有害生物防除剤
【課題】 速効性と持続性に優れた固形剤タイプの有害生物防除剤とする。
【解決手段】 径の大きな固形担体11に有害生物防除成分12を含浸状態で担持した内部固形剤13と、径の小さな固形担体21に有害生物防除成分22を表面部分に付着した状態で担持した外部固形剤23を備え、この複数の外部固形剤23を前記内部固形剤13の表面に付着した有害生物防除剤。
【解決手段】 径の大きな固形担体11に有害生物防除成分12を含浸状態で担持した内部固形剤13と、径の小さな固形担体21に有害生物防除成分22を表面部分に付着した状態で担持した外部固形剤23を備え、この複数の外部固形剤23を前記内部固形剤13の表面に付着した有害生物防除剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、アリ類、シロアリ類、ゴキブリ類、ワラジムシ類、ヤステ類等の匍匐有害生物の駆除に用いる有害生物防除剤に関する。
【背景技術】
【0002】
匍匐有害生物の駆除に用いる有害生物除去剤としては、有害生物除去成分を担持した固形剤が種々知られている。
これらの固形剤は地面等の匍匐有害生物の歩行経路に散布し、その固形剤に匍匐有害生物が接触することで、固形剤が匍匐有害生物の体に付着し、それによって有害生物防除成分が効力を発揮して匍匐有害生物を駆除する。
【0003】
前述の有害生物防除剤は速効性に優れたものと持続性に優れたものがある。
【0004】
特許文献1に、内核を被覆層で被覆することで、効力の持続性を向上した農薬粒剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−86404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したように、有害生物防除成分を担持した固形剤から成る有害生物防除剤は、速効性が良いもの、持続性が良いものがあるが、速効性と持続性の両方を満足したものはない。
また、特許文献1の農薬粒剤は持続性を向上するもので、速効性については何ら考慮されていない。
【0007】
本発明は、前述のことに鑑みなされたものであり、その目的は、速効性と持続性の両方を満足できるようにした固形剤タイプの有害生物防除剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、固形剤タイプの有害生物防除剤の速効性と持続性について鋭意研究・実験した結果、次のことを見出した。
速効性を満足するには地面等に散布した有害生物防除剤に最初に有害生物が接触した時に直ちに効力を発揮すれば良く、持続性を満足するには前述した最初の有害生物が前述の場所から離れた後にも効力を持続すれば良い。
このことから、有害生物が接触すると速効性の固形剤が有害生物の体に直ちに付着し、その後に持続性の固形剤が地面に残るような有害生物防除剤とすれば、速効性と持続性を満足できる。
【0009】
また、固形担体の有害生物防除成分の担持形態によって速効性、持続性が異なることを見出した。
具体的には、有効生物防除成分を固形担体の表面部分に担持させることで速効性に優れ、固形担体の内部に含浸して担持することで持続性に優れる。
【0010】
その理由は、次にように考えられる。
固形担体の表面部分に有害生物防除成分が担持されていれば、有害生物が接触することで直ちに効力を発揮するので速効性に優れる。しかし、その反面有害生物防除成分が表面に付着していることにより、その薬剤が空気・太陽光と接して分解され易い、雨などで表面の薬剤が洗い流される、物理的接触で薬剤が剥がれ易いから、これらによって持続性に劣る。
【0011】
固形担体の内部に含浸させれば、その有害生物防除成分が徐放すると共に、有害生物防除成分の分解、雨などによる洗い流し、物理的接触による剥がれがそれぞれ少なく、持続性が良い。しかし、その反面速効性に劣る。
【0012】
また、固形担体の径によって速効性、持続性が異なることを見出した。
具体的には、径が小さければ速効性に優れ、径が大きければ持続性に優れる。
【0013】
その理由は、次のように考えられる。
径が小さければ有害生物の体に付着し易いので速効性に優れる。しかし、その反面地面に散布したものが早期になくなるので持続性に劣る。
径が大きいと有害生物に付着しづらいので地面に散布したものが長期間存在し持続性が良い。
【0014】
なお、速効性に優れた径の小さな固形剤は、地面等に散布する時に風により舞い散りがあり、散布効率が悪い。
【0015】
また、固形担体に速効性に優れた有害生物防除成分を担持すれば速効性に優れた固形剤となる。
固形担体に持続性に優れた有害生物防除成分を担持すれば持続性に優れた固形剤となる。
【0016】
また、前述の3つのことがらを組み合わせればより一層優れた速効性、持続性を発揮する固形剤とすることができる。
【0017】
本発明は、有害生物防除成分を担持し、持続性に優れた内部固形剤13の表面に、有害生物防除成分を担持し、速効性に優れた複数の外部固形剤23が、有害生物の接触により剥離するように付着していることを特徴とする有害生物防除剤である。
【0018】
本発明によれば、有害生物が接触することで外部固形剤23が内部固形剤13から剥がれて有害生物の体に付着するので速効性を発揮し、持続性に優れた内部固形剤13が残存するので持続性を発揮する。
よって、速効性と持続性に優れた固形剤タイプの有害生物防除剤である。
【0019】
前述の持続性に優れた内部固形剤13は、固形担体11に有害生物防除成分が含浸状態で担持したもの、径が大きいもの、持続性の高い有害生物防除成分を担持したものの1つである。
【0020】
前述の速効性に優れた外部固形剤23は、固形担体21の表面部分に有害生物防除成分が付着しているもの、径の小さいもの、速効性の高い有害生物防除成分を担持しているのの1つである。
【0021】
そして、前述の各内部固形剤13と各外部固形剤23を適宜組み合わせることができる。
【0022】
前記内部固形剤13の径の下限値は400μmで、外部固形剤23の径の上限値は100μmで、好ましくは、内部固形剤13の径の上限値は、対象有害生物の体長よりも小さく、体長の半分よりも大きく、外部固形剤23の径の下限値は、1μmである。
【0023】
前記持続性の高い有害生物防除成分は殺虫剤又は害虫忌避剤で、速効性の高い有害生物防除剤は殺虫剤である。
【0024】
前記内部固形剤13にN,N−ジエチル−m−トルアミド(DET)、エンペントリン、α−ピネンから選ばれた少なくとも1種以上の有害生物防除成分を担持させ、前記外部固形剤23にピレトリン、エトフェンプロックスから選ばれた少なくとも1種以上の有害生物防除成分を担持させることが好ましい。
【0025】
前記有害生物防除成分を含浸状態で担持した内部固形剤13に用いる固形担体ゼオライト、珪藻土、活性炭から選ばれた少なくとも1種以上で構成されることが好ましい。前記有害生物防除成分を表面部分に担持した外部固形剤23に用いる固形担体は珪石、珪砂、タルク、クレー、炭酸カルシウムから選ばれた少なくとも1種以上で構成されることが好ましい。
【0026】
前記内部固形剤13と外部固形剤23は、粘結剤を用いて固結して付着することが好ましい。
【0027】
前記粘着剤が、グリセリン、ポリエチレングリコールから選ばれた少なくとも1種以上であることが好ましい。
【発明の効果】
【0028】
請求項1に係る発明によれば、有害生物が接触することで外部固形剤23が内部固形剤13から剥がれて有害生物の体に付着するので速効性を発揮し、持続性に優れた内部固形剤13が残存するので持続性を発揮する。
よって、速効性と持続性に優れた固形剤タイプの有害生物防除剤である。
【0029】
請求項3に係る発明によれば、外部固形剤23の径が小さくとも、その外部固形剤23が径の大きな内部固形剤13に複数付着しているので、全体の径が大きく、散布する時の舞い散りがない。
よって、効率良く散布でき、無駄がない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す模式的説明図である。
【図2】内部固形剤の径と効力の持続性を示す図表である。
【図3】内部固形剤の径と外部固形剤の速効性の関係を示す図表である。
【図4】外部固形剤の径と速効性の関係を示す図表である。
【図5】アミメアリに対する粘結剤量と付着量の関係を示す図表である。
【図6】オカダンゴムシに対する粘結剤量と付着量の関係を示す図表である。
【図7】チャバネゴキブリに対する粘結剤量と付着量の関係を示す図表である。
【図8】舞い散り試験装置の斜視図である。
【図9】粘結剤量と舞い散り時間の関係を示す図表である。
【図10】強制接触法の説明図である。
【図11】エリア追い出し法の説明図である。
【図12】エリア追い出し法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の実施の形態を図1に基づいて説明する。なお、図1は理解を容易とするために模式的に図示してあり、形態及び径などは図1に示すものに限ることはない。
本発明に係る有害生物防除剤1は内層10と外層20の2層から成る固形剤である。
前記内層10は、固形担体11に有害生物防除成分12を担持した内部固形剤13より成る。この内部固形剤13は持続性に優れている。この実施の形態では径を大きく、しかも有害生物防除成分12を固形担体11に含浸状態で担持して持続性を優れているものとしてある。
【0032】
前記外層20は、固形担体21に有害生物防除成分22を担持した複数の外部固形剤23より成り、その各外部固形剤23が前記内部固形剤13の表面に付着している。
この各外部固形剤23の付着力は、風などの自然な力では剥がれず、有害生物が接触することで剥がれる程度の大きさである。
前記外部固形剤23は速効性に優れている。この実施の形態では径を小さく、有害生物防除成分22が固形担体21の表面部分に付着した状態で担持して速効性が優れた外部固形剤としている。
図1において、外部固形剤23は内部固形剤13表面の一部分にのみ付着しているが、これは理解を容易とするためであって、実際には内部固形剤13の表面全体に付着している。また、外部固形剤23相互に重なり合うように付着していることもある。
【0033】
この有害生物防除剤1は匍匐有害生物の歩行経路に散布して使用される。そして、有害生物が有害生物防除剤1を乗り越える等して接触することで、外部固形剤23が内部固形剤13から剥がれて有害生物の体に付着し、速効性を発揮する。
【0034】
また、径の大きな内部固形剤13の表面に径の小さな外部固形剤23が複数付着しているので、有害生物防除剤1の径は大きく、散布する際の舞い散りがない。
よって、所定の場所に正しく散布できるので、有害生物防除成分を効率良く散布でき無駄がない。
【0035】
前述の持続性に優れた内部固形剤13は前述のものに限ることはなく、有害生物防除成分が含浸状態で担持した第1のもの、径の大きな第2のもの、持続性の高い有害生物防除成分を担持した第3のもののいずれか1つ、又はそれら2つの条件を組み合わせたもの、あるいはそれら3つの条件を組み合わせたものであっても良い。
【0036】
前述の速効性に優れた外部固形剤23は前述のものに限ることはなく、有害生物防除成分が表面部分に付着した状態で担持した第1のもの、径の小さな第2のもの、速効性の高い有害生物防除成分を担持した第3のもののいずれか1つ、又はそれら2つの条件を組み合わせたもの、あるいはそれら3つの条件を組み合わせたものであっても良い。
【0037】
また、内部固形剤13と外部固形剤23の組み合わせは自由であり、有害生物防除成分の担持状態、径、担持する有害生物防除成分をそれぞれ対応したものにする必要はない。
例えば、前述の径の大きな第2の内部固形剤13と、前述の表面部分に付着した状態で有害生物防除成分を担持した第1の外部固形剤23を組み合わせても良い。
【0038】
前記内層10の固形担体11は、多孔質、有害生物防除成分の保持能力が高い、有害生物防除成分の徐放性のある無機又は有機の粒体、又は粉体を練り固めたものが好ましい。
具体例としては、ゼオライト、ベントナイト、珪藻土、活性白土、珪砂、珪石、タルク、蛍石、活性炭、炭酸カルシウム、ナイロンパウダー、セルロースパウダー等の粉体をそのまま、又は練り固めたものである。
【0039】
この固形担体11(内部固定剤13)の径の下限値は400μmで、上限値は対象有害生物の体長に基づいて設定する。
例えば、体長の半分よりも大きく、体長よりも小さい値とする。
【0040】
前記内層10の固形担体11に担持する有害生物防除成分は、後述する使用できる有害生物防除成分から対象とする有害生物に対応して適宜選択することができる。
特に、安全性が高く持続性の高い殺虫剤、又は忌避性の高い害虫忌避剤が望ましい。
【0041】
前記外層20の固形担体21は、有害生物防除成分の保持能力が高く、有害生物防除成分の徐放性のある無機又は有機の粉末が好ましい。
具体例としては、珪砂、珪石、タルク、クレー、ゼオライト、ベントナイト、珪藻土、活性炭、炭酸カルシウム、ナイロンパウダー、セルロースパウダー等の粉体である。
【0042】
この固形担体21(外部固定剤23)の径は、1μm〜100μmの範囲、好ましくは2μm〜50μmの範囲、さらに好ましくは5μm〜20μmの範囲である。
【0043】
前記外層20の固形担体21に担持する有害生物防除成分は、後述する使用できる有害生物防除成分から対象とする有害生物に対応して適宜選択することができる。
特に、速効性と安定性の高い殺虫剤が好ましい。
【0044】
前記内部固形剤13の表面に外部固形剤23を付着するには粘結剤を用いること、粘性の高い有害生物防除成分を用いること、内層10の固形担体11と外層20の固形担体21に適度な電荷を帯びさせること等が利用できる。
前述の粘結剤としては、グリセリン、エチレングリコール等の多価アルコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリブテン、流動パラフィン等の合成高分子、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、リグニンスルホン酸ナトリウム等のリグニン誘導体、アラビアガム、キサンタンガム、トラガンガム、グアガム、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、デキストリン、デンプン類等の多糖類、ゼラチン、コラーゲン等のタンパク質等が利用でき、その中でもグリセリン、ポリエチレングリコールは粘結力が調整可能であるので好ましい。
【0045】
次に、前述した使用できる有害生物防除成分について述べる。
前記内層10及び外層20に用いる有害生物防除成分は、アリ類等の対象害虫に対して有効であるものならば特に限定されないが、ピレスロイド系殺虫剤、有機リン系殺虫剤、カーバメート系殺虫剤、その他の殺虫剤、害虫忌避剤、植物精油などを挙げることができる。具体的な有効成分名は下記の通りである。
【0046】
このうち、特に内層10に用いる有害生物防除成分としては、レスメトリン(クリスロン、クリスロンフォルテ)、ペルメトリン、フェノトリン、フェンバレレート、シフェノトリン、エンペントリン、トラロメスリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、ダイアジノン、フェニトロチオン、ピリダフェンチオン、マラチオン、トリクロルホン、クロルピリホス、フェンチオン、プロペタンホス、テメホス、プロチオホス、ホキシム、シアホス、イソプロカルブ、フェノカルブ、プロポキスル、XMC、ベンダイオカルブ、エチオフェンカルブ、ピリミカーブ、イミダクロプリド、アセタミプリド、ニテンピラム、フィプロニル、ヒドラメチルノン、ホウ酸、ジノテフラン等の持続性の高い殺虫剤、DET、テルペン類等の忌避性の高い害虫忌避剤が特に有効である。
外層20に用いる有害生物防除成分としては、アレスリン(ピナミン、ピナミンフォルテ、エスビオスリン、バイオアレスリン、エスビオール)、フタルスリン(ネオピナミン、ネオピナミンフォルテ)、フラメトリン(ピナミンD、ピナミンDフォルテ)、テラレスリン、イミプロトリン、エトフェンプロックス、ピレトリン、除虫菊粉末、アザメチホス、インドキサカルブ等の速効性の高い殺虫剤が特に有効である。
また、プラレトリン(エトック、98エトック)、シペルメトリン、クロルピリホスメチル、カルバリル、カルボスルファン、メトキサジアゾンなどのように持続性、速効性ともに優れた有害生物防除成分の場合、内層10、外層20ともに同一の成分を用いても有効である。
つまり、前述のような有害生物防除成分を用いることで、速効性と持続性がより一層すぐれた有害生物防除剤が得られる。
なお、必ずしも内層10と外層20に用いる有効成分が、上記のようにどちらかに分類されるのではなく、上述の成分はいずれも内層10、外層20ともに使用可能である。
【0047】
(ピレスロイド系殺虫剤)
アレスリン(商品名(以下同じ):ピナミン)、dl・d−T80−アレスリン(ピナミンフォルテ)、dl・d−T−アレスリン(エスビオスリン),dl・d−T−アレスリン(バイオアレスリン)、d・d−T−アレスリン(エスビオール)、d・d−T80−プラレトリン(エトック)、d・d−T98−プラレトリン(98エトック),フタルスリン(ネオピナミン)、d−T80−フタルスリン(ネオピナミンフォルテ)、レスメトリン(クリスロン)、d−T80−レスメトリン(クリスロンフォルテ)、フラメトリン(ピナミンD)、d−T80−フラメトリン(ピナミンDフォルテ)ペルメトリン(エクスミン)、フェノトリン(スミスリン)、フェンバレレート(スミサイジン)、シペルメトリン(アグロスリン)、シフェノトリン(ゴキラート)、エンペントリン(ベーパースリン)、テラレスリン(ノックスリン)、イミプロトリン(プラール)、エトフェンプロックス(トレボン)、トラロメスリン(スカウト),トランスフルトリン(バイオスリン)、メトフルトリン(エミネンス)、ピレトリン(除虫菊エキスペール)、除虫菊粉末等。
【0048】
(有機リン系殺虫剤)
ダイアジノン(ダイアジノン)、フェニトロチオン(スミチオン)、ピリダフェンチオン(オフナック)、マラチオン(マラソン)、トリクロルホン(ディプテレックス)、クロルピリホス(ダースバン)、フェンチオン(バイテックス)、ジクロルボス(DDVP)、プロペタンホス(サフロチン)、テメホス(アベイト)、プロチオホス(トヨチオン)、ホキシム、アザメチホス(アルファクロン)、シアホス(ザイノック)、クロルピリホスメチル(ザーテル)等。
【0049】
(カーバメート系殺虫剤)
カルバリル(ナック)、イソプロカルブ(ミプシン)、フェノブカルブ(バッサ)、プロポキスル(サンサイド)、XMC(マクバール)ベンダイオカルブ(タト)、エチオフェンカルブ(アリルメート)、ピリミカーブ(ピリマー)、カルボスルファン(アドバンテージ)等。
【0050】
(オキサジアゾール系殺虫剤)
メトキサジアゾン(エレミック)等。
【0051】
(クロロニコチニル系殺虫剤)
イミダクロプリド(アドマイヤー)、アセタミプリド(モスピラン)、ニテンピラム(ベストガード)等。
【0052】
(オキサダイアジン系殺虫剤)
インドキサカルブ(トルネード)等。
【0053】
(フェニルピラゾール系殺虫剤)
フィプロニル(プリンス)等。
【0054】
(アミジノヒドラゾン系殺虫剤)
ヒドラメチルノン等。
【0055】
(その他の殺虫剤)
ホウ酸、シラフルオフェン(シロネン)、ジノテフラン(スタークル)等。
【0056】
(害虫忌避剤)
N,N−ジエチル−m−トルアミド(DET)、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジ−n−プロピルイソシンコメロネート、p−ジクロロベンゼン、ジ−n−ブチルサクシネート、カラン−3,4−ジオール、1−メチルプロピル2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボキシラート、カプリン酸ジエチルアミド、N−プロピルアセトアニリド、β−ナフトール、カンファー等。
【0057】
(植物精油)
アニス油、オレンジ油、カッシア油、グレープフルーツ油、シソ油、クローブ油、シトロネラ油、シナモン油、ハッカ油、ヒバ油、ヒノキ油、ペパーミント油、ユーカリ油、レモングラス油、ゼラニウム油、フェンネル油、ペニーロイヤル油、タイムホワイト油、ピメント油、ベルガモット油、ラベンダー油、シダーウッド油、等。
【0058】
(植物精油中の有効成分)
α−ピネン、テルピネン、シメン、サビネン、エレメン、セドレン、エレモール、ビドロール、セドロール、ヒノキチオール、ツヤプリシン、トロポロイド、ヒノキチン、ツヨプセン、ボルネオール、カンフェン、テレピネオール、テレピニルエステル、ジペンテン、ファランドレン、カリオレフィン、バニリン、フルフラール、フルフリルアルコール、ピノカルベノール、ピノカルボン、ミルテノール、ベルベノン、カルボン、オイデスモール、ピレリトン、ツエン、ファンキルアルコール、メチルアンスラニレート、ビザボレン、ベルガプトール、ノニルアルデヒド、ノニルアルコール、ヌートカトン、オクチルアルデヒド、酢酸リナリル、酢酸ゲラニル、ネロリドール、オシメン、アンスラニル酸メチル、インドール、ジャスモン、ベンツアルデヒド、p−メンタン−3,8−ジオール、プレゴン、シトラール、シトロネラール、オイゲノーデヒド、ネピタリック酸、メチルヘプテノン、デシルアルデヒド、ミルセン、酢酸ゲラニオール、チモール、リモネン、シネオール等。
【0059】
また、その使用目的に応じて、酸化防止剤、共力剤、防菌防黴剤等、適宜添加できる。
(酸化防止剤)
(フェノール系酸化防止剤)
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等。
(ビスフェノール系酸化防止剤)
2,2′−メチレン(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−−メチレン(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデン(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等。
(高分子系フェノール系酸化防止剤)
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェノール)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドキシフェニル)プロピオネート〕メタン、トコフェロール等。
(硫黄系酸化防止剤)
ジラウリル3,3′−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3′−チオジプロピオネート等。
(リン系酸化防止剤)
トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニフェニル)ホスファイト等。
(その他)
エルソルベビン酸、クエン酸イソプロピル、ノルジヒドログアヤレチック酸、プロピルガレート等。
【0060】
(共力剤)
ブチルカービトル、6−(プロピルピペロニル)−ブチルカルビチルエーテル(ピペロニルブトキサイド)、オクタクロロジプロピルエーテル(S−421)、イソボルニルチオシアナアセテート(IBTA)、N−オクチルビシクロヘプテンカルボキシイミド(サイネピリン222)、N−(2−エチルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ(2,2,2)オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(サイネピリン500)、N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ(2,2,1)−ヘプタ−5−エン−2,3ジカルボキシイミド(MGK264)。
【0061】
(防菌防黴剤)
エチルアルコール、イソプロピルアルコール、フェノール、ブロムシンナムアルデヒド、チモール、o−フェニルフェノール、ヒノキチオール、ワサオーロ、ナフタレン等。
【0062】
さらに、製造時に有害生物防除成分等の固形担体への分散性を良くするために、適当な溶剤を適宜適量加えることもできる。
(溶剤)
n−パラフィン、isoパラフィン、流動パラフィン、白灯油、石油ナフサ、ナフテン(環状炭化水素)等。
【0063】
(駆除対象となる有害生物について)
前述の有害生物防除剤の主な駆除対象は屋外の匍匐有害生物であるが、有害生物防除成分、固形担体、粘結剤の種類・量、径などを調整することによって、屋内の匍匐有害生物も十分駆除対象となり得る。
【0064】
具体的には、対象となる有害生物は、主に庭、バルコニー、家屋の周辺、樹木の周囲などの屋外に生息、あるいはそこから家屋内に侵入する、アミメアリ、ルリアリ、トビイロシワアリ、トビイロケアリ、アメイロケアリ、キイロケアリ、アメイロアリ、トビイロシロアゲアリ、オオハリアリ、クロヤマアリ、クロオオアリ、クロクサアリなどのアリ類、ワラジムシ、オカダンゴムシなどのワラジムシ類、ヤケヤスデ、アカヤスデなどのヤスデ類、ゲジなどのゲジ類、トビズムカデ、アオズムカエデなどのムカデ類、ヤマトシロアリ、イエシロアリ、ダイコクシロアリ、アメリカカンザイシロアリなどのシロアリ類、ナメクジ、ヤマナメクジ、キイロコウラナメクジ、チャコウラナメクジ、ノナメクジ、ノハラナメクジンドのナメクジ類、アオイラガ、チャドクガなどのイラガ類やドクガ類の幼虫などであるが、固形担体、粘結剤の種類・量、径などを適宜調整することにより、チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ヤマトゴキブリ、ワモンゴキブリなどのゴキブリ類、イエヒメアリ、ヒメアリなどのアリ類、イエダミ、トリサシダニ、クワガタツメダニ、ミナミツメダニ、ケナガコナダニ、コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニなどのダニ類、ヒトノミ、ネコノミなどのノミ類、コロモジラミ、アタマジラミなどのシラミ類などの家屋内に生息する有害生物を対象とすることもできる。
【0065】
なお、前述した有害生物は匍匐生物であるが、ハエ、カ、ハチなどの飛翔有害生物を対象とすることも可能である。
【0066】
次に、内層10の固形担体11、外層20の固形担体21の径について述べる。
前記内層10の固形担体11(内部固形剤13)の径は、主に効力の持続性と外層20の固形担体21の有害生物への付着させ易さで決定される。
効力の持続性は、主に雨や風に当たってもある程度の形、大きさを維持する耐候性と、ある程度必要量の有害生物防除成分を担持させる担持能によって決まる。
後述する内層10の固形担体11(内部固形剤13)の径と効力の持続性の関係の実験結果から、内層10の固形担体11(内部固形剤13)の径の下限値は400μm程度が適当である。
【0067】
内層10の固形担体11(内部固形剤13)の径はあまり大きすぎると有害生物が外層20の固形担体21に接触する機会が損なわれるので、外層20の固形担体21(外部固形剤23)を有害生物の体に付着させる適度な大きさが必要である。したがって、内層10の固形担体11の上限値は有害生物の大きさに応じて決定する。
後述する内層10の固形担体11(内部固形剤13)の径と外層20の固形担体21(外部固形剤23)の剥がれ易さの実験結果から、アミメアリでは2000μm前後を境に、チャバネゴキブリでは8000μm前後を境にして、緩やかに効力が衰える傾向にあり、内層10の固形担体11の径がこれらの径以上になると外層20の固形担体21が有害生物に付着しにくくなることが推察される。
したがって、これらの数値が上限値として適当だと考えられる。
【0068】
前述した対象となる主な有害生物の体長は下記表1に示すとおりであり、前述のアミメアリ、チャバネゴキブリの実験結果から、内層10の固形担体11の径の上限値は、体長の半分よりも大きく、体長よりも小さい範囲とすることが好ましい。
【0069】
【表1】
【0070】
前記外層20の固形担体21(外部固形剤23)の径は主に速効性で決定される。
すなわち、外層20の固形担体21の径は小さいほど高い速効性を発揮し、大きくなるほど速効性が低下する。
後述する外層の固形担体の径と速効性の実験結果から、アミメアリ、チャバネゴキブリともに、100μm前後以上を境に一段と速効性が衰える傾向にあった。
この結果から、外層の固形担体の径の上限値は100μm程度が適当であると判断した。
【0071】
一方、外層20の固形担体21の径の下限値は、固形担体21の径を均一に調整すること、有害生物防除成分の担持量や虫体への付着量などから1μmが好ましく、より好ましくは2μmが適当である。
【0072】
次に、前述の内部固形剤13、外部固形剤23の径についての試験について説明する。
(1)粉体の調整
径の異なる粉体を調整するために、以下の操作を行った。
下記表2の供試材料を準備した。
【0073】
【表2】
【0074】
A〜Eの粉体を適量粉砕機にかけたものと、粉砕していないものを混ぜ、JIS標準ふるい(12700μm〜44μm)にかけて粒度別に分級し、以下の表3に示す平均径の粉体を得た。
【0075】
【表3】
【0076】
前述の径の粉体にアミメアリに有効な有害生物防除成分を担持して内部固形剤とし、内部固形剤の径が、効力の持続性に及ぼす影響について試験した。
(試験方法)エリア追い出し法
(供試虫)アミメアリ
【0077】
実験結果は下記表4及び図2の図表に示すとおりであった。
【0078】
【表4】
【0079】
前述の結果から、径が400μm以上で効力の持続性が優れる傾向にあることが判明した。
【0080】
前述の各内部固形剤に17μmの固形担体を付着し、内部固形剤の径が、有害生物の接触による外層の固形担体の剥がれ易さに及ぼす影響について試験した。
(試験方法)強制接触法
(供試虫)アミメアリ、チャバネゴキブリ
【0081】
実験結果は下記表5及び図3の図表に示すとおりであった。
【0082】
【表5】
【0083】
このことから、内部固形剤13の径の上限値は、アミメアリの場合が2000μm、チャバネゴキブリの場合が8000μmであることが判明した。
【0084】
前述の粉体にアミメアリ、チャバネゴキブリに有効な有害生物防除成分を担持して外部固形剤23とし、その外部固形剤23の径が、速効性に及ぼす影響について試験した。
(試験方法)強制接触法
(供試虫)アミメアリ、チャバネゴキブリ
【0085】
実験結果は下記表6と図4の図表に示すとおりであった。
【0086】
【表6】
【0087】
前述の試験結果から、アミメアリ、チャバネゴキブリとも100μm以上で速効性が衰える傾向にあった。
【0088】
次に、前述の内部固形剤13の表面に外部固形剤23を付着する粘結剤の量と、外部固形剤23の虫体への付着し易さ、つまり剥がれ易さの関係について試験した。
粘結剤としては、グリセリンとポリエチレングリコール(PEG200)を使用し、下記表7の1〜9に示す成分の内部固形剤と外部固形剤を付着して有害生物防除剤とした。
前述の表7におけるゼオライトは800μmで、珪石は17μmである。
【0089】
【表7】
【0090】
試験方法は次のようである。
前述の有害生物防除剤が付着していない供試虫の重量を測定する。
ポリカップ内に前述の有害生物防除剤と供試虫を入れ、そのポリカップを10秒間振ることで有害生物防除剤と供試虫を強制接触する。
このポリカップを開け、供試虫を歩かせて別のカップに入れる。
そして、カップ内に入った供試虫の重量を測定し、付着前の重量との差を付着量とし、その付着量を供試虫の重量(付着前の重量)で除して、供試虫1gあたりの付着量を計算した。
【0091】
供試虫は、アミメアリ、オカダンゴムシ、チャバネゴキブリの3種類である。
【0092】
アミメアリの試験結果は下記の表8及び図5に示す図表のとおりであった。
【0093】
【表8】
【0094】
オカダンゴムシの試験結果は下記の表9及び図6に示す図表のとおりであった。
【0095】
【表9】
【0096】
チャバネゴキブリの試験結果は下記の表10及び図7に示す図表のとおりであった。
【0097】
【表10】
【0098】
この試験結果から、供試虫の種類によって若干異なるが、粘結剤(グリセリン、PEG200)の量が多くなるほど付着量が減少することが判明した。
【0099】
次に、前述の粘結剤の量と有害生物防除剤の舞い散りの関係について試験した。
粘結剤としては、前述と同様にグリセリンとPEG200を使用し、下記表11の1〜9に示す成分の外部固形剤23を内部固形剤13に付着して有害生物防除剤とした。
前述の表11におけるゼオライトは800μmで、珪石は17μmである。
【0100】
【表11】
【0101】
試験方法は、図8に示す試験装置を用いて、評価を行った。
具体的には、図8に示すように、内径22cm(高さ33cm)の円筒形ガラスシリンダー30の上に、中央に直径9cmの穴31のある直径30cmのガラスプレート32を載せ、その穴31から供試剤50gを静かに投入し、目視により舞い散りのなくなるまでの時間を測定した。3反復行い、平均値を求めた。
【0102】
試験結果は下記表12及び図9の図表に示すとおりであった。
【0103】
【表12】
【0104】
次に、前述の溶剤としてのn−パラフィン(灯油)を添加することによる効力アップの試験をした。
下記の表13に示すように、外部固形剤にのみn−パラフィンを添加した供試品1と、外部固形剤と内部固形剤の両方にn−パラフィンを添加した供試品2、供試品3を用い、アミメアリ職蟻成虫15匹に対する効力試験を強制接触法で反復2回行なった。
【0105】
【表13】
【0106】
この結果は、KT50(分、秒)が供試品1が1.33、供試品2が0.51、供試品3が0.43であった。
このことから、n−パラフィンを外部固形剤と内部固形剤にそれぞれ添加することで、効力がアップすることが判明した。
【0107】
次に、前述の効力試験の方法を説明する。
(強制接触法)
図10(a)に示すように、内径9cm(高さ4.5cm)のポリカップ(プラスチック製の透明容器)40内に、各供試剤41(各実施例)0.5gを入れ、その中に供試虫42を10匹入れた。図10(b)に示すように蓋43をして、ポリカップを前後左右に数度振動させ、各供試剤41を供試虫42の虫体全体に均一に付着させた後、10秒間静置した。
その後、速やかに図10(c)に示すように供試虫42をポリカップ40から篩(14メッシュ)44上に移し、余分な粉体(供試剤)41をふるい落とし、図10(d)に示すようにガラス製深底シャーレ(内径8cm、高さ6cm)45に供試虫42を移した。
【0108】
前述のガラス製深底シャーレ45を見ることで経時的にノックダウン虫数をカウントし、BlissのProbit法を用いてKT50値を求めた。
試験は3反復行い平均値を求めた。
【0109】
(エリア追い出し法)
図11(a)に示すように、直径11cmのろ紙(東洋ろ紙5A)60の左半面に、各供試剤61を1.0g篩を使って均一に散布し処理区60aとし、供試剤61を処理しない右半面を無処理区60bとした。
図11(b)に示すように、その上にナイロン製ネット(14メッシュ)(12cm×12cm)62を置き、さらにその上に内壁面に薄くワセリンを塗りつけた内径8cm(高さ6cm)のガラス製深型リング63を置き、これを処理群とした。
【0110】
図示は省略するが、前述の処理群とは別に、エアコンの風などの微気象による供試虫の偏りを考慮して、ろ紙の左右両面とも供試剤を処理せずに、ナイロン製ネットとガラス製深型リングを置いた無処理群を設け、両群を実験台上に左右に並べた。
両群のガラス製深型リング内に図11(c)に示すように供試虫64を各50匹静かに投入し、直後から経時的に図12(a),(b)に示すように、各群のろ紙60における左半面(処理区)60a及び右半面(無処理区)60b上に留まる虫数をカウントし、下記の数1に示す数式により忌避率を求めた。
【0111】
【数1】
【0112】
各実施例、比較例に関して、以下の2種類のサンプルを供試した。
(a)調合直後
調合直後のサンプル
(b)屋外1ヶ月
調合した後、屋外の雨除けのある場所に1ヶ月間放置後に回収したサンプル。
【0113】
この試験も供試虫63と供試剤61の間にナイロン製ネットを挟んでいるので、より実地に近い想定の試験である。
【符号の説明】
【0114】
10…内層、11…固形担体、12…有害生物防除成分、13…内部固形剤、20…外層、21…固形担体、22…有害生物防除成分、23…外部固形剤。
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、アリ類、シロアリ類、ゴキブリ類、ワラジムシ類、ヤステ類等の匍匐有害生物の駆除に用いる有害生物防除剤に関する。
【背景技術】
【0002】
匍匐有害生物の駆除に用いる有害生物除去剤としては、有害生物除去成分を担持した固形剤が種々知られている。
これらの固形剤は地面等の匍匐有害生物の歩行経路に散布し、その固形剤に匍匐有害生物が接触することで、固形剤が匍匐有害生物の体に付着し、それによって有害生物防除成分が効力を発揮して匍匐有害生物を駆除する。
【0003】
前述の有害生物防除剤は速効性に優れたものと持続性に優れたものがある。
【0004】
特許文献1に、内核を被覆層で被覆することで、効力の持続性を向上した農薬粒剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−86404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したように、有害生物防除成分を担持した固形剤から成る有害生物防除剤は、速効性が良いもの、持続性が良いものがあるが、速効性と持続性の両方を満足したものはない。
また、特許文献1の農薬粒剤は持続性を向上するもので、速効性については何ら考慮されていない。
【0007】
本発明は、前述のことに鑑みなされたものであり、その目的は、速効性と持続性の両方を満足できるようにした固形剤タイプの有害生物防除剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、固形剤タイプの有害生物防除剤の速効性と持続性について鋭意研究・実験した結果、次のことを見出した。
速効性を満足するには地面等に散布した有害生物防除剤に最初に有害生物が接触した時に直ちに効力を発揮すれば良く、持続性を満足するには前述した最初の有害生物が前述の場所から離れた後にも効力を持続すれば良い。
このことから、有害生物が接触すると速効性の固形剤が有害生物の体に直ちに付着し、その後に持続性の固形剤が地面に残るような有害生物防除剤とすれば、速効性と持続性を満足できる。
【0009】
また、固形担体の有害生物防除成分の担持形態によって速効性、持続性が異なることを見出した。
具体的には、有効生物防除成分を固形担体の表面部分に担持させることで速効性に優れ、固形担体の内部に含浸して担持することで持続性に優れる。
【0010】
その理由は、次にように考えられる。
固形担体の表面部分に有害生物防除成分が担持されていれば、有害生物が接触することで直ちに効力を発揮するので速効性に優れる。しかし、その反面有害生物防除成分が表面に付着していることにより、その薬剤が空気・太陽光と接して分解され易い、雨などで表面の薬剤が洗い流される、物理的接触で薬剤が剥がれ易いから、これらによって持続性に劣る。
【0011】
固形担体の内部に含浸させれば、その有害生物防除成分が徐放すると共に、有害生物防除成分の分解、雨などによる洗い流し、物理的接触による剥がれがそれぞれ少なく、持続性が良い。しかし、その反面速効性に劣る。
【0012】
また、固形担体の径によって速効性、持続性が異なることを見出した。
具体的には、径が小さければ速効性に優れ、径が大きければ持続性に優れる。
【0013】
その理由は、次のように考えられる。
径が小さければ有害生物の体に付着し易いので速効性に優れる。しかし、その反面地面に散布したものが早期になくなるので持続性に劣る。
径が大きいと有害生物に付着しづらいので地面に散布したものが長期間存在し持続性が良い。
【0014】
なお、速効性に優れた径の小さな固形剤は、地面等に散布する時に風により舞い散りがあり、散布効率が悪い。
【0015】
また、固形担体に速効性に優れた有害生物防除成分を担持すれば速効性に優れた固形剤となる。
固形担体に持続性に優れた有害生物防除成分を担持すれば持続性に優れた固形剤となる。
【0016】
また、前述の3つのことがらを組み合わせればより一層優れた速効性、持続性を発揮する固形剤とすることができる。
【0017】
本発明は、有害生物防除成分を担持し、持続性に優れた内部固形剤13の表面に、有害生物防除成分を担持し、速効性に優れた複数の外部固形剤23が、有害生物の接触により剥離するように付着していることを特徴とする有害生物防除剤である。
【0018】
本発明によれば、有害生物が接触することで外部固形剤23が内部固形剤13から剥がれて有害生物の体に付着するので速効性を発揮し、持続性に優れた内部固形剤13が残存するので持続性を発揮する。
よって、速効性と持続性に優れた固形剤タイプの有害生物防除剤である。
【0019】
前述の持続性に優れた内部固形剤13は、固形担体11に有害生物防除成分が含浸状態で担持したもの、径が大きいもの、持続性の高い有害生物防除成分を担持したものの1つである。
【0020】
前述の速効性に優れた外部固形剤23は、固形担体21の表面部分に有害生物防除成分が付着しているもの、径の小さいもの、速効性の高い有害生物防除成分を担持しているのの1つである。
【0021】
そして、前述の各内部固形剤13と各外部固形剤23を適宜組み合わせることができる。
【0022】
前記内部固形剤13の径の下限値は400μmで、外部固形剤23の径の上限値は100μmで、好ましくは、内部固形剤13の径の上限値は、対象有害生物の体長よりも小さく、体長の半分よりも大きく、外部固形剤23の径の下限値は、1μmである。
【0023】
前記持続性の高い有害生物防除成分は殺虫剤又は害虫忌避剤で、速効性の高い有害生物防除剤は殺虫剤である。
【0024】
前記内部固形剤13にN,N−ジエチル−m−トルアミド(DET)、エンペントリン、α−ピネンから選ばれた少なくとも1種以上の有害生物防除成分を担持させ、前記外部固形剤23にピレトリン、エトフェンプロックスから選ばれた少なくとも1種以上の有害生物防除成分を担持させることが好ましい。
【0025】
前記有害生物防除成分を含浸状態で担持した内部固形剤13に用いる固形担体ゼオライト、珪藻土、活性炭から選ばれた少なくとも1種以上で構成されることが好ましい。前記有害生物防除成分を表面部分に担持した外部固形剤23に用いる固形担体は珪石、珪砂、タルク、クレー、炭酸カルシウムから選ばれた少なくとも1種以上で構成されることが好ましい。
【0026】
前記内部固形剤13と外部固形剤23は、粘結剤を用いて固結して付着することが好ましい。
【0027】
前記粘着剤が、グリセリン、ポリエチレングリコールから選ばれた少なくとも1種以上であることが好ましい。
【発明の効果】
【0028】
請求項1に係る発明によれば、有害生物が接触することで外部固形剤23が内部固形剤13から剥がれて有害生物の体に付着するので速効性を発揮し、持続性に優れた内部固形剤13が残存するので持続性を発揮する。
よって、速効性と持続性に優れた固形剤タイプの有害生物防除剤である。
【0029】
請求項3に係る発明によれば、外部固形剤23の径が小さくとも、その外部固形剤23が径の大きな内部固形剤13に複数付着しているので、全体の径が大きく、散布する時の舞い散りがない。
よって、効率良く散布でき、無駄がない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す模式的説明図である。
【図2】内部固形剤の径と効力の持続性を示す図表である。
【図3】内部固形剤の径と外部固形剤の速効性の関係を示す図表である。
【図4】外部固形剤の径と速効性の関係を示す図表である。
【図5】アミメアリに対する粘結剤量と付着量の関係を示す図表である。
【図6】オカダンゴムシに対する粘結剤量と付着量の関係を示す図表である。
【図7】チャバネゴキブリに対する粘結剤量と付着量の関係を示す図表である。
【図8】舞い散り試験装置の斜視図である。
【図9】粘結剤量と舞い散り時間の関係を示す図表である。
【図10】強制接触法の説明図である。
【図11】エリア追い出し法の説明図である。
【図12】エリア追い出し法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の実施の形態を図1に基づいて説明する。なお、図1は理解を容易とするために模式的に図示してあり、形態及び径などは図1に示すものに限ることはない。
本発明に係る有害生物防除剤1は内層10と外層20の2層から成る固形剤である。
前記内層10は、固形担体11に有害生物防除成分12を担持した内部固形剤13より成る。この内部固形剤13は持続性に優れている。この実施の形態では径を大きく、しかも有害生物防除成分12を固形担体11に含浸状態で担持して持続性を優れているものとしてある。
【0032】
前記外層20は、固形担体21に有害生物防除成分22を担持した複数の外部固形剤23より成り、その各外部固形剤23が前記内部固形剤13の表面に付着している。
この各外部固形剤23の付着力は、風などの自然な力では剥がれず、有害生物が接触することで剥がれる程度の大きさである。
前記外部固形剤23は速効性に優れている。この実施の形態では径を小さく、有害生物防除成分22が固形担体21の表面部分に付着した状態で担持して速効性が優れた外部固形剤としている。
図1において、外部固形剤23は内部固形剤13表面の一部分にのみ付着しているが、これは理解を容易とするためであって、実際には内部固形剤13の表面全体に付着している。また、外部固形剤23相互に重なり合うように付着していることもある。
【0033】
この有害生物防除剤1は匍匐有害生物の歩行経路に散布して使用される。そして、有害生物が有害生物防除剤1を乗り越える等して接触することで、外部固形剤23が内部固形剤13から剥がれて有害生物の体に付着し、速効性を発揮する。
【0034】
また、径の大きな内部固形剤13の表面に径の小さな外部固形剤23が複数付着しているので、有害生物防除剤1の径は大きく、散布する際の舞い散りがない。
よって、所定の場所に正しく散布できるので、有害生物防除成分を効率良く散布でき無駄がない。
【0035】
前述の持続性に優れた内部固形剤13は前述のものに限ることはなく、有害生物防除成分が含浸状態で担持した第1のもの、径の大きな第2のもの、持続性の高い有害生物防除成分を担持した第3のもののいずれか1つ、又はそれら2つの条件を組み合わせたもの、あるいはそれら3つの条件を組み合わせたものであっても良い。
【0036】
前述の速効性に優れた外部固形剤23は前述のものに限ることはなく、有害生物防除成分が表面部分に付着した状態で担持した第1のもの、径の小さな第2のもの、速効性の高い有害生物防除成分を担持した第3のもののいずれか1つ、又はそれら2つの条件を組み合わせたもの、あるいはそれら3つの条件を組み合わせたものであっても良い。
【0037】
また、内部固形剤13と外部固形剤23の組み合わせは自由であり、有害生物防除成分の担持状態、径、担持する有害生物防除成分をそれぞれ対応したものにする必要はない。
例えば、前述の径の大きな第2の内部固形剤13と、前述の表面部分に付着した状態で有害生物防除成分を担持した第1の外部固形剤23を組み合わせても良い。
【0038】
前記内層10の固形担体11は、多孔質、有害生物防除成分の保持能力が高い、有害生物防除成分の徐放性のある無機又は有機の粒体、又は粉体を練り固めたものが好ましい。
具体例としては、ゼオライト、ベントナイト、珪藻土、活性白土、珪砂、珪石、タルク、蛍石、活性炭、炭酸カルシウム、ナイロンパウダー、セルロースパウダー等の粉体をそのまま、又は練り固めたものである。
【0039】
この固形担体11(内部固定剤13)の径の下限値は400μmで、上限値は対象有害生物の体長に基づいて設定する。
例えば、体長の半分よりも大きく、体長よりも小さい値とする。
【0040】
前記内層10の固形担体11に担持する有害生物防除成分は、後述する使用できる有害生物防除成分から対象とする有害生物に対応して適宜選択することができる。
特に、安全性が高く持続性の高い殺虫剤、又は忌避性の高い害虫忌避剤が望ましい。
【0041】
前記外層20の固形担体21は、有害生物防除成分の保持能力が高く、有害生物防除成分の徐放性のある無機又は有機の粉末が好ましい。
具体例としては、珪砂、珪石、タルク、クレー、ゼオライト、ベントナイト、珪藻土、活性炭、炭酸カルシウム、ナイロンパウダー、セルロースパウダー等の粉体である。
【0042】
この固形担体21(外部固定剤23)の径は、1μm〜100μmの範囲、好ましくは2μm〜50μmの範囲、さらに好ましくは5μm〜20μmの範囲である。
【0043】
前記外層20の固形担体21に担持する有害生物防除成分は、後述する使用できる有害生物防除成分から対象とする有害生物に対応して適宜選択することができる。
特に、速効性と安定性の高い殺虫剤が好ましい。
【0044】
前記内部固形剤13の表面に外部固形剤23を付着するには粘結剤を用いること、粘性の高い有害生物防除成分を用いること、内層10の固形担体11と外層20の固形担体21に適度な電荷を帯びさせること等が利用できる。
前述の粘結剤としては、グリセリン、エチレングリコール等の多価アルコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリブテン、流動パラフィン等の合成高分子、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、リグニンスルホン酸ナトリウム等のリグニン誘導体、アラビアガム、キサンタンガム、トラガンガム、グアガム、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、デキストリン、デンプン類等の多糖類、ゼラチン、コラーゲン等のタンパク質等が利用でき、その中でもグリセリン、ポリエチレングリコールは粘結力が調整可能であるので好ましい。
【0045】
次に、前述した使用できる有害生物防除成分について述べる。
前記内層10及び外層20に用いる有害生物防除成分は、アリ類等の対象害虫に対して有効であるものならば特に限定されないが、ピレスロイド系殺虫剤、有機リン系殺虫剤、カーバメート系殺虫剤、その他の殺虫剤、害虫忌避剤、植物精油などを挙げることができる。具体的な有効成分名は下記の通りである。
【0046】
このうち、特に内層10に用いる有害生物防除成分としては、レスメトリン(クリスロン、クリスロンフォルテ)、ペルメトリン、フェノトリン、フェンバレレート、シフェノトリン、エンペントリン、トラロメスリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、ダイアジノン、フェニトロチオン、ピリダフェンチオン、マラチオン、トリクロルホン、クロルピリホス、フェンチオン、プロペタンホス、テメホス、プロチオホス、ホキシム、シアホス、イソプロカルブ、フェノカルブ、プロポキスル、XMC、ベンダイオカルブ、エチオフェンカルブ、ピリミカーブ、イミダクロプリド、アセタミプリド、ニテンピラム、フィプロニル、ヒドラメチルノン、ホウ酸、ジノテフラン等の持続性の高い殺虫剤、DET、テルペン類等の忌避性の高い害虫忌避剤が特に有効である。
外層20に用いる有害生物防除成分としては、アレスリン(ピナミン、ピナミンフォルテ、エスビオスリン、バイオアレスリン、エスビオール)、フタルスリン(ネオピナミン、ネオピナミンフォルテ)、フラメトリン(ピナミンD、ピナミンDフォルテ)、テラレスリン、イミプロトリン、エトフェンプロックス、ピレトリン、除虫菊粉末、アザメチホス、インドキサカルブ等の速効性の高い殺虫剤が特に有効である。
また、プラレトリン(エトック、98エトック)、シペルメトリン、クロルピリホスメチル、カルバリル、カルボスルファン、メトキサジアゾンなどのように持続性、速効性ともに優れた有害生物防除成分の場合、内層10、外層20ともに同一の成分を用いても有効である。
つまり、前述のような有害生物防除成分を用いることで、速効性と持続性がより一層すぐれた有害生物防除剤が得られる。
なお、必ずしも内層10と外層20に用いる有効成分が、上記のようにどちらかに分類されるのではなく、上述の成分はいずれも内層10、外層20ともに使用可能である。
【0047】
(ピレスロイド系殺虫剤)
アレスリン(商品名(以下同じ):ピナミン)、dl・d−T80−アレスリン(ピナミンフォルテ)、dl・d−T−アレスリン(エスビオスリン),dl・d−T−アレスリン(バイオアレスリン)、d・d−T−アレスリン(エスビオール)、d・d−T80−プラレトリン(エトック)、d・d−T98−プラレトリン(98エトック),フタルスリン(ネオピナミン)、d−T80−フタルスリン(ネオピナミンフォルテ)、レスメトリン(クリスロン)、d−T80−レスメトリン(クリスロンフォルテ)、フラメトリン(ピナミンD)、d−T80−フラメトリン(ピナミンDフォルテ)ペルメトリン(エクスミン)、フェノトリン(スミスリン)、フェンバレレート(スミサイジン)、シペルメトリン(アグロスリン)、シフェノトリン(ゴキラート)、エンペントリン(ベーパースリン)、テラレスリン(ノックスリン)、イミプロトリン(プラール)、エトフェンプロックス(トレボン)、トラロメスリン(スカウト),トランスフルトリン(バイオスリン)、メトフルトリン(エミネンス)、ピレトリン(除虫菊エキスペール)、除虫菊粉末等。
【0048】
(有機リン系殺虫剤)
ダイアジノン(ダイアジノン)、フェニトロチオン(スミチオン)、ピリダフェンチオン(オフナック)、マラチオン(マラソン)、トリクロルホン(ディプテレックス)、クロルピリホス(ダースバン)、フェンチオン(バイテックス)、ジクロルボス(DDVP)、プロペタンホス(サフロチン)、テメホス(アベイト)、プロチオホス(トヨチオン)、ホキシム、アザメチホス(アルファクロン)、シアホス(ザイノック)、クロルピリホスメチル(ザーテル)等。
【0049】
(カーバメート系殺虫剤)
カルバリル(ナック)、イソプロカルブ(ミプシン)、フェノブカルブ(バッサ)、プロポキスル(サンサイド)、XMC(マクバール)ベンダイオカルブ(タト)、エチオフェンカルブ(アリルメート)、ピリミカーブ(ピリマー)、カルボスルファン(アドバンテージ)等。
【0050】
(オキサジアゾール系殺虫剤)
メトキサジアゾン(エレミック)等。
【0051】
(クロロニコチニル系殺虫剤)
イミダクロプリド(アドマイヤー)、アセタミプリド(モスピラン)、ニテンピラム(ベストガード)等。
【0052】
(オキサダイアジン系殺虫剤)
インドキサカルブ(トルネード)等。
【0053】
(フェニルピラゾール系殺虫剤)
フィプロニル(プリンス)等。
【0054】
(アミジノヒドラゾン系殺虫剤)
ヒドラメチルノン等。
【0055】
(その他の殺虫剤)
ホウ酸、シラフルオフェン(シロネン)、ジノテフラン(スタークル)等。
【0056】
(害虫忌避剤)
N,N−ジエチル−m−トルアミド(DET)、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジ−n−プロピルイソシンコメロネート、p−ジクロロベンゼン、ジ−n−ブチルサクシネート、カラン−3,4−ジオール、1−メチルプロピル2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボキシラート、カプリン酸ジエチルアミド、N−プロピルアセトアニリド、β−ナフトール、カンファー等。
【0057】
(植物精油)
アニス油、オレンジ油、カッシア油、グレープフルーツ油、シソ油、クローブ油、シトロネラ油、シナモン油、ハッカ油、ヒバ油、ヒノキ油、ペパーミント油、ユーカリ油、レモングラス油、ゼラニウム油、フェンネル油、ペニーロイヤル油、タイムホワイト油、ピメント油、ベルガモット油、ラベンダー油、シダーウッド油、等。
【0058】
(植物精油中の有効成分)
α−ピネン、テルピネン、シメン、サビネン、エレメン、セドレン、エレモール、ビドロール、セドロール、ヒノキチオール、ツヤプリシン、トロポロイド、ヒノキチン、ツヨプセン、ボルネオール、カンフェン、テレピネオール、テレピニルエステル、ジペンテン、ファランドレン、カリオレフィン、バニリン、フルフラール、フルフリルアルコール、ピノカルベノール、ピノカルボン、ミルテノール、ベルベノン、カルボン、オイデスモール、ピレリトン、ツエン、ファンキルアルコール、メチルアンスラニレート、ビザボレン、ベルガプトール、ノニルアルデヒド、ノニルアルコール、ヌートカトン、オクチルアルデヒド、酢酸リナリル、酢酸ゲラニル、ネロリドール、オシメン、アンスラニル酸メチル、インドール、ジャスモン、ベンツアルデヒド、p−メンタン−3,8−ジオール、プレゴン、シトラール、シトロネラール、オイゲノーデヒド、ネピタリック酸、メチルヘプテノン、デシルアルデヒド、ミルセン、酢酸ゲラニオール、チモール、リモネン、シネオール等。
【0059】
また、その使用目的に応じて、酸化防止剤、共力剤、防菌防黴剤等、適宜添加できる。
(酸化防止剤)
(フェノール系酸化防止剤)
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等。
(ビスフェノール系酸化防止剤)
2,2′−メチレン(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−−メチレン(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデン(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等。
(高分子系フェノール系酸化防止剤)
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェノール)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドキシフェニル)プロピオネート〕メタン、トコフェロール等。
(硫黄系酸化防止剤)
ジラウリル3,3′−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3′−チオジプロピオネート等。
(リン系酸化防止剤)
トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニフェニル)ホスファイト等。
(その他)
エルソルベビン酸、クエン酸イソプロピル、ノルジヒドログアヤレチック酸、プロピルガレート等。
【0060】
(共力剤)
ブチルカービトル、6−(プロピルピペロニル)−ブチルカルビチルエーテル(ピペロニルブトキサイド)、オクタクロロジプロピルエーテル(S−421)、イソボルニルチオシアナアセテート(IBTA)、N−オクチルビシクロヘプテンカルボキシイミド(サイネピリン222)、N−(2−エチルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ(2,2,2)オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(サイネピリン500)、N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ(2,2,1)−ヘプタ−5−エン−2,3ジカルボキシイミド(MGK264)。
【0061】
(防菌防黴剤)
エチルアルコール、イソプロピルアルコール、フェノール、ブロムシンナムアルデヒド、チモール、o−フェニルフェノール、ヒノキチオール、ワサオーロ、ナフタレン等。
【0062】
さらに、製造時に有害生物防除成分等の固形担体への分散性を良くするために、適当な溶剤を適宜適量加えることもできる。
(溶剤)
n−パラフィン、isoパラフィン、流動パラフィン、白灯油、石油ナフサ、ナフテン(環状炭化水素)等。
【0063】
(駆除対象となる有害生物について)
前述の有害生物防除剤の主な駆除対象は屋外の匍匐有害生物であるが、有害生物防除成分、固形担体、粘結剤の種類・量、径などを調整することによって、屋内の匍匐有害生物も十分駆除対象となり得る。
【0064】
具体的には、対象となる有害生物は、主に庭、バルコニー、家屋の周辺、樹木の周囲などの屋外に生息、あるいはそこから家屋内に侵入する、アミメアリ、ルリアリ、トビイロシワアリ、トビイロケアリ、アメイロケアリ、キイロケアリ、アメイロアリ、トビイロシロアゲアリ、オオハリアリ、クロヤマアリ、クロオオアリ、クロクサアリなどのアリ類、ワラジムシ、オカダンゴムシなどのワラジムシ類、ヤケヤスデ、アカヤスデなどのヤスデ類、ゲジなどのゲジ類、トビズムカデ、アオズムカエデなどのムカデ類、ヤマトシロアリ、イエシロアリ、ダイコクシロアリ、アメリカカンザイシロアリなどのシロアリ類、ナメクジ、ヤマナメクジ、キイロコウラナメクジ、チャコウラナメクジ、ノナメクジ、ノハラナメクジンドのナメクジ類、アオイラガ、チャドクガなどのイラガ類やドクガ類の幼虫などであるが、固形担体、粘結剤の種類・量、径などを適宜調整することにより、チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ヤマトゴキブリ、ワモンゴキブリなどのゴキブリ類、イエヒメアリ、ヒメアリなどのアリ類、イエダミ、トリサシダニ、クワガタツメダニ、ミナミツメダニ、ケナガコナダニ、コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニなどのダニ類、ヒトノミ、ネコノミなどのノミ類、コロモジラミ、アタマジラミなどのシラミ類などの家屋内に生息する有害生物を対象とすることもできる。
【0065】
なお、前述した有害生物は匍匐生物であるが、ハエ、カ、ハチなどの飛翔有害生物を対象とすることも可能である。
【0066】
次に、内層10の固形担体11、外層20の固形担体21の径について述べる。
前記内層10の固形担体11(内部固形剤13)の径は、主に効力の持続性と外層20の固形担体21の有害生物への付着させ易さで決定される。
効力の持続性は、主に雨や風に当たってもある程度の形、大きさを維持する耐候性と、ある程度必要量の有害生物防除成分を担持させる担持能によって決まる。
後述する内層10の固形担体11(内部固形剤13)の径と効力の持続性の関係の実験結果から、内層10の固形担体11(内部固形剤13)の径の下限値は400μm程度が適当である。
【0067】
内層10の固形担体11(内部固形剤13)の径はあまり大きすぎると有害生物が外層20の固形担体21に接触する機会が損なわれるので、外層20の固形担体21(外部固形剤23)を有害生物の体に付着させる適度な大きさが必要である。したがって、内層10の固形担体11の上限値は有害生物の大きさに応じて決定する。
後述する内層10の固形担体11(内部固形剤13)の径と外層20の固形担体21(外部固形剤23)の剥がれ易さの実験結果から、アミメアリでは2000μm前後を境に、チャバネゴキブリでは8000μm前後を境にして、緩やかに効力が衰える傾向にあり、内層10の固形担体11の径がこれらの径以上になると外層20の固形担体21が有害生物に付着しにくくなることが推察される。
したがって、これらの数値が上限値として適当だと考えられる。
【0068】
前述した対象となる主な有害生物の体長は下記表1に示すとおりであり、前述のアミメアリ、チャバネゴキブリの実験結果から、内層10の固形担体11の径の上限値は、体長の半分よりも大きく、体長よりも小さい範囲とすることが好ましい。
【0069】
【表1】
【0070】
前記外層20の固形担体21(外部固形剤23)の径は主に速効性で決定される。
すなわち、外層20の固形担体21の径は小さいほど高い速効性を発揮し、大きくなるほど速効性が低下する。
後述する外層の固形担体の径と速効性の実験結果から、アミメアリ、チャバネゴキブリともに、100μm前後以上を境に一段と速効性が衰える傾向にあった。
この結果から、外層の固形担体の径の上限値は100μm程度が適当であると判断した。
【0071】
一方、外層20の固形担体21の径の下限値は、固形担体21の径を均一に調整すること、有害生物防除成分の担持量や虫体への付着量などから1μmが好ましく、より好ましくは2μmが適当である。
【0072】
次に、前述の内部固形剤13、外部固形剤23の径についての試験について説明する。
(1)粉体の調整
径の異なる粉体を調整するために、以下の操作を行った。
下記表2の供試材料を準備した。
【0073】
【表2】
【0074】
A〜Eの粉体を適量粉砕機にかけたものと、粉砕していないものを混ぜ、JIS標準ふるい(12700μm〜44μm)にかけて粒度別に分級し、以下の表3に示す平均径の粉体を得た。
【0075】
【表3】
【0076】
前述の径の粉体にアミメアリに有効な有害生物防除成分を担持して内部固形剤とし、内部固形剤の径が、効力の持続性に及ぼす影響について試験した。
(試験方法)エリア追い出し法
(供試虫)アミメアリ
【0077】
実験結果は下記表4及び図2の図表に示すとおりであった。
【0078】
【表4】
【0079】
前述の結果から、径が400μm以上で効力の持続性が優れる傾向にあることが判明した。
【0080】
前述の各内部固形剤に17μmの固形担体を付着し、内部固形剤の径が、有害生物の接触による外層の固形担体の剥がれ易さに及ぼす影響について試験した。
(試験方法)強制接触法
(供試虫)アミメアリ、チャバネゴキブリ
【0081】
実験結果は下記表5及び図3の図表に示すとおりであった。
【0082】
【表5】
【0083】
このことから、内部固形剤13の径の上限値は、アミメアリの場合が2000μm、チャバネゴキブリの場合が8000μmであることが判明した。
【0084】
前述の粉体にアミメアリ、チャバネゴキブリに有効な有害生物防除成分を担持して外部固形剤23とし、その外部固形剤23の径が、速効性に及ぼす影響について試験した。
(試験方法)強制接触法
(供試虫)アミメアリ、チャバネゴキブリ
【0085】
実験結果は下記表6と図4の図表に示すとおりであった。
【0086】
【表6】
【0087】
前述の試験結果から、アミメアリ、チャバネゴキブリとも100μm以上で速効性が衰える傾向にあった。
【0088】
次に、前述の内部固形剤13の表面に外部固形剤23を付着する粘結剤の量と、外部固形剤23の虫体への付着し易さ、つまり剥がれ易さの関係について試験した。
粘結剤としては、グリセリンとポリエチレングリコール(PEG200)を使用し、下記表7の1〜9に示す成分の内部固形剤と外部固形剤を付着して有害生物防除剤とした。
前述の表7におけるゼオライトは800μmで、珪石は17μmである。
【0089】
【表7】
【0090】
試験方法は次のようである。
前述の有害生物防除剤が付着していない供試虫の重量を測定する。
ポリカップ内に前述の有害生物防除剤と供試虫を入れ、そのポリカップを10秒間振ることで有害生物防除剤と供試虫を強制接触する。
このポリカップを開け、供試虫を歩かせて別のカップに入れる。
そして、カップ内に入った供試虫の重量を測定し、付着前の重量との差を付着量とし、その付着量を供試虫の重量(付着前の重量)で除して、供試虫1gあたりの付着量を計算した。
【0091】
供試虫は、アミメアリ、オカダンゴムシ、チャバネゴキブリの3種類である。
【0092】
アミメアリの試験結果は下記の表8及び図5に示す図表のとおりであった。
【0093】
【表8】
【0094】
オカダンゴムシの試験結果は下記の表9及び図6に示す図表のとおりであった。
【0095】
【表9】
【0096】
チャバネゴキブリの試験結果は下記の表10及び図7に示す図表のとおりであった。
【0097】
【表10】
【0098】
この試験結果から、供試虫の種類によって若干異なるが、粘結剤(グリセリン、PEG200)の量が多くなるほど付着量が減少することが判明した。
【0099】
次に、前述の粘結剤の量と有害生物防除剤の舞い散りの関係について試験した。
粘結剤としては、前述と同様にグリセリンとPEG200を使用し、下記表11の1〜9に示す成分の外部固形剤23を内部固形剤13に付着して有害生物防除剤とした。
前述の表11におけるゼオライトは800μmで、珪石は17μmである。
【0100】
【表11】
【0101】
試験方法は、図8に示す試験装置を用いて、評価を行った。
具体的には、図8に示すように、内径22cm(高さ33cm)の円筒形ガラスシリンダー30の上に、中央に直径9cmの穴31のある直径30cmのガラスプレート32を載せ、その穴31から供試剤50gを静かに投入し、目視により舞い散りのなくなるまでの時間を測定した。3反復行い、平均値を求めた。
【0102】
試験結果は下記表12及び図9の図表に示すとおりであった。
【0103】
【表12】
【0104】
次に、前述の溶剤としてのn−パラフィン(灯油)を添加することによる効力アップの試験をした。
下記の表13に示すように、外部固形剤にのみn−パラフィンを添加した供試品1と、外部固形剤と内部固形剤の両方にn−パラフィンを添加した供試品2、供試品3を用い、アミメアリ職蟻成虫15匹に対する効力試験を強制接触法で反復2回行なった。
【0105】
【表13】
【0106】
この結果は、KT50(分、秒)が供試品1が1.33、供試品2が0.51、供試品3が0.43であった。
このことから、n−パラフィンを外部固形剤と内部固形剤にそれぞれ添加することで、効力がアップすることが判明した。
【0107】
次に、前述の効力試験の方法を説明する。
(強制接触法)
図10(a)に示すように、内径9cm(高さ4.5cm)のポリカップ(プラスチック製の透明容器)40内に、各供試剤41(各実施例)0.5gを入れ、その中に供試虫42を10匹入れた。図10(b)に示すように蓋43をして、ポリカップを前後左右に数度振動させ、各供試剤41を供試虫42の虫体全体に均一に付着させた後、10秒間静置した。
その後、速やかに図10(c)に示すように供試虫42をポリカップ40から篩(14メッシュ)44上に移し、余分な粉体(供試剤)41をふるい落とし、図10(d)に示すようにガラス製深底シャーレ(内径8cm、高さ6cm)45に供試虫42を移した。
【0108】
前述のガラス製深底シャーレ45を見ることで経時的にノックダウン虫数をカウントし、BlissのProbit法を用いてKT50値を求めた。
試験は3反復行い平均値を求めた。
【0109】
(エリア追い出し法)
図11(a)に示すように、直径11cmのろ紙(東洋ろ紙5A)60の左半面に、各供試剤61を1.0g篩を使って均一に散布し処理区60aとし、供試剤61を処理しない右半面を無処理区60bとした。
図11(b)に示すように、その上にナイロン製ネット(14メッシュ)(12cm×12cm)62を置き、さらにその上に内壁面に薄くワセリンを塗りつけた内径8cm(高さ6cm)のガラス製深型リング63を置き、これを処理群とした。
【0110】
図示は省略するが、前述の処理群とは別に、エアコンの風などの微気象による供試虫の偏りを考慮して、ろ紙の左右両面とも供試剤を処理せずに、ナイロン製ネットとガラス製深型リングを置いた無処理群を設け、両群を実験台上に左右に並べた。
両群のガラス製深型リング内に図11(c)に示すように供試虫64を各50匹静かに投入し、直後から経時的に図12(a),(b)に示すように、各群のろ紙60における左半面(処理区)60a及び右半面(無処理区)60b上に留まる虫数をカウントし、下記の数1に示す数式により忌避率を求めた。
【0111】
【数1】
【0112】
各実施例、比較例に関して、以下の2種類のサンプルを供試した。
(a)調合直後
調合直後のサンプル
(b)屋外1ヶ月
調合した後、屋外の雨除けのある場所に1ヶ月間放置後に回収したサンプル。
【0113】
この試験も供試虫63と供試剤61の間にナイロン製ネットを挟んでいるので、より実地に近い想定の試験である。
【符号の説明】
【0114】
10…内層、11…固形担体、12…有害生物防除成分、13…内部固形剤、20…外層、21…固形担体、22…有害生物防除成分、23…外部固形剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有害生物防除成分を担持し、持続性に優れた内部固形剤13の表面に、有害生物防除成分を担持し、速効性に優れた複数の外部固形剤23が、有害生物の接触により剥離するように付着していることを特徴とする有害生物防除剤。
【請求項2】
内部固形剤13は、固形担体11に有害生物防除成分が含浸状態で担持し、
外部固形剤23は、固形担体21の表面部分に有害生物防除成分が付着した状態で担持している請求項1記載の有害生物防除剤。
【請求項3】
内部固形剤13の径が大きく、外部固形剤23の径が小さい請求項1記載の有害生物防除剤。
【請求項4】
内部固形剤13の径の下限値は400μmで、外部固形剤23の径の上限値は100μmである請求項3記載の有害生物防除剤。
【請求項5】
内部固形剤13の径の上限値は、対象有害生物の体長よりも小さく、体長の半分よりも大きく、
外部固形剤23の径の下限値は、1μmである請求項4記載の有害生物防除剤。
【請求項6】
内部固形剤13は持続性の高い有害生物防除成分を担持し、外部固形剤23は速効性の高い有害生物防除成分を担持している請求項1記載の有害生物防除剤。
【請求項7】
持続性の高い有害生物防除成分は殺虫剤又は害虫忌避剤で、速効性の高い有害生物防除剤は殺虫剤である請求項6記載の有害生物防除剤。
【請求項1】
有害生物防除成分を担持し、持続性に優れた内部固形剤13の表面に、有害生物防除成分を担持し、速効性に優れた複数の外部固形剤23が、有害生物の接触により剥離するように付着していることを特徴とする有害生物防除剤。
【請求項2】
内部固形剤13は、固形担体11に有害生物防除成分が含浸状態で担持し、
外部固形剤23は、固形担体21の表面部分に有害生物防除成分が付着した状態で担持している請求項1記載の有害生物防除剤。
【請求項3】
内部固形剤13の径が大きく、外部固形剤23の径が小さい請求項1記載の有害生物防除剤。
【請求項4】
内部固形剤13の径の下限値は400μmで、外部固形剤23の径の上限値は100μmである請求項3記載の有害生物防除剤。
【請求項5】
内部固形剤13の径の上限値は、対象有害生物の体長よりも小さく、体長の半分よりも大きく、
外部固形剤23の径の下限値は、1μmである請求項4記載の有害生物防除剤。
【請求項6】
内部固形剤13は持続性の高い有害生物防除成分を担持し、外部固形剤23は速効性の高い有害生物防除成分を担持している請求項1記載の有害生物防除剤。
【請求項7】
持続性の高い有害生物防除成分は殺虫剤又は害虫忌避剤で、速効性の高い有害生物防除剤は殺虫剤である請求項6記載の有害生物防除剤。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−167221(P2009−167221A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−112504(P2009−112504)
【出願日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【分割の表示】特願2003−360429(P2003−360429)の分割
【原出願日】平成15年10月21日(2003.10.21)
【出願人】(000112853)フマキラー株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【分割の表示】特願2003−360429(P2003−360429)の分割
【原出願日】平成15年10月21日(2003.10.21)
【出願人】(000112853)フマキラー株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
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