説明

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法

【課題】低分子系有機物を用いて、湿式法にて簡易に多層構造を有する有機EL素子の製造方法を提供する。
【解決手段】低分子系有機物を積層する際に、下塗り層を溶解する溶剤と、上塗り層を形成するための塗布液を構成する溶剤との溶解度パラメータ(SP値)が4.0(cal/cm1/2以上離れた溶剤を使用することで低分子系有機物の積層を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL素子は、Tang及びVanSlykeによって報告されて以来(Appl.Phys.Lett.,51,p.913(1987))、活発に研究開発が行なわれている。一般に、有機EL素子は低分子系有機物と高分子系有機物の2つに分けられる。低分子系有機物はその製膜方法として真空蒸着を用いることが一般的である。真空蒸着を用いることにより独立の機能を有する有機層の積層構造を容易に作ることができ、高性能な有機EL素子を作製することができる。現在では、有機EL素子において優れた性能を発現する低分子系有機物が合成され、実用化レベルまで達している。しかし、蒸着法では、真空中で製膜するために大面積化が難しく、材料の利用効率も十分ではない。
【0003】
それに比べて、高分子系有機物はその製造方法として、各種湿式法を用いることができる。各種湿式法としては、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法、浸漬法、スプレー法、印刷法が挙げられる。これらは大気圧で製膜することが可能であり、蒸着法に比べ大面積化が容易である。また、材料の利用効率も高いためにコスト面で有利である。
しかし、積層構造を作る際に上塗りの溶剤に下層の有機物が溶けてしまい、積層化が難しい。また、高分子系有機物であるが故に精製が難しく不純物の影響が現れやすい。また、積層化が困難なため機能分離も難しく、有機EL素子の性能は蒸着法にて製膜する低分子系有機物に比べて低いのが現状である。そこで、我々は高分子系有機物よりも性能面で良い低分子系有機物を用いて、大気圧で製膜することが可能で、大面積化が容易である湿式法により有機EL素子を作製することを試みた。
【0004】
ここで、湿式法の課題としては、有機物の積層の困難さが挙げられる。つまり、下地の有機層、例えばホール輸送性材料の上に発光性材料を湿式法によって薄膜形成する時に上塗りの溶剤(発光性材料の溶剤)に下地(ホール輸送性材料)が溶けてしまい、有機物の積層構造を形成するのが難しい。有機物を積層させる技術として、架橋による不溶化処理を行なうことにより積層させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この技術は製造工程が複雑になることや架橋基を導入する必要があるなどの制約がある。
また、溶剤の溶解度パラメータ(SP値)を利用して積層させる技術が知られている(例えば、特許文献2、3、4、5、6、7、8、9、10、11参照)。この技術は余分な製造工程を必要とせず大面積化が容易であるが、いずれも高分子系有機物を用いたものであって、未だかつてSP値を利用して低分子系有機物の積層化を成し得たものはない。例えば特許文献2、3には特定の高分子系有機物に関する技術が開示されているが、低分子系有機物にて実施した記載はない。
【0005】
また、例えば特許文献4、5には燐光を放射するドープ剤とホスト剤からなる発光層を含む有機EL素子に関する技術が開示されているが、低分子系有機物にて実施した記載はない。さらに、発光層と陽極の間にはホール注入層もしくはホール輸送層が含まれていない。また、SP値で積層を可能としているが、SP値の利用範囲が狭く、特定のSP値に不溶と可溶である有機物を選択する必要がある。
【0006】
また、例えば特許文献6、7、8には燐光を放射するドープ剤とホスト剤からなる発光層を含む有機EL素子に関する技術が開示され、SP値によって、溶剤を選択して積層させているが、低分子系有機物にて実施した記載はない。さらに、この方法は上塗りの有機物があるSP値の範囲内にて溶解している必要がある。また、例えば特許文献9、10、11には特定な高分子系有機物を用いる技術が開示されているが、低分子系有機物にて実施した記載はない。
【特許文献1】特開2000−077185号公報
【特許文献2】特開2003−045666号公報
【特許文献3】特開2003−045664号公報
【特許文献4】特開2002−319488号公報
【特許文献5】特開2002−319487号公報
【特許文献6】特開2002−313578号公報
【特許文献7】特開2002−313563号公報
【特許文献8】特開2002−299061号公報
【特許文献9】特開2000−077187号公報
【特許文献10】特開平11−251066号公報
【特許文献11】特開平11−251065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、低分子系有機物を用いて、湿式法にて積層構造の有機EL素子を作製することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記のような問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、有機物を含む層が塗布により少なくとも2層以上に積層された有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、前記有機物の分子量は5000以下であり、前記有機物を含む層を塗布により積層する際に、下方の下塗り層を形成するための塗布液と該下塗り層上に積層する上塗り層を形成するための塗布液は、塗布液毎に各々の有機物を所定の溶解度パラメータを有する溶剤に溶解もしくは分散させて作製され、且つ、前記下塗り層に含まれる有機物が溶解する溶剤の溶解度パラメータと前記上塗り層を形成するための塗布液中の溶剤の溶解度パラメータとの差が4.0(cal/cm1/2以上であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
【0009】
さらに、前記下塗り層はホール輸送層であり、前記上塗り層は発光層または電子輸送性発光層であることを特徴とする。
さらに、前記上塗り層に含まれる有機物は、トリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム錯体であることを特徴とし、前記下塗り層に含まれる有機物は、N,N‘−ジフェニル−N、N’−ビス(1−ナフチル)−1,1‘−ビフェニル−4,4’−ジアミンであることを特徴とする。
さらに、前記トリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム錯体を溶解もしくは分散させる溶剤の溶解度パラメータの値が15.0(cal/cm1/2以上であることを特徴とし、前記N,N‘−ジフェニル−N、N’−ビス(1−ナフチル)−1,1‘−ビフェニル−4,4’−ジアミンを溶解もしくは分散させる溶剤の溶解度パラメータの値が8.0〜11.0(cal/cm1/2であることを特徴とする。
【0010】
さらに、前記トリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム錯体を溶解もしくは分散させる溶剤が、アルコール系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、またはそれらと水の混合物であることを特徴とする。
さらに、前記N,N‘−ジフェニル−N、N’−ビス(1−ナフチル)−1,1‘−ビフェニル−4,4’−ジアミンを溶解もしくは分散させる溶剤が、炭化水素系溶剤、もしくはそれらの混合物であることを特徴とする。
さらに、製膜方法として、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法、浸漬法、スプレー法、または、印刷法を用いることを特徴とする。
また、本発明は、これらの製造方法より作製されたことを特徴とする有機EL素子である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の製造方法を用いることにより、低分子系有機物を大面積が容易で製造コストが安い湿式法を用いて積層構造の有機EL素子を作製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明では、上塗りの溶剤として、下地を構成する低分子系有機物を溶かす溶剤とSP値が非常に離れたものを使用することで、下地の有機物が上塗りの溶剤に溶解することなく、下地の有機物上に別の有機物を積層させることを可能にする。
【0013】
ここで、一般的に、SP値を求める方法として、蒸発によるエンタルピー変化から求めることができるが、有機物のSP値はその有機物を最も良く溶かすことのできる溶剤のSP値に近いことが推測されるので、本発明者らは、有機物のSP値をその有機物を溶かすことのできる溶剤のSP値の近傍にあるとみなし、本発明をするに至った。特に低分子系有機物の場合は、この下地を構成する低分子系有機物を溶かす溶剤のSP値と上塗りの溶剤のSP値とのSP値差が非常に重要であり、上塗りの溶剤に対する下地となる低分子系有機物の溶解度が低いような場合であっても、低分子系有機物を薄膜にした時には上塗りの溶剤に溶け出してしまう。そこで検討した結果、低分子系有機物を積層させるためには、下地を構成する低分子系有機物を溶かす溶剤のSP値と上塗りの溶剤のSP値とのSP値差が4.0(cal/cm1/2以上離れている必要があることを見出した。また、本発明は積層する際に、積層させたい低分子系有機物が溶剤に完全に溶解している必要はなく、分散液でも良いので、材料の制約が少なく、難溶性材料全般に使用できる。また、本発明の製膜方法として、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法、浸漬法、スプレー法、印刷法などの湿式法を用いることができる。
【0014】
ここで、溶解度パラメータ(SP値)について説明する。SP値(δ)はHildebrandが定義したδ=(Ecoh/V)1/2で表される。Ecohはモル蒸発エネルギー(cal/mol)、Vはモル容積(cm/mol)。δを求める方法としては、物性値からEcoh=△H−RTの関係式より求めることができる。△Hは蒸発によるエンタルピー(cal/mol)変化である。Rは気体定数(cal/mol・K)である。Tは温度(K)である。また、Hansenはδを3つの項に分類し、δ=δ+δ+δと表した。δ、δ、δはそれぞれ分散力項、双極子間力項、水素結合力項に相当する溶解度パラメータである。
【0015】
本発明ではこのHANSENのSP値(δ、δ、δ)からHildebrandが定義したSP値(δ)を求めた。ここで各種溶剤におけるHANSENのSP値(δ、δ、δ)はCharles M.Hansen著「HANSEN SOLUBILITY PARAMETERS」(CRC PRESS社、2000年発行)に記載の値を利用した。また、混合溶剤のSP値(δ)は、δ=δφ+δφにより求めた。δは溶剤1のSP値、φは溶剤1の体積分率、δは溶剤2のSP値、φは溶剤2の体積分率である。
【0016】
図1は、本発明の有機EL素子の一例を示す構造図である。図1に示す有機EL素子は、陽極層1上に、ホール輸送層2、発光層3、電子輸送層4、及び陰極層5が順次形成された積層構造である。本発明はこの構造に限ったものではなく、各層をさらに細分化し複数層を設ける事も可能である。例えばホール輸送層2と陽極層1との間にホール注入層(図示せず)を設ける事もできる。また、発光層3と電子輸送層4をあわせて1層にて作製することもできる。さらに電子注入層(図示せず)、ホールブロッキング層(図示せず)を設けることもできる。
【0017】
図1で示される陽極層1は、可視光波長領域で透明な絶縁性基板、例えばガラス基板のような支持体に形成された透明な導電性物質が用いられ、その材料としては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)などの導電性酸化物、あるいはポリチオフェンなどの導電性ポリマーなどを用いることができる。また、陰極層5が透明な材料で形成されている場合は不透明な材料で形成されていても良い。
図1で示されるホール輸送層2は、陽極層1から注入されるホールを輸送するための層であり、ホール輸送性材料を含む層である。ホール輸送性材料は特に限定はなく、分子量が5000以下である既存のホール輸送性の低分子系有機物を用いることができる。例えば、N,N‘−ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチル)−1,1‘−ビフェニル−4,4’−ジアミン(NPD、分子量588)、N,N‘−ジフェニル−N、N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1‘−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD、分子量516)、1,3,5−トリス(3−メチルジフェニルアミノ)ベンゼン(m−MTDATA、分子量788)、などの芳香族アミン系材料が挙げられる。
【0018】
また、その他にも、フタロシアニン系錯体、アニリン系共重合体、ポリフィリン化合物、イミダゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、スチルベン誘導体、ポリアリールアルカン誘導体などが挙げられる。
この層を形成する方法としては、ホール輸送性材料を溶剤に溶解もしくは分散し、塗布液を作製後、その塗布液を用いて各種湿式法にて塗布する。そして、製膜過程で溶剤が蒸発し、有機物からなるホール輸送層を形成することができる。各種湿式法として、例えば、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法、浸漬法、スプレー法、印刷法などの製膜方法がある。
【0019】
また、溶解または分散させる方法としては、加熱して行なっても良い。分散方法には特に限定は無いが、例えば、ボールミルやホモジナイザーなどを併用または単独で用いることができる。もしくは、溶解性の高い溶剤に有機物を溶解させ、それを溶解性の低い溶剤と混合することで分散体を作製しても良い。また、この時に分散体の溶剤としては、分散体を作製した時の溶剤を別な溶剤で置換して新しい分散溶液を作製しても良い。さらに、温度によって、溶解性が変わる場合は、有機物を溶解した溶液を高温から低温に変化させることで分散体を作製することもできる。この時の分散体の溶剤に関しても特に限定はない。
【0020】
ホール輸送性材料を含む溶液に、分散安定性の向上ならびに結晶化を防止する目的で界面活性剤等の添加剤を加えても良い。添加量としては、ホール輸送性低材料の固形分に対し、分散安定性の向上と結晶化防止およびホール輸送能力低下のバランスの観点から0.0001重量%〜10重量%が良い。界面活性剤としては、特に限定はなく、例えばアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤等を使用することができる。
【0021】
例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなどの脂肪酸塩や、高級アルコール硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシノニルフェニルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールエーテル硫酸塩、スルホン酸基又は硫酸エステル基と重合性の不飽和二重結合を分子中に有する、いわゆる反応性界面活性剤などのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルや、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、又は前述の骨格と重合性の不飽和二重結合を分子中に有する反応性ノニオン性界面活性剤などのノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩や、第四級アンモニウム塩などのカチオン性界面活性剤、(変性)ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
【0022】
ホール輸送性材料と混合する溶剤として、トリメチルベンゼン、キシレン、トルエン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、テトラリン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、2−プロパノール、エタノールなどの炭化水素系の溶剤やこれら溶剤の混合物、または、これらの溶剤と水との混合物等が挙げられるが、ホール輸送層の下地の陽極層に導電性酸化物を用いる場合は、下地が溶解する可能性がないため、どのようなSP値の溶剤を用いてもかまわない。 ホール輸送性材料は、溶剤に溶解させても分散させても良いが、製膜後の膜の均一性および膜表面の平滑性を向上させるという点では溶剤に溶解させることが好ましい。例えば、ホール輸送性材料にNPDを使用する場合には、具体例としてはトルエン、テトラリン、などの炭化水素系の溶剤を用いることが好ましい。
【0023】
図1で示される発光層3は発光性材料を含む層である。発光性材料としては、分子量が5000以下である既存の発光性の低分子系有機物ならば何でも良く、蛍光材料、燐光材料、金属錯体などがある。これらをホールもしくは電子輸送性さらにその両方を有するホスト化合物に少量ドープして使用しても良い。
この層を構成する材料の例として、トリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3、分子量459)、ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体(BeBq2、分子量397)、フェナントロリン系ユウロピウム錯体(Eu(TTA)3(phen)、ペリレン、クマリン誘導体、キナクリドン、いずれも分子量252〜995、など)、イリジウム錯体(Ir(ppy)、Firpic、Ir(ppy)(acac)、いずれも分子量599〜694、など)、4,4‘−ビス(9−カルバゾール)ビフェニル(CBP、分子量484)などが挙げられる。
【0024】
この層を形成する方法としては、発光性材料を溶剤に溶解もしくは分散し、塗布液を作製後、その塗布液を用いて各種湿式法にて塗布する。そして、製膜過程で溶剤が蒸発し、有機物からなる発光層を形成することができる。各種湿式法として、例えば、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法、浸漬法、スプレー法、印刷法などの製膜方法がある。
この層を、下地であるホール輸送性材料の薄膜の上に形成させる場合には、発光層を作製するための溶剤の選択が重要である。ここでの溶剤としては、下地の有機物が溶解する溶剤に対し、各SP値が4.0(cal/cm1/2以上離れていることが好ましい。
【0025】
ここで、下地の有機物を溶解する溶剤としては、下地に使用する有機物は難溶解性の材料が多いために、有機物を室温にて0.2重量%以上溶かす溶剤のSP値に下地に使用する有機物のSP値が近いと推定できることから、有機物を室温にて0.2重量%以上溶かす溶剤が好ましい。0.2重量%以上溶かす溶剤がない場合は、0.1重量%以上を溶かす溶剤でも良い。溶剤としては、混合溶剤を使用しても良い。溶解または分散させる方法としては、加熱して行なっても良い。
分散方法には特に限定は無いが、例えば、ボールミルやホモジナイザーなどを併用または単独で用いることができる。もしくは、溶解性の高い溶剤に有機物を溶解させ、それを溶解性の低い溶剤と混合することで分散体を作製しても良い。また、この時に分散体の溶剤としては、分散体を作製した時の溶剤を別な溶剤で置換し、新しい分散溶液を作製しても良い。さらに、温度によって、溶解性が変わる場合は、有機物を溶解した溶液を高温から低温に変化させることで分散体を作製することもできる。この時の分散体の溶剤に関しても特に限定はない。
【0026】
発光性材料を含む溶液に、分散安定性の向上および結晶化を防止する目的で界面活性剤等の添加剤を加えても良い。添加量としては、発光性材料の固形分に対し、分散安定性の向上と結晶化の防止および発光効率のバランスの観点から0.0001重量%〜30重量%が良い。ここでの界面活性剤は、特に限定はなく、前述した界面活性剤を用いることができる。また、ポリビニルカルバゾールのような導電性を有する高分子系有機物、もしくはポリスチレン等の高分子系有機物を添加しても良い。
【0027】
発光性材料と混合する溶剤として、トリメチルベンゼン、キシレン、トルエン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、テトラリン、ジメチルホルムアミド(DMF)、2−プロパノール、エタノールなどの炭化水素系の溶剤やこれら溶剤の混合物、または、これらの溶剤と水との混合物等が挙げられる。発光性材料は、溶剤に溶解させても分散させても良いが、製膜後の膜の均一性および膜表面の平滑性を向上させるという点では溶剤に溶解させることが好ましい。
発光性材料を溶解もしくは分散させる溶剤として、SP値の高い溶剤、例えば2−プロパノール、エタノールなどのアルコール系溶剤は、水と任意に混合できるという点で好ましい。また、水との混合溶剤においては、水と混合して水の比率を高くすると混合溶剤のSP値を高くすることができるので下地の有機物の溶解を防ぐことが出来る点で好ましい。
【0028】
図1で示される電子輸送層4は、陰極層5から注入される電子を輸送するための層であり、電子輸送性材料を含む層である。同時に、陽極層1から注入されたホールを発光層3内に閉じ込めるためのホールブロッキング層としての役割を兼ねても良い。電子輸送性材料は特に限定はなく、分子量が5000以下である既存の低分子系有機物を用いることができる。
例えば、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4オキサジアゾール(PBD、分子量354)、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND、分子量322)、4,4‘−ビス(9−カルバゾール)ビフェニル(CBP、分子量484)、トリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3、分子量459)、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム(III)(BAlq、分子量512)などを挙げる事ができる。
【0029】
この層を形成する方法としては、電子輸送性材料を溶剤に溶解もしくは分散し、塗布液を作製後、その塗布液を用いて各種湿式法にて塗布する。そして、製膜過程で溶剤が蒸発し、有機物からなる電子輸送層を形成することができる。各種湿式法として、例えば、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法、浸漬法、スプレー法、印刷法などの製膜方法がある。
この層を、発光性材料の薄膜の上に形成させる場合には、電子輸送層を作製するための溶剤の選択が重要である。
ここでの溶剤としては、下地の有機物が溶解する溶剤にたいし、SP値が4.0(cal/cm1/2以上離れていることが好ましい。
ここで、下地の有機物を溶解する溶剤としては、下地に使用する有機物は難溶解性の材料が多いために、有機物を室温にて0.2重量%以上溶かす溶剤のSP値に下地に使用する有機物のSP値が近いと推定できることから、有機物を室温にて0.2重量%以上溶かす溶剤が好ましい。0.2重量%以上溶かす溶剤がない場合は、0.1重量%以上を溶かす溶剤でも良い。溶剤としては、混合溶剤を使用しても良い。溶解または分散させる方法としては、加熱して行なっても良い。
【0030】
分散方法には特に限定は無いが、例えば、ボールミルやホモジナイザーなどを併用または単独で用いることができる。もしくは、溶解性の高い溶剤に有機物を溶解させ、それを溶解性の低い溶剤と混合することで分散体を作製しても良い。また、この時に分散体の溶剤としては、分散体を作製した時の溶剤を別な溶剤で置換して新しい分散溶液を作製しても良い。さらに、温度によって、溶解性が変わる場合は、有機物を溶解した溶液を高温から低温に変化させることで分散体を作製することもできる。この時の分散体の溶剤に関しても特に限定はない。
【0031】
電子輸送性材料を含む溶液に、分散安定性の向上および結晶化を防止する目的で界面活性剤等の添加剤を加えても良い。添加量としては、電子輸送性材料の固形分に対し、分散安定性の向上と結晶化防止及び電子輸送能力低下のバランスの観点から0.0001重量%〜30重量%が良い。ここでの界面活性剤は、特に限定はなく、前記記載の界面活性剤ならばどれでもよい。
電子輸送性材料と混合する溶剤として、トリメチルベンゼン、キシレン、トルエン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、テトラリン、ジメチルホルムアミド(DMF)、2−プロパノール、エタノールなどの炭化水素系の溶剤やこれら溶剤の混合物、または、これらの溶剤と水との混合物等が挙げられる。電子輸送性材料は、溶剤に溶解させても分散させても良いが、製膜後の膜の均一性および膜表面の平滑性を向上させるという点では溶剤に溶解させることが好ましい。
【0032】
図1で示される陰極層5は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、硼素、銅、銀、金などの単体または合金が使用できる。さらにこれらを積層して使用、もしくはフッ化リチウム、酸化リチウム、フッ化カルシウムなどを用いて積層することも可能である。また、テトラヒドロアルミン酸塩により、湿式で形成することもできる。
【0033】
図2は、本発明の有機EL素子の別の例を示す構造図である。図2に示す有機EL素子は、陽極層1上に、ホール輸送層2、電子輸送性発光層6、及び陰極層5が順次形成された積層構造である。陽極層1、ホール輸送層2、及び陰極層5は上述した図1と同様なので説明は省略する。図2の電子輸送性発光層6は、図1の発光層3と電子輸送層4をあわせた機能を持つ。本発明はこの構造に限ったものではなく、各層をさらに細分化し複数層を設ける事も可能である。例えばホール輸送層2と陽極層1との間にホール注入層(図示せず)を設ける事もできる。また、電子注入層(図示せず)、ホールブロッキング層(図示せず)を設けることもできる。
【0034】
図2で示される電子輸送性発光層4は、発光をし、且つ陰極層5から注入される電子を輸送するための層であり、電子輸送性材料、発光性材料、電子輸送性発光材料、等を含む層である。電子輸送性発光材料としては、分子量が5000以下である既存の低分子系有機物ならば何でも良い。
例えば、トリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3、分子量459)やAlq3にメチル基を導入したAlmq(分子量501)、ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体(Bebq2、分子量397)等を挙げる事ができる。
【0035】
この層を形成する方法としては、電子輸送性発光材料を溶剤に溶解もしくは分散し、塗布液を作製後、その塗布液を用いて各種湿式法にて塗布する。そして、製膜過程で溶剤が蒸発し、有機物からなる電子輸送発光層を形成することができる。各種湿式法として、例えば、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法、浸漬法、スプレー法、印刷法などの製膜方法がある。
この層を、ホール輸送性材料の薄膜の上に形成させる場合には、電子輸送発光層を作製するための溶剤の選択が重要である。
ここでの溶剤としては、下地の有機物が溶解する溶剤にたいし、SP値が4.0(cal/cm1/2以上離れていることが好ましい。
ここで、下地の有機物を溶解する溶剤としては、下地に使用する有機物は難溶解性の材料が多いために、有機物を室温にて0.2重量%以上溶かす溶剤のSP値に下地に使用する有機物のSP値が近いと推定できることから、有機物を室温にて0.2重量%以上溶かす溶剤が好ましい。0.2重量%以上溶かす溶剤がない場合は、0.1重量%以上を溶かす溶剤でも良い。溶剤としては、混合溶剤を使用しても良い。溶解または分散させる方法としては、加熱して行なっても良い。
【0036】
分散方法には特に限定は無いが、例えば、ボールミルやホモジナイザーなどを併用または単独で用いることができる。もしくは、溶解性の高い溶剤に有機物を溶解させ、それを溶解性の低い溶剤と混合することで分散体を作製しても良い。また、この時に分散体の溶剤としては、分散体を作製した時の溶剤を別な溶剤で置換して新しい分散溶液を作製しても良い。さらに、温度によって、溶解性が変わる場合は、有機物を溶解した溶液を高温から低温に変化させることで分散体を作製することもできる。この時の分散体の溶剤に関しても特に限定はない。
電子輸送性発光材料を含む溶液に、分散安定性の向上および結晶化を防止する目的で界面活性剤等の添加剤を加えても良い。添加量としては、電子輸送性材料の固形分に対し、分散安定性の向上と結晶化防止及び電子輸送能力低下、発光効率のバランスの観点から0.0001重量%〜30重量%が良い。ここでの界面活性剤は、特に限定はなく、前記記載の界面活性剤ならばどれでもよい。
【0037】
電子輸送性発光材料と混合する溶剤として、トリメチルベンゼン、キシレン、トルエン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、テトラリン、ジメチルホルムアミド(DMF)、2−プロパノール、エタノールなどの炭化水素系の溶剤やこれら溶剤の混合物、または、これらの溶剤と水との混合物等が挙げられる。電子輸送性発光材料は、溶剤に溶解させても分散させても良いが、製膜後の膜の均一性および膜表面の平滑性を向上させるという点では溶剤に溶解させることが好ましい。
電子輸送性発光材料を溶解もしくは分散させる溶剤として、SP値の高い溶剤、例えば2−プロパノール、エタノールなどのアルコール系溶剤は、水と任意に混合できるという点で好ましい。また、水との混合溶剤においては、水と混合して水の比率を高くすると混合溶剤のSP値を高くすることができるので下地の有機物の溶解を防ぐことが出来る点で好ましい。
【0038】
本発明の有機EL素子は、ディスプレイ用、照明用として有用である。
【実施例】
【0039】
実施例により本発明の積層検討について詳細に説明する。
はじめに、低分子系有機物を各種溶剤にて混合し、低分子系有機物の溶解性を調べた。
低分子系有機物としてはNPDを用い、各種溶剤への溶解性を目視にて確認した。以下に具体的な実験方法を述べる。
まず、NPDが0.2重量%となるように各種溶剤を用いて室温にて混合し、その溶液を室温にて攪拌した。攪拌後、得られたNPD含有溶液を1日静止後に目視により観察し、低分子系有機物の溶解性を評価した。溶解性の評価基準は、濁り液もしくは沈殿物ができたものは溶解していない、透明な溶液は溶解したと判断した。各種溶剤にて上記の試験を行った所、NPDはキシレン、トルエン、ジクロロベンゼン、テトラリン、に溶解した。これらの溶剤のSP値は8.8〜10.8(cal/cm1/2なので、NPDのSP値を8.8〜10.8(cal/cm1/2程度であるとみなした。
【0040】
次に、低分子系有機物を積層させるための溶剤選びの検討を行った。まず、NPDをトルエンに溶解させ、60℃にて3時間攪拌し、0.5重量%の濃度の溶液を調整した。この溶液をスピンコート法(300rpm、60秒の後に、2000rpm、1秒で実施)を用いて、ガラス上にITO層が形成してある透明基板の上に塗布した。そして、製膜過程で溶剤が蒸発し、固体のNPD膜が形成された。次に、そのNPD膜の上に、SP値の違う各種溶剤を滴下し、NPD膜が溶けるかどうかを目視にて観察し、NPD膜の溶剤に対する耐溶剤性を評価した。その結果を表1に示す。
【0041】
【表1】

NPD膜の上に塗布した溶剤は、DMF、エタノール、水とエタノールの混合物(重量比は、水:エタノールでそれぞれ1:5、1:3、1:2、1:1)、水とDMFの混合物(重量比は、水:DMFで1:1)、水を用い、表1にはそれらのSP値、及びその溶剤のSP値とNPD膜のSP値とのSP値差を標記した。SP値差は、NPDのSP値をNPDを溶かす溶剤のSP値の最も高い値である10.8(cal/cm1/2であるとみなして算出した。
【0042】
ここで、耐溶剤性の評価は、溶剤滴下後のNPD膜の剥離状態を目視にて評価した。NPD膜が基板上に全面に残っている(滴下前後にて変化ない)場合を「不溶」、NPD膜が一部溶解もしくは明らかに膜厚が薄くなっている場合を「一部可溶」、滴下部分全面が剥離している場合を「可溶」とした。
表1から、DMF、エタノールの場合、SP値差は3.0未満であり、滴下部分全面に剥離がみられ、NPDが溶剤に「可溶」していることが認められた。水とエタノールの混合物(重量比が水:エタノールで1:5)の場合、SP値差は4.0未満であり、NPD膜が一部溶解もしくは明らかに膜厚が薄くなっている状態がみられNPDが溶剤に「一部可溶」していることが認められた。水とエタノールの混合物(重量比は、水:エタノールでそれぞれ1:3、1:2、1:1)、水とDMFの混合物(重量比は、水:DMFで1:1)、水の場合、SP値差は4.0以上であり、NPD膜が基板上に全面に残っており、滴下前後にて変化はなかった。つまり「不溶」であることが認められた。このように、溶剤としては、下地の有機物が溶解する溶剤に対し、各SP値が4.0(cal/cm1/2以上離れていることが好ましい。
【0043】
次に、低分子系有機物を溶解もしくは分散させた溶剤を用い、積層構造を有する有機EL素子の作製方法を述べる。まず、NPDをトルエンに溶解させ、60℃にて3時間攪拌し、0.5重量%の濃度の溶液を調整する。この溶液をスピンコート法(300rpm、60秒の後に、2000rpm、1秒で実施)を用いて、ガラス上にITO層が形成してある透明基板の上に塗布する。そして、製膜過程で溶剤が蒸発し、固体のNPD膜が形成される。
次にAlq3をエタノールと水の1:1混合溶剤に分散させる。80度のホットプレートの上に先ほど作製したNPD膜が積層された基板を置く。そこにAlq3の分散液を滴下し、製膜過程で溶剤が蒸発し、固体のAlq3膜が形成される。次にこの基板にアルミニウムを蒸着することで、図2のような構造の有機EL素子を作製することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の有機EL素子の製造方法は、湿式法にて積層構造が形成できるので、有機EL素子形成が容易になる。有機EL素子はディスプレイ用、照明用として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の有機EL素子の一例を示す構造図である。
【図2】本発明の有機EL素子の別の例を示す構造図である。
【符号の説明】
【0046】
1 陽極層
2 ホール輸送層
3 発光層
4 電子輸送層
5 陰極層
6 電子輸送性発光層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機物を含む層が塗布により少なくとも2層以上に積層された有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、前記有機物の分子量は5000以下であり、前記有機物を含む層を塗布により積層する際に、下方の下塗り層を形成するための塗布液と該下塗り層上に積層する上塗り層を形成するための塗布液は、塗布液毎に各々の有機物を所定の溶解度パラメータを有する溶剤に溶解もしくは分散させて作製され、且つ、前記下塗り層に含まれる有機物が溶解する溶剤の溶解度パラメータと前記上塗り層を形成するための塗布液中の溶剤の溶解度パラメータとの差が4.0(cal/cm1/2以上であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【請求項2】
前記下塗り層はホール輸送層であり、前記上塗り層は発光層または電子輸送性発光層であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【請求項3】
前記上塗り層に含まれる有機物は、トリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム錯体であることを特徴とする請求項1乃至2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【請求項4】
前記下塗り層に含まれる有機物は、N,N‘−ジフェニル−N、N’−ビス(1−ナフチル)−1,1‘−ビフェニル−4,4’−ジアミンであることを特徴とする請求項1乃至3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【請求項5】
前記トリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム錯体を溶解もしくは分散させる溶剤の溶解度パラメータの値が15.0(cal/cm1/2以上であることを特徴とする請求項3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【請求項6】
前記N,N‘−ジフェニル−N、N’−ビス(1−ナフチル)−1,1‘−ビフェニル−4,4’−ジアミンを溶解もしくは分散させる溶剤の溶解度パラメータの値が8.0〜11.0(cal/cm1/2であることを特徴とする請求項4記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【請求項7】
前記トリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム錯体を溶解もしくは分散させる溶剤が、アルコール系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、またはそれらと水の混合物であることを特徴とする請求項3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【請求項8】
前記N,N‘−ジフェニル−N、N’−ビス(1−ナフチル)−1,1‘−ビフェニル−4,4’−ジアミンを溶解もしくは分散させる溶剤が、炭化水素系溶剤、もしくはそれらの混合物であることを特徴とする請求項4記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【請求項9】
製膜方法として、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法、浸漬法、スプレー法、または、印刷法を用いることを特徴とする請求項1乃至8記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【請求項10】
請求項1乃至9に記載の製造方法より作製されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−188672(P2007−188672A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−3796(P2006−3796)
【出願日】平成18年1月11日(2006.1.11)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成15年度新エネルギー・産業技術総合開発機構(高効率有機デバイスの開発)委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの)
【出願人】(000000033)旭化成株式会社 (901)
【Fターム(参考)】