説明

有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、有機EL装置および電子機器

【課題】有機EL材料の溶液を塗布することにより製造する有機EL素子において、素子特性を良好にすることが可能な有機EL装置および電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】正孔注入/輸送層106と発光層108との間に、正孔注入/輸送層106を形成する材料と、発光層108を形成する材料とを混合した溶液を塗布することにより形成された混合層を有することで長寿命化した有機EL素子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
有機エレクトロルミネッセンス素子に関し、詳細には、塗布法により成膜された有機膜を使用した有機エレクトロルミネッセンス素子およびこれを用いた有機EL装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子は、薄型、全固体型、面状自発光及び高速応答であるといった特徴を有する発光素子であり、フラットディスプレイパネルやバックライトへの応用が期待されることから、近年各方面で盛んに研究が行われている。以前、有機EL素子は、無機物を用いた無機EL素子に比べて素子特性が著しく劣っていたが、1987年にコダック社のTangらが有機物層を積層構成にする方法を発表してから[C.W.Tang and S.A.Vanslyke:Appl.Lett.,51(1987)913]素子特性が向上し、急速に発展している。また、近年、有機EL素子をディスプレイパネルに用いた、商品も発売されつつある。
【0003】
有機EL素子は、有機材料から成る複数の薄膜を積層した構造を有している。また、その中でも発光素子として知られる有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子は、第一の電極と第二の電極で複数の有機半導体層を挟んだ構造を有しており、二つの電極から注入したキャリアが有機半導体層中で再結合することにより発光する素子である。
【0004】
有機EL素子の製造方法としては、一般的に真空蒸着法などのドライプロセスと、スピンコート法やインクジェット法に代表されるウェットプロセスが挙げられ、いずれも複数の有機EL材料を順番に積層することにより素子を形成している。
【0005】
ところが、このような構造を有する有機EL素子を駆動させた場合、積層された有機EL材料の界面におけるキャリアの注入効率が低かったり、発生した熱の影響等により、積層された有機材料が界面で混合することでキャリアの輸送性能が経時変化し、キャリアのバランスが崩れて発光輝度が減少するなどの劣化が生じてしまう。
【0006】
かかる問題を解決するために、例えば、特許文献1の有機EL素子においては、二つの有機層の間を傾斜組成にすることで最初から明確な界面を無くし、発光効率向上や長寿命化といった課題の解決を図っている。
【0007】
【特許文献1】特開2004−241188号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1の有機EL素子においては、これらの例は全て真空蒸着法により二つの材料を同時に蒸着することを前提とし、加えて二つの材料の濃度分布を連続的に変化させる構成になっている。従って、前述した有機EL素子の製造方法の一つであるウェットプロセスにおいては、同様の構成にすることは難しい。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、有機EL材料の溶液を塗布することにより製造する有機EL素子において、素子特性を良好にすることが可能な有機EL装置および電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決して、上記目的を達成するために、本発明の一観点として、導電性材料から成る第一の電極と、該第一の電極上に塗布法により形成された第1有機層と、該第1有機層の上に塗布法により形成された混合層と、該混合層の上に塗布法により形成された発光材料を含む発光層と、該発光層の上に形成された第2有機層と、該第2有機層の上に形成された第二の電極と、を有し、前記混合層には、前記第1有機層の形成材料と前記発光材料とが含まれていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
また、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記混合層は、前記第1有機層の形成材料と前記発光材料の混合比が異なる複数の層が積層されて成り、前記第1有機層から遠ざかるに従って、前記混合層中の発光材料の混合割合が除々に増加することを特徴とする構成であってもよい。
また、前記第1有機層は正孔注入/輸送層であり、前記第2有機層は電子注入/輸送層であることを特徴とする。
【0011】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、導電性材料から成る第一の電極を形成する工程と、該第一の電極上に塗布法により第1有機層を形成する工程と、該第1有機層の上に塗布法により混合層を形成する工程と、該混合層の上に塗布法により発光材料を含む層を形成する工程と、該発光材料を含む層の上に第2有機層を形成する工程と、該第2有機層の上に第二の電極を形成する工程と、を有し、前記混合層を形成する工程では、前記混合層が、前記第1有機層の形成材料と前記発光材料の混合溶液を塗布することにより形成されていることを特徴とする。
また、前記第1有機層の形成材料が、加熱処理または紫外線照射により架橋反応が起こる置換基を含み、加熱処理または紫外線照射により溶媒に対して不溶化されていることを特徴とする。
また、前記混合溶液の中にシランカップリング材等のバインダー成分が加えられており、加熱処理により溶媒に対して不溶化されていることを特徴とする。
また、第1有機層を形成する工程では、前記第1有機層が、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸を含む分散水溶液を塗布することにより形成されていることを特徴とする。
さらに、本発明の有機EL装置は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子が複数配置されて成ることを特徴とする。
また、本発明の有機EL装置は、前記発光層が赤色発光層である赤色有機エレクトロルミネッセンス素子と、前記発光層が青色発光層である青色有機エレクトロルミネッセンス素子と、前記発光層が緑色発光層である緑色有機エレクトロルミネッセンス素子とを含むことを特徴とする。さらに本発明の有機EL装置は電子機器に広く応用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるものまたは実質的に同一のものが含まれる。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の実施例1に係る有機EL装置100の構成を示す要部断面図である。この有機EL装置100は、基体101上に陽極(第1電極)102と、陰極(第2電極)103とを有し、これら陽極101と陰極103との間に、機能層を備えたものである。機能層は、正孔注入/輸送層106と、混合層107と、発光層108と、および電子注入/輸送層109とが積層されて構成される。この有機EL装置100は、発光層108で発光した光を基体側から出射するボトムエミッション方式となっている。
【0014】
基体101は、ガラス基板等の透明基板(図示せず)上にTFT素子からなる駆動素子(図示せず)や各種配線等を形成して構成されたもので、これら駆動素子や各種配線の上に絶縁層や平坦化膜を介して陽極102を形成したものである。
【0015】
陽極102は、基体101上に形成される単一ドット領域毎にパターニングされて形成され、かつ、TFT素子からなる駆動素子や前記各種配線等と接続されたもので、本実施例では、ITO(Indium Tin Oxide)によって形成されている。
【0016】
陽極102の周囲には、単一のドット領域を区画する無機バンク層104および有機バンク層105が形成されており、これら無機バンク層104および有機バンク層105に囲まれた凹部には、正孔注入/輸送層106,混合層107、発光層108が設けられている。
【0017】
正孔注入/輸送層106、および混合層107は、陽極102から注入した正孔を発光層108に輸送する。正孔注入/輸送層106の形成材料としては、特に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)の分散液、すなわち、分散媒として、ポリスチレンスルホン酸に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させ、さらに、これを水に分散させた分散液が好適に用いられる。
【0018】
混合層107は、正孔注入/輸送層106の形成材料と、発光層108の形成材料とを両方含んでおり、正孔注入/輸送層106から注入された正孔を発光層108へ輸送する。
【0019】
発光層108は、発光波長帯域が赤色に対応したR発光層108R、発光波長帯域が青色に対応したB発光層108B、発光波長帯域が緑色に対応したG発光層108Gからなる。これらR発光層108R、B発光層108B、およびG発光層108Gで1つの画素が構成され、これらが階調して発光することにより、有機EL装置100が全体としてフルカラー表示をなすようになっている。
【0020】
この発光層108の材料としては具体的には、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラパラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などの高分子有機材料が好適に用いられる。
【0021】
また、これらの高分子有機材料に、ペニレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子有機材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6,キナクリドン等の低分子有機材料をドープして用いることもできる。
【0022】
混合層107は、正孔注入/輸送層106と、前記R発光層108Rとが混合され、正孔注入/輸送層106と発光層108Rとの間に位置する混合層107Rと、
正孔注入/輸送層106と、前記G発光層108Gとが混合され、正孔注入/輸送層106と発光層108Gとの間に位置する混合層107Gと、
正孔注入/輸送層106と、前記B発光層108Bとが混合され、正孔注入/輸送層106と発光層108Bとの間に位置する混合層107Bと、からなる。
【0023】
電子注入/輸送層109は、R,G,B発光層108R,108G,108B上に共通に設けられており、有機材料が使用されている。電子注入/輸送層109は、陰極103から注入される電子を発光層108まで輸送し、また、陽極102側から移動してきた正孔・励起子をブロックする機能を有する。この電子注入/輸送層109材料としては、分子量が1000未満の低分子有機材料または分子量が1000以上の高分子有機材料を使用することができ、具体的には、Alq3,BAlq,BCP,TAZ,PBD,OXD,TPOB等の有機材料を使用することができる。
【0024】
陰極103は、全ての画素領域を覆うようにして形成されたもので、電子注入/輸送層109側から順にLiF層とAl層とが積層されて形成されたものである。また、陰極103上には、封止用基板111を基体101と接合するための封止層110が形成されている。封止層110は、熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂で形成されている。封止用基板111は、例えばガラス板等からなり、封止層110により貼設されている。
【0025】
上記構成の有機EL装置100の製造方法を図2を参照して説明する。図2は、有機EL装置100の製造工程を説明するための説明図である。まず、従来と同様にして透明基板上にTFT素子や各種配線等を形成し、さらに、層間絶縁層や平坦化膜を形成して基体101を得る。つぎに、この基体101上に蒸着法等によってITOを成膜し、さらにパターニングすることによって陽極102を形成する。
【0026】
つづいて、陽極102の周囲を囲むようにして基体101上にSiO2からなる無機バンク層104を形成し、さらに、この無機バンク層104上に樹脂からなる有機バンク層105を形成し、これにより、図2−1に示すように、陽極102上に凹部120を形成する。有機バンク層105に用いられる材料としては、ポリイミド、アクリル樹脂などが挙げられる。これらの材料に予めフッ素元素を含んだ構造のものを用いても良い。
【0027】
図2(a)に示したような、無機バンク層104および有機バンク層105で囲まれた凹部120を有する基体101を、酸素プラズマ−CF4プラズマ連続処理することにより基体101上の塗れ性を制御し、ついで、この凹部120内にインクジェット法等の液滴吐出法によって、正孔注入/輸送層106を形成する。すなわち、図2(b)に示すように液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)130から正孔注入/輸送層106の形成材料106aを凹部120内に選択的に吐出し、続いてこれを乾燥・ベイクすることにより、図2(c)に示すように、陽極102上に正孔注入/輸送層106を形成する。
【0028】
つづいて、インクジェット法等の液滴吐出法によって、凹部120内の正孔注入/輸送層106上に混合層107を形成する。すなわち、図2(d)に示すように液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)130から混合層107の形成材料107aを凹部120内の正孔注入/輸送層106上に選択的に吐出し、続いてこれを乾燥・ベイクすることにより、図2(e)に示すように、正孔注入/輸送層106上に混合層107を形成する。この混合層107の形成にあたっては、R発光層に対応した混合層107R、G発光層に対応した混合層107G、B発光層に対応した混合層107Bをそれぞれ作り分ける必要があるが、液滴吐出法によれば、各混合層の形成材料をそれぞれ所望位置に打ち分けるだけで、容易に各混合層を形成することができる。
【0029】
また、混合層107は単層ではなく、複数の混合層107を積層しても良い。この場合、正孔注入/輸送層106を形成する材料と、発光層108を形成する材料の比率を変えて作製した、混合層107を形成するため混合溶液を複数用意し、順番に塗布、乾燥・ベイクを繰り返すことで、複数の混合層107を積層することができる。
なお、塗布する混合溶液の順番は、発光層108を形成する材料の比率が小さい方から順番に正孔注入/輸送層106上に塗布、乾燥・ベイクし、結果として、正孔注入/輸送層106から遠ざかるにつれて発光層108を形成する材料の比率が大きくなるような傾斜組成の混合層107を形成することができる。
【0030】
混合層107が単層であっても、複数の層を積層したものであっても、塗布、乾燥・ベイクした後、次の溶液を塗布した際に混合層が再溶解してしまうと、所望の混合比を有する混合層を形成することができない。よって、混合層107を塗布、乾燥・ベイク後、その上に塗布する溶液の溶媒に対して混合層107が不溶化するように、シランカップリング剤やグルタールアルデヒドを混合層107に添加するのが望ましい。
【0031】
つづいて、インクジェット法等の液滴吐出法によって、凹部120内の混合層107上に発光層108を形成する。すなわち、図2(f)に示すように液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)130から発光層108の形成材料108aを凹部120内の混合層107上に選択的に吐出し、続いてこれを乾燥・ベイクすることにより、図2(g)に示すように、混合層107上に発光層108を形成する。
この発光層108の形成にあたっては、R発光層108Rを混合層107Rの上に、G発光層108Gを混合層107Gの上に、B発光層108Bを混合層107Bの上にそれぞれ作り分ける必要があるが、液滴吐出法によれば、各発光層の形成材料をそれぞれ所望位置に打ち分けるだけで、容易に発光層を形成することができる。
【0032】
この後、ドライプロセスで、電子注入/輸送層109および陰極103を形成する。まず、蒸着法等によって発光層108および有機バンク層105を覆った状態に電子注入/輸送層109を成膜する。つづいて、電子注入/輸送層109上の全面に、LiFを成膜し、さらにこの上にAl(アルミニウム)を成膜することにより、LiF/Alの積層構造からなる陰極103を形成する。
【0033】
その後、陰極103上に、熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂からなる接着剤を塗布して封止層110を形成した後、封止用基板111を重ね、加熱または紫外線照射して、封止層110を硬化させて、封止用基板111と基材101を接合する。このようにして、図1に示す有機EL装置100が製造される。
【0034】
実施例1によれば、正孔注入/輸送層106と発光層108との間に、正孔注入/輸送層106を形成する材料と発光層108を形成する材料とを混合した混合層107を設けている。
このような混合層を設けない場合、初期状態では隣接する正孔注入/輸送層と発光層が明確な界面を有しているが、有機EL素子を駆動させると、発生した熱等により正孔注入/輸送層と発光層が相互拡散して混じり合い、正孔注入/輸送層から発光層への正孔の輸送効率が初期に比べて駆動後で変化し、結果的に発光特性の劣化に繋がる。
混合層107を設けた本構成においては、最初から正孔注入/輸送層と発光層が混じりあった状態であるため、発光特性の変化が少ない、長寿命の有機EL素子を提供することができる。
【0035】
(電子機器への適用例)
つぎに、本発明に係る有機EL装置を適用可能な電子機器の具体例について図3を参照して説明する。図3(a)は、本発明に係る有機EL装置を可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型パソコン)300の表示部に適用した例を示す斜視図である。同図に示すように、パーソナルコンピュータ300は、キーボード301を備えた本体部302と、本発明に係る有機EL装置を適用した表示部303とを備えている。
図3(b)は、本発明に係る有機EL装置を携帯電話機400の表示部に適用した例を示す斜視図である。同図に示すように、携帯電話機400は、複数の操作ボタン401のほか、受話口402、送話口403とともに、本発明に係る有機EL装置を適用した表示部404を備えている。
【0036】
本発明に係る有機EL装置は、上述した携帯電話機やノートパソコン以外にも、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、デジタルスチルカメラ、車載用モニタ、デジタルビデオカメラ、テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話機、およびPOS端末機などの電子機器に広く適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の有機EL装置は、有機EL表示装置、エレクトロミック調光ガラス、電子ペーパー、照明装置、およびプリンタヘッド等に広く利用可能である。また、本発明に係る電子機器は、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、携帯型パーソナルコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、デジタルスチルカメラ、車載用モニタ、デジタルビデオカメラ、テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、テレビ電話機、およびPOS端末機などの電子機器に広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】実施例1に係る有機EL装置の構成を示す要部断面図。
【図2(a)】実施例1に係る有機EL装置の製造工程を説明するための説明図。
【図2(b)】実施例1に係る有機EL装置の製造工程を説明するための説明図。
【図2(c)】実施例1に係る有機EL装置の製造工程を説明するための説明図。
【図2(d)】実施例1に係る有機EL装置の製造工程を説明するための説明図。
【図2(e)】実施例1に係る有機EL装置の製造工程を説明するための説明図。
【図2(f)】実施例1に係る有機EL装置の製造工程を説明するための説明図。
【図2(g)】実施例1に係る有機EL装置の製造工程を説明するための説明図。
【図3(a)】実施例に係る有機EL装置を備えたパソコンの斜視図。
【図3(b)】実施例に係る有機EL装置を備えた携帯電話機の斜視図。
【符号の説明】
【0039】
100 有機EL装置、101 基体、102 陽極(第1電極)、103 陰極(第2電極)、104 無機バンク層、105 有機バンク層、106 正孔注入/輸送層、107 混合層、108 発光層、109 電子注入/輸送層、110 封止層、111封止用基板、120 凹部、130 液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)、300 コンピュータ、301 キーボード、302 本体部、303 表示部、400 携帯電話機、401 操作ボタン、402 受話口、403 送話口、404 表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性材料から成る第一の電極と、
該第一の電極上に塗布法により形成された第1有機層と、
該第1有機層の上に塗布法により形成された混合層と、
該混合層の上に塗布法により形成された発光材料を含む発光層と、
該発光層の上に形成された第2有機層と、
該第2有機層の上に形成された第二の電極と、
を有し、
前記混合層には、前記第1有機層の形成材料と前記発光材料とが含まれていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項2】
前記混合層は、前記第1有機層の形成材料と前記発光材料の混合比が異なる複数の層が積層されて成り、
前記第1有機層から遠ざかるに従って、前記混合層中の発光材料の混合割合が除々に増加することを特徴とする、
請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項3】
前記第1有機層は正孔注入/輸送層であり、前記第2有機層は電子注入/輸送層であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項4】
導電性材料から成る第一の電極を形成する工程と、
該第一の電極上に塗布法により第1有機層を形成する工程と、
該第1有機層の上に塗布法により混合層を形成する工程と、
該混合層の上に塗布法により発光材料を含む層を形成する工程と、
該発光材料を含む層の上に第2有機層を形成する工程と、
該第2有機層の上に第二の電極を形成する工程と、
を有し、
前記混合層を形成する工程では、前記混合層が、前記第1有機層の形成材料と前記発光材料の混合溶液を塗布することにより形成されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【請求項5】
前記第1有機層の形成材料が、加熱処理または紫外線照射により架橋反応が起こる置換基を含み、加熱処理または紫外線照射により溶媒に対して不溶化されていることを特徴とする、
請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【請求項6】
前記混合溶液の中にシランカップリング材等のバインダー成分が加えられており、
加熱処理により溶媒に対して不溶化されていることを特徴とする請求項4または5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【請求項7】
第1有機層を形成する工程では、前記第1有機層が、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸を含む分散水溶液を塗布することにより形成されていることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【請求項8】
前記第1有機層は正孔注入/輸送層であり、前記第2有機層は電子注入/輸送層であることを特徴とする請求項4ないし7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【請求項9】
請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子が複数配置されて成ることを特徴とする有機EL装置。
【請求項10】
前記発光層が赤色発光層である赤色有機エレクトロルミネッセンス素子と、前記発光層が青色発光層である青色有機エレクトロルミネッセンス素子と、前記発光層が緑色発光層である緑色有機エレクトロルミネッセンス素子とを含むことを特徴とする請求項9に記載の有機EL装置。
【請求項11】
請求項10に記載の有機EL装置を用いたことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図2(c)】
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【図2(d)】
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【図2(e)】
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【図2(f)】
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【図2(g)】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【公開番号】特開2007−242910(P2007−242910A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−63700(P2006−63700)
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】