説明

書状郵便物処理装置

【課題】郵送効率の高い書状郵便物処理装置を提供すること。
【解決手段】一実施形態の書状郵便物処理装置は、書状郵便物の少なくとも一面の画像及び側面の画像を取得する画像取得部と、前記書状郵便物の画像から料額印を認識し、その金額を認識する料額印認識部と、側面の画像から複数の書状郵便物の重送を認識し、重送があれば書状郵便物を分離する重送分離部と、前記料額印認識部により金額が認識された書状郵便物の重量を測定する重量測定部と、前記書状郵便物の重量から正規の料金を算出する正規料金算出部と、前記料額印金額が前記正規料金より小さいとき、料金不足と判定する料金比較判定部と、この料金比較判定部において料金不足と判定された前記書状郵便物を仕分ける仕分け部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、書状郵便物処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
郵便物は、通常、切手が貼られるか印刷されており、書状郵便物の場合にはその表面に印刷や記載された宛名を認識して仕分けされる郵便物処理装置が用いられる。
【0003】
この種の郵便物処理装置では、宛先の認識により仕分けされ、宛名の住所に送られる。料金不足の場合には、宛名住所の近くの郵便局に送られるが配達されることなく返送されるなどの処置が取られていた。書状郵便物には切手などに料額印が押されるが、住所による仕分けの途中で、この書状郵便物に貼付される金額などが考慮されることはなかった。しかし、郵便物が所定宛先住所の近くの郵便局に送られてから返送されるのでは郵送の効率が低下する。
【0004】
なお、郵便物のサイズ及び重量から正規の郵便料金を算出し、この算出された料金と郵便物の料額印から検出した金額を比較して不足金額を表示し、不足分の料金を収受する郵便ポストが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−80300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来は、このような料金不足の書状郵便物の郵送効率の低下が問題であった。ここでは、郵送効率の高い書状郵便物処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1の実施形態では、書状郵便物の少なくとも一面の画像及び側面の画像を取得する画像取得部と、この画像取得部により取得された前記書状郵便物の画像から料額印を認識し、その金額を認識する料額印認識部と、前記画像取得部により取得された側面の画像から、複数の書状郵便物の重送を認識し、重送があれば書状郵便物を分離する重送分離部と、この重送分離部により分離された書状郵便物のうち、前記料額印認識部により金額が認識された書状郵便物の重量を測定する重量測定部と、前記重量測定部により測定された前記書状郵便物の重量から対応する正規の料金を算出する正規料金算出部と、この正規料金算出部により算出された前記書状郵便物の正規料金を前記料額印認識部により認識された料額印金額を比較し、前記料額印金額が前記正規料金より小さいとき、料金不足と判定する料金比較判定部と、この料金比較判定部において料金不足と判定された前記書状郵便物を仕分ける仕分け部と、を有することを特徴とする書状郵便物処理装置を提供する。
【0008】
本発明の請求項7の実施形態では、書状郵便物の両面の画像を取得する両面画像取得部と、前記書状郵便物の重量を測定する重量測定部と、前記両面画像取得部により取得された前記書状郵便物の画像から料額印を認識し、その金額を認識する料額印認識部と、前記重量測定部により測定された前記書状郵便物の重量から対応する正規の料金を算出する正規料金算出部と、この正規料金算出部により算出された前記書状郵便物の正規料金を前記料額印認識部により認識された料額印金額を比較し、前記料額印金額が前記正規料金より小さいとき、料金不足と判定する料金比較判定部と、この料金比較判定部により料金不足と判定された書状郵便物を、料金不足郵便物集積部に仕分ける仕分け制御部と、を有することを特徴とする書状郵便物処理装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る書状郵便物処理装置の電気的構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る書状郵便物処理装置の動作を説明するための図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る書状郵便物処理装置の構成を示す図である。
【図4】一般に書状郵便物処理装置において書状郵便物が重送されるときの状態を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る書状郵便物処理装置において、重送分離部の構成例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る書状郵便物処理装置の動作を説明するための図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る書状郵便物処理装置の構成を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る書状郵便物処理装置の動作を説明するための図である。
【図9】本発明の第1、第2、第3実施形態の機構的構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明において書状郵便物とは、封筒に入れられる郵便物、葉書など、厚みが比較的薄い郵便物などをいう。
【0011】
<第1の実施形態>
本発明の実施形態の書状郵便物処理装置の機械的な概略構成を図9に示す。この装置は、供給部1に投入された書状郵便物を搬送装置が搬送路2に送り出す。送り出された書状郵便物は、搬送路2上を図示しない駆動モータによって搬送ベルトや駆動プーリにより所定速度で搬送される。検査部3には、後述する両面や側面の画像を取得する画像取得部や、重量測定部がある。図示していないが、取得された画像を認識し、料額印の認識や、重量測定部で測定された重量に対し正規料金を算出して料金比較もこの検査部3でなされる。画像取得や重量測定がなされた書状郵便物は、仕分け部4において、後で述べる仕分け制御部により制御されるゲートGにより仕分けられ、3つの集積部に収納される。
【0012】
この実施形態の書状郵便物処理装置の電気回路的な構成を図1に示す。この書状郵便物処理装置10は、書状郵便物の搬送を制御する搬送制御部11と、搬送されてくる書状郵便物の両面を走査して読み取り画像を電気信号に変える両面画像取得部12と、上記書状郵便物の厚さを測定する側面画像取得部13と、上記書状郵便物の重量を測定する重量測定部14と、両面画像取得部12で得られる表裏面の画像及び側面画像取得部13で得られる厚さ方向の画像を認識する画像認識部15と、重量測定部14で得られる重量及び画像認識部15で得られる書状郵便物の重量などから正規の郵便料金を算出する正規料金算出部16と、画像認識部15で得た書状郵便物の表裏面の認識画像から、例えば貼ってある切手の領域を判別し金額を認識する料額印認識部17と、この料額印認識部17で認識された金額と上記正規料金とを比較し、料金不足がないかどうかを判定する料金比較判定部18と、重量を測定された書状郵便物を仕分けする仕分け制御部19と、この仕分け制御部19により仕分けられた正常、料金不足、そのほか異常、の各郵便物を集積する正常郵便物集積部20a,料金不足郵便物集積部20b,異常郵便物集積部20cと、を有する。
【0013】
図1で太い実線は書状郵便物の搬送経路を示し、書状郵便物は、両面画像取得部12、側面画像取得部13、重量測定部14を通り、仕分け制御部19によって、正常郵便物集積部20a、料金不足郵便物集積部20b、異常郵便物集積部20cに仕分けられ集積される。
【0014】
次にこの実施形態の動作を、図2に示すフローチャートにしたがって説明する。
【0015】
ステップS201で書状郵便物が搬送されてきたかを、例えば光学的センサ(図示せず)により検知する。両面画像取得部12は、例えばOCRやCCDによるラインセンサにより構成される。書状郵便物が搬送されてきたことが検知されると両面画像取得部12において、書状郵便物の表裏の両面にこれらのセンサを当接して搬送されてきた書状郵便物に両面の画像が取得される(ステップS202)。
【0016】
読み取られた2つの画像は画像認識部15で、料額印、例えば保存してある切手の画像と比較され認識される(ステップS203)。書状郵便物は表面と裏面があり、どちらかの面に料額印が存在するはずである。ステップS204において料額印が、表面に存在するか検知される。
【0017】
表面に料額印があればステップS205において、書状郵便物の表面を特定する。一方、料額印が表面にない(S204でN)ときは、裏面に料額印がある筈であり、ステップS206において書状郵便物の裏面を特定する。そして次のステップS207では、特定された面で、例えば複合類似度法により料額印の金額を認識する。複数枚の切手が貼られていれば、それら全ての切手及びその表示金額が個別に認識され、表示金額が合計される。
【0018】
画像認識部15にて認識された切手の合計額は、料額印認識部17に送られる。
【0019】
一方、側面画像取得部13においては書状郵便物の側面の画像が取得される(ステップS208)。この側面の画像は側面画像取得部13において取得された後、画像認識部15に入力され書状郵便物の厚さとして認識される。ステップS209では、この厚さが所定値以下であるか判定される。
【0020】
1つの郵便物は通常、6mm以下でなければならないので、書状郵便物の厚さが6mmを越えることが認識されたとき(S209でN)には、該当書状郵便物は仕分け制御部19において異常郵便物集積部20cに入れられることになる(ステップS211)。
【0021】
この側面画像から書状郵便物の厚さが均一でないときには、書状郵便物の最も厚い部分における厚さが認識される。搬送されてきた書状郵便物は、次に、重力測定部14においてその重量が測定される(ステップS212)。
【0022】
正規料金算出部16は、内部に重さにより定まる正規料金の料金テーブルを有しており、上述のようにして測定された大きさ及び重さをこの正規料金テーブルに当てはめて正規の料金がいくらになるかを算出する(ステップS213)。算出された正規料金は料金比較判定部18に入力される。
【0023】
料金比較判定部18では、正規料金算出部16から入力された書状郵便物に対応する正規の料金と、料額印認識部17から入力された当該書状郵便物に実際に貼られた切手などからの料金とを比較する(ステップS214)。後者の金額(料額印金額)が前者の算出された正規料金以上であれば料金は足りていると判定(S215でY)し、その旨の制御信号が搬送制御部11に送られる。料額印金額が算出正規料金より少なければ料金不足制御信号が搬送制御部11に送られる。
【0024】
仕分け制御部19は、搬送制御部11からの制御信号などに応じて、搬送されてくる書状郵便物を仕分ける。搬送制御部11から料金不足を示す制御信号が送られて来ると、該当書状郵便物を料金不足郵便物集積部20bに集積される(ステップS216)。
【0025】
側面画像取得部13で取得された画像が画像認識部15で所定の厚さより厚いことが認識された場合には、搬送制御部11にその旨の制御信号が送られ、それに応じて厚さオーバー仕分け制御信号が仕分け制御部19に送られ、該当書状郵便物は仕分けられて異常郵便物集積部20cに集積される。
【0026】
料金不足もなく厚さが所定以内である郵便物は、仕分け制御部19で仕分けられて正常郵便物集積部20aに集積される(ステップ217)。
【0027】
このようにして、書状郵便物の仕分けが行われ、ステップS201に戻り、再び書状郵便物が搬送されて来るのを待つ。
【0028】
上記実施形態では、書状郵便物の大きさ及び重量により正規料金を算出していた。しかし、これらの一方のみで決まる場合には、一方のみすなわち大きさ又は重量を測定するだけでよい。また、速達など特殊郵便の場合には、両面画像取得部で両面画像を取得しその後、画像認識部15において、料額印などを認識するときに、速達などの文字を認識する。そして、正規料金算出部16でその特殊郵便の場合の料金テーブルを用いて正規料金を算出すればよい。したがって、普通郵便だけでなく各種の郵便物に対応するためには、正規料金算出部16に複数の料金テーブル有することが好ましい。これらの変形例は下で述べる実施形態においても同様に適用できる。
【0029】
この実施形態によれば、書状郵便物を仕分けるときに料金不足を検知し、別の区域に入れられるので、該当郵便物の送付者に速やかに連絡することができる利点がある。
【0030】
ところで、上記実施形態では、書状郵便物が、各々1枚ずつ搬送されてくるものとして説明した。しかし、実際には、書状郵便物が複数枚、特に2枚重なって搬送されてくる(重送)ことがある。このような場合には重送検知分離部を有する、以下の実施形態により対処できる。
【0031】
<第2の実施形態>
この実施形態は、重量測定部14の後に重送検知分離部を設けた構成の書状郵便物処理装置である。
【0032】
この実施形態の書状郵便物処理装置30は、図3に示すように、書状郵便物の搬送を制御する搬送制御部31と、搬送されてくる書状郵便物の両面を走査して読み取り画像を電気信号に変える両面画像取得部32と、上記書状郵便物の厚さを測定する側面画像取得部33と、上記書状郵便物の重量を測定する重量測定部34と、両面画像取得部32で得られる表裏面の画像及び側面画像取得部33で得られる厚さ方向の画像を認識する画像認識部35と、重量測定部34で得られる重量及び画像認識部35で得られる書状郵便物の重量などから正規の郵便料金を算出する正規料金算出部36と、画像認識部35で得た書状郵便物の表裏面の認識画像から、例えば貼ってある切手の領域を判別し金額を認識する料額印認識部37と、この料額印認識部37で認識された金額と上記正規料金とを比較し、料金不足がないかどうか判定する料金比較判定部38と、重量を測定された重送書状郵便物を分離する重送分離部41と、書状郵便物を仕分けする仕分け制御部39と、この仕分け制御部39により仕分けられた正常、料金不足、そのほか異常、の各郵便物を集積する正常郵便物集積部40a,料金不足郵便物集積部40b,異常郵便物集積部40cと、を有する。
【0033】
図3において太い実線は書状郵便物の搬送経路を示し、書状郵便物は、両面画像取得部32、側面画像取得部33、重量測定部34、重送分離部41を通り、仕分け制御部39によって、正常郵便物集積部20a、料金不足郵便物集積部20b、異常郵便物集積部20cに仕分けられ集積される。書状郵便物は通常、1枚ずつ搬送されるが、まれに2枚以上が重なって搬送される場合もある。2枚の書状郵便物が重送される場合の料額印の状態を、図4を用いて説明する。図4(a)は、2枚の書状郵便物42a、42bの料額印43a,43bが外側に位置している場合である。この状態の重送郵便物は、両面で料額印が検知される。図4(b)は書状郵便物44aの料額印45aは外側に位置しているが、書状郵便物44bの料額印45bは内側に位置している重送状態を示す。この場合には、書状郵便物44aの料額印45aのみが検知される。
【0034】
一方、図4(c)は書状郵便物46aの料額印47aも書状郵便物46bの料額印47bも位置は異なるが内側に位置する重送状態を示す。図4(d)は、書状郵便物48aの料額印49aと書状郵便物48bの料額印49bが内側でほぼ同じ位置に来る場合の重送状態を示す。図4(c)の状態でも図4(d)の状態でも、外側に料額印が位置していないので、これらの重送状態では両面画像取得部32による画像で、料額印を検知することはできない。
【0035】
重送分離部41は、複数の書状郵便物が重なって配送されてきたときに、これらの書状郵便物を分けるものであり、例えば図5に示すように構成される。通常、搬送ベルト51を駆動ローラ52a,52b,52cにより矢印51a方向に駆動し、その裏面に当接される補助搬送ローラ55を矢印55a方向に回転させて書状郵便物56を矢印56a方向に搬送している。
【0036】
画像認識部35において、重送された書状郵便物56,57が検知されると、重送分離部41では、補助搬送ローラ55を矢印55b方向に逆回転させる。58は書状押さえ板であり、重送してきた書状郵便物57を押さえる。補助搬送ローラ55を矢印55b方向に逆回転させると、書状郵便物57を57b方向に移動させることになる。したがって書状郵便物56、57に逆方向の力が加わり、重送状態が解かれる。重送状態が解かれた2枚の書状郵便物は、再度、両面画像取得部32に入れられる。
【0037】
次にこの実施形態の動作を、図6に示すフローチャートにしたがって説明する。ステップS401で書状郵便物が搬送されてきたことを、例えば光学的センサにより検知する。両面画像取得部32は、例えばOCRやCCDによるラインセンサにより構成される。書状郵便物が搬送されてきたことが検知されると両面画像取得部32において、書状郵便物の表裏の両面にこれらのセンサを当接して搬送されてきた書状郵便物に両面の画像が取得される(ステップS402)。
【0038】
読み取られた2つの画像は画像認識部35で、料額印、例えば保存してある切手の画像と比較され認識される(ステップS403)。
【0039】
1枚の書状郵便物は表面と裏面があり、どちらかの面に料額印が存在するはずである。しかし、書状郵便物が例えば2枚重なって搬送されてくると、料額印が重なった面に来ることがありうる。ステップS404で、書状郵便物の両面のいずれかに料額印があるか画像認識部35において検知される。
【0040】
書状郵便物の両面のいずれかに料額印があることが検知されると、ステップS405でその面の画像を特定し、ステップS406で料額印の金額を取得する。このステップS206では、特定された面で、例えば複合類似度法により料額印の金額を認識する。複数枚の切手が貼られていれば、それら全ての切手及びその表示金額が個別に認識され、表示金額が合計される。画像認識部35にて認識された切手の合計額は、料額印認識部37に送られる。
【0041】
一方、側面画像取得部33においては書状郵便物の側面の画像が取得される(ステップS407)。この側面の画像は側面画像取得部33において取得された後、画像認識部35に入力され書状郵便物の厚さとして認識される。側面画像から書状郵便物の厚さが均一でないことが検知されたときには、書状郵便物の最も厚い部分における厚さが認識される。ステップS408では、書状郵便物の重量が測定される。
【0042】
重送分離部41において、ステップS407で取得された側面画像と、ステップS408で取得された重量から、ステップS409で、重送か否か、すなわち書状郵便物が複数、重なって搬送されてきているかどうか検知される。この重送の検知は、多くの場合、側面画像取得部33において得られる側面画像を画像認識部35で認識した画像に基づいてなされることになる。重量測定部34における測定は、重送を確認するために行われる。
【0043】
重送であることが検知されると、ステップS410で重送状態になっている書状郵便物を分離し、ステップS401に戻る。これ以降は、分離された書状郵便物毎に搬送され、1枚毎の処理がなされる。
【0044】
一方、ステップS409で重送が検知されなかったときには、ステップS411で書状郵便物の厚さが所定値以下であるか否か判定される。
【0045】
1つの郵便物は通常、6mm以下でなければならないので、書状郵便物の厚さが6mmを越えることが認識されたとき(S411でN)には、該当書状郵便物は仕分け制御部39において異常郵便物集積部40cに入れられることになる(ステップS412)。
【0046】
正規料金算出部36は、内部に大きさと重さにより定まる正規料金の料金テーブルを有しており、上述のようにして測定された大きさ及び重さをこの正規料金テーブルに当てはめて正規の料金がいくらになるかを算出する(ステップS413)。算出された正規料金は料金比較判定部38に入力される。
【0047】
料金比較判定部38では、正規料金算出部36から入力された書状郵便物に対応する正規の料金と、料額印認識部37から入力された当該書状郵便物に実際に貼られた切手などからの料金とを比較する(ステップS414)。後者の金額(料額印金額)が前者の算出された正規料金以上であれば料金は足りていると判定(S415でY)し、その旨の制御信号が搬送制御部31に送られる。料額印金額が算出正規料金より少なければ料金不足制御信号が搬送制御部31に送られる。
【0048】
仕分け制御部39は、搬送制御部31からの制御信号などに応じて、搬送させてくる書状郵便物を仕分ける。搬送制御部31から料金不足を示す制御信号が送られて来ると、該当書状郵便物を料金不足郵便物集積部40bに集積される(ステップS416)。
【0049】
側面画像取得部33で取得された画像が画像認識部35で所定の厚さより厚いことが認識された場合には、搬送制御部31にその旨の制御信号が送られ、それに応じて厚さオーバー仕分け制御信号が仕分け制御部39に送られ、該当書状郵便物は仕分けられて異常郵便物集積部40cに集積される。
【0050】
料金不足もなく厚さが所定以内である郵便物は、仕分け制御部39で仕分けられて正常郵便物集積部40aに集積される(ステップ417)。
【0051】
このようにして、書状郵便物の仕分けが行われ、ステップS401に戻り、再び書状郵便物が搬送されて来るのを待つ。
【0052】
この実施形態によれば、書状郵便物が重なって搬送される、いわゆる重送があっても、重送されてきた書状郵便物を分離して、個々の郵便物を再度処理する。したがって、重送が検知されず、異常郵便物として異常郵便物集積部40cに蓄積される書状郵便物の量を減らし、正常郵便物の量を増やすことができる。すなわち書状郵便物の処理を向上させることができる。なお、重送分離部41の構造は、図5に示すものに限られず、重送されてきた郵便物を分離することができればどのような構造のものでもよい。
【0053】
この第2の実施形態によれば、重送検知部が重量測定部の後に設けられているので、重送か動かを重量の観点から確認できる利点もある。また、この実施形態では、重送郵便物は分離された後、両方の重送郵便物が再度、画像取得の最初から処理されるので、重送状態で料額印が外部から見えない状態、例えば図4(c)や図4(d)の状態にあっても、処理できる利点がある。
【0054】
また、上記第1の実施形態と同様に、料金不足の郵便物を自動検知することが可能となり、郵便を出した人への料金不足の連絡を迅速に行うことができ、全体としての処理効率を向上させることが可能となる効果がある。
【0055】
<第3の実施形態>
ところで、重送検知部を重量測定部の前に設けることも可能である。このような第3の実施形態について次に述べる。
【0056】
この実施形態の書状郵便物処理装置の構成例を図7に示す。この実施形態の書状郵便物処理装置60は、図7に示すように、書状郵便物の搬送を制御する搬送制御部61と、搬送されてくる書状郵便物の両面を走査して読み取り画像を電気信号に変える両面画像取得部62と、上記書状郵便物の厚さを測定する側面画像取得部63と、上記書状郵便物の重量を測定する重量測定部64と、両面画像取得部62で得られる表裏面の画像及び側面画像取得部63で得られる厚さ方向の画像を認識する画像認識部65と、重量測定部64で得られる重量及び画像認識部65で得られる書状郵便物の重量や大きさや厚さから正規の郵便料金を算出する正規料金算出部66と、画像認識部65で得た書状郵便物の表裏面の認識画像から、例えば貼ってある切手の領域を判別し金額を認識する料額印認識部67と、この料額印認識部67で認識された金額と上記正規料金とを比較し、料金不足がないかどうか判定する料金比較判定部68と、重送書状郵便物を分離する重送分離部71と、書状郵便物を仕分けする仕分け制御部69と、この仕分け制御部69により仕分けられた正常、料金不足、その他の異常、の各郵便物を集積する正常郵便物集積部70a,料金不足郵便物集積部70b,異常郵便物集積部70cと、を有する。
【0057】
画像認識部65には、書状郵便物の両面画像から料額印が検知されたか否か、料額印が検知された場合に料額印が検知された書状を特定する料額印書状検知部65dを有する。この料額印書状検知部65dの料額印検知制御信号は重送分離部71に送られる。図4(c)(d)に示すように料額印がまったく検知されなかった場合には、それらの書状郵便物の全てが両面画像取得部62に戻され、図4(b)に示すように1つの料額印が検知されたら、その料額印の検知されなかった書状郵便物44bが両面画像取得部62に戻され、書状郵便物44aは重量測定部64に送られる。また図4(a)に示すように、2枚の書状郵便物に料額印が検知されたら、一方のみ例えば書状郵便物42bが両面画像取得部62に戻され、書状郵便物42aは重量測定部64に送られる。
【0058】
この実施形態における動作を図8に示すフローチャートに従って説明する。この実施形態では、第2の実施形態の場合と厚さ検知から料金不足検知までの動作が同じであるので、図8では、図6におけるステップS411からステップS417までの処理はこの実施形態でも同じである。ステップS411の前までの動作を説明する。
【0059】
ステップS601で書状郵便物が来たことを検知すると、両面画像取得部62はステップS602で書状郵便物の両面の画像を取得する。この取得画像は、画像認識部65に入力され、ステップS603で料額印が調べられる。更にステップS604で、画像認識部65の料額印書状検知部65dで両面のいずれかに料額印があるか検知される。料額印が検知されると、料額印書状検知部65dにおいてステップS605で書状郵便物の両面から料額印が認識されたか調べられる。Yesの場合には、ステップS606で一方の郵便物を特定し、ステップS607で料額印の金額を認識する。次にステップS608では、側面画像取得部63で書状郵便物の側面画像を取得する。
【0060】
この取得された側面画像からステップS609において重送であるか否かが検知される。重送であることが画像認識部65内で検知されると、料額印書状検知部65dはステップS606で特定した郵便物とその他の郵便物の制御信号を重送分離部71に送る。
【0061】
重送分離部71は、この制御信号に基づいてステップS611で特定以外の書状郵便物を両面画像取得部62に戻す一方、ステップS612で、特定された郵便物は重量測定部64に搬送される。重量測定部64に搬送されてきた特定の書状郵便物は、ステップS613でその重量が測定される。以下の動作は、図6におけるステップS411以降と同様である。
【0062】
この実施形態によれば、特定の書状郵便物は再度、両面画像取得部62に戻されることがなく、効率的な書状郵便物の処理を行うことができる効果がある。この実施形態でも書状郵便物処理装置における処理の過程で、料金不足の郵便物を検知でき、処理の効率を上げることができる効果もある。
【0063】
なお、上記第3の実施形態では、特定された書状郵便物以外の郵便物を両面画像取得部に戻していたが、重送分離された全ての書状郵便物を両面画像取得部に戻すようにしてもよい。
【0064】
また、上記第3の実施形態では、側面画像取得部の前に両面画像取得部を設けていたが、両面画像取得部を重送分離部の後に設けることも可能である。ここで料額印とは、切手など郵送時に付されあるいは印刷される料金に関する表示である。
【0065】
また本発明は、書状郵便物の一方の面の画像及び側面の画像を取得し、側面画像から重送を検知し、重送された郵便物を分離し、料額面が認識された書状郵便物の料金が不足しているか検知するとともに料額印が認識されない書状郵便物は再び、画像取得部に戻すようにしてもよい。
【0066】
本発明は上記実施形態に限られず種々変形して実施可能である。これらの変形例も本発明の技術思想を用いる限り本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
10,30,60・・・・書状郵便物処理装置、
11,31、61・・・・搬送制御部、
12,32,62・・・・両面画像取得部、
13,33,63・・・・側面画像取得部、
14,34,64・・・・重量測定部、
15,35,65・・・・画像認識部、
16,36,66・・・・正規料金算出部、
17,37,67・・・・料額印認識部、
18,38,68・・・・料金比較判定部、
19,39,69・・・・仕分け制御部、
20a,40a,70a・・・・正常郵便物集積部、
20b,40b,70b・・・・料金不足郵便物集積部、
20c,40b,70b・・・・異常郵便物集積部、
41,71・・・・重送分離部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
書状郵便物の少なくとも一面の画像及び側面の画像を取得する画像取得部と、
この画像取得部により取得された前記書状郵便物の画像から料額印を認識し、その金額を認識する料額印認識部と、
前記画像取得部により取得された側面の画像から、複数の書状郵便物の重送を認識し、重送があれば書状郵便物を分離する重送分離部と、
この重送分離部により分離された書状郵便物のうち、前記料額印認識部により金額が認識された書状郵便物の重量を測定する重量測定部と、
前記重量測定部により測定された前記書状郵便物の重量から対応する正規の料金を算出する正規料金算出部と、
この正規料金算出部により算出された前記書状郵便物の正規料金を前記料額印認識部により認識された料額印金額を比較し、前記料額印金額が前記正規料金より小さいとき、料金不足と判定する料金比較判定部と、
この料金比較判定部において料金不足と判定された前記書状郵便物を仕分ける仕分け部と、
を有することを特徴とする書状郵便物処理装置。
【請求項2】
前記書状郵便物の側面の画像を取得する側面画像取得部及び重送される複数の書状郵便物を分離する重送分離部を更に有し、前記画像認識部は前記側面画像取得部により得られた側面画像から複数の書状郵便物の重送を認識し、前記重送分離部に重送された書状郵便物の分離を行うよう制御することを特徴とする請求項1記載の書状郵便物処理装置。
【請求項3】
前記料額印は切手であることを特徴とする請求項1又は2記載の書状郵便物処理装置。
【請求項4】
前記重送分離部により分離された複数の書状郵便物は前記両面画像取得部に戻されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1記載の書状郵便物処理装置。
【請求項5】
前記重送分離部により分離された複数の書状郵便物の全てが前記両面画像取得部に戻されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1記載の書状郵便物処理装置。
【請求項6】
前記重送分離部により分離された複数の書状郵便物のうち、料額印が認識された1枚の書状郵便物以外の書状郵便物が前記両面画像取得部に戻されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1記載の書状郵便物処理装置。
【請求項7】
書状郵便物の両面の画像を取得する両面画像取得部と、
前記書状郵便物の重量を測定する重量測定部と、
前記両面画像取得部により取得された前記書状郵便物の画像から料額印を認識し、その金額を認識する料額印認識部と、
前記重量測定部により測定された前記書状郵便物の重量から対応する正規の料金を算出する正規料金算出部と、
この正規料金算出部により算出された前記書状郵便物の正規料金を前記料額印認識部により認識された料額印金額を比較し、前記料額印金額が前記正規料金より小さいとき、料金不足と判定する料金比較判定部と、
この料金比較判定部により料金不足と判定された書状郵便物を、料金不足郵便物集積部に仕分ける仕分け制御部と、
を有することを特徴とする書状郵便物処理装置。
【請求項8】
前記書状郵便物の側面の画像を取得する側面画像取得部及び重送される複数の書状郵便物を分離する重送分離部を更に有し、前記画像認識部は前記側面画像取得部により得られた側面画像から複数の書状郵便物の重送を認識し、前記重送分離部に重送された書状郵便物の分離を行うよう制御することを特徴とする請求項7記載の書状郵便物処理装置。
【請求項9】
前記重送分離部により分離された複数の書状郵便物は前記両面画像取得部に戻されることを特徴とする請求項7又は8記載の書状郵便物処理装置。
【請求項10】
前記重送分離部により分離された複数の書状郵便物の全てが前記両面画像取得部に戻されることを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1記載の書状郵便物処理装置。
【請求項11】
前記重送分離部により分離された複数の書状郵便物のうち、料額印が認識された1枚の書状郵便物は前記仕分け制御部に搬送され、この料額印が認識された書状郵便物以外の書状郵便物が前記両面画像取得部に戻されることを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1記載の書状郵便物処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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