説明

曲がり継手とその接続方法

【課題】出隅部や入隅部に軒樋を取り付けるにあたり、継手の剛性を高めて軒樋の捩れや変形を防止し、軒樋を見栄えよく接続し、しかも軒樋の形状にかかわりなく接続作業が簡単且つ確実に行え、施工作業時間を短縮できるようにする。
【解決手段】本体部1Aの両端に継手部1Bが延出し、この継手部1Bの前壁部12bと後壁部12c間に支持プレート13を架設して形成された継手本体1と、後壁部12cの上部に装着される係止部材2とから曲がり継手を構成する。継手部1Bの前壁部12b上端に形成された前耳係止部24に軒樋3の前耳部34を係合させて継手部1Bに軒樋3の端部を外嵌合させて、軒樋3の後側壁33の下半部内面に継手部1Bの後壁部12c外面を当接させ、この後壁部12cの上部に装着した係止部材2の上端部21が軒樋3の後耳部35に係合して軒樋3を接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の出隅部や入隅部に取り付けられる曲がり継手とその接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
軒樋の端部同士を接続する軒樋継手として、軒樋の両端部間に跨るようにして内継手を内嵌合させるとともに、その外側に外継手を外嵌合させて内外両継手で軒樋の内外面を挟み込んで接着接合する構成のものが知られている。
例えば、開口部上面の幅が狭い軒樋を接続する場合には、軒樋の内側に内継手を嵌め入れ難いことから、図6に示すように内継手91を、軒樋93の底面部93a内面に接合する下継手部材91Aと軒樋93の前側壁93b内面に接合する上継手部材91Bとに分離した構造とし、軒樋93、93の端部間に跨るようにして外継手92を外嵌合させてから、その突き合わせ端部の内側に下継手部材91Aを傾き加減に差し入れて装着してから上継手部材91Bを嵌め入れ、外継手92に設けた係止突部92a、92bを内継手91の支持部91a、91bに係合させて両部材を一体に接続するとともに、軒樋93との接合面を接着接合する構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、屋根の出隅部において軒樋同士を接続する曲がり継手として、図7に示すように、本体部94Aの両端に継手部94Bを延設した構成のものが知られている。この曲がり継手94は、両端に軒樋93の端部を外嵌合させた際に、本体部94Aの外周面と軒樋93の外周面とがほぼ面一となるように、段差部を介して軒樋93の周壁の肉厚幅だけ内側へ凹ませて継手部94Bを形成したものである(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらには、軒先に沿って取り付けられる軒樋と曲がり継手の施工方法として、図8に示すように、軒樋93と同じ縦断面形状をした平面視略L字状の外曲がり継手95Aと内曲がり継手95Bをそれぞれ建物の出隅部と入隅部に取り付けた後、隣接する曲がり継手95A、95Bの対向する端部間に軒樋93を配置し、それぞれの突き合わせ端部の内側に跨って別途準備した内継手96を嵌め入れて接続する施工方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−106122号公報
【特許文献2】特開2005−146743号公報
【特許文献3】特開2003−247309号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記の通り内継手と外継手を用いて軒樋の内外面を挟み込んで接着接合する場合は、軒樋の両端部間に跨がって装着した内外両継手を軒樋の内外両面にぴったりと密着させて一体に接着接合する必要がある。このとき、内外両継手の接合面に接着剤を塗布してから外継手を軒樋の外周面に外嵌合し、内継手を軒樋の開口部上面から傾き加減に差し入れつつ軒樋の内周面に押し付けて固定する作業が不可欠となる。しかしながら、この接続作業は足場の不安定な高所作業となるため、必然的に手探りによる接続作業を余儀なくされ、継手の構造や接続手順が複雑になると施工作業に時間がかかるだけでなく、不慣れな作業者の場合には継手の位置をずらしたまま接着してしまう事態も生じかねない。
【0007】
屋根の出隅部において軒樋同士を接続する前記曲がり継手の場合には、軒樋と同じ縦断面形状をした継手部に軒樋の端部を外挿して接着接合するだけであるため、曲げや捩れに対する強度(剛性)が弱く、強風を受けたときに曲がり継手が破損したり、軒樋が捩れて接合部が変形して離脱したりする危険性がある。しかも、この曲がり継手による軒樋の接続作業は、軒樋を一旦軸方向に後退させてから前進させてその端部を曲がり継手の継手部に外挿する差込み方式となる。外曲がり継手と内曲がり継手を軒先の出隅部と入隅部に取り付けて固定した後、隣接する曲がり継手の対向する端部間に軒樋を接続しなければならない施工現場では、軒樋を軸方向に後退させるゆとりがなく、物理的にこの曲がり継手は使用できない。
【0008】
軒先に取り付けられた軒樋と曲がり継手を内継手で接続する前記従来の施工方法は、軒樋と曲がり継手の突き合わせ端部間に跨って別途準備した内継手を装着するだけで接続できるため、接続作業が簡単に行えるという利点がある。ところが、軒先に固定されている曲がり継手に軒樋の端部を突き合わせて接続するときに、両端部が位置ずれして段差ができた状態で固定され易いため、作業者は片方の手で両端部を位置合わせしつつ他方の手で内継手を両端部間に跨るように装着せねばならない。しかしながら、足場の不安定な高所で、このような、接続位置を確認しながら外周面に接着剤が塗布された内継手を突き合わせ端部の内側に嵌め入れ、且つ内継手の前後の耳係止部を軒樋と曲がり継手の前後耳部に係合させる、という接続作業は非常に厄介である。
【0009】
本発明は従来技術の有するこのような問題点に鑑み、出隅部や入隅部に軒樋を取り付けるにあたり、継手の剛性を高めて軒樋の捩れや変形を防止できるとともに、軒樋を見栄えよく接続でき、しかも軒樋の形状にかかわりなく接続作業が簡単且つ確実に行え、施工現場での作業時間を大幅に短縮できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため本発明の曲がり継手は、縦断面略U字状の本体部の両端から継手部を延出させるとともに当該継手部の前壁部と後壁部の内面間に支持プレートを架設して形成された平面視略L字状の継手本体と、前記継手部の後壁部の上部に装着される係止部材からなり、前記継手部の前壁部上端に形成された前耳係止部に軒樋の前耳部が係合して継手部に軒樋の端部が外嵌合するとともに、軒樋の後側壁の下半部内面に継手部の後壁部外面が当接し、この後壁部の上部に装着した係止部材の上端部が軒樋の後耳部に係合して接続することを特徴とする。
【0011】
また、前記構成の曲がり継手において、継手部に軒樋の端部を外嵌合した際に、本体部の外周面と軒樋の外周面とがほぼ面一となるように、継手部の底壁部と前壁部と後壁部の各壁部が軒樋の周壁の肉厚幅だけ内側に凹んで形成され、係止部材の下端に支持プレートがスライド自在に係合する凹溝が形成されるとともに、支持プレートの後壁部側の基部に係止部材が掛止される係止部が形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明の曲がり継手の接続方法は、縦断面略U字状の本体部の両端から継手部を延出させるとともに当該継手部の前壁部と後壁部の内面間に支持プレートを架設して形成された平面視略L字状の継手本体と、前記継手部の後壁部の上部に装着される係止部材からなる曲がり継手を準備し、軒先に沿って所定間隔開けて固定した樋吊り具で本体部を支持して前記継手本体を軒先隅部に取り付けた後、継手部に軒樋を接続するにあたり、軒先に沿って配置した軒樋の前耳部を継手部の前耳係止部に係止させ、この前耳係止部側を回転中心として軒樋の他端部側を軒先後方側へ跳ね上げつつ後側壁を継手部の後壁部に外嵌合させ、次いで後壁部の上部に係止部材を装着し、係止部材の上端部を軒樋の後耳部に係合させることにより曲がり継手に軒樋を接続することを特徴とする。
【0013】
本発明の軒樋曲がり継手は、軒先の出隅部や入隅部に取り付けられるものであって、縦断面略U字状の本体部の両端から延出して底壁部と前壁部と後壁部からなる継手部が形成されるとともに、前壁部と後壁部に跨って支持プレートが架設された平面視略L字状の継手本体と、後壁部の上部に装着される係止部材から構成される。本体部に継手部を一体に設けて継手本体が形成されており、この継手本体に軒樋端部を接続した状態で係止部材を係合することにより軒樋が接続し、軒樋の端部内周面との接続作業が極めて容易となる。また、継手部の前壁部と後壁部に跨って支持プレートが架設してあるので、継手部の剛性が格段に高くなり、この継手部に外嵌合した軒樋に曲げや捩れなどの外力が加わったり強風を受けたりしても、軒樋が捩れて変形したり脱落したりすることもない。
【0014】
継手本体を構成する本体部と継手部は、硬質塩ビ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの硬質樹脂組成物で一体成形することができる。軒樋を塩ビ被覆鋼板で折り曲げ成形したときには、これと同じ塩ビ被覆鋼板で本体部を成形し、その両端に前記硬質樹脂組成物で形成した継手部を接着剤やリベットで一体に接合するとよい。このように本体部と軒樋を同じ素材で形成した場合には、経年変化による色あせなども同時に進行することとなり、見栄えが悪くなることもない。
また、継手部を構成する底壁部と前壁部と後壁部の各壁部を軒樋の周壁の肉厚幅だけ内側に凹ませて形成しておくと、継手部に軒樋の端部を外嵌合したとき、本体部の外周面と軒樋の外周面とがほぼ面一となって軒樋と継手が一体に見えることから意匠性が高まり、軒先を下から見上げたときに、継ぎ目部分に凹凸が表出しない外観となって、すっきりとした感じで頗る見栄えがよくなる。
【0015】
係止部材は硬質塩ビ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの樹脂組成物で一体成形することができる。この係止部材の下端に支持プレートがスライド自在に係合する凹溝を形成し、支持プレートの後壁部側の基部に係止部材が掛止される係止部を形成するとよい。このように構成することで、継手部に軒樋の端部を外嵌合したとき、係止部材の下端に形成された凹溝に支持プレートを係合させて後方にスライド移動させるだけで係止部に掛止することができ、軒樋の端部に継手部を強固に固定しておくことができる。
【0016】
前記構成からなる曲がり継手に軒樋を接続するとき、継手部や係止部材の接合面又は軒樋の接合面に接着剤が塗布されるが、軒先の隅部に固定した樋吊り具で継手本体を支持し、継手部の前耳係止部に軒樋の前耳部を係止させつつ軒樋を軒先後方側に跳ね上げて外嵌合させた後、後壁部の上部に係止部材を装着するだけで接続することができるので、接続作業は特に熟練を必要とせずに、足場の悪い高所でも簡単に行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の曲がり継手は、継手部の前壁部と後壁部に跨って支持プレートが架設されているため継手部の剛性が格段に改善され、この継手部に外嵌合した軒樋に曲げや捩れなどの外力が加わったり強風を受けたりしたときに、軒樋が捩れて変形したり継手部で脱落したりするようなこともない。また、本発明の曲がり継手は、継手部品が継手部と係止部材の二つの部品からなり、継手部は本体部と一体になって軒先に取り付けられるため接続操作が簡単に行え、足場の悪い高所でも熟練を要することもなく、簡単且つ確実に軒樋を接続することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の好適な一実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態の曲がり継手と軒樋の接続状態を示す概略平面図、図2は曲がり継手と軒樋の展開斜視図、図3は図2に示した曲がり継手に軒樋を接続する状態を示す側面図、図4は図3に示した曲がり継手に軒樋を接続した状態を示す要部拡大側面図、図5は樋吊り具に軒樋を支持した状態を示す側面図であって、図中符号1は継手本体、2は係止部材、3は軒樋、4は樋吊り具をそれぞれ示している。
【0019】
図1に示すように、本発明の曲がり継手は、軒先の出隅部や入隅部に取り付けられるものであり、隣接する曲がり継手の端部間に軒樋3が架け渡されて接続される。
軒樋3は硬質塩ビ樹脂などの耐蝕性を備えた樹脂で被覆された長尺の被覆鋼板をベンダーなどで曲げ加工したものであって、底壁31と前側壁32と後側壁33によって縦断面略U字状に形成され、前側壁32の上端に内側下方へ折り曲げられた前耳部34が形成されるとともに、後側壁33の上端に内側に開口した略断面コ字状の後耳部35が形成されている。
【0020】
曲がり継手は、縦断面略U字状の本体部1Aの両端に継手部1Bが延出した平面視略L字状の継手本体1と、係止部材2から構成される。なお、図2に示した曲がり継手は出隅部に取り付けられる外曲がり継手であるが、継手本体1のL字の曲がり方向を変更することにより、入隅部に取り付けられる内曲がり継手とすることができる。
【0021】
本体部1Aは軒樋3と同様に被覆鋼板をベンダーなどで曲げ加工して形成したものであって、底壁部11aと前壁部11bと後壁部11cによって縦断面略U字状に形成され、前壁部11bと後壁部11cの上端に軒樋3とほぼ同形状に折り曲げられた前耳部14と後耳部15が形成されている。そして、各壁部11a、11b、11cの端部内面に後述する継手部1Bが端部側方へ延出させた状態で接着接合され、且つリベットで一体的に固定されている。
【0022】
このように本体部1Aと軒樋3を同じ素材で形成すると、経年変化による色あせなどが同時に進行するため、施工後見栄えが悪くなるという不具合が発生することもなくなる。また、本体部1Aと軒樋3が同じ素材であると、本体部1Aの各壁部11a、11b、11cの端部内面に継手部1Bを一体に接着接合したとき、継手部1Bを構成する底壁部11aと前壁部11bと後壁部11cの各壁部の外周面が軒樋3の周壁の肉厚幅だけ内側に凹むため、継手部1Bに軒樋3の端部を外嵌合したとき、本体部1Aの外周面と軒樋3の外周面とがほぼ面一となって本体部1Aと軒樋3とが一体に見えることから意匠性が高まり、軒先を下から見上げたときすっきりとした感じで頗る見栄えがよくなる。
【0023】
継手部1Bは硬質塩ビ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの樹脂組成物を射出成形して得られたものであって、底壁部12aと前壁部12bと後壁部12cによって縦断面略U字状に形成されるとともに、前壁部12bと後壁部12cの内面間に跨って支持プレート13が架設され、この支持プレート13の後壁部12c側の基部には係止部材2が掛止される係止部13aが形成されている。前壁部12bの上端には本体部1Aの前耳部14や軒樋3の前耳部34と係合する前耳係止部24が形成され、後壁部12cは本体部1Aの後壁部11cや軒樋3の後側壁33の高さの半分程度の高さとなように形成されており、継手部1Bに軒樋3を外嵌合したとき、後壁部12cの上部に係止部材2が装着できるようになっている。
【0024】
係止部材2は継手部1Bと同様に、硬質塩ビ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの樹脂組成物を射出成形して得られたものであって、その下端に継手部1Bの支持プレート13がスライド自在に係合する凹溝22が形成されている。
一方、支持プレート13の後壁部12c側の基部には係止部材2が掛止される係止部13aが形成されているため、継手部1Bに軒樋3の端部を外嵌合した後、係止部材2の下端に形成された凹溝22を支持プレート13に係合させつつ後方にスライド移動させて係止部13aに掛止するだけで、軒樋3の端部に継手部1Bを強固に固定することができる。
【0025】
次に、前記構成からなる曲がり継手を用いた軒樋の施工手順を説明する。
まず、軒先に沿って軒吊り具4を固定するとともに、隅部に固定した軒吊り具4で継手本体1を支持する。樋吊り具4は釘やビスなどの支持金具で軒先に打ち込み固定される基板部41と、この基板部41の前面からほぼ水平に突出する支持部42からなり、支持部42の先端部に軒樋3の前耳部34を支持する前耳支持部43と、基板部41側の下部に後耳部35を支持する後耳支持部44が設けられている。この軒吊り具4を軒先に固定するとき、水勾配を付けながら軒先に沿って所定間隔に固定することが肝要である。
【0026】
軒先の隅部に継手本体1を取り付けた後、軒先に沿ってほぼ水平に配置した軒樋3を樋吊り具4の下方から持ち上げ、軒樋端部の前耳部34を継手部1Bの前耳係止部24に係止させるとともに、軒先に沿って所定間隔に配置されたそれぞれの樋吊り具4の前耳支持部43に軒樋中間部の前耳部34を係止させる。この接続作業の際に、予め継手部1Bの外周面又は軒樋3の内周面に接着剤を塗布しておき、前記前耳係止部24や前耳支持部43を回転中心として軒樋3の他端部側を軒先後方側へ跳ね上げつつ軒樋端部の後側壁33を継手部1Bの後壁部12cに外嵌合させ、これと同時に軒樋中間部の後耳部35を樋吊り具4の後耳支持部44に嵌入させる。
【0027】
このようにして継手本体1の継手部1Bに軒樋3の端部を外嵌合したとき、継手部1Bの後壁部12cが軒樋3の後側壁33の内面下半部に密着接合するので、背面に接着剤を塗布した係止部材2を軒樋3の開口部上面から内側に差し入れ、図4に示すように凹溝22に支持プレート13を係合させながら係止部材2を後壁部12c側にスライド移動させる。そして、係止部材2の上端部21を軒樋3の後耳部35に係合させながら下部を支持プレート13の係止部13aに掛止め、接着剤を介して係止部材2の背面を軒樋3の後側壁33の内面に圧着させる。
【0028】
かくして、軒先の隅部に取り付けられた曲がり継手に軒樋3が接続されるが、本発明の曲がり継手は継手部品が継手部1Bと係止部材2の二つの部品からなり、まず最初に軒樋3の端部を継手部1Bに外嵌合して位置決めし、次いで軒樋3の内側に差し入れた係止部材2で継手部1Bを軒樋3に押し付けて固定するだけであるので、接続操作が簡単であり、作業経験年数が短い作業者であっても失敗することなく、簡単且つ確実に接続することができる。
【0029】
なお、図示した曲がり継手の形態は一例であり、接続する軒樋の形状などに応じて適宜な形態とのものとすることができる。また、必要に応じて突き合わせ接続した軒樋の端部外周面に跨って外継手を外嵌合させて接着接合することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態の曲がり継手と軒樋の接続状態を示す概略平面図である。
【図2】曲がり継手と軒樋の展開斜視図である。
【図3】図2に示した曲がり継手に軒樋を接続する状態を示す側面図である。
【図4】図3に示した曲がり継手に軒樋を接続した状態を示す要部拡大側面図である。
【図5】樋吊り具に軒樋を支持した状態を示す側面図である。
【図6】従来の軒樋継手の展開状態を示す斜視図である。
【図7】従来の曲がり継手の展開状態を示す斜視図である。
【図8】従来の他の曲がり継手の接続状態を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 継手本体、1A 本体部、1B 継手部、12a 底壁部、12b 前壁部、12c 後壁部、13 支持プレート、13a 係止部、14 前耳係止部、15 後耳係止部、2 係止部材、22 凹溝、3 軒樋、31 底壁、32 前側壁、33 後側壁、34 前耳部、35 後耳部、4 樋吊り具、41 基板部、42 支持部 、43 前耳支持部、44 後耳支持部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦断面略U字状の本体部(1A)の両端から継手部(1B)を延出させるとともに当該継手部(1B)の前壁部(12b)と後壁部(12c)の内面間に支持プレート(13)を架設して形成された平面視略L字状の継手本体(1)と、前記継手部(1B)の後壁部(12c)の上部に装着される係止部材(2)からなり、
前記継手部(1B)の前壁部(12b)上端に形成された前耳係止部(24)に軒樋(3)の前耳部(34)が係合して継手部(1B)に軒樋(3)の端部が外嵌合するとともに、軒樋(3)の後側壁(33)の下半部内面に継手部(1B)の後壁部(12c)外面が当接し、この後壁部(12c)の上部に装着した係止部材(2)の上端部(21)が軒樋(3)の後耳部(35)に係合して接続することを特徴とする曲がり継手。
【請求項2】
継手部(1B)に軒樋(3)の端部を外嵌合した際に、本体部(1A)の外周面と軒樋(3)の外周面とがほぼ面一となるように、継手部(1B)の底壁部(12a)と前壁部(12b)と後壁部(12c)の各壁部が軒樋(3)の周壁の肉厚幅だけ内側に凹んで形成され、係止部材(2)の下端に支持プレート(13)がスライド自在に係合する凹溝(22)が形成されるとともに、支持プレート(13)の後壁部(12c)側の基部に係止部材(2)が掛止される係止部(13a)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の曲がり継手。
【請求項3】
縦断面略U字状の本体部(1A)の両端から継手部(1B)を延出させるとともに当該継手部(1B)の前壁部(12b)と後壁部(12c)の内面間に支持プレート(13)を架設して形成された平面視略L字状の継手本体(1)と、前記継手部(1B)の後壁部(12c)の上部に装着される係止部材(2)からなる曲がり継手を準備し、
軒先に沿って所定間隔開けて固定した樋吊り具(4)で本体部(1A)を支持して前記継手本体(1)を軒先隅部に取り付けた後、継手部(1B)に軒樋(3)を接続するにあたり、
軒先に沿って配置した軒樋(3)の前耳部(34)を継手部(1B)の前耳係止部(24)に係止させ、この前耳係止部(24)側を回転中心として軒樋(3)の他端部側を軒先後方側へ跳ね上げつつ後側壁(33)を継手部(1B)の後壁部(12c)に外嵌合させ、
次いで後壁部(12c)の上部に係止部材(2)を装着し、係止部材(2)の上端部(21)を軒樋(3)の後耳部(35)に係合させることにより曲がり継手に軒樋を接続することを特徴とする曲がり継手の接続方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−221773(P2009−221773A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−68869(P2008−68869)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)