最安運賃経路表示システム
【課題】 複合券を使用した場合の最安運賃算出の基準となった経路を一目で確認することができる最安運賃経路表示システムを提供する。
【解決手段】 改札機又は精算機で使用される運賃判定モジュールを利用し、定期券データとＳＦデータとを含む複合券を使用した場合の最安運賃経路を表示する最安運賃経路表示システムにおいて、定期券の発駅、着駅及び経由駅を入力する定期券情報入力手段と、ＳＦ入場駅、ＳＦ出場駅及び定期入出場の有無を入力するＳＦ乗降入力手段と、前記定期券情報入力手段及び前記ＳＦ乗降入力手段を入力した後、最安運賃経路を検索する最安運賃経路判定手段と、前記最安運賃経路判定手段が検索した結果を出力する最安運賃経路検索結果出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【解決手段】 改札機又は精算機で使用される運賃判定モジュールを利用し、定期券データとＳＦデータとを含む複合券を使用した場合の最安運賃経路を表示する最安運賃経路表示システムにおいて、定期券の発駅、着駅及び経由駅を入力する定期券情報入力手段と、ＳＦ入場駅、ＳＦ出場駅及び定期入出場の有無を入力するＳＦ乗降入力手段と、前記定期券情報入力手段及び前記ＳＦ乗降入力手段を入力した後、最安運賃経路を検索する最安運賃経路判定手段と、前記最安運賃経路判定手段が検索した結果を出力する最安運賃経路検索結果出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、自動改札機、精算機、窓処理機等の駅務機器において、運賃判定モジュールを利用した運賃計算時における最安運賃経路表示システムに関する。
【背景技術】
【０００２】
自動改札機、精算機、窓処理機等の駅務機器が各駅に設置され、定期券や乗車券の情報を電子データとして格納したＩＣカードやＳＦカード（ストアード・フェアー・カード）が使用され、各駅務機器では運賃判定モジュールによりＩＣカードやＳＦカードのデータを読み込んで最短、最安で運賃計算して精算している。なお、同一社線内での最短、最安運賃は、三角表と言われるキロ程により決まる運賃テーブルが知られている。
【０００３】
近年、首都近郊では一枚のＩＣカードにより複数社線を自由に乗り継ぎできるようにすることが検討されている。このような会社間を跨がる乗り継ぎを行う場合、例えば、Ａ社線のａ駅で乗車し、Ｂ社線、Ｃ社線、Ｄ社線を乗り継いで、Ｄ社線のｄ駅で降車した場合、ｄ駅での改札機では、社線ごとに最安経路を抽出し、これらを合算してａ駅−ｄ駅間の最安運賃を算出してＩＣカードから精算することになる。
【０００４】
このように一枚のＩＣカードで会社間を跨がる乗り継ぎを行えるようにするためには、各駅に設置されている自動改札機、精算機、窓処理機等の駅務機器で使用される運賃判定モジュールでの運賃計算が正しく行われるか否かを検証する必要がある。また、他社線から乗り継いできた場合、会社間を跨がる三角表が存在しないため、駅係員が運賃を把握することが困難で、特にａ駅−ｄ駅間の一部に定期券を使用するような場合の最安運賃を求めることは困難である。
【０００５】
そこで、本出願人は異なる社線を乗り継ぐ場合の最安運賃算出精度を向上させるとともに、会社間を跨がる三角表が得られるようにした運賃検証システムを提案した（特願２００５−８３２７０号）。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、上記従来技術では、乗車駅と降車駅間の最安運賃を算出することはできるが、定期券データとＳＦデータとを含む非接触複合券を使用した場合の各社線間に跨がる最安運賃算出の基準となった経路を確認することができず、乗客が実乗車経路との料金の違いを確認するため、駅員に運賃収受経路を質問しても回答することが困難な場合があった。
【０００７】
本発明は、上記課題を解決するものであって、複合券を使用した場合の最安運賃算出の基準となった経路を一目で確認することができる最安運賃経路表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
そのために本発明は、改札機又は精算機で使用される運賃判定モジュールを利用し、定期券データとＳＦデータとを含む複合券を使用した場合の最安運賃経路を表示する最安運賃経路表示システムにおいて、定期券の発駅、着駅及び経由駅を入力する定期券情報入力手段と、ＳＦ入場駅、ＳＦ出場駅及び定期入出場の有無を入力するＳＦ乗降入力手段と、前記定期券情報入力手段及び前記ＳＦ乗降入力手段を入力した後、最安運賃経路を検索する最安運賃経路判定手段と、前記最安運賃経路判定手段が検索した結果を出力する最安運賃経路検索結果出力手段とを備えたことを特徴とする。
【０００９】
また、前記最安運賃経路判定手段は、運賃形態が異なる社線を含めた最安運賃経路を検索可能であることを特徴とする。
【００１０】
また、前記最安運賃経路判定手段は、ラッチ駅を経由する場合を含めた最安運賃経路を検索可能であることを特徴とする。
【００１１】
また、前記定期券情報入力手段、前記ＳＦ乗降入力手段及び前記最安運賃経路検索結果出力手段を有する各駅に設置された運賃検索端末と、前記運賃検索端末を結ぶネットワークと、前記ネットワークと接続されたサーバと、前記サーバに接続された前記最安運賃経路判定手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【００１２】
本発明によれば、定期券データとＳＦデータとを含む複合券を使用した場合の最安運賃経路を表示する最安運賃経路表示システムにおいて、定期券の発駅、着駅及び経由駅を入力する定期券情報入力手段と、ＳＦ入場駅、ＳＦ出場駅及び定期入出場の有無を入力するＳＦ乗降入力手段と、前記定期券情報入力手段及び前記ＳＦ乗降入力手段を入力した後、最安運賃経路を検索する最安運賃経路判定手段と、前記最安運賃経路判定手段が検索した結果を出力する最安運賃経路検索結果出力手段とを備えたので、複合券を使用した場合の最安運賃算出の基準となった経路を一目で確認することができ、乗客が駅員に経路を確認した時に駅員は瞬時に回答することができる。また、精算機で精算する場合に乗客が経路を確認することができる。
【００１３】
また、前記最安運賃経路判定手段は、運賃形態が異なる社線を含めた最安運賃経路を検索可能であるので、社線を跨った運賃計算をすることができる。
【００１４】
また、前記最安運賃経路判定手段は、ラッチ駅を経由する場合を含めた最安運賃経路を検索可能であるので、より精密な運賃計算をすることができる。
【００１５】
また、前記定期券情報入力手段、前記ＳＦ乗降入力手段及び前記最安運賃経路検索結果出力手段を有する各駅に設置された運賃検索端末と、前記運賃検索端末を結ぶネットワークと、前記ネットワークと接続されたサーバと、前記サーバに接続された前記最安運賃経路判定手段とを備えたので、複合券を使用した場合の最安運賃算出の基準となった経路を確認するシステムの管理が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図１は最安運賃経路表示システムのブロック図である。１は定期券情報入力手段、２はＳＦ乗降情報入力手段、３は最安運賃経路判定手段、４は最安運賃経路検索結果出力手段、５は運賃判定モジュールである。
【００１７】
本実施形態の最安運賃経路表示システムは、定期券情報入力手段１において複合券の定期券情報を入力し、ＳＦ乗降情報入力手段２においてＳＦ乗降情報を入力し、最安運賃経路判定手段３において、定期券情報入力手段１において入力した定期券情報及びＳＦ乗降情報入力手段２において入力したＳＦ乗降情報に基づき、運賃判定モジュール５を利用して最安運賃経路を判定し、最安運賃経路検索結果出力手段４において最安運賃経路判定手段３において判定した最安運賃経路を出力するものである。
【００１８】
図２は最安運賃経路表示装置の画面を示す。図２において、１０は運賃検索画面、１１は定期券情報入力手段を構成する定期券情報入力部、１２は定期券発駅入力部、１３は定期券着駅入力部、１４は定期券経由駅入力部、１５はＳＦ乗降情報入力手段を構成するＳＦ乗降入力部、１６はＳＦ入場駅入力部、１７はＳＦ出場駅入力部、１８は定期入出場入力部、１９は最安運賃経路検索結果出力手段を構成する最安ルート検索結果出力部、２０は検索指示部、２１は詳細表示部である。
【００１９】
運賃検索画面１０は、駅員の端末、精算機等の画面に出力され、定期券情報入力部１１、ＳＦ乗降入力部１５及び最安運賃経路検索結果出力部１９を有する。
【００２０】
定期券情報入力部１１は、定期券発駅入力部１２、定期券着駅入力部１３及び定期券経由駅入力部１４を有する。それぞれの入力部１２，１３，１４へは、キーボード等を操作することで駅名を入力したり、画面に路線図を表示できるように設定し、表示された路線図の駅をクリックすることで入力したり、複合券等のＩＣカードをかざすのみで、ＩＣカードに記憶されたデータから駅名又は定期入出場を自動的に読み取り、入力したりすることができる。なお、隣り合う駅で定期を使用している場合のように、特に経由駅を入力する必要のない場合には定期券経由駅入力部１４への入力は省略できる。
【００２１】
ＳＦ乗降入力部１５は、ＳＦ入場駅入力部１６、ＳＦ出場駅入力部１７及び定期入出場入力部１８を有する。それぞれの入力部１６，１７，１８へは、キーボード等を操作することで駅名を入力したり、画面に路線図を表示できるように設定し、画面に表示された路線図の駅をクリックすることで入力したり、複合券等のＩＣカードをかざすことで、ＩＣカードに記憶されたデータから駅名又は定期入出場を自動的に読み取り、入力したりすることができる。
【００２２】
最安運賃経路出力部１９は、検索指示部２０及び詳細表示部２１を有する。検索指示部２０は、定期券情報入力部１１及びＳＦ乗降入力部１５を入力した後、最安経路の検索を指示する部分である。詳細表示部２１は、検索指示部２０により指示された後、検索結果を表示する部分である。表示内容は、最安経路の基準となる駅、経由駅、社線、運賃、駅間の時間、駅間の距離等である。
【００２３】
図３は、実乗車経路と最安運賃経路である運賃収受経路とが異なる例であり、運賃形態が異なる社線及びラッチ駅を含む場合である。ここで、ａ社線、ｂ社線及びｃ社線は運賃形態がそれぞれ異なり、Ｂ駅はラッチ駅である。
【００２４】
Ａ駅は入場乗車駅及び定期券発駅、Ｂ駅は実乗車経路及び定期券の経由駅、Ｃ駅は定期券着駅及び最安運賃経路の起算駅、Ｄ駅、Ｅ駅は最安運賃経路の経由駅、Ｆ駅はＳＦ降車出場駅、ａ社線はＡ駅からＢ駅を経由してＦ駅まで及びＥ駅からＦ駅までを連結する鉄道線、ｂ社線はＢ駅からＣ駅及びＣ駅からＤ駅までを連結する鉄道線、ｃ社線はＤ駅からＥ駅までを連結する鉄道線を示す。
【００２５】
Ａ駅からＢ駅を経由してＣ駅までの定期を所持している乗客が、Ａ駅からＦ駅まで乗車した場合、実乗車経路であるＡ駅からＦ駅までの運賃は、定期区間を除いたＢ駅からＦ駅までの運賃８９０円であるが、実際の運賃収受経路は定期券着駅のＣ駅からＦ駅までｂ、ｃ及びａ社線を乗り継いだ経路で、このときの運賃は８３０円となり、実乗車経路よりも安くなる。
【００２６】
したがって、図２の運賃検索画面１０の最安運賃経路出力部１９の詳細表示部２１には、定期券着駅及び起算駅のＣ駅から降車出場駅のＦ駅までｂ、ｃ及びａ社線を乗り継いだ最安運賃経路の情報が示される。ここで、Ｇ駅はｃ社線内の最安運賃経路の経由駅、Ｈ駅及びＩ駅はａ社線内の最安運賃経路の経由駅である。
【００２７】
これにより、複合券を使用した場合の最安運賃算出の基準となった経路を一目で確認することができ、乗客が駅員に経路を確認しても瞬時に回答することができる。また、運賃形態が異なる社線を含む最安運賃を算出することもできる。さらに、経路にラッチ駅を含む場合、ラッチ駅を通過した場合と、ラッチ駅で一度降車した場合との料金の比較もすることができる。
【００２８】
なお、本実施形態では、定期券の着駅からの経路が最安経路となっているが、定期券の途中駅からの経路が最安経路となる場合も当然検索及び表示可能である。
【００２９】
図４は、最安運賃経路表示システム全体の概略図である。３１は運賃検索端末、３２はネットワーク、３３はサーバ、３４は最安運賃経路判定手段を構成する共通運賃判定モジュール用判定ボードである。
【００３０】
運賃検索端末３１は、定期券情報入力手段１、ＳＦ乗降入力手段２及び前記最安運賃経路検索結果出力手段４を有し、運賃検索画面１は、運賃検索端末３１に表示され、操作される。運賃検索画面１は駅員が操作してもよいし、精算機のように駅構内に配置され、乗客が操作してもよい。また、駅名等を入力することなく、複合券を読み取ることで、運賃検索端末３１に自動的に表示されるように設定してもよい。ネットワーク３２は各駅を接続しているＬＡＮであり、サーバ３３も接続されている。
【００３１】
共通運賃判定モジュール用判定ボード３４は、最安運賃経路を算出するものであり、サーバ３３と接続されている。なお、サーバ３３を使用せず、共通運賃判定モジュール用判定ボード３４を各運賃検索端末３１に備えてもよい。
【００３２】
運賃検索端末３１で入力されたデータはネットワーク３２を通してサーバ３３に入力され、サーバ３３において共通運賃判定モジュール用判定ボード３４を用いて最安運賃経路が求められる。
【００３３】
これにより、各社線間に跨がる入場駅と出場駅間の最安運賃を算出し、複合券を使用した場合の最安運賃算出の基準となった経路を確認するシステムの管理が容易になる。
【００３４】
なお、このシステムは一般の乗車券等のみを使用する場合にも使用できる。その際は、定期券情報入力部を空欄にして検索すればよい。
【図面の簡単な説明】
【００３５】
【図１】本発明の一実施形態のブロック図
【図２】一実施形態の運賃検索画面を示す図
【図３】一実施形態の最安運賃経路の例を示す図
【図４】一実施形態の最安運賃経路表示システムを示す図
【符号の説明】
【００３６】
１…定期券情報入力手段、２…ＳＦ乗降情報入力手段、３…最安運賃経路判定手段、４…最安運賃経路検索結果出力手段、５…運賃判定モジュール、１０…運賃検索画面、１１…定期券情報入力部（定期券情報入力手段）、１２…定期券発駅入力部、１３…定期券着駅入力部、１４…定期券経由駅入力部、１５…ＳＦ乗降入力部（ＳＦ乗降情報入力手段）、１６…ＳＦ入場駅入力部、１７…ＳＦ出場駅入力部、１８…定期入出場入力部、１９…最安ルート検索結果出力部（最安運賃経路検索結果出力手段）２０…検索指示部、２１…詳細表示部、３１…運賃検索端末、３２…ネットワーク、３３…サーバ、３４…共通運賃判定モジュール用判定ボード（最安運賃経路判定手段）
【技術分野】
【０００１】
本発明は、自動改札機、精算機、窓処理機等の駅務機器において、運賃判定モジュールを利用した運賃計算時における最安運賃経路表示システムに関する。
【背景技術】
【０００２】
自動改札機、精算機、窓処理機等の駅務機器が各駅に設置され、定期券や乗車券の情報を電子データとして格納したＩＣカードやＳＦカード（ストアード・フェアー・カード）が使用され、各駅務機器では運賃判定モジュールによりＩＣカードやＳＦカードのデータを読み込んで最短、最安で運賃計算して精算している。なお、同一社線内での最短、最安運賃は、三角表と言われるキロ程により決まる運賃テーブルが知られている。
【０００３】
近年、首都近郊では一枚のＩＣカードにより複数社線を自由に乗り継ぎできるようにすることが検討されている。このような会社間を跨がる乗り継ぎを行う場合、例えば、Ａ社線のａ駅で乗車し、Ｂ社線、Ｃ社線、Ｄ社線を乗り継いで、Ｄ社線のｄ駅で降車した場合、ｄ駅での改札機では、社線ごとに最安経路を抽出し、これらを合算してａ駅−ｄ駅間の最安運賃を算出してＩＣカードから精算することになる。
【０００４】
このように一枚のＩＣカードで会社間を跨がる乗り継ぎを行えるようにするためには、各駅に設置されている自動改札機、精算機、窓処理機等の駅務機器で使用される運賃判定モジュールでの運賃計算が正しく行われるか否かを検証する必要がある。また、他社線から乗り継いできた場合、会社間を跨がる三角表が存在しないため、駅係員が運賃を把握することが困難で、特にａ駅−ｄ駅間の一部に定期券を使用するような場合の最安運賃を求めることは困難である。
【０００５】
そこで、本出願人は異なる社線を乗り継ぐ場合の最安運賃算出精度を向上させるとともに、会社間を跨がる三角表が得られるようにした運賃検証システムを提案した（特願２００５−８３２７０号）。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、上記従来技術では、乗車駅と降車駅間の最安運賃を算出することはできるが、定期券データとＳＦデータとを含む非接触複合券を使用した場合の各社線間に跨がる最安運賃算出の基準となった経路を確認することができず、乗客が実乗車経路との料金の違いを確認するため、駅員に運賃収受経路を質問しても回答することが困難な場合があった。
【０００７】
本発明は、上記課題を解決するものであって、複合券を使用した場合の最安運賃算出の基準となった経路を一目で確認することができる最安運賃経路表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
そのために本発明は、改札機又は精算機で使用される運賃判定モジュールを利用し、定期券データとＳＦデータとを含む複合券を使用した場合の最安運賃経路を表示する最安運賃経路表示システムにおいて、定期券の発駅、着駅及び経由駅を入力する定期券情報入力手段と、ＳＦ入場駅、ＳＦ出場駅及び定期入出場の有無を入力するＳＦ乗降入力手段と、前記定期券情報入力手段及び前記ＳＦ乗降入力手段を入力した後、最安運賃経路を検索する最安運賃経路判定手段と、前記最安運賃経路判定手段が検索した結果を出力する最安運賃経路検索結果出力手段とを備えたことを特徴とする。
【０００９】
また、前記最安運賃経路判定手段は、運賃形態が異なる社線を含めた最安運賃経路を検索可能であることを特徴とする。
【００１０】
また、前記最安運賃経路判定手段は、ラッチ駅を経由する場合を含めた最安運賃経路を検索可能であることを特徴とする。
【００１１】
また、前記定期券情報入力手段、前記ＳＦ乗降入力手段及び前記最安運賃経路検索結果出力手段を有する各駅に設置された運賃検索端末と、前記運賃検索端末を結ぶネットワークと、前記ネットワークと接続されたサーバと、前記サーバに接続された前記最安運賃経路判定手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【００１２】
本発明によれば、定期券データとＳＦデータとを含む複合券を使用した場合の最安運賃経路を表示する最安運賃経路表示システムにおいて、定期券の発駅、着駅及び経由駅を入力する定期券情報入力手段と、ＳＦ入場駅、ＳＦ出場駅及び定期入出場の有無を入力するＳＦ乗降入力手段と、前記定期券情報入力手段及び前記ＳＦ乗降入力手段を入力した後、最安運賃経路を検索する最安運賃経路判定手段と、前記最安運賃経路判定手段が検索した結果を出力する最安運賃経路検索結果出力手段とを備えたので、複合券を使用した場合の最安運賃算出の基準となった経路を一目で確認することができ、乗客が駅員に経路を確認した時に駅員は瞬時に回答することができる。また、精算機で精算する場合に乗客が経路を確認することができる。
【００１３】
また、前記最安運賃経路判定手段は、運賃形態が異なる社線を含めた最安運賃経路を検索可能であるので、社線を跨った運賃計算をすることができる。
【００１４】
また、前記最安運賃経路判定手段は、ラッチ駅を経由する場合を含めた最安運賃経路を検索可能であるので、より精密な運賃計算をすることができる。
【００１５】
また、前記定期券情報入力手段、前記ＳＦ乗降入力手段及び前記最安運賃経路検索結果出力手段を有する各駅に設置された運賃検索端末と、前記運賃検索端末を結ぶネットワークと、前記ネットワークと接続されたサーバと、前記サーバに接続された前記最安運賃経路判定手段とを備えたので、複合券を使用した場合の最安運賃算出の基準となった経路を確認するシステムの管理が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図１は最安運賃経路表示システムのブロック図である。１は定期券情報入力手段、２はＳＦ乗降情報入力手段、３は最安運賃経路判定手段、４は最安運賃経路検索結果出力手段、５は運賃判定モジュールである。
【００１７】
本実施形態の最安運賃経路表示システムは、定期券情報入力手段１において複合券の定期券情報を入力し、ＳＦ乗降情報入力手段２においてＳＦ乗降情報を入力し、最安運賃経路判定手段３において、定期券情報入力手段１において入力した定期券情報及びＳＦ乗降情報入力手段２において入力したＳＦ乗降情報に基づき、運賃判定モジュール５を利用して最安運賃経路を判定し、最安運賃経路検索結果出力手段４において最安運賃経路判定手段３において判定した最安運賃経路を出力するものである。
【００１８】
図２は最安運賃経路表示装置の画面を示す。図２において、１０は運賃検索画面、１１は定期券情報入力手段を構成する定期券情報入力部、１２は定期券発駅入力部、１３は定期券着駅入力部、１４は定期券経由駅入力部、１５はＳＦ乗降情報入力手段を構成するＳＦ乗降入力部、１６はＳＦ入場駅入力部、１７はＳＦ出場駅入力部、１８は定期入出場入力部、１９は最安運賃経路検索結果出力手段を構成する最安ルート検索結果出力部、２０は検索指示部、２１は詳細表示部である。
【００１９】
運賃検索画面１０は、駅員の端末、精算機等の画面に出力され、定期券情報入力部１１、ＳＦ乗降入力部１５及び最安運賃経路検索結果出力部１９を有する。
【００２０】
定期券情報入力部１１は、定期券発駅入力部１２、定期券着駅入力部１３及び定期券経由駅入力部１４を有する。それぞれの入力部１２，１３，１４へは、キーボード等を操作することで駅名を入力したり、画面に路線図を表示できるように設定し、表示された路線図の駅をクリックすることで入力したり、複合券等のＩＣカードをかざすのみで、ＩＣカードに記憶されたデータから駅名又は定期入出場を自動的に読み取り、入力したりすることができる。なお、隣り合う駅で定期を使用している場合のように、特に経由駅を入力する必要のない場合には定期券経由駅入力部１４への入力は省略できる。
【００２１】
ＳＦ乗降入力部１５は、ＳＦ入場駅入力部１６、ＳＦ出場駅入力部１７及び定期入出場入力部１８を有する。それぞれの入力部１６，１７，１８へは、キーボード等を操作することで駅名を入力したり、画面に路線図を表示できるように設定し、画面に表示された路線図の駅をクリックすることで入力したり、複合券等のＩＣカードをかざすことで、ＩＣカードに記憶されたデータから駅名又は定期入出場を自動的に読み取り、入力したりすることができる。
【００２２】
最安運賃経路出力部１９は、検索指示部２０及び詳細表示部２１を有する。検索指示部２０は、定期券情報入力部１１及びＳＦ乗降入力部１５を入力した後、最安経路の検索を指示する部分である。詳細表示部２１は、検索指示部２０により指示された後、検索結果を表示する部分である。表示内容は、最安経路の基準となる駅、経由駅、社線、運賃、駅間の時間、駅間の距離等である。
【００２３】
図３は、実乗車経路と最安運賃経路である運賃収受経路とが異なる例であり、運賃形態が異なる社線及びラッチ駅を含む場合である。ここで、ａ社線、ｂ社線及びｃ社線は運賃形態がそれぞれ異なり、Ｂ駅はラッチ駅である。
【００２４】
Ａ駅は入場乗車駅及び定期券発駅、Ｂ駅は実乗車経路及び定期券の経由駅、Ｃ駅は定期券着駅及び最安運賃経路の起算駅、Ｄ駅、Ｅ駅は最安運賃経路の経由駅、Ｆ駅はＳＦ降車出場駅、ａ社線はＡ駅からＢ駅を経由してＦ駅まで及びＥ駅からＦ駅までを連結する鉄道線、ｂ社線はＢ駅からＣ駅及びＣ駅からＤ駅までを連結する鉄道線、ｃ社線はＤ駅からＥ駅までを連結する鉄道線を示す。
【００２５】
Ａ駅からＢ駅を経由してＣ駅までの定期を所持している乗客が、Ａ駅からＦ駅まで乗車した場合、実乗車経路であるＡ駅からＦ駅までの運賃は、定期区間を除いたＢ駅からＦ駅までの運賃８９０円であるが、実際の運賃収受経路は定期券着駅のＣ駅からＦ駅までｂ、ｃ及びａ社線を乗り継いだ経路で、このときの運賃は８３０円となり、実乗車経路よりも安くなる。
【００２６】
したがって、図２の運賃検索画面１０の最安運賃経路出力部１９の詳細表示部２１には、定期券着駅及び起算駅のＣ駅から降車出場駅のＦ駅までｂ、ｃ及びａ社線を乗り継いだ最安運賃経路の情報が示される。ここで、Ｇ駅はｃ社線内の最安運賃経路の経由駅、Ｈ駅及びＩ駅はａ社線内の最安運賃経路の経由駅である。
【００２７】
これにより、複合券を使用した場合の最安運賃算出の基準となった経路を一目で確認することができ、乗客が駅員に経路を確認しても瞬時に回答することができる。また、運賃形態が異なる社線を含む最安運賃を算出することもできる。さらに、経路にラッチ駅を含む場合、ラッチ駅を通過した場合と、ラッチ駅で一度降車した場合との料金の比較もすることができる。
【００２８】
なお、本実施形態では、定期券の着駅からの経路が最安経路となっているが、定期券の途中駅からの経路が最安経路となる場合も当然検索及び表示可能である。
【００２９】
図４は、最安運賃経路表示システム全体の概略図である。３１は運賃検索端末、３２はネットワーク、３３はサーバ、３４は最安運賃経路判定手段を構成する共通運賃判定モジュール用判定ボードである。
【００３０】
運賃検索端末３１は、定期券情報入力手段１、ＳＦ乗降入力手段２及び前記最安運賃経路検索結果出力手段４を有し、運賃検索画面１は、運賃検索端末３１に表示され、操作される。運賃検索画面１は駅員が操作してもよいし、精算機のように駅構内に配置され、乗客が操作してもよい。また、駅名等を入力することなく、複合券を読み取ることで、運賃検索端末３１に自動的に表示されるように設定してもよい。ネットワーク３２は各駅を接続しているＬＡＮであり、サーバ３３も接続されている。
【００３１】
共通運賃判定モジュール用判定ボード３４は、最安運賃経路を算出するものであり、サーバ３３と接続されている。なお、サーバ３３を使用せず、共通運賃判定モジュール用判定ボード３４を各運賃検索端末３１に備えてもよい。
【００３２】
運賃検索端末３１で入力されたデータはネットワーク３２を通してサーバ３３に入力され、サーバ３３において共通運賃判定モジュール用判定ボード３４を用いて最安運賃経路が求められる。
【００３３】
これにより、各社線間に跨がる入場駅と出場駅間の最安運賃を算出し、複合券を使用した場合の最安運賃算出の基準となった経路を確認するシステムの管理が容易になる。
【００３４】
なお、このシステムは一般の乗車券等のみを使用する場合にも使用できる。その際は、定期券情報入力部を空欄にして検索すればよい。
【図面の簡単な説明】
【００３５】
【図１】本発明の一実施形態のブロック図
【図２】一実施形態の運賃検索画面を示す図
【図３】一実施形態の最安運賃経路の例を示す図
【図４】一実施形態の最安運賃経路表示システムを示す図
【符号の説明】
【００３６】
１…定期券情報入力手段、２…ＳＦ乗降情報入力手段、３…最安運賃経路判定手段、４…最安運賃経路検索結果出力手段、５…運賃判定モジュール、１０…運賃検索画面、１１…定期券情報入力部（定期券情報入力手段）、１２…定期券発駅入力部、１３…定期券着駅入力部、１４…定期券経由駅入力部、１５…ＳＦ乗降入力部（ＳＦ乗降情報入力手段）、１６…ＳＦ入場駅入力部、１７…ＳＦ出場駅入力部、１８…定期入出場入力部、１９…最安ルート検索結果出力部（最安運賃経路検索結果出力手段）２０…検索指示部、２１…詳細表示部、３１…運賃検索端末、３２…ネットワーク、３３…サーバ、３４…共通運賃判定モジュール用判定ボード（最安運賃経路判定手段）
【特許請求の範囲】
【請求項１】
改札機又は精算機で使用される運賃判定モジュールを利用し、定期券データとＳＦデータとを含む複合券を使用した場合の最安運賃経路を表示する最安運賃経路表示システムにおいて、
定期券の発駅、着駅及び経由駅を入力する定期券情報入力手段と、
ＳＦ入場駅、ＳＦ出場駅及び定期入出場の有無を入力するＳＦ乗降入力手段と、
前記定期券情報入力手段及び前記ＳＦ乗降入力手段を入力した後、最安運賃経路を検索する最安運賃経路判定手段と、
前記最安運賃経路判定手段が検索した結果を出力する最安運賃経路検索結果出力手段と、
を備えたことを特徴とする最安運賃経路表示システム。
【請求項２】
前記最安運賃経路判定手段は、運賃形態が異なる社線を含めた最安運賃経路を検索可能であることを特徴とする請求項１に記載の最安運賃経路表示システム。
【請求項３】
前記最安運賃経路判定手段は、ラッチ駅を経由する場合を含めた最安運賃経路を検索可能であることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の最安運賃経路表示システム。
【請求項４】
前記定期券情報入力手段、前記ＳＦ乗降入力手段及び前記最安運賃経路検索結果出力手段を有する各駅に設置された運賃検索端末と、
前記運賃検索端末を結ぶネットワークと、前記ネットワークと接続されたサーバと、前記サーバに接続された前記最安運賃経路判定手段と、
を備えたことを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれかに記載の最安運賃経路表示システム。
【請求項１】
改札機又は精算機で使用される運賃判定モジュールを利用し、定期券データとＳＦデータとを含む複合券を使用した場合の最安運賃経路を表示する最安運賃経路表示システムにおいて、
定期券の発駅、着駅及び経由駅を入力する定期券情報入力手段と、
ＳＦ入場駅、ＳＦ出場駅及び定期入出場の有無を入力するＳＦ乗降入力手段と、
前記定期券情報入力手段及び前記ＳＦ乗降入力手段を入力した後、最安運賃経路を検索する最安運賃経路判定手段と、
前記最安運賃経路判定手段が検索した結果を出力する最安運賃経路検索結果出力手段と、
を備えたことを特徴とする最安運賃経路表示システム。
【請求項２】
前記最安運賃経路判定手段は、運賃形態が異なる社線を含めた最安運賃経路を検索可能であることを特徴とする請求項１に記載の最安運賃経路表示システム。
【請求項３】
前記最安運賃経路判定手段は、ラッチ駅を経由する場合を含めた最安運賃経路を検索可能であることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の最安運賃経路表示システム。
【請求項４】
前記定期券情報入力手段、前記ＳＦ乗降入力手段及び前記最安運賃経路検索結果出力手段を有する各駅に設置された運賃検索端末と、
前記運賃検索端末を結ぶネットワークと、前記ネットワークと接続されたサーバと、前記サーバに接続された前記最安運賃経路判定手段と、
を備えたことを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれかに記載の最安運賃経路表示システム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００７−２４９４４８（Ｐ２００７−２４９４４８Ａ）
【公開日】平成１９年９月２７日（２００７．９．２７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−７０１８５（Ｐ２００６−７０１８５）
【出願日】平成１８年３月１５日（２００６．３．１５）
【出願人】（５９３０９２４８２）ジェイアール東日本メカトロニクス株式会社 (85)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年９月２７日（２００７．９．２７）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年３月１５日（２００６．３．１５）
【出願人】（５９３０９２４８２）ジェイアール東日本メカトロニクス株式会社 (85)
【Ｆターム（参考）】
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