説明

暖房装置の燃焼部

【課題】器具本体の輻射窓に気化燃焼の青色火炎を綺麗に映し出すことが出来る暖房装置を提供する。
【解決手段】横長で一側端から予混合ガスが流入される1列から数列のバーナ部9を備え、このバーナ部9の青色火炎が見えるようにする方形の輻射窓10を器具本体1の正面に備え、更に輻射窓10には正面側が突出した横長ビードを連続した耐熱性のビードガラス11を備えたもので、前記輻射窓10の左右両端となるバーナ部9の燃料流入側端部には点火プラグ42を設けると共に、反対側端部にはフレームロッド43を設けたことで、青い炎に赤い筋が映ることを防止することにより、着火性能の向上と確実な炎検知とを合わせて得ることが出来たものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、暖房装置の燃焼部を構成する気化式の燃焼部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のものでは、器具本体の正面に輻射窓を設け、燃焼火炎を確認すると共に、ここからの熱の放射や輻射を得て暖房効果の向上を図るものであった。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特許第3398118号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところでこの従来のものでは、ポット式のバーナで、燃油をポットの底部で気化させると同時に一次燃焼空気及び二次燃焼空気を段階的に供給して、赤色火炎で燃焼させるものであるから、ビードガラスによって点火プラグやフレームロッドの赤熱状態が縦に延びて映ることがなく、赤色火炎で目立たないので、どの位置に設けても問題はなかったが、近年燃焼部を気化式とし燃油を気化して一次燃焼空気と予混合した混合ガスを、二次燃焼空気の供給受けながら燃焼させるものでは、火炎が青色であるために、ビードガラスに点火プラグやフレームロッドの赤熱状態が縦に延びて映るという問題点を有するものであった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明はこの点に着目し上記欠点を解決する為、特にその構成を、横長で一側端から予混合ガスが流入される1列から数列のバーナ部を備え、このバーナ部の青色火炎が見えるようにする方形の輻射窓を器具本体の正面に備え、更に輻射窓には正面側が突出した横長ビードを連続した耐熱性のビードガラスを備えたものに於いて、前記輻射窓の左右両端となるバーナ部の燃料流入側端部には点火プラグを設けると共に、反対側端部にはフレームロッドを設けたものである。
【発明の効果】
【0005】
この発明によれば、赤熱状態が輻射窓のビードガラスに赤い筋として映る点火プラグとフレームロッドを、赤い筋が目立たない輻射窓の左右両端となる、バーナ部の予混合ガスの流入側端部に点火プラグを設け、反対側端部にはフレームロッドを設けたことで、青い炎だけが綺麗に見えて輻射と共に見栄えも極めて良いものであり、又バーナ部の予混合ガスの流入側端部に点火プラグを設けたことで、最初に流入するガスで着火し順次火移りさせて、良好な着火性能を得ることが出来るものであり、更に反対側端部のバーナ部最終端にフレームロッドが設けられたことで、最後に着火される火炎で炎検知が行われ、確実な炎検知が常に行われて安心して使用出来るものであり、即ち、青い炎に赤い筋が映ることを防止することにより、着火性能の向上と確実な炎検知とを合わせて得ることが出来たものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次にこの発明の一実施形態を図示した暖房装置に基づいて説明する。
1は温風と共に遠赤外線を放射した暖房を行う暖房装置の器具本体で、該器具本体1の中央上部には表面に遠赤塗料が塗布され内方を燃焼ガスが流通することで遠赤外線を放熱する放熱器2が備えられ、この放熱器2の下方には後述する燃焼室の前面を覆う化粧枠3を備え、更に放熱器2と化粧枠3の前面にはガード体4が位置し、前面上部には各種作動状態を表示する表示部5が設けられ、上面には各種操作ボタン等からなる操作部6が備えられている。
【0007】
7は前記放熱器2下部に備えられ該放熱器2に燃焼ガスを供給する燃焼室で、内方下部には複数の横切り込みの炎孔からなる炎孔部8を有し燃油と気化ガスと一次燃焼空気との予混合ガスを燃焼させるバーナ部9を備えており、更にこの燃焼室7の正面中央には、バーナ部9の青色火炎を露呈させる方形の輻射窓10が形成され、この輻射窓10には正面側に複数の横長ビードを一面に設けた耐熱性のビードガラス11が設けられ、化粧枠3にはこの輻射窓10を露呈するための開口12が形成されている。
【0008】
13は側壁部にU字状の気化用ヒータ14を鋳込んだアルミダイキャストから成る縦長箱型の気化器で、燃焼室7の一側壁を貫通して備えられ、その正面は燃料噴射ノズル15及び燃焼用の一次空気の噴出口であるベンチュリー部16を備えた蓋体17で閉塞され、中央に突出した仕切壁18で仕切られた下部には混合ガスの流出口19が形成されている。
【0009】
前記気化器13は燃料噴射ノズル15及びベンチュリー部16と対向する内面を、該燃料噴射ノズル15及びベンチュリー部16に対して垂直に形成し垂直気化面20とすると共に、燃油及び一次燃焼空気が吹き付けられる部分は、燃油の均一な拡散を図る為に平坦面21とし、更にこの平坦面21の下方で該平坦面21の真下を除くその両側には、気化器13の側壁に連通する水平ビード22を設け、又この水平ビード22の下方には、平坦面21に対応する部分を頂点とする山形ビード23が設けられ、気化せずに硫下する燃油を一旦受けて気化を促進させるものである。
【0010】
又前記ベンチュリー部16と仕切壁18との間には、蓋体17から垂直気化面20に向かって突出した水平板24を備え、前記仕切壁18とにより垂直気化面20と蓋体17との間に蛇行路25を形成するものであり、更に流出口19の手前には、蓋体17からコ字状に突設された整流板26が備えられ、蛇行路25を通り混合が促進された混合ガスが整流板26に一旦ぶつかりその勢いを抑えられ、又整流されながら流出口19へと流れるようにしたものである。
【0011】
27は気化器13の背面を除く全体を覆ったカバー体で、ベンチュリー部16に連通し一次燃焼空気を供給する一次空気供給穴28と、その下方で蓋体17外周と気化器13外周から成る二次空気通路29に二次燃焼空気を供給する二次空気供給穴30とを備え、更にこの2つの供給穴28、30にスムーズに空気を供給する空気案内部31が燃焼ファン32の吹き出し側に設けられている。
【0012】
33は気化器13の背面側で流出口19からの混合ガスを一側の流入口34から流入させ、上端の一列のみの前記バーナ部9で燃焼させる先細状の1つのガス室で、一端下部には上記二次空気通路29と連通する連通口35を形成した箱型の二次空気室36で覆われており、更にこの二次空気室36の上面と一列のバーナ部9との隙間を二次空気孔37とすると共に、この両側の二次空気孔37とバーナ部9との間には二次空気整流用の保炎板38が設けられている。
【0013】
又前記バーナ部9の上面の炎孔部8で、気化器13背面のヒートバック用の複数の吸熱フィン39と対向する炎孔は他より大きな大炎孔40としている。
41はガス室33底部の入り口近くに備えられた三角山状の偏流板で、ガス室33内に流入してくる混合ガスの一部を大炎孔40側に案内するものである。
【0014】
42はバーナ部9の混合ガスの流入口34近傍の炎孔部8上に設けられた点火プラグで、バーナ部9との間で放電して炎孔部8から放出される混合ガスに着火するものである。
43は点火プラグ42とは反対側の最終炎孔部8上でに備えられたフレームロッドで、火炎の導電作用を利用して火炎の有無を検知するものである。
【0015】
又前記燃焼室7の正面の方形輻射窓10は、下端を炎孔部8よりやや上方とし、左右両端の一端はバーナ部9の混合ガスの流入口34近傍の点火プラグ42がぎりぎり隠れる位置とし、他端は反対側の最終炎孔部8上でに備えられたフレームロッド43がぎりぎり隠れる位置とし、この間に気化燃焼の青色火炎をビードガラス11全体で映し出すようにしたものである。
【0016】
更に前記保炎板38の両端部には、幅広で長く突出した舌片44を設け、吸熱フィン39下では、大火炎40で加熱された吸熱フィン39が、二次燃焼空気で冷却されることを防止するものであり、又反対側ではフレームロッド43が検知する火炎が二次燃焼空気の供給を受けてリフト燃焼して、火炎検知出来なくなることを防止するものである。
45は燃料噴射ノズル15に燃油を供給する電磁ポンプ、46は一定量の燃油を貯める定油面器である。
【0017】
次にこの一実施形態の作動について説明すれば、気化用ヒータ14に通電し気化器13を燃油の気化可能の所定温度まで加熱すれば、これを適所に設けた温度センサ(図示せず)が検知し、燃焼空気供給用の燃焼ファン32及び燃油供給用の電磁ポンプ45を駆動させることで、気化器13には燃料噴射ノズル15から燃油が、又ベンチュリー部16からは一次燃焼空気がそれぞれ供給される。
【0018】
そして気化器13では、燃料噴射ノズル15から噴射された燃油は、垂直気化面20の平坦面21に衝突して気化し気化ガスとなるものであり、又ここで気化しきれなかった燃油は水平ビード22や山形ビード23に流れて気化されて、ベンチュリー部16から供給される一次燃焼空気と予混合して混合ガスとなって、下部の流出口19に向かって流通するが、この時混合ガスは先ず仕切壁18と水平板24とで形成された蛇行路25を流通し、長い流路で2つの曲がりを通過することで混合が促進され、更に流出口19の手前で整流板26にぶつかり、又この整流板26を蓋体17から突設させるための上下の支持板にもぶつかって、その流速が抑えられると共に、乱流が起きて更に混合が促進し、そして最終的には整流板26の周囲を通過して流入口34からガス室33へ流入するものである。
【0019】
このガス室33へ流入した混合ガスは、整流板26で流速は抑えられているので、流入口34近傍上方のバーナ部9の大炎孔40に集中することなく、先細となっているガス室33内の反対側まで流通した後、上部のバーナ部9の全ての炎孔から均一に放出され、点火プラグ42の放電で着火されて安定して燃焼するものである。
【0020】
そしてこの燃焼時、従来では赤熱状態が輻射窓10のビードガラス11に赤い筋として映る点火プラグ42とフレームロッド43を、赤い筋が目立たない輻射窓10の左右両端で隠すこととなり、バーナ部9の予混合ガスの流入側端部に点火プラグ42を設け、反対側端部にはフレームロッド43を設けたことで、青い炎だけが綺麗に見えて輻射と共に見栄えも極めて良いものであり、又バーナ部9の予混合ガスの流入側端部に点火プラグ42を設けたことで、最初に流入するガスで着火し順次火移りさせて、良好な着火性能を得ることが出来るものであり、更に反対側端部のバーナ部9最終端にフレームロッド43が設けられたことで、最後に着火される火炎で炎検知が行われ、確実な炎検知が常に行われて安心して使用出来るものであり、即ち、青い炎に赤い筋が映ることを防止することにより、着火性能の向上と確実な炎検知とを合わせて得ることが出来たものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の一実施形態を示す暖房装置の斜視図。
【図2】同一部分解した暖房装置の斜視図。
【図3】同ビードガラスの斜視図。
【図4】同燃焼室の説明図。
【図5】同バーナ部の説明図。
【図6】同気化器の断面図。
【図7】同気化器の正面図。
【図8】同バーナ部の平面図。
【図9】同バーナ部の斜視図。
【図10】同バーナ部の要部説明図。
【図11】同カバー体の斜視図。
【図12】同要部蓋体の斜視図。
【符号の説明】
【0022】
1 器具本体
9 バーナ部
10 輻射窓
11 ビードガラス
42 点火プラグ
43 フレームロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横長で一側端から予混合ガスが流入される1列から数列のバーナ部を備え、このバーナ部の青色火炎が見えるようにする方形の輻射窓を器具本体の正面に備え、更に輻射窓には正面側が突出した横長ビードを連続した耐熱性のビードガラスを備えたものに於いて、前記輻射窓の左右両端となるバーナ部の燃料流入側端部には点火プラグを設けると共に、反対側端部にはフレームロッドを設けたことを特徴とする暖房装置の燃焼部。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate