説明

曲げセンサ

【課題】製造工程が簡易で、かつ、弾性板の厚さが薄くて疲労寿命が大幅に延長された曲げセンサを提供する。
【解決手段】長手方向と直交する方向の断面において、厚さ方向に平行な中心線に関して対称なM個の凹部及び凸部が交互に形成されたベース部材10と、ベース部材10のM個の凹部及び凸部のうち両端を除くN個の凹部又は凸部に形成されたN個のひずみ受感素子RA、RB、RCと、両端の凹部又は凸部に形成され上記N個のひずみ受感素子のうちの1個分に相当する2分割ひずみ受感素子RD1、RD2と、上記ひずみ受感素子が形成された凹部にそれぞれ嵌合して形成されたコア部材CA、CB、CD、CD1、CD2と、上記ひずみ受感素子がベース部材10の同じ側の面上でブリッジ回路を構成するように相互接続する接続配線と、凸部に形成された上記ひずみ受感素子を被覆して形成されたカバー部材20とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性板の曲がりの程度を検出する曲げセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の曲げセンサは、表面にひずみゲージ又は厚膜抵抗体をそれぞれ形成した板状弾性体である2枚のベース部材の底面同士を貼り合わせた弾性板が曲がったときに弾性板の表面側と裏面側とに発生する寸法変化を検出することにより弾性板の曲がりの程度を検出するセンサである。
【0003】
最初に、曲げセンサの原理を概説する。
【0004】
図6は、曲げセンサを構成する弾性板の概略側面図であり、図7は、弾性板が曲がった状態を示す側面図である。
【0005】
弾性板100は、図6に示すように、初期状態では、表面の辺A1B1及び裏面の辺C1D1の長さが共にL1であるものとする。
【0006】
この弾性板100に外力が加えられて、図7に示すように、センサの中立線における曲率半径の値がrで湾曲したときに、辺A1B1が湾曲した円弧A2B2の長さがL2(>L1)になり、辺C1D1が湾曲した円弧C2D2の長さがL3(<L1)になったとする。
【0007】
このとき、曲げによる弾性板の表面側のひずみεABは、
εAB=ΔL2/L1=(L2−L1)/L1 (1)
となる。この方程式の右辺を中立線の曲率半径rを用いて表すと、
εAB=(L2−L1)/L1
=[2π{(t/2)+r}−2πr]/2πr
=πt/2πr (2)
となる。
【0008】
同様に、曲げによる弾性板の裏面側のひずみεCDは、
εCD=ΔL3/L1=(L3−L1)/L1 (3)
となる。この方程式の右辺を中立線の曲率半径rを用いて表すと、
εCD=(L3−L1)/L1
=[2π{−(t/2)+r}−2πr]/2πr
=−πt/2πr
=−εAB (4)
となる。
【0009】
従って、弾性板の表面側及び裏面側の両面にそれぞれ2個のひずみゲージ、即ち、合計4個のひずみゲージを配設した4アクティブブリッジ回路を構成する場合、4アクティブブリッジ回路全体の印加電圧をE、ゲージ係数をKとすると、1個のひずみゲージに対応する1個のアクティブブリッジ回路あたりの出力は、
e1=(E/4)KεAB
となり、4アクティブブリッジ回路の出力は、電圧の極性を考慮すると、
e=4×e1=EKεAB
となる。
【0010】
上記方程式(2)、(4)からも判るように、曲げ曲率半径r、即ち、曲げセンサの曲率半径rが小さくなると、ひずみεAB、εCDの大きさ(絶対値)は大きくなり、弾性板の厚さtが大きくなっても、ひずみεAB、εCDの大きさ(絶対値)は大きくなる。
【0011】
図8は、曲げセンサの曲率半径rと曲げセンサ出力との関係を示すグラフである。
【0012】
図8のグラフにも示されるように、曲げ曲率半径r、即ち、曲げセンサの曲率半径rが小さくなると、ひずみεAB、εCDの大きさ(絶対値)は大きくなる。
【0013】
上述のような原理に従う従来の曲げセンサの一例として、例えば、屈曲即ちひずみに応じて抵抗値が変化する抵抗体を表面にそれぞれ形成した板状弾性体である2枚のベース部材の底面同士を貼り合わせた弾性板の各抵抗体を接続してホイートストンブリッジ回路を構成した曲げセンサが、これまでに提案され、公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−123604号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、表面にひずみゲージ又は厚膜抵抗体をそれぞれ形成した板状弾性体である2枚のベース部材の底面同士を貼り合わせた従来の曲げセンサでは、表面側及び裏面側のひずみ受感素子を相互接続してブリッジ回路を構成するために、2枚のベース部材を貼り合わせた弾性板にスルーホールを穿設してからひずみ受感素子を相互接続しなければならないので、そのための製造工程が必要とされるという問題がある。
【0015】
図9は、表面にひずみ受感素子をそれぞれ形成した2枚のベース部材を貼り合わせた従来の曲げセンサの一部を示す側面図である。
【0016】
従来の曲げセンサは、図9に示すように、ひずみ受感素子51を形成したベース部材41とひずみ受感素子52を形成したベース部材42とを貼り合わせて製造されている。
【0017】
従って、各ひずみ受感素子51,52を相互接続してブリッジ回路を構成するためには、貼り合わせられたベース部材41,42にスルーホールを穿設してからひずみ受感素子51,52を相互接続しなければならず、そのための製造工程が必要とされる。
【0018】
また、ベース部材41,42の貼り合わせの際には、表裏のひずみ受感素子51及び52の位置を正確に一致させる必要があり、貼り合わせ工程に時間を要する上に歩留まりが低い。
【0019】
また、従来の曲げセンサは、2枚のベース部材41,42を貼り合わせた構造を有しているので、ベース部材41,42の厚さをそれぞれt10,t20とすると、ひずみ受感素子51,52を除く弾性板全体の厚さは、t10+t20と厚くなる。例えば、厚さ25μmのベース部材41,42を形成することが可能であったとしても、ベース部材41,42を貼り合わせることによって、ひずみ受感素子51,52を除く弾性板全体の厚さは、2倍の50μmにもなってしまう。
【0020】
曲げセンサを構成する弾性板が厚くなると、曲げ曲率半径rの小さい曲げを受けたとき、即ち、曲げセンサに大きな外力が加えられたときに、ひずみ受感素子51,52のひずみ量が過大となり、疲労寿命が短縮されてしまうという弊害を招く。例えば、厚さ50μmの弾性板に曲げ曲率半径r=20mmの曲げを与えると、ひずみ受感素子51,52のひずみ量は、約2500με程度となり、疲労寿命は数万回の曲げ回数しか期待することができない。用途にもよるが、曲げセンサの疲労寿命としては、100万回程度の曲げ回数が望ましい。
【0021】
本発明は、上記各問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ベース部材の貼り合わせ、弾性板へのスルーホールの穿設及びスルーホールを介した配線接続が不要な簡易な製造工程により製造することができ、かつ、弾性板の厚さが薄くて疲労寿命が大幅に延長された曲げセンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の一態様によれば、長手方向と直交する方向の断面において、厚さ方向に平行な中心線に関して対称に、合計でM個(Mは3以上の奇数)となる凹部及び凸部であって、表裏の凹部と凸部とが一対一に対応し、長手方向にはストライプ状となる凹部と凸部とが交互に形成された形状を有するベース部材と、上記ベース部材のM個の凹部及び凸部のうち両端の凹部又は凸部を除くN個(N=M−2)の凹部又は凸部の同じ側の面上にそれぞれ形成されたN個のひずみ受感素子、並びに、M個の凹部及び凸部のうち両端の凹部又は凸部に、電気的に接続されつつ2分割されて、上記N個のひずみ受感素子と同じ側の面上に形成され、上記N個のひずみ受感素子のうちの1個分に相当する2分割ひずみ受感素子と、
上記ひずみ受感素子が形成された凸部の裏側の凹部、及び、上記ひずみ受感素子が形成された凹部にそれぞれ嵌合して形成されたコア部材と、上記各ひずみ受感素子が上記ベース部材の同じ側の面上でブリッジ回路を構成するように相互接続する接続配線と、凸部に形成された上記ひずみ受感素子を被覆して形成されたカバー部材と、を備えていることを特徴とする曲げセンサが提供される。
【0023】
上記各ひずみ受感素子は、ひずみゲージ抵抗素子であるものとするとよい。
【0024】
上記奇数M、Nは、ブリッジ回路が4アクティブブリッジ回路である場合にはM=5,N=3となり、ブリッジ回路が2アクティブブリッジ回路である場合にはM=3,N=1となる。
【0025】
上記ベース部材及び上記カバー部材は、ポリイミド膜を含む有機分子膜、又は、樹脂膜からなるものとするとよい。
【0026】
上記各ひずみ受感素子及び上記接続配線は、フォトリソグラフィ技術を用いて形成されたものとするとよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明の一態様に係る曲げセンサは、上記構成により、ベース部材の貼り合わせ、弾性板へのスルーホールの穿設及びスルーホールを介した配線接続が不要な簡易な製造工程により製造することができ、かつ、弾性板の厚さが薄くて疲労寿命が大幅に延長されるという効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明に係る曲げセンサの実施の一形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の実施の一形態に係る曲げセンサの断面構造図であり、図2は、本発明の実施の一形態に係る曲げセンサの平面図である。
【0030】
本発明の実施の一形態に係る曲げセンサは、長手方向と直交する方向の断面において、厚さ方向に平行な中心線に関して対称に、合計でM個(Mは3以上の奇数、図1の例ではM=5)となる凹部及び凸部であって、凸部の裏が凹部となるように、表裏の凹部と凸部とが一対一に対応し、長手方向にはストライプ状となる凹部と凸部とが交互に形成された形状を有するベース部材10と、ベース部材10のM個の凹部及び凸部のうち両端の凹部又は凸部を除くN個(N=M−2、図1の例ではN=3)の凹部又は凸部の同じ側の面上にそれぞれ形成されたN個のひずみ受感素子RA,RB,RC、並びに、M個の凹部及び凸部のうち両端の凹部又は凸部に、電気的に接続されつつ2分割されて、N個のひずみ受感素子RA,RB,RCと同じ側の面上に形成され、N個のひずみ受感素子RA,RB,RCのうちの1個分に相当する2分割ひずみ受感素子RD1及びRD2と、ひずみ受感素子RA,RCが形成された凸部の裏側の凹部、及び、ひずみ受感素子RB,RD1,RD2が形成された凹部にそれぞれ嵌合して形成されたコア部材CA,CC及びCB,CD1,CD2と、各ひずみ受感素子RA,RB,RC並びにRD1及びRD2がベース部材10の同じ側の面上でブリッジ回路を構成するように相互接続する接続配線と、ベース部材10の凸部に形成されたひずみ受感素子RA,RCを被覆して形成されたカバー部材20と、を備えている。
【0031】
ベース部材10の凹部及び凸部並びにひずみ受感素子RA,RB,RC,RD1及びRD2は、図2に示すように、上方から見ると、曲げセンサの長手方向に沿ってストライプ状に形成されている。
【0032】
2分割ひずみ受感素子RD1及びRD2は、接続配線DLによって電気的に接続されている。
【0033】
ブリッジ回路からは、出力用の端子T1,T2,T3,T4が引き出されている。
【0034】
ひずみ受感素子RA,RB,RC並びにRD1及びRD2は、ここでは、ひずみゲージ抵抗素子とする。
【0035】
本発明に係る曲げセンサにおいて、奇数個であるN個のひずみ受感素子RA,RB,RCの両側に2分割された2分割ひずみ受感素子RD1及びRD2が配設され、長手方向における中心線に関して対称な構造とされているのは、ねじれ等に起因する誤動作を排除するためである。
【0036】
ベース部材10及びカバー部材20は、長手方向の全長に亘る部材である。
【0037】
また、曲げセンサの裏又は表の面を接着して使用すると、図7に示すような曲げセンサの自由な変形が妨げられて満足な出力を得ることができない。即ち、精度の高い出力を得るためには、表及び裏のいずれの面も接着せずに、図6及び図7に示す原理のように、曲げセンサの厚さ方向における中心でひずみがゼロとなり、表と裏の表面でひずみ極性が反対になるように装着することが必要である。図2では、長手方向の中心線上における一方の端部近傍に、曲げセンサを固定するための円形開口部H1が形成され、他方の端部近傍に、曲げセンサの曲げ動作を可能としつつ曲げセンサを固定するための長円形又は楕円形開口部H2が形成されている状態が示されているが、両端の開口部は必ずしも必要ではない。例えば、対象物にポケット等を設けて、その中に曲げセンサを挿入して直接装着すれば、開口部H1及びH2は不要である。
【0038】
奇数M、Nは、ブリッジ回路が4アクティブブリッジ回路である場合にはM=5,N=3であり、ブリッジ回路が2アクティブブリッジ回路である場合にはM=3,N=1である。
【0039】
図3は、本発明の実施の一形態に係る曲げセンサに備えられているひずみ受感素子により構成されるブリッジ回路の回路図である。
【0040】
尚、図3においては、電気的に接続されつつ2分割された2分割ひずみ受感素子RD1及びRD2を合わせて1個のひずみ受感素子RDとして示している。
【0041】
図3に示すように、端子T1と端子T3との間に、直列接続されたひずみ受感素子RA及びRBと、直列接続されたひずみ受感素子RD及びRCとが、相互に並列接続されて、ひずみ受感素子RAとひずみ受感素子RBとの接続ノードが端子T2とされ、ひずみ受感素子RDとひずみ受感素子RCとの接続ノードが端子T4とされて、ブリッジ回路が構成されている。
【0042】
このブリッジ回路の端子T1及びT3から第1の出力を、端子T2及びT4から第2の出力を取り出すことにより、4アクティブブリッジ回路として機能させることができる。
【0043】
次に、本発明の実施の一形態に係る曲げセンサの製造工程について説明する。
【0044】
図4は、本発明の実施の一形態に係る曲げセンサの第1の製造工程を示す断面図であり、図5は、本発明の実施の一形態に係る曲げセンサの第2の製造工程を示す断面図である。
【0045】
最初に、図4に示すように、ひずみゲージ抵抗素子としてのひずみ受感素子RA,RB,RC,RD1及びRD2と、接続配線及び端子T1,T2,T3,T4とを、平坦なベース部材10’上にフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングして形成する。
【0046】
そして、凹部と凸部とが交互に形成された形状を有することとなるベース部材10’の凹部となる領域、即ち、この例では中央のひずみ受感素子RB及び中央から数えて奇数番目のひずみ受感素子RD1及びRD2が形成された領域上にコア部材CB,CD1及びCD2を接着して固設し、また、ベース部材10’の凸部となる領域、即ち、この例では中央から数えて偶数番目のひずみ受感素子RA及びRCが形成された領域の裏面側にコア部材CA及びCCを接着して固設する。
【0047】
その後、図5に示すように、上下から加圧加工すると、表面側のコア部材CB,CD1及びCD2と裏面側のコア部材CA及びCCとによってひずみ受感素子RA,RB,RC,RD1及びRD2並びにベース部材10が、凹部と凸部とが交互に並んだ形状に加工され、かつ、表面側及び裏面側の各凹部にコア部材CB,CD1、CD2及びCA及びCCが嵌合した状態となるので、曲げセンサ全体としては、平坦な板状の形状に加工される。加圧加工の際には、必要に応じて加熱も行うとよい。
【0048】
最後に、ベース部材10の凸部に対応する領域に形成されたひずみ受感素子RA,RCを被覆するカバー部材20を形成すると、図1に示す本発明の実施の一形態に係る曲げセンサが完成する。
【0049】
尚、ベース部材10及びカバー部材20は、ポリイミド膜を含む有機分子膜や樹脂膜により形成する。
【0050】
本発明の実施の一形態に係る曲げセンサは、ベース部材10の同じ側の面上に総てのひずみ受感素子が形成されているので、弾性板としてのベース部材10へのスルーホールの穿設及びスルーホールを介した配線接続が不要な簡易な製造工程により製造することができる。
【0051】
必然的に、2枚のベース部材を正確に位置合わせして貼り合わせる工程も不要となり、材料コストの低減も図ることができる。
【0052】
また、図1における各コア部材の厚さt1及びt2を例えば50μm、ベース部材10の厚さt2を25μmとすると、最も高い位置である凸部に形成されたひずみ受感素子RA,RCと最も低い位置である凹部に形成されたひずみ受感素子RB,RD1及びRD2との段差、即ち、厚さ方向の寸法は25μmとなって、従来の曲げセンサの厚さ方向における表面側及び裏面側のひずみ受感素子間の寸法50μmを半減させることができ、薄くて疲労寿命が大幅に延長された曲げセンサを実現することができる。各ひずみ受感素子及び接続配線の厚さは、通常、4乃至5μm程度である。
【0053】
各コア部材の厚さt1及びt2の調整は容易であるので、曲げセンサの実効的な厚さも容易に調整することができる。
【0054】
各コア部材の厚さt1及びt2を例えば25μmとすると、凸部に形成されたひずみ受感素子RA,RCと凹部に形成されたひずみ受感素子RB,RD1及びRD2との段差、即ち、厚さ方向の寸法は12.5μmとなり、さらに薄くて疲労寿命が大幅に延長された曲げセンサを実現することができる。
【0055】
曲げセンサの実効的な厚さは、適切な曲げ曲率半径r及び出力特性のバランスを考慮して決めるとよい。
【0056】
ひずみ受感素子RA,RB,RC,RD1及びRD2により構成されるブリッジ回路の抵抗バランスは、フォトリソグラフィ工程後に予め調整することができる。
【0057】
また、ひずみ受感素子RA,RB,RC,RD1及びRD2は、同一材料の非常に近接した部分から形成されるので、温度特性が非常に近似し、温度変化に起因する出力誤差を非常に小さく抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の一形態に係る曲げセンサの断面構造図である。
【図2】本発明の実施の一形態に係る曲げセンサの平面図である。
【図3】本発明の実施の一形態に係る曲げセンサに備えられているひずみ受感素子により構成されるブリッジ回路の回路図である。
【図4】本発明の実施の一形態に係る曲げセンサの第1の製造工程を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の一形態に係る曲げセンサの第2の製造工程を示す断面図である。
【図6】曲げセンサを構成する弾性板の概略側面図である。
【図7】弾性板が曲がった状態を示す側面図である。
【図8】曲げセンサの曲率半径rと曲げセンサ出力との関係を示すグラフである。
【図9】表面にひずみ受感素子をそれぞれ形成した2枚のベース部材を貼り合わせた従来の曲げセンサの一部を示す側面図である。
【符号の説明】
【0059】
10 ベース部材
20 カバー部材
RA,RB,RC,RD1,RD2 ひずみ受感素子(ひずみゲージ抵抗素子)
CA,CB,CC,CD1,CD2 コア部材
DL ひずみ受感素子RD1及びRD2の接続配線
T1,T2,T3,T4 ブリッジ回路の出力用の端子
H1 円形開口部
H2 長円形又は楕円形開口部
41,42 ベース部材
51,52 ひずみ受感素子
100 弾性板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向と直交する方向の断面において、厚さ方向に平行な中心線に関して対称に、合計でM個(Mは3以上の奇数)となる凹部及び凸部であって、表裏の凹部と凸部とが一対一に対応し、長手方向にはストライプ状となる凹部と凸部とが交互に形成された形状を有するベース部材と、
前記ベース部材のM個の凹部及び凸部のうち両端の凹部又は凸部を除くN個(N=M−2)の凹部又は凸部の同じ側の面上にそれぞれ形成されたN個のひずみ受感素子、並びに、M個の凹部及び凸部のうち両端の凹部又は凸部に、電気的に接続されつつ2分割されて、前記N個のひずみ受感素子と同じ側の面上に形成され、前記N個のひずみ受感素子のうちの1個分に相当する2分割ひずみ受感素子と、
前記ひずみ受感素子が形成された凸部の裏側の凹部、及び、前記ひずみ受感素子が形成された凹部にそれぞれ嵌合して形成されたコア部材と、
前記各ひずみ受感素子が前記ベース部材の同じ側の面上でブリッジ回路を構成するように相互接続する接続配線と、
凸部に形成された前記ひずみ受感素子を被覆して形成されたカバー部材と、
を備えていることを特徴とする曲げセンサ。
【請求項2】
前記各ひずみ受感素子は、ひずみゲージ抵抗素子であることを特徴とする請求項1に記載の曲げセンサ。
【請求項3】
前記奇数M、Nは、ブリッジ回路が4アクティブブリッジ回路である場合にはM=5,N=3であることを特徴とする請求項1又は2に記載の曲げセンサ。
【請求項4】
前記奇数M、Nは、ブリッジ回路が2アクティブブリッジ回路である場合にはM=3,N=1であることを特徴とする請求項1又は2に記載の曲げセンサ。
【請求項5】
前記ベース部材及び前記カバー部材は、ポリイミド膜を含む有機分子膜からなるものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の曲げセンサ。
【請求項6】
前記ベース部材及び前記カバー部材は、樹脂膜からなるものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の曲げセンサ。
【請求項7】
前記各ひずみ受感素子及び前記接続配線は、フォトリソグラフィ技術を用いて形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の曲げセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−109337(P2009−109337A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−281786(P2007−281786)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(000114215)ミネベア株式会社 (846)
【Fターム(参考)】