説明

月経前症候群の症状を抑える方法

個体の血中のトリプトファン:LNAA比を高める方法が示唆されている。このような方法は、月経前症候群、閉経周辺期障害、更年期障害、季節性情緒障害、ストレス、又は鬱などの状態を管理するのに有用である。この方法は、高トリプトファン含有タンパク質と組み合わせた炭水化物ブレンドの特定の用量を経口投与することを包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個体の血中のトリプトファン:LNAA比を高める方法に関する。このような方法は、月経前症候群、閉経周辺期障害、更年期障害、季節性情緒障害、ストレス、又は鬱などの状態を管理するのに有用である。
【背景技術】
【0002】
セロトニンは、情動反応に大きく応答し得る神経伝達物質であり、痛みのもとから脳へ刺激を与える痛みの伝達において重要な役割を果たすと本発明者らは考えている。脳がセロトニン不足を認知すると、PMS、閉経周辺期障害、更年期/閉経後障害、季節性情緒障害、ストレス、及び鬱などの前記状態を更に悪化させることがある。トリプトファンはセロトニンの前駆体であって、脳への伝達に関して、他の大型の中性アミノ酸(LNAA)と競合する。そこで、本発明者ら以外の者たちは、種々の機序を経て血中のトリプトファン:LNAA比を高めることにより、脳内のセロトニンを増加しようと試みている。
【0003】
先行技術に示唆されている一つの機序は、例えば、炭水化物の消費によって誘導されるような、インスリン反応を用いる。文献には、タンパク質が無い及び/又は低濃度のときに、この機序が最も良く働く、と教示されている。例えば、ある公開された研究には、「タンパク質としての食物のエネルギーのわずか2〜4%が、トリプトファンの高い能力を阻止するであろう」と記載されている、ベントン・ディ(Benton,D.)及びドノホー・アール・ティ(Donohoe,R.T)著、「栄養素の気分への影響(The Effects of Nutrients on Mood)」、公衆栄養学会誌(Public Health Nutrition)、第2巻(3a)、403〜409頁(1999年)。インスリン反応は、LNAAのある部分が、血流から離れて、骨格筋に入るように働きかける。トリプトファンは、他のLNAAよりも骨格筋に入り難く、比較的より多く(のトリプトファンが)血中に留まる。その結果、血中のトリプトファン:LNAA比が比較的高くなる。
【0004】
トリプトファン:LNAA比を高める二番目の機序は、タンパク質から摂れるトリプトファンの相対量を増加させると、血中のトリプトファン:LNAA比も高まるという見解から、他のLNAAに比べてトリプファンが豊富なタンパク質を含むように食事を調整することである。ある研究では、高トリプトファンを含有する乳清タンパク質を、炭水化物(オレンジジュース)及びグルコース25g又は50gのいずれかと一緒に投与した、マーカス・シー・アール(Markus,C.R.)ら著、「2種の異なる投与量のグルコースと組み合わせたα−ラクトアルブミンの、血漿Trp/LNAA比に対する投与量依存効果(Dose-Dependent Effect of α-Lactalbumin in Combination with Two Different Doses of Glucose on the Plasma Trp/LNAA Ratio)」、栄養神経科学会誌(Nutritional Neuroscience)、第3巻、345〜355頁(2000年)。この研究では、異なるグルコースの用量はトリプトファン:LNAA比に影響を及ぼさないという結論が下された。また、この研究では、「インスリン反応の全時間は、異なるα−ラクトアルブミン条件間においてほとんど違わなかったことから、これらα−ラクトアルブミン条件間での、血漿Trp/LNAA比に対する時間依存性効果の差は、インスリン変性には左右されないと思われる」という結論も下された(353頁)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記示唆にも関わらず、驚くべきことに、両方の機序を併せて使用すると、血中のトリプトファン:LNAA比を高める効力を実質的に向上することが分かった。本発明の発明者らは、比較的低濃度の炭水化物と高トリプトファン含有タンパク質が投与されるときに、トリプトファン:LNAA比を向上させる用法を見出した。
【0006】
(背景技術)
PCT国際公開特許WO99/55174A1(ルノー(Regnault)ら)は、タンパク質サプリメント、それを含有する食品組成物、それらの調製方法及び使用(PROTEIN SUPPLEMENT,FOOD COMPOSITION CONTAINING IT,THEIR PROCESS OF PREPARATION AND USE)に関する。
米国特許第5,612,320号(ブルトマン(Wurtman)ら)は、月経前症候群を治療するため及び手当てをするための薬効炭水化物ブレンド(THERAPEUTIC CARBOHYDRATE BLENDS FOR TREATING AND AIDING PREMENSTRUAL SYNDROME)に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、炭水化物ブレンド及び高トリプトファン含有タンパク質を個体に経口投与することを含む、個体の血中のトリプトファン:LNAA比を高める方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
「トリプトファン」又は「Trp」という用語は、セロトニンの前駆体である中性アミノ酸に言及する。
【0009】
「大型の中性アミノ酸」又は「LNAA」という慣用句は、一般には、特定のアミノ酸輸送メカニズムを用いた血液脳関門全域の輸送において競合する、中性のアミノ酸に言及する。LNAAには、トリプトファン、チロシン、バリン、イソロイシン、ロイシン、及びフェニルアラニンが包含される。
【0010】
本明細書で使用する、「トリプトファン:LNAA比」、「の割合のトリプトファンとLNAA」、「Trp/LNAA」などの慣用句は、トリプトファンと、大型の中性アミノ酸チロシン、バリン、イソロイシン、ロイシン及びフェニルアラニンとの重量比に言及する。
【0011】
「PMS」又は「月経前症候群」とは、月経周期の黄体期中に、典型的には月経開始直前の日々に、女性を悩ます身体症状及び情動性症状に言及する。
【0012】
「身体症状」とは、PMSの身体症状に言及し、例えば、PMSに付随する痛み(例えば、背中の痛み、頭痛、全身性の(鈍い)痛み及び(鋭い)痛みなど)、乳房の圧痛、膨満感、及び(腹部などに起こる)筋けいれんが挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
「情動性症状」とは、PMSの情動性症状に言及し、例えば、被刺激性及び気分変動/情緒変調が挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
「PMSを抑える」という慣用句は、PMS症状の重症度の低下を意味する。
【0015】
「他の兆候」という慣用句には、閉経周辺期障害、更年期/閉経後障害、季節性情緒障害、ストレス、又は鬱が包含されるが、これらに限定されない。
【0016】
「閉経周辺期障害」又は「閉経前後の」とは、更年期が始まる前の状態に付随する身体症状及び情動性症状に言及する。この期間には、女性の規則的な排卵周期が、短縮された卵胞期間の結果として、徐々に早まる。女性の月経は、無月経期間の増加とともに、しばしば不意に、不規則なパターンに変わる。PMSに付随する身体症状及び情動性症状は、更年期の開始前のこの状態の間にしばしば悪化する。
【0017】
「無月経」とは、月経が無いか又は月経の抑制に言及する。
【0018】
「更年期」又は「更年期の」とは、月経の永久的停止を特徴付ける期間に限定する。
【0019】
「閉経後」とは、月経が停止した後の期間に言及する。この期間中には、不安、鬱、被刺激性、及び疲労などの情動性症状が増える。身体症状としては、緊張型頭痛の悪化や関節痛/筋肉痛が挙げられる。
【0020】
「季節性情緒障害」又は「SAD」とは、一年の特定の季節、特に冬季と関わりのある鬱で特徴付けられる気分障害に言及する。
【0021】
「ストレス」又は「ストレスを受ける」とは、個体が絶えず変化する環境に適応するときに、身体が体験する負の「消耗(wear and tear)」に言及する。ストレスには、身体的影響と情動的な影響があり、これらは不信感、拒絶反応、怒り、又は鬱をもたらし得る。これらの負の感情は、頭痛、胃のむかつき、不眠症、潰瘍、高血圧、発疹、又は心臓疾患などの身体症状を引き起こすことがある。
【0022】
「鬱」とは、気分が変わってしまった状態、気持ちの上で感情が抑えられた状態、落胆した状態、及び/又は食物、性交、仕事、友人、家族、趣味、又は娯楽に対する興味が低下した状態に言及する。
【0023】
「タンパク質」という用語は、食物製品に使用するのに適した、天然及び合成のアミノ酸ポリマーに言及する。これらとしては、天然の、半合成の、又は合成の資源に由来する、タンパク質、ポリペプチド(アミノ酸が2個までのもの)、タンパク質単体(protein isolates)、及びタンパク質加水分解産物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
「一回投与量形態」という慣用句は、個体によって普通に飲食される食事に対するサプリメントとして、組成物が一度に消費されることをいう。例えば、この1回投与量形態には、粉末化された又はあらかじめ作られたドリンク飲料、噛み物、バー、ウエハース、プリン、シロップ剤又はエリキシル剤、カプセル、舌下錠、注射、経皮貼付剤、更には錠剤などの形態が包含されるが、これらに限定されない。また、「1回投与量形態」という慣用句は、タンパク質サプリメントが、炭水化物ブレンド、例えば、炭水化物ブレンドバー菓子及びタンパク質シェーキドリンクから物理的に分離されうることも意図している。
【0025】
本明細書で使用する場合、記号「g」はグラムであり、「kg」はキログラムである。「kg/m2」は、単位平方メータ当たりのキログラムである。
【0026】
I.本発明の方法で有用な組成物
本発明は、炭水化物ブレンドと組み合わせた高トリプトファン含有タンパク質の形態でトリプトファンを投与することを含んで成る。このような投与は、症状が回復するにつれて更に与えられながら、「必要に応じて」1回投与量形態で摂取されるべきである。
【0027】
a.高トリプトファン含有タンパク質
トリプトファンと他のLNAAとの比率が、本発明では、トリプトファンの絶対量よりも重要である。また、タンパク質中のアミノ酸の割合も、大きく変えられる。本発明では、トリプトファンとLNAAとの重量比が少なくとも約0.06:1である、高トリプトファン含有タンパク質を要求している。「高トリプトファン含有タンパク質」という慣用句には、トリプトファンの純粋なタンパク質単体も包含される。例えば、ある有用なトリプトファン供給源は、ボルクロ・ドモ社(Borculo Domo)(オランダ国)製のヴィヴィナル(Vivinal)(登録商標)α(ALPHA)であって、これは、トリプトファンとLNAAの重量比が0.09:1である。もう一つの有用な供給源は、ダビスコ・フーズ・インターナショナル社(Davisco Foods International,Inc.)製のバイオピュア・α−ラクトアルブミン(BioPURE Alphalactalbumin)(商標)であって、これは、トリプトファン:LNAAの重量比が0.16:1である。
【0028】
どれだけの量の特定の高トリプトファン含有タンパク質を投与するかを決定する際には、タンパク質供給源、又は特に、タンパク質に含まれているトリプトファンの量を考慮しなければならない。血中のトリプトファン:LNAA比を高める効果を与えるのに必要とされるトリプトファンの量は、以降に更に述べるように水化物ブレンドの投与に応じて変化してよい。例えば、1g又はそれより多くのトリプトファンを投与することによって所望の効果が実現されるが、高トリプトファン含有タンパク質を炭水化物ブレンドと組み合わせて投与すると、先行文献に開示された量よりも少ない量のトリプトファン(高トリプトファン含有タンパク質の形態で)の用量を使用できることが分かった。具体的には、個体の血中のトリプトファン:LNAA比の望ましい向上は、トリプトファンを約0.15g〜約0.40gの量で個体に投与することによって実現できる。個体の血中の望ましいトリプトファン:LNAA比は、高トリプトファン含有タンパク質と炭水化物との組み合わせの相乗効果によって、比較的少量のトリプトファン、ある種の実施形態では、約0.25gのトリプトファンを投与することによって実現できると考えられる。この用法は、高トリプトファン含有タンパク質を、以前に行っていたよりも高い費用効率の手段で利用される。以下の式は、タンパク質供給原材料に応じて、送達されるトリプトファンの重量(g)の計算方法を説明している。
【0029】
【数1】

あるいは、前記供給原材料中のトリプトファンの量が分かっていれば、以下の式により、到達されるトリプトファンの重量(g)を計算することができる。
【0030】
【数2】

【0031】
b.炭水化物ブレンド
本発明で有用な炭水化物ブレンドは、必要なインスリン反応を促進する、迅速に消化できる炭水化物に言及する。例えば、炭水化物ブレンドの構成成分には、デキストロース、デキストリン、マルトデキストリン、デンプン、及び加工デンプンが包含されるが、これらに限定されない。ある実施形態では、炭水化物ブレンドは、デキストロースとマルトデキストリンを重量比70対30で含み得る。炭水化物ブレンドは、典型的には、1回投与量形態中に少なくとも約20g〜、あるいは約30g〜約40g投与される。40gを超える炭化水素の用量は、前記組み合わせの効果を妨げはしないが、必要ではなく、しかも使用者の血中のトリプトファン:LNAA比を高める効果をほとんど/それ以上有しないカロリー量を付加することとなる。
【0032】
II.任意の構成成分
本発明の組成物は、PMSを抑えるのに役立つか又は(栄養、体重管理などの)更なる効果を提供する他の成分を任意に含んでいてよい。他の成分としては、マグネシウム、鉄、カルシウム、ビタミンB−6、ナイアシン、チアミン、ビタミンB−12、セイヨウニンジンボク(Agnus Castus Vitex)、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンC、クロム、セレン、亜鉛、葉酸、テアニン、マツヨイグサ油、ω−3脂肪酸、及び他の植物、ビタミン、又は鉱物成分が挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
III.本発明で有用な組成物の製造方法。
【0034】
組成物の製造は、当業者には周知である。各構成成分は乾燥状態で入手でき、また正確に計り分けられる。製品を乾燥粉末として送達しようとする場合、前記成分を計り分けて1回投与量形態包みに加えるが、混合する必要は無い。より大きなバッチで行うのであれば、あらかじめ秤量した成分を、リボンブレンダーなどで均質になるまで混合した後、包みを正確な重量に充填して、各成分の所望の用量を個別の包みで提供しなければならないであろう。このような粉末化(組成物の)包みは、その後、水中で再構成されて、例えば10分以内に、消化される。
【0035】
IV.本発明の実施例
臨床採血試験手順:
BMI(肥満度指数−kg/m2)が20〜27でかつ規則的に排卵期のある、72名の健全な成人女性被験者が本実験に選ばれた。実験は、無作為に選ばれ、管理された盲検臨床実験であり、血漿トリプトファン:LNAA比に対する効果が試される4種の栄養学サプリメントドリンクを用いた。各被験者はこの4種のドリンクのうち2種を受け取った。排卵期の4日目と12日目の間にドリンクを摂取した。被験者は、試験中、5日毎にドリンクを飲んだ。
【0036】
試験当日に、研究現場のスタッフが、各用量をそれぞれ227グラム(8オンス)の水と混ぜた。各用量を、研究スタッフの一員の見守る中で、5分以内に消費した。服用直前(時間0)並びに服用後60分、90分、120分、及び180分にアミノ酸のための採血を行った。
【0037】
組成情報:
組成物A、B、C、及びDは、等カロリーになるように配合した。
【0038】
組成物Aは、本発明のブレンドであって、炭水化物38.6g(デキストロース27.0g及びマルトデキストリン11.6g)と、α−ラクトアルブミンの豊富な乳清タンパク質10.0g(ヴィヴィナル(Vivinal)(登録商標)α(ALPHA)、高トリプトファン含有タンパク質)とを包含する。タンパク質は、一服分当たりトリプトファン0.16gを与える。
【0039】
組成物Bは、プラセボ対照製品であって、炭水化物32.5g(全てデキストロース)と、カゼインカルシウム16.3g、典型的なタンパク質、とを包含する。
【0040】
組成物Cは、タンパク質を添加していない炭水化物ブレンドであって、炭水化物47.5g(デキストロース33.3g及びマルトデキストリン14.2g)を包含する。
【0041】
組成物Dは、別の炭化水素ブレンドであって、これにもタンパク質は添加されておらず、炭水化物48.7g(デキストロース31.9g、マルトデキストリン13.7g及び芋デンプン3.1g)を包含する。
【0042】
臨床採血試験結果:
本発明の製品(A)は、トリプトファン:LNAA比の向上において、炭水化物ブレンド又はタンパク質対照よりも極めて優れた能力を示した。
【0043】
・「総合(の)」間隔とは、時間0以降の全ての時間点の組み合わせ(a combination)を反映しており、本発明の製品(A)が、全試験期間にわたって、トリプトファン:LNAA比を、他の試験製品又はタンパク質対照よりも著しく高いレベルまで高めたことを示している。
・特定の時間点、60及び120では、本発明の製品(A)は、トリプトファン:LNAA比を、他の試験製品又はタンパク質対照よりも著しく高いレベルまで高めた。
・本発明の製品(A)は、4点の時間間隔全てにおいてトリプトファン:LNAA比を、ベースラインよりも著しく高いレベルまで高めた、唯一の試験製品であった。
【0044】
【表1】

結果は、平均±標準誤差である。
*は、t−試験/ウィルコクソン試験(Wilcoxon test)を用いた、ベースライン(すなわち、時間 0)から5%レベルでの有意差を示している。
【0045】
大文字は、列間の5%レベルでの有意差を示している。共分散のパラメータ解析(共分散として包含されるベースライン)は、全ての時間点における処置を比較するのに用いた。組成物全体は、繰り返し行った測定の分散分析に基づいている。
【0046】
本発明の他の組成物:
組成物Eは、本発明のブレンドであって、炭水化物34.0g(デキストロース22.3g、マルトデキストリン9.6g、及び芋デンプン2.1g)と、α−ラクトアルブミンの豊富な乳清タンパク質4.0g(ダビスコ・バイオピュア(Davisco BioPURE)−α−ラクトアルブミン(登録商標)、高トリプトファン含有タンパク質)とを包含する。タンパク質は、一服当たり0.19gのトリプトファンを与える。
【0047】
組成物Fは、本発明のブレンドであって、炭水化物34.0g(デキストロース22.3g、マルトデキストリン9.6g、及び芋デンプン2.1g)と、α−ラクトアルブミンの豊富な乳清タンパク質8.0g(ダビスコ・バイオピュア(Davisco BioPURE)−α−ラクトアルブミン(登録商標)、高トリプトファン含有タンパク質)とを包含する。タンパク質は、一服当たり0.38gのトリプトファンを与える。
【0048】
「発明を実施するための最良の形態」において引用したすべての文書は、関連する部分において、参考として本明細書に組み込まれるが、いかなる文書の引用も、本発明に関する先行技術であることの容認と考えられるべきではない。
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、その他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭水化物ブレンドと、トリプトファンを含む高トリプトファン含有タンパク質とを個体に経口投与することを含む、個体の血中のトリプトファン:LNAA比を高める方法であって、
前記高トリプトファン含有タンパク質が、一服分当たり約0.25g以下のトリプトファンを提供する方法。
【請求項2】
血中のトリプトファン:LNAA比を高めることが、個体のPMSを抑える(manage)ことを目的とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記高トリプトファン含有タンパク質が、トリプトファンを約0.15g〜約0.40g含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記高トリプトファン含有タンパク質が、トリプトファンを少なくとも約0.16g含む請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記組成物が更に、炭水化物ブレンドを約25g〜約40g含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
一服分当たり、炭水化物ブレンドが40g以下である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
個体のPMSが、PMSに付随する痛みを含む請求項2に記載の方法。
【請求項8】
血中のトリプトファン:LNAA比を高めることが、個体の情動性症状を抑えることを目的とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記高トリプトファン含有タンパク質が一回投与量形態として投与される請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記炭水化物ブレンド及び高トリプトファンが、噛み物、バー、ウエハース、プリン、シロップ剤又はエリキシル剤、カプセル及び錠剤から成る群より選択される一回投与量形態で経口投与される請求項1に記載の方法。


【公表番号】特表2007−500755(P2007−500755A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533750(P2006−533750)
【出願日】平成16年6月11日(2004.6.11)
【国際出願番号】PCT/US2004/018696
【国際公開番号】WO2004/112803
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】