説明

有機エレクトロルミネッセンス素子用材料

【課題】従来の技術に述べた赤色の高輝度発光を得るための有機EL素子は、色純度が悪いことや寿命が短いという欠点があった。そのため、より一層低い駆動電圧で高い色純度と輝度が得られる赤色発光を得ることができる長寿命の有機EL素子が求められていた。
【解決手段】下記一般式[1]で表される化合物と、下記一般式[2]で表される化合物とを含んでなる有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
一般式[1]
【化1】


[式中、Ar1は、置換もしくは未置換のペリレニル基、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基である。]
一般式[2]
【化2】


[式中X1 〜X14は、それぞれ独立に、水素原子などを表す。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は平面光源や表示に使用される有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。さらに詳しくは、低い駆動電圧で橙色ないし赤色発光を発する有機エレクトロルミネッセンス素子、とくに、長寿命で高い色純度と輝度を示す赤色発光を得るための有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
【背景技術】
【0002】
陰極から注入された電子と、陽極から注入された正孔とが、これら両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する際に発光する有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子は、固体発光型の表示素子としての用途が有望視され、近年活発に研究開発が行われている。
【0003】
この研究は、イーストマン・コダック社のC.W.Tang氏らによりAppl.Phys.Lett.,第51巻,913頁,1987年発行に報告された有機薄膜を積層したEL素子に端を発しており、この報告では、金属キレート錯体を発光層、アミン系化合物を正孔注入層に使用することで、6〜10Vの直流電圧での輝度が数1000(cd/m2)、最大発光効率が1.5(lm/W)の緑色発光を得ている。現在、様々な研究機関で開発が進められている有機EL素子は、基本的にこのイーストマン・コダック社の構成を踏襲しているといえる。
【0004】
有機EL素子の中でも、特に赤色発光を示す有機EL素子は、その有用性から様々な材料を用いた素子の研究が進められてきたが、ホスト材料の中に微量のドーパントを共蒸着などの方法によって混入させて発光層を形成し、ドーパントからの発光を得るという方法が有効な方法として検討されている。そのような例として、C.H.Chenら著,Macromol.Symp.,第125号,34〜36頁および49〜58頁,1997年発行に記載されている方法では、トリス(8−キノリノラト)アルミニウムをホスト材料に、DCM、DCJ、DCJT、DCJTBといった4H−ピラン誘導体をドーパントに用いて橙色から赤色の発光が得られる有機EL素子を報告している。
【0005】
また、ペリレン構造を有する材料を用いた有機EL素子については、例えば、特開平10−251633号公報、特開平11−144869号公報、特開2001−11031号公報、特開2001−176664号公報、特開2002−129043号公報、特開2003−201472号公報が知られている。
【0006】
さらに、ルビセン構造を有する化合物をドーパントに用いた有機EL素子として、例えば、特開平10−340785号公報、WO98/51757号パンフレットが挙げられる。
【非特許文献1】Appl.Phys.Lett.,第51巻,913頁,1987年
【非特許文献2】Macromol.Symp.,第125号,34〜36頁および49〜58頁,1997年
【特許文献1】特開平10−251633号公報
【特許文献2】特開平11−144869号公報
【特許文献3】特開2001−11031号公報
【特許文献4】特開2001−176664号公報
【特許文献5】特開2002−129043号公報
【特許文献6】特開2003−201472号公報
【特許文献7】特開平10−340785号公報
【特許文献8】WO98/51757号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の技術に述べた赤色の高輝度発光を得るための有機EL素子は、色純度が悪いことや寿命が短いという欠点があった。4H−ピラン誘導体をドーパントに用いた有機EL素子は、発光色が不十分であり、駆動電圧が高く発光輝度が低いというという問題があった。また、ペリレン構造を有する有機EL素子の場合、発光ピーク幅が広いため色純度の点で不十分であった。さらに、ルビセン構造を有する化合物を用いた有機EL素子は、駆動電圧が高いという欠点があった。そのため、より一層低い駆動電圧で高い色純度と輝度が得られる赤色発光を得ることができる長寿命の有機EL素子が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、以上の諸問題を考慮し解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。すなわち、本発明は、下記一般式[1]で表される化合物と、下記一般式[2]で表される化合物とを含んでなる有機エレクトロルミネッセンス素子用材料に関する。
【0009】
一般式[1]
【化1】

【0010】
[式中、Ar1は、置換もしくは未置換のペリレニル基、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基である。Ar1とR1、Ar1とR2、R1とR2は、互いに結合して環を形成していても良い。]
【0011】
一般式[2]
【化2】

【0012】
[式中X1 〜X14は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、カルボン酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、N−アルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換の芳香族基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換の複素環基を表す(隣接した置換基同士で結合して新たな環を形成してもよい。)。]
【0013】
また、本発明は、陽極と陰極とからなる一対の電極間に、発光層、または発光層を含む複数層の有機化合物薄膜を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、少なくとも一層が、上記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含む有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
【0014】
また、本発明は、陽極と陰極とからなる一対の電極間に、発光層、または発光層を含む複数層の有機化合物薄膜を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層が、上記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含む有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の有機EL素子用材料を用いて作成した有機EL素子は、耐熱性があり、従来に比べて低い駆動電圧で発光し長寿命であるため、壁掛けテレビ等のフラットパネルディスプレイや平面発光体として好適に使用することができ、複写機やプリンター等の光源、液晶ディスプレイや計器類等の光源、表示板、標識灯等への応用が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、詳細にわたって本発明を説明する。本発明は、一般式[1]で表されるアミン化合物と、一般式[2]で表されるルビセン構造を有する化合物とを含有する有機エレクトロルミネッセンス素子用材料であるが、まず、一般式[1]で表されるアミン化合物について説明する。
【0017】
一般式[1]中のAr1は、置換もしくは未置換のペリレニル基を表し、ペリレニル基としては、1−ペリレニル基、2−ペリレニル基、3−ペリレニル基があげられる。これらペリレニル基は、さらに他の置換基によって置換されていても良い。
【0018】
本発明において、置換基としては、1価の脂肪族炭化水素基、1価の芳香族炭化水素基、1価の脂肪族複素環基、1価の芳香族複素環基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等があげられる。
【0019】
ここで、1価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜18の1価の脂肪族炭化水素基を指し、そのようなものとしては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基があげられる。
【0020】
したがって、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基といった炭素数1〜18のアルキル基があげられる。
【0021】
また、アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−オクテニル基、1−デセニル基、1−オクタデセニル基といった炭素数2〜18のアルケニル基があげられる。
【0022】
また、アルキニル基としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−オクチニル基、1−デシニル基、1−オクタデシニル基といった炭素数2〜18のアルキニル基があげられる。
【0023】
また、シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基、2−ボルニル基、2−イソボルニル基、1−アダマンチル基といった炭素数3〜18のシクロアルキル基があげられる。
【0024】
さらに、1価の芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜30の1価の単環、縮合環、環集合芳香族炭化水素基があげられる。ここで、炭素数6〜30の1価の単環芳香族炭化水素基としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,4−キシリル基、p−クメニル基、メシチル基等の炭素数6〜30の1価の単環芳香族炭化水素基があげられる。
【0025】
また、1価の縮合環芳香族炭化水素基としては、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、2−アンスリル基、5−アンスリル基、1−フェナンスリル基、9−フェナンスリル基、1−アセナフチル基、2−アズレニル基、1−ピレニル基、2−トリフェニレル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、1−ペリレニル基、2−ペリレニル基、3−ペリレニル基、2−トレフェニレニル基、2−インデニル基、1−アセナフチレニル基、2−ナフタセニル基、2−ペンタセニル基等の炭素数10〜30の1価の縮合環炭化水素基があげられる。
【0026】
また、1価の環集合芳香族炭化水素基としては、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基、テルフェニリル基、7−(2−ナフチル)−2−ナフチル基等の炭素数12〜30の1価の環集合炭化水素基があげられる。
【0027】
また、1価の脂肪族複素環基としては、3−イソクロマニル基、7−クロマニル基、3−クマリニル基、ピペリジノ基、モルホリノ基、2−モルホリノ基等の炭素数3〜18の1価の脂肪族複素環基があげられる。
【0028】
また、1価の芳香族複素環基としては、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−キノリル、5−イソキノリル基等の炭素数3〜30の1価の芳香族複素環基があげられる。
【0029】
また、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子があげられる。
【0030】
また、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、2−ボルニルオキシ基、2−イソボルニルオキシ基、1−アダマンチルオキシ基等の炭素数1〜18のアルコキシ基があげられる。
【0031】
また、アリールオキシ基としては、フェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基といった炭素数6〜30のアリールオキシ基があげられる。
【0032】
また、アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基といった炭素数1〜18のアルキルチオ基があげられる。
【0033】
また、アリールチオ基としては、フェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、4−tert−ブチルフェニルチオ基といった炭素数6〜30のアリールチオ基があげられる。
【0034】
また、アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、シクロヘキシルカルボニル基、ベンゾイル基、トルオイル基、アニソイル基、シンナモイル基等の炭素数2〜18のアシル基があげられる。
【0035】
また、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等の炭素数2〜18のアルコキシカルボニル基があげられる。
【0036】
また、アリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等の炭素数7〜30のアリールオキシカルボニル基があげられる。
【0037】
また、アルキルスルホニル基としては、メシル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基等の炭素数1〜18のアルキルスルホニル基があげられる。
【0038】
また、アリールスルホニル基としては、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等の炭素数6〜30のアリールスルホニル基があげられる。
【0039】
これら置換基は、さらに他の置換基によって置換されていても良く、また、これら置換基同士が結合し、環を形成していても良い。
【0040】
以上述べた一般式[1]中のAr1としては、置換もしくは未置換の1−ペリレニル基、置換もしくは未置換の2−ペリレニル基、置換もしくは未置換の3−ペリレニル基があげられるが、このうち、置換もしくは未置換の3−ペリレニル基が好ましく、未置換の3−ペリレニル基が特に好ましい。また、置換3−ペリレニル基の中で好ましい置換基としては、前述のアルキル基、1価の芳香族炭化水素基、1価の芳香族複素環基があげられ、特に好ましい置換基としては、1価の芳香族炭化水素基があげられる。
【0041】
また、上に述べた置換基における炭素数としては1〜18が好ましく、1〜12がさらに好ましい。この理由として、これら置換基の炭素数が多くなると、蒸着によって素子を作成しようとした場合の蒸着性が悪くなるといった懸念があるためである。
【0042】
次に、一般式[1]中のR1およびR2について説明する。R1およびR2は、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基より選ばれる1価の有機残基である。ここでいう置換基とは、Ar1の置換基で説明した置換基と同義である。また、未置換の1価の芳香族炭化水素基、未置換の1価の芳香族複素環基とは、それぞれAr1の置換基で説明した1価の芳香族炭化水素基、未置換の1価の芳香族複素環基と同義である。
【0043】
上記一般式[1]で表されるアミン化合物の内、好ましいものとしては、下記一般式[4]で表されるアミン化合物があげられる。
【0044】
一般式[4]
【化3】

【0045】
[式中、Ar2は、置換もしくは未置換のペリレニル基、R3およびAr4は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、Ar3は、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基、R4は、直接結合、−O−、−S−、−C(R5)R6−、−Si(R7)R8−のいずれかである(ここに、R5〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基のいずれかである)。Ar2とR3、R3とAr3、Ar3とAr2は、互いに結合して環を形成していても良い。]
ここでいう置換基、置換もしくは未置換のペリレニル基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基とは、それぞれ、一般式[1]で説明した置換基、置換もしくは未置換のペリレニル基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基と同義である。
【0046】
上記一般式[4]における2価の芳香族炭化水素基とは、2価の単環もしくは縮合環、環集合芳香族炭化水素基を意味し、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アンスリレン基、ビフェニレン基、p−テルフェニル−4,4''−ジイル基、m−テルフェニル−3,3''−ジイル基、m−テルフェニル−4,4'−ジイル基、[1,2'−ビナフタレン]−4,5'−ジイル等の炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基があげられる。また、一般式[4]における2価の芳香族複素環基とは、2価の単環もしくは縮合環、環集合芳香族複素環基を意味し、例えば、2,5−フリレン基、2,5−チエニレン基、2,5−ピリジレン基、2,5−ピラジレン基、2,6−キニリレン基、1,4−イソキノリレン基、2,3−キノキサリレン基等の炭素数4〜30の2価の芳香族複素環基があげられる。
【0047】
以上述べた2価の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基の内、好ましいものとしては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基等の炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基があげられる。
【0048】
さらに、上記一般式[4]で表されるアミン化合物の内、さらに好ましいものとして、下記一般式[5]で表されるアミン化合物があげられる。
【0049】
一般式[5]
【化4】

【0050】
[式中、Ar5は、置換もしくは未置換のペリレニル基、Ar6およびAr8は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基、Ar7およびAr9は、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、R9およびR10は、それぞれ独立に、直接結合、−O−、−S−、−C(R11)R12−、−Si(R13)R14−のいずれかである(ここに、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基のいずれかである)。Ar5とAr6、Ar6とAr8、Ar8とAr5は、互いに結合して環を形成していても良い。]
ここでいう置換基、置換もしくは未置換のペリレニル基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基とは、それぞれ、一般式[1]および一般式[4]で説明した置換基、置換もしくは未置換のペリレニル基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基と同義である。
【0051】
また、一般式[1]で表されるアミン化合物の内、他の好ましいものとしては、下記一般式[6]で表されるアミン化合物があげられる。
【0052】
一般式[6]
【化5】

【0053】
[式中、Ar10は、置換もしくは未置換のペリレニル基、R15、Ar12およびAr13は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、Ar11は、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基、R16は、直接結合、−O−、−S−、−C(R17)R18−、−Si(R19)R20−のいずれかである(ここに、R17〜R20は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基のいずれかである)。Ar10とR15、R15とAr11、Ar11とAr10、Ar12とAr13、Ar13とR16、R16とAr12は、互いに結合して環を形成していても良い。]
ここでいう置換基、置換もしくは未置換のペリレニル基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基とは、それぞれ、一般式[1]および一般式[4]で説明した置換基、置換もしくは未置換のペリレニル基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基と同義である。
【0054】
さらに、上記一般式[6]で表されるアミン化合物の内、特に好ましいものとしては、下記一般式[7]で表されるアミン化合物があげられる。
【0055】
一般式[7]
【化6】

【0056】
[式中、Ar14は、置換もしくは未置換のペリレニル基、Ar15およびAr18は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基、Ar16、Ar17、Ar19およびAr20は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、R21およびR22は、直接結合、−O−、−S−、−C(R23)R24−、−Si(R25)R26−のいずれかである(ここに、R23〜R26は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基のいずれかである)。Ar16とAr17、Ar17とR21、R21とAr16、Ar19とAr20、Ar20とR22、R22とR19、Ar14とAr15、Ar15とAr18、Ar18とAr14は、互いに結合して環を形成していても良い。]
ここでいう置換基、置換もしくは未置換のペリレニル基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基とは、それぞれ、一般式[1]および一般式[4]で説明した置換基、置換もしくは未置換のペリレニル基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基と同義である。
【0057】
以上、本発明に用いる一般式[1]で表されるアミン化合物について説明したが、これらアミン化合物の分子量としては、2000以下が好ましく、1500以下がさらに好ましく、1000以下が特に好ましい。この理由として、分子量が大きいと、蒸着によって素子を作成する場合の蒸着性が悪くなる懸念が考えられるためである。
【0058】
以下、表1に本発明の有機EL素子用材料として用いることができる一般式[1]で表されるアミン化合物の代表例(例示化合物1〜80)を示すが、本発明は、なんらこれらに限定されるものではない(ただし、表1中、t−Buはtert−ブチル基を、Phはフェニル基、tolはp−トリル基を表す)。
【0059】
【表1】

【0060】

【0061】

【0062】

【0063】

【0064】

【0065】
つぎに、本発明で用いる一般式[2]で表されるルビセン構造を有する化合物について説明する。
【0066】
一般式[2]
【化7】

【0067】
[式中X1 〜X14は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、カルボン酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、N−アルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換の複素環基を表す(隣接した置換基同士で結合して新たな環を形成してもよい。)。]
【0068】
上記一般式[2]において、式中X1 〜X14は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、カルボン酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、N−アルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、または複素環基を意味し、隣接基同士で互いに結合して縮合5員環、縮合6員環、縮合へテロ5員環、または縮合へテロ6員環を形成してもよい。また、上記アシル、アルキル、アリール、アミノ、および複素環は、さらに、置換基を有してもよい。
【0069】
本発明のX1 〜X14で示される置換基のハロゲン原子としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素が上げられる。これらの中で、フッ素、塩素が好ましい。
【0070】
また、アシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、シクロヘキシルカルボニル基、ベンゾイル基、フェニルアセチル基などが挙げられる。これらの中で、アセチル基、プロピオニル基、フェニルアセチル基が好ましい。
【0071】
また、アルキルオキシカルボニル基としては、例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基などが挙げられる。これらの中で、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基が好ましい。
【0072】
また、アリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェニルオキシカルボニル基、トリルオキシカルボニル基、ビフェニリルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、アンスリルオキシカルボニル基、ピレニルオキシカルボニル基、ペリレニルオキシカルボニル基などが挙げられる。これらの中で、フェニルオキシカルボニル基、トリルオキシカルボニル基、ビフェニリルオキシカルボニル基が好ましい。
【0073】
また、アシルオキシ基としては、たとえば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、フェニルアセチルオキシ基などが挙げられる。これらの中で、アセチルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、フェニルアセチルオキシ基が好ましい。
【0074】
また、アシルアミノ基としては、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチリルアミノ基、イソブチリルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。これらの中で、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチルアミノ基が好ましい。
【0075】
また、N−アルキルカルバモイル基としては、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−イソプロピルカルバモイル基、N−シクロヘキシルカルバモイル基、N−ベンジルカルバモイル基などが挙げられる。これらの中で、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−シクロヘキシルカルバモイル基が好ましい。
【0076】
また、N−アリールカルバモイル基としては、例えば、N−フェニルカルバモイル基、N−トリルカルバモイル基、N−ビフェニリルカルバモイル基、N−ナフチルカルバモイル基、N−アンスリルカルバモイル基、N−ピレニルカルバモイル基、N−ペリレニルカルバモイル基などが挙げられる。これらの中で、N−フェニルカルバモイル基、N−トリルカルバモイル基、N−ビフェニリルカルバモイル基が好ましい。
【0077】
また、アルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、トリクロロメチル基などが挙げられる。これらの中で、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が好ましい。
【0078】
また、アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラニル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ピレニル基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、3−フルオロフェニル基、3−トリクロロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、3−ニトロフェニル基などが挙げられる。これらの中でフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラニル基、フェナントリル基、フルオレニル基が好ましい。
【0079】
また、アルキルオキシ基としては、例えば、メトキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフルオロエトキシ基、ペンタフルオロプロポキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロポキシ基、6−(パーフルオロエチル)ヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基などが挙げられる。これらの中で、メトキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましい。
【0080】
また、アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、p−ニトロフェノキシ基、p−tert−ブチルフェノキシ基、3−フルオロフェノキシ基、ペンタフルオロフェニル基、3−トリフルオロメチルフェノキシ基、ナフチルオキシ基、アンスリルオキシ基などが挙げられる。これらの中で、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、アンスリルオキシ基が好ましい。
【0081】
また、アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基などが挙げられる。これらの中で、メチルチオ基、エチルチオ基、tert−ブチルチオ基が好ましい。
【0082】
また、アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、p−ニトロフェニルチオ基、p−tert−ブチルフェニルチオ基、3−フルオロフェニルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基、3−トリフルオロメチルフェニルチオ基などが挙げられる。これらの中で、フェニルチオ基、p−tert−ブチルフェニルチオ基が好ましい。
【0083】
また、アミノ基としては、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などが挙げられる。これらの中で、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基が好ましい。
【0084】
また、複素環基としては、例えば、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、インドリニル基、キノリニル基、アクリジニル基、ピロリジニル基、ジオキサニル基、ピペリジニル基、モルホリニル基、ピペラジニル基、カルバゾリル基、フラニル基、チオフェニル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、トリアゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、プラニル基などが挙げられる。これらの中で、ピリジニル基、キノリニル基、カルバゾリル基、フラニル基、チオフェニル基、オキサゾリル基が好ましい。
【0085】
これら置換基は、隣接基同士で互いに結合して形成される縮合5員環、隣接基同士で互いに結合して形成される縮合6員環、隣接基同士で互いに結合して形成される縮合へテロ5員環、隣接基同士で互いに結合して形成される縮合へテロ6員環を形成していても良い。
【0086】
隣接基同士で互いに結合した結果形成される5員環としては、シクロペンタン環、シクロペンテン環などが挙げられる。
【0087】
隣接基同士で互いに結合した結果形成される6員環としては、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、ベンゼン環などが挙げられる。
【0088】
隣接基同士で互いに結合した結果形成されるヘテロ5員環としては、ジヒドロフラン環、ピロリジン環、ジヒドロチオフェエン環、フラン環、ピロール環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環などが挙げられる。
【0089】
隣接基同士で互いに結合した結果形成されるヘテロ6員環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラノン環などが挙げられる。
【0090】
また、上記アシル(アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基)、アルキル(アルキルオキシカルボニル基、N−アルキルカルバモイル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、)、アリール(アリールオキシカルボニル基、N−アリールカルバモイル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基)、アミノ(アミノ基)、および複素環(複素環基)は、さらに、置換基を有してもよい。
置換基がさらに有してもよい置換基としては、水酸基、カルボン酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、N−アルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、または複素環基が挙げられ、前記のそれらと同じもを例示できる。
【0091】
以上、本発明に用いることができる一般式[2]で表される化合物について説明したが、これらルビセン構造を有する化合物の分子量は、2000以下が好ましく、1500以下がさらに好ましく、1000以下が特に好ましい。この理由として、分子量が大きいと、蒸着によって素子を作成しようとした場合の蒸着性が悪くなるといった懸念が考えられるためである。
【0092】
以下、表2に本発明の有機EL素子に用いることができる一般式[2]で表されるルビセン構造を有する化合物の代表例(例示化合物D1〜D75)を示すが、本発明は、なんらこれらに限定されるものではない。
【0093】
【表2】

【0094】

【0095】

【0096】

【0097】

【0098】

【0099】
本発明において、一般式[1]で表される化合物100重量部に対して、下記一般式[2]で表される化合物0.01〜100重量部用いるのが好ましい。より好ましくは、0.1〜50重量部である。また、好ましい使用法として、例えば、発光層で一般式[1]で表される化合物をホスト材料として用い、一般式[2]で表される化合物をゲスト材料として用いることが挙げられる。
【0100】
ところで、有機EL素子は、陽極と陰極間に一層または多層の有機層を形成した素子から構成されるが、ここで、一層型有機EL素子とは、陽極と陰極との間に発光層のみからなる素子を指す。一方、多層型有機EL素子とは、発光層の他に、発光層への正孔や電子の注入を容易にしたり、発光層内での正孔と電子との再結合を円滑に行わせたりすることを目的として、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子注入層などを積層させたものを指す。したがって、多層型有機EL素子の代表的な素子構成としては、(1)陽極/正孔注入層/発光層/陰極、(2)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極、(3)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極、(4)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極、(5)陽極/正孔注入層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(7)陽極/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(8)陽極/発光層/電子注入層/陰極等の多層構成で積層した素子構成が考えられる。
【0101】
ここで、正孔注入層には、発光層に対して優れた正孔注入効果を示し、かつ陽極界面との密着性と薄膜形成性に優れた正孔注入層を形成できる正孔注入材料が用いられる。また、このような材料を多層積層させ、正孔注入効果の高い材料と正孔輸送効果の高い材料とを多層積層させた場合、それぞれに用いる材料を正孔注入材料、正孔輸送材料と呼ぶことがある。そのような正孔注入材料あるいは正孔輸送材料の例としては、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾールチオン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、テトラヒドロイミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、アシルヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、芳香族三級アミン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリシラン誘導体等があげられるが、素子作成に必要な薄膜を形成し、陽極からの正孔を注入ができて、正孔を輸送できる材料であれば、特にこれらに限定されるものではない。
【0102】
上記材料の中でも特に好適に使用することのできる正孔注入材料あるいは正孔輸送材料としては、芳香族三級アミン誘導体およびフタロシアニン誘導体があげられる。芳香族三級アミン誘導体としては、例えば、N,N'−ジフェニル−N,N'−(3−メチルフェニル)−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン、N,N,N',N'−(4−メチルフェニル)−1,1'−フェニル−4,4'−ジアミン、N,N,N',N'−(4−メチルフェニル)−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン、N,N'−ジフェニル−N,N'−ジナフチル−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン、N,N'−(メチルフェニル)−N,N'−(4−n−ブチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、N,N−ビス(4−ジ−4−トリルアミノフェニル)−4−フェニル−シクロヘキサン、およびこれら芳香族三級アミン骨格を有するオリゴマーまたはポリマーがあげられ、これらは正孔注入材料、正孔輸送材料いずれにも好適に使用することができる。また、フタロシアニン(Pc)誘導体としては、例えば、H2Pc、CuPc、CoPc、NiPc、ZnPc、PdPc、FePc、MnPc、ClAlPc、ClGaPc、ClInPc、ClSnPc、Cl2SiPc、(HO)AlPc、(HO)GaPc、VOPc、TiOPc、MoOPc、GaPc−O−GaPc等のフタロシアニン誘導体があげられ、これらは特に正孔注入材料に好適に使用することができる。
【0103】
一方、電子注入層には、発光層に対して優れた電子注入効果を示し、かつ陰極界面との密着性と薄膜形成性に優れた電子注入層を形成できる電子注入材料が用いられる。そのような電子注入材料の例としては、金属錯体化合物、含窒素五員環誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェノキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ペリレンテトラカルボン酸誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、シロール誘導体、カルシウムアセチルアセトナート、酢酸ナトリウムなどがあげられる。また、セシウム等の金属をバソフェナントロリンにドープした無機/有機複合材料(高分子学会予稿集,第50巻,4号,660頁,2001年発行に記載)や第50回応用物理学関連連合講演会講演予稿集、No.3、1402頁、2003年発行記載のBCP、TPP、T5MPyTZ等も電子注入材料の例としてあげられるが、素子作成に必要な薄膜を形成し、陰極からの電子を注入できて、電子を輸送できる材料であれば、特にこれらに限定されるものではない。
【0104】
上記電子注入材料の中でも特に効果的な電子注入材料としては、金属錯体化合物または含窒素五員環誘導体があげられる。本発明に使用可能な電子注入材料の内、好ましい金属錯体化合物としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム、トリス(5−フェニル−8−キノリノラト)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)(2−ナフトラート)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)(フェノラート)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)(4−シアノ−1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(4−メチル−8−キノリノラト)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(5−メチル−8−キノリノラト)(2−ナフトラート)アルミニウム、ビス(5−フェニル−8−キノリノラト)(フェノラート)アルミニウム、ビス(5−シアノ−8−キノリノラト)(4−シアノ−1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)クロロアルミニウム、ビス(8−キノリノラト)(o−クレゾラート)アルミニウム等のアルミニウム錯体化合物、トリス(8−キノリノラト)ガリウム、トリス(2−メチル−8−キノリノラト)ガリウム、トリス(2−メチル−5−フェニル−8−キノリノラト)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(2−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(フェノラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−シアノ−1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2、4−ジメチル−8−キノリノラト)(1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2、5−ジメチル−8−キノリノラト)(2−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−5−フェニル−8−キノリノラト)(フェノラート)ガリウム、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラト)(4−シアノ−1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(o−クレゾラート)ガリウム等のガリウム錯体化合物の他、8−キノリノラトリチウム、ビス(8−キノリノラト)銅、ビス(8−キノリノラト)マンガン、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(8−キノリノラト)亜鉛、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛等の金属錯体化合物があげられる。
【0105】
また、本発明に使用可能な電子注入材料の内、好ましい含窒素五員環誘導体としては、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体があげられ、具体的には、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−チアゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4'−tert−ブチルフェニル)−5−(4"−ビフェニル)1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)]ベンゼン、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)−4−tert−ブチルベンゼン]、2−(4'−tert−ブチルフェニル)−5−(4"−ビフェニル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルチアジアゾリル)]ベンゼン、2−(4'−tert−ブチルフェニル)−5−(4"−ビフェニル)−1,3,4−トリアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−トリアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルトリアゾリル)]ベンゼン等があげられる。
【0106】
さらに、正孔阻止層には、発光層を経由した正孔が電子注入層に達するのを防ぎ、薄膜形成性に優れた層を形成できる正孔阻止材料が用いられる。そのような正孔阻止材料の例としては、ビス(8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラート)アルミニウム等のアルミニウム錯体化合物や、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラート)ガリウム等のガリウム錯体化合物、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)等の含窒素縮合芳香族化合物があげられる。
【0107】
また、本発明の有機EL素子の発光層は、一般式[1]で表されるアミン化合物と、一般式[2]で表されるルビセン構造を有する化合物とを用いることが特に好ましいが、他のホスト材料やドーパントを含有していても構わない。この場合、ドーパントの濃度はホスト材料に対して0.01〜100重量%の範囲で含有されることが好ましく、0.1〜50重量%の範囲で含有されることがより好ましい。
【0108】
本有機EL素子における発光層中には、本発明の有機EL素子用材料の他に、必要に応じて、他の発光材料やドーピング材料のみならず、先に述べた正孔注入材料や電子注入材料を二種類以上組み合わせて使用することもできる。また、正孔注入層、発光層、電子注入層は、それぞれ二層以上の層構成により形成されても良い。
【0109】
さらに、本発明の有機EL素子の陽極に使用される材料は、炭素、アルミニウム、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、タングステン、銀、金、白金、パラジウム等の金属およびそれらの合金、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)等の導電性金属酸化物、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性ポリマー等があげられる。特に本発明の有機EL素子の陽極に使用される導電性材料としては、できるだけ抵抗値の低いものが好ましく、ITOガラス、NESAガラスが好適に使用される。
【0110】
また、本発明の有機EL素子の陰極に使用される材料は、電子を効率よく有機EL素子に注入できる材料であれば特に限定されないが、一般に、白金、金、銀、銅、鉄、錫、亜
鉛、アルミニウム、インジウム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびこれらの合金があげられる。ここで、合金としては、マグネシウム/銀、マグネシウム/インジウム、リチウム/アルミニウム等が代表例としてあげられるが、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの低仕事関数金属を含む合金が好ましい。また、フッ化リチウムのような無機塩を上記低仕事関数金属の替わりに使用することも可能である。また、これら陰極の作成方法としては、抵抗加熱、電子線ピーム照射、スパッタリング、イオンプレーティング、コーティングなどの業界公知の方法で作成することができる。以上述べた陽極および陰極は、必要に応じて二層以上の層構成により形成されていても良い。
【0111】
本発明の有機EL素子からの発光を効率よく取り出すためには、発光を取り出す面の基板の材質が充分透明であることが望ましく、具体的には素子からの発光の発光波長領域における透過率が50%以上、好ましくは90%以上であることが望ましい。これら基板は、機械的、熱的強度を有し、透明であれば特に限定されるものではないが、例えば、ガラスの他、ポリエチレン、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン等の透明性ポリマーが推奨される。
【0112】
また、本発明の有機EL素子の各層の形成方法としては、真空蒸着、電子線ピーム照射、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング等の乾式成膜法、もしくはスピンコーティング、ディッピング、フローコーティング等の湿式成膜法のいずれかの方法を適用することができる。各層の膜厚は特に限定されるものではないが、膜厚が厚すぎると一定の光出力を得るために大きな印加電圧が必要となり効率が悪くなり、逆に膜厚が薄すぎるとピンホール等が発生し、電界を印加しても充分な発光輝度が得にくくなる。したがって、各層の膜厚は、1nmから1μmの範囲が適しているが、10nmから0.2μmの範囲がより好ましい。
【0113】
また、有機EL素子の温度、湿度、雰囲気等に対する安定性向上のために、素子の表面に保護層を設けたり、樹脂等により素子全体を被覆や封止を施したりしても良い。特に素子全体を被覆や封止する際には、光によって硬化する光硬化性樹脂が好適に使用される。
【0114】
以上述べたように、本有機EL素子は、低い駆動電圧で高い色純度と輝度を示す赤色発光を得ることが可能である。故に、本有機EL素子は、壁掛けテレビ等のフラットパネルディスプレイや平面発光体として、さらには、複写機やプリンター等の光源、液晶ディスプレイや計器類等の光源、表示板、標識灯等への応用が考えられる。
【実施例】
【0115】
以下、実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。本例では、特に断りのない限り、混合比は全て重量比を示す。
【0116】
実施例1
厚さ200nmのITO透明電極(陽極)を有するガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄した。その基板を窒素ガスを用いて乾燥し、さらにUV/オゾン洗浄した後、蒸着装置の基板ホルダーに固定し、蒸着槽を4×10-6Torrに減圧した。まず、ITO透明電極上に、下記式(A)で表される分子構造を有するN,N'-ジ(ナフタレン-1-イル)-N,N'-ジフェニル-ベンジジンを、蒸着速度0.2nm/secで80nmの厚さに蒸着し、正孔輸送層とした。次いで、アミン化合物として表1の化合物3と、ルビセン構造を有する化合物として表2の化合物D19を、異なる蒸着源から、蒸着速度0.2nm/secで45nmの厚さに共蒸着(重量比100:2)し、発光層とした。次に、下記式(B)で表される分子構造を有するトリス(8−キノリノラト)アルミニウムを、蒸着速度0.2nm/secで60nmの厚さに蒸着し、電子輸送層とした。さらにその上に、マグネシウムと銀を、蒸着速度0.2nm/secで200nmの厚さに共蒸着(重量比10:1)して陰極とし、有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。尚、蒸着は、蒸着槽の減圧状態を保ったまま実施した。作製した有機電界発光素子に、直流電圧を印下したところ、最高輝度40000cd/m2の赤色の発光が確認された。この素子は駆動電圧5Vでの輝度が700cd/m2であった。さらに発光輝度1000cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命は2900時間であった。



【化8】

【0117】
【化9】

【0118】
実施例2〜実施例20
化合物3の代わりに表3に示すアミン化合物を用いる以外は、全て実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。それぞれの素子に、乾燥雰囲気下、直流電圧を印下したところ、赤色の発光が確認された。これらの素子における、最高輝度および駆動電圧5Vでの輝度および発光輝度1000cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命を併せて表3に示す。これらの素子はいずれも、駆動電圧5Vでの輝度が500cd/m2以上であり、発光輝度1000cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命は2000時間以上であった。
【0119】
表3
【表3】

【0120】
比較例1〜比較例3
化合物3の代わりに公知の化合物である、N,N'-ジ(ナフタレン-1-イル)-N,N'-ジフェニル-ベンジジン(式(A))(比較例1)、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(式(B))(比較例2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラート)アルミニウム(下記式(C))(比較例3)を用いる以外は、実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。それぞれの素子に、乾燥雰囲気下、直流電圧を印下したところ、橙色〜赤橙色の発光が確認された。これらの素子における、最高輝度および駆動電圧5Vでの輝度および発光輝度1000cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命を表4に示す。これらの素子はいずれも、駆動電圧5Vでの輝度が200cd/m2未満であり、発光輝度1000cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命は500時間未満であった。
【化10】

【0121】
表4
【表4】

【0122】
実施例21〜実施例36
化合物D19の代わりに表5に示すルビセン構造を有する化合物を用いる以外は、全て実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。それぞれの素子に、直流電圧を印下したところ、赤色の発光が確認された。これらの素子における、最高輝度および駆動電圧5Vでの輝度および発光輝度1000cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命を併せて表5に示す。これらの素子はいずれも、駆動電圧5Vでの輝度が500cd/m2以上であり、発光輝度1000cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命は2000時間以上であった。
【0123】
【表5】

【0124】
比較例4
化合物D19の代わりに下記式(D)に示すDCJTBを用いる以外は、実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。この素子における最高輝度は2800cd/m2であり、駆動電圧5Vでの輝度は10cd/m2であり、発光輝度500cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命は36時間であった。
【0125】
【化11】

【0126】
以上述べた実施例から明らかなように、本発明の有機EL素子は低電圧駆動時での発光輝度の向上と長寿命化を達成することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式[1]で表される化合物と、下記一般式[2]で表される化合物とを含んでなる有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
一般式[1]
【化1】

[式中、Ar1は、置換もしくは未置換のペリレニル基、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基である。Ar1とR1、Ar1とR2、R1とR2は、互いに結合して環を形成していても良い。]
一般式[2]
【化2】

[式中X1 〜X14は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、カルボン酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、N−アルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換の芳香族基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換の複素環基を表す(隣接した置換基同士で結合して新たな環を形成してもよい。)。]
【請求項2】
陽極と陰極とからなる一対の電極間に、発光層、または発光層を含む複数層の有機化合物薄膜を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、少なくとも一層が、請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含む有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項3】
陽極と陰極とからなる一対の電極間に、発光層、または発光層を含む複数層の有機化合物薄膜を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層が、請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含む有機エレクトロルミネッセンス素子。