従業員は、レシートを受け取り、POSクライアント20のレシートリーダ24に挿入する。POSクライアント20は、挿入されたレシートを読み込み、読み込んだ玉数(総玉数)をPOSサーバ10へ送信する(図4、S1)。同時にPOSクライアント20は、読み取った総玉数をモニタ上に表示する(図6、a)。ここでの例では、総玉数は2000であるとする。次に従業員は、どの景品を交換指定するかを遊技者に問いかける。従業員は遊技者が交換指定した景品の景品コードを、バーコードリーダ23を使ってPOSクライアント20に読み取らせる。ここでは例として、遊技者はタバコAを指定した場合を想定する。タバコAの景品コードは1001である(図2参照)。POSクライアント20は、読み取った交換指定景品の景品コードをPOSサーバ10へ送信する(図4、S2)。POSサーバ10は、受信した景品コードを使って景品データベース31から該当する一般景品のデータ、即ち、景品コード1001に対応付けられたデータを読み出す(図4、S3)。即ち、POSサーバ10は、交換指定された景品がタバコAであり、その交換玉数は103であり、その管理玉数は102.5であり、その端数は0.5であることを知る。特に、POSサーバ10は、交換指定された一般景品(タバコA)の端数(0.5)を、景品データベース31に基づいて特定する。
【0043】
次にPOSサーバ10は、総玉数で、景品であるタバコAが交換可能な個数の最大値を算出する(図4、S4)。具体的には、POSサーバ10は、総玉数(保有遊技媒体数)を、交換指定された一般景品(タバコA)の交換玉数(交換相当遊技媒体数)で除算し、除算結果の商と剰余を求める。除算結果の商は、交換可能最大景品数に相当し、除算結果の剰余は、剰余玉数に相当する。今の事例の場合、総玉数が2000、交換玉数が103であるから、2000/103=19余り43である。即ち、交換可能最大景品数は19であり、剰余玉数は43である。
【0044】
次にPOSサーバ10は、除算結果の商(交換可能最大景品数)に、交換指定された一般景品の交換玉数、管理玉数、及び、端数を夫々乗じ、交換総玉数、管理総数、及び、端数総数を算出する。ここでの例では、交換総玉数は19×103=1957、管理総数は19×102.5=1947.5、端数総数は19×0.5=9.5である。ここで、除算結果の商は、交換指定された一般景品数に相当する。また、交換指定された一般景品の端数に、交換指定された一般景品数を乗じた端数総数(端数積算値)を算出する処理を端数演算処理と称する(図4、S5)。また上記のとおり、この例では、除算結果の商が、交換指定される一般景品数として端数演算処理に入力されることになる。POSサーバ10が算出した上記の演算結果データはPOSクライアント20に送信される。POSクライアント20は、受信した演算結果データをモニタ22に表示する(図6、b及びc)。
【0045】
次にPOSサーバ10は、リストアップ処理に移行する(図4、S6、図5)。リストアップ処理は、算出された端数積算値で交換可能な端数用景品の名称と個数を景品データベース31に基づいて特定して表示する処理である。より詳しくは、この例におけるリストアップ処理は、算出された端数積算値で交換可能な最大景品数が最も小さくなる端数用景品の組合せを景品データベース31に基づいて特定して表示する。このリストアップ処理を、図5を参照して説明する。
【0046】
今、端数積算値は9.5である。POSサーバ10は、まず、交換相当端数が最も大きいチョコの端数(端数5.0)と端数積算値を比較する(S11)。端数積算値がチョコの交換相当端数以上の場合、チョコが何個交換できるかを算出する(S12)。チョコの交換個数は、端数積算値をチョコの交換相当端数で除した結果の整数部分で求めることができる。この例では端数積算値が9.5でチョコの交換相当端数が5.0であるから、チョコ1個が交換でき、残りの端数積算値(残積算値)は4.5となる。仮に、端数積算値がチョコの交換相当端数よりも小さい場合には、ステップS12はスキップされる(S11:NO、S13)。
【0047】
次にPOSサーバ10は、2番目に交換相当端数が大きいガム(交換相当端数:2.5)と残積算値(4.5)を比較する(S13)。残積算値がガムの交換相当端数以上の場合、ガムが何個交換できるかを算出する(S14)。ガムの交換個数は、残積算値をガムの交換相当端数で除した結果の整数部分で求めることができる。この例では残積算値が4.5でガムの交換相当端数が2.5であるから、ガム1個が交換でき、残積算値は2.0となる。仮に残積算値がガムの交換相当端数よりも小さい場合には、ステップS14はスキップされる(S13:NO、S15)。
【0048】
次にPOSサーバ10は、残積算値(2.0)で、最も交換相当端数が小さいアメ(交換相当端数=0.5)が何個交換できるかを算出する(S15)。この場合はアメ4個と交換できる。なお、交換相当端数が最も小さい端数用景品はアメとキャラメルがあるが、この例ではデフォルトでアメが選択されるように設定されている。結局、端数積算値9.5は、景品数が最も少ない組合せとして、チョコ1個、ガム1個、及び、アメ4個と交換できるという結果が得られる。こうして得られた演算結果データはPOSクライアント20に送られる。POSクライアント20は、受信した演算結果データを表示する(図6、d)。
【0049】
図6に例示されているように、総玉数2000は、タバコAが19個と交換でき、その際、「おつり」としてチョコとガムが各1個、アメ4個が提供されることが判明する。また、交換に要する玉は1957個であるから、剰余玉数43個は変換されるか、あるいは交換玉数が43個より小さい他の景品との交換に供される。
【0050】
以上の結果は遊技者に伝えられる。遊技者が上記の交換条件を受諾した場合、従業員はモニタ上の「確定ボタン」(図6、e)を押す(モニタ22はタッチパネルになっている)。確定ボタンが押されたことがPOSサーバ10に伝わると、POSサーバ10は、表示された景品の個数で在庫データベース32を更新する(図4、S7:NO、S8:YES、S9)。
【0051】
図7に在庫データの更新の一例を示す。ここでの例では、図7に示すように、タバコAの在庫が19個減って10000個が9981個に更新され(図7、k)、アメが4個減って1000個から996個に更新され(図7、m)、ガムとチョコが夫々1個減って1000個が999個に更新される(図7、n)。
【0052】
遊技者は、提示を受けた端数用景品の組合せが気に入らない場合、変更を申し出ることができる(図4、S7:YES)。この場合、処理はステップS2へ戻る。モニタ22はタッチパネルになっており、従業員が変更したい個数をタッチすると、POSクライアント20は、タッチされた個数の変更を受け付ける状態となる。例えば、チョコが不要の場合、従業員はチョコの個数のセル(図6、f)をタッチする。すると、個数変更ボタン(図6、g1、g2)が入力可能状態となる。増加指示ボタンg1を1回タッチすると、チョコの個数が1個増加し、減ボタンg2を1回タッチするとチョコの個数が1個減じられる。
【0053】
今、チョコの個数が1個から0個に変更されたとする。この場合、ステップS7から処理がひとたびステップS2に戻るが、ステップS2〜S5はスキップされ、再びリストアップ処理に移行する(図5)。ただし、個数変更が実行されると、POSサーバ10は、変更された個数(チョコ=ゼロ個)を固定した上で、表示される端数用景品群とそれらの個数が、算出された端数積算値で交換可能な最大景品数となるように、変更を受け付けた端数用景品以外の端数用景品の個数を調整する。具体的には、図5のリストアップ処理において、チョコの個数を調整する処理であるステップS11とS12がスキップされ、あとは前述した処理と同じである。今回の処理では、ステップS13に達したときの残りの端数積算値(残積算値)が9.5であるから、ガムの個数が3個、アメの個数が4個という処理結果となる。
【0054】
再度のリストアップ処理の結果はPOSクライアント20に送られ、再演算結果に従ってモニタ表示が更新される。
【0055】
前述したように、この景品管理装置100は、一つの景品が交換指定されると、総玉数に対し、指定された景品で交換できる最大交換数を算出する。この景品管理装置100は、一度指定した景品の個数を変更することにも対応している。図4のステップS8の段階で、モニタ画面上のタバコAの個数(図6、h)をタッチすると、POSクライアント20は、タバコAの個数変更を受け付ける状態となる。従業員は、個数変更ボタン(図6、g1、g2)を操作し、タバコAの個数を変更する。タバコAの個数が変更されると、POSサーバ10は、図4のステップS2の処理に戻る。この場合は、新たな景品が指定されたのではないので、ステップS2、S3はスキップされる。S4では、変更されたタバコAの個数を交換指定された景品数として固定し、上記の処理を再実行する。このときPOSサーバ10は、最初に交換指定された一般景品(タバコA)の交換相当端数に、後に遊技者によって交換指定された一般景品数(変更されたタバコAの個数)を乗じた端数積算値を景品データベースに基づいて算出する。後は再び前述したリストアップ処理に移行する。
【0056】
景品管理装置100は、複数の景品を指定することにも対応している。図4のステップS8の段階で、モニタ画面上のタバコAの次の空欄のセルをタッチすると、POSクライアント20は、新しい交換指定景品の入力を受け付ける状態となる。従業員は、遊技者が希望する追加の交換指定景品にバーコードリーダ23をかざして、その景品の景品コードを読み取る。後は前述した処理と同じである。なお、この場合、端数積算値は、交換指定された一般景品の夫々についての端数積算値の合計となる。
【0057】
上記説明したように、この景品管理装置100は、交換指定される一般景品と交換指定される景品数が入力されると、その景品に付随して提供すべき端数用景品の名称と個数を瞬時に表示する。しかも、複数種類の端数用景品がある場合に、算出された端数積算値で交換可能な最大景品数が最も小さくなる端数用景品の組合せを構成する端数用景品群と夫々の個数が表示される。この景品管理装置100を採用すると、端数の交換に適正な端数用景品の名称と個数が表示され、景品交換を行う従業員はその表示に従って景品を遊技者に渡せばよい。こうして適正な交換が実現される。さらに景品管理装置100は、表示された景品での交換が受諾されると(画面上の確定ボタンが押されると)、表示された交換景品の夫々の個数を、在庫データ上で減じる在庫更新処理を自動的に実行する。従って、単価は低いが数多く利用される端数用景品の在庫を適正に管理することができる。
【実施例2】
【0058】
次に、第2実施例の景品管理装置について説明する。第2実施例の景品管理装置の構成は、図1に示した第1実施例の景品管理装置100の構成と同じであるので説明は省略する。ただし、第2実施例の景品管理装置では、端数用景品のデータは使わない。また第2実施例の景品管理装置が実行する処理は、図4、図5に示した処理と同様であるから、それらの図を参照し、第1実施例における処理と異なる箇所を説明する。ステップS1からS5までは同じである。第2実施例の景品管理装置は、リストアップ処理が異なる。この景品管理装置は、算出された端数積算値に、ステップS4で算出された剰余を加える。そして、景品データベースを参照し、ステップS2で入力された交換指定された景品の種類と異なる種類の景品であり、端数積算値と剰余の合算値以下の交換玉数に対応付けられた景品を特定して表示する。景品の種類の分別は、景品コードの最上位桁の数字で判別することができる。表示すべき景品が複数存在する場合は、その複数の景品の名称を表示する。
【0059】
以上、本発明の好適な実施例について説明した。実施例の景品管理装置の留意点を述べる。図4、図5に示した処理は、POSサーバ10のCPU11が、格納する各種のプログラムを実行することによって実現される。具体的には、図4のステップS1からS5までの処理は、主として景品管理メインプログラム14に記述されている。図5に示したリストアップ処理は、主としてリストアッププログラム15に記述されている。図4のステップS9の処理は、主として在庫管理プログラム16に記述されている。従って、景品管理メインプログラム14を実行するときのPOSサーバ10及びこれと協働する他のユニットが、端数演算手段、交換可能景品数演算手段、交換個数変更手段の一例に相当する。また、リストアップ処理を実行するときのPOSサーバ10とこれと協働する他のユニットがリストアップ手段の一例に相当する。また、在庫管理プログラム16を実行するときのPOSサーバ10とこれと協働する他のユニットが在庫管理手段の一例に相当する。また、キーボード21、及び、入力デバイスとしてのタッチパネル式のモニタ22は、登録手段の一例に相当する。
【0060】
実施例の景品管理装置100は、ネットワークで接続された幾つかのユニット(POSサーバ10とPOSクライアント20等)を備える。本発明は、景品管理装置を構成するハードウエアに依存するものではない。例えば、実施例で説明したPOSサーバ10とPOSクライアント20の機能は、一つのコンピュータ(一例として市販のパーソナルコンピュータ)で実現されてもよい。
【0061】
上記の実施例では、管理玉数(内部管理遊技媒体数)、端数、及び、交換相当端数は全て少数部分を有していた。本明細書が開示する新規な技術は、管理玉数(内部管理遊技媒体数)、端数、及び、交換相当端数のいずれもが整数であっても利用価値がある。例えば、景品の仕入れ値は下がったが、遊技者に提示する交換玉数は一定にしたい場合がある。ただし、交換玉数を単に一定に保ったのでは、ユーザの不満が高まる。そこで、交換玉数は一定に保持しておきながら、景品の仕入れ値が下がった分を端数として登録する。登録された端数で交換できる景品は、一般景品ではなく、端数用景品として登録されているものに限られる。このような場合、端数が整数となっても、本明細書が開示する技術は有用である。
【0062】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0063】
10:POSサーバ
20:POSクライアント
21:キーボード
22:モニタ
23:バーコードリーダ
24:レシートリーダ
30:記憶装置
31:景品データベース
32:在庫データベース
40:ホールコンピュータ
41a、41b:遊技機
50:計数機
51:レシートプリンタ
100:景品管理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体との交換に供する景品を管理する装置であり、
少なくとも一つの一般景品について交換に必要な交換相当遊技媒体数が内部管理遊技媒体数と端数とに分けられて登録されているとともに、端数との交換対象として定められた端数用景品について交換に必要な交換相当端数が登録されているデータベースを格納している記憶手段と、
記憶手段に記憶されているデータベースに、一般景品について交換に必要な交換相当遊技媒体数を内部管理遊技媒体数と端数とに分けて登録するための手段であるとともに、端数との交換対象として定められた端数用景品について交換に必要な交換相当端数を登録するための登録手段と、
を備えていることを特徴とする景品管理装置。
【請求項2】
交換指定された一般景品の端数を前記データベースに基づいて特定するとともに、特定された端数に交換指定された一般景品数を乗じた端数積算値を算出する端数演算手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の景品管理装置。
【請求項3】
算出された端数積算値で交換可能な端数用景品の名称と個数をデータベースに基づいて特定して表示するリストアップ手段をさらに備えていることを特徴とする請求項2に記載の景品管理装置。
【請求項4】
リストアップ手段は、算出された端数積算値で交換可能な最大景品数が最も小さくなる端数用景品の組合せをデータベースに基づいて特定して表示することを特徴とする請求項3に記載の景品管理装置。
【請求項5】
遊技者が保有する遊技媒体数を取得する取得手段と、
保有遊技媒体数を交換指定された一般景品の交換相当遊技媒体数で除算し、除算結果の商と剰余を、交換可能最大景品数と剰余遊技媒体数として表示する交換可能景品数演算手段と、をさらに備え、
算出された前記商が、前記交換指定される一般景品数として端数演算手段に入力されることを特徴とする請求項3又は4に記載の景品管理装置。
【請求項6】
端数用景品の在庫数を記録している在庫データを格納しているとともに、リストアップ手段によって特定された端数用景品の組合せを構成する各端数用景品の個数を在庫データ上の在庫数から減算する在庫管理手段をさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載の景品管理装置。
【請求項7】
表示された端数用景品群のいずれかの景品の個数の変更を受け付けるとともに、変更された個数を固定した上で、表示される端数用景品群とそれらの個数が、算出された端数積算値で交換可能な最大景品数となるように、変更を受け付けた端数用景品以外の端数用景品の個数を調整する交換個数変更手段をさらに備えていることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載の景品管理装置。
【請求項8】
遊技媒体との交換に供する景品を管理する装置であり、
複数の一般景品の夫々について交換に必要な交換相当遊技媒体数が内部管理遊技媒体数と端数とに分けられて登録されているデータベースを格納している記憶手段と、
遊技者が保有する遊技媒体数を取得する取得手段と、
保有遊技媒体数を交換指定された一般景品の交換相当遊技媒体数で除算し、除算結果の商と剰余を算出する交換可能景品数演算手段と、
交換指定された一般景品の端数をデータベースに基づいて特定するとともに、特定された端数に前記商を乗じた端数積算値を算出する端数演算手段と、
前記剰余と前記積算値を合計した遊技媒体数以下で交換可能な一般景品であって前記交換指定された一般景品とは種類が異なる一般景品をデータベースに基づいて特定して表示するリストアップ手段と、
を備えることを特徴とする景品管理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−85935(P2012−85935A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237031(P2010−237031)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000106690)サン電子株式会社 (161)
【Fターム(参考)】