説明

月経血によるクラミジア・トラコマチス検出法

【課題】世界中で性感染症として問題とされているクラミジア・トラコマチスは、そのDNAをPCRで増幅して検出することがなされているが、女性の場合検体として個人が自宅でも採取可能な月経血を使用する手法の開発が求められている。
【解決手段】月経血を被検試料として使用したクラミジアDNAをPCRにより増幅して検出する方法であって、月経血をPVAスポンジチップ吸収体に吸収せしめたものを出発検体とし
、月経血吸収PVAスポンジチップ吸収体を容器中に入れ、次に滅菌生理食塩水を該容器に
添加し、攪拌処理後、スポンジチップ吸収体を絞って液体サンプルを得た後、その得られた液体よりDNAサンプルを抽出し、次にDNAサンプルをPCRに付し、PCR生成物を核酸ハイブリダイゼーションに付してクラミジアDNAの存否を解析することを特徴とするクラミジア
検出法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験試料中の細菌クラミジア・トラコマチス由来の核酸の増幅および検出に関する。
【背景技術】
【0002】
クラミジアは世界中で普通に存在する動物の病原菌に属するもので、偏性細胞内気生体という細胞内でしか増殖しない細菌の一種とされており、細胞壁、代謝エネルギー生産系がなく、エネルギーを宿主細胞に依存している点で特殊な細菌である。クラミジアは、その細胞単独では生きていけないので、感染した人(宿主)の細胞内に入り込んで、増殖するのが特徴である。その一種であるクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)
は、ヒトの病原菌で、トラコーマ、封入体結膜炎、および性器管の疾病(性器クラミジア感染症)の病因となっており、特には、クラミジアに感染している人との性行為(感染機会)によって、伝染する。クラミジア・トラコマチスは世界中において性的交渉により伝染する疾病の主要原因であり、男性の尿道炎および女性の子宮頸管炎を引き起こす。
【0003】
治療せずに放置しておくと、クラミジアが体内深部に進行し、男性の場合は尿道経由で前立腺炎・副睾丸炎(精巣上体炎)・肝炎・腎炎になる事がある。女性の場合は子宮頸管炎・卵管炎になり、進行すると骨盤腹膜炎になったり肝周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis症候群)を引き起こしたり、不妊の原因となる事もある。また産道感染により、新生児が結膜炎・肺炎を発症することがある。クラミジア感染は、自覚症状にとぼしいため、感染に気づかず保菌している場合が多々ある。喉に感染すると喉が痛くなり痰が増えたりするが、無症状の場合もある。クラミジアに感染していると、他の性行為感染症やHIVの感染率が飛躍
的に高くなる。したがって、感染者を早期に発見検出することは、早期の治療や、該病原菌感染の連鎖を断ち切ったり、出産幼児を感染から防護するなどのためにも重要である。
クラミジア・トラコマチス由来の核酸を特異的なプライマーを使用してポリメラーゼ・チェイン・リアクション(polymerase chaim reaction: PCR)により増幅し、増幅されたPCR産物を核酸ハイブリダイゼーション技術で同定してクラミジア・トラコマチスを検出す
る方法が開発されてきている(特許文献1及び2)。
【0004】
【特許文献1】特表平10-509585号公報
【特許文献2】特開2007-300932号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
クラミジア・トラコマチス感染の診断には、被検試料又は試験試料としては、目的標的核酸の含有が疑わしい試料、例えば、生物学的試料として、尿、血液、乳、脊髄液、痰、唾液、糞便、肺吸引液、喉または性器の綿棒かきとり物のごとき体液または排泄物を使用してよいとされているが、現実的には、感染部位、例えば、男性尿道並びに女性子宮頚部などの患部から体液を採取して、それを検査することが行われる。特に、従来は、男性尿道並びに女性子宮頚部を綿棒で拭い取ったスワブ検体に界面活性剤を含む抽出液を加えてDNAサンプルを調製することが行われてきたが、こうした検体では泌尿器科、性病科、産
婦人科を受診しなければならず、さらに月経期間の採取は困難であり、また、検体採取場所が限られるという問題がある。
上記したような不便さを解消するものとして、女性の月経血を検体試料として利用することが求められるが、検体の月経血をろ紙や脱脂綿などに吸着させて、その吸着体から抽出液を使用してDNAサンプルを調製することも試みられたが、再現性のある満足の行く検
査結果が得られないという問題があった。
個々人が自宅等または医療機関においても非侵襲的な検体試料の採取が簡便に且つ検査結果の再現性を確保しながら行える技術の開発が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、クラミジア・トラコマチス検出の被検試料として価値の高い女性の月経血を使用し、精度の高いクラミジア・トラコマチスDNAの検出系を開発すべく鋭意研究し
た結果、月経血をスポンジ状吸収体に吸収せしめたものを出発検体とし、それよりDNAサ
ンプルを抽出調製することで、精度良く且つ再現性を確保してPCRによりクラミジア検出
ができることに成功し、本発明を完成したものである。
本発明は、月経血を被検試料として使用したクラミジアDNAをPCRにより増幅して検出する方法であって、月経血をPVAスポンジチップ吸収体に吸収せしめたものを出発検体とし
、月経血吸収PVAスポンジチップ吸収体を容器中に入れ、次に滅菌生理食塩水を該容器に
添加し、攪拌処理後、スポンジチップ吸収体を絞って液体サンプルを得た後、その得られた液体よりDNAサンプルを抽出し、次にDNAサンプルをPCRに付し、PCR生成物を核酸ハイブリダイゼーションに付してクラミジアDNAの存否を解析することを特徴とするクラミジア
検出法である。
さらに、本発明は、上記クラミジア検出法に適した検体採取用の器具セットを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、女性が自宅で検査用の検体を準備でき、それを病院、検査機関などに持ち込むことで、クラミジア感染の有無の検査が可能となることから、より頻度の高い検査、よりスムーズな検査が可能となるので、早期の感染の発見及び無自覚症状のもとでの感染の発見が容易となり、病原菌感染の連鎖を断ち切ったり、出産幼児の感染を防止する上で有用である。
本発明のその他の目的、特徴、優秀性及びその有する観点は、以下の記載より当業者にとっては明白であろう。しかしながら、以下の記載及び具体的な実施例等の記載を含めた本件明細書の記載は本発明の好ましい態様を示すものであり、説明のためにのみ示されているものであることを理解されたい。本明細書に開示した本発明の意図及び範囲内で、種々の変化及び/又は改変(あるいは修飾)をなすことは、以下の記載及び本明細書のその他の部分からの知識により、当業者には容易に明らかであろう。本明細書で引用されている全ての特許文献及び参考文献は、説明の目的で引用されているもので、それらは本明細書の一部としてその内容はここに含めて解釈されるべきものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
クラミジア・トラコマチス感染の診断に使用される検体サンプルとしては、性感染症の患部から採取することが好ましいことから、従来は、女性の子宮頚部などの粘膜部を綿棒で拭い取ったスワブ検体を使用することが、一般的になされていたが、検体量が十分でないとか、診療所などの医療機関でないと検体の採取が不適であるなどの問題があった。それに代わるものとして、女性の場合、月経血の利用が求められている。しかしながら、その月経血を使用した場合、被検検体として満足できるDNAサンプルを抽出する手法がなか
った。これを解決する手法として、PVA(ポリビニルアルコール)スポンジとして知られた
連続した気孔を有しており、ソリッドなブロック状であっても、ミクロの眼でとらえると、その容積の90%が、まったくの中空で、この中空(気孔)を形成する基質部が、立体網目構造を有し、個々の気孔を完全に連続化しており、さらに、親水性が高く、また、縦横にめぐる微細気孔によって毛細管現象が生じて、吸水性、保水性にを発揮する材料を使用することで達成できる。
【0009】
該PVAスポンジは、ポリビニルアルコールを原料として製造され、水に接すると、構造
体が即座に吸水を開始し、みるみるうちに水分を内部に取り込んでしっかりと保持する。
ウエット状態で柔軟性、弾力性がある。該PVAスポンジは、気孔径としては、例えば、40
〜1400μm、好ましくは50〜700μmのものが挙げられ、また、気孔率としては、例えば、80〜95%、好ましくは89〜91%のものが挙げられ、さらに、保水率としては、例えば、500〜1500%、好ましくは600〜1300%のものが挙げられる。本発明の月経血用PVAスポンジチップ吸収体としては、円筒体、直方体、半球体と円筒体とを組み合わせた形態、卵形のものなどの形状のものでが挙げられるが、所望の目的を達成できる限り形状は特に限定されることはない。典型的なPVAスポンジチップ吸収体のサイズとしては、これに限定される
ものではないが、例えば、5mm×5mm×25mmの直方体が挙げられる。PVAスポンジは、当該
分野で市販されており、例えば、ベルイーターDシリーズの製品(アイオン株式会社)な
どを使用できる。
【0010】
好ましい態様では、PVAスポンジチップ吸収体は、ソルビン酸カリウム溶液が予め含浸
されているものが好適に使用できる。典型的には、約1%程度の濃度のソルビン酸カリウム水溶液を約625μL/チップ(例えば、5mm×5mm×25mmの場合)に含浸せしめ、60℃のイ
ンキュベータで24時間程度乾燥したものを使用することで好適な結果が得られる。
月経血を当該PVAスポンジチップ吸収体に吸収せしめるには、一旦、月経血を発泡ポリ
スチレン系シート製トレー(例えば、ミラシャインより入手可能)にとり、そこに当該乾燥PVAスポンジチップ吸収体を接触することで、そのPVAスポンジチップ吸収体の中に十分な血液を吸収せしめる。吸収させるに際しては、付属のスポイトやピンセットなどを使用してよい。月経血を十分吸収せしめた吸収体は、ピンセットを使用して検体運搬用の試験管、例えば、プラスチック製試験管に入れる。別の方法では、試験管内に収納された吸収体にスポイトで吸った月経血をかけて十分吸収せしめることができる。
次に、試験管に付属の蓋を閉じて検査機関に運搬することができる。また、幾分かの期間保存できる。
【0011】
クラミジア・トラコマチスDNAの検出にあたっては、始めに前処理として、試験管の蓋
を開け、そこに適当量の滅菌生理食塩水を添加して、液体としてDNAサンプルを抽出する
ための検体サンプルを調製する。例えば、月経血を吸収しているPVAスポンジチップ吸収
体を収納している試験管の蓋を開け、そこに1 mL程度の滅菌生理食塩水を添加し、ボルテックスにより、例えば、1分間程度攪拌処理を加え、次に、試験管内の吸収体を絞ると液が出てくるので、その液を集めてDNAサンプル抽出用液体サンプルとした。
該液体サンプルからのDNAサンプルの調製は、当該分野で知られた方法又はそれに基づ
いて改変を加えた方法で行うことができ、例えば、QIAamp DNA Blood Mini Kit (QIAGEN)の方法又はそれに準じた方法を適用できる。DNAは、シリカゲルメンブレンに選択的に吸
着せしめられて、夾雑物から分離せしめられた後、溶出せしめられて分離される。代表的な例では、QIAamp Spin Column (QIAGEN)を好適に使用できる。
【0012】
以上のようにして得られたDNAサンプルは、当該分野で知られた方法又はそれに基づい
て改変を加えた方法で、ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction: PCR)に付されて増幅される。これは、標的ヌクレオチド配列を含む少なくとも1種の核酸鎖を鋳型として使用して標的ヌクレオチド配列を含む相補的な第2の鎖を得ることに基づいている。生成した核酸を鋳型として用いて、この方法を連続サイクルでくり返すことにより、標的ヌクレオチド配列を有する多数の核酸分子を迅速に増加せしめるものである。
かくして増幅された核酸分子を含む試料の中に、標的配列を有する核酸が存在しているか否かとかその量を定量するには、標的核酸にハイブリダイゼーションする能力を有するプローブを使用して行うことができる。
【0013】
PCR及び核酸ハイブリダイゼーションは、当該分野で知られた方法又はそれに基づいて
改変を加えた方法で行うことができ、例えば、コパスアンプリコア STD-1 クラミジアト
ラコマチス(Chlamydia trachomatis DNA検出用、Roche)など並びに使用機器コパスアンプ
リコア(Roche)などを使用して行うことができる。さらに、特表平10-509585号公報、特開2007-300932号公報、そしてそれらの文献で引用している文献を参照することができる。
それらの開示は、本明細書の一部としてその内容はここに含めて解釈されるべきものである。
【0014】
本発明では、月経血を検体として利用するクラミジア検出法に適した検体採取用の器具セットが提供される。当該キットは、例えば、図1に示されるように、月経血を一旦受ける発泡ポリスチレン系シート製トレー、吸収体、スポイド、ピンセット、そして試験管を含んだものであることができる。
以下に実施例を掲げ、本発明を具体的に説明するが、この実施例は単に本発明の説明のため、その具体的な態様の参考のために提供されているものである。これらの例示は本発明の特定の具体的な態様を説明するためのものであるが、本願で開示する発明の範囲を限定したり、あるいは制限することを表すものではない。本発明では、本明細書の思想に基づく様々な実施形態が可能であることは理解されるべきである。
全ての実施例は、他に詳細に記載するもの以外は、標準的な技術を用いて実施したもの、又は実施することのできるものであり、これは当業者にとり周知で慣用的なものである。
【実施例1】
【0015】
被検試料として月経血を使用し、クラミジアPCR法を行った。
月経血試料は、DNA抽出処理され、次に得られたDNAサンプルをPCRに付した後、得られ
たPCR生成物を核酸ハイブリダイゼーションに付し、得られたデータを解析した。DNA抽出キットは、QIAamp DNA Blood Mini Kit (QIAGEN)を使用し、試薬のプロトコール(キット能書)に準じて操作した。PCR及び核酸ハイブリダイゼーションは、コパスアンプリコア STD-1 クラミジアトラコマチス(Chlamydia trachomatis DNA検出用、Roche)並びに使用機器コパスアンプリコア(Roche)を使用して行った。
DNA抽出処理の検体量は、200μLで、作業時間は1時間/10検体で行い、PCRの条件は、50℃: 2分間、94℃: 5分間、35サイクル(93℃: 20秒間、61℃: 60秒間、71℃: 40秒間)、71℃: 5分間、71℃: 保持で、作業時間は4時間/10検体で行った。
【0016】
本発明では、ソルビン酸カリウム溶液を一旦含浸せしめた乾燥PVAスポンジチップ吸収
体(ベルイーターD(ドライ)アイオン株式会社)に月経血を吸収せしめたものを出発検体とし、月経血吸収PVAスポンジチップ吸収体を容器中に入れ、次に1mLの滅菌生理食塩
水を容器に入れ、ボルテックスで1分間処理後、ピンセットでスポンジチップ吸収体を絞って液体サンプルを得た。この液体サンプル200μLをとり、DNA抽出検体とし、血液及び
体液からのスピンプロトコール(QIAamp DNA Blood Mini Kit, QIAGEN)を一部改変して
適用した。Protease Kは、20μL加えた。
【0017】
Buffer AL 200μLを1.5mLのマイクロチュ−ブ中の液体サンプル混合物(液体サンプル, 200μL+Protease K, 20μL)に添加後、15秒間ボルテックスし、56℃で10分間インキュベ
ートし、1.5mLのマイクロチュ−ブを数秒間スピンダウンした後、サンプルにエタノール(96〜100%)200μLを添加し、再び、15秒間ボルテックスし、1.5mLのマイクロチュ−ブを数秒間スピンダウンした。得られた混合液を2mLのコレクションチューブ中のQIAamp Spin Columnに移し、蓋を閉めて6000×g(8000 rpm)で1分間遠心分離し、QIAamp Spin Columnを新しい2mLのコレクションチューブに移し、ろ液の入っているコレクションチューブは捨
てる。QIAamp Spin Columnの蓋を開けて、500μLのBuffer AW1を添加し、蓋を閉めて6000×g(8000 rpm)で1分間遠心分離した。QIAamp Spin Columnを新しい2mLのコレクションチューブに移し、ろ液の入っているコレクションチューブは捨てる。QIAamp Spin Columnの蓋を開けて、500μLのBuffer AW2を添加し、蓋を閉めて20,000×g(14,000 rpm)で3分間
遠心分離した。QIAamp Spin Columnを新しい2mLのコレクションチューブに移し、ろ液の
入っているコレクションチューブは捨て、20,000×g(14,000 rpm)で1分間遠心分離した
。QIAamp Spin Columnを新しい1.5mLのコレクションチューブに移し、QIAamp Spin Columnの蓋を開けて、100μLのBuffer AEを添加し、室温(15〜25℃)で1分間インキュベートした後、6000×g(8000 rpm)で1分間遠心分離した。こうしてDNAサンプルを得た。
PCRは、一部改変アンプリコア法を適用して行った。すなわち、50μLの上記で取得のDNAサンプルを使用し、これに1 mLのSOL-Sを加え、15秒間ボルテックスし、450μLを別のチューブに移し、750μLのSOL-Sを加え、30秒間ボルテックスし、20分間室温に静置した。
得られた液50μLを処理サンプルとし、これにコバスマスターミックス50μLを添加し、コバス測定にかけた。
【0018】
なお、月経血を吸収体に吸収せしめたものを遠心法で処理した。3,000rpmで30分間遠心処理したが、液状物は認められなかった。
比較として、原法(コバスアンプリコアSTD-クラミジアトラコマチスキットの能書に記載されている「スワブ検体の場合」の処理による)を行った。
まず、アンプリコア法では、上記で吸収体を絞って得られた液体サンプル200μLを出発検体とし、2.5 mLのSOL-Sを加え、15秒間ボルテックスし、20分間室温に静置した。得ら
れた液50μLを処理サンプルとし、これにコバスマスターミックス50μLを添加し、コバス測定にかけた。判定不能という結果となった。
結果を、表1、2、3及び4に示す。表1に示す「CNC」は、CT NG ICの略で、「クラミジア/淋菌/内部コントロール」を指す。
【0019】
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【0020】
本発明に従って、吸収体に月経血を吸収させたものを、検体とすることで、測定の再現性が確保でき、良好な測定結果が得られることが認められた。また、綿棒検体と比較しても優れた結果が得られることが明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明により、自宅で容易に得られる月経血を被検試料として使用して、女性のクラミ
ジア・トラコマチス感染の有無を検出できるので、感染の早期発見並びに対策が可能になる。
本発明は、前述の説明及び実施例に特に記載した以外の性感染症、例えば、HIV、HBV、HCV、HPV、ATL、梅毒、淋病などにも、実行できることは明らかである。上述の教示に鑑
みて、本発明の多くの改変及び変形が可能であり、従ってそれらも本件添付の請求の範囲の範囲内のものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の月経血検体採取用具セットを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
月経血を被検試料として使用したクラミジアDNAをPCRにより増幅して検出する方法であって、月経血をPVAスポンジチップ吸収体に吸収せしめたものを出発検体とし、月経血吸収PVAスポンジチップ吸収体を容器中に入れ、次に滅菌生理食塩水を該容器に添加し、攪拌処理後、スポンジチップ吸収体を絞って液体サンプルを得た後、その得られた液体よりDNA
サンプルを抽出し、次にDNAサンプルをPCRに付し、PCR生成物を核酸ハイブリダイゼーシ
ョンに付してクラミジアDNAの存否を解析することを特徴とするクラミジア検出法。


【図1】
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【公開番号】特開2009−232807(P2009−232807A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−85799(P2008−85799)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(504401709)株式会社ピリオドック (3)
【Fターム(参考)】