説明

有機化合物の使用

本発明は、概して、骨成長におけるカルシトニンおよびその使用に関する。具体的には、本発明は、それを必要とする患者における新しい骨形成を刺激するための、カルシトニン、例えばサケカルシトニンの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、カルシトニンおよび骨成長におけるその使用に関する。具体的には、本発明は、それを必要とする患者において、新しい骨形成を刺激するための、カルシトニン、例えばサケカルシトニンの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明のカルシトニン、例えばサケ(Asu−1、7)、ウナギまたはヒトカルシトニンは、哺乳動物の甲状腺の傍濾胞細胞から、ならびに鳥類および魚類の鰓後体から、分泌される長鎖ポリペプチドホルモン化合物である。カルシトニンは主に、破骨細胞骨吸収の強力な阻害剤として公知であり、それは、破骨細胞の骨結合および酵素分解に関係する。例えば、無作為化臨床試験は、サケカルシトニン(sCT)の長期間投与が、骨量減少を阻止し、脊椎(骨梁)の骨量を増加させ、閉経後の女性における骨折の危険を減らすことを示す(Chesnut CH et al., 2000, PROOF Study Group. Am J Med 109: 267−76; Trovas GP et al., 2002, J Bone Miner Res 17: 521−7; Reginster JY et al., 1994, Eur J Clin Invest 24: 565−9; Overgaard K et al., 1992, BMJ 305: 556−61; Overgaard K, 1994, Calcif Tissue Int 55: 82−86)。
【0003】
骨格は常に、新しい骨を作る骨芽細胞と、骨を破壊または吸収する破骨細胞の間のバランスにより再構築されている。いくつかの疾患状態において、および加齢に伴い、骨形成と骨吸収のバランスが崩れる;骨がより速い速度で除かれる。そのような長期間にわたる再吸収の持続的不均衡は、骨構造の弱化をもたらし、骨折の危険性を高くする。
【発明の開示】
【0004】
本発明により、カルシトニン、例えばサケカルシトニンが、臨床試験において(実施例1を参照のこと)、骨吸収マーカーのみが阻害され、骨形成マーカーは変化のないままであるという、全体的に骨形成効果を与えるという驚くべき発見が今回なされた。この発見は、骨吸収マーカーならびに骨形成マーカーの血漿レベルを下げる、ビスホスフォネートと称される化合物クラスとは対照的である(Garnero P et al., Markers of bone resorption predict hip fracture in elderly women: The EPIDOS study. J.Bone Miner.Res. 1996, 11(10): 1531−38)。
【0005】
よって、カルシトニン、例えばサケカルシトニンは、特に、例えば骨粗鬆症、骨減少症、腫瘍(とりわけ、腫瘍浸潤および骨転移(BM))、腫瘍誘導性高カルシウム血症(TIH)ならびに多発性骨髄腫(MM))を含む、重度の様々な骨量減少疾患(bone loss disease)の処置に有用である。
【0006】
従って、本発明は、重度の骨量減少疾患の処置のための方法であって、かかる処置を必要とする患者において、有効量のカルシトニン、例えばサケカルシトニンを該患者に投与することを含む方法を提供する。
【0007】
従って、本発明は、新しい骨形成を刺激する方法であって、それを必要とする患者において、有効量のカルシトニン、例えばサケカルシトニンを該患者に投与することを含む方法を提供する。
【0008】
本発明はさらに、哺乳動物、例えばヒトにおける新しい骨形成の刺激のための薬剤の製造における、カルシトニン、例えばサケカルシトニンの使用を提供する。
【0009】
本発明はさらに、哺乳動物、例えばヒトにおける重度の骨量減少疾患の処置のための薬剤の製造における、カルシトニン、例えばサケカルシトニンの使用を提供する。
【0010】
本発明は、さらにまた、哺乳動物、例えばヒトにおける重度の骨量減少疾患の処置における、カルシトニン、例えばサケカルシトニンの使用を提供する。
【0011】
本発明は、さらにまた、哺乳動物、例えばヒトにおける新しい骨形成の刺激における、カルシトニン、例えばサケカルシトニンの使用を提供する。
【0012】
好ましくは、本発明は、疾患および医学的状態の処置のために用いられ、ここで、カルシトニン、例えばサケカルシトニンが、全体的に骨成長効果を有するために用いられる。例えば、本発明は、例えば不適切な骨代謝の結果、過剰なまたは不適切な骨量減少を伴う疾患および状態の処置のために用いられ得る。そのような疾患および状態の例には、様々な原因の骨粗鬆症、歯周病のような良性の疾患および状態の重症型;および、とりわけ、様々な癌、例えば乳癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、卵巣癌、または骨肉腫と関係するMMおよびTIHおよびBMのような悪性疾患が含まれる。概して、本発明は、重度の骨量減少疾患を処置するために用いることができ、また、他の状況においては、例えば、カルシトニン、例えばサケカルシトニンを、骨折の治癒、骨壊死または人工関節の緩みの処置に用いるとき、カルシトニン、例えばサケカルシトニンを用いることができる。カルシトニン、例えばサケカルシトニンは、特に、骨粗鬆症、骨関節炎および他の炎症性関節炎、および一般的に、加齢による骨量減少を含む骨量減少疾患、および特に歯周病、を含む骨代謝の疾患の重症型を処置するために有用である。
【0013】
故に、本発明は、哺乳動物、好ましくは例えばヒトなどの哺乳動物、より好ましくは骨粗鬆症、例えば重度の骨粗鬆症の危険があるかまたはそれを有する閉経後の女性において、骨折、好ましくは脊椎および大腿骨骨折の危険を減少するための医薬の製造を目的とした、カルシトニン、例えばサケカルシトニンの使用に関する。該医薬を、可能性のある外傷部位または実際の外傷部位にて硬度および/または強靱性を増加するために用いることができる。外傷には、一般的に、骨折、外科的外傷、関節置換術によるもの、矯正法によるものなどが含まれる。骨の強靱性および/または硬度の増加には、一般的に、特定の骨、例えば脊椎および長骨の骨膜下部位のミネラル密度の増加、骨の強度の増加などを含む。骨折の発生の減少には、一般的に、未処置の対照集団と比較して、対象者について骨折の可能性または実際の発生の減少が含まれる。さらに、大腿骨ミネラル密度により、一般的に、骨折についての長期的な危険性を予測することができる(Melton et al, J. of Bone and Miner Res, 2003; 18(2):312−318)。
【0014】
本発明の使用および方法は、骨量減少疾患の既存の治療法の改良法を示し、そこで、例えば、ビスホスフォネートを、骨転移の発生または過度の骨吸収を予防または阻止するため、およびまた、リウマチ性関節炎および骨関節炎のような炎症性疾患の治療のため、ならびに骨粗鬆症および骨減少症(osteopenia)のすべての形態のために用いる。
【0015】
故に、本明細書中、用語“処置”または“処置する”は、予防的または防止的処置の両方、ならびに重度の骨量減少疾患の治療または処置、特に重度の骨粗鬆症の処置を意味する。
【0016】
故に、特定の態様において、本発明は、重度の骨量減少疾患の処置のための方法であって、かかる処置を必要とする患者において、有効量のカルシトニン、例えばサケカルシトニンを該患者に投与することを含む方法;骨量減少疾患の重症型または複数の重症型の処置のための医薬の製造における、カルシトニン、例えばサケカルシトニンの使用;または、骨量減少疾患の重症型または複数の重症型の処置のための薬剤としての、カルシトニン、例えばサケカルシトニンの使用、を提供する。
【0017】
これらの適応症について、適当な投与量は、もちろん、例えば、用いるべき特定のカルシトニン、例えばサケカルシトニン、宿主、投与方法ならびに処置すべき状態の性質および重症度に依存して変化するだろう。しかしながら、一般的に、動物における満足のいく結果が、動物体重1kgあたり約0.001から約0.1mgの1日投与量で得られることが示される。より大きな哺乳動物、例えばヒトにおいて、指示される1日投与量は、約0.01から約10mgの範囲の本発明の化合物であり、例えば、1日4回までの分割用量で都合よく投与される。カルシトニン、例えばサケカルシトニンを、何らかの常套法、例えば錠剤またはカプセルの形態で、例えば経口で、または例えば注射溶液もしくは溶液の形態で非経腸的に投与することができる。
【0018】
他の局面において、本発明は、骨粗鬆症および/または重度の骨粗鬆症の処置のための医薬の製造を目的とした、経口投与用医薬組成物(該組成物は、0.1から3mgのサケカルシトニンを含む。)の使用を提供する。2.5mg未満の化合物A、例えば0.1から2.5mg、好ましくは0.15mg、0.4mg、0.8mg、1.0mg、または2.5mgの化合物Aを含む医薬組成物が、さらに好ましい。0.4mgから1mgの化合物A、例えば0.8mgの化合物Aを含む医薬組成物が、さらにより好ましい。あるいは、本発明は、骨粗鬆症および/または重度の骨粗鬆症の処置のための方法であって、かかる処置を必要とする患者において、0.1から3mgのカルシトニン、例えばサケカルシトニンを該患者に投与することを含む方法を提供する。さらに好ましい処置法は、2.5mg未満の化合物A、例えば0.1から2.5mg、好ましくは0.15mg、0.4mg、0.8mg、1.0mg、または2.5mgの化合物Aを含む処置である。0.4mgから1mgの化合物A、例えば0.8mgの化合物Aを含む処置が、さらにより好ましい。
【0019】
本発明はまた、重度の骨量減少疾患の処置における使用のための、カルシトニン、例えばサケカルシトニンを、少なくとも1個の薬学的担体または希釈剤と共に含む医薬組成物を提供する。かかる組成物は、常套法で製造することができる。単位投与量形態は、例えば、約0.1から約3mg、好ましくは0.4から1.0mgのカルシトニン、例えばサケカルシトニンが含み得る。
【0020】
カルシトニン、例えばサケカルシトニンの経口送達は、一般的に、それが、便利で、比較的簡易でかつ一般的に痛みを伴わず、結果として、他の送達経路と比較してより良好な患者のコンプライアンスをもたらすために、選択される送達経路である。しかしながら、胃腸管の多様なpH、強力な消化酵素、および活性成分の胃腸膜不透過性のような生物学的、化学的および物理的バリアーが、カルシトニン、例えばサケカルシトニンの哺乳動物への経口送達の問題点であり、例えば、哺乳動物の甲状腺の傍濾胞細胞ならびに鳥類および魚類の鰓後体により分泌される長鎖ポリペプチドホルであるカルシトニンの経口送達は、少なくとも一部において、胃腸管におけるカルシトニンの不十分な安定性、ならびにカルシトニンが腸壁を通過して容易に血流中に運ばれ得ないことにより困難であると証明されている。
【0021】
米国特許番号第5,773,647号および同第5,866,536号は、ヘパリンおよびカルシトニンのような活性成分を、N−(5−クロロサリチロイル)−8−アミノカプリル酸(5−CNAC)、N−(10−[2−ヒドロキシベンゾイル]アミノデカン酸(SNAD)、およびN−(8−[2−ヒドロキシベンゾイル]アミノ)カプリル酸(SNAC)のような修飾アミノ酸と共に経口送達するための組成物を記載する。さらに、WO00/059863は、カルシトニン、例えばサケカルシトニンのような活性成分の経口送達に特に効果的な、式I
【化1】

[式中、
、R、RおよびRは、独立して、水素、−OH、−NR、ハロゲン、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシであり;
は、置換もしくは非置換C−C16アルキレン、置換もしくは非置換C−C16アルケニレン、置換もしくは非置換C−C12アルキル(アリーレン)、または置換もしくは非置換アリール(C−C12アルキレン);そして
およびRは、独立して、水素、酸素、またはC−Cアルキルである。]
で示されるジナトリウム塩、ならびにその水和物および溶媒和物を開示する。
【0022】
カルシトニン、例えばサケカルシトニンを、唯一の活性成分として、または、例えばアジュバントとして、他の治療薬(他の薬剤)と併用して投与することができる。他の薬剤の例には、骨吸収疾患、新生物疾患、関節炎、カルシトニン、例えばサケカルシトニンの高存在により悪化した疾患、カルシトニン、例えばサケカルシトニンの存在により改善された活性または疾患の処置または予防;骨細胞における、カルシトニン、例えばサケカルシトニンの機能の活性化;癌細胞における、カルシトニン、例えばサケカルシトニンの機能の阻害;細胞における、カルシトニン、例えばサケカルシトニンの発現の阻害;そして、腫瘍細胞の増殖阻害のために有用な薬剤が含まれるが、これらに限定されない。他の薬剤を、カルシトニン、例えばサケカルシトニンの前、後または同時に投与することができる。これらの態様において、カルシトニン、例えばサケカルシトニンが、患者に対してその治療効果を与える時間は、他の薬剤が、患者に対してその治療効果を与える時間と重なる。
【0023】
1つの態様において、他の薬剤は、骨量減少疾患(例えば、骨粗鬆症)の処置または予防に有用である。骨量減少疾患の処置または予防に有用な他の薬剤には、他のカルシトニン、(Asu−1,7)ウナギまたはヒトカルシトニン、ビスホスフォネート(例えば、エイトドロネート(eitodronate)、パミドロネート、アレンドロネート、リセドロネート、ゾレドロン酸、イバンドロネート、クロドロネートまたはチルドロネート)、タモキシフェン、ラロキシフェン、メドロキシプロゲステロン、ダニゾール(danizol)およびゲストリノンのような選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、副甲状腺ホルモン(“PTH”)またはそのフラグメントまたは類似体、内因性PTHを放出する化合物(例えば、PTH放出化合物)およびそのカルシトニンフラグメントまたは類似体が含まれるが、これらに限定されない。
【0024】
他の態様において、他の薬剤は、新生物疾患の処置または予防に有用である。1つの態様において、他の治療薬は、癌(例えば、乳癌、卵巣癌、子宮癌、前立腺癌または視床下部の癌)の処置または予防に有用である。癌または新生物疾患の処置または予防に有用な他の治療薬には、アルキル化剤(例えば、ニトロソウレア)、代謝拮抗剤(例えば、メトトレキサートまたはヒドロキシウレア)、エトポシド、カンパセシン(campathecin)、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、コルヒチン、イリノテカン、カンプトテシン、シクロホスファミド、5−フルオロウラシル、シスプラチン、カルボプラチン、メトトレキサート、トリメトレキサート、エルビタックス、サリドマイド、タキソール、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチンまたはビンクリスチン)または微小管安定化剤(例えば、エポチロン)が含まれるが、これらに限定されない。
【0025】
癌の処置または予防に有用な他の薬剤のさらなる例示には、アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン(ambomycin);酢酸アメタントロン;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アンテラマイシン(anthramycin);アスパラギナーゼ;アスペリン(asperlin);アザシチジン;アゼテパ(azetepa);アゾトマイシン(azotomycin);バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;ビスナフィドジメシレート;ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナール・ナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カーベタイマー;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン;セデフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン(cirolemycin);シスプラチン;クラドリビン;クリスナトールメシレート;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバシン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;メシル酸デザグアニン;ジアジコン;ドセタキセル;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン(duazomycin);エダトレキサート;塩酸エフロールニチン;エルサミトルシン(elsamitrucin);エンロプラチン;エンプロマート;塩酸エピプロピジン;エピルビシン;エルブロゾール(erbulozole);塩酸エソルビシン(esorubicin hydrochloride);エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン(etoprine);塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシウレア;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イルモルフォジン(ilmofosine);免疫調節薬(ImiD);インターロイキンII(組換えインターロイキンIIまたはrIL2を含む)、インターフェロン−2a;インターフェロン・アルファ−2b;インターフェロン・アルファ−n1;
【0026】
インターフェロン・アルファ−n3;インターフェロン・ベータ−Ia;インターフェロン・ガンマ−Ib;イプロプラチン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアゾロール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン;マソプロコール;マイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲステロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;マイトカルシン(mitocarcin);マイトクロミン(mitocromin);マイトジリン;マイトマルシン(mitomalcin);マイトマイシン;マイトスパー(mitosper);ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペグアスパラガーゼ;ペリオマイシン(peliomycin);ペンタムスチン(pentamustine);硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;プポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン(porfiromycin);プレドニムスチン(prednimustine);塩酸プロカルバジン;ピューロマイシン;ピューロマイシン塩酸塩;ピラゾフリン(pyrazofurin);リボプリン;ログレチミド;サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;選択的サリドマイド阻害剤(SelCid);セムスチン;シムトラゼン;スパルフォセート・ナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スパルソマイシン;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン(talisomycin);テコガランナトリウム;テガフール;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン(teroxirone);テストラクトン;チアミプリン(thiamiprine);チオグアニン;テモゾロマイド;テモダール;チオテパ;チアゾフリン(tiazofurin);チラパザミン;クエン酸トレミファン;酢酸トレストロン;トリシリビンリン酸塩;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリポレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バブレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビンピジン(vinepidine sulfate);硫酸ビングリシネート(vinglycinate sulfate);硫酸ビンロウロシン(vinleurosine sulfate);酒石酸ビノレルビン;硫酸ビントシジン(vinrosidine sulfate);硫酸ビンゾリジン(vinzolidine sulfate);ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;塩酸ゾルビシンが含まれるが、これらに限定されない。
【0027】
癌の処置または予防に有用な他の薬剤には、20−エピ−1,25ジヒドロキシビタミンD3;5−エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール(adecypenol);アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL−TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドクス(amidox);アミフォスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレライド;アナストロゾール;アンドログラフォロイド;血管新生阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリクス(antarelix);抗背側化形態形成タンパク質1(anti-dorsalizing morphogenetic protein−1);抗アンドロゲン剤、前立腺癌;抗エストロゲン剤;アンチネオプラストン;グリシン酸アフィディコリン;アポトーシス遺伝子モジュレーター;アポトーシス調節因子;アプリン酸;アラ−CDP−DL−PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン(asulacrine);アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1(axinastatin 1);アキシナスタチン2(axinastatin 2);アキシナスタチン3(axinastatin 3);アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール(balanol);バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾピラノン;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;β−アレチン(beta−alethine);ベータクラマイシンB(betaclamycin B);ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA(bistratene A);ビセレシン;ブレフレート(breflate);ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルフォスチンC;カンプトテシン誘導体;キャナリーポックスIL−2;カペシタビン;カルボキサミド−アミノ−トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);細胞周期阻害剤(例えば、フラボピリドール A、トリプロスタチンB、p19ink4D);サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、ロスコビチン、オロムシン(olomucine)およびプリン類似体);MAPキナーゼ阻害剤(CNI−1493);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロリン(chlorln);クロロキノキサリン・スルホンアミド;シカプロスト;シス−ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体(clomifene analogue);クロトリマゾール;コリスマイシンA(collismycin A);コリスマイシンB(collismycin B);コンブレタスタチンA4;
【0028】
コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クランベスシジン(crambescidin)816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;キュラシンA;シクロペンタンスレキノン(cyclopentanthraquinone);シクロプラタム(cycloplatam);シペマイシン(cypemycin);シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;サイトスタチン;ダクリキシマブ(dacliximab);デシタビン;デヒドロダイデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシフォスファミド(dexifosfamide);デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジコン;ダイデムニンB;ジドックス(didox);ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ−5−アザシチジン;ジヒドロタキソール、9−;ジオキサマイシン(dioxamycin);ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドルセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビロール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロールニチン;エレメン;エミテフール;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルニシン(fluorodaunorunicin hydrochloride);ホルフェニメクス;フォルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウム・テキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム(hepsulfam);ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン(imidazoacridone);イミキモド;免疫賦活性ペプチド;インスリン様成長因子1受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール、4−;イロプラクト(iroplact);イルソグラジン;イソベンガゾール(isobengazole);イソホモハリコンドリンB(isohomohalicondrin B);イタセトロン;ジャスプラキノリド(jasplakinolide);ゴクラクミドリ貝(kahalalide F);ラメラリン−N トリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;
【0029】
レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン(leptolstatin);レトロゾール;白血病抑制因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロイド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミゾール;リアロゾール;直鎖ポリアミン類似体;脂溶性二糖類ペプチド;脂溶性白金化合物;リソクリンアミド7(lissoclinamide 7);ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルートテカン(lurtotecan);ルテチウム・テキサフィリン;イゾフィリン(lysofylline);細胞溶解性ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリリシン阻害剤;マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミスマッチ二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体;メトナフィド(mitonafide);マイトトキシン線維芽細胞増殖因子−サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリルリピドA+マイコバクテリウム細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子阻害剤;多発性腫瘍抑制因子1に基づく治療;マスタード抗癌剤;マイカペルオキシド(mycaperoxide)B;マイコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン(myriaporone);N−アセチルディナリン(N-acethyldinaline);N置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチプ(nagrestip);ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン(napavin);ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン(nemorubicin);ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン(nisamycin);一酸化窒素モジュレーター;ニトロキシド抗酸化剤;ニトルリン(nitrullyn);O6−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン(okicenone);オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オラシン(oracin);経口サイトカイン誘発剤;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキザウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセル類似体;パクリタキセル誘導体;パラウアミン(palauamine);パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン(parabactin);パゼリプチン;ペグアスパラガーゼ;ペルデシン;ペントサン多硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール(pentrozole);ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;
【0030】
フェナジノマイシン;フェニルアセテート;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニール;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノゲン活性化阻害剤;白金複合体;白金化合物;白金−トリアミン複合体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピル ビス−アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインAをベースとする免疫モジュレーター;プロテインキナーゼC阻害剤;プロテインキナーゼC阻害剤、微細藻類;プロテイン・チロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシ化ヘモグロビンポリオキシエチレン複合体;raf・アンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;レチノイン酸(例えば、9−シスRA);ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、酪酸ナトリウム、スベロイラニリド・ヒドロキサム酸);TRAIL;rasファルネシルタンパク質転移酵素阻害剤;ras阻害剤;ras−GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン;レニウム・Re186・エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド;ログレチミド;ロヒツカイン(rohitukine);ロムルチド;ロキニメクス;ルビジノンB1(rubiginone B1);ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン(saintopin);SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi 1模倣物;セムスチン;老化誘導阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達モジュレーター;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ボロカプテイト(sodium borocaptate);フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール(solverol);ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルホス酸;
【0031】
スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンジスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分裂阻害剤;スチピアミド(stipiamide);ストロメライシン阻害剤;スルフィノシン(sulfinosine);スーパーアクティブ血管活性腸管ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ(suradista);スラミン;スワインソニン;合成グルコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェン・メチオダイド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム(tellurapyrylium);テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロマイド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン(tetrazomine);タリブラスチン(thaliblastine);チオコラリン(thiocoraline);トロンボポエチン;トロンボポエチン模倣物;サイマルファシン;サイモポエチン受容体アゴニスト;サイモトリナン(thymotrinan);甲状腺刺激ホルモン;スズ・エチル・エチオプルプリン;チラパザミン;二塩化チタノセン(titanocene bichloride);トップセンチン(topsentin);トレミフェン;万能幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリポレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チロホスチン(tyrphostin);UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞誘導増殖阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バブレオチド;バリオビン(variolin)B;ベクター系、赤血球遺伝子治療;ベラレゾール;ベラミン;バーディン(verdin);ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;バイタクシン;ボロゾール;ザノテロン(zanoterone);ゼニプラチン;ジラスコルブ;および、ジノスタチン・スチマラマーが含まれるが、これらに限定されない。好ましいさらなる抗癌剤は、5−フルオロウラシルおよびロイコボリンである。
【0032】
上記に従い、本発明は、なおさらなる局面を提供する:
上記の方法は、治療的有効量のカルシトニン、例えばサケカルシトニン、および、例えば上記の少なくとも1つの第2薬剤(該第2薬剤は、骨量減少疾患に対する治療薬である。)の共投与、例えば同時または連続投与を含む。
【0033】
または、a)カルシトニン、例えばサケカルシトニン、およびb)例えば上記の、骨量減少疾患に対する治療薬から選択される少なくとも1個の第2薬剤、の治療的有効量を含む治療的組合せ剤、例えばキット(=パッケージング)を含む。上記キットは、その投与のための指示書を含んでいてよく、例えばサケカルシトニンを、0.1mgから2.5mgのカルシトニン、例えばサケカルシトニン、好ましくは0.4mgから1.0mgのカルシトニン、例えばサケカルシトニンの量で服用すべきであるという指示書を含んでいてよい。
【0034】
カルシトニン、例えばサケカルシトニンを、骨量減少疾患に対する他の治療薬と併用投与するとき、共投与した併用化合物の投与量は、もちろん、用いる共薬剤のタイプ、例えばそれが、ビスホスフォネート、SERM、カルシトニン、PTH、PTH断片、PTH類似体またはその他であるかどうか、用いる特定の薬剤、処置すべき状態などに依存して変化する。カルシトニン、例えばサケカルシトニン、および第2薬剤を含む医薬組成物を、常套法で製造することができる。本発明の組成物を、何らかの常套経路、例えば注射溶液(例えば、ゾレドロン酸について)または懸濁液の形態で、例えば非経腸的に、または、例えば錠剤またはカプセルで、経腸的に、好ましくは経口にて(例えば、化合物Aについて、上記を参照のこと)投与することができる。
【0035】
カルシトニン、例えばサケカルシトニンに関して、用語“有効量”は、骨量減少疾患、特に重度の骨量減少疾患、好ましくは重度の骨粗鬆症、好ましくは閉経後の女性における重度の骨粗鬆症、新生物疾患、関節炎、カテプシンK活性の存在によって悪化した疾患、またはカテプシンK阻害剤の存在により改善された活性または疾患の処置;骨細胞におけるカテプシンKの機能の活性化;癌細胞におけるカテプシンKの機能の阻害;細胞におけるカテプシンKの発現の阻害;または、腫瘍細胞の増殖の阻害が可能な量を意味する。
【0036】
他の治療薬に関して、用語“有効量”は、骨量減少疾患、特に重度の骨量減少疾患、好ましくは重度の骨粗鬆症、好ましくは閉経後の女性における重度の骨粗鬆症、新生物疾患、関節炎、エストロゲンの存在によって悪化した疾患、またはカルシトニン、例えばサケカルシトニンの存在により改善された疾患の処置または予防;骨細胞におけるカルシトニン、例えばサケカルシトニンの機能の活性化;癌細胞におけるカルシトニン、例えばサケカルシトニンの機能の阻害;細胞におけるカルシトニン、例えばサケカルシトニンの発現の阻害;または、カルシトニン、例えばサケカルシトニンが、その治療または予防効果を発揮する間の腫瘍細胞の増殖阻害が可能な量を意味する。
【0037】
用語“重度の骨量減少疾患”は、上記の重度の骨量減少疾患うちの1つを意味するか、いくつかの重度の骨量減少疾患を意味し得る。
【0038】
用語“重度の骨粗鬆症”は、WHOに従い理解されるべきであり、すなわち重度の骨粗鬆症は、骨ミネラル含有量の値が、若い成人の平均を2.5SD以上下回り、少なくとも1箇所の、いわゆる虚弱性骨折(軽い外傷の結果として起こったため、骨粗鬆症と関係があると考えられる骨折)があるとき、存在すると見なされる。
【0039】
用語“骨ミネラル密度”またはBMDは、骨の特定領域のミネラルの量が測定されることを意味する。ミネラルが多いほど、骨の密度が高い。ミネラルは、グラム数で測定し;領域は、平方センチメートルで測定する。BMDは、平方センチメートル当たりのグラム数として記載する。
【0040】
用語“Tスコア”は、35歳の平均的で健康な若い大人の女性の骨密度と比較した骨密度である。Tスコアは、平均スコアからの相違を表す、標準偏差(SD)と称される統計的尺度に基づく。
【0041】
“患者”には、ヒトを含む哺乳動物、例えばウシ、サル、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、七面鳥、ウズラ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギおよびモルモットのような動物が含まれるが、これらに限定されない動物であり、好ましくはヒトである。
【0042】
本発明は、下記の実施例に説明を目的としてさらに記載される。
【実施例】
【0043】
実施例1 男性における血清CTX−Iおよび経口サケカルシトニン
血清CTX−I、またはCrossLaps(登録商標)(Nordic Bioscience Diagnostics A/S、カタログ番号4CRL4000)は、骨吸収の定量的評価のための酵素免疫測定法(enzyme−immunoassay)であり、FDAにより認可されている。それは、I型コラーゲンのC−テロペプチド由来のEKAHD−β−GGRのアミノ酸配列に対する2つの非常に特異的なモノクローナル抗体に基づく。アスパラギン酸残基(D)は、β異性化されている。標準(スタンダード)、対照、または未知の血清試料を、ストレプトアビジンでコートした適当なマイクロタイターウェル中にピペットで入れ、次いで、ビオチン化抗体とペルオキシダーゼ結合抗体の混合物を加える。その後、CTX抗原、ビオチン化抗体およびペルオキシダーゼ結合抗体の複合体が産生され、この複合体は、ビオチン化抗体によりストレプトアビジン表面に結合する。室温での一段階インキュベーション後、ウェルを空にして洗浄する。発色性基質を添加し、呈色反応を硫酸で終了させる。最後に、吸光度を測定する。
【0044】
CTX−Iの血清レベルに対する経口サケカルシトニン(SCT)の効果を、ランダム化した試験参加者(8名の男性ボランティア)に、5つの期間の交叉デザイン(five−period cross−over design)においてSCTまたはプラセボのverum静脈内注入で3種の単一用量のSCTを受容させることにより調べる(この試験は、Buchlin et al., J Bone Miner Res., (2002);17:1478−1485に詳細に記載される。)。
【0045】
血清CTX−Iは、経口および静脈内SCT後の骨吸収の、処置後2−4時間で最低に達し、24時間後、徐々に処置前のレベルに戻るという、著しい用量依存的阻害を証明した。
【0046】
実施例2 閉経後の女性における血清CTX−I/N−MIDオステオカルシンおよび経口カルシトニン
N−MID(登録商標)オステオカルシンELISA(Nordic Bioscience Diagnostics A/S、カタログ番号3OSC4000)は、骨形成の定量的評価のための酵素免疫吸着法(enzyme innuosorbent assay)であり、FDAにより認可されている。それは、ヒトオステオカルシンに対する2つの非常に特異的なモノクローナル抗体の適用に基づく。中間領域(アミノ酸20−29)を認識する抗体を、キャプチャー抗体として用い、検出のために、N末端部位(アミノ酸10−16)を認識するペルオキシダーゼ結合抗体を用いる。無傷のオステオカルシン(アミノ酸1−49)に加えて、N末端−中間(Mid)フラグメント(アミノ酸1−43)もまた、検出される。
【0047】
標準、対照、または未知の血清試料を、ストレプトアビジンでコートした適当なマイクロタイターウェル中にピペットで入れる。その後、ビオチン化抗体とペルオキシダーゼ結合抗体の混合物を加える。室温で2時間後、ウェルを洗浄し、発色性基質を添加し、呈色反応を硫酸で終了させる。最後に、吸光度を測定する。
【0048】
閉経後の女性における、血清CTX−IおよびN−MID(登録商標)オステオカルシンのSCTに対する反応を、55−85歳の277名の試験参加者を含む、多施設(multi−center)、無作為化、二重盲検、プラセボ−対照、用量−序列臨床試験において調査する(この試験は、出版されているTanko et al., J Bone Miner Resに詳細に記載される。)。この試験参加者は、3ヶ月間、活性剤処置(0.15、0.4、1.0、または2.5mgの日用量か、または1日おきに1.0mg)、またはプラセボを受容し、血清CTX−IならびにN−MID(登録商標)オステオカルシンを、薬剤投与前の24時間の間に頻繁に、ならびに1ヶ月後および3ヶ月後に測定する。
【0049】
初回投与後、血清CTX−Iは、プラセボと比較して用量依存的に(基線から−60.8〜−81.8%)減少する。しかしながら、N−MID(登録商標)オステオカルシンの変化は、取るに足りない程度である。
【0050】
これらのデータは、SCTが骨吸収を抑制し、骨形成を維持することを示唆する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重度の骨量減少疾患(bone loss disease)の処置のための方法であって、かかる処置を必要とする患者において、有効量のカルシトニン、例えばサケカルシトニンを該患者に投与することを含む、方法。
【請求項2】
重度の骨量減少疾患の処置のための薬剤の製造における、カルシトニン、例えばサケカルシトニンの使用。
【請求項3】
重度の骨量減少疾患の処置における使用のための、カルシトニン、例えばサケカルシトニンを活性成分として含む、医薬組成物。
【請求項4】
前記疾患が重度の骨粗鬆症である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法、使用または組成物。
【請求項5】
前記疾患が、閉経後の女性における重度の骨粗鬆症である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法、使用または組成物。
【請求項6】
骨粗鬆症を処置するための薬剤の製造を目的とした、2.5mg未満のサケカルシトニンを含む経口医薬組成物の使用。
【請求項7】
該組成物が、0.4mgから1.0mgのサケカルシトニンを含む、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
重度の骨粗鬆症を処置するための薬剤の製造を目的とした、2.5mg未満のサケカルシトニンを含む経口医薬組成物の使用。
【請求項9】
骨粗鬆症の処置のための方法であって、かかる処置を必要とする患者において、2.5mg未満のサケカルシトニンを該患者に投与することを含む、方法。
【請求項10】
重度の骨粗鬆症の処置のための方法であって、かかる処置を必要とする患者において、2.5mg未満のサケカルシトニンを該患者に投与することを含む、方法。

【公表番号】特表2008−515947(P2008−515947A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536066(P2007−536066)
【出願日】平成17年10月10日(2005.10.10)
【国際出願番号】PCT/EP2005/010892
【国際公開番号】WO2006/040114
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【出願人】(506025523)ノルディック・バイオサイエンス・アクティーゼルスカブ (5)
【氏名又は名称原語表記】NORDIC BIOSCIENCE A/S
【Fターム(参考)】